6807

日本航空電子工業(6807)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 多角的な電子部品事業
    日本航空電子工業は、コネクタ、インターフェース・ソリューション機器、航空・宇宙用電子機器、電子部品の製造・販売を主な事業としています。これらの製品はスマートフォン、自動車、産業機器、防衛・宇宙分野など、幅広い産業で利用されており、多様な顧客ニーズに対応しています。
  • グローバルな製造・販売体制
    国内外に多数の子会社や関連会社を持ち、製品の製造から販売までを一貫してグローバルに展開しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給やサービス提供が可能となり、安定的な収益基盤を構築しています。
  • 技術と製品の多様性
    コネクタ事業では携帯機器向けから車載、産機・インフラ向けまで多種多様なコネクタを提供し、インターフェース・ソリューション事業ではタッチパネルなどを、航機事業では防衛・宇宙用電子機器などを手掛けています。幅広い技術と製品ラインナップで、様々な産業の進化を支えるビジネスモデルです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • コネクタ事業
    売上高1,928.25億円、営業利益176.54億円と、同社の主力事業です。スマートフォン向け携帯機器、車載カメラなどの自動車向け、FA・工作機械などの産機・インフラ向け、ゲーム機器向けなど、幅広い分野のコネクタを製造・販売しています。2027年3月期からはインターフェース・ソリューション事業を統合し、さらなる成長を目指します。
  • インターフェース・ソリューション事業
    売上高89.93億円、営業利益3.2億円。車載用静電タッチパネルなどの自動車向け製品や、産業機器・医療機器用のタッチ入力モニタ・操作パネルなどを製造・販売しています。2027年3月期にはコネクタ事業に統合される予定であり、事業シナジーの最大化を図ります。
  • 航機事業
    売上高193.15億円、営業利益25.53億円。飛行制御装置や慣性航法装置などの防衛・宇宙用電子機器、半導体製造装置向け制振・駆動用機器、油田掘削用センサパッケージなどの産機・インフラ向け製品を製造・販売しています。高信頼性が求められる分野で、安定した収益基盤を築いています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Connector 事業 1,928 177 9.2%
UserInterfaceSolutions 地域 90 3 3.6%
Aerospace 事業 193 26 13.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,268 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社27社(うち海外子会社17社)及び関連会社2社で構成され、その主な事業内容はコネクタ、インターフェース・ソリューション機器、航空・宇宙用の電子機器及び電子部品の製造・販売並びにこれらに関連する機器及び部品等の仕入販売であります。当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、2027年3月期より、インターフェース・ソリューション事業をコネクタ事業へ統合する、報告セグメントの変更を行っております。 (1) コネクタ事業コネクタ事業は、スマートフォンを中心とする携帯機器向け、車載カメラなどのADAS向け関連製品を含む情報通信系やECUなどのボディ・パワートレイン系をはじめとする自動車向け、及びFA・工作機械、通信ネットワーク機器などを中心とする産機・インフラ向けのほか、ゲーム機器向けなど、幅広い分野で使用される各種コネクタを製造・販売しております。(主な関係会社)[製造、販売]当社、弘前航空電子㈱、山形航空電子㈱、JAE Oregon,Inc. 、JAE Tijuana, S.A. de C.V.、JAE Taiwan,Ltd. 、JAE Philippines,Inc. 、JAE Wuxi Co.,Ltd. 、JAE Hong Kong Ltd. 、JAE Wujiang Co., Ltd.[生産設備製造]富士航空電子㈱、盟友技研㈱[販売]JAE八紘㈱、JAE Electronics,Inc. 、JAE Korea,Inc. 、JAE Shanghai Co., Ltd. 、JAE Europe,Ltd. 、JAE Singapore Pte Ltd.(2) インターフェース・ソリューション事業インターフェース・ソリューション事業は、車載用静電タッチパネルなどの自動車向け製品、産業機器用・医療機器用の各種タッチ入力モニタ・操作パネルなどの産機・インフラ向け製品を製造・販売しております。(主な関係会社)[製造、販売]当社、JAE Wujiang Co., Ltd. 、JAE Hong Kong Ltd.[販売]JAE八紘㈱、JAE Korea,Inc. 、JAE Shanghai Co., Ltd. (3) 航機事業航機事業は、飛行制御装置、慣性航法装置、電波高度計などの防衛・宇宙用電子機器、及び半導体製造装置向け制振・駆動用機器、油田掘削用センサパッケージなどの産機・インフラ向け製品を製造・販売しております。(主な関係会社)[製造、販売]当社、信州航空電子㈱[販売]JAE八紘㈱、JAE Electronics,Inc. 、JAE Europe,Ltd. (4) その他その他の物品の販売及び当社グループに関わる物流サービス事業を行っております。(主な関係会社)[販売]JAE八紘㈱[物流]ニッコー・ロジスティクス㈱ 以上の事業系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
コネクタなどの製品価格の低下や急速な技術革新により、利益率悪化等が業績に影響を及ぼす可能性
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高い技術力を活かし、競合との厳しい競争環境の中で市場シェアを維持し、安定した利益を確保
