経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、「現場主義」「顧客第一主義」を経営理念に掲げ、常に「環境、安全、安心、健康」を追求し、お客様の立場に立った製品づくり、お客様のご期待にお応えする提案とサービスの提供を実践しております。また、循環型社会の構築に向けて「エフピコ方式のリサイクル」の普及に努めております。当社グループは、「食品トレー容器を通じて、お客様の快適な食生活を創造する企業グループ」を目指し、メーカーとして「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を追求しております。マーケティング・製品開発力・提案力・生産技術力・物流ネットワーク・SCMによる安定供給・リサイクル・ITシステムが互いに補完するバリューチェーンをより強化し、お客様の価値を創造し続けることで、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指した経営に努めております。(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは連結経営目標として、売上高3,000億円、経常利益300億円の達成を目指しております。目標とする連結経営指標は、売上高経常利益率10%以上、1株当たり当期純利益250円とし、資本効率の向上を図ってまいります。(3) 経営環境食品容器市場は、世帯構成の変化やライフスタイルの多様化を背景に、弁当・惣菜を中心とした中食市場の拡大とともに成長を続けてきました。新型コロナウイルスの感染拡大を契機にテイクアウト・デリバリー市場が定着したほか、医療介護給食市場や冷凍食品市場の拡大も追い風となっております。また、直近では食材価格の高騰を背景に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア各社が売価の維持向上やコストダウンに努める中、深さや仕切りの工夫や高級感のあるデザインなど、付加価値の高い容器の需要が底堅く推移しております。一方で、食品小売業界においては、人手不足への対応として省力化・効率化が引き続き求められております。加えて、原材料費や人件費、物流費等のコスト増加、食の安全・安心といった衛生面での要求の高まり、さらにはCO2削減や海洋プラスチックごみ問題への関心の高まりなど、事業環境は多面的に変化を続けております。このような状況下、当社グループは、安全・安心な食生活を支えるとともに、容器を通じてお客様の生産性向上や価値創造、収益拡大に貢献するご提案を積極的に行ってまいります。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 原料の安定調達当社グループは、食のインフラを支える企業として、製品の安定供給を最重要課題の一つと位置づけております。足元では、緊迫する中東情勢を背景に、原料の調達環境は不透明な状況が続いております。引き続き原料の安定確保に最大限注力するとともに、製品の軽量化や素材配合の最適化を通じたプラスチック使用量の削減や、エフピコ方式のリサイクルによる国内の地上資源の循環等を通じて、外部環境に左右されにくい安定供給体制のさらなる強化を図ってまいります。なお、調達コストの上昇に対しては、市場動向に応じて適切に製品価格に転嫁し、収益性の維持・向上を推進してまいります。② 環境経営の推進当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中長期目標を掲げ、目標達成に向けたガバナンス、戦略などについてTCFD提言に基づき公表しております。事業拠点においては、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入を進めており、関東・中部・関西の各地区で太陽光発電設備が稼働しております。これにより、全国3ヶ所の使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーで賄う体制が整いました。2025年11月には中部第一工場にも太陽光発電設備を導入し、さらなる再生可能エネルギーの活用に取り組んでおります。また、「トレーtoトレー」や「ボトルto透明容器」によるリサイクルの仕組みを軸に、エコ製品を生産・販売しております。これらの取り組みにより、使用済み容器のリサイクルを通じた廃棄物の削減と資源の循環利用を推進し、サプライチェーン全体でのCO2排出削減に貢献しております。今後も技術革新や新素材の活用、環境配慮設計を通じて、環境負荷の低い容器の開発と事業活動に伴う廃棄物の発生抑制・再資源化を一層強化してまいります。 ③ 人材の確保と定着当社グループは、事業を継続する上で、優秀な人材の確保・定着が最も重要であると考えております。過去数年間の取り組みとして、退職金制度の見直しやグループ製造会社における各種手当の改定などを行ってまいりました。2026年3月期には、グループ全体における給与水準を平均5%程度引き上げ、12年連続となるベースアップを実施いたしました。また、働きやすい環境づくりの一環として、生産部門における年間休日日数を3年間で104日から120日へと拡大するなど、引き続き処遇の改善を通じて人材の確保と定着を図ってまいります。④ 技術革新と製品開発当社グループは、最新鋭の生産設備の導入と更新を行うとともに、製品の軽量化、新機能開発、新素材開発など、総合的な技術革新を推し進めております。OPETで培った2軸延伸技術を新OPPへ応用するとともに、積層技術の活用により、製品のさらなる多用途化を図ってまいります。⑤ マーケティングと価値創造の提案当社グループは、冷凍食品や医療介護給食市場の拡大など変化を続ける食市場に対し、お客様のニーズや課題を把握し最適な提案を行うとともに、新製品の開発に繋げております。