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ニチコン(6996)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • コンデンサ事業
    ニチコンは、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、変圧器といった電子部品の製造販売を主力としています。これらの製品は、家電製品から産業機器、自動車(xEV)まで幅広い分野で使われ、現代社会の電子化を支える基盤技術を提供することで収益を上げています。
  • NECST事業
    家庭用蓄電システム、V2Hシステム(電気自動車と家をつなぐシステム)、EV・PHV用急速充電器、公共・産業用蓄電システムなどを手掛けています。再生可能エネルギーの普及や電気自動車の増加といった社会のトレンドに対応した製品を提供し、新たなエネルギーインフラを構築することで収益を拡大しています。
  • グローバルな製造販売網
    日本国内だけでなく、マレーシア、中国、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地に生産・販売拠点を展開しています。これにより、多様な地域の需要に応え、グローバル市場での競争力を高めながら、安定的な収益基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • コンデンサ事業
    この事業は、主にアルミ電解コンデンサ、小形リチウムイオン二次電池、パワーエレクトロニクス用フィルムコンデンサ、xEV用フィルムコンデンサ、変圧器の製造販売を行っています。最新年度の売上高は991.68億円、営業利益は15.51億円で、ニチコングループの基盤となる収益源です。
  • NECST事業
    家庭用蓄電システム、V2Hシステム、EV・PHV用急速充電器、スイッチング電源、公共・産業用蓄電システム、大型特殊電源などを手掛けています。最新年度の売上高は765.83億円、営業利益は36.48億円と、コンデンサ事業に次ぐ規模で、特に利益面で貢献度が高い成長分野です。
  • グローバルな事業展開
    両セグメントともに、日本国内だけでなく、マレーシア、中国、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地に生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、地域ごとの市場特性や需要に対応し、事業の安定性と成長性を確保しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Capacitor 事業 992 16 1.6%
NECST 事業 766 36 4.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,098 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社(ニチコン㈱)、子会社25社および関連会社3社により構成されており、その主な事業内容と、主要な会社の当社グループの事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりです。 なお次の2部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。 (コンデンサ事業) 当事業では、主にアルミ電解コンデンサ、小形リチウムイオン二次電池、パワーエレクトロニクス用フィルムコンデンサおよびxEV用フィルムコンデンサ、変圧器の製造販売等を行っています。(NECST事業) 当事業では、主に家庭用蓄電システム、V2Hシステム、EV・PHEV用急速充電器、スイッチング電源、機能モジュール、公共・産業用蓄電システム、大形特殊電源および医療用/学術用加速器電源、圧力センサの製造販売等を行っています。セグメント主要な製品主要な生産会社主要な販売会社コンデンサ事業アルミ電解コンデンサ小形リチウムイオン二次電池パワーエレクトロニクス用フィルムコンデンサxEV用フィルムコンデンサ変圧器ニチコン製箔㈱ニチコン大野㈱ニチコン岩手㈱ニチコン草津㈱㈱酉島電機製作所ニチコン(マレーシア)センディリアン バハッドニチコン エレクトロニクス(無錫)カンパニー リミテッドニチコン エレクトロニクス(宿遷)カンパニー リミテッド当社ニチコン(アメリカ)コーポレーションニチコン(オーストリア)ゲー・エム・ベー・ハーニチコン(香港)リミテッドニチコン(シンガポール)プライベート リミテッドニチコン(台湾)カンパニー リミテッドニチコン(タイランド)カンパニー リミテッドニチコン エレクトロニクス トレーディング(上海)カンパニー リミテッドニチコン(マレーシア)センディリアン バハッドニチコン エレクトロニクス(無錫)カンパニー リミテッドNECST事業家庭用蓄電システムV2HシステムEV・PHEV用急速充電器スイッチング電源機能モジュール公共・産業用蓄電システム大型特殊電源医療用/学術用加速器電源圧力センサニチコン草津㈱ニチコン亀岡㈱ニチコンワカサ㈱㈱ユタカ電機製作所日本リニアックス㈱ニチコン(香港)リミテッドニチコン(マレーシア)センディリアン バハッドニチコン エレクトロニクス(無錫)カンパニー リミテッド 主要な事業系統図は、次のとおりです。※無錫ニチコン エレクトロニクス R&Dセンター カンパニー リミテッドは、2026年4月20日付で清算が結了しています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
コスト力強化と適切な売価マネジメントに注力し、提案型営業を推進しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
多様化・高度化する顧客要求に対応する新製品を適時・適正コストで開発・生産する能力。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変動 / 為替変動 / 価格競争の激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ニチコンはコンデンサ分野で長年の実績と一定のブランド認知を持つが、特許や独自技術による強力な参入障壁は限定的。汎用品が多く、技術革新のスピードも速いため、無形資産による競争優位性は弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

