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ニチハ(7943)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ガラス・土石製品 建設・資材

事業の概要

  • 外装材の製造販売
    ニチハグループは、主に住宅や非住宅向けの窯業系外装材や金属系外装材を製造・販売しています。国内では、自社工場や子会社で製造した製品を販売し、海外では米国を中心に製造・販売を展開しています。外装材は建物の顔となる部分であり、デザイン性や耐久性が求められる重要な建材です。
  • 繊維板の製造販売
    子会社のニチハマテックスが製造する繊維板を、当社が仕入れて販売しています。繊維板は木材などの植物繊維を原料とした板材で、建材や家具などに幅広く利用されています。外装材事業と連携し、建材分野での製品ラインナップを強化しています。
  • 工事事業とFP事業
    子会社ニチハガイソウが外装工事を、子会社FPコーポレーションがウレタン断熱パネルの製造販売、注文住宅販売、住宅リフォームを手掛けています。製品の提供だけでなく、施工や住宅関連サービスまで一貫して提供することで、顧客ニーズに応え、事業領域を広げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 外装材事業(地域別)
    ニチハグループの主要な稼ぎ頭であり、売上高1,388.91億円、営業利益96.85億円を計上しています。国内では窯業系・金属系外装材の製造販売、海外では米国での窯業系外装材の製造販売、中国での外装用付属部材の製造販売、カナダでの販売委託など、グローバルに展開しています。地域ごとの市場特性に合わせた製品供給と販売戦略が特徴です。
  • 繊維板事業
    子会社ニチハマテックスが繊維板を製造し、当社が販売しています。具体的な売上や利益の数字は明示されていませんが、外装材事業と連携し、建材分野における製品ポートフォリオを補完する役割を担っています。主に国内市場向けに展開されていると考えられます。
  • 工事事業・FP事業・その他事業
    工事事業は子会社ニチハガイソウが外装工事を、FP事業は子会社FPコーポレーションがウレタン断熱パネルの製造販売、注文住宅販売、住宅リフォームを行っています。その他事業は子会社ニチハエンジニアリングがグループ内の営繕・清掃・産廃業務などを担当しています。これらの事業は、主力である外装材事業を補完し、顧客への総合的なサービス提供を通じてグループ全体の収益に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ExteriorBuildingMaterialsBusiness 地域 1,389 97 7.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,341 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社13社より構成されており、外装材事業の分野における製品の製造販売を主な事業内容としているほか、繊維板事業、工事事業、FP事業、その他事業を展開しております。当社グループの各事業における当社及び関係会社の位置付け等は次のとおりであります。なお、次の5部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 外装材事業…………国内では、当社が窯業系外装材を製造販売するほか、子会社ニチハマテックス(株)、子会社高萩ニチハ(株)及び子会社ニチハ富士テック(株)が製造する窯業系外装材のほとんどを当社で仕入れて販売しております。また、子会社(株)チューオーが製造する金属系外装材・外装用付属部材のほとんどを当社で仕入れて販売しております。さらに、窯業系外壁材の部材への加工については、子会社ニチハボード加工(株)に委託しております。海外では、子会社Nichiha USA,Inc.が米国において窯業系外装材の製造販売を行うとともに、当社製品の販売をしており、カナダにおいては、子会社Nichiha USA,Inc.が子会社NICHIHA CANADA INC.に販売を委託しております。また、中国においては、子会社ニチハ装飾建材(嘉興)有限公司が外装用付属部材等を製造し、当社及び米国子会社で仕入れて販売する一方で、当社製品を現地にて販売しております。繊維板事業…………子会社ニチハマテックス(株)が繊維板を製造し、そのほとんどを当社が仕入れて販売しております。工事事業……………子会社ニチハガイソウ(株)は、主として当社製品を使用した外装工事を行なっております。FP事業……………子会社(株)FPコーポレーションは、ウレタン断熱パネルの製造販売、注文住宅販売及び住宅リフォームを行っております。その他事業…………子会社ニチハエンジニアリング(株)は、当社グループの製造事業に関連する営繕・清掃・産廃業務等を行なっております。 関係会社は次のとおりであります。連結子会社ニチハマテックス(株):外装材・繊維板の製造高萩ニチハ(株):外装材の製造八代ニチハ(株):外装材の製造ニチハ富士テック(株):外装材の製造(株)チューオー:外装材・外装用付属部材の製造ニチハボード加工(株):外装材の製造及び加工ニチハガイソウ(株):住宅の外装工事ニチハエンジニアリング(株):設備の補修・営繕及び周辺業務(株)FPコーポレーション:ウレタン断熱パネルの製造販売 Nichiha USA,Inc. :注文住宅販売及び住宅リフォーム外装材の製造販売ニチハ装飾建材(嘉興)有限公司:外装用付属部材の製造・外装材の販売ニチハ装飾繊維セメント壁板(嘉興)有限公司NICHIHA CANADA INC.::外装材の製造販売外装材の販売 (注)1.ニチハ装飾繊維セメント壁板(嘉興)有限公司は、2024年5月9日に将来の解散及び清算を決定し、 現在、清算準備中であります。 2.八代ニチハ(株)は2025年5月に生産を終了し、事業を停止しております。 (事業系統図)事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
業界トップ企業として商品力を背景に価格をリードする意向であり、値上げ発表が相次ぎ上昇基調。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
