6701

日本電気(6701)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 主力事業の概要
    NECグループは、主にITサービス事業と社会インフラ事業の2つの柱で収益を上げています。ITサービスでは、企業や組織のシステム構築、コンサルティング、保守、クラウドサービスなどを提供し、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。社会インフラ事業では、通信事業者向けのネットワークインフラ(携帯電話基地局、光伝送システムなど)やソフトウェア、航空宇宙・防衛・海洋システムといった公共性の高い分野でシステムやサービスを提供し、社会基盤を支えています。
  • 役割分担された事業構造
    NECグループの関係会社は、設計、開発、製造、販売、サービスの提供といった各工程で役割を分担し、事業を推進しています。これにより、専門性を高めつつ、グループ全体で幅広いソリューションを提供できる体制を構築しています。例えば、ITサービス事業ではNECプラットフォームズやアビームコンサルティングなどが、社会インフラ事業ではNetcracker Technology Corporationなどがそれぞれの専門分野で貢献しています。
  • 多岐にわたるサービス提供
    ITサービス事業では、システム構築から運用・保守、クラウド利用まで一貫したサービスを提供し、顧客のIT課題を解決しています。社会インフラ事業では、通信インフラの構築・運用支援から、国の安全保障に関わる航空宇宙・防衛システムまで、幅広い領域で技術とノウハウを提供しています。これらの事業を通じて、NECは社会のデジタル化とインフラの強靭化に貢献し、収益を確保しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 公共事業(Public)
    このセグメントは、主に政府機関や地方公共団体、教育機関など公共分野向けのITサービスやシステムを提供しています。売上高は8048.26億円、営業利益は575.29億円と、NECグループの中核をなす事業の一つであり、社会インフラのデジタル化や行政サービスの効率化に貢献しています。
  • エンタープライズ事業(Enterprise)
    企業向けのITサービスやソリューションを提供しており、システム構築、コンサルティング、クラウドサービスなどが含まれます。売上高は3075.82億円、営業利益は222.2億円で、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を支援し、生産性向上や競争力強化に貢献しています。
  • 通信事業者事業(Telecom Carrier)
    通信事業者向けにネットワークインフラ(コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システムなど)や関連ソフトウェア・サービスを提供しています。売上高は7185.38億円、営業利益は455.68億円と、通信インフラの構築と維持を支える重要な事業であり、社会の通信基盤を支える役割を担っています。
  • システムプラットフォーム事業(System Platform)
    システム機器の開発・製造・販売などを手掛ける事業です。売上高は7995.45億円、営業利益は375.22億円で、NECグループの各事業セグメントや外部顧客に対して、基盤となるハードウェアやソフトウェアを提供し、幅広いソリューションの実現を支えています。
FY2016 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Public 事業 8,048 575 7.1%
Enterprise 事業 3,076 222 7.2%
TelecomCarrier 事業 7,185 456 6.3%
SystemPlatform 事業 7,995 375 4.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,687 文字
3【事業の内容】 当社および連結子会社を中心とする関係会社で構成されるNECグループの主たる事業は、ITサービス事業および社会インフラ事業の2つの事業です。各関係会社は、設計、開発、製造および販売、サービスの提供などそれぞれの役割に応じ、各事業の一部を分担しています。 なお、当社は、当連結会計年度から、報告セグメントの内容を変更しています。変更内容は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (4)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。 それぞれの事業の主な内容は次のとおりです。(ITサービス事業) システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービス、システム機器およびソフトウェア・サービスなどの提供を行っています。(社会インフラ事業) ネットワークインフラ(コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システム)、通信事業者向けソフトウェア・サービス(OSS・BSS)(*)ならびに航空宇宙・防衛・海洋システム領域におけるシステム機器、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)およびサポート(保守)などの提供を行っています。* OSS:Operation Support System、BSS:Business Support System なお、上記のほかに、システム機器の開発・製造・販売などの事業を「その他」として表示しています。 NECグループの連結子会社(252社)をセグメントごとに記載すると概ね次のとおりです。 2026年3月31日現在 セグメント子会社ITサービス事業NECプラットフォームズ㈱NECフィールディング㈱NECソリューションイノベータ㈱アビームコンサルティング㈱日本電気通信システム㈱NESICホールディングス㈱Comet Holding B.V.[オランダ]Garden Private Holdings Limited[英国]Soleil ApS[デンマーク]NEC Australia Pty Ltd[オーストラリア] 等社会インフラ事業Netcracker Technology Corporation[米国] 等その他NECファシリティーズ㈱NECビジネスインテリジェンス㈱NEC Corporation of America[米国]NEC Europe Ltd.[英国]NEC Asia Pacific Pte. Ltd.[シンガポール]日電(中国)有限公司[中国]NEC Latin America S.A.[ブラジル]NEC Corporation India Private Limited[インド] 等 (注) 純粋持株会社NESICホールディングス㈱主要な子会社は、情報通信システムの設計、構築および保守ならびに関連機器の販売を主要な事業内容とするNECネッツエスアイ㈱ならびにシステム・インテグレーションおよびアウトソーシングの提供、ソフトウェアの開発およびコンピュータ等の販売を主要な事業内容とするNECネクサソリューションズ㈱Comet Holding B.V.主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とする子会社を傘下に保有するAvaloq Group Ltd.Garden Private Holdings Limited主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするNEC Software Solutions UK LimitedSoleil ApS主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするKMD A/S なお、NECグループの事業運営における当社および関係会社の事業系統図を示すと概ね次のとおりです。 2026年3月31日現在 (注) 矢印は、製品の設計、開発、製造および販売ならびにサービスの提供関係を示しています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
世界トップクラスの技術を多く保有するAIやセキュリティ、ネットワークの技術領域を中心に事業を展開しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