また、CO2削減による環境への取り組みや人手不足に対応した生産性向上、当社の物流ネットワークを活用した流通コストの削減等、小売業界が抱える課題に対しトータルで提案しております。⑥ 安定供給体制の強化当社グループは、拠点配送センターから半径100㎞圏内で主要都市を含む全人口の85%をカバーする生産・物流ネットワークやサプライチェーンマネジメントシステムの運用により、安定供給及びトータルコストの最適化を図っております。また、生産部門における産業用ロボットや、物流部門における無人搬送車・自動ソーター出荷システムなどの最新設備の導入により、省人化を図るとともに生産性を向上させております。⑦ 社会的責任を重視した経営当社グループは、障がいのある人材を食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など基幹業務における重要な戦力と位置づけるとともに、お取引先様を中心に障がい者雇用を創出するサポートも行っております。また、災害などによる停電の際にも物流機能を維持するため、全国の主要物流22施設すべてに非常用発電設備を設置し、72時間の電力を確保できる体制を整え、食のインフラを支える企業として安定供給に努めております。⑧ 知的財産権の強化当社グループは、製品の独自性・差別化を市場においてより確実なものとするため、特許や実用新案・意匠登録などの申請を進め、知的財産権の取得により企業価値を高めております。⑨ ディーセントワークの推進当社グループは、社員一人ひとりが個々の能力や特性を最大限に発揮してその役割を果たし、やりがいや充実感を持ちながらイキイキと働ける環境を作ることが、企業価値の向上につながる経営課題の一つであると考えております。このような考え方の下、時差出勤制度の導入、5日間の連続有給休暇取得の義務化、時間単位の有給休暇制度導入、定年年齢を60歳から65歳までの間で選択できる選択式定年制度の導入などにより、多様な働き方を支援する取り組みを進めております。さらに、「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を目指すとともに、当社グループ各社においても「健康経営優良法人」などの認定に向けて、グループ全体で健康への取り組みを強化しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、「現場主義」「顧客第一主義」を経営理念に掲げ、常に「環境、安全、安心、健康」を追求し、お客様の立場に立った製品づくり、お客様のご期待にお応えする提案とサービスの提供を実践しております。また、循環型社会の構築に向けて「エフピコ方式のリサイクル」の普及に努めております。当社グループは、「食品トレー容器を通じて、お客様の快適な食生活を創造する企業グループ」を目指し、メーカーとして「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を追求しております。マーケティング・製品開発力・提案力・生産技術力・物流ネットワーク・SCMによる安定供給・リサイクル・ITシステムが互いに補完するバリューチェーンをより強化し、お客様の価値を創造し続けることで、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指した経営に努めております。(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは連結経営目標として、売上高3,000億円、経常利益300億円の達成を目指しております。目標とする連結経営指標は、売上高経常利益率10%以上、1株当たり当期純利益250円とし、資本効率の向上を図ってまいります。(3) 経営環境食品容器市場は、世帯構成の変化やライフスタイルの多様化を背景に、弁当・惣菜を中心とした中食市場の拡大とともに成長を続けてきました。新型コロナウイルスの感染拡大を契機にテイクアウト・デリバリー市場が定着したほか、医療介護給食市場や冷凍食品市場の拡大も追い風となっております。また、直近では食材価格の高騰を背景に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア各社が売価の維持向上やコストダウンに努める中、深さや仕切りの工夫や高級感のあるデザインなど、付加価値の高い容器の需要が底堅く推移しております。一方で、食品小売業界においては、人手不足への対応として省力化・効率化が引き続き求められております。加えて、原材料費や人件費、物流費等のコスト増加、食の安全・安心といった衛生面での要求の高まり、さらにはCO2削減や海洋プラスチックごみ問題への関心の高まりなど、事業環境は多面的に変化を続けております。このような状況下、当社グループは、安全・安心な食生活を支えるとともに、容器を通じてお客様の生産性向上や価値創造、収益拡大に貢献するご提案を積極的に行ってまいります。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 原料の安定調達当社グループは、食のインフラを支える企業として、製品の安定供給を最重要課題の一つと位置づけております。足元では、緊迫する中東情勢を背景に、原料の調達環境は不透明な状況が続いております。引き続き原料の安定確保に最大限注力するとともに、製品の軽量化や素材配合の最適化を通じたプラスチック使用量の削減や、エフピコ方式のリサイクルによる国内の地上資源の循環等を通じて、外部環境に左右されにくい安定供給体制のさらなる強化を図ってまいります。なお、調達コストの上昇に対しては、市場動向に応じて適切に製品価格に転嫁し、収益性の維持・向上を推進してまいります。