事業の概要
- 半導体検査装置部品山一電機グループは、半導体(IC)を検査する際に使われるソケットや、電子機器に使われるコネクタなどの部品を製造・販売しています。これらの部品は、スマートフォンや自動車など、私たちの身の回りにある多くの電子製品に不可欠なものです。
- グローバルな製造販売網日本だけでなく、フィリピン、韓国、ドイツなどで製品を製造し、アメリカ、シンガポール、ドイツ、香港、上海など世界各地で販売しています。これにより、多様な市場のニーズに対応し、事業をグローバルに展開しています。
- 多角的な事業展開半導体検査用の「テストソリューション事業」、電子機器向けの「コネクタソリューション事業」、そして光関連製品を扱う「光関連事業」の3つの柱で収益を上げています。特にテストソリューション事業とコネクタソリューション事業が売上の大部分を占めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- テストソリューション事業半導体検査工程で使用されるICソケット製品(バーンインソケット、テストソケットなど)の製造販売が中心です。売上高は251.15億円、営業利益は71.12億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。主に海外子会社が製造・販売を担い、グローバルに展開しています。
- コネクタソリューション事業電子・電気機器向けの高速伝送用コネクタ、カードコネクタ、インターフェースコネクタなど、多岐にわたるコネクタ製品の製造販売を行っています。売上高は189.48億円、営業利益は12.13億円です。こちらも海外子会社が製造・販売の主要な役割を担っており、幅広い電子機器市場に製品を供給しています。
- 光関連事業RGBフィルタ、UV/IRカットフィルタ、ダイクロイックフィルタなどの光関連製品の製造販売を手掛けています。売上高は12.36億円、営業利益は-0.25億円と、現時点では他の事業に比べて規模は小さく、赤字となっています。光伸光学工業株式会社がこの事業を担当しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| TestSolutionBusiness | 地域 | 251 | 71 | 28.3% |
| ConnectorSolutionBusiness | 地域 | 189 | 12 | 6.4% |
| OpticsRelatedBusiness | 地域 | 12 | -0 | -2.0% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び関係会社)は、当社(山一電機株式会社)及び子会社15社により構成されており、半導体検査工程に使用されるIC(集積回路)ソケット製品や電子・電気機器向けコネクタ製品等の機構部品の製造販売を主たる業務としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 1.テストソリューション事業主要な製品は、バーンインソケット、テストソケット及び半導体テスト関連サービスであります。当社が製造販売するほか、主に海外子会社プライコンマイクロエレクトロニクスINC.及び亜洲山一電機工業㈱が製造しており、海外子会社ヤマイチエレクトロニクスU.S.A.,INC.、ヤマイチエレクトロニクスシンガポールPTE LTD、ヤマイチエレクトロニクスドイッチェランドGmbH、亜洲山一電機工業㈱、山一電機(香港)有限公司、山一電子(上海)有限公司及びテストソリューションサービセスINC.が販売しております。また、テストソリューションサービセスINC.は半導体テスト工程に使用されるバーンインボード及びテストソケット等のメンテナンス事業を行っております。 2.コネクタソリューション事業主要な製品は、高速伝送用コネクタ、カードコネクタ、インターフェースコネクタ、基板コネクタ、圧接コネクタ、実装用ICソケット、その他各種コネクタ及びYFLEX(高速伝送用ケーブル、実装基板)であります。当社が製造販売するほか、主に海外子会社プライコンマイクロエレクトロニクスINC.及びヤマイチエレクトロニクスドイッチェランドマニュファクチャリングGmbHが製造しており、主に海外子会社ヤマイチエレクトロニクスU.S.A.,INC.、ヤマイチエレクトロニクスシンガポールPTE LTD、ヤマイチエレクトロニクスドイッチェランドGmbH、亜洲山一電機工業㈱、山一電機(香港)有限公司及び山一電子(上海)有限公司が販売しております。 3.光関連事業主要な製品は、RGBフィルタ、UV/IRカットフィルタ、ダイクロイックフィルタ・ミラー、蛍光ダイクロイックフィルタ、ショート/ロングパスフィルタ、バンドパスフィルタ及び半導体レーザ光源であります。光伸光学工業㈱が製造販売を行っております。 概要図は以下のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い エレクトロニクス業界の価格競争激化と顧客からのコストダウン要求 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高精度メカニカル技術、高信頼接触技術、高速伝送技術、フレキシブル基板技術 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
会社が挙げる主要リスク:為替レートの変動に関わるリスク / 事業環境の変動に関わるリスク / 価格競争に関わるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
