事業の概要
- 生命保険の提供と運用ライフネット生命は、インターネットを主な窓口として、死亡保険や医療保険、就業不能保険、がん保険、認知症保険といった多様な生命保険商品を個人向けに提供しています。顧客から受け取った保険料を運用し、将来の保険金支払いに備えることで収益を得るのが主なビジネスモデルです。また、auじぶん銀行などの提携先を通じて団体信用生命保険も提供し、事業領域を広げています。
- 保険引受と資産運用生命保険業免許に基づき、顧客の生存や死亡に対して保険金を支払う約束と引き換えに保険料を受け取る「保険引受業務」が中心です。さらに、受け取った保険料は「資産運用業務」によって増やし、将来の保険金支払いや会社の利益に繋げています。保険料収入と運用益が主な収益源となります。
- 代理・代行と子会社事業他の保険会社の業務を代理したり、事務を代行したりする業務も行っています。また、子会社のライフネットみらい株式会社は、保険代理店事業とサービス開発事業を展開しており、グループ全体で保険関連の幅広いサービスを提供することで収益機会を拡大しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 生命保険事業(単一セグメント)ライフネット生命グループの主な事業は、生命保険事業の単一セグメントで構成されています。これは、個人向けの死亡保険、医療保険、就業不能保険、がん保険、認知症保険などの保険商品をインターネットを通じて提供し、保険料収入と資産運用益を得る事業です。子会社であるライフネットみらい株式会社も、保険代理店事業などでこのセグメントに貢献しています。
- 個人向け保険商品の提供インターネットを主な販売チャネルとして、個人顧客に特化したシンプルな保険商品を提供しています。例えば、定期死亡保険「かぞくへの保険」や終身医療保険「じぶんへの保険3」などがあり、顧客がオンラインで比較・理解しやすいように設計されています。KDDIやセブン・フィナンシャルサービスなどのパートナー企業との協業による商品販売もこの領域に含まれます。
- 団体信用生命保険事業の拡大2023年7月からは、auじぶん銀行株式会社の住宅ローン利用者向けに団体信用生命保険の提供を開始し、事業領域を拡大しています。これは、住宅ローン契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、残りのローンを保障する保険であり、新たな収益源として期待されています。
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3【事業の内容】(1) 主な事業内容 当社グループは、当社及び子会社1社(ライフネットみらい株式会社)で構成されています。 当社は、インターネットを主な販売チャネルとする生命保険会社です。相互扶助という生命保険の原点を忘れず、「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」という経営理念のもと、生命保険事業を営んでいます。主な事業内容は以下のとおりです。なお、当社は生命保険事業の単一セグメントとなっています。 ①保険引受業務 生命保険業免許に基づき、以下の保険の引受及び再保険業務を営んでいます。・人の生存又は死亡に関して一定額の保険金等を支払うことを約し保険料を収受する業務・人の疾病又は傷害及びそれらを原因とする状態又は治療に関して一定額の保険金等として支払うことを約し保険料を収受する業務 ②資産運用業務 保険業法、同法施行規則に定めるところにより、生命保険の保険料として収受した金銭その他の資産の運用業務を営んでいます。 ③業務の代理・事務の代行業務 他の保険会社等の業務の代理又は事務の代行を行っています。 また、子会社のライフネットみらい株式会社は、保険代理店事業及びサービス開発事業を営んでいます。なお、当社は2026年5月29日開催の取締役会において、当社が保有するライフネットみらい株式会社の普通株式の全てについて、同社による自己株式の取得に応募することを決議しました。当該自己株式の取得の実行に伴い、ライフネットみらい株式会社は当社の連結子会社から除外される予定です。 (2) マニフェストを基軸とした経営 当社グループは、2008年の開業以来「ライフネットの生命保険マニフェスト」を掲げ、経営理念を「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」と定めています。デジタルテクノロジーを活用しながら、一貫してお客さま視点で商品・サービスを提供し、生命保険の未来をつくるオンライン生保のリーディングカンパニーとなることで、「安心して、未来世代を育てられる社会」の実現を目指します。ライフネットの生命保険マニフェスト「正直に、わかりやすく、安くて、便利に。」第1章 私たちの行動指針(1) 私たちは、生命保険の未来をつくる。生命保険は生活者の「ころばぬ先の杖がほしい」という希望から生まれてきたという原点を忘れずに。(2) 私たちは、お客さまの声に耳を傾け、お客さまに何が必要かを常に考え行動する。(3) 私たちは、自分たちの友人や家族に自信をもってすすめられる商品・サービスだけを届ける。(4) 顔の見える会社にする。私たちは、経営のこと、商品のこと、社員のこと、どんな会社なのか、正直に伝える。(5) 私たちは、多様性を尊重し、協力しあうことで、変化に対応しつづける。100年後もお客さまに安心を届けられる会社であるために。(6) 私たちは、常に誠実に行動する。コンプライアンスを遵守し、倫理を大切にする。第2章 生命保険を、もっと、わかりやすく(1) 私たちは、「生命保険がわかる」情報を提供する。お客さまが自分にあった保障を納得して、選べるように。(2) 私たちは、誰もが読んで理解できる「約款」(保険契約書)をつくる。(3) 私たちは、お申し込みだけでなく、保険金・給付金を請求するときにこそ、わかりやすいと思ってもらえる商品やサービスを届ける。第3章 生命保険料を、安くする(1) 私たちは、保障内容を過剰にしない。必要な備えを、適正な生命保険料で提案する。(2) 私たちは、よい商品を安く提供するための工夫を怠らない。(3) 私たちは、生命保険料を抑え、その分をお客さまの人生の楽しみに使ってほしいと考える。第4章 生命保険を、もっと、便利に(1) 私たちは、ご契約の検討から保険金・給付金の受け取りまで、あらゆる場面でお客さまの便利を追求する。(2) 私たちは、私たちの考えに共鳴してくれたパートナーと協力して、お客さまに商品やサービスを届ける手段を増やす。(3) 私たちは、生命保険の枠を超えて、「生きていく」ことを支える情報とサービスに触れる機会を増やす。(4) 私たちは、お客さまの期待の先にある「便利な生命保険」を通して、次の時代の当たり前をつくる。お客さま一人ひとりの生き方を応援する企業でありたい。そのために、これからも挑戦を続けます。 (3) 商品構成 個人向けの保険商品は、インターネットを通じてお客さまに「比較し、理解し、納得して」ご契約いただきたいという考えのもと、いずれの商品も複雑な特約や配当のない、シンプルでわかりやすい保障内容となっています。また、パートナー企業との協業として、2016年4月からはKDDI株式会社と「auの生命ほけん」を、2021年7月からは株式会社マネーフォワード(現マネーフォワードホーム株式会社)と「マネーフォワードの生命保険」を、2023年12月からは三井住友カード株式会社と「Vポイントが貯まる保険」を販売しています。 団体向けの保険商品は、事業領域の拡大の一環として2023年7月に開始した団体信用生命保険事業において、auじぶん銀行株式会社の住宅ローン利用者に向けて団体信用生命保険の提供を行っています。 なお、当社の保険募集代理店であるKDDI株式会社は、2026年3月31日付で、同社の子会社であるauフィナンシャルホールディングス株式会社と当社との間の資本提携契約において、auフィナンシャルホールディングス株式会社が有していた当社取締役の指名権の削除、及び同社の執行役員を兼ねる当社社外取締役であった甲谷比呂氏が辞任したことにより、当社のその他の関係会社に該当しないこととなりました。 (主要商品の概要) 定期死亡保険は、低廉な保険料で大きな保障が得られる「定期型」で、死亡や所定の高度障害状態となった場合に、保険金を受け取ることができる保険です。 終身医療保険は、入院や手術に備える保険です。加入時の保険料が変わらず、一生涯保障が続く「終身型」で、保障内容に応じて、「エコノミーコース」「おすすめコース」を設けています。また、終身医療保険レディースは、女性特有の病気で入院した場合に、手厚い保障が受けられる保険です。 定期医療保険は、入院や手術に備える保険で、お客さまのニーズに合わせて保険期間を10年、20年、30年から設定できます。保障が必要な期間に合わせて備えることができ、今後ライフイベントの多いお客さまに適した保険です。 就業不能保険は、病気やケガで働けなくなった時の生活費に加え、就業復帰後も生じる治療費の負担や収入減少もサポートできる保険です。 がん保険は、がん診断から治療まで幅広くサポートする保険です。保障内容を10年ごとに見直すことができる「定期型」と、一生涯保障が続く「終身型」があります。ニーズに合わせて3つのコースから選択でき、まとまった一時金を受け取れるほか、長引く治療や収入の減少に備えることができます。また、女性特有のがんの手術を受けた場合に手厚い保障が受けられる保険もあります。 認知症保険は、認知症や軽度認知障害(MCI)の早期発見・早期治療をサポートする保険です。 なお、パートナー企業とともに販売している、Pontaポイントがたまる「auの生命ほけん」「マネーフォワードの生命保険」「Vポイントが貯まる保険」は、上記の保険商品と同一の保障内容です。 (4) 販売チャネル 当社は、インターネットを主な販売チャネルとする生命保険会社です。インターネットを活用することにより、営業職員の人件費や店舗の維持等に係る経費(販売経費)を抑えられることから、営業職員を主体とする従来の生命保険会社と比べ、相対的に低廉な保険料での商品提供が可能となります。 個人保険事業においては、お客さまが当社のウェブサイト等を通じて保険に申し込む「ダイレクトビジネス」と、パートナー企業のウェブサイトやアプリを通じて保険に申し込む「パートナービジネス」の2つの販売チャネルを有しています。当社の店舗であるウェブサイトでは、商品内容の説明に加え、お客さまに適した保障を選んでいただくためのコンテンツを工夫するなど、ウェブサイトを初めて訪れるお客さまにもわかりやすい説明を心がけるとともに、お客さま視点のUI/UX向上のための改善活動を重ね、ストレスフリーな顧客体験を提供しています。コンタクトセンターでは、保険の申し込みや見直しでお悩みのお客さまに向けて、電話、メールやチャットによって、経験豊富な保険プランナーが保険選びをサポートしているほか、人とAIが協働する次世代コンタクトセンターを目指して、対話型AIを導入し応対品質の向上を実現するなど、様々なITサービスを活用した保険サービスを提供することで、お客さまの利便性の向上を図っています。また、開業以来、ダイレクトビジネスで培ってきたオンラインでの生命保険販売の知見を活かし、昨今では様々な業種の企業との協業を拡大しています。幅広い顧客基盤とブランド力を有するパートナー企業の経済圏に保険ビジネスを組み込むことで、より多くのお客さまに当社の商品・サービスを提供しています。 団体信用生命保険事業においては、KDDIグループの一社であるauじぶん銀行株式会社の住宅ローン利用者に向けて、2023年7月から団体信用生命保険を提供しています。また、2025年11月には京都信用金庫との間で団体信用生命保険に関する業務提携契約を締結しており、2026年7月から団体信用生命保険の提供を開始する予定です。今後DX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進する銀行業界において、オンライン生保が大きな役割を果たしていけるよう、提携先銀行の拡大を見据えながら団体信用生命保険事業の成長を目指します。 [主な販売チャネル別アクセス経路]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 「正直に、わかりやすく、安くて、便利に。」というマニフェストのもと、顧客視点で商品・サービスを設計・開発し競争力を維持・強化。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 生命保険業免許に基づき事業を営んでおり、新規参入には規制による障壁が存在する。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:競争状況に係るリスク / 保険獲得キャッシュ・フローの投下に係るリスク / 死亡率・罹患率等に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ライフネット生命は、オンライン専業という新しいビジネスモデルを提唱し、ブランド認知度向上に努めている。しかし、伝統的な保険会社と比較して、長年培われた信頼やブランド力はまだ限定的であり、特許や独占的IPも特筆すべきものはない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
