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テクノメディカ(6678)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 主力は医療機器の開発・販売
    テクノメディカは、臨床検査に使われる分析装置や医療機器の研究開発、製造、販売、輸出を主な事業としています。これには、採血や尿検査の準備を自動化するシステムや、血液などを分析する検査装置が含まれます。また、これらの装置で使う消耗品の製造・販売や保守サービスも行っています。
  • 直接販売と業者経由
    製品の販売は、テクノメディカが直接病院などの顧客に販売する場合と、販売業者を通じて販売する場合があります。国内外の医療機関が主な顧客となり、医療現場の効率化と検査の精度向上に貢献しています。
  • 消耗品と保守サービス
    装置本体だけでなく、採血管準備装置や検体検査装置で日常的に使用されるラベル、試薬、センサーカードなどの消耗品も製造・販売しています。さらに、装置の保守サービスも提供しており、これらが安定した収益源となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 採血管準備装置・システム
    採血・採尿検査の受付から、採血管の準備作業までを自動で行うシステムです。患者の待ち時間短縮、医療従事者の業務支援、検体取り違え防止を目的としており、国内2,500施設以上、海外500施設以上に導入実績があります。
  • 検体検査装置
    血液中の酸素分圧やpH、電解質などを測定する血液ガス分析装置や、赤血球沈降速度測定機など、患者の傷病評価に使う検査装置です。デスクトップ型とハンディ型があり、検査室や集中治療室、動物病院など多様な場所で利用されています。
  • 消耗品等
    採血管準備装置や検体検査装置で使用するラベル、試薬、センサーカード、尿カップなどの消耗品を製造・販売しています。また、これらの装置の保守サービスも提供しており、装置の設置台数が増えるにつれて、消耗品や保守サービスによる売上も増加する傾向にあります。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,686 文字
3【事業の内容】 当社は、臨床検査用分析装置及び医療機器の研究開発、製造、販売、輸出及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる業務とし、さらにこれら装置の保守サービス等の事業活動を展開しております。 販売系統としましては、当社が直接国内・海外ユーザーへ製品を販売する場合と、販売業者を経由し国内・海外ユーザーへ製品を販売する場合があります。なお、子会社・関連会社はありません。当社は医療機器及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため品目別に事業の内容を記載いたします。当社の製品は3つに分類でき、その内容は下記のとおりであります。 (1)採血管準備装置・システム 採血管準備装置および関連システムとは、採血・採尿検査に関する受付業務から、採血整理券と患者ラベルを貼付した尿カップの発行を行い、かつ採血管準備作業を自動でおこなう一連のシステムであります。採血管準備装置には、採血管準備装置とその周辺機器である採血・採尿自動受付機、採血台表示システム、自動検体仕分け装置、全自動尿分析・分取装置、一般検査前処理装置、RFID検体情報統括管理システム(Radio Frequency Identification)があります。 採血管準備装置および関連システムは、採血患者の待ち時間短縮、採血業務に従事する臨床検査技師、看護師の採血業務支援ならびに、検体の取り違え防止を目的としたシステムであり、採血・採尿自動受付機、採血台表示システム、患者誘導外待ちディスプレイといった各種周辺機器を付加することで、それぞれの医療施設にあった採血管準備のトータルシステムを提供することが可能であります。なお、RFID検体情報統括管理システムは、ICタグの個別情報を無線通信によって読み書きするRFID技術を応用し、採血管や尿検体の患者認証から検体搬送までを効率的に管理するシステムです。 (2)検体検査装置 検体検査装置とは、医療施設において血液等の検体を測定し、値を数値化することにより、患者の傷病を評価するための検査装置であります。当社で販売している検体検査装置は、血液中の酸素分圧や炭酸ガス分圧及び、pH等を測定する血液ガス分析装置・ハンディ型血液ガス分析装置、電解質を分析する専用の電解質分析装置、赤血球の凝縮による血球の沈降度を測定する赤血球沈降速度測定機、DNAの酸化的損傷ストレスマーカーである尿中8-hydroxy-deoxyguanosine(8-OHdG)を測定する尿中酸化ストレスマーカー測定システム、ヘルスケア製品等であります。 (3)消耗品等 消耗品としては、採血管準備装置や検体検査装置で使用するラベル、日常校正イオン電極用常用標準血清、センサーカード、ガストロール、キャリブレーション用パック、ハルンカップ等でありますが、その他に採血管準備装置及び検体検査装置の保守も含めております。 当社事業の系統図は次のとおりであります。 採血管準備装置、検体検査装置等の研究開発・設計は社内でおこない、製造工程を社外協力会社へ委託しております。組立委託先から製品を受入検査基準に従い受入した後、社内での最終調整を経て、出荷検査基準を満たした製品を本社より出荷しております。このような体制を構築することにより、研究開発や販売等に経営資源を集中することが可能となっております。 消耗品等については受注見込量を本社にて調合・調整・包装あるいは製造をおこなっております。これら消耗品の品質検査は製造工程と出荷前の2段階でおこない、製品の品質確保を図っております。万一出荷後の不具合が見つかった場合には、同一製造ロットを全て回収し交換をおこなう体制を整えております。 ヘルスケア製品につきましては、研究開発および生産を社内でおこなっております。個人の方々の健康のセルフモニタリングに役立つ製品を、社内研究開発部門で開発し、本社にて製造工程で品質検査をおこないながら、受注見込量の生産をおこなっております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
