7459

メディパルホールディングス(7459)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 医療用医薬品等卸売事業
    メディパルホールディングスは、医療機関や薬局に対し、医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬などを提供する事業を主軸としています。子会社のメディセオ、エバルス、アトルなどがこの事業を担い、日本の医療を支える重要な流通インフラとしての役割を果たしています。この事業は、国民の健康維持に不可欠な商品を安定的に供給することで収益を上げています。
  • 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
    子会社のPALTACが中心となり、化粧品、日用品、そして一般用医薬品(OTC医薬品)の卸売を行っています。ドラッグストアやスーパーマーケットなど、消費者が日常的に利用する店舗へ商品を供給することで、幅広い顧客層のニーズに応えています。この事業は、生活必需品の安定供給を通じて収益を確保しています。
  • 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
    MPアグロが動物用医薬品や飼料添加物を、MP五協フード&ケミカルが食品素材、食品添加物、化学製品材料を取り扱っています。これらの事業は、動物の健康維持や食品産業の発展に貢献しており、多角的な事業展開により収益源を確保しています。特に、動物用医薬品はペット産業の成長とともに需要が高まっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医療用医薬品等卸売事業
    この事業は、医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬などを医療機関や薬局に卸売しています。メディパルホールディングスの主要な収益源であり、売上高は2兆3,667億円、営業利益は252億円と、グループ内で最も大きな規模を誇ります。日本の医療インフラを支える重要な役割を担っています。
  • 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
    化粧品、日用品、そして一般用医薬品(OTC医薬品)の卸売を行う事業です。主にドラッグストアやスーパーマーケットなどの小売店に商品を供給しており、売上高は1兆1,877億円、営業利益は280億円と、医療用医薬品等卸売事業に次ぐ規模で、高い収益性を有しています。
  • 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
    動物用医薬品、飼料添加物、食品素材、食品添加物、化学製品材料などを取り扱う事業です。売上高は1,168億円、営業利益は24億円であり、グループ全体の事業の多角化に貢献しています。動物医療や食品産業のニーズに応えることで、安定した収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PrescriptionPharmaceuticalWholesaleBusiness 地域 23,667 252 1.1%
CosmeticsDailyNecessitiesAndOTCPharmaceuticalWholesaleBusiness 地域 11,878 280 2.4%
AnimalHealthProductsAndFoodProcessingRawMaterialsWholesaleAndRelatedBusiness 地域 1,169 24 2.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|893 文字
3【事業の内容】 当社グループは、株式会社メディパルホールディングスを中核として子会社32社と関連会社19社で構成し、医薬品、化粧品・日用品、動物用医薬品等の販売やサービスの提供を主とする事業活動を展開しております。 事業に関する各会社の位置付けは次のとおりであります。 なお、次の「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」の事業区分は、セグメントの区分と同一であります。 事業区分会社名主要取扱品等 医療用医薬品等卸売事業㈱メディセオ医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 ㈱エバルス医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 ㈱アトル医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 東七㈱医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 SPLine㈱スペシャリティ医薬品の流通企画 ㈱MMコーポレーション医療機器、医療材料 ㈱アステック医療機器、医療材料 メディエ㈱医療材料データベースの構築 ㈱プリメディカ予防医療・最先端医療技術の研究開発 ㈱フローラディスカバリー腸内細菌叢測定事業 ㈱エム・アイ・シー医療事務業務の受託 ㈱メディパル保険サービス損害保険代理店業 ㈱プレサスキューブ保険薬局向け経営支援及びマーケティング支援 ㈱メディスケット医薬品等の配送、検体集荷、その他ヘルスケア領域の物流受託 化粧品・日用品、 一般用医薬品卸売事業㈱PALTAC化粧品、日用品、一般用医薬品動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業MPアグロ㈱動物用医薬品、飼料添加物 シグニホールディングス㈱有価証券の保有 シグニ㈱動物用医療材料、器具 MP五協フード&ケミカル㈱食品加工原材料、食品素材・食品添加物及び化学製品材料 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 事業系統図等は次のとおりであります。 (2026年3月31日現在)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
薬価基準が実質的に販売価格の上限として機能し、薬価改定が販売価格低下に影響
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律による許認可が必要
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:医療保険制度の大幅な変更 / 薬価改定による販売価格低下 / 法的規制の変更や異業種参入
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

メディパルホールディングスは医薬品卸売業であり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存するビジネスモデルではない。その競争優位性は主に流通網の広さや効率性に依存している。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療機関や薬局は、医薬品の安定供給、品揃え、価格、物流サービスなどを総合的に評価して卸売業者を選定する。一度取引を開始すると、切り替えには一定の手間やコスト(情報システム連携、在庫管理の見直し等)が発生する可能性があるため、緩やかなスイッチング・コストが存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医薬品卸売業は、サプライヤー(製薬会社)と顧客(医療機関、薬局)を繋ぐ仲介業であり、ユーザー数の増加が直接的にサービスの価値を高めるネットワーク効果は発生しない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

メディパルHDは、全国に広がる物流ネットワークと高度な在庫管理システムを構築しており、規模の経済を活かした効率的な物流コストを実現している。これにより、競合他社と比較してコスト競争力を維持していると考えられる。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

医薬品卸売業界は、メディパルHD、スズケン、アルフレッサHDの3社で市場シェアの約8割を占める寡占市場である。メディパルHDはこの巨大な市場において、広範な顧客基盤と物流網を活かし、効率的な事業運営を行うことで、業界内での強力な地位を確立している。

  • 広範な流通ネットワーク
    メディパルホールディングスは、医薬品、化粧品・日用品、動物用医薬品など多岐にわたる商品を全国の医療機関、薬局、小売店に供給する強固な流通ネットワークを持っています。子会社34社と関連会社18社からなるグループ体制により、効率的かつ安定的な供給体制を構築しており、これが競争優位性となっています。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    医療用医薬品卸売を主軸としつつも、化粧品・日用品、一般用医薬品、さらには動物用医薬品や食品加工原材料といった幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。各事業が相互に補完し合うことで、グループ全体の安定性を高めています。
  • 専門性とノウハウの蓄積
