事業の概要
- 住宅建材・設備製造販売ウッドワンは、床材や造作材などの木質建材、システムキッチンなどの住宅設備機器を製造し、販売しています。これは、家を建てる際に必要となる様々な材料や設備を提供することで収益を得るビジネスモデルです。新築住宅だけでなく、リフォーム市場もターゲットにしています。
- 木材の垂直統合ニュージーランドに子会社を持ち、植林から製材、そして製品化までを一貫して行うことで、原材料である木材の安定調達と品質管理を実現しています。これにより、サプライチェーン全体を自社でコントロールし、効率的な生産体制を構築しています。
- バイオマス発電事業木質バイオマスを燃料とした発電事業も手掛けています。これは、木材加工の際に出る端材や間伐材などを有効活用し、電力を生産・販売することで収益を得るものです。環境に配慮した再生可能エネルギー事業として、事業の多角化にも貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 住宅建材・住宅設備事業この事業は、床材や造作材といった木質建材、システムキッチンなどの住宅設備機器の製造と販売が主な内容です。ウッドワンの主要な収益源であり、最新年度の売上高は641.01億円、営業利益は12.51億円と、グループ全体の大部分を占める稼ぎ頭です。
- 発電事業この事業では、木質バイオマスを燃料とした発電を行い、電力を販売しています。木材加工の際に出る端材などを有効活用する環境に配慮した事業であり、最新年度の売上高は10.55億円、営業利益は0.59億円となっています。
- 事業の地域構成住宅建材・住宅設備事業は、日本国内だけでなく、ニュージーランド、フィリピン、インドネシア、中国など海外にも展開しています。これにより、特定の地域市場に依存するリスクを分散し、グローバルな視点での事業展開を図っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| HouseBuildingMaterialsAndHousingEquipment | 地域 | 641 | 13 | 2.0% |
| PowerGeneration | 事業 | 11 | 1 | 5.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社8社から構成しており、住宅建材及び住宅設備機器の製造並びに販売を主たる事業としています。住宅建材設備事業では、前連結会計年度において連結子会社でありました上海倍楽厨業有限公司は、清算が結了したため、連結範囲から除外しました。当社グループの事業内容及び当社と主な関係会社の当該事業に係る位置付けは以下のとおりです。なお、詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。①住宅建材設備事業床材・造作材などの総合木質建材や厨房機器などの住宅設備機器の製造及び販売、植林を含む山林経営(主な関係会社)当社、Juken New Zealand Ltd.、沃達王國際有限公司、Juken Sangyo (Phils.)Corp.、株式会社ウッドジョイ、株式会社フォレストワン、PT.Woodone Integra Indonesia及び株式会社ベルキッチン ②発電事業間伐材等由来の木質バイオマス・一般木質バイオマス・建設資材廃棄物などの燃料を用いたバイオマス発電及び売電(主な関係会社)当社 事業の系統図は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料の調達リスク及び価格変動リスク、木質バイオマス燃料の価格高騰リスクがあるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 住宅建材・設備機器の製造設備、バイオマス発電設備、山林経営のための大規模な土地と管理体制 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:新設住宅着工戸数減少や職人不足による販売減 / 原材料(木材)の調達困難化や価格高騰 / 木質バイオマス燃料の供給中断・減少・価格高騰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ウッドワンは「無垢の木」というブランドイメージを構築しており、自然素材へのこだわりを訴求している。しかし、特許や規制ライセンスなど、他社が容易に模倣できない強力な無形資産は限定的。
スイッチングコスト★★☆☆☆
住宅建材や内装建材は、一度採用されると設計変更やリフォーム時の再選定に手間がかかるため、一定のスイッチング・コストが発生する。しかし、価格やデザインの魅力があれば乗り換えられる可能性もある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルにおいて、ユーザー数が増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は観察されない。
コスト優位★★☆☆☆
自社で原木から製材、加工、販売まで一貫して行う「木材流通システム」を構築しているが、競合他社も同様の垂直統合や効率化を進めているため、圧倒的なコスト優位性は確立されていない。
規模の経済★★★☆☆
住宅建材・内装建材市場において、一定のシェアと生産能力を持つ。特に無垢材分野では強みを持つが、業界全体としては多数のプレイヤーが存在し、寡占度はそれほど高くない。
- 持続可能な山林経営ニュージーランド子会社による約40,000haの森林での30年サイクルの循環型山林経営は、原材料である木材の安定供給を可能にし、調達リスクを低減しています。これにより、木材価格の変動に左右されにくい安定した事業基盤を築いています。
- 環境貢献とブランド力山林経営による年間約68.9万トンの二酸化炭素吸収や、自社バイオマス発電による実質CO₂排出ゼロの電力使用は、環境意識の高い顧客層へのアピールとなり、企業のブランドイメージ向上に寄与しています。これは、持続可能性を重視する現代において競争優位性となり得ます。