競合他社より高めの販売単価だが、高付加価値化と製品差別化で維持を目指す。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
採血管準備装置・システムに関する特許権、検体検査装置事業に関する特許権を保有。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:医療保険財政の悪化 / 採血管準備装置・システム事業への高い依存 / 製造委託先の問題発生リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

テクノメディカは、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスに依存する事業モデルではない。その競争優位性は、主に製品の機能性や技術力に起因すると考えられるが、これらは模倣されやすく、持続的な無形資産としての強固な優位性とは言えない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療機器、特に高度な診断装置や治療機器は、導入に際してトレーニングやインフラ整備が必要となる場合がある。一度導入された機器は、その運用ノウハウや周辺システムとの連携から、顧客が他社製品へ切り替える際には一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、技術革新の速さや競合製品の性能向上により、スイッチング・コストが絶対的な障壁となるほどではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

テクノメディカの事業は、製品の利用者が増えることでその価値が向上するようなネットワーク効果を持つビジネスモデルではない。製品の価値は、個々の機器の性能や機能、そしてそれを提供する企業のサポート体制に依存する。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

特定の製造プロセスやサプライチェーンにおける顕著なコスト優位性を示す情報はない。一般的な製造業としての効率化努力は行われていると考えられるが、競合他社と比較して構造的に低コストで製品を提供できるほどの優位性は確認できない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

医療機器業界は、グローバルな大手企業からニッチな専門企業まで多様なプレイヤーが存在する。テクノメディカが特定の市場セグメントで一定のシェアを確保している可能性はあるが、業界全体を俯瞰した際に、規模の経済によって競合を圧倒するような寡占状態にあるとは言えない。グローバルな大手企業との競争は依然として激しい。

  • 採血管準備装置の圧倒的シェア
    テクノメディカの採血管準備装置・システムは、国内市場で累計設置施設数ベースで約90%という非常に高いシェアを誇っています。この高い市場占有率は、競合他社に対する大きな優位性となっており、安定した顧客基盤を築いています。
  • 独自の技術と製品ラインナップ
    採血・採尿検査の受付から採血管準備までを自動化するシステムや、血液ガス分析装置など、独自の技術に基づいた製品を開発しています。特に、RFID(非接触個体識別機能)を活用したシステムなど、医療現場のニーズに応じた高付加価値な製品を提供し、差別化を図っています。
  • 研究開発と品質管理体制
    研究開発・設計は社内で行い、製造は外部の協力会社に委託することで、研究開発と販売に経営資源を集中できる体制を構築しています。製品の受け入れ検査から最終調整、出荷検査まで厳格な品質管理を行い、医療現場で求められる高い信頼性を確保しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • オンリーワン製品で社会貢献
    テクノメディカは、「健康、医療の分野でオリジナリティあふれるオンリーワンの製品・サービスを提供し、社会に貢献する」ことを経営方針としています。独自の技術と製品で、医療現場の課題解決を目指しています。
  • 既存事業強化と新領域開拓
    採血管準備装置・システムと血液ガス検査装置の信頼性と品質向上を図り、既存事業の収益力を強化します。同時に、「在宅医療」「予防医学」「POCT(Point of Care Testing)」などをキーワードに新製品を開発し、ヘルスケアソリューションや医療ソリューション領域での新たな事業創造を目指しています。
  • 海外展開とM&Aの活用