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:環境課題への対応リスク / 自然災害、疫病に関するリスク / 経済・金融・為替の変動及び地政学リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

同社はコネクタ分野で長年の実績と一定のブランド認知を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は限定的。特定の技術分野での強みはあるものの、汎用的な部品も多く、無形資産による競争優位性はまだ弱い。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

航空宇宙、医療、産業機器といった高度な信頼性が求められる分野向けコネクタは、一度採用されると仕様変更やサプライヤー変更のハードルが高い。顧客は認証取得や品質管理体制の維持にコストをかけるため、スイッチング・コストは中程度存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

コネクタ事業は基本的にBtoBであり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は発生しない。製品の普及が直接的に製品価値を高める構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大量生産による規模の経済はある程度期待できるが、競合他社も同様の効率化を進めているため、構造的なコスト優位性は確立されていない。為替変動の影響も受ける。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

コネクタ業界は多数のプレイヤーが存在するものの、特定の高付加価値分野においては、同社のような専門メーカーが一定のシェアを確保している。業界規模に対して最適な少数寡占とは言えないが、ニッチ市場での存在感は大きい。

  • 高信頼性技術と実績
    防衛・宇宙分野で培われた飛行制御装置や慣性航法装置などの高信頼性技術は、同社の大きな強みです。これらの技術は、極めて高い品質と安全性が求められる分野で長年の実績があり、他社との差別化要因となっています。
  • 幅広い市場カバレッジ
    スマートフォン、自動車、産業機器、航空・宇宙といった多様な市場に製品を提供しているため、特定の市場変動リスクを分散できる強みがあります。特に、成長が見込まれる自動車の電装化やデータセンターの光化など、将来性のある分野に注力しています。
  • グローバルな生産・販売網
    世界各地に生産・販売拠点を展開しており、顧客のグローバルなニーズに迅速に対応できる体制を構築しています。これにより、安定した製品供給と効率的な事業運営が可能となり、国際競争力を高めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • ポートフォリオ変革による収益最大化
    2028年度を最終年度とする中期経営計画では、注力領域へのリソース集中と重点4市場(自動車、携帯機器、産機・インフラ、航空・宇宙)のリバランスを通じて、事業ポートフォリオ全体の最適化を目指します。特に、自動車と携帯機器市場では収益力の再生・強化を最優先課題としています。
  • 事業基盤強化と効率性向上
    業務プロセスや情報システムの最適化により経営効率を高め、強固な事業基盤を構築します。材料調達や設備開発プロセスの抜本的な改革によるコスト競争力強化、IT基盤活用によるオペレーションコスト低減、データに基づく意思決定の高度化を進めます。
  • 技術開発とグローバルマーケティングの強化
    お客様のイノベーションを加速させる技術開発とものづくりに注力し、「Technology to Inspire Innovation」をグローバルスローガンとして掲げています。グローバルマーケティングを通じて顧客ニーズを把握し、先行技術開発にリソースを集中することで、将来の成長を支える高付加価値製品を創出します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、創業以来『開拓・創造・実践』の企業理念のもと、独自の革新的、創造性に富んだ高い技術・開発力を背景に、「コネクタ事業」「インターフェース・ソリューション事業」「航機事業」の3つの事業をグローバルに展開し、発展してまいりました。“Technology to Inspire Innovation”「当社の開発する技術が、お客様の独創的な商品開発に新しい扉を拓きます。」をグローバルスローガンとして、お客様のイノベーション実現を加速する技術開発・ものづくりに注力しております。そして、世界のお客様からパートナーとしての高い信頼をいただくため、「連結経営を基軸としたグローバルな事業展開」「グローバルマーケティングと技術開発力の強化」「品質・ものづくりの革新」を経営の基本方針として推進しております。そして航空電子グループ企業行動憲章に基づいて、良き企業市民として、関係法令を遵守し、お客様、株主・投資家の皆様、取引先、地域社会をはじめとした関係者に対する社会的責任を果たすことを目指します。なお、2026年度より、経営資源を集約して効率性を高めるとともにシナジーを最大化し、事業の再成長及び収益力の改善を図るために、インターフェース・ソリューション事業をコネクタ事業へ統合した報告セグメントへ変更することといたしました。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループを取り巻く事業環境は、デジタル化の加速、世界的な脱炭素化への流れ、通信システムやAIの進化、宇宙産業の発展など、社会や市場が大きく変化しています。当社グループの注力市場においても、自動車市場における電装化の加速、産機・インフラ市場ではデータセンターでの光化・高速伝送化の加速や、FA・工作機械のネットワーク化の進展が見込まれ、携帯機器市場ではスマートフォンの機能進化のほか、ウェアラブル機器の普及も期待されています。航空・宇宙市場においては、防衛向けは次世代装備品開発が進み、宇宙向けはロケット・衛星開発の官民連携が活発化するなど、各市場において大きな変化が見込まれます。