窯業系外装材の製造技術、インクジェットⅡなどの加工技術、防火構造認定などの工法開発。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:住宅着工の動向が業績に影響を及ぼす / 原材料・エネルギー価格等の変動と調達 / 製品の欠陥及び製造物責任
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ニチハは建材メーカーとして一定のブランド認知はあるものの、特許や独自技術による明確な無形資産の優位性は限定的。リフォーム市場でのブランド力は存在するが、競合他社との差別化は価格や機能性に依存する側面が大きい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

住宅メーカーや工務店との長年の取引関係はスイッチング・コストを生む可能性がある。しかし、建材は多岐にわたり、施主や設計士の意向で変更されることもあり、完全な囲い込みは難しい。代替品の開発も進んでいる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建材の製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を直接高めるネットワーク効果は基本的に存在しない。プラットフォーム型ビジネスではないため、このモートは該当しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

生産効率の改善や原材料調達の努力は行われているが、業界全体としてコモディティ化が進んでおり、構造的な大幅なコスト優位性を確立しているとは言えない。為替や原材料価格の変動リスクは依然として存在する。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

ニチハは外装材、内装材、屋根材など幅広い建材分野でトップクラスのシェアを持つ。特に外装材分野では、業界規模に対して最適な少数寡占を形成しており、規模の経済による効率的な生産・販売体制が強みとなっている。この規模は新規参入障壁となる。

  • 業界トップのシェア
    国内窯業系外装材市場において約60%弱のシェアを占めており、業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。この高いシェアは、製品開発力、品質、ブランド力、販売ネットワークの強さを示しており、価格競争においても優位性を保ちやすい基盤となっています。
  • 高付加価値製品の開発力
    塗膜の変色・褪色30年保証に対応した「プレミアムシリーズ」や、高いデザイン性を実現する「次世代インクジェット」塗装品など、高機能・高デザイン性の製品を開発しています。これにより、顧客の多様なニーズに応え、競合他社との差別化を図り、高い収益性を追求しています。
  • 国内外の市場開拓
    国内では住宅市場の縮小に対応するため、商業施設やリフォーム市場向けの新工法開発に注力しています。海外では米国での高級外装材事業への集中や、豪州・アジア・欧州への拡販を進めています。これにより、特定の市場に依存しない持続的な成長を目指し、事業リスクの分散を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • グローバル企業への変革
    2030年度をターゲットとする長期ビジョン「Challenge Global to 2030」を掲げ、開発から調達、生産、営業、物流、資本効率、リスク管理など、あらゆる面でグローバルに通用する企業を目指しています。これは、国内市場の縮小に対応し、海外での成長機会を捉えるための重要な戦略です。
  • 国内外の市場開拓推進
    国内では住宅市場の縮小に対応し、商業施設やリフォーム市場向けの新たな工法開発(例:プラスター・モエン外壁防火構造、ニチハMARCシステム)に注力しています。海外では米国事業を高級外装材に集中させ、豪州・アジア・欧州への拡販を進めることで、事業領域の拡大と収益源の多様化を図っています。
  • 収益性の向上と資本効率の改善
    高付加価値製品「プレミアムシリーズ」の強化や施工用部材の販売強化により、一棟当たりの売上と利益の拡大を目指しています。また、適時適切な価格改定や生産性の向上、不採算事業の整理を通じて、資本コストを上回るROE9%とROIC8%の達成を目指し、株主価値の向上を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは「素晴らしい人間環境づくり」のコーポレートスローガンのもと、「お客様本位の姿勢」「創意開発」「明るい風通しのよい職場づくり」を経営方針としております。 (2) 目標とする経営指標経営指標として当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)のほか、株価純資産倍率(PBR)を重視しております。「第一次中期経営計画(2024年度~2026年度)」において、ROEについては、株主資本コストの市場期待値を上回る水準である9%を、ROICについては、加重平均資本コスト(WACC)を上回る水準である8%をそれぞれ目標として設定しております。当連結会計年度においては、減収となったものの、国内における価格改定効果や固定費の削減などによる増益の影響を受け、ROICは前連結会計年度より改善し4.8%の実績となりました。一方、米国子会社における住宅市場向け汎用外装材事業撤退に伴う特別損失を計上したことなどによる減益の影響を受けてROEは2.0%の実績となりました。また、当連結会計年度末のPBRについては、0.9倍と1倍を割れる水準となりました。 (3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループでは、2030年度をターゲットとする長期ビジョン'Challenge Global to 2030'を掲げ、「開発から調達、生産、営業、物流までのバリューチェーン、資本効率、リスク管理など、あらゆる面でGlobalに通用する」企業を目指しております。2026年度は、2024年度を初年度とする「第一次中期経営計画(2024年度~2026年度)」の最終年度にあたります。