    日本国内だけでなく、当社の技術力を活かして世界に貢献する企業を目指し、海外展開の再構築と拡大に注力します。特に採血管準備装置・システムの海外での拡販に力を入れ、持続的成長のためにM&Aや事業提携も積極的に検討していく方針です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、健康、医療の分野でオリジナリティあふれるオンリーワンの製品・サービスを提供し、社会に貢献します。 (2) 経営戦略等 採血管準備装置・システムおよび血液ガス検査装置において、信頼性と品質の向上を図り、価値あるサービスを提供することにより、お客様の期待に応えてまいります。また「在宅医療」「予防医学」「先制医療」「POCT」などをキーワードとした新製品の開発を通じて、新たな事業の創造を目指します。今後も日本国内にとどまらず、当社の技術力を活かして世界に貢献する企業を目指してまいります。 (3) 経営環境 医療機器業界においては、人手の確保や業務の効率化といった医療現場の課題を踏まえて、医療従事者を支える産業としての社会的責務を果たし続けることが求められております。 当社としても、引き続き医療機関におけるオペレーションの効率化に寄与する採血管準備装置・システムを主軸に製品ラインナップの拡充を図り、より円滑な医療機関の運営に貢献してまいります。併せて、原材料費の高騰が続く中でも、安定した製品・消耗品等の供給を維持できるよう尽力しております。 (4) 目標とする経営指標① 2026中期経営計画当社は、2026年度(2027年3月期)からの新3ヶ年中期経営計画を策定しております。2026中期経営計画の方針、戦略は以下の通りです。 ② 基本方針、戦略「2030長期ビジョン」の達成を目指し、下記戦略と共にM&A、事業提携にも取り組み、持続的成長を図ってまいります。・既存事業の収益力強化・海外展開の再構築と拡大:採血管準備装置・システムの拡販に注力・新製品開発(ターゲットは、ヘルスケアソリュ-ション及び医療ソリュ-ション領域)・人材の確保・育成 ③ 重要業績指標(KPI)と計画値当社は、2026中期経営計画において、下記の通り3ヶ年累計売上高321億円、営業利益37.7億円を目指しております。なお、下記の計画値にはM&Aによる変動を含んでおりません。KPI2027年3月期2028年3月期2029年3月期3ヶ年累計売上高(億円)103106112321営業利益(億円)11.011.914.837.7ROE(%)5.56.17.7- (5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 医療施設においては、人手不足の深刻化や働き方改革への対応、物価高騰や光熱費の上昇により、運営コストは増加の一途をたどっております。一方で、2026年度の診療報酬改定においては、本体部分でプラス改定が行われたものの、医療機関の経営全体を下支えする水準には至っておらず、多くの病院で赤字経営が常態化し、過半数が赤字となる状況が継続しております。 当社は以上の現状を踏まえて、時代要請を戦略に組み込みながら、健康、医療分野での社会課題の解決に貢献することが、企業価値を高めることに繋がると考えております。持続可能な社会の実現のために、当社の三つの製品分野でソリューション提供を通し、継続的に企業価値を創造していきたいと考えております。 ①採血管準備装置・システム 当社は採血採尿業務に特化した分野において、世界に先駆けて採血管準備装置を開発しました。日本全国で2,500ヶ所以上、海外で500ヶ所以上の施設へ導入実績があります。これまで、大型採血管準備装置「BC・ROBO-9000RFID(非接触個体識別機能)」の開発を筆頭に、導入先となる施設の規模や運用状況に応じた豊富な製品ラインアップとオプションを揃えて来ており、更なる販路拡大を図ってまいります。 また、医療従事者の人手不足により今後需要が期待される、検体の非接触認識と自動搬送の実現、クラウド活用で最適化された患者誘導による待ち時間短縮をはじめとする、効率的で快適なサービスを提供するための装置・システム開発を通じて、医療機関様や患者様への利便性向上策に貢献してまいります。 ②検体検査装置 当社の検体検査装置は、血液ガス分析、電解質分析を行い、状況把握、診断、治療に欠かせない緊急検査装置で、国内及び海外で販売してまいりました。デスクトップ型とハンディ型を取り揃え、検査室や集中治療室、動物病院等多様なニーズにも対応しております。競合他社も多く競争の厳しい分野ではありますが、今後も更なる販路拡大を図ると共に、新規顧客獲得に向けた新型デスクトップ型装置の開発、消耗品の量産安定化にも努めてまいります。 ③消耗品等 採血管準備装置・システム及び検体検査装置の消耗品は、医療機関内の日常的な検査で使用されており、装置の設置増加に伴い売上は増加してまいりました。近年では、原料、部材価格が上昇し、材料不足の懸念なども生じております。消耗品価格の適正な改定を進めると共に、引き続き安心安全な消耗品の提供に努めてまいります。 また、上記医療施設向けの製品にとどまらず、一般ユーザーにも手軽に利用いただけるセルフモニタリング製品の開発・販売にも注力してまいりました。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、健康、医療の分野でオリジナリティあふれるオンリーワンの製品・サービスを提供し、社会に貢献します。 (2) 経営戦略等 採血管準備装置・システムおよび血液ガス検査装置において、信頼性と品質の向上を図り、価値あるサービスを提供することにより、お客様の期待に応えてまいります。また「在宅医療」「予防医学」「先制医療」「POCT」などをキーワードとした新製品の開発を通じて、新たな事業の創造を目指します。今後も日本国内にとどまらず、当社の技術力を活かして世界に貢献する企業を目指してまいります。 (3) 経営環境 医療機器業界においては、人手の確保や業務の効率化といった医療現場の課題を踏まえて、医療従事者を支える産業としての社会的責務を果たし続けることが求められております。 当社としても、引き続き医療機関におけるオペレーションの効率化に寄与する採血管準備装置・システムを主軸に製品ラインナップの拡充を図り、より円滑な医療機関の運営に貢献してまいります。