民生用電子機器や車載機器向けコンデンサは、性能やコスト、供給安定性で選定される。一度採用されると設計変更コストがかかるため、一定のスイッチング・コストは存在するが、競合他社への乗り換えも比較的容易な場合がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

コンデンサ事業には直接的なネットワーク効果は存在しない。製品の普及が他製品の価値を高めるような構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大量生産による規模の経済はある程度期待できるが、原材料価格の変動や為替の影響を受けやすく、構造的なコスト優位性は限定的。中国などの競合他社とのコスト競争は激しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

積層セラミックコンデンサ(MLCC)やアルミ電解コンデンサなど、特定のコンデンサ分野では世界的に見て上位の生産能力を持つ。市場シェアは限定的だが、業界規模に対しては一定の存在感がある。

  • 多様な製品ラインナップ
    アルミ電解コンデンサから小形リチウムイオン二次電池、さらには家庭用蓄電システムやEV充電器まで、幅広い製品を提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに対応できるだけでなく、特定の市場変動リスクを分散し、安定した事業運営を可能にしています。
  • 研究開発体制
    日本と中国に研究開発拠点を持ち、材料開発から一貫した研究開発体制を構築しています。また、大学や研究機関との連携(オープンイノベーション、東京大学生産技術研究所との産学連携)を通じて、常に最先端の技術を取り入れ、競争優位性の高い新製品を継続的に生み出す力を強化しています。
  • 品質管理と生産体制
    全製造事業所で生産管理システムを導入し、「不良ゼロ」を目指した徹底的な品質管理を行っています。ISO9001やIATF16949といった国際的な品質保証規格の認証取得・更新を通じて、高品質な製品を安定的に供給できる体制を確立しており、顧客からの信頼獲得につながっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献します。より良い地球環境の実現に努め、倫理的・社会的責任を果たすとともに、顧客・株主・従業員をはじめ全ての人々を大切に、企業価値の最大化を目指して、誠心誠意をもって「考働(※)」します。」を経営理念に掲げ、「モノづくりからコトづくり」「製造業から創造業への変革」の実践と、「品質、コスト、納期、サービス、技術」などあらゆる面で最上級を目指すトップノッチ経営を打ち出し、積極的な成長戦略を展開し、企業価値の向上を図ります。※考働:考えて働くという当社の造語(2)中期的な成長戦略、経営環境と対処すべき課題当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池等の電子デバイスを主体としたコンデンサ事業と、家庭用/公共・産業用蓄電システム、EV・PHEV用急速充電器、V2Hシステムの環境関連製品、スイッチング電源、機能モジュール、研究・医療・産業用特殊電源等の回路製品を主力製品としたNECST事業を展開し、「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発により社会課題の解決に貢献し、既存事業の拡大と新規事業の創出に努めています。コンデンサ事業においては、特に車載・車両分野と情報通信分野の成長市場にフォーカスし、戦略的に事業基盤を強化、拡充します。車載関連機器向けには、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサおよびチップ形アルミ電解コンデンサの拡販に集中するとともに、xEV向けフィルムコンデンサでは、新規案件増加に伴う生産能力の拡大とさらなる新規案件獲得に努めます。情報通信向けでは、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサおよび大形アルミ電解コンデンサを中心に、AIサーバー市場の立ち上がりに対して受注拡大と生産体制の確立を図ります。これらを推進するための体制として、マザー工場制と販売統括制の強化によるワールドワイドでの一気通貫による事業運営に取り組んでまいります。NECST事業では、カーボンニュートラル社会に向けて貢献する商品群のさらなる拡充とソリューションによる価値創造ビジネスの拡大を図ります。NECST事業の主力製品である家庭用蓄電システムでは、エネルギー価格の上昇や家産家消ニーズの拡大を背景に、再エネ・蓄エネに向けて商品ラインアップを拡充します。また、VPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)などのエネルギー事業への展開にも取り組んでまいります。EV機器のうちV2Hでは、日本車のEV新モデルや輸入車のV2H対応車の増加、商用車のEV化に対応し、用途・販売ルートの拡大に努めるとともに、急速充電器においては、社会充電インフラとして全方位での事業・商品展開と新しいニーズに対応した充電ソリューションシステム製品の導入を図ります。医療用特殊電源や学術用加速器電源等では、需要拡大フェーズに対応することに加え、核融合などの人類の課題解決に向けた技術確立にも貢献してまいります。これら両事業の成長を土台から支える全社横断的な取組みとして、5つのマテリアリティ(重要課題)を定めました。事業面からは、「製品を通じた脱炭素社会への貢献」と「オンリーワン技術と絶対的品質による顧客満足度の向上」を掲げ、気候変動などの社会課題の解決を促進することへの挑戦や両事業のシナジーを高めることを通じて、競争力を強化してまいります。サステナビリティやガバナンスの面からは、「働きがいを感じチャレンジできる職場環境の実現」、「事業活動における環境負荷の低減」、「変化への対応とガバナンス・リスク管理体制の強化」としました。高度な技術開発やスキルの習得を促進し、価値創造に貢献することで従業員エンゲージメントを高めること、バリューチェーン全体での環境負荷低減に向けた事業活動と技術革新を推進すること、事業リスクへの的確な対応とコンプライアンスの徹底、事業運営の健全性および透明性の確保によるステークホルダーとの信頼構築に努めることで、持続的な成長基盤の構築に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献します。