経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 会社の経営方針当社は、自立した個人を重んじ、和を尊び、協力を旨とする“人間尊重”、失敗を恐れず困難な道を選択する “チャレンジ精神”、“環境・地域社会、株主・従業員との共生”を基本理念としております。優れた技術力に基づく最適な商品を開発し、優良な品質の製品を最少エネルギーで高効率生産することで、世界中のお客様へ適正な価格で最大の価値を提供することを使命としております。こうした企業活動を推進することで、「わたしたちは世界的視野に立ち、高い志と誠をもって価値を創造し、国家社会に貢献すると共に豊かな未来を築く事に全力を尽くす。」との社是を実践し、世界中のお客様からの顧客満足度No.1の評価を得るとともに、地域社会からその存在を期待される企業となるよう努めております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略第15次中期経営計画では全社方針を「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」と定めました。エフテックファミリー全体で「Back to Basics」「Challenge for New」を土台に事業基盤をしっかり固め、将来の持続的成長に向けた活動に取り組んでいきます。具体的な取り組みは以下のとおりです。 <Back to Basics>① 稼ぐ力の強化モノづくりの本質追求から稼ぐ力を強化し、収益の向上へとつなげてまいります。② 財務体質の健全化海外子会社に向けた経営モニタリング機能強化により、財務体質を健全化してまいります。 <Challenge for New>① 戦略的な成長ビジネス機会の追求インドへの経営リソース集中により、成長市場での利益の最大化につなげてまいります。② サステナビリティ経営の構築ESG経営の取り組みを通じて企業価値を向上させていきます。方針を策定し、サステナビリティの具現化に向けて組織的に推進してまいります。 (3) 事業の経過及び成果当連結会計年度における世界経済は、米国新政権の政策動向による影響など、先行きは極めて不透明な状況が続きました。自動車業界においては、米国新政権が保護主義的な関税政策やEV普及策の撤回を進めており、主要得意先が特に北米でのEV戦略を大幅に軌道修正する動きがみられました。中国や東南アジアでは、中国系EVメーカーの勢いが継続しており、日・欧米系メーカーの販売不振が続きました。業界情勢の今後の動きは不透明であり、先行きの予測は極めて難しく、不確実な市場環境となっております。こうした事業環境下、当社グループは、第15次中期経営計画の全社方針に沿い、「原価低減活動の徹底」と「売価改定交渉」の2つのアプローチを攻めの姿勢で取り組みました。米国などの課題拠点は生産効率等の改善を継続するとともに、各種コストの負担増について価格転嫁を強力に進めてまいりました。 (4) 対処すべき課題① 短期的な課題 2025年度における世界経済は、ウクライナ情勢の更なる長期化に加え中東情勢の緊迫化による資源・エネルギー価格の高止まり、欧米の金融引締めや中国経済の減速など、先行きは極めて不透明な状況が継続しております。当社が事業を営む自動車業界においては、中国、アジア市場における日系自動車メーカーのEV化の出遅れによる中国資本自動車メーカーの台頭、また欧米でのEV市場の鈍化による主要得意先の政策変更なども加わり、地域毎に尚一層の事業環境の多様化・複雑化に直面しております。このような市場環境下、当社グループは2026年4月より第16次中期経営計画をスタートさせました。「変化への対応力を磨き持続的に企業価値を高める」を合言葉に、「Back to Basics」と「Challenge for New」の基本方針の下、「稼ぐ力の向上による財務健全化」から企業体力の強靭化につなげ、「持続的成長のための基盤づくり」を通し、成長機会を追求することで全社一丸となって、不確実な事業環境を勝ち抜いてまいります。 以下の事項を当社の企業価値向上に直結する重要なテーマと掲げ、中長期的な事業運営につなげてまいります。・財務ガバナンス強化に向けた運営体制の強化・経営戦略を実現する人財育成システムの構築・多様な人財の挑戦や働きがい向上を支援する制度・環境整備・成長市場への現地R&D体制の強化・新規受注、拡販と価格転嫁の両輪を回せる体制・生産現場、間接部門のDX化・非財務情報の開示力向上やリスク管理強化 ② 中長期的な課題[自動車産業を巡る変化](市場)日本においては少子高齢化、人口減少に伴い国内市場が縮小し、新車販売台数の減少が続いています。一方、海外では、中国市場は独自の進化を続けており、多様なお客様への対応力が課題になります。安定的に高い需要が見込まれる北米と今後更なる市場の成長が期待されるインドでは、それぞれの市場ニーズを的確に把握し、新たな成長戦略の立案と事業展開を適切に行うことで、変化への対応力を磨いてまいります。 (サステナビリティ) カーボンフリーなサステナブル社会の実現は、自動車産業を取り巻く事業環境が大きく変化する中においても、世界的に不可逆な潮流であり、当社グループの中長期的な成長と企業価値向上に直結する重要な経営課題です。当社グループは、足廻り機能領域の専門メーカーとして安全・品質を基軸とした価値提供を行うとともに、環境・人権・ガバナンスを含む持続可能性への取り組みのなか、特定したマテリアリティと価値創造プロセスに基づき、当社グループの持続的な企業価値向上の実現に向けて取り組んでまいります。 (人的資本) 企業がサステナビリティ経営を推進するうえで、従業員一人ひとりの働きがいと成長を支える環境づくりは、企業価値向上の基盤となる重要な取り組みです。当社グループは、創業以来の理念である「Respecting People(人間尊重)」を人財戦略の中核に据え、グローバルで約8,900名を超える従業員が国籍・性別・年齢を問わず、それぞれの強みを発揮できる職場環境の整備に努めてまいります。昨年度より、従来の女性活躍推進を発展させ、全従業員を対象とした全社横断的なウェルビーイング向上活動「WWTⅡ(ウェルビーイングワーキングチームセカンド)」を推進し、従業員一人ひとりが「この会社にいてよかった」と感じられる職場づくりを目指し、プロフェッショナリズムとオーナーシップを持って活躍できる企業文化の醸成に取り組んでまいります。 [当社グループの中長期的な取り組み]変化への対応力を磨き持続的に企業価値を高めるため、以下の事項を積極的に推進してまいります。・各極の市場動向変化に対応した拡販のための営業・開発競争力の強化・日本の生産技術力と現場管理力の更なる進化と海外拠点への伝承・海外拠点のモノづくり力(安全・品質・コスト・納期)の強化と稼ぐ力の向上・インド事業への経営リソースの投入強化・カーボンニュートラルへの具体的取り組みの推進・ESG重要課題への継続的取り組み・人的投資による人財育成強化と有効的な配置への取り組み [当社の長期ビジョン]当社グループは、世界中のお客様にご満足いただける最上の価値を提供し、「足廻り機能領域の専門メーカーとして世界No.1を目指す」ために進化を続けてまいります。「足廻り機能領域」とは、当社グループが得意とする「サブフレーム」、「サスペンション」、「ペダル」の3つのコア領域のことを指し、まさに当社グループのアイデンティティを表しています。