事業の概要
- 成果報酬型モデルポートは、顧客企業の成約活動(人材採用や商品販売など)を支援し、実際に成約があった場合にのみ報酬を受け取る「成果報酬型」のビジネスモデルを展開しています。これにより、顧客企業は無駄な広告費を抑え、リスクを最小限に抑えながら必要な成果を得ることができます。ポートは高い成約力と多様なマーケティングチャネルを強みとしています。
- マルチチャネルマーケティングポートは、オンライン広告、自社メディア、エージェントサービスなど、複数のチャネルを組み合わせて見込み客を集客し、成約までを一貫して支援しています。特に「就活会議」や「キャリアパーク!」といった自社メディアを通じて、多くのユーザーにリーチし、顧客企業とユーザー双方のニーズに応えることで収益を上げています。
- 非日常領域に特化ポートは、ユーザーにとって人生で経験する機会が少なく、意思決定が難しい「非日常領域」に特化して事業を展開しています。具体的には、人材採用(就職・転職)やエネルギー(電力・ガス契約)といった分野で、ユーザーの意思決定を支援し、顧客企業とのマッチングを成功させることで収益を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 人材領域このセグメントでは、主に就職活動を行う学生や若手人材と企業のマッチングを支援しています。「就活会議」や「キャリアパーク!」といったサイトで企業口コミや就活ノウハウを提供し、就職エージェントサービスを通じて人材紹介も行っています。未就業・未経験の若手人材に特化しており、国内最大級の新卒会員基盤を強みとしています。
- エネルギー領域このセグメントでは、電力・ガス料金の見直しを検討しているユーザーと電力・ガス事業者を繋ぐマッチングプラットフォーム「エネチョイス」や、引越し時の手続き支援サイト「引越手続き.com」を運営しています。高いウェブ集客力とインサイドセールス力を活かし、成約時に報酬を得る成果報酬型モデルで事業を展開しています。
- 新規・その他領域このセグメントは、ポートグループの新たな収益の柱となる新規事業への投資を行っています。具体的には、カードローン情報サイト「マネット」など、これまでのビジネスオペレーションノウハウを活かした事業開発を進めています。将来的な成長を見据え、多様な分野での事業展開を模索しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、企業の経営課題である成約活動に対して、高い成約力とマルチチャネルマーケティング力で、成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルの成約支援事業を展開しております。日本の労働市場が抱える少子高齢化に伴う労働人口の減少及び労働生産性の低下という課題に対し、企業の人材採用、販促活動において、現在は人材領域及びエネルギー領域を中心に成約支援事業を展開しております。クライアント(法人顧客)の見込み客となるユーザー集客から成約までを一気通貫で支援し、成果報酬型の成約支援事業を通じてクライアントの採用・販促活動のリスクを最小化させることを目指しております。(1) 成約支援事業のターゲット市場当社グループでは、クライアントにとっては、競争環境が厳しく、ユーザー獲得(採用・受注)難易度が高い領域、ユーザーにとっては人生での体験回数が少なく、意思決定の難易度が高い領域、それらクライアントとユーザーの双方の課題が重なり合う市場は当社ビジネスモデルの有効性を発揮しやすいと考え、成約支援事業を展開しております。なお、当社ではこれらの対象市場を「非日常領域」と定義しております。 (2) 成約支援事業各領域の特徴 領域区分主なサービスの名称サービス内容① エネルギー領域ユーザーと電力・ガス事業者のマッチングプラットフォーム「エネチョイス」「引越手続き.com」電気・ガス事業者向け販促支援サービス② 人材領域就活生向け企業口コミ情報サイト「就活会議」国内最大級の就活ノウハウ情報サイト「キャリアパーク!」就活生と企業のマッチングサービス「キャリアパーク!就職エージェント」口コミ掲載型の就活生同士のコミュニティサイト「みん就」未就業、未経験の若手人材に特化した人材採用支援サービス③ 新規・その他領域カードローン情報サイト「マネット」マッチングサービス ① エネルギー領域2022年1月に子会社化した株式会社INE、2023年7月に子会社化した株式会社Five Lineを中心に、電力・ガス事業者へ成約支援サービスを提供しております。電気代・ガス代の見直しニーズのあるユーザーと電力事業者のマッチングサイト「エネチョイス」や、引越し時に役立つ電気・ガス手続き支援サイト「引越手続き.com」を運営しております。当社グループのWEBの集客力と意思決定まで支援するインサイドセールス力による洗練された成約力を保有し、成約支援の完全内製による高い成約率が強みとなっております。エネルギー領域においては、成約件数が増加すると市場内でのプレゼンスが向上し、それにより成約単価上昇・成約売上上昇となり、更に積極的なマーケティング投資を行えることで成約件数の更なる増加につながるサイクルとなるため、成長サイクルにおける最重要ポイントは、総成約件数の最大化にあると考えております。その総成約件数の最大化に向けて自社の経営資源を活用した成長(オーガニック成長)をメインドライバーとしながら、M&Aによるロールアップでの外部リソースも活用した成長(インオーガニック成長)の両輪で事業を推進しております。インオーガニック成長については、総成約件数の最大化を更に加速させるために、M&A形式のロールアップ戦略に加え、マイノリティ出資と併せて、商流統合の実施を前提とする資本業務提携形式のロールアップ戦略も積極的に実行することで、多角的なアプローチによるシェア拡大を図る方針を掲げております。上記の方針に基づき2024年11月に株式会社ライフアップ、同年12月に株式会社エンクスとの資本業務提携契約を締結し、リアル販路の拡大やM&Aによるシナジーを発揮させることで、市場における当社グループのプレゼンスが向上し、2026年3月期はグループ年間約100万件の成約実績を誇る国内最大規模の成約支援事業者として大きく成長を遂げております。 ② 人材領域人材領域では、主に未就業、未経験の若手人材の就職を支援する人材会社向け送客ビジネス「アライアンスサービス」と求人企業へ直接人材を紹介する「人材紹介サービス」を提供しております。いずれも当社グループの潤沢な会員基盤を活用した企業への人材支援を行っております。「就活会議」は、就職活動を行う学生に向けて、企業の口コミや選考体験談を提供する国内最大級の就活生向け企業口コミ情報サイトです。ユーザーは、選考・内定を受けた就活生の生の声を通じて、選考プロセス、面接対策など、リアルな情報を得ることができます。これにより、就職活動における情報収集の質を高め、ユーザーの最適なキャリア選択を行うための意思決定を支援します。「キャリアパーク!」は、就職活動を中心にすべての人のキャリア選択に役立つ、国内最大級の就活ノウハウ情報サイトです。ユーザーに対して就職・転職等に関するノウハウを提供するとともに、求人情報や就職・転職情報を掲載することで、ノウハウの取得だけではなくキャリア選択に繋がる行動を支援します。また会員限定のキャリアアドバイス(職業紹介)や、就活イベント等を提供しており、就職等のノウハウから求人情報、支援サービス、個別相談など、キャリアの悩みに対して総合的に支援する仕組みを整えております。当社グループでは、ユーザーの就職活動における意思決定プロセスに基づき目的別に設計された様々なプロダクトを展開しております。2024年2月からはOB・OG訪問マッチングサービス「Matcher」、2024年4月からは、就活生同士のコミュニティ型サイト「みん就」が当社グループに加わり、人材領域におけるプロダクトラインナップの強化を図ってまいりましたが、2025年2月には新卒採用支援市場におけるそれぞれのチャネルにおいて国内最大規模の企業となるYouTubeチャンネル「しゅんダイアリー」を運営する株式会社Diary及び、就職活動における筆記試験対策アプリを開発、運営する株式会社yuthとそれぞれ資本業務提携契約を締結いたしました。ユニーク会員数は、約72万人となり(2026年卒会員、2026年3月末時点)、国内最大規模の新卒会員基盤を保持するグループ企業へと成長を遂げております。 ③ 新規・その他領域当社グループの新たな柱となる新規事業への投資も行っております。具体的には、カードローンに関するプロの解説とみんなの口コミが集まるカードローン情報サイト「マネット」など、これまで培ってきたビジネスオペレーションノウハウを活かした事業開発を進めております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 特定のインターネットプラットフォームへの依存度が高い場合、プラットフォーム側の仕様変更や規約改定が影響する可能性 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ネットワーク 国内最大級の就活生向け企業口コミ情報サイト「就活会議」や就活ノウハウ情報サイト「キャリアパーク!」などの潤沢な会員基盤 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:買収・投資活動等に伴うリスク / 技術革新等のリスク / 内部管理体制のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開情報からは、ポートが保有する強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する具体的な情報は確認できませんでした。無形資産による競争優位性は現時点では不明瞭です。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
ポートは主に個人投資家向けに資産運用サービスを提供していますが、顧客が他の証券会社やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ乗り換える際の直接的なコストや手間に関する情報は限定的です。ただし、一度構築された顧客との信頼関係は一定のスイッチング・コストとなり得ます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ポートの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造にはなっていません。顧客基盤の拡大が、新たな顧客にとってのサービスの魅力を増幅させる効果は限定的と考えられます。