より良い地球環境の実現に努め、倫理的・社会的責任を果たすとともに、顧客・株主・従業員をはじめ全ての人々を大切に、企業価値の最大化を目指して、誠心誠意をもって「考働(※)」します。」を経営理念に掲げ、「モノづくりからコトづくり」「製造業から創造業への変革」の実践と、「品質、コスト、納期、サービス、技術」などあらゆる面で最上級を目指すトップノッチ経営を打ち出し、積極的な成長戦略を展開し、企業価値の向上を図ります。※考働:考えて働くという当社の造語(2)中期的な成長戦略、経営環境と対処すべき課題当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池等の電子デバイスを主体としたコンデンサ事業と、家庭用/公共・産業用蓄電システム、EV・PHEV用急速充電器、V2Hシステムの環境関連製品、スイッチング電源、機能モジュール、研究・医療・産業用特殊電源等の回路製品を主力製品としたNECST事業を展開し、「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発により社会課題の解決に貢献し、既存事業の拡大と新規事業の創出に努めています。コンデンサ事業においては、特に車載・車両分野と情報通信分野の成長市場にフォーカスし、戦略的に事業基盤を強化、拡充します。車載関連機器向けには、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサおよびチップ形アルミ電解コンデンサの拡販に集中するとともに、xEV向けフィルムコンデンサでは、新規案件増加に伴う生産能力の拡大とさらなる新規案件獲得に努めます。情報通信向けでは、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサおよび大形アルミ電解コンデンサを中心に、AIサーバー市場の立ち上がりに対して受注拡大と生産体制の確立を図ります。これらを推進するための体制として、マザー工場制と販売統括制の強化によるワールドワイドでの一気通貫による事業運営に取り組んでまいります。NECST事業では、カーボンニュートラル社会に向けて貢献する商品群のさらなる拡充とソリューションによる価値創造ビジネスの拡大を図ります。NECST事業の主力製品である家庭用蓄電システムでは、エネルギー価格の上昇や家産家消ニーズの拡大を背景に、再エネ・蓄エネに向けて商品ラインアップを拡充します。また、VPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)などのエネルギー事業への展開にも取り組んでまいります。EV機器のうちV2Hでは、日本車のEV新モデルや輸入車のV2H対応車の増加、商用車のEV化に対応し、用途・販売ルートの拡大に努めるとともに、急速充電器においては、社会充電インフラとして全方位での事業・商品展開と新しいニーズに対応した充電ソリューションシステム製品の導入を図ります。医療用特殊電源や学術用加速器電源等では、需要拡大フェーズに対応することに加え、核融合などの人類の課題解決に向けた技術確立にも貢献してまいります。これら両事業の成長を土台から支える全社横断的な取組みとして、5つのマテリアリティ(重要課題)を定めました。事業面からは、「製品を通じた脱炭素社会への貢献」と「オンリーワン技術と絶対的品質による顧客満足度の向上」を掲げ、気候変動などの社会課題の解決を促進することへの挑戦や両事業のシナジーを高めることを通じて、競争力を強化してまいります。サステナビリティやガバナンスの面からは、「働きがいを感じチャレンジできる職場環境の実現」、「事業活動における環境負荷の低減」、「変化への対応とガバナンス・リスク管理体制の強化」としました。高度な技術開発やスキルの習得を促進し、価値創造に貢献することで従業員エンゲージメントを高めること、バリューチェーン全体での環境負荷低減に向けた事業活動と技術革新を推進すること、事業リスクへの的確な対応とコンプライアンスの徹底、事業運営の健全性および透明性の確保によるステークホルダーとの信頼構築に努めることで、持続的な成長基盤の構築に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、世界情勢の不確実性に加えてエネルギー価格の高騰や金利上昇等による景気の下押しリスクが残るものの、雇用・所得環境の改善や、物価高対策を中心とする経済政策への期待感を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料価格の上昇や人手不足などにより、先行きは依然として不透明な状況が続きました。米国経済は、関税政策の影響による一部輸出関連の弱さが見られたものの、個人消費および雇用環境の底堅さにより、全体としては堅調に推移しました。中国経済は、内需の減速や不動産市場の低迷を背景に、景気低迷が続きました。欧州経済は、インフレ圧力の鈍化から緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、地域間のばらつきが大きく、鉱工業分野を中心に総じて低調な推移となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は169,724百万円と前期比3.4%の減収となりました。また、利益につきましては、営業利益は6,456百万円と前期比24.1%の増益、経常利益は8,326百万円と前期比10.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は6,310百万円と前期比7.4%の増益となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりです。(コンデンサ事業)コンデンサ事業における売上高は102,748百万円(前期比3.6%増)、セグメント営業利益は4,598百万円(前期比196.3%増)と増収増益となりました。情報通信分野では、生成AIサーバーおよびデータセンター向け設備投資は一段と活発化しており、これを背景に当社においても導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサならびにAIサーバー電源用大形アルミ電解コンデンサの需要は拡大傾向となっています。