山一電機は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに関する顕著な情報が公開されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
コネクタ製品は、一度採用されると設計変更や再認証にコストがかかるため、一定のスイッチング・コストが存在する可能性があります。しかし、製品の標準化が進んでいる可能性もあり、その効果は限定的と考えられます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
山一電機の事業モデルは、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではありません。
コスト優位★☆☆☆☆
グローバルな製造拠点や効率的な生産体制を構築している可能性はありますが、他社と比較して構造的なコスト優位性を示す具体的な情報は乏しいです。
規模の経済★★☆☆☆
コネクタ業界は多数のプレイヤーが存在する競争環境ですが、山一電機は一定の市場シェアを持つ可能性があります。しかし、業界全体を支配するような寡占状態ではなく、効率規模による優位性は限定的です。
- 半導体検査ソケットの専門性半導体検査工程で使われるICソケット製品は、高度な技術と品質が求められるニッチな分野です。山一電機は長年の経験と技術蓄積により、この分野で強みを持っています。
- 多様なコネクタ製品群高速伝送用コネクタ、カードコネクタ、インターフェースコネクタなど、多種多様なコネクタ製品を提供しています。これにより、幅広い電子・電気機器メーカーのニーズに対応できる製品ラインナップを構築しています。
- 光関連技術への展開RGBフィルタやUV/IRカットフィルタなどの光関連製品も手掛けており、特定の専門分野で技術的な優位性を築いています。これにより、将来的な成長分野への布石も打っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「人の尊重」、「企業価値の最大化」、「企業品質の向上」、「技術立社への挑戦」及び「社会的役割の達成」という経営理念のもと、人・企業・社会・地球とのより良い結びつきを柔軟な技術力と発想力をもって意欲的に創造する「もっとしなやかにBetter Connection」をコーポレートスローガンに、お客様の価値創出に貢献し、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、AI・データセンター投資の拡大、モバイル端末の高機能化・多様化、自動車の電動化・知能化、産業機器・医療分野の高度化を背景に、大きく変化しております。これらの変化を背景として、高信頼・高性能な接続機構部品及び高機能光学部材への需要は、中長期的に拡大していくものと見込んでおります。当社グループは、こうした環境変化を成長機会として取り込むため、事業・組織の両面から成長基盤を強化するとともに、人的資本、サステナビリティ、ガバナンスの強化に取り組み、成長投資の実行と資本効率の向上を通じて、企業価値の向上を図ってまいります。 (3)経営戦略当社グループは、2026年度を初年度とする3ヵ年の第5次中期経営計画を策定し、2030年及び2035年に向けた利益成長の実現を見据え、その土台を固める3年間と位置付けております。第5次中期経営計画では、事業強化と組織強化を重点施策として推進し、持続的な成長基盤の確立を図ってまいります。 ① 事業強化[テストソリューション事業]テストソリューション事業は、主力のSLTソケットの展開領域をスマートフォン・PC向けに加え、車載、ウェアラブル、ネットワーク分野へ拡大するとともに、高周波、多ピン、微細化、高耐久性に対応した技術開発とものづくり力の強化を進めてまいります。あわせて、自動車用ADAS/ADS、AIサーバー、データセンターなどの成長分野向けバーンインソケットの製品開発・販売を強化し、新分野・新規顧客の開拓、製品ラインアップの拡充、社内一貫生産体制の強化を図ってまいります。 [コネクタソリューション事業]コネクタソリューション事業は、ハイパースケールデータセンター向けソリューションの強化と、次世代高速伝送に対応した内部接続ソリューションの拡大を進めてまいります。あわせて、半導体検査装置・製造装置向けグローバルニッチ製品の投入拡大、次世代I/O規格製品による欧州市場での新規用途開拓を進めるほか、車載分野ではADASセンシング向け次世代カメラモジュール製品の拡大、高速伝送規格製品の強化、EV向け充電ソリューション及びパワートレイン系大電流製品への対応を進めてまいります。 [光関連事業]光関連事業は、スマートフォン向けBlue Glass UVIR cut製品の生産能力拡充、医療用血液分析機器の開発・販売強化、並びにデータセンター向けARコート製品及び光回線用ポリイミドフィルタ製品の販売強化を進めてまいります。 ② 組織強化事業強化を支える組織力・実行力を強化するとともに、人的資本への投資、サステナビリティ活動、ガバナンス強化を進めてまいります。 ③ 投資計画本中期経営計画では、3年間で180億円の設備投資を実行いたします。AIサーバー、データセンター、車載、半導体製造装置向けの新製品開発投資に加え、生産拠点の強化、供給能力増強、生産効率向上を進めてまいります。 ④ 企業価値向上に向けた資本政策当社グループは、事業成長と資本効率向上の両立を図ることで、持続的な企業価値向上を目指しております。2026~2028年度の3年間において創出を見込む営業キャッシュ・フロー350億円を原資として、設備投資180億円、戦略投資50億円、株主還元120億円を配分する方針であります。