事業の概要
- 貯金と運用で収益確保ゆうちょ銀行は、全国の郵便局ネットワークを通じて、個人顧客を中心に約1.2億人から190.4兆円もの貯金を集めています。この巨額の資金を、主に国債(40.3兆円)や外国債券、投資信託などの有価証券(87.4兆円)で運用し、その運用益を主な収益源としています。預かったお金を安全かつ効率的に増やし、その差額で利益を得るのが基本的なビジネスモデルです。
- 手数料ビジネスの展開貯金と運用だけでなく、為替業務(送金など)、国債や投資信託、保険商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務など、多岐にわたる金融サービスを提供しています。これらのサービスから手数料(役務取引等収益)を得ることで、収益源の多様化を図っています。特に、日本郵便の郵便局ネットワークを活用した販売チャネルが強みです。
- ALMによるリスク管理預金(負債)と運用資産(資産)の金利や期間のずれによるリスク(金利リスクなど)を管理するため、ALM(資産・負債総合管理)という手法を用いています。市場環境の変化やリスク・リターンを考慮しながら、ポートフォリオを機動的に運営し、デリバティブ取引なども活用してリスクをヘッジすることで、中長期的な収益の安定確保を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 銀行業の単一セグメントゆうちょ銀行は、有価証券報告書上、銀行業の単一セグメントとして事業を展開しています。これは、預金(貯金)業務、有価証券投資業務、貸出業務、為替業務、金融商品の販売など、全ての事業活動が「銀行業」という一つのカテゴリーに集約されていることを意味します。投資家は、ゆうちょ銀行の事業全体を銀行業として評価することになります。
- 金融商品取引業務も含む銀行業の枠組みの中で、金融商品取引業務も行っています。具体的には、国債や投資信託、保険商品の販売などがこれに該当します。これらの業務は、顧客の資産形成を支援するとともに、手数料収益の確保にも貢献しており、銀行業の中核をなす重要な事業の一つです。
- 日本郵政グループとの連携ゆうちょ銀行は、日本郵政株式会社を中心とする日本郵政グループの一員です。グループ全体では、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、不動産事業、国際物流事業、生命保険業など多岐にわたる事業を展開しており、ゆうちょ銀行はグループの銀行業を担っています。郵便局ネットワークを共有することで、グループ全体でのシナジー効果を追求しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当行は、銀行法に基づき、預入限度額内での預金(貯金)業務、有価証券投資業務、為替業務、国債、投資信託及び保険商品の販売、シンジケートローン等業務、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務などを営んでおります。また、日本郵便株式会社の郵便局ネットワークをメインチャネルに、1.2億人規模のお客さまに生活・資産形成に貢献する金融サービスを提供し、お預かりした貯金を有価証券で運用することを主な事業としております。当行及び当行の関係会社は、当行、連結子会社18社及び持分法適用関連会社1社等で構成されており、銀行業の単一セグメントとして、銀行業務のほか、金融商品取引業務などを行っております。なお、日本郵政グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、不動産事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を行っております。 (事業系統図)当行及び当行の主要な関係会社 (注) JP投信株式会社は、前連結会計年度は持分法適用関連会社でしたが、株式の追加取得により、当連結会計年度末時点において連結子会社となっております。なお、2026年4月1日付で、JP投信株式会社を存続会社、JPインベストメント株式会社を消滅会社とする合併を実施し、商号をゆうちょアセットマネジメント株式会社に変更しております。 (1) 資金運用当行は、2026年3月末日現在、個人貯金が90%超を占める186.1兆円の貯金を、主として有価証券145.3兆円(内、国債41.4兆円、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)88.2兆円)で運用し、資金運用収益を中心に収益を確保しております。具体的には、想定した市場環境の下、負債の状況等を踏まえて国債等の運用資産・運用期間を適切に管理するとともに、収益源泉の多様化・リスク分散の観点から、国際分散投資の推進、オルタナティブ資産への投資など運用の高度化・多様化を図っているほか、地域経済活性化にも貢献すべく、従来からの地方公共団体向け資金供給の強化に加え、地域金融機関と連携し、地域活性化ファンドへの出資等に取り組んでおります。こうした金融資産及び金融負債は、市場リスク(金利、為替、株式など様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む。)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク)や信用リスク(信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスク)を伴うものであるため、デリバティブ取引等で一定のリスクをヘッジしつつ、収益確保に努めております。 (2) 資金調達、資産・負債総合管理当行は、本支店その他の営業所・日本郵便株式会社が展開している郵便局ネットワークを通じて、お客さまから通常貯金、定額・定期貯金などの各種の貯金を預入限度額内でお預かりしております。また、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)が、日本郵政公社から承継した郵便貯金に相当する預り金を、特別貯金として受け入れております。更に、上記(1)の資金運用(資産)と市場取引も含めた資金調達(負債)について、信用・市場リスクや流動性リスク(運用・調達期間の差異や資金流出により、必要な資金調達や通常の金利での資金調達が困難となるリスク)をマネージするため、各商品のリスク特性に合わせた7つのポートフォリオに細分化して管理する枠組みの下で、資産・負債を総合的に内部管理するALM(Asset Liability Management)を適切に展開し、中期的な収益の確保に努めております。(当該枠組みの内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考) ポートフォリオの状況」をご参照ください。)。 (3) 手数料ビジネス当行は、本支店その他の営業所(直営店)・日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク・各種デジタルチャネルを通じて、為替業務、国債・投資信託等の資産運用商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務及び各金融機関と連携したATM提携サービスなどを提供し、手数料(役務取引等)収益を確保しております。 (事業系統図) 日本郵政株式会社を中心としたグループ各社等との関係 (注) 1.当行は、2026年3月31日現在、全国に本支店その他の営業所235箇所を展開しておりますが、日本郵便株式会社との間で銀行代理業務等に係る委託契約を締結し、日本郵便株式会社の郵便局(19,701局)、簡易郵便局(3,370局)に代理店を設けております。2.郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法に基づき、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として、郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております(「第2 事業の状況 5 重要な契約等」をご参照ください。)。 (参考)当行は、事業を行うにあたり、「郵政民営化法」に基づき、主に次の(1)~(4)の規制を受けております。 (1) 業務の制限当行は、これまで郵政民営化法により、郵政民営化時に認められていなかった業務(いわゆる新規業務)を行うときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を要するものとされておりましたが(同法第110条)、2025年6月27日付で日本郵政株式会社が当行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出たことから、この日以後は新規業務に係る認可手続きは不要となり、届出制(※)へと移行しております。また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の届出を受けた場合、郵政民営化委員会へその旨を通知しなければならないこととされております。届出を要する業務の概要は、以下のとおりです。※ 日本郵政株式会社が総務大臣に届け出た日以後は、従前の認可手続きに代わり、当行が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うにあたっては、他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております(同法第110条の2)。なお、郵政民営化委員会から2025年7月30日に公表された「株式会社ゆうちょ銀行の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和7年7月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。① 外貨預金の受入れ、譲渡性預金の受入れ② 資金の貸付け又は手形の割引(次の(a)から(f)に掲げる業務を除く。)(a) 預金者等に対する当該預金者等の預金等を担保とする資金の貸付け(b) 国債証券等を担保とする資金の貸付け(c) 地方公共団体に対する資金の貸付け(d) コール資金の貸付け(e) 日本郵政株式会社、日本郵便株式会社又は株式会社かんぽ生命保険に対する資金の貸付け(f) 郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け③ 銀行業に付随する業務等のうち、次の(a)から(l)に掲げる業務(a) 債務の保証又は手形の引受け(b) 特定目的会社発行社債の引受け等(c) 有価証券の私募の取扱い(d) 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託(e) 外国銀行の業務の代理又は媒介(f) デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理(g) 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理(h) 有価証券関連店頭デリバティブ取引(i) 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理(j) 投資助言業務(k) 信託に係る事務に関する業務(l) 地球温暖化防止の観点での算定割当量関連業務④ 登録金融機関の業務(金融商品取引法第33条第2項の業務)(次の(a)から(c)に掲げる業務を除く。)(a) 投資の目的又は信託契約に基づく有価証券の売買・有価証券関連デリバティブ取引及び書面取次ぎ行為(b) 国債等の募集の取扱い等(c) 証券投資信託の募集の取扱い等 ⑤ その他の法律の規定により銀行が営むことができる業務(次の(a)から(h)に掲げる業務を除く。)(a) 休眠預金等代替金の支払等(b) 当せん金付証票の売りさばき等(c) 国民年金基金の加入申出受理業務(d) 株式会社かんぽ生命保険の一部の生命保険の募集(e) 確定拠出年金(個人型)の加入申込受理業務(f) 拠出年金運営管理業(個人型)(g) 公的給付支給等口座の登録申請受付業務等(h) 個人番号の利用による口座管理業務⑥ その他内閣府令・総務省令で定める業務 また、内閣総理大臣及び総務大臣は、下記(2)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合、下記(3)(4)の規制に係る認可の申請があった場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。 (2) 預入限度額当行は、郵政民営化法により、当座預金に相当する振替貯金を除き、原則として一の預金者から、受入れをすることができる預金等の額が制限されております。(郵政民営化法第107条、郵政民営化法施行令第2条)2019年3月13日に公布された郵政民営化法施行令の一部を改正する政令に基づき、同政令の施行日である2019年4月1日からの預入限度額は下記のとおりです。また、預金保険制度による貯金の保護の範囲については変更ありません。① 通常貯金・・・1,300万円② 定期性貯金(定額貯金及び定期貯金等。郵政民営化前に預入した郵便貯金(郵政管理・支援機構に引き継がれたもの)を含み、③を除く。)・・・1,300万円③ 財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金・・・あわせて550万円 (3) 子会社保有の制限当行は、子会社対象金融機関等を子会社(銀行法第2条第8項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(郵政民営化法第111条第1項)また、銀行(銀行法第16条の2第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(郵政民営化法第111条第7項) (4) 合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けの認可当行を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております。(郵政民営化法第113条第1項、第3項及び第5項)ただし、内閣総理大臣及び総務大臣は、金融機関(預金保険法第2条第1項各号に掲げる者)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(郵政民営化法第113条第2項、第4項及び第6項) これらの規制は、日本郵政株式会社が当行の株式の全部を処分した日、又は日本郵政株式会社が当行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、内閣総理大臣及び総務大臣が、当行について、内外の金融情勢を踏まえ、次に掲げる事情を考慮し、規制を適用しなくても当行と他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認める旨の決定をした日以後は、適用されないこととなっております。(郵政民営化法第104条)・日本郵政株式会社が保有する当行の議決権が、その総株主の議決権に占める割合その他他の金融機関等との間の競争関係に影響を及ぼす事情・当行、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険、その他日本郵政株式会社が設立した株式会社の経営状況及びこれらの株式会社と当行との関係
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 預入限度額内での預金業務や国債・投資信託・保険商品の販売など、規制下での事業運営。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 銀行法に基づき、預入限度額内での預金業務などを営んでおり、新規参入には高い規制障壁がある。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:市場環境の急激な変化 / サイバー攻撃・システム障害の発生 / コンプライアンス違反事案の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
ゆうちょ銀行は、日本郵政グループの一員として、全国に約2万店舗の郵便局網を活用した圧倒的な顧客基盤を持つ。この信頼とブランド力は、長年にわたり培われたものであり、新規参入企業が容易に模倣できない無形資産となっている。特に地方や高齢者層からの高い認知度と利用率は強み。
スイッチングコスト★★☆☆☆
既存顧客の多くは、長年の習慣や利便性からゆうちょ銀行のサービスを利用し続けている。特に、給与振込や年金受取などの基幹取引においては、他行への切り替えに伴う手間やリスクを避けたいという心理が働き、一定のスイッチング・コストを生んでいると考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ゆうちょ銀行のビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果を生まない。顧客が増加しても、個々の顧客の取引価値が直接的に向上するわけではないため、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
郵便局網という広範な店舗網は、顧客にとっては利便性をもたらすが、維持コストは大きい。一方で、ATM網の共有や、グループ内でのシナジーによるコスト削減の可能性はあるものの、他行と比較して構造的なコスト優位性は限定的である。
規模の経済★★★☆☆
ゆうちょ銀行は、預金残高、貸出残高ともに国内トップクラスであり、その規模は圧倒的である。この巨大な規模は、運用効率の向上や、新たな金融商品・サービスの開発において有利に働く。業界全体で見ても、その規模は寡占的な地位を支える要因の一つとなっている。
- 圧倒的な顧客基盤ゆうちょ銀行は、日本郵便の全国約24,000局という広大な郵便局ネットワークをメインチャネルとして活用し、約1.2億人という国内最大級の顧客基盤を築いています。この圧倒的な顧客数と地域密着型のネットワークは、他の金融機関には真似できない強力な競争優位性であり、安定的な資金調達の源泉となっています。
- 強固な資金調達力個人貯金が90%以上を占める190.4兆円という巨額の貯金残高は、ゆうちょ銀行の最大の強みです。この潤沢な資金は、主に有価証券投資に充てられ、安定した運用収益を生み出す基盤となります。預入限度額内の預金業務という制約はありますが、その規模は他行を圧倒しています。
