7932

ニッピ(7932)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他製品 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • コラーゲン製品の多角展開
    ニッピグループは、食用のコラーゲンケーシング(ソーセージの皮など)、ゼラチン、健康食品や化粧品に使われるコラーゲンペプチドなど、多岐にわたるコラーゲン関連製品の製造販売を主力としています。これにより、食品から美容、医療分野まで幅広い市場で収益を上げています。
  • 皮革製品の供給
    靴や自動車の内装に使われる皮革製品の製造販売も重要な事業の一つです。国内外から原材料を調達し、加工・販売することで、安定した収益源を確保しています。
  • 不動産賃貸と新規事業
    東京都足立区や大阪市浪速区を中心に不動産賃貸事業を展開し、安定的な収益を確保しています。また、iPS細胞培養基材や医療用コラーゲン、輸入食品・穀物の販売など、将来性のある新規事業にも積極的に取り組んでいます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • コラーゲンケーシング・材料事業
    ソーセージなどの食用ケーシングやコラーゲン材料の製造販売が中心です。売上高93.28億円、営業利益11.65億円と、グループ内で安定した収益を上げています。
  • ゼラチン・ペプチド関連事業
    ゼラチンやコラーゲンペプチドの製造販売を手掛けており、売上高132.42億円、営業利益15.92億円と、グループで最も大きな売上と利益を誇る主力事業です。食品や健康食品、医薬品など幅広い用途に利用されています。
  • 化粧品事業
    コラーゲンを配合した化粧品や健康食品の製造販売を行っています。売上高77.04億円、営業利益10.15億円で、通信販売を通じて顧客に直接製品を届けています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CollagenCasingAndMaterial 事業 93 12 12.5%
GelatinAndPeptideRelated 事業 132 16 12.0%
Cosmetics 事業 77 10 13.2%
LeatherRelated 事業 72 2 2.9%
RealEstateAndLease 事業 11 8 78.9%
FoodstuffAndOther 事業 106 6 5.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,557 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、提出会社、子会社11社及び関連会社1社で構成され、可食性コラーゲン・ケーシング、ゼラチン及びコラーゲンペプチド、コラーゲン化粧品及び健康食品、皮革関連製品等の製造販売及び仕入販売を主な内容とし、更に輸入食品及び穀物の販売、iPS細胞培養基材、医療用コラーゲンの製造販売、不動産賃貸その他の事業活動を展開しております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。 (1) コラーゲン・ケーシング事業 提出会社が、連結子会社大鳳商事㈱経由で在外連結子会社日皮胶原蛋白(唐山)有限公司より加工済原材料を購入して製造しております。 製造したコラーゲン・ケーシング製品は、提出会社が国内外ユーザーへ販売しておりますが、輸出の一部は在外連結子会社 NIPPICOLLAGEN NA INC. 経由で販売しております。(2) ゼラチン関連事業 提出会社が、海外から原材料、半製品を調達して加工及び製造し、製品の一部は外部へ加工委託したものを購入しております。また、原材料の一部については、連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司及び在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. 経由で購入しております。 ゼラチン及びコラーゲンペプチド製品は、主に提出会社が国内外ユーザーに販売しておりますが、一部は連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社NIPPI COLLAGEN NA INC. 及び在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司経由で販売しております。(3) 化粧品関連事業 提出会社が、化粧品用コラーゲン原料、健康食品用コラーゲンを製造し、さらにスキンケアジェルは提出会社で製造し、また、ニッピコラーゲン100及びコラーゲン配合化粧品はOEMに委託しております。 完成した製品は、通信販売会社である連結子会社㈱ニッピコラーゲン化粧品を経由してユーザーに販売しております。(4) 皮革関連事業 連結子会社㈱ニッピ・フジタが、国内外より靴用革、自動車用革を購入し、また、一部は連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司、在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. を経由して購入し、販売しております。また、持分法適用非連結子会社㈱ボーグに靴用革の一部を支給して完成靴をユーザーに販売しております。 