7239

タチエス(7239)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 自動車座席と部品の製造販売
    タチエスグループは、自動車の座席やその部品を製造し、国内外の自動車メーカーに販売することを主な事業としています。特定の自動車メーカーの系列に属さず、複数のメーカーと取引することで事業の安定化を図っています。世界各地に生産・開発拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
  • 商業施設の賃貸事業
    日本では、自動車関連事業の他に、商業施設の賃貸も行っています。これは、グループ全体の収益源の一つとして、事業の多角化に貢献していると考えられます。
  • グローバルな生産・開発体制
    日本、北米、中南米、中国、東南アジアといった主要な自動車市場に営業・開発・生産拠点を持ち、それぞれの地域で自動車座席および座席部品の製造・販売を行っています。これにより、各地域の顧客ニーズに迅速に対応できる体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業
    売上高1155.02億円、営業利益67.97億円で、グループ全体の主要な収益源となっています。主に国内の自動車メーカー向けに自動車座席や部品を製造・販売しており、国内関係会社も当社に部品を供給しています。また、商業施設の賃貸も行っています。
  • 中南米事業
    売上高1037.11億円、営業利益30.18億円と、日本に次ぐ規模の売上と利益を上げています。中南米の開発拠点が統括し、主に中南米地域の自動車メーカー向けに自動車座席や部品を製造・販売しており、この地域での事業拡大がグループ全体の成長に貢献しています。
  • 北米事業
    売上高438.49億円、営業利益-0.65億円と、売上規模は大きいものの、営業利益は赤字となっています。北米の営業・開発拠点が統括し、主に米国内の自動車メーカー向けに自動車座席や部品を製造・販売していますが、収益性の改善が課題であると考えられます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 1,155 68 5.9%
NorthAmerica 地域 438 -1 -0.1%
MiddleAndSouthAmerica 地域 1,037 30 2.9%
Europe 地域 0 -1 -435.7%
China 地域 182 -6 -3.3%
SoutheastAsia 地域 41 6 14.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,256 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社26社(うち非連結子会社4社)及び関連会社8社(うち持分法非適用の関連会社3社)で構成され、その主な事業内容は自動車座席及び座席部品の製造並びに販売であります。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関係は、次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 日 本 当社は、自動車座席及び座席部品を製造し、主に国内の得意先に納入しております。国内関係会社は、主に自動車座席並びに座席部品を製造し当社に納入しております。 また、当社は、商業施設の賃貸も行っております。 (主な関係会社)(株)TF-METAL 北 米 当社の北米における営業・開発拠点であるTACHI-S Engineering U.S.A., Inc.が管理統括し、同社子会社は、自動車座席並びに座席部品を製造し、主に米国内の得意先に納入しております。 (主な関係会社)TACHI-S Engineering U.S.A., Inc.及びTACHI-S Automotive Seating U.S.A., LLC 中 南 米 当社の中南米における開発拠点であるTACHI-S Engineering Latin America, S.A. de C.V.が管理統括し、同社以外の子会社は、自動車座席並びに座席部品を製造し、主に中南米の得意先に納入しております。 (主な関係会社)TACHI-S Engineering Latin America, S.A. de C.V.、Industria de Asiento Superior, S.A. de C.V.、SETEX Automotive Mexico, S.A. de C.V.、TF-METAL Mexico, S.A. de C.V.及びTACHI-S Brasil Industria de Assentos Automotivos Ltda. 中 国 当社の中国における営業・開発拠点である泰極愛思(中国)投資有限公司が管理統括し、泰極愛思(鄭州)汽車座椅研発有限公司は開発を行っております。また、その他の子会社及び関連会社は、自動車座席並びに座席部品を製造し、主に中国内の得意先に納入しております。 (主な関係会社)泰極愛思(中国)投資有限公司、浙江泰極信汽車部件有限公司 東南アジア 東南アジアの子会社及び関連会社は、主に自動車座席並びに座席部品を製造し、主に東南アジア内の得意先に納入しております。 (主な関係会社)TACHI-S Automotive Seating (Thailand) Co., Ltd. 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