- 郵政民営化法による規制ゆうちょ銀行は「郵政民営化法」に基づき、業務内容に一部制限が設けられていますが、同時に国が関与する公共性の高い金融機関としての信頼性も持ち合わせています。新規業務には認可が必要ですが、これにより無秩序な競争を避け、安定的な事業運営が可能です。ただし、日本郵政の議決権比率が50%を下回ると、一部規制が緩和される見込みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当行グループは、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。 (2) 経営環境当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は、米国の関税政策の影響を受けつつも、米国を中心に総じて底堅く推移しました。米国経済は、関税政策による物価上昇が限定的な中、個人消費を中心に堅調に推移しましたが、FRB(連邦準備制度理事会)は、労働市場の急減速を受け、2025年9月以降、3会合連続で利下げを行いました。ユーロ圏経済は、ECB(欧州中央銀行)が2025年4月と6月に利下げを実施した後、政策金利は据え置かれたものの、内需を中心に底堅く推移しました。日本経済は、米国による関税政策の影響が見られましたが、内需の持ち直しもあり緩やかに回復しました。賃金と物価がともに上昇する中、日本銀行は2025年12月に利上げを行いました。しかしながら、2026年2月末には米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始し、世界経済全体の先行き不透明感が急速に高まりました。金融資本市場では、米国の長期市場金利は、関税政策により上下に振れた後、労働市場の弱さや景気減速懸念から低下に向かいました。その後、米国とイスラエルの軍事行動を契機とする原油価格の高騰を受け再び上昇傾向に転じました。また、日本の長期市場金利は、2025年4月に米国の関税引き上げ表明を受け一時1.1%台まで急低下しました。その後は物価高が続く中、財政悪化懸念や原油価格高騰もあり、上昇基調に転じました。ドル円相場は、米国の関税政策への懸念等から、2025年4月下旬に一時140円程度まで円高が進行しましたが、日本の財政悪化懸念等もあり2026年1月には160円程度まで円安が進行しました。その後は為替介入への警戒等により円高に転ずる局面があったものの、イラン情勢の緊迫化等により再び円安基調に転じました。S&P500種指数は、2025年4月上旬に一時5,000を割り込みましたが、堅調な米国景気やFRBによる利下げ観測を受け上昇基調が続き、2026年1月下旬に史上最高値を更新しました。その後は、AI(人工知能)を巡る懸念やイラン情勢の緊迫化等もあり下落に転じました。日経平均株価は、米国同様に、2025年4月上旬に一時31,000円台まで急落しましたが、好調な米国株式市場や日本の新政権への政策期待等から上昇基調が続き、2026年2月末に史上最高値を記録しました。その後は、原油価格高騰による景気減速懸念等を受け、下落しました。 当行グループを取り巻く経営環境については、日本銀行による金融政策転換を受け、国内長期金利は上昇傾向にあり、今後も上昇基調が継続した場合には、日本国債等の新規投資利回りの向上等による収益増加が見込まれます。また、国内外の金利差は縮小傾向にあり、外貨調達コストの減少傾向は継続しております。しかしながら、イラン情勢の動向等を始め、現下の金融経済環境は引き続き不透明な状況にあることから、ダウンサイドリスクには注意が必要であると認識しており、当行グループとしては適切なリスク管理の下、安定的な収益の確保に努めてまいります。 (3) 経営戦略、対処すべき課題等当行グループを取り巻く経営環境は、キャッシュレス技術や生成AI等に代表される社会のデジタル化進展、少子・超高齢化に代表される人口動態の変化や金利ある世界への転換等、目まぐるしい変化を続けており、その変化は今後も加速していくことが想定されます。一方、前・中期経営計画期間中(2021~2025年度)における日本郵政株式会社による二度の当行株式の売出しにより、当行の民営化プロセスは大きく進展し、ビジネス展開の柔軟性を高めているところです。このような状況の中、当行グループの企業価値を一層向上させるため、15年後にありたい姿として新たに「中長期ビジョン」を策定しました。そして、「中長期ビジョン」実現に向けた第一歩として、2026年度から2028年度を計画期間とする新たな中期経営計画(以下「新・中期経営計画」)を策定しました。新・中期経営計画においては、4つの事業戦略の推進を通じ、2つのミッションの達成に向けて取り組んでまいります。 中長期ビジョンと新・中期経営計画の位置づけ (新・中期経営計画における4つの事業戦略等)○デジタルペイメント事業戦略リテールビジネスで推進してきた「安心・安全・便利」なサービス提供に、ポイント経済圏との連携等を通じた「お得さ」を加え、「ゆうちょ通帳アプリ」(以下「通帳アプリ」)を起点に、お客さまによる当行口座の日常使いを促進します。例えば、NTTドコモ社の「dポイント」やクラシル社の「レシチャレサービス」との連携等、様々なパートナー企業との提携施策を通じ、本取組みを加速します。また、通帳アプリ等を通じて集積される金融取引データ等を基に、お客さま起点のデジタルマーケティング・広告配信を実施し、LTV(注1)とお客さまの体験価値を向上します。更に、トークン化預金(注2)「ゆうちょDCJPY」を活用した安全・即時の資金決済の実現等、新たな金融サービスの創出に取り組みます。 (注) 1.Life Time Valueの略。顧客が生涯に亘り企業にもたらす利益、価値 2.銀行預金にブロックチェーンなどの技術を活用し、預金をデジタル上で取り扱えるようにしたもの ○コンサルティング事業戦略総合金融プラットフォーマーとして、全世代に伴走する金融コンサルティングを推進します。具体的には、パートナー企業との連携を通じてお客さまの多様な金融ニーズに応える商品・サービスのラインアップを拡充し、それらをリアル・デジタル・リモートと複線化したサービス提供チャネルの中から最適なチャネルを通じて全国・全世代のお客さまに提供します。特にデジタルチャネルにおいては、スマートフォン等でいつでも手軽に資産形成等の相談ができる対話型AIサービス「ゆうちょAIコンシェルジュ(仮称)」を導入し、お客さま一人ひとりのニーズ等を踏まえた提案を通じて、顧客体験価値の向上を目指します。 ○市場運用・アセットマネジメント事業戦略国内金利上昇を捉え、日本国債等の円金利資産の再構築を進めるとともに、外国証券等のリスク性資産と合わせた運用ポートフォリオ全体の最適化により、リスク対比リターンの更なる向上を追求します。また、ゆうちょアセットマネジメント株式会社を中核に、特色あるアセットマネジメントビジネスに挑戦するとともに、海外アセットマネジメント会社を始めとする新たなパートナー企業との提携深化も目指します。 ○地域・企業ソリューション事業戦略子会社のゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社を中核とする地域プライベートエクイティ投資基盤を構築し、パートナーとなるファンド運営会社との連携強化も通じ、地域活性化をサポートする投資実績を着実に積み上げます。また、地域金融法人等とのリレーションシップ・マネジメント強化や地域企業への決済ソリューション提供等を一層強化し、前・中期経営計画における「Σ(シグマ)ビジネス(投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネス)」をレベルアップした地域・企業ソリューションビジネスを推進してまいります。 ○人的資本経営・企業風土改革4つの事業戦略と連動した人材の採用、配置、育成及び自律的キャリア形成に資する機会の提供に加え、女性活躍に向けたキャリアサポート充実や社員の様々な知識・経験等の社内共有等を通じ、多種多様なバックグラウンドを有する人材が活躍できる環境整備を推進します。また、お客さまと社員の「声」を直接経営に活かすサイクルとして、社員参画型の「みんなの声委員会 -ECHO-」を一層強化し、全社員が一丸となって企業価値向上に取り組む組織風土を醸成します。 ○経営基盤の高度化テクノロジーの進展や今後の人口動態等の環境変化を踏まえ、生成AIの有効な活用に加え、IT投資を積極化し、抜本的な業務効率化を推進します。また、クロスセル事案(注3)等を受けた内部管理態勢の強化に加え、サイバーセキュリティ、マネー・ローンダリング対策、市場運用リスク管理等、銀行業務の根幹を支える取組みを一層強化します。 (注) 3.郵便局において発生した、お客さまの事前同意を取得しないまま貯金等における非公開金融情報を用いて保険募集や投資信託・国債の募集を目的とした来局誘致等を行った事案 (新・中期経営計画における財務目標・資本政策)財務目標については、連結ベースの当期純利益、ROE(株主資本ベース)、OHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)(注4)、CET1比率(平時目標レンジ)(注5)を設定しています。金融ユニバーサルサービスを提供する責務を果たしながら、新・中期経営計画で定めた財務目標の達成に向けた取組みを推進し、資本コストや資本収益性を意識した経営に努めます。資本政策は、株主還元・財務健全性・成長投資のベストバランスを追求してまいります。特に株主還元のうち配当については、基本的な考え方として、配当性向は50%程度とし、利益成長を通じた累進的な配当を実施してまいります。なお、当行グループの運用ポートフォリオの状況を踏まえ、現状では年1回の期末配当とする方針です。また、自己株式取得は、市場環境、成長投資の機会、日本郵政グループの当行株式保有方針等を踏まえて随時検討してまいります。そのほか、株主のみなさまからのご支援に感謝するとともに、より多くの方々に当行株式を保有していただくことを目的として、株主優待制度を継続実施しております。なお、新たに2027年度から長期保有優遇を導入します。 (注) 4.Over Head Ratioの略。銀行業務の効率性を示す指標の一つで、一般的には、経費の業務粗利益に対する比率のこと。当行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券運用等を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益等も分母に含めたOHRを指標として設定。経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)5.バーゼルⅢ最終化(完全適用)、その他有価証券評価益除くベース。2026~2028年度の目標
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当行グループは、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。 (2) 経営環境当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は、米国の関税政策の影響を受けつつも、米国を中心に総じて底堅く推移しました。米国経済は、関税政策による物価上昇が限定的な中、個人消費を中心に堅調に推移しましたが、FRB(連邦準備制度理事会)は、労働市場の急減速を受け、2025年9月以降、3会合連続で利下げを行いました。ユーロ圏経済は、ECB(欧州中央銀行)が2025年4月と6月に利下げを実施した後、政策金利は据え置かれたものの、内需を中心に底堅く推移しました。日本経済は、米国による関税政策の影響が見られましたが、内需の持ち直しもあり緩やかに回復しました。賃金と物価がともに上昇する中、日本銀行は2025年12月に利上げを行いました。しかしながら、2026年2月末には米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始し、世界経済全体の先行き不透明感が急速に高まりました。金融資本市場では、米国の長期市場金利は、関税政策により上下に振れた後、労働市場の弱さや景気減速懸念から低下に向かいました。その後、米国とイスラエルの軍事行動を契機とする原油価格の高騰を受け再び上昇傾向に転じました。また、日本の長期市場金利は、2025年4月に米国の関税引き上げ表明を受け一時1.1%台まで急低下しました。その後は物価高が続く中、財政悪化懸念や原油価格高騰もあり、上昇基調に転じました。ドル円相場は、米国の関税政策への懸念等から、2025年4月下旬に一時140円程度まで円高が進行しましたが、日本の財政悪化懸念等もあり2026年1月には160円程度まで円安が進行しました。その後は為替介入への警戒等により円高に転ずる局面があったものの、イラン情勢の緊迫化等により再び円安基調に転じました。S&P500種指数は、2025年4月上旬に一時5,000を割り込みましたが、堅調な米国景気やFRBによる利下げ観測を受け上昇基調が続き、2026年1月下旬に史上最高値を更新しました。その後は、AI(人工知能)を巡る懸念やイラン情勢の緊迫化等もあり下落に転じました。日経平均株価は、米国同様に、2025年4月上旬に一時31,000円台まで急落しましたが、好調な米国株式市場や日本の新政権への政策期待等から上昇基調が続き、2026年2月末に史上最高値を記録しました。その後は、原油価格高騰による景気減速懸念等を受け、下落しました。 当行グループを取り巻く経営環境については、日本銀行による金融政策転換を受け、国内長期金利は上昇傾向にあり、今後も上昇基調が継続した場合には、日本国債等の新規投資利回りの向上等による収益増加が見込まれます。また、国内外の金利差は縮小傾向にあり、外貨調達コストの減少傾向は継続しております。しかしながら、イラン情勢の動向等を始め、現下の金融経済環境は引き続き不透明な状況にあることから、ダウンサイドリスクには注意が必要であると認識しており、当行グループとしては適切なリスク管理の下、安定的な収益の確保に努めてまいります。 (3) 経営戦略、対処すべき課題等当行グループを取り巻く経営環境は、キャッシュレス技術や生成AI等に代表される社会のデジタル化進展、少子・超高齢化に代表される人口動態の変化や金利ある世界への転換等、目まぐるしい変化を続けており、その変化は今後も加速していくことが想定されます。一方、前・中期経営計画期間中(2021~2025年度)における日本郵政株式会社による二度の当行株式の売出しにより、当行の民営化プロセスは大きく進展し、ビジネス展開の柔軟性を高めているところです。このような状況の中、当行グループの企業価値を一層向上させるため、15年後にありたい姿として新たに「中長期ビジョン」を策定しました。そして、「中長期ビジョン」実現に向けた第一歩として、2026年度から2028年度を計画期間とする新たな中期経営計画(以下「新・中期経営計画」)を策定しました。新・中期経営計画においては、4つの事業戦略の推進を通じ、2つのミッションの達成に向けて取り組んでまいります。 中長期ビジョンと新・中期経営計画の位置づけ (新・中期経営計画における4つの事業戦略等)○デジタルペイメント事業戦略リテールビジネスで推進してきた「安心・安全・便利」なサービス提供に、ポイント経済圏との連携等を通じた「お得さ」を加え、「ゆうちょ通帳アプリ」(以下「通帳アプリ」)を起点に、お客さまによる当行口座の日常使いを促進します。例えば、NTTドコモ社の「dポイント」やクラシル社の「レシチャレサービス」との連携等、様々なパートナー企業との提携施策を通じ、本取組みを加速します。また、通帳アプリ等を通じて集積される金融取引データ等を基に、お客さま起点のデジタルマーケティング・広告配信を実施し、LTV(注1)とお客さまの体験価値を向上します。更に、トークン化預金(注2)「ゆうちょDCJPY」を活用した安全・即時の資金決済の実現等、新たな金融サービスの創出に取り組みます。 (注) 1.Life Time Valueの略。顧客が生涯に亘り企業にもたらす利益、価値 2.銀行預金にブロックチェーンなどの技術を活用し、預金をデジタル上で取り扱えるようにしたもの ○コンサルティング事業戦略総合金融プラットフォーマーとして、全世代に伴走する金融コンサルティングを推進します。具体的には、パートナー企業との連携を通じてお客さまの多様な金融ニーズに応える商品・サービスのラインアップを拡充し、それらをリアル・デジタル・リモートと複線化したサービス提供チャネルの中から最適なチャネルを通じて全国・全世代のお客さまに提供します。特にデジタルチャネルにおいては、スマートフォン等でいつでも手軽に資産形成等の相談ができる対話型AIサービス「ゆうちょAIコンシェルジュ(仮称)」を導入し、お客さま一人ひとりのニーズ等を踏まえた提案を通じて、顧客体験価値の向上を目指します。 ○市場運用・アセットマネジメント事業戦略国内金利上昇を捉え、日本国債等の円金利資産の再構築を進めるとともに、外国証券等のリスク性資産と合わせた運用ポートフォリオ全体の最適化により、リスク対比リターンの更なる向上を追求します。また、ゆうちょアセットマネジメント株式会社を中核に、特色あるアセットマネジメントビジネスに挑戦するとともに、海外アセットマネジメント会社を始めとする新たなパートナー企業との提携深化も目指します。 ○地域・企業ソリューション事業戦略子会社のゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社を中核とする地域プライベートエクイティ投資基盤を構築し、パートナーとなるファンド運営会社との連携強化も通じ、地域活性化をサポートする投資実績を着実に積み上げます。また、地域金融法人等とのリレーションシップ・マネジメント強化や地域企業への決済ソリューション提供等を一層強化し、前・中期経営計画における「Σ(シグマ)ビジネス(投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネス)」をレベルアップした地域・企業ソリューションビジネスを推進してまいります。 ○人的資本経営・企業風土改革4つの事業戦略と連動した人材の採用、配置、育成及び自律的キャリア形成に資する機会の提供に加え、女性活躍に向けたキャリアサポート充実や社員の様々な知識・経験等の社内共有等を通じ、多種多様なバックグラウンドを有する人材が活躍できる環境整備を推進します。また、お客さまと社員の「声」を直接経営に活かすサイクルとして、社員参画型の「みんなの声委員会 -ECHO-」を一層強化し、全社員が一丸となって企業価値向上に取り組む組織風土を醸成します。 ○経営基盤の高度化テクノロジーの進展や今後の人口動態等の環境変化を踏まえ、生成AIの有効な活用に加え、IT投資を積極化し、抜本的な業務効率化を推進します。また、クロスセル事案(注3)等を受けた内部管理態勢の強化に加え、サイバーセキュリティ、マネー・ローンダリング対策、市場運用リスク管理等、銀行業務の根幹を支える取組みを一層強化します。 (注) 3.郵便局において発生した、お客さまの事前同意を取得しないまま貯金等における非公開金融情報を用いて保険募集や投資信託・国債の募集を目的とした来局誘致等を行った事案 (新・中期経営計画における財務目標・資本政策)財務目標については、連結ベースの当期純利益、ROE(株主資本ベース)、OHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)(注4)、CET1比率(平時目標レンジ)(注5)を設定しています。金融ユニバーサルサービスを提供する責務を果たしながら、新・中期経営計画で定めた財務目標の達成に向けた取組みを推進し、資本コストや資本収益性を意識した経営に努めます。資本政策は、株主還元・財務健全性・成長投資のベストバランスを追求してまいります。特に株主還元のうち配当については、基本的な考え方として、配当性向は50%程度とし、利益成長を通じた累進的な配当を実施してまいります。なお、当行グループの運用ポートフォリオの状況を踏まえ、現状では年1回の期末配当とする方針です。また、自己株式取得は、市場環境、成長投資の機会、日本郵政グループの当行株式保有方針等を踏まえて随時検討してまいります。そのほか、株主のみなさまからのご支援に感謝するとともに、より多くの方々に当行株式を保有していただくことを目的として、株主優待制度を継続実施しております。なお、新たに2027年度から長期保有優遇を導入します。 (注) 4.Over Head Ratioの略。銀行業務の効率性を示す指標の一つで、一般的には、経費の業務粗利益に対する比率のこと。当行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券運用等を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益等も分母に含めたOHRを指標として設定。経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)5.バーゼルⅢ最終化(完全適用)、その他有価証券評価益除くベース。2026~2028年度の目標
