7893

プロネクサス(7893)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他製品 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • ディスクロージャー支援:上場企業や金融機関が法律で義務付けられている開示書類(有価証券報告書、株主総会招集通知など)の作成を、コンサルティングやシステム提供を通じて支援しています。正確かつ迅速な情報開示をサポートすることで収益を得ています。
  • IR・イベント支援:上場企業向けに、投資家向けの広報活動(IR)を支援するサービスを提供しています。アニュアルレポートや統合報告書の作成、株主総会のイベント運営支援、ウェブサイト制作など多岐にわたり、企業のIR活動を総合的にサポートしています。
  • データベース提供:企業情報や財務情報、経済統計などを検索できるデータベースサービスを提供しています。これは、投資家や金融機関などが企業の分析や市場調査を行う際に利用するもので、情報提供を通じて収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 上場会社ディスクロージャー関連:上場企業が義務付けられている株主総会招集通知、有価証券報告書、決算短信などの法定開示書類の作成支援、印刷、および関連するコンサルティングやシステムサービスを提供しています。プロネクサスグループの中核事業であり、安定的な収益源となっています。
  • 上場会社IR・イベント関連等:上場企業向けに、株主通信、アニュアルレポート、統合報告書などのIRツール作成支援、ウェブコンテンツ制作、株主総会などのイベント映像機材・運営支援、開示書類の英文翻訳サービスなどを提供しています。企業のIR活動を多角的にサポートし、顧客との関係強化を図っています。
  • 金融商品ディスクロージャー関連:投資信託や不動産投資信託、外国会社向けに、有価証券届出書、目論見書、運用報告書などの法定開示書類の作成支援、印刷、および関連する企画制作・システムサービスを提供しています。金融商品の開示に特化した専門的なサービスを展開しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,635 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業は、当社と子会社16社で構成されています。当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、取扱サービスを下記の4つに区分しております。 ・上場会社ディスクロージャー関連(上場会社向け法定開示支援サービス、会計コンサルティングサービス、IPO支援サービス等)・上場会社IR・イベント関連等(上場会社向けIR支援サービス、人財採用・教育支援サービス、イベント映像機材・運営支援サービス等)・金融商品ディスクロージャー関連(投資信託・不動産投資信託・外国会社向け開示・IR支援サービス、金融商品向け販売促進支援サービス等)・データベース関連(企業情報・財務情報検索用データベース、経済統計データベース等)※詳細は後記の表をご参照ください。 当社グループは、上場会社及び金融商品の投資家向けの法定開示・IR支援を中心に、お客様企業の求職者・顧客・社員・社会等、幅広いステークホルダーに対してのコミュニケーションを支援しています。当社グループによる支援の特長は、専門家によるアドバイスや法的チェックなどのコンサルティングやアウトソーシングサービス、ITを活用したインフラ・システムサービス、Web制作・翻訳・映像制作・データ加工・印刷などのコンテンツ制作サービスを提供し、お客様企業の課題解決に貢献する点にあります。当社の子会社は、国内では当社事業に関連するデータ加工、情報セキュリティ管理及びシステム開発・運用業務を行っている株式会社アスプコミュニケーションズ、開示書類等の英文翻訳サービスを提供する日本財務翻訳株式会社、データベース事業を行う株式会社アイ・エヌ情報センター、開示書類作成アウトソーシングサービスを提供する株式会社ディスクロージャー・プロ、イベント映像機材・運営支援を行う株式会社シネ・フォーカス、決算支援等の会計コンサルティングを行う株式会社JBAホールディングス及びその子会社7社、システム・AIソリューションの開発・運用を行う株式会社ナレッジベースがあります。また、海外では台湾において日系企業向けBPO事業を行う台湾普羅納克廈斯股份有限公司、ベトナムにおいて日系企業向けBPO事業を行うPRONEXUS VIETNAM CO.,LTDの国内外合わせて計16社であります。 サービス区分主要サービス当該事業に携わっている会社名上場会社ディスクロージャー関連上場会社向け法定開示支援サービス会計コンサルティングサービスIPO支援サービス 等当社株式会社アスプコミュニケーションズ株式会社ディスクロージャー・プロ株式会社JBAホールディングス株式会社ナレッジベース上場会社IR・イベント関連等上場会社向けIR支援サービスサステナビリティコンサルティングサービス人財採用・教育支援サービスインナーブランディング支援サービスWeb関連サービス開示書類翻訳サービスイベント映像機材・運営支援サービス日系企業向け海外進出支援サービス 等当社株式会社アスプコミュニケーションズ株式会社JBAホールディングス日本財務翻訳株式会社株式会社シネ・フォーカス台湾普羅納克廈斯股份有限公司PRONEXUS VIETNAM CO., LTD金融商品ディスクロージャー関連投資信託・不動産投資信託・外国会社向け開示・IR支援サービス金融商品向け販売促進支援サービス 等当社株式会社アスプコミュニケーションズ株式会社ディスクロージャー・プロデータベース関連企業情報・財務情報検索用データベース経済統計データベースファイナンスデータベース 等当社株式会社アスプコミュニケーションズ株式会社アイ・エヌ情報センター 以上で述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
競合が存在し、ソリューションの差別性、品質、サポート、価格で競争が行われているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
会社法や金融商品取引法に規定される法定開示書類の作成支援が主業務であり、専門知識が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:インサイダー情報等機密情報の取り扱いに関わるリスク / 情報セキュリティと事業継続に関わるリスク / 関連する法律・制度の変化による受注影響リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

プロネクサスは、上場企業向けのIR・SR情報開示支援サービスを提供しているが、特許やブランド力といった明確な無形資産による競争優位性は限定的である。サービスはノウハウや人的資本に依存する側面が強く、模倣されやすい可能性がある。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