② 環境経営の推進当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中長期目標を掲げ、目標達成に向けたガバナンス、戦略などについてTCFD提言に基づき公表しております。事業拠点においては、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入を進めており、関東・中部・関西の各地区で太陽光発電設備が稼働しております。これにより、全国3ヶ所の使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーで賄う体制が整いました。2025年11月には中部第一工場にも太陽光発電設備を導入し、さらなる再生可能エネルギーの活用に取り組んでおります。また、「トレーtoトレー」や「ボトルto透明容器」によるリサイクルの仕組みを軸に、エコ製品を生産・販売しております。これらの取り組みにより、使用済み容器のリサイクルを通じた廃棄物の削減と資源の循環利用を推進し、サプライチェーン全体でのCO2排出削減に貢献しております。今後も技術革新や新素材の活用、環境配慮設計を通じて、環境負荷の低い容器の開発と事業活動に伴う廃棄物の発生抑制・再資源化を一層強化してまいります。 ③ 人材の確保と定着当社グループは、事業を継続する上で、優秀な人材の確保・定着が最も重要であると考えております。過去数年間の取り組みとして、退職金制度の見直しやグループ製造会社における各種手当の改定などを行ってまいりました。2026年3月期には、グループ全体における給与水準を平均5%程度引き上げ、12年連続となるベースアップを実施いたしました。また、働きやすい環境づくりの一環として、生産部門における年間休日日数を3年間で104日から120日へと拡大するなど、引き続き処遇の改善を通じて人材の確保と定着を図ってまいります。④ 技術革新と製品開発当社グループは、最新鋭の生産設備の導入と更新を行うとともに、製品の軽量化、新機能開発、新素材開発など、総合的な技術革新を推し進めております。OPETで培った2軸延伸技術を新OPPへ応用するとともに、積層技術の活用により、製品のさらなる多用途化を図ってまいります。⑤ マーケティングと価値創造の提案当社グループは、冷凍食品や医療介護給食市場の拡大など変化を続ける食市場に対し、お客様のニーズや課題を把握し最適な提案を行うとともに、新製品の開発に繋げております。また、CO2削減による環境への取り組みや人手不足に対応した生産性向上、当社の物流ネットワークを活用した流通コストの削減等、小売業界が抱える課題に対しトータルで提案しております。⑥ 安定供給体制の強化当社グループは、拠点配送センターから半径100㎞圏内で主要都市を含む全人口の85%をカバーする生産・物流ネットワークやサプライチェーンマネジメントシステムの運用により、安定供給及びトータルコストの最適化を図っております。また、生産部門における産業用ロボットや、物流部門における無人搬送車・自動ソーター出荷システムなどの最新設備の導入により、省人化を図るとともに生産性を向上させております。⑦ 社会的責任を重視した経営当社グループは、障がいのある人材を食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など基幹業務における重要な戦力と位置づけるとともに、お取引先様を中心に障がい者雇用を創出するサポートも行っております。また、災害などによる停電の際にも物流機能を維持するため、全国の主要物流22施設すべてに非常用発電設備を設置し、72時間の電力を確保できる体制を整え、食のインフラを支える企業として安定供給に努めております。⑧ 知的財産権の強化当社グループは、製品の独自性・差別化を市場においてより確実なものとするため、特許や実用新案・意匠登録などの申請を進め、知的財産権の取得により企業価値を高めております。⑨ ディーセントワークの推進当社グループは、社員一人ひとりが個々の能力や特性を最大限に発揮してその役割を果たし、やりがいや充実感を持ちながらイキイキと働ける環境を作ることが、企業価値の向上につながる経営課題の一つであると考えております。このような考え方の下、時差出勤制度の導入、5日間の連続有給休暇取得の義務化、時間単位の有給休暇制度導入、定年年齢を60歳から65歳までの間で選択できる選択式定年制度の導入などにより、多様な働き方を支援する取り組みを進めております。さらに、「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を目指すとともに、当社グループ各社においても「健康経営優良法人」などの認定に向けて、グループ全体で健康への取り組みを強化しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の状況及び分析① 当期の経営成績の概況(売上高・利益の状況) 第4四半期連結会計期間 (単位:百万円) 前第4四半期連結会計期間当第4四半期連結会計期間前年同期比増減額前年同期比売上高54,02254,05028100.1% 製品売上高41,92341,541△38299.1% 商品売上高12,09812,508410103.4%営業利益3,5593,819259107.3%経常利益3,4613,840379111.0%親会社株主に帰属する四半期純利益2,3872,611223109.4% 連結会計年度 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前年同期比増減額前年同期比売上高235,628240,4904,861102.1% 製品売上高180,770184,5033,733102.1% 商品売上高54,85855,9861,128102.1%営業利益18,47121,6143,143117.0%経常利益18,45121,7683,316118.0%親会社株主に帰属する当期純利益12,48614,8692,382119.1% 売上高及び製品売上数量売上高は、前年比102.1%と16期連続の増収となり、過去最高を更新いたしました。