保険契約は一般的に長期にわたるため、乗り換えには手間やコストがかかる可能性がある。しかし、ライフネット生命は比較的新しい商品ラインナップであり、顧客のスイッチングコストを劇的に高めるような囲い込み策は現時点では見られない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
保険業は本質的にネットワーク効果が働きにくいビジネスモデルである。ライフネット生命も例外ではなく、顧客が増えることでサービスの価値が直接的に向上するような仕組みは存在しない。
コスト優位★★★☆☆
オンライン専業であるため、店舗網を持たず、営業職員の人件費や物件費を大幅に削減できる。これにより、同業他社と比較して、一般的に低コストでの運営が可能となり、それが保険料の安さにつながっている。
規模の経済★☆☆☆☆
オンライン専業というニッチな市場で一定のシェアを確保しているが、業界全体の規模に対して最適化された少数寡占を形成しているとは言えない。今後の成長次第でスケールメリットは拡大する可能性がある。
- インターネット販売によるコスト優位性ライフネット生命は、インターネットを主要な販売チャネルとすることで、営業職員の人件費や店舗維持費といった販売経費を大幅に削減しています。これにより、従来の対面販売を主力とする生命保険会社と比較して、相対的に低廉な保険料で商品を提供できる点が大きな強みです。
- シンプルで分かりやすい商品設計個人向けの保険商品は、複雑な特約や配当をなくし、シンプルで分かりやすい保障内容に特化しています。これにより、顧客がインターネット上で商品を比較・理解し、納得して契約しやすい環境を整えることで、顧客獲得に繋げています。例えば、「かぞくへの保険」や「じぶんへの保険」シリーズなどがこれに該当します。
- パートナーシップによる顧客基盤拡大KDDI、セブン・フィナンシャルサービス、マネーフォワード、三井住友カードといった大手企業との協業を通じて、それぞれのパートナーが持つ幅広い顧客基盤にリーチしています。例えば、「auの生命ほけん」や「Vポイントが貯まる保険」のように、提携先のブランド力や経済圏を活用することで、自社だけでは獲得が難しい顧客層へのアプローチを可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりです。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、2008年の開業以来「ライフネットの生命保険マニフェスト」(以下、「マニフェスト」)を掲げ、経営理念を「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」と定めています。デジタルテクノロジーを活用しながら、一貫してお客さま視点で商品・サービスを提供し、生命保険の未来をつくるオンライン生保のリーディングカンパニーとなることで、「安心して、未来世代を育てられる社会」の実現を目指します。 (2) 経営環境 当社グループを取り巻く事業環境として、主に以下の4点を認識しています。 1点目は、オンライン金融の全世代への浸透及びオンライン生保市場のさらなる成長可能性です。テクノロジーの普及に伴い、お客さまの行動様式や企業の事業環境が変化する中、スマートフォン等を活用したオンライン金融は、若年層のみならず全世代にとって身近なものとして広がっています。生命保険業界においても、オンライン化への構造的変化は不可逆なものであり、利便性のさらなる向上や幅広い年代のニーズに対応した商品・サービスの提供が求められていると認識しています。このような環境において、オンライン生保市場におけるリーディングカンパニーである当社グループが圧倒的な地位を確立し続けるためには、提供価値の一層の磨き上げに加え、新たな価値の創出が必要であると考えています。 2点目は、AIのビジネス・生活への広い普及です。便利なITサービスやAIが広く普及し、AIエージェントが業務オペレーションを劇的に変化させる可能性が指摘されています。このような事業環境において事業規模をより一層拡大するためには、AIをはじめとするテクノロジーを迅速に取り入れ、最大限に活用していく必要があります。当社グループは、AI活用による新たな保険体験の創出に取り組むとともに、社内におけるAI利用の拡大等を通じてオペレーションを抜本的に見直し、生産性を向上させることで、持続的な成長を実現していくことが重要であると考えています。 3点目は、巨大な金融・オンライン経済圏の再編の加速です。異業種の企業によるオンライン金融サービスへの関心が非常に高まっており、ポイントなどの経済圏を活かした事業を推進する企業が存在感を高めていると認識しています。当社グループにおいても、様々な業種のパートナー企業との提携を実現しています。パートナー企業の戦略やポイントなどの経済圏に保険ビジネスが組み込まれることを通じて、オンライン生保市場のさらなる成長可能性が見込めるという認識のもと、今後もパートナー企業にとって魅力ある商品・サービスの開発・提供を行うとともに、当社グループ自身のブランド力の強化を通じてパートナー企業に選ばれる存在であり続けることが重要であると考えています。 4点目は、金利上昇及びインフレの継続をはじめとするマクロ経済環境の変化です。こうした外部環境の変化は、個人保険分野におけるお客さまの多様なニーズの顕在化や、団体信用生命保険(以下、「団信」)分野における提携金融機関の競争環境に影響を及ぼしています。当社グループはこの状況を好機と捉え、強みを活かした競争力のある商品・サービスを提供していくことが重要であると考えています。 (3) 中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題 当社グループは、今後も力強い成長を継続しながら、企業価値の向上及び社会課題の解決に取り組むため、2024年5月に経営方針及び2028年度を最終年度とする5年間の中期計画を策定するとともに、これらを通じて当社グループが実現したい社会として「アウトカム目標」を設定しています。 中期計画における経営指標として設定した包括資本(Comprehensive Equity)は、当社グループの定義する指標です。国際財務報告基準(以下、「IFRS」)の連結財政状態計算書の「資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)」に、保険サービスを提供するにつれて認識する未稼得の利益を表す負債である「CSM*1」(保険契約及び再保険契約を合算し税調整後)及び団信の保有契約に対する将来の更新分も含めた将来のIFRS損益の価値である「団信契約価値」を合計したものです。保有する保険契約の将来の利益の評価額を含むことから、当社グループの企業価値を表す指標として定めています。*1. CSMはContractual Service Marginの略であり、将来において保険サービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表します。 ○経営方針の骨子経営理念正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する目指す姿生命保険の未来をつくるオンライン生保のリーディングカンパニー大切にする価値観Lifenetter Values 1. Manifesto driven お客さまを起点にする 2. Ownership 自ら動く 3. Teamwork 多様な仲間を力にする 4. Growth mindset 変わりつづける 5. Be ambitious 元気に、明るく、楽しく ○中期計画(2024年度~2028年度)の骨子成長戦略重点領域(事業)Tech & Services・AIやマイナンバー制度をはじめ様々なITサービスを活用することで、お客さまの利便性を追求する。Rebranding・今の時代やお客さまの価値観にあわせて、ライフネットブランドを再構築する。Embedded・パートナー企業とともに、保険やサービスをシームレスに届ける。人材戦略重点領域に注力するための組織体制移行の推進従業員の成長と事業成長の好循環の創出「ライフネットの生命保険マニフェスト」を基軸とした組織風土の維持・強化2028年度目標経営目標包括資本(Comprehensive Equity)の2,000億円~2,400億円到達財務目標株価:3,000円以上1株当たり包括資本成長率:10%程度非財務目標(人材)エンゲージメントスコア(総合):継続的に向上 [多様性]意思決定者*2に占める割合:女性 30%以上、30代以下 15%以上 [成長機会]エンゲージメントスコア(成長):継続的に向上*2. 意思決定者とは、取締役及び部門長以上の役職者を指します。 ○実現したい社会「アウトカム目標」の設定アウトカム目標安心して、未来世代を育てられる社会参考指標*3オンライン生保の市場浸透率、未来の生活見通し、子育てのしやすさ*3. オンライン生保の市場浸透率は、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」において、加入意向のあるチャネル及び直近加入契約の加入チャネルについて「インターネットを通じて」と回答した人の割合、未来の生活見通しは、内閣府の「国民生活に関する世論調査」において、「今後の生活の見通し」について「良くなっていく」と回答した人の割合、子育てのしやすさは、内閣府の「社会意識に関する世論調査」において、「社会の満足度(満足している点)」について「子育てしやすい」と回答した人の割合に基づき計測します。 (優先的に対処すべき課題)①オンライン生保の提供価値の変革 重点領域「Tech & Services」を、当社グループ全体の競争力を高めるための重要な取組みと位置づけ、個人保険事業及び団信事業において、オンライン生保だからこそ実現できるお客さまサービスの変革を実現することを目指します。AIやマイナンバー制度などのデジタルインフラを積極的に生命保険に取り入れるため、専門組織を強化し、先進性のある保険サービスの提供に努めます。保険申込のご検討者に対してアプローチ方法を高度化することに加え、お客さまの各種手続き(お申し込み・ご契約中・保険金給付金のご請求等)の利便性を高めることに取り組み、生命保険のあり方を変える顧客体験の構築を目指します。また、テクノロジーを活用し、お客さまに対してより良いサービスの提供を行いながら、同時に社内の生産性を高めるための取組みも推進し事業費効率の改善に努めます。 ②ダイレクトビジネスのさらなる成長に向けた取組み強化 重点領域の「Rebranding」に取り組み、ライフネットブランドを今の時代の価値観にあわせて更新することで、オンライン生保のリーディングカンパニーとしての提供価値を一層磨き、競合他社とは一線を画した存在になることを目指します。そのために、主力のダイレクトビジネスにおいて、主なターゲット層である若年層のお客さまへの訴求を軸に据えつつも、デジタルシフトが進む中、オンラインで加入を希望するあらゆる世代のお客さまへと対象を拡大し、オンラインモデルを活用した商品及びサービスの強化、マニフェストに基づいた当社イメージの再構築、潜在顧客のナーチャリング施策の拡充を進めます。 ③協業パートナーとのビジネスの深化と拡充 当社グループは、重点領域「Embedded」に注力し、個人保険事業のパートナービジネス及び団信事業において、各協業先との取組みを強化するとともに新規協業先の開拓に努め、収益機会の拡大を目指します。 まず、個人保険事業のパートナービジネスにおいては、パートナー企業の重点領域や経済圏に保険ビジネスが積極的に組み込まれるよう、各パートナー企業の特性にそった戦略を立案し、推進します。