7550

ゼンショーホールディングス(7550)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

小売業 小売

事業の概要

  • 多角的なフード事業展開
    ゼンショーホールディングスは、牛丼の「すき家」や回転寿司の「はま寿司」といった外食チェーンを国内外で直営展開しています。さらに、スーパーマーケット経営や冷凍食品の製造・販売、介護事業など、食に関連する幅広い事業を手掛けており、多様な収益源を持っています。
  • グローバルな事業拡大
    日本国内だけでなく、中国、東南アジア、中南米、欧米など世界各地で事業を展開しています。特に「すき家」や「はま寿司」は海外でも直営店を増やしており、グローバル市場での成長を目指しています。
  • MMDシステムによる効率化
    メニュー開発から食材の調達、製造・加工、物流、販売までを一貫して自社で管理する「MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)」を構築しています。これにより、安全で質の高い商品を低価格で提供し、コスト効率を高めることで収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • グローバルすき家セグメント
    牛丼チェーン「すき家」を日本国内と中国、東南アジア、中南米で直営展開しており、グループ売上シェアの24.9%を占める主要な稼ぎ頭です。家族連れなど幅広い客層に手軽な価格で牛丼を提供し、2957.57億円の売上と245.08億円の営業利益を上げています。
  • グローバルはま寿司セグメント
    寿司チェーン「はま寿司」を日本国内と中国などで直営展開しており、グループ売上シェアの25.3%と最も高い割合を占める事業です。新鮮な寿司に加え、麺類やデザートも充実させ、2484.95億円の売上と213.52億円の営業利益を計上しています。
  • グローバルファストフードセグメント
    親子丼・うどんの「なか卯」、ハンバーガーの「ゼッテリア」、ラーメンの「伝丸」など、多様なファストフードブランドを国内外で展開しています。グループ売上シェアは8.9%ですが、3141.25億円の売上と291.5億円の営業利益を上げており、収益性の高い事業群です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
GlobalSukiyaReportableSegment 事業 2,958 245 8.3%
GlobalHamazushiReportableSegment 地域 2,485 214 8.6%
GlobalFastfoodReportableSegment 事業 3,141 292 9.3%
RestaurantReportableSegment 事業 1,561 114 7.3%
RetailReportableSegment 事業 760 -18 -2.4%
HeadofficeAndSupportReportableSegment 事業 49 -74 -151.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,080 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び関係会社 174社の計175社により構成されており、フード業の経営を幅広く行っております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 (1) グローバルすき家セグメント(グループ売上シェア:24.9%)㈱すき家及び泉盛餐飲(上海)有限公司、台湾善商股份有限公司やZENSHO (THAILAND) CO., LTD.、ZENSHO DO BRASIL COMERCIO DE ALIMENTOS LTDA等の海外子会社は、日本国内と中国、東南アジア及び中南米で牛丼チェーンの「すき家」を直営展開しており、ご家族やグループなど幅広いお客様に、主力の牛丼を中心に安全で美味しい商品を手軽な価格で提供しております。 (2) グローバルはま寿司セグメント(グループ売上シェア:25.3%)㈱はま寿司及び泉盛餐飲(上海)有限公司や台湾善商股份有限公司等の海外子会社は、日本国内と中国等で寿司チェーンの「はま寿司」を直営展開しており、新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させており、お子様から大人まで楽しんでいただいております。 (3) グローバル中食セグメント(グループ売上シェア:17.6%)Advanced Fresh Concepts Corp. の「AFC」、「ZENSHI」等やSushi Circle Gastronomie GmbHの「sushicircle」等やWonderfield TopCo Limitedの「SNOWFOX」、「Bento」、「Taiko」、「YO!」「SNOWFRUIT」等は、欧米を中心にテイクアウト寿司店等を直営及びFCで展開しております。 (4) グローバルファストフードセグメント(グループ売上シェア:8.9%)㈱なか卯は、親子丼・京風うどんの「なか卯」を直営及びFCで展開しております。㈱バーガー・ワンは、ハンバーガーチェーンの「ゼッテリア」等を中心に直営及びFCで展開しております。㈱エイ・ダイニングでは、ラーメン専門店の「伝丸」等を関東中心に直営展開しております。㈱かつ庵は、とんかつ専門店の「かつ庵」を関東・中部中心に直営展開しております。㈱久兵衛屋は、武蔵野うどん・天ぷら・しゃぶしゃぶの「久兵衛屋」を関東中心に直営展開しております。TCRS Restaurants Sdn.Bhd.は、チキンライス専門店の「The Chicken Rice Shop」等をマレーシアで直営展開しております。 (5) レストランセグメント(グループ売上シェア:13.6%)㈱ココスジャパンでは、ファミリーレストランの「ココス」等を全国に直営及びFCで展開しております。㈱ビッグボーイジャパンでは、ハンバーグ&ステーキレストランを直営展開しております。関東・関西・東北中心に「ビッグボーイ」等、北海道で「ヴィクトリアステーション」を展開しております。㈱ジョリーパスタでは、パスタ専門店の「ジョリーパスタ」等を関東・関西中心に直営展開しております。㈱TAG-1では、焼肉レストランの「熟成焼肉いちばん」等を関東・関西中心に直営展開しております。㈱オリーブの丘では、本格的なイタリア料理専門の「オリーブの丘」を関東で直営展開しております。㈱華屋与兵衛では、和食レストランの「華屋与兵衛」を関東で直営展開しております。 (6) 小売セグメント(グループ売上シェア:6.1%) ㈱ジョイマートは、スーパーマーケット経営を行っております。 ㈱ユナイテッドベジーズは、青果の販売を主な事業としております。 (7) 本社・サポートセグメント(グループ売上シェア:0.8%) ㈱GFFは、食品の製造・加工を主な事業としております。 ㈱ゼンショー商事は、食材の仕入・販売を主な事業としております。 ㈱グローバルフレッシュサプライは、物流機能/食材の全国配送を主な事業としております。 ㈱テクノ建設は、店舗設備・メンテナンスを主な事業としております。 ㈱グローバルテーブルサプライは、備品・ユニフォーム等の調達/販売を主な事業としております。 (8) その他(グループ売上シェア:2.8%) その他の事業は、主として外販製造卸売事業、介護事業及び畜産水産事業であります。 ㈱トロナジャパンは、家庭用冷凍食品等の販売を行っております。 ㈱サンビシは、醤油やドレッシングなどの製造・販売を行っております。 ㈱輝は、介護事業を運営しております。 ㈱ゼンショーライスは、玄米・精米の販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
