事業の概要
- 科学機器の専門商社: アズワンは、研究所や医療施設などで使われる科学機器、備品、消耗品などを販売する専門商社です。自社で製品を製造するのではなく、国内外の約4,800社から商品を仕入れ、販売店を通じて最終ユーザーに届ける卸売業が主なビジネスモデルです。
- カタログ販売が中心: 主に紙のカタログやウェブサイトで商品情報を提供し、販売店がそれをもとに顧客に営業する「カタログ販売」の形態をとっています。これにより、幅広い商品を効率的に多くの顧客に提案できるのが特徴です。
- 多様な顧客層と商品群: 顧客は大学や企業の研究所、病院、介護施設など多岐にわたります。取り扱う商品も、理化学実験用のプラスチック容器から電子計測器まで幅広く、専門性の高いニーズに応えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ラボ・インダストリー部門: 研究者や技術者が使用する科学機器や備品を、科学機器販売店に卸売しています。紙カタログやウェブサイトで情報提供し、販売店を通じてユーザーに販売するカタログ販売が主流です。中国での販売や理化学実験用プラスチック製容器の製造・販売、電子計測器の製造・販売もこの部門に含まれます。
- メディカル部門: 医療・介護関係者が使用する機器や備品を、医療・介護関係販売店に卸売しています。ラボ・インダストリー部門と同様にカタログ販売形態をとっており、医療現場や介護施設向けの専門的な商品を提供しています。
- その他事業: ウェブシステムによる購買業務代行サービスを提供しており、システム利用料を収益としています。また、ラボ・インダストリー部門とメディカル部門の物流倉庫運営は、連結子会社である井内物流株式会社に委託されており、効率的な物流体制を構築しています。
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3 【事業の内容】(当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。)当社グループは、当社及び連結子会社6社(亜速旺(上海)商貿有限公司、ニッコー・ハンセン株式会社、井内物流株式会社、AS ONE INTERNATIONAL, INC.、株式会社トライアンフ・ニジュウイチ及び株式会社カスタム)等により構成されており、主に各種研究所、研究機関、生産施設、医療施設等において使用される科学機器、備品等を取扱う専門商社であります。当社グループの事業内容及びグループ各社の位置づけを部門別に示しますと次のとおりであります。 (1) ラボ・インダストリー部門科学機器販売店に対し、研究者や技術者の皆様が使用する機器・備品などの商品を卸売しております。当社は商品情報を紙カタログやWEBサイト等で提供し、販売店を経由してユーザーに販売するカタログ販売形態を主にとっております。連結子会社亜速旺(上海)商貿有限公司は、中国において研究用科学機器等の販売を行っております。連結子会社ニッコー・ハンセン株式会社は、理化学実験用プラスチック製容器等の製造・販売を行っております。連結子会社AS ONE INTERNATIONAL, INC.は、主に北米製品についての日本等への輸出を行っております。連結子会社株式会社カスタムは、主に電子計測器及び関連商品の製造・販売を行っております。 (2) メディカル部門医療及び介護関係販売店に対し、看護・介護関係者の皆様が使用する機器・備品などの商品を卸売しております。販売形態としては、ラボ・インダストリー部門と同様のカタログ販売形態をとっております。 (3) その他連結子会社株式会社トライアンフ・ニジュウイチは、WEBシステムによる購買業務代行サービス等を提供し、そのシステムに参加する最終ユーザー等より、システム利用料をいただく事業を行っております。 なお、当社はラボ・インダストリー部門及びメディカル部門での物流倉庫の運営を連結子会社である井内物流株式会社に委託しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 競合他社との差別化を図り、価格競争に巻き込まれないよう努めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ネットワーク 約4,800社のサプライヤーと約13,000拠点の販売店とのネットワーク。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:取引先の経営状況変化による業績影響 / 競合激化による業績影響 / eコマース推進における価格競争・流通変化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
アズワンは特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという明確な証拠はない。事業内容は医療用機器・試薬等の専門商社であり、個別の製品ブランドよりも品揃えやサービスが競争力の源泉となっている可能性が高い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
医療機関や研究機関は、特定のサプライヤーとの取引に慣れており、機器や試薬の切り替えには、仕様確認、調達プロセスの変更、担当者のトレーニングなどの手間が生じる可能性がある。しかし、代替品が多数存在するため、スイッチング・コストは限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
アズワンのビジネスモデルは、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に向上させるネットワーク効果を生む構造ではない。プラットフォーム型ビジネスではなく、BtoBの卸売業としての性格が強い。
コスト優位★☆☆☆☆
専門商社として、長年の取引で培われた仕入れルートや効率的な物流網を持っている可能性はある。しかし、競合他社も同様の努力をしていると考えられ、構造的なコスト優位性を確立しているとは断定しにくい。規模の経済による効率化の余地は限定的。
規模の経済★★★☆☆
医療用機器・試薬の専門商社として、幅広い品揃えと全国的な販売網を有しており、一定の規模の経済が働いていると考えられる。多くのメーカーと取引し、多様な顧客ニーズに応えることで、業界内で確固たる地位を築いている。この規模が、新規参入障壁の一部となっている。
- 幅広い品揃えと迅速な配送: アズワンは、約4,800社のサプライヤーから商品を仕入れ、業界随一の幅広い品揃えを誇ります。さらに、「ビーカー1つ」でもすぐに届けられるクイックデリバリー体制を構築しており、顧客の利便性を高めています。
- カタログとウェブの融合: 紙のカタログとウェブサイトを組み合わせることで、膨大な商品情報を効率的に提供しています。これにより、販売店は顧客に最適な商品を提案しやすくなり、アズワンの販売チャネルとしての強みとなっています。
- eコマースによる成長牽引: 近年、eコマースの推進がアズワンの成長を大きく牽引しています。専門性の高い商品をオンラインで手軽に購入できる利便性と、IT力と物流力を融合させた差別化戦略により、競争優位を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「革新と創造」を経営理念として掲げ、研究・産業・医療のフィールドにおいてヒト・モノ・情報・サービスをつなぎ、研究者や医療従事者の皆様の活動を後押しすることを目的として事業活動を行っています。また、「顧客満足度の追求」を経営方針とし、お客様の利便性の向上を実現するため多様化するニーズに対応し、幅広い品揃えやカタログおよびインターネットによる商品情報の提供、顧客の事業規模に応じたeコマースツールの開発、豊富な在庫や配送ネットワークによるクイックデリバリーなど、業界に先駆けて様々な施策を実行し業容を拡大してきました。当社は、サプライヤー・販売店・エンドユーザーをつなぐハブであり、研究や医療活動を支える流通事業者としての社会的使命を果たすと同時に、魅力ある商品・サービスの提供や業務効率化を進めることにより適正な利益を確保することで、企業価値の拡大を図っています。 (2) 経営戦略と目標とする経営指標 2025年5月に策定した長期ビジョン「AS ONE VISION-2035」では、研究者が直面する課題である“3つのない”(お金がない、時間がない、もったいない)を解消するため、当社が提供するプラットフォームをイノベイティブに進化させるコンセプトを打ち出しました。具体的には、サプライチェーン上の商品や在庫などの様々な情報を可視化すること(見える)、当社がハブとしてサプライヤー・販売店・研究者を結びつけること(つながる)、機器レンタルなど研究者に購入以外の多様な選択肢を提供すること(手に入る)により、あらゆる研究リソースが「見える・つながる・手に入る」プラットフォームの創造を目指します。 当社グループは16期連続となる増収を継続中ですが、今後も既存事業の持続的な成長に向け必要な手立てを講じていきます。また、上記プラットフォームの実現や当社が到達可能な市場領域拡大のため、M&Aやアライアンスの積極的な活用により外部リソースを獲得することで、非連続な成長も同時に志向しています。加えて、資本効率の向上も追求し、積極的な投資による事業成長と高効率経営の両立を目指します。2035年3月期のありたい姿として、連結売上高2,000億円~3,000億円、ROE17.0%以上を掲げています。 また、2026年3月期を初年度とする中期経営計画「FY2025-27」の概要は以下のとおりです。・基本戦略 ECの進化、サプライチェーン上の価値の最大化、事業領域の拡大・重点施策 「(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題」をご参照ください。・目標とする経営指標 売上高 1,300億円、営業利益 148億円、営業利益率 11.4%、ROE 13.0%以上 (2028年3月期連結) (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは、主たる事業領域とする研究・産業・医療の分野で利用される消耗品や機器・備品類の流通市場において、ヒト・モノ・情報・サービスをつなぐプラットフォーマーとしての機能を強化することで、サプライチェーン全体の最適化や効率化、エンドユーザーや販売店が抱える様々な課題の解決に貢献することを目指しています。 