6742

京三製作所(6742)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 信号システム事業
    鉄道信号システムや道路交通管制システムといった、社会インフラを支える製品の生産・販売が主力です。これらのシステムは、列車の安全運行や道路の交通渋滞緩和に不可欠であり、公共性の高い事業として安定的な需要が見込まれます。
  • パワーエレクトロニクス事業
    産業機器用電源装置や鉄道信号用電源装置の生産・販売を手掛けています。特に半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向けの電源装置は、最先端技術を支える重要な部品であり、技術革新の進展とともに需要が変動する特性があります。
  • 多角的な事業構成
    京三製作所グループは、信号システムとパワーエレクトロニクスという異なる分野の事業を展開しており、これにより収益源の多様化を図っています。グループ全体で13社から構成され、それぞれの専門性を活かして事業を推進しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 鉄道信号システム・交通管理システム事業
    この事業は、鉄道の安全運行を支える信号システムや、道路の交通を効率的に管理するシステムを提供しています。最新年度の売上高は711.28億円、営業利益は97.21億円と、グループの主要な収益源であり、安定した収益を上げています。
  • パワーエレクトロニクス事業
    産業機器や鉄道信号システム向けの電源装置を製造・販売しています。最新年度の売上高は142.39億円、営業利益は11.91億円です。この事業は、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置など、技術革新が著しい分野に製品を供給しており、今後の成長が期待されます。
  • 事業の地域構成
    有価証券報告書には地域別の詳細な記載はありませんが、海外に8カ所の拠点を持つことから、グローバルに事業を展開していることが伺えます。特に海外事業は成長戦略の重要な取り組みと位置付けられており、現地生産や現地企業との協業を深めることで、さらなる市場拡大を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
RailwaySignalingSystemsAndTrafficManagementSystemsBusiness 地域 711 97 13.7%
PowerElectronicsBusiness 地域 142 12 8.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|272 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)の企業集団は、当社、連結子会社8社、非連結子会社1社、持分法適用関連会社2社、持分法非適用関連会社1社の計13社で構成されております。事業部門を基礎として、信号システム事業およびパワーエレクトロニクス事業の2つを報告セグメントとしており、信号システム事業は鉄道信号システム、道路交通管制システム等の生産・販売を行っており、パワーエレクトロニクス事業は産業機器用電源装置、鉄道信号用電源装置等の生産・販売を行っております。当企業集団の事業に係わる位置づけは、おおむね次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格や人件費上昇時に製品価格の引き上げに繋がる可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
鉄道信号・道路交通システム等の交通インフラを支える公共性の高い製品であり、高品質、安全性、高信頼性が求められる。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:信号システム業界の需要動向等による影響 / 半導体、FPD業界の需要動向等による影響 / 当社製品の特性に起因する影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

長年の実績と信頼に基づくブランド力はあるが、特許やIPの強さは限定的。信号機や道路用設備分野での一定の認知度。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

公共インフラ関連の設備は、一度導入されると更新サイクルが長く、仕様変更に伴う切り替えコストは無視できない。しかし、技術革新による代替可能性も存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果はほとんど見られない。製品は個別のインフラに設置されるもので、ユーザー間の相互作用による価値向上はない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

製造業として一定の規模メリットはあるが、競合他社との圧倒的なコスト優位性は確立されていない。価格競争力は限定的。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

信号機や道路用設備分野において、国内市場では一定のシェアを確保しており、大手プレイヤーとして効率的な生産・供給体制を構築している。新規参入障壁は高い。