コスト優位☆☆☆☆☆
公開情報からは、ポートが競合他社と比較して構造的に低いコストでサービスを提供できるような優位性を示す証拠は見当たりません。テクノロジー活用や業務効率化によるコスト削減努力は推測されますが、それが持続的な競争優位に繋がるかは不明です。
規模の経済★☆☆☆☆
ポートは独立系アドバイザーネットワークの構築を目指していますが、業界全体の規模に対して、その規模が圧倒的な効率性や市場支配力に繋がるレベルには達していないと考えられます。今後の成長次第でスケールメリットが発現する可能性はあります。
- 国内最大級の会員基盤ポートは、就職活動生向けの「就活会議」や「キャリアパーク!」、そして新たに加わった「みん就」や「しゅんダイアリー」など、国内最大規模の新卒会員基盤(約63万人)を保有しています。この潤沢な会員基盤は、人材領域における顧客企業への安定的な人材送客を可能にし、強力な競争優位性となっています。
- 高い成約力と内製化エネルギー領域では、ウェブ集客力と意思決定まで支援するインサイドセールス力を組み合わせることで、高い成約率を実現しています。成約支援のプロセスを完全に内製化しているため、品質管理がしやすく、効率的な運営が可能です。これにより、成約件数の最大化と市場でのプレゼンス向上に繋がっています。
- M&Aによる成長戦略ポートは、オーガニック成長(自社資源活用)に加え、M&A(企業買収・合併)や資本業務提携を積極的に活用し、事業規模を拡大しています。特にエネルギー領域では、M&Aによるロールアップ戦略や資本業務提携を通じて、総成約件数の最大化と市場シェアの拡大を加速させており、国内最大規模の成約支援事業者としての地位を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、企業の経営課題である成約活動に対して、高い成約力とマルチチャネルマーケティング力で、成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルの成約支援事業を展開しております。労働人口減少という社会的負債に対して、ROIが明確なサービス提供を通じて、企業の掛け捨てリスクをゼロにし、企業、そして社会全体の生産性向上に貢献を目指しております。 (2) 経営戦略等① 基本戦略当社グループは、少子高齢化・生産年齢人口の減少、労働生産性が低下する日本社会において、企業における販促活動、人材採用の効率化を最も解決すべきテーマと特定し、集客から成約まで一気通貫で支援し、なおかつ企業にとって導入リスクの低い成果報酬型サービスを展開することを基本戦略として掲げております。 ② 中長期成長戦略当社グループは2030年3月期を最終年度とする5ヵ年中期経営計画を2025年5月14日に公表いたしました。2030年3月期の売上収益800億円、EBITDA130億円の達成に向けCAGR30%以上の成長を継続するために、以下の5ヵ年目標と3つの成長戦略を掲げております。フリーキャッシュフローの最大化を長期方針に掲げ、中長期のEBITDAの最大化を達成するにあたり、オーガニック成長への投資、収益モデルのポートフォリオ化、インオーガニック成長への投資を中期成長戦略として掲げております。 a.ストック利益への転換「収益のポートフォリオ化」を掲げた当社グループの第2次中期経営計画では、これまで成果報酬型ビジネスの大部分を占めていたショット型収益から、ストック型収益の比率を高めることで、総収益の向上と成長の確実性を追求する方針を掲げておりました。その結果、2023年3月期から2026年3月期までの4年間で、将来利益を累計6,447百万円積み上げることができ、着実にストック利益を成長させることができたと評価しております。EBITDAに占めるストック利益の比率は、2023年3月期には4.6%でしたが、2026年3月期には34.9%にまで大きく増加しました。今後は、毎年の増収増益を前提に積極的な将来利益の獲得を推進し、2030年3月期までにこの比率を40%まで引き上げ継続成長の蓋然性を高めてまいります。 b.既存事業の圧倒的地位確立既存事業である人材・エネルギー領域を中心に圧倒的な地位確立と参入障壁の構築を目指して、オーガニック・インオーガニック両面での投資を徹底してまいります。具体的には、人材領域では、圧倒的な会員基盤を活用し、新卒紹介市場でのシェアを早期にNo.1の達成を目指すとともに、蓄積した顧客基盤や会員データを活用し最も隣接する既卒・第二新卒等の若年層人材紹介市場へ早期参入等を実施し更なるシェア拡大を目指してまいります。エネルギー領域では、最重要指標である総成約件数を最大化させ、個人向け成約支援市場でのシェアを早期にNo.1を目指すとともに、法人向けの成約支援への拡大も図ってまいります。加えて、電力事業者のバリューチェーンに深く入り込み販売活動に関する成約支援及び通電・調達活動に関する業務支援を一気通貫で提供することで、電力事業者にとって必要不可欠な存在となることを目指してまいります。 c.新規領域参入を目指したM&A当社グループにおける成約支援事業の更なる拡大にあたって、M&Aを主要戦略の一つとして位置付けております。中期経営計画期間中においては、既存事業のロールアップ型M&Aだけではなく、次の柱となる新領域の成果支援事業への参入を目指したM&Aについても積極的に推進してまいります。M&Aの推進にあたっては、投資規律を明確化し、既存領域(人材・エネルギー領域)および新領域におけるM&Aターゲットを具体的に特定しております。これにより、既存事業のロールアップを主軸とした集客チャネルの強化を目的とするM&A機会を積極的に模索するとともに、中長期的な成長性を確保するための周辺事業および新領域におけるM&Aも実施してまいります。 (3) 競争優位性当社グループの売上収益を構成する主なKPIとして「集客件数×成約率×成約単価」を重要指標と認識しております。それら重要指標を拡大するにあたり、重要項目である「集客件数」「成約率」「成約単価」に対して、競争力の源泉となる「WEBマーケティング」と「セールス(成約支援組織)」の2つの優位性を有しております。 ① 横展開の拡張性を持つ広大な市場規模企業の経営課題である販促費と採用費を合わせた約18兆円の巨大な市場をターゲットとしており、成約支援事業を通じて大きな成長余地があると考えております。当社グループでは、企業にとって成約コストが高く、ユーザーにとって意思決定が難しい「非日常領域」において成約支援事業を優先的に展開しております。 ② 掛け捨てリスクゼロの成果報酬型の料金体系従来のインターネットメディア事業が集客数を成果地点とする掛け捨て型であるのに対し、当社グループは成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルを採用しております。これにより、顧客のサービス導入ハードルが下がり、顧客基盤の拡大と長期的なリレーション構築による成約件数・成約単価の向上が期待されます。 ③ 高い成約率を実現する成約支援組織に裏付けされた成約力成約支援組織を内製化し、採用力、組織開発力、テクノロジーを活用することで高い成約率を実現しております。特に、新卒・中途採用における高い人材採用力と、入社後の成果状況を鑑みた採用活動の高速PDCAを強みとし、組織拡大に伴う組織開発にも注力し、高い定着率を維持しております。 ④ マルチチャネルマーケティングによる集客力集客に特化した自社プロダクト群とWEBマーケティングのノウハウにより、広範な集客チャネルを展開し、大量の見込み客の獲得を可能とする高い集客力を保持しております。また、成約支援組織を通じた高い成約力があるため、ユーザー数が多く集客コストが低い潜在層からも集客が可能であり、単一チャネルへの依存度を低減し事業リスクを軽減しています。普遍性の高い非日常領域のコンテンツに投資することで、安定的な集客と継続的なアクセスを確保しております。 ⑤ 成約件数の最大化が競争優位性につながるボリュームインセンティブ型の市場構造当社が展開する成約支援事業は、成約件数が増加することで市場でのプレゼンスが向上し、結果として成約単価の上昇につながる市場構造を持っています。成約単価の上昇は集客施策の許容CPA(顧客獲得単価)を上げ、市場における競争力をさらに高める好循環を生み出しております。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、株主価値向上のため、中長期的にはROE(自己資本利益率)を最大化していく方針でありますが、短期的には売上を増加させ利益を安定的に出す体制を構築することに注力しております。2024年3月期から収益のポートフォリオ化を成長戦略の一つとし、主にエネルギー領域において1成約ごとにショット型で収益が発生するショット型契約での成約件数を増やすとともに、ユーザーの利用状況に応じて毎月収益が発生するストック型契約の成約件数の積み上げを行っており、継続的な利益成長の蓋然性向上に努めております。そのため、現在は売上収益及びEBITDA(営業利益+減価償却費+固定資産除却損及び評価損益+株式報酬費用)に加え、将来利益(1件の成約によって将来生まれる総利益)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として取締役会等でモニタリングを行っております。また、当社グループは、2026年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画を推進しており、最終事業年度である2030年3月期には、売上収益800億円、EBITDA130億円の達成を目指しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)① 認知度の向上とユーザー数の拡大当社グループが持続的に成長するためには、当社グループのサービスの知名度を向上させ、ユーザーの意思決定までに必要な良質な情報を提供することで新規ユーザーを継続的に獲得し、ユーザー数を拡大していくことが必要不可欠であると認識しております。