プロネクサスは、上場企業に対し、有価証券報告書や決算短信などの開示書類作成支援、IRサイト構築・運用、株主総会支援といった多岐にわたるサービスを提供している。これらのサービスは、企業のIR活動の中核を担っており、一度導入すると他のベンダーへの切り替えには、システム連携、担当者の習熟度、情報管理の観点から一定の手間とコストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

プロネクサスの事業は、個々の顧客企業との個別契約に基づいており、顧客が増えることでサービスの価値が直接的に向上するようなネットワーク効果は発生しない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、ユーザー間の相互作用による価値創出は見られない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

プロネクサスのサービスは、高度な専門知識を持つ人材によるサービス提供が中心であり、構造的にコストを大幅に削減できるような規模の経済性や独自の生産プロセスによるコスト優位性は見られない。人件費がコストの大部分を占めると推測される。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

プロネクサスは、上場企業向け開示支援サービスにおいて、一定のシェアを確保していると推測される。しかし、業界全体が成熟しており、プロネクサスが圧倒的な市場シェアを持つ寡占状態ではなく、競合他社も複数存在する。規模の経済による明確なコスト優位性は限定的である。

  • 専門性と信頼性:プロネクサスグループは、企業の法定開示書類作成支援という専門性の高い分野で長年の実績とノウハウを蓄積しており、顧客企業からの高い信頼を得ています。機密情報の厳重な管理体制も強みであり、情報漏洩リスクへの対策を徹底しています。
  • 総合的なサービス提供:開示書類の作成支援だけでなく、IR支援、イベント運営支援、翻訳サービス、データベース提供など、企業のコーポレートコミュニケーションに関する幅広いサービスをワンストップで提供できる点が強みです。これにより、顧客企業の多様なニーズに応え、顧客との関係性を強化しています。
  • ITとコンサルティングの融合:ITを活用したシステムサービスと、法的チェックやセミナーなどのコンサルティングサービスを組み合わせることで、顧客企業に適正・迅速かつ効率的な開示支援を提供しています。これにより、単なる印刷業者ではなく、付加価値の高いソリューションを提供できる企業として差別化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループが提供する本質的な価値は、「お客様にとって専門性が高すぎるため対応が難しい『お客様にとってのノンコア業務=お客様のニッチな業務』を『当社のコア業務』として置き換え、当社の専門性をもって遂行し、お客様が本来行うべきコア業務に集中頂ける時間を創出して差し上げること」と考えております。このような考えのもと、当社はこれまで事業会社並びに金融商品のディスクロージャー・IR実務支援を主たる事業とし、お客様企業から投資家への適正かつ迅速な情報開示を支援するため、高い専門性を基盤としたコンサルティングサービスと、開示実務の精度と効率を高める独自のシステムサービスを中核に、印刷、物流等を含めトータルなサービスを提供してまいりました。2020年12月に創業90周年を迎え、様々な分野で専門性を磨き、他の追随を許さないところまで高めていくこと、そして、新たなビジネス領域へチャレンジすることが、当社グループのさらなる発展に繋がることから、事業ドメインがディスクロージャー・IR領域に限定されていた経営理念を見直し、「情報コミュニケーション」、「ドキュメンテーション」の領域で、「世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループ」を目指す新たな経営理念に刷新いたしました。>当社の社会的使命と存在意義私たちプロネクサスグループは、情報コミュニケーションとドキュメンテーションを支えるプロフェッショナルとして社会・経済の永続的発展に貢献いたします。 MISSION実現のために追求し発揮すべき価値① PROfessional(専門性) 専門性でお客様の実務を支える② PROper(適正性) 正確かつ適正なサービスを提供する③ PROmpt(迅速性) お客様のニーズにいち早く応える④ PROgress(革新性) 革新的なサービスを創造する⑤ PROsocial(社会性) 社会と共生する視点をもつ 当社の本質的価値と目指すべき姿世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループへ当社グループは、上記の経営理念に加えて、企業市民としての社会・環境面における行動基準、事業会社としてのビジネスにおける行動基準を定め、当社グループ内への経営方針の浸透を図るとともに、今後も社会・経済の永続的な発展に貢献してまいります。(当社グループのビジネスモデル:事業を通じた社会的価値・経済的価値の創造プロセス) (2)経営環境とそれに対応する経営戦略当社グループの事業と関連性の強い資本市場においては、市況の好不調や関連法制度の改正等、当社グループに影響を与える環境変化が常に起こります。これに対して、市況の影響を受けにくいサービスの強化や新たな制度に対応するサービスの開発を通して、事業領域の拡大を続けてまいりました。近年においては、ディスクロージャー分野の電子化が大きく進みました。金融庁の電子開示システム「EDINET」は一定期間ごとにバージョンアップを実施しており、同システムにおける開示書類専用データ「XBRL」も順次高度化や適用範囲の拡大が行われています。これらに対応したお客様の開示実務をインフラとして支えるシステムサービス・コンサルティングサービスが、当社事業の大きな柱となっています。また、直近では上場会社を中心に開示書類の電子化やコーポレートガバナンス・コードへの対応、東証プライム上場会社への決算情報・適時開示情報の日英同時開示の義務化、非財務情報開示の充実等が求められています。これらに対応するWeb・英文翻訳・非財務情報開示支援・BPO等、非印刷分野のサービスが当社の成長ドライバーとなっています。今後も引き続き情報開示の拡充と株主・投資家との対話充実が求められる中、少子高齢化が進み、国内企業においては労働力の確保がますます困難になっていきます。加えて、多様で柔軟な働き方が求められ、人財採用支援や業務効率化ニーズも継続すると予想しています。一方、2023年3月開催の株主総会から当社の主力製品の一つである株主総会招集通知が電子化されました。加えて、金融商品ディスクロージャー分野における投資信託目論見書及び運用報告書の電子交付制度が2025年4月に本格導入され、これらの電子化・ペーパーレス化により当社の印刷製品の需要が今後減少することを想定しています。また、東京証券取引所の市場改革等により当社の主要顧客である上場会社数は、今後減少することを見込んでいます。このような事業環境を踏まえ、既存ディスクロージャー・IR領域では優良な顧客資産を有効活用することに加え、当社グループのさらなる成長のため、「中期経営計画2024」(以下、前中計)で取り組んだ新たなビジネス領域を本格的に展開することが最重要課題であると認識し、下記(4)に記載の「新中期経営計画2027」を推進しております。