AI、セキュリティ、ネットワークといった世界トップクラスの技術を保有し、研究開発に注力している。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:適正な製品・サービスの提供 / サイバーセキュリティ / 人権の尊重
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

NECは長年の実績と信頼に基づくブランド力を持つ。特に官公庁や大企業向けシステムインテグレーション分野での実績は、無形資産として一定の評価ができる。しかし、特許やIPの競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

官公庁や金融機関向けの基幹システム、社会インフラ関連システムなど、一度導入されると更改に多大なコストとリスクが伴うシステム開発・保守を手掛けている。顧客はシステム更改による事業継続リスクを避けるため、NECからの乗り換えを躊躇する傾向がある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

IoTプラットフォームやクラウドサービス等でネットワーク効果が期待される分野もあるが、現時点では限定的。プラットフォームの普及度やエコシステムの形成はまだ発展途上であり、強力なネットワーク効果は確認できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

グローバルな競争環境下で、特にハードウェア分野においてはコスト競争力が課題となる場合がある。ソフトウェア開発やサービス提供においても、他社との明確なコスト優位性は見出しにくい。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

社会インフラ、公共、金融、エンタープライズなど、幅広い分野で大規模なシステム開発・運用を手掛ける能力は、業界内でもトップクラスの規模と実績を持つ。この規模が、複雑なプロジェクト遂行能力と信頼性につながっている。

  • 幅広い事業領域と技術力
    NECはITサービスから社会インフラまで多岐にわたる事業を展開しており、情報通信技術(ICT)を核とした幅広い技術力を持っています。システム・インテグレーション、ネットワークインフラ、航空宇宙・防衛システムなど、専門性の高い分野で長年の実績とノウハウを蓄積しており、これが競争優位の源泉となっています。特に、公共性の高い社会インフラ分野では、信頼性と実績が重要視されるため、NECの技術力は大きな強みとなります。
  • グローバルな事業展開と顧客基盤
    NECグループは日本国内だけでなく、欧州、北米、アジアなど世界各地に連結子会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、多様な市場ニーズに対応し、幅広い顧客基盤を構築しています。特に海外ITサービス事業では、近年買収した欧州子会社や北米のNetcracker Technology Corporationとの連携を強化し、デジタル・ガバメントやデジタル・ファイナンス領域でのDX事業拡大を目指しており、グローバルな成長機会を追求しています。
  • 社会インフラにおける強固な地位
    NECは、通信事業者向けのネットワークインフラや航空宇宙・防衛・海洋システムといった社会インフラ分野で長年の実績と高い技術力を有しています。これらの分野は、国の安全保障や社会の生命線に関わるため、高い信頼性と安定性が求められます。NECは、これらの要求に応えるソリューションを提供することで、政府機関や重要インフラ事業者との強固な関係を築き、安定的な事業基盤を確立していると考えられます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 存在意義と行動原則の追求
    NECグループは「Orchestrating a brighter world」という存在意義(Purpose)を掲げ、豊かな人間社会への貢献を目指しています。このPurposeを全うするため、「ベタープロダクツ・ベターサービス」の創業精神、インテグリティと人権尊重、イノベーションの追求という3つの行動原則(Principles)に基づき、中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化を図る方針です。
  • AIと社会変化への対応
    AIの急速な進展による産業・社会構造の変革と、国際情勢の不安定化に伴う地政学リスクの高まりを重要な経営環境と認識しています。特にAIの活用を前提とした変革と、防衛分野や重要インフラの強靭化が国家的な最重要課題となる中で、NECグループは自らの強みを社会価値として提供し、さらなる成長を実現するための「2030中期経営計画」を策定しました。これにより、社会の変化に対応し、新たな価値を創造していくことを目指しています。
  • 事業構造の変革とグローバル展開
    ITサービス事業では、AIの進化に伴う顧客ニーズの変化に対応するため、従来のシステム構築だけでなく、ビジネス変革を導くコンサルティングと継続的な成果創出を担うオペレーションへのビジネスモデル変革を最重要課題としています。自社で先進テクノロジーを使いこなし、実証された価値を顧客に提案する「BluStellar」を推進。また、海外ITサービス事業では、欧州子会社との連携強化や北米でのテレコム/ブロードバンド事業者向けソフトウェア事業の強化を通じて、グローバルな事業拡大を図る戦略です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 NECグループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。 (1)経営の基本方針 NECグループは、NECグループが共通で持つ価値観であり、行動の原点としてNEC Wayを規定しています。 NEC Wayは、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。 「Purpose(存在意義)」は、Orchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。 「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。 創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重あくなきイノベーションの追求 「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。 視線は外向き、未来を見通すように思考はシンプル、戦略を示せるように心は情熱的、自らやり遂げるように行動はスピード、チャンスを逃さぬように組織はオープン、全員が成長できるように 「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。 1.基本姿勢2.人権尊重3.環境保全4.誠実な事業活動5.会社財産・情報の管理コンプライアンスに関する疑問・懸念相談、報告 NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。 また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織の在り方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さを持ったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。 社会や顧客が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げていきます。 (2)目標とする経営指標 NECグループは、企業価値の最大化を通じてPurposeを具現化するため、2026年5月に策定した「2030中期経営計画」において、次の指標を目標として掲げています。 財務面では、本源的な事業の収益性と成長性を測る目標としてNon-GAAP営業利益(*1)およびNon-GAAP営業利益率(*2)を、また、株主還元の原資となる利益の成長を示す目標としてNon-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率(*3)を重視します。非財務面では、持続的な成長の基盤となる企業文化の変革と進化を測る目標として、エンゲージメントスコアを掲げ、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境の構築を目指します。