- 製品開発と販路拡大職人不足に対応した省施工商品の開発や、リフォーム・非住宅市場、海外市場への販路拡大に注力しています。これにより、国内の新築住宅市場の変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに応えることで、事業の安定性と成長性を高める可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針当社グループは、“業界一流のメーカーとして、本業を極め、本業に徹し、一流の商品をお客様にご提供することを通じて、社会の発展に貢献する”を経営理念とし、顧客ニーズに沿った商品開発に注力するとともに、自然環境の保護と社会の発展に貢献すべく企業活動を展開しています。 (2) 経営戦略等当社グループでは、これからの厳しい競争時代を勝ち抜くため、着実に業績の伸展を目指し、次のような施策を実践していきます。① 森林資源を保全する法正林施業(植林、育林、間伐、伐採)を採用したニュージーランドの育林事業により安定した品質と量の原材料確保を図ります。② 貴重な資源を更に活かす為、高度な木材加工技術の更なる向上を図ります。③ 木が持つ潜在能力を梃子(てこ)に、新成長市場であるアジア市場や国内のリフォーム、非住宅、商環境市場などで、“勝てる市場×勝てる仕掛け”を創造します。④ 変化する市場の本質を見極め、魅力ある商品・サービスを提案し、新たなファンを創造します。⑤ 新たな戦略を全社で迅速に推進する為、国内外の製造ネットワークを更に整備し、効率的な運営とコスト低減を図るとともに、社内の仕組みを再構築します。⑥ 認証材を活用した国内外のニーズに応えていきます。当社グループでは、ニュージーランドの自社林における森林経営において、二酸化炭素を吸収する森林面積を減らすことなく、一定の周期で毎年一定の木材を永続的に収穫することを基本方針とし、資源循環型の環境経営を目指しています。また、木材製品を生産し、長寿命化住宅を実現することは、植林で吸収した二酸化炭素を炭素として固定する貯蔵庫を生産しているといえます。国内では、バイオマス発電事業や再生エネルギーによる電力利用を推進することにより、カーボンニュートラルを目指しています。さらにクリーンな材料調達の証明としてニュージーランド子会社の全森林・全工場、香港子会社、フィリピン子会社工場、インドネシア子会社工場および国内の木質建材工場において森林認証を取得しています。このように当社グループの事業活動自体が、サステナビリティに関する諸問題に対処するための取組みでもあります。また、当社の強みであるニュージーランドで産出される木材を、一貫生産体制・国際分業体制をもって、さらに競争力のある製品として作り上げるべく、研究開発や知的財産投資も進めてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、企業価値の向上と財務体質の強化を図るための経営指標として自己資本利益率(ROE)の向上を目指し、労働生産性の向上などによる収益性の改善や自己資本比率の維持・向上に取り組んでいます。また、事業の拡大と安定的な収益を獲得するために、グループ全体で連結売上高1,000億円を目指しています。 (4) 経営環境当社グループの経営環境は、構造的な人口減少問題等により市場が縮小していく「量の面での変化」とともに、住宅の高性能化や住宅環境まで視野に入れた「質の面での変化」が同時に進行する状況にあります。当社グループがこれからの時代を生き抜き成長するためには、住まい手にとって魅力ある商品・提案の強化に加え、リフォームや非住宅施設などの新市場開拓が不可欠です。また、住宅業界における職人不足に伴う住宅の品質管理や工期管理、コスト上昇なども大きな課題となっています。このような環境下で、市場の変化をいち早く察知し、現状を肯定することなく自己変革に努め、常に当社グループ自らが環境の変化に合わせて変わっていくことが必要となっています。AIやIoTといったデジタル技術を活用し、生産性を向上させることで、新たな付加価値の創造と収益性の改善を目指してまいります。具体的には、国内においては新築戸建市場に加えてリフォーム、非住宅、商環境市場などの新市場の開拓、また海外においては発展が期待されるアジア圏の市場の開拓を主題とする成長戦略を策定し、当社グループ一丸となってこれらに取り組んでまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題世界経済は、主要国においてインフレ圧力の緩和が見られる一方、米国トランプ政権による追加関税措置や貿易保護主義的な政策運営の継続により、グローバルなサプライチェーンの再構築が急務となるなど、不透明な状況が続くものと予想されます。また、緊迫化する地政学リスクに伴うエネルギー価格の変動や、為替相場の不安定な推移など、引き続き予断を許さない状況にあります。国内の住宅業界では、人口減少に伴う新設住宅着工戸数の長期的な減少傾向に加え、2025年4月に施行された改正建築基準法により、建築確認申請の厳格化や事務負担が増加し、戸建住宅の着工を一時的に抑制する要因となりました。しかしながら、省エネ基準の適合義務化や構造計算の厳格化が定着したことで、住宅の高性能化・高耐久化への要請は一段と強まっており、これらに的確に応える高品質な木質資源へのニーズは強まっております。また、既存住宅の資産価値向上を目指したリフォーム・リノベーション需要は、引き続き堅調であり、市場の軸足は、「新築」から「ストック活用」へと確実にシフトしております。このような事業環境のもと、当社グループがこれからの時代を生き抜き成長するためには、既存市場における存在感を維持しつつ、国内外の新しい市場を自らが積極的に開拓すること、ならびに「脱炭素社会の実現」に向けた事業展開を強力に推進することが最優先の経営課題と認識しております。この経営課題への対応として、当社グループは、ニュージーランド産のラジアータパインや国産材を活用した無垢内装材・収納商品のブランド力と機能性を兼ね備える本物志向の製品群を強化いたします。特に省エネ・構造規制の強化を背景に、優れた強度を持つ構造材や、職人不足に対応した省施工商品の提案を加速させ、リフォーム市場および非住宅市場でのシェア拡大に注力してまいります。海外においては、ニュージーランド子会社では、当社グループ向けの生産数量を確保した上で、安定した資源供給能力を背景に、同国内およびオセアニア市場への外販を強化いたします。また、インドネシア子会社においては、増強したドア生産体制のフル活用により、欧米・インドネシア国内市場でのさらなる販路拡大を推進することで、特定の国や地域経済に左右されない経営基盤を構築してまいります。これらの事業展開と並行して、ニュージーランド子会社における持続可能な資源循環型の森林経営を基盤に、ニュージーランド子会社の全森林・全工場、香港子会社、フィリピン子会社工場、インドネシア子会社工場および国内の木質建材工場における森林認証の維持、バイオマス発電による再生可能エネルギー利用を推進し、カーボンニュートラルの実現に寄与してまいります。当社グループの事業活動そのものが環境価値を創出し、社会的責任を果たすモデルとなるよう成長させていく方針です。このほか、原材料や物流コストの高騰に対し、適切な価格転嫁とDXによる構造的なコスト競争力の強化を両立させます。また、AIやIoT等によるデータ利活用を通じた製造工程の高度化、営業・間接部門における業務プロセス改革を推進し、顧客サービスレベルの向上と強固な経営体質の構築を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針当社グループは、“業界一流のメーカーとして、本業を極め、本業に徹し、一流の商品をお客様にご提供することを通じて、社会の発展に貢献する”を経営理念とし、顧客ニーズに沿った商品開発に注力するとともに、自然環境の保護と社会の発展に貢献すべく企業活動を展開しています。 (2) 経営戦略等当社グループでは、これからの厳しい競争時代を勝ち抜くため、着実に業績の伸展を目指し、次のような施策を実践していきます。