事業の概要
- 自動車照明器が主力小糸製作所グループは、自動車のヘッドランプや補助灯、標識灯などを製造・販売しており、これが主要な収益源です。日本だけでなく、北米、中国、アジア、欧州など世界各地で事業を展開し、グローバルに製品を供給しています。自動車の安全に関わる重要な部品であり、高い品質と技術力が求められます。
- 航空機・鉄道部品も展開自動車照明器以外にも、航空機部品や鉄道車両部品、各種電気機器の製造・販売も行っています。これにより、事業ポートフォリオを多角化し、特定の産業への依存度を下げています。例えば、鉄道車両制御機器やシート、航空機部品・電子部品などが含まれます。
- 物流・関連サービス製品の製造・販売だけでなく、それに付随する物流業務や保険業務なども手掛けています。これは、製品を顧客に届けるまでのサプライチェーン全体をグループ内で管理し、効率化を図ることで、安定した事業運営を支えるビジネスモデルと言えます。例えば、コイト運輸株式会社が輸送業務を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業売上高3516.4億円、営業利益226.57億円と、グループ内で最も大きな売上と利益を上げています。LEDヘッドランプや各種電球、鉄道車両部品、航空機部品など多岐にわたる製品を製造・販売しており、グループの中核を担っています。国内市場の安定した需要と高い技術力が収益を支えています。
- 北米事業売上高2971.57億円、営業利益37.83億円と、日本に次ぐ規模の売上高を誇ります。LEDヘッドランプや各種灯具、LiDARなどの先進製品を供給しており、北米の自動車市場の動向が業績に大きく影響します。高い売上に対して営業利益は日本より低いですが、今後の成長が期待される地域です。
- アジア事業売上高1555.22億円、営業利益169.09億円と、日本に次ぐ高い営業利益を上げています。タイ、インドネシア、インド、マレーシアなどに拠点を持ち、自動車照明器を中心に事業を展開しています。経済成長が著しいアジア地域の自動車需要を取り込み、グループの重要な収益源となっています。中国事業とは別に、東南アジアやインド市場を指します。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 3,516 | 227 | 6.4% |
| NorthAmerica | 地域 | 2,972 | 38 | 1.3% |
| China | 地域 | 583 | -11 | -1.9% |
| Asia | 地域 | 1,555 | 169 | 10.9% |
| Europe | 地域 | 362 | -8 | -2.2% |
| Others | 事業 | 179 | 15 | 8.4% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社小糸製作所)及び子会社、関連会社、その他の関係会社で構成されており、自動車照明器、航空機部品、鉄道車両部品、各種電気機器などの製造・販売、並びにこれに関連した物流などを主たる業務としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の5区分は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。2025年11月にコイトヨーロッパリミテッドの株式全てをShapers’Group Limitedに譲渡したことに伴い、連結の範囲から除外したため、下表及び事業の系統図からも除外しております。区分主要製品主要会社日本LEDヘッドランプ、前照灯並びに補助灯、標識灯、ハイマウントストップランプ、ハロゲン電球、その他各種小型電球、その他灯具、鉄道車両制御機器、道路交通信号、交通管制システム、道路・トンネル照明、施設照明、住設機器、環境調節装置、航空機部品・電子部品、ヘッドランプクリーナ、センサシステム(LiDAR)、鉄道車両シート、輸送業務、保険業務等当社、小糸九州㈱、コイト運輸㈱、アオイテック㈱、静岡電装㈱、日星工業㈱、藤枝オートライティング㈱、静岡ワイヤーハーネス㈱、榛原工機㈱、静岡金型㈱、コイト保険サービス㈱、コイト電工㈱、ミナモト通信㈱、丘山産業㈱米州 LEDヘッドランプ、前照灯並びに補助灯、標識灯、ハイマウントストップランプ、ハロゲン電球、その他各種小型電球、その他灯具、ヘッドランプクリーナ、センサシステム(LiDAR)等 ノースアメリカンライティングインク、ノースアメリカンライティングメキシコエスエーデシーブイ、エヌエーエルドブラジルインドゥストリアイコメルシオデコンポーネンテスジイルミナサンオリミターダ、セプトンテクノロジーズインク中国広州小糸車灯有限公司、湖北小糸車灯有限公司、福州小糸車灯有限公司アジアタイコイトカンパニーリミテッド、PT.インドネシアコイト、大億交通工業製造股份有限公司、インディアジャパンライティングプライベートリミテッド、コイトマレーシアエスディエヌビィエッチディ欧州コイトチェコs.r.o. (事業系統図)主な事業の状況の概要図は次のとおりです。(※)得意先にはその他の関係会社が含まれております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 自動車照明器は、自動車の重要な保安部品として道路運送車両法、保安基準等の様々な法的規制を受ける。 |
|---|---|
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:主要市場における景気後退に伴う需要の縮小 / 予期せぬ法的規制の変更 / 為替相場の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