*1 Non-GAAP営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)ならびに構造改革関連費用、減損損失、株式報酬その他の一過性損益を控除した本源的な事業の業績を測る利益指標です。*2 Non-GAAP営業利益率:売上収益に占めるNon-GAAP営業利益の割合を意味します。*3 Non-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率:1株当たりのNon-GAAP当期利益(*4)の成長率を意味します。*4 Non-GAAP当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益から、税引前当期利益に係る調整項目およびこれらに係る税金相当・非支配持分相当を控除した、親会社の所有者に帰属する本源的な事業の業績を測る利益指標です。 (3)経営環境 AIの急速な進展は、技術革新の域を超え産業や社会の在り方に構造的な変革をもたらしており、全ての企業がAIの活用を前提とした変革を求められる歴史的な転換期を迎えています。 また、国際情勢の不安定化に伴う地政学リスクの高まりは、サイバー攻撃の激化やサプライチェーンの分断といった形で、経済活動や人々の安全な暮らしに深刻な脅威をもたらしています。これにより、国の安全保障を担う防衛分野や、社会の生命線である重要インフラの強靭化は、国家的な最重要課題となっています。 (4)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題 AIの急速な進化が社会に様々な革新をもたらし、国際協調の揺らぎを背景に安全保障の重要性が一層高まっています。世界が大きく変化するなか、NECグループは、自らの強みを社会価値として届け、さらなる成長を実現するために「2030中期経営計画」を策定しました。同時に、この時代におけるNECグループの社会的役割を再定義した社会価値創造Vision「Empower Humanity ~世界に革新と安心を届ける」を掲げます。これは、AIをはじめとする先進テクノロジーを通じて革新と安心を届け、人間性を最大限に発揮できる社会を創造することを目指す、NECグループの揺るぎない意志を示すものです。このVisionを実現するための主な取り組みは、次のとおりです。 ITサービス事業では、AIの進化に伴ってお客様が求める価値が大きくシフトしています。これから求められるのは、従来型のシステム構築ではなく、ビジネス変革を導く上流のコンサルティングと継続的な成果創出を担う下流のオペレーションです。この構造変化に対応するための最重要課題として位置付けるのが、IT・データ・AIを用いた価値の具体化と、その価値を戦略策定から実装、運用・保守まで一貫して責任をもって提供するビジネスモデルへの変革です。そのために、先進テクノロジーを「クライアントゼロ(最初の顧客)」として自社で使いこなして知見を蓄え、実証された価値をお客様に提案するBluStellar(*1)のシナリオとして体系化します。また、 NESICホールディングス㈱の傘下に、DXソリューションの一貫した提供体制を整備・強化し、日本全国のDXを強力に推進します。 海外ITサービス事業では、近年買収した欧州子会社3社と従来からのNECグループの現地法人がそれぞれ持つ商材・顧客基盤・知見などをさらに融合させて、デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンス領域におけるDX事業の拡大を加速させます。また、2026年4月1日付で、社会インフラセグメントであったテレコム事業者向けのソフトウェア・サービス事業をITサービスセグメントに移管しました。この体制のもとで、相互補完性のあるCSG Systems International, Inc.と当社の北米子会社であるNetcracker Technology Corporationとの事業統合を進めることにより、北米におけるテレコム/ブロードバンド事業者向けのソフトウェア事業を強化し、事業のグローバルな拡大を図ります。 *1 BluStellar(ブルーステラ):実績に裏打ちされた業種横断の先進的な知見と長年の開発・運用で研ぎ澄まされたNECグループの最先端テクノロジーにより、ビジネスモデルの変革を実現し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導き、お客様を未来へ導く価値創造モデルです。 社会インフラ事業では、経済安全保障領域での事業機会を確実に獲得することが重要です。航空宇宙・防衛、海底ケーブルシステム、サイバーセキュリティの連携を強化した新体制のもと、物理空間からサイバー空間までをシームレスに守るソリューションを高度化します。特に、デジタルインフラにおいて重要性が増す海底ケーブルシステムについて、過去60年間の40万km(地球約10周分)に及ぶ敷設実績を活かし、市場シェア拡大を目指します。国内の防衛領域では、防衛予算の増加に対応するリソース増強を着実に行うと共に、自社の研究開発の強化とスタートアップ企業との連携によって重点領域における技術的優位性を追求します。 また、従業員のエンゲージメントの質の向上も重要な経営課題です。2020年度に25%と低調だった従業員のエンゲージメントスコアは、「2025中期経営計画」期間中の取り組みにより、2025年度には48%に達しました。目標値の50%にはわずかに届かなかったものの、国内トップレベルの水準にまで向上しました。今後、NECグループが測定するエンゲージメントスコアの3要素「Say、Stay、Strive」(*2)のうち、SayおよびStriveの数値をさらに高めていく必要があると認識しています。これらと相関の高い領域での施策として、ジョブ型人材マネジメントを支えるフェアな人事評価・人材登用の促進、市場競争力の高い報酬体系の最適化、株式報酬制度の拡充をさらに進め、従業員への全社方針・戦略の浸透、社内コミュニケーションの活性化に向けた取り組みを加速します。 *2 Say:会社について他者に肯定的に語る。 Stay:会社にとどまることを強く望む。 Strive:仕事上求められる以上の努力をする。 NECグループは、ITサービス事業と社会インフラ事業の両輪で戦略を実行し、AIの社会実装と日本の安全保障の技術実装を推し進めることで、2030年度におけるNon-GAAP営業利益率15%以上、Non-GAAP営業利益2倍(2025年度比)、Non-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率年平均15%以上(*3)の達成を目標に掲げ、社会への価値提供と持続的な企業価値向上を実現してまいります。加えて、従業員のエンゲージメントにおけるSayおよびStriveの向上を重視しながら、グローバル上位25パーセンタイルに相当する水準のエンゲージメントスコアの達成を目指し、従業員一人ひとりが自己変革に挑み続け、組織として迅速に価値創造を実現する企業文化への転換を進めてまいります。 *3 Non-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率年平均:2025年度実績を基準として、5年間(「2030中期経営計画」期間:2026年度~2030年度)の1年あたりの平均成長率を示しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 NECグループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。 (1)経営の基本方針 NECグループは、NECグループが共通で持つ価値観であり、行動の原点としてNEC Wayを規定しています。 NEC Wayは、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。 「Purpose(存在意義)」は、Orchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。 「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。 創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重あくなきイノベーションの追求 「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。 