① 森林資源を保全する法正林施業(植林、育林、間伐、伐採)を採用したニュージーランドの育林事業により安定した品質と量の原材料確保を図ります。② 貴重な資源を更に活かす為、高度な木材加工技術の更なる向上を図ります。③ 木が持つ潜在能力を梃子(てこ)に、新成長市場であるアジア市場や国内のリフォーム、非住宅、商環境市場などで、“勝てる市場×勝てる仕掛け”を創造します。④ 変化する市場の本質を見極め、魅力ある商品・サービスを提案し、新たなファンを創造します。⑤ 新たな戦略を全社で迅速に推進する為、国内外の製造ネットワークを更に整備し、効率的な運営とコスト低減を図るとともに、社内の仕組みを再構築します。⑥ 認証材を活用した国内外のニーズに応えていきます。当社グループでは、ニュージーランドの自社林における森林経営において、二酸化炭素を吸収する森林面積を減らすことなく、一定の周期で毎年一定の木材を永続的に収穫することを基本方針とし、資源循環型の環境経営を目指しています。また、木材製品を生産し、長寿命化住宅を実現することは、植林で吸収した二酸化炭素を炭素として固定する貯蔵庫を生産しているといえます。国内では、バイオマス発電事業や再生エネルギーによる電力利用を推進することにより、カーボンニュートラルを目指しています。さらにクリーンな材料調達の証明としてニュージーランド子会社の全森林・全工場、香港子会社、フィリピン子会社工場、インドネシア子会社工場および国内の木質建材工場において森林認証を取得しています。このように当社グループの事業活動自体が、サステナビリティに関する諸問題に対処するための取組みでもあります。また、当社の強みであるニュージーランドで産出される木材を、一貫生産体制・国際分業体制をもって、さらに競争力のある製品として作り上げるべく、研究開発や知的財産投資も進めてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、企業価値の向上と財務体質の強化を図るための経営指標として自己資本利益率(ROE)の向上を目指し、労働生産性の向上などによる収益性の改善や自己資本比率の維持・向上に取り組んでいます。また、事業の拡大と安定的な収益を獲得するために、グループ全体で連結売上高1,000億円を目指しています。 (4) 経営環境当社グループの経営環境は、構造的な人口減少問題等により市場が縮小していく「量の面での変化」とともに、住宅の高性能化や住宅環境まで視野に入れた「質の面での変化」が同時に進行する状況にあります。当社グループがこれからの時代を生き抜き成長するためには、住まい手にとって魅力ある商品・提案の強化に加え、リフォームや非住宅施設などの新市場開拓が不可欠です。また、住宅業界における職人不足に伴う住宅の品質管理や工期管理、コスト上昇なども大きな課題となっています。このような環境下で、市場の変化をいち早く察知し、現状を肯定することなく自己変革に努め、常に当社グループ自らが環境の変化に合わせて変わっていくことが必要となっています。AIやIoTといったデジタル技術を活用し、生産性を向上させることで、新たな付加価値の創造と収益性の改善を目指してまいります。具体的には、国内においては新築戸建市場に加えてリフォーム、非住宅、商環境市場などの新市場の開拓、また海外においては発展が期待されるアジア圏の市場の開拓を主題とする成長戦略を策定し、当社グループ一丸となってこれらに取り組んでまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題世界経済は、主要国においてインフレ圧力の緩和が見られる一方、米国トランプ政権による追加関税措置や貿易保護主義的な政策運営の継続により、グローバルなサプライチェーンの再構築が急務となるなど、不透明な状況が続くものと予想されます。また、緊迫化する地政学リスクに伴うエネルギー価格の変動や、為替相場の不安定な推移など、引き続き予断を許さない状況にあります。国内の住宅業界では、人口減少に伴う新設住宅着工戸数の長期的な減少傾向に加え、2025年4月に施行された改正建築基準法により、建築確認申請の厳格化や事務負担が増加し、戸建住宅の着工を一時的に抑制する要因となりました。しかしながら、省エネ基準の適合義務化や構造計算の厳格化が定着したことで、住宅の高性能化・高耐久化への要請は一段と強まっており、これらに的確に応える高品質な木質資源へのニーズは強まっております。また、既存住宅の資産価値向上を目指したリフォーム・リノベーション需要は、引き続き堅調であり、市場の軸足は、「新築」から「ストック活用」へと確実にシフトしております。このような事業環境のもと、当社グループがこれからの時代を生き抜き成長するためには、既存市場における存在感を維持しつつ、国内外の新しい市場を自らが積極的に開拓すること、ならびに「脱炭素社会の実現」に向けた事業展開を強力に推進することが最優先の経営課題と認識しております。この経営課題への対応として、当社グループは、ニュージーランド産のラジアータパインや国産材を活用した無垢内装材・収納商品のブランド力と機能性を兼ね備える本物志向の製品群を強化いたします。特に省エネ・構造規制の強化を背景に、優れた強度を持つ構造材や、職人不足に対応した省施工商品の提案を加速させ、リフォーム市場および非住宅市場でのシェア拡大に注力してまいります。海外においては、ニュージーランド子会社では、当社グループ向けの生産数量を確保した上で、安定した資源供給能力を背景に、同国内およびオセアニア市場への外販を強化いたします。また、インドネシア子会社においては、増強したドア生産体制のフル活用により、欧米・インドネシア国内市場でのさらなる販路拡大を推進することで、特定の国や地域経済に左右されない経営基盤を構築してまいります。これらの事業展開と並行して、ニュージーランド子会社における持続可能な資源循環型の森林経営を基盤に、ニュージーランド子会社の全森林・全工場、香港子会社、フィリピン子会社工場、インドネシア子会社工場および国内の木質建材工場における森林認証の維持、バイオマス発電による再生可能エネルギー利用を推進し、カーボンニュートラルの実現に寄与してまいります。当社グループの事業活動そのものが環境価値を創出し、社会的責任を果たすモデルとなるよう成長させていく方針です。このほか、原材料や物流コストの高騰に対し、適切な価格転嫁とDXによる構造的なコスト競争力の強化を両立させます。また、AIやIoT等によるデータ利活用を通じた製造工程の高度化、営業・間接部門における業務プロセス改革を推進し、顧客サービスレベルの向上と強固な経営体質の構築を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策に伴う関税の影響が懸念されるなか、高水準のインバウンド需要や堅調な企業収益を背景とした設備投資に支えられ、緩やかな回復基調で推移しました。雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費にも持ち直しの動きが見られましたが、物価上昇の継続が家計に与える影響や実質賃金の動向については、引き続き注視を要する状況にあります。海外経済においては、中国景気の先行き不透明感に加え、緊迫化する中東情勢がエネルギー価格や物流へ及ぼす影響など、依然として予断を許さない状況が続いています。住宅業界においては、2025年4月に施行された改正建築基準法への対応や、長引く住宅価格の高騰に伴うマインドの低下により、当社グループの主力市場である国内の持家および分譲戸建住宅を合わせた着工戸数は、前年を大きく下回る水準で推移するなど、厳しい経営環境となりました。このような事業環境の中、当社グループは山林経営から木材加工までの一貫生産体制と循環型林業による環境貢献を軸とした、独自の価値提供に注力しました。主力の国内新築市場においては、高品質な製品の安定供給体制を維持するとともに、無垢商品や収納商品、省施工商品といった高付加価値商品を核とした提案営業を強化し、顧客ニーズへの的確な対応に努めました。また、事業ポートフォリオの多角化(脱「新築戸建依存」)を加速させ、国内のリフォーム・非住宅市場において、設計の自由度と空間価値を高める多様な商品ラインナップを提案しました。海外市場においては、インドネシア子会社による欧米・豪州市場や同国内等のさらなる開拓を推進しました。サステナビリティおよび人的資本経営への取り組みとしては、2025年6月、物流効率化と環境負荷低減の両立を目指し、社名ロゴ入りの31フィート鉄道輸送専用コンテナを導入し、広島・埼玉間での運行を開始しました。これは「ホワイト物流」推進運動への賛同に基づくモーダルシフトの具現化であり、ドライバーの労働環境改善とCO₂排出量削減に寄与するものです。また、同9月、次世代育成支援として「はつかいち子育て応援宣言企業」の認定を取得し、育児休業の取得促進や、職場体験の受け入れを積極的に実施しました。さらに、2026年3月、「健康経営」を経営戦略として導入することを決定しました。従業員の心身の健康維持・増進を重要な経営資源と捉え、組織の活性化と労働生産性の向上を図ることで、中長期的な企業価値向上と「健康経営優良法人」の認定取得を目指してまいります。国内販売については、「木と人で拓く、新たな価値!」をテーマに、お客様にとって付加価値のある商品の拡販に取り組み、取引店数のさらなる拡大を進めています。また、度重なる資材調達コストの上昇に対応して、生産性向上によるコストダウンやサプライチェーンの強化に加え、適正な収益確保を行うべく床材・造作材等の販売価格の改定に継続的に取り組んでいます。リフォーム市場向けでは、2025年9月、東京ビッグサイトで開催された日本最大のプロ向けリフォーム展示会「リフォーム産業フェア2025」に出展し、無垢の木のキッチン「スイージー」や無垢の木の内窓「MOKUサッシ」等を新規顧客に提案しました。非住宅市場向けでは、2025年9月、当社初となる木造4階建て宿泊施設の現場構造見学会を開催。全国各地からご来場頂いた施工業者にLVL材や「JWOOD工法」の特長、構造設計のポイント等を説明・提案しました。また、2026年2月、日本最大級の「サービス産業」「フードビジネス」の展示会「HCJ 2026 第54回 国際ホテル・レストラン・ショー」に出展。本展示会では、ホテルやレストランをはじめとする非住宅・商環境分野への提案力強化を目的とし、当社の主力製品である「フレームキッチン」のほか、無垢材の質感を活かした床材「コンビットⓇソリッドJ」や「デザインウォール不燃パネル」などを展示、今後の展開を見据えた参考出品として、不燃突板クロス「Kiori」も展示しました。宿泊施設や商業施設に向け、当社の強みである「木のぬくもりを活かした空間デザイン」を積極的にアピールすることで、新たな法人顧客との商談創出およびブランド認知の向上を図っています。海外部門については、ニュージーランド子会社では、当社グループ向けの生産数量を確保した上で、原木や木質素材などをニュージーランド国内市場や海外市場へ販売しました。また、インドネシア子会社では、欧米市場やインドネシア国内市場の販路開拓を続け、拡販を進めました。こうした状況の中、国内市場における需要低下に伴う販売・生産数量の減少や円安・インフレの進行によるコスト高が継続する厳しい環境下において、日本国内での販売価格の適正化や労働生産性の向上による経費削減に注力するとともに、好調なインドネシア子会社による収益貢献に努めてまいりましたが、これら諸施策による収益改善効果が市場環境の悪化による影響を補うには至りませんでした。 この結果、当連結会計年度の連結売上高は、66,000百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は1,230百万円(同6.1%減)、経常利益は1,792百万円(同233.7%増)となった一方で、親会社株主に帰属する当期純損失は1,456百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益1,777百万円)となりました。なお、経常利益には、為替相場の変動による為替差益として439百万円のほか、ニュージーランド子会社の排出権収入として689百万円計上しました。また、特別利益には、同子会社で2024年11月に発生した火災による保険金等を受取保険金として777百万円計上しました。さらに、特別損失には、同子会社の収益性低下を踏まえ当該事業に係る固定資産の減損処理等を事業再編損として2,956百万円計上しました。 セグメント別の経営成績は次のとおりです。a.住宅建材設備事業住宅建材設備事業では、2025年4月、国内グループ子会社フォレストワンが製材・乾燥した国産材桧を基材に用いた無垢フローリング「コンビットⓇソリッドJ」を発売。同11月には、同商品と国産材突板フローリング「コンビットグラードⓇJ」の2商品が、一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催の「ウッドデザイン賞2025」において、それぞれソーシャルデザイン部門とライフスタイルデザイン部門で受賞しました。また、同9月、多くのユーザーから支持されるリンナイ株式会社様のガス衣類乾燥機「乾太くん」推奨の衣類乾燥機専用台「ランドリーノ」を発売。システム収納「エラボ」や「仕上げてる棚板」などと組み合わせた、ランドリールームや脱衣室の収納がますます充実しました。さらに、同11月、無垢材「ピノアース」のあたたかみのあるウォームベージュ色をベースに、町田ひろ子アカデミーのコーディネート術がザ・コンランショップの家具を用いてつくり出す新しい特別な空間展示「WOOD&LIFE Style Fair 2025」を期間限定で開催しました。海外部門については、ニュージーランド子会社では、ニュージーランド国内市場や海外市場に向けた原木や木質素材の外販数量が増加し、売上高は前年を上回る水準となりました。また、インドネシア子会社では、欧米市場への輸出、およびインドネシア国内向けの販売が引き続き大きく増加し、前年同期に比べ売上高、利益ともに好調に推移しました。