事業の概要
- 油圧技術を核とした多角化事業:カヤバグループは、油圧緩衝器や油圧機器の製造・販売を主軸に、自動車、建設機械、航空機など幅広い産業分野に製品を提供しています。特に、自動車のショックアブソーバーや建設機械の油圧ポンプなど、油圧技術を応用した製品が収益の柱となっています。グローバルな生産・販売ネットワークを通じて、世界中の顧客に製品を供給し、安定的な収益基盤を構築しています。
- グローバルなサプライチェーンと販売網:国内だけでなく、北米、欧州、中国、東南アジアなど世界各地に製造・販売拠点を展開し、地域ごとのニーズに対応した製品供給体制を確立しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、グローバル市場での競争力を維持しています。製品・部品の相互供給も行い、効率的なサプライチェーンを構築しています。
- サービス業務と関連事業:製品の製造・販売だけでなく、物流やアフターサービスといった関連サービス業務も手掛けています。これにより、製品ライフサイクル全体にわたる顧客サポートを提供し、顧客満足度の向上と継続的な収益確保を目指しています。特に市販・サービス市場への販売も行っており、安定した収益源となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 自動車部品事業(AC事業):この事業では、四輪車用および二輪車用の油圧緩衝器(ショックアブソーバー)や油圧機器を製造・販売しています。国内では自動車メーカーや市販・サービス市場へ、海外では各国の自動車メーカーや市販市場へ製品を供給しており、カヤバグループの主要な収益源の一つです。金山カヤバやカヤバモーターサイクルサスペンションなどが製品供給を担っています。
- 油圧機器事業(HC事業):この事業では、建設機械などに使われる産業用油圧機器を製造・販売しています。国内では当社やタカコ、カヤバCSなどが、海外では凱迩必機械工業(鎮江)有限公司などが製造を担い、各国の建設機械メーカーへ製品を供給しています。建設機械市場の動向に左右される側面もありますが、安定した需要が見込まれる基盤事業です。
- 航空機器事業:この事業では、航空機用の離着陸装置、操舵装置、制御装置、緊急装置といった特殊な機器を製造・販売しています。高度な技術と信頼性が求められる分野であり、参入障壁が高いため、安定した収益が期待できます。当社が直接製造・販売を手掛けており、グループ全体の技術力の象徴ともいえる事業です。
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3 【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社40社、関連会社7社で構成され、油圧緩衝器・油圧機器等の製造・販売並びに各事業に関連するサービス業務等を行っております。当社グループの事業に係る位置づけ及び報告セグメントとの関連は次のとおりであります。なお、当社は「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」、及び「航空機器事業」の3つを報告セグメントとしております。 ◆AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業AC事業では、知多鋼業㈱を完全子会社化し、当連結会計年度より知多鋼業㈱及びその子会社を新たに連結範囲に含めております。国内においては金山カヤバ㈱、知多鋼業㈱他から製品・部品等の供給を受け、当社が四輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造のうえ、自動車メーカー及び市販・サービス市場等へ販売しております。また、カヤバモーターサイクルサスペンション㈱から製品・部品等の供給を受け、二輪車用油圧緩衝器等を二輪車メーカー等へ販売しております。カヤバロジスティクス㈱は、物流・サービス提供等に係わる事業を行っております。海外においては、KYB Americas Corporation他は、四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造し、各国の自動車メーカー等へ販売しております。また、関係会社間において、製品・部品等の供給も行っております。KYB Europe GmbH他は、欧州・米国・中国・東南アジア及びその他地域の市販市場等へ販売しております。凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。 ◆HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業HC事業では、国内においては、当社、㈱タカコ及びカヤバCS㈱他が産業用油圧機器等を製造のうえ、建設機械メーカー等へ販売しております。また、海外においては、凱迩必機械工業(鎮江)有限公司他が産業用油圧機器を製造し、各国の建設機械メーカー等へ販売しております。凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。 ◆航空機器事業航空機器事業では、当社が航空機用離着陸装置、操舵装置、制御装置及び緊急装置等を製造し、販売しております。 ◆特装車両事業及びその他特装車両事業及びその他の製品では、当社が製造した特装車両等を特約販売会社等へ販売しております。 [事業系統図]以上に述べた事項を図で表すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 国内・海外市場共に熾烈な価格競争にさらされており、お客様からのコスト低減、価格引下げ要請が常に存在する。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 油圧緩衝器、油圧機器、航空機用離着陸装置などの製造には高度な技術とノウハウが必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:品質不正 / 大規模災害 / サイバー攻撃
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
KYBブランドは自動車部品業界で一定の認知度があるが、特許や独自技術による明確な優位性は限定的。純正部品としての採用実績は信頼に繋がるものの、他社も同様のポジションを築いている。
スイッチングコスト★★★☆☆
自動車メーカーとの長年の取引関係と、サプライヤーとしての高い信頼性がスイッチング・コストを生む。KYBのショックアブソーバーや油圧機器は、車両の性能や安全性を左右するため、OEMメーカーは安易な切り替えを避け、開発・評価コストを考慮する必要がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果は期待できない事業構造である。
コスト優位★★☆☆☆
長年の生産ノウハウによる効率化や、グローバルな生産体制によるスケールメリットはある程度存在するが、競合他社も同様の取り組みを行っており、圧倒的なコスト優位性は見出しにくい。為替変動の影響も受ける。
規模の経済★★★★☆
ショックアブソーバーや油圧システムといった特定分野において、グローバルで高いシェアを誇る。自動車メーカーのグローバル展開に対応できる生産・供給能力は、業界内での寡占的な地位を支えている。特にアフターマーケットでのブランド力も貢献。
- 油圧技術における長年の実績と信頼:カヤバグループは、油圧緩衝器や油圧機器において長年の歴史と豊富な実績を持ち、その技術力は国内外の自動車メーカーや建設機械メーカーから高く評価されています。特に四輪車用油圧緩衝器や二輪車用油圧緩衝器、産業用油圧機器などは、その品質と性能において業界内で確固たる地位を築いています。
- グローバルな生産・販売ネットワーク:世界各地に32の子会社と7の関連会社を持つ広範なグローバルネットワークは、カヤバグループの大きな強みです。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、効率的な生産・供給体制を構築しています。特に、欧州、米国、中国、東南アジアの市販市場への販売網は、安定した収益源となっています。