    長年にわたり医薬品流通に携わってきた経験とノウハウは、同社の大きな強みです。医薬品医療機器等法に基づく許認可の取得や、医療機関との複雑な取引慣行への対応など、専門性の高い業務を円滑に遂行できる体制が整っています。これにより、新規参入が難しい業界での地位を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 経営理念 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」 経営方針 1.社会から信頼される活力ある企業文化の創造 2.株主価値を高める経営とコンプライアンスの徹底 3.誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材の育成(2)経営戦略等 当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念に基づき事業活動を行っております。「ありたい姿」として「『医療と健康、美』を広げ、支え、つなぐ 健康応援オーケストラ」を掲げ、「医療と健康、美」の事業フィールドで社会価値、顧客価値を創造する事業を「広げ」、強固な流通インフラで「支え」、また、様々な分野のパートナーが持つ価値を「つなぐ」ことで、誰もが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と、企業価値の向上を目指しております。 この実現に向けて、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、「本中期ビジョン」)を策定し、2022年10月31日に発表いたしました。 また、2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定いたしました。 (3)経営環境 少子高齢化が進むわが国において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が社会や経済に影響を与え、当社グループの各事業を取り巻く環境においても変化が起きてくると想定しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。 医療用医薬品等卸売事業 医療用医薬品等卸売事業における事業環境は、薬価改定のマイナス影響や、新型コロナウイルス感染症及び同感染症検査関連試薬の需要減少、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する国からの助成制度廃止、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンのキャッチアップ接種※1期間終了による市場の縮小があったものの、帯状疱疹ワクチンの定期接種化により市場が拡大したこと等の影響を受け、医薬品市場全体は伸長しました。 このような状況の中、株式会社メディセオを始めとする医薬事業各社においては、新たな価値創造を目指し、地域医療コーディネーターとして、医療機関・調剤薬局・自治体等を「つなぐ」活動を展開しました。女性診療科領域を専門とする「ウィメンズコーディネーター※2」や希少疾患領域を専門とする「RD-MR※3」、神経・精神疾患領域を専門とする「NS-MR※4」を始め、医薬品の専門知識と機動性を有した営業担当者AR※5が、予防・診断・治療等の情報を総合的に提供し、疾患啓発や潜在患者の発掘、専門医への橋渡しなどを行い、地域におけるヘルスケア課題の解決に向けて取り組みました。 また、社会全体における働き手不足や物流コスト上昇を含め業界を取り巻く環境が大きく変化する中、増加する物量に対して、ALCの物流機能を活用した、安全・安心・高機能な物流プラットフォームの構築と、物流効率化によるコスト削減への取り組みを進めました。〔用語解説〕※1 HPVワクチンのキャッチアップ接種とは、HPVワクチンの積極的な勧奨が中止されていた期間中に接種の機会を逃した女性に対して、公費で提供するための制度であります。※2 ウィメンズコーディネーターとは、女性診療科領域の専門知識を有するARなどに付与した社内呼称であります。※3 RD-MR(Rare Disease MR)とは、希少疾患領域に特化したARなどに付与した社内呼称であります。※4 NS-MR(Neuro Science MR)とは、神経・精神疾患領域に特化したARなどに付与した社内呼称であります。※5 AR(Assist Representatives)とは、MR(Medical Representative)認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称であります。 化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における事業環境は、外出需要の継続や健康意識の高まりに伴う需要拡大はあったものの、物価上昇を背景とした節約志向や物流費高騰などの影響を受ける厳しい環境となりました。 このような状況の中、積極的なデータ活用により、健康志向の高まりや外出需要などの市場の変化を捉え、消費者ニーズの多様化に対応する新規商材の拡充など的確な販売活動に努めました。 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 動物用医薬品等卸売事業における事業環境は、コンパニオンアニマル※1領域では、一部の商材がメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けました。畜水産領域では、円安の影響による飼料・エネルギー価格など生産資材価格の高止まり等により、顧客の購買意欲が低下する厳しい環境が続いています。このような状況の中、収益性の向上を目指し、新規メーカーとの取引開始及び自社企画品を始めとした高利益品への注力ならびに大手お得意様との取引拡大に取り組みました。〔用語解説〕※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 主な連結経営目標・計画<主要財務指標> 下記の指標等は、「2027メディパル中期ビジョン」公表時(2022年10月31日)のものです。 ROE 9% (2027年3月期) 経常利益 1,000億円 (2027年3月期) 成長投資 1,000億円 (2023年3月期から2027年3月期までの累計) 株主総還元性向 40%※ (2023年3月期から2027年3月期までの累計) ※本中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生するのれん償却費・無形資産償却費控除前の利益に対する率<サステナビリティ中長期目標> 温室効果ガス排出量削減目標(Scope1+Scope2) 2031年3月期 50%削減(2020年度比) 2051年3月期 カーボンニュートラル 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 2031年3月期 20%以上 男性労働者の育児休業取得率 2031年3月期 100% (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 「医療用医薬品等卸売事業」の事業環境につきましては、医療の高度化等に伴う医薬品の厳格な品質管理と迅速かつ安定的な供給がますます重視されてきております。この環境下で医薬品卸売企業に対しては、サプライチェーン全体の最適化を実現する流通ネットワークの構築や、医療関係者との間での適時・適切な情報の収集・提供活動が求められております。また、薬価改定が毎年行われるようになり、医療用医薬品市場の大きな成長が見込めなくなっていることを踏まえ、顧客ニーズの変化に応じた新しいサービスや製品の提供などビジネスの創出も重要になっております。 このような状況の中、2027年3月期においては、当社グループ独自の機能である「ALC」と「AR」という「2つのA」を活用し、新しい時代の流通価値を提供し収益基盤の強化に努めてまいります。 ALCを通じては、医療用医薬品等の安定供給を継続するとともに、当社連結対象の子会社である株式会社メディスケット(埼玉県三郷市)を通じ、医薬品・検査資材等の供給と臨床・治験・研究等の検体の集荷を最適化するシェアリングロジスティクスの基盤を整備することに加え、GDPガイドライン※1に準拠した高品質な物流サービスを提供してまいります。さらには、今後、外部企業からの物流受託を行うことで新しい収益機会の創造にも取り組んでまいります。 ARについては、現在、約2,000名が医療関係者への総合的な情報提供活動や地域におけるヘルスケア課題の解決に向けた営業活動を展開しております。これらの機能に対する医薬品メーカーやバイオベンチャーからの需要や期待は年々高まっていくことが予想され、パートナーシップ機会の探索を引き続き推進してまいります。 「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」につきましては、継続した所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、インバウンド需要の拡大が期待される一方で、人手不足による物流費上昇に加え、物価上昇に伴う節約志向の高まりや、各国の通商政策の変化に起因する景気後退などのリスクが想定される、先行き不透明な状況と予想しております。 このような状況の中、販売面では、積極的なデータ活用を通じて、生活者の多様なニーズを的確に捉えた新規商材の取り扱いを拡大するとともに、インバウンド需要の取り込みや効果的な販促提案などの強化を図ってまいります。