特定の自動車メーカーの系列に属さず、複数の自動車メーカーからの受注に基づいて生産・販売
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
シート技術の研究開発活動、差別化商品・新工法の提供、グローバルでの相互補完体制
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:業績変動(自動車メーカーの動向、為替レート) / 新製品開発力の不足 / グローバル展開における予期せぬ問題
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

タチエスは自動車シートメーカーとして、長年の実績と一部の自動車メーカーとの取引関係を持つが、特定の強力なブランドや特許による明確な無形資産の優位性は限定的。OEMとの関係性は重要だが、それが排他的なものではない。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車メーカーはシートサプライヤーを変更する際に、金型、設計、品質管理体制の再構築など多大なコストと時間を要する。タチエスは長年の実績と信頼関係により、既存顧客からのスイッチング・コストを一定程度構築していると考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

自動車シートの製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を直接高めるようなネットワーク効果は存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

自動車部品業界は価格競争が激しく、タチエスも効率的な生産体制を目指しているが、グローバルな競合と比較して構造的なコスト優位性を確立しているとは断定しにくい。一部の生産拠点の効率化は進んでいる可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

タチエスは自動車シート専業メーカーとして、一定の生産規模を持つ。国内主要メーカーの一つであり、特定の車種やメーカーに対しては、規模の経済による効率的な供給体制を構築している可能性がある。しかし、グローバルな巨大サプライヤーと比較すると、その規模の優位性は限定的。

  • 特定のメーカーに依存しない事業構造
    タチエスは特定の自動車メーカーの系列に属さず、複数の自動車メーカーと取引を行っています。これにより、特定のメーカーの業績変動リスクを分散し、安定的な受注基盤を築いている点が強みと言えます。
  • グローバルな事業展開力
    日本だけでなく、北米、中南米、中国、東南アジアなど世界各地に生産・開発拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、各地域の市場動向や顧客ニーズに合わせた製品供給が可能となり、国際的な競争力を維持しています。
  • 技術開発への継続的な投資
    『グローバル・シート・システム・クリエーター』としての地位確立を目指し、長期的視点に立ってシート技術の研究開発活動を展開しています。これにより、業界標準となり得る差別化された商品や新工法を開発し、顧客に提供することで、将来の成長と収益性を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人と社会と共生し快適で豊かな生活空間を創造し続けることで人々を笑顔にする」をコーポレートビジョンとして掲げております。当社は、ビジョンの実現を通じてステークホルダーの要請・期待に応え、 持続可能な社会の実現に貢献することを目的に日々の活動に取り組んでおります。当社のこれまでの歩みには、社是『互譲協調』があります。 『互譲協調』とは、「人と人との和」を大切にし、思いやり・助け合いの精神の下、何事にも使命感と自責心をもって臨み 組織の相乗作用による高い目標・目的を達成することで、社会や社業に貢献する姿勢を意味する当社創業以来脈々と受け継がれている基本的な価値観です。当社はこの社是の精神に基づき、事業やステークホルダーが直面する諸課題の解決に取り組み、そこから得られる信頼をベースに『選ばれ続ける企業』となることを目指しております。 (2) 目標とする経営指標新中期経営計画「TVE (Transformative Value Evolution) Wave2 2027」においては、基本方針として営業利益の更なる引き上げに最優先で取り組むと同時に資本効率の向上を進めてまいります。2027年度財務指標及び株主還元方針は以下としております。 ■財務目標・営業利益率:4.5~5%レベル・ROIC: 8%・ROE: 10% ■株主還元方針・総還元性向50%以上を目指す・103.8円/株の下限配当を導入(2025年3月期実績:DOE4%相当)・配当政策に加え機動的な自己株買いを検討 なお、当該KPIの各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社グループが関連する自動車業界におきましては、米国トランプ政権の流動的な経済・通商政策、中国経済の減速、ウクライナ他多地域に広がる紛争による国際情勢の緊迫化、足元ではイラン軍事衝突による原油価格の高騰や石油製品に関連したサプライチェーンへの影響など事業環境は先行きの不透明さが増しております。当社グループが関連する自動車業界におきましては、電動化・知能化に向けた構造転換が中長期的な方向性として維持される一方で、各国市場の需要動向や政策の変更により、自動車メーカー各社は投資の選択と集中を進め、車種戦略・生産体制の見直しを行っております。また、中国自動車メーカーがグローバルでプレゼンスを高める中、わが国の自動車メーカー・部品サプライヤーは、中国自動車メーカーに伍せる競争力の向上と共にスピーディーな事業遂行力が求められております。2021年度に発表した中期経営計画TVE(Transformative Value Evolution)は2つのフェーズから構成されております。2021年度~2024年度は収益構造と資本効率の改善を行い、基盤再構築による再生・強化を行うWave 0/1フェーズとしておりました。2025年度から2030年度までは、ビジネス成長を伴う飛躍を期するWave2フェーズとしております。本中計TVEでは3つの「シンカ」、すなわち、現自動車シート事業である深い「深化」で収益力を上げ、そこで得た収益を進む「進化」、新しい「新化」に投資し、事業ポートフォリオを拡げ、成長させることを狙いとしています。 TVE Wave2開始にあたっては事業環境、リスク・機会の分析を行い、ステークホルダーの視点から改めて重要課題を抽出し、当社事業活動と重要課題の繋がりを捉え直し、3つのマテリアリティを特定し2030年ビジョンを策定いたしました。 <2030年ビジョン>社是“互譲協調”に沿い、イノベーションにより提供価値を変革し競争力・収益力を高めると同時に社会課題への対応を通じサステイナブル社会の実現に貢献する <マテリアリティ>①イノベーションと事業を通じた社会課題への対応(価値の提供)②サステイナブル社会の実現への貢献と信頼に基づき選ばれ続ける企業になるための真摯な事業運営③価値創造に向け自律的に行動できる人財と風土の醸成 2030ビジョンと3つのマテリアリティを活動の基盤に置きTVE Wave2の目標達成にむけ活動を推進していく所存です。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人と社会と共生し快適で豊かな生活空間を創造し続けることで人々を笑顔にする」をコーポレートビジョンとして掲げております。当社は、ビジョンの実現を通じてステークホルダーの要請・期待に応え、 持続可能な社会の実現に貢献することを目的に日々の活動に取り組んでおります。当社のこれまでの歩みには、社是『互譲協調』があります。 『互譲協調』とは、「人と人との和」を大切にし、思いやり・助け合いの精神の下、何事にも使命感と自責心をもって臨み 組織の相乗作用による高い目標・目的を達成することで、社会や社業に貢献する姿勢を意味する当社創業以来脈々と受け継がれている基本的な価値観です。当社はこの社是の精神に基づき、事業やステークホルダーが直面する諸課題の解決に取り組み、そこから得られる信頼をベースに『選ばれ続ける企業』となることを目指しております。 (2) 目標とする経営指標新中期経営計画「TVE (Transformative Value Evolution) Wave2 2027」においては、基本方針として営業利益の更なる引き上げに最優先で取り組むと同時に資本効率の向上を進めてまいります。2027年度財務指標及び株主還元方針は以下としております。 ■財務目標・営業利益率:4.5~5%レベル・ROIC: 8%・ROE: 10% ■株主還元方針・総還元性向50%以上を目指す・103.8円/株の下限配当を導入(2025年3月期実績:DOE4%相当)・配当政策に加え機動的な自己株買いを検討 なお、当該KPIの各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社グループが関連する自動車業界におきましては、米国トランプ政権の流動的な経済・通商政策、中国経済の減速、ウクライナ他多地域に広がる紛争による国際情勢の緊迫化、足元ではイラン軍事衝突による原油価格の高騰や石油製品に関連したサプライチェーンへの影響など事業環境は先行きの不透明さが増しております。当社グループが関連する自動車業界におきましては、電動化・知能化に向けた構造転換が中長期的な方向性として維持される一方で、各国市場の需要動向や政策の変更により、自動車メーカー各社は投資の選択と集中を進め、車種戦略・生産体制の見直しを行っております。また、中国自動車メーカーがグローバルでプレゼンスを高める中、わが国の自動車メーカー・部品サプライヤーは、中国自動車メーカーに伍せる競争力の向上と共にスピーディーな事業遂行力が求められております。2021年度に発表した中期経営計画TVE(Transformative Value Evolution)は2つのフェーズから構成されております。2021年度~2024年度は収益構造と資本効率の改善を行い、基盤再構築による再生・強化を行うWave 0/1フェーズとしておりました。