製品売上数量については、物価高を背景に、コンビニエンスストアをはじめとする小売りにおいて買い上げ点数が減少した影響等により前年比99.7%となりました。四半期単位では、第1四半期 97.8%、第2四半期 98.3%、第3四半期 101.2%、第4四半期 101.5%と、エコ製品(エコトレー、エコAPET、エコOPET)をはじめとする高付加価値製品の販売拡大が寄与し、回復基調に転じております。 経常利益増減の主な要因経常利益は217億68百万円となり、前年比で33億16百万円の増益と過去最高を更新いたしました。主な増加要因として、原料価格影響がプラス8億30百万円、製品価格改定効果を主として販売活動は45億70百万円のプラスとなりました。一方、主な減少要因として、物流費の増加が9億50百万円、生産部門のコスト影響が7億50百万円等となりました。 (営業活動の状況)食材価格の高騰が続く中、小売業界において内容量の変更や盛り付け点数の削減による容器サイズ最適化へのニーズが高まっております。当社は主力シリーズへ新たに金型を追加投資し、サイズ展開と製品ラインアップを拡充することで、これらの顧客ニーズへ対応しております。また、スーパーマーケットと協働し、お店を発着点とする循環型のリサイクル「ストアtoストア」に取り組んでおります。この取り組みは、2022年11月に株式会社中国シジシー(本社:広島県広島市)と協働を開始して以来、2026年3月末時点で140社5,000店舗を超える規模へ拡大いたしました。(2026年6月1日時点:145社5,440店舗)それに伴い、2026年3月期のエコ製品の販売枚数は前年比102.1%、協働を開始した2023年3月期と比較すると113.4%と伸長しております。今後もこの取り組みを推進し、「300社10,000店舗」を目指してリサイクルの輪を広げてまいります。さらに、人手不足や高齢化などを背景にニーズが多様化する中、当社は現場の課題解決に直結する高付加価値容器の提案を推進しております。吸水紙を敷く作業が不要となる「DPシリーズ」のほか、冷凍温度帯でも割れにくい新素材「耐寒PPiP-タルク」は、今後、特に医療介護給食分野において導入の拡大を見込んでおります。 (生産部門の状況)当社主要工場において無人搬送車や産業用ロボットの導入を拡大するとともに、幅広い製品に対応可能な小型の箱詰めロボットの検証を行うなど、一層の自動化と生産効率の向上を進めております。また、新たに算出した「理論値サイクルタイム」を目標に生産サイクルの短縮に取り組んだ結果、稼働日の減少を上回る生産性の向上を達成いたしました。加えて、技術革新による生産スピード向上など、さらなる生産体制の整備を推進しております。 (物流部門の状況)当社グループは、半径100km圏内で全人口の85%をカバーする物流ネットワークを整備しております。ソーターシステムによる出荷の自動化、専用パレットの活用によるパレット輸送の展開、入出荷場所の集約などを通じて配送の効率化を推進し、配送計画時間に対して85%が±15分以内に収まる高い物流品質を実現しております。昨今のドライバー不足や拘束時間の制限等により配送車両の確保が困難な状況に対しては、配送負荷の平準化を推進しております。2025年夏以降、小ロットの納品先へは週2日の指定日納品を実施したほか、年末の繁忙期における納品日の前倒しにより出荷ピーク日の配送車両台数を前年比で3%抑制いたしました。さらに、このたび、茨城県坂東市に坂東配送センター(仮称)の建設を決定いたしました。周辺拠点と連携して首都圏における物流能力を強化することで、安定供給体制をより強固なものとしてまいります。 (海外事業の状況)持分法適用関連会社であるLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア)については、成形機や押出機などの設備投資や金型をはじめとする製品開発技術の強化、在庫管理システムや生産管理システムの運用により生産性の向上に取り組んでおります。さらに、マーケティングの深化により市場ニーズを捉え、新デザイン容器の市場投入を進めており、足元の業績は売上・利益ともに改善が進んでおります。東南アジアにおける人口増加と所得水準の向上を背景とした食品容器の需要拡大を見据え、マレーシア国内外におけるシェアの拡大に注力しております。(新素材開発の状況)2024年4月、当社は超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート(以下「新OPPシート」)及び積層OPPプレートの開発成功を公表いたしました。これらの新素材は、共通して優れた耐熱性、耐寒性、耐油性に加え、極低温から高温までの幅広い温度域で高い剛性と耐衝撃性を発揮する、優れた物性バランスを備えております。新OPPシート(製品名「OPTENA(オプテナ)」)は、その高い物性により、冷凍食品等の食品容器用途のみならず産業用途への展開も可能な新素材として、関連各社と用途開発を進めております。積層OPPプレート(製品名「FORTENA(フォルテナ)」)は、新OPPシートを熱融着により積層加工したものです。軽量でありながら高剛性、耐衝撃性、高靭性に加え、高い透明性による優れた加飾性を保持しております。これらの特性により、土木建設資材、住設、家電、太陽電池、モビリティ等、幅広い産業分野への展開が可能です。特に二輪・四輪メーカー各社からは、リサイクル材の使用率向上や軽量化に寄与する素材として、シート・プレートともに高い評価を得ております。現在、各方面において導入に向けた評価が進んでおり、物性バランスに優れた高機能素材として注目を集めております。