事業の概要
- ファインセラミック技術京セラは創業以来、ファインセラミックという精密なセラミック技術を基盤としています。この技術を応用し、半導体製造装置部品、自動車用カメラモジュール、電子部品保護パッケージなど、多岐にわたる新製品や新市場を創造し、収益を上げています。高機能素材を核とした事業展開が特徴です。
- グローバルな多角化事業素材・部品からデバイス、機器、システム、サービスまで、幅広いグループ内の経営資源を活用しています。半導体、情報通信、産業機械、自動車、環境・エネルギーといった多様な市場で、製品の開発・製造・販売、およびサービスの提供を世界中で展開しており、特定の市場に依存しない収益構造を築いています。
- IFRS準拠の財務報告連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)に準拠して作成されています。これにより、海外の投資家にとっても財務状況が理解しやすく、国際的な比較可能性が高まっています。関係会社もIFRSの連結・持分法適用の範囲で開示されており、透明性の高い情報提供を行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- コアコンポーネント事業このセグメントは、半導体製造装置用部品などの各種ファインセラミック部品、車載カメラモジュール、電子部品やICを保護するセラミック・有機パッケージなどを手掛けています。半導体、産業機械、自動車、情報通信関連市場向けに展開されており、京セラの基盤技術であるファインセラミックを活かした高機能部品が中心です。
- 電子部品事業コンデンサ、水晶部品、コネクタ、パワー半導体といった各種電子部品やデバイスを製造・販売しています。情報通信、産業機械、自動車、民生関連市場向けに幅広く提供されており、現代の電子機器に不可欠な部品を供給することで、多様な産業の発展を支える重要な役割を担っています。
- ソリューション事業機械工具、ドキュメントソリューション、コミュニケーション、スマートエネルギー関連など、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。機械工具では切削工具や空圧・電動工具を、ドキュメントソリューションではプリンター・複合機やドキュメント管理システムを、コミュニケーションでは法人向け通信端末やICTソリューションを展開し、顧客の課題解決に貢献しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】 当社は創業以来、ファインセラミック技術をベースに新技術、新製品開発や新市場創造を進めています。また、素材・部品からデバイス、機器、システム、サービスに至るグループ内の経営資源を活用し、半導体、情報通信、産業機械、自動車、環境・エネルギー関連等の市場において、多種多様な製品の開発・製造・販売及びサービスの提供をグローバルに展開しています。 当社は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。また、関係会社についてもIFRSにおける連結及び持分法適用の範囲に基づき開示しています。なお、「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」においても同様に開示しています。 各レポーティングセグメントの具体的な内容は次のとおりですが、このレポーティングセグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記6.セグメント情報」に掲げるレポーティングセグメント情報の区分と同一です。(1)コアコンポーネント 半導体製造装置用部品等の各種ファインセラミック部品や車載カメラモジュール、電子部品やICを保護するセラミック・有機パッケージ等を半導体、産業機械、自動車関連及び情報通信市場向けに展開しています。 (2)電子部品 コンデンサや水晶部品、コネクタ等の各種電子部品やデバイス等を情報通信や産業機械、自動車関連及び民生市場向けに展開しています。(3)ソリューション 機械工具事業では、自動車や一般産業・建築市場向けに切削工具や空圧・電動工具、作業環境改善に寄与する製品を、ドキュメントソリューション事業では、オフィス用プリンター・複合機やドキュメント管理システム等のソリューションサービス、商業・産業用プリンターを、コミュニケーション事業では、通信端末や通信ソリューションサービス、ICTソリューション及びエンジニアリングサービスを、また、その他としてはスマートエネルギー関連の製品・サービス及び、電力販売事業等を展開しています。 レポーティングセグメント/主要事業・製品主要会社(1) コアコンポーネント 産業・車載用部品 ファインセラミック部品京セラ㈱ 車載システムDongguan Shilong Kyocera Co., Ltd. (車載カメラモジュール、ディスプレイ)Kyocera Asia Pacific Pte. Ltd. 光学部品Kyocera (Thailand) Co., Ltd. Kyocera International, Inc. Kyocera Europe GmbH 半導体関連部品 セラミックパッケージ京セラ㈱ 有機基板(パッケージ、ボード)Kyocera (China) Sales & Trading Corporation Kyocera Korea Co., Ltd. Kyocera Asia Pacific Pte. Ltd. Kyocera Vietnam Co., Ltd. Kyocera International, Inc. Kyocera Europe GmbH その他 医療機器京セラメディカル㈱(2) 電子部品 コンデンサ京セラ㈱ 水晶部品Kyocera (China) Sales & Trading Corporation コネクタKyocera Korea Co., Ltd. センサー・制御部品Kyocera Asia Pacific Pte. Ltd. Kyocera AVX Components Corporation レポーティングセグメント/主要事業・製品主要会社(3) ソリューション 機械工具 切削工具京セラ㈱ 空圧・電動工具京セラインダストリアルツールズ㈱ Kyocera (China) Sales & Trading Corporation Dongguan Shilong Kyocera Co., Ltd. Kyocera Asia Pacific Pte. Ltd. Kyocera SGS Precision Tools, Inc. Kyocera Senco Industrial Tools, Inc. Kyocera Unimerco Tooling A/S ドキュメントソリューション プリンター京セラドキュメントソリューションズ㈱ 複合機京セラドキュメントソリューションズジャパン㈱ 商業・産業用インクジェットプリンターKyocera Document Technology (Dongguan) Co., Ltd. ドキュメントソリューションサービスKyocera Document Technology Vietnam Co., Ltd. Kyocera Document Solutions America, Inc. Kyocera Document Solutions Europe Management B.V. Kyocera Document Solutions Deutschland GmbH TA Triumph-Adler GmbH コミュニケーション 通信端末京セラ㈱ 通信ソリューションサービス京セラコミュニケーションシステム㈱ ICTソリューション エンジニアリングサービス その他 スマートエネルギー関連製品・サービス京セラ㈱ プリンティングデバイスKyocera (China) Sales & Trading Corporation 宝飾・応用商品Dongguan Shilong Kyocera Co., Ltd. Kyocera Europe GmbH 以上を事業系統図に示すと次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 製品価格の値下げ要求が恒常化しており、今後も製品価格の下落が予想されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 創業以来培ってきたファインセラミックスをはじめとする材料、プロセス、設計、加工技術等のコア技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:国際的な事業活動に関するリスク / 人権に関するリスク / 情報セキュリティに関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
京セラは、創業以来培ってきた「京セラフィロソフィ」という独自の企業文化と、それを支える人間関係資本が強固な無形資産となっている。これは、従業員のエンゲージメントやイノベーション創出の源泉となり、他社が容易に模倣できない競争優位の基盤となっている。特に、困難な状況下でも粘り強く目標達成を目指す姿勢は、組織全体に浸透している。
スイッチングコスト★★☆☆☆
京セラは、セラミックス技術を基盤とした多角的な事業を展開しており、特に電子部品や産業機器分野では、顧客の生産ラインに組み込まれる製品が多く、仕様変更やサプライヤー変更には一定のコストと時間を要する。しかし、製品ラインナップが多岐にわたるため、全ての顧客にとって乗り換えコストが極めて高いとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
京セラは、個々の製品やソリューションが直接的にネットワーク効果を生み出すビジネスモデルではない。各事業は独立性が高く、ユーザー数の増加が製品価値を指数関数的に高めるような構造は見られない。
コスト優位★★★☆☆
京セラは、長年にわたる製造業での経験と、徹底した原価管理、そして「全員参加の経営」による生産性向上の取り組みにより、コスト競争力を維持している。特に、自社工場での一貫生産体制や、熟練した技術者による効率的な生産プロセスが、コスト優位性を支えている。
- ファインセラミック技術力京セラは創業以来培ってきたファインセラミック技術を基盤とし、半導体製造装置部品や車載カメラモジュール、電子部品パッケージなど、高付加価値な製品を生み出しています。この独自の素材技術は、他社が容易に模倣できない競争優位性となっており、多様な産業分野で活用されています。
- グローバルな事業展開世界各国で事業活動や投資を行い、日本、米国、欧州、アジア地域に広がる生産・販売体制を構築しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、多様な市場ニーズに対応できる柔軟性を持つことで、安定的な収益基盤を築いています。
- 多角的な製品ポートフォリオ素材・部品からデバイス、機器、システム、サービスまで、幅広い製品とソリューションを提供しています。半導体、情報通信、産業機械、自動車、環境・エネルギー関連市場など、多様な分野で事業を展開することで、市場の変化に強く、安定した事業成長を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当社が当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)経営の基本方針 当社は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念の追求のため、「人間として何が正しいのか」を判断基準とした企業哲学である「京セラフィロソフィ」と、独自の経営管理システムである「アメーバ経営」の実践を通じて、企業価値向上を目指します。 (2)目標とする経営指標 当社は、企業価値向上に向けて、ROEの改善を主要経営課題と位置づけ、2028年3月期(2027年4月1日から2028年3月31日まで)には5.0%以上、2031年3月期(2030年4月1日から2031年3月31日まで)には8.0%以上、また、将来的には10.0%以上の達成を図ります。併せて、時価総額のさらなる増大を目指してまいります。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上の課題 生成AIの普及により拡大を続けるAI関連市場においては、ロボティクスや社会インフラ等の新たなアプリケーションへの展開が見込まれており、更なる半導体の高性能化や低消費電力化が求められています。 当社はこれらの市場動向を事業機会として捉え、ファインセラミックスを中心とする当社のコア技術の一層の融合及び活用を図るとともに、顧客と社会の課題解決に貢献するソリューションの創出を進めます。 また、重点領域へ注力するためには、継続的な事業ポートフォリオの適正化が必要不可欠となることから、事業評価指標として新たにROIC(投下資本利益率)を導入し、収益性及び資本効率の改善を進め、企業価値の向上を目指します。 当社が優先的に対処すべき事業上の課題は次のとおりです。 a. 事業ポートフォリオマネジメントの強化 当社は、多彩な技術や強固な顧客基盤、グローバル体制、資本力等の強みを有しています。これらの経営資源を半導体関連市場等の重点領域に結集することで事業成長を加速し、企業価値向上を目指します。そのため当社は、翌連結会計年度より、従来のアメーバ経営に基づく採算管理に加え、将来性・持続性・事業競争力・市場魅力度等の定性評価及びROICを基準とする判断を基に、成長・注力領域の設定や事業ポートフォリオの評価、戦略立案を実施することとしました。合わせて、経営戦略の立案と着実な実行を管理・サポートする組織として本年4月に経営企画室を新設しました。 