事業の概要
- 貴金属回収製錬松田産業は、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を含む使用済み製品や産業廃棄物から、貴金属を回収し精錬する事業を主力としています。これは、資源の有効活用と環境負荷低減に貢献するビジネスモデルであり、貴金属の市場価格に連動して収益が変動する特徴があります。
- 貴金属地金・電子材料販売回収・精錬した貴金属を地金として販売するほか、半導体製造などに使われるボンディングワイヤなどの電子材料も取り扱っています。これにより、貴金属のサプライチェーン全体に関与し、安定的な収益源を確保しています。子会社や関連会社が国内外でこの事業を補完しています。
- 食品加工原材料販売水産品(すりみ、エビなど)、農産品(野菜)、畜産品(鶏肉、牛肉など)といった食品加工原材料を国内外から調達し、日本の食品メーカーなどに販売しています。多様な食材を供給することで、食品産業のニーズに応え、安定した食料供給の一翼を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 貴金属関連事業貴金属の回収・精錬、貴金属地金や電子材料の販売、産業廃棄物の収集・運搬・処理を行う事業です。売上高は3,616.55億円、営業利益は101.78億円と、松田産業グループの収益の大部分を占める主力事業となっています。国内外の子会社がこの事業を補完し、グローバルに展開しています。
- 食品関連事業水産品、畜産品、農産品などの食品加工原材料の販売と物流サービスを提供する事業です。売上高は1,071.85億円、営業利益は24.97億円であり、貴金属関連事業に次ぐ規模の事業です。国内外の子会社が調達・販売・物流を担い、食品メーカーなどに多様な食材を供給しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PreciousMetalsBusinessSegment | 地域 | 3,617 | 102 | 2.8% |
| FoodBusinessSegment | 地域 | 1,072 | 25 | 2.3% |
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3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、子会社22社及び関連会社1社で構成され、貴金属回収製錬、貴金属地金・電子材料他の販売及び産業廃棄物の収集・運搬・処理を行う貴金属関連事業、食品加工原材料販売及び物流サービスを行う食品関連事業を主たる事業内容としております。子会社のマツダ環境㈱、日本メディカルテクノロジー㈱、北海道アオキ化学㈱、ゼロ・ジャパン㈱、㈱山陽レック、㈱フラップリソース、Matsuda Sangyo (Thailand) Co., Ltd.、Matsuda Sangyo (Philippines) Corporation、South Gate Realty Holding Inc.、Matsuda Sangyo (Singapore) Pte.Ltd.、Matsuda Sangyo (Malaysia) Sdn. Bhd.、Matsuda Sangyo(Vietnam)Co.,Ltd.、Matsuda Sangyo (Taiwan) Co.,Ltd.、Matsuda Sangyo (Korea) Co.,Ltd.及びSEAM Holdings (Thailand) Co.,Ltd.においては、当社の貴金属関連事業の対象業界または地域について補完しております。マツダ流通㈱においては当社の食品関連事業の物流を担当しており、ガルフ食品㈱、Matsuda Sangyo Trading (Qingdao) Co.,Ltd.、Matsuda Sangyo Trading (Thailand) Co.,Ltd. 、Matsuda Sangyo Trading (Vietnam) Co.,Ltd. 、Matsuda Sangyo Trading India Private Limited及びPT Matsuda Sangyo Trading Indonesiaにおいては食品関連事業の対象業界または地域について補完しております。関連会社の日鉄マイクロメタル㈱においては当社貴金属関連事業の取扱商品であるボンディングワイヤなどの電子材料を生産しております。事業の系統図は次のとおりであります。(注) 関連会社は、持分法適用会社に該当しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 仕入・販売価格が貴金属地金市場価格や商品市況、為替相場に影響されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 貴金属回収製錬、産業廃棄物処理、精密洗浄、めっき薬品製造などの永年培った技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:主要製品・商品の価格変動 / 食品関連事業に関わる品質問題等 / 法的規制
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
松田産業の事業内容(非鉄金属、化学品、電子材料等の専門商社)において、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産による競争優位性は確認できない。独自の技術や知的財産による差別化は限定的と考えられる。
スイッチングコスト★★☆☆☆
非鉄金属や化学品などの専門商社として、顧客との長年の取引関係や、特定のニーズに対応するカスタマイズされたサービス提供により、一定のスイッチング・コストは存在する可能性がある。しかし、代替サプライヤーの存在や価格競争により、その効果は限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