(3)会社の対処すべき課題事業環境が大きく変化する中で、事業領域の拡張、競争力・収益力・顧客満足の向上に努めてまいります。① ディスクロージャー分野の電子化・ペーパーレス化、上場会社数の減少、開示制度の変化に対応した既存ビジネスの強化と拡張② 企業イベント・人財採用支援・BPO領域等の新たなビジネス領域の拡大③ 積極的なDX投資によるシステムサービスの機能開発やAIを活用したソリューション開発④ 新領域の専門人財の確保育成とM&A・アライアンス推進による外部リソースの活用⑤ ESG・サステナビリティ戦略の推進⑥ 制作・製造プロセスの電子化対応と生産性向上・収益性改善(4)「新中期経営計画2027」(以下、新中計)について① 新中計立案の背景と当社グループの方向性当社は、上記(3)に記載した課題に対応するため、2025年4月から2028年3月までの3か年にわたる新中計を2025年5月に策定いたしました。前述のとおり、当社は2020年に“ディスクロージャー・IR”領域に限定されていた経営理念を見直しました。新たに「情報コミュニケーション」、「ドキュメンテーション」を事業ドメインとし、2030年の創業100周年に向け「世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループへ」を目指すビジョンを設定しました。② 2030年時点の当社グループの方向性・事業イメージ新中計は2030年ビジョン達成に向けたマイルストーンとして位置付け、その実現性の確度を高めるため、具体的な当社グループの方向性と事業イメージを以下のとおり立案することといたしました。事業環境の不確実性が増す中、上場会社を中心にサステナビリティ情報や人的資本などの非財務情報開示の拡充と各ステークホルダーとの対話の充実が今後益々求められます。当社はこれまで培ったノウハウを活かし、株主・投資家に限らず求職者や社員、クライアント等、各ステークホルダーと上場会社をワンストップでつなぐ「コーポレートコミュニケーション支援」会社へ進化することを目指します。また、2030年時点(2031年3月期)において、既存ディスクロージャー・IR領域は過去の安定的な業績トレンドを前提とし、前中計での新たなビジネス領域での取り組みを一定規模にスケールさせるほか、重要な成長ドライバーとしてM&Aによる事業領域拡大を加えることを前提に連結売上収益のイメージとして400億円を設定しました。③ 新中計の重点戦略・主な施策 重点戦略主な施策a既存ディスクロージャー・IR事業の強化戦略~優良な顧客資産の有効活用~・ 主要製品(株主総会招集通知・有価証券報告書)のシェア 向上・ 日英同時開示に対応した翻訳サービスの拡充・ 投資信託目論見書のペーパーレス化に伴う新サービス導入と シェアの拡大b新たなビジネス領域の成長戦略~前中計の取り組みを本格展開~・ 株主総会・IRイベントの受注拡大と社内企業イベントの 販促体制強化・ アライアンスも活用した人財採用支援ビジネスの拡大・ 開示BPOサービスの継続強化と連結決算支援業務等の 新サービス拡大cESG・サステナビリティ戦略・ サステナビリティ情報開示支援サービスの拡充と ゼロカーボンプリントの導入・ 新規事業に対応する人財育成と働きやすい職場環境の整備・ グループマネジメントと情報セキュリティの強化dキャッシュアロケーション・ システムサービスを中心とした積極的なDX投資 (AIを活用した商品開発含む)・ 既存事業・新規事業両面でのM&A実施・ 株主還元の重視(配当性向50%以上、機動的な自己株式 取得の検討)④ 新中計の業績目標上記③の重点戦略・主な施策により、以下の数値を達成することを新中計の目標といたします。前提条件として、主に投資信託目論見書のペーパーレス化や招集通知電子化進展による印刷売上減少のマイナス影響を織り込んでおります。また、英文翻訳サービスの受注増や新たなビジネス領域と位置付けるイベント関連事業、人財採用支援ビジネス等の拡大に伴う増収を織り込み策定をいたしました。なお、策定時の想定に比べ主要顧客である上場会社数が減少していること等、当初業績目標に対して一定のマイナス影響が見込まれますが、新中計では新たなビジネス領域の拡大を重点戦略として取り組んでおり、その一環として2025年8月に公認会計士を中心とした会計コンサルティングファーム「株式会社JBAホールディングス」を連結子会社化いたしました。本M&A効果は当初業績目標に含まれておらず、2027年3月期以降当該業績が通期で寄与し、前述のマイナス影響を上回ることから、本計画の2~3年目にあたる2027年3月期・2028年3月期の業績目標を修正いたしました。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループが提供する本質的な価値は、「お客様にとって専門性が高すぎるため対応が難しい『お客様にとってのノンコア業務=お客様のニッチな業務』を『当社のコア業務』として置き換え、当社の専門性をもって遂行し、お客様が本来行うべきコア業務に集中頂ける時間を創出して差し上げること」と考えております。このような考えのもと、当社はこれまで事業会社並びに金融商品のディスクロージャー・IR実務支援を主たる事業とし、お客様企業から投資家への適正かつ迅速な情報開示を支援するため、高い専門性を基盤としたコンサルティングサービスと、開示実務の精度と効率を高める独自のシステムサービスを中核に、印刷、物流等を含めトータルなサービスを提供してまいりました。2020年12月に創業90周年を迎え、様々な分野で専門性を磨き、他の追随を許さないところまで高めていくこと、そして、新たなビジネス領域へチャレンジすることが、当社グループのさらなる発展に繋がることから、事業ドメインがディスクロージャー・IR領域に限定されていた経営理念を見直し、「情報コミュニケーション」、「ドキュメンテーション」の領域で、「世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループ」を目指す新たな経営理念に刷新いたしました。>当社の社会的使命と存在意義私たちプロネクサスグループは、情報コミュニケーションとドキュメンテーションを支えるプロフェッショナルとして社会・経済の永続的発展に貢献いたします。 MISSION実現のために追求し発揮すべき価値① PROfessional(専門性) 専門性でお客様の実務を支える② PROper(適正性) 正確かつ適正なサービスを提供する③ PROmpt(迅速性) お客様のニーズにいち早く応える④ PROgress(革新性) 革新的なサービスを創造する⑤ PROsocial(社会性) 社会と共生する視点をもつ 当社の本質的価値と目指すべき姿世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループへ当社グループは、上記の経営理念に加えて、企業市民としての社会・環境面における行動基準、事業会社としてのビジネスにおける行動基準を定め、当社グループ内への経営方針の浸透を図るとともに、今後も社会・経済の永続的な発展に貢献してまいります。