有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・理念当社グループは、1957年10月9日の設立以来、半世紀以上に亘り「『眼』の専門総合メーカー」として、人々の多様な「みえる」喜びを創造できる社会の実現を目指し、コンタクトレンズとケア用品を中心に取扱い、幅広く事業を展開しております。当社グループの企業ビジョンについては以下のとおりです。 (企業ビジョン) 企業ビジョンとしての最上位概念をパーパスとしております。パーパスの実現のため、会社としての行動方針や意思決定の基準となる経営理念、社員が日常の業務レベルで持つべき価値観・行動基準をカルチャー、順守すべき規範を表した行動規範として設計しています。 (2)経営環境 当連結会計年度における日本経済につきましては、企業収益において米国の通商政策の影響が残るものの、改善 の動きがみられます。雇用情勢や所得環境の改善の動きが続く中で、個人消費は持ち直しの傾向がみられ、設備投 資も底堅く推移しており、国内景気は緩やかに回復しつつあります。しかしながら、米国の通商政策による影響や 中東情勢の緊迫化等、地政学リスクの高まりにより、原材料価格やエネルギー価格の高騰が懸念され、下振れリス クをはらんでおります。 国内のコンタクトレンズ市場においては、近視人口増加に伴う装用人口の増加や装用者の年齢層拡大を背景とし て、緩やかながらも成長を続けております。特に乱視用や遠近両用等のスペシャリティレンズ、ファッション性の 高いサークル・カラーレンズ、就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロジーレンズ等の 需要拡大は続いております。海外のコンタクトレンズ市場におきましても、中国市場の停滞感は見られるものの、 特に東南アジアやインド等、急速に経済発展している国々においては、さらなる市場の拡大が見込まれておりま す。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の景気見通しにつきましては、中東情勢の緊迫化等を背景とした石化製品の供給不安や価格の上昇、物流コ ストの高騰、円安による輸入物価の上昇等の影響により、景気の先行きについてはより一層不透明かつ予断を許さ ない状況が続いております。 コンタクトレンズの国内市場におきましては、高齢化と人口減少が進んでいるものの、近視人口増加に伴う装用 人口の増加や、装用者の年齢層拡大を背景とした遠近両用レンズの需要拡大等によって、引き続き安定して成長す ると推測しております。海外市場につきましても、近視人口の増加は喫緊の課題であり、人口増加と所得水準上昇 が見込まれるアジア、インド等の国々においては、特に市場の伸長が見込まれます。 鴻巣研究所では、安定した商品供給と今後の成長戦略を実現するため、4号棟稼働による生産力の抜本的引き上 げに取り組んでおり、国内外の需要の拡大に応えてまいります。 国内における商品戦略におきましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」の中でも、特に乱 視用や遠近両用といったスペシャリティレンズの販売に引き続き注力いたします。また、当社の収益の柱である 「シード1dayPureシリーズ」のリブランディングに着手いたします。既存ブランドのマーケティング戦略を改め て見直し、「国産」「32枚入り」という商品特長を活かしながら、ブランドイメージや商品価値を再構築してまい ります。また、新素材のシリコーンハイドロゲルレンズにつきましては、現在承認申請中の段階であり、2028年3 月期の全国発売に向けて、2027年3月期には先行販売を予定しております。サークル・カラーレンズにつきまして も、WEB広告等を活用したプロモーション展開を積極的に行ってまいります。さらに、2027年3月期に新色の発売 やスペシャリティレンズの拡充も予定しております。 海外における商品戦略におきましても、円安メリットを活かしながら積極的な販売活動を展開いたします。特に 中国市場におきましては、連結会社の完全子会社化により、経営の意思決定スピードを一層高めます。また、国際 事業本部内に中国営業部を新設し、より中国国内での売上拡大を進めてまいります。さらに、シンガポールに新た な物流拠点を構築することで、特にベトナムやマレーシア等、今後の成長が期待できる東南アジア地域での販売強 化につなげます。 (4)TCFD提言に対する当社の対応(ガバナンス)① 気候変動関連のリスク及び機会についての取締役会による監督体制気候変動関連のリスク及び機会を含む経営上の最重要事項に関する意思決定機能は取締役会が担っており、業務執行状況に関する定期報告やリスク・セキュリティ管理委員会における重要決定事項の報告を受け、業務執行の監督を行っています。 EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクに関して十分な審議を行った上で、環境管理責任者に報告し、リスク・セキュリティ管理委員会に付議されます。リスク・セキュリティ管理委員会はリスク管理プロセスにおいて中心的な役割を果たしており、全社に影響を及ぼすリスクの特定及び対策を策定し、適宜取締役会に付議しています。また、年度ごとに各実施責任者が現状のリスク及び機会についての評価案をまとめ、環境管理責任者に報告し、環境管理責任者がリスク・セキュリティ管理委員会に付議し、委員会における討議を経て、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長でもある代表取締役が取締役会に報告を行います。 ② 気候変動関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割当社のEMSにおけるトップマネジメントは代表取締役が担っております。代表取締役は、取締役会のメンバーであり、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長です。EMSのポリシー、リスクと機会、ビジネス戦略、目的、行動計画、及び進捗状況について、リスク・セキュリティ管理委員会で意思決定された事項の報告を受け、EMS推進業務執行及びリスク管理システムの監督を行います。 (戦略)① 短期・中期・長期のリスクと機会リスク:TCFDが定義するハイリスクセクターのように、長期的に大規模な事業転換や投資を必要とするような重大な気候関連リスクは認識されていませんが、以下のリスクについて今後対応策を検討してまいります。・物理的リスク気候変動に伴う製造設備地域での災害リスク、サプライチェーンの寸断リスク等・移行リスクカーボンプライシングによるコスト増(炭素税によるコスト増加。排出権取引)・法令リスク環境関連法令の厳格化に伴う遵守に向けての体制整備、設備対応等によるコストアップ等 機会:気温上昇に起因する生活環境の変化による、アレルギー罹患率の増加等の事業機会が考えられます。眼におけるアレルギー罹患率も同様に増加すると考えられ、1日使い捨てコンタクトレンズユーザーの増加や、抗アレルギー薬を持続的に投与できる機能性コンタクトレンズへのニーズの増加が予測されます。また、環境意識の高まりによる環境配慮商品への期待等、新たな商品開発や研究開発の機会が増加すると考えております。 ② 事業・戦略・財務計画に及ぼす影響製造業一般に対する新たな規制強化が実施される可能性も念頭に規制動向は注視することが必要であると認識しております。一方で、環境負荷を低減する製造プロセスの構築や、サプライチェーン全体の気候レジリエンス強化への対応による、機会のポテンシャルもあると考えています。 ③ 1.5℃目標等の気候シナリオを考慮した組織戦略の強靭性環境関連法令等を管理する部署を一元管理及び監督するプロジェクト発足等、EMS(環境マネジメントシステム)にて情報収集、審議を行っております。 なお、国際エネルギー機関(IEA)及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオを参考に、1.5℃(脱 炭素社会への移行を達成)シナリオにおいて、ロジックツリーを用いた、気候変動による当社事業への影響(リス ク)と対応策を整理し、グループ一体で環境経営を推進します。 (リスク管理)① リスク識別・評価のプロセスリスク・セキュリティ管理委員会は、EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が特定し、環境管理責任者より報告された環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクのうち、特に経営に大きな影響を与えるものを全社リスクとして特定します。さらに、リスクの影響度(財務的影響)及び発生可能性(発生頻度)を討議し、高・中・低の3段階で優先順位を決定するとともに、対応する部署を選定し、取締役会へ報告します。 ② リスク管理のプロセス実施責任者は、抽出したリスクの評価と改善を行い、適切なタイミングで環境管理責任者に報告を行います。環境管理責任者は、報告内容を評価し、代表取締役がトップマネジメントを行うリスク・セキュリティ管理委員会に報告します。 ③ 組織全体のリスク管理への統合状況リスク・セキュリティ管理委員会規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しております。気候変動を含む外部環境変化についても、全社的「リスク」、業務別「リスク」の大きさ・発生可能性・発生頻度の評価を行い、重要なリスクの対策及び対応に関しては、取締役会に上程し、取締役会で検討及び関係各署への改善指示を行います。 (指標と目標)① 組織が戦略・リスク管理に即して用いる指標当社は中長期的な視点をもって環境保全活動を推進しており、2021年11月に発表した中期経営計画の一つの柱としてSDGsの推進を掲げております。今後、社会からの期待・要望の変化を踏まえ、中長期視点でマテリアリティを設定し対応してまいります。最終的には、2050年カーボンニュートラルの実現を目指して、2030年を中間目標として設定し、2030年において鴻巣研究所におけるScope1、2を対象としてCO2排出量原単位を2022年度比で50%改善することを削減目標としております。 ② 温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)Scope1、2、3について算出を終了し、削減計画の策定を行っております。なお、温室効果ガス排出量(Scope3を含む)の一部につきましては、第三者機関による保証を取得しております。 2025年3月期(確定値)2026年3月期(速報値)Scope14,895(t-CO2)4,834(t-CO2)Scope218,310(t-CO2)18,825(t-CO2)Scope352,478(t-CO2)71,765(t-CO2)合計75,683(t-CO2)95,424(t-CO2) ③ リスクと機会の管理上の目標と実績リスク、機会の抽出については取締役会に提案し、議論を実施し、共有を図っています。[削減目標(KPI)]年項目削減量2030原単位排出量23.15g/枚CO2排出量24,307t (5)重要課題(マテリアリティ) 2024年10月、当社グループの存在意義を、多様な「みえる」喜びを創造できる社会を実現することとし、『まだ みぬ、世界は、美しい』をキャッチコピーとするパーパスを策定いたしました。 それに伴い当社が解決すべき社会課題や、社会要請を「シードのマテリアリティ」と特定し、ステークホルダー とのエンゲージメントを高める指標といたします。 グループパーパスと実現のための経営理念は、ゆるがない、あるべき姿です。 これらを支える価値創造基盤が「品質」「人材」「環境」「ガバナンス」であり、今回のマテリアリティの大枠 としています。抽出した課題への対応状況においては毎年実績を報告するとともに、外部環境の変化に応じて数年 ごとにマテリアリティの見直しも実施する予定です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・理念当社グループは、1957年10月9日の設立以来、半世紀以上に亘り「『眼』の専門総合メーカー」として、人々の多様な「みえる」喜びを創造できる社会の実現を目指し、コンタクトレンズとケア用品を中心に取扱い、幅広く事業を展開しております。当社グループの企業ビジョンについては以下のとおりです。 (企業ビジョン) 企業ビジョンとしての最上位概念をパーパスとしております。パーパスの実現のため、会社としての行動方針や意思決定の基準となる経営理念、社員が日常の業務レベルで持つべき価値観・行動基準をカルチャー、順守すべき規範を表した行動規範として設計しています。 (2)経営環境 当連結会計年度における日本経済につきましては、企業収益において米国の通商政策の影響が残るものの、改善 の動きがみられます。雇用情勢や所得環境の改善の動きが続く中で、個人消費は持ち直しの傾向がみられ、設備投 資も底堅く推移しており、国内景気は緩やかに回復しつつあります。しかしながら、米国の通商政策による影響や 中東情勢の緊迫化等、地政学リスクの高まりにより、原材料価格やエネルギー価格の高騰が懸念され、下振れリス クをはらんでおります。 国内のコンタクトレンズ市場においては、近視人口増加に伴う装用人口の増加や装用者の年齢層拡大を背景とし て、緩やかながらも成長を続けております。特に乱視用や遠近両用等のスペシャリティレンズ、ファッション性の 高いサークル・カラーレンズ、就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロジーレンズ等の 需要拡大は続いております。海外のコンタクトレンズ市場におきましても、中国市場の停滞感は見られるものの、 特に東南アジアやインド等、急速に経済発展している国々においては、さらなる市場の拡大が見込まれておりま す。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の景気見通しにつきましては、中東情勢の緊迫化等を背景とした石化製品の供給不安や価格の上昇、物流コ ストの高騰、円安による輸入物価の上昇等の影響により、景気の先行きについてはより一層不透明かつ予断を許さ ない状況が続いております。 コンタクトレンズの国内市場におきましては、高齢化と人口減少が進んでいるものの、近視人口増加に伴う装用 人口の増加や、装用者の年齢層拡大を背景とした遠近両用レンズの需要拡大等によって、引き続き安定して成長す ると推測しております。海外市場につきましても、近視人口の増加は喫緊の課題であり、人口増加と所得水準上昇 が見込まれるアジア、インド等の国々においては、特に市場の伸長が見込まれます。 鴻巣研究所では、安定した商品供給と今後の成長戦略を実現するため、4号棟稼働による生産力の抜本的引き上 げに取り組んでおり、国内外の需要の拡大に応えてまいります。 国内における商品戦略におきましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」の中でも、特に乱 視用や遠近両用といったスペシャリティレンズの販売に引き続き注力いたします。また、当社の収益の柱である 「シード1dayPureシリーズ」のリブランディングに着手いたします。既存ブランドのマーケティング戦略を改め て見直し、「国産」「32枚入り」という商品特長を活かしながら、ブランドイメージや商品価値を再構築してまい ります。