2025年度から2030年度までは、ビジネス成長を伴う飛躍を期するWave2フェーズとしております。本中計TVEでは3つの「シンカ」、すなわち、現自動車シート事業である深い「深化」で収益力を上げ、そこで得た収益を進む「進化」、新しい「新化」に投資し、事業ポートフォリオを拡げ、成長させることを狙いとしています。 TVE Wave2開始にあたっては事業環境、リスク・機会の分析を行い、ステークホルダーの視点から改めて重要課題を抽出し、当社事業活動と重要課題の繋がりを捉え直し、3つのマテリアリティを特定し2030年ビジョンを策定いたしました。 <2030年ビジョン>社是“互譲協調”に沿い、イノベーションにより提供価値を変革し競争力・収益力を高めると同時に社会課題への対応を通じサステイナブル社会の実現に貢献する <マテリアリティ>①イノベーションと事業を通じた社会課題への対応(価値の提供)②サステイナブル社会の実現への貢献と信頼に基づき選ばれ続ける企業になるための真摯な事業運営③価値創造に向け自律的に行動できる人財と風土の醸成 2030ビジョンと3つのマテリアリティを活動の基盤に置きTVE Wave2の目標達成にむけ活動を推進していく所存です。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、円安の進展、原材料価格やエネルギー価格の高騰他による物価上昇が継続するものの、賃上げや人手不足への対応を通じ所得・雇用環境は改善してきており、好調な企業収益も支えとなり、緩やかな回復基調にあります。海外に目を向けますと、米国トランプ政権の流動的な経済・通商政策、中国経済の減速、ウクライナ他多地域に広がる紛争による国際情勢の緊迫化、足元ではイラン軍事衝突による原油価格の高騰や石油製品に関連したサプライチェーンへの影響など、事業環境は先行きの不透明さを増しております。当社グループが関連する自動車業界におきましては、電動化・知能化に向けた構造転換が中長期的な方向性として維持される一方で、各国市場の需要動向や政策の変更により、新エネルギー車への移行ペースには地域差がみられます。その結果、自動車メーカー各社は投資の選択と集中を進め、車種戦略・生産体制の見直しを行っております。また、中国自動車メーカーがグローバルでプレゼンスを高める中、わが国の自動車メーカー・部品サプライヤーは、グローバルでの競争力の維持・向上のため、中国自動車メーカーに伍せるスピーディーな事業遂行力、高いコスト競争力が求められております。当連結会計年度は、中期経営計画「Transformative Value Evolution(TVE)」の第2フェーズであるWave2 2027 初年度にあたり、第1フェーズTVE Wave 0/1で取り組んできた収益改善の維持・向上を図りつつ、2030年度売上高4,000億円規模への引き上げに向け3つの「シンカ」において成長戦略を推進してまいりました。中核となる自動車シート事業での深い「深化」では、事業領域の拡大を狙いとして2026年4月10日に株式会社TOYO H&Iとの間で同社が営む自動車用シート及び内装事業に関連する株式を取得することに合意いたしました。また、新規ビジネスの獲得においては、インドにおける新たな顧客の獲得など成果が挙がってきております。自動車シートで新たな価値提供を提案する「進化」においては、プライベート空間と没入感による新たな体験価値を提供するコンセプトモデル「スマートシェル」を2025年開催の人とくるまのテクノロジー展に出展し、大変注目を集めました。2026年5月の同展示会では車両搭載を見据えたサイズへの小型化と、没入体験の質をさらに向上した「スマートシェル」を出展し、こちらも大変ご好評をいただきました。自動車シート事業に次ぐ新しい事業の創出に取り組む新しい「新化」では、候補事業領域を絞り、事業参入検討を進めております。その他の主な事業活動成果としては、日本国内では本田技研工業株式会社向けN-ONE eのシート生産を立ち上げ、中国では上海汽車向けの智己LS9のシート生産などを立ち上げました。また、シート表皮や骨格部品の各地域での生産も順調に立ち上がっております。このような経営環境のもと、当連結会計年度における業績は、売上高は2,690億9百万円と前年同期比5.7%減となりましたが、営業利益は116億4百万円(前年同期比20.6%増)、経常利益は138億1千万円(前年同期比28.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は92億9千7百万円(前年同期比17.8%減)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較及び分析については、変更後の区分に基づき記載しております。 日 本売上高は1,085億5千9百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益は61億5千3百万円(前年同期比9.5%減)となりました。 北 米売上高は414億4千9百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は5億1千万円(前年同期は営業損失6千5百万円)となりました。 中 南 米売上高は1,037億4千4百万円(前年同期比0.0%増)、営業利益は23億4千2百万円(前年同期比22.4%減)となりました。 