また、当社グループが目指す「世界No.1」とは、売り上げ規模ではなく、社員全員が「モノづくりの本質」を誰にも負けないと自信を持って言えるまで追求することであり、最終的にはお客様の評価によって決まるものと考えています。当社グループは、「高品質な製品を安全に、高効率、最少エネルギーで生産し、企業努力をしっかり反映させたコストレベルで、お客様にオンタイムで供給する」との「モノづくりの本質」を追求することで、お客様の評価「世界No.1」を目指すべく、以下の5項目を徹底的に追求してまいります。 1. お客様から最高評価獲得:品質、コスト、納期、マネージメントのすべての領域においてお客様から最高の評価を獲得します。2. 新価値提供:お客様が求める以上の価値を他社にはない形で提供します。3. 新技術開発:新たな発想、新たなアプローチから生まれるアイデアを駆使し、独自の技術を世界に展開します。4. ネットワーク構築:他専門メーカー様と知見を共有する協業ネットワークを拡充し、互いの専門性を融合させることで、新たな価値提案を行います。5. 収益力強化:「モノづくりの本質追求」で既存事業の盤石化を図るとともに、新たな成長機会への投資を的確に実行できるよう収益力を高めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 会社の経営方針当社は、自立した個人を重んじ、和を尊び、協力を旨とする“人間尊重”、失敗を恐れず困難な道を選択する “チャレンジ精神”、“環境・地域社会、株主・従業員との共生”を基本理念としております。優れた技術力に基づく最適な商品を開発し、優良な品質の製品を最少エネルギーで高効率生産することで、世界中のお客様へ適正な価格で最大の価値を提供することを使命としております。こうした企業活動を推進することで、「わたしたちは世界的視野に立ち、高い志と誠をもって価値を創造し、国家社会に貢献すると共に豊かな未来を築く事に全力を尽くす。」との社是を実践し、世界中のお客様からの顧客満足度No.1の評価を得るとともに、地域社会からその存在を期待される企業となるよう努めております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略第15次中期経営計画では全社方針を「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」と定めました。エフテックファミリー全体で「Back to Basics」「Challenge for New」を土台に事業基盤をしっかり固め、将来の持続的成長に向けた活動に取り組んでいきます。具体的な取り組みは以下のとおりです。 <Back to Basics>① 稼ぐ力の強化モノづくりの本質追求から稼ぐ力を強化し、収益の向上へとつなげてまいります。② 財務体質の健全化海外子会社に向けた経営モニタリング機能強化により、財務体質を健全化してまいります。 <Challenge for New>① 戦略的な成長ビジネス機会の追求インドへの経営リソース集中により、成長市場での利益の最大化につなげてまいります。② サステナビリティ経営の構築ESG経営の取り組みを通じて企業価値を向上させていきます。方針を策定し、サステナビリティの具現化に向けて組織的に推進してまいります。 (3) 事業の経過及び成果当連結会計年度における世界経済は、米国新政権の政策動向による影響など、先行きは極めて不透明な状況が続きました。自動車業界においては、米国新政権が保護主義的な関税政策やEV普及策の撤回を進めており、主要得意先が特に北米でのEV戦略を大幅に軌道修正する動きがみられました。中国や東南アジアでは、中国系EVメーカーの勢いが継続しており、日・欧米系メーカーの販売不振が続きました。業界情勢の今後の動きは不透明であり、先行きの予測は極めて難しく、不確実な市場環境となっております。こうした事業環境下、当社グループは、第15次中期経営計画の全社方針に沿い、「原価低減活動の徹底」と「売価改定交渉」の2つのアプローチを攻めの姿勢で取り組みました。米国などの課題拠点は生産効率等の改善を継続するとともに、各種コストの負担増について価格転嫁を強力に進めてまいりました。 (4) 対処すべき課題① 短期的な課題 2025年度における世界経済は、ウクライナ情勢の更なる長期化に加え中東情勢の緊迫化による資源・エネルギー価格の高止まり、欧米の金融引締めや中国経済の減速など、先行きは極めて不透明な状況が継続しております。当社が事業を営む自動車業界においては、中国、アジア市場における日系自動車メーカーのEV化の出遅れによる中国資本自動車メーカーの台頭、また欧米でのEV市場の鈍化による主要得意先の政策変更なども加わり、地域毎に尚一層の事業環境の多様化・複雑化に直面しております。このような市場環境下、当社グループは2026年4月より第16次中期経営計画をスタートさせました。「変化への対応力を磨き持続的に企業価値を高める」を合言葉に、「Back to Basics」と「Challenge for New」の基本方針の下、「稼ぐ力の向上による財務健全化」から企業体力の強靭化につなげ、「持続的成長のための基盤づくり」を通し、成長機会を追求することで全社一丸となって、不確実な事業環境を勝ち抜いてまいります。 以下の事項を当社の企業価値向上に直結する重要なテーマと掲げ、中長期的な事業運営につなげてまいります。・財務ガバナンス強化に向けた運営体制の強化・経営戦略を実現する人財育成システムの構築・多様な人財の挑戦や働きがい向上を支援する制度・環境整備・成長市場への現地R&D体制の強化・新規受注、拡販と価格転嫁の両輪を回せる体制・生産現場、間接部門のDX化・非財務情報の開示力向上やリスク管理強化 ② 中長期的な課題[自動車産業を巡る変化](市場)日本においては少子高齢化、人口減少に伴い国内市場が縮小し、新車販売台数の減少が続いています。一方、海外では、中国市場は独自の進化を続けており、多様なお客様への対応力が課題になります。安定的に高い需要が見込まれる北米と今後更なる市場の成長が期待されるインドでは、それぞれの市場ニーズを的確に把握し、新たな成長戦略の立案と事業展開を適切に行うことで、変化への対応力を磨いてまいります。 (サステナビリティ) カーボンフリーなサステナブル社会の実現は、自動車産業を取り巻く事業環境が大きく変化する中においても、世界的に不可逆な潮流であり、当社グループの中長期的な成長と企業価値向上に直結する重要な経営課題です。当社グループは、足廻り機能領域の専門メーカーとして安全・品質を基軸とした価値提供を行うとともに、環境・人権・ガバナンスを含む持続可能性への取り組みのなか、特定したマテリアリティと価値創造プロセスに基づき、当社グループの持続的な企業価値向上の実現に向けて取り組んでまいります。 (人的資本) 企業がサステナビリティ経営を推進するうえで、従業員一人ひとりの働きがいと成長を支える環境づくりは、企業価値向上の基盤となる重要な取り組みです。当社グループは、創業以来の理念である「Respecting People(人間尊重)」を人財戦略の中核に据え、グローバルで約8,900名を超える従業員が国籍・性別・年齢を問わず、それぞれの強みを発揮できる職場環境の整備に努めてまいります。