利益面では、人手不足などによる物流費上昇の影響を受けますが、サプライチェーンの協働による配送効率化や、付加価値の高い新規商材の取り扱い強化などに注力してまいります。 「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」の動物用医薬品につきましては、飼料・エネルギー価格など生産資材価格の高止まりや、一部のペットフードがメーカー直接販売となる商流変更により厳しい市場環境が見込まれます。このような状況の中、畜水産市場では引き続き、生産性向上に寄与する製品の販売強化、またコンパニオンアニマル向け市場では治療の進歩等による犬猫の長寿化に伴う関連製品と新規取り扱い製品の普及拡大と深耕に取り組んでまいります。 食品加工原材料卸売等関連事業につきましては、国内人口の減少や少子高齢化を始め、原料価格の高騰等による厳しい市場環境が引き続き見込まれます。一方で、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化に伴い技術革新が進み、新たな需要が生まれるなど事業環境は常に変化しております。このような状況の中、MP五協フード&ケミカル株式会社(大阪府北区)が主力とする多糖類※2を軸に国内及び海外での販売を強化し、また化成品分野では、半導体市場向けの電子薬剤事業の拡大を加速させるための体制構築や商品開発への取組等を通じた顧客サービスの強化に努め、収益拡大を図ってまいります。 これらに加え、グループの持続的成長に向けて、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」への積極的な投資を引き続き行ってまいります。[用語解説] ※1 GDPガイドラインとは、医薬品の適正流通(Good Distribution Practice)の指針であり、流通経路(仕入・保管・供給)の管理が保証され、医薬品の完全性が保持されるための手法、さらに、偽造医薬品の正規流通経路への流入を防止するための適切な手法を定めたものであります。 ※2 多糖類とは、グルコースやマンノース等の単糖が長くつながったものの総称で、広義では10個以上の単糖が結合することで構成されている炭水化物を指しております。たれ・ソース・ドレッシング・佃煮・ゼリー・プリン・アイスクリームなどの加工食品にユニークな食感を付与し、作り立ての状態を保持するなどの機能を有するとともに、嚥下困難者向けの食品にも活用されております。また、近年では、化粧品など食品以外の商品にも用いられております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 経営理念 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」 経営方針 1.社会から信頼される活力ある企業文化の創造 2.株主価値を高める経営とコンプライアンスの徹底 3.誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材の育成(2)経営戦略等 当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念に基づき事業活動を行っております。「ありたい姿」として「『医療と健康、美』を広げ、支え、つなぐ 健康応援オーケストラ」を掲げ、「医療と健康、美」の事業フィールドで社会価値、顧客価値を創造する事業を「広げ」、強固な流通インフラで「支え」、また、様々な分野のパートナーが持つ価値を「つなぐ」ことで、誰もが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と、企業価値の向上を目指しております。 この実現に向けて、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、「本中期ビジョン」)を策定し、2022年10月31日に発表いたしました。 また、2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定いたしました。 (3)経営環境 少子高齢化が進むわが国において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が社会や経済に影響を与え、当社グループの各事業を取り巻く環境においても変化が起きてくると想定しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。 医療用医薬品等卸売事業 医療用医薬品等卸売事業における事業環境は、薬価改定のマイナス影響や、新型コロナウイルス感染症及び同感染症検査関連試薬の需要減少、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する国からの助成制度廃止、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンのキャッチアップ接種※1期間終了による市場の縮小があったものの、帯状疱疹ワクチンの定期接種化により市場が拡大したこと等の影響を受け、医薬品市場全体は伸長しました。 このような状況の中、株式会社メディセオを始めとする医薬事業各社においては、新たな価値創造を目指し、地域医療コーディネーターとして、医療機関・調剤薬局・自治体等を「つなぐ」活動を展開しました。女性診療科領域を専門とする「ウィメンズコーディネーター※2」や希少疾患領域を専門とする「RD-MR※3」、神経・精神疾患領域を専門とする「NS-MR※4」を始め、医薬品の専門知識と機動性を有した営業担当者AR※5が、予防・診断・治療等の情報を総合的に提供し、疾患啓発や潜在患者の発掘、専門医への橋渡しなどを行い、地域におけるヘルスケア課題の解決に向けて取り組みました。 また、社会全体における働き手不足や物流コスト上昇を含め業界を取り巻く環境が大きく変化する中、増加する物量に対して、ALCの物流機能を活用した、安全・安心・高機能な物流プラットフォームの構築と、物流効率化によるコスト削減への取り組みを進めました。〔用語解説〕※1 HPVワクチンのキャッチアップ接種とは、HPVワクチンの積極的な勧奨が中止されていた期間中に接種の機会を逃した女性に対して、公費で提供するための制度であります。※2 ウィメンズコーディネーターとは、女性診療科領域の専門知識を有するARなどに付与した社内呼称であります。※3 RD-MR(Rare Disease MR)とは、希少疾患領域に特化したARなどに付与した社内呼称であります。※4 NS-MR(Neuro Science MR)とは、神経・精神疾患領域に特化したARなどに付与した社内呼称であります。※5 AR(Assist Representatives)とは、MR(Medical Representative)認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称であります。 化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における事業環境は、外出需要の継続や健康意識の高まりに伴う需要拡大はあったものの、物価上昇を背景とした節約志向や物流費高騰などの影響を受ける厳しい環境となりました。 このような状況の中、積極的なデータ活用により、健康志向の高まりや外出需要などの市場の変化を捉え、消費者ニーズの多様化に対応する新規商材の拡充など的確な販売活動に努めました。 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 動物用医薬品等卸売事業における事業環境は、コンパニオンアニマル※1領域では、一部の商材がメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けました。畜水産領域では、円安の影響による飼料・エネルギー価格など生産資材価格の高止まり等により、顧客の購買意欲が低下する厳しい環境が続いています。このような状況の中、収益性の向上を目指し、新規メーカーとの取引開始及び自社企画品を始めとした高利益品への注力ならびに大手お得意様との取引拡大に取り組みました。〔用語解説〕※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 主な連結経営目標・計画<主要財務指標> 下記の指標等は、「2027メディパル中期ビジョン」公表時(2022年10月31日)のものです。 ROE 9% (2027年3月期) 経常利益 1,000億円 (2027年3月期) 成長投資 1,000億円 (2023年3月期から2027年3月期までの累計) 株主総還元性向 40%※ (2023年3月期から2027年3月期までの累計) ※本中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生するのれん償却費・無形資産償却費控除前の利益に対する率<サステナビリティ中長期目標> 温室効果ガス排出量削減目標(Scope1+Scope2) 2031年3月期 50%削減(2020年度比) 2051年3月期 カーボンニュートラル 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 2031年3月期 20%以上 男性労働者の育児休業取得率 2031年3月期 100% (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 「医療用医薬品等卸売事業」の事業環境につきましては、医療の高度化等に伴う医薬品の厳格な品質管理と迅速かつ安定的な供給がますます重視されてきております。