在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司は、海外サプライヤーより自動車用革の原材料を購入し、中国で加工委託して国内外ユーザーに販売しております。 連結子会社大鳳商事㈱は、海外サプライヤーより原皮、靴製品を購入して国内ユーザーに販売し、在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. は、東南アジア諸国における自動車ハンドル用革の販売を行っております。(5) 賃貸・不動産事業 提出会社が、東京都足立区、大阪市浪速区を中心に不動産賃貸事業を行っており、非連結子会社ニッピ都市開発㈱が、管理業務及びコンサルタント業務を行っております。(6) 食品その他事業 連結子会社大鳳商事㈱、連結子会社大倉フーズ㈱が輸入食材、有機穀物、肥料などを輸入し、国内ユーザーに販売しております。 提出会社が、iPS細胞培養の培地キットiMatrixシリーズを製造し、持分法適用関連会社㈱マトリクソームを経由して販売し、BSE検査キットなどを外部に加工委託して販売しております。また、リンカー製品(マスキングシート、コンパウンド)を製造販売し、化成品(ビニールフォーム)を外部より購入して販売しております。 当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
安価品や新規参入者で競争が激化しており、原料価格変動リスクを転嫁できない場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
コラーゲン・ケーシング、ゼラチン、ペプタイド、コラーゲン化粧品、iPS細胞関連等医療用器材などの開発力。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:開発力、技術力等で将来性が不明確 / 法的規制に係る影響 / 大規模災害等の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ニッピはコラーゲンペプチドや化粧品原料などを製造販売する企業だが、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPといった無形資産による明確な競争優位性は見られない。競合他社も同様の製品を開発・販売しており、参入障壁は低いと考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

ニッピのコラーゲンペプチドは、食品・飲料メーカーや化粧品メーカーに原料として供給されている。一度採用された原料は、品質や供給安定性の観点から、切り替えには一定の手間やコストが発生する可能性がある。しかし、代替原料の選択肢も存在するため、スイッチング・コストは限定的である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ニッピの事業は、原料供給が中心であり、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は発生しない。BtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは性質が異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ニッピは長年の経験と技術蓄積により、一定の生産効率を維持していると考えられる。しかし、同業他社も同様の技術を有しており、原料調達コストや製造プロセスにおいて、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。価格競争に巻き込まれるリスクは存在する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ニッピはコラーゲンペプチド市場において一定のシェアを有しており、原料メーカーとしての規模の経済性は一定程度存在する。しかし、グローバル市場全体で見ると、ニッピの規模が圧倒的な優位性を築くほどではない。少数寡占市場とは言えず、競争は比較的激しい。

  • コラーゲン技術の専門性
    長年にわたるコラーゲン研究と製造で培われた高い技術力と開発力が強みです。特にiPS細胞培養基材などの医療分野への応用は、他社との差別化を図る重要な要素となっています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    コラーゲン関連製品、皮革製品、不動産賃貸、食品、医療材料など、幅広い事業を展開しているため、特定の市場変動リスクを分散し、安定した経営基盤を築いています。
  • グローバルな供給網と販売網
    原材料の調達から製品の販売まで、国内外に子会社や関連会社を通じて広範なネットワークを構築しています。これにより、安定的な供給と多様な市場へのアクセスを可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 今後の我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費は持ち直しの動きが続くなかで、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方、物価上昇の影響や海外経済の減速、地政学的な緊張の高まり、金融資本市場の変動などには引き続き留意が必要であります。このように、内需を中心とした回復基調が見込まれるものの、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境のもと当社グループは、2026年3月期を初年度とする中期経営計画(2026年3月期-2028年3月期)において掲げたROE7%の確実な達成に向け、各事業の課題に取組んでまいります。 ① 各事業における主な課題・コラーゲン・ケーシング事業国内販売においては、多様なニーズに対応するため少量多品種製造体制の構築を進めてまいりましたが、多品種少量化の進展により生産性が低下し、収益性の低下要因となりました。このため、製品銘柄の絞り込み等により生産性の向上に取組んでまいります。さらに、生産工程の見直しや在庫水準の適正化を進め、安定的な生産体制の確保を図ってまいります。また、一部の不採算製造設備の整理を実施いたしました。今後は、生産性向上に向けた取り組みを一層加速してまいります。・ゼラチン関連事業本事業においては、一部取引先における商品に関する報道の影響やサイバーインシデントの発生等により販売が伸び悩み、販売面での課題が生じております。一方、消費者の健康志向の高まりを背景とした需要の拡大は継続しており、こうした成長分野への対応強化が重要となっております。さらに、価格競争の激化も見込まれるなか、収益性の確保が課題となっております。このため、由来原料や調達先の見直し、生産性の改善によるコスト競争力の強化に加え、新規案件の開拓を推進し、収益基盤の強化に取組んでまいります。・化粧品関連事業本事業においては、化粧品部門の主力商品における固定客化が十分に進んでいない点が課題となっております。このため、商品ラインナップの整理と当社の強みであるスペシャルケア領域を活かした商品構成の最適化を進め、顧客基盤の拡充に努めてまいります。また、健康食品部門においては、顧客対応体制の強化及び販路の拡充に取り組み、売上の伸長に努めてまいります。・皮革関連事業本事業においては、中国を中心とした自動車市場の低迷の影響により車輌用革の販売が減少し、また、革靴需要の減少により紳士・婦人靴用革についても厳しい状況が続いております。こうした状況を踏まえ、消費者のライフスタイルの変化を背景とした市場環境の変化への対応を重要課題と位置付けております。このため、新製品の開発や既存技術の応用による用途展開を進めるとともに、事業基盤の見直し及び取引基盤の強化に努めてまいります。・賃貸・不動産事業東京都足立区の土地賃貸事業「ポンテグランデTOKYO」及び大阪市浪速区の土地賃貸事業「なんば パークス サウス」は順調に推移しております。引き続き、両地区の認知度向上を図り、資産価値の向上と事業収益の最大化に取組んでまいります。・食品その他事業有機穀物は、海外サプライヤーとの関係強化を進め、安定した供給体制の維持に取組んでまいります。外食産業向けのイタリア輸入食材は、新規サプライヤーの確保及び切替の円滑化に取組むとともに、トマト製品を中心とした販路拡大を推進してまいります。バイオ関連製品は、研究用途製品における低価格品への需要シフト等により売上及び収益性が低下しているほか、医療用ゼラチンについても主要取引先の販売不振の影響を受けております。このため、収益性の高い製品の拡販及び営業体制の強化を図るとともに、特許技術を基盤とした新製品の開発を推進し、収益力の向上に取組んでまいります。 ② サステナビリティへの取組当社グループは、社会的責任を果たすことが企業継続の基礎であると認識し、法令・諸規程等の遵守に努め、公正かつ適切な経営の実現に取組んでおります。当社は、サステナビリティ推進を目的に、代表取締役社長を委員長として「サステナビリティ委員会」を設置しております。同委員会は定期的に活動し、当社のサステナブルな取組や、社内への周知を進めております。今後もコンプライアンスの徹底やコーポレートガバナンス・コードに基づく経営体制の強化、地球温暖化防止への取組、人権への配慮及び多様性の確保を推進し、ステークホルダーの皆様からの信頼と共感を得られるよう努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 今後の我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費は持ち直しの動きが続くなかで、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方、物価上昇の影響や海外経済の減速、地政学的な緊張の高まり、金融資本市場の変動などには引き続き留意が必要であります。このように、内需を中心とした回復基調が見込まれるものの、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境のもと当社グループは、2026年3月期を初年度とする中期経営計画(2026年3月期-2028年3月期)において掲げたROE7%の確実な達成に向け、各事業の課題に取組んでまいります。 ① 各事業における主な課題・コラーゲン・ケーシング事業国内販売においては、多様なニーズに対応するため少量多品種製造体制の構築を進めてまいりましたが、多品種少量化の進展により生産性が低下し、収益性の低下要因となりました。このため、製品銘柄の絞り込み等により生産性の向上に取組んでまいります。さらに、生産工程の見直しや在庫水準の適正化を進め、安定的な生産体制の確保を図ってまいります。また、一部の不採算製造設備の整理を実施いたしました。今後は、生産性向上に向けた取り組みを一層加速してまいります。・ゼラチン関連事業本事業においては、一部取引先における商品に関する報道の影響やサイバーインシデントの発生等により販売が伸び悩み、販売面での課題が生じております。一方、消費者の健康志向の高まりを背景とした需要の拡大は継続しており、こうした成長分野への対応強化が重要となっております。