特に、巨大な金融経済圏を有する主要パートナーであるKDDI株式会社、三井住友カード株式会社との連携の深化に加え、航空領域において強固な顧客基盤を有する日本航空株式会社との新たな提携により、一層の成長に努めます。今後も提携パートナーの拡大及びパートナー経済圏の深掘りの両軸でEmbeddedの拡大を目指し、高いブランド力と幅広い顧客基盤を有する新たな企業との協業についても積極的に検討してまいります。将来的には、パートナービジネスを、ダイレクトビジネスと並び当社グループの成長を支える柱へと育てていく方針です。 次に、団信事業においては、団信のご加入者と契約者である金融機関に当社グループと提携するメリットを感じていただけるようオンライン生保ならではの価値を届け、新規の住宅ローン契約の増加に貢献してまいります。現在提携しているauじぶん銀行株式会社に加え、2026年7月からは新たな提携パートナーである京都信用金庫への団信提供を開始する予定です。今後も新たなパートナー金融機関の開拓に積極的に取り組みます。魅力ある団信商品の提供を通じて新規の住宅ローン契約の増加に貢献するとともに、金融サービスにおいてもオンライン化が進展する中、オンライン生保である当社グループとの提携が、銀行のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも寄与することを目指します。 ④重点領域を支える人的資本の強化 当社グループは、業界の常識にとらわれず、中長期にわたって力強い成長を実現することを目指して、マテリアリティに掲げる「多様性を大切にする」「成長の機会をつくる」を軸に人的資本強化への取組みを推進します。その中で、中期計画の人材戦略においては、個人保険と団信の両事業を横断する3つの重点領域に注力するために組織体制の移行を推進すること、従業員の成長と事業成長の好循環の創出、マニフェストを基軸とした組織風土の維持・強化の3点に努めます。組織体制移行の推進については、全社一丸となって重点領域に取り組めるよう組織の枠組みを超えた活動を強化するとともに人材ポートフォリオの最適化に向け、対応を推進します。次に、従業員の成長と事業成長の好循環の創出について、当社グループは、開業以来多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、オンライン生保という類のないビジネスモデルを作り上げてきたと考えています。2026年度からは、各従業員が持つスキルをより活かしながら、新たな業務への挑戦を促すため、評価報酬制度を刷新しました。あわせて、より一層の持続可能な組織を構築するために、新卒や第二新卒を中心とした若手社員の積極採用を進めます。さらに、マニフェストを基軸とした組織風土の維持・強化については、マニフェストに基づいた事業運営を行うことが当社グループの経営理念の体現であり、また魅力ある多様な人材の確保に寄与していると認識しています。事業の拡大に伴い組織が大きくなる中で、改めてマニフェストを基軸にした社内風土を醸成し、多様な知見・経験・アイデアを持つ従業員が活躍できる環境と重点領域に注力できる推進体制を強化します。 以上の取組みを推進することで、さらなる成長を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりです。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、2008年の開業以来「ライフネットの生命保険マニフェスト」(以下、「マニフェスト」)を掲げ、経営理念を「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」と定めています。デジタルテクノロジーを活用しながら、一貫してお客さま視点で商品・サービスを提供し、生命保険の未来をつくるオンライン生保のリーディングカンパニーとなることで、「安心して、未来世代を育てられる社会」の実現を目指します。 (2) 経営環境 当社グループを取り巻く事業環境として、主に以下の4点を認識しています。 1点目は、オンライン金融の全世代への浸透及びオンライン生保市場のさらなる成長可能性です。テクノロジーの普及に伴い、お客さまの行動様式や企業の事業環境が変化する中、スマートフォン等を活用したオンライン金融は、若年層のみならず全世代にとって身近なものとして広がっています。生命保険業界においても、オンライン化への構造的変化は不可逆なものであり、利便性のさらなる向上や幅広い年代のニーズに対応した商品・サービスの提供が求められていると認識しています。このような環境において、オンライン生保市場におけるリーディングカンパニーである当社グループが圧倒的な地位を確立し続けるためには、提供価値の一層の磨き上げに加え、新たな価値の創出が必要であると考えています。 2点目は、AIのビジネス・生活への広い普及です。便利なITサービスやAIが広く普及し、AIエージェントが業務オペレーションを劇的に変化させる可能性が指摘されています。このような事業環境において事業規模をより一層拡大するためには、AIをはじめとするテクノロジーを迅速に取り入れ、最大限に活用していく必要があります。当社グループは、AI活用による新たな保険体験の創出に取り組むとともに、社内におけるAI利用の拡大等を通じてオペレーションを抜本的に見直し、生産性を向上させることで、持続的な成長を実現していくことが重要であると考えています。 3点目は、巨大な金融・オンライン経済圏の再編の加速です。異業種の企業によるオンライン金融サービスへの関心が非常に高まっており、ポイントなどの経済圏を活かした事業を推進する企業が存在感を高めていると認識しています。当社グループにおいても、様々な業種のパートナー企業との提携を実現しています。パートナー企業の戦略やポイントなどの経済圏に保険ビジネスが組み込まれることを通じて、オンライン生保市場のさらなる成長可能性が見込めるという認識のもと、今後もパートナー企業にとって魅力ある商品・サービスの開発・提供を行うとともに、当社グループ自身のブランド力の強化を通じてパートナー企業に選ばれる存在であり続けることが重要であると考えています。 4点目は、金利上昇及びインフレの継続をはじめとするマクロ経済環境の変化です。こうした外部環境の変化は、個人保険分野におけるお客さまの多様なニーズの顕在化や、団体信用生命保険(以下、「団信」)分野における提携金融機関の競争環境に影響を及ぼしています。当社グループはこの状況を好機と捉え、強みを活かした競争力のある商品・サービスを提供していくことが重要であると考えています。 (3) 中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題 当社グループは、今後も力強い成長を継続しながら、企業価値の向上及び社会課題の解決に取り組むため、2024年5月に経営方針及び2028年度を最終年度とする5年間の中期計画を策定するとともに、これらを通じて当社グループが実現したい社会として「アウトカム目標」を設定しています。 中期計画における経営指標として設定した包括資本(Comprehensive Equity)は、当社グループの定義する指標です。国際財務報告基準(以下、「IFRS」)の連結財政状態計算書の「資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)」に、保険サービスを提供するにつれて認識する未稼得の利益を表す負債である「CSM*1」(保険契約及び再保険契約を合算し税調整後)及び団信の保有契約に対する将来の更新分も含めた将来のIFRS損益の価値である「団信契約価値」を合計したものです。保有する保険契約の将来の利益の評価額を含むことから、当社グループの企業価値を表す指標として定めています。*1. CSMはContractual Service Marginの略であり、将来において保険サービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表します。 ○経営方針の骨子経営理念正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する目指す姿生命保険の未来をつくるオンライン生保のリーディングカンパニー大切にする価値観Lifenetter Values 1. Manifesto driven お客さまを起点にする 2. Ownership 自ら動く 3. Teamwork 多様な仲間を力にする 4. Growth mindset 変わりつづける 5. Be ambitious 元気に、明るく、楽しく ○中期計画(2024年度~2028年度)の骨子成長戦略重点領域(事業)Tech & Services・AIやマイナンバー制度をはじめ様々なITサービスを活用することで、お客さまの利便性を追求する。Rebranding・今の時代やお客さまの価値観にあわせて、ライフネットブランドを再構築する。Embedded・パートナー企業とともに、保険やサービスをシームレスに届ける。人材戦略重点領域に注力するための組織体制移行の推進従業員の成長と事業成長の好循環の創出「ライフネットの生命保険マニフェスト」を基軸とした組織風土の維持・強化2028年度目標経営目標包括資本(Comprehensive Equity)の2,000億円~2,400億円到達財務目標株価:3,000円以上1株当たり包括資本成長率:10%程度非財務目標(人材)エンゲージメントスコア(総合):継続的に向上 [多様性]意思決定者*2に占める割合:女性 30%以上、30代以下 15%以上 [成長機会]エンゲージメントスコア(成長):継続的に向上*2. 意思決定者とは、取締役及び部門長以上の役職者を指します。 ○実現したい社会「アウトカム目標」の設定アウトカム目標安心して、未来世代を育てられる社会参考指標*3オンライン生保の市場浸透率、未来の生活見通し、子育てのしやすさ*3. オンライン生保の市場浸透率は、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」において、加入意向のあるチャネル及び直近加入契約の加入チャネルについて「インターネットを通じて」と回答した人の割合、未来の生活見通しは、内閣府の「国民生活に関する世論調査」において、「今後の生活の見通し」について「良くなっていく」と回答した人の割合、子育てのしやすさは、内閣府の「社会意識に関する世論調査」において、「社会の満足度(満足している点)」について「子育てしやすい」と回答した人の割合に基づき計測します。 (優先的に対処すべき課題)①オンライン生保の提供価値の変革 重点領域「Tech & Services」を、当社グループ全体の競争力を高めるための重要な取組みと位置づけ、個人保険事業及び団信事業において、オンライン生保だからこそ実現できるお客さまサービスの変革を実現することを目指します。AIやマイナンバー制度などのデジタルインフラを積極的に生命保険に取り入れるため、専門組織を強化し、先進性のある保険サービスの提供に努めます。保険申込のご検討者に対してアプローチ方法を高度化することに加え、お客さまの各種手続き(お申し込み・ご契約中・保険金給付金のご請求等)の利便性を高めることに取り組み、生命保険のあり方を変える顧客体験の構築を目指します。また、テクノロジーを活用し、お客さまに対してより良いサービスの提供を行いながら、同時に社内の生産性を高めるための取組みも推進し事業費効率の改善に努めます。 ②ダイレクトビジネスのさらなる成長に向けた取組み強化 重点領域の「Rebranding」に取り組み、ライフネットブランドを今の時代の価値観にあわせて更新することで、オンライン生保のリーディングカンパニーとしての提供価値を一層磨き、競合他社とは一線を画した存在になることを目指します。そのために、主力のダイレクトビジネスにおいて、主なターゲット層である若年層のお客さまへの訴求を軸に据えつつも、デジタルシフトが進む中、オンラインで加入を希望するあらゆる世代のお客さまへと対象を拡大し、オンラインモデルを活用した商品及びサービスの強化、マニフェストに基づいた当社イメージの再構築、潜在顧客のナーチャリング施策の拡充を進めます。 ③協業パートナーとのビジネスの深化と拡充 当社グループは、重点領域「Embedded」に注力し、個人保険事業のパートナービジネス及び団信事業において、各協業先との取組みを強化するとともに新規協業先の開拓に努め、収益機会の拡大を目指します。 