本計画で掲げた数値目標(連結売上高1,610億円、営業利益165億円、ROIC8%、ROE9%)につきましては、(a)米国事業における住宅市場向け汎用外装材事業からの撤退、(b)国内住宅市場の大幅な縮小、(c)中東情勢の緊迫化に伴う調達リスクやエネルギー・原材料価格の高騰といった複合的な要因が重なり、その達成は厳しい状況にあります。他方、本計画で掲げた以下の4つの重要戦略については、各種施策への取組を強力に推進することにより、持続的な企業価値の向上に努めております。① 国内外の市場開拓推進国内においては、住宅市場の縮小が避けられない中、非住宅市場の開拓に注力しております。まず、新築需要開拓については、商業施設分野で競合する外壁材(ALC等)からの切替促進に加え、新工法「プラスター・モエン外壁防火構造」をリリースしております。同工法は2025年度グッドデザイン賞を受賞したほか、現場の負担軽減と工期短縮のメリットがあることから、現在、同工法の提案活動を強化しております。次に、リフォーム需要開拓については、中層ビル・マンション向けの独自工法「ニチハMARCシステム」に加え、老朽化した生産・物流施設の改修用として、金属外壁材による新工法「スレート外壁改修工法」を通じて、市場開拓を推進しております。また、RC造建築物向けには、外壁の剥落防止と高いデザイン性を両立する「RC×EX工法」を大規模修繕用に応用した新工法の開発に取り組んでおります。一方、海外においては、主力の米国事業にて、住宅市場向け汎用外装材事業から撤退し、成長性・収益性の高いコマーシャル市場(商業施設等の非住宅市場)及び住宅市場向けの高級外装材事業に経営資源を集中させる構造改革を断行いたしました。これにより、収益構造の抜本的改善を図り、米国でのさらなる成長に向けた基盤を再構築してまいります。なお、米国以外では、豪州・アジア・欧州への拡販をより一層進めております。② 収益性の向上商品ラインナップの強化策として、塗膜の変色・褪色30年保証に対応した高付加価値品を取り揃えた「プレミアムシリーズ」に、高いデザイン性を実現する「次世代インクジェット」塗装品を新たに加え、高価格品のバリエーションを充実させております。また、サイディング本体に加えて施工用部材の販売強化に取り組むことで、一棟当たりの売上と利益の拡大を図っております。さらに、各種コストアップに対しては、市場動向を踏まえた製品価格及び配送費の改定を適宜実施し、適正な利益水準の確保に努めております。また、生産面においては、増加する物流コスト等の削減に向けた適地生産の拡大とともに、デジタル技術を活用した生産方法を積極的に採用することで、生産性のさらなる向上を推進しております。 ③ マテリアリティへの取組強化地球温暖化防止への取組においては、2030年度にCO2排出量50%削減(2013年度比)、2050年にカーボンニュートラルを目標として掲げております。この目標の達成に向けて、生産工場における燃料転換の検討や製品へのCO2の固定化、全社的な省エネ活動等に取り組んでおります。また、2025年4月に改正された、いわゆる建築物省エネ法への対応として、建築物のライフサイクル全体で排出されるCO2の算定ニーズが高まっていることを受け、主力製品におけるEPD(環境製品宣言)の認証の取得を進めております。人的資本投資においては、長期ビジョンの実現に向け、グローバル人材や次世代リーダーの育成に取り組んでおります。また、シニア層の社員の処遇改善につながる新制度を導入するなど、多様な人材が意欲的に活躍できる環境の整備を進めております。さらに、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定された企業として、従業員一人ひとりの健康維持・増進に向けた活動を継続的に展開するとともに、業務プロセスの見直しやAI活用などによる「ニチハ版働き方改革」を推進することで、生産性の向上にも取り組んでおります。④ 資本政策第一次中期経営計画において、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を織り込み、その中で、PBRを1倍超に改善するための資本政策を示しております。具体的にはPBRの改善に当たって、ROEとPERの改善に取り組んでおります。このうちROEの改善については、ROICの向上に加え、自社株式取得などによる株主還元の強化を通じて財務レバレッジの最適化に取り組んでおります。また、ROICの向上については、第一次中期経営計画の重要戦略テーマである①「国内外の市場開拓推進」と②「収益性の向上」に最優先で取り組むとともに、成長のための戦略投資や不採算事業の整理を着実に実施することで、資本効率の改善を図っております。一方、PERの改善に向けては、株主・投資家とのコミュニケーション充実、マテリアリティへの取組、コンプライアンス・リスク管理の強化を進めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは「素晴らしい人間環境づくり」のコーポレートスローガンのもと、「お客様本位の姿勢」「創意開発」「明るい風通しのよい職場づくり」を経営方針としております。 (2) 目標とする経営指標経営指標として当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)のほか、株価純資産倍率(PBR)を重視しております。「第一次中期経営計画(2024年度~2026年度)」において、ROEについては、株主資本コストの市場期待値を上回る水準である9%を、ROICについては、加重平均資本コスト(WACC)を上回る水準である8%をそれぞれ目標として設定しております。当連結会計年度においては、減収となったものの、国内における価格改定効果や固定費の削減などによる増益の影響を受け、ROICは前連結会計年度より改善し4.8%の実績となりました。一方、米国子会社における住宅市場向け汎用外装材事業撤退に伴う特別損失を計上したことなどによる減益の影響を受けてROEは2.0%の実績となりました。また、当連結会計年度末のPBRについては、0.9倍と1倍を割れる水準となりました。 (3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループでは、2030年度をターゲットとする長期ビジョン'Challenge Global to 2030'を掲げ、「開発から調達、生産、営業、物流までのバリューチェーン、資本効率、リスク管理など、あらゆる面でGlobalに通用する」企業を目指しております。