さらに、価格競争の激化も見込まれるなか、収益性の確保が課題となっております。このため、由来原料や調達先の見直し、生産性の改善によるコスト競争力の強化に加え、新規案件の開拓を推進し、収益基盤の強化に取組んでまいります。・化粧品関連事業本事業においては、化粧品部門の主力商品における固定客化が十分に進んでいない点が課題となっております。このため、商品ラインナップの整理と当社の強みであるスペシャルケア領域を活かした商品構成の最適化を進め、顧客基盤の拡充に努めてまいります。また、健康食品部門においては、顧客対応体制の強化及び販路の拡充に取り組み、売上の伸長に努めてまいります。・皮革関連事業本事業においては、中国を中心とした自動車市場の低迷の影響により車輌用革の販売が減少し、また、革靴需要の減少により紳士・婦人靴用革についても厳しい状況が続いております。こうした状況を踏まえ、消費者のライフスタイルの変化を背景とした市場環境の変化への対応を重要課題と位置付けております。このため、新製品の開発や既存技術の応用による用途展開を進めるとともに、事業基盤の見直し及び取引基盤の強化に努めてまいります。・賃貸・不動産事業東京都足立区の土地賃貸事業「ポンテグランデTOKYO」及び大阪市浪速区の土地賃貸事業「なんば パークス サウス」は順調に推移しております。引き続き、両地区の認知度向上を図り、資産価値の向上と事業収益の最大化に取組んでまいります。・食品その他事業有機穀物は、海外サプライヤーとの関係強化を進め、安定した供給体制の維持に取組んでまいります。外食産業向けのイタリア輸入食材は、新規サプライヤーの確保及び切替の円滑化に取組むとともに、トマト製品を中心とした販路拡大を推進してまいります。バイオ関連製品は、研究用途製品における低価格品への需要シフト等により売上及び収益性が低下しているほか、医療用ゼラチンについても主要取引先の販売不振の影響を受けております。このため、収益性の高い製品の拡販及び営業体制の強化を図るとともに、特許技術を基盤とした新製品の開発を推進し、収益力の向上に取組んでまいります。 ② サステナビリティへの取組当社グループは、社会的責任を果たすことが企業継続の基礎であると認識し、法令・諸規程等の遵守に努め、公正かつ適切な経営の実現に取組んでおります。当社は、サステナビリティ推進を目的に、代表取締役社長を委員長として「サステナビリティ委員会」を設置しております。同委員会は定期的に活動し、当社のサステナブルな取組や、社内への周知を進めております。今後もコンプライアンスの徹底やコーポレートガバナンス・コードに基づく経営体制の強化、地球温暖化防止への取組、人権への配慮及び多様性の確保を推進し、ステークホルダーの皆様からの信頼と共感を得られるよう努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が進むなか、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇の継続や不安定な世界情勢、金融・資本市場の変動などの影響による下振れリスクもあり、先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画(2026年3月期-2028年3月期)で掲げた「企業価値向上を実現するためのROE7%の確実な達成」をはじめとした基本方針に基づき、各種施策に取組んでまいりました。当連結会計年度は、コラーゲン・ケーシング事業における多品種少量化の進展に伴う生産性の低下や、皮革関連事業において中国を中心とした自動車市場の低迷の影響を受け販売が減少したことなどにより、それぞれ減益となりました。一方、ゼラチン関連事業及び化粧品関連事業が順調に推移したことなどにより、利益面では増益となりました。この結果、当連結会計年度の売上高は、47,252百万円(前期比3.8%減)、営業利益は、4,153百万円(同14.5%増)、経常利益は、4,206百万円(同16.4%増)となりました。また、コラーゲン・ケーシング事業において一部不採算製造設備の整理を実施し減損損失438百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,832百万円(同15.3%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。 (コラーゲン・ケーシング事業)国内販売は、ウィンナーサイズ及び着色ケーシングが堅調に推移した一方、フランクサイズは夏場の天候の影響などにより需要が伸び悩み、苦戦しました。輸出販売は、北米向けが好調に推移した一方、アジア向けは価格競争の激化により減収となりました。利益面では、原料費や人件費の上昇に加え、販売品目の多品種少量化や夏期の高温多湿などによる生産効率の低下により、減益となりました。この結果、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は、9,236百万円(前期比1.0%減)、営業利益及びセグメント利益は、812百万円(同30.3%減)となりました。(ゼラチン関連事業)ゼラチンの販売は、ソフトカプセル用途及び食品用途が苦戦し、減収となりました。ペプタイドの販売は、国内の医薬用途が好調に推移した一方、海外では価格競争の激化により苦戦し、全体では減収となりました。利益面では、原料価格が安定してきたことに加え、由来原料や原料供給国の見直し、生産性の改善などによりコストダウンを図り、増益となりました。この結果、ゼラチン関連事業の売上高は、12,585百万円(同5.0%減)、営業利益は、2,372百万円(同49.3%増)、セグメント利益は、2,376百万円(同49.2%増)となりました。