松田産業の事業モデルは、サプライヤーと顧客を結びつける商社業であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は発生しない。ユーザー数の増加がサービス価値を向上させる構造ではない。
コスト優位★★☆☆☆
専門商社として、長年の取引による仕入れ価格交渉力や、効率的な物流網の構築により、一定のコスト優位性を有する可能性がある。しかし、業界全体として価格競争も激しく、構造的なコスト優位性は限定的。
規模の経済★★★☆☆
非鉄金属や化学品、電子材料といった特定の分野で、長年の事業展開により一定の市場シェアと取引規模を有している。これにより、サプライヤーからの信頼や、多様な顧客ニーズへの対応力といった面で効率規模のメリットが働く可能性がある。
- 貴金属リサイクルの技術力貴金属回収製錬事業において、使用済み製品や産業廃棄物から高純度の貴金属を効率的に回収する技術を有しています。これは、希少な貴金属資源の安定供給に貢献し、環境規制が強化される中で競争優位性となります。
- 多角的な事業展開貴金属関連事業と食品関連事業という、異なる特性を持つ二つの事業を柱としています。これにより、一方の事業が市場変動の影響を受けた場合でも、もう一方の事業でリスクを分散し、企業全体の安定性を高めることが期待されます。
- グローバルな事業ネットワーク貴金属関連事業ではアジアを中心に、食品関連事業でも海外からの調達・販売を行うため、多数の子会社を国内外に展開しています。これにより、多様な地域での事業機会を捉え、安定したサプライチェーンを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、「限りある地球資源を有効活用し、業を通じて社会に貢献する」という企業理念を持ち、貴金属などの資源のリサイクルを通じて、持続可能な循環経済への移行に繋げる「貴金属関連事業」と、地球の豊かな恵みである食資源を安全・安心な品質で安定供給し、人の豊かさに繋げる「食品関連事業」を柱に事業展開を図っております。当社グループは、企業理念を実践し持続的成長と企業価値の向上を図るために、経営上の基本方針として「顧客重視」「株主重視」「人間尊重」を掲げております。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略①経営環境地球温暖化や生物多様性といった自然・環境問題、中東情勢などの地政学リスク、経済安全保障の高まりなどが複雑に絡み合い、世界的な物価上昇も加わって、当社グループの役割である鉱物資源や食資源の安定確保及び流通等への懸念がいっそう高まる中で、鉱物資源では、AIを象徴とするテクノロジーの進化を支えている電子デバイス産業を中心としたサプライチェーン全体の資源循環への取組みが、持続可能な経済・社会の実現に向けた期待に繋がっております。一方、食資源では、食料自給率に課題のある我が国においては、買い負けなどにより食資源の安定確保に対する懸念が増大しており、安全・安心な食資源の安定供給を実現可能とする、グローバルな調達力の重要性がいっそう高まっております。このような経営環境の中で、当社グループの貴金属関連事業は、電子デバイス等の生産に欠かすことのできない金属資源を、環境負荷低減にも繋がるリサイクルによって有効活用し、循環経済の発展に貢献してまいります。また、食品関連事業では、食の豊かさに必要不可欠な資源となる多種多様な食品原材料を、安全・安心な品質を確保しつつ安定的に調達及び提供し、食の豊かな社会の実現に向けて貢献してまいります。当社グループでは、サプライチェーンにおけるパートナーシップの強化も行い、金属資源や食資源の有効活用によって持続可能な環境・社会・経済に貢献し、中長期的に企業価値を向上してまいります。 ②中長期的な会社の経営戦略当社グループは、「中期経営計画(2022-2025年度)」において、「積極投資の継続で収益基盤強化と新規収益源の創出」・「持続的成長を支え、加速させる経営基盤の強化」・「ESG経営の推進で企業価値向上」の方針のもと、貴金属関連事業では、リサイクル100%貴金属を原料とした高付加価値材料の開発及び販売、リチウムイオン電池等のリサイクルスキーム構築、並びに、貴金属リサイクルに関する機能向上及び取扱量の拡大などに向けた生産インフラの拡充を進めました。また、食品関連事業では、冷凍魚・フルーツ・簡便調理品等の商品ラインナップの拡充やインド、インドネシア各現地法人の稼働を開始し、グローバルサプライチェーンの強化などに取り組みました。さらに経営基盤の強化では、カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素への取り組みや、情報セキュリティ対策、人的資本経営の推進などに努めました。これらの結果、当社グループ全体として収益拡大及び企業価値向上を進めることができ、「中期経営計画(2022-2025年度)」の最終年度である2026年3月期においては、連結営業利益率を除き、連結売上高、連結営業利益、連結自己資本利益率(ROE)及び連結総資産経常利益率(ROA)の経営目標を達成しましたが、貴金属関連事業における貴金属価格上昇などの追い風によるところもあり、収益基盤強化と新規収益源の創出は引き続きの課題となりました。当社グループでは、この課題認識のもと、新たに「中期経営計画2028(2026-2028年度)」を策定し、対象期間である2026年度から2028年度を「その先」の長期成長を見据えた礎となる期間として設定し、貴金属関連事業と食品関連事業の双方を成長の牽引役とし、収益基盤強化と新規収益源の創出・マテリアリティの取り組みの経済価値化を図り、さらなる企業価値向上に取り組んでまいります。 『中期経営計画2028(2026-2028年度)の概要』(目指す姿) 当社グループは、貴金属関連事業と食品関連事業の双方が牽引役として成長戦略を推進し、資源の有効活用と持続可能な資源確保を通して、お客様や社会の課題解決に資する高い付加価値を提供することで、「社会変化に適応し、進化し続ける、お客様・社会から常に必要とされる企業へ」を目指してまいります。 (マテリアリティ) 当社グループは、事業を通じて社会に貢献するために、気候変動対応などの環境負荷低減への取り組みや多様な人材活躍の推進及びお客様満足の向上と社会の信用確保によって競争力をさらに高め、資源リサイクルの総合力向上と食資源の安定調達に繋がり経済価値化を図ることで、中長期での企業価値向上を目指してまいります。 (成長ストーリー) 当社グループの貴金属関連事業では、資源循環を事業の核とし、資源リサイクルの総合力を高め、動脈・静脈プロセスの双方を強化し活用することで循環バリューチェーンを強化し、技術開発と資源活用によって新たな価値を創造する成長ストーリーのもとで、収益基盤強化と新規収益源の創出に繋げ、食品関連事業では、グローバル調達網の拡大による持続的な食資源の確保に取り組み、川下領域や海外市場他の成長市場における販路を拡大し、加工度向上による高付加価値化を進める成長ストーリーのもとで、収益基盤強化と新規収益源の創出を図ってまいります。また、事業の持続的成長を支える経営基盤として、事業の高度化を目指したDX推進及び事業の持続性を確保するためのセキュリティ対策、並びに、価値創造の源泉となる人的資本の拡充に努めてまいります。 (事業戦略) 貴金属関連事業では、高機能電子材料やリサイクル100%地金を活用した環境負荷低減製品のラインナップ拡充などによる動脈プロセス(販売)の強化と、グローバルなインフラの拡充と生産ネットワークの最適化やリチウムイオン電池の水平リサイクルスキームの構築を図り、未開拓市場の開拓とアフターマーケット市場の深耕などによる静脈プロセス(回収)の強化によって、競争力のある資源循環バリューチェーンの構築・強化に繋げ、一気通貫のソリューション展開によるシェアの拡大を図ってまいります。 食品関連事業では、水産品・畜産品・農産品それぞれのグローバルな調達網を拡大して商品ラインナップを拡充すると共に、市場ニーズを先取りした加工度向上などによる商品開発と提案営業に取り組み、成長市場での販路拡大と付加価値向上を図ってまいります。 (3) 資本政策当社グループは、成長性を捉えた事業機会への最適資源配分、財務健全性の確保、株主還元のバランスを考慮し、持続的に企業価値を向上させることを資本政策の基本方針としており、資本収益性の向上に繋げる将来への成長投資を積極的に推し進めるとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、的確なキャッシュ・フロー経営のもとで、株主還元の充実を含む資本政策の的確な実行及びIR活動の強化に取り組んでまいります。将来への成長投資では、「中期経営計画2028(2026-2028年度)」において、収益基盤の強化・新規事業展開・脱炭素への取り組み・経営基盤の強化などへの経営資源配分として、3カ年累計の総額で180億円規模の投資を計画し、積極的に進めてまいります。株主還元については、「安定且つ持続的な配当の実施」の方針のもと、計画の最終年度となる2028年度に株主資本配当率(DOE)2.5%以上を目指した配当と、市場環境を勘案した機動的な自己株式取得等による充実を検討してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「中期経営計画2028(2026-2028年度)」において、最終年度となる2028年度(2029年3月期)の経営目標を連結営業利益280億円、連結営業キャッシュ・フロー350億円(3カ年累計)、連結自己資本利益率(ROE)11.0%以上、連結総資産経常利益率(ROA)10.0%以上としております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、「限りある地球資源を有効活用し、業を通じて社会に貢献する」という企業理念を持ち、貴金属などの資源のリサイクルを通じて、持続可能な循環経済への移行に繋げる「貴金属関連事業」と、地球の豊かな恵みである食資源を安全・安心な品質で安定供給し、人の豊かさに繋げる「食品関連事業」を柱に事業展開を図っております。当社グループは、企業理念を実践し持続的成長と企業価値の向上を図るために、経営上の基本方針として「顧客重視」「株主重視」「人間尊重」を掲げております。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略①経営環境地球温暖化や生物多様性といった自然・環境問題、中東情勢などの地政学リスク、経済安全保障の高まりなどが複雑に絡み合い、世界的な物価上昇も加わって、当社グループの役割である鉱物資源や食資源の安定確保及び流通等への懸念がいっそう高まる中で、鉱物資源では、AIを象徴とするテクノロジーの進化を支えている電子デバイス産業を中心としたサプライチェーン全体の資源循環への取組みが、持続可能な経済・社会の実現に向けた期待に繋がっております。一方、食資源では、食料自給率に課題のある我が国においては、買い負けなどにより食資源の安定確保に対する懸念が増大しており、安全・安心な食資源の安定供給を実現可能とする、グローバルな調達力の重要性がいっそう高まっております。このような経営環境の中で、当社グループの貴金属関連事業は、電子デバイス等の生産に欠かすことのできない金属資源を、環境負荷低減にも繋がるリサイクルによって有効活用し、循環経済の発展に貢献してまいります。また、食品関連事業では、食の豊かさに必要不可欠な資源となる多種多様な食品原材料を、安全・安心な品質を確保しつつ安定的に調達及び提供し、食の豊かな社会の実現に向けて貢献してまいります。当社グループでは、サプライチェーンにおけるパートナーシップの強化も行い、金属資源や食資源の有効活用によって持続可能な環境・社会・経済に貢献し、中長期的に企業価値を向上してまいります。 ②中長期的な会社の経営戦略当社グループは、「中期経営計画(2022-2025年度)」において、「積極投資の継続で収益基盤強化と新規収益源の創出」・「持続的成長を支え、加速させる経営基盤の強化」・「ESG経営の推進で企業価値向上」の方針のもと、貴金属関連事業では、リサイクル100%貴金属を原料とした高付加価値材料の開発及び販売、リチウムイオン電池等のリサイクルスキーム構築、並びに、貴金属リサイクルに関する機能向上及び取扱量の拡大などに向けた生産インフラの拡充を進めました。