昨年度より、従来の女性活躍推進を発展させ、全従業員を対象とした全社横断的なウェルビーイング向上活動「WWTⅡ(ウェルビーイングワーキングチームセカンド)」を推進し、従業員一人ひとりが「この会社にいてよかった」と感じられる職場づくりを目指し、プロフェッショナリズムとオーナーシップを持って活躍できる企業文化の醸成に取り組んでまいります。 [当社グループの中長期的な取り組み]変化への対応力を磨き持続的に企業価値を高めるため、以下の事項を積極的に推進してまいります。・各極の市場動向変化に対応した拡販のための営業・開発競争力の強化・日本の生産技術力と現場管理力の更なる進化と海外拠点への伝承・海外拠点のモノづくり力(安全・品質・コスト・納期)の強化と稼ぐ力の向上・インド事業への経営リソースの投入強化・カーボンニュートラルへの具体的取り組みの推進・ESG重要課題への継続的取り組み・人的投資による人財育成強化と有効的な配置への取り組み [当社の長期ビジョン]当社グループは、世界中のお客様にご満足いただける最上の価値を提供し、「足廻り機能領域の専門メーカーとして世界No.1を目指す」ために進化を続けてまいります。「足廻り機能領域」とは、当社グループが得意とする「サブフレーム」、「サスペンション」、「ペダル」の3つのコア領域のことを指し、まさに当社グループのアイデンティティを表しています。また、当社グループが目指す「世界No.1」とは、売り上げ規模ではなく、社員全員が「モノづくりの本質」を誰にも負けないと自信を持って言えるまで追求することであり、最終的にはお客様の評価によって決まるものと考えています。当社グループは、「高品質な製品を安全に、高効率、最少エネルギーで生産し、企業努力をしっかり反映させたコストレベルで、お客様にオンタイムで供給する」との「モノづくりの本質」を追求することで、お客様の評価「世界No.1」を目指すべく、以下の5項目を徹底的に追求してまいります。 1. お客様から最高評価獲得:品質、コスト、納期、マネージメントのすべての領域においてお客様から最高の評価を獲得します。2. 新価値提供:お客様が求める以上の価値を他社にはない形で提供します。3. 新技術開発:新たな発想、新たなアプローチから生まれるアイデアを駆使し、独自の技術を世界に展開します。4. ネットワーク構築:他専門メーカー様と知見を共有する協業ネットワークを拡充し、互いの専門性を融合させることで、新たな価値提案を行います。5. 収益力強化:「モノづくりの本質追求」で既存事業の盤石化を図るとともに、新たな成長機会への投資を的確に実行できるよう収益力を高めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において判断しております。 (1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況a. 経営成績当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復基調を維持しているものの、米国の独自政策、日中関係の悪化継続に加えて、2026年2月に始まった中東地域の紛争によりエネルギー資源の供給懸念が顕在化するなど、先行きの不透明感が一層増してきております。自動車業界においては世界的な電動化の流れは継続しつつも、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)への需要回帰の動きが鮮明となりました。また、中国系EVメーカーの台頭による競争激化により、特に中国および東南アジア市場において、日・欧米系の自動車メーカーは厳しい事業環境に直面しました。こうした事業環境下、当社グループは、「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」との全社方針のもと、「Back to Basics」と「Challenge for New」の基本方針に立ち、「稼ぐ力の強化」「財務体質の健全化」「戦略的な成長ビジネス機会の追求」「サステナビリティ経営の構築」を4つの柱として、全社一丸となって推進しました。その結果、構造改革などの取組みが実を結び、当連結会計年度における利益は過去最高水準を確保することができました。こうした活動のもと当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は291,866百万円(前期比3.0%減)、営業利益は8,405百万円(前期比53.3%増)、経常利益は7,495百万円(前期比146.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,726百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失6,925百万円)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。(日本)製品売上の減少により、売上高は29,453百万円(前期比2.2%減)となりましたが、損益面は技術収入の増加や経費の減少などにより増益となり、営業利益は618百万円(前期は営業損失1,093百万円)となりました。(北米)主要得意先の生産台数が半導体供給不足により減少したことや為替の円高影響により、売上高は222,616百万円(前期比1.6%減)、営業利益は5,938百万円(前期比26.0%減)となりました。(アジア)主要得意先の生産台数は中国地域において減少が続いており、売上高は39,797百万円(前期比10.5%減)と大幅な減収になりましたが、損益面は中国地域の構造改革の効果などにより増益となり、営業利益は1,665百万円(前期は営業損失1,609百万円)となりました。 b. 財政状態当連結会計年度末における総資産は、機械装置及び運搬具(純額)、商品及び製品等は減少しましたが、現金及び預金、建設仮勘定等の増加により、前連結会計年度末に比べ5,081百万円増加し、182,636百万円となりました。負債は、1年以内返済予定長期借入金、リース債務等は増加しましたが、支払手形及び買掛金、短期借入金、長期借入金等の減少により、前連結会計年度末に比べ2,360百万円減少し、110,948百万円となりました。純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末に比べ7,441百万円増加し、71,687百万円となりました。 ② 生産、受注及び販売実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本32,06690.5北米233,91699.2アジア42,48289.8合計308,46596.9 (注) 1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b. 