まず、個人保険事業のパートナービジネスにおいては、パートナー企業の重点領域や経済圏に保険ビジネスが積極的に組み込まれるよう、各パートナー企業の特性にそった戦略を立案し、推進します。特に、巨大な金融経済圏を有する主要パートナーであるKDDI株式会社、三井住友カード株式会社との連携の深化に加え、航空領域において強固な顧客基盤を有する日本航空株式会社との新たな提携により、一層の成長に努めます。今後も提携パートナーの拡大及びパートナー経済圏の深掘りの両軸でEmbeddedの拡大を目指し、高いブランド力と幅広い顧客基盤を有する新たな企業との協業についても積極的に検討してまいります。将来的には、パートナービジネスを、ダイレクトビジネスと並び当社グループの成長を支える柱へと育てていく方針です。 次に、団信事業においては、団信のご加入者と契約者である金融機関に当社グループと提携するメリットを感じていただけるようオンライン生保ならではの価値を届け、新規の住宅ローン契約の増加に貢献してまいります。現在提携しているauじぶん銀行株式会社に加え、2026年7月からは新たな提携パートナーである京都信用金庫への団信提供を開始する予定です。今後も新たなパートナー金融機関の開拓に積極的に取り組みます。魅力ある団信商品の提供を通じて新規の住宅ローン契約の増加に貢献するとともに、金融サービスにおいてもオンライン化が進展する中、オンライン生保である当社グループとの提携が、銀行のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも寄与することを目指します。 ④重点領域を支える人的資本の強化 当社グループは、業界の常識にとらわれず、中長期にわたって力強い成長を実現することを目指して、マテリアリティに掲げる「多様性を大切にする」「成長の機会をつくる」を軸に人的資本強化への取組みを推進します。その中で、中期計画の人材戦略においては、個人保険と団信の両事業を横断する3つの重点領域に注力するために組織体制の移行を推進すること、従業員の成長と事業成長の好循環の創出、マニフェストを基軸とした組織風土の維持・強化の3点に努めます。組織体制移行の推進については、全社一丸となって重点領域に取り組めるよう組織の枠組みを超えた活動を強化するとともに人材ポートフォリオの最適化に向け、対応を推進します。次に、従業員の成長と事業成長の好循環の創出について、当社グループは、開業以来多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、オンライン生保という類のないビジネスモデルを作り上げてきたと考えています。2026年度からは、各従業員が持つスキルをより活かしながら、新たな業務への挑戦を促すため、評価報酬制度を刷新しました。あわせて、より一層の持続可能な組織を構築するために、新卒や第二新卒を中心とした若手社員の積極採用を進めます。さらに、マニフェストを基軸とした組織風土の維持・強化については、マニフェストに基づいた事業運営を行うことが当社グループの経営理念の体現であり、また魅力ある多様な人材の確保に寄与していると認識しています。事業の拡大に伴い組織が大きくなる中で、改めてマニフェストを基軸にした社内風土を醸成し、多様な知見・経験・アイデアを持つ従業員が活躍できる環境と重点領域に注力できる推進体制を強化します。 以上の取組みを推進することで、さらなる成長を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における日本経済は、前連結会計年度からの雇用・賃金の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、長引く物価上昇により実質的な購買力への影響が残るなど、個人消費は依然として力強さを欠き、先行き不透明な状況が続いています。 金融市場においては、日本銀行の追加利上げに伴い引き続き国内金利は上昇基調で推移するなど、さらに金利のある世界への移行が進む一年となりました。 生命保険業界においては、金利上昇環境の定着を受けた商品性の見直しが進むとともに、生成AIをはじめとする最新のデジタル技術を実業務へ導入する動きが本格化し、事業環境の変革が一段と加速しています。 このような環境の中で、当社グループは、「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」という経営理念のもと、インターネットを主軸にビジネスを展開する生命保険会社として開業から18年目を迎えました。当連結会計年度においては、2025年6月に代表取締役社長の交代を含む新経営体制を発足させるとともに、2025年7月には東京証券取引所グロース市場からプライム市場への上場市場区分の変更を行い、持続的な成長に向けた新たな一歩を踏み出しました。 (契約の状況) 当連結会計年度末の個人保険及び団体信用生命保険(以下、「団信」)を合算した保有契約年換算保険料*1は、前連結会計年度末比108.0%の37,290百万円となりました。内訳について、個人保険は前連結会計年度末比106.8%の28,718百万円、団信は前連結会計年度末比112.2%の8,571百万円となりました。 個人保険における保有契約件数、新契約年換算保険料及び新契約件数、解約失効率は次のとおりです。保有契約件数は、前連結会計年度末比107.7%の686,237件となりました。また、当連結会計年度の新契約年換算保険料は、前連結会計年度比116.1%の3,384百万円、新契約件数は、前連結会計年度比118.7%の86,990件となりました。また、当連結会計年度の解約失効率*2は、5.5%(前連結会計年度5.7%)となりました。*1.年換算保険料とは、1回当たりの保険料(団信は、保有契約をもとに算出される翌月の収入保険料)について保険料の支払い方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額をいいます。当社商品の保険料は全て月払いのみとなっているため、1ヶ月当たりの保険料に12を乗じたものを年換算保険料としています。なお、当連結会計年度末の団信の保有契約年換算保険料は、2026年3月の保険料率をもとに算出しています。*2.解約失効率は、解約・失効の件数を月々の保有契約件数の平均で除した比率を年換算した数値です。 (収支の状況)(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日)増減額保険収益30,08134,3884,306保険サービス損益9,57611,6062,029金融損益*3△33266300その他の損益*4△363△483△119税引前利益9,17911,3892,210親会社の所有者に帰属する当期利益5,9938,0412,048 当連結会計年度の保険収益は、前連結会計年度比114.3%の34,388百万円となりました。内訳について、個人保険に係る保険収益は26,370百万円、団信に係る保険収益は8,018百万円となりました。個人保険については、保険収益を構成する主要な要素のうち、「予想保険金及び維持費*5」は12,197百万円、「消滅したリスクに関する非金融リスクに係るリスク調整の変動」は1,676百万円、「提供したサービスについて認識したCSM*6」は7,871百万円となりました。保険サービス損益は、個人保険において実際に発生した保険金等が予想保険金等を下回ったことに加え、団信に係る利益が増加したことなどにより、前連結会計年度比121.2%の11,606百万円となりました。金融損益は、保有を増加させた社債からの金利収益が増加したことなどにより、266百万円となりました。その他の損益は、保険サービスに直接関連しない費用の計上等により、△483百万円となりました。 以上の結果、税引前利益は、前連結会計年度比124.1%の11,389百万円となりました。また、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比134.2%の8,041百万円となりました。 なお、当連結会計年度において発生した保険契約の履行に直接関連する費用のうち、保険契約群団の獲得に直接起因する費用(マーケティング、新規契約の査定及びシステムに係る費用等の合計)である保険獲得キャッシュ・フローは前連結会計年度比106.6%の10,458百万円、保険獲得キャッシュ・フローに含まれない費用である維持費は前連結会計年度比98.2%の4,977百万円となりました。*3.金融損益とは、主に金融資産から生じる投資損益、保険金融収益または費用、再保険金融収益または費用の小計です。*4.その他の損益とは、保険サービスに直接関連しない費用、保険事業以外の損益を指し、商品開発費用や子会社の損益等が含まれます。*5.維持費とは、保険契約の履行に直接関連する費用のうち、保険獲得キャッシュ・フローに含まれない費用を指し、保険契約の管理及び維持に係る費用や保険サービス提供のための間接費用が含まれます。*6.CSMはContractual Service Marginの略であり、将来において保険サービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表します。 (財政状態) 当連結会計年度末の総資産は、121,834百万円(前連結会計年度末116,178百万円)となりました。主な勘定残高として、高格付けの公社債を中心とする投資有価証券は72,503百万円、保険契約資産は28,290百万円となりました。保険契約は一般的には負債として計上されるものの、当社グループは以下の表「保険契約負債の内訳」のとおり、個人保険の保険契約負債はマイナスとなることから保険契約資産として計上しています。その内訳は、個人保険における将来キャッシュ・フロー現価△143,094百万円、リスク調整17,418百万円及びCSM97,385百万円となりました。また、団信においては保険料配分アプローチを適用して測定し、保険契約負債として786百万円を計上しました。 保険契約負債の内訳(単位:百万円)将来キャッシュ・フロー現価(保険金等から保険料を差し引いた収支の現価)△143,094リスク調整17,418CSM97,385個人保険における保険契約負債 合計△28,290団信における保険契約負債(保険料配分アプローチを適用して測定する契約に係る保険契約負債)786 負債は、26,223百万円(前連結会計年度末24,058百万円)となりました。主な勘定残高は、繰延税金負債20,865百万円となりました。 資本は、保険金融費用積立金が減少した一方で、当期利益を計上したことにより、95,610百万円(前連結会計年度末92,120百万円)となりました。 また、経営の健全性を判断するための行政監督上の指標として、2026年3月末より「経済価値ベースのソルベンシー規制」が導入されました。新たな経済価値ベースによるソルベンシー・マージン比率(ESR)*7は、当連結会計年度末において、333%となり、十分な支払い余力を維持しています。なお、当社のビジネスの実態を考慮して、対象とするリスク等を調整した内部ESR*8は、当連結会計年度末において394%(前連結会計年度末356%)となりました。*7、*8.当連結会計年度末の経済価値ベースによるソルベンシー・マージン比率(ESR)及び内部ESRの数値は速報値であり、経済価値ベースのバランスシートに関する外部監査が未了であること等により、最終的な数値とは異なる可能性があります。 (商品・サービスなどの取組み) 当連結会計年度においては、代表取締役社長の交代を含む新経営体制を発足させ、新たなリーダーシップのもとで「最高の保険体験」を届けるべく、テクノロジーを最大限活用し、オンライン生保としての本質的な進化を目指すとともに、事業基盤の拡大に注力しました。2025年7月には、東京証券取引所プライム市場へ上場市場区分を変更し、次の成長ステージに向けて前進しました。また、同月に、オンライン上の比較検討の体験価値向上を目指し、株式会社アドバンスクリエイトと資本業務提携を結びました。 個人保険事業においては、2025年12月に新商品の「定期がん保険」及びリニューアルした「終身がん保険」の販売を開始し、若年層のお客さまを主要なターゲットとした定期型シリーズが個人保険業績を牽引しました。団信事業においては、従来のauじぶん銀行株式会社の住宅ローン利用者に向けた商品提供に加え、2025年11月に新たに京都信用金庫と業務提携契約を締結し、中長期的な成長に向けた顧客・販売基盤の強化につながっています。 また、お客さまの利便性向上にも継続的に取り組みました。