- 多岐にわたる事業セグメント:自動車部品、建設機械部品、航空機部品といった複数の事業セグメントを持つことで、特定の市場変動リスクを分散し、経営の安定性を高めています。特に航空機用離着陸装置や操舵装置といった高度な技術を要する製品は、高い参入障壁と安定した需要が見込まれ、グループ全体の競争力向上に寄与しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営方針当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たすため、経営理念および以下の基本方針に基づき、取締役会を中心に迅速かつ効率的な経営体制の構築並びに公正性かつ透明性の高い経営監督機能の確立を追求し、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に取り組んでまいります。 <経営理念>「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」1.規範を遵守するとともに、何事にも真摯に向き合います。2.高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます。3.優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします。4.常に独創性を追い求め、お客様・株主様・お取引先様・社会の発展に貢献します。 <コーポレートガバナンス基本方針>1.当社は、株主の権利を尊重し、平等性を確保する。2.当社は、株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーとの適切な協働に努める。3.当社は、法令に基づく開示はもとより、ステークホルダーにとって重要または有用な情報についても主体的に開示する。4.当社の取締役会は、株主受託者責任および説明責任を認識し、持続的かつ安定的な成長および企業価値の向上ならびに収益力および資本効率の改善のために、その役割および責務を適切に果たす。5.当社は、株主との建設的な対話を促進し、当社の経営方針などに対する理解を得るとともに、当社への意見を経営の改善に繋げるなど適切な対応に努める。 (2) 経営環境米国・イスラエルとイランの軍事衝突やウクライナ情勢等の不安定な国際情勢、原材料・エネルギー価格高騰、世界各地で発生する自然災害、米国の関税措置等、当社グループを取り巻く経営環境は一層不確実性が高まっております。また、近年著しい進展を見せているAI技術は、人や組織、オペレーションの在り方そのものを抜本的に変える可能性を有し、企業の事業運営の前提条件にも大きな変化をもたらしています。自動車市場においては、カーボンニュートラル実現に向けEVは重要な役割を果たす技術の一つと認識しているものの、その普及状況は地域ごとに差が見られ、政策動向の影響も受けながら、EV市場拡大のスピードにも変化が生じています。さらに、モビリティは社会インフラやデジタル技術との連携を深め、従来の移動手段としての役割を超えた新たな価値創出が求められる段階へと移行しています。建設機械市場においても無人化や省エネ化といったトレンドが広がりつつあります。そのほか、脱炭素化に向けた取り組みをはじめとする地球環境保護に対する社会的要請も一段と高まりを見せており、企業が対応すべき課題も多様化しております。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「KYB GROUP VISION 2035」当社は2025年に創立90周年を迎えました。2035年には創立100周年という大きな節目を迎えるにあたり、その先も企業発展の基盤となる終わりなき技術・製品開発へのこだわりを通して、社会課題の解決に貢献するとともに持続的な企業価値の向上に挑み続けることを目的として、「KYB GROUP VISION 2035」を策定し、2025年11月に公表いたしました。当社は、モビリティ・インフラ・リビングにおける安全性と快適性を支える力として、社会に不可欠な存在を目指し、長期ビジョンに「人々の暮らしの未来を支えるパートナー」を掲げるとともに、スローガンとして「夢ある明日をつくる。Inspiring Dreams, Shaping the Future.」を設定しております。一方で当社はこの10年間、複数の不適切事象を踏まえ、信頼回復に向けた取り組みを進めてまいりました。今後の10年を「成長の10年」と位置づけ、これまでの取り組みを礎に「新たなるカヤバ」の姿を明確に示すとともに、お客様、株主様、お取引先様、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様と当社の目指す方向性を共有し、着実な成長と企業価値の向上を実現していくことが重要な課題であると認識しております。その実現に向けては、迅速な意思決定と実行が不可欠であると考えております。 長期ビジョンの実現に向け、次の3つの挑戦を実践します。1.事業ポートフォリオの最適化成長事業・製品への「選択と集中」を通じて事業ポートフォリオの最適化を推進し、付加価値の創出と資本効率の向上を追求する、活力ある企業風土の構築を目指します。 2.新規事業創出コア技術を起点とした独創的な新規事業を創出し、新領域への進出および収益基盤の安定化を目指します。 3.モノづくり革新現場力とデジタル技術を融合したモノづくりの革新に加え、環境および働く人の双方に配慮したモノづくりを推進し、工場の変革を進めます。 今後10年間を3回の中期経営計画、「構造改革」「成長加速」「新事業拡大」に区分し、段階的に変革を進めてまいります。2026中期経営計画では、長期ビジョン実現に向けた第一歩として、未来の土台を築くために、事業ポートフォリオの最適化、モノづくり革新、経営インフラ改革に取り組みます。あわせて、新規事業創出に向けた取り組みを着実に進め、2029年度以降の成長に向けた基盤を構築するとともに、自律的に挑戦する企業風土の構築を図ってまいります。2026中期経営計画の遂行にあたり、当社は次の項目を「26中期基本方針」として定め、重点的に取り組んでまいります。 「中期基本方針」1.挑戦する企業風土の構築人的資本の高度化に向け、人財要件・スキルの可視化を基盤として、ローテーションや経営幹部育成等を通じ、将来を担う人財を計画的に育成するとともに、従業員の主体的な成長を促す仕組みを整備してまいります。また、新規事業では仮説検証の進捗に応じたマイルストーンを設定し、各段階で客観的な評価と投資判断を行う仕組みを整備することで、経営資源の最適配分を図り、新たな収益機会の創出に取り組んでまいります。 2.事業ポートフォリオの最適化2026中期経営計画は「構造改革」の期間に位置づけています。成長事業・製品への選択と集中を徹底し、成長性および収益性を踏まえた事業ポートフォリオの最適化を推進することで、資本効率を重視した経営資源配分を進めてまいります。オートモーティブコンポーネンツ事業(AC事業)では、OEM市場におけるグローバルプレゼンスの再強化に向け、高付加価値製品である高機能コンベンショナルタイプのショックアブソーバについて、四輪・二輪の既存のお客様への拡販に加え、新規のお客様の獲得に向けた受注活動を推進してまいります。また、電子制御ショックアブソーバの拡販に向け、地域・市場特性に応じたラインナップ拡充や、地域別の最適生産ライン構築等、生産・販売・技術が一体となった取り組みを進めてまいります。さらに、成長著しいインド市場においては、2027年度からインド現地でのショックアブソーバ生産開始を予定しております。二輪市場の旺盛な需要に対応するため、既存工場の能力増強を検討するとともに、競争力あるコスト構造の確立と体制整備を進めてまいります。ハイドロリックコンポーネンツ事業(HC事業)では、市場競争力の強化が必要な「守り」の製品群であるシリンダおよび走行モータについて、徹底した原価低減を継続しつつ、生産拠点の集約等を含む再編の検討を進め、収益基盤の強化を図ってまいります。一方、「攻め」の観点では、AC事業のインド拠点を通じてインド市場での在庫販売を開始し、販売拡大に取り組んでまいります。あわせて、CTL(Compact Track Loader)やマイニング等の商品ラインナップ拡充ならびに新規顧客開拓を推進し、建機ショベルに次ぐ第二の成長の柱の育成を目指してまいります。特装車両事業では、既存のミキサ車について改良を継続しつつ、EVミキサの市場投入に向けた開発を進めてまいります。また、環境配慮型の電子制御ミキサ車であるeミキサについては、将来のEVミキサにつなげる取り組みとして、拡販を推進してまいります。 3.新規事業創出コア技術を起点とした独創的な新規事業機会の発掘および事業化を加速し、持続的な成長につながる新たな価値創造を推進するため、2026年4月に新事業イノベーション企画部を新設しました。長期ビジョンで掲げる熱マネジメント、スマートマシナリー、レジリエンス、計測ソリューション領域における事業化モデルの確立と実行を推進してまいります。