併せて、原材料費の高騰が続く中でも、安定した製品・消耗品等の供給を維持できるよう尽力しております。 (4) 目標とする経営指標① 2026中期経営計画当社は、2026年度(2027年3月期)からの新3ヶ年中期経営計画を策定しております。2026中期経営計画の方針、戦略は以下の通りです。 ② 基本方針、戦略「2030長期ビジョン」の達成を目指し、下記戦略と共にM&A、事業提携にも取り組み、持続的成長を図ってまいります。・既存事業の収益力強化・海外展開の再構築と拡大:採血管準備装置・システムの拡販に注力・新製品開発(ターゲットは、ヘルスケアソリュ-ション及び医療ソリュ-ション領域)・人材の確保・育成 ③ 重要業績指標(KPI)と計画値当社は、2026中期経営計画において、下記の通り3ヶ年累計売上高321億円、営業利益37.7億円を目指しております。なお、下記の計画値にはM&Aによる変動を含んでおりません。KPI2027年3月期2028年3月期2029年3月期3ヶ年累計売上高(億円)103106112321営業利益(億円)11.011.914.837.7ROE(%)5.56.17.7- (5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 医療施設においては、人手不足の深刻化や働き方改革への対応、物価高騰や光熱費の上昇により、運営コストは増加の一途をたどっております。一方で、2026年度の診療報酬改定においては、本体部分でプラス改定が行われたものの、医療機関の経営全体を下支えする水準には至っておらず、多くの病院で赤字経営が常態化し、過半数が赤字となる状況が継続しております。 当社は以上の現状を踏まえて、時代要請を戦略に組み込みながら、健康、医療分野での社会課題の解決に貢献することが、企業価値を高めることに繋がると考えております。持続可能な社会の実現のために、当社の三つの製品分野でソリューション提供を通し、継続的に企業価値を創造していきたいと考えております。 ①採血管準備装置・システム 当社は採血採尿業務に特化した分野において、世界に先駆けて採血管準備装置を開発しました。日本全国で2,500ヶ所以上、海外で500ヶ所以上の施設へ導入実績があります。これまで、大型採血管準備装置「BC・ROBO-9000RFID(非接触個体識別機能)」の開発を筆頭に、導入先となる施設の規模や運用状況に応じた豊富な製品ラインアップとオプションを揃えて来ており、更なる販路拡大を図ってまいります。 また、医療従事者の人手不足により今後需要が期待される、検体の非接触認識と自動搬送の実現、クラウド活用で最適化された患者誘導による待ち時間短縮をはじめとする、効率的で快適なサービスを提供するための装置・システム開発を通じて、医療機関様や患者様への利便性向上策に貢献してまいります。 ②検体検査装置 当社の検体検査装置は、血液ガス分析、電解質分析を行い、状況把握、診断、治療に欠かせない緊急検査装置で、国内及び海外で販売してまいりました。デスクトップ型とハンディ型を取り揃え、検査室や集中治療室、動物病院等多様なニーズにも対応しております。競合他社も多く競争の厳しい分野ではありますが、今後も更なる販路拡大を図ると共に、新規顧客獲得に向けた新型デスクトップ型装置の開発、消耗品の量産安定化にも努めてまいります。 ③消耗品等 採血管準備装置・システム及び検体検査装置の消耗品は、医療機関内の日常的な検査で使用されており、装置の設置増加に伴い売上は増加してまいりました。近年では、原料、部材価格が上昇し、材料不足の懸念なども生じております。消耗品価格の適正な改定を進めると共に、引き続き安心安全な消耗品の提供に努めてまいります。 また、上記医療施設向けの製品にとどまらず、一般ユーザーにも手軽に利用いただけるセルフモニタリング製品の開発・販売にも注力してまいりました。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績当事業年度における我が国経済は、企業収益の改善や賃上げの進展、雇用環境の向上等を背景に、個人消費の持ち直しが見られるなど、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりや、資源・エネルギー価格や原材料価格の高騰など、企業活動や個人消費に影響を及ぼす要因も多く、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。医療業界では、医療財政のひっ迫が続く中、診療報酬の伸び悩みや物価・人件費の上昇が重なり、各医療機関の経営環境は厳しさを増しております。経常赤字となる医療機関も増加傾向にある中で、タスク・シフトや業務効率化を推進し、限られた人員と資源の中で医療の質を維持・向上させることが喫緊の課題となっております。このような経営環境のもと、当社は採血管準備装置のフラッグシップモデルであるBC・ROBO-9000RFIDの販売を開始し、この機種を中核として、検査業務の効率化を実現するソリューションの提案を推進してまいりました。検体検査装置に関しては、ハンディ型、デスクトップ型を取り揃えて拡販を続けてまいりました。消耗品等については、原材料費の高騰による影響を受けながらも、引き続き安定供給に努めてまいりました。また、医療機関向けにとどまらず、一般ユーザーの方にもご利用いただけるセルフモニタリング製品の開発・販売にも取り組んでまいりました。この結果、国内・海外市場ともに採血管準備装置・システムの売上が順調に伸長し、当事業年度の売上高は11,236,606千円(前期比13.4%増加)となりました。なお、総売上高に対する海外売上高の占める割合は、前期比1ポイント減少し12.8%となりました。