手軽な価格で提供しており、競合店状況を考慮した出店政策を行っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「すき家」「はま寿司」「なか卯」「ロッテリア」など多数のブランドを国内外で展開。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:食品の安全に関わる問題発生 / 自然災害及びパンデミックの発生 / 出店計画の変更や不採算店舗の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ゼンショーHDは「すき家」「はま寿司」「ココス」など、多数の強力なブランドポートフォリオを保有。特に「すき家」は長年の歴史と認知度を持ち、一定のブランドロイヤリティを築いている。しかし、競合他社も同様にブランド戦略を展開しており、圧倒的なブランド力による独占的地位とは言い難い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

外食産業における顧客のスイッチング・コストは一般的に低い。ゼンショーHDの各ブランドは、価格帯やメニューの多様性で顧客を引きつけているが、特定のブランドに固定されるほどの強いスイッチング・コストは発生しにくい。ポイントプログラムや会員特典はあるものの、競合他社も同様の施策を行っている。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ゼンショーHDのビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果を生まない。店舗網の拡大やメニューの改善は顧客体験向上に寄与するが、ユーザーが増えることでサービスの価値が指数関数的に高まるような構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

ゼンショーHDは、スケールメリットを活かした仕入れ・物流網の効率化、セントラルキッチンの活用、標準化されたオペレーションにより、コスト競争力を維持している。特に「すき家」のような高回転率の業態では、規模の経済によるコスト優位性が発揮されやすい。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

ゼンショーHDは、国内外に多数の店舗を展開する世界最大級のフードサービス企業。特に日本国内においては、「すき家」「はま寿司」などの主要ブランドで圧倒的な店舗網と市場シェアを有しており、規模の経済による効率性と市場への影響力は大きい。この規模は新規参入障壁となり得る。

  • 多様なブランド展開
    牛丼、寿司、ファミリーレストラン、ファストフードなど、多岐にわたる飲食ブランドを展開しているため、顧客の多様なニーズに対応できます。これにより、特定の市場変動に左右されにくい安定した収益基盤を築いています。
  • グローバルな調達・供給網
    MMDシステムを通じて、世界中から食材を調達し、製造・加工から物流までを一貫して管理しています。これにより、品質の安定化とコスト削減を実現し、他社に対する競争優位性を確立しています。
  • 規模の経済性
    国内外に多数の店舗を展開し、食材の大量調達や効率的な物流システムを構築することで、規模の経済性を享受しています。これにより、低価格での商品提供を可能にし、顧客吸引力を高めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 食の安全性の追求
    お客様に安全な食を提供することを最重要課題とし、Codex基準に基づいた自社基準を設定しています。調達から販売までのフードチェーン全体で食品安全マネジメントを徹底し、理化学分析室や微生物検査室での検査を通じて安全性を保証しています。
  • MMDシステムの進化と海外展開
    MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)をさらに進化させ、安全性確保と業績向上を目指しています。特に海外出店を加速させる中で、海外拠点での調達網を強化し、食材の安全性向上とコスト改善を図ることで、グローバルな事業拡大を支えます。
  • ブランドの進化と人財育成
    お客様の多様なニーズに対応するため、商品、サービス、顧客体験のあらゆる面でブランドの進化に努めています。また、企業の持続的成長のため、理念に共感する優秀な人財の採用と育成に力を入れ、多様な働き方を推進することで従業員の能力向上と定着を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という創業当初からの企業理念を更に進化させ「食を通じて、人類社会の安定と発展に責任をおう」企業であり続けるために、人種・宗教・民族文化が生み出す様々な対立を乗り越え、お互いに協力し、人類全体が平和的に共生できる「食のインフラ」の構築を通じて、この責任を全うしてまいります。そのためにフード業を幅広く展開し、世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供するという使命をもって、グローバルに事業を展開しております。安全で質の高い商品とサービスをお客様に提供するため、メニューの開発から食材の調達、製造・加工、物流、販売に至る全過程を自ら企画・設計し、一貫してコントロールするMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の構築に努めております。MMDを実践することで、より幅広い層のお客様に、いつでも、気軽に利用していただける店舗づくりを実現し、業容の一層の拡大と効率化を図り、株主価値の増大に努めてまいります。 (2)経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学的リスクに加え、米国の通商政策動向、為替相場及び金融市場の変動などにより、先行き不透明な状況が続きました。国内経済においては、雇用・所得環境に改善の動きが見られる一方、物価上昇の継続により消費者マインドは弱含みで推移しました。このような環境下、コメ価格の高騰に加え、輸入牛肉や水産物などを含む原材料価格の上昇によるコスト負担増が事業運営に影響を及ぼしました。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1)及び(4)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。 (対処すべき事業上及び財務上の課題)①食の安全性の追求当社グループは、お客様に安全な食を提供することを最重要課題とし、Codex基準(食品安全のグローバル基準)をベースにグループ食品安全追求本部が自社基準を設定し、調達、製造、物流及び販売のフードチェーン全体においてはグループ各社が食品安全マネジメントを完結することで、食の安全のトレーサビリティーを保証しております。原料・包材・製品の安全性については、自社の理化学分析室・微生物検査室でのハザード(健康阻害要因)の分析検査により、保証しております。また、全社員へ食品安全教育や取引先パートナーへの食品安全情報の提供を実施しております。加えて、外食事業においては、店舗における衛生管理の維持・向上を、食の安全を支える重要な取り組みとして位置付けております。当連結会計年度においては、外食事業の各業態において、店舗状態の改善に向けた以下の対策を概ね計画どおり進めてまいりました。イ)営業形態や業態特性に応じて十分な清掃作業時間を確保し、日常的な衛生管理の徹底を行っております。ロ)害虫・害獣の侵入につながる恐れのあるひび割れ・穴等について定期的な点検・補修を実施するとともに、老朽化店舗については計画的な改装を進めております。ハ)害虫・害獣が侵入・生息しづらく、清掃しやすい店舗設計への見直しを行い、新規出店及び改装時に順次反映しております。ニ)従業員への安全・衛生教育については、教育内容の見直しや研修の実施を通じて徹底を図っております。これらの取り組みにより、店舗における衛生管理体制の向上を図るとともに、今後も食の安全性を最優先とした取り組みを継続してまいります。 ②MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の進化当社グループは、お客様に安全でおいしい商品を安心してお召し上がりいただくために、MMDによる安全性の確保を継続するとともに、業績の向上を目指し、業容の拡大とグループシナジーの追求を行ってまいりました。また、加速する海外出店を考慮し、海外拠点による調達網の強化を行うとともに、食材の安全性の追求と商品クオリティの向上、コスト改善を図ってまいります。※MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)「世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供する」この使命を果たすための仕組みで、原材料の調達から製造・加工、物流、店舗における販売までを一貫して自らの手で企画・設計、運営するシステムです。 ③ブランドの進化当社グループは、日々進化するお客様のニーズや多様なライフスタイルに対応し、常にお客様の期待を超える商品、サービス、顧客体験を提供できるよう、全ての面でブランドの進化に努めてまいります。 ④出店及びM&Aによる成長国内外において業態の収益力を高め、積極的な出店を継続してまいります。また、M&A等の活用により、新規事業領域への進出やMMDの更なる強化を図り、安全でクオリティの高い食材の供給と、食の多様化にも対応してまいります。 ⑤人財の採用及び育成当社グループは、人財は付加価値を生み出す人的資本であるとの考えに基づき、当社グループの理念に共感する優秀な人財を採用し、持続的な成長を推進する人財を育成してまいります。また、女性社員の活躍推進を含む多様な働き方の促進や、中途採用の強化、グローバル人財の採用・育成を積極的に進めてまいります。 ⑥労働環境の改善当社グループは、労働環境を改善するために、管理職層に対するコンプライアンス教育の強化、ハラスメント防止対策として相談窓口の設置や社内研修の実施、従業員との対話機会の充実等の多様な改善施策を実施してまいりました。引き続きDX推進による作業の効率化、コミュニケーションの強化、人事評価制度・給与制度・福利厚生の見直し等を行い、従業員一人ひとりが能力を高め、やりがいと成長を実感できる職場環境にすることで長期安定雇用を図ってまいります。 ⑦お客様の利便性向上及び迅速な経営判断に資するためのシステム構築当社グループでは、お客様の利便性向上及び生産性向上のためのシステム構築を進めております。また、経営管理システムとして、売上・在庫・人件費等の情報を収集する仕組みを構築しております。今後、国内外でグループ各社の販売拠点を拡大していく中で、更なる情報の収集・統合の効率化を進め、経営陣の迅速な判断に資するシステムと体制の構築にも取り組んでまいります。 ⑧DXへの積極的な取り組み現在、第4次産業革命とも呼ばれるデジタル化の急速な進展の中で、人工知能(AI)・IoT・RPA・ロボット・クラウドの活用が加速しております。店舗においては、セルフオーダー/セルフキャッシング/ロボット等の技術革新やITによるデータ活用等により、定型労働に加えて非定型労働においても省人化が進んでおります。当社グループにおきましても、店舗、工場、物流、本部などの各工程において、積極的にDXへ取り組むことで業務の効率化・自動化を推進してまいります。 ⑨食材の安定供給への取り組み当社グループでは、店舗で使用する食材を国内外から調達しており、気候変動や為替変動による価格上昇や調達困難のリスクに対応するため、仕入先の分散等に取り組んでおります。そのために、グローバルに食材調達のための拠点を展開、産地からの情報収集と直接買い付けを行い、安全で高品質な食材の調達を実現してまいります。また、昨今の米国をはじめとする各国の通商政策の変更や関税措置の強化、 並びにホルムズ海峡封鎖等の地政学的リスクに関しては、グローバルな視野で調達リスクの分析を行い、調達・配送網の再編、及び新たな調達チャネルの開拓を進めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中期経営計画を策定し、その経営指標(KPI)として売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEの目標値を定めております。当該KPIを採用している理由としましては、中期経営方針として①既存事業の収益改善②国内外における新規出店による業容の拡大③人財育成及び職場環境の改善を挙げており、経営方針の進捗状況や実現可能性の評価等を行うことが可能になるためであります。なお、KPIの目標値については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という創業当初からの企業理念を更に進化させ「食を通じて、人類社会の安定と発展に責任をおう」企業であり続けるために、人種・宗教・民族文化が生み出す様々な対立を乗り越え、お互いに協力し、人類全体が平和的に共生できる「食のインフラ」の構築を通じて、この責任を全うしてまいります。そのためにフード業を幅広く展開し、世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供するという使命をもって、グローバルに事業を展開しております。安全で質の高い商品とサービスをお客様に提供するため、メニューの開発から食材の調達、製造・加工、物流、販売に至る全過程を自ら企画・設計し、一貫してコントロールするMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の構築に努めております。