計測ソリューション領域では、油状態診断システムの上市や、スマート道路モニタリングの行政機関向け有償サービス開始等を通じて顧客基盤の拡大を進めてまいります。さらに、社内外からのアイデア募集に加え、M&AやCVCの活用も通じ、顧客価値起点でスピード感のある事業創出を進めてまいります。 4.モノづくり革新現場力とデジタル技術の融合により、生産性と品質の向上を図るとともに、環境および働く人の双方に配慮したモノづくりを推進してまいります。加工から組立まで連続した一貫生産をコンセプトに、生産工程革新による「運搬・在庫・作業・検査・管理」の極少化と、データ連携されたスマート工場の実現により、生産リードタイムの短縮に取り組みます。また、開発から生産準備に至るプロセスにおいては、デジタル技術活用に向けた検証を進め、設計情報と製造情報の連携を強化することで、エンジニアリングチェーンを起点とした開発リードタイム短縮を進めてまいります。環境負荷低減の観点では、2035年のCO₂排出量71%削減(2018年対比)の達成に向け、CO₂排出量削減ロードマップに基づく取り組みを推進するとともに、Scope3の削減目標達成に向けた活動を進めてまいります。 5.経営インフラ改革当社を取り巻く環境は絶えず変化しており、意思決定の迅速化や業務の効率化のための経営管理の高度化が重要な課題と捉えています。基幹システムの刷新と高度化を進め、業務プロセスの標準化・効率化を推進してまいります。また、全社横断でのデータ活用基盤を整備することにより、データに基づく迅速な意思決定体制を構築し、経営の可視性向上および資本効率の向上につながる経営基盤の強化を図ってまいります。 <その他>当社は2025年4月24日に公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(現:中小受託取引適正化法。以下、「下請法」)に基づく勧告(以下、「本勧告」)を受けました。当社は2025年5月12日開催の取締役会において、本勧告を受けた行為が下請法に違反するものであること、今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないことを決議いたしました。また、当社は本勧告の対象となった下請事業者と個別に協議を行い、当事業年度内に必要な支払いを実施することにより、金銭的な回復措置を講じました。さらに、再発防止に向けた取り組みとして、下請法に関する法令教育を全社員に実施するとともに、社内規程・運用ルールの見直しを行いました。これらの改善措置および再発防止策を取りまとめ、2026年3月25日に公正取引委員会へ改善報告書を提出し、同委員会の承認を受けております。当社は本件を厳粛に受け止め、今後も法令遵守を最優先事項とし、お取引先との継続的かつ誠実なコミュニケーションを通じて、より一層信頼される企業を目指してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、3年間(2027年3月期~2029年3月期)の2026中期経営計画を策定しております。2026中期経営計画期間における2027年3月期および最終年度の2029年3月期の目標数値は以下のとおりです。 2026年3月期実績2027年3月期目標2029年3月期目標売上高4,815億円4,890億円5,140億円セグメント利益 (注)294億円200億円250億円セグメント利益率6.1%4.1%4.9%ROE12.2%6.6%8.1% (注) セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したもので、日本基準の営業利益に相当いたします。 当社グループは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、重要な経営指標の一つとしてROEを位置付け、その向上を目指して取り組みを進めております。収益力向上については、成長事業・製品への選択と集中により事業ポートフォリオ最適化として、AC事業では、OEM市場におけるグローバルプレゼンスの再強化に向け、高付加価値製品である高機能コンベンショナルタイプのショックアブソーバについて、四輪・二輪の既存のお客様への拡販に加え、新規のお客様の獲得に向けた受注活動を推進してまいります。HC事業では、市場競争力の強化が必要な「守り」の製品群であるシリンダおよび走行モータについて、徹底した原価低減を継続しつつ、生産拠点の集約等を含む再編の検討を進め、収益基盤の強化を図ってまいります。資本効率の向上および財務体質の強化については、政策保有株式の縮減、全社的な棚卸資産や固定資産の圧縮、ならびに自己株式の取得による株主還元の強化を実施してきました。配当性向30%以上を配当方針とし、今後も安定的・継続的な配当の実施を目指してまいります。また、当社グループは、中期経営計画の目標達成と企業価値向上に向け、引き続き資本効率の向上および収益力改善に向けた取り組みを加速させてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営方針当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たすため、経営理念および以下の基本方針に基づき、取締役会を中心に迅速かつ効率的な経営体制の構築並びに公正性かつ透明性の高い経営監督機能の確立を追求し、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に取り組んでまいります。 <経営理念>「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」1.規範を遵守するとともに、何事にも真摯に向き合います。2.高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます。3.優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします。4.常に独創性を追い求め、お客様・株主様・お取引先様・社会の発展に貢献します。 <コーポレートガバナンス基本方針>1.当社は、株主の権利を尊重し、平等性を確保する。2.当社は、株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーとの適切な協働に努める。3.当社は、法令に基づく開示はもとより、ステークホルダーにとって重要または有用な情報についても主体的に開示する。4.当社の取締役会は、株主受託者責任および説明責任を認識し、持続的かつ安定的な成長および企業価値の向上ならびに収益力および資本効率の改善のために、その役割および責務を適切に果たす。5.当社は、株主との建設的な対話を促進し、当社の経営方針などに対する理解を得るとともに、当社への意見を経営の改善に繋げるなど適切な対応に努める。 (2) 経営環境米国・イスラエルとイランの軍事衝突やウクライナ情勢等の不安定な国際情勢、原材料・エネルギー価格高騰、世界各地で発生する自然災害、米国の関税措置等、当社グループを取り巻く経営環境は一層不確実性が高まっております。また、近年著しい進展を見せているAI技術は、人や組織、オペレーションの在り方そのものを抜本的に変える可能性を有し、企業の事業運営の前提条件にも大きな変化をもたらしています。自動車市場においては、カーボンニュートラル実現に向けEVは重要な役割を果たす技術の一つと認識しているものの、その普及状況は地域ごとに差が見られ、政策動向の影響も受けながら、EV市場拡大のスピードにも変化が生じています。さらに、モビリティは社会インフラやデジタル技術との連携を深め、従来の移動手段としての役割を超えた新たな価値創出が求められる段階へと移行しています。建設機械市場においても無人化や省エネ化といったトレンドが広がりつつあります。そのほか、脱炭素化に向けた取り組みをはじめとする地球環境保護に対する社会的要請も一段と高まりを見せており、企業が対応すべき課題も多様化しております。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「KYB GROUP VISION 2035」当社は2025年に創立90周年を迎えました。2035年には創立100周年という大きな節目を迎えるにあたり、その先も企業発展の基盤となる終わりなき技術・製品開発へのこだわりを通して、社会課題の解決に貢献するとともに持続的な企業価値の向上に挑み続けることを目的として、「KYB GROUP VISION 2035」を策定し、2025年11月に公表いたしました。