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本29,95298.07,660107.0北米230,452107.760,018114.2アジア37,94885.310,82084.9合計298,353103.278,499108.3 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本29,45397.8北米222,61698.4アジア39,79789.5合計291,86697.0 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー84,78428.287,25029.9ホンダカナダ・インコーポレーテッド44,88814.942,74214.6 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、18,620百万円(前期比30.6%増)となり、前連結会計年度末と比べ4,363百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの前連結会計年度に対する増減要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が5,775百万円増加し、20,533百万円の収入となりました。これは主に、減損損失の減少、売上債権の増減額の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の増加、棚卸資産の増減額の増加によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が1,811百万円増加し、9,683百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の増加によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が1,215百万円増加し、6,943百万円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入の減少等によるものであります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。 ① 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等2026年3月末までの第15次中期計画(2023年4月1日~2026年3月31日)では、外部環境の良化や前中期経営計画期間に実施した投資効果による当社事業の平常化と収益力の向上、増加した有利子負債残高の減少による財務体質の健全化を目指し、最終年度の経営指標として、連結売上高3,000億円、連結営業利益80億円、連結売上高営業利益率2.7%、NetDebt/EBITDA((連結有利子負債残高-連結現預金)/(連結営業利益+連結減価償却費))3.1倍以下、EPS(1株当たりの親会社株主に帰属する当期純利益)175円以上を計画しております。当連結会計年度については、半導体供給不足等の影響により、連結売上高については計画を達成することができませんでしたが、事業の構造改革を進めたことなどにより、連結営業利益・連結営業利益率・NetDebt/EBITDA、EPSの計画を全て達成することができました。 実績(2024年3月期)実績(2025年3月期)実績(2026年3月期)計画(2026年3月期)連結売上高2,987億円3,000億円2,918億円3,000億円連結営業利益37億円54億円84億円80億円売上高営業利益率1.2%1.8%2.9%2.7%NetDebt/EBITDA3.5倍2.9倍2.4倍3.1倍以下EPS90.62円△372.97円254.50円175円以上 ② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度は、第15次中期経営計画の最終年度として、前期から継続する「原価低減活動の徹底」及び「売価改定交渉」をさらに推進し、「正しいモノづくり」の基盤強化と収益力の向上に取り組みました。第一の「原価低減活動の徹底」においては、特に課題のあった米国拠点に対して、日本、メキシコ、カナダ及び中国からエキスパートを派遣し、グループ一体となって生産効率の改善等を継続的に支援いたしました。第二の「売価改定交渉」においては、世界的なインフレに伴うコスト負担増を適切に把握し、得意先との価格交渉を重ねてまいりました。これらの取り組みにより収益力は着実に向上し、前年度に実施した中国拠点における構造改革の成果も寄与した結果、当連結会計年度の損益は過去最高水準を確保いたしました。また、当連結会計年度は業績数値の達成にとどまらず、将来の成長に向けた成果も着実に進展しております。当社グループは「モノづくりの本質追求による信頼獲得」「設計開発力の強化」及び「成長市場の開拓」を強力に推進いたしました。その結果、当連結会計年度においても生産・品質面で多数の得意先から表彰を受けております。これは、当社グループの継続的な取り組みと技術力が、世界中のお客様から高く評価された成果であると認識しております。その結果、当連結会計年度においても多くの得意先から新規機種の引き合いをいただき、新たに16車種(日本9、北米2、アジア5)の受注獲得に至りました。財政状態につきましては、有利子負債を抑制すべく「投資額のコントロール」に注力いたしました。一般投資や新機種向け投資を問わず、案件ごとに多面的な評価を実施して投資額の抑制を徹底した結果、当連結会計年度のNet Debt/EBITDAは計画の3.1倍に対し実績2.4倍となり、目標数値を達成いたしました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績の状況③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度末と比べて5,775百万円増加した要因につきましては、主に税金等調整前当期純利益の増加などによるものであります。当社グループの資本の財源については、主として営業活動から得られた資金により対応し、必要に応じて銀行等からの借入により調達をしております。主な使途は新規受注への対応や生産能力維持・増強などに伴う設備投資、部品の量産のための諸費用、研究開発費などであります。また、資金の流動性については、当社において十分な借入枠を維持・継続しております。 ④ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積りを行う必要があります。貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、退職給付に係る負債の算定等につきましては、過去の実績や将来の事業計画を基礎として、一定の仮定を用いて会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 会社の経営方針当社は、自立した個人を重んじ、和を尊び、協力を旨とする“人間尊重”、失敗を恐れず困難な道を選択する “チャレンジ精神”、“環境・地域社会、株主・従業員との共生”を基本理念としており、優れた技術力に基づく 優良な品質の製品を適正な価格で提供することに努めております。こうした企業活動を推進することで、「わたしたちは世界的視野に立ち、高い志と誠をもって価値を創造し、国家社会に貢献すると共に豊かな未来を築く事に全力を尽くす。」との社是を実践し、世界中の得意先からの顧客満足度No.1の評価を得るとともに、一般社会からその存在を期待される企業となるよう努めております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略第15次中期経営計画では全社方針を「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」と定めました。