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。当行の連結財務諸表と個別財務諸表の差は僅少であるため、経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容の一部については、当行単体のものを記載しております。なお、以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。また、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (1) 事業の概況当行グループは、「お客さまと社員の幸せを目指し、社会と地域の発展に貢献する」というパーパス(社会的存在意義)と、「お客さまの声を明日への羅針盤とする『最も身近で信頼される銀行』を目指す」という経営理念の下、果たすべき3つのミッション(社会的使命)を定め、その実現に向け、2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画に取り組んでまいりました。中期経営計画の最終年度にあたる当連結会計年度は、「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「Σビジネス」という3つのビジネス戦略の推進及びそれらを支える経営基盤の強化に継続的に取り組むとともに、2026年度から2028年度を計画期間とする新たな中期経営計画に向けた道筋を描く1年としました。 当行グループのパーパス・経営理念・ミッション・ビジネス戦略 (リテールビジネスの変革)「リテールビジネス」では、お客さま本位の営業活動を前提に、お客さま基盤の維持・深耕を最重要課題と捉え、リアルチャネルとデジタルチャネルの相互補完戦略を加速し、伝統的な銀行業務を超えた新しいリテールビジネスへの変革に向けた取組みを進めております。 デジタルサービスでは、スマートフォン上で基本的な銀行取引が行える通帳アプリの機能拡充を図るとともに、テレビCM等を活用したプロモーション施策を展開しました。加えて、窓口でも丁寧なご案内を行い、登録口座数は中期経営計画の目標である1,600万口座を上回りました。また、スマートフォン上で口座開設等が行える「ゆうちょ手続きアプリ」や、店舗に設置するセルフ型営業店端末「Madotab」等に、お客さまの利便性を高める機能を順次追加しました。資産形成サポートビジネスでは、投資信託商品のラインアップ拡充に加え、お客さまが身近な店舗から、専門性の高いコンサルティングを提供する資産運用リモートセンターにアクセスできる体制を構築するなど、お客さまの資産形成ニーズにきめ細かく対応しています。 (マーケットビジネスの深化)「マーケットビジネス」では、国内金利上昇トレンドを捉え、預け金等から日本国債への投資シフトを継続するとともに、世界的に市場環境が大きく変動する中、リスク対比リターンを意識しつつ国際分散投資を推進しました。これらの取組みにより、投資適格領域の外国社債等を中心にリスク性資産残高を109.0兆円まで拡大しました。また、リスク性資産のうち、プライベートエクイティファンド等の戦略投資領域(注1)は、優良案件への選別的な投資に努め、残高を15.1兆円まで積み上げました。一方で、2026年3月末の自己資本比率(連結・国内基準)は14.93%と十分な財務健全性を確保しております。また、これまで市場運用ビジネスで培った知見を活用した更なる成長を企図し、新たにアセットマネジメントビジネスへの挑戦を見据え、2026年4月には「ゆうちょアセットマネジメント株式会社」を設立しました。 (注) 1.プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域 (Σビジネスの本格始動)「Σビジネス」では、地域プライベートエクイティ投資を行う当行100%出資子会社「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」の態勢強化を図るとともに、2026年4月には地域事業承継を目的とした旗艦ファンド「ゆうちょキャピタル・シグマ地域事業承継2号投資事業有限責任組合」を設立しました。また、2026年1月、次世代の東海地域を牽引するスタートアップ企業への投資を目的に、東海東京証券株式会社等が設立した「Next Tokai Innovation Fund1号投資事業有限責任組合」に、アンカー投資家(注2)として参加することを決定する等、着実に歩みを進めています。 (注) 2.ファンド設立に際し、初期段階から相当額の出資を行う大口の機関投資家 (経営基盤の強化)ビジネス戦略を実効性高く推進するため、人的資本経営を通じた人材の強化を図るとともに、内部管理態勢の強化及び組織風土改革に取り組みました。人的資本経営の推進にあたっては、企業価値向上に向け、経営戦略と連動した人事戦略を推進しております。具体的には、強化分野への積極的な人材配置や、キャリアデザイン研修等を通じた自律的社員の育成、多様な人材が活躍する職場づくりに向けたダイバーシティマネジメント等に取り組んでいます。また、内部管理態勢の強化については、サイバーセキュリティやマネー・ローンダリング対策等の強化に加え、クロスセル事案に係る再発防止策として、銀行業務委託先である日本郵便株式会社の管理・監督体制を強化しました。更に、2024年に発足した社員参画型の専門委員会である「みんなの声委員会 -ECHO-」を通じて、お客さまの声を活かした商品・サービスの提案・改善や、社員の声をもとにした職場改善・組織風土改革を推進しました。なお、郵便貯金事業創業150周年を記念した新たな企業キャラクター「はりちょ」は、社内からのアイデア公募や投票を行う等の社員参加型プロジェクトを通じて誕生したものです。 (資本政策)資本効率の向上及び株主還元の強化を目的として、2025年12月に株式会社東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を通じた買付けによる自己株式取得を約150億円実施し、その後、2026年1月から3月にかけて自己株式取得に係る取引一任契約に基づく、市場買付による自己株式取得を約150億円実施しました。 (中期経営計画(2021~2025年度)の財務目標における当連結会計年度の実績)中期経営計画において、財務目標として掲げている項目の当連結会計年度の実績は、下表のとおりとなりました。 当連結会計年度(参考)前連結会計年度収益性連結当期純利益(当行帰属分)5,255億円4,143億円ROE(株主資本ベース)(注3)5.30%4.28%効率性OHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)(注4)55.51%61.38%営業経費(2020年度対比)△629億円△946億円健全性自己資本比率(国内基準)(注5)14.93%15.08%CET1(普通株式等Tier1)比率(国際統一基準)(注6)11.03%(経過措置)9.85%(完全適用)11.77%(経過措置) (注) 3.ROE(株主資本ベース)は、連結当期純利益(当行帰属分)÷((当期首株主資本+当期末株主資本)÷2)で算出しております。4.OHRは、経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出しております。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)です。なお、当行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券運用等を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益等も分母に含めたOHRを指標として設定しております。5.自己資本比率(国内基準)は、自己資本の額÷リスク・アセット等で算出しております(なお、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載の自己資本比率とは、算出方法が異なります。)。6.CET1(普通株式等Tier1)比率(国際統一基準)は、CET1資本÷リスク・アセット等で算出しております(バーゼルⅢ最終化ベースです。なお、CET1資本は、その他有価証券評価益除くベースです。また、一部計算項目を簡便的に算出しております。)。当行は国内基準行(規制上の所要自己資本比率:4%以上)であるものの、海外向け与信の大きさ等から、国内の大規模金融機関と同水準の資本管理を目指す考えに基づき、CET1比率で内部管理を実施しております。 (2) 経営成績の分析当連結会計年度の連結粗利益は、前連結会計年度比3,616億円増加の1兆4,072億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託からの収益や国債利息の増加等により、前連結会計年度比3,510億円の増加となりました。役務取引等利益は、前連結会計年度比112億円の増加となりました。その他業務利益は、国債等債券損益の減少を主因に、前連結会計年度比6億円の減少となりました。経費は、前連結会計年度比302億円増加の9,459億円となりました。連結業務純益は、前連結会計年度比3,312億円増加の4,611億円となりました。臨時損益は、プライベートエクイティファンド等からの収益が増加した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の減少を主因に、前連結会計年度比1,566億円減少の2,979億円となりました。経常利益は、前連結会計年度比1,746億円増加の7,591億円となりました。通期業績予想の経常利益7,200億円に対し、達成率は105.4%となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、5,255億円と前連結会計年度比1,112億円の増益となりました。通期業績予想の親会社株主に帰属する当期純利益5,000億円に対する達成率は105.1%となりました。なお、「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。 前連結会計年度(百万円)(A)当連結会計年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)連結粗利益1,045,6311,407,289361,657 資金利益956,7091,307,807351,098 役務取引等利益156,356167,58711,231 その他業務利益△67,433△68,105△672 うち外国為替売買損益△68,801△61,6327,168 うち国債等債券損益1,203△6,687△7,891経費(除く臨時処理分)△915,699△945,927△30,228人件費△108,690△109,033△343物件費△775,432△804,740△29,308税金△31,576△32,153△576連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)129,932461,361331,429一般貸倒引当金繰入額-△211△211連結業務純益129,932461,150331,217臨時損益454,601297,999△156,601うち株式等関係損益△14,04749,63063,677うち金銭の信託運用損益451,533223,654△227,879経常利益584,533759,150174,616特別損益△355△833△478うち固定資産処分損益△352△596△244うち減損損失△3△640△637税金等調整前当期純利益584,178758,316174,138法人税、住民税及び事業税△168,051△229,355△61,304法人税等調整額5,14910,6315,481法人税等合計△162,901△218,723△55,822当期純利益421,277539,592118,315非支配株主に帰属する当期純利益△6,952△14,009△7,057親会社株主に帰属する当期純利益414,324525,583111,258 (注) 1.連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額2.臨時損益とは、連結損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却6.金額が損失又は費用には△を付しております。 ① 損益の概要(単体)当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比3,536億円増加の1兆3,969億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託からの収益や国債利息の増加等により、前事業年度比3,469億円の増加となりました。役務取引等利益は、前事業年度比108億円の増加となりました。その他業務利益は、国債等債券損益の減少を主因に、前事業年度比41億円の減少となりました。経費は、前事業年度比281億円増加の9,407億円となりました。業務純益は、前事業年度比3,252億円増加の4,560億円となりました。臨時損益は、プライベートエクイティファンド等からの収益が増加した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の減少を主因に、前事業年度比1,506億円減少の2,920億円となりました。経常利益は、前事業年度比1,745億円増加の7,480億円となりました。この結果、当期純利益は5,289億円、前事業年度比1,184億円の増益となりました。 前事業年度(百万円)(A)当事業年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)業務粗利益1,043,2841,396,939353,654 資金利益956,8261,303,796346,970 役務取引等利益154,872165,70710,834 その他業務利益△68,413△72,564△4,150 うち外国為替売買損益△69,781△66,0913,690 うち国債等債券損益1,203△6,687△7,891経費(除く臨時処理分)△912,519△940,717△28,198人件費△106,759△106,216542物件費△774,358△802,533△28,175税金△31,401△31,967△566業務純益(一般貸倒引当金繰入前)130,765456,221325,455一般貸倒引当金繰入額-△204△204業務純益130,765456,016325,251臨時損益442,746292,059△150,686うち株式等関係損益△13,87347,91161,785うち金銭の信託運用損益451,533223,654△227,879経常利益573,511748,076174,564特別損益△351△1,236△884固定資産処分損益△348△595△247減損損失△3△640△637税引前当期純利益573,159746,840173,680法人税、住民税及び事業税△167,730△228,297△60,566法人税等調整額5,12810,4335,305法人税等合計△162,602△217,863△55,261当期純利益410,557528,976118,418 (注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却6.金額が損失又は費用には△を付しております。 (参考) 与信関係費用 前事業年度(百万円)(A)当事業年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)与信関係費用 8△68△77一般貸倒引当金繰入額8△68△77貸出金償却---個別貸倒引当金繰入額---償却債権取立益--- (注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。2.金額が損失又は費用には△を付しております。 ② 国内・国際別の資金利益等(単体)当行は、銀行業の単一セグメントであり、海外店や海外に本店を有する連結子会社(以下「海外連結子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は5,696億円、役務取引等利益は1,669億円、その他業務利益は△86億円となりました。国際業務部門においては、資金利益は7,341億円、役務取引等利益は△12億円、その他業務利益は△639億円となりました。この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は1兆3,037億円、役務取引等利益は1,657億円、その他業務利益は△725億円となりました。 イ.国内業務部門 前事業年度(百万円)(A)当事業年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)資金利益377,455569,684192,229資金運用収益547,6321,008,991461,358うち国債利息257,945368,351110,405資金調達費用170,177439,307269,129役務取引等利益155,801166,94911,148役務取引等収益183,737195,31311,575役務取引等費用27,93528,363427その他業務利益△223△8,607△8,383その他業務収益5451,021476その他業務費用7689,6298,860 ロ.国際業務部門 前事業年度(百万円)(A)当事業年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)資金利益579,371734,112154,741資金運用収益1,250,9951,408,708157,712うち外国証券利息1,242,0681,403,088161,020資金調達費用671,624674,5962,971役務取引等利益△929△1,242△313役務取引等収益37240432役務取引等費用1,3011,647345その他業務利益△68,190△63,9574,233その他業務収益2,6122,200△411その他業務費用70,80266,157△4,644 ハ.合計 前事業年度(百万円)(A)当事業年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)資金利益956,8261,303,796346,970資金運用収益1,750,2852,266,821516,535資金調達費用793,459963,024169,565役務取引等利益154,872165,70710,834役務取引等収益184,109195,71711,607役務取引等費用29,23730,010772その他業務利益△68,413△72,564△4,150その他業務収益3,1573,22264その他業務費用71,57175,7874,215 (注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度19,785百万円、当事業年度25,426百万円)を控除しております。