当社は、モビリティ・インフラ・リビングにおける安全性と快適性を支える力として、社会に不可欠な存在を目指し、長期ビジョンに「人々の暮らしの未来を支えるパートナー」を掲げるとともに、スローガンとして「夢ある明日をつくる。Inspiring Dreams, Shaping the Future.」を設定しております。一方で当社はこの10年間、複数の不適切事象を踏まえ、信頼回復に向けた取り組みを進めてまいりました。今後の10年を「成長の10年」と位置づけ、これまでの取り組みを礎に「新たなるカヤバ」の姿を明確に示すとともに、お客様、株主様、お取引先様、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様と当社の目指す方向性を共有し、着実な成長と企業価値の向上を実現していくことが重要な課題であると認識しております。その実現に向けては、迅速な意思決定と実行が不可欠であると考えております。 長期ビジョンの実現に向け、次の3つの挑戦を実践します。1.事業ポートフォリオの最適化成長事業・製品への「選択と集中」を通じて事業ポートフォリオの最適化を推進し、付加価値の創出と資本効率の向上を追求する、活力ある企業風土の構築を目指します。 2.新規事業創出コア技術を起点とした独創的な新規事業を創出し、新領域への進出および収益基盤の安定化を目指します。 3.モノづくり革新現場力とデジタル技術を融合したモノづくりの革新に加え、環境および働く人の双方に配慮したモノづくりを推進し、工場の変革を進めます。 今後10年間を3回の中期経営計画、「構造改革」「成長加速」「新事業拡大」に区分し、段階的に変革を進めてまいります。2026中期経営計画では、長期ビジョン実現に向けた第一歩として、未来の土台を築くために、事業ポートフォリオの最適化、モノづくり革新、経営インフラ改革に取り組みます。あわせて、新規事業創出に向けた取り組みを着実に進め、2029年度以降の成長に向けた基盤を構築するとともに、自律的に挑戦する企業風土の構築を図ってまいります。2026中期経営計画の遂行にあたり、当社は次の項目を「26中期基本方針」として定め、重点的に取り組んでまいります。 「中期基本方針」1.挑戦する企業風土の構築人的資本の高度化に向け、人財要件・スキルの可視化を基盤として、ローテーションや経営幹部育成等を通じ、将来を担う人財を計画的に育成するとともに、従業員の主体的な成長を促す仕組みを整備してまいります。また、新規事業では仮説検証の進捗に応じたマイルストーンを設定し、各段階で客観的な評価と投資判断を行う仕組みを整備することで、経営資源の最適配分を図り、新たな収益機会の創出に取り組んでまいります。 2.事業ポートフォリオの最適化2026中期経営計画は「構造改革」の期間に位置づけています。成長事業・製品への選択と集中を徹底し、成長性および収益性を踏まえた事業ポートフォリオの最適化を推進することで、資本効率を重視した経営資源配分を進めてまいります。オートモーティブコンポーネンツ事業(AC事業)では、OEM市場におけるグローバルプレゼンスの再強化に向け、高付加価値製品である高機能コンベンショナルタイプのショックアブソーバについて、四輪・二輪の既存のお客様への拡販に加え、新規のお客様の獲得に向けた受注活動を推進してまいります。また、電子制御ショックアブソーバの拡販に向け、地域・市場特性に応じたラインナップ拡充や、地域別の最適生産ライン構築等、生産・販売・技術が一体となった取り組みを進めてまいります。さらに、成長著しいインド市場においては、2027年度からインド現地でのショックアブソーバ生産開始を予定しております。二輪市場の旺盛な需要に対応するため、既存工場の能力増強を検討するとともに、競争力あるコスト構造の確立と体制整備を進めてまいります。ハイドロリックコンポーネンツ事業(HC事業)では、市場競争力の強化が必要な「守り」の製品群であるシリンダおよび走行モータについて、徹底した原価低減を継続しつつ、生産拠点の集約等を含む再編の検討を進め、収益基盤の強化を図ってまいります。一方、「攻め」の観点では、AC事業のインド拠点を通じてインド市場での在庫販売を開始し、販売拡大に取り組んでまいります。あわせて、CTL(Compact Track Loader)やマイニング等の商品ラインナップ拡充ならびに新規顧客開拓を推進し、建機ショベルに次ぐ第二の成長の柱の育成を目指してまいります。特装車両事業では、既存のミキサ車について改良を継続しつつ、EVミキサの市場投入に向けた開発を進めてまいります。また、環境配慮型の電子制御ミキサ車であるeミキサについては、将来のEVミキサにつなげる取り組みとして、拡販を推進してまいります。 3.新規事業創出コア技術を起点とした独創的な新規事業機会の発掘および事業化を加速し、持続的な成長につながる新たな価値創造を推進するため、2026年4月に新事業イノベーション企画部を新設しました。長期ビジョンで掲げる熱マネジメント、スマートマシナリー、レジリエンス、計測ソリューション領域における事業化モデルの確立と実行を推進してまいります。計測ソリューション領域では、油状態診断システムの上市や、スマート道路モニタリングの行政機関向け有償サービス開始等を通じて顧客基盤の拡大を進めてまいります。さらに、社内外からのアイデア募集に加え、M&AやCVCの活用も通じ、顧客価値起点でスピード感のある事業創出を進めてまいります。 4.モノづくり革新現場力とデジタル技術の融合により、生産性と品質の向上を図るとともに、環境および働く人の双方に配慮したモノづくりを推進してまいります。加工から組立まで連続した一貫生産をコンセプトに、生産工程革新による「運搬・在庫・作業・検査・管理」の極少化と、データ連携されたスマート工場の実現により、生産リードタイムの短縮に取り組みます。また、開発から生産準備に至るプロセスにおいては、デジタル技術活用に向けた検証を進め、設計情報と製造情報の連携を強化することで、エンジニアリングチェーンを起点とした開発リードタイム短縮を進めてまいります。環境負荷低減の観点では、2035年のCO₂排出量71%削減(2018年対比)の達成に向け、CO₂排出量削減ロードマップに基づく取り組みを推進するとともに、Scope3の削減目標達成に向けた活動を進めてまいります。 5.経営インフラ改革当社を取り巻く環境は絶えず変化しており、意思決定の迅速化や業務の効率化のための経営管理の高度化が重要な課題と捉えています。基幹システムの刷新と高度化を進め、業務プロセスの標準化・効率化を推進してまいります。また、全社横断でのデータ活用基盤を整備することにより、データに基づく迅速な意思決定体制を構築し、経営の可視性向上および資本効率の向上につながる経営基盤の強化を図ってまいります。 <その他>当社は2025年4月24日に公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(現:中小受託取引適正化法。以下、「下請法」)に基づく勧告(以下、「本勧告」)を受けました。当社は2025年5月12日開催の取締役会において、本勧告を受けた行為が下請法に違反するものであること、今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないことを決議いたしました。また、当社は本勧告の対象となった下請事業者と個別に協議を行い、当事業年度内に必要な支払いを実施することにより、金銭的な回復措置を講じました。さらに、再発防止に向けた取り組みとして、下請法に関する法令教育を全社員に実施するとともに、社内規程・運用ルールの見直しを行いました。これらの改善措置および再発防止策を取りまとめ、2026年3月25日に公正取引委員会へ改善報告書を提出し、同委員会の承認を受けております。当社は本件を厳粛に受け止め、今後も法令遵守を最優先事項とし、お取引先との継続的かつ誠実なコミュニケーションを通じて、より一層信頼される企業を目指してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、3年間(2027年3月期~2029年3月期)の2026中期経営計画を策定しております。2026中期経営計画期間における2027年3月期および最終年度の2029年3月期の目標数値は以下のとおりです。 2026年3月期実績2027年3月期目標2029年3月期目標売上高4,815億円4,890億円5,140億円セグメント利益 (注)294億円200億円250億円セグメント利益率6.1%4.1%4.9%ROE12.2%6.6%8.1% (注) セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したもので、日本基準の営業利益に相当いたします。 