この結果、当連結会計年度における住宅建材設備事業の売上高は64,992百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は1,024百万円(同18.2%減)となりました。 b.発電事業発電事業では、本社敷地内に設置している木質バイオマス発電設備で発電した再エネ電気を、電気事業者にFIT固定価格で全量売電しています。バイオマス燃料の需要が増え続ける中、依然、燃料代は高止まりしましたが、製造経費が大きく減少しました。この結果、当連結会計年度における発電事業の売上高は1,054百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は206百万円(同248.7%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により2,606百万円の増加、投資活動により5,261百万円の減少、財務活動により1,449百万円の増加となりました。営業活動により増加した資金2,606百万円(前年同期は3,982百万円の資金増加)は、主に事業再編損2,956百万円、非資金項目である減価償却費3,616百万円などがあった一方で、法人税等で906百万円の支払いや売上債権が936百万円増加、棚卸資産が860百万円増加、仕入債務が391百万円減少したこと等によるものです。投資活動により減少した資金5,261百万円(前年同期は3,627百万円の資金減少)は、主に国内および海外子会社での設備投資並びにニュージーランド子会社での山林投資や2024年11月の火災により被災した設備の入替等により、5,569百万円の支出があったことによるものです。財務活動により増加した資金1,449百万円(前年同期は71百万円の資金増加)は、主に配当金として222百万円を支出したものの、借入金による資金調達により1,959百万円増加したことによるものです。この結果、現金及び現金同等物に係る換算差額の影響等もあり、現金及び現金同等物は1,312百万円の減少となり、当連結会計年度末残高は4,127百万円(前連結会計年度末比24.1%減)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。品目金額(百万円)前年同期比(%)床材3,93093.7造作材18,144105.6その他建材18,767100.6住宅設備機器1,65097.8住宅建材設備事業 計42,492101.9発電事業73286.4合計43,225101.5(注)金額は製造原価により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。 b.受注状況 当社グループの生産は見込み生産を主体とし一部受注生産を行っていますが、その比率は僅少であるため、記載を省略しています。c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。品目金額(百万円)前年同期比(%)床材6,80496.2造作材35,076104.9その他建材19,07497.8住宅設備機器3,99097.7住宅建材設備事業 計64,945101.3発電事業1,05499.9合計66,000101.3 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)住友林業㈱8,33812.88,00112.1SMB建材㈱7,56011.67,26811.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、企業価値の向上と財務体質の強化を図るための経営指標として自己資本利益率(ROE)の向上を目指し、収益性の改善や自己資本比率の維持・向上に取り組むとともに、事業の拡大と安定的な収益を獲得するため、グループ全体で連結売上高1,000億円を目指しています。当連結会計年度においては、高水準のインバウンド需要や堅調な設備投資等によりわが国経済が緩やかな回復基調で推移したものの、物価上昇の継続や2025年4月に施行された改正建築基準法への対応、住宅価格の高騰に伴うマインドの低下などを背景に、当社グループの主力市場である国内の持家および分譲戸建住宅の着工戸数が前年を大きく下回る水準で推移したなかで、当連結会計年度は一貫生産体制と循環型林業を軸とした独自の価値提供に注力し、無垢商品や収納商品、省施工商品といった高付加価値商品の提案営業を強化するとともに、国内のリフォーム・非住宅市場の開拓やインドネシア子会社を通じた海外販路の拡大による事業ポートフォリオの多角化(脱「新築戸建依存」)を推進しました。その結果、国内市場における需要低下に伴う販売・生産数量の減少や円安・インフレの進行によるコスト高が継続し、諸施策による収益改善効果が市場環境の悪化による影響を補うには至らなかったものの、好調なインドネシア子会社の収益貢献や為替差益・排出権収入の計上等もあり、売上総利益率は26.7%(前年同期比0.4ポイント減)、販管費率は24.8%(同0.3ポイント減)、営業利益率は前期の2.0%から当期は1.9%、経常利益率は前期0.8%から当期は2.7%となりました。一方で、ニュージーランド子会社における収益性低下を踏まえた固定資産の減損処理等を事業再編損(2,956百万円)として特別損失に計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益率は前期の2.7%から当期は△2.2%の純損失となりました。また、これらに伴い自己資本利益率(ROE)は前期の4.0%から当期は△3.3%、自己資本比率は前期の43.7%から当期は42.5%に低下しました。 a.経営成績当連結会計年度は、国内においては、市場における需要低下に伴う販売・生産数量の減少や円安・インフレの進行によるコスト高が継続し厳しい環境となったものの、海外においては、好調なインドネシア子会社による収益貢献などもあり、連結売上高は66,000百万円(前年同期比1.3%増)、売上総利益は17,598百万円(同0.4%減)、売上総利益率は26.7%(同0.4ポイント減)となりました。また、日本国内での販売価格の適正化や労働生産性の向上による経費削減に注力したものの、市場環境の悪化による影響を補うには至らず、販売費及び一般管理費は16,367百万円(同0.0%増)となりました。その結果、営業利益は前年同期に比べ80百万円減少し1,230百万円(同6.1%減)、経常利益は前年同期に比べ1,255百万円増加し1,792百万円(同233.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は、ニュージーランド子会社の収益性低下を踏まえた固定資産の減損処理等を事業再編損として計上する等、前年同期に比べ3,234百万円減少し1,456百万円の損失(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益1,777百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。