株主還元については、連結配当性向30%を基本とし、新たに累進配当を導入いたします。また、資本効率及び資本構成の最適化の観点から、余剰資金が生じた場合には、機動的な自己株式取得または特別配当を実施し、高い総還元性向を目指してまいります。また、資本効率を重視した経営を推進し、ROE18%以上を安定的に確保することで、市場からの評価向上と株主価値の最大化に努めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、第5次中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)において、売上高1,950億円、営業利益420億円、営業利益率21.5%、当期利益295億円を目標としております。これらの目標の達成状況を判断するための主要な経営指標として、売上高、営業利益、営業利益率、当期利益、ROE及び設備投資額を設定しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「人の尊重」、「企業価値の最大化」、「企業品質の向上」、「技術立社への挑戦」及び「社会的役割の達成」という経営理念のもと、人・企業・社会・地球とのより良い結びつきを柔軟な技術力と発想力をもって意欲的に創造する「もっとしなやかにBetter Connection」をコーポレートスローガンに、お客様の価値創出に貢献し、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、AI・データセンター投資の拡大、モバイル端末の高機能化・多様化、自動車の電動化・知能化、産業機器・医療分野の高度化を背景に、大きく変化しております。これらの変化を背景として、高信頼・高性能な接続機構部品及び高機能光学部材への需要は、中長期的に拡大していくものと見込んでおります。当社グループは、こうした環境変化を成長機会として取り込むため、事業・組織の両面から成長基盤を強化するとともに、人的資本、サステナビリティ、ガバナンスの強化に取り組み、成長投資の実行と資本効率の向上を通じて、企業価値の向上を図ってまいります。 (3)経営戦略当社グループは、2026年度を初年度とする3ヵ年の第5次中期経営計画を策定し、2030年及び2035年に向けた利益成長の実現を見据え、その土台を固める3年間と位置付けております。第5次中期経営計画では、事業強化と組織強化を重点施策として推進し、持続的な成長基盤の確立を図ってまいります。 ① 事業強化[テストソリューション事業]テストソリューション事業は、主力のSLTソケットの展開領域をスマートフォン・PC向けに加え、車載、ウェアラブル、ネットワーク分野へ拡大するとともに、高周波、多ピン、微細化、高耐久性に対応した技術開発とものづくり力の強化を進めてまいります。あわせて、自動車用ADAS/ADS、AIサーバー、データセンターなどの成長分野向けバーンインソケットの製品開発・販売を強化し、新分野・新規顧客の開拓、製品ラインアップの拡充、社内一貫生産体制の強化を図ってまいります。 [コネクタソリューション事業]コネクタソリューション事業は、ハイパースケールデータセンター向けソリューションの強化と、次世代高速伝送に対応した内部接続ソリューションの拡大を進めてまいります。あわせて、半導体検査装置・製造装置向けグローバルニッチ製品の投入拡大、次世代I/O規格製品による欧州市場での新規用途開拓を進めるほか、車載分野ではADASセンシング向け次世代カメラモジュール製品の拡大、高速伝送規格製品の強化、EV向け充電ソリューション及びパワートレイン系大電流製品への対応を進めてまいります。 [光関連事業]光関連事業は、スマートフォン向けBlue Glass UVIR cut製品の生産能力拡充、医療用血液分析機器の開発・販売強化、並びにデータセンター向けARコート製品及び光回線用ポリイミドフィルタ製品の販売強化を進めてまいります。 ② 組織強化事業強化を支える組織力・実行力を強化するとともに、人的資本への投資、サステナビリティ活動、ガバナンス強化を進めてまいります。 ③ 投資計画本中期経営計画では、3年間で180億円の設備投資を実行いたします。AIサーバー、データセンター、車載、半導体製造装置向けの新製品開発投資に加え、生産拠点の強化、供給能力増強、生産効率向上を進めてまいります。 ④ 企業価値向上に向けた資本政策当社グループは、事業成長と資本効率向上の両立を図ることで、持続的な企業価値向上を目指しております。2026~2028年度の3年間において創出を見込む営業キャッシュ・フロー350億円を原資として、設備投資180億円、戦略投資50億円、株主還元120億円を配分する方針であります。株主還元については、連結配当性向30%を基本とし、新たに累進配当を導入いたします。また、資本効率及び資本構成の最適化の観点から、余剰資金が生じた場合には、機動的な自己株式取得または特別配当を実施し、高い総還元性向を目指してまいります。また、資本効率を重視した経営を推進し、ROE18%以上を安定的に確保することで、市場からの評価向上と株主価値の最大化に努めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、第5次中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)において、売上高1,950億円、営業利益420億円、営業利益率21.5%、当期利益295億円を目標としております。