2026年度は、2024年度を初年度とする「第一次中期経営計画(2024年度~2026年度)」の最終年度にあたります。本計画で掲げた数値目標(連結売上高1,610億円、営業利益165億円、ROIC8%、ROE9%)につきましては、(a)米国事業における住宅市場向け汎用外装材事業からの撤退、(b)国内住宅市場の大幅な縮小、(c)中東情勢の緊迫化に伴う調達リスクやエネルギー・原材料価格の高騰といった複合的な要因が重なり、その達成は厳しい状況にあります。他方、本計画で掲げた以下の4つの重要戦略については、各種施策への取組を強力に推進することにより、持続的な企業価値の向上に努めております。① 国内外の市場開拓推進国内においては、住宅市場の縮小が避けられない中、非住宅市場の開拓に注力しております。まず、新築需要開拓については、商業施設分野で競合する外壁材(ALC等)からの切替促進に加え、新工法「プラスター・モエン外壁防火構造」をリリースしております。同工法は2025年度グッドデザイン賞を受賞したほか、現場の負担軽減と工期短縮のメリットがあることから、現在、同工法の提案活動を強化しております。次に、リフォーム需要開拓については、中層ビル・マンション向けの独自工法「ニチハMARCシステム」に加え、老朽化した生産・物流施設の改修用として、金属外壁材による新工法「スレート外壁改修工法」を通じて、市場開拓を推進しております。また、RC造建築物向けには、外壁の剥落防止と高いデザイン性を両立する「RC×EX工法」を大規模修繕用に応用した新工法の開発に取り組んでおります。一方、海外においては、主力の米国事業にて、住宅市場向け汎用外装材事業から撤退し、成長性・収益性の高いコマーシャル市場(商業施設等の非住宅市場)及び住宅市場向けの高級外装材事業に経営資源を集中させる構造改革を断行いたしました。これにより、収益構造の抜本的改善を図り、米国でのさらなる成長に向けた基盤を再構築してまいります。なお、米国以外では、豪州・アジア・欧州への拡販をより一層進めております。② 収益性の向上商品ラインナップの強化策として、塗膜の変色・褪色30年保証に対応した高付加価値品を取り揃えた「プレミアムシリーズ」に、高いデザイン性を実現する「次世代インクジェット」塗装品を新たに加え、高価格品のバリエーションを充実させております。また、サイディング本体に加えて施工用部材の販売強化に取り組むことで、一棟当たりの売上と利益の拡大を図っております。さらに、各種コストアップに対しては、市場動向を踏まえた製品価格及び配送費の改定を適宜実施し、適正な利益水準の確保に努めております。また、生産面においては、増加する物流コスト等の削減に向けた適地生産の拡大とともに、デジタル技術を活用した生産方法を積極的に採用することで、生産性のさらなる向上を推進しております。 ③ マテリアリティへの取組強化地球温暖化防止への取組においては、2030年度にCO2排出量50%削減(2013年度比)、2050年にカーボンニュートラルを目標として掲げております。この目標の達成に向けて、生産工場における燃料転換の検討や製品へのCO2の固定化、全社的な省エネ活動等に取り組んでおります。また、2025年4月に改正された、いわゆる建築物省エネ法への対応として、建築物のライフサイクル全体で排出されるCO2の算定ニーズが高まっていることを受け、主力製品におけるEPD(環境製品宣言)の認証の取得を進めております。人的資本投資においては、長期ビジョンの実現に向け、グローバル人材や次世代リーダーの育成に取り組んでおります。また、シニア層の社員の処遇改善につながる新制度を導入するなど、多様な人材が意欲的に活躍できる環境の整備を進めております。さらに、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定された企業として、従業員一人ひとりの健康維持・増進に向けた活動を継続的に展開するとともに、業務プロセスの見直しやAI活用などによる「ニチハ版働き方改革」を推進することで、生産性の向上にも取り組んでおります。④ 資本政策第一次中期経営計画において、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を織り込み、その中で、PBRを1倍超に改善するための資本政策を示しております。具体的にはPBRの改善に当たって、ROEとPERの改善に取り組んでおります。このうちROEの改善については、ROICの向上に加え、自社株式取得などによる株主還元の強化を通じて財務レバレッジの最適化に取り組んでおります。また、ROICの向上については、第一次中期経営計画の重要戦略テーマである①「国内外の市場開拓推進」と②「収益性の向上」に最優先で取り組むとともに、成長のための戦略投資や不採算事業の整理を着実に実施することで、資本効率の改善を図っております。一方、PERの改善に向けては、株主・投資家とのコミュニケーション充実、マテリアリティへの取組、コンプライアンス・リスク管理の強化を進めております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)財政状態の状況当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。前連結会計年度末に比し純資産が30億36百万円、総資産が91億93百万円それぞれ減少した結果、自己資本比率は72.2%と2.0ポイントの増加となりました。増減の主なものは、流動資産では主として電子記録債権が28億78百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が54億82百万円、現金及び預金が17億84百万円それぞれ減少したことなどにより、流動資産全体で68億89百万円減少しております。また、固定資産では投資その他の資産が27億60百万円増加した一方で、有形固定資産が49億66百万円減少したことなどにより、全体では23億4百万円減少しております。負債では、固定負債が8億93百万円増加した一方で、流動負債が70億50百万円減少したことにより、負債合計は61億57百万円減少しております。 (2)経営成績等の状況① 事業全体及びセグメントごとの経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や設備投資の増加などを背景として、緩やかな回復基調で推移したものの、継続する物価上昇、米国関税政策の影響、さらには中東情勢の緊迫化による影響も懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。