また、食品関連事業では、冷凍魚・フルーツ・簡便調理品等の商品ラインナップの拡充やインド、インドネシア各現地法人の稼働を開始し、グローバルサプライチェーンの強化などに取り組みました。さらに経営基盤の強化では、カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素への取り組みや、情報セキュリティ対策、人的資本経営の推進などに努めました。これらの結果、当社グループ全体として収益拡大及び企業価値向上を進めることができ、「中期経営計画(2022-2025年度)」の最終年度である2026年3月期においては、連結営業利益率を除き、連結売上高、連結営業利益、連結自己資本利益率(ROE)及び連結総資産経常利益率(ROA)の経営目標を達成しましたが、貴金属関連事業における貴金属価格上昇などの追い風によるところもあり、収益基盤強化と新規収益源の創出は引き続きの課題となりました。当社グループでは、この課題認識のもと、新たに「中期経営計画2028(2026-2028年度)」を策定し、対象期間である2026年度から2028年度を「その先」の長期成長を見据えた礎となる期間として設定し、貴金属関連事業と食品関連事業の双方を成長の牽引役とし、収益基盤強化と新規収益源の創出・マテリアリティの取り組みの経済価値化を図り、さらなる企業価値向上に取り組んでまいります。 『中期経営計画2028(2026-2028年度)の概要』(目指す姿) 当社グループは、貴金属関連事業と食品関連事業の双方が牽引役として成長戦略を推進し、資源の有効活用と持続可能な資源確保を通して、お客様や社会の課題解決に資する高い付加価値を提供することで、「社会変化に適応し、進化し続ける、お客様・社会から常に必要とされる企業へ」を目指してまいります。 (マテリアリティ) 当社グループは、事業を通じて社会に貢献するために、気候変動対応などの環境負荷低減への取り組みや多様な人材活躍の推進及びお客様満足の向上と社会の信用確保によって競争力をさらに高め、資源リサイクルの総合力向上と食資源の安定調達に繋がり経済価値化を図ることで、中長期での企業価値向上を目指してまいります。 (成長ストーリー) 当社グループの貴金属関連事業では、資源循環を事業の核とし、資源リサイクルの総合力を高め、動脈・静脈プロセスの双方を強化し活用することで循環バリューチェーンを強化し、技術開発と資源活用によって新たな価値を創造する成長ストーリーのもとで、収益基盤強化と新規収益源の創出に繋げ、食品関連事業では、グローバル調達網の拡大による持続的な食資源の確保に取り組み、川下領域や海外市場他の成長市場における販路を拡大し、加工度向上による高付加価値化を進める成長ストーリーのもとで、収益基盤強化と新規収益源の創出を図ってまいります。また、事業の持続的成長を支える経営基盤として、事業の高度化を目指したDX推進及び事業の持続性を確保するためのセキュリティ対策、並びに、価値創造の源泉となる人的資本の拡充に努めてまいります。 (事業戦略) 貴金属関連事業では、高機能電子材料やリサイクル100%地金を活用した環境負荷低減製品のラインナップ拡充などによる動脈プロセス(販売)の強化と、グローバルなインフラの拡充と生産ネットワークの最適化やリチウムイオン電池の水平リサイクルスキームの構築を図り、未開拓市場の開拓とアフターマーケット市場の深耕などによる静脈プロセス(回収)の強化によって、競争力のある資源循環バリューチェーンの構築・強化に繋げ、一気通貫のソリューション展開によるシェアの拡大を図ってまいります。 食品関連事業では、水産品・畜産品・農産品それぞれのグローバルな調達網を拡大して商品ラインナップを拡充すると共に、市場ニーズを先取りした加工度向上などによる商品開発と提案営業に取り組み、成長市場での販路拡大と付加価値向上を図ってまいります。 (3) 資本政策当社グループは、成長性を捉えた事業機会への最適資源配分、財務健全性の確保、株主還元のバランスを考慮し、持続的に企業価値を向上させることを資本政策の基本方針としており、資本収益性の向上に繋げる将来への成長投資を積極的に推し進めるとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、的確なキャッシュ・フロー経営のもとで、株主還元の充実を含む資本政策の的確な実行及びIR活動の強化に取り組んでまいります。将来への成長投資では、「中期経営計画2028(2026-2028年度)」において、収益基盤の強化・新規事業展開・脱炭素への取り組み・経営基盤の強化などへの経営資源配分として、3カ年累計の総額で180億円規模の投資を計画し、積極的に進めてまいります。株主還元については、「安定且つ持続的な配当の実施」の方針のもと、計画の最終年度となる2028年度に株主資本配当率(DOE)2.5%以上を目指した配当と、市場環境を勘案した機動的な自己株式取得等による充実を検討してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「中期経営計画2028(2026-2028年度)」において、最終年度となる2028年度(2029年3月期)の経営目標を連結営業利益280億円、連結営業キャッシュ・フロー350億円(3カ年累計)、連結自己資本利益率(ROE)11.0%以上、連結総資産経常利益率(ROA)10.0%以上としております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額となります。 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ58,512百万円増加し、227,771百万円となりました。当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ39,597百万円増加し、108,721百万円となりました。