長年の実績と大手自動車メーカーとの取引関係は一定の信頼を築いているが、特許やブランド力で圧倒的な優位性を示す具体的な情報は限定的。技術開発力は高いものの、それが直接的な無形資産として評価されるには更なる情報が必要。
スイッチングコスト★★★☆☆
自動車部品、特にランプやセンサーといった安全・機能部品は、自動車メーカーにとってサプライヤー変更に伴う開発・評価コスト、生産ラインの変更、品質保証の再構築など、乗り換えには高いスイッチングコストが発生する。小糸製作所は主要サプライヤーとして長年の関係を築いている。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
自動車部品サプライヤーとしてのビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す構造ではない。顧客は自動車メーカーであり、ユーザー数が増えることで製品価値が向上するような特性は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
グローバルな生産体制と長年の量産効果により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、競合他社も同様の取り組みを行っており、構造的な圧倒的コスト優位性を示すほどではない。
規模の経済★★★★☆
自動車用ランプ分野では世界トップクラスのシェアを誇り、その規模は圧倒的。大手自動車メーカーのグローバル展開に対応できる生産・供給能力は、業界内での寡占的な地位を確立しており、効率規模の優位性が高い。
- グローバルな生産・販売網小糸製作所は日本、北米、中国、アジア、欧州など世界中に生産・販売拠点を持ち、主要な自動車メーカーに製品を供給しています。この広範なネットワークにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、安定的な供給体制を構築しています。これにより、特定の地域経済のリスクを分散し、事業の安定性を高めています。
- 多様な製品と技術力自動車照明器だけでなく、航空機部品、鉄道車両部品、各種電気機器など多岐にわたる製品を手掛けています。特に自動車照明分野では、LEDヘッドランプやLiDAR(ライダー)などの先進技術を開発・提供しており、高い技術力と研究開発能力が競争優位の源泉となっています。これにより、常に市場の最先端を走り、顧客の多様な要求に応えることができます。
- 品質と安全への信頼自動車照明器は自動車の保安部品として、各国で厳しい法的規制を受けています。小糸製作所はこれらの規制をクリアし、高い品質管理基準に基づいて製品を製造しています。長年にわたる実績と信頼は、顧客からの評価を高め、安定した取引関係を築く上で重要な要素となっています。製品の安全性と信頼性が、同社のブランド価値を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針当社グループは、「光」をテーマとしてお客様のニーズを創造し、社会の進歩発展に貢献するとともに、株主・お客様・従業員・取引先等 全てのステークホルダーとの共存共栄を図ることを経営の基本方針としております。また、CSR(企業の社会的責任)などから、「人と地球にやさしいものづくり」を全ての事業活動において展開、環境保全活動、社会貢献活動に取り組んでおります。 (2)経営戦略企業メッセージ「安全を光に託して」のもと、自動車照明器、電気機器メーカーとしてお客様の求める新しい価値を創造、安全・安心、そして信頼できる製品・サービスの提供を通じて、自動車産業や社会の発展に貢献する企業であり続けたいと考えております。当社グループの更なる発展・飛躍に向けた戦略は、次のとおりです。-1. 自動車産業の世界最適生産の拡大に対応すべく、海外における開発・生産・販売部門を更に強化するなど、グローバル5極体制(日本・米州・欧州・中国・アジア)の充実を図る。-2. コネクティッド・自動運転・シェアリング・電動化などモビリティ変化への対応をはじめ、お客様・市場ニーズを先取りした先端技術の開発と迅速な商品化を図り、タイムリーに魅力ある商品を提供する。-3. 高品質・安全性を追求するとともに、環境保全及びコンプライアンス強化を推進する。-4. 経営資源の確保と有効活用により、収益構造・企業体質の更なる強化を図る。上記に関する具体的諸施策を講じ、株主・お客様・従業員・取引先の満足度向上、環境保全及び内部統制充実に向け努力していく所存であります。 (3)経営環境及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当期における経済情勢は、日本では物価上昇の影響による個人消費の伸び悩みが見られたものの、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外では米国の関税政策、中国における内需の低迷、アジア諸国での高金利の長期化に加え、中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が一段と強まっています。世界の自動車生産台数は、中国における政府補助金を背景としたローカル車の生産増加などにより、全体では前期比で増加しましたが、当社主力市場である日本及び米州においては、一部自動車メーカーの販売不振や電子部品の供給混乱などにより減少しました。こうした状況のなか、当社の連結売上高につきましては、各地域での新規受注や、米州でのハイブリッド車需要増、得意先販促キャンペーンに伴う当社受注車種販売増などもあり、前期比3.4%増の9,476億円となりました。営業利益につきましては、米国関税やLiDAR事業の固定費負担増などの影響はあったものの、日本・米州を中心とした販売数量の増加や各地域での生産性改善をはじめとする合理化の推進により、前期比14.6%増の514億円となりました。