中 国売上高は89億9千9百万円(前年同期比50.6%減)、営業利益は16億1千8百万円(前年同期は営業損失6億2百万円)となりました。 東南アジア売上高は62億5千6百万円(前年同期比52.5%増)、営業利益は10億3千1百万円(前年同期比78.7%増)となりました。 セグメントごとの生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日 本108,497△5.8北 米41,466△4.8中 南 米103,616△0.4中 国9,437△47.9東南アジア6,27353.5合計269,291△5.5 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は販売価格によっております。 ②受注実績当社グループは主に自動車座席及び座席部品を製造・販売しており、主要な顧客である自動車メーカー各社に対する納品までの期間が極めて短期間であるため、受注高及び受注残高の記載を省略しております。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日 本108,559△6.0北 米41,449△5.5中 南 米103,7440.0中 国8,999△50.6東南アジア6,25652.5合計269,009△5.7 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)メキシコ日産自動車会社48,37817.048,61618.1三菱自動車工業株式会社39,39913.842,18015.7本田技研工業株式会社28,66310.027,63310.3 (2) 財政状態当連結会計年度末の資産合計は、1,703億7千2百万円と前連結会計年度末に比べ15億8千4百万円減少しております。これは主に、現金及び預金が20億4百万円、売掛金が31億3千2百万円それぞれ増加したものの、原材料及び貯蔵品が23億5千5百万円、有形固定資産が25億5千4百万円、投資有価証券が25億1百万円、それぞれ減少したことによるものであります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。 日 本総資産は1,234億8千万円と前連結会計年度末に比べ3千8百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が増加したものの、投資有価証券、原材料及び貯蔵品並びに仕掛品がそれぞれ減少したこと等によるものであります。 北 米総資産は353億7百万円と前連結会計年度末に比べ19億5千万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が減少したこと等によるものであります。 中 南 米総資産は507億9百万円と前連結会計年度末に比べ9億4千8百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が増加したものの、原材料及び貯蔵品、仕掛品並びに有形固定資産がそれぞれ減少したこと等によるものであります。 中 国総資産は173億8千7百万円と前連結会計年度末に比べ48億2千4百万円の減少となりました。これは主に、広州泰李汽車座椅有限公司及び襄陽東実李爾泰極愛思汽車座椅有限公司を連結子会社から持分法適用会社に変更したことによるものであります。 東南アジア総資産は60億7千1百万円と前連結会計年度末に比べ1億9千7百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が減少したものの、売掛金等が増加したことによるものであります。 負債合計は、644億6千8百万円と前連結会計年度末に比べ93億3百万円減少しております。これは主に、支払手形及び買掛金が16億2千6百万円、短期借入金が70億5千6百万円それぞれ減少したことによるものであります。純資産合計は、1,059億4百万円と前連結会計年度末に比べ77億1千8百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が57億4百万円、為替換算調整勘定が23億4百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、445億7千7百万円と前連結会計年度末に比べ9億8千4百万円(2.3%)増加しました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、135億8千3百万円であり、前連結会計年度と比べ38億1千9百万円(39.1%)増加しました。これは主に、売上債権の増減額が72億1千5百万円の減少であったものの、仕入債務の増減額が72億3千3百万円、固定資産処分損益が32億1千9百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、35億8千8百万円であり、前連結会計年度と比べ75億5千万円(前連結会計年度は39億6千2百万円の獲得)増加しました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が40億1千2百万円減少したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、123億6千9百万円であり、前連結会計年度と比べ30億7千5百万円(33.1%)増加しました。