エフテックファミリー全体で「Back to Basics」「Challenge for New」を土台に事業基盤をしっかり固め、将来の持続的成長に向けた活動に取り組んでいきます。具体的な取り組みは以下のとおりです。 <Back to Basics> ① 稼ぐ力の強化モノづくりの本質追求から稼ぐ力を強化し、収益の向上へと繋げていきます。② 財務体質の健全化第14次中期経営計画投資による成果の創出やモニタリング機能、分析力の強化により財務体質を健全化していきます。 <Challenge for New> ① 戦略的な成長ビジネス機会の追求北米新子会社設立により、北米地域におけるEV自動車メーカーに対する営業活動及びこれらに関連する業務を強化していきます。② サステナビリティ経営の構築ESG経営の取り組みを通じて企業価値を向上させていきます。方針を策定し、サステナビリティの具現化に向けて組織的に推進していきます。 (3) 事業の経過及び成果当連結会計年度における世界経済は、米国新政権の政策動向による影響など、先行きは極めて不透明な状況が続きました。自動車業界においては、米国新政権が保護主義的な関税政策やEV普及策の撤回を進めており、完成車メーカーが戦略を軌道修正する動きがみられました。中国や東南アジアでは、中国系EVメーカーの勢いが継続しており、日・欧米系メーカーの販売不振が続きました。業界情勢の今後の動きは不透明であり、先行きの予測は極めて難しくなっております。 こうした事業環境下、当社グループは、第15次中期経営計画の全社方針に沿い、「原価低減活動の徹底」と「売価改定交渉」の2つのアプローチを攻めの姿勢で取り組みました。米国などの課題拠点は生産効率等の改善を継続するとともに、各種コストの負担増について価格転嫁を進めました。中国では得意先の生産減へ適切に対応するため要員数の適正化や固定資産の減損により事業の構造改革を完了させました。 (4) 対処すべき課題① 短期的な課題 翌2025年度における世界経済は、米国新政権の関税政策や、移民政策、更にはEV推進政策の撤廃により当社が事業を営む自動車業界においては、米国をはじめ関連諸国の生産台数減等の経済的な影響が激化すると想定しています。このような自動車部品業界の情勢悪化の中、「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」との全社方針の下、「モノづくりの本質追求」から稼ぐ力の強化と財務体質の健全化に繋げ、「得意先に対する新たな価値の提供」を通し、成長機会を深く追求することを全社一丸で取り組んでいます。特に、・海外課題拠点の課題解決と再建計画の遂行・原価低減と併せ、労務費や物価上昇、追加関税影響に合わせた適正な価格転嫁・EV化ニーズへの柔軟且つ的確な開発と生産対応・前中期経営計画で大規模投資を行ったメキシコ拠点での効果創出・財務状況モニタリング体制の強化による収支、投資の一元管理・従業員エンゲージメントの向上施策実行による企業体質強化・サステナビリティ経営に向けた基盤構築以上について、当社の企業価値向上に直結する重要な短期的な課題と位置付けています。 ② 中長期的な課題[自動車産業の変化と課題]日本においては少子高齢化、人口減少に伴い国内市場が縮小し、新車販売台数の減少が続いています。一方、海外では、中国市場は独自の進化を続けており、得意先の多様化が課題になります。安定的に高い需要が見込まれる北米と今後更なる市場の成長が期待されるインドでは、それぞれの市場ニーズを的確に把握し、新たな成長戦略の立案と事業展開を適切に行うことが求められます。 (サステナビリティ) カーボンフリーなサステナブル社会の実現という世界的な潮流の中、米国では新政権誕生により、世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが停滞する可能性もありますが、当社の社会的な責任と捉え、地球環境を重視した取り組みを今後もしっかり継続していかなければなりません。サステナビリティ経営として、当社と社会の持続的成長の実現に向け、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)の領域での重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの重要評価指標(KPI) を設定し、その実現に向けた取り組みを今後も進めていかなければなりません。 (人的資本) 企業がサステナビリティ経営を目指すうえで、従業員のモチベーションを向上させ、エンゲージメントを引き上げることが不可欠です。全従業員の個性を尊重し、個々の成長段階やキャリアに応じて能力を最大限に引き出すための人的資本戦略と人材育成の具体的取り組みが重要になります。 [当社グループの取り組み]こうした環境下、当社グループとしては、以下の事項に積極的に取り組んでまいります。・各極の市場動向変化に対応した新規開発受注活動の積極展開・日本の生産技術力と現場管理力の更なる進化と海外拠点への伝承・海外拠点のモノづくり力(安全・品質・コスト・納期)の強化と稼ぐ力の向上・インド事業への経営リソースの投入強化・カーボンニュートラルへの具体的取り組みの推進・ESG重要課題への継続的取り組み [当社の長期ビジョン]当社グループは、世界中のお客様が求める価値を提供し、「足廻り機能領域の専門メーカーとして世界No.1を目指す」ために進化を続けてまいります。「足廻り機能領域」とは、当社グループが得意とする「サブフレーム」、「サスペンション」、「ペダル」の3つのコア領域のことを指し、まさに当社グループのアイデンティティを表しています。また、当社グループが目指す「世界No.1」とは、売り上げ規模ではなく、社員全員が「モノづくりの本質」を誰にも負けないと自信を持って言えるまで追求することであり、最終的にはお客様の評価によって決まるものと考えています。 当社グループは、「高品質な製品を安全に、高効率、最少エネルギーで生産し、企業努力をしっかり反映させたコストレベルで、お客様にオンタイムで供給する。」との「モノづくりの本質」を追求することで、お客様の評価「世界No.1」を目指すべく、以下の5項目を徹底的に追求してまいります。 1. お客様から最高評価獲得:品質、コスト、納期、マネージメントのすべての領域においてお客様から最高の評価を獲得します。2. 新価値提供:お客様が求める以上の価値を他社にはない形で提供します。3. 新技術開発:新たな発想、新たなアプローチから生まれるアイデアを駆使し、独自の技術を世界に展開します。4. ネットワーク構築:他専門メーカー様と知見を共有する協業ネットワークを拡充し、互いの専門性を融合させることで、新たな価値提案を行います。5. 収益力強化:「モノづくりの本質追求」で既存事業の盤石化を図るとともに、新たな成長機会への投資を的確に実行できるよう収益力を高めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 会社の経営方針当社は、自立した個人を重んじ、和を尊び、協力を旨とする“人間尊重”、失敗を恐れず困難な道を選択する “チャレンジ精神”、“環境・地域社会、株主・従業員との共生”を基本理念としており、優れた技術力に基づく 優良な品質の製品を適正な価格で提供することに努めております。