経常利益につきましても、前期比19.6%増の587億円となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、LiDAR事業や中国事業に係る特別損失(減損損失)を計上したことなどから、前期比64.2%減の165億円となりました。収益性・健全性の高い経営を維持していくために、売上・利益に加え、資本効率を重視するとともに、財務基盤の強化を進めております。KOITO VISION達成に向けた第一歩として、2024年~2026年度までの3ヵ年を計画期間とする「第1次中期経営計画」を2024年3月に策定し、生産ラインの自動化投資をはじめ、成長投資・合理化の推進など、経営目標の達成に向けて取り組んでまいりました。然しながら、計画の発表以降、日本での自動車メーカーの認証問題や、米国の関税政策の影響、アジアをはじめとする各国での金利上昇に伴う販売不振などにより、当社を取り巻く経営環境は大きく変化しており、世界自動車生産台数は想定を大きく下回って推移したことから、第1次中期経営計画の最終年度(2026年度)の経営目標を2025年10月に見直しました。厳しい環境下ではありますが目標達成に向けて全社一丸となり努力してまいります。 第1次中期経営計画 2024年度実績2025年度実績2026年度 修正計画(2025年10月公表)業績予想(2026年5月公表)売上高9,167億円9,476億円9,300億円9,330億円営業利益448億円514億円560億円600億円(営業利益率)(4.9%)(5.4%)(6.0%)(6.4%) 小糸グループは、企業メッセージ「安全を光に託して」のもと、グローバルサプライヤーとして、交通社会の安全・安心に貢献してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題小糸グループは、次世代モビリティに向けた電動化・自動運転の進展など、急速な経営環境の変化に柔軟に対応、企業価値を向上させるとともに、持続可能な社会の実現に貢献することが課題であります。これに対処すべく、「KOITO VISION~人と地球の未来を照らす~」を策定、「企業基盤の強化」「持続的な成長」「地球・社会との共生」に取り組んでいます。「企業基盤の強化」として、グループ発展の原動力となる人材を育成、「ものづくり・人づくり」の強化・革新を目指しています。また、製品の品質を保証、法令の遵守、内部統制・情報セキュリティの強化により、すべてのステークホルダーから信頼されるコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。「持続的な成長」として、交通事故低減に寄与するADB(Adaptive Driving Beam:配光可変ヘッドランプ)や次世代交通インフラシステムに対応したコミュニケーションランプなどの普及拡大・いち早い市場投入を図るとともに、新規アイテム探索を強化しこれまでにない価値を創造することで、世界中の人々に安全・安心をお届けし、お客様の満足と信頼を獲得してまいります。「地球・社会との共生」として、2030年度のCO2排出量を2015年度比△50%削減、2050年度のカーボンニュートラル達成を目指し活動を強化しています。併せて、環境負荷物質の低減など、「人と地球にやさしいものづくり」を推進しています。また、人権尊重に向けた取り組みを推進するとともに一人ひとりが生き生きと働く企業を目指してまいります。 2022年11月に策定したKOITO VISION~人と地球の未来を照らす~は以下の通りであります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針当社グループは、「光」をテーマとしてお客様のニーズを創造し、社会の進歩発展に貢献するとともに、株主・お客様・従業員・取引先等 全てのステークホルダーとの共存共栄を図ることを経営の基本方針としております。また、CSR(企業の社会的責任)などから、「人と地球にやさしいものづくり」を全ての事業活動において展開、環境保全活動、社会貢献活動に取り組んでおります。 (2)経営戦略企業メッセージ「安全を光に託して」のもと、自動車照明器、電気機器メーカーとしてお客様の求める新しい価値を創造、安全・安心、そして信頼できる製品・サービスの提供を通じて、自動車産業や社会の発展に貢献する企業であり続けたいと考えております。当社グループの更なる発展・飛躍に向けた戦略は、次のとおりです。-1. 自動車産業の世界最適生産の拡大に対応すべく、海外における開発・生産・販売部門を更に強化するなど、グローバル5極体制(日本・米州・欧州・中国・アジア)の充実を図る。-2. コネクティッド・自動運転・シェアリング・電動化などモビリティ変化への対応をはじめ、お客様・市場ニーズを先取りした先端技術の開発と迅速な商品化を図り、タイムリーに魅力ある商品を提供する。-3. 高品質・安全性を追求するとともに、環境保全及びコンプライアンス強化を推進する。-4. 経営資源の確保と有効活用により、収益構造・企業体質の更なる強化を図る。上記に関する具体的諸施策を講じ、株主・お客様・従業員・取引先の満足度向上、環境保全及び内部統制充実に向け努力していく所存であります。 (3)経営環境及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当期における経済情勢は、日本では物価上昇の影響による個人消費の伸び悩みが見られたものの、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外では米国の関税政策、中国における内需の低迷、アジア諸国での高金利の長期化に加え、中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が一段と強まっています。