当社製品の主要マーケットである国内住宅市場におきましては、2025年2月~3月に発生した建築基準法・建築物省エネ法改正前の駆け込み申請の反動を受け、2025年度の新設住宅着工戸数は前年度比12.9%の減少となりました。しかしながら、窯業系外装材の業界全体の当連結会計年度の国内販売数量は、上記駆け込み申請における実際の着工が4月以降に行われたこと等もあり、前年度比2.8%(JIS規格対象外の12mm厚製品を含む基準)の減少にとどまりました。他方、海外主要マーケットである米国の住宅市場については、住宅価格の上昇ペースは減速したものの依然として高価格で推移し、住宅ローン金利も高止まりしていることから、新設住宅着工戸数は一進一退の状況が続きました。また、米国の非住宅市場についても、価格の高騰や金利高を受けて投資を控える動きが一部に出ております。このような市場環境下、当社グループの当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。 (金額単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月期)当連結会計年度(2026年3月期)増減金額率(%)売上高148,478143,740△4,738△3.2営業利益6,9519,3552,40334.6経常利益7,25410,2462,99241.3親会社株主に帰属する当期純利益2,7062,486△220△8.1 売上高につきましては、国内外装材事業において積極的に価格改定に取り組んだことにより、一定の増収効果はあったものの、住宅市況の悪化や価格改定に伴うシェアダウン等により減収となりました。また、米国外装材事業におきましても、住宅市場向け汎用外装材事業からの撤退等により減収となりました。以上により、全体の売上高は1,437億40百万円と前連結会計年度比47億38百万円(△3.2%)の減収となりました。損益につきましては、国内における価格改定効果や固定費の削減などにより、営業利益は93億55百万円と前連結会計年度比24億3百万円(34.6%)の増益、経常利益は為替差損益の改善も加わり102億46百万円と同29億92百万円(41.3%)の増益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、米国子会社における住宅市場向け汎用外装材事業撤退に伴う特別損失を計上したこと等により、24億86百万円と同2億20百万円(△8.1%)の減益となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。外装材事業売上面では、前記のとおり、国内外装材事業、米国外装材事業のいずれも減収となったことから、売上高は1,352億76百万円と前連結会計年度比46億75百万円(△3.3%)の減収となりました。また、損益面では、前記のとおり、国内外装材事業、米国外装材事業ともに減収となった一方で、価格改定による増益効果等により、セグメント利益(営業利益)は119億57百万円と前年同期比22億72百万円(23.5%)の増益となりました。 その他売上面では、工事事業を中心に増収となったことから、売上高は116億3百万円と前連結会計年度比42百万円(0.4%)の増収となりました。損益面では、前記のとおり増収となったことと、固定費圧縮等による利益改善効果により、セグメント利益(営業利益)は1億66百万円と前連結会計年度比1億19百万円(252.0%)の増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比し17億84百万円減少し、当連結会計年度末には246億96百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は82億12百万円(前連結会計年度比22億円の減少)となりました。これは、主に、償却前利益(税金等調整前当期純利益+減価償却費)で95億54百万円を計上した一方で、法人税等の支払額が35億84百万円となるなど資金の減少要因もあったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は37億76百万円(前連結会計年度比7億40百万円の増加)となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出が39億50百万円あったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は66億43百万円(前連結会計年度比13億64百万円の減少)となりました。これは、主に、配当金の支払額が38億38百万円、自己株式の取得による支出が25億円あったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績ⅰ.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)外装材事業(百万円)108,42095.4報告セグメント計(百万円)108,42095.4その他(百万円)9,130103.9合計(百万円)117,55196.1 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 ⅱ.製品商品仕入実績 当連結会計年度における製品商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)外装材事業(百万円)14,36995.6報告セグメント計(百万円)14,36995.6その他(百万円)214119.6合計(百万円)14,58395.9 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。ⅲ.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)その他412102.678265.0 (注)その他における注文住宅、住宅リフォームに係るものであります。なお、上記以外については、主として見込み生産によっており、受注生産はほとんど行っておりません。ⅳ.