こうした環境の中で、当社グループは、革新的かつ創造性に富んだ高い技術・開発力を通じて、"Connected Society"、"Safe Mobility"、"Clean Energy"、"Industrial Innovation"、"Air, Space and Ocean"の5つの領域において、お客様との協創により社会価値を創出し、社会の持続的発展に貢献しながら企業価値の向上を目指します。その実現のために、2028年度を最終年度とする3か年の中期経営計画を策定しました。中期経営計画の基本戦略として、大きく変動する外部環境への対応力強化とリソース配分の最適化により、安定的に収益を上げ、継続的成長を実現する企業体質に進化させていきます。収益を最大化する「ポートフォリオ変革」と、それを構造的に支える「事業基盤強化」を重点的に取り組み、2028年度に売上高2,600億円、営業利益180億円、ROE8%の達成を目指します。 ①ポートフォリオ変革注力領域へのリソース集中と重点4市場のリバランスを推進し、事業ポートフォリオ全体の最適化と持続的な企業価値向上を実現していきます。自動車および携帯機器市場では、収益力の再生・強化を最優先課題としながら、持続的な成長の実現を目指します。産機・インフラ市場では、成長軌道へ回帰するため、海外市場や新領域をターゲットに成長投資と事業拡大に注力します。また、高い成長が期待される航空・宇宙市場は、創業以来培ってきた当社の強みと技術を活かす基盤ビジネスとして強化を図ります。 ②事業基盤強化業務プロセスおよび情報システムの最適化による経営効率向上を図り、強固な事業基盤構築を進めていきます。材料調達や設備開発プロセスは、抜本的な変革・最適化によりコスト競争力を強化します。また、IT基盤活用によるオペレーションコスト低減、データに基づく高度な意思決定を通じて、リソース投入効率を向上します。さらに、開発・生産・販売に関わる事業推進力を高め、持続的な成長力を強化します。京セラグループの事業アセット活用による開発・生産能力の増強や顧客リーチ拡充に加え、マーケティング機能強化と先行技術開発へのリソース傾注を進めることで、将来の成長を支える高付加価値製品を創出していきます。 1)成長戦略当社が強みとする「技術開発」と「ものづくり力」、そして「グローバルマーケティング」の実践により、自動車、携帯機器、産機・インフラ、航空・宇宙の注力する4市場で成長を目指します。 (コネクタ事業)コネクタ事業は、主力事業としての収益力を再生し、新たな成長ドライバーを獲得することを基本方針としています。市場別に成長性と採算性を見極め、事業ポートフォリオの再構築とリソースシフトを進めることで、売上規模の拡大と営業利益率の改善を図ります。携帯機器市場では、開発リソースを増強し、ハイエンドおよび新領域向けの先端技術製品に集中します。一方で、ミドル・ローエンドにおける低採算領域やリソース効率の低い製品からは撤退し、事業の質的転換を進めます。これにより、価格競争からの脱却と付加価値型ビジネスへの転換を目指します。自動車市場では、自動化推進によりADAS関連製品で利益拡大を図り、インド・米国を中心とした成長市場での新製品展開により、収益性の向上を重視します。不採算分野については縮小・撤退を進め、グローバルで最適化された開発・生産・販売体制を構築します。産機・インフラ市場では、市場回復の動きを確実に捉え、成長を加速させます。京セラグループの顧客基盤を活用し、海外展開やデータセンターなどの成長市場を積極的に開拓することで、中長期的な成長力を強化します。航空・宇宙市場では、米国の生産拠点を活用し、衛星ビジネスを中心に宇宙関連領域の開拓を進めます。高信頼性が求められる分野での技術優位性を活かし、将来の成長領域として育成していきます。これらに加え、強化・縮小領域を明確にしたリソースシフト、ロードマップに基づく先行開発の強化、調達や工法の抜本的改革によるコスト削減を通じて、事業基盤強化を図ります。 (航機事業)航機事業は、需要が堅調な防衛向け事業の拡大と、高収益な産機・インフラ市場におけるポートフォリオ拡充を通じて、全社の収益基盤を底上げすることを基本方針としています。航空・宇宙市場では、防衛向け新規装備品への参入を中心に事業規模の拡大を継続します。また、次世代の超高精度慣性センサなど、将来の競争力の源泉となる先端技術の研究開発を進め、防衛分野における技術優位性を強化します。産機・インフラ市場では、油田関連分野において、当連結会計年度より新たに株式を取得したTooltronix社のノウハウを活用した製品ラインナップの拡充を図り、北米を中心にシェア拡大を目指します。また、半導体製造装置向け製品やセンサ応用製品の拡充により、既存顧客シェア拡大と新規顧客獲得を進め、安定性と成長性を両立した事業構造を構築します。これらに加え、注力領域向けの開発体制拡充、防衛分野の生産能力倍増により事業基盤強化を図るとともに、QCD(品質・コスト・納期)を重視した事業運営により、防衛事業で営業利益率10%以上の確保を目指し、安定した収益性と持続的成長を実現します。 2)企業価値向上に向けた財務戦略2028年度に向けて、資本効率および資本収益性の向上を推進します。総資産回転率1.1回の実現を目指し、連結資金マネジメント強化、棚卸資産管理強化、設備効率アップ等に取り組むとともに、財務の健全性を維持しながら借入等を含め必要資金を調達します。これらの取り組みにより、資本収益性について、2028年度にROE8%、2030年度にROE10%を目指します。キャピタルアロケーションでは、営業キャッシュ・フローと運転資本の効率化等により成長投資に必要な資金を確保し、財務体質強化と配当のバランスを保って活用します。成長投資については、効率向上を図りながら設備投資を行い、将来に向けた有望な技術・製品の獲得や成長余地のある海外市場でのビジネス拡大を目的とした戦略投資を検討します。また、配当に関しては、安定配当を基本とし、連結配当性向30%以上を維持することを方針とします。 (3)対処すべき課題原油価格やエネルギー供給の不安定化などのリスクの高まりにより、当社グループの生産活動に必要な原材料や部品の調達、さらには海外拠点を含む製品輸送において、リードタイムの長期化やコスト上昇が生じる可能性があります。