これらの目標の達成状況を判断するための主要な経営指標として、売上高、営業利益、営業利益率、当期利益、ROE及び設備投資額を設定しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用環境や個人消費に減速の兆しが見えましたが、好調なAI関連分野の設備投資に牽引され、底堅く推移しました。欧州では製造業を主に需要低迷の影響が継続し、中国では個人消費の回復に力強さを欠いて景気は弱含む展開となりました。また、米国の通商政策の変化に加え、期の後半には中東情勢の悪化による原油価格の高騰、これに伴う燃料や原材料価格の上昇や供給懸念、安定しない為替等により不透明な状況が続きました。当社グループが関連する電子部品市場においては、AI関連の好調な投資に伴う半導体やデータセンターなどは好調に推移しました。また、産業機器市場においては市場での在庫調整の進展により回復傾向に推移しましたが、自動車市場においては需要低迷に加え、関税問題による不透明感の高まりにより低迷しました。このような状況の下、当社は、2023年度を初年度とする3ヵ年の山一電機グループ第4次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)を策定し、「お客様が満足いただける製品・サービスを提供できる会社」に成長することを目指すこととし、この経営目標の達成にあたり「お客様と共にグローバルに連携し、未来につながる製品の創造」という観点から取り組んでまいりました。経営戦略としては、「成長戦略」と「構造改革」を更に深耕し、お客様のニーズに応えられる企業に成長するとともに、より一層の財務体質の強化と将来の成長に向けた経営基盤の強化を図ってまいりました。本中期経営計画に基づき、当社グループは世界的な半導体需要の増加を見据え、半導体ソケットの安定した供給体制の強化、及び通信機器・車載機器・産業機器向けコネクタなど多様化する顧客ニーズに迅速かつ効率的に対応するため、生産能力の増強投資を進めるとともに更なる生産性改善並びに品質改善等による原価低減の取り組みを継続してまいりました。その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高52,698百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益11,556百万円(前年同期比40.5%増)、経常利益12,126百万円(前年同期比57.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,073百万円(前年同期比73.1%増)となり、山一電機グループ第4次中期経営計画にて、最終年度(2026年3月期)に売上高500億円、営業利益100億円を超えることを目標の一つとしておりましたが、達成することができました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 [テストソリューション事業]テスト用ソケット分野では、主軸のスマートフォン及びPC、自動車やウェアラブル機器向け製品の販売が好調に推移しました。バーンインソケット分野では、自動車用ロジック半導体向け製品を中心に投資先送りにより、売上及び利益に影響を受けましたが、メモリー半導体向け製品では下期に入り投資が再開され回復傾向となりました。また、事業全体では、金や銅等の原材料価格高騰により利益面に影響を受けました。その結果、売上高26,424百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益7,009百万円(前年同期比1.4%減)となりました。 [コネクタソリューション事業]通信機器向け製品は、基幹系通信機器向けの好調に加え、AIを含むデータセンター向けが大幅に増加したことにより好調な結果となりました。産業機器向け製品は主要市場である欧州顧客での在庫調整の底打ちにより緩やかに回復いたしました。車載機器向け製品は世界的な需要低迷やEV車の減速などの影響を受け低調な結果となりました。また、事業全体では、金や銅等の原材料価格高騰の影響を受けましたが、コネクタソリューション事業として売上高、営業利益ともに過去最高となりました。その結果、売上高24,742百万円(前年同期比30.6%増)、営業利益4,406百万円(前年同期比263.2%増)となりました。 [光関連事業]全体的に受注が回復方向にある中で、通信市場向け製品が順調に推移したことに加え、生産性改善並びに品質改善の効果により、業績が大きく改善いたしました。その結果、売上高1,531百万円(前年同期比23.9%増)、営業利益206百万円(前年同期は営業損失25百万円)となりました。 (2)財政状態の状況① 資産当連結会計年度末における流動資産は40,489百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,376百万円増加いたしました。これは主に、自己株式取得によりその他流動資産の預け金が1,940百万円減少したものの、現金及び預金が4,809百万円、売掛金が2,230百万円、商品及び製品等の棚卸資産が2,321百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は22,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,486百万円増加いたしました。これは主に、当社連結子会社ヤマイチエレクトロニクスU.S.A.,INC.本社建物の賃借契約などにより使用権資産が375百万円増加したこと、及び当社の次期基幹システムの構築によりソフトウェア仮勘定が622百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は63,253百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,863百万円増加いたしました。