当社は同分野を重点成長市場と位置づけ、開発から量産までのビジネスサイクルのスピードアップを含む供給体制の強化を継続し、市場拡大に対応してまいります。同様に、重点市場分野である車載関連機器向けにつきましては、ADAS(先進運転支援システム)および電動化ユニット向けに搭載される導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサの需要が拡大基調を維持しています。当社は増産体制の整備を継続し、顧客要求に適切に対応してまいります。xEV向けフィルムコンデンサについては、上半期までの調整局面を脱し、新規取り組み案件の量産開始を含め、当下半期より回復へ転じました。産業用インバータ機器向けでは、パワーコンディショナー用途の大形アルミ電解コンデンサにおいて顧客在庫の消化が進捗し、回復傾向が見られます。当社は、需要拡大が見込まれる導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサおよびAIサーバー電源用大形アルミ電解コンデンサの製品ラインアップ拡充に加え、xEV向けフィルムコンデンサの生産能力増強および技術開発体制の強化を進め、車載・車両および情報通信の重点成長市場における受注拡大と事業の持続的成長の実現に取り組んでまいります。 (NECST事業)NECST事業における売上高は66,976百万円(前期比12.5%減)、セグメント営業利益は1,860百万円(前期比49.0%減)と減収減益となりました。家庭用蓄電システムは、新たなフラッグシップモデルであるトライブリッド蓄電システム®「ESS-T5/T6シリーズ」の販売を当下半期から開始したことで、政府・地方自治体が促進する補助事業との相乗効果が得られたものの、新製品投入時期の遅れから売上が減少しました。急速充電器では、社会的なEV普及の遅れがあるものの、インフラ向けの拡販を進めました。日系完成車メーカーによるEV新モデルの発表が続いていることや、輸入EV車の増加、昨今のエネルギー価格の高騰から、EVを選択するユーザーは増加すると見込まれ、家庭用蓄電システムと共にV2Hシステムの伸長が期待されます。スイッチング電源では、主力のドキュメント市場向けが関税問題および中国市場の停滞で影響が見られ、好調であった遊戯用も足もとでは調整局面となりました。大型特殊電源については、産業特殊用・学術用・医療用等を中心に計画どおり堅調に推移しました。昨今の国際社会情勢の中でエネルギー価格に著しい変動が見られることやGX ZEHへの対応などから、蓄電システムやEV関連機器の市場が益々活性化していくと見られます。当社は、低炭素社会の実現に貢献することとあわせて、エネルギーマネジメントに関するソリューション提供を積極的に展開してまいります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増 減金 額(百万円)構成比(%)金 額(百万円)構成比(%)金 額(百万円)増減比(%)コンデンサ事業99,16856.4102,74860.53,5793.6NECST事業76,58343.666,97639.5△9,606△12.5合 計175,751100.0169,724100.0△6,026△3.4 ・海外売上高 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 米州アジア欧州他計Ⅰ 海外売上高(百万円)13,85263,04210,00386,898Ⅱ 連結売上高(百万円) 175,751Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%)7.935.85.749.4 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 米州アジア欧州他計Ⅰ 海外売上高(百万円)14,68761,9909,43686,113Ⅱ 連結売上高(百万円) 169,724Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%)8.736.45.650.7 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,078百万円減少し24,441百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ10,183百万円収入が減少し、8,163百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7,201百万円、減価償却費を8,077百万円計上、また、棚卸資産の減少額が1,794百万円となった一方で、売上債権の増加額が1,204百万円および仕入債務の減少額が5,976百万円となったことなどによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ1,804百万円支出が減少し、6,556百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却・償還による収入が2,292百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出が7,099百万円、長期貸付金による支出が790百万円および有価証券・投資有価証券の取得による支出が700百万円となったことなどによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ10,474百万円支出が減少し3,844百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の純増加額が1,700百万円となった一方で、長期借入金の返済による支出が2,500百万円、配当金の支払額が2,417百万円となったことなどによるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)におけるセグメント別の生産実績は、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)コンデンサ事業103,429105.2NECST事業66,56988.2合計169,99897.8(注)金額は、販売価格によります。 b.