視線は外向き、未来を見通すように思考はシンプル、戦略を示せるように心は情熱的、自らやり遂げるように行動はスピード、チャンスを逃さぬように組織はオープン、全員が成長できるように 「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。 1.基本姿勢2.人権尊重3.環境保全4.誠実な事業活動5.会社財産・情報の管理コンプライアンスに関する疑問・懸念相談、報告 NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。 また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織の在り方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さを持ったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。 社会や顧客が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げていきます。 (2)目標とする経営指標 NECグループは、企業価値の最大化を通じてPurposeを具現化するため、2026年5月に策定した「2030中期経営計画」において、次の指標を目標として掲げています。 財務面では、本源的な事業の収益性と成長性を測る目標としてNon-GAAP営業利益(*1)およびNon-GAAP営業利益率(*2)を、また、株主還元の原資となる利益の成長を示す目標としてNon-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率(*3)を重視します。非財務面では、持続的な成長の基盤となる企業文化の変革と進化を測る目標として、エンゲージメントスコアを掲げ、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境の構築を目指します。*1 Non-GAAP営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)ならびに構造改革関連費用、減損損失、株式報酬その他の一過性損益を控除した本源的な事業の業績を測る利益指標です。*2 Non-GAAP営業利益率:売上収益に占めるNon-GAAP営業利益の割合を意味します。*3 Non-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率:1株当たりのNon-GAAP当期利益(*4)の成長率を意味します。*4 Non-GAAP当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益から、税引前当期利益に係る調整項目およびこれらに係る税金相当・非支配持分相当を控除した、親会社の所有者に帰属する本源的な事業の業績を測る利益指標です。 (3)経営環境 AIの急速な進展は、技術革新の域を超え産業や社会の在り方に構造的な変革をもたらしており、全ての企業がAIの活用を前提とした変革を求められる歴史的な転換期を迎えています。 また、国際情勢の不安定化に伴う地政学リスクの高まりは、サイバー攻撃の激化やサプライチェーンの分断といった形で、経済活動や人々の安全な暮らしに深刻な脅威をもたらしています。これにより、国の安全保障を担う防衛分野や、社会の生命線である重要インフラの強靭化は、国家的な最重要課題となっています。 (4)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題 AIの急速な進化が社会に様々な革新をもたらし、国際協調の揺らぎを背景に安全保障の重要性が一層高まっています。世界が大きく変化するなか、NECグループは、自らの強みを社会価値として届け、さらなる成長を実現するために「2030中期経営計画」を策定しました。同時に、この時代におけるNECグループの社会的役割を再定義した社会価値創造Vision「Empower Humanity ~世界に革新と安心を届ける」を掲げます。これは、AIをはじめとする先進テクノロジーを通じて革新と安心を届け、人間性を最大限に発揮できる社会を創造することを目指す、NECグループの揺るぎない意志を示すものです。このVisionを実現するための主な取り組みは、次のとおりです。 ITサービス事業では、AIの進化に伴ってお客様が求める価値が大きくシフトしています。これから求められるのは、従来型のシステム構築ではなく、ビジネス変革を導く上流のコンサルティングと継続的な成果創出を担う下流のオペレーションです。この構造変化に対応するための最重要課題として位置付けるのが、IT・データ・AIを用いた価値の具体化と、その価値を戦略策定から実装、運用・保守まで一貫して責任をもって提供するビジネスモデルへの変革です。そのために、先進テクノロジーを「クライアントゼロ(最初の顧客)」として自社で使いこなして知見を蓄え、実証された価値をお客様に提案するBluStellar(*1)のシナリオとして体系化します。また、 NESICホールディングス㈱の傘下に、DXソリューションの一貫した提供体制を整備・強化し、日本全国のDXを強力に推進します。 海外ITサービス事業では、近年買収した欧州子会社3社と従来からのNECグループの現地法人がそれぞれ持つ商材・顧客基盤・知見などをさらに融合させて、デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンス領域におけるDX事業の拡大を加速させます。また、2026年4月1日付で、社会インフラセグメントであったテレコム事業者向けのソフトウェア・サービス事業をITサービスセグメントに移管しました。この体制のもとで、相互補完性のあるCSG Systems International, Inc.と当社の北米子会社であるNetcracker Technology Corporationとの事業統合を進めることにより、北米におけるテレコム/ブロードバンド事業者向けのソフトウェア事業を強化し、事業のグローバルな拡大を図ります。 *1 BluStellar(ブルーステラ):実績に裏打ちされた業種横断の先進的な知見と長年の開発・運用で研ぎ澄まされたNECグループの最先端テクノロジーにより、ビジネスモデルの変革を実現し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導き、お客様を未来へ導く価値創造モデルです。 社会インフラ事業では、経済安全保障領域での事業機会を確実に獲得することが重要です。航空宇宙・防衛、海底ケーブルシステム、サイバーセキュリティの連携を強化した新体制のもと、物理空間からサイバー空間までをシームレスに守るソリューションを高度化します。特に、デジタルインフラにおいて重要性が増す海底ケーブルシステムについて、過去60年間の40万km(地球約10周分)に及ぶ敷設実績を活かし、市場シェア拡大を目指します。国内の防衛領域では、防衛予算の増加に対応するリソース増強を着実に行うと共に、自社の研究開発の強化とスタートアップ企業との連携によって重点領域における技術的優位性を追求します。 また、従業員のエンゲージメントの質の向上も重要な経営課題です。2020年度に25%と低調だった従業員のエンゲージメントスコアは、「2025中期経営計画」期間中の取り組みにより、2025年度には48%に達しました。目標値の50%にはわずかに届かなかったものの、国内トップレベルの水準にまで向上しました。今後、NECグループが測定するエンゲージメントスコアの3要素「Say、Stay、Strive」(*2)のうち、SayおよびStriveの数値をさらに高めていく必要があると認識しています。これらと相関の高い領域での施策として、ジョブ型人材マネジメントを支えるフェアな人事評価・人材登用の促進、市場競争力の高い報酬体系の最適化、株式報酬制度の拡充をさらに進め、従業員への全社方針・戦略の浸透、社内コミュニケーションの活性化に向けた取り組みを加速します。 *2 Say:会社について他者に肯定的に語る。 Stay:会社にとどまることを強く望む。 Strive:仕事上求められる以上の努力をする。 NECグループは、ITサービス事業と社会インフラ事業の両輪で戦略を実行し、AIの社会実装と日本の安全保障の技術実装を推し進めることで、2030年度におけるNon-GAAP営業利益率15%以上、Non-GAAP営業利益2倍(2025年度比)、Non-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率年平均15%以上(*3)の達成を目標に掲げ、社会への価値提供と持続的な企業価値向上を実現してまいります。