また、当社は部品事業(コアコンポーネントセグメント及び電子部品セグメント)を中長期的な成長牽引役、ソリューション事業を継続的な安定利益を創出する事業と位置づけ、セグメント毎の特性に応じたポートフォリオの再構築を進めてまいります。 部品事業は、祖業のファインセラミック分野で培った技術力と強固な顧客基盤を活用し、主に先端半導体やモビリティ市場でのシェア拡大と収益性向上に向けて、顧客の課題解決に貢献する高付加価値カスタム製品やソリューションの提供に適した事業ポートフォリオへの進化を図ります。 ソリューション事業は、多様な製品とサービスを活かしたイノベーションの創出と、「顧客との価値共創」を重視した事業ポートフォリオへの転換を目指し、高品質・高性能を追求した「モノづくり」に、顧客の課題解決に貢献する「コト」を加えた「モノ×コト売り」中心の事業への進化を図ります。 b. 資本政策の推進 当社は、企業価値向上を目的として資本構成の最適化を追求してまいります。資本効率の向上に向けては政策保有株式の縮減を進めるとともに、株式売却により得られる資金を設備投資等の事業投資や株主還元に活用してまいります。 (a)政策保有株式の縮減 当社が保有するKDDI㈱の株式について、当連結会計年度と翌連結会計年度で合計約5,000億円を売却するとともに、政策保有株式の純資産比率を、2031年3月期末を目途に20%未満に縮減する計画です。当連結会計年度には、KDDI㈱による自己株式の公開買付けに応募し、約108百万株(約2,500億円)についてKDDI㈱による買い付けが実施されました。その結果、2026年3月末時点の政策保有株式の純資産比率は、48.3%となりました。当社は、翌連結会計年度以降も継続的に政策保有株式の縮減を進めてまいります。なお、当社は翌連結会計年度においても、KDDI㈱による自己株式の公開買付けに応募し、その結果、約54百万株(約1,248億円)について買い付けられることとなりました。 (b)株主還元の充実化 当社は、より安定的・継続的な配当を実施するため、翌連結会計年度以降はDOE(株主資本*に対する配当金の比率)を配当指標に用いるとともに、1株当たり配当金を維持もしくは増額する累進配当を採用します。あわせて自己株式の取得を適宜実施することで、今後の株主資本の適正化を推進します。 * DOEの基準となる「株主資本」は、「親会社の所有者に帰属する持分」から保有株式の時価や為替の影響による変動の大きい「その他の資本の構成要素」を除外した金額を用います。 詳細については以下をご参照ください。 2026年4月30日開示「剰余金の配当及び配当方針の変更に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_4Q_haitou.pdf 当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、資本構成の適正化と株主還元の充実を目的に、総額2,000億円を上限とする自己株式の取得を行うことについて決議し、2025年5月15日から2026年3月12日(約定ベース)の期間において、東京証券取引所における市場買付けにより、約91百万株(2,000億円)の自己株式を取得しました。 また、2026年4月30日開催の取締役会においても、総額2,500億円を上限とする自己株式の取得を行うことについて決議しました。 詳細については以下をご参照ください。 2026年4月30日開示「自己株式の取得に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_4Q_jikokabu.pdf なお、2029年3月期(2028年4月1日から2029年3月31日まで)以降もROE向上に向けた成長投資への適切な配分も考慮した上で自己株式を取得する予定です。 (c)自己株式の消却 当社は、当連結会計年度における総額2,000億円の自己株式の取得により、発行済株式総数に対する自己株式の比率が増加したため、翌連結会計年度に当社において適正と考える保有水準までの消却を実施しました。 詳細については以下をご参照ください。 2026年4月30日開示「自己株式の消却に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_4Q_shoukyaku.pdf c. コーポレート・ガバナンスの強化 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を果たすため各種施策に取り組んでいますが、経営の重要な基盤であるコーポレート・ガバナンスについても、取締役会や指名報酬委員会の多様性の追求や実効性の向上、役員報酬体系の見直し等について継続検討し、強化を図ってまいります。 監査等委員会設置会社への移行及び取締役会のモニタリングボード化* (2026年6月25日開催 第72期定時株主総会付議予定) 当社は、取締役会の監督機能の強化ならびに審議の充実を図るべく、2026年2月2日開催の取締役会において、監査等委員会設置会社への移行を2026年6月25日開催予定の第72期定時株主総会に付議することを決議しました。 また、移行後の取締役会は、独立社外取締役が過半数となるモニタリングボードとなります。* 第72期定時株主総会で関連議案が承認可決された場合 詳細については以下をご参照ください。 2026年2月2日開示 「監査等委員会設置会社への移行に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_3Q_transition.pdf 2026年2月3日開示 「経営改革プロジェクト進捗報告」P.28-31 https://www.kyocera.co.jp/ir/library/pdf/presentation/FY26_3Q_p_ProgressUpdate.pdf
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当社が当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)経営の基本方針 当社は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念の追求のため、「人間として何が正しいのか」を判断基準とした企業哲学である「京セラフィロソフィ」と、独自の経営管理システムである「アメーバ経営」の実践を通じて、企業価値向上を目指します。 (2)目標とする経営指標 当社は、企業価値向上に向けて、ROEの改善を主要経営課題と位置づけ、2028年3月期(2027年4月1日から2028年3月31日まで)には5.0%以上、2031年3月期(2030年4月1日から2031年3月31日まで)には8.0%以上、また、将来的には10.0%以上の達成を図ります。併せて、時価総額のさらなる増大を目指してまいります。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上の課題 生成AIの普及により拡大を続けるAI関連市場においては、ロボティクスや社会インフラ等の新たなアプリケーションへの展開が見込まれており、更なる半導体の高性能化や低消費電力化が求められています。 当社はこれらの市場動向を事業機会として捉え、ファインセラミックスを中心とする当社のコア技術の一層の融合及び活用を図るとともに、顧客と社会の課題解決に貢献するソリューションの創出を進めます。 また、重点領域へ注力するためには、継続的な事業ポートフォリオの適正化が必要不可欠となることから、事業評価指標として新たにROIC(投下資本利益率)を導入し、収益性及び資本効率の改善を進め、企業価値の向上を目指します。 当社が優先的に対処すべき事業上の課題は次のとおりです。 a. 事業ポートフォリオマネジメントの強化 当社は、多彩な技術や強固な顧客基盤、グローバル体制、資本力等の強みを有しています。これらの経営資源を半導体関連市場等の重点領域に結集することで事業成長を加速し、企業価値向上を目指します。そのため当社は、翌連結会計年度より、従来のアメーバ経営に基づく採算管理に加え、将来性・持続性・事業競争力・市場魅力度等の定性評価及びROICを基準とする判断を基に、成長・注力領域の設定や事業ポートフォリオの評価、戦略立案を実施することとしました。合わせて、経営戦略の立案と着実な実行を管理・サポートする組織として本年4月に経営企画室を新設しました。 また、当社は部品事業(コアコンポーネントセグメント及び電子部品セグメント)を中長期的な成長牽引役、ソリューション事業を継続的な安定利益を創出する事業と位置づけ、セグメント毎の特性に応じたポートフォリオの再構築を進めてまいります。 部品事業は、祖業のファインセラミック分野で培った技術力と強固な顧客基盤を活用し、主に先端半導体やモビリティ市場でのシェア拡大と収益性向上に向けて、顧客の課題解決に貢献する高付加価値カスタム製品やソリューションの提供に適した事業ポートフォリオへの進化を図ります。 ソリューション事業は、多様な製品とサービスを活かしたイノベーションの創出と、「顧客との価値共創」を重視した事業ポートフォリオへの転換を目指し、高品質・高性能を追求した「モノづくり」に、顧客の課題解決に貢献する「コト」を加えた「モノ×コト売り」中心の事業への進化を図ります。 b. 資本政策の推進 当社は、企業価値向上を目的として資本構成の最適化を追求してまいります。資本効率の向上に向けては政策保有株式の縮減を進めるとともに、株式売却により得られる資金を設備投資等の事業投資や株主還元に活用してまいります。 (a)政策保有株式の縮減 当社が保有するKDDI㈱の株式について、当連結会計年度と翌連結会計年度で合計約5,000億円を売却するとともに、政策保有株式の純資産比率を、2031年3月期末を目途に20%未満に縮減する計画です。当連結会計年度には、KDDI㈱による自己株式の公開買付けに応募し、約108百万株(約2,500億円)についてKDDI㈱による買い付けが実施されました。その結果、2026年3月末時点の政策保有株式の純資産比率は、48.3%となりました。当社は、翌連結会計年度以降も継続的に政策保有株式の縮減を進めてまいります。なお、当社は翌連結会計年度においても、KDDI㈱による自己株式の公開買付けに応募し、その結果、約54百万株(約1,248億円)について買い付けられることとなりました。 (b)株主還元の充実化 当社は、より安定的・継続的な配当を実施するため、翌連結会計年度以降はDOE(株主資本*に対する配当金の比率)を配当指標に用いるとともに、1株当たり配当金を維持もしくは増額する累進配当を採用します。あわせて自己株式の取得を適宜実施することで、今後の株主資本の適正化を推進します。 * DOEの基準となる「株主資本」は、「親会社の所有者に帰属する持分」から保有株式の時価や為替の影響による変動の大きい「その他の資本の構成要素」を除外した金額を用います。 詳細については以下をご参照ください。 2026年4月30日開示「剰余金の配当及び配当方針の変更に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_4Q_haitou.pdf 当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、資本構成の適正化と株主還元の充実を目的に、総額2,000億円を上限とする自己株式の取得を行うことについて決議し、2025年5月15日から2026年3月12日(約定ベース)の期間において、東京証券取引所における市場買付けにより、約91百万株(2,000億円)の自己株式を取得しました。 また、2026年4月30日開催の取締役会においても、総額2,500億円を上限とする自己株式の取得を行うことについて決議しました。 詳細については以下をご参照ください。 2026年4月30日開示「自己株式の取得に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_4Q_jikokabu.pdf なお、2029年3月期(2028年4月1日から2029年3月31日まで)以降もROE向上に向けた成長投資への適切な配分も考慮した上で自己株式を取得する予定です。 (c)自己株式の消却 当社は、当連結会計年度における総額2,000億円の自己株式の取得により、発行済株式総数に対する自己株式の比率が増加したため、翌連結会計年度に当社において適正と考える保有水準までの消却を実施しました。 詳細については以下をご参照ください。 2026年4月30日開示「自己株式の消却に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_4Q_shoukyaku.pdf c. コーポレート・ガバナンスの強化 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を果たすため各種施策に取り組んでいますが、経営の重要な基盤であるコーポレート・ガバナンスについても、取締役会や指名報酬委員会の多様性の追求や実効性の向上、役員報酬体系の見直し等について継続検討し、強化を図ってまいります。 監査等委員会設置会社への移行及び取締役会のモニタリングボード化* (2026年6月25日開催 第72期定時株主総会付議予定) 当社は、取締役会の監督機能の強化ならびに審議の充実を図るべく、2026年2月2日開催の取締役会において、監査等委員会設置会社への移行を2026年6月25日開催予定の第72期定時株主総会に付議することを決議しました。 また、移行後の取締役会は、独立社外取締役が過半数となるモニタリングボードとなります。* 第72期定時株主総会で関連議案が承認可決された場合 詳細については以下をご参照ください。 2026年2月2日開示 「監査等委員会設置会社への移行に関するお知らせ」 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY26_3Q_transition.pdf 2026年2月3日開示 「経営改革プロジェクト進捗報告」P.28-31 https://www.kyocera.co.jp/ir/library/pdf/presentation/FY26_3Q_p_ProgressUpdate.pdf