本格的な量産体制確立のため、当社は茨城県坂東市における新工場の建設を決定いたしました。今後、2027年中に神辺工場(広島県福山市)において積層OPPプレートの商業生産を開始いたします。これに続き、茨城県坂東市に新設する工場へ新OPPシート製造装置を導入し、2029年に新OPPシート及びそれを積層した積層OPPプレートの量産開始を目標としております。なお、新工場の建設にかかる詳細については、2026年4月30日公表の「固定資産の取得(新工場・新配送センター建設)に関するお知らせ」をご参照ください。 (リサイクルの状況)当社グループは、1990年に使用済み容器の回収を始めて以来、エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」を推進しており、その回収拠点は2026年3月末時点で11,600拠点に達しております。また、2012年からは、使用済みPETボトルのリサイクル「ボトルto透明容器」にも取り組んでおります。近年では、これらエフピコ方式のリサイクルをさらに推進・拡大していくため、スーパーマーケットとの協働によるリサイクル「ストアtoストア」を強化するとともに、小学校をはじめとする出前授業や小売店舗における環境イベントを通じて、地域や消費者との積極的なコミュニケーションを図っております。これらの活動の結果、店頭からのトレー及び透明容器の回収量は前年比107.5%、PETボトルの回収量は同111.6%と拡大を続けております。原料動向が不透明な中、当社独自のネットワークを通じて回収原料を確保できる仕組みは、原料の安定調達と価格の安定化に繋がる当社固有の優位性となっております。また、当社グループは、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルの実現を目指し、2020年11月よりDIC株式会社(本社:東京都中央区、以下「DIC」)と取り組みを進めております。この取り組みは、従来は品質面の制約から日用雑貨品等への再生に限定されていた色柄付きの回収発泡ポリスチレン容器について、DICの技術により着色成分を除去し、エコトレーとして生産・販売するものです。世界で唯一、自社でトレーを回収し、再びトレーをつくる会社として、今後も容器の機能性とサステナビリティの両立を追求してまいります。 (ESGの取り組み)当社グループは、社員一人ひとりが個々の能力や特性を最大限に発揮してその役割を果たし、やりがいや充実感を持ちながらイキイキと働ける職場環境を目指しております。人的資本投資の一環として、12年連続のベースアップ等により給与水準を継続的に引き上げるとともに、生産部門における休日日数の増加やオフィスの拡充等、働く環境の整備に取り組んでおります。また、社員の健康増進を目的に、健康のためのあらゆる取り組みや情報発信を行う「職場で健康プロジェクト」の実施や環境整備に努めた結果、当社は「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に5年連続で認定されております。今後は、当社グループ各社においても「健康経営優良法人」の認定を目指して、取り組みを強化してまいります。加えて、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など、基幹業務に障がいのある人材が従事しており、エフピコグループの障がい者雇用率は、2026年3月時点で12.5%となりました。 (今後の見通し)中東情勢を背景とした原油価格の急騰や安定的な原料調達への懸念など、当社グループを取り巻く事業環境は不透明な状況が続いております。当社グループの主要原料であるポリスチレンについては、現時点で2026年8月末までの調達の目処は立っておりますが、連結業績予想につきましては、合理的な算定が困難であるため、未定といたします。今後、連結業績予想の合理的な算定が可能となった段階で速やかに公表いたします。足元では、国産ナフサ及びベンゼン価格の上昇により、原料価格が高騰しております。加えて、今後は物流費や電力料等、生産コスト全般の上昇が見込まれます。このような状況下、当社は食のインフラを支える企業として、お客様へ製品をお届けする安定供給体制の整備を最優先に進めるとともに、生産コストの上昇分を製品価格に転嫁し収益性を回復させるため、2026年4月30日、同年6月1日出荷分より20%以上の製品価格改定を行うことを発表いたしました。今後も、原料の調達状況やコスト動向に応じた適切な価格改定を実施し、収益性の維持・向上を図ってまいります。 (用語説明)エコトレー:スーパーマーケットの店頭などから回収された発泡ポリスチレン容器と工場内端材を原料とするリサイクル発泡ポリスチレン容器(1992年販売開始)エコAPET:スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET透明容器(2012年販売開始) 耐熱温度+60℃エコOPET:エコAPETと同じ原料を使用する2軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET透明容器(2016年販売開始) 耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの2軸延伸ポリスチレンシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現耐熱温度+80℃ストアtoストア:お店で使用・販売した食品トレーやPETボトルをそのお店で資源として回収し、当社が食品トレーや透明容器に生まれ変わらせ、その食品トレーや透明容器を再びそのお店で積極的に使用する、お店を発着点としたリサイクル耐寒PPiP-タルク:二種類の無機物を配合することで、従来品である耐寒PPと比較してプラスチック使用量を25%削減した耐寒PPフィラー容器 