受注実績 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)におけるセグメント別の受注実績は、次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期末比(%)コンデンサ事業109,775111.238,135122.6NECST事業66,44988.58,55694.2合計176,225101.446,692116.2 c.販売実績 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)におけるセグメント別の販売実績は、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)コンデンサ事業102,748103.6NECST事業66,97687.5合計169,72496.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。①重要な会計方針および見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたって、財政状態および経営成績に影響を与える項目は下記のとおりです。なお、当社グループの重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載しています。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。a.固定資産の減損 当社グループは、事業用の様々な有形固定資産および無形資産を所有しています。毎期、資産または資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)があるかどうかを判定し、減損の兆候がある資産または資産グループについて、帳簿価額がこれらの資産の継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローの総額を超える場合に、減損損失を認識することとしています。また、資産または資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの割引現在価値と、正味売却価額のいずれか高い方の金額を資産の回収可能価額とし、帳簿価額が回収可能価額を上回る額を減損損失として測定しています。今後の事業計画との乖離や市況・需要の変化等によって、期待される収益やキャッシュ・フローが生み出せない可能性を示す事象(減損の兆候)が見られる場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。b.貸倒引当金 当社グループは、売掛債権、貸付金等による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は追加引当が必要となる可能性があります。c.投資の減損 当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客等および金融機関の株式を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の株式が含まれています。当社グループは連結会計年度末において、上場会社では株価が取得価額を50%以上下落した場合、非上場会社では会社の純資産額が欠損により50%以上下落した場合に減損損失を計上しています。また、株価が取得価額の30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損損失を計上しています。将来の市況悪化または投資先の経営成績不振により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。d.繰延税金資産の回収可能性 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り) 2.繰延税金資産の回収可能性」に記載のとおりです。e.退職給付に係る負債および年金制度 当社の退職金規程では、勤続年数3年以上の従業員については、原則として退職時に退職一時金の受給資格を有することになります。この退職給付金は、通常、勤務年数、退職の事由、退職時の算定基礎額により算出されています。 当社および一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に関し、確定給付型年金制度および退職一時金制度を採用しており、当社および在外連結子会社の一部につきましては、確定拠出型年金制度を採用しています。退職給付に係る負債および退職給付費用の計算は、数理計算上で設定された前提条件に基づいて算出されており、これらの前提条件には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、将来の昇給率、退職率、死亡率などが含まれます。当社グループが使用した前提条件は妥当なものと考えていますが、実際の結果が異なる場合、または前提条件が変更された場合は、退職給付に係る負債および退職給付費用に影響を与える可能性があります。f.製品保証引当金 当社は、製品の販売に係る一定期間内の無償サービスの費用に備えるため、当該費用の発生割合および支出実績を勘案した見積額を計上していますが、実際の製品不良率や保証費用が見積りと異なる場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容イ.財政状態の分析 当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べて2,988百万円増加して195,570百万円(前期末比1.6%増)となりました。 流動資産は、前期末に比べて586百万円減少して107,667百万円(前期末比0.5%減)となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が前期末に比べて3,289百万円増加し42,252百万円、仕掛品が前期末に比べて449百万円増加し6,633百万円となった一方で、未収入金を含むその他流動資産が前期末に比べて1,213百万円減少し3,358百万円、現金及び預金が前期末に比べて1,028百万円減少し24,491百万円、原材料及び貯蔵品が前期末に比べて947百万円減少し11,318百万円、電子記録債権が前期末に比べて807百万円減少し5,161百万円となったことなどによるものです。 有形固定資産は、前期末に比べて548百万円減少して52,538百万円(前期末比1.0%減)となりました。