② 負債当連結会計年度末における流動負債は13,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,817百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,290百万円増加したこと、及び賞与引当金が700百万円増加したことによるものであります。固定負債は3,286百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円増加いたしました。この結果、負債合計は16,546百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,833百万円増加いたしました。③ 純資産当連結会計年度末における純資産合計は46,706百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,029百万円増加いたしました。これは主に、剰余金の配当1,691百万円及び自己株式の取得1,907百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益が9,073百万円となったこと、及び為替換算調整勘定が1,323百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は73.6%(前連結会計年度末は74.0%)となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,443百万円増加し、当連結会計年度末の資金は17,237百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は10,053百万円(前年同期比11.6%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12,014百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は3,469百万円(前年同期比5.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,588百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は2,736百万円(前年同期比50.2%減)となりました。これは主に、配当金の支払額1,689百万円によるものであります。 (4)生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)テストソリューション事業(千円)27,361,781104.6コネクタソリューション事業(千円)25,736,704132.5光関連事業(千円)1,564,816123.3合計54,663,303116.7 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 ② 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)テストソリューション事業30,682,159138.412,046,509154.7コネクタソリューション事業26,187,743141.96,424,626129.0光関連事業1,518,966115.3207,92194.4合計58,388,869139.218,679,057143.8(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)テストソリューション事業(千円)26,424,680105.2コネクタソリューション事業(千円)24,742,527130.6光関連事業(千円)1,531,327123.9合計52,698,535116.3(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)Qualcomm Technologies Inc.10,954,08420.8 (5)経営成績の分析① 売上高及び営業利益売上高は、前連結会計年度に比べ7,399百万円増加し、52,698百万円となりました。売上高の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」の中のセグメントごとの経営成績に記載のとおりであります。売上原価は、前連結会計年度に比べ3,496百万円増加し、31,294百万円となりました。これは主に、売上高が増加したことによるものであります。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ571百万円増加し、9,846百万円となりました。この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ3,331百万円増加し、11,556百万円となりました。② 営業外損益及び経常利益営業外損益は、前連結会計年度に比べ1,105百万円損失が減少し、569百万円の利益(純額)となりました。これは主に、為替差損が702百万円減少したこと、及び前連結会計年度において設備移設費用72百万円並びに過年度付加価値税等71百万円の計上があったこと及び当連結会計年度において助成金収入102百万円を計上したことによるものであります。この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ4,437百万円増加し、12,126百万円となりました。