  • 交通インフラの公共性
    鉄道信号システムや道路交通管制システムは、人々の安全・安心な暮らしを支える公共性の高いインフラです。これらの製品は高い信頼性と安全性が求められるため、新規参入が難しく、既存のサプライヤーには安定的な事業基盤があります。
  • 技術力と品質
    長年にわたり培ってきた信号システムや電源装置に関する高い技術力と品質が強みです。特に鉄道信号・道路交通システムでは、デザインレビューの徹底や確実な出荷検査により、製品の不具合発生を未然に防ぐ努力がなされており、これが顧客からの信頼に繋がっています。
  • サプライヤーとの関係
    製品製造に必要な原材料を複数のサプライヤーから調達しており、取引基本契約を締結することで安定的な関係を築いています。これにより、原材料の安定供給と価格変動リスクの軽減に努め、生産体制の安定化に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」
    2025年4月から新たな中期経営計画をスタートさせ、前計画の未達事項を是正しつつ、脱炭素社会貢献、革新的な製品開発、経営基盤・ガバナンス強化、人的資本の充実という12の基本戦略に取り組みます。これは持続的な成長を目指すための羅針盤となります。
  • 企業理念の再構築
    『新しい価値を創造し、人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献します』という企業理念を掲げ、目指す企業像を「信頼度ナンバーワンKYOSAN」と設定しました。これは全社員が共有し、事業活動の方向性を示す重要な指針となります。
  • 資本効率と成長投資
    資本収益性の向上と、成長投資およびステークホルダーへの安定的な還元を重視し、資本コストや株価を意識した経営を推進する方針です。これにより、企業価値の最大化を図り、持続的な成長と社会貢献の両立を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、事業基盤の確立を進めた前中期経営計画の次のステップとして、2028年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」を策定し、その目標達成に向け取り組んでまいりました。 その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、信号システム事業は受注、売上、利益共に前期を上回りました。パワーエレクトロニクス事業は、期末における主要顧客からの需要増により受注は前期を上回ったものの、当社の主力製品分野における市況の立ち上がりの遅れや、フラットパネルディスプレイ製造装置の投資計画繰り延べに加え、需要を見込み先行調達していた部材の販売可能性低下に伴う廃棄損および評価損を計上したことから売上、利益は前期を下回りました。 中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」2年目となる第162期(2027年3月期)は、前中期経営計画からの継続課題でもあるパワーエレクトロニクス事業の構造改革と、キャッシュフローの改善を重要課題として、解決に取り組んでまいります。 今後も当社グループは、新たな企業理念のもとに掲げた目指す企業像「信頼度ナンバーワンKYOSAN」の実現に向け、高い専門性とスキルを発揮し、プロフェッショナルとして進化し続けることで、顧客価値と企業価値の最大化を追求し、社会の持続的発展に貢献してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、事業基盤の確立を進めた前中期経営計画の次のステップとして、2028年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」を策定し、その目標達成に向け取り組んでまいりました。 その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、信号システム事業は受注、売上、利益共に前期を上回りました。パワーエレクトロニクス事業は、期末における主要顧客からの需要増により受注は前期を上回ったものの、当社の主力製品分野における市況の立ち上がりの遅れや、フラットパネルディスプレイ製造装置の投資計画繰り延べに加え、需要を見込み先行調達していた部材の販売可能性低下に伴う廃棄損および評価損を計上したことから売上、利益は前期を下回りました。 中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」2年目となる第162期(2027年3月期)は、前中期経営計画からの継続課題でもあるパワーエレクトロニクス事業の構造改革と、キャッシュフローの改善を重要課題として、解決に取り組んでまいります。 今後も当社グループは、新たな企業理念のもとに掲げた目指す企業像「信頼度ナンバーワンKYOSAN」の実現に向け、高い専門性とスキルを発揮し、プロフェッショナルとして進化し続けることで、顧客価値と企業価値の最大化を追求し、社会の持続的発展に貢献してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。 ① 財政状態および経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調にあるとされるものの、物価上昇の継続や米国をはじめとする海外の政策動向による景気への影響に加え、中東地域における地政学的リスクの顕在化などを背景として、先行き不透明な事業環境が続きました。