2025年5月に公表した中期経営計画「FY2025-27」においては、ECの進化、サプライチェーン上の価値の最大化、事業領域の拡大の3点を事業上の重点テーマと位置づけ、様々な施策に取り組んでいます。また、キャッシュ・アロケーションに関する基本方針に基づき、積極的な投資と効果的な株主還元の両立を目指すと同時に、サステナビリティに関する各種取り組みに注力することで、財務・非財務の両面から企業価値の長期的な向上を図ります。 a.ECの進化①eコマース事業の拡大 企業や大学などのエンドユーザーが研究・生産活動に必要な消耗品や備品類を購入する組織購買において、購買システムやEC通販事業者などのeコマースの利用が浸透しつつあります。電話やFAXを使った従来型の購買方法に比べ格段に利便性が高く、業務効率化やコスト削減にもつながるため、eコマースの利用は今後ますます増加する見込みです。 当社では、エンドユーザーの事業規模に応じたeコマースツールとして、大規模企業向け集中購買システム「ocean」、中規模事業者をターゲットとした販売店向けECサイト「Wave」、小規模事業者向け自社WEBショップ「AXEL」・「as kitchen」を展開しています。当社のeコマースツールを広くお使いいただくには、検索の正確性や検索速度の向上に加え、購買の決裁ルーティンをシステムに組み込むなど利便性を高めるための開発が不可欠です。検索機能の飛躍的な向上を実現したAI搭載型検索エンジン「AXEL2.0」の導入や、エンドユーザーの発注や在庫管理にかかる業務を自動化するシステムをリリースするなど、新しい機能開発を継続的に進めています。 加えて、当社のeコマースツールの利用を広げるための営業活動も重要です。eコマースが既に浸透している研究・産業の分野に加え、最近では経営効率化ニーズの高い医療機関へのプロモーションにも力を入れるなど、新規顧客の開拓に取り組んでいます。また、既に当社のeコマースツールをご利用いただくお客様に対しては、購買コストの引き下げや様々な業務効率化につながる提案を行うなど、ご利用の金額や頻度を高めるための活動を行っています。 ②商品データベースの質と利便性の向上 当社がカタログやWEBサイトを通じて提供するのは、1,400万点を超える取扱商品の様々な情報です。サイズや重量、スペックなどの商品の特徴に関する情報はもちろん、価格や納期、梱包後の荷姿など流通にかかる情報も必要です。当社の商品データベース「SHARE-DB」を質・量ともに充実させることは、当社のeコマースツールの利便性に直結します。当社では、サプライヤーから集めた情報だけでなく、自社スタジオで撮影した画像や使用方法についての動画を商品情報として登録するなど、お客様にとって有用な情報の提供に力を入れています。 また、当社とサプライヤーとの間で行われる膨大な商品情報のやり取りを円滑化するシステム「SHARE-GATE」の導入や、商品情報の整備にAIを活用し業務効率化を図るなど、データベースの充実を支える仕組みの整備も進めています。 b.サプライチェーン上の価値の最大化③商品点数の拡充 当社は2015年に商品情報WEBサイト「AXEL」をオープンして以降、積極的なサプライヤー開拓により品揃えを飛躍的に拡大し、取扱商品点数は1,400万点、WEB単独掲載商品(売れ筋商品を集めた当社カタログに掲載されていない商品)の売上高は225億円にまで増加しました。2028年3月期には、取扱商品点数を1,700万点まで拡大し、WEB単独掲載商品の売上高を340億円まで増加させることを目指しています。OA機器やサプライ品、研究用試薬、電線資材、各種ソフトウェアなど、お客様が求める最適な品揃えの実現に向け今後も新たな分野を開拓していきます。 ④サプライチェーン全体の資産効率の最大化 当社が属する研究・産業・医療の分野で使用される消耗品や備品類の市場では、専門性の高い数多くのサプライヤーにより多品種の商品が供給され、顧客密着型の多くの販売店が流通を担い、全国各地のエンドユーザーに届けられています。消耗品類は様々な事業活動に必要不可欠な商品であるため、欠品が発生しないようサプライチェーンの至るところに流通在庫が存在しています。当社は、サプライヤー・販売店・エンドユーザーの3者をつなぐハブとしてのポジションを活かし、サプライチェーン全体における様々な情報を統合して可視化することで、在庫や配送などが最適化されサプライチェーン参加者の資産効率や業務効率の向上に貢献できると考えています。現在、サプライヤーが保有する在庫の情報をデータ連携により取得し、当社が保有する在庫情報とあわせて販売店やエンドユーザーに対し開示しています。開示しているサプライヤーの在庫(バーチャル在庫)を金額換算すると1,691億円分にのぼり、当社自身が保有する在庫金額の16倍の規模に達しています。また、バーチャル在庫の86%は受注から3日以内の出荷を実現しており、エンドユーザーや販売店に納期の安心感を提供することで売上拡大につなげています。次の段階では、販売店やエンドユーザーが保有する在庫情報を可視化した上で、エンドユーザーの在庫管理や発注の自動化を可能とする「4-Stock」サービスの導入を推進していきます。 ⑤物流機能の拡充と効率化 当社では、夕方までに受注した商品は当日中に出荷し、原則として翌日中には販売店へお届けしています。この物流サービスを効率的かつ低コストで実現するため、継続的な各種投資が必要となります。国内5か所に大規模な物流センターを設け、全国にお届けする配送ネットワークを構築し、物流のサービスレベルを維持しています。2025年6月には福岡県の九州DCを移転新設し、2026年5月より千葉県のSmart DCを増床するなど、売上成長に見合った必要な物流キャパシティを確保しています。 一方、質の高い物流サービスを提供する上で、様々なコストアップへの対応は大きな課題です。物流センターの賃料や光熱費、倉庫内作業を行うスタッフの人件費が上昇し、ドライバーの人手不足やガソリン価格上昇を背景に配送費も値上げ基調が続くなど、物流にかかるコストは今後も上昇が見込まれます。当社では、棚搬送AGVの導入による庫内作業の省人化、データ活用による配送ルートや在庫配置の最適化、ポスト投函サービスを含めた多様な配送方法の確保など、物流オペレーションの効率化に向けて様々な施策を実施しています。今後は新しいエリアへのサテライトセンターの設置や基幹センターの新設を検討するなど、変化する市場環境に応じた新しい物流サービスの形を検討していきます。 c.事業領域の拡大⑥サービス事業の育成 研究、医療の分野で使用される機器類の領域においても、「所有から利用へ」の変化が始まっています。限られた予算の中で効率的に研究活動を行うことが今まで以上に求められる中、文部科学省が研究設備・機器の共用を推進するなど、その変化は企業だけでなく大学等のアカデミアにまで広がりつつあります。当社は2018年より研究用・医療用機器のレンタル事業を本格化させ様々なニーズに対応してきましたが、サービスの認知度を高めるためのプロモーション活動や、レンタル対象機器を増やす取り組みを行っています。 また、研究や生産現場で使用される計測機器類の校正(精度検査)サービスにも注力しています。製品のスペックや製造環境など品質全般に対するコンプライアンス意識が高まる中、それらを担保する計測機器の定期的な精度確認はこれまで以上に求められています。当社では、JCSS(計量法校正事業者登録制度)認定の取得や校正メニューの拡充などにより、校正ビジネスの拡大を図っています。 機器レンタルや校正サービスの拡大を見据え、2026年11月の完成を目指し、新しいレンタル&校正センターの建設を進めています。既存のセンターに比べ延床面積は3.3倍となり、点検や修理など他のサービス分野の拡大にも取り組んでいく予定です。 ⑦当社オリジナル商品の投入加速 自社開発するプライベートブランド品と当社が独自に海外から輸入する商品の総称であるオリジナル品は、取扱商品において他社との差別化を図る重要な存在であるだけでなく、当社の高い利益率を生み出す源泉にもなっています。商品開発のためのマーケティング活動やグループ会社を交えた効率的な開発体制の構築、有力メーカーとの協業によるダブルブランド品の開発などの取り組みにより、オリジナル商品の開発と市場投入のサイクルを加速し、2028年3月期には商品売上高420億円を目指しています。 d.その他⑧キャッシュ・アロケーション 2025年5月に公表した「AS ONE VISION-2035」では、2035年3月期の連結売上高を2,000億円~3,000億円とする目標を掲げました。既存事業においてオーガニックな成長を続けていくためには、ITや物流、人財などへの継続的な投資が必要となります。また、当社が志向する非連続的な成長を実現するためには、M&Aや新規事業開発に投資資金を振り向けることも必要です。当社では、非連続的な成長につながる投資機会を積極的に探索すると同時に、代表取締役社長を含む主要役員が参加する投資委員会を設置し、様々な観点から投資の適正性や妥当性の検証を行っています。 一方、積極的な株主還元は当社が長年取り組んできた施策の一つであり、今後も継続していく方針です。中期経営計画「FY2025-27」の期間中は、配当は基準利益の50%以上かつ累進配当制度(増配)を採用した上で、機動的な自己株買いをあわせて実施し3年間の累計総還元性向を60%~75%とする方針を掲げています。また、必要な投資資金を非事業用資産の削減により創出するなど、資本効率や資産効率をこれまで以上に意識した経営を進め、長期的にROEを向上させる方針です。 ⑨サステナビリティ 当社は、多様なステークホルダーの期待に応えてサステナブルな事業成長を実現するため、常勤の取締役と執行役員の全員が参加するサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティに関する様々な取り組みを推進する体制を敷いています。 多様な人財が、心身ともに健康で、能力を最大限発揮できる環境づくりは、人的資本経営の根幹です。