MMDを実践することで、より幅広い層のお客様に、いつでも、気軽に利用していただける店舗づくりを実現し、業容の一層の拡大と効率化を図り、株主価値の増大に努めてまいります。 (2)経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学的リスクに加え、米国の通商政策動向、為替相場及び金融市場の変動などにより、先行き不透明な状況が続きました。国内経済においては、雇用・所得環境に改善の動きが見られる一方、物価上昇の継続により消費者マインドは弱含みで推移しました。このような環境下、コメ価格の高騰に加え、輸入牛肉や水産物などを含む原材料価格の上昇によるコスト負担増が事業運営に影響を及ぼしました。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1)及び(4)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。 (対処すべき事業上及び財務上の課題)①食の安全性の追求当社グループは、お客様に安全な食を提供することを最重要課題とし、Codex基準(食品安全のグローバル基準)をベースにグループ食品安全追求本部が自社基準を設定し、調達、製造、物流及び販売のフードチェーン全体においてはグループ各社が食品安全マネジメントを完結することで、食の安全のトレーサビリティーを保証しております。原料・包材・製品の安全性については、自社の理化学分析室・微生物検査室でのハザード(健康阻害要因)の分析検査により、保証しております。また、全社員へ食品安全教育や取引先パートナーへの食品安全情報の提供を実施しております。加えて、外食事業においては、店舗における衛生管理の維持・向上を、食の安全を支える重要な取り組みとして位置付けております。当連結会計年度においては、外食事業の各業態において、店舗状態の改善に向けた以下の対策を概ね計画どおり進めてまいりました。イ)営業形態や業態特性に応じて十分な清掃作業時間を確保し、日常的な衛生管理の徹底を行っております。ロ)害虫・害獣の侵入につながる恐れのあるひび割れ・穴等について定期的な点検・補修を実施するとともに、老朽化店舗については計画的な改装を進めております。ハ)害虫・害獣が侵入・生息しづらく、清掃しやすい店舗設計への見直しを行い、新規出店及び改装時に順次反映しております。ニ)従業員への安全・衛生教育については、教育内容の見直しや研修の実施を通じて徹底を図っております。これらの取り組みにより、店舗における衛生管理体制の向上を図るとともに、今後も食の安全性を最優先とした取り組みを継続してまいります。 ②MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の進化当社グループは、お客様に安全でおいしい商品を安心してお召し上がりいただくために、MMDによる安全性の確保を継続するとともに、業績の向上を目指し、業容の拡大とグループシナジーの追求を行ってまいりました。また、加速する海外出店を考慮し、海外拠点による調達網の強化を行うとともに、食材の安全性の追求と商品クオリティの向上、コスト改善を図ってまいります。※MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)「世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供する」この使命を果たすための仕組みで、原材料の調達から製造・加工、物流、店舗における販売までを一貫して自らの手で企画・設計、運営するシステムです。 ③ブランドの進化当社グループは、日々進化するお客様のニーズや多様なライフスタイルに対応し、常にお客様の期待を超える商品、サービス、顧客体験を提供できるよう、全ての面でブランドの進化に努めてまいります。 ④出店及びM&Aによる成長国内外において業態の収益力を高め、積極的な出店を継続してまいります。また、M&A等の活用により、新規事業領域への進出やMMDの更なる強化を図り、安全でクオリティの高い食材の供給と、食の多様化にも対応してまいります。 ⑤人財の採用及び育成当社グループは、人財は付加価値を生み出す人的資本であるとの考えに基づき、当社グループの理念に共感する優秀な人財を採用し、持続的な成長を推進する人財を育成してまいります。また、女性社員の活躍推進を含む多様な働き方の促進や、中途採用の強化、グローバル人財の採用・育成を積極的に進めてまいります。 ⑥労働環境の改善当社グループは、労働環境を改善するために、管理職層に対するコンプライアンス教育の強化、ハラスメント防止対策として相談窓口の設置や社内研修の実施、従業員との対話機会の充実等の多様な改善施策を実施してまいりました。引き続きDX推進による作業の効率化、コミュニケーションの強化、人事評価制度・給与制度・福利厚生の見直し等を行い、従業員一人ひとりが能力を高め、やりがいと成長を実感できる職場環境にすることで長期安定雇用を図ってまいります。 ⑦お客様の利便性向上及び迅速な経営判断に資するためのシステム構築当社グループでは、お客様の利便性向上及び生産性向上のためのシステム構築を進めております。また、経営管理システムとして、売上・在庫・人件費等の情報を収集する仕組みを構築しております。今後、国内外でグループ各社の販売拠点を拡大していく中で、更なる情報の収集・統合の効率化を進め、経営陣の迅速な判断に資するシステムと体制の構築にも取り組んでまいります。 ⑧DXへの積極的な取り組み現在、第4次産業革命とも呼ばれるデジタル化の急速な進展の中で、人工知能(AI)・IoT・RPA・ロボット・クラウドの活用が加速しております。店舗においては、セルフオーダー/セルフキャッシング/ロボット等の技術革新やITによるデータ活用等により、定型労働に加えて非定型労働においても省人化が進んでおります。当社グループにおきましても、店舗、工場、物流、本部などの各工程において、積極的にDXへ取り組むことで業務の効率化・自動化を推進してまいります。 ⑨食材の安定供給への取り組み当社グループでは、店舗で使用する食材を国内外から調達しており、気候変動や為替変動による価格上昇や調達困難のリスクに対応するため、仕入先の分散等に取り組んでおります。そのために、グローバルに食材調達のための拠点を展開、産地からの情報収集と直接買い付けを行い、安全で高品質な食材の調達を実現してまいります。また、昨今の米国をはじめとする各国の通商政策の変更や関税措置の強化、 並びにホルムズ海峡封鎖等の地政学的リスクに関しては、グローバルな視野で調達リスクの分析を行い、調達・配送網の再編、及び新たな調達チャネルの開拓を進めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中期経営計画を策定し、その経営指標(KPI)として売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEの目標値を定めております。当該KPIを採用している理由としましては、中期経営方針として①既存事業の収益改善②国内外における新規出店による業容の拡大③人財育成及び職場環境の改善を挙げており、経営方針の進捗状況や実現可能性の評価等を行うことが可能になるためであります。