また、新素材のシリコーンハイドロゲルレンズにつきましては、現在承認申請中の段階であり、2028年3 月期の全国発売に向けて、2027年3月期には先行販売を予定しております。サークル・カラーレンズにつきまして も、WEB広告等を活用したプロモーション展開を積極的に行ってまいります。さらに、2027年3月期に新色の発売 やスペシャリティレンズの拡充も予定しております。 海外における商品戦略におきましても、円安メリットを活かしながら積極的な販売活動を展開いたします。特に 中国市場におきましては、連結会社の完全子会社化により、経営の意思決定スピードを一層高めます。また、国際 事業本部内に中国営業部を新設し、より中国国内での売上拡大を進めてまいります。さらに、シンガポールに新た な物流拠点を構築することで、特にベトナムやマレーシア等、今後の成長が期待できる東南アジア地域での販売強 化につなげます。 (4)TCFD提言に対する当社の対応(ガバナンス)① 気候変動関連のリスク及び機会についての取締役会による監督体制気候変動関連のリスク及び機会を含む経営上の最重要事項に関する意思決定機能は取締役会が担っており、業務執行状況に関する定期報告やリスク・セキュリティ管理委員会における重要決定事項の報告を受け、業務執行の監督を行っています。 EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクに関して十分な審議を行った上で、環境管理責任者に報告し、リスク・セキュリティ管理委員会に付議されます。リスク・セキュリティ管理委員会はリスク管理プロセスにおいて中心的な役割を果たしており、全社に影響を及ぼすリスクの特定及び対策を策定し、適宜取締役会に付議しています。また、年度ごとに各実施責任者が現状のリスク及び機会についての評価案をまとめ、環境管理責任者に報告し、環境管理責任者がリスク・セキュリティ管理委員会に付議し、委員会における討議を経て、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長でもある代表取締役が取締役会に報告を行います。 ② 気候変動関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割当社のEMSにおけるトップマネジメントは代表取締役が担っております。代表取締役は、取締役会のメンバーであり、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長です。EMSのポリシー、リスクと機会、ビジネス戦略、目的、行動計画、及び進捗状況について、リスク・セキュリティ管理委員会で意思決定された事項の報告を受け、EMS推進業務執行及びリスク管理システムの監督を行います。 (戦略)① 短期・中期・長期のリスクと機会リスク:TCFDが定義するハイリスクセクターのように、長期的に大規模な事業転換や投資を必要とするような重大な気候関連リスクは認識されていませんが、以下のリスクについて今後対応策を検討してまいります。・物理的リスク気候変動に伴う製造設備地域での災害リスク、サプライチェーンの寸断リスク等・移行リスクカーボンプライシングによるコスト増(炭素税によるコスト増加。排出権取引)・法令リスク環境関連法令の厳格化に伴う遵守に向けての体制整備、設備対応等によるコストアップ等 機会:気温上昇に起因する生活環境の変化による、アレルギー罹患率の増加等の事業機会が考えられます。眼におけるアレルギー罹患率も同様に増加すると考えられ、1日使い捨てコンタクトレンズユーザーの増加や、抗アレルギー薬を持続的に投与できる機能性コンタクトレンズへのニーズの増加が予測されます。また、環境意識の高まりによる環境配慮商品への期待等、新たな商品開発や研究開発の機会が増加すると考えております。 ② 事業・戦略・財務計画に及ぼす影響製造業一般に対する新たな規制強化が実施される可能性も念頭に規制動向は注視することが必要であると認識しております。一方で、環境負荷を低減する製造プロセスの構築や、サプライチェーン全体の気候レジリエンス強化への対応による、機会のポテンシャルもあると考えています。 ③ 1.5℃目標等の気候シナリオを考慮した組織戦略の強靭性環境関連法令等を管理する部署を一元管理及び監督するプロジェクト発足等、EMS(環境マネジメントシステム)にて情報収集、審議を行っております。 なお、国際エネルギー機関(IEA)及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオを参考に、1.5℃(脱 炭素社会への移行を達成)シナリオにおいて、ロジックツリーを用いた、気候変動による当社事業への影響(リス ク)と対応策を整理し、グループ一体で環境経営を推進します。 (リスク管理)① リスク識別・評価のプロセスリスク・セキュリティ管理委員会は、EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が特定し、環境管理責任者より報告された環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクのうち、特に経営に大きな影響を与えるものを全社リスクとして特定します。さらに、リスクの影響度(財務的影響)及び発生可能性(発生頻度)を討議し、高・中・低の3段階で優先順位を決定するとともに、対応する部署を選定し、取締役会へ報告します。 ② リスク管理のプロセス実施責任者は、抽出したリスクの評価と改善を行い、適切なタイミングで環境管理責任者に報告を行います。環境管理責任者は、報告内容を評価し、代表取締役がトップマネジメントを行うリスク・セキュリティ管理委員会に報告します。 ③ 組織全体のリスク管理への統合状況リスク・セキュリティ管理委員会規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しております。気候変動を含む外部環境変化についても、全社的「リスク」、業務別「リスク」の大きさ・発生可能性・発生頻度の評価を行い、重要なリスクの対策及び対応に関しては、取締役会に上程し、取締役会で検討及び関係各署への改善指示を行います。 (指標と目標)① 組織が戦略・リスク管理に即して用いる指標当社は中長期的な視点をもって環境保全活動を推進しており、2021年11月に発表した中期経営計画の一つの柱としてSDGsの推進を掲げております。今後、社会からの期待・要望の変化を踏まえ、中長期視点でマテリアリティを設定し対応してまいります。最終的には、2050年カーボンニュートラルの実現を目指して、2030年を中間目標として設定し、2030年において鴻巣研究所におけるScope1、2を対象としてCO2排出量原単位を2022年度比で50%改善することを削減目標としております。 ② 温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)Scope1、2、3について算出を終了し、削減計画の策定を行っております。なお、温室効果ガス排出量(Scope3を含む)の一部につきましては、第三者機関による保証を取得しております。 2025年3月期(確定値)2026年3月期(速報値)Scope14,895(t-CO2)4,834(t-CO2)Scope218,310(t-CO2)18,825(t-CO2)Scope352,478(t-CO2)71,765(t-CO2)合計75,683(t-CO2)95,424(t-CO2) ③ リスクと機会の管理上の目標と実績リスク、機会の抽出については取締役会に提案し、議論を実施し、共有を図っています。[削減目標(KPI)]年項目削減量2030原単位排出量23.15g/枚CO2排出量24,307t (5)重要課題(マテリアリティ) 2024年10月、当社グループの存在意義を、多様な「みえる」喜びを創造できる社会を実現することとし、『まだ みぬ、世界は、美しい』をキャッチコピーとするパーパスを策定いたしました。 それに伴い当社が解決すべき社会課題や、社会要請を「シードのマテリアリティ」と特定し、ステークホルダー とのエンゲージメントを高める指標といたします。 グループパーパスと実現のための経営理念は、ゆるがない、あるべき姿です。 これらを支える価値創造基盤が「品質」「人材」「環境」「ガバナンス」であり、今回のマテリアリティの大枠 としています。抽出した課題への対応状況においては毎年実績を報告するとともに、外部環境の変化に応じて数年 ごとにマテリアリティの見直しも実施する予定です。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社グループでは、「まだみぬ、世界は、美しい」をパーパスのキャッチコピーに掲げ、多様な「みえる」喜びを創造できる社会の実現を目指し、ニーズに合った満足いただける安全で高品質な製品、サービス等をお客様へご提供できるよう努めております。中期経営計画(2024年4月~2027年3月)におきましては、「連結売上高500億円を達成し、世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮するための生産基盤を確保する」ことを掲げており、特に「省人化生産体制の構築による競争力維持」「品質向上による安全安心の追求」「コーポレートブランド再構築による企業価値向上」「環境経営の推進」「人的資源強化による事業基盤の整備」を企業目標達成に向けた重点課題として取り組んでおります。また、当社は2026年3月31日付で、流通株式時価総額が上場維持基準に適合せず、東証における上場市場区分を東証プライム市場から東証スタンダード市場へ変更しております。上場市場区分変更後も引き続きコーポレート・ガバナンスの強化、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等、持続的かつ中長期的な企業価値向上を目指してまいります。生産計画につきましては、国内外におけるコンタクトレンズ需要拡大への対応を背景として、安定した商品供給と今後の成長戦略を実現するため、設備更新や生産ラインの新規増設を積極的に行っております。2026年1月に竣工した4号棟は、3月より稼働を開始しております。人員確保のハードルが上がっている中、さらなる省人化を実現する生産ラインの構築を進めつつ、第一期計画では最大生産能力が4号棟稼働前の月産6,500万枚から2027年3月期には月産7,900万枚となり、第二期計画後の2028年3月期には月産8,950万枚を見込んでおります。商品戦略としましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」の中でも、とりわけ乱視用や遠近両用レンズといったスペシャリティレンズの販売に注力しております。「シード1dayPureシリーズ」については、他社との差別化要素である「国産」「32枚入り」の商品特長を消費者に訴求して販売を進めております。市場のニーズが高まるシリコーンハイドロゲルレンズにつきましては、2026年2月に「シード AirGrade 2week UV W-Moisture TORIC」を発売いたしました。これにより「シード AirGrade」シリーズのラインナップがさらに充実し、1day市場と2week市場の両カテゴリーにおけるシェア拡大を図っております。サークル・カラーレンズにつきましては、「シードEye coffret 1day UV M」「ベルミー」に加えて、2025年12月に発売開始した「ヒロインメイク 1day UV M」の新色「光のブラウン」「煌めきピンク」の売上が伸長しております。また、オルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト」につきましては、既存サービスの拡充を行うとともに、各学会での講演やセミナー開催を通じてプレゼンスを高めております。引き続き取扱施設の拡大や定額制サービスの普及により需要の創出を図ってまいります。研究開発の分野では、近視進行抑制の効果効能の確認を目的としたコンタクトレンズの治験を進めております。また、電子デバイス型コンタクトレンズ(スマートコンタクトレンズ)につきましては、先進的な汎用プラットフォームを公開しており、企業や大学等研究機関と共同研究開発を行うことで、様々な分野における将来のスマートコンタクトレンズへの需要に対応してまいります。これらの事業活動の結果、当連結会計年度において、国内外でのコンタクトレンズ需要は堅調に拡大しておりますが、市場における価格競争や流通チャネルの多様化等の影響を受けたため、売上高は33,942百万円(前期比2.1%増)に留まりました。利益につきましては、製品の歩留まりは改善しつつも、一部輸入商品の仕入価格が円安により上昇し、粗利が減少したことから、売上総利益に影響を及ぼしました。販売費及び一般管理費においては、人員増加や処遇改善によって人件費が増加し、また、シンガポールに物流拠点を立ち上げるための費用や組織改編検討のためのアドバイザリー費用が発生しております。その結果として、営業利益1,439百万円(前期比7.8%減)、経常利益1,406百万円(前期比5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,135百万円(前期比4.0%増)となりました。 セグメントの経営成績は次のとおりであります。 (コンタクトレンズ・ケア用品)国内のコンタクトレンズ販売につきましては、主軸となる国産の「シード1dayPureシリーズ」、乱視用が新たに加わった「シードAirGradeシリーズ」、市場の成長が見込まれる遠近両用レンズ等の拡販に注力してまいりました。「シード1dayPureシリーズ」につきましては、乱視用と遠近両用の売上は回復したものの、単焦点におきましては、競合商品との価格競争の影響を受けており、前期比1.6%増に留まりました。オルソケラトロジーレンズにつきましては、前期比11.6%増と大きく伸長いたしました。サークル・カラーレンズにおいては、販売チャネルの多様化と競合商品の増加の影響もありましたが、新色の発売やSNSを活用した販売促進を進めたことで、前期比2.0%増となりました。ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品が増加したため、前期比4.5%増となりました。海外へのコンタクトレンズ輸出につきましては、中国での売上は低迷しているものの、ベトナムやマレーシアでの売上が伸長したため、前期比5.3%の増加となりました。その結果、セグメント全体の売上高は33,849百万円(前期比2.2%増)、営業利益3,469百万円(前期比8.5%増)となりました。 (その他)その他につきましては、眼内レンズの売上が減少した結果、売上高は92百万円(前期比26.7%減)となりましたが、利益率が改善したため、営業利益は11百万円(前期営業損失8百万円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、4,171百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、2,690百万円(前年同期2,978百万円の増加)となりました。資金増加の主な要因は、減価償却費の計上3,200百万円や税金等調整前当期純利益の計上1,486百万円であります。