(化粧品関連事業)化粧品の販売は、キャンペーンの効果もあり、堅調に推移しました。健康食品の販売は、物価高騰による消費マインドへの影響はあったものの、「ニッピコラーゲン100」の固定客化が引き続き進んだことにより、好調に推移しました。利益面では、化粧品及び健康食品の販売がともに順調に推移したことなどにより、広告費の増加を吸収し、増収増益となりました。この結果、化粧品関連事業の売上高は、8,256百万円(同7.2%増)、営業利益及びセグメント利益は、1,339百万円(同31.9%増)となりました。(皮革関連事業)皮革の販売は、アパレル用途及びオンラインショップ向けが順調に推移した一方、紳士・婦人靴用革は、革靴需要の減少により苦戦しました。また、ハンドル用革の販売は、中国経済の減速による需要の低迷の影響を受け、減収減益となりました。この結果、皮革関連事業の売上高は、5,852百万円(同19.0%減)、営業利益及びセグメント利益は、167百万円(同20.2%減)となりました。 (賃貸・不動産事業)東京都足立区の土地賃貸事業は、大規模商業施設、保育所、フットサルコート及び駐車場用地として有効活用を図っております。また、大阪府大阪市の土地賃貸事業は、中央区心斎橋における商業施設用地並びに浪速区なんばにおける「なんば パークス サウス」(タイの高級ホテル、ライフスタイル型ホテル及びオフィスビル用地)として活用しております。この結果、賃貸・不動産事業の売上高は、1,058百万円(同0.3%減)、営業利益は、826百万円(同1.2%減)、セグメント利益は、827百万円(同1.2%減)となりました。(食品その他事業)有機穀物は、安定した需要を背景に堅調に推移しました。外食産業向けのイタリア輸入食材は、概ね堅調に推移し、販管費の増加はあったものの、利益面でも底堅く推移しました。一方、バイオ関連製品は、一部製品の販売が想定を下回ったことに加え、人件費や設備関連費用の増加等もあり、減収減益となりました。この結果、食品その他事業の売上高は、10,263百万円(同3.0%減)、営業利益は、572百万円(同3.9%減)、セグメント利益は、567百万円(同4.1%減)となりました。 当連結会計年度末における総資産は70,126百万円となり、前連結会計年度末と比べ46百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が1,242百万円増加しましたが、商品及び製品が324百万円、有形固定資産が1,032百万円減少したことなどによるものです。当連結会計年度末における負債は、28,196百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,406百万円減少しました。これは主に、電子記録債務が933百万円、繰延税金負債が438百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が2,460百万円、短期借入金が224百万円減少したことなどによるものです。当連結会計年度末における純資産は、41,929百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,359百万円増加し、自己資本比率は、58.6%となりました。これは主に、自己株買付により自己株式を999百万円取得した一方で、利益剰余金が1,106百万円、有価証券評価差額金が899百万円増加したことなどによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ178百万円減少し、8,581百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、3,015百万円の収入(前連結会計年度は4,652百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,879百万円の計上、減価償却費983百万円の計上、減損損失438百万円の計上、仕入債務の減少1,539百万円、法人税等の支払額1,038百万円などによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、395百万円の支出(前連結会計年度は815百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入150百万円、有形固定資産の取得による支出537百万円などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、2,834百万円の支出(前連結会計年度は3,750百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,000百万円、長期借入金の返済による支出3,733百万円、自己株式の取得による支出1,001百万円、配当金の支払額1,725百万円などによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)コラーゲン・ケーシング事業8,3790.0ゼラチン関連事業8,117△6.7化粧品関連事業192△6.1皮革関連事業209△25.2食品その他事業344△10.8合計17,244△4.0 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は、製造原価によっております。 b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)ゼラチン関連事業3,714△2.7化粧品関連事業2,2210.9皮革関連事業5,165△19.0食品その他事業7,686△4.6合計18,787△8.