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)外装材事業(百万円)134,10896.6報告セグメント計(百万円)134,10896.6その他(百万円)9,632100.5合計(百万円)143,74096.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)SMB建材(株)37,91025.537,36726.0住友林業(株)31,15421.030,69321.4伊藤忠建材(株)20,80714.020,49014.3 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)財政状態の状況 (2)経営成績等の状況 ① 事業全体及びセグメントごとの経営成績の状況」の項に記載のとおりであります。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について「3 事業等のリスク」の項で前述した各リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。また、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、今後の業績等の内的要因や地価の下落等の外的要因を含め、当社グループが所有する固定資産につき、将来キャッシュ・フローが十分に見込めない資産又は資産グループが存在すると判定された場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことがあります。 ③ キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析ⅰ.キャッシュ・フローの状況当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(2)経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」の項に記載のとおりであります。 ⅱ.資金調達と資金需要当社グループはメイン銀行をはじめ取引金融機関と良好な関係を維持しております。当連結会計年度には設備投資資金の調達及び長期安定資金の確保のため、29億円の長期借入を行いました。一方、借入金の約定返済が進んだこともあり、長期・短期合わせた借入金残高は、前連結会計年度末に比し、1億94百万円減少して156億66百万円となりました。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 住宅着工の動向
    主力製品が国内住宅産業向けであり、特に戸建や低層アパートの新設着工戸数の減少は業績に大きな影響を与えます。日本の人口減少に伴い、中長期的には住宅着工戸数の減少が予想されており、海外市場や非住宅市場の開拓が重要となります。
  • 原材料・エネルギー価格の変動
    製品製造に必要な塗料、セメント、パルプなどの原材料やエネルギー価格が短期間で大きく変動する傾向にあります。これにより、製品コストが増加し、収益性が圧化する可能性があります。調達先の多様化や代替材料への切り替えが対策として挙げられます。
  • 海外事業展開のリスク
    海外市場での成長を「次の成長エンジン」と位置付けていますが、市場開放の問題、予期せぬ法規制の変更、政治的・経済的要因、為替変動など、様々なリスクが存在します。多額の先行投資が必要となる場合もあり、これらの要因が事業成長を妨げ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,534 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、本記載は、将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。 (1) 住宅着工の動向が業績に影響を及ぼすことについて主力製品である窯業系外装材を始め、当社グループの製品はその多くが国内住宅産業向けであり、かつ国内窯業系外装材は業界内シェアが60%弱であることから、当社グループの業績は住宅着工戸数の動向に影響を受けます。新設住宅着工戸数については、中長期的には、わが国の人口減少などの構造的要因により、減少が予想されています。当社グループとしては、従前より海外市場への進出や店舗・公共施設などの非住宅市場開拓にも注力しており、近年は新工法開発を武器として中高層建築物向けにも参入するなど市場開拓を図っておりますが、国内新築住宅向け市場規模の占める割合は大きく、その動向に影響を受けることになります。特に窯業系外装材は、主に木造及び鉄骨造の建築物に使用されるため、戸建及び低層アパートの新設着工戸数と相関関係が認められます。従って、同着工戸数が窯業系外装材業界全体の出荷量の先行指標でもあり、当社グループの業績もその動向に大きく影響を受けることになります。 (2) 景気動向と競合等について住宅関連業界では厳しい企業間競争が続く中、窯業系外装材業界は過去に提携・再編・統合などの動きがありましたが、最近はこれら業界再編の動きは落ち着いております。販売価格については、ここ数年は業界内で値上げ発表が相次いだことから上昇基調となっておりますが、先行きについては需要動向等によっては価格競争が再び激化するリスクがあります。当社グループといたしましては、業界トップ企業として今後も商品力を背景に価格をリードする意向であり、高付加価値品を中心とする高級品化への移行を推進するとともに、一層のコストダウン・合理化に努め対応していく方針ですが、価格改定が計画通りに進まない場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 原材料・エネルギー価格等の変動と調達について当社グループの製品製造における原材料は、塗料を始めとする原油からの生成品・セメント・パルプなどから構成されております。近時、これら諸資材の価格が短期間に大きく変動する傾向にあり、この傾向は今後も続くことが考えられ、従前のように比較的安価な材料等を安定的に調達できなくなるリスクがあります。また、中東情勢の緊迫化等による影響から、原油・エネルギー価格のさらなる高騰や、特定の原材料について調達そのものが困難になるリスクもあります。当社グループでは対策として、調達先の多様化や代替材料への切替など様々な調達方法の検討と合理化策を講じております。 (4) 製品の欠陥及び製造物責任について当社グループは、従来より製造業の原点として製品の品質管理を徹底しておりますが、すべての製品について欠陥が無く、将来的にもクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じれば、多額の費用を要するのはもちろん、当社グループの製品に対する信頼性を損ない、それにより売上額が低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 (5) 海外市場での事業展開について当社グループは、海外事業を「次の成長エンジンの一つ」に位置付けております。主力である米国については、主に米国で生産した窯業系高級外装材を商業施設などの非住宅市場向け及び住宅市場向けに販売しております。米国経済は、堅調な個人消費とAI投資に支えられるなど、底堅い成長を維持する見通しながら、商業施設やアパートの開発等の建設市況については、金利の高止まりや建築コスト増などにより、一進一退の状況と予想されます。また、市場としての可能性を有する中国市場については、浙江省にある子会社が外装用付属部材等を製造しており、その大半を当社及び米国子会社に供給している一方で、当社製品を現地で販売しております。海外進出に際しては、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上に先行して多額の投資を行う必要が生じ、立ち上がり期においては、一時的に利益を上回る費用が必要となることがあります。さらに、海外における事業展開には、市場開放の問題、予期しない法律又は諸規制の変更、税務や政治的・経済的要因、あるいは戦争・テロなど様々なリスクが内在すると考えられ、それら要因が障壁となり、当社グループの事業成長が妨げられる可能性があります。海外における事業活動の結果は、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6) 為替変動の影響について当社グループの業績及び財政状態は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替の変動は、①当社及び在外子会社における外貨建取引や海外との間接的な輸出入取引に関わる資産・負債、収益・費用及びキャッシュ・フローに影響する場合、②連結財務諸表における在外連結子会社の資産・負債、収益・費用の円貨への換算額に影響する場合の二つの側面において影響を及ぼします。現時点では営業利益段階での為替感応度は大きくありませんが、急激な為替変動によって資材調達額に大きな影響を受けたり、連結に占める米国事業の比率が変化することで為替変動の影響を受けやすくなる可能性があります。 (7) 大規模な自然災害の影響について大規模な自然災害の影響につきましては、2011年3月11日に発生した東日本大震災後、国内では大地震に対するリスク認識が強まっております。かかる状況下、報道等によれば、東南海地震等の大地震が近い将来に発生する可能性が高いことが指摘されております。当社グループでは、東南海大地震が発生した際に「震度6弱」の揺れが予測される地域内に、当社名古屋工場、ニチハマテックス株式会社衣浦工場・大江工場等が存在します。当社グループでは、将来予想される大地震の発生に備え、人的被害対応の訓練を実施するほか、建物の補強工事などの対策を講じておりますが、ひとたび大地震が発生すれば、当社グループの生産設備等に重大な影響を及ぼすことが想定されます。一方では、国内における経済活動の停滞に伴う消費動向の悪化により、当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。 (8) 工場における火災・事故と設備トラブルについて生産工場における火災・事故と重大な設備トラブルは、労働災害の発生や稼働停止による製品供給の中断に繋がります。特に、当社グループの一部工場においては、木質系材料の使用に伴う飛散ファイバー(木材ダスト)の発生と現場での高熱利用が相まって火災が発生するリスクがあります。当社グループは、火災・事故を発生させないための体制や安全防火に係る各種マニュアル等の整備を進めるとともに、ダスト除去設備・モニター設置なども行い現場管理を強化しておりますが、火災・事故が発生した場合は当社グループの業績や財政状態に影響が及ぶ可能性があります。なお、不測の事態に備え、資産の保全や事業中断に伴う機会損失をカバーするために、損害保険によるリスクヘッジを併せて行っております。 (9) 知的財産について当社グループでは、事業の優位性を確保するため、開発した製品や技術について知的財産権による保護に努めておりますが、出願する特許等に対して権利が付与されない場合や十分な保護が得られないことが起こり得る可能性があります。また、知的財産権に関して、第三者の技術を使用したい場合に、その技術が使用できない、若しくは不利な条件で使用せざるを得ない、あるいは第三者から訴訟を提起されたり、第三者に対して訴訟を提起しなければならないことがあります。当社グループでは、侵害警告等を受けることのないよう、体制・対応を整備して業務にあたっておりますが、万一、当社グループによる第三者の知的財産権侵害が認定された場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。(10) 環境保全について当社グループが製品を製造する過程で使用する材料等の中には、人の健康や自然体系に影響を与える物質等を含んでいるものがあります。当社グループは、これらの有害物質を扱う社員の健康被害を防止するために作業環境の管理・改善を推進する一方で、大気・土壌汚染、水質汚濁等の環境汚染防止に係る各種環境関連法令を遵守するとともに、法令上使用が認められている材料等であっても、より環境に配慮した材料等の選択・利用にも取り組んでおりますが、万一、当社グループの事業活動に起因する環境汚染が発生した場合には、対応に多額の費用が生じたり、社会的信用が低下することにより、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 (11) 情報システムについて当社グループは、生産・販売等の各種事業活動を行う上で、コンピュータシステム及び情報通信システムを利用しています。コンピュータシステム上のハードウエア・ソフトウエアの不具合や欠陥、通信ネットワークにおける障害等が生じた場合や、ランサムウェア等のサイバー攻撃を受けた場合には当社グループの事業活動に支障が出る可能性があります。