従来品と同等の耐寒衝撃性、天地圧縮強度、重量を保持新OPPシート:ポリプロピレンシートを縦方向と横方向の2軸に同時延伸した、厚さ150ミクロンから300ミクロンの超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート 優れた透明性や耐寒性、耐熱性、高剛性を実現 2024年4月に開発成功 製品名「OPTENA(オプテナ)」積層OPPプレート:新OPPシートを熱融着により積層加工した、厚さ1ミリから4ミリ程度の超高剛性プレート 高い剛性と耐衝撃性、高靭性に富み、高い透明性を保持できることから加飾性に優れる 2024年4月に開発成功 製品名「FORTENA(フォルテナ)」 (2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (3) 財政状態の状況及び分析当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて118億36百万円増加し、3,040億62百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加64億58百万円、新OPPシート製造装置等に係る建設仮勘定の増加59億23百万円であります。負債合計は、前連結会計年度末に比べて7億79百万円増加し、1,388億91百万円となりました。主な増減は、原材料価格の下落を主因とする買掛金の減少14億42百万円、設備関係等の未払金の増加9億24百万円及び未払消費税等の増加6億80百万円であります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べて110億56百万円増加し、1,651億71百万円となりました。主な増減は、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加148億69百万円及び剰余金の配当による減少57億81百万円であります。 (4) キャッシュ・フローの状況及び分析① キャッシュ・フローの状況及び分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より64億58百万円増加し、254億78百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は、299億81百万円(前期に比べ20億61百万円の増加)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益214億57百万円、減価償却費145億94百万円、未払消費税等の増加10億6百万円による資金の増加、他方、仕入債務の減少14億42百万円、法人税等の支払額65億76百万円による資金の減少によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により支出した資金は、165億94百万円(前期に比べ16億65百万円の支出増加)となりました。 これは主に、生産設備等の有形固定資産の取得による支出160億12百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により支出した資金は、69億28百万円(前期に比べ111億42百万円の支出減少)となりました。 これは主に、長期借入れによる収入154億86百万円、長期借入金の返済による支出155億28百万円、リース債務の返済による支出10億70百万円及び配当金の支払額57億78百万円によるものであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性1)経営資源の配分に関する考え方 当社グループは財務健全性と資本効率のバランスを考慮し経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。 営業活動により獲得した資金の配分のうち設備投資に関しては、中長期的な成長に向けた高付加価値製品の供給体制を維持、構築するために毎期200~250億円の設備投資を継続してまいります。 株主還元については、継続的かつ安定的な配当を実施していくことが経営の最重要課題の一つと考えており、連結ベースでの配当性向は40%を目途とし原則として減配せず、累進配当を実施することを基本方針としております。2)資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では製品原材料の購入費用及び電力料、修繕費、消耗品費など製造経費のほか、仕入販売する商品の購入費用、運搬及び保管費、人件費などの販売費及び一般管理費であります。 また、投資活動に係る資金支出は、環境に配慮した高付加価値製品の供給体制構築に必要な成長投資のほか、既存の生産設備や物流施設の維持更新及び自動化による効率改善を目的としたものであります。さらに、新OPPシート・積層OPPプレートの本格的な量産体制を確立するための投資を進めております。3)資金調達 当社グループの主たる財源は、営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入れ及びコマーシャル・ペーパーの発行によるものであります。 子会社の資金調達については、原則として親会社からのグループファイナンスに一元化する運用を行っております。その結果、連結ベースでの資金コストを低減するとともに、効率的な資金運用を実現しております。 また、資金の流動性については、現金及び預金に加え、機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため総額100億円のコミットメントライン契約を有しております。