これは主に、短期借入金の返済が前連結会計年度と比べ増加したことから、短期借入金の純増減額が97億9千3百万円の減少となったことによるものです。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 当社グループは営業活動から得られるキャッシュ・フロー及び自己資金に加えて、金融機関との間で締結したコミットメントラインを含む短期借入枠により資金の流動性を十分に確保しております。また、設備投資資金についてはグループの投資計画に基づき外部借入も機動的に活用することにより、全体で資本コストの適正化と財務の健全性の確保に努めております。株主還元については経営における重要課題の一つと考えております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。 (5) 経営上の目標の達成状況中期経営計画「「Transformative Value Evolution(TVE)」のWave2 2027は、2025~2027年の3か年計画で2030年度売上高の4,000億円規模への引き上げに向けて成長戦略を実行する期間としております。このTVE Wave2 2027 では営業利益の更なる引き上げに最優先で取り組むと同時に、資本効率の向上を進めており、この期間の売上は、得意先の車種戦略変更や当社の受注状況によって約2,600億円でフラットに推移すると想定しています。中核となる自動車シート事業での深い「深化」では、事業領域の拡大を狙いとして4月10日に株式会社TOYO H&Iとの間で同社が営む自動車シート及び内装事業に関連する株式を取得することに合意いたしました。また、新規ビジネスの獲得においては、インドにおける新たな顧客の獲得など成果が挙がってきております。進む「進化」においては、シートを中心としたパーソナルな没入体験価値を提供するコンセプトモデル「スマートシェル」を昨年度の人とくるまのテクノロジー展2025に出展し、大変好評をいただきました。自動車シート事業に次ぐ新しい事業の創出に取り組む、この新しい「新化」では、候補事業領域を絞り、事業参入検討を進めております。 2026年3月期における主要財務目標に対する進捗は以下の通りとなっています。・営業利益率:4.3%(4.5~5%レベル)・ROIC:7.6%(8%)・ROE: :9.2%(10%) ※( )内は2028年3月期の目標

事業リスク

  • 自動車業界の業績変動リスク
    自動車用座席および部品の製造販売が主力事業であるため、販売先の自動車メーカーの市場評価、車種の販売動向、新型車投入時期、生産調整(原材料不足含む)などにより、タチエスの業績が大きく変動する可能性があります。また、為替レートの変動も、海外事業の円換算後の価値に影響を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 新製品開発の遅延・失敗リスク
    ユーザーや自動車メーカーの変化を予測し、魅力的な新製品をタイムリーに開発できない場合、将来の成長機会を失い、収益性が低下する可能性があります。研究開発への投下資金が無駄になることで、業績や財務状況に悪影響を及ぼすリスクも存在します。
  • グローバル展開に伴う地政学・法規制リスク
    世界各地での事業展開は、予期せぬ法規や税制の変更、テロ、戦争、社会的混乱など、各地域の固有のリスクに晒される可能性があります。これらの要因により、生産活動の停止や事業遂行に問題が生じ、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,769 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 (1) 業績変動当社グループの事業は自動車用座席及び座席部品の製造並びに販売であり、特定の自動車メーカーの系列に属さず、複数の自動車メーカーからの受注に基づいて生産・販売を行っております。従いまして、特定の自動車メーカーへの依存度は高くありませんが、販売先である自動車メーカー各社の市場での評価や支持、当社グループの製品を採用した車種の販売動向、あるいは新型車種投入時期により、業績に影響を受ける場合があり、また、売上高及び利益が上期、又は下期に偏る場合があります。さらに、自動車メーカーによる発注方針の変更、生産調整(原材料不足含む)、特定車種の生産工場移管、工場再編等により、業績に影響を受ける場合があります。加えて、当社グループはグローバルに事業活動を展開していることから、各地域における政治・経済情勢の変化、紛争、制裁措置、通商政策の変更等の地政学リスクの高まりにより、原材料・部品の調達停滞、物流の混乱、エネルギー価格や輸送コストの上昇等が生じた場合には、当社グループの生産活動及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。