2025年8月には保険金・給付金の「最短当日支払い」を開始し、さらに、2025年11月にはコンタクトセンターに対話型AI及びAIボイスボットを導入し、応対品質の向上を図ったほか、2026年3月からはご契約者さまのご要望にお応えし、契約内容をお知らせする「ライフネット生命レター」の電子化を開始しました。テクノロジーを活用した継続的なサービス提供を通じ、お客さまへ一層の安心と、さらなる質の高い顧客体験を創出することができています。 このような取組みが外部機関からも評価され、当連結会計年度においても多数のアワードを獲得しました。「2026年 オリコン顧客満足度®調査」の生命保険ランキングにおいて、2年連続で総合第1位を受賞したほか、「定期型医療保険(専門家評価)」でも総合第1位となり、2冠を達成しました。これは、お客さまに寄り添った利便性を高めるための継続的な取組みが、専門家及び生活者の双方から高く評価されていることの証左であると考えています。お客さま対応においては、コンタクトセンターとウェブサイトが2025年「HDI格付けベンチマーク(公開格付け調査・生命保険業界)」において業界最多記録(当社調べ)となる13回目の最高評価を受賞しました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に保有契約の増加に伴う保険料の増加により、8,820百万円の収入(前連結会計年度7,279百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の取得により、12,181百万円の支出(前連結会計年度14,295百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、主にリース負債の返済により、282百万円の支出(前連結会計年度164百万円の支出)となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、13,598百万円(前連結会計年度末17,234百万円)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 生命保険業においては、該当する情報がないため記載していません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営状況の分析等 当社グループは、2024年5月に経営方針及び2028年度を最終年度とする5年間の中期計画を策定しました。企業価値を表す経営指標として包括資本を設定し、経営目標に「2028年度における包括資本の2,000億円~2,400億円到達」を掲げています。中期計画の詳細は、第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](3)中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題をご参照ください。 包括資本の構成要素、成果及び分析は以下のとおりです。 (包括資本について) 2023年度から国際財務報告基準(IFRS)を適用していることから、当社グループの企業価値を表す最も重要な経営指標をIFRSに基づいた「包括資本(Comprehensive Equity)」と定めました。包括資本は、当社グループの定義する指標で、IFRSの連結財政状態計算書の「資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)」に、保険サービスを提供するにつれて認識する未稼得の利益を表す負債である「CSM」(保険契約及び再保険契約を合算し税調整後)及び団信保有契約に対する将来の更新分も含めた将来のIFRS損益の価値である「団信契約価値」を合計したものから構成されます。 (包括資本の計算結果と変動要因分析) 当連結会計年度末の包括資本は、前連結会計年度末比5.4%増加の176,149百万円となりました。IFRS資本は95,600百万円、CSM(税調整後)は65,232百万円、団信契約価値は15,315百万円となりました。(単位:百万円) 前連結会計年度末(2025年3月末)当連結会計年度末(2026年3月末)増減包括資本167,090176,1499,059IFRS資本92,10995,6003,491CSM(税調整後)61,14065,2324,092団信契約価値13,84015,3151,475 また、前連結会計年度末から当連結会計年度末までの包括資本の変動要因分析は以下のとおりです。 (単位:百万円)2025年3月末包括資本167,090 CSMの変動*1 2025年度の新契約CSM3,346 利息による増加683前提変更等による調整5,328CSMリリース△5,266 団信の変動*1 団信契約価値の変動2,547 団信契約価値の金利変動影響△1,071 資本の変動*1 当期利益*28,041 その他の包括利益△4,596 その他 その他の資本の変動46 2026年3月末包括資本176,149 *1.税効果(28.9%)控除後の金額です。*2.親会社の所有者に帰属する当期利益です。 前連結会計年度末から当連結会計年度末にかけて、包括資本は9,059百万円増加しました。当連結会計年度においては、個人保険の新契約業績が獲得効率の改善を伴いながら好調に推移したことにより新契約CSMを計上したことに加え、事業費効率の改善等に伴う前提変更等による調整額を計上したことが主な増加要因です。一方で、金利やインフレ率の上昇等のマクロ環境は押し下げ要因となりました。当社グループでは、包括資本の変動要因を、経営努力によるものとマクロ環境等によるものに分類して認識しています。経営努力による変動となる個人保険及び団信の契約業績の成長等を通じた事業規模の拡大と、それによる事業費の効率改善に注力し、包括資本を持続的に成長させることを目指します。 (重点指標及びその他の指標) 当社グループは、包括資本の持続的な成長を支える重点指標として、成長性指標に個人保険及び団信を合算した保有契約年換算保険料、収益性指標に保険サービス損益を掲げています。 成長性指標である保有契約年換算保険料は、前連結会計年度末比108.0%の37,290百万円となりました。内訳として、個人保険は前連結会計年度末比106.8%の28,718百万円、団信は前連結会計年度末比112.2%の8,571百万円となりました。個人保険においては、中期計画の重点領域に基づき、定期型シリーズを中心とした商品ラインナップの拡充、テクノロジーを活用した利便性の高いサービスの提供に加え、ダイレクトチャネル・パートナービジネスチャネル双方のプロモーションの最適化を推進することで、力強く反転しました。団信においては、提携するパートナーの住宅ローン事業の動向により、成長ペースは前連結会計年度と比較して緩やかとなったものの、着実な積み上げを実現しました。収益性指標である保険サービス損益は、前連結会計年度比121.2%の11,606百万円となりました。主に、個人保険において実際に発生した保険金等が予想保険金等を下回ったことに加え、団信において団信保険料収入の着実な増加と発生保険金等が想定よりも少なかったことにより団信利益が増加したことによるものです。 その他の指標として、保険獲得キャッシュ・フロー*3を個人保険における新契約件数で除した新契約1件当たりの保険獲得キャッシュ・フロー効率は、前連結会計年度の13.3万円から当連結会計年度は12.0万円となりました。当連結会計年度は、契約業績の反転を目指して保険獲得キャッシュ・フローは前連結会計年度よりも増額した一方で、ブランドメッセージの見直しやウェブ広告の内製化などの質を高めるマーケティング戦略を推進したことで、契約獲得効率である保険獲得キャッシュ・フロー効率は改善しました。また、保険獲得キャッシュ・フローを除く経費を経過保有契約年換算保険料で除した割合を示す保険獲得キャッシュ・フローを除く経費率は、前連結会計年度の16.7%から当連結会計年度は15.1%となりました。主に、個人保険・団信の両事業の成長による事業規模の拡大と生産性の向上によりスケールメリットが働き、保険獲得キャッシュ・フローを除く経費率が改善しました。*3.保険獲得キャッシュ・フローとは、保険契約群団の獲得増加に直接起因する費用であり、主に、従来の営業費用に新契約査定に係る費用及びシステムに係る費用を加えたものです。 (中期計画の財務目標及び非財務目標) 当社グループは、中期計画において経営目標に加え、財務目標と非財務目標を掲げています。詳細は第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](3)中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題をご参照ください。 まず、財務目標は、企業価値の持続的な成長を通じた株主・投資家の皆さまに対するリターンの向上を目指して、2028年度に「株価3,000円以上」と「1株当たり包括資本成長率10%程度」を掲げています。株価は当連結会計年度末で2,011円(前連結会計年度末1,742円)となり、1株当たりの包括資本は前連結会計年度比105.4%の2,193円となりました。財務目標の達成に向けては、事業成長による企業価値の向上に加え資本市場からの評価を改善することが重要であると認識しています。そのため、中期計画の重点領域の推進に加え、株主価値への強力なコミットメント、株主・投資家との積極的でオープンな対話、経営・ガバナンス体制の強化、投資家層の拡大・市場流動性の向上に継続的に取り組み、目標の到達を目指します。 次に、人的資本に係る非財務目標は、「エンゲージメントスコア(総合)の継続的向上」「意思決定者に占める女性の割合30%以上、30代以下の割合15%以上」「エンゲージメントスコア(成長)の継続的向上」を掲げています。エンゲージメントスコア(総合)は72(前連結会計年度72)、多様性の指標である意思決定者に占める女性の割合は27.3%(前連結会計年度末28.6%)及び30代以下の割合は9.1%(前連結会計年度末5.7%)、成長機会を示すエンゲージメントスコア(成長)は69(前連結会計年度69)となりました。人的資本に関する取組みの詳細は、第2[事業の状況]2[サステナビリティに関する考え方及び取組](4)人的資本をご参照ください。 b. ソルベンシー・マージン比率(a) ソルベンシー・マージン(支払余力)の考え方 ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株式市場の暴落など、通常の予測の範囲を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための経営指標・行政監督上の指標のひとつです。具体的には、保険会社の資産、負債を経済価値ベースで評価したバランスシートを作成した上で、ストレス環境下で発生するリスク量(所要資本)を計測し、それに対する資本(適格資本)の十分性を評価します。なお、ソルベンシー・マージン比率が100%以上であれば、行政監督上、健全性についてのひとつの基準を満たしているとされます。ソルベンシー・マージン比率 =適格資本 × 100(%)所要資本 (b) ソルベンシー・マージン比率 経営の健全性を判断するための行政監督上の指標として、2026年3月末より「経済価値ベースのソルベンシー規制」が導入されました。新たな経済価値ベースによるソルベンシー・マージン比率(ESR)は、当連結会計年度末において、333%となり、十分な支払い余力を維持しています。(単位:百万円)要約(単体ベース・子会社株式に係る特例手法適用)項目2025年度末(速報値)適格資本の額(A)154,110所要資本の額(B)46,186ソルベンシー・マージン比率((A)/(B))333%(注)1.上記は、保険業法施行規則第86条、87条及び令和7年金融庁告示第74号の規定に基づいて算出しています。ただし、経済価値ベースのバランスシートに関する外部監査が未了であること等により、最終的な数値とは異なる可能性があります。2.単体ベースのソルベンシー・マージン比率の計算に子会社株式に係る特例手法を適用しているため、連結ソルベンシー・マージン比率については、単体ベースのソルベンシー・マージン比率の計算結果を準用しています。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に保有契約の増加に伴う保険料の増加により、8,820百万円の収入(前連結会計年度7,279百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の取得により、12,181百万円の支出(前連結会計年度14,295百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、主にリース負債の返済により、282百万円の支出(前連結会計年度164百万円の支出)となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、13,598百万円(前連結会計年度末17,234百万円)となりました。 当社の資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。 当社は、保険料収入を主な資金の源泉としています。また、保険金・給付金の支払いに対応するために必要な一定程度の預貯金を含め、手元流動性を確保したうえで資産運用を行っています。 当連結会計年度においても、高格付けの事業債などの円金利資産を中心とした運用を継続しました。また、適切なリスク管理のもとで国内外の株式や債券などを対象とした運用を通じて、資産の多様化を行っています。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [連結財務諸表注記] 6. 重要な会計上の見積り及び判断をご参照ください。