(5) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績 製品別生産実績品目生産高(百万円)前年同期比(%)製品 トレー容器27,957100.3% 弁当・惣菜容器71,50998.1% その他製品2,417145.1%合計101,88599.5% (注)1 生産高は、主として生産数量に見積り製造原価(単価)を乗じて算定しておりますが、その他製品の一部については、販売価格によっております。2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。製品・商品仕入実績品目仕入高(百万円)前年同期比(%)製品 トレー容器2,640104.6% 弁当・惣菜容器18,06794.7% その他製品1,73297.4%小計22,44096.0%商品 包装資材42,797102.6% その他商品2,177100.1%小計44,975102.5%合計67,416100.2% (注) 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。 ② 受注実績 当社グループは、主として需要見込による生産方式のため、受注状況については特記すべき事項はありません。 ③ 販売実績品目販売高(百万円)前年同期比(%)製品 トレー容器47,042105.7% 弁当・惣菜容器134,161101.0% その他製品3,29895.5%小計184,503102.1%商品 包装資材53,796101.9% その他商品2,190106.5%小計55,986102.1%合計240,490102.1% (注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、「現場主義」「顧客第一主義」を経営理念に掲げ、常に「環境、安全、安心、健康」を追求し、お客様の立場に立った製品づくり、お客様のご期待にお応えする提案とサービスの提供を実践しております。また、循環型社会の構築に向けて「エフピコ方式のリサイクル(トレーtoトレー)(ボトルto透明容器)」の普及に努めております。当社グループは、「食品トレー容器を通じて、お客様の快適な食生活を創造する企業グループ」を目指し、メーカーとして「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を追求しております。マーケティング・製品開発力・提案力・生産技術力・物流ネットワーク・SCMによる安定供給・リサイクル・ITシステムが互いに補完するバリューチェーンをより強化し、お客様の価値を創造し続けることで、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指した経営に努めております。(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは連結経営目標として、売上高3,000億円、経常利益300億円の達成を目指しております。目標とする連結経営指標は、売上高経常利益率10%以上、1株当たり当期純利益250円としております。株主還元方針としては、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益に対して連結配当性向40%を目途とし、原則として減配せず、累進配当を実施いたします。(3) 経営環境食品容器市場は、近年、単身世帯や共働き世帯の増加を背景に、弁当・惣菜を中心とした中食市場の拡大と共に成長を続けてきました。新型コロナウイルスの感染拡大を契機にテイクアウト・デリバリー市場が定着したほか、高齢者向け宅配給食などの病院介護食市場や、冷凍食品市場の拡大も追い風となっております。また、直近では食材価格の高騰を背景に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア各社が惣菜や弁当の容量見直しを進める中、見栄えや満足感を損なわない容器へのニーズが高まっており、深さや仕切りの工夫や高級感のあるデザインなど、付加価値の高い容器の需要が底堅く推移しております。一方で、食品小売業界においては、人手不足への対応として省力化・効率化が引き続き求められております。加えて、原材料費や人件費、物流費等のコスト増加、食の安全・安心といった衛生面での要求の高まり、さらにはCO2削減や海洋プラスチックごみ問題への関心の高まりなど、事業環境は多面的に変化を続けております。このような状況下、当社グループは、安全・安心な食生活を支えるとともに、容器を通じてお客様の生産性向上や価値創造、収益拡大に貢献するご提案を積極的に行ってまいります。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 環境経営の推進当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中長期目標を掲げ、目標達成に向けたガバナンス、戦略などについてTCFD提言に基づき公表しております。事業拠点においては、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入を進めており、関東・中部・関西の各地区で太陽光発電設備が稼働しております。これにより、全国3ヶ所の使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーで賄う体制を整備し、2024年7月1日出荷分よりエコトレーのCO2削減効果が30%から37%に上昇いたしました。2025年11月には中部第一工場にも太陽光発電設備の導入を予定しており、さらなる再生可能エネルギーの活用に取り組んでまいります。