当社グループは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、重要な経営指標の一つとしてROEを位置付け、その向上を目指して取り組みを進めております。収益力向上については、成長事業・製品への選択と集中により事業ポートフォリオ最適化として、AC事業では、OEM市場におけるグローバルプレゼンスの再強化に向け、高付加価値製品である高機能コンベンショナルタイプのショックアブソーバについて、四輪・二輪の既存のお客様への拡販に加え、新規のお客様の獲得に向けた受注活動を推進してまいります。HC事業では、市場競争力の強化が必要な「守り」の製品群であるシリンダおよび走行モータについて、徹底した原価低減を継続しつつ、生産拠点の集約等を含む再編の検討を進め、収益基盤の強化を図ってまいります。資本効率の向上および財務体質の強化については、政策保有株式の縮減、全社的な棚卸資産や固定資産の圧縮、ならびに自己株式の取得による株主還元の強化を実施してきました。配当性向30%以上を配当方針とし、今後も安定的・継続的な配当の実施を目指してまいります。また、当社グループは、中期経営計画の目標達成と企業価値向上に向け、引き続き資本効率の向上および収益力改善に向けた取り組みを加速させてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況(百万円未満四捨五入) 売上高(百万円)セグメント利益(百万円)営業利益(百万円)税引前利益(百万円)親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)2026年3月期481,52929,38534,93234,92829,0362025年3月期438,31619,82522,67121,98914,899増減43,2139,56012,26112,93914,137増減率(%)9.948.254.158.894.9 当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和や主要国での金融政策の効果もあり底堅さが見られたものの、中東情勢の緊迫化などの地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が継続しました。こうした中、わが国経済は、堅調な設備投資に加え、輸出も総じて増勢を維持したことから、緩やかな回復傾向で推移しました。一方で、米国の政策動向や中東情勢を巡る不透明感などにより、先行きを見通しづらい状況が続きました。当社グループの事業につきましては、自動車向け製品において需要が底堅く、生産は堅調に推移しました。また建設機械向け製品においては、米国関税政策の影響を受けたものの、当初想定を上回る出荷となり、各事業の業績は堅調に推移しました。このような環境のもと、当社グループの売上高は4,815億円と、前連結会計年度に比べ432億円の増収となりました。営業利益につきましては売上高が堅調に推移したことに加え、知多鋼業株式会社の完全子会社化に伴う負ののれん発生益を認識したこと等により349億円(前連結会計年度営業利益227億円)、税引前利益は349億円(前連結会計年度税引前利益220億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は290億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期利益149億円)となりました。 (建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。当連結会計年度においては、2026年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー50本、制振用オイルダンパー11本の合計61本)並びに関連する物件を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は15億円であります。 セグメント別の業績は次のとおりです。また、各セグメントにおける製品別売上高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 22.売上高」をご参照ください。 (a) AC事業当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。四輪車用油圧緩衝器は、国内及び欧米でのOEM製品の販売増加等により、売上高は2,546億円と前連結会計年度に比べ11.7%の増収となりました。二輪車用油圧緩衝器は、国内及び欧州向け製品の受注が好調だったことにより、売上高は510億円と前連結会計年度に比べ16.6%の増収となりました。以上の結果、当セグメントの売上高は3,441億円と前連結会計年度に比べ11.8%の増収となり、セグメント利益は234億円と前連結会計年度に比べ62億円の増益となりました。 (b) HC事業当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成されております。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の輸出が欧米向けを主として比較的堅調に推移したことから、売上高は1,126億円と前連結会計年度に比べ5.8%の増収となりました。以上の結果、当セグメントの売上高は1,239億円と前連結会計年度に比べ6.6%の増収となり、セグメント利益は45億円と前連結会計年度に比べ27億円の増益となりました。 (c) 航空機器事業当セグメントは、航空機器用油圧機器から構成されております。当セグメントは、販売製品の構成が変動したことに伴い、売上高は67億円と前連結会計年度に比べ82.7%の増収となり、セグメント利益は4億円と前連結会計年度に比べ8億円の増益となりました。 (d) 特装車両事業及びその他当セグメントは、特装車両等から構成されております。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、前連結会計年度にインドから事業撤退したことに伴い、当セグメントの売上高は69億円と前連結会計年度に比べ36.6%の減収となり、セグメント利益は11億円と前連結会計年度に比べ2億円の減益となりました。(百万円未満四捨五入) 資産合計(百万円)負債合計(百万円)資本合計(百万円)親会社の所有者に帰属する持分(百万円)親会社所有者帰属持分比率(%)2026年3月期493,726233,822259,904249,78550.62025年3月期463,112228,089235,023225,53748.7増減30,6145,73324,88124,2481.9増減率(%)6.62.510.610.8― 流動資産は、子会社株式取得のための預託金等のその他の流動資産が減少したものの、営業債権及びその他の債権や棚卸資産の増加等により179億円増加しました。また、非流動資産につきましては、企業結合により有形固定資産が増加したことや、持分法で会計処理されている投資が増加したこと等により127億円増加しました。この結果、総資産は306億円増加し、4,937億円となりました。負債につきましては、営業債務及びその他の債務等が減少したものの、社債及び借入金が増加したことにより、負債総額は57億円増加し、2,338億円となりました。資本は、自己株式の取得があった一方、当期利益に伴う利益剰余金の増加や為替影響等によるその他の資本の構成要素の増加により、249億円増加し、2,599億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、資本が増加したことから50.6%と前連結会計年度末に比べ1.9ポイント好転しました。 ② キャッシュ・フローの状況(百万円未満四捨五入) 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)現金及び現金同等物期末残高(百万円)2026年3月期19,506△6,616△12,32050,1762025年3月期43,847△34,133△9,09947,428増減△24,34127,517△3,2212,747増減率(%)△55.5△80.635.45.8 当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせて129億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュ・フローは123億円の資金流出となり、為替換算により22億円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比27億円増加し、502億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により当連結会計年度は195億円の資金流入(前連結会計年度比243億円の減少)となりました。