この環境下で医薬品卸売企業に対しては、サプライチェーン全体の最適化を実現する流通ネットワークの構築や、医療関係者との間での適時・適切な情報の収集・提供活動が求められております。また、薬価改定が毎年行われるようになり、医療用医薬品市場の大きな成長が見込めなくなっていることを踏まえ、顧客ニーズの変化に応じた新しいサービスや製品の提供などビジネスの創出も重要になっております。 このような状況の中、2027年3月期においては、当社グループ独自の機能である「ALC」と「AR」という「2つのA」を活用し、新しい時代の流通価値を提供し収益基盤の強化に努めてまいります。 ALCを通じては、医療用医薬品等の安定供給を継続するとともに、当社連結対象の子会社である株式会社メディスケット(埼玉県三郷市)を通じ、医薬品・検査資材等の供給と臨床・治験・研究等の検体の集荷を最適化するシェアリングロジスティクスの基盤を整備することに加え、GDPガイドライン※1に準拠した高品質な物流サービスを提供してまいります。さらには、今後、外部企業からの物流受託を行うことで新しい収益機会の創造にも取り組んでまいります。 ARについては、現在、約2,000名が医療関係者への総合的な情報提供活動や地域におけるヘルスケア課題の解決に向けた営業活動を展開しております。これらの機能に対する医薬品メーカーやバイオベンチャーからの需要や期待は年々高まっていくことが予想され、パートナーシップ機会の探索を引き続き推進してまいります。 「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」につきましては、継続した所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、インバウンド需要の拡大が期待される一方で、人手不足による物流費上昇に加え、物価上昇に伴う節約志向の高まりや、各国の通商政策の変化に起因する景気後退などのリスクが想定される、先行き不透明な状況と予想しております。 このような状況の中、販売面では、積極的なデータ活用を通じて、生活者の多様なニーズを的確に捉えた新規商材の取り扱いを拡大するとともに、インバウンド需要の取り込みや効果的な販促提案などの強化を図ってまいります。利益面では、人手不足などによる物流費上昇の影響を受けますが、サプライチェーンの協働による配送効率化や、付加価値の高い新規商材の取り扱い強化などに注力してまいります。 「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」の動物用医薬品につきましては、飼料・エネルギー価格など生産資材価格の高止まりや、一部のペットフードがメーカー直接販売となる商流変更により厳しい市場環境が見込まれます。このような状況の中、畜水産市場では引き続き、生産性向上に寄与する製品の販売強化、またコンパニオンアニマル向け市場では治療の進歩等による犬猫の長寿化に伴う関連製品と新規取り扱い製品の普及拡大と深耕に取り組んでまいります。 食品加工原材料卸売等関連事業につきましては、国内人口の減少や少子高齢化を始め、原料価格の高騰等による厳しい市場環境が引き続き見込まれます。一方で、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化に伴い技術革新が進み、新たな需要が生まれるなど事業環境は常に変化しております。このような状況の中、MP五協フード&ケミカル株式会社(大阪府北区)が主力とする多糖類※2を軸に国内及び海外での販売を強化し、また化成品分野では、半導体市場向けの電子薬剤事業の拡大を加速させるための体制構築や商品開発への取組等を通じた顧客サービスの強化に努め、収益拡大を図ってまいります。 これらに加え、グループの持続的成長に向けて、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」への積極的な投資を引き続き行ってまいります。[用語解説] ※1 GDPガイドラインとは、医薬品の適正流通(Good Distribution Practice)の指針であり、流通経路(仕入・保管・供給)の管理が保証され、医薬品の完全性が保持されるための手法、さらに、偽造医薬品の正規流通経路への流入を防止するための適切な手法を定めたものであります。 ※2 多糖類とは、グルコースやマンノース等の単糖が長くつながったものの総称で、広義では10個以上の単糖が結合することで構成されている炭水化物を指しております。たれ・ソース・ドレッシング・佃煮・ゼリー・プリン・アイスクリームなどの加工食品にユニークな食感を付与し、作り立ての状態を保持するなどの機能を有するとともに、嚥下困難者向けの食品にも活用されております。また、近年では、化粧品など食品以外の商品にも用いられております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の概況 当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」という経営理念に基づき、『医療と健康、美』の事業フィールドにおいて、「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」を展開しています。医療用医薬品、医療機器、臨床検査試薬、日用品、化粧品、食品加工原材料など、いずれも人々の生命や健やかな暮らしを支えるために欠かせない商品を取り扱っており、平時・有事を問わず、止まることなくお届けできる物流機能と流通ネットワークの構築は、社会インフラを担う企業として重要な責務であると認識しています。この基本姿勢のもと、当社グループではBCP(事業継続計画)を策定するとともに、さらなる物流プラットフォームの進化に取り組んでいます。 当社グループでは、経営理念の実現に向けて2027年3月期を最終年度とする「2027メディパル中期ビジョンChange the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、「本中期ビジョン」)を策定しています。本中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働によって、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」を展開し、新たな社会価値・顧客価値の創造とグループの持続的成長を目指しています。 これらの戦略に沿って、当期においては、海外進出に向けた取り組みとして、当社はJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市、以下、「JCR」)との協働による超希少疾患領域での新薬のグローバル展開に向けた研究開発を進めています。この一環として、JCRが創製したムコ多糖症IIIB型に対する治療薬(JR-446)について、2025年5月には、米国食品医薬品局(FDA)より、また、同年6月には欧州委員会(EC)よりオーファンドラッグ指定を受け、加えて同年9月には厚生労働省による希少疾病用医薬品指定を受け、重要なマイルストンを達成しました。さらに、同年8月にはJCRが開発中のライソゾーム病の一種であるGM2ガングリオシドーシスを対象疾患とする治療薬候補(JR-479)について、海外における事業化に関する実施許諾契約及び日本における共同開発・商業化契約を締結しました。 2026年1月には、MPアグロ株式会社(北海道北広島市、以下、「MPアグロ」)が動物病院向けの電子商取引(EC)事業を展開するシグニ株式会社(東京都江東区、以下、「シグニ」)の全株式を保有するシグニホールディングス株式会社(東京都中央区、以下、「シグニHD」)の全株式を取得しました。MPアグロが全国の動物病院との取引をカバーするシグニを完全子会社とすることで、両社の強みを生かしたシナジーを創出します。これにより、全国の動物病院への販売を強化するとともにEC販路を拡大し、アグロ・フーズ領域のひとつであるコンパニオンアニマル※1関連商品の事業拡大を図っています。 加えて、当社グループは、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて国内のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献しています。[用語解説]※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。 セグメント別の主な取組は以下のとおりです。 医療用医薬品等卸売事業 当社グループでは、メーカーと医療機関等をシームレスにつなぐとともに災害対策を施した有事に強い物流センターとしてALC※2を全国に開設し全国均質な物流サービス網を構築しており、安定供給とともに新たな流通価値を創造しています。この取り組みの一環として、2026年1月、株式会社メディセオ(東京都中央区、以下、「メディセオ」)は、当社グループとして14か所目となる「東京ALC(東京都江東区)」を稼働させました。医薬品物流量の増加、将来の物流問題への対応、そして地震等の有事を見据えた事業継続計画(BCP)の強化を図るとともに、新たな都市型物流モデルとして、当社グループ企業を入居させていくことで、複合型センターへと拡張させ、サプライチェーンの全体最適化と事業基盤の強化を目指しています。また、株式会社メディスケット(埼玉県三郷市、以下、「メディスケット」)は、2025年8月、医薬品物流におけるグローバル基準でのさらに高いレベルでの物流品質向上に向けた重要な取り組みの一環として、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」の認証を関連事業所である9か所のALCにおいて取得しました。