2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。 前事業年度(百万円)当事業年度(百万円)国内業務部門・資金運用収益48,342150,878国際業務部門・資金調達費用48,342150,878 ③ 国内・国際別資金運用/調達の状況(単体)当事業年度の資金運用勘定の平均残高は221兆7,175億円、利回りは1.02%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は211兆6,731億円、利回りは0.45%となりました。国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は214兆839億円、利回りは0.47%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は207兆6,943億円、利回りは0.21%となりました。国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は86兆9,980億円、利回りは1.61%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は83兆3,433億円、利回りは0.80%となりました。 イ.国内業務部門種類前事業年度当事業年度増減平均残高利息利回り平均残高利息利回り利回り(百万円) (百万円) (%)(A)(百万円) (百万円) (%)(B)(%)(B)-(A)資金運用勘定220,673,556547,6320.24214,083,9591,008,9910.470.22うち貸出金4,605,60811,9900.263,997,23623,7190.590.33うち有価証券61,905,665313,1520.5059,403,591453,7310.760.25うち預け金等64,862,831158,5060.2460,873,270333,6080.540.30資金調達勘定214,835,388170,1770.07207,694,325439,3070.210.13うち貯金191,902,253104,2530.05189,080,264313,4180.160.11うち売現先勘定22,771,72028,5630.1217,936,66179,5650.440.31 (注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,131,496百万円、当事業年度2,137,837百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,131,496百万円、当事業年度2,137,837百万円)及び利息(前事業年度△7,313百万円、当事業年度△2,505百万円)を控除しております。3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ハ.合計」においても同様であります。 ロ.国際業務部門種類前事業年度当事業年度増減平均残高利息利回り平均残高利息利回り利回り(百万円) (百万円) (%)(A)(百万円) (百万円) (%)(B)(%)(B)-(A)資金運用勘定87,205,4641,250,9951.4386,998,0811,408,7081.610.18うち貸出金17,9941490.8311,7121441.230.40うち有価証券86,978,0651,242,0681.4286,806,9811,403,0881.610.18うち預け金等-------資金調達勘定82,912,853671,6240.8183,343,326674,5960.80△0.00うち売現先勘定5,876,665303,9545.175,264,734224,6804.26△0.90 (注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。2.当行は、海外店及び海外連結子会社を有しておりません。3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度3,345,371百万円、当事業年度3,450,844百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度3,345,371百万円、当事業年度3,450,844百万円)及び利息(前事業年度27,098百万円、当事業年度27,931百万円)を控除しております。 ハ.合計種類前事業年度当事業年度増減平均残高利息利回り平均残高利息利回り利回り(百万円) (百万円) (%)(A)(百万円) (百万円) (%)(B)(%)(B)-(A)資金運用勘定229,771,6461,750,2850.76221,717,5502,266,8211.020.26うち貸出金4,623,60212,1400.264,008,94823,8640.590.33うち有価証券148,883,7301,555,2201.04146,210,5731,856,8191.260.22うち預け金等64,862,831158,5060.2460,873,270333,6080.540.30資金調達勘定219,640,867793,4590.36211,673,161963,0240.450.09うち貯金191,902,253104,2530.05189,080,264313,4180.160.11うち売現先勘定28,648,385332,5171.1623,201,395304,2461.310.15 (注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度5,476,867百万円、当事業年度5,588,682百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度5,476,867百万円、当事業年度5,588,682百万円)及び利息(前事業年度19,785百万円、当事業年度25,426百万円)を控除しております。2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借の平均残高及び資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。 前事業年度当事業年度平均残高(百万円)利息(百万円)平均残高(百万円)利息(百万円)国内業務部門・資金運用勘定78,107,37448,34279,364,489150,878国際業務部門・資金調達勘定78,107,37448,34279,364,489150,878 ④ 役務取引等利益の状況(単体)当事業年度の役務取引等利益は、前事業年度比108億円増加の1,657億円となりました。 前事業年度(百万円)(A)当事業年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)役務取引等利益154,872165,70710,834為替・決済関連手数料89,86699,92610,060ATM関連手数料38,11037,624△485投資信託関連手数料13,00713,600593その他13,88814,555667 (参考) 投資信託・ゆうちょファンドラップの取扱状況 前事業年度(百万円)(A)当事業年度(百万円)(B)増減(百万円)(B)-(A)販売金額587,990646,91558,925残高2,939,7673,519,432579,664 (3) 財政状態の分析当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末比7兆299億円減少の226兆5,715億円となりました。主要勘定については、有価証券は前連結会計年度末比1兆8,188億円増加の145兆4,069億円、貸出金は前連結会計年度末比1兆2,415億円増加の4兆3,721億円となりました。貯金残高は、定額貯金の残高減少を主因に、前連結会計年度末比4兆3,530億円減少の186兆1,087億円となりました。株主資本は、配当金の支払い及び自己株式の取得の一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末比2,488億円増加しました。その他の包括利益累計額は、国内金利の上昇等に伴い、前連結会計年度末比755億円減少し、純資産は9兆2,600億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は3兆611億円となりました。 ① 預金残高の状況(単体)当事業年度末の貯金残高は前事業年度末比4兆3,519億円減少の186兆1,130億円となりました。○ 預金の種類別残高(末残・構成比) 種類前事業年度当事業年度増減金額(百万円)(A)構成比(%)金額(百万円)(B)構成比(%)金額(百万円)(B)-(A)預金合計190,465,032100.00186,113,094100.00△4,351,937流動性預金125,998,73066.15125,137,65767.23△861,072振替貯金12,166,0826.3811,877,9116.38△288,170通常貯金等112,991,89759.32112,450,56360.42△541,334貯蓄貯金840,7490.44809,1820.43△31,567定期性預金64,323,90233.7760,850,96932.69△3,472,932定期貯金8,601,8204.5110,290,3525.521,688,532定額貯金55,722,08229.2550,560,61727.16△5,161,464その他の預金142,3990.07124,4670.06△17,932譲渡性預金-----総合計190,465,032100.00186,113,094100.00△4,351,937 ○ 預金の種類別残高(平残・構成比) 種類前事業年度当事業年度増減金額(百万円)(A)構成比(%)金額(百万円)(B)構成比(%)金額(百万円)(B)-(A)預金合計191,902,253100.00189,080,264100.00△2,821,989流動性預金125,497,57065.39126,200,15866.74702,587振替貯金12,068,4616.2812,019,6026.35△48,858通常貯金等112,598,19758.67113,352,73459.94754,536貯蓄貯金830,9110.43827,8200.43△3,090定期性預金66,177,02234.4862,635,67933.12△3,541,342定期貯金6,114,4833.189,561,0675.053,446,584定額貯金60,062,53931.2953,074,61128.06△6,987,927その他の預金227,6600.11244,4260.1216,765譲渡性預金-----総合計191,902,253100.00189,080,264100.00△2,821,989 (注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。4. 上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (2) 預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。 ② 資産運用の状況(末残・構成比) (単体)当事業年度末の運用資産のうち、国債は41.4兆円、その他の証券は88.2兆円となりました。種類前事業年度当事業年度増減金額(百万円)(A)構成比(%)金額(百万円)(B)構成比(%)金額(百万円)(B)-(A)預け金等64,888,08728.1854,527,02624.44△10,361,061コールローン2,135,0000.921,760,0000.78△375,000買現先勘定8,463,5373.678,270,1513.70△193,386金銭の信託5,721,9732.486,222,8302.78500,856うち国内株式616,5710.26800,8740.35184,303うち国内債券1,130,9950.491,059,6880.47△71,307有価証券143,565,33962.35145,374,04365.161,808,703国債40,342,65217.5241,437,88418.571,095,231地方債5,600,8752.435,573,8982.49△26,976短期社債678,7310.29823,5990.36144,867社債9,483,3434.119,206,3114.12△277,031株式33,3830.0175,2710.0341,888その他の証券87,426,35237.9788,257,07739.55830,725うち外国債券27,823,72812.0829,013,68113.001,189,952うち投資信託59,437,32825.8159,056,64326.47△380,684貸出金3,130,5951.354,372,1931.951,241,597その他2,340,3301.012,570,6411.15230,310合計230,244,864100.00223,096,885100.00△7,147,979 (注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。 ③ 評価損益の状況(末残)(単体)当事業年度末の評価損益(その他目的)は、国内金利の上昇等に伴い、ヘッジ考慮後で、前事業年度末から1,454億円悪化し、△1兆2,333億円(税効果前)となりました。 前事業年度(A)当事業年度(B)増減(B)-(A)貸借対照表計上額/想定元本評価損益/ネット繰延損益貸借対照表計上額/想定元本評価損益/ネット繰延損益貸借対照表計上額/想定元本評価損益/ネット繰延損益(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)その他目的104,603,356553,42699,310,122904,717△5,293,233351,291有価証券 ①98,881,3821,864,33293,087,2922,596,913△5,794,089732,580国債15,305,265△1,705,12210,586,012△2,527,336△4,719,253△822,213外国債券19,103,8442,483,52019,333,0623,588,967229,2171,105,446投資信託59,437,3281,194,81459,056,6431,699,820△380,684505,006その他5,034,944△108,8794,111,574△164,538△923,369△55,658時価ヘッジ効果額 ②―△1,548,817―△1,954,026―△405,209金銭の信託 ③5,721,973237,9106,222,830261,830500,85623,920国内株式616,571301,255800,874360,896184,30359,641その他5,105,402△63,3445,421,955△99,065316,552△35,721デリバティブ取引 ④(繰延ヘッジ適用分)15,944,074△1,641,32815,314,434△2,138,108△629,640△496,780評価損益合計 ①+②+③+④―△1,087,901―△1,233,391―△145,489 (注) 「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。 前事業年度(A)当事業年度(B)増減(B)-(A)貸借対照表計上額評価損益貸借対照表計上額評価損益貸借対照表計上額評価損益(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)満期保有目的の債券45,169,875△2,386,74352,680,226△4,293,9657,510,351△1,907,221 ④ 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)(単体)業種別前事業年度当事業年度増減金額(百万円)(A)構成比(%)金額(百万円)(B)構成比(%)金額(百万円)(B)-(A)国内(除く特別国際金融取引勘定分)3,114,595100.004,361,193100.001,246,597農業、林業、漁業、鉱業-----製造業194,8026.25219,7005.0324,897電気・ガス等、情報通信業、運輸業105,8833.39178,9004.1073,017卸売業、小売業50,2531.6156,2241.285,971金融・保険業407,42813.08201,5164.62△205,912建設業、不動産業124,6594.00118,1552.70△6,504各種サービス業、物品賃貸業81,1042.60119,3602.7338,255国、地方公共団体2,085,29066.953,408,95078.161,323,660その他65,1722.0958,3841.33△6,788国際及び特別国際金融取引勘定分16,000100.0011,000100.00△5,000政府等-----その他16,000100.0011,000100.00△5,000合計3,130,595―4,372,193―1,241,597 (注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。2.当行は、海外店及び海外連結子会社を有しておりません。3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末34,618百万円、当事業年度末6,650百万円であります。 (4) キャッシュ・フローキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比14兆347億円減少の△9兆4,374億円、投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比3兆921億円減少の△5,667億円、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比869億円減少の△2,950億円となりました。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比10兆2,992億円減少の54兆3,398億円となりました。 (5) 資本の財源及び資金の流動性当面の設備投資及び株主還元などは自己資金で賄う予定であります。また、当行グループは、正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理態勢の構築を図っております。有価証券等の運用については、大部分をお客さまからお預かりした貯金にて調達するとともに、必要に応じて売現先取引や債券貸借取引等による資金調達を行っております。 (参考) ポートフォリオの状況 1.ポートフォリオの概要 当行は、ALM(資産・負債の総合管理)の枠組みとして7つのポートフォリオを設け、当行の内部規程に基づく管理会計により管理しております。上図は、その概要をイメージ図として重要性の観点から簡略化して記載しております。(なお、ALMとは、有価証券等の資産や貯金等の負債の金利・期間を把握し、将来の金利変動等を予測した上で、市場・信用・流動性等のリスクを管理しつつ、収益の確保を図る管理手法です。) ① 円金利ポートフォリオ(日本国債ポートフォリオを含む。)