当連結会計年度における住宅建材設備事業の売上高は64,992百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は1,024百万円(同18.2%減)となりました。品目別では、床材の売上高は6,804百万円(同3.8%減)となり、前年同期に比べ266百万円減少しました。造作材の売上高は35,076百万円(同4.9%増)となり、前年同期に比べ1,633百万円増加しました。特に、高付加価値商品として注力している収納商品・省施工商品においては、収納商品では「仕上げてる棚板」、省施工商品では「デザイン階段」といった商品の販売実績が好調でした。その他建材の売上高は19,074百万円(同2.2%減)となり、構造材等の販売が低調に推移し前年同期に比べ429百万円減少しました。住宅設備機器の売上高は、3,990百万円(同2.3%減)となり、キッチン・洗面化粧台等の販売が低調に推移し前年同期に比べ93百万円減少しました。発電事業では、本社敷地内に設置している木質バイオマス発電設備により、電気事業者にFIT固定価格で売電を行っています。前連結会計年度に比べ依然燃料代が高止まりし、電力需給バランスを調整する電気事業者からの「出力制御」の要請は前年同期に比べ増加したものの、製造経費の大幅な減少により、当連結会計年度は、売上高が1,054百万円(同0.1%減)、営業利益が206百万円(同248.7%増)となりました。 b.財政状態当連結会計年度における連結財政状態は、円安により外貨建て資産の円貨換算額が増加した影響もあり、前連結会計年度に比べ資産が2,144百万円増加、負債が2,464百万円増加、純資産が320百万円減少しました。資産2,144百万円の増加は、流動資産が865百万円増加、固定資産が1,278百万円増加したことによるものです。流動資産865百万円の増加は、主に現金及び預金が1,312百万円減少したものの、売掛金が1,039百万円増加、その他流動資産が844百万円増加、棚卸資産が303百万円増加したことによるものです。また、固定資産1,278百万円の増加は、主に前年実施したニュージーランド子会社のギスボン工場売却に関連した債権等のその他(流動資産)への振替により、投資その他の資産が1,675百万円減少したものの、有形固定資産が2,979百万円増加(為替影響除きでは421百万円増加)したことによるものです。有形固定資産2,979百万円の増加は、主に同子会社の収益性低下を踏まえ当該事業に係る固定資産の減損処理等により、機械装置及び運搬具が1,099百万円減少、建物及び構築物が610百万円減少したものの、同子会社の立木が2,656百万円増加、2024年11月の火災により被災した設備の入替等により建設仮勘定が1,812百万円増加したこと等によるものです。負債2,464百万円の増加は、流動負債が650百万円増加、固定負債が1,814百万円増加したことによるもので、主に電子記録債務が479百万円減少したものの、国内及び海外子会社での設備資金や運転資金の調達等により、有利子負債が2,915百万円増加(為替影響除きでは1,694百万円増加)したことによるものです。純資産320百万円の減少は、主に為替換算調整勘定が1,084百万円増加したものの、利益剰余金が1,680百万円減少したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの資金需要は、主に商品の生産・販売活動にかかる運転資金需要(材料費、外注費、人件費、販売運賃、販管費等)と、生産設備の新設・更新および山林投資にかかる設備資金需要に大別されます。設備投資に関しては、通常は減価償却費の範囲内(当連結会計年度実績は3,616百万円)を目安として支出する方針をとっていますが、当連結会計年度においては、ニュージーランド子会社における将来の収益基盤となる山林投資に加え、火災被災設備の復旧に伴う入替資金などが重なったことから、一時的に設備資金需要が拡大しました。これらの資金調達方針として、経常的な運転資金および通常の設備投資資金については、原則として営業活動により得られた自己資金(営業収支資金)より充当することを基本としています。ただし、当連結会計年度のように一時的な投資需要の増加や不測の事態により自己資金に不足が生じた場合には、金融機関からの借入金や社債などの有利子負債による外部調達を実施しています。長期の借入金や社債などの長期資金の調達にあたっては、中長期的な事業計画に基づき調達計画を策定し、金利動向などの調達環境や既存債務の償還スケジュールを総合的に勘案して、固定・変動金利のバランスや期間の最適化を図っています。また、国内および海外子会社での設備投資並びにニュージーランド子会社における設備・山林投資資金などについては、各社の年次資金計画を元に、各社が現地金融機関、またはグループ会社から機動的に調達を行っています。今後、外部環境の想定以上の悪化や不測の事態により、想定を超えて資金面で悪影響が生じることが見込まれる場合には、従来から確保しているコミットメントラインなどを活用することを想定しており、十分な資金の流動性と安全性を確保する体制を維持しています。なお、当連結会計年度末における借入金及び社債(有利子負債)の残高は、42,844百万円となっています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,127百万円となっています。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
事業リスク
- 住宅市場の変動影響国内の新設住宅着工戸数の減少や職人不足による工期遅れは、住宅建材や設備機器の販売量に直接影響し、業績が悪化する可能性があります。これは、主要な収益源が住宅市場に依存しているため、市場の動向が会社の業績を大きく左右するリスクです。
- 原材料の調達・価格変動木材を主要な原材料としているため、木材の調達が困難になったり、価格が高騰したりすると、製品の製造コストが増加し、利益を圧迫する可能性があります。ニュージーランド子会社による山林経営でリスク軽減を図っていますが、完全に回避できるわけではありません。