「医療と健康、美」を支える国内最大級のヘルスケア物流プラットフォームの構築に向けて着実に取り組んでいます。[用語解説]※2 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業 2025年7月、株式会社PALTAC(大阪市中央区、以下、「PALTAC」)は、持続可能な流通インフラの「共創」を目指し、株式会社あらた(東京都江東区、以下、「あらた」)と、「非競争領域」における協働を推進することとし、その第1段階として、西関東エリアにおける共同配送を開始しました。また、同年11月、PALTACは、あらた及び株式会社プラネット(東京都港区)と、化粧品、日用品などの一般消費財分野における商品情報の一元管理を目的とした新会社、株式会社プロダクト・レジストリ・サービス(東京都千代田区)を共同設立し、商品情報授受の効率化と業界全体の発展を目指しています。さらに、2026年3月、PALTACはヘルス&ビューティーケア領域に特化したBtoBマッチングサイト「Nice2meet」を開設しました。これまでアナログに依存してきたメーカーと小売業の出会いのプロセスをオンライン化し、情報共有及び商談プロセスを効率化することで、既存の取引関係や地域・規模の制約を超えた新たな出会いと価値創出を促進しています。 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 2026年1月、MPアグロが動物病院向けの電子商取引(EC)事業を展開するシグニの全株式を保有するシグニHDの全株式を取得しました。MPアグロが全国の動物病院との取引をカバーするシグニを完全子会社とすることで、両社の強みを生かしたシナジーを創出します。これにより、全国の動物病院への販売を強化するとともにEC販路を拡大し、アグロ・フーズ領域のひとつであるコンパニオンアニマル関連商品の事業拡大を図っています。また、MP五協フード&ケミカル株式会社(大阪市北区、以下、「MP五協F&C」)は、健康志向の食品や機能性表示食品などお得意様や消費者の食へのニーズが多様化する環境変化に対応し、食品加工原材料卸売等関連事業のさらなる発展に向けて、販売体制の再構築を行い、経営資源の有効活用と全国規模の顧客基盤の強化を進めています。 当期の業績 当連結会計年度における経営成績は、以下の通りであります。(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高3,671,3283,817,354+146,026+4.0%売上総利益(対売上高比率)255,758(6.97%)260,987(6.84%)+5,229(△0.13pp)+2.0% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)200,148(5.45%)207,804(5.44%)+7,655(△0.01pp)+3.8% 販売費及び一般管理費(下記①②を除く)196,749201,419+4,670+2.4% ①事業投資費等1,1364,053+2,916+256.6% ②のれん・無形資産償却費*2,2622,331+68+3.0%営業利益(対売上高比率)55,609(1.51%)53,182(1.39%)△2,426(△0.12pp)△4.4% 上記①②を除く営業利益59,00859,567+558+0.9%経常利益65,25575,723+10,468+16.0%特別損益11,4796,121△5,357△46.7%税金等調整前当期純利益76,73481,844+5,110+6.7%親会社株主に帰属する当期純利益40,27942,534+2,254+5.6% *:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費 〔売上高〕売上高は、前期から1,460億26百万円(4.0%)増収の3兆8,173億54百万円となりました。・医療用医薬品等卸売事業で958億64百万円(4.0%)の増収、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業で497億49百万円(4.2%)の増収、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業で4億67百万円(0.4%)の増収となり、全事業セグメントにおいて売上高は前期を上回りました。 〔営業利益〕営業利益は、前期から24億26百万円(4.4%)減益の531億82百万円となりました。・売上総利益は、主として増収により、52億29百万円(2.0%)増益の2,609億87百万円となりました。売上高比率は前期(6.97%)を0.13ポイント下回り、6.84%となりました。・販売費及び一般管理費は、医療用医薬品等卸売事業における事業投資費等の増加や、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における人材投資や賃上げによる人件費単価の上昇などにより、前期から76億55百万円(3.8%)増加の2,078億4百万円となりました。売上高比率は前期(5.45%)から0.01ポイント改善し、5.44%となりました。 〔経常利益〕経常利益は、前期から104億68百万円(16.0%)増益の757億23百万円となりました。・営業利益は前期から24億26百万円(4.4%)減益となりましたが、持分法による投資利益の増加や投資事業組合運用益の計上等により、営業外損益が前期から128億94百万円増加したことで、経常利益は増益となりました。 〔親会社株主に帰属する当期純利益〕親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から22億54百万円(5.6%)増益の425億34百万円となりました。・投資有価証券売却益213億47百万円を特別利益に計上(前期から93億53百万円増加)した一方で、のれん償却額95億43百万円や医療用医薬品等卸売事業における物流業務等に関する事業構造改善費用45億54百万円を特別損失に計上したことにより、特別損益は前期から53億57百万円減少し、61億21百万円となりました。 セグメントの経営成績は次のとおりであります。 医療用医薬品等卸売事業(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高2,370,2452,466,109+95,864+4.0%売上総利益(対売上高比率)150,387(6.34%)152,355(6.18%)+1,968(△0.17pp)+1.3% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)125,180(5.28%)128,063(5.19%)+2,883(△0.09pp)+2.3% 販売費及び一般管理費(下記①②を除く)123,837123,735△102△0.1% ①事業投資費等1,1364,053+2,916+256.6% ②のれん償却費*206275+68+33.3%営業利益(対売上高比率)25,207(1.06%)24,292(0.99%)△915(△0.08pp)△3.6% 上記①②を除く営業利益26,55028,620+2,070+7.8% *:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん償却費 〔売上高〕売上高は、前期から958億64百万円(4.0%)増収の2兆4,661億9百万円となりました。・新型コロナウイルス感染症関連商材の需要が減少したものの、医薬品市場の拡大、スペシャリティ医薬品の販売伸長、病院・調剤販路における販売拡大等により増収となりました。 〔営業利益〕営業利益は、前期から9億15百万円(3.6%)減益の242億92百万円となりました。・売上総利益は、主として増収により、前期から19億68百万円(1.3%)の増益となりました。一方、薬価改定の影響等による仕入原価上昇や商品構成比の変化により、売上高比率は、前期(6.34%)を0.17ポイント下回り、6.18%となりました。・販売費及び一般管理費は、事業投資費等が増加したことで、前期から28億83百万円(2.3%)の増加となりました。売上高比率は前期(5.28%)から0.09ポイント改善し、5.19%となりました。 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高1,188,0971,237,846+49,749+4.2%売上総利益(対売上高比率)88,982(7.49%)92,321(7.46%)+3,338(△0.03pp)+3.8% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)60,973(5.13%)65,890(5.32%)+4,916(+0.19pp)+8.1% 営業利益(対売上高比率)28,008(2.36%)26,430(2.14%)△1,577(△0.22pp)△5.6% 〔売上高〕売上高は、前期から497億49百万円(4.2%)増収の1兆2,378億46百万円となりました。・物価上昇に伴う節約志向の影響を受けましたが、取引の拡大に加え、化粧品・日用品を中心に付加価値の高い新規取扱商材の販売強化に努めるとともに、購買データを活用して健康志向の高まりや外出需要の増加などに伴う購買行動の変化を的確に捉えた販売活動を展開しました。 〔営業利益〕営業利益は、前期から15億77百万円(5.6%)減益の264億30百万円となりました。