こうした企業活動を推進することで、「わたしたちは世界的視野に立ち、高い志と誠をもって価値を創造し、国家社会に貢献すると共に豊かな未来を築く事に全力を尽くす。」との社是を実践し、世界中の得意先からの顧客満足度No.1の評価を得るとともに、一般社会からその存在を期待される企業となるよう努めております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略第15次中期経営計画では全社方針を「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」と定めました。エフテックファミリー全体で「Back to Basics」「Challenge for New」を土台に事業基盤をしっかり固め、将来の持続的成長に向けた活動に取り組んでいきます。具体的な取り組みは以下のとおりです。 <Back to Basics> ① 稼ぐ力の強化モノづくりの本質追求から稼ぐ力を強化し、収益の向上へと繋げていきます。② 財務体質の健全化第14次中期経営計画投資による成果の創出やモニタリング機能、分析力の強化により財務体質を健全化していきます。 <Challenge for New> ① 戦略的な成長ビジネス機会の追求北米新子会社設立により、北米地域におけるEV自動車メーカーに対する営業活動及びこれらに関連する業務を強化していきます。② サステナビリティ経営の構築ESG経営の取り組みを通じて企業価値を向上させていきます。方針を策定し、サステナビリティの具現化に向けて組織的に推進していきます。 (3) 事業の経過及び成果当連結会計年度における世界経済は、米国新政権の政策動向による影響など、先行きは極めて不透明な状況が続きました。自動車業界においては、米国新政権が保護主義的な関税政策やEV普及策の撤回を進めており、完成車メーカーが戦略を軌道修正する動きがみられました。中国や東南アジアでは、中国系EVメーカーの勢いが継続しており、日・欧米系メーカーの販売不振が続きました。業界情勢の今後の動きは不透明であり、先行きの予測は極めて難しくなっております。 こうした事業環境下、当社グループは、第15次中期経営計画の全社方針に沿い、「原価低減活動の徹底」と「売価改定交渉」の2つのアプローチを攻めの姿勢で取り組みました。米国などの課題拠点は生産効率等の改善を継続するとともに、各種コストの負担増について価格転嫁を進めました。中国では得意先の生産減へ適切に対応するため要員数の適正化や固定資産の減損により事業の構造改革を完了させました。 (4) 対処すべき課題① 短期的な課題 翌2025年度における世界経済は、米国新政権の関税政策や、移民政策、更にはEV推進政策の撤廃により当社が事業を営む自動車業界においては、米国をはじめ関連諸国の生産台数減等の経済的な影響が激化すると想定しています。このような自動車部品業界の情勢悪化の中、「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」との全社方針の下、「モノづくりの本質追求」から稼ぐ力の強化と財務体質の健全化に繋げ、「得意先に対する新たな価値の提供」を通し、成長機会を深く追求することを全社一丸で取り組んでいます。特に、・海外課題拠点の課題解決と再建計画の遂行・原価低減と併せ、労務費や物価上昇、追加関税影響に合わせた適正な価格転嫁・EV化ニーズへの柔軟且つ的確な開発と生産対応・前中期経営計画で大規模投資を行ったメキシコ拠点での効果創出・財務状況モニタリング体制の強化による収支、投資の一元管理・従業員エンゲージメントの向上施策実行による企業体質強化・サステナビリティ経営に向けた基盤構築以上について、当社の企業価値向上に直結する重要な短期的な課題と位置付けています。 ② 中長期的な課題[自動車産業の変化と課題]日本においては少子高齢化、人口減少に伴い国内市場が縮小し、新車販売台数の減少が続いています。一方、海外では、中国市場は独自の進化を続けており、得意先の多様化が課題になります。安定的に高い需要が見込まれる北米と今後更なる市場の成長が期待されるインドでは、それぞれの市場ニーズを的確に把握し、新たな成長戦略の立案と事業展開を適切に行うことが求められます。 (サステナビリティ) カーボンフリーなサステナブル社会の実現という世界的な潮流の中、米国では新政権誕生により、世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが停滞する可能性もありますが、当社の社会的な責任と捉え、地球環境を重視した取り組みを今後もしっかり継続していかなければなりません。サステナビリティ経営として、当社と社会の持続的成長の実現に向け、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)の領域での重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの重要評価指標(KPI) を設定し、その実現に向けた取り組みを今後も進めていかなければなりません。 (人的資本) 企業がサステナビリティ経営を目指すうえで、従業員のモチベーションを向上させ、エンゲージメントを引き上げることが不可欠です。全従業員の個性を尊重し、個々の成長段階やキャリアに応じて能力を最大限に引き出すための人的資本戦略と人材育成の具体的取り組みが重要になります。 [当社グループの取り組み]こうした環境下、当社グループとしては、以下の事項に積極的に取り組んでまいります。・各極の市場動向変化に対応した新規開発受注活動の積極展開・日本の生産技術力と現場管理力の更なる進化と海外拠点への伝承・海外拠点のモノづくり力(安全・品質・コスト・納期)の強化と稼ぐ力の向上・インド事業への経営リソースの投入強化・カーボンニュートラルへの具体的取り組みの推進・ESG重要課題への継続的取り組み [当社の長期ビジョン]当社グループは、世界中のお客様が求める価値を提供し、「足廻り機能領域の専門メーカーとして世界No.1を目指す」ために進化を続けてまいります。「足廻り機能領域」とは、当社グループが得意とする「サブフレーム」、「サスペンション」、「ペダル」の3つのコア領域のことを指し、まさに当社グループのアイデンティティを表しています。また、当社グループが目指す「世界No.1」とは、売り上げ規模ではなく、社員全員が「モノづくりの本質」を誰にも負けないと自信を持って言えるまで追求することであり、最終的にはお客様の評価によって決まるものと考えています。 当社グループは、「高品質な製品を安全に、高効率、最少エネルギーで生産し、企業努力をしっかり反映させたコストレベルで、お客様にオンタイムで供給する。」との「モノづくりの本質」を追求することで、お客様の評価「世界No.1」を目指すべく、以下の5項目を徹底的に追求してまいります。 1. お客様から最高評価獲得:品質、コスト、納期、マネージメントのすべての領域においてお客様から最高の評価を獲得します。2. 新価値提供:お客様が求める以上の価値を他社にはない形で提供します。3. 新技術開発:新たな発想、新たなアプローチから生まれるアイデアを駆使し、独自の技術を世界に展開します。