資金減少の主な要因は、在庫の積み上げによる棚卸資産の増加1,785百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は、3,840百万円(前年同期4,574百万円の減少)となりました。主な要因は、鴻巣研究所の設備導入等に伴う有形固定資産の取得による支出3,128百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、1,908百万円(前年同期1,127百万円の減少)となりました。主な要因は、設備導入に伴うリース債務の返済1,439百万円や長期借入金の返済1,906百万円であります。 (2)生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)13,030,686104.0合計(千円)13,030,686104.0(注)金額は製造原価によっております。 ② 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)8,088,601110.5その他(千円)60,81290.0合計(千円)8,149,414110.3(注)金額は仕入価額によっております。③ 受注実績当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。④ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)33,849,402102.2その他(千円)92,99373.3合計(千円)33,942,396102.1(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)HOYA株式会社5,201,96015.75,028,56814.8株式会社パレンテ3,600,09810.84,528,11013.3株式会社アド3,812,06611.53,479,10410.3 (3)経営者の視点による財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行っており、そのうち主なものは以下のとおりであります。なお、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。(棚卸資産の評価)当社グループの保有する棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しております。収益性の低下が認められた棚卸資産については、取得原価と当連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、収益性の低下に基づき簿価を切下げた金額は原則として売上原価に含めております。長期滞留の棚卸資産に対しては、売上実績及び将来の売上予算を基礎に出荷期限内で出荷する可能性を検討したうえで、当連結会計年度末において出荷期限内に出荷が見込まれない棚卸資産の取得原価を切下げております。当連結会計年度末において収益性の低下が認められた棚卸資産について、上記方法に基づく簿価切下げによる評価損を売上原価に計上しております。棚卸資産の評価の見積りは、景気動向や顧客ニーズの変化等の将来の経済環境の変動によって影響を受ける可能性があり、売上実績が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において売上原価の金額に重要な影響を与える可能性があります。(債権の評価)当社グループの保有する債権(売上債権、貸付金等)については、回収可能性を検討の上、貸倒引当金を計上しております。なお今後、債務者の財務内容、将来業績が低下する場合においては、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。(固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。(繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末における資産の残高は、62,500百万円となり、前連結会計年度末から10,739百万円増加いたしました。主な要因としましては、鴻巣研究所4号棟の竣工並びに新規設備の導入により有形固定資産が増加したことが挙げられます。負債につきましては、42,898百万円となり、前連結会計年度末から9,522百万円増加しております。主な要因としましては、4号棟の建設費用並びに新規設備導入に伴う未払金の増加が挙げられます。純資産につきましては、19,601百万円となり、前連結会計年度末から1,216百万円増加しております。主な要因としては、利益剰余金が増加したことが挙げられます。 ③ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析に関しては、第2[事業の状況]4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[経営成績等の状況の概要]の②をご参照ください。指標 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)35.034.930.8時価ベースの自己資本比率(%)40.528.529.4インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)28.28.86.9※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い ④ 資本の財源及び資金の流動性の分析 当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用や商品仕入代金等の運転資金、中長期的に安定した成長を遂げるためのコンタクトレンズ事業における製造設備投資及び研究開発への継続的な投資であります。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」、研究開発投資につきましては、「6 研究開発活動」に記載のとおりであります。必要資金につきましては、主に手元資金及び金融機関からの借入金にて賄っており、当連結会計年度末の当社グループの短期及び長期借入金の残高は19,486百万円であります。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に取り組みながら、外部からの借入金も活用し資金需要を賄ってまいります。 ⑤ 経営成績の分析売上高・売上総利益 当連結会計年度における売上高は33,942百万円となり、前連結会計年度に比べ710百万円増加いたしました。これは、堅調に拡大を示す国内外のコンタクトレンズ市場において、主力商品である「シード1dayPureシリーズ」に加えて、乱視用が追加されたシリコーンハイドロゲルレンズ「シード AirGrade」シリーズ、市場の伸長が見込まれる遠近両用コンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力した結果であります。しかしながら、市場における価格競争や流通チャネルの多様化等の影響を受けたため、トップラインが伸び悩み、次期以降に課題を残す結果となりました。 売上総利益は15,222百万円(売上総利益率44.9%)となり、前連結会計年度に比べ594百万円増加(売上総利益率0.8ポイント増)いたしました。 販売費及び一般管理費 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は13,782百万円となり、前連結会計年度に比べ716百万円増加いたしました。これは、人件費(前期対比374百万円増)や組織改編検討のためのアドバイザリー費用(前期対比449百万円増)が増加したためであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・理念当社グループは、1957年10月9日の設立以来、半世紀以上に亘り「『眼』の専門総合メーカー」として、人々の多様な「みえる」喜びを創造できる社会の実現を目指し、コンタクトレンズとケア用品を中心に取扱い、幅広く事業を展開しております。当社グループの企業ビジョンについては以下のとおりです。(企業ビジョン)企業ビジョンとしての最上位概念をパーパスとしております。パーパスの実現のため、会社としての行動方針や意思決定の基準となる経営理念、社員が日常の業務レベルで持つべき価値観・行動基準をカルチャー、順守すべき規範を表した行動規範として設計しています。 (2)経営環境 当連結会計年度における日本経済につきましては、価格転嫁や円安の影響で好調な企業による業績拡大と人手不 足を背景とした雇用・所得環境の改善、企業の設備投資意欲の継続が主導することで、緩やかながらも回復基調を 維持しております。また、世界経済につきましては、中国や欧州の一部において景気減速・足踏み状態にあります が、好調を維持してきた米国が牽引することで堅調に成長して来たものの、米国の現政権の関税や各種の貿易制限 の影響により実体経済に対する懸念が増しております。 国内のコンタクトレンズ市場においては、近視人口増加に伴う装用人口の増加や高齢化を背景とした遠近両用タ イプの需要拡大等によるスペシャリティレンズの伸長、円安・資源価格の高止まりといった様々なコスト上昇要因 による価格転嫁が進むことと歩調を合わせて成長しております。また、就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が 得られるオルソケラトロジーレンズにつきましても、コンタクトレンズ市場全体の成長を大幅に上回るスピードで 成長が見られます。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の景気見通しにつきましては、為替相場は一定の円高への修正はあるものの、資材コスト、配送コスト並び に人件費は高騰を続けると推測されます。賃金の上昇はあるものの、金利の上昇と生鮮食料品を中心とした物価の 上昇により、消費者マインドに陰りの兆しが見られるといった懸念点があります。一方、日本を含めた世界経済の 先行きは、米国政権交代後の関税政策により物価や為替、金利に大きな混乱が生じて世界経済全体に対する不透明 感を醸成していることに加え、各地域で地政学リスクが長期化する等、不確実性がさらに高まっている状況である と認識しております。 コンタクトレンズの国内市場におきましては、高齢化と人口減少が進んでいる現状であるものの、近視人口増加 に伴う装用人口の増加や、高齢化を背景とした遠近両用タイプの需要拡大等によるスペシャリティレンズの伸長、 円安・資源価格の高止まりといった様々なコスト上昇要因による価格転嫁が進み、今後も継続することで、当面は 安定して成長するものと推測しております。 海外市場につきましても、近視人口の増加は同様であり、すでに一定の規模がある欧州や中国でも成長が見込ま れておりますが、特に人口増加と所得水準上昇が見込まれるアジア、インド、中近東等の新興国は今後の市場伸長 が期待されます。 鴻巣研究所では、国内外で今後も需要拡大が見込まれるコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮するため生産 力の抜本的引き上げに取り組んでおり、本格稼働した2号棟別館に引き続き、4号棟につきましても2024年11月に 着工しております。4号棟につきましては、2026年1月建屋竣工、第一期計画において2026年3月生産開始を目指 し計画を進めております。 具体的には、鴻巣研究所における月間最大生産枚数につきましては、2024年3月期末で5,800万枚でありました が、2号棟別館の稼働により2025年3月期末において6,500万枚へと引き上げられております。4号棟第一期計画 につきましては、1,400万枚を追加する計画となっており、完了することで7,900万枚まで月間最大生産枚数を引き 上げられる予定となっております。さらに、第一期計画の終了後に着手する計画で検討を進めております4号棟第 二期計画は、1,000万枚の増産余地を確保しており、第二期計画完了時点では、総合計8,900万枚の月間最大生産枚 数にまで、設備能力は拡張出来る想定となっております。 商品戦略としましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」の中でも、とりわけ乱視用、遠近 両用コンタクトレンズといったスペシャリティレンズの販売に引き続き注力してまいります。乱視用と一部の遠近 両用において発生していた長期間にわたる納期遅延に関して、2025年5月28日の乱視用コンタクトレンズの納期正 常化をもって解消となることから、納期遅延の影響で流出した顧客の回帰に加え、新規顧客獲得に向けた積極的な 営業戦略を推し進めてまいります。市場のニーズが高まっており市場でのさらなる拡大が見込まれるシリコーンハ イドロゲルレンズにつきましては、市場のニーズに合わせて新シリコーンハイドロゲルの開発から治験終了段階に 計画は進んでおり、新商品の上市に向け取り組んでおります。また、クリアレンズを上回る伸長を見せるカラー・ サークルレンズ分野においてもプレゼンスを発揮するため、2024年12月に発売した遠近両用サークルコンタクトレ ンズ「シード Eye coffret 1day UV M Multistage」等の多機能な商品を中心に新たな商品展開や販売施策を実施 してまいります。 海外市場では、国内市場同様、鴻巣研究所における生産能力の回復に伴い販売活動を活性化することで、海外市 場で一定の円安メリットを活かすとともに、各種の販売促進活動をより積極的に展開し、輸出や海外子会社の売上 拡大を目指しております。また、それぞれの市場ニーズに合わせて、中国・アジア市場を中心にケア用品やカラー レンズの外部調達も活用することでラインアップの拡充を図り、売上拡大を進めてまいります。さらに、2026年3 月期からベトナムとマレーシアの現地法人2社と2025年4月1日に株式取得した、Scotlens Holdings Limitedも 連結子会社の対象範囲となることで連結業績への貢献が見込まれます。 (4)TCFD提言に対する当社の対応(ガバナンス)① 気候変動関連のリスク及び機会についての取締役会による監督体制気候変動関連のリスク及び機会を含む経営上の最重要事項に関する意思決定機能は取締役会が担っており、業務執行状況に関する定期報告やリスク・セキュリティ管理委員会における重要決定事項の報告を受け、業務執行の監督を行っています。 EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクに関して十分な審議を行った上で、環境管理責任者に報告し、リスク・セキュリティ管理委員会に付議されます。リスク・セキュリティ管理委員会はリスク管理プロセスにおいて中心的な役割を果たしており、全社に影響を及ぼすリスクの特定及び対策を策定し、適宜取締役会に付議しています。また、年度毎に各実施責任者が現状のリスク及び機会についての評価案をまとめ、環境管理責任者に報告し、環境管理責任者がリスク・セキュリティ管理委員会に付議し、委員会における討議を経て、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長でもある代表取締役が取締役会に報告を行います。 ② 気候変動関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割当社のEMSにおけるトップマネジメントは代表取締役が担っております。代表取締役は、取締役会のメンバーであり、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長です。EMSのポリシー、リスクと機会、ビジネス戦略、目的、行動計画、及び進捗状況について、リスク・セキュリティ管理委員会で意思決定された事項の報告を受け、EMS推進業務執行及びリスク管理システムの監督を行います。 (戦略)① 短期・中期・長期のリスクと機会リスク:TCFDが定義するハイリスクセクターのように、長期的に大規模な事業転換や投資を必要とするような重大な気候関連リスクは認識されていませんが以下のリスクについて今後対応策を検討してまいります。・物理的リスク気候変動に伴う製造設備地域での災害リスク、サプライチェーンの寸断リスク等・移行リスクカーボンプライシングによるコスト増(炭素税によるコスト増加。排出権取引)・法令リスク環境関連法令の厳格化に伴う遵守に向けての体制整備、設備対応等によるコストアップ等 機会:気温上昇に起因する生活環境の変化による、アレルギー罹患率の増加等の事業機会が考えられます。眼におけるアレルギー罹患率も同様に増加すると考えられ、1日使い捨てコンタクトレンズユーザーの増加や、抗アレルギー薬を持続的に投与できる機能性コンタクトレンズへのニーズの増加が予測されます。また、環境意識の高まりによる環境配慮商品への期待等、新たな商品開発や研究開発の機会が増加すると考えております。 ② 事業・戦略・財務計画に及ぼす影響製造業一般に対する新たな規制強化が実施される可能性も念頭に規制動向は注視することが必要であると認識しております。一方で、環境負荷を低減する製造プロセスの構築や、サプライチェーン全体の気候レジリエンス強化への対応による、機会のポテンシャルもあると考えています。 ③ 1.5℃目標等の気候シナリオを考慮した組織戦略の強靭性環境関連法令等を管理する部署を一元管理および監督するプロジェクト発足等、EMS(環境マネジメントシステム)にて情報収集、審議を行っております。 なお、国際エネルギー機関(IEA)および気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオを参考に、1.5℃ (脱炭素社会への移行を達成)シナリオにおいて、ロジックツリーを用いた、気候変動による当社事業への影響 (リスク)と対応策を整理し、グループ一体で環境経営を推進します。 (リスク管理)① リスク識別・評価のプロセスリスク・セキュリティ管理委員会は、EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が特定し、環境管理責任者より報告された環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクのうち、特に経営に大きな影響を与えるものを全社リスクとして特定します。さらに、リスクの影響度(財務的影響)及び発生可能性(発生頻度)を討議し、高・中・低の3段階で優先順位を決定するとともに、対応する部署を選定し、取締役会へ報告します。 ② リスク管理のプロセス実施責任者は、抽出したリスクの評価と改善を行い、適切なタイミングで環境管理責任者に報告を行います。環境管理責任者は、報告内容を評価し、代表取締役がトップマネジメントを行うリスク・セキュリティ管理委員会に報告します。 ③ 組織全体のリスク管理への統合状況リスク・セキュリティ管理委員会規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しております。気候変動を含む外部環境変化についても、全社的「リスク」、業務別「リスク」の大きさ・発生可能性・発生頻度の評価を行い、重要なリスクの対策及び対応に関しては、取締役会に上程し、取締役会で検討及び関係各署への改善指示を行います。 (指標と目標)① 組織が戦略・リスク管理に即して用いる指標当社は中長期的な視点をもって環境保全活動を推進しており、2021年11月に発表した中期経営計画の一つの柱としてSDGsの推進を掲げております。今後、社会からの期待・要望の変化を踏まえ、中長期視点でマテリアリティを設定し対応してまいります。最終的には、2050年カーボンニュートラルの実現を目指して、2030年を中間目標として設定し、2030年において鴻巣研究所におけるScope1、2を対象としてCO2排出量原単位を2022年度比で50%改善することを削減目標としております。 ② 温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)Scope1、2、3について算出を終了し、削減計画の 策定を行っております。Scope14,895(t-CO2)Scope216,643(t-CO2)Scope349,295(t-CO2)合計70,833(t-CO2) ③ リスクと機会の管理上の目標と実績リスク、機会の抽出については取締役会に提案し、議論を実施し、共有を図っています。[削減目標(KPI)]年項目削減量2030原単位排出量23.15g/枚CO2排出量24,307t (5)重要課題(マテリアリティ) 2024年10月、当社グループの存在意義を、多様な「みえる」喜びを創造できる社会を実現することとし、『まだ みぬ、世界は、美しい』をキャッチコピーとするパーパスを策定いたしました。 それに伴い当社が解決すべき社会課題や、社会要請を「シードのマテリアリティ」と特定し、ステークホルダー とのエンゲージメントを高める指標といたします。 グループパーパスと実現のための経営理念は、ゆるがない、あるべき姿です。 これらを支える価値創造基盤が「品質」「人材」「環境」「ガバナンス」であり、今回のマテリアリティの大枠 としています。抽出した課題への対応状況においては毎年実績を報告するとともに、外部環境の変化に応じて数年 ごとにマテリアリティの見直しも実施する予定です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・理念当社グループは、1957年10月9日の設立以来、半世紀以上に亘り「『眼』の専門総合メーカー」として、人々の多様な「みえる」喜びを創造できる社会の実現を目指し、コンタクトレンズとケア用品を中心に取扱い、幅広く事業を展開しております。当社グループの企業ビジョンについては以下のとおりです。(企業ビジョン)企業ビジョンとしての最上位概念をパーパスとしております。パーパスの実現のため、会社としての行動方針や意思決定の基準となる経営理念、社員が日常の業務レベルで持つべき価値観・行動基準をカルチャー、順守すべき規範を表した行動規範として設計しています。 (2)経営環境 当連結会計年度における日本経済につきましては、価格転嫁や円安の影響で好調な企業による業績拡大と人手不 足を背景とした雇用・所得環境の改善、企業の設備投資意欲の継続が主導することで、緩やかながらも回復基調を 維持しております。また、世界経済につきましては、中国や欧州の一部において景気減速・足踏み状態にあります が、好調を維持してきた米国が牽引することで堅調に成長して来たものの、米国の現政権の関税や各種の貿易制限 の影響により実体経済に対する懸念が増しております。 国内のコンタクトレンズ市場においては、近視人口増加に伴う装用人口の増加や高齢化を背景とした遠近両用タ イプの需要拡大等によるスペシャリティレンズの伸長、円安・資源価格の高止まりといった様々なコスト上昇要因 による価格転嫁が進むことと歩調を合わせて成長しております。また、就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が 得られるオルソケラトロジーレンズにつきましても、コンタクトレンズ市場全体の成長を大幅に上回るスピードで 成長が見られます。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の景気見通しにつきましては、為替相場は一定の円高への修正はあるものの、資材コスト、配送コスト並び に人件費は高騰を続けると推測されます。賃金の上昇はあるものの、金利の上昇と生鮮食料品を中心とした物価の 上昇により、消費者マインドに陰りの兆しが見られるといった懸念点があります。一方、日本を含めた世界経済の 先行きは、米国政権交代後の関税政策により物価や為替、金利に大きな混乱が生じて世界経済全体に対する不透明 感を醸成していることに加え、各地域で地政学リスクが長期化する等、不確実性がさらに高まっている状況である と認識しております。 コンタクトレンズの国内市場におきましては、高齢化と人口減少が進んでいる現状であるものの、近視人口増加 に伴う装用人口の増加や、高齢化を背景とした遠近両用タイプの需要拡大等によるスペシャリティレンズの伸長、 円安・資源価格の高止まりといった様々なコスト上昇要因による価格転嫁が進み、今後も継続することで、当面は 安定して成長するものと推測しております。 海外市場につきましても、近視人口の増加は同様であり、すでに一定の規模がある欧州や中国でも成長が見込ま れておりますが、特に人口増加と所得水準上昇が見込まれるアジア、インド、中近東等の新興国は今後の市場伸長 が期待されます。 鴻巣研究所では、国内外で今後も需要拡大が見込まれるコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮するため生産 力の抜本的引き上げに取り組んでおり、本格稼働した2号棟別館に引き続き、4号棟につきましても2024年11月に 着工しております。4号棟につきましては、2026年1月建屋竣工、第一期計画において2026年3月生産開始を目指 し計画を進めております。 具体的には、鴻巣研究所における月間最大生産枚数につきましては、2024年3月期末で5,800万枚でありました が、2号棟別館の稼働により2025年3月期末において6,500万枚へと引き上げられております。4号棟第一期計画 につきましては、1,400万枚を追加する計画となっており、完了することで7,900万枚まで月間最大生産枚数を引き 上げられる予定となっております。さらに、第一期計画の終了後に着手する計画で検討を進めております4号棟第 二期計画は、1,000万枚の増産余地を確保しており、第二期計画完了時点では、総合計8,900万枚の月間最大生産枚 数にまで、設備能力は拡張出来る想定となっております。 商品戦略としましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」の中でも、とりわけ乱視用、遠近 両用コンタクトレンズといったスペシャリティレンズの販売に引き続き注力してまいります。乱視用と一部の遠近 両用において発生していた長期間にわたる納期遅延に関して、2025年5月28日の乱視用コンタクトレンズの納期正 常化をもって解消となることから、納期遅延の影響で流出した顧客の回帰に加え、新規顧客獲得に向けた積極的な 営業戦略を推し進めてまいります。市場のニーズが高まっており市場でのさらなる拡大が見込まれるシリコーンハ イドロゲルレンズにつきましては、市場のニーズに合わせて新シリコーンハイドロゲルの開発から治験終了段階に 計画は進んでおり、新商品の上市に向け取り組んでおります。また、クリアレンズを上回る伸長を見せるカラー・ サークルレンズ分野においてもプレゼンスを発揮するため、2024年12月に発売した遠近両用サークルコンタクトレ ンズ「シード Eye coffret 1day UV M Multistage」等の多機能な商品を中心に新たな商品展開や販売施策を実施 してまいります。 海外市場では、国内市場同様、鴻巣研究所における生産能力の回復に伴い販売活動を活性化することで、海外市 場で一定の円安メリットを活かすとともに、各種の販売促進活動をより積極的に展開し、輸出や海外子会社の売上 拡大を目指しております。また、それぞれの市場ニーズに合わせて、中国・アジア市場を中心にケア用品やカラー レンズの外部調達も活用することでラインアップの拡充を図り、売上拡大を進めてまいります。さらに、2026年3 月期からベトナムとマレーシアの現地法人2社と2025年4月1日に株式取得した、Scotlens Holdings Limitedも 連結子会社の対象範囲となることで連結業績への貢献が見込まれます。 (4)TCFD提言に対する当社の対応(ガバナンス)① 気候変動関連のリスク及び機会についての取締役会による監督体制気候変動関連のリスク及び機会を含む経営上の最重要事項に関する意思決定機能は取締役会が担っており、業務執行状況に関する定期報告やリスク・セキュリティ管理委員会における重要決定事項の報告を受け、業務執行の監督を行っています。 EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクに関して十分な審議を行った上で、環境管理責任者に報告し、リスク・セキュリティ管理委員会に付議されます。リスク・セキュリティ管理委員会はリスク管理プロセスにおいて中心的な役割を果たしており、全社に影響を及ぼすリスクの特定及び対策を策定し、適宜取締役会に付議しています。また、年度毎に各実施責任者が現状のリスク及び機会についての評価案をまとめ、環境管理責任者に報告し、環境管理責任者がリスク・セキュリティ管理委員会に付議し、委員会における討議を経て、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長でもある代表取締役が取締役会に報告を行います。 ② 気候変動関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割当社のEMSにおけるトップマネジメントは代表取締役が担っております。代表取締役は、取締役会のメンバーであり、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長です。EMSのポリシー、リスクと機会、ビジネス戦略、目的、行動計画、及び進捗状況について、リスク・セキュリティ管理委員会で意思決定された事項の報告を受け、EMS推進業務執行及びリスク管理システムの監督を行います。 (戦略)① 短期・中期・長期のリスクと機会リスク:TCFDが定義するハイリスクセクターのように、長期的に大規模な事業転換や投資を必要とするような重大な気候関連リスクは認識されていませんが以下のリスクについて今後対応策を検討してまいります。・物理的リスク気候変動に伴う製造設備地域での災害リスク、サプライチェーンの寸断リスク等・移行リスクカーボンプライシングによるコスト増(炭素税によるコスト増加。排出権取引)・法令リスク環境関連法令の厳格化に伴う遵守に向けての体制整備、設備対応等によるコストアップ等 機会:気温上昇に起因する生活環境の変化による、アレルギー罹患率の増加等の事業機会が考えられます。眼におけるアレルギー罹患率も同様に増加すると考えられ、1日使い捨てコンタクトレンズユーザーの増加や、抗アレルギー薬を持続的に投与できる機能性コンタクトレンズへのニーズの増加が予測されます。また、環境意識の高まりによる環境配慮商品への期待等、新たな商品開発や研究開発の機会が増加すると考えております。 ② 事業・戦略・財務計画に及ぼす影響製造業一般に対する新たな規制強化が実施される可能性も念頭に規制動向は注視することが必要であると認識しております。