・売上総利益は、物価上昇やドライバー不足を背景とするセンターフィー増加の影響を受けましたが、増収と付加価値の高い新規取扱商材の拡充に伴い、前期から33億38百万円(3.8%)の増益となりました。売上高比率は前期(7.49%)から0.03ポイント下回り、7.46%となりました。・販売費及び一般管理費は、人材への積極的な投資に加えて、庫内人件費や配送費の単価上昇に伴う物流費の増加、また、物流キャパシティ確保を目的とした外部賃借センター稼働に伴う費用の増加などにより、前期から49億16百万円(8.1%)増加となりました。売上高比率は前期(5.13%)から0.19ポイント上昇し、5.32%になりました。 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高116,861117,328+467+0.4%売上総利益(対売上高比率)16,446(14.07%)16,369(13.95%)△76(△0.12pp)△0.5% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)14,001(11.98%)14,044(11.97%)+43(△0.01pp)+0.3% 販売費及び一般管理費(下記を除く)11,94511,988+43+0.4% のれん・無形資産償却費*2,0562,056--営業利益(対売上高比率)2,444(2.09%)2,325(1.98%)△119(△0.11pp)△4.9% 上記の償却費を除く営業利益4,5004,381△119△2.7% *:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費 〔売上高〕売上高は、前期から4億67百万円(0.4%)増収の1,173億28百万円となりました。・動物用医薬品等卸売事業は、コンパニオンアニマル領域では、一部の商材がメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けたものの、新製品の積極的な導入等により堅調に推移しました。畜水産領域では、高病原性鳥インフルエンザ発生に伴う関連商材の特需に加え、生産性向上に寄与する機能性商材の販売拡大により堅調に推移しました。食品加工原材料卸売等関連事業は減収となりましたが、当セグメント全体では増収となりました。 〔営業利益〕営業利益は、前期から1億19百万円(4.9%)減益の23億25百万円となりました。・売上総利益は、前期から76百万円(0.5%)の減益、売上高比率は、前期(14.07%)を0.12ポイント下回り、13.95%となりました。動物用医薬品等卸売事業においては、コンパニオンアニマル領域を中心に自社企画品の販売等への積極的な取り組みや販売価格の見直しを行ったものの、畜水産領域における価格交渉激化の影響がありました。食品加工原材料卸売等関連事業においては、電子薬剤分野が好調に推移しましたが、食品領域における為替影響による原価高騰の影響がありました。・販売費及び一般管理費は、動物用医薬品等卸売事業における物流費や、食品加工原材料卸売等関連事業における人件費等が減少したものの、株式取得関連費用を計上したことにより、前期から43百万円(0.3%)の増加となりましたが、売上高比率については前期(11.98%)から0.01ポイント改善し、11.97%となりました。 (注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 ②財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における総資産は1兆9,220億2百万円となり、前連結会計年度末より970億17百万円増加いたしました。 流動資産は1兆3,710億25百万円となり、前連結会計年度末より882億78百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加276億66百万円、受取手形及び売掛金の増加443億6百万円、商品及び製品の増加122億95百万円によるものであります。 固定資産は5,509億77百万円となり、前連結会計年度末より87億39百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替え等による投資有価証券の増加133億81百万円によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は1兆1,266億3百万円となり、前連結会計年度末より595億65百万円増加いたしました。 流動負債は1兆680億41百万円となり、前連結会計年度より585億94百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加520億59百万円によるものであります。 固定負債は585億61百万円となり、前連結会計年度末より9億71百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債の増加43億73百万円、退職給付に係る負債の減少33億80百万円によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は7,953億99百万円となり、前連結会計年度末より374億52百万円増加いたしました。 株主資本は5,840億52百万円となり、前連結会計年度末より207億65百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加219億14百万円によるものであります。 その他の包括利益累計額は681億19百万円となり、前連結会計年度末より118億42百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替えによるその他有価証券評価差額金の増加91億26百万円によるものであります。 非支配株主持分は1,432億25百万円となり、主に株式会社PALTACの純資産の増加により、前連結会計年度末より48億44百万円増加いたしました。 ③キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー60,55946,552投資活動によるキャッシュ・フロー△3,3639,299財務活動によるキャッシュ・フロー△25,947△29,397現金及び現金同等物に係る換算差額36現金及び現金同等物の増減額(△は減少)31,25226,461現金及び現金同等物の期首残高228,084259,337非連結子会社との合併に伴う現金及び現金同等物の増加額-852連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額-△111現金及び現金同等物の期末残高259,337286,539 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より264億61百万円増加し、また、非連結子会社との合併に伴う資金の増加額8億52百万円、連結除外に伴う資金の減少額1億11百万円とあわせて当連結会計年度末には2,865億39百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は、465億52百万円(前期比140億6百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益818億44百万円、投資有価証券売却損益213億47百万円、減価償却費174億39百万円、のれん償却額107億54百万円、売上債権の増加427億15百万円、棚卸資産の増加117億27百万円、仕入債務の増加512億71百万円、法人税等の支払258億4百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の増加は、92億99百万円(前期は33億63百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入279億14百万円、連結子会社であるシグニホールディングス株式会社の取得関連の支出111億22百万円、有形固定資産の取得による支出66億19百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は、293億97百万円(前期比34億50百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出80億88百万円、連結子会社である株式会社PALTACによる同社株式の取得による支出41億21百万円、配当金の支払165億52百万円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医療用医薬品等卸売事業2,466,109104.0化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業1,237,846104.2動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業117,328100.4計3,821,285104.0調整額(セグメント間消去)△3,930-合計3,817,354104.0 (注)セグメント間の内部売上高を含んでおります。b.仕入実績仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況、③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ②資本の財源及び資金の流動性 当社グループにおける資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、現金及び現金同等物、政策投資株式の売却に伴う収入等になります。