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当社が当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)業績等の概要 当連結会計年度の世界経済は、各国の財政・金融政策等を背景に底堅く推移しましたが、米国の通商政策や地政学的緊張の高まりにより不確実性が高まりました。当社の主要市場である半導体関連市場や情報通信関連市場においては、AI及びデータセンター関連需要が引き続き高水準を維持しました。 当連結会計年度の売上高は、米国子会社Kyocera Industrial Tools,Inc.の譲渡を主因にソリューションセグメントが減収となった一方、半導体関連部品事業を中心とするコアコンポーネントセグメントが増収となり、前連結会計年度を上回りました。 利益については、前連結会計年度にコアコンポーネントセグメントで減損損失等を計上した一方、当連結会計年度の子会社譲渡益、増収効果及び構造改革の進展等により、営業利益及び税引前利益は大幅な増益となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益についても、税額控除の増加等により法人所得税費用が減少したことから、前連結会計年度を大きく上回りました。(百万円) 前連結会計年度(自 2024年 4月 1日至 2025年 3月31日)当連結会計年度(自 2025年 4月 1日至 2026年 3月31日)増 減金 額売上高比(%)金 額売上高比(%)増減金額増減率(%)売上高2,014,454100.02,070,203100.055,7492.8営業利益27,2991.4118,1385.790,839332.8税引前利益63,6313.2168,9948.2105,363165.6親会社の所有者に帰属する当期利益24,0971.2140,9696.8116,872485.0米ドル平均為替レート (円)153-151---ユーロ平均為替レート (円)164-175--- (2)財政状態及び経営成績の状況a.売上高 当連結会計年度の売上高は2,070,203百万円となり、前連結会計年度の2,014,454百万円と比較し、55,749百万円(2.8%)増加しました。 2026年1月に米国子会社のKyocera Industrial Tools, Inc.を譲渡したことを主因にソリューションセグメントが減収となった一方、半導体関連部品事業を中心としてコアコンポーネントセグメントが増収となったことにより、前連結会計年度に比べ増収となりました。 b.売上原価及び売上総利益 当連結会計年度の売上原価は1,462,560百万円となり、前連結会計年度の1,455,280百万円と比較し、ほぼ横ばいとなりました。 売上原価の主な内訳は、原材料費が前連結会計年度の523,314百万円から9,955百万円(1.9%)増加の533,269百万円となり全体の36.5%を占め、人件費が前連結会計年度の299,098百万円から4,022百万円(1.3%)増加の303,120百万円となり全体の20.7%を占めています。また、減価償却費は前連結会計年度の102,437百万円から5,259百万円(5.1%)減少の97,178百万円となり全体の6.6%を占めています。 この結果、当連結会計年度の売上総利益は607,643百万円となり、前連結会計年度の559,174百万円と比較し、48,469百万円(8.7%)増加し、売上総利益率は、27.8%から29.4%へ1.6ポイント上昇しました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は512,622百万円となり、前連結会計年度の532,479百万円と比較し、19,857百万円(3.7%)減少しました。これは主に、当期に人件費の増加等の増加要因があった一方、前期に一時的な費用として半導体部品有機材料事業における有形固定資産等の減損損失40,148百万円を計上したことによるものです。 なお、前連結会計年度において、「販売費及び一般管理費」に含めていた「事業売却益」は、金額的重要性が高まったため、当連結会計年度より連結損益計算書上において、23,117百万円を独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の「販売費及び一般管理費」に含めていた604百万円は、「事業売却益」に組替えて表示しています。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費の主な内訳は、人件費が前連結会計年度の278,727百万円から8,551百万円(3.1%)増加の287,278百万円となり全体の56.0%を占め、販売費及び広告宣伝費が前連結会計年度の52,545百万円から2,638百万円(5.0%)減少の49,907百万円となり全体の9.7%を占めています。また、減価償却費は前連結会計年度の49,768百万円から1,510百万円(3.0%)増加の51,278百万円となり全体の10.0%を占めています。 この結果、当連結会計年度の営業利益は118,138百万円となり、前連結会計年度の27,299百万円と比較し、90,839百万円(332.8%)増加しました。当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の1.4%から4.3ポイント増加し、5.7%となりました。 d.金融収益 当連結会計年度の金融収益は61,548百万円となり、前連結会計年度の60,841百万円と比較し、707百万円(1.2%)増加しました。e.金融費用 当連結会計年度の金融費用は13,902百万円となり、前連結会計年度の27,653百万円と比較し、13,751百万円(49.7%)減少しました。これは主に、前連結会計年度において米ドルの円高進行により為替差損を計上したことによるものです。 当社では、外貨建の債権債務に係る為替変動リスクの低減を図るために、主に先物為替予約を利用しています。当社は、先物為替予約については、外国為替レートの変動をヘッジする目的に限定して利用しており、トレーディング目的のための先物為替予約は行っていません。f.持分法による投資損益 当連結会計年度の持分法による投資損益は847百万円の損失となり、前連結会計年度の165百万円の損失と比較し、682百万円損失が増加しました。g.税引前利益 当連結会計年度の税引前利益は168,994百万円となり、前連結会計年度の63,631百万円と比較し、105,363百万円(165.6%)増加しました。当連結会計年度の税引前利益率は前連結会計年度の3.2%から5.0ポイント上昇し、8.2%となりました。 前連結会計年度においてはコアコンポーネントセグメントの半導体部品有機材料事業での有形固定資産等の減損損失を40,148百万円計上した一方、当連結会計年度においてはソリューションセグメントでKyocera Industrial Tools, Inc.の譲渡益(関連する費用を控除後)を16,792百万円計上したことに加え、増収効果や構造改革の進展等により、前連結会計年度に比べ大幅な増益となりました。h.法人所得税費用 当連結会計年度の法人所得税費用は24,074百万円(実効税率14.2%)となり、前連結会計年度の36,177百万円(実効税率56.9%)と比較し、12,103百万円(33.5%)減少しました。これは主に、前連結会計年度においては海外子会社における繰延税金資産の取り崩し等により税金費用が増加した一方、当連結会計年度においてはKDDI㈱株式売却等による課税所得の増加に伴い、税額控除額が増加した影響等により、税金費用が減少したことによるものです。i.非支配持分に帰属する当期利益 当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は3,951百万円となり、前連結会計年度の3,357百万円と比較し、594百万円(17.7%)増加しました。 j.レポーティングセグメント別営業概況コアコンポーネント 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ61,709百万円(10.4%)増加の653,429百万円となりました。事業利益は、同64,971百万円増加し、63,082百万円となり、利益率は9.7%となりました。 売上高は、情報通信関連市場向けセラミックパッケージやデータセンター向け有機パッケージ等の半導体関連部品事業の販売増を主因に増加しました。事業利益については、増収及び構造改革に加え、一時損失*の減少により大幅に増加しました。* 前連結会計年度における一時損失:半導体部品有機材料事業における有形固定資産の減損損失等 約430億円 当連結会計年度における一時損失:半導体部品有機材料事業における未稼働資産の評価減及び車載システム事業に おける旧ディスプレイ事業の減損損失等 合計 約100億円 電子部品 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ8,840百万円(2.5%)増加の363,486百万円となりました。事業利益は同8,134百万円増加し、7,316百万円となり、利益率は2.0%となりました。 売上高は、Kyocera AVX Components Corporation グループ(以下「KAVXグループ」)における車載市場や情報通信関連市場向けコンデンサ等の販売増が、米ドルに対する円高進行による減収を上回ったことにより増加しました。事業利益は、シリコンダイオード・パワー半導体事業の譲渡に伴う一時損失約15億円の影響はあった一方、KAVXグループにおける増収や構造改革の効果を主因に増加しました。 ソリューション 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ15,448百万円(1.4%)減少の1,070,919百万円となりました。事業利益は同30,247百万円(41.0%)増加の103,943百万円となり、利益率は6.8%から9.7%へ向上しました。 売上高は、Kyocera Industrial Tools, Inc.の譲渡が完了したことを主因に減少しました。事業利益は、Kyocera Industiral Tools, Inc.の譲渡に伴う一時利益約170億円の計上、及び各事業での収益改善等により増加しました。 レポーティングセグメント別売上高(百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増 減金 額構成比(%)金 額構成比(%)増減金額増減率(%)コアコンポーネント591,72029.4653,42931.661,70910.4 産業・車載用部品241,87112.0250,06912.18,1983.4 半導体関連部品327,04916.3379,43218.352,38316.0 その他22,8001.123,9281.21,1284.9電子部品354,64617.6363,48617.58,8402.5ソリューション1,086,36753.91,070,91951.7△15,448△1.4 機械工具305,87615.2285,93613.8△19,940△6.5 ドキュメントソリューション479,96423.8478,47923.1△1,485△0.3 コミュニケーション225,49711.2219,15810.6△6,339△2.8 その他75,0303.787,3464.212,31616.4その他の事業17,1140.914,1960.7△2,918△17.1調整及び消去△35,393△1.8△31,827△1.53,566-売上高2,014,454100.02,070,203100.055,7492.8 レポーティングセグメント別税引前利益(△損失)(百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増 減金 額売上高比(%)金 額売上高比(%)増減金額増減率(%)コアコンポーネント△1,889-63,0829.764,971- 産業・車載用部品23,2959.618,7307.5△4,565△19.6 半導体関連部品△26,447-46,93312.473,380- その他1,2635.5△2,581-△3,844-電子部品△818-7,3162.08,134-ソリューション73,6966.8103,9439.730,24741.0 機械工具15,7075.135,19612.319,489124.1 ドキュメントソリューション49,03810.245,1159.4△3,923△8.0 コミュニケーション9,3474.112,1165.52,76929.6 その他△396-11,51613.211,912-その他の事業△46,990-△41,168-5,822-事業利益計23,9991.2133,1736.4109,174454.9本社部門損益等39,632-35,821-△3,811△9.6税引前利益63,6313.2168,9948.2105,363165.6(注)当社は、当連結会計年度の期首より、前連結会計年度まで「コアコンポーネント」セグメントの「その他」に含めていた宝飾・応用商品事業を「ソリューション」セグメントの「その他」に含めることとし、「ソリューション」セグメントの「その他」に含めていたディスプレイ事業を「コアコンポーネント」セグメントの「産業・車載用部品」に含めて業績管理することとしました。