事業リスク
- 競争激化による業績悪化リスク日本の生命保険市場では、国内外の保険会社や大手金融機関との競争が激化しており、特にオンライン生保市場への新規参入も増えています。競争力の維持ができない場合、新規契約の減少や解約の増加により、保有契約件数が減少し、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。規模の拡大と業務効率の改善による収益性向上が困難になるリスクがあります。
- 保険獲得キャッシュ・フロー投下効率低下リスク生命保険業では、認知度向上や新規契約獲得のために広告宣伝費などの保険獲得キャッシュ・フローを積極的に投下します。しかし、営業活動の効果が不十分だったり、インターネットを通じた保険購買行動が浸透しなかったりすると、投下した費用に対する新契約の獲得が伸び悩み、キャッシュ・フロー効率が低下する可能性があります。これにより、会社の収益性が悪化するリスクがあります。
- 死亡率・罹患率変動による保険金支払い増加リスク保険料は、将来の死亡率や罹患率などの基礎率に基づいて計算されています。実際の死亡率や罹患率が予定よりも高い水準になった場合、想定よりも多くの保険金を支払う必要が生じ、会社の収益を圧迫する可能性があります。特に、医療保険やがん保険など非伝統的なリスクを保障する商品は、死亡保険に比べて罹患率の不確実性が高いという特性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは次のとおりです。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、事態発生の回避及び発生した場合の迅速かつ適切な対応に努めます。なお、本項における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) リスク管理方針 当社は生命保険会社としての財務の健全性及び業務の適切性を確保しつつ、リスク戦略を実現するため、リスク管理態勢の整備・確立が経営上極めて重要であると認識しています。これらリスク管理に係る基本的な考えを「リスク管理に関する基本方針」に定め、社内の組織態勢を確立することにより、各リスクの評価・改善態勢を整備しています。また、当社の子会社においても、これらリスク管理に係る基本的な考えを、適切な業務運営のため準用することとしています。 (2) リスク管理体制 当社では、社内の組織態勢(図参照)として、管理すべき各リスクの一次リスク管理部門を定め、リスク管理部が主な二次リスク管理部門として、リスクを統括するものとしています。また、総合的なリスク管理を行うためには、組織横断的な取組みが有効との考えに基づき、関係役員・部門長等で構成される「リスク管理委員会」を設置しています。さらに、生命保険会社にとっては、資産・負債の総合管理がリスク管理の要諦になるとの認識に立脚し、これとは別に「ALM*1委員会」を設けています。その他に、内部統制の体制整備・運営の推進を図るため、コンプライアンス体制の整備や推進状況等を協議・フォローする組織横断的な機関として、関係役員・部門長等で構成される「コンプライアンス委員会」を設置しています。*1. Asset Liability Management(資産・負債の総合管理) (3) リスクの分類 当社グループは、主要なリスクについて、事業戦略リスク、保険引受リスク、市場リスク、信用リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクに分類しています。以下は、この分類とともに当社グループの主要なリスクを示したものです。 リスク分類主要なリスクA.事業戦略リスクA-1 競争状況に係るリスクA-2 保険獲得キャッシュ・フローの投下に係るリスクA-3 提携先との関係及び提携先の業績に係るリスクA-4 日本国内の人口動態に係るリスクA-5 気候変動に係るリスクA-6 サステナビリティ全般に係るリスクA-7 法規制に係るリスクA-8 社会保障制度等の変更に係るリスクA-9 他の生命保険会社の破綻に係るリスクA-10 オンライン生保業界の風評に係るリスクA-11 技術革新に係るリスクA-12 繰延税金資産の評価に係るリスクB.保険引受リスクB-1 死亡率・罹患率等に係るリスクB-2 IFRSにおける保険契約の評価に係るリスクC.市場リスク、信用リスク、流動性リスクC-1 金利変動に係るリスクC-2 再保険取引に係るリスクC-3 株価・為替等の変動に係るリスクC-4 社債等に係る信用リスクC-5 流動性リスクD.オペレーショナル・リスクD-1 システムリスクD-2 法令等違反及び社会規範逸脱に係るリスクD-3 情報漏えいに係るリスクD-4 大規模災害等における事業継続性に係るリスクD-5 事務リスクD-6 保険金・給付金の支払い漏れに係るリスクD-7 人材の確保・維持に関するリスクD-8 訴訟リスクD-9 リスク管理体制に係るリスク (4) 特に重要性が高いリスク 「(3)リスクの分類」で分類・管理している主要なリスクのうち、発生した場合の影響度及び発生可能性に鑑みて特に重要性が高いと評価されるリスク及びその内容と対応策は以下のとおりです。 a. A-1 競争状況に係るリスク 当社グループは、日本の生命保険市場において、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、保険子会社を保有している国内の大手金融機関との競争に直面しています。競争には、価格や商品内容、契約者向けサービス、代理店手数料に関するものが含まれます。新型コロナウイルス感染症拡大以前から続く金融サービスのデジタル化は、当該感染症の拡大を背景に加速し、生命保険業界においても対面チャネルを主力としていた会社が一部オンライン化を推進するなど、新規プレイヤーが参入しており、今後、オンライン生保市場の拡大とともに競争環境の厳しさが増していく可能性は高いと考えています。当社グループが主力としている個人保険事業のダイレクトビジネスにおいて、競争力を維持できない場合には、新契約件数の減少及び解約等の増加によって保有契約件数が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは保有契約の持続的な成長を目指していますが、保有契約の成長が限定的になれば、規模の拡大と業務効率の改善による収益性の向上が実現できないこととなります。 当社グループでは、「正直に、わかりやすく、安くて、便利に。」というライフネットの生命保険マニフェストのもと、お客さま視点で商品・サービスの設計・開発を行い、お客さまの当社グループに対するエンゲージメントを高めることで競争力の維持・強化を図っています。その他、積極的な保険獲得キャッシュ・フローの投下や、パートナービジネスにおける協業の推進、団体信用生命保険事業への取組みなど、当社グループの今までの経験を活かした事業の拡大を進め、これまでに築き上げてきたオンライン生保市場での競争優位性を維持・強化してまいります。 b. A-2 保険獲得キャッシュ・フローの投下に係るリスク 生命保険業では一般的に、長期間にわたり平準的に保険料を収受する一方、契約前後の短期間に広告宣伝費・代理店手数料などが集中的に支出されます。当社グループは、認知度の向上や新契約の獲得を目的として、テレビCMや検索連動型広告に代表される各種の広告宣伝を行っており、積極的に保険獲得キャッシュ・フローを投下しています。営業活動の効果が十分に得られない場合、営業活動が適切に行われない場合、又は想定するほどにインターネットを通じた保険商品への購買行動が消費者に浸透しない場合には、保険獲得キャッシュ・フロー効率が低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 お客さまのニーズの変化や社会経済環境の動きには様々な短期的要因や長期的要因があり、それらの影響を受けて保険獲得キャッシュ・フロー効率も常に変動します。当社の商品・サービスやマーケティングにおいてこれらへの対応が適切になされない場合、今後、現状の規模での保険獲得キャッシュ・フローの投下を継続したとしても新契約業績が低下し、適正な商品の収益性が確保できないことになります。当社では、新契約の成長と保険獲得キャッシュ・フロー効率のバランスを定期的にモニタリング・分析を行いながら、保険獲得キャッシュ・フローの投下を判断してまいります。これらのコントロールを通じて、保険獲得キャッシュ・フローの投下に係るリスクの発生可能性を抑制することができると考えています。 c. B-1 死亡率・罹患率等に係るリスク 生命保険料は、予定死亡率、予定罹患率、予定解約率、予定事業費率等の基礎率に基づいて計算されています。このため、例えば、実際の死亡率が予定死亡率よりも高い水準となること、又は、過去の死亡率実績から増加することにより、想定よりも多くの保険金を支払うこととなる可能性があります。また、医療保険、就業不能保険、がん保険及び認知症保険などの非伝統的なリスクを保障する商品に用いる予定罹患率は、死亡率などの伝統的なリスクを保障する生命保険商品の基礎率に比べ、相対的に高い不確実性を内包しています。さらに、当社は、これまで、定期死亡保険・医療保険・就業不能保険・がん保険・認知症保険の保障性商品に限定した生命保険の販売を行っていることにより、リスク・ポートフォリオにおいて、リスクを分散させる効果が相対的に小さくなる可能性があります。 また、2023年7月から開始した団体信用生命保険事業においても、実際の死亡率や罹患率が保険料の計算基礎を上回り損失が発生する可能性があります。団体信用生命保険はそれぞれの契約の保険料率を1年ごとに変更する仕組みであることなどから、その損失を限定的なものとすることが可能と考えていますが、保険料率や商品設計の適切な管理がなされない場合、より長期にわたって当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、新型コロナウイルスを超えるような感染症の大流行や、東京や大阪等の人口密集地域を襲う地震・津波・テロ等の大規模災害を原因として大量の死傷者が発生した場合、当社は保険給付に関する予測不可能な債務を負うリスクにさらされます。当社は、日本基準の会計においては、保険業法上の基準に従って危険準備金を積み立てていますが、これは必ずしもあらゆる大規模災害発生時の支払いを担保するものではなく、保険金・給付金の支払いが危険準備金を超える可能性があります。 これら死亡率・罹患率等に係るリスクは、現状の国民の死亡率や疾病・障害の罹患率の動向等に鑑みれば現時点での発生可能性は低いと考えています。当社では、死亡率や罹患率等が適正な範囲を超えることがないよう、商品開発時に保障内容や診査方法等を適切に設定するとともに、死亡率や罹患率等の状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて診査方法等の見直しや商品改定を実施する体制としています。また、ストレステストを実施し、大規模災害が発生した場合の影響や対応を確認しています。 d. C-1 金利変動に係るリスク 当社は、高格付けの公社債などを資産運用の主たる手段として保有しています。今後、市場金利が大幅に上昇する場合、当社が保有している公社債の時価が想定を超えて下落する可能性があります。 