当連結会計年度末の借入金残高はありませんが、引き続き、財務健全性を確保しつつ、当社グループにとって最適な資本構成を追求してまいります。 資金の流動性につきましては、事業活動を支える観点で充分な流動性を確保するとともに、金融機関からの当座貸越枠として1,845億円を設定し、突発的な資金需要にも対応しうる体制の構築をもって、流動性リスクに備えております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っておりますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目事象は以下のとおりです。なお、当社グループの取り扱う商品は、医薬品や食品、日用品など人々が生活をしていくうえで必要不可欠なものであることから、その需要が大きく減少することは想定しづらいと考えております。従いまして、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定において、新型コロナウイルスの影響は軽微であります。 a.繰延税金資産 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 b.のれんの評価 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 c.退職給付債務及び退職給付費用 退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。 d.固定資産の減損 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。 固定資産の回収可能価額について、正味売却価額により測定しておりますが、売却予定の資産については売却予定価額を基に算定しておりますので、前提条件に変更があった場合、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。 e.納入価格の見積り設定について 当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという取引慣行が存在しております。取引価格が決定するまでは、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格で売上計上を行っておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際に決定した取引価格との差異が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、2026年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.7%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。(過去3年間の取引価格の決定比率 2023年3月期:99.6%、2024年3月期:99.6%、2025年3月期:99.5%)

事業リスク

  • 医療保険制度の変動
    日本の医療用医薬品等卸売事業は、国の社会保障制度や医療政策と密接に関わっています。人口構造の変化に伴う社会保障給付費の増大などにより、医療制度が大幅に変更された場合、同社の事業構造や業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、薬価改定は直接的に販売価格に影響を与えます。
  • 薬価制度の改定影響
    医療用医薬品の販売価格は薬価基準に収載されており、市場実勢価格に基づいて定期的に改定されます。近年は原則2年に1度だった改定が中間年にも実施されるようになり、薬価の引き下げが頻繁に行われる傾向にあります。これにより、医療機関等への販売価格が低下し、医療用医薬品等卸売事業の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 特有の取引慣行と法的規制
    医療用医薬品は生命関連商品であるため、価格未決定のまま納入し、後から価格交渉を行うという特有の取引慣行が存在します。交渉が難航した場合、見積価格と決定価格の差異が業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品医療機器等法などの法的規制や許認可の状況も、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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FY2026|5,447 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)医療保険制度について 当社グループが主たる事業とする医療用医薬品等卸売業界は、わが国の社会保障制度や医療政策と密接に関連しております。わが国では、人口構造の変化による社会保障給付費の増大などの環境変化に伴い、医療制度改革が進められております。 今後、予測できない大幅な制度変更が行われ、当社グループの事業構造に関わるような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2)薬価制度について 当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されており、薬価基準は保険医療で使用できる医薬品の範囲と使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。従って、薬価基準は実質的に販売価格の上限として機能しております。 医療費抑制策の一環として、薬価基準で定められた価格(薬価)は市場実勢価格の調査結果に基づいて改定が行われております。 (2020年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲4.38%) (2021年度薬価改定率(薬剤費ベース):未公表) (2022年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲6.69%) (2023年度薬価改定率(薬剤費ベース):未公表) (2024年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲4.67%) (2025年度薬価改定率(薬剤費ベース):未公表) (2026年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲4.02%) これまで原則として2年に1度実施されていた薬価改定が2021年度からは中間年の改定が実施されております。医療機関等への販売価格低下等の影響が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3)特有の法的規制等に係るものについて 当社グループは、各種の医薬品及びその関連商品を取り扱っており、主に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」の規定により、各事業所が所轄の都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び免許を受け、あるいは監督官公庁に届出の後、販売活動を行っております。このため、監督官公庁等の許認可の状況により、医療用医薬品等卸売事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、将来的に規制緩和等によって、異業種の事業者が当社グループの事業領域に参入した場合には、当社グループのビジネスモデルや従来有する強みを維持または拡大することが困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4)医療機関等との取引慣行について 当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという特有の取引慣行が存在しております。かかる取引慣行を改善するために、2018年4月に流通改善ガイドラインの運用が開始されましたが、交渉が難航した場合には、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格により売上計上しております。 このため、決定した取引価格と見積価格との差異が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 なお、2026年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.7%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。(過去3年間の取引価格の決定比率 2023年3月期:99.6%、2024年3月期:99.6%、2025年3月期:99.5%) (5)製薬企業等との取引慣行について 当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の仕入先である製薬企業等との間には、実質的な仕入価格の引き下げ効果のある「割戻金(リベート)」や「報奨金(アローアンス)」などの取引慣行が存在しております。