また、2026年1月1日より、「コアコンポーネント」セグメントの「産業・車載用部品」に含めていた事業の一部を同セグメントの「半導体関連部品」に含めて業績管理することとしました。これらの変更に伴い、前連結会計年度の業績は、この管理区分にて表示しています。 k.本社部門損益等 本社部門損益は、金融資産に係る収益や、各セグメントに対して本社部門から提供される経営管理サービスに伴う収入等から構成されます。 当連結会計年度は35,821百万円の収益となり、前連結会計年度の39,632百万円の収益と比較し、3,811百万円(9.6%)減少しました。当連結会計年度において、海外子会社における為替差損及びセグメント間取引による利益控除が増加したことにより減益となりました。l.生産、受注及び販売の実績レポーティングセグメント別受注高(百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)金 額構成比(%)金 額構成比(%)コアコンポーネント587,41628.9640,92330.59.1 産業・車載用部品251,71612.4255,10912.11.3 半導体関連部品312,54215.4361,43517.215.6 その他23,1581.124,3791.25.3電子部品353,10017.4373,17917.85.7ソリューション1,109,33254.71,100,79052.5△0.8 機械工具307,38615.2291,13313.9△5.3 ドキュメントソリューション477,50123.5478,62622.80.2 コミュニケーション242,21311.9244,65111.71.0 その他82,2324.186,3804.15.0その他の事業12,2860.611,5780.5△5.8調整及び消去△32,340△1.6△28,205△1.3-受注高2,029,794100.02,098,265100.03.4(注)1 当社は、需要の増加や顧客の要求、市場の変化等に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産実績は販売実績に類似しています。このため、生産及び販売の実績は「j.レポーティングセグメント別営業概況」に関連付けて示しています。2 当連結会計年度の期首より、前連結会計年度まで「コアコンポーネント」セグメントの「その他」に含めていた宝飾・応用商品事業を「ソリューション」セグメントの「その他」に含めることとし、「ソリューション」セグメントの「その他」に含めていたディスプレイ事業を「コアコンポーネント」セグメントの「産業・車載用部品」に含めて業績管理することとしました。また、2026年1月1日より、「コアコンポーネント」セグメントの「産業・車載用部品」に含めていた事業の一部を同セグメントの「半導体関連部品」に含めて業績管理することとしました。これらの変更に伴い、前連結会計年度の受注高は、この管理区分にて表示しています。(3)流動性及び資金の源泉a.資金の源泉<当連結会計年度末の資金の状況> 当社の主な資金の源泉は、営業活動によって獲得した現金です。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは226,235百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を455,887百万円保有しています。うち海外の連結子会社が保有する現金及び現金同等物は、当連結会計年度末において275,533百万円になりますが、当社での使用を目的として、これらを当社へ還流することは現時点において想定していません。 また、当社は将来の更なる成長に向けた投資のために金融機関からの借入も実施しています。当連結会計年度末の借入金残高は245,038百万円(総資産に対し5.3%)であり、主として円建です。 当連結会計年度末の運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は976,141百万円であり、自己資本比率(親会社の所有者に帰属する持分比率)は71.9%と、引き続き強固な財務体質を保っています。 このように強固な財務体質を維持していることに加え、一部の借入には資金調達コストの引き下げを目的として、当社が保有するKDDI㈱の株式の一部を担保に設定していることから、比較的低いコストで資金を調達しています。なお、借入金の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記19. 借入金」を参照ください。 <当連結会計年度の資金需要> 当社の当連結会計年度における主な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金、資本業務提携のための資金、配当金の支払、並びに自己株式の取得等となりました。 当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の141,932百万円と比較し、7,167百万円(5.0%)増加し、149,099百万円となりました。これは主に、半導体関連市場や情報通信関連市場向け製品の需要増加に対応するため、前期に引き続き生産能力拡大のための設備投資を実施したことによるものです。研究開発費は、前連結会計年度の116,087百万円と比較し、386百万円(0.3%)減少し、115,701百万円となりました。 また、当社は、コネクタ事業の成長を図るため、日本航空電子工業㈱と資本業務提携契約を締結しその一環として同社株式を81,232百万円の現金で取得しました。 さらに、当社は、当連結会計年度において1株当たり50円、総額69,785百万円の配当金の支払いを行いました。 加えて、2025年5月14日開催の取締役会において、資本構成の適正化と株主還元の充実を目的として自己株式の取得を決議し、総額200,000百万円の自己株式を取得しました。 当社は、当連結会計年度におけるこれらの資金需要について、営業活動で獲得した資金に加え、当社が保有するKDDI㈱株式の売却資金249,291百万円及びKyocera Industrial Tools, Incの全株式の譲渡により獲得した資金76,388百万円等で賄いました。 <翌連結会計年度の資金需要> 当社は、翌連結会計年度における主な資金需要として、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当金の支払、自己株式の取得等を見込んでいます。 翌連結会計年度においては、225,000百万円の設備投資と120,000百万円の研究開発費を予定しています。設備投資額は、半導体関連市場や情報通信関連市場向け製品を中心に生産体制をさらに拡充するため、当連結会計年度に比べて増加する見通しです。研究開発費についても、コア事業強化に向けた新技術・新製品開発を継続する考えであり、当連結会計年度に比べて増加する見通しです。なお、設備の発注契約を含め、当社の契約債務の詳細については後述の「d.契約債務」を参照ください。 配当金の支払については、2026年6月25日に開催される当社の定時株主総会で決議予定であり、1株当たり27円、総額35,570百万円の期末配当を予定しています。 また、当社は2026年4月30日に開催された取締役会における決議により、株主還元の一環並びに機動的な資本戦略への準備を目的として、総額250,000百万円を上限とする自己株式の取得を予定しています。詳細は、「第4 提出会社の状況 2 自己株式の取得等の状況(2)取締役会決議による取得の状況」を参照ください。 当社は、これらの資金需要については、営業活動等で獲得した自己資金に加え、当社が保有するKDDI㈱株式の売却資金にて対応する予定です。KDDI㈱株式の売却についての詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記37. 後発事象」を参照ください。 また、上記に加え、金融機関からの借入や社債、株式の発行といった資金調達手段も有しています。当社は、主要な取引先金融機関と良好な関係を構築していることから、今後の事業資金の調達に関して問題はないと認識しています。なお、現時点では格付機関による信用格付に影響を与えるような外部からの資金調達を行う予定はありません。 ただし、今後主要市場での需要動向が悪化した場合や、製品価格が当社の予想を大きく超えて下落した場合等においては、当社の資金の流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。 b.キャッシュ・フローの状況(百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減金額営業活動によるキャッシュ・フロー237,918226,235△11,683投資活動によるキャッシュ・フロー△150,48174,539225,020財務活動によるキャッシュ・フロー△64,937△311,961△247,024現金及び現金同等物に係る換算差額△2,54822,33024,878現金及び現金同等物の増減額(△は減少)19,95211,143△8,809現金及び現金同等物の期首残高424,792444,74419,952現金及び現金同等物の期末残高444,744455,88711,143 営業活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・インは、前連結会計年度の237,918百万円に比べ、11,683百万円(4.9%)減少し、226,235百万円となりました。これは主に、当期利益が増加した一方、KDDI㈱の株式売却に伴い、源泉所得税の支払が増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の150,481百万円のキャッシュ・アウトに比べ、225,020百万円増加し、74,539百万円のキャッシュ・インとなりました。これは主に、日本航空電子工業㈱の株式取得に伴い、持分法で会計処理されている投資の取得による支出が発生した一方、KDDI㈱の株式売却に伴い、有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・アウトは、前連結会計年度の64,937百万円に比べ、247,024百万円(380.4%)増加し、311,961百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が増加したことによるものです。 なお、当連結会計年度において現金及び現金同等物は、換算により22,330百万円増加しました。これは主に、前連結会計年度末に比べ、当連結会計年度末に欧米通貨に対し円安となったことによるものです。 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の444,744百万円から11,143百万円(2.5%)増加し、455,887百万円となりました。当社の保有する現金及び現金同等物は主に円建ですが、海外の連結子会社では、主として米ドルを含む外貨建の現金及び現金同等物を保有しています。 c.資産、負債及び資本 当連結会計年度末における当社の資産合計は、前連結会計年度末の4,511,307百万円から135,007百万円(3.0%)増加し、4,646,314百万円となりました。 現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から11,143百万円(2.5%)増加し、455,887百万円となりました。詳細は上記「b.キャッシュ・フローの状況」を参照ください。 未収法人所得税は、主にKDDI㈱株式売却に伴い未収法人税が増加したことにより、前連結会計年度末から22,674百万円(216.0%)増加し、33,172百万円となりました。 資本性証券及び負債性証券は、KDDI㈱株式の売却を主因に、前連結会計年度末に比べ55,196百万円(3.2%)減少し、1,649,512百万円となりました。 持分法で会計処理されている投資は、主に日本航空電子工業㈱の株式を取得したことにより、前連結会計年度末から81,846百万円(528.9%)増加し、97,320百万円となりました。 有形固定資産は、前連結会計年度末から33,543百万円(5.1%)増加し、685,492百万円となりました。なお、当連結会計年度の設備投資額は149,099百万円、減価償却費は110,924百万円でした。 のれん及び無形資産は、米国子会社Kyocera Industrial Tools, Inc.の全株式を譲渡したことを主因に、前連結会計年度末に比べそれぞれ8,271百万円(2.9%)、20,809百万円(14.6%)減少し、273,968百万円及び121,241百万円となりました。 その他の非流動資産は、年金資産の時価増加等による退職給付に係る資産の増加を主因に、前連結会計年度末に比べ36,349百万円(35.2%)増加し、139,757百万円となりました。 当連結会計年度末における当社の負債合計は、前連結会計年度末の1,268,073百万円から10,869百万円(0.9%)増加し、1,278,942百万円となりました。 営業債務及びその他の債務は、設備購入に係る未払金が減少したことを主因に前連結会計年度末に比べ12,262百万円(5.9%)減少し、194,767百万円となりました。 未払法人所得税は、主にKDDI㈱株式売却に伴い未払法人事業税が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ17,315百万円(114.2%)増加し、32,483百万円となりました。 当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末の3,243,234百万円から124,138百万円(3.8%)増加し、3,367,372百万円となりました。 