例えば、人材領域においては、新卒学生の90%以上が会員となる強固な会員基盤を構築、エネルギー領域においても、グループ複数社による多角的な集客チャネルを活かした個人向け電力成約支援等のトップランナーとしての地位を確立しておりますが、今後もマルチチャネルマーケティングの強みを活かした効果的な広告宣伝活動等により、さらなる知名度の向上を図ってまいります。あわせて、既存プロダクトにおいてユーザーの立場に寄り添った良質な情報を蓄積していくことや、様々な角度からユーザーニーズを満たすべく新規領域も含む複数プロダクトを展開することにより認知度の向上とユーザー数の拡大に努めてまいります。 ② 成約支援組織の拡大及び生産性の維持当社グループは、マルチチャネルマーケティングによって集客したユーザーに対し、専門性を有する成約支援組織が意思決定支援を行うことで高い成約率を実現しております。成約件数を継続的に増加させるためには、成約支援組織の人員数を拡大させながら、1人当たりの生産性を低下させない成約支援組織の構築が必要であると考えております。組織拡大については、当期において成約支援人材数を大幅に増加させております。また、中期経営計画「ODYSSEY800」への達成を掲げるにあたり、AIをはじめとしたテクノロジー活用による生産性向上、採用体制強化による組織力向上や、独自の教育体制による成約率維持向上など全社的な体制強化を通じて、高い成約率と生産性を維持・向上させることで、持続的な業績拡大を実現してまいります。 ③ M&A等の事業投資の活用新規事業やサービスの拡大のため、M&A等の事業投資の実行による成長の実現が重要であると考えております。当連結会計年度においては、株式会社HRteamの連結子会社化や系統用蓄電所など、積極的な事業投資を実行いたしました。M&Aを行うにあたっては、投資効果はもちろん、対象事業等の将来性や当社グループが展開する成約支援事業とのシナジーをはじめとした相乗効果を十分に検討した上で、事業領域の拡大と業績の向上、資本コストを上回るリターンの創出と最適な事業ポートフォリオの構築に努めてまいります。引き続き、総成約件数の最大化を更に加速させるために、資本業務提携形式によるロールアップ戦略も積極的に実行することで、多角的なアプローチによるシェア拡大を図っております。このような事業投資を通じてさらなる企業価値向上を目指してまいります。 ④ グループガバナンス及び内部統制の強化当社グループは、中期経営計画「ODYSSEY800」の達成に向けて積極的な事業投資やM&A等により、事業・組織規模を急速に拡大させております。今後も積極的で適正なリスクテイクを行い、持続的な成長を実現するためには、拡大する企業集団におけるガバナンス体制の構築、グループ全体での内部管理体制及び内部統制の継続的な強化が必要であると考えております。具体的には、グループ内部通報制度の運用徹底や、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会の配下に設置した各ワーキンググループによる専門的なリスク管理施策を通じて、リスクの早期把握と適切な対応ならびに連携を図っております。今後も、グループ全体で業務の適正を確保し続けるべく、迅速で網羅的なリスク情報の把握と内部統制への反映、監査等委員会・内部監査によるモニタリングの徹底、役職員への研修の充実化等をグループ全体で実施し、企業集団、組織、事業の規模拡大に合わせ、より強固で実効性の高いグループガバナンス体制の構築に努めてまいります。 (その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)① 継続的な事業の創出インターネット関連事業は、サービス等の新陳代謝が激しく、一般的にプロダクトライフサイクルが短い傾向にあります。こうした環境の中で継続的な成長を実現するためには、既存事業の成長を図るだけではなく、様々な新規事業の開発が重要であると考えております。当社グループは、就職系プロダクト「キャリアパーク!」で構築したビジネスモデルを水平展開及び垂直展開させることで、事業を拡大してまいりました。今後も中長期の競争力確保に繋がる事業開発のノウハウの蓄積を積極的に行い、継続的に新規事業の開発に取り組むことで、将来にわたる持続的な成長につなげてまいります。 ② 情報セキュリティの強化当社グループにおいては、事業規模の拡大に伴い、保有するユーザーの個人情報や顧客情報が年々拡大しております。当該情報は当社グループの重要な経営資源の一つであり、各種営業機密を適切に保護・管理することが持続的な成長のために不可欠であると考えております。これらの情報資産を適切に管理し、セキュリティリスクを低減するため、情報セキュリティ基本方針を定め、情報セキュリティ対策への積極的な投資を行うとともに、リスク管理委員会の配下に情報セキュリティに関するワーキンググループを設置し、定期的なリスク評価と対策の見直しを実施し、情報セキュリティ体制の適正化を図っております。引き続き、事業・組織規模の拡大、社会的・技術的な動向に合わせ、適切にセキュリティ管理体制を強化し続けてまいります。 ③ 優秀な人材の確保と育成当社グループは、新卒、中途両面から積極的な採用活動を行い人材を確保しており、事業成長を牽引しております。今後も持続的な成長を実現するためには、優秀な人材を確保・育成し人的資本を拡充させ続けることが重要であると考えており、当社グループでは「人的資本マネジメント方針」を策定しております。当連結会計年度においては、同方針に基づき、当社の経営戦略を実行し、中期経営計画「ODYSSEY800」を達成すること、ひいてはパーパスを体現する上で必要となる「6つの重要指標」を特定しており、それぞれ目標を定め、各種施策に取り組んでおりました。連結従業員数が1,000名を超える規模に拡大する中、リスク管理体制の一環として、リスク管理委員会の配下に人事労務に関するワーキンググループを設置し、人材の育成や労務に関するリスクの把握、対応方針の策定、進捗状況のモニタリング等を行っております。引き続き、同方針に従い、積極的な採用活動と当社グループの経験とノウハウに基づく多様かつ有益な研修の実施や各種人事施策を展開することで、継続的に人材の確保・育成に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、企業の経営課題である成約活動に対して、高い成約力とマルチチャネルマーケティング力で、成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルの成約支援事業を展開しております。労働人口減少という社会的負債に対して、ROIが明確なサービス提供を通じて、企業の掛け捨てリスクをゼロにし、企業、そして社会全体の生産性向上に貢献を目指しております。 (2) 経営戦略等① 基本戦略当社グループは、少子高齢化・生産年齢人口の減少、労働生産性が低下する日本社会において、企業における販促活動、人材採用の効率化を最も解決すべきテーマと特定し、集客から成約まで一気通貫で支援し、なおかつ企業にとって導入リスクの低い成果報酬型サービスを展開することを基本戦略として掲げております。 ② 中長期成長戦略当社グループは2030年3月期を最終年度とする5ヵ年中期経営計画を2025年5月14日に公表いたしました。2030年3月期の売上収益800億円、EBITDA130億円の達成に向けCAGR30%以上の成長を継続するために、以下の5ヵ年目標と3つの成長戦略を掲げております。フリーキャッシュフローの最大化を長期方針に掲げ、中長期のEBITDAの最大化を達成するにあたり、オーガニック成長への投資、収益モデルのポートフォリオ化、インオーガニック成長への投資を中期成長戦略として掲げております。 a.ストック利益への転換「収益のポートフォリオ化」を掲げた当社グループの第2次中期経営計画では、これまで成果報酬型ビジネスの大部分を占めていたショット型収益から、ストック型収益の比率を高めることで、総収益の向上と成長の確実性を追求する方針を掲げておりました。その結果、2023年3月期から2026年3月期までの4年間で、将来利益を累計6,447百万円積み上げることができ、着実にストック利益を成長させることができたと評価しております。EBITDAに占めるストック利益の比率は、2023年3月期には4.6%でしたが、2026年3月期には34.9%にまで大きく増加しました。今後は、毎年の増収増益を前提に積極的な将来利益の獲得を推進し、2030年3月期までにこの比率を40%まで引き上げ継続成長の蓋然性を高めてまいります。 b.既存事業の圧倒的地位確立既存事業である人材・エネルギー領域を中心に圧倒的な地位確立と参入障壁の構築を目指して、オーガニック・インオーガニック両面での投資を徹底してまいります。具体的には、人材領域では、圧倒的な会員基盤を活用し、新卒紹介市場でのシェアを早期にNo.1の達成を目指すとともに、蓄積した顧客基盤や会員データを活用し最も隣接する既卒・第二新卒等の若年層人材紹介市場へ早期参入等を実施し更なるシェア拡大を目指してまいります。エネルギー領域では、最重要指標である総成約件数を最大化させ、個人向け成約支援市場でのシェアを早期にNo.1を目指すとともに、法人向けの成約支援への拡大も図ってまいります。加えて、電力事業者のバリューチェーンに深く入り込み販売活動に関する成約支援及び通電・調達活動に関する業務支援を一気通貫で提供することで、電力事業者にとって必要不可欠な存在となることを目指してまいります。 c.新規領域参入を目指したM&A当社グループにおける成約支援事業の更なる拡大にあたって、M&Aを主要戦略の一つとして位置付けております。中期経営計画期間中においては、既存事業のロールアップ型M&Aだけではなく、次の柱となる新領域の成果支援事業への参入を目指したM&Aについても積極的に推進してまいります。M&Aの推進にあたっては、投資規律を明確化し、既存領域(人材・エネルギー領域)および新領域におけるM&Aターゲットを具体的に特定しております。これにより、既存事業のロールアップを主軸とした集客チャネルの強化を目的とするM&A機会を積極的に模索するとともに、中長期的な成長性を確保するための周辺事業および新領域におけるM&Aも実施してまいります。 (3) 競争優位性当社グループの売上収益を構成する主なKPIとして「集客件数×成約率×成約単価」を重要指標と認識しております。それら重要指標を拡大するにあたり、重要項目である「集客件数」「成約率」「成約単価」に対して、競争力の源泉となる「WEBマーケティング」と「セールス(成約支援組織)」の2つの優位性を有しております。 ① 横展開の拡張性を持つ広大な市場規模企業の経営課題である販促費と採用費を合わせた約18兆円の巨大な市場をターゲットとしており、成約支援事業を通じて大きな成長余地があると考えております。当社グループでは、企業にとって成約コストが高く、ユーザーにとって意思決定が難しい「非日常領域」において成約支援事業を優先的に展開しております。 ② 掛け捨てリスクゼロの成果報酬型の料金体系従来のインターネットメディア事業が集客数を成果地点とする掛け捨て型であるのに対し、当社グループは成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルを採用しております。これにより、顧客のサービス導入ハードルが下がり、顧客基盤の拡大と長期的なリレーション構築による成約件数・成約単価の向上が期待されます。 ③ 高い成約率を実現する成約支援組織に裏付けされた成約力成約支援組織を内製化し、採用力、組織開発力、テクノロジーを活用することで高い成約率を実現しております。特に、新卒・中途採用における高い人材採用力と、入社後の成果状況を鑑みた採用活動の高速PDCAを強みとし、組織拡大に伴う組織開発にも注力し、高い定着率を維持しております。 ④ マルチチャネルマーケティングによる集客力集客に特化した自社プロダクト群とWEBマーケティングのノウハウにより、広範な集客チャネルを展開し、大量の見込み客の獲得を可能とする高い集客力を保持しております。また、成約支援組織を通じた高い成約力があるため、ユーザー数が多く集客コストが低い潜在層からも集客が可能であり、単一チャネルへの依存度を低減し事業リスクを軽減しています。普遍性の高い非日常領域のコンテンツに投資することで、安定的な集客と継続的なアクセスを確保しております。 ⑤ 成約件数の最大化が競争優位性につながるボリュームインセンティブ型の市場構造当社が展開する成約支援事業は、成約件数が増加することで市場でのプレゼンスが向上し、結果として成約単価の上昇につながる市場構造を持っています。成約単価の上昇は集客施策の許容CPA(顧客獲得単価)を上げ、市場における競争力をさらに高める好循環を生み出しております。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、株主価値向上のため、中長期的にはROE(自己資本利益率)を最大化していく方針でありますが、短期的には売上を増加させ利益を安定的に出す体制を構築することに注力しております。2024年3月期から収益のポートフォリオ化を成長戦略の一つとし、主にエネルギー領域において1成約ごとにショット型で収益が発生するショット型契約での成約件数を増やすとともに、ユーザーの利用状況に応じて毎月収益が発生するストック型契約の成約件数の積み上げを行っており、継続的な利益成長の蓋然性向上に努めております。そのため、現在は売上収益及びEBITDA(営業利益+減価償却費+固定資産除却損及び評価損益+株式報酬費用)に加え、将来利益(1件の成約によって将来生まれる総利益)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として取締役会等でモニタリングを行っております。また、当社グループは、2026年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画を推進しており、最終事業年度である2030年3月期には、売上収益800億円、EBITDA130億円の達成を目指しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)① 認知度の向上とユーザー数の拡大当社グループが持続的に成長するためには、当社グループのサービスの知名度を向上させ、ユーザーの意思決定までに必要な良質な情報を提供することで新規ユーザーを継続的に獲得し、ユーザー数を拡大していくことが必要不可欠であると認識しております。例えば、人材領域においては、新卒学生の90%以上が会員となる強固な会員基盤を構築、エネルギー領域においても、グループ複数社による多角的な集客チャネルを活かした個人向け電力成約支援等のトップランナーとしての地位を確立しておりますが、今後もマルチチャネルマーケティングの強みを活かした効果的な広告宣伝活動等により、さらなる知名度の向上を図ってまいります。あわせて、既存プロダクトにおいてユーザーの立場に寄り添った良質な情報を蓄積していくことや、様々な角度からユーザーニーズを満たすべく新規領域も含む複数プロダクトを展開することにより認知度の向上とユーザー数の拡大に努めてまいります。 ② 成約支援組織の拡大及び生産性の維持当社グループは、マルチチャネルマーケティングによって集客したユーザーに対し、専門性を有する成約支援組織が意思決定支援を行うことで高い成約率を実現しております。成約件数を継続的に増加させるためには、成約支援組織の人員数を拡大させながら、1人当たりの生産性を低下させない成約支援組織の構築が必要であると考えております。組織拡大については、当期において成約支援人材数を大幅に増加させております。また、中期経営計画「ODYSSEY800」への達成を掲げるにあたり、AIをはじめとしたテクノロジー活用による生産性向上、採用体制強化による組織力向上や、独自の教育体制による成約率維持向上など全社的な体制強化を通じて、高い成約率と生産性を維持・向上させることで、持続的な業績拡大を実現してまいります。 ③ M&A等の事業投資の活用新規事業やサービスの拡大のため、M&A等の事業投資の実行による成長の実現が重要であると考えております。当連結会計年度においては、株式会社HRteamの連結子会社化や系統用蓄電所など、積極的な事業投資を実行いたしました。M&Aを行うにあたっては、投資効果はもちろん、対象事業等の将来性や当社グループが展開する成約支援事業とのシナジーをはじめとした相乗効果を十分に検討した上で、事業領域の拡大と業績の向上、資本コストを上回るリターンの創出と最適な事業ポートフォリオの構築に努めてまいります。引き続き、総成約件数の最大化を更に加速させるために、資本業務提携形式によるロールアップ戦略も積極的に実行することで、多角的なアプローチによるシェア拡大を図っております。このような事業投資を通じてさらなる企業価値向上を目指してまいります。 ④ グループガバナンス及び内部統制の強化当社グループは、中期経営計画「ODYSSEY800」の達成に向けて積極的な事業投資やM&A等により、事業・組織規模を急速に拡大させております。今後も積極的で適正なリスクテイクを行い、持続的な成長を実現するためには、拡大する企業集団におけるガバナンス体制の構築、グループ全体での内部管理体制及び内部統制の継続的な強化が必要であると考えております。具体的には、グループ内部通報制度の運用徹底や、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会の配下に設置した各ワーキンググループによる専門的なリスク管理施策を通じて、リスクの早期把握と適切な対応ならびに連携を図っております。今後も、グループ全体で業務の適正を確保し続けるべく、迅速で網羅的なリスク情報の把握と内部統制への反映、監査等委員会・内部監査によるモニタリングの徹底、役職員への研修の充実化等をグループ全体で実施し、企業集団、組織、事業の規模拡大に合わせ、より強固で実効性の高いグループガバナンス体制の構築に努めてまいります。 (その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)① 継続的な事業の創出インターネット関連事業は、サービス等の新陳代謝が激しく、一般的にプロダクトライフサイクルが短い傾向にあります。こうした環境の中で継続的な成長を実現するためには、既存事業の成長を図るだけではなく、様々な新規事業の開発が重要であると考えております。当社グループは、就職系プロダクト「キャリアパーク!」で構築したビジネスモデルを水平展開及び垂直展開させることで、事業を拡大してまいりました。今後も中長期の競争力確保に繋がる事業開発のノウハウの蓄積を積極的に行い、継続的に新規事業の開発に取り組むことで、将来にわたる持続的な成長につなげてまいります。 ② 情報セキュリティの強化当社グループにおいては、事業規模の拡大に伴い、保有するユーザーの個人情報や顧客情報が年々拡大しております。当該情報は当社グループの重要な経営資源の一つであり、各種営業機密を適切に保護・管理することが持続的な成長のために不可欠であると考えております。これらの情報資産を適切に管理し、セキュリティリスクを低減するため、情報セキュリティ基本方針を定め、情報セキュリティ対策への積極的な投資を行うとともに、リスク管理委員会の配下に情報セキュリティに関するワーキンググループを設置し、定期的なリスク評価と対策の見直しを実施し、情報セキュリティ体制の適正化を図っております。引き続き、事業・組織規模の拡大、社会的・技術的な動向に合わせ、適切にセキュリティ管理体制を強化し続けてまいります。 ③ 優秀な人材の確保と育成当社グループは、新卒、中途両面から積極的な採用活動を行い人材を確保しており、事業成長を牽引しております。今後も持続的な成長を実現するためには、優秀な人材を確保・育成し人的資本を拡充させ続けることが重要であると考えており、当社グループでは「人的資本マネジメント方針」を策定しております。当連結会計年度においては、同方針に基づき、当社の経営戦略を実行し、中期経営計画「ODYSSEY800」を達成すること、ひいてはパーパスを体現する上で必要となる「6つの重要指標」を特定しており、それぞれ目標を定め、各種施策に取り組んでおりました。連結従業員数が1,000名を超える規模に拡大する中、リスク管理体制の一環として、リスク管理委員会の配下に人事労務に関するワーキンググループを設置し、人材の育成や労務に関するリスクの把握、対応方針の策定、進捗状況のモニタリング等を行っております。