これは主に税引前利益349億円、減価償却費及び償却費194億円、営業債権及びその他の債権の増加額106億円、営業債務及びその他の債務の減少額169億円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は66億円(前連結会計年度比275億円の支出減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出223億円、その他の金融資産の売却による収入91億円、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による収入89億円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により流出した資金は123億円(前連結会計年度は91億円の支出)となりました。主な流出は、自己株式の取得による支出125億円や配当金の支払額71億円です。 ③ 生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業353,12415.6HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業124,6748.3航空機器事業1,217△77.2報告セグメント計479,01412.5特装車両事業及びその他6,933△28.0合計485,94711.6 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。 (b) 受注実績四輪車用・二輪車用油圧緩衝器およびベーンポンプ・パワーステアリング製品を主とするAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、建設機械向け産業用油圧機器およびシステム製品を主とするHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、見込み生産を行っております。航空機用離着陸装置、操舵装置等を主とする航空機器事業についても、一部製品においても正式受注が納期間際であることから、その殆どが内示に基づく見込み生産となっております。特装車両事業及びその他についても、同様にその殆どが内示に基づく見込み生産となっております。従って、受注高および受注残高を算出することは困難であることから、記載を省略しております。 (c) 販売実績当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業344,06611.8HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業123,8696.6航空機器事業6,72182.7報告セグメント計474,65711.0特装車両事業及びその他6,873△36.6合計481,5299.9 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)トヨタ自動車株式会社48,58911.150,42710.5 (注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度比9.9%増加の4,815億円、セグメント利益は前連結会計年度比48.2%増加の294億円、営業利益は前連結会計年度比54.1%増加の349億円となりました。前連結会計年度比、自動車向けOEM製品および建設機械向け製品の販売増や知多鋼業株式会社の連結子会社化により増収、販売増や米国の生産性改善によるコスト低減、知多鋼業株式会社取得による負ののれん発生益計上により増益となりました。 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは幅広い製品群の事業を展開しており、各事業及びその製品群のポートフォリオ評価や計画に対する進捗や見通しを把握するため、売上高、セグメント利益及びセグメント利益率、また後述の通りROEの分析を重視しております。2023中期経営計画における、経営上の目標とした指標とその実績は以下の通りになります。 2026年3月期目標2026年3月期実績売上高4,700億円4,815億円セグメント利益380億円294億円セグメント利益率8.1%6.1%自己資本比率45.0%50.6%ROE12.0%12.2% 当期は2023中期経営計画最終年度にあたります。2025年度目標として、売上高4,700億円、セグメント利益率8.1%とあわせ、品質経営を進める中で資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を進めるべく、ROE12.0%を定めています。東京証券取引所からの要請である「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」も踏まえ、収益力向上については、電子制御ショックアブソーバの量産拡大、塗装・部品溶接・組立・検査工程を集約・自動化した革新ラインの導入、高価格帯ショックアブソーバであるプレミアム市販製品の販売開始、HC事業における構造改革としての油圧ショベル向け製品群別戦略の推進、重要な取引先であった知多鋼業株式会社の公開買付けを通じた完全子会社化等、改善を進めてまいりました。資本効率の向上および財務体質の強化については、政策保有株式の縮減、全社的な棚卸資産や固定資産の圧縮、ならびに自己株式の取得による株主還元の強化を実施してまいりました。配当については、連結配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的な株主還元を行うことを基本方針としております。当期において1株当たり配当金の増額を実施いたしましたが、負ののれん発生益の計上により連結配当性向は24.7%となりました。なお負ののれん発生益を除いた場合の連結配当性向は31.6%となり、方針に沿った水準を確保しております。今後も安定的かつ継続的な配当の実施に努めてまいります。さらに、株式会社格付投資情報センター(R&I)による、債務履行能力を示す格付けがBBB+からA-に格上げされ、当社の収益力および財務の健全性については一定の評価をいただいております。これにより、財務の安定性は着実に向上しているものと認識しております。2035年に迎える創立100周年、そしてその先の未来においても、持続可能な企業として社会に貢献し続けるために、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。 また、当社グループの資金需要、資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債の発行および金融機関からの長期借入を基本としております。本連結会計年度におきましては、運転資金及び設備投資等のため借入及び社債の発行を行いました。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,215億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は502億円となっております。
事業リスク
- 品質不正による信頼失墜と財務影響:品質記録の改ざんなどの品質不正が発生した場合、法令違反や顧客との契約違反により、損害賠償請求や是正対応費用が発生し、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。カヤバグループでは、全拠点での品質監査や再発防止活動を通じて、このリスクの低減に努めています。
- 大規模災害・サイバー攻撃による操業停止リスク:地震、火災、風水害といった自然災害や、サイバー攻撃によるシステム障害が発生した場合、生産設備の損傷やサプライチェーンの寸断により、操業が停止する可能性があります。これにより、生産能力の低下や売上機会の損失が生じ、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。BCP訓練やセキュリティ対策の強化で対応しています。