加えて、従業員のエンゲージメントにおけるSayおよびStriveの向上を重視しながら、グローバル上位25パーセンタイルに相当する水準のエンゲージメントスコアの達成を目指し、従業員一人ひとりが自己変革に挑み続け、組織として迅速に価値創造を実現する企業文化への転換を進めてまいります。 *3 Non-GAAP1株当たり純利益(EPS)成長率年平均:2025年度実績を基準として、5年間(「2030中期経営計画」期間:2026年度~2030年度)の1年あたりの平均成長率を示しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】※当連結会計年度から、報告セグメントの内容を変更しています。 また、前連結会計年度との比較数値については、前連結会計年度の数値をこの変更を反映したものに組み替えて表示しています。 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度におけるNECグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。 ① 財政状態および経営成績の状況 NECグループは、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針に掲げ、2021年度から推進してきた「2025中期経営計画」の最終年度として、当連結会計年度も、「ITサービス」および「社会インフラ」の両セグメントを軸にした事業活動とそれを加速するための様々な企業変革を引き続き実施しました。 ・事業戦略 「ITサービス」では、従来型のITシステムからのモダナイゼーションを中心とした国内の旺盛なDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の継続を背景に、パブリックとエンタープライズの2領域において着実な成果を上げました。パブリック領域では、官公庁を中心とした堅調な受注による底堅い成長を実現すると共に、BluStellarのお客様への導入も進みました。また、エンタープライズ領域においては、特に金融業・製造業向けを中心にBluStellarの導入が順調に拡大しました。これら2領域が一体となって国内事業の成長を力強く牽引しました。 「社会インフラ」では、経済安全保障の重要性の高まりを背景に、エアロスペース・ナショナルセキュリティ領域に海底ケーブルシステム事業を統合し、日本のデジタルインフラを守る事業体制を確立しました。この新体制のもとで防衛事業等が好調に推移し、セグメント全体の業績底上げに大きく貢献しました。テレコムサービス領域では、持続的な成長を実現するため、事業ポートフォリオを再構築しました。まず、専用ハードウェアベースだった従来型の基地局事業を収束し、今後はvRAN(仮想化無線アクセスネットワーク)関係事業へ注力します。さらに、高付加価値なソフトウェア・サービス事業の拡大に向けて、米国のテレコム/ブロードバンド事業者向けソフトウェア企業CSG Systems International, Inc.の買収を進め、米国での強固な事業基盤の確立/グローバルでの事業拡大による成長へ重要な布石を打ちました。 ・人材戦略 NECグループは、「2025中期経営計画」における人材戦略について、柔軟な人材配置による「適時適所適材」の実現を主要テーマに掲げました。その基盤整備として、当社は、2024年4月にジョブ型人材マネジメントを導入しました。当連結会計年度はその適用範囲を拡大し、制度導入済みのNECグループ会社は、2026年4月時点で10社(*)となりました。 また、従業員が誇りを持って主体的に業務に取り組む組織風土の醸成を重要な経営課題と捉え、全社方針・戦略の浸透に向けたコミュニケーションの強化に取り組んできました。「Employer of Choice - 選ばれる会社」の指標である従業員のエンゲージメントスコアは、様々な施策の積み重ねによって前年度比で6ポイント改善し、2025年度は48%と国内トップレベルの水準になりました。 (*)NECソリューションイノベータ㈱、NECプラットフォームズ㈱、日本電気通信システム㈱、NECネクサソリューションズ㈱、NECビジネスインテリジェンス㈱、NECネットワーク・センサ㈱、日本電気航空宇宙システム㈱、NECスペーステクノロジー㈱、㈱国際社会経済研究所、NECライフキャリア㈱ このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上収益は3兆5,827億円(前連結会計年度比4.7%増加)、営業利益は3,599億円(同1,034億円増加)、調整後営業利益は3,868億円(同997億円増加)、Non-GAAP営業利益は3,972億円(同859億円増加)、税引前利益は3,982億円(同1,584億円増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,702億円(同950億円増加)、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益は2,798億円(同541億円増加)となりました。また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計額)は、4,721億円の収入となりました。当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金およびリース負債を合計したもの)残高は、前連結会計年度末に比べ1,771億円減少し、4,892億円となり、デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、自己資本(「資本合計」から「非支配持分」を控除したもの)に対する有利子負債の割合)は、0.22倍(前連結会計年度末比0.12ポイント改善)となりました。なお、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ2,516億円減少の△1,698億円と現金及び現金同等物が有利子負債残高を上回る結果となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は△0.08倍(前連結会計年度末比0.12ポイント改善)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、4,385億円の収入で、前連結会計年度に比べ941億円増加しました。これは税引前利益の増加や退職給付信託の一部の返還などによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、337億円の収入で、前連結会計年度に比べ1,649億円増加しました。これは関連会社株式の売却などによるものです。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは4,721億円の収入となり、前連結会計年度に比べ2,589億円増加しました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入などがあったものの、短期借入金の返済やNECネッツエスアイ㈱の完全子会社化に伴う非支配持分からの子会社持分取得による支出などにより、4,180億円の支出となりました。 現金及び現金同等物に係る為替変動による影響は、202億円の増加となりました。 上記の結果、現金及び現金同等物は、6,590億円となり、前連結会計年度末に比べ744億円増加しました。 ③ 生産、受注および販売の実績 NECグループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。 このため、生産、受注および販売の状況については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。 なお、外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、主要な販売先に関する記載を省略しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点によるNECグループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。連結財務諸表の作成には、期末日における資産、負債、偶発資産および偶発債務ならびに会計期間における収益および費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。 ① 当社の概要(主な事業内容)および経営成績に重要な影響を与える要因 NECグループの売上は、2つの主要なセグメントであるITサービス事業、社会インフラ事業から生じます。 