引き続き、同方針に従い、積極的な採用活動と当社グループの経験とノウハウに基づく多様かつ有益な研修の実施や各種人事施策を展開することで、継続的に人材の確保・育成に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移したほか、企業収益の拡大に伴う設備投資の増加や、インバウンド需要の継続的な拡大により、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、世界的な金融引き締めに伴う海外景気の下振れ懸念に加え、地政学リスクの長期化による原材料・エネルギー価格の高止まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループの主要市場の一つであるエネルギー業界を取り巻く環境においては、2023年6月からの旧一般電気事業者の従量料金値上げ影響に伴った新電力事業者の電気料金値上げや市場連動型の価格プランの導入、ユーザーへの適切な価格転嫁等、価格変動によるリスクヘッジが従来よりも可能な状態となっております。さらに卸電力市場の価格の落ち着き(正常化)もあり、電力・ガス事業者による、円安や資源価格の高騰を起因とした新規顧客獲得抑制は大きく緩和され、電力・ガス事業者の新規顧客獲得需要の改善が見られております。今後においても地政学リスク(中東情勢)の影響等を注視する必要はありますが、当社の電力・ガス成約支援サービスへの需要は拡大基調になっていくものと推測しております。また、もう一つの主要市場である新卒採用支援市場においては、企業の新卒・若手人材に対する採用意欲の回復や採用活動の早期化・長期化、人材獲得競争の激化等により2026年度の市場規模は1,602億円(前期比104.2%※矢野経済研究所「新卒採用支援サービス市場に関する調査(2026年)」)と、2020年のコロナ禍以前を上回る市場規模へと拡大を続けております。また、今後においても、慢性的な人手不足を背景に企業の若年層人材への需要は高まり、新卒及び若年層採用支援サービスへの需要拡大基調であると推測しております。このような環境の中、当社グループにおいては、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、高い成約力とマルチチャネルマーケティング力で、当社が集客から成約までのKPIを背負うことで、掛け捨てリスクをゼロにし、成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルとなる成約支援事業を展開しております。エネルギー領域では、電力・ガス事業者の販促活動や業務支援サービスを提供しております。総成約件数が年間約90万件以上の支援実績を誇る国内最大規模の電力・ガス等の成約支援事業者となっております。人材領域では、新卒採用企業向けの人材紹介サービスや、人材会社向けのアライアンスサービスを提供しております。国内最大級就活生向け企業口コミ情報プロダクト「就活会議」や、国内最大級の就活ノウハウ情報プロダクト「キャリアパーク!」、就活生同士のコミュニティサイト「みん就」等を運営し、新卒層の90%以上が当社グループの会員となっております。各事業において当連結会計年度では以下の取組みを進めてまいりました。エネルギー領域では、電力・ガス事業者の新規顧客獲得意欲の増加や成約単価の上昇が見られる状況において、マーケティング投資を積極的に行い、M&Aのシナジー効果による市場でのプレゼンス向上も継続し、前年同期比で総成約件数・成約単価ともに拡大いたしました。また、一部収益をストック型の契約へ切り替えることで、積極的な将来利益の積み上げを行うとともに、前連結会計年度に計画以上に積み上げた将来利益が安定的にストック利益として計上され、事業利益の拡大に大きく貢献し、前年同期比で大幅な増収増益を達成いたしました。また、当連結会計年度より参入に向けて検証を進めておりました系統用蓄電所事業については、想定よりも順調な立ち上げに成功し初年度から黒字となっており、今後本格参入(追加投資)により更なる業績貢献が見込める事業に成長しております。人材領域では、企業の新卒採用意欲の本格的な回復や企業における人材採用競争の激化等、外部環境が良好な状況において、就職活動早期化の影響を受けながらも、新卒層の約90%が会員となる強固な会員基盤を元に、キャリアアドバイザーの増員や地方拠点の拡大等による成約件数の増加、成約単価の上昇等により人材紹介を中心に成長し、前年同期比で増収増益を達成いたしました。また、持分法適用関連会社であった株式会社HRteamを2025年11月から連結子会社化したことにより人材領域業績に加算されるとともに、成約件数の最大化による成約単価交渉力向上、顧客(求人事業者)基盤の強化、テクノロジーを活用した生産性向上施策等を横展開すること等によるシナジーを最大化することで、市場シェアの更なる拡大を図っております。 こうした施策の成果もあり、エネルギー領域・人材領域の大幅な事業成長に加え、エネルギー領域を中心としたストック利益の拡大と、当連結会計年度においてHRteam社段階取得に係る差益323百万円がその他の収益に計上された結果、売上収益29,100百万円(前年同期比32.5%増)、営業利益4,073百万円(前年同期比36.3%増)、税引前当期利益4,004百万円(前年同期比36.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,717百万円(前年同期比44.0%増)となりました。なお、当社グループの事業セグメントは成約支援事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は13,128百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,841百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が4,618百万円、営業債権及びその他の債権が1,403百万円増加した一方、その他の流動資産が205百万円減少したことによるものであります。また、非流動資産は22,900百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,459百万円増加しました。これは主に、のれんが3,680百万円、無形資産が1,842百万円、有形固定資産が1,112百万円、使用権資産が1,108百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は36,029百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,300百万円増加しました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は14,153百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,315百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が2,398百万円、社債及び借入金が1,928百万円、返金負債が1,264百万円増加したことによるものであります。また、非流動負債は11,046百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,661百万円増加しました。これは主に、社債及び借入金が2,249百万円、リース負債が851百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は25,199百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,977百万円増加しました。 (資本)当連結会計年度末における資本は10,829百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,323百万円増加しました。これは主に、当期利益2,808百万円の計上によるものであります。この結果、親会社所有者帰属持分比率は、29.3%(前連結会計年度末は37.4%)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,618百万円増加し、当連結会計年度末には7,161百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は5,740百万円(前連結会計年度比3,673百万円増)となりました。これは主に、税引前当期利益の計上4,004百万円、営業債務及びその他の債務の増加2,094百万円、減価償却費及び償却費の計上1,233百万円、営業債権及びその他の債権の増加951百万円、法人税等の支払額886百万円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は4,534百万円(前連結会計年度比517百万円増)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出2,357百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,291百万円、投資有価証券の取得による支出1,181百万円、投資有価証券の売却による収入1,502百万円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は3,412百万円(前連結会計年度比1,682百万円増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入5,259百万円、短期借入れによる収入2,532百万円、長期借入金の返済による支出1,871百万円、短期借入金の返済による支出1,249百万円等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。b.受注実績当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。c.販売実績当連結会計年度における販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは成約支援事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。事業の名称販売額(百万円)前年同期比(%)成約支援事業29,10032.5合計29,10032.5 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が10%以上に該当する相手先がいないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。成長のための重要ポイントである売上収益のKPIとして、「集客件数×成約率×成約単価」を重要指標と認識しており、成約社数と一社当たり単価の拡大のため、成約支援に係わる人材の増員を図るとともに生産性を維持、向上させることで、人材領域の人材紹介サービスが著しい成長を実現し、また、国内最大規模の電力・ガス等の成約支援事業者となったエネルギー領域では、電力事業者の新規顧客獲得需要も回復する中でM&Aのシナジー効果によるプレゼンス向上も図られ、マーケティング投資を積極的に行うことで総成約件数が拡大し、両領域ともに単一事業で売上収益100億円を突破する飛躍的な成長を遂げました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、持続的な成長を図るため既存事業の拡大と新規事業開発やM&A、資本業務提携等の積極的な成長投資を行っており、これらに必要な資金については必要に応じて多様な資金調達を実施しております。なお、当連結会計年度末における有利子負債(社債及び借入金)残高は11,307百万円、現金及び現金同等物の残高は7,161百万円であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