- サプライチェーン寸断と人財不足:仕入先の廃業や事業撤退などにより部品供給が停止した場合、生産活動が滞り、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。また、人財の流出や獲得困難な状況が続くと、事業活動が鈍化し、経営成績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。サプライヤー調査や採用戦略の推進により、これらのリスク低減を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績および財政状態のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) リスク管理の仕組み① 「リスク管理委員会」について当社グループでは、経営目的の達成および事業の運営を阻害する可能性のある事象をリスクと定義し、リスク管理に取り組んでおります。また、全社的リスク低減のため、「リスク管理委員会」を取締役会の下部組織として設置しております。リスク管理委員会において、全社的に対策を講じる必要のある重点リスクと責任部署を決定し、各責任部署がリスク管理活動を行っており、大規模災害等のBCPについても同様に活動しています。また、事業リスクに関しては当該リスクを抱える事業部が責任をもって取り扱う一方、リスク管理委員会はモニタリングを行います。体制については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しておりますコーポレート・ガバナンス体制図をご参照ください。また、リスク管理委員会の構成は、以下のとおりです。委員長ESG担当役員委員本社機能部署、事業(本)部の責任者事務局ESG本部 内部統制部 ② リスク管理の流れ1年単位でリスク低減活動を行なっております。11月:リスク抽出12月~2月:重点リスク選定、委員会審議、取締役会決議3月:計画策定4月~:活動活動状況は、四半期毎に委員会報告および定期的に取締役会、執行役員会へ報告を実施しております。 ③ リスク評価方法リスクを、財務、人的被害、操業停止、法令違反、評判などの視点から事業の運営に及ぼす影響度と、発生する可能性から、リスクの大きさを評価しております。 (2) リスク管理の現状① 全社リスクの内容と対応状況2026年度のリスク管理活動では、子会社を含む全拠点から抽出したリスクから、リスクが大きいと評価した以下7件を重点リスクとして選定しております。これらについては、それぞれの責任部署が、年度活動計画を策定し、それに基づいてリスク低減活動を行なっており、活動の進捗や、リスクの状況については、定期的に取締役会、執行役員会へ報告しております。No.リスク・概要方策1.品質不正品質記録の改ざんによる法令および客先合意違反リスク全拠点に対する品質管理部による品質体制と、品質不正再発防止活動の監査の実施2.大規模災害BCP活動管理不備による操業停止リスク地震BCP訓練、サイバーBCPインシデント対応訓練3.人権問題ハラスメント管理不備による事業活動鈍化リスクハラスメント防止教育、海外拠点ハラスメント相談状況の把握4.サイバー攻撃サイバーセキュリティ管理不備による操業停止リスク教育訓練、サプライチェーンセキュリティ対策強化、インシデント対応マニュアルの整備、セキュリティレベル共通ガイドライン設定5.労働災害労働災害予防管理不備による人的被害リスク重点災害発生拠点に対する特別管理および再発防止策の水平展開6.火災火災予防措置管理の不備による操業停止リスク防火体制の点検、設備・購入品の火災リスク確認7.サプライチェーン寸断大規模災害以外での仕入先理由による供給停止リスク供給停止が懸念される仕入先を調査し、協議や代替等の対応 なお、2025年度に重点リスクであった「人財不足」は、目標としていた採用計画充足率を達成したため、全社的な重点リスク管理活動は完了とし、今後は中長期方針活動として定期的に執行役員会へ報告する活動へ移行しております。また、2025年度に重点リスクであった「サプライヤーとの適正取引」は、公正取引委員会からの勧告に対する取り組みが完了したこと、改正された取適法(旧 下請法)遵守に向けた対応が完了したことから、全社的な重点リスク管理活動は完了とし、今後は監査部による運用状況の確認を行う活動へ移行しております。 各全社リスクの詳細は以下のとおりです。1.品質不正品質不正による法令違反やお客様との契約違反は、お客様からの損害賠償請求や是正対応費用などにより、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質不正に直結する品質記録の改ざんなどを防止する活動を行っております。具体的には、拠点が自主監査で使用するマニュアルの見直し/改定を行い、拠点自身での発見力強化を行います。また拠点自主監査後の品質管理部による現地又はWeb監査により、品質不正の懸念事項の発見漏れを防ぎ、是正を行うことで品質不正リスクを低減してまいります。 2.大規模災害当社グループでは、地震、火災、風水害での自社生産設備の損傷やサプライヤーチェーンの寸断などによる操業停止の可能性があるため、災害発生時の被害を最小化する活動や災害発生時の復旧訓練の実施など、生産能力早期復旧のための対策をとっております。特に発生の可能性が高いと推測される国内地震を中心に、BCP訓練の実施に取り組み、大規模災害時の操業停止リスクを低減してまいります。 3.人権問題職場でハラスメントが発生した場合、職場環境悪化による生産性低下や人財流出によって事業活動が鈍化し、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、労務訴訟などで賠償請求を受けるリスクもあります。当社グループでは、いきいきと働くことのできる職場環境の土台づくりの一環として、従業員へのハラスメント防止教育の実施、ハラスメント防止への仕組み・体制を整備し、多様な価値観を尊重する職場づくりをすすめ、ハラスメントによる事業活動の鈍化や労務訴訟リスクを低減してまいります。 4.サイバー攻撃近年の情報システム環境の進化・複雑化に加え、テレワークの普及による従業員の外部からのアクセス機会が増える一方、サイバー攻撃は急増し、複雑・高度化しており、情報セキュリティに係るリスクが高まっています。これらにより、情報漏えいやシステム障害等が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、グループ共通のサイバーセキュリティ教育・訓練、サプライチェーンセキュリティ強化、サイバーインシデント対応マニュアルの整備、セキュリティレベル共通ガイドライン設定等を実施することで、グループ全体の防衛力を強化し、サイバー攻撃による操業停止リスクを低減してまいります。 5.労働災害労働災害の発生は、従業員の生命を脅かすだけでなく、是正対応などのために操業停止又は、生産能力が著しく低下する可能性があります。過去に発生した重点災害の再発防止策をグループ内へ水平展開し点検、対策を実施することで、労働災害の人的被害リスクを低減してまいります。 6.火災当社グループの多くの工場では、油の特性を利用した油圧製品の生産を行っており、有機溶剤を使用する塗装設備、作動油・化学薬品等を貯蔵するタンク等が設置されていることから、火災の発生や有害物質が流出する可能性があり、万が一、事故が発生した場合には生産活動が一時的に停止する可能性があります。過去事例を反映した防火体制チェックリストによる点検の実施、防火フォローパトロール、設備仕様・購入品の火災リスク確認にて、火災による操業停止リスクを低減してまいります。 7.サプライチェーン寸断当社グループのサプライチェーンには、後継者不足、設備老朽化などによる廃業、事業撤退が懸念される仕入先があります。予期せず仕入先からの部品供給が停止した場合、一時的に生産活動が停滞し、事業継続に影響する可能性があります。仕入先の状況を注視し、コミュニケーションを深めるとともに、懸念仕入先とは丁寧な協議を行うも、供給継続が困難な際は仕入先変更等の代替手段により供給停止リスクを低減してまいります。 ② 各事業の個別リスクの内容と対応状況全拠点から抽出したリスクのうち、各事業や各拠点で個別に対応するリスクについてはリスク管理委員会の活動に依らず、各事業等で対応しており、以下のものがあります。これらは、2026中期および2026年度方針に掲げ、各事業等の日常の管理活動の中でリスク低減活動を実施しております。その進捗については経営報告会等の会議体を通じて定期的に報告されております。