当社では、健康リスクの改善、多様な働き方の推進、快適な職場環境の形成を目指す健康経営プログラムを推進し、健康経営優良法人に4年連続で認定されるなど一定の成果を上げています。加えて、多様性に関する指標の一つである管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合を、2030年度に20%とする目標を掲げ、女性社員を対象としたリーダー層育成プログラムなどを行っています。 また、当社は国内外に5,500社を超える多くのサプライヤーとの取引関係を有しており、自社のサプライチェーンにおけるCO2削減をはじめとする気候変動への対応、生物多様性や水・森林などの地球資源への配慮、人権リスクの把握と軽減は喫緊の課題です。サプライヤーに対するアンケートを実施し現状把握に努めると同時に、優先順位の高いサプライヤーに対し個別のエンゲージメントを実施するなど、健全なサプライチェーンの実現に向けた取り組みを行っています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「革新と創造」を経営理念として掲げ、研究・産業・医療のフィールドにおいてヒト・モノ・情報・サービスをつなぎ、研究者や医療従事者の皆様の活動を後押しすることを目的として事業活動を行っています。また、「顧客満足度の追求」を経営方針とし、お客様の利便性の向上を実現するため多様化するニーズに対応し、幅広い品揃えやカタログおよびインターネットによる商品情報の提供、顧客の事業規模に応じたeコマースツールの開発、豊富な在庫や配送ネットワークによるクイックデリバリーなど、業界に先駆けて様々な施策を実行し業容を拡大してきました。当社は、サプライヤー・販売店・エンドユーザーをつなぐハブであり、研究や医療活動を支える流通事業者としての社会的使命を果たすと同時に、魅力ある商品・サービスの提供や業務効率化を進めることにより適正な利益を確保することで、企業価値の拡大を図っています。 (2) 経営戦略と目標とする経営指標 2025年5月に策定した長期ビジョン「AS ONE VISION-2035」では、研究者が直面する課題である“3つのない”(お金がない、時間がない、もったいない)を解消するため、当社が提供するプラットフォームをイノベイティブに進化させるコンセプトを打ち出しました。具体的には、サプライチェーン上の商品や在庫などの様々な情報を可視化すること(見える)、当社がハブとしてサプライヤー・販売店・研究者を結びつけること(つながる)、機器レンタルなど研究者に購入以外の多様な選択肢を提供すること(手に入る)により、あらゆる研究リソースが「見える・つながる・手に入る」プラットフォームの創造を目指します。 当社グループは16期連続となる増収を継続中ですが、今後も既存事業の持続的な成長に向け必要な手立てを講じていきます。また、上記プラットフォームの実現や当社が到達可能な市場領域拡大のため、M&Aやアライアンスの積極的な活用により外部リソースを獲得することで、非連続な成長も同時に志向しています。加えて、資本効率の向上も追求し、積極的な投資による事業成長と高効率経営の両立を目指します。2035年3月期のありたい姿として、連結売上高2,000億円~3,000億円、ROE17.0%以上を掲げています。 また、2026年3月期を初年度とする中期経営計画「FY2025-27」の概要は以下のとおりです。・基本戦略 ECの進化、サプライチェーン上の価値の最大化、事業領域の拡大・重点施策 「(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題」をご参照ください。・目標とする経営指標 売上高 1,300億円、営業利益 148億円、営業利益率 11.4%、ROE 13.0%以上 (2028年3月期連結) (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは、主たる事業領域とする研究・産業・医療の分野で利用される消耗品や機器・備品類の流通市場において、ヒト・モノ・情報・サービスをつなぐプラットフォーマーとしての機能を強化することで、サプライチェーン全体の最適化や効率化、エンドユーザーや販売店が抱える様々な課題の解決に貢献することを目指しています。 2025年5月に公表した中期経営計画「FY2025-27」においては、ECの進化、サプライチェーン上の価値の最大化、事業領域の拡大の3点を事業上の重点テーマと位置づけ、様々な施策に取り組んでいます。また、キャッシュ・アロケーションに関する基本方針に基づき、積極的な投資と効果的な株主還元の両立を目指すと同時に、サステナビリティに関する各種取り組みに注力することで、財務・非財務の両面から企業価値の長期的な向上を図ります。 a.ECの進化①eコマース事業の拡大 企業や大学などのエンドユーザーが研究・生産活動に必要な消耗品や備品類を購入する組織購買において、購買システムやEC通販事業者などのeコマースの利用が浸透しつつあります。電話やFAXを使った従来型の購買方法に比べ格段に利便性が高く、業務効率化やコスト削減にもつながるため、eコマースの利用は今後ますます増加する見込みです。 当社では、エンドユーザーの事業規模に応じたeコマースツールとして、大規模企業向け集中購買システム「ocean」、中規模事業者をターゲットとした販売店向けECサイト「Wave」、小規模事業者向け自社WEBショップ「AXEL」・「as kitchen」を展開しています。当社のeコマースツールを広くお使いいただくには、検索の正確性や検索速度の向上に加え、購買の決裁ルーティンをシステムに組み込むなど利便性を高めるための開発が不可欠です。検索機能の飛躍的な向上を実現したAI搭載型検索エンジン「AXEL2.0」の導入や、エンドユーザーの発注や在庫管理にかかる業務を自動化するシステムをリリースするなど、新しい機能開発を継続的に進めています。 加えて、当社のeコマースツールの利用を広げるための営業活動も重要です。eコマースが既に浸透している研究・産業の分野に加え、最近では経営効率化ニーズの高い医療機関へのプロモーションにも力を入れるなど、新規顧客の開拓に取り組んでいます。また、既に当社のeコマースツールをご利用いただくお客様に対しては、購買コストの引き下げや様々な業務効率化につながる提案を行うなど、ご利用の金額や頻度を高めるための活動を行っています。 ②商品データベースの質と利便性の向上 当社がカタログやWEBサイトを通じて提供するのは、1,400万点を超える取扱商品の様々な情報です。サイズや重量、スペックなどの商品の特徴に関する情報はもちろん、価格や納期、梱包後の荷姿など流通にかかる情報も必要です。当社の商品データベース「SHARE-DB」を質・量ともに充実させることは、当社のeコマースツールの利便性に直結します。当社では、サプライヤーから集めた情報だけでなく、自社スタジオで撮影した画像や使用方法についての動画を商品情報として登録するなど、お客様にとって有用な情報の提供に力を入れています。 また、当社とサプライヤーとの間で行われる膨大な商品情報のやり取りを円滑化するシステム「SHARE-GATE」の導入や、商品情報の整備にAIを活用し業務効率化を図るなど、データベースの充実を支える仕組みの整備も進めています。 b.サプライチェーン上の価値の最大化③商品点数の拡充 当社は2015年に商品情報WEBサイト「AXEL」をオープンして以降、積極的なサプライヤー開拓により品揃えを飛躍的に拡大し、取扱商品点数は1,400万点、WEB単独掲載商品(売れ筋商品を集めた当社カタログに掲載されていない商品)の売上高は225億円にまで増加しました。2028年3月期には、取扱商品点数を1,700万点まで拡大し、WEB単独掲載商品の売上高を340億円まで増加させることを目指しています。OA機器やサプライ品、研究用試薬、電線資材、各種ソフトウェアなど、お客様が求める最適な品揃えの実現に向け今後も新たな分野を開拓していきます。 ④サプライチェーン全体の資産効率の最大化 当社が属する研究・産業・医療の分野で使用される消耗品や備品類の市場では、専門性の高い数多くのサプライヤーにより多品種の商品が供給され、顧客密着型の多くの販売店が流通を担い、全国各地のエンドユーザーに届けられています。消耗品類は様々な事業活動に必要不可欠な商品であるため、欠品が発生しないようサプライチェーンの至るところに流通在庫が存在しています。当社は、サプライヤー・販売店・エンドユーザーの3者をつなぐハブとしてのポジションを活かし、サプライチェーン全体における様々な情報を統合して可視化することで、在庫や配送などが最適化されサプライチェーン参加者の資産効率や業務効率の向上に貢献できると考えています。現在、サプライヤーが保有する在庫の情報をデータ連携により取得し、当社が保有する在庫情報とあわせて販売店やエンドユーザーに対し開示しています。開示しているサプライヤーの在庫(バーチャル在庫)を金額換算すると1,691億円分にのぼり、当社自身が保有する在庫金額の16倍の規模に達しています。また、バーチャル在庫の86%は受注から3日以内の出荷を実現しており、エンドユーザーや販売店に納期の安心感を提供することで売上拡大につなげています。次の段階では、販売店やエンドユーザーが保有する在庫情報を可視化した上で、エンドユーザーの在庫管理や発注の自動化を可能とする「4-Stock」サービスの導入を推進していきます。 ⑤物流機能の拡充と効率化 当社では、夕方までに受注した商品は当日中に出荷し、原則として翌日中には販売店へお届けしています。この物流サービスを効率的かつ低コストで実現するため、継続的な各種投資が必要となります。国内5か所に大規模な物流センターを設け、全国にお届けする配送ネットワークを構築し、物流のサービスレベルを維持しています。2025年6月には福岡県の九州DCを移転新設し、2026年5月より千葉県のSmart DCを増床するなど、売上成長に見合った必要な物流キャパシティを確保しています。 一方、質の高い物流サービスを提供する上で、様々なコストアップへの対応は大きな課題です。