世界の自動車生産台数は、中国における政府補助金を背景としたローカル車の生産増加などにより、全体では前期比で増加しましたが、当社主力市場である日本及び米州においては、一部自動車メーカーの販売不振や電子部品の供給混乱などにより減少しました。こうした状況のなか、当社の連結売上高につきましては、各地域での新規受注や、米州でのハイブリッド車需要増、得意先販促キャンペーンに伴う当社受注車種販売増などもあり、前期比3.4%増の9,476億円となりました。営業利益につきましては、米国関税やLiDAR事業の固定費負担増などの影響はあったものの、日本・米州を中心とした販売数量の増加や各地域での生産性改善をはじめとする合理化の推進により、前期比14.6%増の514億円となりました。経常利益につきましても、前期比19.6%増の587億円となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、LiDAR事業や中国事業に係る特別損失(減損損失)を計上したことなどから、前期比64.2%減の165億円となりました。収益性・健全性の高い経営を維持していくために、売上・利益に加え、資本効率を重視するとともに、財務基盤の強化を進めております。KOITO VISION達成に向けた第一歩として、2024年~2026年度までの3ヵ年を計画期間とする「第1次中期経営計画」を2024年3月に策定し、生産ラインの自動化投資をはじめ、成長投資・合理化の推進など、経営目標の達成に向けて取り組んでまいりました。然しながら、計画の発表以降、日本での自動車メーカーの認証問題や、米国の関税政策の影響、アジアをはじめとする各国での金利上昇に伴う販売不振などにより、当社を取り巻く経営環境は大きく変化しており、世界自動車生産台数は想定を大きく下回って推移したことから、第1次中期経営計画の最終年度(2026年度)の経営目標を2025年10月に見直しました。厳しい環境下ではありますが目標達成に向けて全社一丸となり努力してまいります。 第1次中期経営計画 2024年度実績2025年度実績2026年度 修正計画(2025年10月公表)業績予想(2026年5月公表)売上高9,167億円9,476億円9,300億円9,330億円営業利益448億円514億円560億円600億円(営業利益率)(4.9%)(5.4%)(6.0%)(6.4%) 小糸グループは、企業メッセージ「安全を光に託して」のもと、グローバルサプライヤーとして、交通社会の安全・安心に貢献してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題小糸グループは、次世代モビリティに向けた電動化・自動運転の進展など、急速な経営環境の変化に柔軟に対応、企業価値を向上させるとともに、持続可能な社会の実現に貢献することが課題であります。これに対処すべく、「KOITO VISION~人と地球の未来を照らす~」を策定、「企業基盤の強化」「持続的な成長」「地球・社会との共生」に取り組んでいます。「企業基盤の強化」として、グループ発展の原動力となる人材を育成、「ものづくり・人づくり」の強化・革新を目指しています。また、製品の品質を保証、法令の遵守、内部統制・情報セキュリティの強化により、すべてのステークホルダーから信頼されるコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。「持続的な成長」として、交通事故低減に寄与するADB(Adaptive Driving Beam:配光可変ヘッドランプ)や次世代交通インフラシステムに対応したコミュニケーションランプなどの普及拡大・いち早い市場投入を図るとともに、新規アイテム探索を強化しこれまでにない価値を創造することで、世界中の人々に安全・安心をお届けし、お客様の満足と信頼を獲得してまいります。「地球・社会との共生」として、2030年度のCO2排出量を2015年度比△50%削減、2050年度のカーボンニュートラル達成を目指し活動を強化しています。併せて、環境負荷物質の低減など、「人と地球にやさしいものづくり」を推進しています。また、人権尊重に向けた取り組みを推進するとともに一人ひとりが生き生きと働く企業を目指してまいります。 2022年11月に策定したKOITO VISION~人と地球の未来を照らす~は以下の通りであります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。 (1)経営成績分析等当期における経済情勢は、日本では物価上昇の影響による個人消費の伸び悩みが見られたものの、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外では米国の関税政策、中国における内需の低迷、アジア諸国での高金利の長期化に加え、中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が一段と強まっています。 世界の自動車生産台数は、中国における政府補助金を背景としたローカル車の生産増加などにより、全体では前期比で増加しましたが、当社主力市場である日本及び米州においては、一部自動車メーカーの販売不振や電子部品の供給混乱などにより減少しました。こうした状況のなか、当社の連結売上高につきましては、各地域での新規受注や、米州でのハイブリッド車需要増、得意先販促キャンペーンに伴う当社受注車種販売増などもあり、前期比3.4%増の9,476億円となりました。営業利益につきましては、米国関税やLiDAR事業の固定費負担増などの影響はあったものの、日本・米州を中心とした販売数量の増加や各地域での生産性改善をはじめとする合理化の推進により、前期比14.6%増の514億円となりました。