なお、KPIの目標値については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当連結会計年度より、従来の「グローバルファストフード」セグメントに含まれていた海外テイクアウト寿司事業を「グローバル中食」セグメントとして分離して開示することにしました。それにより報告セグメントは「グローバルすき家」「グローバルはま寿司」「グローバル中食」「グローバルファストフード」「レストラン」「小売」「本社・サポート」の7区分に変更しております。そのため、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の報告セグメント区分に基づいております。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)における連結業績は、売上高1兆2,640億53百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益814億40百万円(同8.4%増)、経常利益782億57百万円(同8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益458億12百万円(同16.6%増)となりました。当社グループを取り巻く経営環境は、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学的リスクに加え、米国の通商政策動向、為替相場及び金融市場の変動などにより、先行き不透明な状況が続きました。国内経済においては、雇用・所得環境に改善の動きが見られる一方、物価上昇の継続により消費者マインドは弱含みで推移しました。このような環境下、コメ価格の高騰に加え、輸入牛肉や水産物などを含む原材料価格の上昇によるコスト負担増が事業運営に影響を及ぼしました。こうした状況の中、各報告セグメントの既存店売上高前年比は、「グローバルすき家」で104.3%、「グローバルはま寿司」で115.5%、「グローバルファストフード」で109.2%、「レストラン」で109.8%、「小売」で103.1%となりました。当連結会計年度末の店舗数につきましては、1,042店舗出店、1,514店舗退店した結果、14,947店舗(FC8,235店舗含む)となりました。報告セグメント別の概況につきましては、以下の通りであります。なお、文中に記載している売上高は、外部顧客への売上高としております。 (グローバルすき家)「グローバルすき家」の当連結会計年度の売上高は、3,144億54百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益は、93億17百万円(同62.0%減)となりました。「すき家」は、日本国内と中国、東南アジア及び中南米に展開しており、ご家族やグループのお客様にもご利用いただけるよう、主力の牛丼を中心に安全で美味しい商品を手軽な価格で提供しております。また、前期末に国内すき家の一部店舗で発生した異物混入事案を受けた安全衛生対策については、清掃の強化や老朽化が進んでいる店舗の計画改装等に引き続き取り組んでおります。国内すき家の商品施策としては、原材料費やエネルギーコストなどの上昇により物価高が続いている経済環境の中、すき家の牛丼を多くのお客様により手頃な価格でお楽しみいただきたいという想いから牛丼の値下げを実施したほか、「ナポリタン牛丼」、「煮込みハンバーグカレー」、「めかぶオクラ牛丼」、「ニンニクの芽牛丼」、「バターチキンソースカレー」、「月見すきやき牛丼」、「ローストビーフ丼」、「デミグラスチーズ牛丼」、「炭火焼きほろほろチキンカレー」などを販売しました。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、112店舗出店、83店舗退店した結果、2,650店舗(国内2,000店舗、海外650店舗)となりました。 (グローバルはま寿司)「グローバルはま寿司」の当連結会計年度の売上高は、3,202億77百万円(前年同期比28.9%増)、営業利益は、267億71百万円(同25.4%増)となりました。「はま寿司」は、日本と中国などに展開しており、新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させており、お子様から大人まで楽しんでいただいております。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、132店舗出店、5店舗退店した結果、862店舗(国内664店舗、海外198店舗)となりました。 (グローバル中食)「グローバル中食」の当連結会計年度の売上高は、2,218億95百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は、273億76百万円(同7.0%増)となりました。主要ブランドである「AFC(ZENSHI)」、「SNOWFOX」、「YO!」、「Bento」、「Sushi Circle」は、主として欧米で寿司等のテイクアウト商品を提供しております。当報告セグメントにおいては、収益性や立地条件等を踏まえた店舗ポートフォリオの最適化を目的として、戦略的な出退店を実施しました。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、761店舗出店、1,306店舗退店した結果、8,970店舗(FC8,102店舗含む)となりました。 (グローバルファストフード)「グローバルファストフード」の当連結会計年度の売上高は、1,128億18百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は、33億10百万円(同7.3%減)となりました。「なか卯」は、和食ファストフードチェーンとして、親子丼・京風うどんを中心に、バラエティ豊かな商品をお手頃価格で提供しております。そのほかに、ハンバーガーチェーンの「ゼッテリア」、とんかつ専門店の「かつ庵」、武蔵野うどんの「久兵衛屋」、ハラル認証を取得したチキンライス専門店の「The Chicken Rice Shop」などが当報告セグメントに含まれております。当報告セグメントにおいては、各業態の特性や成長性を踏まえ、業態構成の見直しや店舗運営の効率化を進めており、その一環として、ハンバーガーチェーンの「ゼッテリア」への転換出店を進めるとともに、讃岐うどん専門店「瀬戸うどん」とカフェチェーンの「モリバコーヒー」の全店閉店を実施しました。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、31店舗出店、103店舗退店した結果、1,145店舗(国内880店舗、海外265店舗、FC57店舗含む)となりました。 (レストラン)「レストラン」の当連結会計年度の売上高は、1,712億81百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益は、129億98百万円(同14.1%増)となりました。ファミリーレストランの「ココス」は、季節感を重視したフェアメニューの積極的な導入による商品の強化、専門店にも負けない本格的な味の追求、お客様が満足してお食事をしていただけるようサービス水準を高め、業績の向上に努めております。