利益面に関しては、売上高の増加に伴い、売上総利益が5,242,729千円(前期比6.4%増加)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費が前期を下回ったことなどにより、3,574,408千円(前期比1.5%減少)となり、営業利益は1,668,321千円(前期比28.3%増加)、経常利益は1,717,693千円(前期比31.8%増加)、当期純利益については、採血管準備装置の一部モデルについて、販売戦略の観点から製造を終了し、関連する費用を特別損失として計上した結果、1,070,987千円(前期比6.6%増加)となりました。 <採血管準備装置・システム>当事業年度における採血管準備装置・システムの売上高は4,892,088千円(前期比34.5%増加)となりました。国内市場では、予定されていた大規模施設向けの機器・システムの売上案件が順調に推移し、売上高は4,446,008千円(前期比37.3%増加)となりました。海外市場における売上高は、コンパクトタイプの機種がアジア市場で売上を伸ばしたことにより、446,079千円(前期比11.8%増加)となりました。 <検体検査装置>当事業年度における検体検査装置の売上高は527,891千円(前期比15.1%減少)となりました。国内市場においては、血液ガス分析装置の競合環境が厳しさを増す中で、売上高は295,627千円(前期比24.7%減少)となりました。海外市場の売上高は、アジアや中南米市場での売上が前期を上回った結果、232,264千円(前期比1.4%増加)となりました。 <消耗品等>当事業年度における消耗品等の売上高は5,816,626千円(前期比3.0%増加)となりました。堅調な売上が続き、国内市場の売上高は5,061,389千円(前期比3.0%増加)、海外市場での売上高は755,237千円(前期比2.9%増加)となりました。 ②キャッシュ・フロー当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、8,976,227千円(前事業年度末比85,160千円減少)となりました。なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、営業活動により得られた資金は1,100,442千円(前期比122,907千円増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益が1,525,167千円であった一方、売上債権の増加額が478,200千円であったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、投資活動により支出した資金は39,757千円(前期比7,414千円増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が34,223千円であったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、財務活動により支出した資金は1,145,845千円(前期比675,681千円増加)となりました。これは配当金の支払額471,069千円、自己株式の取得による支出674,776千円があったことによるものであります。 ③生産実績 当事業年度の生産実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。単一セグメント内品目別当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比増減率(%)採血管準備装置・システム(千円)3,935,245△7.8検体検査装置(千円)783,4867.8消耗品等(千円)5,844,9522.4合計(千円)10,563,684△1.3 ④受注実績 見込生産をおこなっておりますので、該当事項はありません。 ⑤販売実績 当事業年度の販売実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。単一セグメント内品目別当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比増減率(%)採血管準備装置・システム(千円)4,892,08834.5検体検査装置(千円)527,891△15.1消耗品等(千円)5,816,6263.0合計(千円)11,236,60613.4 ⑥財政状態(資産の部)当事業年度末の総資産の残高は17,966,466千円となり、前事業年度末比27,847千円増加しました。これは主に、電子記録債権が356,355千円増加、仕掛品が216,958千円増加した一方、商品及び製品が545,442千円減少したことによるものであります。 (負債の部)当事業年度末の負債の残高は3,556,007千円となり、前事業年度末比6,451千円増加しました。これは主に、未払法人税等が300,336千円増加した一方、前受金が278,209千円減少したことによるものであります。 (純資産の部)当事業年度末の純資産の残高は14,410,459千円となり、前事業年度末比21,396千円増加しました。これは、配当金の支払が471,123千円、自己株式の取得等568,068千円、当期純利益が1,070,987千円であったことによるものであります。なお、自己資本比率は80.2%となり、前事業年度末比での変動はありませんでした。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において判断したものであります。 ①経営成績等当事業年度の経営成績は、売上高11,236,606千円(前期比13.4%増加)、営業利益1,668,321千円(前期比28.3%増加)、経常利益1,717,693千円(前期比31.8%増加)、当期純利益1,070,987千円(前期比6.6%増加)となりました。売上高に関しては、採血管準備装置・システム関連では、国内・海外市場ともに売上が順調に伸長し、前期比34.5%の増加となりました。検体検査装置関連では、特に国内市場において血液ガス分析装置の競合環境が厳しさを増す中で、前期比15.1%の減少となりました。消耗品等では、国内外ともに安定的な需要が続き、前期比3.0%の増加となりました。売上総利益及び営業利益につきましては、売上高の増加に伴い、売上総利益は5,242,729千円(前期比6.4%増加)となり、販売費及び一般管理費は3,574,408千円(前期比1.5%減少)となった結果、営業利益は1,668,321千円(前期比28.3%増加)となりました。 ②財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当事業年度における我が国経済は、企業収益の改善や賃上げの進展、雇用環境の向上等を背景に、個人消費の持ち直しが見られるなど、全体として緩やかな回復基調で推移した一方で、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりや、資源・エネルギー価格や原材料価格の高騰など、企業活動や個人消費に影響を及ぼす要因も多く、景気の先行きは不透明な状況が続きました。医療業界においても、医療財政のひっ迫が続く中、診療報酬の伸び悩みや物価・人件費の上昇が重なり、各医療機関の経営環境は厳しさを増しております。このような環境の中で当社は引き続き、医療機器メーカーとして医療現場に価値を提供し続けるための製品開発、販売、製造活動に取り組んで参りました。 また当社は、2023年度(2024年3月期)からの中期経営計画に取り組んでまいりました。本中期経営計画は、①財務戦略・投資計画・資本政策 ②人材戦略 ③営業戦略 ④生産技術戦略 ⑤研究開発戦略 の各戦略を着実に実行することにより、持続的成長を図り「2030長期ビジョン」へとつなげていくことを目指し、3ヶ年累計で売上高308億円、営業利益45億円を計数目標と設定いたしました。当事業年度は本中期経営計画の最終年度にあたり、3ヶ年の実績で計画の数値目標を達成いたしました。 経営指標2023中期経営計画(3ヶ年累計)実績(3ヶ年累計)計画比売上高308.0億円314.2億円102.0%営業利益45.0億円48.0億円106.6%累計営業利益率(3ヶ年)14.6%15.3%計画差 +0.7pt ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローにつきましては、(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローに記載のとおりであります。なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)79.2680.2180.21時価ベースの自己資本比率(%)70.1967.7886.79キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)---インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)---(注)1. 各指標の算式は以下の算式を使用しております。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。4. 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。 当社の主な資金需要は、研究開発型企業として発展し続けるための研究開発資金や、生産活動に必要な運転資金、生産設備や研究設備を増設するための設備投資資金等であり、これらは主に自己資金によって賄っております。 ④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

事業リスク

  • 医療保険財政の悪化
    日本の国民医療費は増加傾向にあり、国家財政の大きな問題となっています。診療報酬改定が医療機関の経営を十分に下支えできておらず、多くの病院が赤字経営であるため、医療機器の導入が抑制される可能性があります。
  • 主力事業への高い依存度
    総売上高の約70%を採血管準備装置・システム事業と関連消耗品が占めています。この主力事業が、医療財政の緊縮化や市場規模の縮小、次世代機の開発失敗などによって収益性が低下した場合、会社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 市場飽和と競合の激化
    採血管準備装置の国内市場シェアは90%前後と高い一方で、主要ターゲットである大規模病院への新規設置台数は伸び悩む可能性があります。また、競合他社の新製品や安価な非純正消耗品の登場、顧客の更新需要の遅延なども、業績に影響を与えるリスクとなります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,084 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。 (1)わが国の医療保険財政が業界に及ぼしている影響について わが国の国民医療費は、2023年度には48兆915億円で、前年度に比べ1兆3,948億円(3.0%)の増加となっており、今後における医療費の増大傾向が国家財政上の大きな問題となっております。一方で、人口の減少傾向が続く現状にあって経済成長は限定的であり、医療保険財政の悪化に歯止めをかけることが大きな課題となっております。 