4. ネットワーク構築:他専門メーカー様と知見を共有する協業ネットワークを拡充し、互いの専門性を融合させることで、新たな価値提案を行います。5. 収益力強化:「モノづくりの本質追求」で既存事業の盤石化を図るとともに、新たな成長機会への投資を的確に実行できるよう収益力を高めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月19日)現在において判断しております。 (1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況a. 経営成績当連結会計年度における世界経済は、中東・ウクライナ情勢の長期化、資源・エネルギー価格の高止まり、米国新政権の政策動向による影響など、先行きは極めて不透明な状況が続きました。自動車業界においては、米国新政権が保護主義的な関税政策やEV普及策の撤回を進めており、完成車メーカーが戦略を軌道修正する動きがみられました。中国や東南アジアでは、中国系EVメーカーの勢いが継続しており、日・欧米系メーカーの販売不振が続きました。業界情勢の今後の動きは不透明であり、先行きの予測は極めて難しくなっております。こうした事業環境下、当社グループは、第15次中期経営計画の全社方針として、「稼ぐ力を向上させ持続的に成長し社会に貢献する」を掲げ、「Back to Basics」と「Challenge for New」の基本方針に沿い、「原価低減活動の徹底」と「売価改定交渉」の2つのアプローチを攻めの姿勢で取り組みました。米国などの課題拠点は生産効率等の改善を継続するとともに、各種コストの負担増について価格転嫁を進めました。中国では得意先の生産減へ適切に対応するため要員数の適正化や固定資産の減損により事業の構造改革を完了させました。こうした活動のもと当社グループの当連結会計年度の業績は、北米においては新規受注製品の量産効果や主要得意先との売価改定交渉の合意などプラス要素がありましたが、中国においては希望退職者の募集費用(1,127百万円)や固定資産の減損損失(7,781百万円)の計上があり、売上高は300,831百万円(前期比0.7%増)、営業利益は5,481百万円(前期比47.8%増)、経常利益は3,047百万円(前期比1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は6,925百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,683百万円)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。(日本)主要得意先の生産台数が回復基調にあることなどにより、売上高は30,100百万円(前期比1.7%減)となりましたが、損益面は北米のターンアラウンドに向けたコンサルティング費用の計上や技術収入の減少などにより、営業損失1,093百万円(前期は営業利益1,352百万円)となりました。(北米)主要得意先の生産台数が新機種立上げの量産効果もあり堅調に推移したことや為替の円安影響により、売上高は226,241百万円(前期比9.6%増)となりました。損益面は、増収効果に加えて売価改定の効果により前年同期比で大幅な増益となり、営業利益は8,024百万円(前期比958.3%増)となりました。(アジア)主要得意先の生産台数は中国地域において大幅な減産が続いており、売上高は44,489百万円(前期比27.8%減)、営業損失が1,609百万円(前期は営業利益1,511百万円)となりました。 b. 財政状態当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金、商品及び製品は増加しましたが、売掛金、機械装置及び運搬具(純額)、中国の減損影響により、前連結会計年度末に比べ14,216百万円減少し、177,555百万円となりました。負債は、社債、長期借入金は増加しましたが、支払手形及び買掛金、短期借入金、1年以内返済予定長期借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ6,720百万円減少し、113,309百万円となりました。純資産は、利益剰余金、非支配株主持分の減少により、前連結会計年度末に比べ7,496百万円減少し、64,246百万円となりました。 ② 生産、受注及び販売実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本35,416102.2北米235,719109.6アジア47,31273.2合計318,447101.3 (注) 1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.当連結会計年度において、アジアセグメントの生産実績に著しい変動がありました。これは、中国地域における主要得意先の生産台数大幅減産の影響等によるものであります。 b. 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本30,554102.27,160106.8北米200,68988.939,30063.3アジア44,11474.612,364102.7合計275,35787.558,82572.8 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.当連結会計年度において、北米セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは、米国新政権の保護主義的な関税政策の影響等によるものであります。3.当連結会計年度において、アジアセグメントの受注高に著しい変動がありました。これは、中国地域における主要得意先の生産台数大幅減産の影響等によるものであります。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本30,10098.3北米226,241109.6アジア44,48972.2合計300,831100.7 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.当連結会計年度において、アジアセグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、中国地域における主要得意先の生産台数大幅減産の影響等によるものであります。3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー72,88224.484,78428.2ホンダカナダ・インコーポレーテッド36,83012.344,88814.9 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、14,256百万円(前期比16.8%増)となり、前連結会計年度末と比べ2,052百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの前連結会計年度に対する増減要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、14,757百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失5,805百万円、減価償却費14,920百万円、減損損失7,707百万円、棚卸資産の減少2,714百万円によるものであります。