当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ18,915百万円増加し、119,049百万円となりました。 ②経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用や所得環境の改善などにより緩やかな回復が見られましたが、中東情勢などの地政学リスクや物価上昇による個人消費の伸び悩みなどから、先行き不透明な状況が続きました。このような状況の中で、当社グループの貴金属関連事業においては、資源リサイクルの総合力及び高機能電子材料の開発などによる差別化のもとで、国内外における生産拠点の整備・活用を推進し、貴金属原料の安定的な確保、製商品販売及び産業廃棄物処理受託の拡大に取り組みました。また、食品関連事業においては、グローバルに展開する調達網を最大限に活用して、多様化する顧客ニーズに応えた商品の開拓と安全安心な商品の安定提供により、販売量の拡大に取り組みました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は687,843百万円(前連結会計年度比46.7%増)、営業利益は22,437百万円(前連結会計年度比77.0%増)、経常利益は23,549百万円(前連結会計年度比74.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16,753百万円(前連結会計年度比77.2%増)となりました。 セグメント別の状況は以下のとおりであります。 (貴金属関連事業)当事業の主力顧客であるエレクトロニクス業界の電子デバイス分野は、自動車向けが低調に推移したもののAIデータセンター向け需要の拡大が牽引し、半導体・電子部品の生産は総じて緩やかな回復基調で推移しました。このような状況の中で、当事業においては、宝飾分野を含めた貴金属リサイクル取扱量の増加に加え、貴金属相場が全般的に上昇したことも追い風となり、売上高及び営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。これらの結果、当該事業の売上高は570,422百万円(前連結会計年度比57.7%増)、営業利益は19,342百万円(前連結会計年度比90.0%増)となりました。 (食品関連事業)当事業の主力顧客である食品製造業界は、原材料価格の高騰や円安を背景とした物価高により消費マインドは力強さを欠き、慎重な節約志向が継続する厳しい市場環境となりました。このような状況の中で、当事業においては、顧客ニーズの変化に即した機動的な商品提案と安定供給体制の強化に努めた結果、水産品、畜産品、農産品の販売量は増加し、原材料価格の高騰などに対する価格転嫁が進んだことなどから、売上高及び営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。これらの結果、当該事業の売上高は117,466百万円(前連結会計年度比9.6%増)、営業利益は3,095百万円(前連結会計年度比23.9%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は14,501百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,072百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動により減少した資金は8,961百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加による資金の増加と、売上債権、棚卸資産の増加及び法人税等の支払いによる資金の減少との差引によるものです。なお、前連結会計年度の2,542百万円の資金の増加に比べ11,503百万円減少しました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動に使用した資金は4,448百万円となりました。工場設備新設等の有形固定資産の取得による資金の減少と、定期預金の払戻しによる資金の増加との差引によるものです。なお、前連結会計年度の6,243百万円の支出に比べ1,794百万円の支出が減少しました (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動により増加した資金は16,274百万円となりました。これは主として短期借入金及び長期借入金の増加による資金の増加と、配当金の支払いによる資金の減少との差引によるものです。なお、前連結会計年度の210百万円の資金の増加に比べ16,064百万円増加しました。 (参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移回次 第73期第74期第75期第76期第77期決算年月 2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月自己資本比率 (注)1 64.265.461.258.952.0時価ベースの自己資本比率 (注)2 55.845.843.553.270.6キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (注)3 2.31.816.013.1△5.8インタレスト・カバレッジ・レシオ (注)4 106.455.612.26.8△14.9 (注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※ 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。※ キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 ④生産、受注及び販売の実績(生産実績)当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)貴金属関連事業 製品572,147160.2 処理5,699108.7 (注) 1 当社グループにおける生産活動は、貴金属関連事業においてのみ行われております。