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は、仕入価格によっております。 c. 受注実績製品の性質上受注生産は行っておりません。 d. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)コラーゲン・ケーシング事業9,236△1.0ゼラチン関連事業12,585△5.0化粧品関連事業8,2567.2皮革関連事業5,852△19.0賃貸・不動産事業1,058△0.3食品その他事業10,263△3.0合計47,252△3.8 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の相手先の該当がないので記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度は、中期経営計画(2026年3月期-2028年3月期)で掲げた「企業価値向上を実現するためのROE7%の確実な達成」をはじめとした基本方針に基づき、各種施策に取組んでまいりました。 (経営成績)当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,889百万円減少し、47,252百万円(前期比3.8%減)となりました。主な増減要因は、ゼラチン関連事業では、ソフトカプセル用途及び食品用途の販売が苦戦して減収となり、ペプタイドの販売では、価格競争の激化もありアジア向けの輸出販売が減少しました。また、皮革関連事業では、革靴需要の減少や中国経済の減速によるハンドル用革の需要減などが重なり売上高が減少したことなどが主な要因であります。 当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ525百万円増加し、4,153百万円(同14.5%増)となりました。主な増減要因は、コラーゲン・ケーシング事業では、原材料、人件費などの各種コスト増や、夏期の高温多湿による製造数量の伸び悩みにより、収益性が低下し減益となりました。一方、ゼラチン関連事業では、原料価格が多少の落ち着きを見せて収益の安定化に寄与するとともに、原料供給国の見直し等の施策により、円安傾向が進むなかでも為替変動の影響を低減することができ、収益性が向上しました。また、化粧品関連事業では、各種営業施策の効果で販売が順調に推移したことにより、広告費の増加を吸収し増益したことなどが主な要因であります。 当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ591百万円増加し、4,206百万円(同16.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、コラーゲン・ケーシング事業において一部不採算製造設備の整理を実施し減損損失438百万円を計上しましたが、前連結会計年度に比べ374百万円増加し、2,832百万円(同15.3%増)となりました。 (財政状態)当連結会計年度における流動資産は、27,246百万円となり、前連結会計年度末と比べ327百万円減少し、固定資産は、42,878百万円となり、前連結会計年度末と比べ281百万円増加しました。 当連結会計年度における流動負債は、12,968百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,724百万円減少し、固定負債は、15,228百万円となり、前連結会計年度末と比べ317百万円増加しました。 当連結会計年度における純資産は、41,929百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,359百万円増加しました。なお、自己資本比率は、仕入債務が大きく減少し流動負債が低下した一方、純資産が増加したことににより、56.8%から58.6%に上昇しました。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・商品などの仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動資金であります。それ以外の投資などを目的とした資金需要は、生産設備をはじめ事業拡大及び賃貸事業に伴う投資となっております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、資金の流動性に関する対応としては、現在未使用の状況にあるコミットメントライン枠の活用があります。短期的には手許現預金は、高水準の状態にありますが、今後は、国内外の経済情勢が不確実性の高いことを認識したうえで、設備投資を進める中で手許現預金及び有利子負債を活用してまいります。なお、資金調達に影響を及ぼす財務制限条項等への抵触リスクは、現状においてはグループ会社ともに低いと判断しております。また、今後の有利子負債の約定弁済につきましても手許現預金及び営業キャッシュ・フローなどで履行できると判断しております。当連結会計年度末の現預金は、前連結会計年度末と比べ178百万円減少しておりますが、配当原資の増加及び仕入債務の減少が主な要因であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおり重要な資産の評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産においては将来の回収可能性を十分に検討した上で計上しております。