そのほかに、パスタ専門店の「ジョリーパスタ」、ハンバーグ&ステーキレストランの「ビッグボーイ」、厳選された牛肉を提供する焼肉チェーン店の「熟成焼肉いちばん」、本格イタリアンレストランの「オリーブの丘」、和食レストランの「華屋与兵衛」などが当報告セグメントに含まれております。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、6店舗出店、11店舗退店した結果、1,181店舗(国内1,180店舗、海外1店舗、FC76店舗含む)となりました。 (小売)「小売」の当連結会計年度の売上高は、769億77百万円(前年同期比1.2%増)、営業損失は、10億25百万円(前年同期は営業損失17億94百万円)となりました。北関東中心に展開しているスーパーマーケット「マルヤ」、「ジョイフーズ」などのほか、青果販売等を行っている「ユナイテッドベジーズ」などが当報告セグメントに含まれております。なお、当報告セグメントの当連結会計年度末の店舗数につきましては、6店舗退店した結果、120店舗となりました。 (本社・サポート)「本社・サポート」の当連結会計年度の売上高は、107億9百万円(前年同期比119.1%増)、営業利益は、27億80百万円(前年同期は営業損失74億18百万円)となりました。食品の製造・加工を担う㈱GFF、物流機能を担う㈱グローバルフレッシュサプライ、備品・ユニフォーム等を調達する㈱グローバルテーブルサプライなどが当報告セグメントに含まれております。 (その他)「その他」の当連結会計年度の売上高は、356億38百万円(前年同期比13.7%減)、営業損失は、3億71百万円(前年同期は営業損失20億2百万円)となりました。家庭用冷凍食品等を企画・開発・販売する㈱トロナジャパン、醤油やドレッシングなどの製造・販売を担う㈱サンビシ、介護事業を運営する㈱輝、玄米・精米を販売する㈱ゼンショーライスなどが含まれております。 当連結会計年度末における資産は9,603億62百万円となり、前連結会計年度末から1,472億53百万円増加いたしました。これは主に、第1回社債型種類株式発行に伴う預金の増加及び有形固定資産の増加等によるものであります。当連結会計年度末における負債は6,189億12百万円となり、前連結会計年度末から461億74百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債の増加等によるものであります。当連結会計年度末における純資産は3,414億49百万円となり、前連結会計年度末から1,010億78百万円増加いたしました。これは主に、第1回社債型種類株式発行に伴う資本剰余金の増加及び利益剰余金の増加等によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 金額現金及び現金同等物の期首残高796億95百万円営業活動によるキャッシュ・フロー1,011億77百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△780億89百万円財務活動によるキャッシュ・フロー198億19百万円現金及び現金同等物の期末残高1,280億54百万円(参考)フリー・キャッシュ・フロー230億87百万円 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高より483億59百万円増加し、1,280億54百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益、減価償却費等の計上及び棚卸資産の増加等により1,011億77百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、新規出店と改装に伴う有形固定資産の取得等により780億89百万円の資金の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、第1回社債型種類株式の発行等により198億19百万円の資金の増加となりました。 (注) フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー ③ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)生産金額(百万円)前年同期比(%)グローバルすき家18,930117.9グローバル中食9,360120.7グローバルファストフード1,156120.0本社・サポート87,006111.4その他25,33983.7合計141,792106.5 b. 受注状況該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)販売金額(百万円)前年同期比(%)グローバルすき家314,454106.3グローバルはま寿司320,277128.9グローバル中食221,895105.7グローバルファストフード112,818108.3レストラン171,281109.7小売76,977101.2本社・サポート10,709219.1その他35,63886.3合計1,264,053111.2 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績等の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであり、また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、中長期的に資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の向上を目指しており、ROEを重要な指標と位置付けております。なお、当連結会計年度のROEは15.8%であり、株主資本コスト8.1%に対して7.6ポイント上回っております。今後の見通しにつきましては、中東をはじめとする地政学的リスク、米国の通商政策動向、為替相場及び金融市場の変動に加え、原材料価格ならびにエネルギーコストの上昇などにより、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。このような環境下、当社グループは食の安全を第一優先とした「食のインフラ」によってお客様に美味しい食を持続的にお届けできるよう、食材調達から製造、物流、店舗販売まで一貫して設計・運営を行うマス・マーチャンダイジング・システム(MMD)をより強化し、世界の安定と発展のために貢献してまいります。 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等2027年3月期を含む3か年を対象とした中期経営計画を策定しているほか、中期目標としてROE10%の安定的達成を計画しております。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当面の設備投資及び株主還元等に必要な資金については自己資金で賄う予定ですが、新たな収益の源泉となり企業価値向上に貢献しうるM&A等の投資も継続的に検討していることから、金融機関からの借入等による資金調達も併せて継続的に検討しております。手許資金については、複数の金融機関との連携強化により安定的に資金調達ができる体制を整えており、十分な水準を確保しております。また、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中して一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。なお、当社は㈱日本格付研究所(JCR)からA-格の発行登録予備格付を取得しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 食品の安全問題