③ 特別損益及び税金等調整前当期純利益特別損益は、前連結会計年度に比べ226百万円損失が減少し、112百万円の損失(純額)となりました。これは主に、当連結会計年度において特別退職金111百万円を計上したものの、前連結会計年度において減損損失292百万円及びシステム障害対応費用63百万円の計上があったことによるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ4,663百万円増加し、12,014百万円となりました。④ 法人税等法人税等は、前連結会計年度に比べ788百万円増加し、2,926百万円となりました。⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ3,832百万円増加し、9,073百万円となりました。1株当たり当期純利益は232円78銭増加し、492円25銭となりました。 (6)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、部品・材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,983百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,237百万円となっております。 (7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 為替レート変動リスク製品の生産や販売がグローバルに展開されているため、為替レートの変動が業績に大きな影響を与えます。例えば、海外での製造コスト上昇や、海外売上を円換算した際の収入減少が発生する可能性があります。
- 事業環境変動リスク世界の半導体需給や経済状況、地政学的リスク、大規模な感染症の流行、主要顧客の戦略変更など、外部環境の変化が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特にテストソリューション事業は半導体市場の影響を大きく受けやすいです。
- 価格競争激化リスクエレクトロニクス業界では技術革新が早く、製品のライフサイクルが短いため、価格競争が激化しやすい環境にあります。競合他社の参入や顧客からのコストダウン要求により、販売価格が下落し、収益性が悪化する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 1.為替レートの変動に関わるリスク 当社グループの事業は、グローバルな製品の生産と販売を含んでおります。日本以外の生産拠点はフィリピン、韓国及びドイツであり、これら地域の通貨価値の上昇は、製造と調達コストを押し上げることになります。コストの増加は当社グループの価格競争力を低下させることになり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。販売に関わる通貨は、日本円の他、米ドル、ユーロ、シンガポールドル等があり、これら通貨の価値の下落は当社グループの収入減となって業績に悪影響を及ぼします。短期的な為替変動リスクに対しては、為替リスクヘッジ取引により、悪影響の排除に努めておりますが、中長期的な為替変動には対応できなくなる場合もあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2.事業環境の変動に関わるリスク 当社グループの業績は、営業収入のうち重要な部分を占めるテストソリューション事業製品の需要が過去において世界の半導体需給に大きく影響を受けたように、当社グループのコントロールが及ばない要因の影響を受けます。その要因とは、グローバルな経済環境全般の変化(今般では米中間の貿易摩擦がコネクタソリューション事業に与える影響)、地政学的リスクの増大、大規模な感染症の流行などを契機とした企業のビジネス環境や個人のライフスタイルの変化、新製品の市場投入の成否、大口顧客による製品戦略等の変更、大口注文の解約、大口顧客の倒産、大口顧客のM&Aによる消滅などに伴う大きな変化ですが、これらに好ましくない変化が生じた場合は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.気候変動に関わるリスク 当社グループは、気候変動に関わる課題を当社グループの経営に重要な影響を与える主要なリスクのひとつとして認識しております。気候変動による影響は一部顕在化しており、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクが当社の経営に与える影響については、前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)戦略」をご参照ください。 4.価格競争に関わるリスク 当社グループが属しているエレクトロニクス業界は、スマートフォンや車載用電子機器等の製品や部材などの技術革新の進展が加速化し、新製品への切り替えが早まることにより、市場での在庫調整への動きや競合他社との価格競争も激化する環境下にあります。当社グループは、継続的な開発投資により独自技術の蓄積と新製品・新技術の開発に積極的に取り組んでおりますが、国内外を問わず業界における価格競争は激化しており、顧客からのコストダウン要求や競合他社の参入攻勢などのため、今後一層の価格下落が予想されます。当社グループは、グローバルな視点での収益及びコストの構造改革を推進してまいりますが、予想を超えた価格競争や販売価格の下落及び在庫調整が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。