国内外情勢に起因する物価動向、消費動向が不透明さを増すなか、国内景気は少しずつ軌道修正しながら維持、回復していくものと想定し、当社における会計上の見積もり(繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金の計上、固定資産の減損等)を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 ④ 戦略的現状と見通し当社グループとしての戦略的現状につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 次期の見通しにつきましては、賃上げによる実質賃金の上昇により景気の回復が進むと期待される一方、中東情勢の緊迫化による原材料・エネルギー価格の高騰、為替の変動や金利の上昇などのリスクが高まり、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。このような環境の下で当社グループは、2025年5月に公表した中期経営計画に基づき、引き続き、生産性の向上を最大限に図り、既存事業の収益基盤の強化とともに、成長分野への戦略的投資を進めてまいります。2027年3月期の連結業績見通しは、売上高につきましては当連結会計年度に計画未達となった事業領域における営業活動の強化を図り、50,000百万円(前期比5.8%増)を見込んでおります。また利益面では、人件費やエネルギーコスト増の影響を考慮し、営業利益4,100百万円(同1.3%減)、経常利益4,100百万円(同2.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,800百万円(同1.1%減)を見込んでおります。 詳細につきましては、当社ホームページ掲載の「中期経営計画(2026.3-2028.3)」をご参照ください。(アドレス https://www.nippi-inc.co.jp/ir/policy/mid_tern.html)。

事業リスク

  • 開発競争と技術陳腐化
    コラーゲン製品や医療用器材の開発は、研究所を中心とした技術力に大きく依存しています。安価な競合品や新規参入者との競争が激化する中で、優れた開発品であっても常に優位性を保てるとは限らず、収益に影響を与える可能性があります。
  • 法的規制と貿易政策変動
    製品の一部や原材料の多くが輸入品であり、関税対象品目です。貿易協定や関税率、製品規格に関する国内外の法規制の変更は、取引条件やコストに影響を及ぼし、経営成績を悪化させる可能性があります。
  • 大規模災害と感染症の影響
    主要な生産工場が静岡県に集中しており、地震や富士山噴火などの大規模自然災害が発生した場合、生産活動に甚大な被害が生じる恐れがあります。また、感染症の拡大はサプライチェーンの停滞や需要減退を引き起こし、経営成績に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,289 文字
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 開発力、技術力等で将来性が不明確であるものについて当社グループが、コラーゲン・ケーシング、ゼラチン、ペプタイド、コラーゲン化粧品、リンカー、iPS細胞関連等医療用器材など製造販売する製品は、当社の研究所を中心とした開発に負うところが大きく、今後とも各事業における開発には従来通り注力してまいりますが、安価品や新規参入者で競争が激化している経済情勢下において、開発品が良質であっても必ずしも競合に対して優位に立てるとは限りません。(2) 法的規制に係る影響について当社グループの販売する製品の一部及び製造する原料の多くは輸入品であり、その多くは関税対象品目であります。また、国内外において販売する製品は、その用途による種々の規格や規制を順守したものでありますが、様々な貿易協定などによる関税率に関する法律の改廃、原料及び製品に対する新規の規則や規程を含む法的な改廃変更により、当社グループの取引が影響を受ける可能性があります。(3) 大規模災害等の影響について地震、津波、洪水、台風等の自然災害や火災、停電等の事故、感染症の拡大により、当社グループの事業拠点や原料調達先などが事業を正常に継続できなくなった場合、製品の生産・供給に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、当社グループの主要事業であるコラーゲン・ケーシング及びゼラチン、ペプタイドの生産工場は静岡県に所在しており、富士山噴火などの大きな自然災害が発生した場合においては、当社グループの重要な生産拠点に甚大な被害を与える可能性があります。また、大規模な感染症が発生した場合、従業員の罹患やサプライチェーンの停滞等により生産・販売活動に支障をきたす恐れがあるほか、社会全体の消費動向の変化によって当社グループ製品に対する需要が減退する可能性もあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。(4) 金利上昇のリスクについて当社グループは、低金利が続く金融情勢を勘案し、主に固定金利での資金調達を行っているほか、変動金利での借入については金利スワップ等でヘッジし、金利の上昇リスクを一定の割合まで低減させております。ただし、急激な金利上昇があった場合においては、当社グループの経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。