当社グループにおいては、サプライヤーの分散化や代替調達先の確保などにより素材や部品の安定的な調達に努めるとともに主要顧客との適切な売価交渉を進めるなどしてリスクの抑制に努めますが、影響が長期化した場合には、サプライチェーン全体での供給難や各機器市場での需要変動などの間接的な影響も発生する可能性があります。このような状況のもと当社グループは、主力のコネクタ事業を中心に、グローバルマーケティングと新製品開発のスピードアップによる受注・売上の拡大を図るとともに、内製化の推進による工場稼働率改善、設備効率化によるコストダウン、諸費用抑制など経営全般にわたる効率化を推進し業績向上に努めてまいります。 また、当社グループでは、お客様との協創により社会価値を創出し、事業を通じた社会課題の解決に貢献していくことが重要な経営課題と認識しております。特定したマテリアリティへの取り組みを推進し、サステナビリティ経営をさらに強化し、企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、創業以来『開拓・創造・実践』の企業理念のもと、独自の革新的、創造性に富んだ高い技術・開発力を背景に、「コネクタ事業」「インターフェース・ソリューション事業」「航機事業」の3つの事業をグローバルに展開し、発展してまいりました。“Technology to Inspire Innovation”「当社の開発する技術が、お客様の独創的な商品開発に新しい扉を拓きます。」をグローバルスローガンとして、お客様のイノベーション実現を加速する技術開発・ものづくりに注力しております。そして、世界のお客様からパートナーとしての高い信頼をいただくため、「連結経営を基軸としたグローバルな事業展開」「グローバルマーケティングと技術開発力の強化」「品質・ものづくりの革新」を経営の基本方針として推進しております。そして航空電子グループ企業行動憲章に基づいて、良き企業市民として、関係法令を遵守し、お客様、株主・投資家の皆様、取引先、地域社会をはじめとした関係者に対する社会的責任を果たすことを目指します。なお、2026年度より、経営資源を集約して効率性を高めるとともにシナジーを最大化し、事業の再成長及び収益力の改善を図るために、インターフェース・ソリューション事業をコネクタ事業へ統合した報告セグメントへ変更することといたしました。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループを取り巻く事業環境は、デジタル化の加速、世界的な脱炭素化への流れ、通信システムやAIの進化、宇宙産業の発展など、社会や市場が大きく変化しています。当社グループの注力市場においても、自動車市場における電装化の加速、産機・インフラ市場ではデータセンターでの光化・高速伝送化の加速や、FA・工作機械のネットワーク化の進展が見込まれ、携帯機器市場ではスマートフォンの機能進化のほか、ウェアラブル機器の普及も期待されています。航空・宇宙市場においては、防衛向けは次世代装備品開発が進み、宇宙向けはロケット・衛星開発の官民連携が活発化するなど、各市場において大きな変化が見込まれます。こうした環境の中で、当社グループは、革新的かつ創造性に富んだ高い技術・開発力を通じて、"Connected Society"、"Safe Mobility"、"Clean Energy"、"Industrial Innovation"、"Air, Space and Ocean"の5つの領域において、お客様との協創により社会価値を創出し、社会の持続的発展に貢献しながら企業価値の向上を目指します。その実現のために、2028年度を最終年度とする3か年の中期経営計画を策定しました。中期経営計画の基本戦略として、大きく変動する外部環境への対応力強化とリソース配分の最適化により、安定的に収益を上げ、継続的成長を実現する企業体質に進化させていきます。収益を最大化する「ポートフォリオ変革」と、それを構造的に支える「事業基盤強化」を重点的に取り組み、2028年度に売上高2,600億円、営業利益180億円、ROE8%の達成を目指します。 ①ポートフォリオ変革注力領域へのリソース集中と重点4市場のリバランスを推進し、事業ポートフォリオ全体の最適化と持続的な企業価値向上を実現していきます。自動車および携帯機器市場では、収益力の再生・強化を最優先課題としながら、持続的な成長の実現を目指します。産機・インフラ市場では、成長軌道へ回帰するため、海外市場や新領域をターゲットに成長投資と事業拡大に注力します。また、高い成長が期待される航空・宇宙市場は、創業以来培ってきた当社の強みと技術を活かす基盤ビジネスとして強化を図ります。 ②事業基盤強化業務プロセスおよび情報システムの最適化による経営効率向上を図り、強固な事業基盤構築を進めていきます。材料調達や設備開発プロセスは、抜本的な変革・最適化によりコスト競争力を強化します。また、IT基盤活用によるオペレーションコスト低減、データに基づく高度な意思決定を通じて、リソース投入効率を向上します。さらに、開発・生産・販売に関わる事業推進力を高め、持続的な成長力を強化します。京セラグループの事業アセット活用による開発・生産能力の増強や顧客リーチ拡充に加え、マーケティング機能強化と先行技術開発へのリソース傾注を進めることで、将来の成長を支える高付加価値製品を創出していきます。 1)成長戦略当社が強みとする「技術開発」と「ものづくり力」、そして「グローバルマーケティング」の実践により、自動車、携帯機器、産機・インフラ、航空・宇宙の注力する4市場で成長を目指します。 (コネクタ事業)コネクタ事業は、主力事業としての収益力を再生し、新たな成長ドライバーを獲得することを基本方針としています。市場別に成長性と採算性を見極め、事業ポートフォリオの再構築とリソースシフトを進めることで、売上規模の拡大と営業利益率の改善を図ります。携帯機器市場では、開発リソースを増強し、ハイエンドおよび新領域向けの先端技術製品に集中します。一方で、ミドル・ローエンドにおける低採算領域やリソース効率の低い製品からは撤退し、事業の質的転換を進めます。これにより、価格競争からの脱却と付加価値型ビジネスへの転換を目指します。自動車市場では、自動化推進によりADAS関連製品で利益拡大を図り、インド・米国を中心とした成長市場での新製品展開により、収益性の向上を重視します。