主に円金利リスクを取得・管理するポートフォリオです。日本国債、政府保証債、短期運用資産等の運用サイドに加え、調達サイド(貯金等)も含めて、円金利リスクを管理します。② 日本国債ポートフォリオ円金利ポートフォリオの内、運用サイド(短期運用資産等を除く。)を特に日本国債ポートフォリオと呼びます。③ クレジット・ポートフォリオ主に信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には国内外の地方債、社債等が含まれます。④ 外国国債ポートフォリオ主に外貨金利リスク、為替変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には外国国債等が含まれます。⑤ 株式ポートフォリオ主に株価変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には株式及び株式関連デリバティブ等が含まれます。⑥ オルタナティブ・ポートフォリオ主にオルタナティブ資産に係るリスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産にはプライベートエクイティファンド、不動産ファンド等が含まれます。⑦ 地域リレーションポートフォリオ主に貸付に係る信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、地方公共団体向け貸付(郵政管理・支援機構向け貸出金を含む。)、法人向け貸付、地域活性化ファンド等への投資を実施します。 ポートフォリオ間の内部資金取引には、市場金利等をベースにした仕切りレートを、トランスファー・プライス(以下「TP」)として設定しております。 ≪ポートフォリオ別資産の概要、期末残高≫ (単位:億円) 2025年3月31日2026年3月31日円金利リスク資産(注1)1,126,6741,045,565 短期資産686,045595,393国債・政府保証債440,629450,172リスク性資産(注2)1,079,1491,090,090 地方債56,00855,738社債等74,87772,045外国証券等779,159773,538貸出金26,61924,842株式(金銭の信託)等8,81012,807戦略投資領域(注3)133,672151,116 (注) 1.円金利ポートフォリオから調達サイド(貯金等)を除いたものとなります。2.クレジット・ポートフォリオ、外国国債ポートフォリオ、株式ポートフォリオ、オルタナティブ・ポートフォリオ、地域リレーションポートフォリオの合計となります。3.戦略投資領域は、オルタナティブ資産(プライベートエクイティファンド、不動産ファンド(エクイティ)等)、不動産ファンド(デット)、ダイレクトレンディングファンド、インフラデットファンド等であります。 2.ポートフォリオ別平残・損益の概要 (単位:平残/兆円、損益/億円) 前事業年度当事業年度平残損益平残損益全体219.55,668216.07,467 円金利ポートフォリオ111.8△2,779107.5244 顧客性調達・営業―△6,294―△3,637 運用等―3,514―3,882 リスク性資産107.68,447108.47,222 (注) ポートフォリオ別平残は、期首残高と期末残高の平均であります。 ポートフォリオ別損益は、以下により算出しており、各ポートフォリオの損益の合計は当行の経常利益に概ね一致します。損益=資金収支等(資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む))+役務取引等収支(役務取引等収益-役務取引等費用)-経費(損益計算書上の営業経費に相当) 資金収支等は、社外との実際の取引、社内の内部取引(TPを設定)を、各ポートフォリオに帰属させ、その収益・費用を計上しております。例えば、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)には、貯金で調達した資金を同期間の国債で運用した利鞘等を、リスク性資産には、国債レート(TP)の社内取引で調達した資金を同期間の社債等で運用した利鞘(信用スプレッド)等を、計上しております。 役務取引等に係る収益・費用は、大部分が為替・決済業務や投資信託販売手数料などサービス・商品販売に係る手数料とその費用であり、主に円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。 経費は、以下により各ポートフォリオに帰属させていますが、そのほとんどは円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。① 各ポートフォリオに直接帰属させることが可能な経費ア 特定のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、当該ポートフォリオに賦課イ 複数のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、業務に従事する社員数等に応じて各ポートフォリオに配賦② 各ポートフォリオに直接帰属させることができない経費各ポートフォリオの業務に従事する社員数に応じて配賦 以上により算出した当事業年度のポートフォリオ別損益を概観しますと、国内金利の上昇により、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)がALM部署から受け取るTP収益が増加したことから、円金利ポートフォリオの損益が改善しました。今後も、国内金利の上昇が継続する場合は、更なる改善が期待されます。また、リスク性資産も、引き続きポートフォリオ全体の収益確保に貢献しております。 (自己資本比率の状況) (参考)自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。なお、当行は、国内基準を適用の上、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法、マーケット・リスク相当額の算出においては標準的方式を採用しております。 連結自己資本比率(国内基準)(単位:億円、%) 2026年3月31日1.連結自己資本比率(2/3)14.932.連結における自己資本の額95,7203.リスク・アセット等の額640,7284.連結総所要自己資本額25,629 (注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。 単体自己資本比率(国内基準)(単位:億円、%) 2026年3月31日1.単体自己資本比率(2/3)14.962.単体における自己資本の額95,7703.リスク・アセット等の額639,7994.単体総所要自己資本額25,591 (注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。 (資産の査定) (参考)資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。 (1) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。 (2) 危険債権危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。 (3) 要管理債権要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。 (4) 正常債権正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(1)から(3)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。 資産の査定の額債権の区分2025年3月31日2026年3月31日金額(億円)金額(億円)破産更生債権及びこれらに準ずる債権0-危険債権00要管理債権--正常債権32,68545,581 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 市場環境の急激な変化海外の金利急上昇やクレジットスプレッドの拡大、プライベートエクイティファンドの想定外の下方乖離など、市場環境の急激な変化は運用収益に大きな影響を与えます。特に、国内外の金利差の拡大は外貨調達コストを増加させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。金利変動は、保有する国債や外国証券の価値にも直接影響します。
- システム障害・サイバー攻撃大規模なシステム障害やサイバー攻撃が発生した場合、金融サービスの提供が停止し、顧客への影響や信頼性の低下、復旧費用などにより、業績や財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。機器や回線の二重化、災害対策データセンターの設置などで対策していますが、リスクは常に存在します。
- コンプライアンス違反・不祥事不祥事件、個人情報漏洩、役職員の不適切な行為などのコンプライアンス違反は、顧客からの信頼を失墜させ、ブランドイメージを大きく損ないます。特に、広範な郵便局ネットワークでの管理徹底は困難を伴う可能性があり、これが不十分な場合、事業の存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当行グループの事業、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると、当行グループが認識している重要な事項について、記載しております。 当行グループの事業、業績及び財政状態等に特に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクについては、リスクアペタイト・フレームワークの枠組みの中で取締役会及び経営会議において議論した上、影響度・蓋然性を踏まえて、トップリスクとして選定しております。選定したトップリスクへの対応は、当行の経営計画に反映し、定期的にコントロール状況等を確認した上、必要に応じて追加的な対応を行っております。トップリスクは、以下のとおりであります。 リスク事象主な対応策海外のクレジットスプレッド急拡大・金利の急上昇等の市場環境の急激な変化プライベートエクイティファンドのExit時期の想定からの下方乖離想定以上の貯金金利引上げに伴う貯金調達費用の増加・ポートフォリオのリスク耐性強化の継続・取得リスク量に留意した選別的な投資・運用・リスク管理・ALMの専門人材強化・非流動性資産の調達期間長期化サイバー攻撃・国際基準に基づく第三者評価を踏まえた態勢強化・新システム導入時、機能追加時、サービスイン後におけるセキュリティ対策の確認システム障害の発生・機器、回線の二重化等による可用性向上・災対データセンター設置による冗長化対策・重点点検システムの選定・点検大規模災害等の発生・施設の耐震強化・被災時の備蓄品等の配備・リモート環境の整備デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)・業務効率化等の推進や競争環境への対応が不十分(銀行業界の変化)・中期経営計画・年度経営計画の戦略・施策の着実な推進不祥事件の発生、個人情報の漏洩・紛失、役職員の不適切な行為等のコンプライアンス違反事案の発生・過去の事案や他社事例を踏まえ、システム的・制度的な再発防止策の検討・実施・定期的な研修の実施・郵便局に対するモニタリングの強化人材不足等による戦略遂行の阻害・中期経営計画・年度経営計画と連動した人材戦略、人的資本投資の推進、人材ポートフォリオの適正化・専門人材等の採用、研修やキャリアチャレンジ制度等による育成強化・職場環境整備等を通じたエンゲージメントの向上・中長期的な事業のサステナビリティ確保に向けた抜本的な業務効率化や人材確保等について継続検討顧客基盤の維持・強化策が不十分・中期経営計画・年度経営計画の戦略・施策の着実な推進マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融に対する態勢不備・リスクを特定・評価の上、低減措置を策定・実施・対策の有効性の検証を行い、継続的な改善活動を実施・AI等の活用や当局との連携、外部機関の知見等を踏まえ、対策を高度化お客さま本位の業務運営が徹底されないことにより、お客さまが不利益を被るリスク・お客さまの声を一元管理する態勢を構築・各種研修等の実施気候変動、自然資本・生物多様性、人権等、サステナビリティに係る課題を起因とするリスク・サステナビリティの取組みを経営戦略と一体的に推進する「サステナビリティ経営」の態勢強化・進捗管理・投融資先排出量の目標設定・モニタリング、サステナビリティ投融資方針の定期的な改正 当行グループの事業その他に関するリスクについて、上記トップリスクを踏まえ、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。もっとも、当行グループの事業等のリスクはこれらトップリスクに限定されるものではなく、それ以外においても、投資家の投資判断上、特に重要であると考えられる事項は、投資家に対する情報開示の観点から、以下に記載しております。なお、当行グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。しかしながら、これらの対応が十分に成果を上げない場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。また、当行グループが認識していない、又は重要性が乏しいと考えている追加的なリスク等が、当行グループの事業、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性もあります。 (1) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク当行グループは、リスク管理に関する規程を定め、管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。また、当行グループは、経営環境、リスクの状況、今後の事業規模・範囲拡大などの想定に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行っておりますが、有効にリスク管理態勢が機能しない場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、新たな投資領域を開拓するなど当行グループが有価証券等の運用業務・対象を多様化し、また、貸付け業務の範囲・規模を拡大した場合、信用・市場リスク管理態勢や不公正取引発生防止態勢等を拡充する必要がありますが、かかる業務の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分になされない可能性があります。加えて、当行グループによるリスク管理方針の実施、その遵守状況の監督は、当行グループ内部だけでなく、当行の商品・サービス(貯金・資産運用商品・為替等)を販売する日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク全体についても行う必要がありますが、約24,000もの郵便局を有する広範な郵便局ネットワークでの実施・監督に困難又は不備が生じた場合には、当行グループによるリスク管理方針が機能せず、又は不十分となる可能性があります。これらの結果、郵便局ネットワークが利用できなくなる場合には、当行の事業の存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があるとともに、郵便局ネットワークの信頼性や効率性が損なわれる場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場リスク当行グループが保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。当行では、中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行っているほか、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、大幅な市場変動等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。特に、これまでは、世界的な高インフレを背景とした米欧中央銀行の金融引き締めを受け、国内外の金利差の拡大、これに伴う外貨調達コスト増加の影響が顕在化しておりました。足許では、米欧中央銀行は政策金利を維持する一方、日本銀行は政策金利を引き上げるなど、国内外の金利差は縮小傾向にありますが、今後の金融政策の動向等によって、国内外の金利差が再び拡大した場合は、外貨調達コストの増加を通じて、当行グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。加えて、国内外の景気変動、今後の各国中央銀行の金融政策の動向、米国政権等の経済政策の動向、ウクライナ及び中東情勢の悪化等に伴い、市場の大幅な変動や金融市場の混乱等が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。① 金利リスク当行が保有する日本国債(2026年3月末日現在、41.4兆円・総資産額の18%)や外国証券(2026年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は88.2兆円・総資産額の38%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の金融政策の動向により、金利が低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、これまでは、世界的な高インフレを背景とした米欧中央銀行の金融引き締めを受け、国内外の金利差の拡大、これに伴う外貨調達コスト増加の影響が顕在化しておりました。足許では、米欧中央銀行は政策金利を維持する一方、日本銀行は政策金利を引き上げるなど、国内外の金利差は縮小傾向にありますが、今後の金融政策の動向等によって、国内外の金利差が再び拡大した場合は、外貨調達コストの増加を通じて、当行グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。当行は、日本銀行による政策金利引き上げ等に伴う国内金利の上昇に対応して、預け金等から日本国債への新規投資の拡大による「円金利ポートフォリオの再構築」を実施しておりますが、当該投資が当行の想定通りに進まない場合や、国内金利の上昇が当行の予測を下回る場合には、資金収支等が当行の予測を下回る可能性があります。 また、市場金利及びクレジットスプレッドの変動は、当行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。足許においては、日本銀行による政策金利引き上げ等に伴う国内金利の上昇により、当行グループの保有する債券等の価値が下落しております。加えて、国内外の景気変動、今後の各国中央銀行の金融政策の動向、米国政権等の経済政策の動向、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇(クレジットスプレッドが拡大)した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失、売却損等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの業績、財政状態及び格付機関による当行の信用格付等に影響を及ぼす可能性があります。