これは主に、当連結会計年度における設備投資実施額が7,568百万円となった一方で、減価償却費8,077百万円および減損損失957百万円を計上したことなどによるものです。 投資その他の資産は、前期末に比べて3,912百万円増加して33,225百万円(前期末比13.3%増)となりました。これは主に、投資有価証券が前期末に比べて2,687百万円増加して29,376百万円、退職給付に係る資産が前期末に比べて582百万円増加し920百万円となったことなどによるものです。 流動負債は、前期末に比べて4,353百万円減少して47,204百万円(前期末比8.4%減)となりました。これは主に、短期借入金が前期末に比べて1,700百万円増加し8,400百万円になった一方で、電子記録債務が前期末に比べて3,539百万円減少し10,027百万円、支払手形及び買掛金が前期末に比べて1,623百万円減少し13,270百万円、未払金が前期末に比べて798百万円減少し2,791百万円となったことなどによります。 固定負債は、前期末に比べて2,360百万円減少して24,848百万円(前期末比8.7%減)となりました。これは主に、製品保証引当金が前期末に比べて983百万円増加して4,769百万円となった一方で、長期借入金が前期末に比べて2,500百万円減少し13,250百万円、退職給付に係る負債が前期末に比べて659百万円減少し802百万円となったことなどによるものです。 利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益を6,310百万円計上、配当金の支払いを2,417百万円行ったことで、前期末に比べて3,893百万円増加して64,719百万円となりました。その他有価証券評価差額金は、前期末に比べて2,812百万円増加して13,584百万円となりました。また、為替換算調整勘定は、前期末に比べて2,467百万円増加して13,655百万円となりました。 自己株式の期末残高は、前期末に比べて0百万円増加して3,498百万円となりました。 以上の結果、純資産は前期末に比べて9,702百万円増加して123,517百万円(前期末比8.5%増)となりました。 直近3事業年度の自己資本比率および時価ベースの自己資本比率は次のとおりです。 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)53.657.361.2時価ベースの自己資本比率(%)42.542.758.9(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 ロ.経営成績の分析a.売上高、営業利益 セグメントごとの経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。b.親会社株主に帰属する当期純利益 営業外損益項目では、為替差益を964百万円(前期は1,203百万円)計上し、営業利益の増益により経常利益は前期に比べて815百万円増加し8,326百万円(前期比10.9%増)となりました。 特別損益項目では、特別利益として投資有価証券売却益を958百万円(前期は2,645百万円)計上し、特別損失には事業構造改革費用を1,252百万円(前期は2,087百万円)、投資有価証券評価損を799百万円(前期はなし)計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ433百万円増加し6,310百万円(前期比7.4%増)となりました。 ハ.キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,078百万円減少し24,441百万円となりました。 変動要因は「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、1,606百万円のプラスとなりました。資金調達の方法および状況ならびに資金需要の動向については次項「ニ.資本の財源及び資金の流動性」に記載のとおりです。 ニ.資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は、設備投資、改修等に係る投資資金や、当社製品製造のための人件費や経費、材料および部品などの製造費用、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の運転資金です。 これらに必要な資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入による資金調達により対応します。 当社グループは、手許資金ならびに間接金融による資金調達を実施し、事業の拡大に必要な資金の流動性を確保できるものと考えています。 ホ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 翌期(2027年3月期)の経済環境の見通しは、中東情勢による原材料・諸資材の調達難と価格高騰、エネルギー価格の高止まりや物流網の混乱をはじめ、経済安全保障体制の懸念、政策金利の上昇や急激な為替変動、さらにロシア・ウクライナ情勢や米国関税問題など不確定要素が多く、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いています。 当社グループにおいては、重点4市場と位置付ける「エネルギー・環境・医療機器」「自動車・車両関連機器」「白物家電・産業用インバータ機器」「情報通信機器」の各市場ともに、素材価格の上昇圧力があるものの、情報通信分野、車載・車両分野、環境関連分野の需要は拡大する見通しです。 当連結会計年度の期初計画の達成状況は以下のとおりです。指標当連結会計年度(計画)当連結会計年度(実績)当連結会計年度(計画比)売上高(百万円)180,000169,724△10,275(△5.7%)営業利益(百万円)6,0006,456456(7.6%)営業利益率(%)3.33.80.5ポイント経常利益(百万円)7,0008,3261,326(19.0%)親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)6,0006,310310(5.2%) 当社グループは、2021年11月に公表した中期成長目標「Vision 2025」において、2026年3月期を最終年度とし、売上高2,000億円および営業利益率10%以上の達成を目標として取り組んできました。最終年度である当連結会計年度については、売上高は169,724百万円、営業利益率は3.8%となり、いずれも中期成長目標は未達となりました。一方で、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については期初計画を達成し、経常利益は5期連続で計画を達成することができました。中期計画目標に対する当連結会計年度の実績は以下のとおりです。指標2026年3月期(当連結会計年度)2026年3月期(「Vision 2025」最終年度)売上高(百万円)169,7242,000億円営業利益率(%)3.810%以上設備投資額(百万円)7,568年間100億円以上連結配当性向(%)39.430%以上