不採算分野については縮小・撤退を進め、グローバルで最適化された開発・生産・販売体制を構築します。産機・インフラ市場では、市場回復の動きを確実に捉え、成長を加速させます。京セラグループの顧客基盤を活用し、海外展開やデータセンターなどの成長市場を積極的に開拓することで、中長期的な成長力を強化します。航空・宇宙市場では、米国の生産拠点を活用し、衛星ビジネスを中心に宇宙関連領域の開拓を進めます。高信頼性が求められる分野での技術優位性を活かし、将来の成長領域として育成していきます。これらに加え、強化・縮小領域を明確にしたリソースシフト、ロードマップに基づく先行開発の強化、調達や工法の抜本的改革によるコスト削減を通じて、事業基盤強化を図ります。 (航機事業)航機事業は、需要が堅調な防衛向け事業の拡大と、高収益な産機・インフラ市場におけるポートフォリオ拡充を通じて、全社の収益基盤を底上げすることを基本方針としています。航空・宇宙市場では、防衛向け新規装備品への参入を中心に事業規模の拡大を継続します。また、次世代の超高精度慣性センサなど、将来の競争力の源泉となる先端技術の研究開発を進め、防衛分野における技術優位性を強化します。産機・インフラ市場では、油田関連分野において、当連結会計年度より新たに株式を取得したTooltronix社のノウハウを活用した製品ラインナップの拡充を図り、北米を中心にシェア拡大を目指します。また、半導体製造装置向け製品やセンサ応用製品の拡充により、既存顧客シェア拡大と新規顧客獲得を進め、安定性と成長性を両立した事業構造を構築します。これらに加え、注力領域向けの開発体制拡充、防衛分野の生産能力倍増により事業基盤強化を図るとともに、QCD(品質・コスト・納期)を重視した事業運営により、防衛事業で営業利益率10%以上の確保を目指し、安定した収益性と持続的成長を実現します。 2)企業価値向上に向けた財務戦略2028年度に向けて、資本効率および資本収益性の向上を推進します。総資産回転率1.1回の実現を目指し、連結資金マネジメント強化、棚卸資産管理強化、設備効率アップ等に取り組むとともに、財務の健全性を維持しながら借入等を含め必要資金を調達します。これらの取り組みにより、資本収益性について、2028年度にROE8%、2030年度にROE10%を目指します。キャピタルアロケーションでは、営業キャッシュ・フローと運転資本の効率化等により成長投資に必要な資金を確保し、財務体質強化と配当のバランスを保って活用します。成長投資については、効率向上を図りながら設備投資を行い、将来に向けた有望な技術・製品の獲得や成長余地のある海外市場でのビジネス拡大を目的とした戦略投資を検討します。また、配当に関しては、安定配当を基本とし、連結配当性向30%以上を維持することを方針とします。 (3)対処すべき課題原油価格やエネルギー供給の不安定化などのリスクの高まりにより、当社グループの生産活動に必要な原材料や部品の調達、さらには海外拠点を含む製品輸送において、リードタイムの長期化やコスト上昇が生じる可能性があります。当社グループにおいては、サプライヤーの分散化や代替調達先の確保などにより素材や部品の安定的な調達に努めるとともに主要顧客との適切な売価交渉を進めるなどしてリスクの抑制に努めますが、影響が長期化した場合には、サプライチェーン全体での供給難や各機器市場での需要変動などの間接的な影響も発生する可能性があります。このような状況のもと当社グループは、主力のコネクタ事業を中心に、グローバルマーケティングと新製品開発のスピードアップによる受注・売上の拡大を図るとともに、内製化の推進による工場稼働率改善、設備効率化によるコストダウン、諸費用抑制など経営全般にわたる効率化を推進し業績向上に努めてまいります。 また、当社グループでは、お客様との協創により社会価値を創出し、事業を通じた社会課題の解決に貢献していくことが重要な経営課題と認識しております。特定したマテリアリティへの取り組みを推進し、サステナビリティ経営をさらに強化し、企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の世界経済動向は力強さに欠ける展開の中、米国では期後半に関税政策による物価上昇や雇用情勢の悪化等により減速の兆しが見られた他、欧州では製造業を中心に需要低迷の影響が継続し、中国では個人消費や設備投資が減速するなど、景気は弱含む展開となりました。わが国経済も、緩やかな回復が継続したものの、物価上昇による消費マインドの下振れ、通商問題による企業業績への影響など、不透明感の高い状況となりました。こうした中、期末には中東情勢の悪化による原油価格の急騰、燃料及び石油化学製品の供給懸念や為替の急変動などにより、各国経済に大きな混乱が生じました。当社グループの関連するエレクトロニクス市場においては、自動車市場で堅調な需要が継続したものの、電動車の成長鈍化や、欧州・中国市場で一部自動車メーカーの販売不振などが見られた他、携帯機器市場は地域・製品毎に需要の状況が異なる中で全体では微増にとどまり、産機・インフラ市場も、一部FA向けなどで上向く動きも見られましたが本格的な回復には至りませんでした。一方、航空・宇宙市場では、防衛装備品の需要が引き続き堅調に推移しました。このような状況のもと当社グループの売上高は、主力のコネクタ事業を中心に、全体としては堅調な需要環境のなかで、グローバルマーケティングと新製品開発のスピードアップによる受注・売上の拡大を図り、前年度を上回る売上高を確保しました。一方で、利益面については、内製化の推進による工場稼働率改善、設備効率化によるコストダウン、諸費用抑制など経営全般にわたる効率化を推進し業績向上に努めたものの、主力のコネクタ事業において幅広く使用される金や銅などの主要原材料価格が期後半にかけて急騰した影響に加え、自動車市場、携帯機器市場において今後の成長を担う新製品の立上げに伴うコストが発生したことにより、想定を上回るコスト増となりました。これにより、当連結会計年度の業績は、売上高2,278億72百万円(前連結会計年度比103%)、利益面においては、営業利益89億37百万円(前連結会計年度比57%)、経常利益82億48百万円(前連結会計年度比56%)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券評価損を計上したものの、保有有価証券の一部売却に伴う投資有価証券売却益を計上したことにより、70億69百万円(前連結会計年度比61%)となりました。 