経常利益につきましても、前期比19.6%増の587億円となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、LiDAR事業や中国事業に係る特別損失(減損損失)を計上したことなどから、前期比64.2%減の165億円となりました。 地域別セグメントにおいて、売上高は、為替換算の影響もあり、中国・欧州を除き前期比増収を確保しました。営業利益につきましては、合理化が寄与し、全地域で黒字を確保しました。〔日 本〕自動車生産台数は一部自動車メーカーの販売不振や輸出向け生産の減少などにより、微減となりましたが、売上高は新規受注、並びに当社受注車種の販売増により、前期比4.6%増の3,678億円となりました。営業利益は販売数量の増加や改善合理化が寄与し、前期比9.6%増の248億円となりました。〔米 州〕自動車生産台数は電子部品の供給混乱、一部自動車メーカーの販売不振の影響などにより減少しましたが、売上高はハイブリッド車の需要増に加え、得意先販促キャンペーンに伴う当社受注車種の販売増加などにより、前期比4.3%増の3,286億円となりました。営業利益は自動化推進等に伴う改善効果はあるものの、関税影響等により、前期比33.1%減の35億円となりました。〔中 国〕自動車生産台数はローカル車の生産が堅調に推移したことから増加したものの、売上高は当社売上比率の高い日本車の販売不振が継続したことなどから、前期比8.5%減の533億円となりました。営業利益は販売数量の減少はあるものの、域内での生産体制見直しに伴う固定費負担の減少などにより、5億円の営業黒字(前期は11億円の営業損失)となりました。〔アジア〕自動車生産台数は東南アジアでは高金利の長期化により内需の低迷が続きましたが、インドでは経済成長に伴う需要増加が見られ、アジア全体では増加しました。売上高はインドを中心とした新規受注、当社受注車種の販売増により、前期比4.6%増の1,626億円となりました。営業利益は販売数量の増加が寄与し、前期比12.1%増の189億円となりました。〔欧 州〕自動車生産台数は域内の景気低迷を背景に微減、売上高は2025年11月の英国子会社譲渡の影響もあり、前期比2.9%減の351億円となりました。営業利益は英国子会社譲渡に伴う固定費負担の減少などにより、8億円の営業黒字(前期は7億円の営業損失)となりました。 (2)財政状態分析等当期末の資産の残高は、建物及び構築物等の有形固定資産が増加したこと等から、前期末に比べ162億円増加の9,062億円となりました。負債の残高は、契約負債が増加したこと等から、前期末に比べ200億円増加の2,301億円となりました。純資産の残高は、自己株式の取得等により、前期末に比べ37億円減少の6,760億円となりました。 (3)キャッシュ・フロー分析等当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ240億円増加し、1,252億円(前連結会計年度末比23.7%増)となりました。なお、投資等に係る所要資金につきましては、自己資金及び借入金をもって充当いたしました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益362億円、減価償却費456億円を主体に1,091億円となり、法人税等を支払った結果、999億円(前期は883億円)の資金を確保いたしました。投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入・払戻による純収入391億円、投資有価証券の売却及び償還による収入100億円に対し、有形固定資産の取得545億円等を実施した結果、108億円の支出(前期は409億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得477億円、配当金等の支払い192億円等を実施した結果、714億円の支出(前期は783億円の支出)となりました。 なお、当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、人件費、研究開発費及び設備投資資金です。これらの資金需要につきましては、自己資金及び銀行借入金を充当しており、銀行借入については必要資金を精査し、不測の事態に備え、必要な借入枠増枠やその検討等を進めております。 (4)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産、負債の金額及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (5)生産、受注及び販売実績①生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)日本(百万円)549,765103.1米州(百万円)327,983106.2中国(百万円)60,66690.8アジア(百万円)168,428107.3欧州(百万円)35,02597.5合計(百万円)1,141,868103.6 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 ②受注実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても構造・形式等は必ずしも一様ではありません。また自動車照明器は自動車メーカーの組付用が大部分で、各納入先より2~3ヶ月前より指定車種の生産計画の内示を受け生産予想をたてますが、実際の納入は、メーカーの翌日または旬日に合わせた指示により、ライン納入している状況であります。従って内示と実際とは異なる場合もあり、受注高及び受注残高を算出することは困難であります。また補修品については、販売計画に基づき見込み生産を行っております。なお、連結子会社コイト電工㈱は、受注による営業活動が主体となっており、その受注高及び受注残高は次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本52,679162.229,431185.0 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)日本(百万円)367,826104.6米州(百万円)328,641104.3中国(百万円)53,33291.5アジア(百万円)162,683104.6欧州(百万円)35,12597.1合計(百万円)947,610103.4 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)トヨタ自動車㈱119,57113.0128,48113.6