このような事業環境の下、当社グループは2025年4月より、新たな企業理念、企業ビジョンおよび行動規範のもと、3ヵ年の中期経営計画"KYOSAN Next Step 2028"をスタートしました。本中期経営計画では、新たな企業理念に掲げる「新しい価値を創造」し、「人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展」の実現を目指し、マテリアリティ(経営重要課題)に紐づく「12の基本戦略」に基づき各種施策に取り組んでおります。 当連結会計年度の受注高につきましては信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業ともに前期を上回りました。売上高につきましては、信号システム事業は前期を上回り、パワーエレクトロニクス事業は前期を下回りましたが、両事業合計では前期を上回る結果となり、2期連続で過去最高を更新しました。利益面につきましては、生産効率化の推進によるリードタイム短縮や、売上計上時期の前倒しなど、収益力向上に向けた各種施策を着実に実行し、利益の確保に努めました。これらの取り組みは一定の成果を上げたものの、人件費の増加に加え、販売費及び一般管理費の増加が利益を圧迫しました。また、パワーエレクトロニクス事業において、販売可能性が低下した棚卸資産の一部を処分し、廃棄損および評価損を計上しました。これらの影響により営業利益および経常利益は前期比で減少しました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については投資有価証券の売却等に伴う特別利益を計上したことにより、前期を上回りました。この結果、当連結会計年度の業績は、受注高98,562百万円(対前期比16,611百万円増)、売上高93,122百万円(同7,755百万円増)、営業利益4,503百万円(同1,608百万円減)、経常利益5,203百万円(同1,442百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,042百万円(同258百万円増)となりました。 セグメント別の業績概況は次のとおりであります。 〔信号システム事業〕鉄道信号システムにおける受注は、当社顧客の積極的な設備投資等を背景とした好調な環境により前期を上回りました。主な案件としてOsaka Metro向けATC地上装置および連動装置、名古屋市交通局向け連動装置などの受注がありました。売上は、豊富な受注残を背景に受注済み案件の売上に努めた結果、前期を上回りました。主な案件としてインド貨物専用鉄道東回廊向け信号設備や国内鉄道事業者向け可動式ホーム柵などの売上がありました。道路交通システムでは、主に大都市圏において交通信号制御機、交通信号灯器の受注が好調に推移したことから、受注、売上とも前期を上回りました。この結果、当事業では受注高82,559百万円(対前期比16,163百万円増)、売上高79,781百万円(同8,653百万円増)、セグメント利益は11,950百万円(同2,229百万円増)となりました。 〔パワーエレクトロニクス事業〕受注は、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置における前期の大口受注の反動減はあったものの、半導体製造装置用電源装置は主要顧客からの需要の増加により前期を上回りました。売上は、半導体製造装置用電源装置は前期とほぼ同等であったものの、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置において、エンドユーザーの投資計画が来期以降に繰り延べになったことから前期を下回りました。利益面では、棚卸資産の廃棄損および評価損を計上した結果、セグメント損失を計上することとなりました。この結果、当事業では受注高16,002百万円(対前期比447百万円増)、売上高13,341百万円(同898百万円減)、セグメント利益は△2,339百万円(同3,530百万円減)となりました。 当連結会計年度末における流動資産は84,195百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,637百万円減少しました。これは主に、棚卸資産が9,249百万円減少したことによるものです。固定資産は35,013百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,841百万円増加しました。これは主に、投資有価証券が438百万円増加したことによるものです。この結果、資産合計は119,208百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,796百万円の減少となりました。当連結会計年度末における流動負債は48,162百万円となり、前連結会計年度末に比べて10,275百万円減少しました。これは主に、契約負債が5,737百万円、電子記録債務が1,409百万円それぞれ減少したことなどによるものです。固定負債は15,377百万円となり、前連結会計年度末に比べて478百万円減少しました。これは主に、長期借入金が900百万円減少したことによるものです。この結果、負債合計は63,539百万円となり、前連結会計年度末に比べて10,753百万円の減少となりました。