一方で、環境負荷を低減する製造プロセスの構築や、サプライチェーン全体の気候レジリエンス強化への対応による、機会のポテンシャルもあると考えています。 ③ 1.5℃目標等の気候シナリオを考慮した組織戦略の強靭性環境関連法令等を管理する部署を一元管理および監督するプロジェクト発足等、EMS(環境マネジメントシステム)にて情報収集、審議を行っております。 なお、国際エネルギー機関(IEA)および気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオを参考に、1.5℃ (脱炭素社会への移行を達成)シナリオにおいて、ロジックツリーを用いた、気候変動による当社事業への影響 (リスク)と対応策を整理し、グループ一体で環境経営を推進します。 (リスク管理)① リスク識別・評価のプロセスリスク・セキュリティ管理委員会は、EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が特定し、環境管理責任者より報告された環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクのうち、特に経営に大きな影響を与えるものを全社リスクとして特定します。さらに、リスクの影響度(財務的影響)及び発生可能性(発生頻度)を討議し、高・中・低の3段階で優先順位を決定するとともに、対応する部署を選定し、取締役会へ報告します。 ② リスク管理のプロセス実施責任者は、抽出したリスクの評価と改善を行い、適切なタイミングで環境管理責任者に報告を行います。環境管理責任者は、報告内容を評価し、代表取締役がトップマネジメントを行うリスク・セキュリティ管理委員会に報告します。 ③ 組織全体のリスク管理への統合状況リスク・セキュリティ管理委員会規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しております。気候変動を含む外部環境変化についても、全社的「リスク」、業務別「リスク」の大きさ・発生可能性・発生頻度の評価を行い、重要なリスクの対策及び対応に関しては、取締役会に上程し、取締役会で検討及び関係各署への改善指示を行います。 (指標と目標)① 組織が戦略・リスク管理に即して用いる指標当社は中長期的な視点をもって環境保全活動を推進しており、2021年11月に発表した中期経営計画の一つの柱としてSDGsの推進を掲げております。今後、社会からの期待・要望の変化を踏まえ、中長期視点でマテリアリティを設定し対応してまいります。最終的には、2050年カーボンニュートラルの実現を目指して、2030年を中間目標として設定し、2030年において鴻巣研究所におけるScope1、2を対象としてCO2排出量原単位を2022年度比で50%改善することを削減目標としております。 ② 温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)Scope1、2、3について算出を終了し、削減計画の 策定を行っております。Scope14,895(t-CO2)Scope216,643(t-CO2)Scope349,295(t-CO2)合計70,833(t-CO2) ③ リスクと機会の管理上の目標と実績リスク、機会の抽出については取締役会に提案し、議論を実施し、共有を図っています。[削減目標(KPI)]年項目削減量2030原単位排出量23.15g/枚CO2排出量24,307t (5)重要課題(マテリアリティ) 2024年10月、当社グループの存在意義を、多様な「みえる」喜びを創造できる社会を実現することとし、『まだ みぬ、世界は、美しい』をキャッチコピーとするパーパスを策定いたしました。 それに伴い当社が解決すべき社会課題や、社会要請を「シードのマテリアリティ」と特定し、ステークホルダー とのエンゲージメントを高める指標といたします。 グループパーパスと実現のための経営理念は、ゆるがない、あるべき姿です。 これらを支える価値創造基盤が「品質」「人材」「環境」「ガバナンス」であり、今回のマテリアリティの大枠 としています。抽出した課題への対応状況においては毎年実績を報告するとともに、外部環境の変化に応じて数年 ごとにマテリアリティの見直しも実施する予定です。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当社グループでは、連結売上高500億円を達成し、世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮するための 生産基盤を確保することを目指しております。当社グループは、中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の初年 度となる2025年3月期につきまして、「生産力の抜本的引き上げによる収益力の強化」「国内外のマーケットに対 応するサービスの強化と提供」「市場のニーズに合わせたモノづくり」「内部基盤の強化・人材確保と育成」 「SDGsの推進」「安定した株主還元」を企業目標達成にむけた成長戦略として取り組んでまいりました。 当社では、国内外向けの「Pureシリーズ」の乱視用と一部の遠近両用コンタクトレンズにおいて、当社の供給能 力を超える需要が継続した結果、在庫が逼迫し、2024年3月期第2四半期から、当該製品の納期の遅延が発生して おりました。しかしながら、生産力の抜本的引き上げの一環として新設した2号棟別館の本格稼働により、生産数 が増加したことから遠近両用コンタクトレンズは2025年2月10日より納期が正常化いたしました。加えて、2025年 3月に鴻巣研究所における生産数が既往ピークを達成する等、在庫水準が順調に回復していることから、長期にわ たり受注日14日後発送としておりました乱視用コンタクトレンズにつきましても、2025年5月10日受注分から段階 的に納期を短縮し、2025年5月28日より通常納期での対応となります。 商品戦略としましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」の中でも、とりわけ乱視用、遠近 両用コンタクトレンズといったスペシャリティレンズの販売に注力しております。市場のニーズが高まるシリコー ンハイドロゲルレンズにつきましては、「シード1daySilfa」、「シード AirGrade 1day UV W-Moisture」の2 商品を展開しております。さらに、2週間交換ソフトコンタクトレンズ市場においてシリコーンハイドロゲルレン ズが標準化していることから、「シードAirGrade 2week UV W-Moisture」を上市し、同一シリコン素材で1日使 い捨てレンズと2週間交換ソフトレンズの双方を市場に提案しております。サークルレンズ 「シード Eyecoffret 1day UVM」並びに、カラーコンタクトレンズ「ベルミー」においては、イメージキャラクターを集約し、SNS等を 使った、メッセージ展開をしております。今後需要の拡大が見込まれる一方で、現状選択肢が非常に限られる遠近 両用サークルコンタクトレンズに関しては、「シード Eye coffret 1day UV M Multistage」を2024年12月に新た に発売し、今後もサークル・カラーレンズにおいて、スペシャリティレンズの拡充を図っております。 また、オルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」につきましては、既存サービスの拡充を行うととも に、各種学会でのセミナー開催等のアカデミックコミュニケーションを通じて普及を拡大させ、シェア拡大を目指 して販売を行っております。 研究開発の分野では、大規模集積回路を含む、アンテナ、半導体チップ等の各種電子部品をコンタクトレンズへ 実装する技術の標準化、及び多様なデバイスを汎用的に駆動できる大規模集積回路の開発に成功し、当該技術をプ ラットフォーム化して公表しております。今後は参加いただく企業、大学等研究機関と研究開発を行うことで、医 療機器としてはもちろん、様々な分野における将来のスマートコンタクトレンズへの需要に対応してまいります。 また、個人のビジョンニーズに正確に適合するパーソナライゼーション、新シリコーンハイドロゲルレンズ、薬 剤との融合コンタクトレンズの開発や治験も進行中です。 海外市場では、「シード1dayPureシリーズ」を中心に、それぞれの市場特性に合わせて、サークル・カラーコ ンタクトレンズ、「シード1daySilfa」、オルソケラトロジーレンズ、RGPレンズ、ケア用品等、プロダクトミッ クスを多様化しております。特に、マレーシアやベトナムの海外市場においては、コンタクトレンズとは不可分の 保湿性目薬と多様な洗浄剤を当社ブランドで展開する等、商品の多様化を進めております。また、2025年4月に当 社の100%子会社である英国のCLPL社を通じて、英国のスコットランドを主たる事業地域としてカスタマイズされた オルソケラトロジーレンズやスクレラルレンズに強みを持つScotlens Holdings Limitedの株式を100%取得する等 シードグループとしてプロダクトカバレッジの拡大と市場競争力の強化を図っております。 これらの事業活動の結果、当連結会計年度において、引き続き国内外のコンタクトレンズ需要は堅調に拡大を示 しておりますが、設備増設に比例した生産の実現に時間を要したことと、現在では安定化したものの、既存生産設 備において第2四半期に生じて第3四半期から第4四半期始めまで継続して影響が続いた機械トラブルにより 「Pureシリーズ」を中心とした製品生産量の伸び悩みに起因して、予定通りの製品供給に至らず、売上高は33,231 百万円(前期比2.6%増)に留まりました。 利益につきましては、生産数増加による売上高増加の寄与はあったものの、一時的な生産混乱と新規生産設備の 立ち上がりに際しての生産効率の低下が生じました。これにより、生産数の計画未達及び、製造原価の高騰が原因 で原価率が上昇したことに加え、輸入商品が円安の影響を受け輸入価格が当初の想定より上昇したことが、売上総 利益へマイナスの影響を及ぼしました。販売費及び一般管理費においては、第1四半期に一過性の費用として、本 社移転に伴う費用が発生しております。また、人員増加・処遇改善に纏わる人件費の増加や治験の進捗に伴う研究 開発費の支払いが高水準であることから、営業利益1,562百万円(前期比23.8%減)、経常利益1,333百万円(前期 比35.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,092百万円(前期比44.4%減)となりました。 2025年3月期は、2号棟別館竣工、新本社竣工と移転の一時経費発生、4号棟着工等極めて大きな設備投資が重 なりました。それぞれの投資効果の顕在化には一定のタイムラグがあることに加え、各種の販売費及び一般管理費 も物価高騰といった影響により増加しており、期間損益としては減益となっております。設備投資と研究開発投資 は、時宜と継続性が競争力増強に不可欠であり、一定の期間の中では平均化するものも多く、2026年3月期につき ましても、引き続き中期経営計画に基づいた当初計画通りの投資を継続してまいります。 セグメントの経営成績は次のとおりであります。 (コンタクトレンズ・ケア用品)国内のコンタクトレンズ販売につきましては、引き続き国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心とし、2つの異なるベクトルを持つシリコーンハイドロゲルレンズや特に市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力してまいりました。「シード1dayPureシリーズ」につきましては、需要は増大しているものの、2024年3月期第2四半期以降に継続しておりました国内外向け乱視用と一部の遠近両用における納期遅延と2025年3月期第2四半期に発生した生産混乱による販売機会の逸失のため、前期比4.0%増に留まりました。就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロジーレンズにつきましては、前期比21.4%増と大きく伸長いたしました。サークル・カラーコンタクトレンズにおいては、販売チャネルの多様化と競合商品増加の影響もありましたが、SNSを活用した販売促進やニーズに合わせた多機能商品の展開を進めたことで、前期比1.9%増となりました。ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品が増加したため、前期比5.5%増となりました。海外へのコンタクトレンズ輸出につきましては、アジア・欧州共に販売の回復傾向が見られ前期比6.6%増となりましたが、未だ海外在庫水準の適正化の途上であり、各国からのバックオーダーの解消には至らず、販売機会を生かし切れませんでした。その結果、セグメント全体の売上高は33,104百万円(前期比2.6%増)、営業利益3,198百万円(前期比2.3%減)となりました。 (その他)その他につきましては、眼内レンズの売上が増加した結果、売上高は126百万円(前期比9.4%増)、営業損失は8百万円(前期営業損失9百万円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,078百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、2,978百万円(前年同期6,023百万円の増加)となりました。これは主に、税金 等調整前当期純利益の計上1,326百万円や減価償却費の計上3,319百万円により資金が増加しております。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は、4,574百万円(前年同期3,763百万円の減少)となりました。これは主に、鴻巣研究所の設備導入等に伴う有形固定資産の取得による支出4,683百万円が要因となっております。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、1,127百万円(前年同期2,644百万円の増加)となりました。資金減少の主な要因は長期借入金の返済2,178百万円や短期借入金の純減少額1,050百万円です。一方、資金増加の主な要因は長期借入による収入3,900百万円です。 (2)生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)12,531,058113.5合計(千円)12,531,058113.5(注)金額は製造原価によっております。 ② 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)7,320,992109.3その他(千円)67,572121.5合計(千円)7,388,565109.4(注)金額は仕入価額によっております。③ 受注実績当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。④ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)33,104,817102.6その他(千円)126,816109.4合計(千円)33,231,633102.6(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)HOYA株式会社4,972,85015.45,201,96015.7株式会社アド2,854,0988.83,812,06611.5株式会社パレンテ3,804,09711.73,600,09810.8 (3)経営者の視点による財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行っており、そのうち主なものは以下のとおりであります。なお、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。(棚卸資産の評価)当社グループの保有する棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しております。収益性の低下が認められた棚卸資産については、取得原価と当連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、収益性の低下に基づき簿価を切り下げた金額は原則として売上原価に含めております。長期滞留の棚卸資産に対しては、売上実績及び将来の売上予算を基礎に出荷期限内で出荷する可能性を検討したうえで、当連結会計年度末において出荷期限内に出荷が見込まれない棚卸資産の取得原価を切り下げております。当連結会計年度末において収益性の低下が認められた棚卸資産について、上記方法に基づく簿価切下げによる評価損を売上原価に計上しております。棚卸資産の評価の見積りは、景気動向や顧客ニーズの変化等の将来の経済環境の変動によって影響を受ける可能性があり、売上実績が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において売上原価の金額に重要な影響を与える可能性があります。(債権の評価)当社グループの保有する債権(売上債権、貸付金等)については、回収可能性を検討の上、貸倒引当金を計上しております。なお今後、債務者の財務内容、将来業績が低下する場合においては、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。(固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。(繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末における資産の残高は、51,760百万円となり、前連結会計年度末から2,186百万円増加いたしました。主な要因としましては、新本社ビルや鴻巣研究所2号棟別館の竣工、また鴻巣研究所2号棟別館へ の新規設備の導入により有形固定資産が増加したことが挙げられます。負債につきましては、33,375百万円となり、前連結会計年度末から1,451百万円増加しております。主な要因としましては、新本社ビル建設に伴う長期借入金の 増加や鴻巣研究所2号棟別館への新規設備導入によるリース債務の増加が挙げられます。純資産につきましては、18,385百万円となり、前連結会計年度末から734百万円増加しております。主な要因としては、利益剰余金が増加 したことが挙げられます。 ③ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析に関しては、第2[事業の状況]4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[経営成績等の状況の概要]の②を参照ください。指標 2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)29.635.034.9時価ベースの自己資本比率(%)34.240.528.5インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)18.628.28.8※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い ④ 資本の財源及び資金の流動性の分析当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用や商品仕入代金等の運転資金、中長期的に安定した成長を遂げるためのコンタクトレンズ事業における製造設備投資及び研究開発への継続的な投資であります。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」、研究開発投資につきましては、「6 研究開発活動」に記載のとおりであります。必要資金につきましては、主に手元資金及び金融機関からの借入金にて賄っており、当連結会計年度末の当社グループの短期及び長期借入金の残高は19,088百万円であります。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に取り組みながら、外部からの借入金も活用し資金需要を賄ってまいります。 ⑤ 経営成績の分析売上高・売上総利益 当連結会計年度における売上高は33,231百万円となり、前連結会計年度に比べ834百万円増加いたしました。 これは、堅調に拡大を示す国内外のコンタクトレンズ市場において、主力商品である「シード1dayPureシリー ズ」を中心に、2つの異なるベクトルを持つシリコーンハイドロゲルレンズや特に市場の伸長が最も見込まれる 遠近両用コンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力した結果であります。しかしながら、設備増設に比 例した生産の実現に時間を要したことと、現在では安定化したものの、既存生産設備において第2四半期に生じ て第3四半期から第4四半期始めまで継続して影響が続いた機械トラブルにより「Pureシリーズ」を中心とした 製品生産量の伸び悩みに起因して、予定通りの製品供給に至りませんでした。 売上総利益は14,628百万円(売上総利益率44.0%)となり、前連結会計年度に比べ444百万円増加(売上総 利益率0.2ポイントアップ)いたしました。 販売費及び一般管理費当連結会計年度における販売費及び一般管理費は13,066百万円となり、前連結会計年度に比べ932百万円増加いたしました。これは、人件費(前期対比417百万円増)や広告宣伝費(前期対比378百万円増)が増加したためであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・理念当社グループは、『眼』の専門総合メーカーとして、“お客様の『見える』をサポートする“を使命とし、コンタクトレンズ事業を中心に、コンタクトレンズケア用品、眼鏡等、幅広く事業を展開しています。経営理念は以下のとおりであります。(経営理念)・専門特化した研究開発力を基盤に安全かつ高品質な製品を提供し、多くの人々の健康と幸せに貢献する・スピードを重視した経営により、環境変化に先駆けて対応するとともに、お客様のニーズに的確に応える・社員ひとり一人が自発性と創意工夫を発揮できる場を作り、社員の努力に対してしっかりと報いる・良き企業市民として、法令を遵守し、環境・社会・地域との調和をはかり、その発展に貢献する (2)経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税率引き上げに伴う個人消費の低迷に加え、米中貿易摩擦の長期化や欧州における英国の欧州連合離脱問題等に大きく影響を受けました。さらに新型コロナウイルス感染症の我が国を含む世界的な感染拡大を阻止するための各種の防疫対策が個人消費を直撃したことにより、足元の経済状況は著しく悪化し、今後も予断を許さない状況となっております。コンタクトレンズ業界におきましては、国内では、少子高齢化が進んでいるものの近視人口が増加しており、また、引き続き1日使い捨てタイプへのシフトが緩やかに続いていることや、乱視用、遠近両用等の高付加価値商品の伸長等により、2020年の年初までは、市場は緩やかながらも成長基調を辿っていたと認識しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、年間の最大の需要期である卒業・新入学シーズンに、新型コロナウイルスへの感染予防のため、ユーザーが眼科医療機関・販売施設への来院・来店を控える状況となりました。また、政府や地方自治体の要請を受けた外出自粛やテレワークへの強力な誘導、マスクの着用により、特に女性ユーザーを対象としたファッション性の高いサークル・カラーコンタクトレンズ市場が低迷しました。さらに、アジア諸国から欧州地域への感染の拡大に伴い、海外輸出も厳しい状況で推移し、未だ多数の海外市場が正常化に時間を要すると思われます。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の景気見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済活動の停止・停滞や外出自粛による消費マインドの低下等、国内外において、先行きが相当の不透明さを有するものと考えられます。コンタクトレンズにつきましては、視機能の提供という極めて生活に重要な機能を持つ医療機器であることに鑑み、緊急事態宣言が発出されている状況においても、国や地方自治体の各種要請を順守しながら安定供給できる体制を維持することが求められております。しかしながら、感染拡大阻止のためのテレワークへの移行、外出自粛と屋外での活動抑制、さらに販売施設の休業等により、新型コロナウイルス感染症の抜本的な解決策が講じられるまでの間は需要が落ち込むことが予測され、厳しい市場環境からの回復の目途が未だ立っていないと認識しております。海外市場においては、感染の鎮静化による経済活動の再活性化による需要の回復傾向が見られるものの、一部地域では未だ感染の鎮静化が見えず、経済活動の再活性化には時間を要するものと思われます。このような状況の下、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対する社内外への感染防止と従業員の安全確保、国や地方自治体からの各種要請を踏まえつつ、医療機器メーカーとしての製品供給責任を出来る限り遂行するために、グループ別交代制勤務・テレワーク・フレキシブルな通勤体制等を活用しながら、製品の供給については通常通り事業活動を継続しております。今後につきましても、常に最新の感染状況、行政の政策運営、市場動向を踏まえた上で、臨機応変かつ慎重に事業活動を継続してまいります。特に財務の安定性を高めるために、資金調達や在庫削減により手元流動性の確保に万全を期してまいります。2021年3月期につきましては、現在の中期経営計画の最終年度ですが、計画を踏まえつつも外部環境に応じた臨機応変な経営を行ってまいります。基本方針としては、引き続き主力の「ワンデーピュアシリーズ」を中心として、品質力の高さやきめ細やかな製品ラインナップのアピールに努めるとともに、市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズカテゴリーのシェア獲得を図るため、2019年度に発売した遠近両用1日使い捨てコンタクトレンズ「シード ワンデーピュア EDOF(イードフ)」の国内外への拡販に注力してまいります。サークル・カラーコンタクトレンズカテゴリーにおいては、2020年3月に発売した「アイコフレ1day UV M」の新色に加え、「JILL STUART 1day UV」の新色を投入し、売上の伸長とそれぞれのカテゴリーでのシェアアップを目指してまいります。また、オルソケラトロジー事業、スマートコンタクトレンズ事業等の新しい分野にも積極的に経営資源を投下してまいります。海外事業においては、当社初となる自社オリジナルのシリコーンハイドロゲル素材ワンデーコンタクトレンズの海外への販売を開始する計画に加え、各国の法令や認証制度に対応しながら、既存進出地域の売上拡大と新規販売地域の拡大に注力してまいります。これらを通じて、国内外での売上高拡大の継続を図ってまいります。また、鴻巣研究所において資材・倉庫設備の新設を行い、既存の3つの生産棟の製造エリアの拡大による生産力増強と多品種少量生産を推進する生産システムの導入を行います。さらに、4月に生産技術本部の組織改正を行い、生産管理業務の質的向上及び生産現場強化を行い、多品種少量生産をより進めた中での製造原価の低減に努め、長期の成長戦略のための研究開発投資や、生産現場への設備投資に係る償却負担増加等を吸収し、粗利率の改善を起点とした収益力の強化を図ってまいります。また、販売動向を踏まえた在庫管理を徹底するとともに、新型コロナウイルス感染症と一定期間共存せざるを得ない環境下での広告宣伝戦略や個別営業活動等の経費を見直し、営業利益を確保するよう努める方針です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・理念当社グループは、『眼』の専門総合メーカーとして、“お客様の『見える』をサポートする“を使命とし、コンタクトレンズ事業を中心に、コンタクトレンズケア用品、眼鏡等、幅広く事業を展開しています。経営理念は以下のとおりであります。(経営理念)・専門特化した研究開発力を基盤に安全かつ高品質な製品を提供し、多くの人々の健康と幸せに貢献する・スピードを重視した経営により、環境変化に先駆けて対応するとともに、お客様のニーズに的確に応える・社員ひとり一人が自発性と創意工夫を発揮できる場を作り、社員の努力に対してしっかりと報いる・良き企業市民として、法令を遵守し、環境・社会・地域との調和をはかり、その発展に貢献する (2)経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税率引き上げに伴う個人消費の低迷に加え、米中貿易摩擦の長期化や欧州における英国の欧州連合離脱問題等に大きく影響を受けました。さらに新型コロナウイルス感染症の我が国を含む世界的な感染拡大を阻止するための各種の防疫対策が個人消費を直撃したことにより、足元の経済状況は著しく悪化し、今後も予断を許さない状況となっております。コンタクトレンズ業界におきましては、国内では、少子高齢化が進んでいるものの近視人口が増加しており、また、引き続き1日使い捨てタイプへのシフトが緩やかに続いていることや、乱視用、遠近両用等の高付加価値商品の伸長等により、2020年の年初までは、市場は緩やかながらも成長基調を辿っていたと認識しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、年間の最大の需要期である卒業・新入学シーズンに、新型コロナウイルスへの感染予防のため、ユーザーが眼科医療機関・販売施設への来院・来店を控える状況となりました。また、政府や地方自治体の要請を受けた外出自粛やテレワークへの強力な誘導、マスクの着用により、特に女性ユーザーを対象としたファッション性の高いサークル・カラーコンタクトレンズ市場が低迷しました。さらに、アジア諸国から欧州地域への感染の拡大に伴い、海外輸出も厳しい状況で推移し、未だ多数の海外市場が正常化に時間を要すると思われます。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の景気見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済活動の停止・停滞や外出自粛による消費マインドの低下等、国内外において、先行きが相当の不透明さを有するものと考えられます。