(当社グループのビジネスモデル:事業を通じた社会的価値・経済的価値の創造プロセス) (2)経営環境とそれに対応する経営戦略当社グループの事業と関連性の強い資本市場においては、市況の好不調や関連法制度の改正等、当社グループに影響を与える環境変化が常に起こります。これに対して、市況の影響を受けにくいサービスの強化や新たな制度に対応するサービスの開発を通して、事業領域の拡大を続けてまいりました。近年においては、ディスクロージャー分野の電子化が大きく進みました。金融庁の電子開示システム「EDINET」は一定期間ごとにバージョンアップを実施しており、同システムにおける開示書類専用データ「XBRL」も順次高度化や適用範囲の拡大が行われています。これらに対応したお客様の開示実務をインフラとして支えるシステムサービス・コンサルティングサービスが、当社事業の大きな柱となっています。また、直近では上場会社を中心に開示書類の電子化やコーポレートガバナンス・コードへの対応、東証プライム上場会社への決算情報・適時開示情報の日英同時開示の義務化、非財務情報開示の充実等が求められています。これらに対応するWeb・英文翻訳・非財務情報開示支援・BPO等、非印刷分野のサービスが当社の成長ドライバーとなっています。今後も引き続き情報開示の拡充と株主・投資家との対話充実が求められる中、少子高齢化が進み、国内企業においては労働力の確保がますます困難になっていきます。加えて、多様で柔軟な働き方が求められ、人財採用支援や業務効率化ニーズも継続すると予想しています。一方、2023年3月開催の株主総会から当社の主力製品の一つである株主総会招集通知が電子化されました。加えて、金融商品ディスクロージャー分野における投資信託目論見書及び運用報告書の電子交付制度が2025年4月に本格導入され、これらの電子化・ペーパーレス化により当社の印刷製品の需要が今後減少することを想定しています。また、東京証券取引所の市場改革等により当社の主要顧客である上場会社数は、今後減少することを見込んでいます。このような事業環境を踏まえ、既存ディスクロージャー・IR領域では優良な顧客資産を有効活用することに加え、当社グループのさらなる成長のため、「中期経営計画2024」(以下、前中計)で取り組んだ新たなビジネス領域を本格的に展開することが最重要課題であると認識し、下記(4)に記載の「新中期経営計画2027」を推進しております。(3)会社の対処すべき課題事業環境が大きく変化する中で、事業領域の拡張、競争力・収益力・顧客満足の向上に努めてまいります。① ディスクロージャー分野の電子化・ペーパーレス化、上場会社数の減少、開示制度の変化に対応した既存ビジネスの強化と拡張② 企業イベント・人財採用支援・BPO領域等の新たなビジネス領域の拡大③ 積極的なDX投資によるシステムサービスの機能開発やAIを活用したソリューション開発④ 新領域の専門人財の確保育成とM&A・アライアンス推進による外部リソースの活用⑤ ESG・サステナビリティ戦略の推進⑥ 制作・製造プロセスの電子化対応と生産性向上・収益性改善(4)「新中期経営計画2027」(以下、新中計)について① 新中計立案の背景と当社グループの方向性当社は、上記(3)に記載した課題に対応するため、2025年4月から2028年3月までの3か年にわたる新中計を2025年5月に策定いたしました。前述のとおり、当社は2020年に“ディスクロージャー・IR”領域に限定されていた経営理念を見直しました。新たに「情報コミュニケーション」、「ドキュメンテーション」を事業ドメインとし、2030年の創業100周年に向け「世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループへ」を目指すビジョンを設定しました。② 2030年時点の当社グループの方向性・事業イメージ新中計は2030年ビジョン達成に向けたマイルストーンとして位置付け、その実現性の確度を高めるため、具体的な当社グループの方向性と事業イメージを以下のとおり立案することといたしました。事業環境の不確実性が増す中、上場会社を中心にサステナビリティ情報や人的資本などの非財務情報開示の拡充と各ステークホルダーとの対話の充実が今後益々求められます。当社はこれまで培ったノウハウを活かし、株主・投資家に限らず求職者や社員、クライアント等、各ステークホルダーと上場会社をワンストップでつなぐ「コーポレートコミュニケーション支援」会社へ進化することを目指します。また、2030年時点(2031年3月期)において、既存ディスクロージャー・IR領域は過去の安定的な業績トレンドを前提とし、前中計での新たなビジネス領域での取り組みを一定規模にスケールさせるほか、重要な成長ドライバーとしてM&Aによる事業領域拡大を加えることを前提に連結売上収益のイメージとして400億円を設定しました。③ 新中計の重点戦略・主な施策 重点戦略主な施策a既存ディスクロージャー・IR事業の強化戦略~優良な顧客資産の有効活用~・ 主要製品(株主総会招集通知・有価証券報告書)のシェア 向上・ 日英同時開示に対応した翻訳サービスの拡充・ 投資信託目論見書のペーパーレス化に伴う新サービス導入と シェアの拡大b新たなビジネス領域の成長戦略~前中計の取り組みを本格展開~・ 株主総会・IRイベントの受注拡大と社内企業イベントの 販促体制強化・ アライアンスも活用した人財採用支援ビジネスの拡大・ 開示BPOサービスの継続強化と連結決算支援業務等の 新サービス拡大cESG・サステナビリティ戦略・ サステナビリティ情報開示支援サービスの拡充と ゼロカーボンプリントの導入・ 新規事業に対応する人財育成と働きやすい職場環境の整備・ グループマネジメントと情報セキュリティの強化dキャッシュアロケーション・ システムサービスを中心とした積極的なDX投資 (AIを活用した商品開発含む)・ 既存事業・新規事業両面でのM&A実施・ 株主還元の重視(配当性向50%以上、機動的な自己株式 取得の検討)④ 新中計の業績目標上記③の重点戦略・主な施策により、以下の数値を達成することを新中計の目標といたします。前提条件として、主に投資信託目論見書のペーパーレス化や招集通知電子化進展による印刷売上減少のマイナス影響を織り込んでおります。また、英文翻訳サービスの受注増や新たなビジネス領域と位置付けるイベント関連事業、人財採用支援ビジネス等の拡大に伴う増収を織り込み策定をいたしました。なお、策定時の想定に比べ主要顧客である上場会社数が減少していること等、当初業績目標に対して一定のマイナス影響が見込まれますが、新中計では新たなビジネス領域の拡大を重点戦略として取り組んでおり、その一環として2025年8月に公認会計士を中心とした会計コンサルティングファーム「株式会社JBAホールディングス」を連結子会社化いたしました。本M&A効果は当初業績目標に含まれておらず、2027年3月期以降当該業績が通期で寄与し、前述のマイナス影響を上回ることから、本計画の2~3年目にあたる2027年3月期・2028年3月期の業績目標を修正いたしました。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に景気が緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国の政策動向による影響や物価上昇、為替相場の変動、中東情勢の緊迫化等、先行きは極めて不透明な状況にあります。