利益剰余金は、支払配当金69,785百万円を計上した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益140,969百万円及び資本性証券の売却差額等202,206百万円を計上したことにより、前連結会計年度末の1,942,485百万円から273,390百万円(14.1%)増加し、2,215,875百万円となりました。 その他の資本の構成要素は、資本性証券の売却差額等が利益剰余金へ振り替えられた一方、保有株式の時価上昇及び円安に伴う為替換算調整勘定の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ48,199百万円(4.1%)増加し、1,231,991百万円となりました。 自己株式は、取締役会決議に基づく自己株式の取得を行ったことにより、前連結会計年度末から199,957百万円(139.8%)増加し、342,951百万円となりました。 当連結会計年度末の親会社の所有者に帰属する持分比率は、前連結会計年度末の71.3%から0.6ポイント増加し、71.9%となりました。 d.契約債務 当社の予定決済日ごとの契約債務は次のとおりです。(百万円) 2027年3月期2028年3月期-2029年3月期2030年3月期-2031年3月期2032年3月期以降合 計長期借入金(1年以内返済予定分を含む)30,849175,8457,4585,660219,812支払利息(長期借入金)(1年以内返済予定分を含む)(注)2,2772,4198961,6927,284リース負債24,19228,55417,46727,77997,992設備の発注契約96,9253,399128-100,452合 計154,243210,21725,94935,131425,540(注)変動金利による借入金の支払利息については、当連結会計年度末の実質利率を使用して、将来見込まれる支払利息を算出しています。 当社は翌連結会計年度において、確定給付制度に対し10,270百万円を拠出する予定です。また、当社は、当連結会計年度末において不確実な税務ポジションとして負債を5,714百万円計上していますが、将来の解決時期を合理的に見積ることができないため、上記の表には含めていません。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。これらの連結財務諸表を作成する際には、見積り、判断及び仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、及び開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断及び仮定は実際の結果とは異なる場合があります。 当社の連結財務諸表における見積りは、次の場合において会計上非常に重要な見積りとなります。すなわち、当社が見積りを行った時点では、その対象となった事象が非常に不確実な状況にも関わらず見積りを行う必要があった場合、また、当該期間において当社が実際に採用したものとは異なるが、当社が採用することができた見積りがある、もしくは複数の会計年度にわたって変更が発生すると予想される見積りがあり、その見積りが当社の財政状態及び経営成績の開示に重要な影響を及ぼす場合です。当社は会計情報の開示を行う上で、下記の項目を重要な会計上の見積りとして認識しています。各項目の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」を参照ください。 a.棚卸資産の評価 当社は、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損の金額を見積っています。過剰、滞留、並びに陳腐化した棚卸資産に対して評価損を計上しています。また、棚卸資産は正味実現可能価額まで評価損を計上しています。当社は通常、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留もしくは陳腐化していると見なします。また、当社では、将来の需要予測や市況、そして関与する経営者の判断のもとに、一定の保有期間に満たない棚卸資産についても評価損を計上することがあります。今後も市場の状況や製品の需要が当社の想定を下回れば、棚卸資産の評価損を計上しなければならない可能性があります。b.有形固定資産及び無形資産の耐用年数 有形固定資産は、事業ごとの実態に応じた見積利用可能年数等に基づき、定額法で減価償却しています。償却性無形資産は、資産の将来の経済的便益が消費されると予測される期間に基づき、定額法で償却しています。 将来、技術革新等による設備の陳腐化や用途変更並びに事業環境の変化等による利用可能期間の見直しの結果、耐用年数を変更する場合には、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 c.有形固定資産、のれん及び無形資産の減損 当社は、有形固定資産及び償却性無形資産について、帳簿価額を回収できない可能性を示す事象が発生した時点、もしくは状況が変化した時点で、減損テストを行っています。また、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産は償却をせず、年1回及び減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損テストを行っています。減損損失は、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回った場合に認識しています。 資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率により、現在価値に割り引いて算定しています。 使用価値は様々な仮定に基づき算定されているため、使用価値の減少をもたらすような予測不能な事業環境の変化等が生じた場合には、減損損失が発生するリスクがあります。d.償却原価で測定する金融資産の減損 当社は、主に営業債権等の償却原価で測定される金融資産について、回収可能性や信用リスクの著しい増加等を考慮のうえ将来の予想信用損失を測定していますが、実際の損失が予想信用損失より過大または過少になる可能性があります。e.金融商品の公正価値 当社は、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。f.法人所得税 当社は、繰延税金資産について、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りと税務上、実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。 当連結会計年度末においては、繰延税金資産を158,317百万円認識しています。当社は、当連結会計年度の税引前利益及び法人所得税費用と比較し、当該繰延税金資産が将来において合理的に実現するものと考えます。 また当社は、税務調査を受けることを前提に税務上認識された不確実な税務ポジションについて発生の可能性が高いと判断した場合、当該部分を不確実な税務ポジションとして負債に計上しています。なお、法人所得税における不確実性に関する会計処理の金額と税務当局との解決による金額は異なる可能性があります。 当連結会計年度末においては、不確実な税務ポジションを総額で5,714百万円計上しています。当社は、法人所得税の不確実性に関する最終的な解決が将来の連結損益計算書へ重要な影響を及ぼすことはないと考えています。g.確定給付制度 確定給付制度において、確定給付負債または資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定されます。 確定給付制度債務の現在価値は数理計算上の仮定に基づき算定されます。数理計算上の仮定には割引率、昇給率等の基礎率についての見積り及び判断が求められます。 当社は、優良社債の利回り等を参考に割引率を決定します。昇給率は主に過去の実績、近い将来の見通し、物価変動等により決定されます。当社は毎年、数理計算の基礎となる前提条件を見直しており、必要に応じてその時点の市場環境をもとに調整を行っています。 日本及び世界的な経済の停滞により、金利が低下し、当社が割引率を引き下げる場合には、確定給付制度債務及び関連する勤務費用等が増加します。h.引当金及び偶発債務 当社は、通常の事業活動を営む上で、様々な訴訟や賠償要求を受ける可能性があります。当社は、法律専門家と相談の上、こうした偶発債務が重要な結果を引き起こす可能性を予測しています。当社は、不利益な結果を引き起こす可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には当該債務を計上します。見積りを行う際当社は、受けている訴訟の進捗、及び他の会社が受けている同種の訴訟やその他関連する事項を考慮します。発生した負債は見積りに基づいており、将来における偶発債務の発展や解決に大きく影響されます。 i.収益認識 当社は、半導体、情報通信、自動車関連等の市場における販売を主な収益源としています。当社におけるレポーティングセグメントは、「コアコンポーネント」、「電子部品」、「ソリューション」で構成されており、事業単位並びに主要事業及び子会社は次のとおりです。 レポーティングセグメント及び事業単位主要事業及び子会社コアコンポーネント 産業・車載用部品ファインセラミック部品、車載システム、光学部品半導体関連部品セラミック材料、有機材料その他医療機器電子部品電子部品、Kyocera AVX Components Corporationソリューション 機械工具機械工具ドキュメントソリューション情報機器(京セラドキュメントソリューションズ㈱)コミュニケーション通信機器、情報通信サービス(京セラコミュニケーションシステム㈱)その他スマートエナジー、プリンティングデバイス、宝飾・応用商品 なお、当社において、顧客への販売は、顧客と締結した取引基本契約書及び注文書に記載された条件に基づいて行われます。当該契約書及び注文書には、価格、数量、並びに所有権の移転時期が記載されています。 (a) 販売奨励金 「電子部品」セグメントにおいて、各種電子部品を販売する代理店への販売については、以下の様々な販促活動が定められており、顧客との契約において約束された対価から販売奨励金を控除した金額で収益を測定しています。ⅰ.ストック・ローテーション・プログラム ストック・ローテーション・プログラムとは、品質に問題のない在庫について、直近6ヵ月の売上高に対して特定の比率を乗じ算出される金額分を、代理店が半年毎に返品することが可能な制度です。売上高に対するストック・ローテーション・プログラムの引当金は、現時点までの推移、現在の価格と流通量の情報、市場の特定の情報や売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて算出した代理店の売上高に対する比率に基づき収益認識時点で算定し、計上されており、これらの手続きには重要な判断を必要とします。当社は、ストック・ローテーション・プログラムによる将来の返品について妥当な算定ができていると考えており、これまでの実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。なお、製品が返品され、検収された時点で、代理店に対する売掛金を減額しています。ⅱ.シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム(以下、シップ・アンド・デビット)は、代理店が顧客への販売活動における市場での価格競争に対して代理店を補助する仕組みです。シップ・アンド・デビットが適用されるためには、代理店が在庫から顧客へ販売する特定部分についての価格調整を代理店が要求する必要があります。シップ・アンド・デビットは、現在及び将来の代理販売において、代理店が顧客へ販売する特定部分について適用されることがあります。IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に準拠し、当社は代理店に対して収益を認識した時点で、その代理店への売上高にシップ・アンド・デビットが適用される可能性を考慮して、その売上高に関連する代理店の将来の活動に対して変動対価を見積り、計上しています。当社は、当該期間における売上高、代理店に対する売掛金の残額、代理店の在庫水準、現時点までの推移、市場状況、設備製造業やその他顧客に対する直接的な販売活動に基づく価格変動の傾向、売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて売上高に対する変動対価を見積り、計上しています。これらの手続きは慎重な判断のもとで行われており、またその結果、当社はシップ・アンド・デビットにおける変動対価について妥当な算定、計上ができていると考えています。これまでの当社の実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。 (b) リベート 「機械工具」事業及び「ドキュメントソリューション」事業における代理店への販売において、当社は、定められた期間内に予め定めた売上目標を達成した代理店に対し、現金でリベートを支払っています。このリベートについては、収益を認識した時点で見積った各代理店の予想販売額に基づき、リベート額を算定して、これを収益から控除しています。(c) 返品 当社は、収益を認識した時点で過去の実績に基づいて返品による損失額を見積り、収益から控除しています。(d) 製品保証 当社は、主に「ドキュメントソリューション」事業において、製品に対して通常1年間の製品保証を提供しています。また、最終消費者への販売において、1年間の保証期間終了後、延長保証契約を締結する場合があります。この延長保証契約については別個の履行義務として識別し、取引価格の一部を当該履行義務に配分した上で延長保証期間にわたり収益を認識しています。 また、製品販売、製品保証等、複数の財またはサービスを提供する複数要素取引に係る契約については、契約に含まれる履行義務を識別し、契約の対価を配分する必要がある場合には、取引価格を独立販売価格に基づき配分しています。独立販売価格は、類似する製品またはサービスの販売価格やその他の合理的に利用可能な情報を参照して算定しています。