コンタクトレンズにつきましては、視機能の提供という極めて生活に重要な機能を持つ医療機器であることに鑑み、緊急事態宣言が発出されている状況においても、国や地方自治体の各種要請を順守しながら安定供給できる体制を維持することが求められております。しかしながら、感染拡大阻止のためのテレワークへの移行、外出自粛と屋外での活動抑制、さらに販売施設の休業等により、新型コロナウイルス感染症の抜本的な解決策が講じられるまでの間は需要が落ち込むことが予測され、厳しい市場環境からの回復の目途が未だ立っていないと認識しております。海外市場においては、感染の鎮静化による経済活動の再活性化による需要の回復傾向が見られるものの、一部地域では未だ感染の鎮静化が見えず、経済活動の再活性化には時間を要するものと思われます。このような状況の下、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対する社内外への感染防止と従業員の安全確保、国や地方自治体からの各種要請を踏まえつつ、医療機器メーカーとしての製品供給責任を出来る限り遂行するために、グループ別交代制勤務・テレワーク・フレキシブルな通勤体制等を活用しながら、製品の供給については通常通り事業活動を継続しております。今後につきましても、常に最新の感染状況、行政の政策運営、市場動向を踏まえた上で、臨機応変かつ慎重に事業活動を継続してまいります。特に財務の安定性を高めるために、資金調達や在庫削減により手元流動性の確保に万全を期してまいります。2021年3月期につきましては、現在の中期経営計画の最終年度ですが、計画を踏まえつつも外部環境に応じた臨機応変な経営を行ってまいります。基本方針としては、引き続き主力の「ワンデーピュアシリーズ」を中心として、品質力の高さやきめ細やかな製品ラインナップのアピールに努めるとともに、市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズカテゴリーのシェア獲得を図るため、2019年度に発売した遠近両用1日使い捨てコンタクトレンズ「シード ワンデーピュア EDOF(イードフ)」の国内外への拡販に注力してまいります。サークル・カラーコンタクトレンズカテゴリーにおいては、2020年3月に発売した「アイコフレ1day UV M」の新色に加え、「JILL STUART 1day UV」の新色を投入し、売上の伸長とそれぞれのカテゴリーでのシェアアップを目指してまいります。また、オルソケラトロジー事業、スマートコンタクトレンズ事業等の新しい分野にも積極的に経営資源を投下してまいります。海外事業においては、当社初となる自社オリジナルのシリコーンハイドロゲル素材ワンデーコンタクトレンズの海外への販売を開始する計画に加え、各国の法令や認証制度に対応しながら、既存進出地域の売上拡大と新規販売地域の拡大に注力してまいります。これらを通じて、国内外での売上高拡大の継続を図ってまいります。また、鴻巣研究所において資材・倉庫設備の新設を行い、既存の3つの生産棟の製造エリアの拡大による生産力増強と多品種少量生産を推進する生産システムの導入を行います。さらに、4月に生産技術本部の組織改正を行い、生産管理業務の質的向上及び生産現場強化を行い、多品種少量生産をより進めた中での製造原価の低減に努め、長期の成長戦略のための研究開発投資や、生産現場への設備投資に係る償却負担増加等を吸収し、粗利率の改善を起点とした収益力の強化を図ってまいります。また、販売動向を踏まえた在庫管理を徹底するとともに、新型コロナウイルス感染症と一定期間共存せざるを得ない環境下での広告宣伝戦略や個別営業活動等の経費を見直し、営業利益を確保するよう努める方針です。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社グループは、3ヶ年中期経営計画の2年目となる2020年3月期につきましても、引き続き『~61年目からの新たな挑戦~日本のシードから世界のSEEDへ』を基本施策として、主力である純国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心に、日本国内での安定した成長と同時に積極果敢な世界展開を実現し、販路拡大を通じた事業規模の拡大と将来的な成長を実現する事業基盤の強化を図ってまいりました。当連結会計年度の業績について、売上高は、国内において消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が想定以上に長期化したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により国内外の需要が落ち込んだものの、主力のコンタクトレンズを中心に売上が伸長したことと、欧州での企業買収効果もあり、グループ初の300億円突破となる31,792百万円(前期比7.8%増)となりました。利益につきましては、販売地域の拡大及び新製品投入開始等の多品種化に伴い製造原価が上昇したこと等により、営業利益1,733百万円(前期比7.5%減)、経常利益1,691百万円(前期比8.1%減)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、スマートコンタクトレンズ事業を手掛けるスイスのSensimed AG社の子会社化に伴う段階取得に係る差損を計上したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、マーケティング方針を変更した「JILL STUART 1day UV」の在庫に対するたな卸資産評価損の計上、及びドイツ連邦共和国のWoehlk Contactlinsen GmbHに関するのれん、無形資産の減損を行い、特別損失を計上したこと等により、252百万円(前期比73.8%減)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、重要性の観点からオルソケラトロジーレンズ及びトリガーフィッシュに関連する事業のセグメントを「その他」から「コンタクトレンズ・ケア用品」に変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。(コンタクトレンズ・ケア用品)コンタクトレンズにつきまして、主力の純国産1日使い捨てコンタクトレンズ「ワンデーピュアシリーズ」は、新しい遠近両用タイプ「シード ワンデーピュア EDOF(イードフ)」を2019年12月に発売し、国内外で成長が大いに見込まれる遠近両用市場での競争力強化を図るとともに、海外の販売強化及び国内の乱視・遠近両用カテゴリーの需要増に支えられ、シリーズ全体として好調に推移しました。一方、サークル・カラーコンタクトレンズにつきましては、3月に「アイコフレ1day UV M」の新色を投入したものの、その効果が限定的にとどまり、国内における販売チャネルの多様化、競合商品のラインナップ増加等の影響に加え、「JILL STUART 1day UV」の不振と、第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、東・東南アジア向けの輸出も停止せざるを得ず、対前年売上高が微減に終わりました。なお、就寝前に装用することで睡眠時に角膜を矯正するオルソケラトロジーレンズ事業につきましては、市場の伸長に加え、2019年10月に「ブレスオーコレクト」の総販売代理店となり、販売体制を強化したことにより前年を大きく上回る57%増の成長を実現しました。ケア用品につきましては、コンタクトレンズ市場の1日使い捨てタイプへのシフトに加え、ソフトコンタクトレンズ用ケア用品「シードゥ ソフトケア ピュア」の販売を終了した影響もあり、前期を若干下回る結果となりました。その結果、セグメント全体の売上高は30,888百万円(前期比8.7%増)、営業利益2,854百万円(前期比5.2%減)となりました。(眼鏡)眼鏡につきましては、卸販売の営業拠点を概ね東京に集約し、小売子会社の不採算店舗を閉店する等、事業の再構築に取り組みながら、主力フレームの「ビビッドムーン」や「プラスミックス」を中心に営業活動を行ってまいりましたが、眼鏡市場全体の低価格商品への需要シフト及び小売子会社店舗の閉店による影響等により、売上高は594百万円(前期比29.3%減)、営業損失は54百万円(前期営業損失79百万円)となりました。(その他)その他につきましては、売上高は309百万円(前年同期比38.8%増)、営業損失は11百万円(前年同期営業損失34百万円)となりました。② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,644百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、3,897百万円(前年同期170百万円の支出)となりました。資金増加の主な要因は、減価償却費の計上2,652百万円や海外製造委託分の在庫に関係する前渡金の減少1,185百万円、税金等調整前当期純利益の計上490百万円が挙げられます。また、資金減少の要因はたな卸資産の増加591百万円や法人税等の支払い643百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、2,649百万円(前年同期1,895百万円の支出)となりました。これは主に、鴻巣研究所の設備導入等に伴う有形固定資産の取得2,269百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、273百万円(前年同期2,957百万円の収入)となりました。資金増加の主な要因は短期借入金の純増加額1,384百万円や長期借入れによる収入2,550百万円が挙げられます。また、資金減少の主な要因は長期借入金の返済2,595百万円やリース債務の返済959百万円であります。 (2)生産、受注及び販売の実績本報告書のこの項以下に記載する金額は、消費税等を抜きで表示しております。① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)9,281,347115.3合計(千円)9,281,347115.3(注)金額は製造原価によっております。 ② 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)9,264,93194.3眼鏡(千円)389,78171.9その他(千円)104,42892.1合計(千円)9,759,14293.1(注)金額は仕入価額によっております。③ 受注実績当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。 ④ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)30,888,785108.7眼鏡(千円)594,39270.7その他(千円)309,641138.8合計(千円)31,792,819107.8(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。 (3)経営者の視点による財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況及びの分析当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行っており、そのうち主なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。(たな卸資産の評価)当社グループの保有するたな卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、製品、商品については正味売却価額に基づき、それぞれ収益性の低下を検討しております。なお、一定期間を超えて在庫として滞留するたな卸資産については簿価を切り下げており、当社商品である「JILL STUART 1day UV」につきましては、当連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みマーケティング方針を変更し、出荷数が当初計画を下回って推移していることから、有効期限内での出荷が困難な在庫金額を見積り、たな卸資産評価損を計上しました。しかし、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合には、追加的に簿価を切り下げる可能性があります。(債権の評価)当社グループの保有する債権(売上債権、貸付金等)については、回収可能性を検討の上、貸倒引当金を計上しております。コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、債務者の財務内容、将来業績が低下する場合においては、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。(固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。(繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ② 財政状態の分析資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末における資産の残高は、41,586百万円となり、前連結会計年度末から1,417百万円増加いたしました。主な要因として、商品在庫・製品在庫水準の適正化を図る一方、鴻巣研究所3号棟の生産エリア拡大と設備導入に伴い有形固定資産が増加したことや、現預金が増加したこと、事業拡大目的とした営業権の獲得による無形固定資産の増加等が挙げられます。負債につきましては、30,823百万円となり、前連結会計年度末から1,654百万円増加しております。主な要因は子会社等への出資や株式取得、新商品発売のための在庫投資と鴻巣研究所の設備導入、手元流動性積上げ等の結果、短期借入金が1,366百万円増加したことが挙げられます。純資産につきましては、10,762百万円となり、前連結会計年度末から236百万円の減少となりました。主な要因としては、子会社化した海外コンタクトレンズメーカーの株式追加取得により、資本剰余金が減少したことが挙げられます。 ③ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析に関しては、第2[事業の状況]3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[経営成績等の状況の概要]の②を参照ください。指標 2018年3月期2018年3月期2020年3月期自己資本比率(%)29.026.825.5時価ベースの自己資本比率(%)181.878.153.5インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)25.8△1.224.1※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い ④ 資本の財源及び資金の流動性の分析当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用や商品仕入代金等の運転資金、中長期的に安定した成長を遂げるためのコンタクトレンズ事業における製造設備投資及び研究開発への継続的な投資であります。