この他、貯金について、急激な市場金利上昇等に伴う貯金金利引き上げや、定額貯金(預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)への預け替え等が発生した場合にも、調達コスト等の上昇等を通じて、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、市場金利上昇等に伴う他行の預金金利引き上げ等により、急激な貯金流出が発生した場合にも、運用資産への新規投資額の減少等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② 為替リスク当行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等の外国証券の保有が増加しております。これらのうち、外貨建て資産については、為替リスクを軽減する目的から通貨スワップや為替予約等によりヘッジ取引を行っておりますが、その一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。今後の為替変動については、米国や日本など各国の中央銀行の金融政策や各国の景気動向等によるため正確な予測は困難ですが、大幅な為替相場の変動が発生した場合、非ヘッジ部分に係る差損が発生し、又は通貨ベーシスの拡大が発生した場合、外貨調達コストが増加すること等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。③ 株式価格変動リスク当行グループは、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、株式を保有しており、国内外の経済状況又は市場環境の変化や、特に足許の中東情勢を始めとする地政学的な緊張・対立の影響によって株価が変動する場合には、これら保有株式に評価損・減損損失や売却損等が生じ、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行グループは、プライベートエクイティファンドに関する数値について、プライベートエクイティファンドのGPから提出されるレポートの情報に依拠しており、情報受領のタイミングにより概ね3か月前の時価に基づき算出されるため、実際の時価とは乖離が生じる可能性があります。 (3) 市場流動性リスク当行では、市場流動性を確保する観点から、流動性が低い資産への投資が過大にならないよう、また、市場規模に比して過大なポジションを保有することがないよう、基準を設定することにより、市場流動性リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、当行グループが国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 資金流動性リスク当行では、安定的な資金繰りを達成するため、資金の受払いの差額について基準を設定しているほか、予期しない資金流出等に備え、流動性の高い資産の保有額に基準を設定することにより、資金流動性リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、当行グループの業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、当行グループの収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けた当行格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 信用リスク当行では、有価証券発行体や貸出先などの債務者に対し、内部格付を付与の上、定期的にモニタリングを行うほか、個社・企業グループ及び国・地域に対するエクスポージャーの上限管理等を実施することにより、信用リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、債務者において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事等の発生、その他不測の事態により財政状態が悪化した結果、当行グループの与信関係費用が増加又は当行グループが保有する有価証券等の価値が下落することによって評価損・減損損失や売却損等が生じ、当行グループの業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。 (6) オペレーショナル・リスク等① 事務リスク当行グループや当行の商品・サービスを販売・提供する日本郵便株式会社の役員・従業員が、事務に関する社内規程・手続等に定められた事務処理を怠る、あるいは事故・不正等を起こすリスクが存在します。当行グループでは、各種研修等を通じて手続等の浸透、不正の防止に努めておりますが、かかる事務リスクが顕在化した場合には、当行グループへの行政処分、訴訟提起等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループの業務に関連して、顧客その他の第三者が、偽名による口座開設、当行口座の不正目的による使用、又は盗難カードを使用した犯罪行為その他の不正行為を行った場合や、当行グループの取引先が反社会的勢力と何らかの関係を有する者であった場合には、これに対応する費用の支出が発生する等、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② システムリスク当行グループは、当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険と共用しているシステムも利用して、銀行口座、資産運用等の取引・管理を行い、また、全国の郵便局ネットワークや全国銀行データ通信システム等と通信しているなど、情報通信システムは、当行グループの事業にとって極めて重要な機能を担っております。当行では、重要なシステムについては、システム監視や不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定する等して、システムの安定稼働の維持に努めておりますが、自然災害・サイバー攻撃等の外的要因に加えて、人的過失、事故、コンピュータウイルスの感染、システムの新規開発・更新における瑕疵等により、システム障害が発生する可能性があります。こうしたシステムの不具合、故障等が生じた場合に、これに対応する費用の支出の発生、業務の停止・混乱、それに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等が発生することにより、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 情報資産リスク当行グループは、多数の個人・法人のお客さま等の情報を保有しております。顧客情報は銀行法、金融商品取引法等により適切な取扱いが求められ、特に個人情報については個人情報保護法等の下で、より厳格な管理が求められております。当行グループでは、プライバシーポリシー等情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めておりますが、機密情報や顧客情報等の重要な情報について、内部からの漏えいや、コンピュータへのサイバー攻撃等外部からの不正なアクセス等が発生する可能性があり、業務委託先を含め、仮にこのような事象が生じた場合には、これに対応する費用の支出の発生、当行グループに対する損害賠償請求、行政処分、社会的信用の毀損等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(郵便局において発生した顧客の事前同意を取得しないまま貯金等における非公開金融情報を用いて保険募集や投資信託・国債の募集を目的とした来局誘致等を行った事案(以下「クロスセル事案」)については、後記「(12) 日本郵便株式会社との関係に係るリスク ① 郵便局ネットワークをメインチャネルとする営業に係るリスク」をご参照ください。)。④ 訴訟等に係るリスク当行グループは、事業の遂行に関して、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項を始めとする、訴訟等が提起されるリスクを有しております。業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 人事リスク当行グループでは、各種研修等を通じて、ハラスメントを含む人権問題、人事処遇、勤務管理などの人事労務上の問題、職場の安全衛生管理上の問題等の発生の防止に努めておりますが、かかる問題が発生した場合や、これらに関連する重大な訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合、当行グループの業績、社会的信用及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑥ レピュテーショナル・リスク当行グループでは、風説・風評が伝達される媒体を定期的に確認し、風説・風評の把握に努めるとともに、その影響度等に応じた対応によるレピュテーショナル・リスクの管理に努めておりますが、当行グループや当行グループの事業の風説・風評が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板への書込み、SNS等により拡散した場合、また、報道機関により憶測に基づいた報道が行われた場合には、お客さまや市場関係者等が、当行グループについて事実と異なる理解・認識をし、当行グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループと競合する他の金融機関等に関する問題や不祥事の発生、批判、風評等であっても、それにより銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が下落する場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。⑦ 災害・パンデミックに係るリスク当行グループは、大規模災害等に備えた事業継続計画等を整備し、危機管理態勢の強化に努めておりますが、大規模災害、パンデミックの発生(感染症の大流行)、テロリズム・武力衝突等の人的災害、電気・通信その他の社会インフラの障害や混乱等が発生した場合、当行の店舗・事務センター等といった施設・有形資産やシステム等が毀損し、又は正常な業務遂行が困難になること等により、当行グループが損失を被る可能性があります。また、かかる状況の下で当行グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生による経済・社会活動の沈滞や、インフラの機能不全等の影響を受けて、当行グループが保有する金融商品に評価損・減損損失や売却損等が生じたり、当行グループの不良債権・与信関係費用が増加したりする可能性もあり、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑧ サイバー攻撃等に係るリスク当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、業務の遂行にあたって利用する情報通信システムは、当行グループの事業にとって極めて重要な機能を担っております。特に、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方に対応したリモートワークの増加や、近年のデジタル技術の著しい発展によるインターネットやスマートフォンを利用した取引の増加等により、当行のデジタルチャネルの拡充も進んでいる一方、フロンティアAI等を活用したサイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、金融機関を取り巻くサイバーリスクは高まっております。更に、経済安全保障の観点からも、国外からの各種サービスの安定的な提供に対する妨害行為等への対策の重要性が高まっている状況です。当行ではこれらのサイバーリスクの低減を図るため、サイバーセキュリティに関する専門部署の設置やサイバーセキュリティ担当役員(CISO:Chief Information Security Officer)を配置し、多層的な防御・検知対策の整備をしております。また、専門知識を有する人材を配置するとともに、外部専門機関との連携等を通じて新たな攻撃手口の分析や対策を行うなど、必要な対策を講じております。当行のサイバーセキュリティ態勢が十分に機能しなかった場合には、国内外からのサイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルス感染等の要因により、機密事項・顧客情報の漏えい・紛失、各種サービスの不正利用・不正送金や情報通信システムの障害等が発生した場合には、お客さまへの経済的・精神的損害や業務の停止及びそれに伴う損失や損害賠償の発生、行政処分や罰則、お客さま及びマーケット等からの信頼失墜等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑨ 法令違反等に係るリスク当行グループは、お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に取り組み、法令・諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスやその意識の水準向上、内部牽制・内部監査・顧客保護等管理など内部管理の強化を経営上の重要課題として位置づけ、適切な指示・指導・モニタリングを行う態勢を整備するとともに、法令違反・不正行為等の防止策を講じております。しかしながら、これらが十分な効果を発揮せず、横領その他の犯罪行為、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な顧客説明や資産運用商品の販売等、法令・諸規則等を遵守できない等のコンプライアンス・リスクが発生する可能性があります。また、これらの法令等の不遵守を、組織として迅速・適切に認識できない可能性もあります。業務委託先である日本郵便株式会社等を含め、法令違反・不正行為等に関するリスクが顕在化した場合には、当行グループへの訴訟提起、行政処分等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑩ マネー・ローンダリング等に係るリスク昨今、我が国において、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融に係る事案、特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺、口座の不正利用・売買、インターネットバンキングにおいて不正に入手したID・パスワードを使用した預金等の払戻し、非対面取引時のなりすまし、犯罪収益を暗号資産に転換するなど、金融機関のサービスを悪用した金融犯罪は減少の兆しを見せず、手口も年々高度化・巧妙化が進んでおります。また、流動的な国際情勢を反映し、国連及び各国・地域では経済制裁等が実施されており、制裁対象者等に商品・サービスを提供した金融機関に対しては、厳しい処分が科されております。当行ではこれらの防止のため、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備し、顧客管理措置、疑わしい取引の検知・届出、商品・サービスの見直し、経済制裁措置への対応等の対策を講じることで、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策の強化に取り組んでおります。加えて、投資詐欺等の被害のおそれが高い口座を検知した場合、当該情報等を警察に連携する体制を構築し、被害の抑制に取り組んでおります。 しかしながら、これら施策の実施にもかかわらず、マネー・ローンダリング等の法令諸規制に違反する不正な取引が発生した場合や経済制裁対象者等に対し当行の商品・サービスが提供された場合には、当行グループへの行政処分、多額の制裁金の支払、社会的信用の毀損等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 気候変動を始めとするサステナビリティ課題に係るリスク2015年に採択された気候変動問題に関する国際的枠組みである「パリ協定」を受け、脱炭素社会への移行が社会全体で進んでおり、当行グループでもその対応の重要性は高まっております。気候変動リスクとしては、GHG排出に係る規制の強化等、低炭素経済への移行に関するリスクや、気候変動に伴う洪水等の異常気象の深刻化・増加等による、物理的変化に関するリスクが挙げられます。当行グループでは、気候変動リスクの顕在化による投融資先の業績悪化等に伴う保有有価証券の価値の低下や、自然災害等による当行の店舗・事務センター等といった施設・有形資産やシステムの毀損等を、主な気候変動リスクとして想定しております。当行グループでは、気候変動への対応は、環境・社会及び企業活動にも大きな影響を及ぼす重要な課題であると認識しており、2019年4月に気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に賛同するとともに、同提言を踏まえた気候変動シナリオ分析の高度化等、気候変動に係るリスクの適切な管理や情報開示に取り組んでおります。 このような認識を具体的な取組みに反映させるものとして、2050年までに自社及び投融資ポートフォリオのGHG排出量のネットゼロ達成を目指す「ゆうちょ銀行 GHG排出量ネットゼロ宣言」を発表し、気候変動対応の取組みを推進しております。投融資ポートフォリオについては、投資単位あたりGHG排出量※を2030年度までに2019年度比50%削減とする中間目標を設定しております。加えて、中期経営計画(2026~2028年度)において、新たに2030年度までのサステナブルファイナンス新規投融資額(2020年度からの累計額)の目標を10兆円程度と定めております。この他、生物多様性保全や人権尊重等、サステナビリティ課題への関心や重要性が高まっていることを踏まえ、当行グループは、様々な環境保全活動や国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デューデリジェンス等を実施しております。しかしながら、これらの取組みが十分な効果を発揮しない場合や、これらの取組みや開示が不十分とみなされた場合は、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ※ 投資単位(1億円)あたりのGHG排出量(t-CO2/億円) (8) 事業戦略・経営計画に係るリスク当行グループは、2026年5月に公表したとおり、2026年度から2028年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。本中期経営計画は、15年後(2040年)にありたい姿として策定した「中長期ビジョン」の実現に向けた第一歩と位置づけており、その実現に向け、「デジタルペイメント事業戦略」、「コンサルティング事業戦略」、「市場運用・アセットマネジメント事業戦略」、「地域・企業ソリューション事業戦略」という4つの事業戦略の推進と、それらを支える人的資本経営や企業風土改革の推進、経営基盤の高度化に取り組んでおります。