5.製品の品質、欠陥に関わるリスク 当社グループは、各製造拠点で世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかしながら、製品の微細化、高品位化がますます要求されていることからも、品質問題、リコールが発生しない保証はありません。特に、コネクタについては、最終製品がマスプロダクトであるスマートフォンや車載用電子機器等であることから対象製品が量的に多くなりやすく、製造物賠償責任保険などによるリスクヘッジに努めておりますが、賠償額の大きさによっては当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。6.知的財産権に関わるリスク 当社グループは技術開発型企業として競合他社に対して差別化できる技術を蓄積してまいりましたが、急速な生産工場のグローバル化の結果、一部地域では当社グループの知的財産権が完全な保護を受けることが出来なくなる可能性があります。また、競合間での技術の急速な開発競争の結果、当社グループの技術が意図せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性もあります。7.訴訟に関わるリスク 当社グループが広範な事業活動を展開する中で、知的財産権、製造物責任、環境、労務等の様々な訴訟の対象となるリスクがあります。重大な訴訟が提起された場合、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 8.海外での事業展開に関わるリスク 当社グループの生産、販売活動の大きな部分が、東南アジア、中国、米国、ヨーロッパ等の日本以外の国で行われております。これら海外事業展開でのリスクとして、①予測できない税制、法律の改定 ②最低賃金改定による想定以上の賃上げや労働争議による賃上げ ③伝染病(特に感染規模が大きく、収束までに長期間を要するもの)、戦争、テロ、自然災害による事業継続の困難さ ④インフラの不確実性―エネルギー、ロジスティックス等 ⑤優秀な人財確保の困難さ等があり、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 9.外注部品供給元への依存に関わるリスク 当社グループ製品は、多くの原材料、部品、治具の供給を外注業者に依存しております。それら外注業者とは安定供給を狙いとした協力関係を築いておりますが、時に原材料、部品の不足や、治具の供給遅延が起こらないという保証はありません。原材料、部品、治具の供給状況の悪化は当社グループのコスト上昇に繋がり競争力を失うことから業績に悪影響を及ぼす可能性があります。10.原材料価格の変動に関わるリスク 当社グループが使用する金や銅などの金属材料や石油化学原料は、価格が大きく変動することがあり、これら原材料の価格上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、あるいは品種転換により製品原価を抑えることができない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。11.技術トレンドの予測に関わるリスク 当社グループは、革新的な技術と資源を投入する新製品の開発により、業績を確保しておりますが、新技術のトレンド、マーケットでのニーズの予測を間違えると投下資源の回収が出来なくなることから業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 12.量産拠点の集中に関わるリスク 当社グループの生産拠点は、テストソリューション事業及びコネクタソリューション事業の製品は一部製品を除きフィリピン、光関連事業の製品は神奈川県秦野市にて生産しており、各生産拠点が一極集中しております。何らかの原因でそれら生産拠点での操業が制限を受けたり不可能になるなど不測の事態が生じた場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、中長期的に国内での生産を拡大することにより、リスク低減に努めてまいります。 13.減損損失に関わるリスク 当社グループが保有する土地および設備等の資産について、取得時に想定した収益が見込めなくなった場合には、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により減損損失が計上され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。14.資金調達に関わるリスク 当社グループが事業を展開するために必要な資金の調達について、金利の上昇や当社グループの信用力の低下などにより調達コストが増加した場合、収益性が悪化する可能性があり、また有利子負債の一括返済を求められた場合、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 15.情報セキュリティに関わるリスク 当社グループは情報セキュリティポリシーを定め、関連する規程を整備し、管理体制を構築し、定期的に役員及び従業員に情報セキュリティに関する教育を実施することで、情報システムへの脅威から個人情報や機密情報を守るよう努めております。しかしながら、サイバー攻撃が複雑化・多様化する中で、不正アクセスやコンピュータウイルス感染により、当社グループのシステムの破壊及び保有する個人情報や機密情報の窃取・漏洩・改ざんを引き起こす可能性があり、このような事象が発生した場合、事業活動や業績及び財務状態に悪影響を及ぼし経営に大きな打撃を与える可能性があります。