(2026年3月期の医療用医薬品等卸売事業における報奨金(アローアンス)の未精算額204億34百万円)。製薬企業等とは良好な取引関係を継続しておりますが、製薬企業等の営業戦略に大幅な変更が生じ、かかる取引慣行に変化が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6)競争環境の変化について 当社グループが主たる事業とする化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業界において、業種・業態を超えた競争の激化やM&Aによる規模拡大が続いております。このため、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業では取引先のニーズを捉え、環境の変化に即座に対応できる組織を構築しております。しかしながら、今後さらなる競争の激化や取引先の企業再編等により取引先の政策や取引条件が大幅に変更された場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7)システムトラブルについて 当社グループでは、「医療と健康、美」の流通を安定的に支える社会インフラとして、サプライチェーンを効率化、高度化するために、IT化を積極的に推し進めております。 当社グループの事業運営は、コンピュータネットワークシステムに依拠していることから、基幹システムのサーバ・ネットワークの二重化やサーバ設置建屋の免震・防災・停電対策及びデータバックアップ環境の設置などのほか、ウイルス対策、不正アクセス対策、モバイルパソコンのデータ暗号化などのセキュリティ対策を講じておりますが、万が一、システムが機能停止した場合には、販売・物流に大きな支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8)情報の漏洩について 当社グループが保有する顧客情報や機密情報等の情報資産の保護については、情報セキュリティポリシーに基づき、外部に漏洩しないよう管理体制の整備に努めるとともに、全従業員を対象に年2回の情報セキュリティ研修を実施しておりますが、不測の事態により、これらの情報が漏洩した場合には、社会的信用の低下による売上高の減少や対策費用の増加等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (9)災害、交通事故、感染症について 当社グループは、医薬品、日用品など、健やかな生活に欠かせない商品の流通を担っており、平時・有事を問わず、必要とされる商品を確実にお届けするために、さまざまな対策を施しています。 ①災害について 当社グループは、地震・台風等の自然災害や新型インフルエンザの流行などに備え、危機管理体制や有事の際迅速に供給活動を行うためのBCP(事業継続計画)を策定しておりますが、万が一、大規模災害が発生した場合には、事業が停止し、販売機会損失による売上高の減少または復旧費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②交通事故について 当社グループでは、お得意先への営業や商品の配送に多くの車両を用いております。当社グループ全体の車両台数は、9,552台となっており、環境負荷の低い車両の導入を進めるとともに、交通事故を防ぐために、ドライブレコーダーの設置や自動ブレーキを装備した車両の導入などを進めております。 また、安全運転月間を定めたり、警察の指導による講習会を開催するなど、交通事故防止の啓発活動に積極的に取り組んでおりますが、万が一、重大な交通事故を発生させてしまった場合は、社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③感染症について 当社グループでは、生命関連商品の安定供給を担う企業グループとして、社会経済活動に影響を与えるような感染症の流行の際には、様々な事態の発生を想定し、安定供給体制維持(全国物流センターの相互連携によるバックアップ、商品在庫の充実、機器の定期メンテナンスを前倒しで実施)、感染拡大防止(従業員の感染予防の徹底、車両や設備の洗浄及び消毒の徹底、医療機関での感染拡大の防止)に取り組んでおります。 しかしながら、当社グループの従業員に感染が拡大するなどして、万が一、物流機能が停止する事態に陥った場合には、医薬品等の安定供給が困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (10)気候変動について 当社グループは、さまざまなステークホルダーとともに脱炭素社会の実現に向けた取組を実施しております。一部物流センター間の医薬品輸送において、トラックから鉄道コンテナを利用した輸送へと切り替えるとともに、お得意様と協業し新たな医薬品流通最適化モデルを構築することで温室効果ガス排出量削減を積極的に進めております。 しかしながら将来、災害対策の設備投資、炭素税等のコストが発生した場合や、風水害が甚大化し、営業・物流拠点等の被災や操業停止などが発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)労働力の確保について 当社グループが取り扱う医薬品や日用品などを安定的に流通させるためには、質の高い人材の確保、適正な要員配置が必要不可欠であります。 昨今は、人口減少、少子高齢化などによって、流通分野における労働力の確保は厳しさを増してきております。物流センターの省力化や配送見直しによる効率化を推進するとともに、働き方改革に取り組み、労働環境の改善と整備に努めておりますが、労働需給がさらに逼迫し、人材を十分に確保できなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、法令や制度の改正、物価変動等により従業員に関わるコストが大幅に増加した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (12)投資について 当社グループは、持続的成長に向け将来への積極投資を行っております。 ①物流インフラ投資について 当社グループは、安全・安心な流通を担うという社会的使命を果たすため、物流やシステムに対する設備投資を積極的に行い、最先端技術を導入しております。これらは、当社グループの競争力を維持するためにも不可欠なものでありますが、投資コストが増大した場合や想定した投資回収ができない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②事業開発投資について 当社グループは、事業基盤の拡大と収益源の多角化を進めるため、製薬企業等への新薬開発投資や、海外での新薬開発事業に取り組んでおります。これは、当社グループがもつ物流力や営業ネットワークなどの経営資源を有効に活用し、希少疾病の治療を待つ患者さんに医薬品を安定供給することを目的とした取組みでありますが、新薬の開発は時間を要するほか、中止に至るなど、必ずしも順調に進行しないことがあります。そのような場合には、想定どおりの収益獲得に至らず損失が発生する可能性もあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③資本提携、業務提携について 当社グループは、「事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働で変革・成長する」という中期ビジョンの基本方針に則り、ライフサイエンス分野のベンチャー企業やスタートアップ企業への出資のほか、デジタル分野やロジスティクス分野といった業界の垣根を越えた提携を積極的に進めております。 こうした資本提携、業務提携の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から検討を行っておりますが、予期せぬ環境変化や想定した事業計画からの大幅な乖離が生じた場合には、減損損失等が発生するなどして、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (13)法令違反について 当社グループは、「コンプライアンスの徹底」を経営方針の1つに掲げ、社員教育や啓発活動を継続して行っております。 また、公益通報に関する窓口を社内及び社外に設置し、グループ内部の問題を早期に発見することに努めております。 なお、2021年1月29日に開催された取締役会において、経営トップがコンプライアンスを重視する姿勢を明確にするため、新たに企業活動指針を制定いたしました。経営トップが全国の拠点を行脚して、当該指針を制定した背景とその精神を全社員に浸透させております。 また、取締役会の諮問機関として、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会を設置し、当社グループのコンプライアンスを継続的にモニタリングし、遵法精神に則った企業風土を確立してまいります。 しかしながら、法令違反等の問題が発生した場合には、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等の支払いが生じるだけでなく、当社グループの社会的信用の失墜による悪影響など、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 これらの他にも、さまざまなリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループのすべてのリスクではありません。

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