物流センターの賃料や光熱費、倉庫内作業を行うスタッフの人件費が上昇し、ドライバーの人手不足やガソリン価格上昇を背景に配送費も値上げ基調が続くなど、物流にかかるコストは今後も上昇が見込まれます。当社では、棚搬送AGVの導入による庫内作業の省人化、データ活用による配送ルートや在庫配置の最適化、ポスト投函サービスを含めた多様な配送方法の確保など、物流オペレーションの効率化に向けて様々な施策を実施しています。今後は新しいエリアへのサテライトセンターの設置や基幹センターの新設を検討するなど、変化する市場環境に応じた新しい物流サービスの形を検討していきます。 c.事業領域の拡大⑥サービス事業の育成 研究、医療の分野で使用される機器類の領域においても、「所有から利用へ」の変化が始まっています。限られた予算の中で効率的に研究活動を行うことが今まで以上に求められる中、文部科学省が研究設備・機器の共用を推進するなど、その変化は企業だけでなく大学等のアカデミアにまで広がりつつあります。当社は2018年より研究用・医療用機器のレンタル事業を本格化させ様々なニーズに対応してきましたが、サービスの認知度を高めるためのプロモーション活動や、レンタル対象機器を増やす取り組みを行っています。 また、研究や生産現場で使用される計測機器類の校正(精度検査)サービスにも注力しています。製品のスペックや製造環境など品質全般に対するコンプライアンス意識が高まる中、それらを担保する計測機器の定期的な精度確認はこれまで以上に求められています。当社では、JCSS(計量法校正事業者登録制度)認定の取得や校正メニューの拡充などにより、校正ビジネスの拡大を図っています。 機器レンタルや校正サービスの拡大を見据え、2026年11月の完成を目指し、新しいレンタル&校正センターの建設を進めています。既存のセンターに比べ延床面積は3.3倍となり、点検や修理など他のサービス分野の拡大にも取り組んでいく予定です。 ⑦当社オリジナル商品の投入加速 自社開発するプライベートブランド品と当社が独自に海外から輸入する商品の総称であるオリジナル品は、取扱商品において他社との差別化を図る重要な存在であるだけでなく、当社の高い利益率を生み出す源泉にもなっています。商品開発のためのマーケティング活動やグループ会社を交えた効率的な開発体制の構築、有力メーカーとの協業によるダブルブランド品の開発などの取り組みにより、オリジナル商品の開発と市場投入のサイクルを加速し、2028年3月期には商品売上高420億円を目指しています。 d.その他⑧キャッシュ・アロケーション 2025年5月に公表した「AS ONE VISION-2035」では、2035年3月期の連結売上高を2,000億円~3,000億円とする目標を掲げました。既存事業においてオーガニックな成長を続けていくためには、ITや物流、人財などへの継続的な投資が必要となります。また、当社が志向する非連続的な成長を実現するためには、M&Aや新規事業開発に投資資金を振り向けることも必要です。当社では、非連続的な成長につながる投資機会を積極的に探索すると同時に、代表取締役社長を含む主要役員が参加する投資委員会を設置し、様々な観点から投資の適正性や妥当性の検証を行っています。 一方、積極的な株主還元は当社が長年取り組んできた施策の一つであり、今後も継続していく方針です。中期経営計画「FY2025-27」の期間中は、配当は基準利益の50%以上かつ累進配当制度(増配)を採用した上で、機動的な自己株買いをあわせて実施し3年間の累計総還元性向を60%~75%とする方針を掲げています。また、必要な投資資金を非事業用資産の削減により創出するなど、資本効率や資産効率をこれまで以上に意識した経営を進め、長期的にROEを向上させる方針です。 ⑨サステナビリティ 当社は、多様なステークホルダーの期待に応えてサステナブルな事業成長を実現するため、常勤の取締役と執行役員の全員が参加するサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティに関する様々な取り組みを推進する体制を敷いています。 多様な人財が、心身ともに健康で、能力を最大限発揮できる環境づくりは、人的資本経営の根幹です。当社では、健康リスクの改善、多様な働き方の推進、快適な職場環境の形成を目指す健康経営プログラムを推進し、健康経営優良法人に4年連続で認定されるなど一定の成果を上げています。加えて、多様性に関する指標の一つである管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合を、2030年度に20%とする目標を掲げ、女性社員を対象としたリーダー層育成プログラムなどを行っています。 また、当社は国内外に5,500社を超える多くのサプライヤーとの取引関係を有しており、自社のサプライチェーンにおけるCO2削減をはじめとする気候変動への対応、生物多様性や水・森林などの地球資源への配慮、人権リスクの把握と軽減は喫緊の課題です。サプライヤーに対するアンケートを実施し現状把握に努めると同時に、優先順位の高いサプライヤーに対し個別のエンゲージメントを実施するなど、健全なサプライチェーンの実現に向けた取り組みを行っています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次のとおりであります。 なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。 ①財政状態及び経営成績の状況イ.財政状態の状況(資産の部)当連結会計年度末の流動資産は、730億23百万円(前連結会計年度末比30億66百万円増)となりました。これは、主として現金及び預金が25億36百万円減少した一方、売上債権が33億84百万円増加し、投資有価証券の償還期による科目振替に伴い有価証券が21億4百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は、293億97百万円(同7億85百万円減)となりました。これは、主としてレンタル&校正センターの着工による建設仮勘定が増加したこと、九州DCの移転新設に伴いマテハン投資を行ったこと等により有形固定資産が23億3百万円増加した一方、投資有価証券の償還及び科目振替により29億22百万円減少したこと等によるものであります。 (負債の部)当連結会計年度末の流動負債は、257億64百万円(同7億29百万円減)となりました。これは、主として未払法人税等が77百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が13億62百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、54億78百万円(同14億58百万円減)となりました。これは、主として物価上昇に伴い入居中の物流センターの原状回復費用の見積りの変更を行ったこと等により資産除去債務が4億62百万円増加した一方、長期借入金が21億22百万円減少したこと等によるものであります。 (純資産の部)当連結会計年度末の純資産は711億78百万円(同44億69百万円増)となりました。これは、主として配当金の支払いに伴い利益剰余金が46億70百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益に伴う利益剰余金が91億79百万円増加したこと等によるものであります。なお、自己株式の消却(2025年5月30日付で4,400,000株、2026年3月31日付で340,000株)に伴い、純資産の減少要因となる自己株式が63億7百万円減少(純資産増)し、利益剰余金が61億40百万円減少(純資産減)しております。 ロ.経営成績の状況当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、継続的な政府の景気支援策の効果を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外では米国の通商政策の変更や中東情勢の緊迫化、国内では円安や原油高を理由とした物価上昇が進行するなど、先行き不透明な状況が続きました。 このような事業環境のもと、当社グループでは、卸売業としてのハブ機能強化やデジタル化・省人化対応による顧客利便性の向上に加え、事業領域の拡張、急速に増加する物量に対応すべく物流キャパシティの拡大や効率的な入出荷施策の実施など、各種施策に積極的に取り組みました。 主な施策・商品データベース「SHARE-DB」上の取扱商品を1,400万点超に拡大(前期末比約160万点増)と各種販売チャネルへの展開・サプライヤーとの間で在庫データの連携を推進しWEB上に開示する在庫を約1,800億円分まで拡大(前期 末比約150億円増) ・集中購買システム「ocean」接続先を643社に拡大(前期末比212社増、うちメディカルユーザー122社)・販売店支援型ECシステム「Wave」へのユーザー登録数を23,965に拡大(前期末比2,933増)・九州DCを福岡県古賀市へ移転新設、延床面積を2,560坪に拡張し新設備導入(延床面積従来比2.6倍)・新たな検索エンジン「AXEL2.0」をリリースし、サイト検索性を大幅改善 この結果、連結売上高は16期連続増収の1,106億98百万円(前期比6.7%増)となりました。 <中期経営計画「FY2025-27」における主要売上施策の進捗状況>中期経営計画で掲げる重点売上施策は以下のとおりとなりました。(チャネル軸) 2025年度の期初目標(百万円)前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)前期比(%)期初目標比(%)eコマース 39,43233,92638,259112.897.0 eコマースにつきましては、売上高は382億59百万円(同12.8%増)となりました。ネット通販事業者向けや「AXEL Shop」等のオープンサイト系ECチャネルでは、前年第1四半期に特殊要因により高い伸張を示した一部チャネルでの反動減やネット通販事業者のランサムウェア被害の影響が見られたものの、掲載商品の拡大や各種施策の実施等により、売上高は189億15百万円(同14.4%増)となりました。