また、当社事業と関連性が強い国内証券市場において、当連結会計年度の日経平均株価は、米国の通商政策等による不透明感から一時31,000円台まで下落したものの、国内外の景気回復への期待等により初めて終値で58,000円台(前年同期の最高値は42,000円台)を突破しました。公認会計士を中心とした会計コンサルティングファームの株式会社JBAホールディングスを昨年8月に連結子会社化し、同社の売上が同年9月より計上されたことに加え、根強い業務効率化ニーズにより決算支援・開示書類作成に係るアウトソーシングサービスが増収となりました。また、当社連結子会社である株式会社シネ・フォーカスにおける医学会や企業関連のイベント支援の受注が拡大しました。さらに、当社主力製品である株主総会招集通知は電子提供制度の緩やかな進展により印刷ページ数が減少したものの、個人投資家数の増加に伴う印刷部数の増加により、マイナス影響を補い増収となりました。これらの結果、当連結会計年度の連結売上収益は、前年同期比1,825百万円増(同5.9%増)の32,821百万円となりました。売上原価は前述のM&Aや開示書類作成支援システムのバージョンアップに係る費用の増加等により前年同期比717百万円増(同3.6%増)の20,530百万円となりました。一方、売上原価率は増収効果により前年同期比1.3ポイント減の62.6%となりました。この結果、売上総利益は前年同期比1,109百万円増(同9.9%増)の12,291百万円となりました。販売費及び一般管理費は、主にM&Aや営業体制強化に伴う人件費の増加により前年同期比822百万円増(同9.6%増)の9,365百万円となり、販売費及び一般管理費率は前年同期比0.9ポイント増の28.5%となりました。加えて、前年同期に連結子会社ののれんに係る減損損失2,503百万円をその他の費用に計上した反動増により、営業利益は前年同期比2,697百万円増の2,906百万円となりました。また、前年同期に計上した持分法適用関連会社の全株式譲渡に伴う持分法で会計処理されている投資の売却益1,411百万円の反動減が影響したものの、前述ののれんに係る減損損失の反動増がそれを上回り、税引前利益は前年同期比1,331百万円増(同79.1%増)の3,012百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比1,657百万円増(同367.5%増)の2,108百万円となりました。当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、取扱サービスを区分した売上収益の概況は、次のとおりであります。<上場会社ディスクロージャー関連>株式会社JBAホールディングスのM&A効果に加え、根強い業務効率化ニーズにより決算支援・開示書類作成に係るアウトソーシングサービスが増収となりました。また、当社主力製品である株主総会招集通知は電子提供制度の緩やかな進展により印刷ページ数が減少したものの、個人投資家数の増加に伴う印刷部数の増加により、マイナス影響を補い増収となりました。加えて、国内証券市場の活況を背景にIPO・ファイナンス関連製品が増収となりました。これらの結果、上場会社ディスクロージャー関連の売上収益は前年同期比1,625百万円増(同13.1%増)の14,072百万円となりました。<上場会社IR・イベント関連等>当社連結子会社である株式会社シネ・フォーカスにおける医学会や企業関連のイベント支援の受注が拡大しました。また、株主・投資家との対話促進ニーズの高まりや、昨年4月からのプライム上場会社における決算情報・適時開示情報の日英同時開示義務化を背景に、英文翻訳サービスが増収となりました。さらに、新分野として取り組む人財採用支援ビジネスも増収となりました。一方、株主通信は作成企業の減少に伴い減収となったものの、増収要因がこれらを上回った結果、上場会社IR・イベント関連等の売上収益は前年同期比259百万円増(同2.4%増)の10,916百万円となりました。<金融商品ディスクロージャー関連>不動産証券関連では、Webサイトのリニューアル増加等により増収となりました。一方、投資信託関連においては、販売会社向けWebサイト等の販促ツールの受注が減少したことやファンドの償還等による目論見書・運用報告書の印刷部数の減少により減収となりました。これらの結果、金融商品ディスクロージャー関連の売上収益は前年同期比117百万円減(同1.7%減)の6,735百万円となりました。<データベース関連>データベース関連では、既存顧客との契約更改に際し一部単価ダウンがあったものの、主要顧客である大学を中心に単価アップや新規顧客の受注に努めた結果、データベース関連の売上収益は前年同期比57百万円増(同5.5%増)の1,099百万円となりました。 (サービス区分別売上収益)区分 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)増減(△印減)金額(千円)構成比(%)金額(千円)構成比(%)金額(千円)増減率(%)上場会社ディスクロージャー関連12,446,16240.114,071,56842.91,625,40613.1上場会社IR・イベント関連等10,656,52834.410,915,96833.3259,4402.4金融商品ディスクロージャー関連6,851,31022.16,734,79620.5△116,514△1.7データベース関連1,041,9363.41,099,0643.357,1285.5合計30,995,936100.032,821,396100.01,825,4605.9 (注)金額は販売価格によっております。 ② 資産、負債及び資本の状況当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,182百万円減少し、37,478百万円となりました。流動資産は4,217百万円減少し、14,124百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物の減少3,572百万円と、その他の金融資産の減少1,177百万円等であります。非流動資産は3,035百万円増加し、23,353百万円となりました。主な要因は、のれんの増加1,890百万円と、その他の金融資産の増加1,037百万円等であります。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ497百万円減少し、13,143百万円となりました。流動負債は1,673百万円減少し、7,454百万円となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務の減少1,006百万円と、未払法人所得税等の減少810百万円等であります。非流動負債は1,176百万円増加し、5,689百万円となりました。主な要因は、その他の金融負債の増加1,537百万円等であります。