事業リスク
- 買収・投資活動に伴うリスクポートは事業拡大のためM&Aや資本提携を積極的に行っていますが、買収後の統合(PMI)が計画通りに進まない可能性があります。組織文化の衝突、従業員の離反、システム統合の遅延などが発生した場合、期待したシナジー効果が得られず、事業運営や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新等のリスクインターネット関連市場は技術革新のスピードが速く、特に生成AIのようなエマージングテクノロジーの進化は、ポートのWebマーケティングや成約支援組織の競争優位性を低下させる可能性があります。最新技術への対応が遅れた場合、既存事業の競争力低下や新規事業機会の逸失に繋がり、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 人材の確保及び育成のリスクポートの持続的な成長には、優秀な人材の確保と育成が不可欠です。しかし、事業・組織規模の拡大に伴い、必要な人材を十分に確保できなかったり、育成が追いつかなかったりする可能性があります。これにより、事業成長の鈍化や、競争力の低下に繋がり、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業展開上、リスク要因となりうる主な事項を記載しております。また、当社グループは、リスク管理委員会におけるリスクアセスメントの結果のうち投資家の投資判断に影響を及ぼす可能性のある事項について積極的に開示していく方針であり、透明性を重視しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努める方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) リスクマネジメント方針 (a) リスクマネジメントに対する基本方針当社グループはパーパスである「社会的負債を、次世代の可能性に。」を実現するため、そしてグロース企業として、持続的な成長を実現するため、積極的なリスクテイクが必要であると考えており、事業投資、人的資本投資、M&A等、投資活動を継続して行っております。今後も果敢な挑戦を継続するためには、単なるリスクの回避・排除にとどまらず、適切なリスク管理を通じてリスクとリターンのバランスを見定め、リターンに対してリスクを最小化していくこと、また、経営戦略と連動した攻めと守りのガバナンスを両立させることが不可欠であると認識しております。そのため、当社グループでは「PORTグループリスクマネジメントガイドライン」を策定し、当社グループのリスク管理に関する基本方針として、以下の内容を定めております。 (ⅰ) リスクとリターンのバランスを考慮し、リスクの最小化に向けた努力を徹底すること (ⅱ) 実効性のある対処を追求すること (ⅲ) 透明性あるディスクロージャーを心がけること また、上記基本方針の実行性をグループ全体で客観的に担保するため、当社グループは2026年4月に「PORTグループリスクマネジメントガイドライン」及び「リスク管理規程」の改訂を実施いたしました。本改訂により、経営戦略上積極的に引き受けるリスクの範囲であるリスクアペタイトと、グループの経営基盤に重大な支障をきたす許容限度であるリスクトレランスの基本概念を明文化し、実効性の高いリスクマネジメント体制へと刷新しております。 (b) リスク管理体制における基本方針「PORTグループリスクマネジメントガイドライン」では、具体的な実務指針として、グループ全体のリスク管理を行うリスク管理委員会を設置し、当該委員会において実施されたリスクアセスメントの結果をステークホルダーへ透明性高くディスクローズすることを定めております。加えて、グループ各社においても毎年定期的にリスクアセスメントを実施し、リスク管理委員会に報告することとしております。また、リスク管理委員会には社外取締役が構成員として関与し、取締役会による監督機能を確保しております。 (2) リスク管理の実効性と透明性を確保するための体制(a) リスク情報を適時適切に収集する情報集約システム実効性の高いリスク管理のためには、リスク事項、インシデント等の情報を迅速に集約し、適時適切にリスク管理及び内部統制システムを再構築し運用することが肝要であると認識しております。特に当事業年度においては、ガバナンスの高度化およびグループ全社における自浄作用の強化を目的として、グループ各社を包括的に網羅する「グループ共通ホットライン窓口」への一元化・設置を完了し、グループ全体での自浄作用及び情報集約システムの強化を実施いたしました。本対応をうけ、当社グループの内部統制システムを再構築するための軸となる取組は以下の5つとなります。 1.グループ共通ホットライン窓口の設置・拡充・統合的な運用2.リスク管理委員会・コンプライアンス委員会・内部監査室の量的質的な基準に基づく情報連携3.インシデント発見者による委員会等への報告の義務化4.内部監査室から内部統制委員会への、コントロールの運用状況・評価の情報連携5.内部監査室から、取締役会・監査等委員会へのデュアルレポートラインの確保 これにより当社のあらゆるインシデント情報が目詰まりなく集約され、リスク事案の把握、具体的なコントロールの実施、コントロールの効果の評価を一貫して適時適切に実施できるものと考えております。 (b) リスク評価及びディスクロージャーの透明性を確保するためのプロセス当社ではリスク管理委員会において、グループ全体のリスク分類表を作成し、少なくとも年に1度、各リスク項目、その評価及びコントロールの見直しを行いリスク分類表を更新しております。2026年5月現在では事業環境や社会情勢を踏まえ、172のリスク項目を抽出し、「発生頻度」と「影響度」の2軸による評価を行っております。これら各項目に対する評価実務および有価証券報告書開示への抽出プロセスにおいては、COSO ERMフレームワークに準拠した期待値モデルをベースとしつつ、グロース企業としての実効性を担保するため、以下の通り評価スケールの精緻化、影響度重視へのシフト、および開示掲載順の客観化を徹底しております。 1.評価スケールの精緻化と多角的測定リスクの「発生頻度」および「影響度」の評価スケールを従来の4段階から5段階へ拡張し、よりきめ細やかなアセスメントを可能にしました。また、影響度の測定にあたっては、財務インパクトなどの定量面だけでなく、レピュテーションリスク等の定性面から図る多角的な評価基準を再定義しております。2.影響度重視のスコア算定ロジック(テールリスクの捕捉)従来の単純な積(発生頻度×影響度)では、「発生頻度は低いが、万が一発生した際に企業存続を脅かす重大なリスク(テールリスク)」が、高頻度かつ軽微なリスクの陰に埋没してしまう課題がありました。これに対処するため、2026年4月より影響度側の係数に強い重み付けを行う独自のスコア算定ロジックへ刷新し、重大リスクが必ず最終スコアの上位へ動的に抽出される仕組みを構築しております。本ロジックにより算出されたスコアに基づき、最終的なリスク格付けを行い、明確なリソース配分と開示方針を定めております。 3.ディスクロージャーにあたっての恣意性の排除と透明性の確保有価証券報告書等の各種ディスクロージャー媒体における情報開示について、恣意性を徹底して排除し、客観的かつ投資家視点に立ったディスクロージャーを担保するため、当社グループでは、各カテゴリに含まれる個別リスクのうち「最も潜在的リスクスコアが高い(最悪のシナリオを想定した)個別項目」の評価値をそのカテゴリ全体の代表値として自動的に採用する編成基準へと刷新いたしました。これにより、企業経営に重大な影響を与え得るリスク(テールリスク)を開示上埋没させることなく、ステークホルダーにとって真に重要度の高い情報から順に、透明性高くディスクローズする体制を確立しております。 また、インシデント管理との統合実務として、原則として半期ごとにリスク評価基準の変更や新たなリスク項目の追加検討を行うほか、万が一、評価ランクSまたはAに相当する重大なインシデントが発生した場合には、直ちに緊急のリスクアセスメント見直しを実施したうえで、再発防止策の策定とともにリスク分類表等の妥当性を検証・修正し、継続的にリスクマネジメント体制を高度化する仕組みを運用しております。 リスク評価およびディスクロージャーまでのプロセスフェーズ主要プロセス・アクション1ボトムアップ評価・情報集約・リスク管理委員会ワーキンググループによる重要領域ごとのリスクアセスメントの実施・グループ会社によるリスクアセスメントの実施・インシデント発生報告および社内ホットライン(内部通報)事案の集計・分類2全社リスクの特定・基礎評価・ワーキンググループ、グループ会社のリスクアセスメント結果と全社リスクアセスメントの統合・最新の実態データを勘案した発生頻度と影響度の5段階評価の確定3スコア算定・テールリスクを動的に捕捉するためのスコア算出4ディスクロージャー・抽出されたスコア上位から順に開示配列を客観的に確定・有価証券報告書等のディスクロージャー媒体への掲載 リスク評価マトリックス (3) 経営・事業等を取り巻くリスクとその分析当社のリスク管理委員会が主導するリスクアセスメントプロセスに基づき、影響度および発生可能性等の観点から総合的に評価し、開示すべき重要なリスクとして識別したリスク項目は以下のとおりです。