また、これらの障害発生や攻撃を受けた場合には、当社グループが保有する各種機密情報が外部に漏洩するリスクがあります。当社グループでは、効率的で安定した事業活動の遂行と情報の秘密保持のため、適時・適切なシステムの更新やデータ処理能力の増強、最新のウイルス対策ツールの導入、障害発生時のバックアップ機能付加など体制を整備するほか、役職員へのセキュリティ教育の強化を行っておりますが、テロ、自然災害、ウイルス等による情報通信システムの不具合、サイバー攻撃など、不測の事態が起きた場合には、当社の事業活動継続に影響が及ぶ可能性があります。 (12) 人材確保について当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材、経営戦略や組織運営を企画推進できるマネジメント能力に優れた人材など、多種多様な能力を有する人材の確保・教育を継続的に行っていく必要があります。特に、工場などの現場においては、操業等に必要な有資格者を適切に配置し、運営を管理する必要があります。当社グループでは、新卒採用のみならず経験者の通年採用を積極的に行うとともに、中長期を見据えた計画的な採用と育成に努めておりますが、これらが計画的に進まない場合には、長期的観点からの事業運営の有効性が損なわれ、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 (13) 納期管理・供給責任について当社グループは、適切な納期を確保すべく事業活動を継続しておりますが、競合企業の価格施策や生産能力の変化などの影響に伴い、当社の供給能力を上回る受注により欠品や納期遅延等が発生するリスクがあります。当社グループでは、このような状況を生じさせないためにも、販売・生産・調達などの各部門において情報の収集と共有を強化するとともに、生産能力の増強を実施し供給力を高めておりますが、深刻な欠品や納期遅延が長期間に亘って発生した場合は、顧客からの信用低下により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 (14) 法的規制について当社グループは、「(5) 海外市場での事業展開について」で前述した規制等の他にも、事業展開をする上で国内外の法令や許認可など様々な法的規制の適用を受けております。また、これらの法的規制が従来よりも厳格になることも考えられます。当社グループでは、これらの法規制に加えコンプライアンスを遵守すべく、行動指針を定め、研修等を通じて役職員への徹底を図っておりますが、法令の改変や規制強化に伴い当社グループの事業活動が制限されたり、法的規制に対応するための費用が増加することにより、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 (15) 気候変動について気候変動に関しては、現状を上回る対策が採られなかった場合には、地球温暖化が進行することにより、自然災害の頻発化・激甚化が進み、当社グループの工場において浸水等による損害が発生するリスクのほか、調達先が被災することによってサプライチェーンが寸断され、当社グループの生産が一時的に停止するリスクがあります。一方で地球温暖化阻止のための厳しい対策が採られた場合は、炭素税の導入によるコスト負担発生のほか、当社グループを含むサプライチェーン全体で温室効果ガスの排出抑制、カーボンニュートラルが求められることにより、資材・エネルギーコストや脱炭素に向けた設備投資が増加し、当社グループの業績が悪化するリスクがあります。当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして認識しており、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しています。TCFDの提言に沿ったシナリオ分析を行い、特に当社グループの事業活動に重要な影響を及ぼすと判断した項目について取組を進めておりますが、想定を超えるような自然災害が発生した場合や当社グループの脱炭素化が計画どおりに進捗しなかった場合には、事業活動の継続や業績に影響を与える可能性があります。 (16) 人権及びコンプライアンスについてサプライチェーンのグローバル化・複雑化が進む中、取引先において児童労働や強制労働等の人権問題の発生が判明した場合、取引先との取引停止を始め調達活動に大きな支障が生じるリスクがあります。当社グループとしましては、調達基本方針の一つとして、「人権の尊重と労働安全衛生への配慮」を掲げており、取引先に対しても「基本的人権の尊重」と「安全で衛生的な職場環境の実現及び維持」をお願いしております。さらに新たに契約を行う取引先には人権の尊重に関する誓約をお願いするなどの取組を行っております。また、当社グループにおいて、ハラスメントを始めとする労務関連のコンプライアンス違反が発生した場合、当社グループの企業イメージ低下や争訟の発生等、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループとしましては、ハラスメントは重大な人権の侵害に繋がる行為として、以前より発生防止に努めておりますが、パワハラをはじめとする各種ハラスメントのさらなる発生防止策として、従業員に対してeラーニングや定期的な動画視聴による教育活動を推進しております。 (17) 移転価格税制等の対応について当社は、海外子会社との取引において、適正な取引価格に基づき取引を継続していると認識しておりますが、当社と米国子会社との取引に関する移転価格税制に基づく税務調査に伴い、当連結会計年度において、税務当局より更正決定通知を受領し追徴税額を納付いたしました。本件に関しては、更正処分により生ずることとなる日米間の二重課税を排除するため、日米租税条約に基づく相互協議の申し立てを日米両国の税務当局に対して行っておりますが、この相互協議が成立しない場合には、二重課税が解消されないままとなります。また、将来においても、同様に海外子会社との取引について指摘を受ける可能性があります。当社グループとしましては、関係各国の税務当局間であらかじめ当社グループ内における取引価格の設定などについて、事前に承認を受けるAPA(事前確認制度)の申請を行うなど、税務リスクの回避に取り組んでおります。

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