2 金額は、販売価格によっております。 (仕入実績)当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)貴金属関連事業102,675154.3食品関連事業95,121103.0合計197,796124.5 (注) 1 金額は、仕入価格によっております。2 当連結会計年度において、貴金属関連事業における仕入実績に著しい変動がありました。これは、金地金の仕入増加及び金価格の上昇等によるものです。 (受注実績)見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 (販売実績)当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)貴金属関連事業570,422157.7食品関連事業117,421109.5合計687,843146.7 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)三井物産株式会社79,84917.079,61611.6三菱商事RtMジャパン株式会社53,02711.3108,06015.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項] (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に退職給付会計、賞与引当金、税効果会計、貸倒引当金、減損会計、棚卸資産の評価であり、継続して評価を行っております。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第一部 [企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。 ②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容イ 財政状態の分析a 資産の部流動資産は、受取手形及び売掛金が14,673百万円、棚卸資産が31,319百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ54,580百万円増加しました。固定資産は、工場設備の新設及び更新などで有形固定資産が2,766百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,932百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ58,512百万円増加し、227,771百万円となりました。 b 負債の部流動負債は、買掛金が9,834百万円、短期借入金が14,255百万円、前受金が7,551百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ35,384百万円増加しました。固定負債は、長期借入金が3,756百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,212百万円増加しました。これらの結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ39,597百万円増加し、108,721百万円となりました。 c 純資産の部純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益が16,753百万円と、配当金の支払い2,332百万円等の差引による利益剰余金は14,421百万円増加しました。これらの結果、前連結会計年度末に比べ18,915百万円増加し、119,049百万円となりました。 ロ 経営成績の分析a 売上高当連結会計年度における売上高は687,843百万円(前連結会計年度比46.7%増)となり、前連結会計年度に比べ219,002百万円増加しました。セグメント別の売上高につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりですが、主要な分析は以下のとおりであります。 (貴金属関連事業)金製品の売上高は、前連結会計年度に比べ163,165百万円増加し、437,999百万円(前連結会計年度比59.4%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ50.9%上昇しました。銀製品の売上高は、前連結会計年度に比べ17,634百万円増加し、42,688百万円(前連結会計年度比70.4%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ72.7%上昇しました。白金族製品の売上高は、前連結会計年度に比べ25,404百万円増加し、67,156百万円(前連結会計年度比60.8%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ48.5%上昇しました。 (食品関連事業)水産品の売上高は、前連結会計年度に比べ4,001百万円増加し、47,436百万円(前連結会計年度比9.2%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ7.6%上昇しました。畜産品の売上高は、前連結会計年度に比べ3,959百万円増加し、46,895百万円(前連結会計年度比9.2%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ6.5%上昇しました。農産品の売上高は、前連結会計年度に比べ788百万円増加し、14,337百万円(前連結会計年度比5.8%増)となり、売上単価は前連結会計年度に比べ1.7%上昇しました。 b 売上総利益当連結会計年度における売上総利益は48,064百万円(前連結会計年度比36.5%増)となり、前連結会計年度に比べ12,861百万円増加しました。