また、各地域における売上、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため円換算されており、換算時の為替レートの変動により、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 (2) 新製品開発力当社グループは、技術力とコスト競争力に裏打ちされた確固たる『グローバル・シート・システム・クリエーター』としての地位確立が急務であるとの認識から、業界標準たり得る差別化商品・新工法をユーザー及び自動車メーカーに提供するため、長期的視野に立ってシート技術の研究開発活動を展開しております。しかしながら、ユーザーと自動車メーカーの変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合やタイムリーに提供できない場合、将来の成長と収益性を低下させ、更には投下資金の負担が業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3) グローバル展開当社グループは、特定のメーカーの系列に属さず、複数の自動車メーカーとの取引を行っていることは前述のとおりです。自動車メーカー各社は各様のグローバル展開を実践し、当社グループは、この施策に追従する必要性が出てきております。生産拠点を設けるにあたっては、予期しない法規又は税制の変更、あるいはテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。 (4) リスク評価により選定された対策優先リスク当社では前述のリスクに加え、事業環境の変化を踏まえて予測されるリスクを抽出し、「損害規模」と「発生頻度」の観点から評価を実施しております。評価されたリスクについては、社内のリスクマネジメント委員会においてリスクの大きさだけではなく、「当社が重視する価値観」や「ステークホルダーの社会的な関心が高いリスク」といった観点を加味して協議し、当社の対策優先リスクを選定しております。また、各リスクについては、その対策状況を確認し、必要に応じて改善状況のフォローアップを実施しております。なお、対策優先リスクは、当社グループ会社間で共有し、グループ全体でリスクの最小化に努めております。選定された対策優先リスクは、以下のとおりです。 ① 火災・爆発火災・爆発については、法定に基づいた消防設備の維持及び建屋の管理、危険物や可燃物等の管理、消防訓練の実施、火災保険の付保等の対策を推進しております。しかしながら、工場等で火災が発生し建屋、設備等が焼損するとともに、従業員が死傷した場合、また、復旧までの長期間にわたり、工場の操業を停止せざるを得なくなった場合は、当社グループの生産及び社会的信用に影響が生じ、影響の規模によっては、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。 ② 自然災害(地震)自然災害については、法令に基づいた消防設備の維持及び建屋の管理、BCP規程の策定及び訓練の実施、ハザードマップの周知等の対策を進めております。しかしながら、生産拠点を含む地域で災害が発生し、建屋や生産設備・機械、出荷前の製品等が損傷するとともに、従業員が死傷した場合、また、治具等の関係上、他工場で代替生産ができず、工場が復旧するまで操業が停止した場合は、当社グループの生産及び社会的信用に影響が生じ、影響の規模によっては、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。 ③ サイバー攻撃サイバー攻撃については、情報セキュリティの必要性・重要性について教育を通して従業員の認識を高めながら、常に従業員と連携し対応しています。また、セキュリティ対策システムは、次々に発生する情報セキュリティリスクに対応するために、常日頃から対策と監視を強化し、従業員が安全にIT環境を利用できるように、総合的な情報セキュリティ対策を行っています。しかしながら、高度化されたサイバー攻撃により当社の情報が万一漏洩、流出した場合、当社グループの生産及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 海外現地法人・拠点の管理不備海外現地法人・拠点の管理不備については、組織的又は個人による不正・違法・反倫理的行為、行動規範や社内ルール違反などについて相談・通報を受け付ける「内部通報制度」を、全てのグループ会社で整備しています。また、業務執行部門の業務の妥当性、準拠性、有効性を確認する「業務監査」を定期的に実施しており、その中で倫理・法令遵守状況等の確認も行っています。しかしながら、海外現地法人・拠点の管理が不十分であることにより、不正・不祥事が発生した場合、当社グループの業績と財務状況及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 品質問題品質問題については、予防体制・危機管理体制を構築し、月次での報告会の実施、市場クレームの分析、対策を行っており、社内での品質概要教育、製造物責任賠償についての保険の付保等も推進しております。しかしながら、当社製品の欠陥により事故等が発生、又は当該製品の回収が行われた場合、当社グループの生産及び社会的信用に影響が生じ、影響の規模によっては、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

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