各セグメントの製品およびサービス等の概要は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりです。 NECグループの各セグメントの業績は、景気動向およびIT投資の動向や通信事業者の投資動向等に左右されます。 経営成績に重要な影響を与えるその他の要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ② 重要性がある会計方針および見積り 経営陣は、次の重要性がある会計方針の適用における見積りや仮定が連結財務諸表に重要な影響を与えると考えています。 重要性がある会計方針および見積りにつきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」と「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。 ③ 当連結会計年度の経営成績の分析 当連結会計年度の売上収益は、3兆5,827億円と前連結会計年度に比べ1,593億円(4.7%)増加しました。これは、すべてのセグメントが増収となったことによるものです。 収益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度に比べ1,034億円増加し、3,599億円となりました。これは、売上収益の増加などによるものです。また、調整後営業利益は、前連結会計年度に比べ997億円増加し、3,868億円となり、Non-GAAP営業利益は、前連結会計年度に比べ859億円増加し、3,972億円となりました。 税引前利益は、営業利益が増加したことに加えて、日本航空電子工業㈱の株式売却益を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,584億円増加し、3,982億円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ950億円増加し、2,702億円となりました。また、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益は、前連結会計年度に比べ541億円増加し、2,798億円となりました。 セグメント別実績については次のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益については、外部顧客に対する売上収益を記載しています。 a.ITサービス事業売上収益2兆5,089億円(前連結会計年度比 2.0%増)調整後営業利益3,367億円( 同 849億円増加) ITサービス事業の売上収益は、国内の官公庁向けが好調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ491億円(2.0%)増加し、2兆5,089億円となりました。 調整後営業利益は、売上の増加に加え、BluStellarを中心とした収益性向上などにより、前連結会計年度に比べ849億円増加し、3,367億円となりました。 b.社会インフラ事業売上収益9,353億円(前連結会計年度比 12.4%増)調整後営業利益743億円( 同 139億円増加) 社会インフラ事業の売上収益は、エアロスペース・ナショナルセキュリティ領域における売上が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,032億円(12.4%)増加し、9,353億円となりました。 調整後営業利益は、売上の増加などにより、前連結会計年度に比べ139億円増加し、743億円となりました。 c.その他売上収益1,385億円(前連結会計年度比 5.3%増)調整後営業利益△41億円( 同 12億円減少) その他の売上収益は、前連結会計年度に比べ70億円(5.3%)増加し、1,385億円となりました。 調整後営業利益は、前連結会計年度に比べ12億円減少し、41億円の損失となりました。 財政状態につきましては、当連結会計年度末の総資産は4兆4,668億円と、前連結会計年度末に比べ1,514億円増加しました。流動資産は、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2,341億円増加し、2兆4,591億円となりました。非流動資産は、退職給付信託の一部の返還に伴うその他の非流動資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ827億円減少し、2兆77億円となりました。 負債は、2兆1,849億円と前連結会計年度末に比べ590億円減少しました。これは、社債及び借入金や営業債務及びその他の債務などが減少したことなどによるものです。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ1,771億円減少の4,892億円となり、デット・エクイティ・レシオは0.22倍(前連結会計年度末比0.12ポイント改善)となりました。また、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ2,516億円減少し、△1,698億円と現金及び現金同等物が有利子負債残高を上回る結果となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は、△0.08倍(前連結会計年度末比0.12ポイント改善)となりました。 資本は、NECネッツエスアイ㈱の完全子会社化に伴う資本剰余金および非支配持分の減少や、自己株式の取得に伴う自己株式の減少に対して、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加や、在外営業活動体の換算差額の増加など、その他の資本の構成要素の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,104億円増加し、2兆2,819億円となりました。 この結果、親会社の所有者に帰属する持分は2兆1,966億円となり、親会社所有者帰属持分比率は49.2%(前連結会計年度末比3.9ポイント改善)となりました。 ④ 流動性と資金の源泉 NECグループは、手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物と複数の金融機関との間で締結したコミットメントライン契約の未使用額との合計額を今後の事業活動のための適切な水準に維持することを財務活動の重要な方針としています。当連結会計年度末は、現金及び現金同等物6,590億円、コミットメントライン未使用枠2,300億円、合計8,890億円の手許流動性を確保し、必要な流動性水準を維持しました。なお、現金及び現金同等物は主に円貨であり、その他は米ドルやユーロなどの外国通貨です。 また、NECグループは、短期・長期の資金需要を満たすのに十分な調達の枠を維持しています。まず、短期資金調達では、その多くを国内コマーシャル・ペーパーの機動的な発行で賄っており、5,000億円の発行枠を維持しています。さらに、不測の短期資金需要の発生やコマーシャル・ペーパーによる調達が不安定になった場合の備えとして、コミットメントライン枠計2,300億円を維持し、常時金融機関からの借入れが可能な体制を敷いています。一方、長期資金調達では、国内普通社債の発行枠2,700億円を維持しています。 負債構成の考え方に関しては、必要資金の安定的な確保の観点から、十分な長期資金の確保、およびバランスのとれた直接・間接調達比率の維持を当面の基本方針としており、その状況を示すと次のとおりです。 前連結会計年度末当連結会計年度末長期資金調達比率 *157.0%78.3%直接調達比率 *235.9%50.0%*1 長期資金調達比率は、社債、長期借入金およびその他(1年超のリース債務)の合計を有利子負債で除して計算したものです。*2 直接調達比率は、社債(1年内償還予定を含む。)およびコマーシャル・ペーパーの合計を有利子負債で除して計算したものです。 (3)キャッシュ・フローの状況について キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。 (4)経営戦略と今後の方針について 経営戦略と今後の方針につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

事業リスク

  • 製品・サービスの品質問題