また、IFRSの保険契約の評価における割引率や経済価値ベースの保険負債評価に用いる割引率は市場金利に基づいて変動します。これら金利変動に伴う公社債の時価や保険負債等の評価額の変動によって、日本基準の純資産、IFRSの資本、当社が企業価値を表す経営指標として定める包括資本及び経済価値ベースの適格資本が影響を受けます。当社によって対処し得る程度を超えて市場環境が大きく変動した場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 現在、グローバルに地政学的な緊張が継続・高進するなか、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に加え、アメリカ、イスラエル及びイランをめぐる軍事的対立の深刻化に伴う中東情勢の不安定化などが、国際的な政治経済の動向の不透明さを一層深めています。この情勢は、日本の金利、為替、株価等の金融市場の変動に重大な影響を及ぼしています。これらの状況において、金利変動の蓋然性は高まっていると認識していますが、当社は現状では十分な資本を確保し、経済価値ベースにおいても保障性商品のみで構成される商品ポートフォリオにより金利変動による影響は限定的と考えています。当社では、金利リスクを含む市場リスクに対しリスク・リミットを設定したうえで、その状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて資産運用方針等を見直す体制としています。現在、金融経済の動向を踏まえ、金利変動リスクの抑制と財務会計上の耐性を高めることを目的として、債券のデュレーションの短期化及び日本基準における会計上の保有目的区分について「その他有価証券」から「満期保有」への割合のシフトを進めています。 e. D-1 システムリスク 当社グループは、インターネットを主な販売チャネルとしており、情報システムの安定運用に依拠して、生命保険の販売、引受け、契約の管理、統計データ及び顧客情報の記録・保存などの事業運営を行っています。また、当社グループの業容拡大、商品・サービス開発の機動性確保及び業務効率化のため、毎年一定規模の情報システム投資を行っています。しかし、事故、災害、停電、ユーザー集中、人為的ミス、妨害行為、内部・外部からの不正アクセス、ウイルス感染やネットワークへの不正侵入、外部からのサービス妨害攻撃、ソフトウエアやハードウエアの異常等の要因により、当社グループの情報システムが機能しなくなる可能性があります。また、情報システムの刷新にあたり問題が発生する可能性もあります。それらの場合、機会損失や追加費用が発生する可能性があります。加えてこれらが原因で、当社グループがお客さまに提供するサービス、保険金・給付金の支払いや保険料の収納、資産運用業務などを一時的に中断せざるを得ない事態が生じる可能性があり、その結果、お客さまの信頼及び当社グループのレピュテーションの低下を招くとともに、行政処分につながるおそれがあり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、開業以来現在に至るまで大規模なシステムトラブルなどは発生しておらず、安定したシステム運用を行っています。想定外の原因により大規模なシステムトラブルが発生する可能性は、今後も低いと考えているものの、他の金融機関と同様に存在すると考えています。当社グループでは、情報システムを安定運用するための基本的な考え方や方策を社内規程等に定め、それらに基づく情報システムの開発、運用状況の監視、バックアップ体制の整備、障害発生時の対策等を行っています。また、外部からの攻撃等に備え、ファイアウォールやウイルス対策ソフト等による不正侵入や不正使用の防止と監視、ソフトウエアの脆弱性診断や、有事に適切な対応を図るためのCSIRT(Computer Security Incident Response Team)の運営等を行っています。 f. D-2 法令等違反及び社会規範逸脱に係るリスク 当社グループは、当社グループ又はその役職員、代理店、外部委託先又は顧客による不正や法令違反、例えば、違法な保険募集、顧客情報の不正利用、顧客による詐欺・なりすまし、その他の不祥事件等により、損失を被るリスクがあります。特に、違法な募集行為や顧客情報の不正利用が発生した場合には、監督当局から行政処分を受けるおそれがあるほか、当社グループへの信頼の低下、ブランドの毀損及び訴訟などの多額の費用負担につながり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、不正や法令違反には該当しない場合であっても、当社グループ又はその役職員が、社会的な規範や期待、要請に反する行為や、商慣習や市場慣行に反する行為、利用者の視点の欠如した行為に至ることにより、顧客を含むステークホルダー、市場の健全性、公正な競争、公共の利益に悪影響を及ぼす可能性があります。それらの場合、当社グループへの信頼の低下、ブランドの毀損及び対応費用の発生につながり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、オンライン生保であるため保険募集に係る不正が発生しづらいことや、事業の範囲や規模が限られること等により、発生可能性は低いと考えていますが、不祥事件等を排除又は減少させるための態勢を整備しています。当社グループでは、コンプライアンス委員会等を通じて法令等の遵守体制の整備や遵守状況の確認を定期的に実施し、必要に応じて課題や問題の改善に取り組んでいます。加えて、役職員に対し、テーマ別や階層別の研修を通して、法令等に対する意識浸透を図っています。また、当社グループでは、顧客を含むステークホルダーや社会からの期待に応えるため、経営理念を「ライフネットの生命保険マニフェスト」として定め、役職員への浸透と実現を図っています。その他、顧客からの問い合わせや苦情の分析等を通じて、顧客本位の業務運営の実現状況を定期的に確認しています。 g. D-3 情報漏えいに係るリスク 当社グループは、インターネットを活用した生命保険事業を展開しており、顧客情報(個人情報)を中心とする様々な機密情報を主に電磁的方法により保有しています。当社グループの役職員、代理店、外部委託先による顧客情報の紛失・漏えい・不正利用が発生した場合、若しくは第三者が当社グループの情報システムに侵入して顧客情報を不正取得した場合には、監督当局から行政処分を受けるおそれがあるほか、当社グループへの信頼の低下、ブランドの毀損及び訴訟や顧客への損害賠償などの多額の費用負担により、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 情報漏えいが仮に発生した場合の影響の大きさに鑑み、当社グループは、情報セキュリティ管理の重要性を経営の最重要課題の一つと認識し様々な対策を行っているため、情報漏えいの発生可能性は低く抑制できていると考えています。データの持ち出し等については、データへのアクセスやコピーの制限、ログのモニタリング等の技術的な対策を行っています。また、外部からの攻撃等に備え、ファイアウォールやウイルス対策ソフトによる不正侵入や不正使用の防止と監視、ソフトウエアの脆弱性診断や、有事に適切な対応を図るためのCSIRTの運営等を行っています。 (5) その他の主要なリスク 「(3)リスクの分類」で分類・管理している主要なリスクのうち、「(4)特に重要性が高いリスク」以外のリスクの内容は以下のとおりです。 a. A-3 提携先との関係及び提携先の業績に係るリスク 当社グループは、個人保険分野において、インターネットを通じた主力のダイレクトビジネスに加えて、収益機会の拡大を目指し生命保険業界内外の企業との業務提携を通じたパートナービジネスの取組みを強化しています。当社グループの提携先が事業上の問題に直面した場合、業界再編などによって戦略を転換した場合、又は当社グループが魅力的な提携相手でなくなったと判断された場合などには、当社グループとの業務提携が解消される、又は提携内容が変更される可能性があります。加えて、今後当社グループ以外の競合会社との提携が進む可能性があります。また、団体信用生命保険分野においては、当社グループの主要取引先であるauじぶん銀行株式会社とは安定的かつ良好な関係を構築できていますが、同社との団体信用生命保険に関する業務提携契約又はこれに関連する業務提携契約が解消される又は提携内容が変更される可能性があります。その結果、当社グループは事業戦略の変更を迫られ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 b. A-4 日本国内の人口動態に係るリスク 1960年代後半以降、日本国内の合計特殊出生率は総じて減少傾向にあり、依然として低い水準にあります。その中で、15歳から64歳までの人口(以下、「生産年齢人口」)も減少しています。このような人口動態の変化が、日本国内における生命保険市場に悪影響を与える可能性があります。また、当社が販売する生命保険商品の顧客基盤は、主にこの生産年齢人口に属しています。生産年齢人口が今後も減少し続けた場合、当社の主力商品である定期死亡保険に対する需要が減少することになり、中長期的に当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、人口動態の変化などの社会情勢の変化も踏まえながら、お客さまのニーズに応える商品・サービスを開発してまいります。 c. A-5 気候変動に係るリスク 気候変動への対応は、国際社会全体で取り組む大きな社会課題となっており、企業に対しても気候変動への適応と緩和に対する取組みが求められています。当社グループにおいても、気候変動は中長期的な業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば温暖化に伴い感染症が増加する場合や、異常気象が健康へ悪影響を及ぼす場合、自然災害等による被害が増加する場合には、保険金・給付金の支払いが増加する可能性があります。また、当社グループが社債等を通じて投資する企業において、自然災害等の被害の増加や、低炭素社会への移行に向けた制度変更、消費者選好の変化等による悪影響を受ける場合、当該企業への投資価値が低下する可能性があります。 d. A-6 サステナビリティ全般に係るリスク 社会環境や自然環境の悪化、人権や平和への侵害によって、中長期的な当社グループ事業の成長可能性と持続可能性が低下する可能性があります。そのため、持続可能な社会に向けての取組みは、当社グループにおいても社会的使命を果たしつつ長期的に企業価値を向上させていくため、事業戦略の一部として重要であると認識しています。 当社グループは、第2[事業の状況]2[サステナビリティに関する考え方及び取組](2)サステナビリティ全般に記載のとおり、マテリアリティを特定するとともに、持続可能な社会の実現に向けた取組みを行っています。これらへの当社グループ自身の取組みが不十分と評価される場合、又は当社グループが社債等を通じて投資する企業の取組みに問題がある場合、追加的なコストの発生や社会的評価の悪化を通じ、当社グループの業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 e. A-7 法規制に係るリスク 当社は、保険業法の規定による生命保険業免許を受けた保険会社であり、保険業法等による規制と金融庁の広範な監督の下にあります。保険会社に適用される法規制の改正は、当社グループの保険販売に影響を及ぼす、又は法規制に対応するための予期せぬ追加コストの発生により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 例えば、情報漏えいに対する問題意識の高まりなどから、保険募集におけるインターネットの利用を制約するような法規制が導入された場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、保険業法は、内閣総理大臣(原則として金融庁長官に権限委任。以下同じ)に対して、免許の取消し、業務の停止、立入検査、報告又は資料の提出など、保険業に関する広範な監督権限を与えています。特に、保険業法では、当社が、法令に基づく内閣総理大臣による処分を受けた場合、定款、事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書などの基礎書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反した場合、免許に付された条件に違反した場合、又は公益を害する行為をした場合に、内閣総理大臣が保険業法第133条に基づき、当社の免許を取り消すことができると定めています。