また、大手ユーザー向け集中購買システム「ocean」や販売店支援型ECシステム「Wave」といったクローズドサイト系ECチャネルでは、掲載商品の拡大、新規アカウントの増加及び既存ユーザーに対する利用拡大の提案活動等により、売上高は193億43百万円(同11.2%増)となりました。 (プロダクト軸) 2025年度の期初目標(百万円)前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)前期比(%)期初目標比(%)サービス4,2674,0043,92298.091.9WEB単独品※23,87019,86522,530113.494.4オリジナル品35,77733,44635,721106.899.8 ※取扱商品のうち紙面カタログに掲載しているものを除いた、WEB上単独で紹介しているロングテール商品群です。 サービスにつきましては、レンタルが売上高7億22百万円(同13.8%増)、機器の精度を確認する校正サービスが売上高14億74百万円(同4.2%増)と伸長しました。WEB単独品については試薬、素材、電子材料等のラインナップを増やし、売上高225億30百万円(同13.4%増)と堅調に推移しました。また、オリジナル品については、有名メーカーとのダブルブランドOEM品の投入等での品揃え強化と販促を図り、売上高は357億21百万円(同6.8%増)となりました。 (ご参考)現中期経営計画における重点施策ではありませんが、継続性の観点から記載するものです。 2025年度の期初目標(百万円)前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)前期比(%)期初目標比(%)海外事業 ※6,2195,6096,503115.9104.6 ※海外事業の約6割は中国現地法人の売上ですが、同法人事業年度が1~12月のため、連結会計年度には現地における1~12月の売上高を連結しております。 収益性については、ロングテール商品や輸入品の粗利率の改善などの取り組みの結果、売上総利益率は30.2%と前年並みを維持し、売上総利益額は前年を上回りました。 販売費及び一般管理費は206億27百万円(同4.6%増)となりました。九州DC移転新設に伴う開設費用及び倉庫賃借料の増加、賃上げ及び積極的な人材採用により人件費が増加した一方、物流関連のデータ分析等諸施策により運賃及び倉庫作業料の増加を抑制できたこと、カタログ制作費の抑制で広告宣伝費が減少したこと等により、売上高販管費率は18.6%と前年同期と比べ0.4ポイント低減することができました。 以上の結果、連結各利益は以下のとおり、それぞれ過去最高を更新しました。 ・営業利益:128億38百万円(同10.7%増) ・経常利益:132億28百万円(同9.6%増) ・親会社株主に帰属する当期純利益:91億79百万円(同11.5%増) 年間配当金につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益より特別損益の影響を除いた額を基準として基準額の50%以上を配当する方針を踏まえ、15期連続増配となる65円(中間配当金31円、期末配当金34円)といたしました。また、当連結会計年度中には403,900株(約10億円)の自己株式の取得を実施し、併せて4,740,000株の自己株式の消却を実施しました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、投資活動による資金支出及び財務活動による資金支出が営業活動による資金収入を上回り、前連結会計年度末に比べ40億40百万円減少し、149億90百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、64億69百万円の資金収入で、前連結会計年度に比べ収入が28億42百万円減少しました。主として、税金等調整前当期純利益が13億56百万円増加したこと、棚卸資産の増加額が5億11百万円減少したことにより収入が増加した一方、売上債権の増減額45億26百万円と、法人税等の支払額の増加(8億19百万円)により収入が減少しております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、24億74百万円の資金支出(前連結会計年度は8億50百万円の資金収入)となりました。この支出の増加は、主として定期預金の預入・払戻の収支により17億37百万円、有形・無形の固定資産の取得により9億63百万円それぞれ支出が増加したこと、投資有価証券の償還・取得の収支により3億88百万円収入が減少したこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、80億55百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ支出が73億96百万円増加しました。この支出の増加は、主として長期借入金の返済・借入の収支により60億19百万円、自己株式の取得により12億52百万円それぞれ支出が増加したこと等によるものであります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)68.765.567.366.569.4時価ベースの自己資本比率(%)281.7208.3198.5165.8153.4キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.40.90.60.80.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)3,033.12,532.61,379.72,258.1163.7 a.各指標の算出方法は以下のとおりであります。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払いb.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。c.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(期末自己株式数控除後)により算出しております。d.営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。e.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。f.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。 ③生産、受注及び販売の状況当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。売上高における生産実績、部門別販売実績、品目別販売実績は以下のとおりです。 イ.生産実績当連結会計年度の生産実績は、無塵化洗浄加工商品及びプラスチック容器の生産実績であり、10億53百万円(前期比18.5%増)となりました。 ロ.受注実績当社グループの事業内容は、当日出荷を基本とする事業の性格上、受注実績と販売実績に特筆すべき差が生じないため、当該記載を省略しております。 ハ.部門別販売実績当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。 部門前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)前期比(%)計画比(%)ラボ・インダストリー部門86,06793,185108.3101.0 ラボラトリー分野63,88869,387108.6101.7 インダストリー分野22,17823,798107.399.1メディカル部門17,09316,92599.0105.3その他59158799.3102.6合計103,751110,698106.7101.7 (注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。 a.ラボ・インダストリー部門大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、トランプ関税の影響を見極めようとする輸出企業を中心に研究開発投資を手控える傾向が見られたことから、期初予算に対してやや弱含みのスタートとなりました。一方、日米関税交渉が合意に至り、3月決算企業による今期業績見通しの上方修正が相次いだ秋ごろより企業の購買活動が活発化し、ネット通販事業者向けECの伸長や期末に多い高額機器類の順調な販売も手伝い、好調に推移しました。その結果、当分野の売上高は693億87百万円(同8.6%増)となりました。 製造現場等を対象とするインダストリー分野では、日本各地に半導体工場が建設されていることも追い風となり、クリーンルーム消耗品・備品、電材用品、衛生管理用品、計測・測定機器等多方面で売上が伸長し、当分野の売上高は237億98百万円(同7.3%増)となりました。以上の結果から、当部門の売上高合計は931億85百万円(同8.3%増)となりました。 b.メディカル部門医療機関や介護施設等を対象とするメディカル部門では、資材や光熱費の高騰、医師の働き方改革による人件費の増加など医療を取り巻く厳しい経営環境を背景に、病院を中心に経費節減・購買抑制の動きから特に備品等の耐久品の引き合いの軟化傾向が続きました。一方、消耗品類を中心とする単価の低い商材の動きは昨年秋ごろより前年を上回って推移し、中東情勢が緊迫化した以降は、手袋類をはじめとするプラスチック系の消耗品を中心に受注が急増しました。こうした状況の中、新規開業を行う病院やクリニックに対する営業活動、購買及び在庫管理の効率化に向けた商品・仕組みの提案、再生医療向けのCPC(細胞培養加工施設)施工案件の受注活動にも注力した結果、当部門の売上高は169億25百万円(同1.0%減)となりました。 c.その他連結対象会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスやシステム提供を行っております。一部製薬会社の購買抑制の影響を受けた結果、システム利用料を中心とする当部門の売上高は5億87百万円(同0.7%減)となりました。 ニ.品目別販売実績当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。