事業リスク
- 国際事業活動のリスク京セラは世界各国で事業を展開しており、政治的・地政学的・経済的要因によるリスクに直面する可能性があります。例えば、経済安全保障政策、投資規制、輸出入規制、関税引き上げなど、予期せぬ法律や規制の変更が収益の本国送金や事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 情報セキュリティのリスク事業活動における重要情報や顧客の個人情報、機密情報を保有しており、サイバー攻撃やシステム障害による情報漏洩、改ざん、システム停止のリスクがあります。これにより、多額の費用負担や社会的信用の低下、事業競争力の喪失につながる可能性があります。特にAI技術の導入による新たなリスクも懸念されます。
- 優れた人材確保のリスク将来の発展には、技術・販売・管理面で優れた人材の確保が不可欠ですが、有能な人材の獲得競争が激化しています。現有の人材維持や増員が困難になる可能性があり、ワークライフバランスの充実やDEI(多様性、公平性、包摂性)の推進が不十分な場合、人材流出のリスクも高まります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 当社は、グローバルなリスクに対応するため、リスクマネジメント体制の整備やコーポレートリスクのマネジメントプロセスを設定し、グループ全体のリスクマネジメント活動を強化しています。また、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは下記(3)事業等のリスクに記載のとおりであり、すべてのリスクを網羅的に記載しているわけではありません。なお、当該事項は、当社が有価証券報告書提出日時点において判断したものです。 (1)リスクマネジメント体制 当社は、代表取締役社長を委員長とした「リスクマネジメント委員会」を定期的に開催し、リスクマネジメント方針の検討、コーポレートリスク及びリスクオーナーの審議・選定を行うとともに、対応策の進捗状況のレビューを実施しています。当委員会にて選定したコーポレートリスクに関する議案を取締役会にて決議するとともに、各主管部門、工場・事業所並びにグループ会社に対して方針の共有を行っています。また、専門部署であるリスクマネジメント部を設置することによりリスクマネジメント体制の強化を図っています。 リスクマネジメント体制図 (2)コーポレートリスクのマネジメントプロセス 京セラグループでは、リスクアセスメントを実施し、主要リスクを認識、分析、評価していることに加え、外部専門家によるレポート等で注目されているリスクについても分析・評価を行っています。グループ内の主要リスク及び外部環境で注目されているリスクの中から、経営への影響が特に大きく、対応が必要なコーポレートリスクを特定し、リスク対策の実施やレビュー、対策の改善等、以下のPDCAサイクルを推進しています。 コーポレートリスクのマネジメントプロセス図 (3)事業等のリスク 上記リスクマネジメントプロセスにより特定されたコーポレートリスク及びその対応策は次のとおりです。 [コーポレートリスク]a. 国際的な事業活動に関するリスク 当社は、日本以外に米国や欧州、アジア地域をはじめとする世界各国で事業活動や投資を行っています。これらの海外市場において、当社にとって望ましくない政治的・地政学的・経済的要因により、経済安全保障政策・投資規制・製品や原材料の輸出入の規制・収益の本国送金規制・関税の引き上げ等に関する予期できない法律・規制の変更等のリスクに直面する可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、刻々と変化する国際情勢を把握し、カントリーリスクのモニタリングや重要技術情報の流出防止の取り組み強化など、能動的なリスク回避策をとっています。投資規制・収益の本国送金規制については、当社及びグループ各社において規制変更の情報を早期に収集し、当該国で保有する会社財産を国外に退避させるなど、適切に対処するよう取り組むことで、そのリスクの予防・回避に努めています。輸出入規制に関わる原材料調達リスクについては、調達リスクの高い原材料を使わない代替製品の開発に注力するとともに、関連する各国の政府機関等のほか、業界団体や外部専門機関等との連携を強化し、適宜適切な情報収集を行い、先手を打った対策に努めています。また、生産拠点についても、国や地域の社会情勢の変化に伴う影響を最小化するため、日本、米国、欧州、ベトナム、中国等、グローバルな生産体制の構築を図っています。 b. 人権に関するリスク 世界的な人権に対する配慮の高まりにより、自社だけでなくサプライチェーンにおける人権問題にも配慮が求められています。そのため、これに関する予期できない法律・規制の変更等のリスクやレピュテーションリスクに直面する可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、従業員、顧客、株主・投資家並びに取引先等、京セラグループに関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重し、人権リスクの軽減を推進しています。当社はEU紛争鉱物規則等の法規に対応しており、調達する鉱物に紛争や人権侵害等のリスクが存在するか調査し、リスク評価や是正措置を行うなど、人権に関するリスクの軽減やサプライチェーンの高い透明性の実現に取り組んでいます。また、専門機関と連携しながら人権デューディリジェンスを実施しており、人権リスクの特定、実態調査、是正・軽減に向けた取り組みを推進しています。2024年8月には取締役会決議を経て、「京セラグループ人権方針」の改定を行いました。経営トップコミットメントのもと、人権尊重に関する取り組みを強化・推進していく姿勢を反映するとともに、国際的な指導原則にも沿った内容としています。さらに、人権尊重の活動の一環としてRBA(Responsible Business Alliance)への加盟や、当社及びサプライチェーンに対するハラスメント・差別の禁止教育等を実施しています。 c. 情報セキュリティに関するリスク 当社は、事業活動における重要情報や顧客から入手した個人情報、秘密情報を保有しています。これらの情報については、情報機器の故障やソフトウェアの不具合、マルウェアの侵入や高度なサイバー攻撃による不正アクセス等により、情報漏洩や改ざん、滅失、システム停止による事業停止等の被害を受けるリスクがあります。このような事態が発生した場合には、更なるセキュリティ対策や損害賠償等の多額の費用負担により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性及び社会的信用や事業競争力の低下につながる可能性もあります。 また当社は、業務効率や生産性の向上、イノベーションの促進等を実現するため、生成AIをはじめとする各種AI技術の積極的な導入を行っています。AIについては、秘密情報や個人情報の入力による情報漏洩、誤情報の生成、知的財産権侵害、倫理的問題等が懸念されており、これらの問題への対策が不十分な場合、信頼回復のための多額の費用負担や事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、すべての情報資産の重要性の理解と適切な利用・管理に努め、社会全体の信頼に応えるため、目的やセキュリティ対策・行動指針等を定義した「情報セキュリティ基本方針」を定め、継続的に情報セキュリティのリスク予防や軽減に取り組んでいます。また、経営戦略、商品開発、各種ノウハウ、技術等を会社の重要資産と認識した上で、京セラグループ統一の「情報セキュリティ規程」を制定し、情報セキュリティに関する管理体制を整備しています。さらに、情報セキュリティを維持・確保するために、従業員が遵守すべき事項を定めた規則・ガイドラインを制定し、適宜見直しを行い、従業員への教育を実施しているほか、ネットワークやIT資産等に対するセキュリティ対策、事業継続計画(BCP)を策定し、情報セキュリティの強化を図っています。外部からのマルウェアの侵入やサイバー攻撃等に対しては、システムの脆弱性対策、システム監視による侵入防止策、インシデント発生時の早期検知、対処、復旧策を講じています。 個人情報については、プライバシーを構成する重要な情報であるとの認識のもと、「個人情報保護方針」や「個人情報保護規程」等の各種規程を制定し、利用目的の明示や管理手順の明確化を行うとともに、個人情報を取り扱う従業員に対して定期的な教育を実施するなど管理の徹底を図っています。加えて、グローバルなビジネス情報を適法かつ円滑に活用するため、グループ間データ移転契約を締結し、各国・地域の個人データ移転規制に対応しております。さらに、個人情報の漏洩等の事案が発生した場合に備え、関係部署への連絡、被害拡大防止、調査等の必要な措置をあらかじめ定め、社会的信用の喪失防止を図っています。 またAIについては、業務効率や生産性の向上、イノベーションの促進を目的として活用を進める一方で、開発・提供・利用の各段階における倫理的・社会的リスクを適切に管理することが重要であると認識しています。このため、外部ネットワークから隔離した社内クラウド上でのAI利用を推進するとともに、AIを適正に開発・利用するための倫理的配慮や社会的受容性の確保に関する基本的な考え方として「京セラグループAI倫理原則」を策定・公表しています。さらに、AI倫理委員会を設置し、AIの開発・導入・利用に関する方針・ルールの策定やリスクの把握・評価、必要な是正措置の検討等を行う体制を整備することで、責任あるAIの開発・提供及び利用を推進しています。 d. 優れた人材の確保が困難となるリスク 当社が将来にわたり発展するためには、技術・販売・管理面において優れた人材を確保する必要があります。当社はあらゆる事業分野において、さらに多くの優れた能力を有する人材の雇用が必要になると考えています。近年、各分野において、有能な人材の獲得競争がますます激しさを増してきていることから、当社は今後、現有の人材を維持することや、能力のある人材を増員することができなくなる可能性があります。また、業務と育児・介護等との両立を支援する勤務体系の導入等、ワークライフバランスの充実化やDEI(Diversity, Equity & Inclusion)の推進を実施しない場合、現有の人材を維持できなくなる可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、インフレや労働市場を踏まえた給与水準、海外の更なる現地化促進等、将来を見据えた人材確保の施策に取り組んでいます。また、フレックスタイム制度等の柔軟な勤務体系の導入により、ワークライフバランスの充実化やDEIの推進を図り、多様な人材が働きがいを持って活躍できる職場環境の実現に取り組んでいます。 e. 地震等の災害が発生するリスク 当社は、国内外において多くの開発・製造・事業関連施設を有しています。日本をはじめとするそれらの施設がある地域での地震・津波や台風、大雨、洪水、大雪、火山噴火等の不可避な自然災害や、設備故障及び人為的ミスにより当社の施設に影響を与える大規模な災害等が発生した場合、当社の事業への影響が考えられます。例えば、大規模な地震の発生により、当社の人員や開発・生産設備が壊滅的な損害を被り、操業の中断や製造・出荷の遅延を余儀なくされる可能性があります。また、損害を被った施設の復旧等に要する費用が多額に発生する可能性があります。さらに、社会資本や経済基盤に著しい被害が生じた場合には、交通網の混乱や電力の供給不足等が生じ、当社のサプライチェーンや生産活動に困難が生じる可能性があります。また、当社に原材料等を供給するサプライヤーが被害に遭った場合には、原材料等の調達に困難が生じる可能性があり、当社の顧客が被害を受けた場合には、当社の製品の出荷が停滞する可能性があります。このような災害に伴う被害や、その結果生じる経済の停滞や消費の鈍化が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、地震等の自然災害、設備故障及び人為的ミスによる大規模な災害等に対してBCPの体制を整備し、活動を継続しています。具体的には、重要な経営資源である人員、設備、部材、情報について、被害を最小化するための事前対策に加え、万が一被災した場合の早期復旧計画や代替供給策を策定し、教育・訓練を実施することにより、事業中断を回避し、早期に事業再開ができるよう努めています。 上記以外の主要なリスクは、次のとおりです。 [事業活動に関するリスク]f. 日本及び世界経済の変動に関するリスク 当社は、日本のみならず世界各国で事業活動を行っており、それらの国や地域の経済状況によって大きな影響を受ける可能性があります。翌連結会計年度における国内経済及び世界経済については、原材料価格の高騰や中東情勢に代表される地政学リスク等を主因として、景気の減速や為替相場の急激な変動を含め、極めて不透明な状況が継続する懸念が生じています。当社の主要市場である半導体関連市場や情報通信関連市場では、AI関連投資が引き続き堅調に推移することが見込まれるものの、自動車関連市場は減速することが見込まれます。不透明な経済環境の影響により、当社の各事業における需要見通しの不確実性が高まっています。 