事業リスク

  • 経済状況の変動
    世界経済の不透明感(米中貿易摩擦、政策金利上昇、為替変動、地政学リスクなど)は、ニチコン製品の需要に直接影響を及ぼす可能性があります。特に、グローバルに製品を製造・販売しているため、各国の経済状況の変化が業績や財務状況に悪影響を与えるリスクがあります。
  • 為替変動の影響
    海外での事業活動が多いため、外貨建ての取引が多く発生します。為替レートの変動は、円換算後の売上や利益に影響を与え、業績や財務状況を変動させる可能性があります。為替予約などでリスク軽減を図っていますが、完全に排除することは困難です。
  • 価格競争の激化
    アルミ電解コンデンサやフィルムコンデンサなどの主力製品市場では、競合他社との価格競争が激化する可能性があります。これにより、製品の販売価格が下落し、ニチコンの収益性や経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。新製品開発やコスト削減で競争力維持に努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,497 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。(1)経済状況について 当社グループは世界各地で、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、回路製品などの製品を製造・販売しています。このため、当社グループ製品の需要は、製品を販売している国または地域の経済状況によって事業運営や経営成績および財務状況に直接的な影響を及ぼす可能性があります。 これに対し当社グループでは、グローバルでの経済状況の変化を毎月開催している経営会議や年1回に開催しているグローバルの事業計画推進会議などで注意深く見守り、機動的な販売戦略や生産体制を講じるなど、状況に応じた対応が取れるように対策を行っています。 2027年3月期の経済環境の見通しは、中東情勢による原材料・諸資材の調達難と価格高騰、エネルギー価格の高止まりや物流網の混乱をはじめ、経済安全保障体制の懸念、政策金利の上昇や急激な為替変動、さらにロシア・ウクライナ情勢や米国関税問題など不確定要素が多く、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いています。引き続き動向には注視するとともに、業績確保に向けた様々な対策、施策を講じていきます。(2)為替変動によるリスクについて 当社グループの事業、経営成績および財務状況における外貨建ての項目については、連結財務諸表作成のため円換算されています。これらは、為替レートの変動により、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。当社グループは、為替リスクを軽減・ヘッジするために必要に応じて為替予約を締結していますが、当社グループの経営成績および財務状況への影響を完全に排除できる保証はありません。(3)価格競争リスクについて 当社グループは、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、回路製品などのコア事業の強化とグローバル体制の構築を目指し、国内外の生産拠点の強化および販売体制の拡充、新製品開発のスピード化を推進しています。このような中で、競合他社との間の価格競争激化の影響を受け、当社グループの製品・サービスが価格競争に直面し、当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 これに対し当社グループでは、各事業分野において、競争優位性を高める新製品の企画・開発を継続的に行うとともに、コスト力の強化と適切な売価マネジメントに注力し、提案型営業を推進することで顧客満足を獲得していきます。(4)新製品の開発リスクについて 当社グループでは、将来にわたり、ユーザーニーズを先取りした魅力ある新製品を開発し、提供できると考えていますが、以下のような能力が不足した場合、当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。① 多様化・高度化する顧客の要求に対応する能力② 新製品を適時かつ適正コストで開発し生産する能力③ 顧客の新製品に当社グループの製品が使用されるようにする能力④ 新たな製品・サービスおよび技術を使用し展開する能力⑤ 既存の製品・サービスおよび技術を向上させる能力⑥ 業界と市場の変化を十分に予測する能力 あらゆる分野での技術革新がグローバル規模で進む中、お客様や社会が直面する課題をいち早く解決できる技術の重要性がますます高まっています。これらに対応するため、当社グループでは、日本と中国に研究開発拠点を設け、それぞれの製品分野ごとに、材料開発からの一貫した研究開発体制を構築しています。また、研究開発部門と生産部門が密接に連携することで、新技術の早期実用化・製品化を実現しています。さらに、変化の激しい市場環境に対応するために、必要な技術領域において強みのある大学・研究機関・企業と積極的に連携し、研究開発活動を加速させるオープンイノベーションと、東京大学生産技術研究所との包括的な産学連携研究協定を通じて、将来の技術経営を担う人材育成にも注力しています。(5)海外進出の潜在リスク、法的規制の変更・強化について 当社グループが事業を展開する国または地域において、法令または規制の重要な変更、税制または税率の変更、その他経済的、社会的および政治的変動、為替政策の変更、輸出または輸入に関する法規制などの変更があった場合、それらの事象は当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、中国・無錫市および宿遷市にアルミ電解コンデンサなどの製造拠点を設けていますが、現地で政治、法的環境、経済状況などに予期せぬ事象が発生した場合、事業の遂行に問題が生じ、当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、「(1)経済状況について」において説明のとおり、グローバルでの政治・経済状況の変化を注意深く見守り、状況に応じた対応が取れるように対策を行っています。