なお、前連結会計年度との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは、19,466百万円の収入から14,757百万円の収入となりました。これは主に、売上債権の減少、棚卸資産の増加、契約負債の減少、仕入債務の減少によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、7,871百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8,043百万円によるものであります。なお、前連結会計年度との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは、8,902百万円の支出から7,871百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の減少、有形固定資産の売却による収入の増加によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、5,728百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の純減額5,949百万円、長期借入れによる収入12,800百万円、長期借入金の返済による支出13,170百万円によるものであります。なお、前連結会計年度との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは、4,263百万円の支出から5,728百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の減少、長期借入れによる収入の増加によるものであります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。 ① 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等2026年3月末までの第15次中期計画(2023年4月1日~2026年3月31日)では、外部環境の良化や前中期経営計画期間に実施した投資効果による当社事業の平常化と収益力の向上、増加した有利子負債残高の減少による財務体質の健全化を目指し、最終年度の経営指標として、連結売上高3,000億円、連結営業利益80億円、連結売上高営業利益率2.7%、NetDebt/EBITDA((連結有利子負債残高-連結現預金)/(連結営業利益+連結減価償却費))3.1倍以下、EPS(1株当たりの親会社株主に帰属する当期純利益)175円以上を計画しております。当連結会計年度については、新規受注製品の量産効果、円安による為替換算の影響により、連結売上高は計画を達成することができました。損益面は増収効果や主要得意先との売価改定交渉の合意などプラス要素がありましたが、連結営業利益は計画比16億円の未達、連結営業利益率は0.5ポイントの未達となりました。なお、NetDebt/EBITDAは投資額のコントロールに注力したことにより計画を達成することができましたが、EPSは中国において要員数の適正化や固定資産の減損による事業の構造改革を進めたことにより、親会社株主に帰属する当期純損益が損失となり、計画は未達となりました。 実績(2024年3月期)計画(2025年3月期)実績(2025年3月期)計画(2026年3月期)連結売上高2,987億円2,980億円3,000億円3,000億円連結営業利益37億円70億円54億円80億円売上高営業利益率1.2%2.3%1.8%2.7%NetDebt/EBITDA3.5倍3.2倍以下2.9倍3.1倍以下EPS90.62円100円以上△372.97円175円以上 ② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度は「コロナ禍から生まれた悪の根を断ち切り、新たな流れを生み出さなければ」という強い思いで、「原価低減活動の徹底」と「売価改定交渉」の2つのアプローチを攻めの姿勢で遂行しました。1つ目の「原価低減活動の徹底」は、これまで特に米国拠点においては労務コスト抑制が課題となっており、日本・メキシコ・カナダ・中国からエキスパートを派遣し、グループ一体で各種製造工程の生産効率改善等のサポートを続けました。中国拠点では得意先の大幅な減産へ適切に対応すべく、要員数の適正化や固定資産の減損による事業の構造改革を進めました。2つ目の「売価改定交渉」は、各種コスト負担増の価格転嫁です。世界的なインフレによる原材料価格や労務コストの上昇について、主要得意先と売価改定交渉で合意に至ることができました。全額、価格転嫁が認められた訳ではありませんが、利益は正常値に戻りつつあると認識しております。持続的な企業価値の向上を実現するためには、モノづくりの本質追求によるお客様からの信頼獲得、お客様の要請に応えられる設計開発力及び成長市場の開拓が必要となります。当社は、当連結会計年度においても、生産・品質面で多くのお客様から表彰をいただくとともに、当社の強みであるCAE解析技術を進化させた最適化設計で、軽量化や低コスト化、生産性向上を実現し、様々な得意先から多くの新機種の引合いを受け、新たなに4社16車種の受注を獲得することができました。財政状態については、当連結会計年度のNetDebt/EBITDAは、計画の3.2倍に対して実績が2.9倍になりました。計画値達成に向けて、有利子負債を抑制すべく「投資額のコントロール」に引き続き注力しました。一般投資、新機種向け投資を問わず、案件ごとに多面的な評価を実施し、投資額の抑制を徹底しています。また、当連結会計年度において、連結子会社エフアンドピーアメリカ・マニュファクチャリング・インコーポレーテッドに対する増資を実施しました。当該連結子会社の今後の持続的な成長の実現に向け、借入金の減少、資本の充実による財務基盤の安定化を図っております。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績の状況③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度末と比べて4,709百万円減少した要因につきましては、親会社株主に帰属する当期純損益が損失となったことなどによるものであります。当社グループの資本の財源については、主として営業活動から得られた資金により対応し、必要に応じて銀行等からの借入により調達をしております。主な使途は新規受注への対応や生産能力維持・増強などに伴う設備投資、部品の量産のための諸費用、研究開発費などであります。また、資金の流動性については、当社において十分な借入枠を維持・継続しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積りを行う必要があります。貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、退職給付に係る負債の算定等につきましては、過去の実績や将来の事業計画を基礎として、一定の仮定を用いて会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。