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」、研究開発投資につきましては、「5 研究開発活動」に記載のとおりであります。また、海外市場への進出も積極的に行っており、買収・出資等の資金確保も重点課題であります。必要資金につきましては、主に手元資金及び金融機関からの借入金にて賄っており、当連結会計年度末の当社グループの短期及び長期借入金の残高は19,572百万円であります。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に取り組みながら、外部からの借入金も活用し資金需要を賄ってまいります。 ⑤ 経営成績の分析売上高・売上総利益当連結会計年度における売上高は31,792百万円となり、前連結会計年度に比べ2,303百万円増加いたしました。これは、純国産使い捨てコンタクトレンズ「ピュアシリーズ」において、近視用、乱視用、遠近両用等を中心に、国産の品質力やきめ細やかな対応力を積極的にアピールした結果、主力カテゴリーである1日使い捨てタイプを中心に伸長し、コンタクトレンズ全体で前期比9.8%の増収となったためであります。また、欧州での企業買収により海外売上高が増加したことも寄与しております。売上総利益は14,182百万円(売上総利益率44.6%)となり、前連結会計年度に比べ813百万円増加(売上総利益率0.7ポイントダウン)いたしました。これは、主に売上高の増加に伴う増益によるものであります。 販売費及び一般管理費当連結会計年度における販売費及び一般管理費は12,449百万円となり、前連結会計年度に比べ955百万円増加いたしました。これは、人件費(前期対比456百万円増)や研究開発費(前期対比562百万円増)等が増加したためであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】今後の景気見通しにつきましては、個人消費は力強さを欠くものの、米国経済の急速な回復等も背景として、輸出や設備投資の増加等企業主導の成長は続き、緩やかな回復傾向にあるものと思われます。このような状況の下、コンタクトレンズ業界につきましては、装用人口はほぼ横ばいと推測されるものの、1日使い捨てタイプへのシフトは引き続き進み、また、遠近両用等の高付加価値アイテムも伸長することが予想され、金額ベースの市場規模は緩やかながら成長するものと見込まれます。その一方で、機能・品質、広告戦略、物流業界の値上げ対応等々、各メーカー間における競争は激化することが必至であり、当社は、国内外での「販売戦略」、「商品戦略」、「生産・開発力強化」、「管理体制強化」を引き続きの重要施策として、将来の競争力強化、新規分野での事業確立、海外販売の拡大を図るべく、積極的に経営資源を投下してまいります。2019年3月期につきましては、3号棟本稼働による「ワンデーピュア」の出荷増や新商品の投入、海外事業拡大等により売上高の拡大基調を継続して、成長戦略のための研究開発投資や物流関連費用、3号棟増設に伴う償却負担増加等を吸収し、各利益におきましても増益となるよう努めてまいります。また、当期が起点となります新3ヶ年中期経営計画「61年目からの新たな挑戦」に掲げました各戦略や施策を遂行し、業容拡大、事業基盤の強化に向けグループ一丸となり取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】今後の景気見通しにつきましては、個人消費は力強さを欠くものの、米国経済の急速な回復等も背景として、輸出や設備投資の増加等企業主導の成長は続き、緩やかな回復傾向にあるものと思われます。このような状況の下、コンタクトレンズ業界につきましては、装用人口はほぼ横ばいと推測されるものの、1日使い捨てタイプへのシフトは引き続き進み、また、遠近両用等の高付加価値アイテムも伸長することが予想され、金額ベースの市場規模は緩やかながら成長するものと見込まれます。その一方で、機能・品質、広告戦略、物流業界の値上げ対応等々、各メーカー間における競争は激化することが必至であり、当社は、国内外での「販売戦略」、「商品戦略」、「生産・開発力強化」、「管理体制強化」を引き続きの重要施策として、将来の競争力強化、新規分野での事業確立、海外販売の拡大を図るべく、積極的に経営資源を投下してまいります。2019年3月期につきましては、3号棟本稼働による「ワンデーピュア」の出荷増や新商品の投入、海外事業拡大等により売上高の拡大基調を継続して、成長戦略のための研究開発投資や物流関連費用、3号棟増設に伴う償却負担増加等を吸収し、各利益におきましても増益となるよう努めてまいります。また、当期が起点となります新3ヶ年中期経営計画「61年目からの新たな挑戦」に掲げました各戦略や施策を遂行し、業容拡大、事業基盤の強化に向けグループ一丸となり取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 業績等の概要① 業績当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の積極的な経済政策を背景に、企業収益や雇用及び所得環境に改善が見られる等、緩やかな回復基調の中で推移いたしました。コンタクトレンズ業界におきましては、視力補正が必要な方々の生活においてコンタクトレンズが“必需品”として定着している環境を背景にして、1日使い捨てタイプへのシフトが続いていることや、遠近両用やサークルレンズの伸長等により、市場は緩やかながらも成長基調にあるものと推測されます。しかしながら、新素材商品のラインナップが多様化している事や遠近両用タイプのスペック拡充、サークルレンズカテゴリーへの新規参入が相次いでおり、メーカー間の競合は依然厳しい状態で推移しております。このような状況の中、当社グループは、3ヶ年中期経営計画の最終年度となる2018年3月期につきましても、「販売戦略」、「商品戦略」、「生産・開発力強化」、「管理体制強化」を最重要施策として、新しい生産棟の建設によるさらなる製造能力の増強や多品種少量生産への対応力強化、国産ならではの開発力、品質・安全性の高さをアピールして海外輸出国の売上拡大や進出国の開拓等に取り組み、事業基盤の強化や将来の競争力強化に結実すべく積極的に経営資源を投下してまいりました。この結果、売上高につきましては、コンタクトレンズが概ね順調に推移し、また、前期2月よりコンタクトレンズ小売事業を承継したことによる純増効果もあり、当連結会計年度の売上高は27,827百万円(前年同期比13.8%増)となりました。利益につきましても、売上高の増加や生産効率の向上に伴う原価低減等により営業利益2,106百万円(前年同期比38.7%増)、経常利益2,157百万円(前年同期比58.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、子会社における減損損失307百万円の計上等があり業績予想額を15%ほど下回ることとなりましたが、1,198百万円(前年同期比36.7%増)と増益となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。(コンタクトレンズ・ケア用品)純国産使い捨てコンタクトレンズのピュアシリーズにおいて、1日使い捨てタイプの近視用、乱視用、遠近両用や、うるおい感を向上させた2週間交換タイプの「2ウィークピュアうるおいプラス」等を中心に、国産の品質力やきめ細やかな対応力を積極的にアピールしてまいりました。また、瞳を際立たせるサークルレンズ「シードアイコフレワンデーUV」の新色を12月に新たに追加し、テレビCMや交通広告をはじめ積極的な営業活動を展開してまいりました。この結果、主力カテゴリーである1日使い捨てコンタクトレンズにおいては、「ワンデーピュア」シリーズが乱視用を中心に伸長しております。また、サークルレンズカテゴリーも前年同期を上回っております。ケア用品につきましても、流通在庫の消化や新規導入企業の獲得により前年同期を上回り、これにより全体の売上高は26,658百万円(前年同期比14.7%増)と増収となりました。人件費や研究開発費の増加に伴い、販管費は増加しておりますものの、売上高伸長に伴う粗利益増加により営業利益につきましては、3,110百万円(前年同期比38.6%増)と増益となりました。(眼鏡)主力フレームの「ビビッドムーン」や「プラスミックス」を中心に、代理店の効率的な活用や展示会に出展する等、新販路の開拓や既存得意先での取引量拡大とともに、眼鏡レンズの販売終了により事業損益の改善に努めてまいりました。しかしながら、結果として主力フレームの出荷が伸び悩んだため、売上高は829百万円(前年同期比6.2%減)となりました。粗利率は改善傾向が見られましたもの、売上高減少に伴う粗利益額の減少が影響し、営業損失71百万円(前期営業損失41百万円)となりました。(その他)売上高は338百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益5百万円(前年同期営業損失6百万円)となりました。 ② キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,780百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、3,012百万円(前年同期2,158百万円の収入)となりました。資金増加の主な要因は、減価償却費1,973百万円や未払金の増加362百万円が挙げられます。また、資金減少の主な要因は、売上債権の増加509百万円や法人税等の支払い550百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、5,312百万円(前年同期4,643百万円の支出)となりました。これは主に、鴻巣研究所3号棟の竣工・設備導入、及び保育施設開設に向けた土地取得等に伴う有形固定資産の取得3,790百万円や英国のコンタクトレンズメーカー株式取得に充当予定の預け金の預け入れ1,196百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、2,177百万円(前年同期2,322百万円の収入)となりました。資金増加の主な要因は、短期借入金の純増額1,316百万円や長期借入金の借入れ4,000百万円であります。また、資金減少の主な要因は、長期借入金の返済1,865百万円やリース料の支払い1,043百万円であります。 (2)生産、受注及び販売の実績本報告書のこの項以下に記載する金額は、消費税等を抜きで表示しております。 ① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)7,025,339113.0合計(千円)7,025,339113.0(注) 金額は製造原価によっております。 ② 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)8,572,773104.8眼鏡(千円)504,02594.8その他(千円)232,44697.0合計(千円)9,309,246104.0(注) 金額は仕入価額によっております。③ 受注実績当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。④ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)前年同期比(%)コンタクトレンズ・ケア用品(千円)26,658,572114.7眼鏡(千円)829,72293.8その他(千円)338,848102.7合計(千円)27,827,142113.8(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2016年4月1日至 2017年3月31日)当連結会計年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)HOYA株式会社2,962,05212.13,016,64310.82.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。① 財政状態の分析資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末における資産の残高は、34,726百万円となり、前連結会計年度末から5,504百万円増加いたしました。主な要因として、鴻巣研究所3号棟の竣工、保育施設開設に向け、有形固定資産が2,787百万円(15,853百万円から18,641百万円)増加したこと、及びアイコフレの新色発売対応等で商品在庫が一時的に増加したため、たな卸資産が406百万円(3,852百万円から4,259百万円)増加したことが挙げられます。負債につきましては、24,643百万円となり、前連結会計年度末から4,428百万円の増加となりました。主な要因は、鴻巣研究所3号棟建設等に伴う長期借入金が1,831百万円(3,575百万円から5,407百万円)、運転資金借入れにより短期借入金が1,588百万円(7,078百万円から8,666百万円)増加したことが挙げられます。純資産につきましては、10,082百万円となり、前連結会計年度末から1,075百万円の増加となりました。主な要因として、増益により利益剰余金が増加したことが挙げられます。 ② キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの概要に関しては、第2[事業の状況]3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[業績等の概要]の②を参照ください。指標 2016年3月期2017年3月期2018年3月期自己資本比率(%)32.130.829.0時価ベースの自己資本比率(%)43.771.9181.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)37.820.225.8※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い ③ 経営成績の分析売上高・売上総利益当連結会計年度における売上高は27,827百万円となり、前連結会計年度に比べ3,363百万円増加いたしました。これは、1日使い捨てタイプ「ワンデーピュアうるおいプラス」の近視用、乱視用、遠近両用等を中心に、国産の品質力やきめ細やかな対応力を積極的にアピールしてまいりました。また、瞳を際立たせるサークルレンズ「シードアイコフレワンデーUV」の新色を12月に新たに追加し、積極的な営業活動を展開してまいりました。この結果、主力カテゴリーである1日使い捨てタイプを中心に伸長し、コンタクトレンズ全体で前期比14.6%の増収となったためであります。売上総利益は12,408百万円(売上総利益率44.6%)となり、前連結会計年度に比べ2,358百万円増加(売上総利益率3.5ポイントアップ)いたしました。これは、売上高の増加と原価低減に伴う増益によるものであります。 販売費及び一般管理費当連結会計年度における販売費及び一般管理費は10,302百万円となり、前連結会計年度に比べ1,771百万円増加いたしました。業容拡大に伴い主として、人件費(前期対比453百万円増)や広告宣伝費(前期対比286百万円増)、研究開発費(前期対比201百万円増)が増加したためであります。