当連結会計年度末の純資産合計は55,668百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,957百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が3,603百万円増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、6,898百万円となり前連結会計年度末に比べ1,234百万円減少しました。 営業活動によるキャッシュ・フローは3,391百万円のプラスとなり、前連結会計年度に比べ351百万円の収入減となりました。これは棚卸資産の増減額が9,314百万円の支出減となったものの、契約負債の増減額が5,737百万円の収入減となったことが主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは471百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ154百万円の収入減となりました。これは、定期預金の払戻による収入が552百万円減少したことが主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは4,169百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ282百万円の支出減となりました。これは長期借入金の返済による支出が2,000百万円減少したことなどが主な要因です。 ③ 生産、受注および販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)信号システム事業71,769△1.1パワーエレクトロニクス事業6,238△56.4合計78,008△10.2 (注) 金額は販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)信号システム事業82,55924.3101,3722.8パワーエレクトロニクス事業16,0022.910,05836.0合計98,56220.3111,4305.1 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)信号システム事業79,78112.2パワーエレクトロニクス事業13,341△6.3合計93,1229.1 (注) いずれの相手先に対する販売実績も総販売実績に対し10%未満であるため、主要な販売先の記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績の状況中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」の1年目となる当連結会計年度の経営成績につきましては、前項「(1)経営成績等の状況の概要①」に記載のとおり、受注高は信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業ともに前期を上回りました。売上高につきましては、信号システム事業は前期を上回り、パワーエレクトロニクス事業は前期を下回りましたが、両事業合計では前期を上回る結果となり、2期連続で過去最高を更新しました。利益面につきましては、生産効率化の推進によるリードタイムの短縮や、売上計上時期の前倒しなど、収益向上に向けた各種施策を着実に実行し、利益の確保に努めました。これらの取り組みは一定の成果を上げたものの、人件費の増加に加え、販売費及び一般管理費の増加が利益を圧迫しました。また、パワーエレクトロニクス事業において販売可能性が低下した棚卸資産の一部を処分し、廃棄損および評価損を計上しました。全社的な取り組みにつきましては、サステナブル戦略を推進し、持続的な企業価値の向上と、社会の持続的成長への貢献を目指すとともに、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを継続してまいります。 また、資本収益性の向上と、成長投資ならびにステークホルダーへの安定的な還元を継続するため、資本コスト、株価を意識した経営を推進してまいります。 業務プロセスの全体最適化とデータの一元管理による経営判断の迅速化を目的としたERPの導入による基幹システムの刷新については、2028年3月期の運用開始に向けた取り組みを引き続き推進してまいります。信号システム事業につきましては、生産効率の改善や部品の共通化といった諸施策が一定の成果を上げており、引き続き注力するとともに、インド・ヨーロッパを中心とする海外マーケットにおける受注拡大に努めます。また、GOA2.5自動運転や無線式列車制御システムの製品化、CBM(鉄道信号設備の状態基準保全)を活用した保守作業軽減に資する製品の拡販などにより顧客価値の拡大を図ります。道路交通システムでは、AI・IoT、高速通信等を駆使した製品の納入、モビリティ変革やスマートシティ対応製品の開発と、自治体等が主導する自動運転の実証実験への参画を継続します。パワーエレクトロニクス事業につきましては、今後棚卸資産の発生を極小化するため、生産管理部門と調達部門を統合し、生産管理プロセス全体の効率化を進めてまいります。また、主力製品である半導体製造装置用電源装置において、業界最高効率を誇る最先端の電力変換技術を生かし、新規製品の投入による製品領域の拡大等の取り組みにより、マーケットシェアと売上の拡大をめざしてまいります。