上記のリスクが顕在化し、想定以上に悪影響を及ぼす場合には、当社の財政状態及び経営成績は、当社の期待を下回る可能性があります。 (主要な対応策) 当社は外部環境の変化に柔軟に対応可能な経営体制の構築を図るとともに、収益性の改善と事業基盤の強化を推進しています。具体的には、原材料価格の高騰に対しては製品価格への適切な転嫁や代替材料及び代替調達の活用を進めるとともに、生産性向上や原価低減施策を継続的に実施します。 また、需要構造の変化を踏まえ、「選択と集中」による事業ポートフォリオ改革を推進し、不採算事業の改善もしくは撤退や事業譲渡等を通じて経営資源の最適配分を図るとともに、先端半導体やAI関連市場などの成長領域への重点投資を強化します。加えて、ROICを活用したポートフォリオ管理の高度化や経営企画機能の強化により、投資判断及び資本配分の精度向上を図ります。 さらに、半導体部品有機材料事業及びKAVXグループにおける収益改善施策の継続的な実行等により、構造改革を着実に推進し、景気変動や市場不確実性に耐性のある高収益体質への転換を目指していきます。 g. 為替レートの変動に関するリスク 当社は、国内外で事業を行っているため、為替レートの変動の影響を常に受けます。足元では中東情勢の混乱等の影響を主因に金融市場における不確実性が継続しており、今後も為替レートの急激な変動が予想されます。このような急激な変動は、事業活動の成果や海外資産の価値及び生産コストの変動等、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへ影響を及ぼす可能性があるとともに、事業活動の結果について期間ごとに比較することを困難にする場合があります。 また、為替レートの変動は、当社と海外の競合企業が同一市場で販売する製品の価格競争や、当社の事業活動に必要な輸入品の仕入価格にも悪影響を及ぼす場合があります。 (主要な対応策) 当社は、為替レートの変動について、外国為替リスク管理方針に基づき、主に短期の為替予約を行うことにより、この影響の軽減に努めています。また、海外生産拠点における現地での部材調達の促進により、仕入価格における為替リスクの低減を図っています。 h. 当社製品の競合環境に関するリスク 当社は、多種多様な製品を販売しているため、国際的な大企業から、高度に専門化し急成長している比較的小規模な企業まで、競合会社が広範に存在します。当社の競合環境はこれらに限らず、コスト構造等で競争優位性を持つ新興国企業を含め、新たな脅威となる競合他社の出現によって常に変化する可能性があります。特定の事業分野に特化している多くの競合会社と異なり、当社は多角的に事業を展開しているため、個々の事業分野に関しては、競合会社ほど出資や投資を行うことができない可能性があります。当社の競合会社は、財務・技術・マーケティング面での経営資源を当社の個々の事業より多く有している可能性があります。また、競合の要因は事業分野によって異なりますが、価格と納期は当社の全事業分野において影響を及ぼす主な要因となります。需要や競合の状況によりますが、製品価格の値下げ要求は概して恒常化しているため、今後も製品価格の下落が予想され、その結果、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、素材技術から部品、デバイス・機器、システム・サービスまでの多岐にわたる経営資源を有しています。これらの経営資源を有効活用するため、グループ内の連携強化を図り、高付加価値製品の提供等により、競争優位性の確保に努めています。また、当社が顧客の製品ごとに仕様を合わせた部品を開発・製造・販売している事業においては、顧客の要求に沿った新製品の開発に早く着手することにより、競争力の強化を図っています。さらに、製品価格の下落に対しては、当社独自の経営管理システム「アメーバ経営」の実践を通じた部門別採算管理の徹底により、原価低減を図り、高い競争力の実現に取り組んでいます。i. 生産活動に使用される原材料の価格変動、サプライヤーの供給能力に関するリスク 当社の各事業の生産活動に使用される原材料は常に価格変動にさらされているため、原材料価格の上昇や原油高による輸送コストの上昇は当社の製造原価の上昇につながる可能性があります。このような製造原価の上昇が製品の販売価格に転嫁できず、当社の収益性を押し下げる可能性があります。なお、当社は、原材料の正味実現可能価額(通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積追加原価及び販売に要する見積費用を控除した額)が原価を下回った場合には、正味実現可能価額まで評価減しており、今後も評価減を行う可能性があります。 また、当社は、生産活動において消費される一部の原材料を特定のサプライヤーに依存しており、これらのサプライヤーに対する需要が過剰な状況となったり、不時の大規模な地政学リスクの発生により当社への供給が不足した場合、当社の生産活動に遅延や混乱を引き起こす可能性があります。このような原材料の供給に重大な遅延があった場合、当社はただちに特定のサプライヤーに代わりうる供給元を確保できない可能性や、合理的な価格で原材料を確保できない可能性があります。このような価格上昇や原材料の供給停止は、当社の製品の需要を押し下げる可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、購買活動にあたり、「購買基本方針」を定め、会社概況やサステナビリティに関する各種調査を通じて信頼のおける供給業者を選定するとともに、複数社からの購買を基本方針としており、安定的かつ適正価格での調達に努めています。昨今の労務費や原材料費、エネルギー価格等の高騰を受け、当社はサプライヤーからの適正な価格転嫁について協議するとともに、顧客に対して適正な価格転嫁交渉を行っています。また、当社は多岐にわたる事業を有していることから、原材料や部材の調達において、スケールメリットを活かした価格交渉力の向上を図るとともに、各事業で原価低減にも取り組んでいます。さらに、当社は、素材・部品からデバイス、機器、システム、サービスに至るまで事業を展開していることから、各事業で使用する部材や部品の一部をグループ内で調達しています。これにより、外部から調達している部材、部品を確保できない場合、グループ内での調達に切り替えるなどの対応を検討することが可能です。 j. 外部委託先や社内工程における製造の遅延または不良の発生に関するリスク 当社は、部品の製造や製品の組立の一部を単一もしくは限られた数社の取引先に外部委託しています。その中には非常に複雑な製造工程や長い製造時間を必要とする取引先も存在するため、部品や組立品の供給が遅滞する場合があります。また、このような部品や組立品が高い品質や信頼性を欠き、かつ適時に納入されない場合には、関連する製品の生産に重大な影響を及ぼし、当社の生産活動の遅延や中断が生じる場合があります。さらに、当社の製造工程においては、製品への微小不純物の混入や製造工程の問題等の発生によって製品が納品できない状態になる場合や規格外となる場合があります。こうした要因によって生産高が計画を下回る、あるいは製品の出荷が遅れる、損害賠償請求を受ける等、業績に重大な影響を与える場合があります。また、当社製品の品質問題によりリコールや大規模な製品事故が発生した場合は、多額の費用の発生や社会的信用の低下につながる場合があります。これらのリスクに加え、製造原価に占める固定費の割合が高い事業においては、生産数量や設備稼働率の低下が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、外部委託先の選定にあたり「購買基本方針」を定め、十分な検討の上、委託先を選定しています。また、当社では、社内で確立した製造工程について原材料・部品等を支給し、設備及び製造仕様書を委託先に貸与することにより、当社と同じ生産管理や品質マネジメントシステムのもと、顧客への納期及び品質要求に対応しています。 社内においては、各業界に応じた品質基準に基づき厳格な品質管理のもと、顧客に対して製品を供給しています。また、データサイエンスを用いた品質改善や、AIやロボットを活用した生産性改善に向けた取り組みを継続的に実施し、リスクの低減に努めています。 k. 生産能力及び開発体制の拡大、もしくは現在進行中の研究開発が、期待される成果を生み出さないリスク 近年、AIや5G/6G等の新技術が急速に進展しており、これらの新技術はスマートフォンやサーバー等の情報通信分野だけでなく、自動車やFA等の幅広い産業へ波及していくことが予想されます。このような見通しに伴い、当社が手掛けるファインセラミック部品や電子部品等においても中長期的な需要の拡大が期待されるとともに、客先からの技術要求の更なる高度化が想定されます。また、技術の進化と併せて、脱炭素等の環境対応や労働人口減少に対する生産現場のスマート化の進展等、様々な社会課題の解決に貢献する技術やサービスへのニーズが高まっています。当社は、これらの市場動向に応じた生産及び開発体制の構築を図っていますが、予期せぬ技術的な障害や顧客の方針転換等により計画どおりに拡大できない場合、新たに生産された製品や開発された技術から期待された成果が得られない可能性があります。また、当社で現在進行中の研究開発活動から生まれる製品が、市場において期待された評価を得られない可能性もあります。 (主要な対応策) 当社は、現在収益性の向上に向けた競争優位性の追求及び経営リソースの集中を基本方針とした構造改革に取り組んでいます。投資効率や競争優位性の観点から、投資領域や開発テーマの見直しを適宜実施し、設備投資や研究開発活動など成長投資の適正化を推進することにより、上記リスクの低減に努めてまいります。 l. 買収した会社や取得した資産から期待される成果や事業機会が得られないリスク 当社は、事業を発展させるため、買収による会社または資産の取得を検討しており、実際にそれらを取得することがあります。しかしながら、取得後、被買収会社の事業や製品並びに人材を当社が効果的に当社の既存事業に統合できない可能性や、買収による事業上の成果や財政上の利益または新しい事業機会を当社が期待する程は得られない可能性があります。また、被買収会社による製品の製造やサービスの提供が、当社が計画したとおり効率的に実施できない可能性や、被買収会社の製品やサービスの需要が当社の期待に達しない可能性があります。さらに、当社が協業を目的とし、支配権を有しない形で出資を行う場合には、事業運営や意思決定への関与が限定されることにより、当社の期待と異なる結果となる可能性があります。従って、買収によって取得した会社や資産を期待どおりに活用できない場合、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があり、これらの資産が減損していると判断される場合には、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を超過している金額に基づいて減損損失を計上するため、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、他社や学術機関、政府機関等との協業においても、上記と同様の影響を受ける可能性があります。(主要な対応策) 当社は、企業買収・資産取得・協業等の投資意思決定においては、その効果を合理的かつ保守的に見積もった事業計画について、社外専門家による事業価値のレビューを踏まえ、機関決定の場で慎重に審議しています。取得後においては、PMI(Post Merger Integration)を進め、事業計画に対する実績達成度をモニタリングし、都度適切な施策を実行して損失リスク発生の回避に努めています。 m. 感染症の発生、テロ行為、または紛争等が当社の市場やサプライチェーンに混乱を与えるリスク 当社は、グローバルに事業を拡大していることに伴い、感染症の発生、テロ行為、または戦争・紛争等の事態に巻き込まれるリスクがあります。このような事態においては、開発・製造・販売・サービス等の事業活動の中断、混乱または延期等が生じる可能性があります。また、当社の市場やサプライチェーンに支障をきたす可能性もあります。このような状況が長期間続いた場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、危険性が高い感染症については、政府指針や社内規程に基づいた対策を講じ、感染防止に努めています。 また、影響が大きいと考えられる戦争・紛争等の武力衝突が発生した場合、本社に対策本部を設置し、グループの重要情報の一元化を図り、対応が求められる事案を協議します。 [法規制・訴訟に関するリスク]n. 当社の企業秘密や知的財産・ブランド価値に関するリスク 当社が将来にわたり発展し、市場競争において優位な地位を確立・維持するためには、当社の企業秘密やその他の知的財産を守らなければなりません。次の状況が生じた場合は、当社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。・当社の企業秘密を保有する従業員が在職中もしくは転職後に当社の企業秘密を不適切に漏洩した場合・ジョイント・ベンチャー等のパートナー、顧客、社外委託業者等が当社の企業秘密を不適切に漏洩した場合・他社より当社に転職した従業員が当該他社情報を不適切に当社の事業活動に流用した場合・当社のブランド価値を毀損するような模倣品が販売された場合・当社が知的財産権を取得している独自開発技術・製品(システム・ソフトウェア含む)・サービスが他社によって侵害された場合 また、当社は戦略的に知的財産を出願していますが、こうした出願が登録されない可能性があり、また登録されても無効にされる可能性、あるいは登録された当社の知的財産権を回避される可能性もあります。 (主要な対応策) 当社は、企業秘密を守るために従業員、ジョイント・ベンチャー等のパートナー、顧客、社外委託業者等と誓約書・秘密保持契約など必要に応じて各種契約を締結しています。