事業リスク
- 世界経済の景気後退小糸製作所の売上の大部分を占める自動車照明関連製品の需要は、日本、北米、中国、アジア、欧州などの主要市場の経済状況に大きく左右されます。景気後退による自動車販売の減少は、同社の製品需要を縮小させ、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、世界的な経済の減速は、複数の地域で同時に影響を及ぼすリスクがあります。
- 法的規制の変更リスク自動車照明器は、各国の道路運送車両法や保安基準など、様々な法的規制の対象となっています。これらの規制が予期せず変更された場合、製品の設計変更や追加の試験、生産ラインの調整などが必要となり、多大なコストが発生する可能性があります。これにより、同社の業績や財務状況に悪影響を及ぼすことが考えられます。
- 為替相場の変動影響小糸製作所はグローバルに生産・販売活動を行っており、現地通貨建ての売上や費用、資産・負債を円に換算する際に為替相場の影響を受けます。一般的に、円高は海外での売上を円換算した際に減少させるため、同社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。為替変動は予測が難しく、収益の不確実性を高める要因となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3【事業等のリスク】(1)基本的な考え方当社グループでは、企業を取り巻く事業環境が大きく変化し、リスクが多様化・複雑化する中、リスクマネジメントを、事業活動を支える重要な経営基盤の一つと位置付けています。従来、自然災害、地政学リスク、サイバー攻撃、サプライチェーン問題、人材確保等のリスク事象は、個別部門ごとに対応してきましたが、近年は複数部門にまたがり、経営全体へ影響を及ぼすケースが増加しています。当社グループでは、こうしたリスクを全社的な観点から把握・共有し、未然防止及び影響最小化の両面から対応力を強化することが、安定的な事業継続及び企業価値向上につながるものと考えています。また、リスクマネジメントは特定部門のみで完結するものではなく、各機能部署による自律的な管理を基本としつつ、経営として全社横断的な視点からリスクを把握・共有し、必要な対応を進めていくことを基本的な考え方としています。 (2)推進体制当社グループでは、従前より各機能部署が担当役員の管理監督の下、個別リスクへの対応を実施しておりましたが、経営として全社横断的にリスクを把握・共有する体制の強化が必要と考え、今年度より本格的にリスクマネジメント体制の整備・強化に取り組んでいます。リスクマネジメント推進体制として、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、当社グループ経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、経営層による共有・確認を行いました。重要リスクの選定にあたっては、役員ヒアリング、部長層を対象としたリスクサーベイ、並びに他社開示事例や先行企業へのヒアリング等を踏まえ、当社グループとして重要性が高いと考えられるリスクを整理しています。また、経営層で共有した重要リスクについては、リスク別に担当役員と機能部署を設定、対応活動を推進するとともに、経営の重要会議体である常務会及び取締役会へ定期的に報告しています。今後、リスクマネジメント委員会においては、各リスクの対応状況や課題について継続的に確認を行い、必要に応じて見直し・改善を進めてまいります。 <リスクマネジメント体制> (3)重要リスクについて当社グループの経営成績・株価及び財務状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクが発生する可能性を十分認識し、リスク管理を行うとともに、発生した場合には迅速かつ適切な対応に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①災害リスク<リスク概要>当社グループは国内外に生産・物流拠点を有しており、地震、台風・豪雨、富士山噴火等の自然災害、並びに火災、設備事故、停電等の工場インフラ停止の影響を受ける可能性があります。特に国内生産拠点が静岡県内に集中していることから、南海トラフ巨大地震等が発生した場合には、社員・家族の生命・安全を脅かし、生産停止、物流網寸断、得意先への供給支障等を通じ、当社グループの事業継続や業績へ重大な影響を及ぼす可能性があります。また、風水害や工場火災、設備故障に加え、取引先・物流事業者を含むサプライチェーン全体が被災した場合には、影響が長期化する可能性があります。<対応状況>当社グループでは、社員・家族の安全確保を最優先事項と位置付け、防災訓練、安否確認訓練、防災ハンドブック配布等を継続的に実施しています。また、建屋・設備の耐震診断・補強、設備固定化、防災備蓄、非常用設備整備、止水板設置、データセンター移管・クラウド化等を進めるとともに、防火管理、設備点検、予備品管理、コンプレッサー供給余力確保等を通じ、事業継続性向上に取り組んでいます。