当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ685百万円減少し、24,335百万円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益2,108百万円の計上による増加及び非支配株主と締結した先渡契約に係る負債1,494百万円の計上による減少、剰余金の配当1,173百万円による減少等であります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,572百万円減少(前年同期比29.0%減)し、当連結会計年度末には8,737百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は3,526百万円(前年同期は4,286百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税引前利益3,012百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入5,235百万円、利息及び配当金の受取額108百万円であり、支出の主な内訳は、法人所得税の支払額1,808百万円等であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は3,719百万円(前年同期は597百万円の獲得)となりました。支出の主な内訳は、無形資産の取得による支出1,785百万円、子会社の支配獲得による支出1,444百万円等であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は3,403百万円(前年同期は2,014百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出932百万円、自己株式の取得による支出1,000百万円、配当金の支払額1,171百万円等であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループ(当社及び連結子会社16社)の事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績については、上場会社ディスクロージャー関連、上場会社IR・イベント関連等、金融商品ディスクロージャー関連、データベース関連の4サービス区分で示しております。 a.生産実績当連結会計年度の生産実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。 サービス区分別の名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)上場会社ディスクロージャー関連(千円)14,071,568113.1上場会社IR・イベント関連等(千円)10,915,968102.4金融商品ディスクロージャー関連(千円)6,734,79698.3データベース関連(千円)1,099,064105.5合計(千円)32,821,396105.9(注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。サービス区分別の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)上場会社ディスクロージャー関連14,238,637114.42,804,895106.3上場会社IR・イベント関連等10,983,144103.22,236,353103.1金融商品ディスクロージャー関連6,852,64399.92,137,010105.8データベース関連1,044,06599.8188,33499.0合計33,118,490106.97,366,592105.0(注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。 サービス区分別の名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)上場会社ディスクロージャー関連(千円)14,071,568113.1上場会社IR・イベント関連等(千円)10,915,968102.4金融商品ディスクロージャー関連(千円)6,734,79698.3データベース関連(千円)1,099,064105.5合計(千円)32,821,396105.9(注)主要な販売顧客については、該当するものはありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 経営成績等の分析当社グループの当連結会計年度の売上収益は前年同期比1,825百万円増(同5.9%増)の32,821百万円となりました。その要因や市場背景を含めた各サービス分野の特記事項についてご説明いたします。<上場会社ディスクロージャー関連>当分野の売上収益は、前年同期比1,625百万円増(同13.1%増)の14,072百万円となりました。主な増収要因は株式会社JBAホールディングスのM&A効果に加え、根強い業務効率化ニーズによる決算支援・開示書類作成に係るアウトソーシングサービスの受注増加によるものです。当社の主たる事業領域であるディスクロージャー・IR分野において、非財務情報開示の一層の拡充が求められ、上場会社の開示実務負荷が増加しています。業務効率化を目的としたアウトソーシングサービスのニーズは、今後も拡大するものと考えております。また、主力製品である株主総会招集通知関連では、2023年3月開催の株主総会から株主総会招集通知の電子提供制度が導入され印刷ページ数が減少したものの、制度変更に対応した「招集電子化対応サービス」の受注推進や個人株主数の増加による印刷部数の増加等により、前年同期並みの売上収益で推移しました。さらに、国内証券市場の活況を背景にIPO・ファイナンス関連製品が増収となりました。なお、当連結会計年度末時点において、当社調べによるTOKYO PRO Marketを除く上場会社数は3,852社であり、東京証券取引所の市場改革等の影響により、前年同期比約80社減少しました。今後もこの傾向は続くものと想定されることから、当社は今後も制度変更やお客様ニーズに対応するサービスの提供に取り組むことで、顧客数の増加と1社当たり売上収益の増加による成長力の向上を図ってまいります。 <上場会社IR・イベント関連等>当分野の売上収益は、前年同期比259百万円増(同2.4%増)の10,916百万円となりました。主な増収要因は、当社グループ会社である株式会社シネ・フォーカスにおけるイベント関連の受注拡大や英文翻訳サービス等の増収によるものです。これはイベント事業の環境がアフターコロナ以降回復していること、プライム上場会社における決算情報・適時開示情報の日英同時開示義務化に対応した新たな英文翻訳サービスの提供開始等によるものです。さらに少子高齢化が進む中、労働力の確保がますます困難になっていることを背景に、当社が新たなビジネス領域と位置付ける人財採用支援ビジネスも増収となりました。なお、人財採用支援ビジネスについては株式会社アクセスグループ・ホールディングスと2025年1月から資本業務提携を開始しており、両社の経営資源を相互活用したお客様への共同提案等を行っております。一方株主通信は、株主総会招集通知の情報内容の充実やカラー化の進展により、受注量が減少したことから減収となっております。上場会社による投資家との対話促進を目的とした非財務情報開示やIR活動の充実及び採用活動の強化は今後も継続することを想定しております。 <金融商品ディスクロージャー関連>当分野の売上収益は、前年同期比117百万円減(同1.7%減)の6,735百万円となりました。