売上総利益率は7.0%となり前連結会計年度比0.5ポイント低下しましたが、この主な要因は、貴金属相場の上昇により売上高は増加したものの、ヘッジ取引により利益増加は抑制されたことに加え、宝飾分野からの貴金属リサイクル取扱量の増加などにより売上総利益率が低下したことが要因です。c 営業利益当連結会計年度における営業利益は22,437百万円(前連結会計年度比77.0%増)となり、前連結会計年度に比べ9,761百万円増加しました。営業利益率は3.3%となり前連結会計年度比0.6ポイント上昇しましたが、この主な要因は、売上総利益率が0.5ポイント低下した一方で、金相場の上昇等による売上高の上昇に対して販売費及び一般管理費の割合が1.1ポイント低下したことの差し引きによるものです。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析イ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ロ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、貴金属関連事業におけるリサイクル原材料及び食品関連事業における食品加工原材料の仕入れ等の事業運営上必要となる資金の確保に加え、急激な環境変化にも備え流動性を維持する考えの下で、運転資金については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を、設備投資については営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする計4行の金融機関との間に3,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。当連結会計年度末における有利子負債の残高は、前連結会計年度末に比べ18,993百万円増加し52,466百万円となりました。売上高の増加等に伴う資金の需要増大に対し流動性の確保を図るとともに、資金調達コストの低減にも努め、金利変動リスクに対してもヘッジ手段として金利スワップ等を活用しております。「第一部[企業情報]第3[設備の状況] 3[設備の新設、除却等の計画] (1)重要な設備の新設等」に記載の設備投資につきまして、必要資金は営業活動により獲得したキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入により賄う予定であります。 ④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「第一部[企業情報]第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、「中期経営計画 2028(2026‐2028 年度)」では、計画の最終年度となる2028年度(2029年3月期)の業績目標を連結営業利益280億円、連結営業キャッシュ・フロー350億円(3カ年累計)、連結自己資本利益率(ROE)11.0%、連結総資産経常利益率(ROA)10.0%としております。 なお、当連結会計年度を最終年度とする「中期経営計画(2022年-2025年度)」においては、事業戦略の推進、経営基盤の強化等を進めた結果、貴金属相場上昇の追い風もあり、貴金属関連事業・食品関連事業の両事業ともに総じて好調に推移し、目標としました経営指標のうち連結営業利益率を除いた連結売上高、連結営業利益、連結自己資本利益率(ROE)及び連結総資産経常利益率(ROA)の目標を達成することができました。
事業リスク
- 主要製品の価格変動リスク貴金属関連事業では、金、銀、白金などの貴金属の市場価格や為替相場の変動が、仕入れ価格と販売価格に直接影響を与えます。食品関連事業でも、水産品や畜産品などの商品市況や為替相場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。価格変動リスクを完全に回避することは難しく、業績に影響を与える可能性があります。
- 食品品質問題と法的規制食品関連事業では、輸入する食品加工原材料の品質問題が発生した場合、輸入禁止措置などが取られることで業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、貴金属関連事業における環境関連の法的規制強化や、産業廃棄物処理に関する法令遵守違反は、追加投資負担や事業継続に重大な影響を与える可能性があります。
- カントリーリスクと自然災害海外の様々な国や地域で事業活動を行っているため、各国の政治・経済・社会情勢の変化が業績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、地震や洪水などの自然災害、気候変動による異常気象は、事業活動の停滞や食品関連商品の生産に影響を及ぼし、業績に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、以下に記載のリスクマネジメント体制の下で、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) リスクマネジメント体制当社は、当社グループの事業活動等に関する各種のリスクを管理し所管する組織として、TRM(トータルリスクマネジメント)委員会を設置し、リスク管理体制の構築・運用及び評価・教育及び訓練等を行い、その結果を取締役会に報告しております。TRM(トータルリスクマネジメント)委員会では、リスクの認識について発生頻度・経済的損失影響度・検知度の各要素をそれぞれ5段階で評価し、評価結果の乗数をリスク度評価として定量化し、重要なリスクを識別しております。 (2) 事業等の主要なリスク①主要製品・商品の価格変動当社グループの貴金属関連事業が取り扱う製品の生産に用いられる主要原材料は、主に金、銀、白金、パラジウム等の貴金属元素を含有するリサイクル原材料であり、その仕入価格及び販売価格は原則として貴金属地金の市場価格に基づいており、国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けております。