    異物混入や集団食中毒などの食品安全に関わる問題が発生した場合、企業イメージが大きく損なわれ、売上が減少する可能性があります。同社は食品安全追求本部を設置し対策を講じていますが、リスクを完全に排除することは困難です。
  • 自然災害とパンデミック
    大規模な地震、洪水、台風などの自然災害や感染症のパンデミックが発生した場合、店舗や工場、物流センターの機能が停止し、事業活動が縮小する可能性があります。BCP計画を策定していますが、全てのリスクを回避できるわけではありません。
  • 原材料の調達と価格変動
    食材の調達は地政学的リスク、経済変動、疫病、自然災害、為替変動などの影響を受けやすく、調達不安や価格高騰が発生する可能性があります。これにより、コストが増加し、収益性が悪化する恐れがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,347 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、当社の経営判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、それらは当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)食品の安全について当社グループでは、安全でおいしい商品をお客様に提供するため、グループ食品安全追求本部の設置と担当役員の配置を行うとともに、グループ各社に食品安全・品質保証部門を設置することで、食の安全の確保に向けた取り組みを徹底しております。万一、異物混入・集団食中毒などの食の安全に関わる問題が発生した際には、速やかにグループ内各社本部に報告がなされ、被害を最小限にとどめられるよう対策を講じる仕組みを構築しておりますが、企業イメージの失墜などによって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)自然災害及びパンデミックについて当社グループは、「食のインフラ」として事業を継続していくために営業店舗や工場、物流センター所在地を含む地域における大規模な地震、洪水、台風等の自然災害や感染症によるパンデミックの発生に備えて、BCP計画やBCPマニュアルを作成するとともに、これらに基づく災害対応訓練を実施しております。災害等発生時には緊急対策本部の指揮のもと、速やかな対応を検討・実施しておりますが、全てのリスクを回避することは困難であるため、事業活動の縮小、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)出店政策・店舗展開について当社グループでは、出店候補地の商圏人口、交通量、競合店状況等から売上予測を行い、賃借料や投資額等の条件を検討した上で出店地の評価・選定を当社の専門部署が行うことで不採算店舗発生のリスク低減を図っております。現時点で出店地候補は著しく減少しておりませんが、出店条件に合致した物件が外部環境の変化等により減少し、出店計画に変更が生じる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外展開におけるカントリーリスクについて当社グループは、中国、米州、東南アジア、欧州等の海外市場での事業拡大を戦略の一つとしており、海外子会社にて直営店の運営、フランチャイズの展開、食料品の製造・加工販売等を行っております。当社の海外子会社の展開国における、戦争、政情、経済、法規制、自然災害等の予測できない変動リスクや、ビジネス慣習等のカントリーリスクに関する情報収集に努め、これらリスク発生時に早期に対策を行う体制を整備しておりますが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)人財の確保について当社グループにとって人財の確保は、お客様に満足していただける店舗オペレーションを維持するうえで、重要な経営課題となっております。そのため、従業員にとって働きやすい職場環境づくりに努めております。具体的には、特に以下の取り組みを進めておりますが、今後、労働需給バランスの悪化などによって十分な人財確保ができない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。①より風通しのよい店舗運営を図るため、全国各地でクルーが主体となって意見交換を行う「クルーミーティング」を、労働組合と協力して開催しています。「クルーミーティング」で発表された意見をもとに茨城県つくば市に「かがやき保育園」を開所するなど、吸い上げた意見の実現に積極的に取り組んでいます。今後も継続して同様の取り組みを行ってまいります。②女性従業員が働きやすい職場環境を整備するため、妊娠中の勤務や産前・産後休業、育児・介護休業、職場復帰、復帰後の勤務についてサポートを行う窓口を設置しております。また、短時間勤務が可能な職種、業務を拡充するなど、育児中の従業員がさらに活躍できる職場環境づくりに努めております。 (6)個人情報の保護について当社グループは、お客様、従業員、株主の皆様に関する多くの個人情報を店舗及び本部にて保有しております。当社は当社グループの個人情報の保護管理を統括するため個人情報保護管理委員会を設置し、個人情報の取り扱いに関する個別具体的なルール策定を行い、グループ内への浸透・徹底を図っております。さらに、各社各部門内に個人情報保護部門責任者を選任し、自部門の業務に関わる個人情報の取り扱い責任を明確化することで、自部門における個人情報の取り扱いに関する指導、教育を行っており、各社COO/部門長にも個人情報の重要性を認識してもらうべくセミナーも開催しています。以上のように情報の管理を厳正に行い、不要な個人情報を継続保管しないことや個人情報の漏洩防止に努めておりますが、これらの個人情報が外部へ流出した場合には、当社グループのイメージ及び社会的信用の失墜、対応費用の発生などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)情報システムへの依存について当社グループは、店舗運営、食材などの仕入れ、配送などの主要業務を情報システムに依存しております。当社のグループIT本部において、コンピュータウイルスやランサムウェア等のサイバー攻撃など悪意のある攻撃に対し、適切に防止策を実施してリスク低減を図っており、BCPも立案済みで順次更新しています。