リスク分類リスク項目方策生産・販売数量減少需要動向グローバルでの情報収集・分析生産活動の停止品質リスク品質不良の発生品質経営を基盤とした品質管理体制強化価格リスク製品販売価格の価格競争等高品質・高付加価値製品の提供等原材料・部品等の調達価格上昇複数購買の実施・適正価格での調達財務リスク資金調達金融市場の動向を注視為替相場の変動グローバルでの生産拠点の配置等金利上昇リスク固定金利での調達その他得意先の信用リスク与信管理や取引先との関係強化等重要な訴訟等の発生国内外の弁護士と連携 上記のリスクに関する詳細は以下のとおりです。1.需要動向・生産活動停止当社グループのAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業およびHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の主要製品は自動車、二輪車、建設機械および産業車両メーカー等(以下、お客様といいます)へ供給する組付用部品であり、世界的な自動車生産台数や建設機械生産台数の動向に大きく左右されます。当社は海外売上高比率が60%を超え、グローバルな供給体制を構築しておりますが、各市場における景気悪化を背景とした自動車および建設機械需要の減退等が生じた場合には、これらの事業の収益性に大きな影響を与える可能性があります。また、国際情勢は急速に変化しており、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、米国・イスラエルとイランとの間で軍事衝突が発生しております。このような地政学リスクの高まりを受け、当該地域を中心に生産・販売活動の停止、あるいは事業撤退等が生じた場合には、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。さらに、原油等の原材料における供給制約や供給正常化の遅れにより、原材料価格の上昇や、サプライチェーンの停滞が発生し、お客様および当社の生産調整や生産稼働の停止が生じた場合には、当社グループの収益性に重大な影響を及ぼす可能性があります。加えて、米国における関税措置を背景とした生産体制の見直し、世界経済の減速、更には他国による報復措置等に起因する通商リスクが顕在化した場合には、当社グループの収益性や生産活動に影響を及ぼす可能性があります。2022年に撤退を表明した航空機器事業については、お客様等との調整を進め、ご迷惑をおかけすることの無いよう適切な管理に努めているものの、その過程において予見し得ない費用や損失が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特装車両事業において、特にコンクリートミキサ車を主力とする特装車両については、景気動向と相関性の高い建設工事量の増減により需要が変動する可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対し、グローバルに情報収集および分析を行い、状況に応じた対応をしております。 2.品質不良の発生品質に関しては、自動車では操縦安定性を支えるショックアブソーバや操舵力を補助するパワーステアリング等の重要な部品を供給しており、建設機械・産業車両等では母機を駆動させるコントロールバルブ、ポンプ、シリンダ、モータ等の主要な機能部品を供給しております。また、特装車両事業部ではコンクリートミキサ車などの特装車両をお客様へ納入しております。仮に当社グループが供給した製品に品質不良が発生した場合、その損害賠償をお客様から求められる等で多額の費用が発生する可能性があります。当社グループでは、品質経営を基盤に品質管理体制強化など品質向上を継続して追求し、品質不良発生の未然防止に努めております。また、グループ全体での不正防止活動への取組やコンプライアンス教育を通じ、問題が発生した際には対応が迅速且つ確実に行われるよう体制を整備しています。 3.製品販売価格価格に関しては、国内・海外市場共に熾烈な価格競争にさらされており、お客様からのコスト低減、価格引下げ要請が常に存在します。当社グループでは、高品質・高付加価値製品を提供することによる競争優位を目指すと共に、生産性向上などを通じた継続的な原価低減によるコスト競争力向上に努めております。その一方で人件費は上昇を続けており、適正に価格の見直しを実施してまいります。 4.原材料・部品等の調達価格当社グループは、原材料、構成部品等を多数の仕入先から購入しておりますが、調達する原材料等は国際商品市況や為替等の影響を大きく受けます。複数購買の実施や購買機能の集約等による原価低減を図っておりますが、原材料等の価格上昇を当社の販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、販売価格引下げを原材料および構成部品価格に十分に反映出来ない場合、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。 5.資金調達当社グループは、主に国内外の金融機関等より設備資金ならびに運転資金の調達を実施しております。金融市場の動向には十分留意しておりますが、全般的な市況および景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性もあります。その結果、当社グループの財政状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 6.為替相場変動・金利上昇当社グループは、海外売上高が61.8%と海外市場に大きく依存しているため日本からの輸出はもとより在外関係会社の経営成績等も為替の影響を大きく受けます。このような為替変動リスクに対してはグローバルな生産拠点の配置や為替予約等によりリスクの軽減を図っておりますが、想定を超えた為替相場の変動は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは有利子負債を有しており、固定金利での調達により金利変動リスクの軽減に努めておりますが、日本および海外における将来の金利上昇は、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。 7.得意先の信用リスク当社グループは、自動車、トラック並びに建設機械メーカー各社様や系列販売会社様をはじめ多くのお客様と取引を行っております。取引先の予期せぬ信用リスクにより、経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信管理や取引先との関係強化等を通じてリスク管理を行っています。 8.重要な訴訟等の発生当社グループを相手とした訴訟が起こされ、当社の主張と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、当社グループの経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。国内外の弁護士と連携し、事案の内容に応じて適切に対応しております。 ③ 建築物用免振・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)は、建築物用の免震・制振部材としてオイルダンパーを製造・販売してまいりましたが、その一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品を建築物に取り付けていた事実(以下、「本件」といいます。)が判明し、国土交通省に報告を行うとともに、対応状況について、2018年10月16日に公表いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。本問題に関する再発防止策および対応については、以下の当社ホームページ上で公表しておりますのでご参照ください。なお、2022年3月末時点で、再発防止策の具体策全67項目の内、全項目を「完了」しており、引き続きその維持・定着の取り組みを継続しております。再発防止策の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/prevent.html対応の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/exchange_progress.html本件に関し、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等について、製品保証引当金を計上しております。なお、本件に関連して訴訟を提起されている案件もありますが、一部案件においては追加費用の発生なく終了し、またその他案件の訴訟手続きも進んでおり、現時点においては経済的便益の流出の可能性は低下していると判断しております。