主な減収要因は、国内投資信託関連において前年同期の新NISA導入による販売会社向け販促ツールのスポット受注の反動減やファンドの償還等に伴う目論見書・運用報告書の印刷部数の減少によるものです。一方、不動産投資信託関連では、4年振りにIPOが実施されるなど好調な市況を背景に、大型のWebサイトリニューアルの受注等により増収しました。今後、投資信託分野の目論見書や運用報告書等については、ペーパーレス化がさらに進むことが想定されます。このような中、金融商品の開示実務を効率化するシステムサービスの導入促進・機能拡張を進めるとともに、Webサービス等のデジタルサービスの拡大等、新領域への拡張に引き続き取り組んでまいります。 <データベース関連>当分野の売上収益は、前年同期比57百万円増(同5.5%増)の1,099百万円となりました。これは企業情報データベース「eol」及び経済統計・ファイナンスデータベース「INDB」ともに、既存顧客との契約更改に際して一部解約等があったものの、ターゲットである大学・金融機関等の新規顧客の受注獲得や既存顧客に対して単価アップを努めたことが要因となります。 当連結会計年度が前年同期比1,825百万円の増収となったことに加え、営業利益が前年同期比2,697百万円の増益になった主な要因についてご説明いたします。コスト面につきましては、売上原価が前年同期比717百万円増加となりました。売上原価の主な増加要因は、M&Aや開示書類作成支援システムのバージョンアップに係る費用の増加によるものです。また、販売費及び一般管理費は主にM&Aや営業体制強化に伴う人件費の増加により前年同期比822百万円増加となりました。加えて、前年同期にその他の費用に計上した連結子会社ののれんに係る減損損失2,503百万円の反動増により、営業利益は2,906百万円となりました。 ② 資本の財源及び資金の流動性当社グループの当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは3,526百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、8,737百万円保有しております。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金調達は自己資金を基本とし、必要に応じて金融機関からの借入を行っております。強固な財務基盤を維持しつつ営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、開示実務支援システム及びM&A等の成長投資や配当等の株主還元へと配分しております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は借入金及びリース負債を含む2,384百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

事業リスク

  • 機密情報漏洩リスク:顧客企業の開示前の機密情報を扱うため、情報漏洩が発生した場合、企業の信頼失墜や業績への深刻な影響が生じる可能性があります。厳格なルール、教育、システムによる多層的なセキュリティ対策を講じていますが、リスクは常に存在します。
  • 法制度変更による影響:会社法や金融商品取引法など、企業の開示に関わる法律や制度の改正は、提供する製品やサービスの需要、仕様、内容に直接影響を与えます。例えば、書類の電子化が進むと印刷需要が減少するなど、売上にマイナスの影響が出る可能性があります。
  • 市場変動と競合リスク:株式の新規上場や投資信託に関連する売上は、証券市場の好不況に左右されます。また、ディスクロージャー・IR分野には競合他社が存在し、ソリューションの差別化や価格競争により、シェアの変動や受注単価の低下が収益に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,454 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因と、その他重要と考えられる事項は以下のとおりであります。当社グループでは、これらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)インサイダー情報等機密情報の取り扱いに関わるリスク当社グループはインサイダー情報を始めとした顧客企業の開示前機密データを取り扱うため、「機密保持」は最重要課題であります。万一これらの情報漏洩や情報流出が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、こうした事態の発生を抑止するため、別項の「情報セキュリティと事業継続に関わるリスク」への対応を推進するとともに、インサイダー情報の全社的管理体制を構築し推進しています。誓約書の提出、定期的な教育とテストの実施、厳格なルールの制定と運用監視、取り扱いスペースの隔離、関与者の制限、トレーサビリティ体制の整備、定期的な情報セキュリティ委員会の開催と啓発活動等様々な防止策を行っています。 (2)情報セキュリティと事業継続に関わるリスク当社グループが提供するシステムサービスにおいては、その安定稼働の維持及び重要システムの冗長化に努め、不測の事態に備えたコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を策定しております。しかしながら、人的過失、事故、サイバー攻撃、災害や停電等の要因によりシステムサービスに重大な障害が発生する可能性があります。特に、近年のサイバー攻撃手法の巧妙化により、コンピュータウイルスへの感染等による情報漏洩やサービス妨害のリスクが高まっています。当社グループではサイバーセキュリティ対策を経営の重要課題として、経営主導のもと、情報セキュリティ基本方針及び経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」に従い、多層防御及びCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心とした設備面、組織面の施策を実行し、定期的な第三者機関によるリスクアセスメントにて実効性を評価しています。 (3)関連する法律・制度の変化による受注影響リスク当社グループは、企業のディスクロージャーに係わる法定書類の作成を支援するためのシステムサービス・コンサルティングサービスと周辺の各種サポートを主業務としておりますが、それらの開示書類の多くは会社法と金融商品取引法に規定されております。したがって、法律や関連する諸制度の改正によって、提供する製品とサービスの需要・仕様・内容が変化することがあります。2019年12月に公布された改正会社法に基づき、2023年3月開催の株主総会から導入された株主総会書類の電子化や、2024年4月施行の金融商品取引法に基づく四半期開示制度の変更、改正金商法に基づく投資信託の目論見書や運用報告書等のペーパーレス化はその一例であります。制度改正の結果として法定書類のページ数増や新サービスの導入などのプラスの影響もありますが、反面では、印刷物の一部または全部の電子化による印刷需要の減少、ページ数の減少や特定製品の受注量減少等、当社グループの売上にマイナス影響を与えるケースもあります。