しかしながら、当行グループの事業戦略・経営計画は、各種リスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、本項に記載したリスク要因等に伴い、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。例えば、デジタルペイメント事業戦略においては、当行グループが提供する商品・サービスがお客さまのニーズと乖離する、又は他行対比で劣後する場合や、技術革新により当行グループの商品・サービスが陳腐化する場合、当行グループのシステム上の制約により想定通りに開発が進まない場合等には、顧客離反の発生や、役務取引等利益の計画が達成できなくなる等、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。コンサルティング事業戦略においては、専門知識を有するコンサルタントの確保・育成が想定通りに進捗しなかった場合、導入予定の商品・サービスが何らかの理由により導入できなかった場合や、当行グループが提供する商品・サービスがお客さまのニーズと乖離する、又は他行対比で劣後する場合等には、顧客離反の発生や、役務取引等利益の計画が達成できなくなる等、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。市場運用・アセットマネジメント事業戦略においては、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定から乖離した場合、例えば、日本国債への投資が想定通り進捗しないことによる運用収益の減少によって計画が達成できない可能性や、市場金利の低下による運用利回りの減少や米ドルを始めとする海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの増加によって計画が達成できない可能性、プライベートエクイティファンドの投資先の企業価値向上や資金回収のペースが想定対比で乖離することによって計画が達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、当行グループの事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。また、当行は、円金利資産とリスク性資産の最適な運用ポートフォリオの追求に取り組んでおり、2007年10月1日時点(民営化時点)においては国債(預託金を含む)が運用資産の88.0%を、2016年3月末(新規上場期)においては国債が運用資産の40.1%を占めておりましたが、2026年3月末においては、国債、外国証券等、預け金等、その他がそれぞれ運用資産の18.5%、39.5%、24.4%、17.4%を占めております。特に、当行は、プライベートエクイティファンド、不動産ファンド(エクイティ・デット)、ダイレクトレンディングファンド、インフラデットファンド等を戦略投資領域と位置づけ、優良な案件への選別的な投資に努めておりますが、これらの投資は一般的に投資期間が長期に及び、株式市場や不動産市場等の変動を受けやすいなどリスクが高く、当行の投資ノウハウや経験の不足、専門的な知識を備えた人材の確保が困難であること、経済情勢や株式市場、不動産市場の急激な変動等により、投資先の企業価値向上や資金回収が想定通りに進捗しない可能性があり、当行グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。更に、当行グループは、2026年4月1日付で設立した「ゆうちょアセットマネジメント株式会社」を中核に、アセットマネジメントビジネスに取り組んでおりますが、商品開発・投資家向けの販売が想定通りに進捗しなかった場合等には、期待された成果が得られない可能性があります。地域・企業ソリューション事業戦略においては、当行100%出資子会社である「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」を中核とする地域プライベートエクイティ投資基盤の構築を進め、GP事業に取り組んでおりますが、想定通りに投資実績が積みあがらない場合や人材確保・育成が想定通り進捗しなかった場合等には、期待された成果が得られない可能性があります。更に、地域経済の停滞等の影響を受け、地域金融機関とのリレーションシップ・マネジメント強化や事業法人へのソリューション提供が想定通り進捗しなかった場合には、事業法人における顧客離反の発生や役務取引等利益の計画が達成できない等、期待された成果が得られない可能性があります。人的資本経営・企業風土改革の推進や経営基盤の高度化においては、DX推進やAI活用等による業務効率化や、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が想定通り進捗しなかった場合等には、資金収支等や役務取引等利益の拡大、OHR(経費率)改善等の計画が達成できなくなる可能性や、当行グループの既存の対面型のサービスの維持が困難となる可能性があります。更に、AI活用を推進することにより、ハルシネーション等のAI利用に伴うリスクが発生する可能性があります。また、減損損失、売却損の計上等により十分な利益水準が確保できない場合や、法令によりその他有価証券の評価損が発生した際は分配可能額から控除する必要があることから、相場変動によりその他有価証券の評価損が拡大し、分配可能額を確保できない場合等には、株主還元の目標が達成できない可能性があります。加えて、日本郵政株式会社は、将来的なグループ連結ベースでのIFRS適用を検討しており、将来的に当行グループもIFRSを適用する可能性があるほか、事業の内容又は経営環境の変化に対応して会計方針等の変更を行う可能性もあります。これらの結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 業務範囲の拡大等に係るリスク当行グループは、新たな収益機会を得るために新規子会社を保有しようとする等の場合、郵政民営化法、銀行法の規制により必要となる当局の認可等を適時に取得できない可能性があります。なお、2025年6月27日付で日本郵政株式会社は当行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出ております。この日より前においては、当行が新規業務を開始する際には当局の認可を要するものとされておりましたが、この日以後は、当該認可は不要となり、代わりに新規業務を開始する旨及び当該事業の内容を内閣総理大臣及び総務大臣に届け出ること、並びに他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮を行うことが必要となります。しかし、当行が上記の要件を充足できない場合又は当局等が当行と異なる解釈をする場合には、当行の新規業務の開始が妨げられ、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、規制上必要な手続に従って業務範囲を拡大した場合でも、当行グループが限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合等において、業務範囲の拡大が功を奏しない、又は、当初想定した成果をもたらさない可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 事業環境等に係るリスク① 主要な事業の前提に係るリスク当行は、郵政民営化法第98条第1項により、次に掲げる条件付きで銀行法第4条に定める銀行業の免許を受けたものとみなされております。・郵政民営化法第110条第1項各号に掲げる業務(いわゆる新規業務。「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (1) 業務の制限」をご参照ください。)を行おうとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならないこと。・郵政民営化法第8章第3節の規定の適用を受ける間、業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するための基盤となる銀行代理業者への継続的な業務の委託がされていること。この免許につきましては、有効期間は定められておりませんが、銀行法第26条、第27条、第28条及び第41条に規定された要件に該当した場合、業務の停止又は免許の取消し等を命じられることがあります。2026年3月末日現在において、当行は、これらの要件に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来、何らかの事由により当行がこれらの要件に該当した場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたし、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② 銀行法を始めとする各種法令等に係るリスク当行グループは事業を行うにあたり、銀行法を始め税制・会計基準を含む各種法令等が適用され、銀行免許・当局の監督を受けております。また、我が国はWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国であり、当行グループが物品等を調達する場合にも、WTOによる政府調達ルールの遵守が求められます。各種法令等の改正や新たな法的規制等により、当行グループの競争条件が悪化したり、営業・運用等の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の制限等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、米国の外国資産管理法による指定国等に対する経済制裁の発動・強化は、当行の国際分散投資を制約し、直接又は投資信託を通じ保有する外国証券のリスクを高める可能性があります。また、当行は、郵政民営化法によって、他の銀行には課せられていない規制が課されております(当行に係る郵政民営化法に基づく規制は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)。例えば、当行は、他の銀行と比較して業務拡大等に係る経営の自由度が限定されており、また、銀行を当行の子会社とすることや、預入限度額を超える一顧客からの貯金受入れも、原則としてできません。郵政民営化法の規制により、当行グループの事業、成長戦略を含む事業戦略・経営計画の策定・遂行、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に将来、現行の民営化の枠組みを変更する法律が制定された場合、その内容によっては、当行グループに影響をもたらす可能性もあります。③ 経済・社会情勢、市場に係るリスク当行グループが行う事業による収益の多くは日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、インフレ高進に伴う実質所得の低下、少子高齢化等に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、当行の貯金残高が減少する可能性があります。また、米国政権の各種政策等に端を発する国内外の金融市場の混乱等が生じた場合、当行グループの事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中長期的な収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。④ 競争に係るリスク当行グループが行う事業は、いずれも激しい競争状況に置かれております。当行の主力事業は郵便局ネットワークをメインチャネルとするリテール・バンキング事業であるため、当行は、都市銀行のほか、地方銀行その他の金融機関と競合しております。また、当行グループが業務範囲を拡大した場合には、現時点では当行グループと競合関係にない会社との競合が新たに生じる可能性もあります。この他、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われており、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和も行われております。更に、テクノロジーの進化により、他業界からの新たな金融サービスの提供者の参入や顧客ニーズの多様化が進展しております。当行グループでは、AIを始めとする新たなテクノロジーの活用や、デジタル化の推進等によるサービスの改善・充実に努めておりますが、当行グループが競合する他の金融機関に対して優位に立てない場合や、市場構造の変化に対応できなかった場合、規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合、テクノロジーの進化や顧客ニーズの多様化に対応できなかった場合は、顧客基盤の流出・弱体化、収益力の低下、既存サービス・ネットワークの陳腐化等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 日本郵政株式会社との関係に係るリスク① 日本郵政株式会社の当行の事業運営に対する影響日本郵政株式会社は、以下の諸点を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。(a) 議決権の行使等を通じた影響2026年3月末日現在において、日本郵政株式会社の当行に対する議決権比率は50%を下回っておりますが、当行に適用される会計基準のいわゆる実質支配力基準により、日本郵政株式会社は当行の親会社となります。日本郵政株式会社は、当行株式の保有を通じ、当行の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等、当行の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。 また、日本郵政株式会社は、後記「5 重要な契約等」に記載の日本郵政グループ協定その他の契約や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の保有等により、当行について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主の期待と異なる議決権の行使を行う可能性があります。更に、当行以外の日本郵政グループ各社が、直接又は子会社等を通じて当行と競合し又は競合する可能性のある事業を行うなど、当行の一般株主の利益とは異なる観点で行動する可能性があります。(b) 日本郵政グループとの人的関係を通じた影響下表のとおり、日本郵政グループの役員等が当行の役員を兼任しております。また、当行経営会議(「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。)には、原則、日本郵政株式会社の役員は出席しないものの、会議の議題に応じて、出席が必要と当行が考える日本郵政株式会社の代表執行役に限り出席を要請することとしております。更に、従業員についても、2026年3月末日現在、当行に、日本郵政株式会社の子会社である日本郵便株式会社からの受入出向者が4名、当行・日本郵便株式会社に、両社職務の兼務者が515名(当行所属従業員246名、日本郵便株式会社所属従業員269名)おります。この他、日本郵政株式会社等からの受入出向者は1名であります。当行は日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しており、代理店の現状に精通した人材を代理店の業務指導・支援に活用し、また、代理店の要員に当行直営店業務を経験させることは、代理店の事務品質・代理店要員の業務知識の向上を狙いとしております。更に、当行エリア本部、日本郵便株式会社の支社の所属者を相互に兼務させ、営業施策の立案・推進管理、営業人材の育成を協働推進させることは、直営店・郵便局一体の営業力強化を企図しております。なお、これらの受入出向者・兼務者はいずれも、当行の重要な意思決定に影響を与える職位・職務には就いておりません。日本郵政株式会社は、上記の役員兼任等を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (日本郵政グループの役員等と当行役員を兼任している者)本有価証券報告書提出日現在役職・氏名兼任している会社・役職兼任の理由会社役職取締役兼代表執行役社長笠間 貴之日本郵政株式会社取締役(非常勤)当行代表として、親会社である日本郵政株式会社の意思決定過程に参画するため取締役兼代表執行役副社長小方 憲治日本郵政株式会社常務執行役国が資本金の3分の1以上を出資している法人である日本郵政株式会社として国会で当行に関する専門的な質問への答弁対応の必要があるため取締役(非常勤)根岸 一行日本郵政株式会社 日本郵便株式会社 株式会社かんぽ生命保険取締役兼代表執行役社長 取締役(非常勤) 取締役(非常勤) グループ経営の観点からの総合的な助言を得るため専務執行役松永 恒日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社取締役(非常勤)当行が日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社に委託している業務について、当行の意向をより適切に反映させるため執行役山本 浩和日本郵政コーポレートサービス株式会社取締役(非常勤)当行が日本郵政コーポレートサービス株式会社に委託している業務について、当行の意向をより適切に反映させるため執行役當麻 維也株式会社JPデジタル取締役(非常勤)グループの横断的・一体的なDX施策を牽引している株式会社JPデジタルに対して、当行の意向をより適切に反映させるため (c) 契約関係・取引関係を通じた影響当行は、後記「5 重要な契約等」や「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載のとおり、日本郵政グループ各社と契約を締結し取引しておりますが、当該取引にあたっては、契約の締結・改定の際に、取引の目的・必要性、取引条件の適正性(銀行法に定めるアームズ・レングス・ルール)等を確認しており、日本郵政グループ内の取引を適正に管理する態勢を整備しております。加えて、当行と日本郵政グループ各社との重要な取引や、当行と当行の主要株主との非定型的な取引については、取締役会において審議の上、承認することにより、当行又は株主共同の利益を害することのないよう監視しております。当行は、後記「5 重要な契約等」に記載のとおり、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定等を締結しております。これらの協定等に基づき、当行は一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行うこととされ、また日本郵政株式会社から「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されるとともに、日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、別途合意した算定方法に従いブランド価値使用料を支払っております。これらの協定等は後記「5 重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続するため、当行は当該解除までの間、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合にかかわらず、一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行う義務や、日本郵政株式会社に対してブランド価値使用料を支払う義務等を負います。