今後も社会全体の取り組みに協力するとともに、企業の社会的責任・役割を遂行するため適切に対処してまいります。 ② 財政状態の状況信号システム事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が86,079百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,695百万円減少しました。これは主に、売掛金が2,479百万円増加しましたが、棚卸資産が5,310百万円減少したことによるものであります。パワーエレクトロニクス事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が17,013百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,411百万円減少しました。これは主に、棚卸資産が3,939百万円減少したことによるものであります。 ③ 資本の財源および資金の流動性に係る情報当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用および当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。 当社グループの資金の流動性につきまして、手許の運転資金については当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。 ④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (3) 経営成績に重要な影響を与える要因について該当事項はありません。

事業リスク

  • 事業環境の変動
    信号システム事業は顧客の年度予算に左右されやすく、売上が下半期に集中する傾向があります。また、パワーエレクトロニクス事業は半導体・FPD業界の需給サイクルや技術革新の影響を受けやすく、業績が変動する可能性があります。
  • 製品品質と原材料調達
    交通インフラを支える製品は高い品質が求められ、万一不具合が発生した場合には迅速な対応が必要です。また、原材料価格の上昇や供給不足は、製品価格の引き上げや利益率の低下、生産工程への影響に繋がる可能性があります。
  • 海外事業と自然災害
    海外展開は成長戦略の柱ですが、各国の社会・政治・経済情勢、為替、法規制などのカントリーリスクが存在します。また、大規模な自然災害や感染症の発生は、生産活動やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,399 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業、経営成績、財政状態、株価等に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスク要因につきましては、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断、当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクを認識し、その発生の回避・コントロール、および発生した場合の適切な対応に努めてまいります。なお、これらのリスクは当社グループに関係するすべてのリスクを網羅するものではありません。また、記載内容のうち、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 事業環境に関するリスク① 信号システム業界の需要動向等による影響当社グループは主力の鉄道信号システムや道路交通システムについて、国内事業の製品納期あるいは工事竣工時期が顧客の年度予算との兼ね合いから期末に集中する傾向があり、この影響により売上高が下半期に偏重する傾向にあります。また、当社の売上の多くは、顧客からの個別案件であり、顧客の設備投資計画や更新時期によって、年度ごとに経営成績に変動が生じる可能性がありますが、できる限り納期調整等を行い平準化に努めてまいります。 ② 半導体、FPD業界の需要動向等による影響 当社グループのパワーエレクトロニクス事業における主力の半導体・FPD製造装置用電源装置について、顧客要求への対応力強化や高付加価値製品の開発等を進めておりますが、各々の業界における短期・中長期的な需給サイクルや技術革新の進捗によって、経営成績に大きな変動が生じる可能性があります。 ③ 当社製品の特性に起因する影響当社グループは高品質、安全性、高信頼性に配慮した設計・製造に努めております。特に、鉄道信号・道路交通システム等の製品につきましては、交通インフラを支える公共性の高い製品であり、製品品質についてはデザインレビューの徹底、確実な出荷検査の実施等により万全を期しておりますが、使用部品等の要因により出荷検査段階では発見できない製品不具合を発生させる可能性があります。その場合には、該当する製造ロット部品の全数検査を行う等の同機種対策を迅速に行い、影響の拡大防止を図ります。 ④ 原材料の調達に起因する影響当社グループは製品の製造に使用する原材料を複数のサプライヤから調達しています。これらのサプライヤとは取引基本契約を締結し、安定的な取引を行っておりますが、市況の変化により原材料価格や人件費が上昇した場合、製品価格の引き上げや利益率の低下に繋がる可能性があります。また原材料の供給不足が生産工程に影響することがあります。 (2) 海外事業展開に関するリスク当社グループは海外の国・地域に8カ所の拠点等を有し、成長戦略の重要な取り組みの一つとして海外事業展開に注力しております。商社、エンジニアリング会社等との協力関係の下、現地法人を基点とした現地生産や現地企業との協業を深度化する等、積極的に事業のグローバル展開を進めております。そのため、グローバル人財の増強と育成は急務であり、海外拠点要員の早期育成と現地採用をバランスよく実施してまいります。また、現地従業員のための安全マニュアル等の整備を図っておりますが、当該国・地域の社会・政治・経済情勢、衛生環境、為替、税務、知的財産権等を含む現地の政情、法規制や商慣習等による、いわゆるカントリーリスクが国・地域ごとに異なることから、現地専門機関、弁護士事務所等と緊密に連携を図り、リスク回避およびリスク発生時の対応に備えております。さらに、国際情勢の不安定化や地域紛争の発生・長期化に伴う事業活動への影響に備え、事業継続計画(BCP)の整備やサプライチェーンの分散化、情報収集体制の強化等を通じて、被害の極小化と迅速な復旧に努めております。 (3) 自然災害等に関するリスク① 自然災害等による操業への影響当社の生産活動は神奈川県横浜市の本社・工場を拠点としております。本社については免震構造、工場については耐震構造の建屋としており、大規模地震の発生に対しても安全を確保できる構造となっております。さらに地震発生時の電気、水道、ガス等のインフラ停止に備えて、飲料水、食料等の生活必需品の備蓄、自家発電設備を設置しており、併せて、富士山の大規模噴火に備えて降灰対策の計画を策定するなど、復旧までの事業継続体制を整えております。今後も引き続き事業継続計画の定期的な見直し、改善を図ってまいります。 ② 大規模な感染症の発生による影響新型コロナウイルスは5類感染症へ移行されておりますが、今後、大規模な感染症が再び発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは引き続き感染症全般の拡大防止に努めるとともに、感染症による被害を受けた場合においても企業としての供給責任を果たすため、事業継続計画の継続的な見直し、改善を図ってまいります。 (4)環境規制・気候変動に関するリスク当社グループは、地球温暖化防止、水質汚濁、大気汚染、騒音、土壌汚染、廃棄物処理、使用する有害化学物質などにおいて、国内外の環境法令の遵守に努めております。また、気候変動対応については、2022年度から気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)のフレームワークをもとに、様々なリスクと機会の把握に努めると共に、「脱炭素社会貢献」をマテリアリティ(経営重要課題)として位置付け、適切な情報開示、対応を進めております。将来、環境規制への適応が極めて困難な事象や不測の事態が発生する場合には、環境対応に関する費用の増加や事業活動停止などの可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「新しい価値を創造し、人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献します」との企業理念のもと、事業活動を通じ、地球規模の課題である気候変動の緩和のための取り組みを推進しリスクの低減を図るとともに、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。 (5) 情報セキュリティに関するリスク当社グループは社会の公共性、公益性、安全性に深くかかわる企業として、情報セキュリティ基本方針において情報セキュリティに関するリスクは重大な問題と捉え、情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、サイバー攻撃対策、不正アクセス対策、コンピューターウイルス対策等を講じております。事業のグローバル展開が進展し、また、テレワークの定着等により情報関連のインシデントリスクが増しており、インシデント発生時には顧客への損害補償や営業機会の損失、社会的信用の失墜等のため企業の存続が危ぶまれる事態を招く可能性もあります。当社グループは、情報セキュリティ基本方針に基づき情報システム部門の強化やIT環境の整備等に努めるとともに、システム上のセキュリティ強化や当社グループの情報を扱うすべての従業員、関係者を対象とした教育の徹底によって、情報セキュリティリスクの低減に努めております。 (6) その他のリスク当社グループは、常に新しい会計基準等に基づき会計処理を行い決算に反映させておりますが、誤った会計処理によって決算の内容に影響を与えるリスクがあると認識しており、関係者による事例を用いた説明、会計処理のダブルチェック等によりこれらのリスクを排除するべく対応しております。 当社グループは、安全対策とセキュリティを一段と強化し、重要な財産である人的資源と大切な資産を各種の災害から保全するとともに、事業遂行上のリスク管理を目的とするリスク管理委員会体制の下、グループリスク管理体制およびグループコンプライアンス体制を強化し推進しております。また、内部監査室による内部監査結果を社長、取締役会、監査役会へ報告し、グループ内でリスク情報を共有することで再発防止に繋げております。当社グループは、引き続きコンプライアンスの徹底とガバナンスの強化に努めてまいります。

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