過去において当該リスクが顕在化したことはありませんが、これらの攻撃などにより情報システムに様々な障害が生じた場合には、効率的な運営の阻害や重要なデータの喪失などが発生する事により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)原材料の調達及び価格変動について当社グループが使用する食材は多岐に渡るため、当社のグループMD本部を中心に原材料産地の開拓や分散調達などのリスクヘッジを実施しております。地政学的リスクや経済活動の変化による供給制約、関税等各国の輸出入規制、BSEや鳥インフルエンザ・豚コレラのような疫病の発生、大規模な洪水、台風等の自然災害の発生、為替相場の変動などにより、原材料などの調達不安や価格高騰が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)法的規制について当社グループでは、会社法、各種税法などの一般的な法令に加え、食品衛生法や労働関係法令、環境関連法令など店舗の営業にかかわる国内外の各種法的規制や制度の適用を受けております。各種業界団体への加盟などにより、必要な情報を的確に収集することでリスクの低減を図っておりますが、これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)M&Aについて当社グループは、新規出店とともにM&Aを推進することにより、業容を拡大し、持続的な成長を続けております。M&Aの実施に際しては、当社の専門部署及び外部専門家が詳細なデューデリジェンスを行い、対象企業を多角的な視点から調査分析することで、極力リスクを回避するように努めておりますが、M&Aを実施した後に、偶発債務や未認識債務の発生、コンプライアンス上の問題等が判明することや、市場環境や競争環境の変化により、当初期待した利益や効果を上げられない可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)金利上昇について当社グループでは、店舗や工場などの設備投資や、M&Aなどの資金の一部を金融機関からの借入及び社債発行により調達しております。その大部分は、固定金利による長期の資金調達となっており、急激な金利上昇に対して一定程度の耐性を確保しておりますが、長期的な金利上昇局面におけるコスト負担増が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)減損会計について当社グループは店舗有形固定資産、企業買収等により取得したのれん及び耐用年数を確定できない無形固定資産を所有しております。こうした資産が、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になる等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)風評について当社グループは、法令違反などの不適切な行為が発生した場合は、速やかに適切な対応を図ってまいりますが、メディア報道やSNS上の投稿・書き込みなどにより、当社グループに関する悪質な風評が発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用を毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)訴訟について当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟及び規制当局による様々な法的手続きの対象になる可能性があります。現在までのところ、当社グループの業績に影響を及ぼす訴訟などは提起されておりませんが、業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟などが発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)コンプライアンスについて当社グループは、透明性のある誠実な企業グループを目指し、コンプライアンス意識の浸透と定着に継続的に取り組んでおります。この取り組みは、「グループリスク管理規程」及び「グループコンプライアンス規程」において、グループの様々なリスクを網羅的かつ適切に認識し、管理すべきリスク及び担当部署を定め、リスク・コンプライアンス管理体制の整備・充実を図っております。また、規程に基づきグループ内の様々なリスクを統括的に管理するため総合リスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、管理担当部署のリスク対策実施状況の点検を行うことにより、迅速かつ適切に対応しております。 しかしながら、役職員個人による法令・社内規定違反や社会通念上不適切な行為などコンプライアンス上の問題が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16)製造物責任(商品・サービスの安全性)について当社グループは、店舗における飲食物の提供及び食材・商品の販売を行っております。これらの商品・サービスにおいて、万一、品質不良や設計・表示上の不備等による欠陥が発生し、お客様の生命・身体・財産に損害を与えた場合には、製造物責任法(PL法)や民法上の不法行為責任等に基づき損害賠償責任を負う可能性があります。また、提供する商品には外部仕入先から調達した原材料や製品が含まれるため、その品質管理体制や表示内容に不備があった場合においても、当社が販売者または表示製造業者として責任を問われる可能性があります。これらの事態が発生した場合、損害賠償の発生に加え、商品回収(リコール)、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)取引先との契約及び取引慣行に関するリスクについて当社グループは多数の仕入先及び取引先と継続的に取引を行っております。これらの取引において、品質基準、納期、価格条件、損害賠償責任の範囲等の契約条件が不十分又は不明確であった場合には、取引上の紛争が発生する可能性があります。また、原材料価格の変動や供給不足等に伴う価格改定や取引条件変更に際して適切な合意形成がなされない場合には、安定的な商品調達に支障が生じる可能性があります。これらのリスクに対しては、基本契約の締結や契約内容の標準化等を推進しておりますが、想定外の事象が発生した場合には、当社グループの事業運営や収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18)サプライチェーン及び仕入先に関するリスクについて当社グループは、国内外の多数のサプライヤーから原材料及び商品を調達しており、その安定供給と品質確保に努めております。しかしながら、仕入先における品質管理の不備、不正行為、事故の発生等により、当社に供給される商品の安全性や品質に問題が生じる可能性があります。また、海外調達においては、法規制の変化、政治・経済情勢の変動に加え、労働環境や人権問題などの社会的要請への対応が求められており、これらへの対応が不十分であった場合には、企業評価やブランド価値に影響を及ぼす可能性があります。これらの事象により商品供給の停止、回収、顧客離れ等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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