なお、当社は2025年10月30日に京セラ株式会社との資本業務提携を開始いたしました。本資本業務提携は、同社の持つ海外販売網や生産拠点、設計リソースを活用することでコネクタ事業の成長に寄与するものと考えております。 セグメントの業績は、次のとおりであります。① コネクタ事業携帯機器市場においては、ICT機器向けでUSB Type-C®が伸長しましたが、スマートフォン向けが減少しました。自動車市場においては、海外顧客向けが低迷したものの、日系顧客向けはADAS関連製品を中心に需要が増加しました。産機・インフラ市場においては、FA・工作機械向けが緩やかに回復しました。以上のことから、当連結会計年度の売上高は1,992億5百万円(前連結会計年度比103%)となりました。利益面では、原材料価格の高騰と販売価格の下落、製品ミックス悪化及び新製品立上げに伴うコスト増により、セグメント利益は118億67百万円(前連結会計年度比67%)となりました。 ※USB Type-C®はUSB Implementers Forum, Inc. (USB-IF)の登録商標です。 ② インターフェース・ソリューション事業自動車市場では、技術トレンドの変化によりビジネス規模の縮小が継続し、産機・インフラ市場においても、市場や需要の回復が遅れたことから、当連結会計年度の売上高は76億91百万円(前連結会計年度比86%)、セグメント利益は1億43百万円(前連結会計年度比45%)となりました。 ③ 航機事業産機・インフラ市場において、油田掘削向けセンサなどの需要低迷が継続しましたが、航空・宇宙市場においては、防衛予算拡大を背景に防衛装備品の需要が増加したことなどにより、当連結会計年度の売上高は204億74百万円(前連結会計年度比106%)となりました。利益面では、収益性の高い産機・インフラ向けが減収となったことにより、セグメント利益は21億89百万円(前連結会計年度比86%)となりました。 当連結会計年度末の財政状態の状況は、次のとおりであります。① 資 産総資産は、今後の成長に向けた新製品等の設備投資や退職給付に係る資産などの固定資産の増加に加え、棚卸資産の増加などから、前連結会計年度末に比べ166億98百万円増加の2,321億42百万円となりました。② 負 債負債は、主として上述の設備資金調達に向けた借入金の増加により、前連結会計年度末に比べ60億32百万円増加の877億80百万円となりました。③ 純資産純資産は、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び円安による為替換算調整勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ106億66百万円増加の1,443億62百万円となり、自己資本比率は62%となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上により、169億88百万円のプラス(前連結会計年度は363億41百万円のプラス)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主として新製品生産用設備を中心とした有形固定資産取得による支出などから、243億85百万円のマイナス(前連結会計年度は192億3百万円のマイナス)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは、73億97百万円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、設備投資資金に充当するための借入金による収入があったものの、借入金の返済および配当金の支払いを行ったことにより、4億54百万円のプラス(前連結会計年度は315億68百万円のマイナス)となりました。以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ43億75百万円減少の484億99百万円となりました。 (生産、受注及び販売の実績)当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。 (1) 生産実績セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)コネクタ事業199,332102.9インターフェース・ソリューション事業7,61584.2航機事業20,700107.0その他38596.0計228,034102.5 (注) 金額は販売価額によっております。 (2) 受注実績セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)コネクタ事業208,724109.232,466141.5インターフェース・ソリューション事業8,298111.21,997143.6航機事業26,385115.830,954123.6その他534127.3106145.3計243,942109.965,524132.5 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (3) 販売実績セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)コネクタ事業199,205103.3インターフェース・ソリューション事業7,69185.5航機事業20,474106.0その他50198.4計227,872102.8 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)三信電気㈱48,00821.747,80421.0 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の分析 「(経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 (2) キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況の分析「(経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ② 資本の財源及び資金の流動性、財務政策当社グループの運転資金需要(営業活動による資金需要)の主な内訳は、新製品開発及び製造のための材料及び部品の購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金需要(投資活動による資金需要)の主な内訳は、新製品開発、生産性向上及び品質向上のための設備投資と当社グループの永続的な発展のためのインフラ投資等であります。