また、他社より当社に転職する社員に対しては、当該他社の属性に応じて適宜、当該他社の秘密情報を当社事業に流用しないことを誓約させています。さらに当社は、事業戦略と知財戦略を融合させ、知的財産の活用を通じた競争力の強化を推進しています。当社が独自に開発した技術・製品・サービスについては、国内外において知的財産権を取得し、侵害者の排除に努めています。加えて、当社の知的財産については、先行調査を十分に実施した上で出願を行うことにより、登録可能性を高めるとともに、様々な観点から当該事業分野や製品を戦略的に網羅する複数の強い知的財産権を取得し、これらの知的財産を活用することで事業に貢献する活動を行っています。さらに当社のブランド価値の維持向上を図るため、知的財産権を活用した模倣品の摘発を行っています。 o. 当社製品の製造・販売を続ける上で必要なライセンスに関するリスク 当社はこれまでに、第三者より知的財産権を侵害しているとの通知を受けたことや、知的財産権の実施許諾についての対価請求の申し出を受けたことがあり、今後も同様の事例が発生する可能性があります。特に通信技術に関連する製品では、第三者の標準必須特許に対する高額の実施許諾料の支払いを要求される可能性があります。従って当社は、以下のことを保証することはできません。・侵害の申し立て(または侵害の申し立てに起因する賠償請求)が当社に対して行われることはないということ。・侵害の申し立てがあった場合、製品販売の差止命令を受ける事態が発生しないということ、及び、差止命令によって当社事業の業績が大きく損なわれる事態が発生しないということ。・当社の事業活動に悪影響を及ぼす高額の実施許諾料の支払いを要求されないこと。 (主要な対応策) 当社は、新技術・新製品・新サービスを開発する際には、事前に第三者の知的財産権を調査して、知的財産リスクの低減に取り組んだ上で事業を行うように努めています。それでも第三者から侵害の申し立てがあった場合は誠実に対応を行い、必要に応じて適正な和解金や実施許諾料を支払うことで解決を図ります。 p. コンプライアンスに関するリスク 当社は、「人間として何が正しいのか」を物事の判断基準とする経営哲学「京セラフィロソフィ」をベースにコンプライアンスの徹底に努めています。しかしながら、このような徹底が十分になされず、法令違反や社会規範に反した行動が発生した場合、信用失墜による顧客からの取引停止、罰則金の支払い、損害賠償請求等により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、コンプライアンス活動が社是や京セラフィロソフィの延長にある重要な活動であることを理解するとともに、各国の関連法令の遵守がステークホルダーの信頼にもつながる極めて重要な活動であることを理解し、専門部署であるグローバルコンプライアンス推進部の設置や「京セラコンプライアンス憲章」の制定等、コンプライアンス活動に積極的に取り組んでいます。また、各法令の主管部門による法令遵守体制の構築や管理、新規法令の施行時や法令改正時の社内連絡体制の構築、内部通報制度の導入、全従業員のコンプライアンス意識の向上に資する施策に重点的に取り組むコンプライアンス推進月間の制定、役員や従業員に対する定期的なコンプライアンス教育等により、法令を遵守し、社会規範に則った企業活動の徹底を図っています。さらに、グローバルなコンプライアンスリスクを察知・共有することを目的に、国内外の主要なグループ会社の法務・コンプライアンス・知的財産部門の責任者が参加する「グローバル法務・コンプライアンス・知的財産会議」を定期的に開催し、各社のコンプライアンス活動及び法的な課題・対策に関して議論を行っています。 q. 環境に関連する費用負担や損害賠償責任等が発生するリスク 当社は、温室効果ガス削減、大気汚染・土壌汚染・水質汚濁の防止、有害物質の除去、廃棄物処理、製品リサイクル、従業員や地域住民の健康、安全及び財産保全、さらに当社の製品における使用物質の適切な表示等に関する国内外の様々な環境関連法令の適用を受けています。このような環境関連法令は、当社の現在の事業活動だけでなく、当社の過去の事業活動や、当社が買収等により他社から承継した事業の過去の活動に対しても適用される可能性があります。当社は、環境関連法令により当社に生じる義務に基づく債務について、その発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には引当金を計上します。仮に、当社の環境関連法令の義務違反等が判明した場合には、規制当局から浄化費用の支払いを命じられる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。また、当社が任意で環境問題に取り組む必要があると判断した場合にも、環境浄化費用の負担や補償金の支払いを行う可能性があります。これらの環境に関連する費用負担や損害賠償責任は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、事業活動にあたり、経営理念を基本とした環境安全に関する総合的な取り組みを推進するため、製品のライフサイクルを通した環境負荷の低減、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量の抑制等、「京セラグループ環境安全方針」を制定し、環境関連法の遵守を徹底するとともに、規制の変更等への適切な把握、対応に努めています。 r. 世界的な気候変動に関するリスク 世界的な気候変動等により、当社に適用される環境関連法令が将来さらに厳しくなる可能性や、適用の範囲が拡大される可能性があります。対応の不足や遅れにより、想定外の急速な脱炭素社会への移行に対応できず、コストの増加や企業ブランドの低下を招くリスクがあります。 脱炭素社会への移行リスクについては、各国で更新された排出量削減目標が当社の目標より高い場合や、新たに炭素税が導入された場合、当社の製造コストが一時的に増加する可能性があります。また、顧客より製品のカーボンフリー化の要求が拡大した場合、当社の製造コストが増加する可能性があります。一方、社会の脱炭素化の動きは、当社のエネルギー関連事業の成長につながる機会として捉えることができます。 物理リスクでは、異常気象が激甚化した場合、自然災害による操業停止、生産減少、設備復旧等に係るコストや、自然災害対策費用並びに保険料等が増加する可能性があります。また、水不足等により生産が減少する可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、気候変動問題を重要な経営課題の一つとして位置付け、代表取締役社長を委員長とする「京セラグループサステナビリティ委員会」において、長期環境目標の決定やその達成に向けた対策等について審議を行っています。また当社は、エネルギー関連事業の推進により、再生可能エネルギーの普及を図るとともに、製造工程での省エネルギー化及び再生可能エネルギーの導入により、温室効果ガス排出量の削減に努めています。なお、当社グループの長期環境目標については、「2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)気候変動への対応 d. 指標及び目標」を参照ください。 [財務会計に関するリスク]s. 当社の顧客の財政状態が悪化し、売掛債権が回収困難となるリスク 当社は、売掛債権について、顧客が期日までに返済する能力があるか否かを考慮し、回収不能額を見積った上で貸倒引当金を計上しています。しかしながら、通常の営業取引において当社の売掛債権は、担保物件や信用保証により、すべては保全されていません。従って、経済環境の悪化等に伴い、顧客に対する売掛債権の回収が困難となり、保全されていない多額の債権が発生した場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、与信管理規程に基づき、取引先ごとに回収条件・与信限度額を設定し、定期的に与信の見直しを行っています。また、回収期限を日次で管理しており、回収遅延や信用不安が発生した場合は、個別に債権回収、条件変更、担保・保証の入手等の債権保全策を講じ、貸倒リスクの回避に努めています。 t. 当社が保有する投資有価証券及びその他の投資に関するリスク 当社は、取引関係の維持及び株式保有による収益獲得を通じた企業成長、並びに企業の社会的意義等を踏まえ、中長期的に当社の企業価値を向上させるという視点に立ち、当社の関係会社以外の資本性証券に投資しています。その主たる投資は日本の通信サービス・プロバイダであるKDDI㈱の株式への投資です。当社は、第二電電㈱(現KDDI㈱)を設立して以来同社株式を保有しており、2026年3月31日現在の保有比率はKDDI㈱の発行済株式の13.42%となっています。KDDI㈱の事業発展に伴い同社株式の価値が増加した結果、同社株式への投資は当社の総資産の約33%を占めており、KDDI㈱の株式の市場価格の変動は、当社の財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、当該株式を含むすべての資本性金融商品の一部である政策保有株式について、毎年の保有に係る検証の結果、保有意義がないと判断された場合、適宜縮減を進めています。また、保有株式の株価変動が当社の財政状態に重要な影響を及ぼす可能性を察知するため、定期的に株価のモニタリングを行っています。 2024年3月期には政策保有株式の更なる縮減に向けて、当面の縮減目標を「2026年3月期までに簿価の5%以上を縮減すること」とし、2026年3月期までに約18%を縮減しました。新たな定量目標として、2031年3月期を目途に政策保有株式の純資産比率を20%未満とする縮減計画を定めています。 u. 有形固定資産、のれん並びに無形資産の減損処理に関するリスク 当社は、多くの有形固定資産、のれん並びに無形資産を保有しています。有形固定資産及び償却性無形資産については、帳簿価額を回収できない可能性を示す事象が発生した時点、もしくは状況が変化した時点で減損の判定を行っています。また、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産は償却をせず、年1回及び減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損の判定を行っています。これらの資産が減損していると判断された場合には、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を超過している金額に基づいて減損損失を計上するため、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、「l. 買収した会社や取得した資産から期待される成果や事業機会が得られないリスク」に記載のとおり、企業買収・資産取得・協業等の投資意思決定においては、その効果を合理的かつ保守的に見積もった事業計画について社外専門家のレビューを踏まえ、機関決定の場で慎重に審議しています。また、取得後においては、PMIを進め、事業計画に対する実績達成度をモニタリングし、都度適切な施策を実行して損失リスク発生の回避に努めています。 v. 法人所得税等に関するリスク 当社は、繰延税金資産について、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく変動する可能性があります。また当社は、税務調査を受けることを前提に税務上認識された不確実な税務ポジションについて、発生の可能性が高いと判断した場合、当該部分を不確実な税務ポジションとして負債に計上しています。なお、法人所得税における不確実性に関する会計処理の金額と将来の税務当局との解決による金額は異なる可能性があります。また、移転価格税制・タックスヘイブン対策税制等に関する予期できない法律・規制の変更等のリスクに直面する可能性があります。 (主要な対応策) 当社は、子会社が立案する年間事業計画について、達成度を適時確認し、都度適切な施策を実行することで、繰延税金資産の回収可能性に変更が生じないよう努めています。また、各国における税制変更及び税務調査に対しては、社外専門家を利用し、リスクの最小化に努めています。海外の税制については、税務情報を適時適切に提出することにより各国の税務当局と信頼関係を築き、必要に応じて事前照会を実施することで税務リスク低減に努めています。特に、グループ内の国際間取引については、OECD移転価格ガイドラインに従った独立企業間価格に基づいた取引を行うとともに、税務当局との事前確認制度を活用し、適正な納税に努めています。また、過度な節税を目的とする低税率国・地域(いわゆるタックスヘイブン地域)への税源の移転を防止し、各国の税制に従い適正な申告納税に努めています。 w. 会計基準の変更が財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすリスク 新会計基準もしくは会計基準の変更は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、会計基準の変更に対応するために、会計ソフトウェアもしくは情報システムを変更した場合には、一定の投資もしくは費用が必要となります。 (主要な対応策) 当社は、IFRSを連結財務諸表等に適用しているため、IFRSに適切に対応するための部門を設置するとともに、国際会計基準審議会が公表する基準書や解釈指針等を随時入手し、新会計基準に対応できる体制を整えています。会計基準の変更時には、財政状態及び経営成績に及ぼす影響を把握した上で適切に開示します。さらに、会計基準の変更に際して、有効な財務報告に係る内部統制を構築するために一定の投資額は必要となりますが、変更内容を適切に把握した上で投資の要否を決定します。