仮に、当社の免許が取り消されることとなれば、当社は事業活動を継続できなくなり、解散となる可能性があります。 f. A-8 社会保障制度等の変更に係るリスク 生命保険は、相互扶助の原理に基づき、国の社会保障制度を補完する私的保障の中核を担っています。当社の商品も、国の社会保障制度を前提として設計されており、中長期的に社会保障制度の変更があった場合、訴求力を失う可能性があります。 また、私的保障の充実を促す仕組みである生命保険料控除制度が税制改正により縮小若しくは廃止となった場合、当社の新契約件数の獲得、ひいては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 g. A-9 他の生命保険会社の破綻に係るリスク 当社は、国内の他の生命保険会社とともに、破綻した生命保険会社の契約者を保護する生命保険契約者保護機構(以下、「保護機構」)への負担金支払い義務を負っています。将来的に、国内の他の生命保険会社が破綻した場合や、保護機構への負担金の支払いに関する法的要件が変更された場合には、保護機構に対する追加的な負担を求められ、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、他の生命保険会社の破綻は、生命保険業界全体に対する消費者の評価にも悪影響を与え、生命保険会社に対するお客さまの信頼を損なう可能性があります。この生命保険会社に対する不信感の影響で、当社の新契約件数の減少及び解約等による保有契約件数の減少を招き、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 h. A-10 オンライン生保業界の風評に係るリスク インターネットを通じた生命保険商品の販売は、様々なメディアにおいて「オンライン生保」という業種・業態として認知を高めつつあります。このような業界認知の向上は、当社グループの認知度向上及び成長にプラスに寄与する側面もある一方、同業他社において個人情報の漏えいやシステム障害等の問題が生じた場合は、オンライン生保業界全体に対する消費者の評価に悪影響を与え、新契約件数の減少や解約等による保有契約件数の減少により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、オンライン生保の提携先としての魅力が毀損され、ビジネスパートナーとの協業に悪影響を与える可能性もあります。 i. A-11 技術革新に係るリスク 当社グループは、インターネットを活用した生命保険業務を展開していることから、インターネットとその関連技術に精通し続けることが当社グループの成長において不可欠です。近年、保険業界においては、生成AIやビッグデータ等の先進的なデジタル技術を活用したサービスの高度化や業務効率化が進展しており、当社グループにおいてもAI技術の活用による新たな顧客価値創出に向けた取組みを進めています。しかしながら、今後、技術革新のスピードがさらに加速し、競合他社が当該分野での活用を積極的に進める中で、当社グループの技術導入や活用が相対的に遅れた場合、当社グループの提供する保険商品及びサービスが劣後し、業界内での競争力の低下を招き、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 j. A-12 繰延税金資産の評価に係るリスク 当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、その回収が見込まれる範囲内で繰延税金資産を認識しています。当社グループの経営状況の悪化や将来の見通しの変化等により、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対する繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 k. B-2 IFRSにおける保険契約の評価に係るリスク 当社グループは、2023年度よりIFRSを任意適用しています。IFRSにおいては、保険契約の評価を、報告日時点における将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定しています。将来キャッシュ・フロー及び非金融リスクに係るリスク調整の見積りについて、保険契約の評価をするにあたっての前提条件の変更があった場合、その影響額は契約上のサービス・マージン(CSM)で調整されます。しかしながら、保険事故発生率、解約失効率、維持費率の著しい悪化、又は、非金融リスクに係るリスクの著しい増大により、保険契約グループにおいてCSMで調整しきれない悪化方向の前提条件の変更を行うこととなる場合、その影響額のうちCSMを超える金額については当期の損失として計上されることになります。その結果、財務会計上の損失が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 l. C-2 再保険取引に係るリスク 当社は、主に保険引受リスクの軽減のため、再保険会社と再保険契約を締結しています。しかし、再保険契約は、取引先の存在が前提となるカウンターパーティ・リスクが伴うことから、現在の契約が履行されない場合や、将来適切な条件で締結できない場合及び再保険の締結自体ができない場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 m. C-3 株価・為替等の変動に係るリスク 当社は、純投資を目的とした運用資産の一部として海外の債券や国内外の株式なども保有しています。これらは、適切なリスクコントロールのうえ投資を実施しているため、市場リスクに与える影響は限定的であると認識していますが、予期せぬ市場の変動等により株価下落・クレジットスプレッド拡大・円高などが進行した場合に、時価が下落することや、予期せぬタイミングで売却することなどにより、当社グループが損失を被る可能性があります。 また、純投資以外を目的とした運用資産として、当社グループの企業価値又は業績の向上を目的とした株式投資を行っており、今後も行う可能性があります。投資先の選定や投資の判断にあたっては、十分な検討を実施していますが、市場経済の動向や投資先の財務内容及び業績が悪化した場合や円高が進行した場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、当連結会計年度において、株式会社アドバンスクリエイトとの資本業務提携に伴い、同社に対し3,000百万円の新規の投資を行いました。これにより、株式の残高が増え株価の変動に係るリスクは増加しています。株式会社アドバンスクリエイトについて、将来的には当社の持分法適用関連会社とすることを視野に入れており、両社の密接な連携により、両社の事業成長と企業価値向上を実現してまいります。 n. C-4 社債等に係る信用リスク 当社は、主に高格付けの公社債などへ投資しているため信用リスクに与える影響は限定的であると認識していますが、保有する公社債の発行体の業績が著しく悪化し信用力が低下した場合、時価の下落に加え、元利金不払い等の債務不履行が生じる可能性があります。また、当社グループが保有するその他の資産についても、取引先の破綻等により、回収不能に陥る可能性があります。それらの場合、当該資産の価値が減少又は消失し、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 o. C-5 流動性リスク 当社グループは、保険金・給付金の支払いに対応するために必要な一定程度の預貯金を含め、手元流動性を確保した資産運用を行っています。しかし、感染症の大流行・地震・津波・テロなどの大規模災害により、急遽、多額の保険金・給付金の支払いが求められた場合、当社グループの資金繰りに悪影響を及ぼす可能性や、不利な条件での資産の売却を強いられ当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、大規模災害が金融市場の混乱につながった場合など、資産の処分が全くできなくなった場合、保険金・給付金の支払いが遅延する可能性があります。その結果、当社グループのレピュテーションが低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。p. D-4 大規模災害等における事業継続性に係るリスク 感染症の大流行や、人口密集地域や広範囲を襲う地震・津波・テロ・国家間紛争等の大規模災害が発生した場合、保険引受リスクや流動性リスクへの影響に加え、当社グループの役職員・関係職員の被災・罹患や当社グループ施設の損壊、外部の業務委託先の機能停止等により、当社グループの事業継続への影響や追加費用が発生する可能性もあります。当社グループは、地震等で被災した場合を想定して事業継続計画を策定していますが、この事業継続計画の想定を超えるような大規模災害が発生した場合、当社グループの業務運営に重大な支障をきたす可能性があります。なお、このような状況においては、当社グループが事業を継続できていた場合も、社会・経済全体の活動が低下することにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 q. D-5 事務リスク 当社グループが構築した事務リスク管理体制が有効に機能することなく、事務手続き上の重大な過失が起こった場合、当社グループの風評の低下又は財務上の損害をもたらす可能性があるとともに、行政処分を受ける可能性があります。また、当社グループの外部委託先や代理店の不適切な事務処理が原因で、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、2023年度より連結財務諸表についてIFRSを任意適用し、それらの財務諸表を作成するための事務体制を構築していますが、対応の不備等による開示情報の重大な誤謬が発生した場合、当社グループの風評の低下又は財務上の損害をもたらす可能性があります。 r. D-6 保険金・給付金の支払い漏れに係るリスク 生命保険業界全体が保険金等の「不払い問題」を契機に以後継続的に支払い体制の強化を図る中で、当社においても、正確かつ迅速な支払いを行うための不断の努力を重ねています。しかし、事務手続き上の重大な過失や保険金・給付金の支払い漏れが発生した場合、行政処分の如何にかかわらず、当社グループへの信頼の低下等を通じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 s. D-7 人材の確保・維持に関するリスク 当社グループは、時代や環境の変化にすみやかに対応し、お客さまのさまざまなニーズにそった商品やサービスを提供するため、高い専門性を有する多様な人材の確保に努めています。また、事業の成長及び企業価値の向上につなげるべく、人材の育成に努めています。しかし、人材の確保及び育成に関する環境整備が不十分な場合、又は重大な人事・労務問題の発生により当社グループの信頼が著しく低下した場合、必要な人材が採用できず、また、社外に人材が流出することにより、当社グループの業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 t. D-8 訴訟リスク 当社グループは、主に予防法務に重点を置き、弁護士などと相談しながら訴訟の発生リスクを極小化しており、現在までのところ、重大な訴訟は発生していません。しかし、生命保険事業に関連した訴訟が発生し当社グループが不利な結果を被る可能性もあり、将来にわたって当社グループの社会的信用や業績に影響を及ぼす訴訟や係争が発生する可能性があります。また、同様に、他社が係争中の訴訟を含め、生命保険会社に不利な判決が下された場合に、潜在的な訴訟の可能性や顧客への対応に係る事務コストが高まる可能性があります。 u. D-9 リスク管理体制に係るリスク 当社は、リスク管理に関係するあらゆる事項の報告を行う全社横断的な機関である「リスク管理委員会」を設置し、適切なリスク管理を行っています。しかし、リスクを把握する上で必要となる過去の実績や経験の蓄積が十分ではない可能性があり、当社グループのリスク管理体制が有効に機能しなかった場合、当社グループの財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。