    NECグループは国内外で多岐にわたる製品やシステム、サービスを提供しており、サプライチェーンもグローバルに展開しています。そのため、製品やサービスの品質・安全性に問題が生じたり、大規模プロジェクトの管理に不備があったりすると、顧客からの信頼を失い、市場競争力が低下する可能性があります。最悪の場合、製品回収や顧客への補償、行政対応が必要となり、企業価値に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
  • サイバーセキュリティリスクの増大
    AI技術やクラウドサービスの利用拡大に伴い、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、情報漏えいや業務停止、サービス提供への支障といったリスクが高まっています。NECグループが提供する製品やシステムに脆弱性があった場合、顧客の事業継続や社会インフラに重大な影響を及ぼす可能性があります。また、経済安全保障の観点から厳格な情報管理が求められる中、対応不備は信用失墜や行政措置に繋がり、企業価値に重大な影響を与えるリスクがあります。
  • 国際情勢の不安定化と地政学リスク
    国際情勢の不安定化に伴う地政学リスクの高まりは、サイバー攻撃の激化やサプライチェーンの分断といった形で、経済活動や人々の安全な暮らしに深刻な脅威をもたらしています。これにより、NECグループの事業活動に予期せぬ影響が生じる可能性があります。特に、防衛分野や重要インフラの強靭化は国家的な最重要課題となっており、NECグループの事業機会にも影響を与える一方で、サプライチェーンの混乱は製品供給に支障をきたす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,523 文字
3【事業等のリスク】(1)リスク管理体制 NECグループでは、NECグループの事業に関連する社内外のリスクを的確に把握し対応するため、リスク・コンプライアンス委員会とCRCO(チーフリスク&コンプライアンスオフィサー)を中心とした全社横断的なリスク管理体制を整備しており、その概要は下図のとおりです。 リスク・コンプライアンス委員会では、リスク管理に関する活動方針、NECグループとして対策を講ずべき重点対策リスクの選定・対応方針のほか、期中のリスク変動により全社横断対応が必要となったリスクの対応、その他の全社リスク管理に関する重要な事項を審議し、事業戦略会議および取締役会に定期的に報告しています。 また、NECグループ全体のリスクを俯瞰して一元的・横断的に対応し、損失に繋がる可能性をコントロールするため、CRCOを設置しています。CRCOは、日々変化する社会・事業環境の中で多様化・複雑化するリスクを感知・分析し、インパクトを評価するとともに、対応の優先付けをした上で、各リスクを所管するチーフオフィサーと密に連携することで全社横断的なリスク管理を主導します。 (2)リスク特定における方針・プロセス・運用状況① 方針 NECグループでは、トレッドウェイ委員会支援組織委員会(COSO)の全社的リスクマネジメント統合フレームワークおよびリスク管理に関する国際標準規格であるISO31000を参照しています。そのうえで、適切なリスク管理によるリターン追求のため、NECグループの事業に関連するリスクをRisk Total Pictureとして類型化し、各リスクの責任部門や対応方針を決定しています。Risk Total Pictureでは、インテグリティをすべてのリスク管理活動の基礎とし、リスクをその性質によって3つに分類しています。このリスクが顕在化した場合、とりわけ会社の存続を脅かす事態(クライシス)への備えとして対応フローを整備しています。 ② プロセス CRCOは、NECグループとして認識しておくべきリスクを網羅的にとりまとめたリスク一覧をもとに、各リスクを所管するチーフオフィサーとの対話やリスクアセスメントを実施し、外部・内部環境変化や各リスク対策の状況を踏まえて5段階の影響度評価・3段階の切迫性評価を行い、優先順位を可視化したリスクマップを作成しています。 リスクマップは、四半期毎にリスク・コンプライアンス委員会での審議を経て更新しており、事業戦略会議および取締役会に定期的に報告しています。 ③ 運用状況 上記②のプロセスを通じて、NECグループが影響を受けるリスクについて、優先順位付けした現状のリスクマップは、以下のとおりです。 この中で、NECグループが特に重要と判断した「適正な製品・サービスの提供」を重点対策リスク、その次に重要と判断した「サイバーセキュリティ」、「人的資本」、「人権の尊重」および「重大な不祥事の発生」を重要なリスクとして、それぞれ以下に説明します。 (3)重点対策リスクおよび重要なリスク① 重点対策リスクリスク名称適正な製品・サービスの提供分類Business, Compliance評価影響度:4切迫性:3リスク説明 NECグループの事業活動は、国内外で行われており、提供する製品やシステム、サービスが多岐にわたっており、サプライチェーンもグローバルに展開しています。そのため、品質・安全性の確保ならびに受注プロジェクトの適切な管理は、顧客からの信頼確保と市場競争力の維持に不可欠な要素となっています。 これらは、NECグループ内だけでなく、サプライチェーンにおいても品質上の問題、あるいはプロジェクト管理の不備等を起因とした重大事象が発生した場合、顧客の事業継続や社会的に重要なシステムに影響を及ぼす可能性があります。 このような事象が発生した場合には、製品・サービスの回収措置、顧客への補償、行政対応、対外的な説明対応等が必要となるほか、ステークホルダーからの信頼失墜を招き、企業価値に重大な影響を及ぼすおそれがあります。品質・安全性およびプロジェクト管理に関する体制の運用状況は、NECグループの事業継続性および社会的評価と密接に関連しており、その適切な管理が行われない場合には、経営に対するリスクとなり得ます。対策品質・安全性推進体制 NECグループでは、製品やシステム、サービスの品質・安全性の確保とそのリスクに対する備えを重要な経営課題の一つと位置づけています。 CBXO(チーフビジネスプロセストランスフォーメーションオフィサー)が品質・安全性に対する管理責任を持ち、ビジネスプロセストランスフォーメーション部門、関係部門および連結子会社に設置している品質推進組織と、各事業部門および連結子会社それぞれで任命されている品質・安全性管理責任者が核となり、品質と安全性の向上に取り組んでいます。 万が一、顧客のシステムや社会的に影響のあるシステムでの重大なトラブルや、重大製品事故、技術法規制違反等が発生した際は、迅速なエスカレーションとともに、関係部門による協議を行い、顧客、所轄官庁、広報等についての対応方針を決定します。プロジェクトリスクマネジメント プロジェクト品質向上の全社目標を設定し、その実現に向けた課題や施策を共有し、実行・推進しています。プロジェクト実施にあたっては、受注前の段階からそれぞれのプロセスで審査会を開催し、そのプロジェクトに潜む技術的なリスクや安全性リスク、開発規模・期間、プロジェクト体制など多面的にリスクを事前に洗い出して、顧客とともに早期に解決をはかっています。 また、品質をプロセスで作り込むために、当社独自の品質会計等の品質管理手法を活用しながら、社内有識者による審査会等を行うことで不具合の流出を防いでいます。 さらに、課題プロジェクトに対する原因分析を行い、その問題点が解決できるようにプロジェクトリスクマネジメントのプロセスを改善して、再発防止を徹底しています。 ② 重要なリスクリスク名称サイバーセキュリティ分類Conduct評価影響度:5切迫性:2リスク説明 全世界がオープンに繋がり、NECグループを取り巻く事業環境においても、AI技術やクラウドサービスの利用拡大を背景に、サイバー攻撃の高度化および巧妙化が進んでいます。例えば、ランサムウェアをはじめとした攻撃のビジネス化、クラウドサービスのセキュリティ設定にミスや漏れがある状態などを狙った攻撃の増加等により、情報漏えい、業務停止、サービス提供への支障といったリスクは一層高まっています。 また、NECグループが提供する製品・システム・サービスに重大な事象が存在した場合には、顧客の事業継続や社会インフラに重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、経済安全保障の観点から厳格な情報管理が求められる領域での対応不備は、行政措置や信用失墜に直結するおそれがあります。 これらの事象は、NECグループに対する信頼を損なうとともに、企業価値に重大な影響を与えるリスクになり得ると考えています。対策 このような状況を踏まえ、NECグループでは「.JP(日本のサイバー空間)を守る」をスローガンに掲げ、「ゼロトラストセキュリティプラットフォーム」の構築を推進しており、ゼロトラスト成熟度モデルを踏まえた堅牢性と柔軟性を備えた対策を実施しています。 