当社グループは、価格変動に伴う相場リスクを回避する目的で商品先渡取引を行っておりますが、全量に対する回避は困難であるため、製造及び在庫期間における貴金属価格の動向によっては、価格変動が業績に影響を与える可能性があります。当社グループの食品関連事業が取り扱う商品である水産品、畜産品、農産品等の食品加工原材料は、取扱品の大部分が外国産品であり、その価格は、仕入・販売いずれも商品市況、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループは、先物為替予約を行い、販売価格への転嫁によりこれらの変動に対応しておりますが、商品の需給バランス等により販売価格が下落した場合は、棚卸資産の評価損等の損失が発生する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 ②食品関連事業に関わる品質問題等当社グループの食品関連事業は、すりみ、エビ、イカ、カニ、タコ等を中心とした水産品加工原料、生鮮野菜、乾燥野菜、冷凍野菜等を中心とした農産品加工原料、鶏肉、豚肉、牛肉等の各種素材肉、鶏卵を中心とした畜産品加工原料を輸入し、水産練製品、冷凍食品、食肉加工、惣菜、製菓等の食品メーカー等へ販売しております。当社グループでは、法令に基づく食品表示の徹底はもとより、海外産地の品質管理指導や異物混入対策の強化などに万全を尽くしておりますが、食品の安全性等に係る問題が発生し、輸入禁止措置等がとられた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③法的規制環境問題についての社会的関心の高まりから、環境関連の法的規制は強化される方向にあります。当社グループの貴金属関連事業に関連する法的規制が強化された場合においては、それに対処するために、追加の設備投資負担が必要になることがあります。また、当社及び当社グループの一部は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく事業者として、産業廃棄物の収集運搬、処理等の事業を行っており、各種法令の遵守が事業継続の大前提となっております。当社グループでは、事業活動及びその他の社会的活動における最高位の社内基準として「松田産業グループ グローバル行動規範」を制定するとともに、コンプライアンスの実現のための取扱いを定めた「コンプライアンス規程」を制定し、経営活動全般にわたるコンプライアンスの実現に取り組んでおります。 ④廃棄物等の管理当社グループでは、製造過程において毒物や劇物を使用しており、廃液や大気への排出物に対して、環境に配慮した適切な処理を行っております。しかしながら、工場の事故等により、これらの管理に何らかの問題が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤カントリーリスク当社グループは、貴金属関連事業・食品関連事業ともに、海外の様々な国や地域において事業活動を行っており、これらの国や地域の政治・経済・社会情勢等の環境変化に起因し予期せぬ事態が生じた場合には、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥自然災害・気候変動等当社グループが事業活動を行う国や地域において、地震・洪水等の自然災害が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害の発生に備え、安否確認システムの導入、防災訓練の実施及び事業継続のための各種対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動等による異常気象が発生した場合には、当社グループの食品関連事業が取り扱う商品の生産等に影響する可能性があり、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。併せて、自然災害等の大規模災害発生時に備え、製商品及び役務の供給体制の整備を進めておりますが、調達の遅延や事業活動の停滞・停止が発生した場合には、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦情報セキュリティ当社グループが行う事業活動の多くは、コンピュータシステム及び通信ネットワークを利用しており、コンピュータシステム及び通信ネットワークに生じる障害や不具合・欠陥や、データセンターの機能停止などにより、事業活動に支障が出る可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客情報をはじめとする各種の個人情報がサイバー攻撃を含む不測の事態により遺漏が発生した場合は、社会的信頼の失墜や多額の費用負担が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧部材の調達当社グループは、製品の安定供給に向けて、製造に必要な部材の調達では複数の供給元を確保するなどの対策を講じていますが、一部の部材は限られたサプライヤーから調達しています。地政学リスク等の影響を受け、これらの部材の供給が滞った場合や、代替供給先からの調達が困難となった場合、製品の生産遅延やコストの増加を招き、お客様への製品の提供が遅れ、納期遅延や収益性が悪化する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨知的財産当社グループは、事業活動遂行のため、自社技術を保護するために特許等の知的財産を取得していますが、意図しない知的財産権の侵害が発生する可能性があり、第三者からの訴訟を提起されるリスクがあります。また、当社の特許が競合他社の技術に対して十分な保護を提供できない場合や、当社の製品・サービスの販売差し止めが命じられた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。