2026年の診療報酬改定では、本体部分で+3.09%の改定が行われたものの、医療機関の経営全体を下支えする水準には至っておらず、多くの病院で赤字経営が常態化し、過半数が赤字となる状況が継続しております。 (2)当社の事業戦略及び事業展開上内包するリスクについて① 採血管準備装置・システムの市場規模、市場シェア及び同製品の新市場開拓について 当社の総売上高のうち、採血管準備装置・システム事業と関連消耗品の売上高合計が占める割合は、およそ70%前後に達しております。その依存の大きさからも医療財政の緊縮化などの外的要因による市場規模の収縮、及び次世代機において市場動向やニーズを的確に捉えることができず収益性が低下した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 また、新製品の研究開発と製品化及び販売計画は、当社の想定どおりに拡大するかは不透明であり、将来においても当社売上高における採血管準備装置・システム事業への依存が大きい可能性があります。 また、採血管準備装置・システムの当社製品の累計設置施設は国内2,500施設を超えており、市場シェアも当社調べでは累計設置施設数ベース90%前後で推移しております。当社が主な導入のターゲットとしている病床数200床以上の大規模一般病院数を踏まえると、今後、新規の設置台数は伸び悩み若しくは減少に転ずる可能性があります。 このため、これまでターゲットとしてきた大規模一般病院に限らず、大規模病院の入院病棟や小規模病院をターゲットとした小型の装置開発・販売強化を図ってきております。さらに、治験業務等を受注する検査機関向けに直接販売の拡大を図っておりますが、小型製品については販売単価が低い一方、大型装置販売と同様の営業コストを要することから、潜在需要にもかかわらず、十分な採算を確保できない可能性があります。 ② 採血管準備装置・システムに関する顧客との継続的関係強化について 当社は、主力製品である採血管準備装置・システムを取巻く環境を踏まえ、累計設置台数の伸びに応じて、経常的に売上を見込める関連消耗品の売上や保守管理サービス収入により、既納入先との継続的取引の拡大を図っております。一方、これらの消耗品に対し、他メーカーが当社ハード製品に対応しうる非純正品を当社純正品に比し、廉価で販売する動きがあるため、当社は保守管理サービス業務の強化やハード新製品開発時における仕様変更等により、純正品の使用徹底を図っております。 また、採血管準備装置の法定耐用年数は5年でありますが、第三・第四世代機が設置後10年以上経過し、その間の物理的陳腐化に加え、製品仕様の向上による旧世代機の技術的陳腐化により、当社ハード製品の更新需要の取込みをはかり、予想される純新規需要の減少を補完する計画であります。しかしながら、更新はユーザー側が決定しており、当該ユーザー側の事情により更新が後ろ倒しになる傾向があります。 ③ 採血管準備装置・システムに関する競合等の影響及び対応策について 採血管準備装置・システムについては、当社製品の国内市場におけるシェアは90%前後を占めておりますが、競合他社の新製品の仕様、販売価格等により、販売上の影響を被る可能性があります。 当社製品の販売単価は、競合他社に比して高めに設定されておりますが、非接触、人手不足解消、待ち時間の短縮等の新機能・システムを付加するなど、提案内容の高付加価値化を目指してまいります。機能や処理能力における相違、操作の簡素化、省スペース化、デザイン等のきめ細やかなユーザーニーズが製品へ反映されていることの認知の向上とともに、継続的な製品開発・改良努力による製品差別化、ブランド構築・維持が販売価格維持の上で不可欠であると考えております。 また、医療施設全体の経営環境の悪化により、装置の新設の中止・延期やスペック・ダウン等の影響があり、当社は採血管準備装置単体に対し、自動搬送採血台、検体搬送システム、RFID機能等のオプション製品を付加し、パッケージとして販売することにより、ユーザーの多様なニーズの吸収による販売単価の拡大を図っておりますが、これらの成否によっては当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。④ 採血管準備装置・システムの売上に至るまでに通常長期に亘る営業期間を要することについて 主力製品である採血管準備装置・システムの導入は、医療機関にとって大規模投資となるため、最終的な決定に至るまでは、2~3年程度の間の情報収集、内部での検討を要するケースが一般的であります。 このため、当社は可能な限り初期段階から医療機関とのコンタクトを持ち、当社製品の導入をおこなうことのメリットを理解して頂くことが、販売戦略上不可欠であります。その過程において、装置販売候補先における医療施設の人事異動等によるキーパーソンの交代は、有力販売見込先である当該医療施設への販売計画に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3)研究開発型企業として、研究開発期間と製品化に時間を要することについて 当社において、研究開発は非常に重要であり、研究開発テーマの策定は市場ニーズ、技術的ハードル、他社の研究開発動向も踏まえ策定し、案件の開発期間は、基本的に2~5年間と設定しております。しかしながら、技術的なハードルや市場の変化により明確な商品コンセプトが設定できない等のケースが生じた場合には、開発の中断を余儀なくされ、今後の研究開発計画に影響を及ぼす可能性があります。(4)製造委託を中心とする当社の生産体制について 採血管準備装置及び検体検査装置の生産については、製造工程の大半を協力会社に委託しております。 