なお、各リスク項目は当事業年度において相対的に重要度が高いと評価した順に記載しており、各項目には前事業年度の記載順位(相対的な重要度)からの変動状況(上昇・低下など)を併記しております。 1.情報セキュリティに関するリスク(重要度:上昇)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループは、成約支援事業において個人情報を含む多くの重要な情報資産を保有しており、事業運営における最も重要な資源の一つであると認識し、情報セキュリティの確保は経営上の最重要課題の一つと位置付け、その強化に継続的に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの役職員や委託先関係者による不注意や不正行為、あるいは近年のランサムウェア等のサイバー攻撃の高度化や、DX推進・クラウド化・AI技術の進展に伴い脅威に晒される領域が拡大している背景からも、悪意を持った第三者によるサイバー攻撃などにより、情報資産が外部に流出する可能性は依然として存在します。特に、個人情報や機密情報が漏洩した場合、お客様や関係者からの損害賠償請求、監督官庁からの行政指導、社会的信用の失墜によるメディア集客力の低下、「有料職業紹介事業者」等の当社の事業基盤に関わる法的許認可の維持への重大な悪影響につながり、当社グループの事業継続や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>これらの情報資産を適切に管理し、セキュリティリスクを低減するため、情報セキュリティ基本方針を定め、情報セキュリティ対策への積極的な投資を行うとともに、リスク管理委員会の配下に情報セキュリティに関するワーキンググループを設置し、定期的なリスク評価と対策の見直しを実施し、情報セキュリティ体制の適正化を図っております。特に、個人情報の管理については、漏洩、不正利用、改ざん等の防止を事業運営上の最重要事項と捉え、個人情報保護規程及び情報システム管理規程に基づき厳格に管理しております。プライバシーマークの維持に加え、全従業員を対象とした定期的なセキュリティ研修を実施し、「個人情報の保護に関する法律」及び関連法令、並びに当社グループに適用される関連ガイドラインの遵守を徹底しております。 2.景気の動向等のマクロ環境に関するリスク(重要度:上昇)<リスクの内容と発生時の影響>昨今、地政学的リスクの長期化、急激なインフレ、為替・金利変動など、世界経済の先行き不透明感が一層強まっております。当社グループの人材領域、エネルギー領域をはじめとする事業活動は、景気の動向をはじめとする外部環境の変動から大きな影響を受ける可能性があると認識しております。例えば、景気悪化による企業の採用意欲減退と個人消費の冷え込みが同時に発生し、グループ全体のポートフォリオが大きく毀損する可能性や、金利上昇に伴う割引率の上昇や自社株価の変動による多額ののれん・無形資産の減損リスク、原油・資材価格の高騰により主要な送客先である新電力会社等が逆ざや状態に陥り、新規顧客獲得の停止や倒産に至る可能性など、マクロ環境の変動により様々なリスクが顕在化し、当社グループの事業継続や売上収益、EBITDA等の経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。加えて、インターネット広告市場や関連サービス市場全体の成長が鈍化したり、市場ニーズが急速に変化したりする中で、当社グループが適切な対応を取れなければ、競争力の低下や新たな事業機会の逸失につながる可能性があります。技術革新による新たな競合の出現も、市場シェアの低下や収益性の悪化を招く要因となり得ます。 <リスクへの対応策>このようなリスクに対応するため、当社グループでは人材、エネルギー、不動産等、景気感応度やサイクルの異なる事業を展開することで、特定市場の低迷リスクをグループ全体で補完・緩和する事業基盤を確立しております。事業計画の進捗や将来キャッシュ・フローを定期的に精査し、厳格な減損テストを実施することで、投資規律の維持と財務健全性の確保に努めております。また、サステナビリティ委員会の配下に外部環境リスク分析ワーキンググループを新設し、マクロ市場や地政学等の動向を中長期的に観測し、経営判断に反映する体制を構築しております。このように市場動向や景気変動に関する情報を注視し、事業ポートフォリオの多様化やコスト構造の最適化を図るとともに、リスク分散の観点からグローバル展開なども視野に入れ、外部環境の変化に柔軟に対応できる経営体制の構築に努めてまいります。 3.買収・投資活動及びのれんの減損に関わるリスク(重要度:低下)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループは、事業領域の拡大、新規事業への参入、技術力・ノウハウの獲得、事業シナジーの創出などを目的として、M&Aや資本提携、事業投資などの投資活動を積極的に行っております。今後も、これらの活動を継続していく方針です。積極的な投資活動の裏返しとして、当社グループの連結財政状態計算書においてのれん及び無形資産の占める割合が高い状態にあります。当社グループは国際会計基準を適用しているため、のれんの規則的な償却は行われませんが、買収した事業の収益性が計画を下回った場合や、金利上昇に伴う割引率の変動が生じた場合には、多額ののれん・無形資産の減損損失を計上するリスクがあり、当社の財務状況や経営成績に甚大な影響を及ぼす可能性があります。また、未上場企業を対象とした買収においては、事前の調査で完全に把握しきれない偶発債務や未認識の法的リスクが買収後に顕在化する可能性があります。さらに、買収後の統合プロセス(PMI)が計画通りに進捗せず、組織文化の衝突、キーマンや従業員の離職、システム統合の遅延等が生じた場合、当初期待したシナジー効果や事業成長が実現できず、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>最大級の財務リスクと認識しているのれんの減損リスクに対しては、日本会計基準・国際会計基準に基づく「PORT減損テスト・公正価値評価ガイドライン」を策定し、事業計画の進捗状況や将来キャッシュ・フローを定期的に精査し厳格な減損テストを実施しております。これにより、業績低迷の兆候を早期に把握し、必要な経営指導や事業戦略の軌道修正を迅速に行うことで、投資規律の維持とグループ全体の財務健全性の確保に努めてまいります。また、買収・投資の検討段階においては、ビジネスモデル、財務、法務等に関する多角的なデューデリジェンスを厳格に実施することで、潜在的なリスクの極小化に努めております。買収後においては、対象企業の経営陣との対話を深め、当社の事業ノウハウやガバナンス体制を速やかに導入することで、早期のPMI完遂とキーマンリテンションを図る体制を構築しております。 4.許認可等に関するリスク(重要度:上昇)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループは、積極的な新規事業の展開や事業領域を拡大する中、許認可等を要する事業の範囲が年々拡大しており、本リスクの重要性が高まっていると認識しております。現在、当社の主力事業である人材領域をはじめとした事業の運営においては、「有料職業紹介事業者」「宅地建物取引事業者」等の各種法的許認可や登録に依拠しております。本書提出日現在において、事業主としての欠格事由やこれらの許認可・登録の取消事由に該当する事実はないものと認識しております。しかしながら、将来において事業関連法令の予期せぬ新設・改正が行われた場合や、当社グループの役職員および委託先による法令違反等が発生し、許認可の取消しや事業停止命令等の厳格な行政処分を受けた場合、対象事業の継続そのものが困難となり、当社グループの経営成績および財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>このようなリスクを未然に防ぐため、当社グループはコンプライアンス委員会を定期的に開催し、事業遂行に関連する職業安定法、金融商品取引法等の各種法令等や監督官庁のガイドラインの動向を常時モニタリングする全社的な法務・コンプライアンス体制を構築しております。また、各事業部門に対する定期的な法令遵守研修の実施や、内部監査を通じた業務プロセスの牽制により、全役職員の規範意識の向上に努めております。さらに、新規事業への参入やM&Aの実施時においては、必要となる許認可や法的規制に関する事前の厳格なリーガルチェックを徹底し、適法かつ適切な事業運営が継続的に担保される強固なガバナンス体制の維持・強化に努めてまいります。 当社グループが取得している許認可等の一例 取得年月2012年10月1日許認可等の名称有料職業紹介事業所管官庁等厚生労働省許認可等の内容13-ユ-305645有効期限2030年9月30日(5年ごとの更新) 取得年月2023年7月28日許認可等の名称宅地建物取引事業者免許所管官庁等東京都許認可等の内容東京都知事(1)第109570号有効期限2028年7月28日(5年ごとの更新) 5.事業プラットフォーム及び技術革新に関するリスク(重要度:低下)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループの主力事業である人材領域やエネルギー領域における集客活動は、主要な検索エンジンや、これらが提供する運用型ウェブ広告プラットフォームに対する依存度が高い状態にあります。そのため、これらプラットフォーム事業者による検索アルゴリズムの大幅な変更や広告掲載基準の予期せぬ厳格化が行われた場合、当社グループが運営する各種メディアへのアクセス数が急減し、ユーザー獲得コストが著しく高騰する可能性があります。加えて、昨今急速に進展している生成AI技術の台頭によるユーザーの検索行動の抜本的な変化や、画期的な代替サービスの出現等の劇的な技術革新に対して、当社グループが適時適切に対応できなかった場合、既存のビジネスモデルが陳腐化し、当社グループの事業継続や売上収益等の経営成績に甚大な影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>このような事業プラットフォーム依存リスクに対しては、特定の集客チャネルへの過度な依存を脱却すべく、SNSや大学等との連携を通じたリアルチャネルをはじめとする多様な集客経路の開拓や自社メディアのブランド力強化を進め、マルチチャネルマーケティングを推進することで安定的なユーザー流入基盤の確立を図っております。