こうしたリスクを軽減するために、法制度の影響を受けにくいサービス・ソリューション、新たな事業領域の開拓を中期経営戦略の重要課題として掲げ、重点的な投資・開発を行っています。 (4)証券市場の変動による受注影響リスク当社グループが受注する製品・サービスのうち、株式の新規上場(IPO)やファイナンス、投資信託に付随する目論見書・販売用資料等の売上は、証券市場の好不況によって受注量が変動するため、証券市場の変動は業績に影響を与える可能性があります。当社グループはこうしたリスクを軽減するため、株主総会招集通知、有価証券報告書、四半期決算短信等の継続開示書類や、お客様の業務効率化や正確性の向上に資するシステムサービス・コンサルティングサービス、IR関連製品・サービス等、証券市況の影響を受けにくい製品の受注拡大に取り組んでいます。 (5)証券取引所の市場ルールの改正による受注影響リスク当社グループが受注する製品・サービスのうち、ディスクロージャー・IRを中心とした上場会社向けビジネスにおいては、上場会社数の増減が顧客数の増減に直結します。上場会社数は証券市場の好不況に加えて、証券取引所の上場基準など市場ルールの改正によっても変動します。上場基準の厳格化等の改正が行われた場合、上場会社数が減少して当社の上場会社向けビジネスの売上に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこうしたリスクを軽減するため、中期経営計画においてディスクロージャー・IRに限定されない「コーポレートコミュニケーション支援」会社に進化する経営戦略を掲げ、企業イベントや人財採用支援等、上場会社数の増減に左右されない新たな事業領域を推進しています。 (6)事業の季節変動リスク当社グループ売上収益の約75%を占める事業会社向け製品・サービスの顧客のうち、約60%が3月決算会社であるため、決算及び株主総会関連製品の受注が集中する第1四半期の売上収益が、以下の表のとおり最も多くなっております。このため、第1四半期の受注動向は通期業績への影響が大きく、対応する生産キャパシティの確保は重要な課題です。また、その他の四半期においては受注量が第1四半期よりも少ないことから、過剰な生産キャパシティの保有は収益を悪化させるリスクがあります。当社ではこうした受注量の変動に対して、自社製造ラインの生産効率を高めて内製率を向上させるとともに、最繁忙期に有力な業務委託先を活用することで、キャパシティの確保とコスト低減のバランスをとった生産体制を構築しています。加えて、金融商品関連、開示支援システム、BPO、データベース等、比較的季節変動が少なく、通年の需要が見込まれるサービス領域の拡大にも注力しています。 (2026年3月期) 4-6月7-9月10-12月1-3月年度計売上収益 (百万円)11,9386,4837,4736,92732,821構成比 (%)36.419.722.821.1100.0 (7)他社との競合による収益影響リスク当社の中核事業である上場会社ディスクロージャー・IRや金融商品ディスクロージャー分野においては、それぞれ競合会社が存在します。当社の提供する製品・サービスに対して競合会社も対抗する製品・サービスを提供しているため、新たなお客様の受注といった場面において、ソリューションの差別性、品質の優位性、サポートの充実度、価格の優位性といった面で競争が日々行われています。その結果シェアの変動や受注単価の低下等の変化が起き、当社の売上や利益の変動につながる可能性があります。こうした不可避の状況を踏まえ、当社は提供サービスの品質・機能の向上を図るとともに、お客様の業務をより幅広い視点から支援する新たなソリューションの開発、BPOサービスの提供、競合が少なく当社の強みが生かせる新たな事業領域の開発等によって、競合リスクからの回避と成長・収益機会の拡大を図っています。 (8)自然災害やパンデミックによる事業継続リスク・収益影響リスク大規模地震及び風水害等の自然災害や、新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックが発生した場合、当社事業の中核である開示書類作成支援業務の停止・中断の発生リスクがあります。株主総会招集通知や有価証券報告書等の法律で定められた書類作成の停止は、お客様企業の重要な意思決定や資金調達等に影響し、ひいては資本市場の機能にも影響する可能性があります。当社グループではこうしたリスクに対し、事業継続に係る各種規程に基づいた物的・人的両面での対策を講じております。物的対策としては、上記(2)に記載のとおり、システムの冗長化等を通じて、不測の事態においても情報システムの中断・停止を最小限に留めるための体制を構築しております。また、人的対策としては、社員の安全確保を図りつつ、リモートワークの推進や他拠点への業務移管等によりリスク分散を行い、お客様の開示を確実に遂行いただくための支援体制を構築しております。当社の書類作成プロセスの多くはデジタル化・ペーパーレス化されていますが、印刷工程等社員の出勤が不可欠なプロセスもあります。当社グループではパンデミック対策として、前述の施策のほか、時差出勤や交代制勤務・オフィスの分散等の感染防止施策を立案・推進することで、開示書類作成支援業務の継続と社員の安全確保の両立を図っております。また、大規模な自然災害やパンデミックが発生した場合、株式会社シネ・フォーカスを中心としたイベント事業において、イベントが中止になるなど事業機会を失う可能性があります。当社グループではこうしたリスクに対し、上述の開示書類作成支援同様に従業員の安全確保を図りつつ、株主総会等の継続性の高いイベントの受注拡大や、オンラインイベントに対応できる設備・インフラの強化に努めております。 (9)M&A及び資本業務提携等に関するリスク当社グループは事業領域の拡張及び外部リソースの活用等を目的として、他企業の買収、他企業への出資、他企業との提携及び協力体制構築等を行うことが考えられます。M&A等を実施する場合には、事前の精査等によって、対象企業又は事業等のリスク及び収益性、投資回収の可能性等を検討しておりますが、特にIT分野では需給の関係により売主の希望額が高騰することがあります。そうした要因等によってM&A等が実施された場合、一時費用の増加などが見込まれ、一時的に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの理由により当初見込んだとおりの収益や投資回収が進まなかった場合や、長期金利の上昇によりのれんの評価に係る割引率が上昇した場合、のれんの減損等によって当社の業績に影響を与える可能性があります。 (10)人財の確保・育成に関するリスク当社グループは受注量の増大や事業領域の拡大に対応するため、人財の確保や育成が今後の成長において重要であると考えております。特に「非印刷分野」を中心とした成長領域においては専門的な知識・経験を持ったプロフェッショナル人財の確保が急務となっており、これに対応した人事制度の見直しや社内での教育制度の整備等に注力しておりますが、優秀な人財の獲得や育成が計画通りに進まなかった場合、長期的視点から、当社グループの事業展開、業績及び成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。

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