一方で、想定を超える大規模災害や複合災害を完全に回避することは困難であり、今後も初動対応の高度化、防災体制強化、データバックアップ強化等を継続してまいります。 ②品質不良に関するリスク<リスク概要>当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しております。しかしながら、製品開発・量産の各段階において、不整合、検証不足、工程ばらつき等が発生した場合、市場不良、リコール、製造物責任(PL)問題等につながる可能性があります。近年は自動車の電子化・高機能化に伴い、自動車照明器における制御系・電子部品比率が高まっており、不具合発生時の影響範囲や対応費用も拡大しています。また、品質問題は取引先や海外拠点を含むサプライチェーン全体へ波及する可能性があり、得意先評価低下、発注制限、企業イメージ毀損等を通じ、当社グループの業績や事業継続へ重大な影響を及ぼす可能性があります。<対策状況>当社グループでは、「品質保証規程」の下、品質を経営の最重要課題の一つと位置付け、営業、設計、調達、生産、品質保証部門が連携した全社的な品質活動を推進しています。未然防止の観点から、設計FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)を活用した設計段階から生産工程までの品質確認や、新製品立上り時の監査強化を進めています。また、不具合発生時には、SIBR(Serial Incident Breaking Report:重要品質速報)による迅速な情報共有や真因分析を通じ、再発防止活動を実施しています。加えて、取引先品質管理やGQAM(Global Quality Assurance Meeting)による海外拠点品質体制強化にも取り組んでいます。一方で、製品の複雑化や管理範囲拡大に伴い品質リスクは高まっており、今後も、設計から生産まで一貫した品質保証体制の構築、再発防止の徹底、取引先管理の強化等を継続してまいります。 ③情報セキュリティリスク当社グループは、情報セキュリティリスクを「外部脅威」と「内部脅威」に区分して認識するとともに、「情報セキュリティ規程」の下、情報システム部を中心として、外部脅威・内部脅威双方を念頭に置いた対応を推進しています。(ⅰ)外部脅威<リスク概要>標的型サイバー攻撃、ランサムウェア感染、不正アクセス等により、機密情報漏洩、情報資産毀損、システム停止等が発生する可能性があります。近年は、社内データ暗号化や金銭要求を伴う攻撃が増加しており、自動車業界においてもサプライチェーン全体を狙った攻撃や部品供給停止事例が発生しています。<対応状況>一般社団法人日本自動車工業会・一般社団法人日本自動車部品工業会の「自動車産業サイバーセキュリティガイドライン」や得意先要求事項への対応を進めるとともに、国内外関係会社や重要取引先を含めた情報セキュリティレベル向上に取り組んでいます。また、ISO27001認証取得部署では、リスクアセスメントや内部監査を継続実施しています。技術的対策として、EDR(Endpoint Detection and Response:端末に対するサイバー攻撃の検知・対応システム)導入、ペネトレーションテスト、多要素認証(MFA)、バックアップ端末整備等を進めています。加えて、当社グループのすべての海外生産拠点をカバーするグローバル包括型サイバー保険を導入し、インシデント発生時の専門会社・弁護士支援体制を整備しています。 (ⅱ)内部脅威<リスク概要>従業員による内部不正、情報持出し、操作ミス、不適切なクラウドサービス利用等により、機密情報や個人情報が漏洩する可能性があります。特に近年は、クラウドサービス利用拡大やリモート環境利用増加に伴い、内部起因による情報漏洩リスクも高まっています。これらの事象が発生した場合には、生産・出荷停止、復旧費用発生、得意先対応、法的責任、社会的信用低下等を通じ、業績や事業継続へ重大な影響を及ぼす可能性があります。<対応状況>標的型攻撃メール訓練や情報セキュリティ教育を継続的に実施し、従業員のセキュリティ意識向上に努めています。また、従業員パソコン操作監視、社外持出ルール運用、退職時の機器回収・データ確認や守秘義務契約締結等を実施しています。一方で、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、今後もサプライチェーン全体でのセキュリティ強化やインシデント対応力向上を継続してまいります。 ④サプライチェーンリスク<リスク概要>当社グループは、製品の製造に必要な原材料や部品を、多数の国内外取引先から調達しています。自然災害・火災、地政学リスク、各国通商政策、物流停滞、サイバー攻撃や半導体不足等により、取引先の1社でも、原材料・部品を供給できなくなった場合には、当社グループの生産活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。加えて、自動車産業のサプライチェーンでは、各々の取引先が多種多様なリスクを抱える点やTier2以下に取引先が複層的に存在する点に特徴があり、このリスクへの対応を困難なものとしています。また、原材料・エネルギー価格等の上昇が得意先への価格転嫁や合理化により吸収できない場合には、収益性低下につながる可能性があります。<対応状況>当社グループでは、調達本部を中心に、重要取引先のBCP、防災・情報セキュリティ・品質管理体制等を確認し、安定調達体制の構築を進めています。また、取引先の被災状況を即座に把握するためにサプライチェーン情報管理システムを導入するとともに、代替調達、在庫積み増し、複数購買ルートの構築などを実施しています。価格高騰への対応としては、VA・VE(Value Analysis・Value Engineering)活動、新材料・新工法開発、価格転嫁交渉等を通じ、原価低減と収益性維持に取り組んでいます。