品目前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)前期比(%)科学機器・装置 汎用科学機器・装置11,12211,476103.1 分析、特殊機器・装置20,83422,942110.1 物理、物性測定機器・装置5,8936,353107.8 実験用設備機器14,65315,879108.4 小計52,50456,650107.9科学器具・消耗品 汎用器具・消耗品24,49826,323107.5 半導体関係特殊器具9,73610,270105.5 小計34,23536,593106.9看護・介護用品16,42116,865102.7その他59158799.3合計103,751110,698106.7 (注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.当社グループの当連結会計年度の経営成績当社グループの当連結会計年度の経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、ラボ・インダストリー部門が前期比8.3%増、メディカル部門が1.0%減で推移し、連結売上高は同6.7%増の1,106億98百万円と16期連続の増収を達成いたしました。また、増収と販売費及び一般管理費の抑制により、営業利益128億38百万円(同10.7%増)、経常利益132億28百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91億79百万円(同11.5%増)と、過去最高益を更新しました。 b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因ラボ・インダストリー部門においては、大学や公的研究機関における研究開発予算の動向や、民間企業の研究開発投資・設備投資および生産活動の状況など、景況の変化や政策動向の影響を受けます。また、我が国における人口動態の変化により、研究開発の担い手不足や国内製造業の生産活動の縮小が生じた場合、当社の売上に影響を及ぼす可能性があります。 一方で、当社グループは、膨大な品揃え、バラ売り、当日発送、システム連携およびEC連携等を通じて、顧客の購買業務の効率化・高度化に資する仕組みを提供しており、DX推進やリモート化の進展を背景に、その利用価値は一層高まっております。特に、研究機器分野における幅広い商品ラインナップと物流機能、IT基盤を融合した当社のビジネスモデルは競争優位性を有しており、eコマース型集中購買システム「ocean」および販売店向けEC支援システム「Wave」の利用拡大を通じて、顧客のウォレットシェア向上に寄与しております。こうしたDXソリューションの提供は、景気変動下においても顧客の業務効率化ニーズに応えることで、当社事業の安定性および成長性の両面に資するものと考えております。 また、当社グループは米国への直接輸出の比率が低く、通商政策による直接的な影響は限定的であるものの、国際情勢の変化や貿易摩擦等により国内製造業の業績が悪化した場合には、インダストリー分野を中心に間接的な需要減退の影響を受ける可能性があります。他方、研究開発需要は大学・公的機関および民間企業双方に支えられており、景気変動の影響を比較的受けにくい側面を有することから、ラボラトリー分野はインダストリー分野に比して影響が相対的に限定される傾向にあります。 メディカル部門においては、医師の働き方改革に伴う残業規制、人手不足や地域偏在、ならびに国民医療費の抑制を背景とした診療報酬・薬価の改定等の政策動向により、医療機関の経営環境は厳しさを増しております。これらの要因により医療機関の設備投資や物品調達が抑制された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、高齢化の進展に伴い医療関連需要は中長期的に拡大が見込まれることに加え、医療機関における業務効率化ニーズの高まりを背景として、当社が提供する集中購買システムや在庫管理機能の付加価値は一層高まるものと認識しております。 以上のとおり、当社グループは外部環境の変化に伴うリスクに晒されているものの、DXを活用した購買ソリューションの提供や事業領域の拡大を通じて、リスクの低減と成長機会の取り込みに努めております。 なお、上記のほか、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。 c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等当社グループは中期経営計画「FY2025-27」を公表しており、売上高、営業利益率、ROEの3項目を指標目標としております。同計画(2025年4月~2028年3月)の初年度である当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の達成状況は以下のとおりです。 中期経営計画期間(2025年4月~2028年3月)の達成状況指標中期経営計画当連結会計年度(実績)売上高1,300億円1,106億円営業利益148億円128億円営業利益率11.4%11.6%ROE13.0%以上13.3% 売上高は前年比6.7%増、営業利益は同10.7%増となりました。また、ROEは中期経営計画目標を上回りました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度においては、建物、物流設備、情報機器、レンタル品及びソフトウエア等の設備投資に27億円支出し、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の配当方針の下、前連結会計年度の期末配当金及び当連結会計年度の中間配当金の支払として46億円支出し、長期借入金24億円を返済しました。これらの資金は、営業キャッシュ・フロー64億円により賄い、現金及び現金同等物の期末残高は149億円で、前連結会計年度末比40億円減少しました。 b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報機器や物流機器等の設備投資、システム投資、M&A等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要と考えております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は48億円、現金及び預金の残高は200億円となっております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、以下の事象については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。 ・繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積もっております。将来において、課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
事業リスク
- 取引先依存のリスク: アズワンの事業は、約13,000拠点の販売店と約4,800社のサプライヤーとの協力関係に支えられています。これらの取引先の経営状況が悪化したり、協力が得られなくなったりすると、販売機会の損失や商品調達の支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 競合激化のリスク: 理化学機器や医療用品の卸売業界は、多数のメーカーや商社が激しい競争を繰り広げています。競合他社が価格やサービスで優位に立つ新たなサービスを提供した場合、アズワンの提供価値が相対的に低下し、業績に影響を与える可能性があります。
- eコマース推進のリスク: eコマースは成長の牽引役ですが、通信技術の革新や顧客の購買習慣の変化により、価格競争に巻き込まれたり、より便利な流通システムが登場したりする可能性があります。これに迅速に対応できない場合、アズワンの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。各リスクについて、影響度と発生頻度をそれぞれ3段階で評価しています。また、影響度は、当社グループが定めた基準により、財務、人命・健康、人的資本、物的資本、評判(レピュテーション)の観点から評価を行っています。ただし、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、数値は特に断りがない限り当連結会計年度末現在のものです。 また、当社グループは、リスクを「収益や損失に影響を与える不確実性」と捉えています。リスクを「脅威」として捉えるだけでなく、「機会」としての側面からも捉えた上で、リスク管理を行っています。外部環境に関するリスクについては「機会」の重要性が高いため、その内容についても記載しています。 区分No.項目具体的な内容発生頻度・可能性影響外部環境1人口動態の変化リスク少子高齢化、学生・研究者や若年労働者の減少高中機会高齢者の増加による医療マーケットの拡大2市況の変化リスク金利・為替・株式・原材料市場の変動高中機会金融機能や在庫機能の価値上昇3景況の変化リスク研究開発投資や設備投資の変動、生産拠点の操業度の変動高中機会多様な商品、サービス4国際情勢の変化リスク武力紛争、テロ、貿易摩擦、安全保障(中東情勢、台湾有事)中大機会サプライチェーンの強靭性5政策・法規制の変化リスク事業にかかる法規制の変更、科研費や医療費に関する政策変更低中機会政府によるサポート6顧客ニーズの変化リスク商品に関する志向の変化、購買方法や仕組みの変化大大機会レンタル、購買・在庫管理業務の効率化7気候変動リスク環境規制の導入およびコストアップ、顧客の行動変容高中機会顧客志向の変化、効率的なオペレーション8自然災害リスク地震、台風、津波、パンデミック、停電、火災低大機会防災・災害対策市場の拡大業務プロセス9情報セキュリティウィルス感染、顧客情報の漏洩、商品データベースの流出低大10システム障害基幹システム・EC系システム・物流システムの停止中中11物流センターの操業マテハンの故障、スタッフの確保、物流センターのパフォーマンス低下低大12サプライチェーンの寸断サプライヤーの罹災・倒産、物流ネットワークの寸断、原材料の調達難中中13品質不良・低下クレーム、製品回収、品質に起因する事故低小14業務のDX化非効率な業務運営、低い業務パフォーマンス中大15取引先管理回収遅延の発生、取引先の不正・不作為、不利な契約低小内部環境16コンプライアンス取引関係の法令違反、インサイダー取引、訴訟低中17人財確保人財流出、採用難、人財育成の遅れ、人事・報酬制度の不備、ハラスメント中中18情報開示誤った情報開示、不適切な広報活動低小19投資投資判断の失敗、投資先の価値低下、投資先の不祥事、撤退判断の遅れ中中20ガバナンス、内部管理社内不祥事、機能不全、管理不備、贈収賄、不正・犯罪低中 (1)リスク管理体制 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」をご参照ください。 (2)リスクマッピング (3)リスク・機会の詳細と対応策a.外部環境①人口動態の変化(リスク)日本における若年人口の減少が進み、大学などの教育・研究機関数の減少や研究開発の担い手不足が生じ、日本国内の研究活動が縮小した場合、ラボラトリー分野の売上に影響を及ぼす可能性があります。(ラボラトリー分野の売上高:693億円)また、若年労働者数の減少が続き、製造業の日本国内での生産活動が縮小した場合、インダストリー分野の売上に影響を及ぼす可能性があります。(インダストリー分野の売上高:237億円) 当社では、取扱商品点数を1,400万点超に拡大すると同時に、専門性の高い研究機器類の販売や、レンタルや校正などのサービス事業にも力を入れるなど、事業領域を広げることにより獲得可能な市場規模の拡大を図っています。また、様々なeコマースツールの提供を通じ、エンドユーザーの購買における利便性と効率性を高めることで、当社のウォレットシェア(ユーザーの支出に占めるシェア)を高めることを目指しています。加えて、現地法人による中国での事業や、アジア地域への輸出事業など、海外事業の強化を行っています。 (機会)日本における65歳以上の高齢者数は増加傾向にあり、ピークを迎える2040年以降も長期間にわたり3千万人以上の高い水準を維持する見込みです(令和7年版高齢社会白書)。医療介護に関連する市場規模は維持・拡大すると想定されることから、病院やクリニック向けの商材を取り扱うメディカル部門にとって追い風になると考えられます。(メディカル部門の売上高:169億円) 当社では、医療機関による物品の購買・発注管理や在庫管理の業務効率化ニーズが高まっていることから、在庫管理機能を付加した電子購買システム「Mare's」を2025年にリリースし、中小規模の病院を対象に積極的な販促を行っています。 ②市況の変化 (リスク)当社は、自社で企画開発するプライベートブランド品や自社輸入品など、多くの商品を海外から直接輸入しており、関連する商品の売上高は174億円です。また、日本国内のサプライヤーから調達する商品やその原材料・部品などの中にも、多くの輸入品が含まれています。為替レートが円安傾向で推移した場合、輸入品の円貨ベースの仕入価格が上昇し、当社の収益性が低下する可能性があります。円ドルレートが1円円安となった場合、当社の売上総利益を約4千万円押し下げる影響があると試算しています。 当社では、為替レートの変動により仕入価格が上昇した場合、原則として販売価格に転嫁する方針をとっています。また、急激な為替変動のおそれがある場合は、為替予約などのヘッジ手段の利用を適宜検討しています。 (機会)当社は、5,500社にのぼるサプライヤーと4,100社を超える販売店をつなぐ卸売ビジネスを行っており、取引を通じて売り手と買い手の双方に対し金融機能を提供しています。また、受注翌日にはお届けする物流サービスを提供することで、販売店にとっての在庫機能も果たしています。金利が上がりサプライヤーや販売店の資金調達コストが上昇した場合、当社が果たす金融機能や在庫機能の利用価値が高まり、当社を経由する流通量が増加すると考えています。 ③景況の変化 (リスク)景気変動の影響により企業の研究開発投資が減少した場合、当社のラボラトリー分野の売上に影響を及ぼす可能性があります。また、同様の理由により工場などの生産現場の稼働率が低下した場合、消耗品類の使用量が減少し、インダストリー分野の売上に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社が提供する大規模企業向け集中購買システム「ocean」の導入企業の業種は、化学、医薬品、電子部品が計60%を占めており、特にこれらの業種の動向に影響を受ける可能性があります。 当社では、研究活動が景気変動の影響を受けにくい大学や公的研究機関などへの営業活動に力を入れ、リスクの抑制に努めています。また、幅広い業種の企業に対する「ocean」導入の働きかけや、飲食事業者向けのEC購買サイト「as kitchen」を展開するなど、特定業種による影響を軽減する努力を行っています。 (機会)当社では、高品質のナショナルブランド品から価格訴求力のあるプライベートブランド品まで、品質や価格帯の異なる商品を幅広く取り扱っています。また、限られた予算の中で必要な研究開発を行いたいとのニーズに応え、分析・計測機器のレンタルサービスを展開しています。商品やサービスに多様な選択肢を設けることで、景気後退期であってもエンドユーザーの支持を維持・拡大できると考えています。 ④国際情勢の変化 (リスク)当社は、世界33か国から幅広く商品を調達しています。武力衝突や貿易摩擦などの国際紛争が発生した場合、当該地域からの商品の輸入や特定の原材料の確保に支障が生じ、当社の調達活動に影響を及ぼす可能性があります。現に、2026年2月末に始まった米国とイランの軍事衝突では、イランによるホルムズ海峡の封鎖により、ナフサを原料とするプラスチック製品や合成ゴム製品の調達が世界的に不安定となっています。なお、海外の地域別調達額では、最も金額が大きいのは中国(30億円)、次いで東南アジア地域(22億円)となっています。 当社では、有事の際に調達が滞るリスクを低減するため、調達地域の分散に取り組んでいます。また、特定のサプライヤーに調達を依存することがないよう、同様の商品においても複数サプライヤーからの調達ルートを確保する努力を行っています。 (機会)当社では、国内外に5,500社を超えるサプライヤーとのネットワークを構築すると同時に、世界各国で行われる主要な展示会や商談会を視察するなど常に新しいサプライヤーの開拓を行っています。また、ヨーロッパ地域のサプライヤーから競争力ある価格で調達を可能にする協同組合(Lab Logistics Group GmbH)に日本から唯一参加しています。こうした広範かつ複線化された強靭なサプライチェーンは、有事の際には相対的な強みとして取引先の信頼につながり、当社のプレゼンスが高まることに寄与すると考えています。 ⑤政策・法規制の変化 (リスク)研究開発に関わる様々な活動の一部は、研究開発科学研究費助成事業(科研費)などの公費で賄われています。従って、活動を支える研究開発予算は、国の科学技術政策等の動向に左右されます。また、医療機関による投資や購買行動は、国が決定する診療報酬や各種補助事業の動向に大きく影響を受けています。国の政策変更に伴い、研究開発や医療に配分される予算額が減少した場合や、予算措置が講じられる分野が変更された場合、当社事業に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、研究開発や医療に関する政策の動向について営業企画部門および商品企画部門にて情報収集を行い、その動向を営業施策や商品開発に反映しています。また、当社の事業は、薬機法、建設業法、製造物責任法、電気用品安全法、食品衛生法、毒物及び劇物取締法、貨物利用運送事業法、倉庫業法、中小受託取引適正化法など様々な法規制の適用を受けています。そのため、これらの法規制が変更または新設された場合、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、法務部門および各事業部門において、法規制の動向などに関する情報収集および社内周知を適宜行うと同時に、定期的に顧問法律事務所との情報交換を行っています。 (機会)2026年3月に閣議決定された第7期「科学技術・イノベーション基本計画」(5か年)においては、基礎研究への投資拡充の方向性が示されました。また、2025年11月に閣議決定された「総合経済対策」の中では、17の戦略分野が決められるなど、国際競争力を高めることを目的として研究開発投資に対する国の関与が強化されています。加えて、医療機関の経営改善を目的とした様々な予算措置が講じられるなど、医療分野においても国の後押しが進んでいます。このような政策的なサポートは、当社が主力とする研究開発や医療に関連する事業の下支えとなり、当社の事業環境を後押しするものと考えています。 ⑥顧客ニーズの変化 (リスク)当社は、研究開発や産業、医療の分野を主たる事業領域としており、当社が取り扱う商品の最終消費者であるエンドユーザーは、民間企業や大学、公的研究機関、医療機関、介護施設などです。当社が取り扱う商品は購買頻度の高い消耗品類が多いため、eコマースの導入によりエンドユーザーの購買に伴う業務負荷を軽減することで評価を獲得し、事業を成長させてきました。今後、商品に対する顧客の志向や、消耗品類の購入方法に関する顧客の志向に変化が生じた場合、当社が取り扱う商品や当社が提供するeコマースツールの強みが失われ、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、エンドユーザーのニーズや市場のトレンドの動向に日頃から目を配り、新しい商品の取扱いやプライベートブランド商品の開発に活かしています。また、eコマースツールの機能性に関しては、エンドユーザーが求める機能を適宜追加し、検索エンジンの刷新により検索スピードや検索性を改善するなど、ユーザビリティの向上に努めています。 (機会)研究分野で使用される機器類の領域において、「所有から利用へ」の変化が進んでいます。当社は、2018年よりレンタル機器事業を本格化させ、サービスの認知度を高めるための取り組みを行っています。