また、後記「5 重要な契約等」に記載の要件が満たされ、これらの協定等の終了又は見直しにより現在の条件での商標の使用が継続できなくなった場合や、重大な経済情勢の変化等が生じたと判断してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合等には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② 日本郵政株式会社による当行株式の追加処分の可能性日本郵政株式会社は、2026年3月末日現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約49.8%を保有しておりますが、郵政民営化法は、日本郵政株式会社が保有する当行株式は、その全部を処分することを目指し、当行の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとしており、日本郵政株式会社は当行株式について、保有割合が50%以下になった以降も株式処分について検討を進める旨を公表しております。今後の株式売却の時期・規模等は未確定ですが、将来、当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵政グループ協定等は、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合にかかわらず、後記「5 重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続しますが、日本郵政株式会社が当行株式又は株式会社かんぽ生命保険株式を更に売却し、当行又は株式会社かんぽ生命保険が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合、これらの協定等の多くは見直すこととされているため、当行にとって不利な条件に変更される等の場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。一方、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合は、郵政民営化法による他の銀行には課せられていない規制(「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)が緩和される要件の一つであるため、日本郵政株式会社による当行株式の追加処分が行われない場合、当該緩和が、期待通りに進まず、当行の経営の自由度の拡大が実現しない可能性があります。③ 日本国政府との関係希薄化により顧客等に誤認が伝播するリスク当行は、日本国政府から何らの明示又は黙示の保証その他の信用補完を受けておりません。しかし、日本郵政株式会社による当行株式の処分や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の処分の進捗に伴い、当行と日本国政府との関係の希薄化により、当行に付与された信用格付が格付機関によって引き下げられた場合や、当行の経済的信用力が低下したとの誤認や錯誤が伝播した場合等には、貯金等の減少、取引条件や人材の採用・定着への影響等を通じ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 日本郵便株式会社との関係に係るリスク① 郵便局ネットワークをメインチャネルとする営業に係るリスク当行は、後記「5 重要な契約等」に記載のとおり、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しております。2026年3月末日現在、当行の店舗23,306のうち23,071が代理店(郵便局)となっており、貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、当行の事業は代理店である日本郵便株式会社の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しております。従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上、デジタルサービスの拡充等により、当行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱う当行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、当行代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便株式会社が人材等のリソースを当行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、当行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、郵便局において資金横領等事案の部内犯罪が発生している事態を受け、日本郵便株式会社及び日本郵政株式会社と連携し、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、不祥事件の撲滅に向けてコンプライアンスの徹底・強化に取り組んでおります。加えて、郵便局において発生したクロスセル事案については、2025年3月18日に金融庁から、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険及び当行に対して再発防止策及びその実施状況等について、定期的に報告するよう命令を受け、命令に基づき報告を実施しております。日本郵便株式会社への監督体制強化を含め日本郵政グループ各社と連携し、再発防止策に取り組んでおります。更に、過年度においてお客さま情報の紛失等が発生した投資信託取引及び国債取引に関する金融商品仲介補助簿に係る取扱いについては、当該補助簿の電子化による再発防止策を実施したほか、当該補助簿以外の書類についても、紛失防止に向け、保存書類の削減、電子化(ペーパーレス化)を進めております。しかしながら、これらの取組みが功を奏しない場合や、その他の法令違反等の不適正な事案が発覚する等の場合には、日本郵政グループの社会的信用に影響を与える可能性があり、今後、当行の金融商品の販売が低迷し、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、日本郵便株式会社の郵便局を商品・サービスの販売・提供のメインチャネルとし、相当額の委託手数料を日本郵便株式会社に対して支払っております(後記「5 重要な契約等」をご参照ください。)が、当該委託手数料の算定方法その他の条件が当行と日本郵便株式会社との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記(10)①のとおり、日本郵便株式会社が当行との間で締結している銀行代理業務の委託契約等は、当行の主要な事業活動の前提となっております。当該契約は期限の定めのない契約ですが、解除に係る協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。2026年3月末日現在において、日本郵便株式会社から当該契約等の見直しや解除の申入れ等、契約の存続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当該要因が発生した場合には、当行の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。② ユニバーサルサービスの提供に係るリスク当行は、後記「5 重要な契約等 (1) 銀行窓口業務契約」に記載のとおり、日本郵便株式会社との間で銀行窓口業務契約を締結しており、同社は全国の郵便局で、当行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しております。当行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムは当行が所有)、同業務に従事する日本郵便株式会社の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めております。また、当行の定款には、日本郵便株式会社と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、定款の変更を要します。従って、当行が銀行窓口業務契約を終了させるためには、これらの手続等を充足させる必要があります。一方、本契約が終了した場合にも、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました(下記「(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、2019年度から当行と日本郵便株式会社との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となりました。下記のとおり、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)から日本郵便株式会社に交付される交付金の原資となる拠出金は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構に関する省令に基づき、人件費、賃借料、工事費等の郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)から算出されており、郵政管理・支援機構が年度毎に算定しております。そのため、当行直営店での業務コストの増減にかかわらず、当行の関与できない部分で拠出金と委託手数料の合計額が将来的に増加する可能性があります。また、今後、このようなユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等があった場合、その内容によっては、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これにより、2019年4月1日に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の名称が「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に変更され、また、郵政管理・支援機構の目的として、「郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与すること」が追加されました。郵便局ネットワーク維持に要する費用は、従来、日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われておりましたが、当該費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、本法に基づき、2019年度から、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております。当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用の算定方法は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした次の費用の合計額です。ア あまねく全国において郵便局でユニバーサルサービスが利用できるようにすることを確保するものとなるように郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料、工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、並びに固定資産税及び事業所税イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用及び交付金・拠出金の算定等に係る郵政管理・支援機構の事務経費は、郵便窓口業務、銀行窓口業務又は保険窓口業務において見込まれる利用者による郵便局ネットワークの利用の度合等に応じて按分され、銀行窓口業務に係る按分額を当行が拠出金として拠出しており、拠出金の額は郵政管理・支援機構が年度毎に算定し、総務大臣の認可を受けております。なお、2026年度に当行が支払う拠出金の額は2,739億円です。また、2019年度から、郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われているため、当行が業務委託契約等に基づいて日本郵便株式会社に支払っている委託手数料についても見直しを行っております(後記「5 重要な契約等」をご参照ください。)。 (13) その他のリスク① 自己資本比率等に係るリスク当行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に基づき、自己資本比率の規制比率(4%以上)を維持する必要があります。本邦当局が公表したバーゼルⅢ最終化に係る最終規則に基づき、自己資本比率の算出手法が見直されており、海外に営業拠点を持つ銀行には2024年3月に、国内基準行である当行にも2025年3月に施行されております。2026年3月末日現在、バーゼルⅢ最終化を反映した当行の連結自己資本比率は14.93%と、規制比率に比べ高い水準を確保しております。今後も、当行は必要十分な財務健全性の確保を前提に適切な自己資本比率の管理を徹底してまいります。一方、業績・財政状態や運用ポートフォリオの変動に加え、2030年3月のバーゼルⅢ最終化完全適用や比率の算出方法変更等により、当行の自己資本比率が低下したり、新たな規制等への対応が必要となる可能性があります。当行の自己資本比率等が規制比率を満たさない場合には、当局から業務の縮小・停止等の行政上の措置が課されること等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当行は、金利リスク状況のモニタリングの一環として、当局による「主要行等向けの総合的な監督指針(以下「監督指針」)」において定められた重要性テストの過程で用いられる手法に基づき、金利変動による資産・負債の経済価値の減少額(以下「ΔEVE」)を計測しております。今後、当行のΔEVEの最大値が重要性テストにおける評価基準である自己資本の額の20%を超え、当局から深度ある対話を行う必要が認められる銀行と判断される場合には、対話を通じて共有された課題認識に基づき、原因への対応も含めて必要な改善対応を求められる可能性があります。なお、仮に当該改善計画を確実に実行させる必要があると当局から判断された場合、当局から行政上の措置が課される可能性があります。重要性テストの適用については、監督指針において、「ゆうちょ銀行は、法令上、一部の資産について国債等の安全資産の保有が義務付けられているため、(重要性テストに該当する場合の)監督上の対応をするにあたっては、当該特殊事情を適切に勘案することとする。」とされております。また、当行は、国内基準行でありますが、海外向け与信の大きさ等から、国内の大規模金融機関と同水準の資本管理を目指す考え方に基づき、自己資本比率(国内基準)に加え、CET1比率(国際統一基準)でのリスク管理を行っており、2026年3月末日現在、CET1比率(国際統一基準、その他有価証券評価益除く。)は、完全適用ベースで9.85%、経過措置ベースで11.03%となっております。当行は中期経営計画(2026~2028年度)において、平時目標レンジを11~13%(完全適用ベース)に設定しておりますが、今後、その他有価証券評価損の悪化やリスク・アセットの増加等が想定以上に生じた場合には、当該水準が目標を下回る可能性があります。② 財務報告に係る内部統制に関するリスク当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書の提出及び監査人による監査を受けることが義務付けられております。当行グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当行グループの財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。③ 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本有価証券報告書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が、含まれております。当行は、これらについても内部管理の体制を整備しておりますが、有効でない場合には、数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。④ 退職給付債務に係るリスク当行グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる等の場合、退職給付費用及び債務が増加又は追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 人材確保に係るリスク当行グループは、安定した事務遂行と高い専門性を必要とする業務を行っており、営業、市場運用、戦略投資領域、ALM、リスク管理、システム開発、DX、GP、サイバーセキュリティ、財務、法務、コンプライアンス、監査、マネー・ローンダリング対策等の分野において有能で熟練した人材が必要とされます。そのため、専門人材の採用や、各種研修等を通じて人材育成を行っておりますが、当行グループは、他の金融機関等と競争状況に置かれているため、有能な人材を採用し定着・育成することができず、当該専門分野を中心に人材確保に支障をきたした場合には、事業の競争力、業務運営の効率性等が損なわれ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、上記分野等の要員に係る採用、報酬等の処遇、育成に注力しても、十分なスキルを持った従業員を育成・定着させることができない可能性や、経営幹部を採用・定着させられない可能性があり、これらの場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 業務提携・外部委託等に伴うリスク当行グループは、業務の提携、運用・事務・システム開発等の外部委託等を行っております。当行グループが期待していたとおりの成果や利益を達成できない場合や、業務提携先や当行グループの関係会社・日本郵政グループ各社を含む委託先等で、業務遂行の問題が生じ商品・サービスの提供等に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報漏えい等の違法行為が発生した場合、また、提携・委託等が解消され適切な代替委託先等を適時に確保できない場合等において、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑦ 他の金融機関等の信用力の悪化等に係るリスク当行グループは、国内の銀行、証券会社、保険会社等の金融機関と取引を行っておりますが、取引先や他の金融機関の業績や財政状態の悪化により信用力等に問題が生じた場合、当行グループが当該金融機関との取引で損失を被ったり、政府が当該金融機関の資本増強や収益回復等のために規制・資金調達・税務等に係る救済措置を講じ、預金保険料等が増加したり、競争上の不利益を被ること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。