こうした資金需要に対し当社グループは、グローバルマーケティングと技術開発力の強化による受注・売上の拡大と環境・品質を重視した競合に負けないものづくりを積極的に推進し、キャッシュ・フローの創出に努めております。企業価値向上に向けた取り組みを通じて資金を確保し、成長投資への活用に加え、借入金の早期返済など財務体質の強化及び株主還元のバランスを図ってまいります。なお、グループ資金調達リスクの回避及び資金コストの低減を図るため、コミットメントライン契約による資金調達枠の確保、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)によるグループ内資金の効率化などの対策を講じております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中期経営計画(2021~2025年度)の最終年度である当連結会計年度に売上高2,400億円、経常利益175億円を目標として設定しておりました。自動車の日系顧客向けを中心に堅調な需要が継続したことなどから、売上高は前年比103%となったものの、利益面では、原材料価格が特に期後半で大きく高騰した影響を受け、経常利益は前年比56%となりました。実績値及び目標達成率は、以下のとおりであります。指標実績2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度 (億円)(億円)(億円)(億円)(億円)目標達成率前年比売上高2,2512,3592,2582,2162,27995%103%経常利益1861911481488247%56% (注)表示単位未満を四捨五入しております。 なお、当社グループは新たに中期経営計画(2026~2028年度)を策定しました。中期経営計画の基本戦略として、大きく変動する外部環境への対応力強化とリソース配分の最適化により、安定的に収益を上げ、継続的成長を実現する企業体質に進化させていきます。収益を最大化する「ポートフォリオ変革」と、それを構造的に支える「事業基盤強化」を重点的に取り組み、2028年度に売上高2,600億円、営業利益180億円、ROE8%の達成を目指します。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 環境課題への対応遅延リスク
    地球温暖化対策や循環型社会への移行が世界的な課題となる中、脱炭素化への対応が遅れると、事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。温室効果ガス排出削減など、環境管理活動への取り組みが重要となります。
  • 経済・金融・為替変動と地政学リスク
    グローバルに事業を展開しているため、世界経済の動向、金利や為替の変動、地政学的な変化が調達コストやサプライチェーンに影響を与える可能性があります。為替ヘッジや複数拠点での生産体制でリスク軽減を図っています。
  • 市場・競争環境の激化リスク
    コネクタ市場などでは価格競争が厳しく、急速な技術革新も進んでいます。製品価格の低下や技術開発の遅れ、競合とのシェア争いにより、業績が悪化する可能性があります。新製品投入や高付加価値領域へのシフトが求められます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,623 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが、判断したものであります。 (1) 環境課題への対応リスク近年、地球温暖化の影響が深刻となっており、脱炭素社会の早期実現が世界共通の喫緊の課題となっております。また、世界的に資源供給のひっ迫が懸念され、循環型社会への転換が求められております。これら環境課題への対応が遅れた場合、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは、環境課題を重要なサステナビリティ項目と位置付け、温室効果ガス排出削減による地球温暖化対策をはじめとする各種環境管理活動に取り組んでおります。 (2) 自然災害、疫病に関するリスク当社グループの生産・販売拠点は、国内外に分散しておりますが、自然災害の発生や感染症の蔓延等のリスクを抱え事業を展開しております。このため、大規模な自然災害等が発生し、物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等による生産活動の縮小・停止を余儀なくされた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対して、安定した製品供給を維持するため、保有する設備や情報システムに対してのバックアップ体制等の対策を講じております。 (3) 経済・金融・為替の変動及び地政学リスク当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産拠点及び販売拠点を海外に展開しており、今後も積極的に行う方針であります。このため、世界各国の経済動向及び政治・社会情勢の変化、並びにそれに伴う金利や為替の変動が、当社グループの調達コストやサプライチェーンなどに影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、需要の変動に対する対応力を強化するとともに、生産の複数拠点化などによる安定生産を図り、業績向上の確保に努めております。また、為替変動リスクへの対応として、先物為替予約による為替ヘッジを行っております。 (4) 調達・サプライチェーンに関するリスク当社グループの製品は、原材料や一部部材を外部業者より調達しております。