また、2026年末頃の稼働に向け、新しいレンタル&校正センターの建設を進めています。既存のセンターに比べ延床面積は3.3倍となり、レンタルや校正、点検や修理など総合的なサービス事業の拠点とする予定です。当社では、顧客ニーズの変化を踏まえ、既存事業の枠にとらわれることなく新しいビジネスの開発に取り組んでいます。 ⑦気候変動 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」をご参照ください。 ⑧自然災害「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」をご参照ください。 b.業務プロセス ⑨情報セキュリティ当社は、受発注や倉庫管理など卸売業としての基本的業務に加え、サプライヤーや販売店との間の様々な情報連携や各種eコマースツールの開発・運用など、業界の中で先んじてシステム化に取り組み効率的なオペレーションを強みとしてきました。当社の業務システムがコンピューターウィルスやマルウェア等に感染した場合、システム復旧までの間は事業活動の一部または全部が停止を余儀なくされる可能性があります。また、感染により個人情報を含む機密情報や当社の商品データベースが棄損または流出した場合、補償費用の発生や競争力の低下につながる可能性があります。当社は、複数のシステムベンダーの協力のもと、ゼロトラストを前提とした様々なセキュリティ対策を講じています。また、全社的なBCP対応についても検討を進めています。 ⑩システム障害当社は、様々な業務オペレーションをシステム化し効率化を図っていますが、これらのシステムは基幹システムを中心として複雑に連携しています。何らかの理由により特定のシステムに障害が発生した場合、その影響が業務の広範囲に波及し、復旧までの間は事業活動の一部または全部が停止する可能性があります。 当社では、各種システムに対して定期的な保守メンテナンスを実施することによりパフォーマンスを維持しています。また、バックアップの確保などにより、システムに不具合が発生した場合でも、早期に復旧作業に移行できるよう体制を整備しています。 ⑪物流センターの操業当社では、連結売上高の80%を全国5か所の物流センターからの出荷により賄っています。物流センターのパフォーマンスである効率的な入出荷は、マテリアルハンドリング機器の稼働、作業スタッフの業務習熟、配送業者との連携、物流システムの安定稼働など、様々な要素の積み重ねにより実現しています。何らかの理由により物流センターの操業が停止し、出荷に支障をきたした場合、復旧までの間は当社の事業活動の一部または全部が停止する可能性があります。 当社では、マテリアルハンドリング機器の定期的な保守点検や部品交換を行い、常に最良のパフォーマンスを発揮できるようコンディションを維持しています。加えて、機器に不具合が出た場合に備え、メーカーとのサービス契約を締結し迅速に復旧できる体制を敷いています。また、物流センターで働くスタッフは、OJTによるスキルアップ、日々の徹底した情報共有により、高い作業効率を維持しています。 なお、万一、何らかの理由により物流センターの操業が長期間停止する事態となった場合は、他の物流センターからの振り替え輸送の実施や、サプライヤーからユーザーへの直接配送に切り替えるなどの対応を準備しています。 ⑫サプライチェーンの寸断当社は、国内外5,500社におよぶ幅広いサプライヤーとの取引ネットワークを構築し、多種多様な商品を競争力ある条件で調達しています。また、サプライヤーから当社の物流センターまでの運搬手段は、飛行機や船舶、鉄道、トラックなど多岐にわたります。何らかの理由により、サプライヤーが行う原材料や商品の調達に支障が発生した場合や、サプライヤーから当社までの物流経路において障害が発生した場合、当社の商品調達に滞りが生じ、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、特定の地域や国のサプライヤーに依存することのないよう、同様の商品についても複数のサプライヤーからの調達ルートを確保するよう努めています。また、何らかの理由により特定商品の調達に支障をきたした場合でも、すぐに他の調達ルートへの切り替えができるよう多くのサプライヤーとの間で関係構築を進めています。 ⑬品質不良・低下当社の連結売上高の32%を占めるオリジナル品においては、商品の開発段階から当社が主体的に関与しています。当社のオリジナル品の品質に問題のあることが判明した場合や、品質に起因する事故が発生した場合、商品の回収や補償にかかる費用の発生や当社オリジナル品に対する信頼の低下が生じ、当社事業に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、品質保証部門が品質マネジメントシステム(QMS)に基づき商品検査やサプライヤー評価・指導を実施し、社内定例会の中で品質課題を管理しています。オリジナル品のサプライヤーのうち取引金額の大きな先を重点サプライヤーと位置づけ、モニタリングによる品質改善に取り組むことでリスクの低減に努めています。 ⑭業務のDX化当社では、サプライヤーや販売店との間において、価格および納期の問い合わせや受発注などへの対応業務が日々大量に発生しています。また、当社WEBサイト向けの商品情報の収集や登録、コンテンツ制作など、工数のかかる業務が多数存在しています。現在、こうした業務の多くをシステム化やRPAの利用、AIの活用などにより省力化、効率化を図っていますが、DXに関する技術は日進月歩です。当社が業務のDX化に対応できなかった場合、業務の効率化が進まず高コスト体質となり、結果として競争優位性を失う可能性があります。当社では、毎年7億円程度のIT投資予算を確保し、サーバー等のDX基盤の強化および様々な業務アプリケーションの開発を継続的に行うことで、業務の効率化に注力しています。 ⑮取引先管理当社では、4,100社におよぶ販売店との取引関係を有しており、その取引のほとんどは掛け売りとしています。何らかの理由により多額の売掛金が回収不能となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、販売店ごとに与信枠を設定するなど、様々な方策を講じて売掛金の延滞リスクを軽減しています。また、営業部門が販売店との間で常日頃よりコミュニケーションを図り、取引先の情報収集に努めています。 c.内部環境 ⑯コンプライアンス当社が、事業活動において関係する法令等に違反した場合、課徴金等の直接的なペナルティだけでなく、取引先による取引停止処分などにつながり、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、法務部門および事業部門が中心となり法規制等に関する情報収集を行い、社内周知を図っています。また、顧問契約を締結する法律事務所の指導を都度仰ぐなど、法令等の遵守に努めています。 ⑰人財確保当社は16期連続で増収を達成するなど、長期間にわたり事業成長を続けています。その間、人財の採用および育成に注力するのと同時に、人財の多様性を実現するため、柔軟な働き方を可能とする人事制度改革を行うなど、優秀な人財の確保に力を入れてきました。一方、団塊ジュニア世代の退職を控え、業界を問わず優秀な人財の獲得競争は激しさを増しています。何らかの理由により当社から人財が流出した場合、当社の競争力に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、魅力あふれる人財の確保を経営の最優先事項とし、多様性のある人財の採用、人事ローテーションや研修など人財育成プログラムの制定、オフィス環境の整備や多様な働き方への対応、やる気を促す人事体系やインセンティブ制度の設計など、様々な人事制度改革を行っています。また、全従業員を対象とした四半期ごとに実施するエンゲージメントサーベイを通じて、従業員一人ひとりに寄り添った対応を行い、各人が高いモチベーションを持って業務に臨むことができるよう必要な手立てを講じています。 ⑱情報開示サプライヤーや販売店、エンドユーザーに対する当社取扱商品やサービスに関する情報、株主や投資家に対する経営計画や決算等に関する情報、従業員や地域社会などステークホルダー全般に対する関連情報など、当社が開示すべき情報は多岐にわたります。開示する情報が虚偽または不十分な場合や、開示の時期や方法が不適切であった場合には、当社に対するステークホルダーの信頼が失われ、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社は、様々な情報を適時適切に開示することはもちろん、多様なステークホルダーとのコミュニケーションを積極的に行い、相互理解を深めるよう努めています。 ⑲投資当社は、事業の成長に合わせて様々な投資活動を行っています。その中でも、物流センターやITシステムへの 投資は金額規模も大きく、投資のパフォーマンスは当社事業の成長に必要不可欠な要素です。また、当社が有していない様々なリソースを外部より獲得することを目的として、M&Aや出資などの投資も積極的に行う方針です。こうした投資が意図した成果に結びつかない場合、事業成長のボトルネックとなり、減損損失や評価損失の発生につながるなど、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、重要な投資案件の最終決裁は取締役会で行いますが、CEO、CIO、CFOをメンバーとする投資委員会において事前の審査を行っています。投資採算性に加え、社会的な意義など定性的な内容を含め総合的に判断を行うことで、投資リスクの軽減を図っています。 ⑳ガバナンス、内部管理当社グループにおいて、ガバナンスや内部管理の十分性が疑われるような事態が生じた場合、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、全社的な意識啓発や各種規程の整備、内部監査部門による定期的なモニタリングを実施し、内部統制の維持・向上を図っています。また、金融商品取引法に基づく「財務報告に係る内部統制告制度(J-SOX)」に対応し、業務プロセスの可視化と評価を継続的に行うことで、統制上の不備の早期発見および是正に努めています。