(6)原材料などの購入価格の高騰について 国際市況に大きく影響を受ける当社グループの主要製品に使用する原材料の購入価格の高騰は、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、原材料のマーケット変動に柔軟に対応するべく、代替材料の検討や複数購買化を推進するとともに、吸収できない調達コスト上昇に関しては、市場価格も見つつ適切に製品売価に反映するようにしています。(7)製造物責任について 当社グループは、品質管理を徹底し、世界的な品質管理基準に従い製品を製造していますが、提供する製品・サービスには欠陥が生じる可能性があります。また、製造物賠償責任保険に加入していますが、賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。 欠陥が原因で生じた損失は、多額のコストや当社グループの評価の低下を通じ、当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、全製造事業所で「いつ」「どこで」「どの製品が」「どのような状況で」つくられたかを確実にチェックできる生産管理システムを導入しています。これはシステムで品質管理を徹底し、"不良ゼロ"による安定生産を実現するためのものです。このゼロ・ディフェクトに向けた取り組みを毎期、生産事業所ごとに事業計画として策定するとともに、品質保証システムの国際的規格であるISO9001やIATF16949の取得や更新審査を通じて、常に最新の品質管理基準と運用体制の構築につなげています。(8)環境規制などによる影響について 当社グループの事業は様々な環境法令の適用を受けており、過去、現在および将来の生産活動に関し、環境責任のリスクを抱えています。将来、環境に関する規制が厳しくなり有害物質などを除去する義務が追加された場合、これにかかる費用が当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 地球との共存を目指して、当社は全社・全グループの環境保全活動を進めるために、資源の有効活用、環境汚染防止を最優先としたニチコングループ環境憲章を1997年12月に制定(2015年8月改定)し、環境保全に向けた取り組みを推進してきました。現在、国内外の13製造事業所で環境マネジメントシステム規格ISO14001の認証を取得しており、全社・全グループをあげて、環境に配慮した技術と製品の提供に努めています。(9)災害などによる影響について 当社グループは、すべての生産設備における定期的な災害防止検査・点検を実施していますが、自然災害、事故、情勢変化や事件などによる悪影響を完全に阻止または軽減できる保証はありません。それらは、当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、災害等の発生に備え、生命の安全確保・安否確認体制を整備するとともに、重要業務の継続・中断した場合を想定し、早期復旧を目指せる体制、事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメント(BCM)の見直しと追加構築に取組んでいます。(10)情報セキュリティについて 当社グループは、事業活動において顧客・取引先から入手した機密情報(取引先情報、個人情報、営業秘密情報、技術情報など)を保有しています。一方で、近年、企業を標的にしたサイバー攻撃や、社内の従業員による故意または過失の行為による情報漏えいなども多数発生しています。これらに適時適切に対応しなければ、社会的信用の失墜、システムの修復やお客様への補償などの経済的損失、システムダウンによる事業活動の停止など、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、世界各国でデータ保護や個人情報保護の規制・法令の制定・強化が進められており、これらに違反した場合の罰則が厳罰化している傾向にあります。 当社グループでは、情報セキュリティリスクへの対策として、人的対策と技術的対策の2つの側面からその取り組みを進めています。人的対策としては、情報セキュリティ基本方針、情報システムセキュリティ規程、個人情報保護方針、個人情報管理規程など、従業員が遵守すべき事項を定めた各種規程を制定しています。また、これらの規程に基づいた情報セキュリティ教育や、標的型攻撃メールの訓練などを定期的に実施しています。技術的対策としては、マルウェア対策、パソコンの操作履歴などの各種ログの収集、情報へのアクセスコントロール、脆弱性診断の受診、疑似アタックの実施、通信内容の監視による不正侵入の防止、USBメモリ・SDカード等の記憶媒体の使用制限などを実施しています。また、従業員が使用するパソコンは外部の専門機関が24時間365日監視しており、不審な挙動を検知した場合には、早期に発見・対処する体制を整備しています。その他、情報セキュリティに関する事件・事故の発生に備え、グループ全体でサイバーセキュリティ保険に加入しています。(11)その他 上記に掲げたリスク要因は、当社グループの事業展開その他に関するリスクの全てを網羅しているものではありません。その他、知的財産権に係る法的リスク、顧客の信用リスク、人材育成・確保に係るリスクなども発生する恐れがあり、当社グループの事業、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 これら様々なリスクに対し、当社グループでは「ニチコングループ行動規範」(2002年10月制定・2013年4月・2024年4月に改訂)を全役職員に徹底し、法令・定款および社内規則はもとより、健全な社会規範、倫理規範に則った職務を遂行し、企業風土の醸成と教育・啓発活動の推進に努めています。また、これらを確保するための体制として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。

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