主要な原材料の市況価格変動による仕入コストの増加、需要の急激な変化や物流の混乱等に伴う供給元からの調達難が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、海外を含めた調達先開拓や、調達品のコスト低減、2社購買などによる安定調達に努めるとともに、製品価格の適正化に取り組んでおります。また、製造過程における生産設備の稼働等、事業遂行にあたって相当の電力を消費するため、電力価格の高騰が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、省エネルギー化の推進や生産性向上などによる使用電力低減に努めております。 (5) 市場・競争環境に関するリスク当社グループは、事業を展開する市場において厳しい競争にさらされています。コネクタなどの製品価格の低下や急速な技術革新により、当社グループ製品のシェア低下や利益率悪化等が業績に影響を及ぼす可能性があります。特に携帯市場では、製品ライフサイクルが短く、次世代製品に向けた競合との厳しいシェア競争などが顕在化した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは新製品投入を通じて市場シェアの拡大を図り、生産リードタイムの短縮、生産設備の効率化、コスト削減を推進し、競合に対する競争力強化に努めております。また、高付加価値領域へのシフトに向けてリソースの集中をはかるなど、ポートフォリオの最適化に取り組んでおります。 (6) 生産技術、安定供給に関わるリスク当社グループは、国内外の生産拠点にて、顧客のグローバル化に対応した最適な供給体制を構築しており、生産面においては設備の効率的な稼働に努めております。しかしながら、生産拠点での事故や火災などにより生産ラインが停止する場合や急激な所要変動にともなう生産能力への影響が発生する可能性があります。また、新技術や工法の開発が遅れることで、競争力が低下する可能性や業績へ影響を及ぼす可能性もあります。これらのリスクに対して、最新技術の常時導入や生産拠点による分散供給体制を構築することで安定生産の維持に努めております。 (7) 製品・技術・研究開発に関するリスク当社グループは、高い技術力を活かし、競合との厳しい競争環境の中で市場シェアを維持し、安定した利益を確保しています。しかし、製品の品質や性能が市場の要求に応えられない場合や、新技術の開発が遅れた場合、また研究開発の成果が市場に受け入れられない場合には、市場競争力が低下し、市場シェアや収益性の低下により業績が悪化する可能性があります。これらのリスクに対して、当社はグローバルマーケティングを通じて顧客ニーズの把握に努めるとともに、必要な技術開発リソースを拡充し、ポートフォリオの最適化に取り組んでいます。また、次世代に先行する製品を開発するための要素技術開発力の強化にも努めております。 (8) 品質に関するリスク当社グループは、「品質・ものづくりの革新」を経営の基本方針として推進しており、社会的に有用で、安全に十分配慮した高い品質の商品とサービスを提供しておりますが、万一、当社製品に品質上、安全上の不具合が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、評価試験体制の強化・拡充、及び高いレベルでの品質管理体制の維持・向上に努めております。 (9) コンプライアンス及び人権問題に関するリスク当社グループは、国内外において、独占禁止法、製造物責任、贈収賄防止、データ保護、環境、人権、労務、租税等に係る法規制や輸出入規制、政府の許認可等、様々な公的規制の適用を受けるとともに、社会のなかにおける企業市民として事業を行っております。これら公的規制に関する違反のみならず、人権を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合、損害賠償請求や信用失墜等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループ、法令・定款の遵守を徹底するため、航空電子グループ企業行動憲章・行動規範を制定するとともに、7月5日を「遵法の日」と定め、毎年社長が訓示を実施しております。また、法令・定款等に違反する行為や企業倫理等に関する不正行為を発見した場合の通報体制として内部通報制度を設置するなど、違反、不正行為の発生可能性を低減するよう努めております。 (10) 人材獲得・流出に関するリスク当社グループでは、継続的な企業価値の向上を支える原動力は人材であり、優秀な従業員を獲得し維持する必要があると捉えております。少子高齢化や労働人口の減少、流動性の高まりなど労働環境の変化により、優秀な人材を確保する競争は年々厳しくなっています。十分な人材確保が困難になった場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは多様な人材が活躍できる職場環境の実現に向けた取り組みを推進しています。また、人事制度の拡充や人材育成、社内環境の整備にも努めております。 (11) 知的財産に関するリスク当社グループは、他社の特許権等の知的財産権を尊重しつつ、国内外において事業活動を行っておりますが、第三者から知的財産権に関する主張を受け、係争事件に発展した場合、又は、当社製品、技術が第三者によって模倣された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、第三者の知的財産権の侵害を回避するとともに、将来の事業活動に必要な知的財産権獲得のための研究開発活動の強化及び当社グループの知的財産権の保護に努めております。 (12) 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、業務を通じて入手した取引先の機密情報や個人情報等を多数保有しております。このため、サイバー攻撃、コンピュータ・ウィルスの感染、その他不測の事態により機密情報が消失、改ざん、漏洩した場合、当社グループの社会的信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、情報セキュリティ統括室を設置し、情報セキュリティ方針・ガイドラインの強化及び監視を徹底するほか、管理体制の整備、情報セキュリティ人材強化、情報セキュリティシステムの構築等、リスク管理に努めております。

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