- バイオマス燃料の確保バイオマス発電事業において、燃料となる木質バイオマスの安定的な確保は重要です。近隣での競合発電所の稼働や自然災害、燃料価格の高騰などにより、燃料調達が不安定になったり、コストが増加したりすると、発電事業の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、後述のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 業績の変動要因について① 新設住宅着工戸数の減少や職人不足による工期遅れの影響について当社グループは、住宅建材及び住宅設備機器の製造販売を主たる事業としており、国内販売に関しては新設住宅着工戸数の減少や職人不足による工期遅れがもたらす販売減が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、新築戸建市場に加えてリフォーム市場や非住宅市場の開拓、ならびに海外での販路拡大など新しい顧客開拓に注力するとともに、職人不足に対応した省施工を可能にする商品開発等でその影響の軽減を図っています。 ② 原材料の調達リスク及び価格変動リスクによる影響について当社グループは、床材を主体とした木材の二次加工品の製造および造作材等木質建材商品の加工販売を主要な事業としており、原材料である木材について、調達が困難となった場合や価格が高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、ニュージーランド子会社であるJuken New Zealand Ltd.において、30年サイクルの循環型の持続可能な山林経営を行い、当社グループの原材料の主要な供給元とすることで木材の調達リスクや価格変動リスクを軽減しています。なお、当該子会社においては、近年の市況変動等に対応するため不採算事業の見直し等の事業再編を推進しており、グループ全体の調達コスト安定化に向けた構造改革を進めています(詳細は「⑩ 海外展開にともなうリスクについて」を参照)。 ③ 中東情勢の緊迫化による影響について中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスク(ホルムズ海峡の緊張や地政学的供給不安等)は、資源・エネルギー価格の変動、輸送ルートの混乱、および供給網の不安定化を引き起こす可能性があります。これらは、塗料・接着剤等の副資材価格の上昇や製造経費・輸送費の増加を招き、当社グループにおける売上原価の上昇圧力および供給の不安定化に繋がるほか、住宅需要の一時的な下押し懸念、海外子会社における収益変動リスクなど、当社グループの生産・物流・販売活動に広範な影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、当社グループでは、徹底したコスト抑制と調達先の多様化を進め、安定的な供給体制の維持に努めるとともに、適正な販売価格への転嫁を推進してまいります。さらに、海外子会社における収益変動リスク等に対しては、ニュージーランド子会社の事業再編を含むグループ全体の生産体制の再構築に取り組み、収益基盤の強化とリスク軽減に努めています。 ④ 為替変動による影響について当社グループは、ニュージーランド子会社からの木材仕入れを円建て決済としており、直接的な為替リスクは限定的です。しかしながら、海外子会社の業績を連結財務諸表へ換算する際、現地通貨の為替相場変動により、連結売上高や利益が変動する可能性があります。また、海外子会社が現地通貨以外の通貨建てで行う借入や営業取引においては、為替相場の変動に伴い為替差損益が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、為替変動が当社グループに与える影響度合いを勘案し、必要に応じて為替予約等によるリスクヘッジを行っています。 ⑤ 木質バイオマス燃料の安定確保の影響について木質バイオマス発電の運営においては、燃料の安定確保が不可欠です。当社では、森林の健全な育成にともない発生する「間伐材等由来の木質バイオマス」をはじめ、当社グループ内や製材所・木材加工所などの工場残材を利用した「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」を活用しています。さらに、フィリピンの子会社で加工した木質燃料を輸入するなど、多様なルートから確実な燃料調達を行っています。しかしながら、これらの調達活動は海上輸送費の高騰や為替変動の影響を受ける可能性があるほか、近隣での新たな大規模バイオマス発電所の稼働や自然災害などの不測の事態が発生した場合、社内外からの木質バイオマス燃料の供給が中断または減少する可能性があります。加えて、品薄により燃料価格が高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、発電所が重大な故障などによる長期停止が発生した場合には、電力売上が減少する可能性があります。 こうしたリスクに対応するため、海上輸送費や為替の動向を注視しつつ、当該子会社で加工した木質燃料の輸入を増やすことで自社調達比率を高め、外部市場からの調達に伴う価格変動リスクを抑制しています。このほか、「間伐材等由来の木質バイオマス」の国内供給業者を複数化・多様化し、自然災害リスクの分散を図っています。また、発電所の重大な故障等による長期停止に備えて、粗悪な燃料を排除するためのふるい機や選別機の活用、メーカーによる定期点検、および所員による日常点検などを徹底して行っています。あわせて、予兆診断等の所員のレベルアップにも注力しています。 ⑥ 温室効果ガス削減(脱炭素)への世界的な取組みの進展について気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガス(GHG)の削減を目的とした取組みが世界的に進められています。今後、地球温暖化対策として規制の強化等により、これらに関連する対策費用が増加する場合や、特定地域における法令又は規制を遵守することが困難になった場合、当該地域における当社グループの事業運営が影響を受ける可能性があります。こうしたリスクに対応するため、ニュージーランド子会社において30年サイクルの循環型の持続可能な山林経営を行い、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガス(GHG)の削減に努めています。同社が経営する約40,000haの森林におけるラジアータパインによる二酸化炭素の吸収量は年間約67.7万トン、固定量は3.5万トンに達します。温室効果ガスである二酸化炭素は森林で樹木に吸収された後も炭素として木材中に固定されます。したがって、木材製品を生産することは、植林で吸収した二酸化炭素を炭素として固定する貯蔵庫を生産しているといえます。また、事業活動における環境負荷低減のため、2022年4月より、関西電力株式会社が提供する「再エネECOプラン(トラッキング付帯)」を活用し、自社のバイオマス発電所由来の再生可能エネルギーで、実質CO₂排出ゼロの電気を自社工場で使用しており、これは当社の総電力量の約70%に相当します。今後も当社グループは、温室効果ガスの削減(脱炭素)に継続的に取組み、様々な媒体を使って適時に情報開示に努めていきます。 ⑦ 固定資産の減損会計による影響について当社グループは、有形固定資産や美術品等の固定資産を所有しています。これらの資産については、減損会計を適用しています。有形固定資産については、将来のキャッシュ・フローが資産の帳簿価額を回収できるかどうかを検証し、美術品については、美術専門家等の第三者から入手した価格に基づいて回収可能な価額を算定し、減損が必要な資産については適切な会計処理を行っています。