一方で、サプライチェーン全体のリスクを当社グループ単独でコントロールすることは困難であり、今後も重要取引先管理の高度化やサプライチェーンの可視化等を進めてまいります。 ⑤法規制やコンプライアンスに係るリスク<リスク概要>当社グループは、独占禁止法、中小受託取引適正化法(旧・下請法)、各国自動車安全基準、輸出関連法令、金融商品取引法、労働・環境関連法令等、多岐にわたる法令・規制の適用を受けています。近年は、自動車業界において認証・品質不正、不適切取引等が発生しており、コンプライアンスの重要性が一層高まっています。法令違反、不適切取引、不適切会計処理、輸出管理不備、ハラスメント等が発生した場合には、行政処分、課徴金、損害賠償、信用低下等を通じ、当社グループの業績や社会的信用へ重大な影響を及ぼす可能性があります。<対応状況>当社グループでは、「小糸グループ行動憲章」の下、コンプライアンス推進室を中心に教育・啓蒙活動を継続しています。独占禁止法対応、J-SOX対応、内部統制監査、ハラスメント防止研修、企業倫理相談窓口運営等を実施するとともに、2024年度には「小糸グループ人権方針」を策定し、人権デューデリジェンス(DD)を開始しています。今後も、法規制の情報収集、人権対応、内部通報制度の運営等を通じ、全社的なコンプライアンス体制強化を進めてまいります。 ⑥人材リスク<リスク概要>当社グループでは、「ものづくりは人づくり」との考えの下、人材確保・育成を重要経営課題と認識しています。一方で、少子高齢化やCASE、ソフトウェア化等の進展により、理系人材やソフトウェア・AI人材の獲得競争が激化しています。コア人材の流出、採用難、人材育成不足等が発生した場合には、技術開発力、品質管理力等の低下につながり、中長期的な競争力や事業継続へ影響を及ぼす可能性があります。また、海外駐在員の不足や育成不十分は、当社グループの海外拠点管理やガバナンスへ影響を及ぼす可能性があります。<対応状況>当社グループでは、社員一人一人が生き生きと働くことができる環境を実現するため、処遇改善、人事諸制度改定、採用活動強化、人材育成充実等を進めています。また、海外関係会社との連携強化や現地マネジメント人材育成にも取り組んでいます。一方で、今後も人材獲得競争の激化が見込まれることから、採用力強化、人材育成高度化、海外人材育成等を継続してまいります。 ⑦競争力リスク<リスク概要>当社グループは、自動車照明器を中心に事業を展開しており、自動車メーカーの販売動向、市場環境、技術革新、価格競争等の影響を受けます。近年は、中国市場における日系自動車メーカー販売減少、新興国メーカー台頭、ECUの統合化等により、技術競争や価格競争が激化しています。このような環境下で、新製品・新技術開発の遅れやコスト競争力低下が生じた場合には、当社グループの受注減少や収益性悪化につながる可能性があります。<対応状況>当社グループでは、重点車種での受注拡大、ADB(Adaptive Driving Beam)、ECU、LDM(LED Driver Module)等の拡販、日系メーカーに加え非日系メーカー向け営業強化を進めています。また、展示会(CES等)での情報収集、大学との共同研究、ベンチマーク活動等を通じ、技術トレンド把握や新製品・新技術開発を進めています。さらに、開発プロセス高度化、設計品質向上、グローバル最適開発体制構築、低コストアイテム創出等に取り組んでいます。今後も、市場・顧客環境変化への迅速な対応、新技術開発力強化、コスト競争力向上を継続してまいります。 ⑧海外展開リスク<リスク概要>当社グループは、世界11か国に生産拠点を設け、海外売上高比率も高い水準にあることから、海外事業に内在する様々なリスクの影響を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合には、生産停止、供給遅延、コスト増加、収益性低下等を通じ、当社グループの業績や事業継続へ重大な影響を及ぼす可能性があります。(i)予期しない法律または規則の変更各国における税制、環境規制、労働法制、安全保障輸出管理、通商政策等の変更に加え、保護主義政策、追加関税、輸出入規制等により、生産活動や収益性へ影響を及ぼす可能性があります。(ⅱ)不利な政治または経済要因インフレ、景気後退、資源・エネルギー価格高騰、中国市場における日系自動車メーカー販売減少、中国メーカー台頭等、市場環境変化により事業運営や収益性へ影響を及ぼす可能性があります。(ⅲ)テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱米中対立、ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学リスクに加え、テロ、感染症、自然災害、物流停滞、サイバー攻撃等により、生産停止や供給遅延が発生する可能性があります。(ⅳ)為替相場の変動海外関係会社の現地通貨建て項目は、為替変動により円換算後の業績及び財政状態へ影響を受ける可能性があります。一般に、円高は当社グループ業績へ悪影響を及ぼす可能性があります。<対応状況>当社グループでは、国際本部を中心に、各地域の政治・経済・法規制・市場動向等に関する情報収集とリスク把握を進めています。海外拠点では、法令遵守、安全管理、労務管理、情報セキュリティ対応、在庫管理、複数購買等を実施するとともに、物流停滞や自然災害等への対応を進めています。また、本社から派遣される駐在員を中心に、各地域の事業運営及びガバナンス強化を進めるとともに、現地生産・現地調達推進により為替影響低減に努めています。一方で、海外リスクは政治、経済、法規制、地政学、物流等、多岐にわたり、変化速度も速いことから、全てのリスクを事前に予見・回避することは困難です。今後も、海外関係会社との連携強化、地域リスク把握、現地人材育成等を継続してまいります。