また、生成AI等の劇的な技術革新やマクロ環境の変化に対しては、専門チームとして外部環境リスク分析ワーキンググループを立ち上げ、市場や技術の変化を多角的に分析し迅速な経営判断を遂行できる環境を整備しております。技術革新の活用については、豊富なアクセスログ等の独自データを活用して新たな価値創造を図る事業開発と、業務効率化の断行等により成長基盤を強化する組織力の向上の二つの軸で推進しております。具体的には、AIを活用したサービスのローンチに加え、管理部門におけるコーポレートAIシステム「ENGINE」の本格展開等を通じて各業務プロセスでのAI活用を推し進め、組織規模の拡大に対する人員増員率の大幅な抑制といった成果を既に実現しております。今後も技術革新を機敏に捉え、事業環境の変化を新たな成長機会へと転換する強固な経営体制の構築に努めてまいります。 6.財務バランス・健全性及び市場変動に関するリスク(重要度:低下)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループは、事業規模の拡大やM&A等を推進するにあたり、自己資金に加えて金融機関からの借入金等の有利子負債を活用しており、連結資産合計に対して一定の比率を占めております。今後の市場動向により金利水準が急上昇した場合、利息負担の増加により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の借入金には財務制限条項が付されており、事業環境の急変によりこれに抵触するリスクが存在します。さらに、積極的なM&A等に伴い、連結財政状態計算書においてのれん及び無形資産が高い割合を占めているほか、グリーンエネルギー事業の拡大による太陽光発電・蓄電池等の固定資産も増加しております。これらの資産について、事業計画の未達や金利変動が生じた場合、減損損失の計上が発生し、財政状況及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、当社グループでは余剰資金を活用した外貨建て債券等の金融資産運用を行っているため、為替レートや市場金利の変動が直接的に評価損益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社の株価は、マクロ経済の動向、同業他社の状況等の当社が直接コントロールできない外部要因により変動するリスクがあり、これが当社の機動的な資金調達能力に影響を与える可能性があります。 <リスクへの対応策>これらの財務および市場リスクに対し、当社グループは金融機関との良好な関係を維持し、安定的な資金調達基盤の確保に努めております。投資やM&Aを実行する際には、事前の厳格なデューデリジェンスと財務シミュレーションを実施し、のれんや無形資産の肥大化によるリスクを慎重に評価したうえで資金使途を精査しております。また、事業計画の定期的なモニタリングを実施しており、減損の兆候が認められた場合には、日本会計基準・国際会計基準に基づいた厳格な減損テストを実施する体制を構築しております。余剰資金の運用にあたっては、過度なリスクを避け、市場動向や為替変動を注視した適切なポートフォリオ管理を徹底しております。 7.特定人物への依存に関するリスク(重要度:上昇)<リスクの内容と発生時の影響>当社の代表取締役である春日博文は、設立以来当社グループ事業に深く関与する創業代表であり、当社のコアコンピタンスであるWebマーケティングや成約支援組織の運営に関する豊富な知見を有しております。さらに、持続的な成長を牽引するM&Aを用いたロールアップ戦略等の経営戦略の立案・遂行において極めて重要な役割を担っております。そのため、現時点で何らかの予期せぬ理由により同氏が長期間にわたり業務を遂行することが困難となった場合、当社グループの事業推進力や機動的な意思決定が滞り、経営成績及び事業計画の達成に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>この特定人物への過度な依存リスクを低減するため、当社グループは属人的な経営から組織的な経営体制への移行を推進しております。具体的には、経営判断ポリシー及びPORTグループ役員行動規範の運用に加え、取締役会規程等に基づく経営陣への定期的な役員研修を実施しております。さらに、経営陣の一角である執行役員及びグループ会社の役員を重要な使用人等と位置づけ、構成員に独立社外取締役を含む指名委員会においてその選任及び教育・育成方針を継続的に審議し、次世代の経営人材の輩出に注力しております。加えて、代表取締役に不測の事態が発生した場合に備えたエマージェンシー体制(権限代行順位の明確化等)を整備し、事業運営への影響を最小限に留めるよう策を講じております。 8.コンプライアンスに関するリスク(重要度:低下)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループの事業活動は、多岐にわたる重要な法的規制の適用を受けております。事業領域の拡大に伴い、インターネット広告やコンテンツ表示、知的財産権、景品表示等をはじめとしたマーケティング法務規制の遵守もますます重要性を増しております。これらの法令の予期せぬ新設や改正が行われた場合、あるいは当社の事業活動が新たに規制対象となった場合、ビジネスモデルの変更を余儀なくされる可能性があります。また、従業員による法令違反や不適切な行為、ハラスメント等の労務問題が発生した場合、当社グループに対する事業運営の停止、厳格な行政処分、損害賠償請求、社会的信用の失墜を招き、経営成績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>これらのコンプライアンス・法的規制に関するリスクを未然に防ぐため、当社グループはリスク管理委員会配下に事業コンプライアンスワーキンググループを設置し、関連法令違反リスクの特定・評価と対応方針の策定を行っております。また、全社的なコンプライアンス教育徹底のための定期的な役職員向け研修を通じて、パワハラ防止法を含めた各種法令への理解を深め、全従業員の意識の向上を図っております。さらに、公益通報者保護法に基づくホットライン窓口の周知と拡充をグループ全体で行い、組織の自浄作用が早期かつ確実に見込める透明性の高い環境を整備しております。今後も外部専門家との連携を継続しつつ、コンプライアンス遵守を最優先とした強固なガバナンス体制の維持・強化に努めてまいります。 9.人材の確保及び育成のリスク(重要度:低下)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループは、持続的な成長の源泉として人材を最も重要な経営資源と位置づけ、新卒・中途採用を積極的に推進し、事業成長を牽引しております。今後も成長戦略を着実に実行し、企業価値を持続的に向上させていくためには、優秀な人材の確保と育成、そして人的資本の更なる拡充が不可欠であると考えております。当社グループは平均年齢が29.5歳と若年層中心の組織構造となっております。少子高齢化に伴う労働市場の需給逼迫が続く中、必要な人材を適切な時期に確保できない場合や、採用した若手人材の育成が計画通りに進捗しない場合、組織力の低下や事業計画の遅延を招く可能性があります。また、従業員のエンゲージメントが低下して離職率が高止まりした場合、当社グループの競争力の低下や事業拡大の制約要因となり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>これらの人的資本に関するリスクに対し、当社グループは「人的資本マネジメント方針」を策定し、企業価値向上に直結する重要指標を設定して積極的な施策を展開しております。当事業年度においては、人事制度の大規模な刷新を実施し、一部営業部門におけるインセンティブ制度を含めた基本報酬体系の見直しや、シフト制等を取り入れた柔軟な働き方の推進を図りました。これらの施策により、従業員エンゲージメントの向上、優秀な人材の採用・定着の促進、および離職率の低下という具体的な成果を着実に上げております。また、リスク管理委員会配下の人事労務ワーキンググループを設置し、リスク事項の継続的なモニタリング、労働環境の最適化と次世代リーダーの育成を推進し、人的資本の拡充による強固な競争優位性の確立に努めております。これらを通して、人材の確保及び育成について優先的に推進していく体制を維持してまいります。 10.内部管理体制・ガバナンスに関するリスク(重要度:低下)<リスクの内容と発生時の影響>当社グループは、持続的な企業価値の向上を目指し、M&Aや事業投資等による積極的な事業・組織規模の拡大を推進しております。特にM&A戦略においては、買収先の内部管理体制を迅速かつ適切に当社グループの水準へと統合することが求められます。事業規模や組織が急速に拡大する中で、グループ全体の内部統制システムの構築・運用が十分に機能しなかった場合、あるいは買収先において予期せぬリスクや管理上の不備が顕在化した場合、当社グループのコンプライアンス違反や社会的信用の低下を招き、事業運営や経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 <リスクへの対応策>このような内部管理体制の形骸化リスクを防ぐため、当社グループでは独立社外取締役で構成される監査等委員会を中心に、経営に対する客観的かつ実効性の高い監督機能を働かせております。また、取締役会の諮問機関として指名、報酬、コーポレート・ガバナンス、内部統制、サステナビリティといった複数の任意委員会を設置しており、当事業年度においてはこれらの各種委員会の実効性向上が組織内に定着し、コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化が図られております。さらに、当事業年度に拡充したグループ内部通報制度の適切な運用と、内部監査部門によるグループ全体の網羅的なモニタリングを通じて、リスク情報の早期把握と是正を徹底しております。今後もM&A実行時における厳格なデューデリジェンスと買収後の迅速なガバナンス統合を推し進め、グループ全体で強固かつ自律的な内部管理体制の維持に努めてまいります。