しかしながら、将来の環境変化により固定資産の将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合や美術品の回収可能価額が大きく下落した場合には、追加の減損処理により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、これらの資産価値を定期的に確認し、可能な限り価値低下を招かない方策を継続的に検討・実施しています。 ⑧ 情報システムに関するリスクについて当社グループは、生産・販売・管理などの業務を情報システムにより管理しており、業務遂行上の重要な基盤となっています。このため、自然災害、システム障害、サイバー攻撃(マルウェア感染、ランサムウェア、ハッキング等)などにより情報システムの機能が停止した場合や、顧客情報・機密情報の漏洩が発生した場合には、事業活動の中断、社会的信用の失墜などを通じて、当社グループの財務状況や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、当社グループでは情報セキュリティ推進委員会を中心に、情報セキュリティポリシーおよび関連規程の整備・周知を進め、組織的なセキュリティ態勢を構築しています。技術的対策としては、エンドポイント保護ソフトの導入、ソフトウェアの適時更新、ファイアウォールの導入、不正アクセスの監視などを実施しています。これらに加え、全従業員に対する機密情報の取り扱いおよびサイバーセキュリティ教育を継続的に行い、セキュリティ意識の向上に努めています。 ⑨ 地震・津波・台風等の大規模な自然災害による影響について当社グループは、ニュージーランドにおける山林経営、フィリピンでの製品や燃料の加工、並びに国内での木製品の製造や木質バイオマス発電所の運営など、グローバルかつ多層的なサプライチェーンを展開しています。そのため、地震・津波・台風・サイクロン等の大規模な自然災害が発生した場合、各拠点における操業停止、物流網の寸断、電力供給の中断等が発生し、当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、大規模な自然災害による被害を完全に回避できるものではありませんが、当社グループで策定した規程や大規模災害対策マニュアルに基づき、非常時を想定した全社的なリスク管理体制を構築、運営しています。具体的には、特定の拠点に依存しない国内外の生産・調達ネットワークの多重化(代替性の確保)、安否確認システムの導入、定期的な防災訓練の実施、および主要資産に対する地震保険への加入などを実施しています。さらに、気象情報や災害情報の早期把握と、有事における経営陣への迅速な情報集約・意思決定体制を整備することで、被害の最小化と早期の事業復旧が図れる体制を構築しています。 ⑩ 海外展開にともなうリスクについて当社グループは、ニュージーランド、フィリピン、インドネシアなど海外での投資や事業展開を進めています。これら海外への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、政治又は社会・治安の混乱、雇用環境の変化、テロ・戦争等といったリスクに加え、主要な海外拠点であるニュージーランド子会社においては、近年の為替変動、市況の変動、あるいは事業再編に伴う一時的な費用の発生などにより、後述するとおり2022年3月期から5期連続で経常損失を計上しています。当該子会社の業績が改善しない場合、または悪化する場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、海外の政治・経済情勢の情報収集に努め、必要に応じて外部専門家の助言等も得ながら、的確かつ迅速に対応しています。ニュージーランド子会社に関しては、不採算事業の見直し、コスト構造の改革、高付加価値製品へのシフト、新たな市場開拓等の収益改善策を推進しています。これらの収益改善策の進捗を厳格にモニタリングし、早期の黒字化およびグループ全体の資本効率向上を目指してまいります。 ⑪ 財務制限条項の抵触による影響について当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、期限の利益を喪失する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。財務制限条項の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)※3 財務制限条項」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(貸借対照表関係)※3 財務制限条項」に記載のとおりです。なお、当連結会計年度末日において、当社は当該財務制限条項に抵触しておりません。 (2) ニュージーランドにおける事業内容及び業績・総資産の推移について当社グループは、ニュージーランドにおいてJuken New Zealand Ltd.を通じてラジアータパイン等の植林を含む山林経営を行っています。山林経営は木材市況変化への対応力を高めると同時に原材料調達の安定化や部材調達コストの低減に役立っています。山林経営につきましては、立木の伐採可能量の増加に対応して設備投資が必要となっています。そのため、連結キャッシュ・フローにおきましては、投資活動により使用する資金の多くはニュージーランドにおける投資に充当しています。 ニュージーランドに関する内部取引を含む売上高、経常利益、総資産の推移は次のとおりです。(ニュージーランドの売上高、経常利益、総資産の推移) 2022年3月期(百万円)2023年3月期(百万円)2024年3月期(百万円)2025年3月期(百万円)2026年3月期(百万円)ニュージーランド売上高(注)18,270(6,209)18,742(6,850)18,840(5,268)15,769(4,768)17,206(5,201)経常損失(△)△287△917△2,588△1,992△1,329総資産37,93638,88641,95141,64443,597 (注) 売上高下段の括弧内数値は、所在地間の内部売上高又は振替高です。 (3) 有利子負債依存度について当社グループにおける有利子負債依存度は、2026年3月期末41.1%となっています。当社グループにおきましては、今後も経営資源の効率化等により、有利子負債を適正水準に保つ方針ですが、今後の金利動向等金融情勢の変化によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (有利子負債残高、有利子負債依存度の推移) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期総資産(百万円)95,06297,018101,754102,106104,251純資産額(百万円)44,18844,40444,71745,61445,294有利子負債残高(百万円)33,63936,60439,71739,92942,844自己資本比率(%)45.244.643.043.742.5有利子負債依存度(%)35.437.739.039.141.1(注) 期末有利子負債残高は、社債及び借入金の合計額です。