このうち、採血管準備装置については、製造委託先との長期に亘る取引関係及び同委託先には複数の協力会社があることから、安定的な製品供給が確保されると判断しておりますが、仮に製造委託先に重大な問題が発生した場合には、当社が製品の供給を受けられなくなる可能性があります。 当社は、製造委託先との連携及び受入検査の強化を通じて、製品の品質確保を図っておりますが、採血管準備装置は、法制度上医療機器ではないものの医療関連機器であり、万が一製品の不具合が生じた場合、当社製品に対する信用失墜等に直面する可能性があります。 (5)海外展開について 海外への輸出については、展示会等でコンタクトのあった販売先と販売独占契約を締結の上、L/C発行等による直接取引、若しくは国内商社経由による販売をおこなっております。 採血管準備装置・システムについては、代理店を通じて輸出もおこなっており、輸出先としては、日本と同様の採血システムを採っているアジア、欧州、中南米地域等であります。また、台湾に支店を置き、現地で販売活動を行っております。今後の海外展開によっては、販売先の国や地域における国際紛争、海外代理店との契約、保守管理上のリスク等に直面する可能性があります。 (6)主な特許権等について 当社は、採血管準備装置に関連するバーコードラベル自動貼付・移送等にかかる特許権、及び検体検査装置事業に関連する特許権を登録済みであります。これらの登録済特許権は、事業実施にあたり、競合他社等から当社の知的財産権を保護するために必要不可欠なものであります。当社が登録済の特許権と類似の特許権を競合他社が保有しているケースもあるため、製品開発にあたっては、訴訟対策もあり、今後新たに研究開発をおこなったものについての知的財産権保護と併せ、これらの動向にも十分留意していくことが不可欠となっております。(7)下期への業績偏重について 当社の主力事業である採血管準備装置・システムの売上は、その主要納入先である医療施設からの受注及び納入要請タイミングとの関係上、下期、第4四半期に集中する傾向があります。また、医療施設側の設置する採血管準備装置を制御する上位システムの導入が当初想定した時期よりも遅延した場合には、翌期に売上が計上されることになり、一定期間毎に区切った場合の当社の経営成績に、期間毎の変動が生じる可能性があります。 (8)法的規制について 当社は、各種の医療機器及び体外診断用医薬品の関連製品の製造、販売を行っております。医療機器及び体外診断用医薬品の製造販売業と製造業は、薬事法をはじめとして、医療機器及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)及びそれに関連する各種法令により規制を受けております。 薬事法は、医療機器を含め、それらの品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行っており、また許可は“5年をくだらない政令で定める期間ごとに、その更新を受けること”とされております。QMS省令は、品質の良い医療機器等を供給するために、製造時の管理、遵守事項を定めております。 当社は、薬事法やQMS省令に基づく許可を受け、(第2種医療機器製造販売業許可、医療機器製造業登録、体外診断用医薬品製造業許可)厚生労働省及び神奈川県の監督を受けております。 これらの法的規制について、法律改正等により規制の内容に変更があった場合や、万一これらの規制に抵触した場合には当社の事業活動に影響が及ぶ可能性があることから、当社は引き続き、法律改正等の動向を注視しつつ、各種の法的規制に則って事業活動を展開する必要があります。(9)採血管準備装置・システム及び検体検査装置等の当社製品の販売経路及び最終販売先について 当社製品の販売において、最大の最終販売先は医療施設でありますが、主に医療品・医療機器卸会社経由で販売をおこなっております。 主要最終販売先として医療施設の他、検査機関が挙げられます。検査機関は様々な医療機器等に対するノウハウを背景に、医療施設の機器選定に対して一定の影響力を有していることから、最終販売先如何にかかわらず検査機関に対しても販売戦略上、十分なフォローアップが必要となっております。 海外については、展示会等でコンタクトのあった販売先と販売独占契約を締結の上、L/C発行等による直接取引、若しくは国内商社経由による販売をおこなっております。 上述の通り、販売経路や最終販売先は、事業活動の拡大とともに国内外にわたり増加しており、医療財政の悪化や医療機器の価格競争の激化によりこれらの経営状態が悪化した場合、当社の事業活動にも影響が及ぶ可能性があるため、特定の取引業者や顧客に偏ることの無いバランスの取れた営業展開が求められております。 (10)気候変動による影響について 当社において、気候変動が進展すること等による大規模災害で、事業活動に多大な影響を受けた場合には、財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。大規模災害に対しては、BCPにおける事前対策等により、リスクの最小化に努めます。 (11)原油等の価格高騰および調達リスクについて 当社では、消耗品をはじめとする各種製品・資材にプラスチック素材を使用しており、中東情勢の不安定化に伴う原油価格の高騰や原材料・資材不足は、調達コスト増加の要因となります。 さらに、原材料・素材の調達難や供給不足が生じた場合には、医療施設に提供する消耗品の製造や供給に支障を来たし、生産活動や収益性に悪影響を及ぼすおそれがあります。 当社では、調達先の見直し等に取り組んでおりますが、想定を超えて供給制約や価格上昇が長期化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

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