経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0」や、NIST(米国標準技術研究所)の「Cybersecurity Framework(2.0版)」に基づき、深刻化するサイバー攻撃に対するインテリジェンス(事前防御)やレジリエンス(攻撃からの回復能力)を強化、実行する体制を構築しています。 データドリブンサイバーセキュリティとして社内向けダッシュボードでサイバーセキュリティリスクを全従業員に示し、データを起点とした迅速な経営判断と現場の自律的なアクションに繋げ、統制を実現しています。 顧客に提供する製品、システム、サービスをセキュアに開発・運用するため、セキュリティ実装推進体制を構築しています。この体制は、サイバーセキュリティ部門と各事業部門のセキュリティ責任者で構成され、その内容およびセキュリティ実装プロセスは、「サイバーセキュリティ管理規程」に定めています。 セキュリティを確保する「セキュリティ・バイ・デザイン(SBD)」の思想に基づき、企画・提案フェーズから運用・保守フェーズまでのセキュリティ確保など、高品質で安全なサービスを提供するために、サプライチェーンも含めた対策強化に取り組んでいます。 リスク名称人的資本分類Business評価影響度:5切迫性:2リスク説明対策 人的資本に関するリスクは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本経営 ③リスク管理」に記載のとおりです。 リスク名称人権の尊重分類Conduct, Compliance評価影響度:4切迫性:2リスク説明 NECグループは、バリューチェーン全体の顕在的または潜在的な負の影響を継続的に評価することで、特に影響が大きいと考える「AIなどの新技術と人権」、「地政学的情勢や紛争影響をふまえた人権リスク」、「サプライチェーン上の労働」および「従業員の安全と健康」を顕著な人権課題として特定しています。 特にこれら顕著な人権課題への対応が不十分であるとみなされた場合、社会的批判が生じるのみならず、取引停止や評判低下を通じてNECグループの社会価値および企業価値に重大な影響を及ぼすリスクになり得ると考えています。対策NECグループ人権方針 NECグループは、あらゆる企業活動の場面において、基本的人権を尊重し、いかなる理由であっても差別行為を許さず、また個人の尊厳を損なう行為も許容しません。2015年に「NECグループ人権方針」を策定し、その後2022年6月に、国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」で求められている人権の尊重への経営トップのコミットメントとガバナンス体制を明確に示す内容に改定し、さらに2023年に国際労働機関(ILO)中核的労働基準に「安全で健康的な労働環境」が追加されたことを受け、これに対応する内容に改定しています。 当連結会計年度における顕著な人権課題に関する取り組みは、以下のとおりです。AIなどの新技術と人権 AI事業の遂行にあたり、プライバシーなどの基本的人権を適切に保護するための方針として、「NECグループ AIと人権に関するポリシー」を策定するとともに、AIと人権リスク対応の体制、計画、実施、点検および見直しに関するルールを規程として制定し、その実施や運用の浸透を図っています。地政学的情勢や紛争影響をふまえた人権リスク 紛争地域では、製品・サービスの使われ方次第で人権侵害をひき起こすおそれがあります。そこで当社は、経済協力開発機構(OECD)の「States of Fragility 2025」のリストをもとに、人権視点のハイリスク地域を特定し、該当地域の取引先の属性や人権・腐敗行為に関する情報、製品・サービスの用途などを取引前に確認しています。また、人権に関する各制裁リストも確認しています。さらに、取引先に人権方針がない場合、人権リスクの発生防止のため、「NECグループ人権方針」と同等の取り組みを求めています。サプライチェーン上の労働 「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に基づき、サプライチェーン上の人権リスクについて評価・特定を行い、当該リスクのある調達取引先に対して現地監査を実施し、必要に応じてリスク軽減に向けた是正対応をはかるなど、リスクベースアプローチによる活動を進めています。従業員の安全と健康 「NECグループ労働安全衛生マネジメントシステム」に基づき、リスクの特定および対策を行っています。また、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどのあらゆるハラスメントを禁止し、多様性を認め合う文化の醸成を目指しています。1997年に設置した人権啓発推進会議は、差別の禁止やハラスメントの防止をはじめとした人権啓発活動を継続して推進しています。 リスク名称重大な不祥事の発生分類Compliance評価影響度:4切迫性:2リスク説明 NECグループでは、贈収賄や競争法違反、個人情報漏えい等のコンプライアンス違反が重大な不祥事につながる可能性を認識しています。これらの不祥事は、行政処分、訴訟、罰金等の直接的損失をもたらすだけでなく、公共性の高い事業を多く担うNECグループにおいては、単一の事案であっても社会的信用の大幅な低下や取引停止等の重大な影響に発展し得ます。 このため、コンプライアンスに関する不備は、NECグループの社会価値およびステークホルダーからの信頼を根底から揺るがすリスクになり得ると考えています。対策コンプライアンスの方針 NECグループでは、Principlesに「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」を掲げてコンプライアンスを経営の基本に置き、役員から従業員に至るまで、全社的な取り組みを継続的に実施しています。コンプライアンス体制 NECグループでは、NECグループコンプライアンスポリシーを策定し、CRCOがコンプライアンス課題の全体を俯瞰し、リスク・コンプライアンス委員会を通じて、具体的な課題対応について審議・対策の推進を行っています。 また、「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)の周知をはじめとしたコンプライアンス徹底のための各種施策を企画立案のうえ、実施しています。さらに、各部門が実施するリスクマネジメントが体系的かつ効果的に行われるように、必要な支援、調整および指示を実行しています。個人情報保護法違反の防止 CLO(チーフリーガルオフィサー)を個人情報保護担当役員として定めるとともに、個人情報保護管理者、個人情報保護推進事務局、個人情報保護監査責任者を設置して会社として個人情報保護の推進をしています。 また、個人情報保護管理者は、個人情報保護マネジメントシステムの運用責任者を務めるとともに、マイナンバーに関する対応についても、特定個人情報保護責任者としての役割を担っています。 当社は、JIS Q 15001に適合し、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備していると評価された事業者などに付与されるプライバシーマークを2005年10月に取得して以来、JIS Q 15001に準拠した個人情報の取り扱いを行うことなどを 「NEC個人情報保護方針」に定めています。贈収賄・腐敗行為等の防止 「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)では、「会社の利益に反する行為の禁止」、「贈収賄と腐敗防止」、「接待・贈答、寄付、政治活動への対応」などに関する行動指針を定め、あらゆる形態の贈収賄・腐敗防止の徹底に努めています。 具体的な対応として、会社の利益に反する行為の禁止については、「利益相反対応ガイドライン」、贈収賄等については、「贈収賄防止基本規程」のもと、贈収賄防止や接待・贈呈・寄付に関する各種ガイドラインを策定・運用しています。 NECグループは、上記以外のリスクについても、回避および顕在化した場合の対策に努めています。ただし、NECグループの事業、業績および財政状態は、予見することが困難なリスクや重要性が低いと考えられるリスクにより、影響を受ける可能性があります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末においてNECグループが判断したものです。 (注) 本文中の組織・役職名は、2026年4月1日時点のものを記載しています。

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