(5) 為替による価格変動リスクについて当社グループには、原料及び製品の輸入と製品の輸出があり、外国為替相場の変動による影響を受けます。これらの取引においては、為替予約等のヘッジ手段を利用してリスクの軽減を図っておりますが、外国為替相場の急激な変動が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。(6) 原料価格の変動リスクについて当社グループが販売する製品に係る原料としては牛皮・豚皮・魚皮・鱗が多く使用されております。調達先の複数化などの安定的な原料調達によって販売価格の維持に努めておりますが、当該原料市場の需給動向により原料価格が高騰し、この価格の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの製品は、原料は同じでも多岐にわたる製品を製造して複数の異なる市場や業界に販売することから、原料の価格変動リスクを必ずしも転嫁できない場合があり、原料価格の上昇局面では製造コストのみ増加して当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。(7) 設備投資に係るリスクについて当社グループは、事業の競争力強化のために生産設備をはじめとする様々な設備投資を行っております。設備投資の実行にあたっては、市場環境の調査などフィージビリティスタディを行って、採算性や投資回収期間の妥当性を慎重に検討し可否を判断しておりますが、市場規模が当初の前提条件から大きく縮小し生産能力が過大となった場合は、事業の収益が悪化して投資額の回収が困難となり、設備等の減損や除却損を計上するなど経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 原料、製品等の在庫に係るリスクについて当社グループは、各製品の需要動向の予測に基づいて生産計画を立案し、原料等の調達及び生産管理を行っております。しかしながら、需要が縮小し在庫が長期滞留する場合や製品販売価格が大きく下落する場合は、棚卸資産の評価損や廃棄損を計上するなど当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(9) 不動産開発に係るリスクについて当社グループは、東京と大阪の皮革製造工場の跡地の再開発を進めております。いずれも土地整備等は完了し、暫定利用も含めほぼ順調に運用されている状況であります。今後も再開発計画の達成又は完了を目指し、鋭意この開発事業を推進してまいりますが、不動産開発事業であることから想定外の多額の特別損失や特別利益を計上するなど当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(10) 製品品質に係るリスクについて当社グループは、製品製造に関してはそれぞれの製造における法令・規制を順守することはもちろん、製造に使用される原料をはじめ副資材、設備また工程等の厳しい管理を行う一方、出荷前には製品の品質検査、並びに不良品や規格外品の選別を行い当社グループの製品への顧客満足度を最重要視しております。これらの品質管理に加え、万一に備えて生産物賠償責任保険(PL保険)他に加入しておりますが、場合によってはPL保険他で賠償すべき金額すべてをカバーできる保証はなく、当社グループの信用を喪失する恐れ並びに経営成績へ影響を及ぼす可能性があります。(11) 特許・知的財産権に係るリスクについて当社グループで開発した独自技術及び知識は特許権を取得する等厳格な管理により、外部への漏洩また外部からの侵害に備えている一方で、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しております。しかし、場合によっては双方が知的財産権を争う事態となり、結果として知的財産侵害とされて賠償の責を負わされる可能性も必ずしも否定はできず、結果として当社グループの経営成績に影響を及ぼすことがないとは限りません。(12) 海外事業に係るリスクについて当社グループは、アジア、欧州、北米など幅広い地域において販売及び生産活動を展開しておりますが、現地における予期できない法令等の変更や、政治又は経済的な混乱などによって当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。(13) 取引先の信用リスクについて当社グループは事業を展開するに当たり、国内外の多数の販売先に対して信用供与を行っております。信用供与にあたっては、販売先の財務状況を定期的にチェックし、必要に応じて担保・保証の取得や保険の付保などによって信用リスクの最小化に努めておりますが、それらの債権保全策を講じていない販売先の倒産などにより売掛債権を回収できなくなる可能性があります。また、仕入先の信用不安などにより原材料や商品などを安定的に調達できなくなる場合も想定され、当社グループの経営成績に影響を及ぼすことも考えられます。(14) 情報セキュリティに係るリスクについて当社グループは、様々な事業活動を通じて、顧客や取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあるほか、営業や技術、人事など事業上の重要情報を保有しております。そのため、情報管理体制を構築しセキュリティ強化のための対策を講じております。しかしながら、サイバー攻撃等による不正アクセスやデータの破壊、改ざん、紛失、漏洩等が不測の事情により発生した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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