また、業界のリーディングカンパニーとして、「トレーtoトレー」や「ボトルto透明容器」によるリサイクルの仕組みを軸に、環境負荷の低減を図るエコ製品の開発・販売を推進しております。これらの取り組みにより、使用済み容器のリサイクルを通じた廃棄物の削減と資源の循環利用を実現し、サプライチェーン全体でのCO2排出削減に貢献しております。今後も技術革新や新素材の活用、環境配慮設計を通じて、環境負荷の低い容器の開発と、事業活動に伴う廃棄物の発生抑制・再資源化を一層強化してまいります。 ② 人材の確保と定着当社グループは、事業を継続する上で、優秀な人材の確保・定着が最も重要であると考えております。過去数年間の取り組みとして、退職金制度の見直しやグループ製造会社における各種手当の改定などを行ってまいりました。2024年3月期および2025年3月期には、グループ全体における給与水準を平均5%程度引き上げました。2026年3月期は、平均5%台半ばの水準で引き上げを実施しております。引き続き処遇の改善を通じて人材の確保と定着を図ってまいります。③ 技術革新と製品開発当社グループは、最新鋭の生産設備の導入と更新を行うとともに、製品の軽量化、新機能開発、新素材開発など、総合的な技術革新を推し進め、高品質で高付加価値な製品、機能性を高めた製品等、お客様のニーズに対応した製品を開発しております。④ マーケティングと価値創造の提案当社グループは、テイクアウト・デリバリー市場の定着や冷凍食品市場の拡大など変化を続ける食市場に対し、お客様のニーズや課題を把握し最適な提案を行うとともに、新製品の開発に繋げております。また、CO2削減による環境への取り組みや人手不足に対応した作業生産性向上のための改善提案、流通コストの削減に対して当社グループのもつ物流ネットワークの提供等、小売業界が抱える問題に対しトータルで提案しております。⑤ 供給体制の強化当社グループは、全国を網羅する生産・物流ネットワークやサプライチェーンマネジメントシステムの運用により、安定供給及びトータルコストの最適化を目指しております。関西工場・関西ハブセンターの稼働により、当社拠点配送センターから半径100㎞圏内で主要都市を含む全人口の85%をカバーする生産・物流ネットワークが完成いたしました。また、生産部門における産業用ロボットの導入、物流部門における音声ピッキングシステムの導入、無人搬送車・無人フォークリフトの導入や自動ソーター出荷システムの配置など、省人化を図るとともに生産性を向上させております。⑥ 社会的責任を重視した経営当社グループは、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など基幹業務において、障がいのある人材の活用を進めるとともに、お取引先様を中心に、障がい者雇用を創出するサポートも行っております。また、お客様の事業活動の継続に寄与するため、全国の主要物流22施設すべてに非常用発電設備を設置し、72時間の電力を確保できる体制を整えております。災害などによる停電の際にも物流機能を維持し、食のインフラを支える企業として安定供給に努めております。⑦ 知的財産権の強化当社グループは、製品の独自性・差別化を市場においてより確実なものとするため、特許や実用新案・意匠登録などの申請を進め、知的財産権の取得により企業価値を高めております。⑧ ディーセントワークの推進当社グループは、社員一人ひとりが個々の能力や特性を最大限に発揮してその役割を果たし、やりがいや充実感を持ちながらいきいきと働ける環境を作ることが、企業価値の向上につながる経営課題の一つであると考えております。このような考え方の下、時差出勤制度の導入、5日間の連続有給休暇取得の義務化、時間単位の有給休暇制度導入、定年年齢を60歳から65歳までの間で選択できる選択式定年制度の導入などにより、多様な働き方を支援する取り組みを進めております。さらに、「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を目指すとともに、当社子会社においても「健康経営優良法人(中小企業法人部門)」などの認定に向けて、当社グループ全体で健康への取り組みを強化しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、「現場主義」「顧客第一主義」を経営理念に掲げ、常に「環境、安全、安心、健康」を追求し、お客様の立場に立った製品づくり、お客様のご期待にお応えする提案とサービスの提供を実践しております。また、循環型社会の構築に向けて「エフピコ方式のリサイクル(トレーtoトレー)(ボトルto透明容器)」の普及に努めております。当社グループは、「食品トレー容器を通じて、お客様の快適な食生活を創造する企業グループ」を目指し、メーカーとして「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を追求しております。マーケティング・製品開発力・提案力・生産技術力・物流ネットワーク・SCMによる安定供給・リサイクル・ITシステムが互いに補完するバリューチェーンをより強化し、お客様の価値を創造し続けることで、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指した経営に努めております。(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは連結経営目標として、売上高3,000億円、経常利益300億円の達成を目指しております。目標とする連結経営指標は、売上高経常利益率10%以上、1株当たり当期純利益250円としております。株主還元方針としては、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益に対して連結配当性向40%を目途とし、原則として減配せず、累進配当を実施いたします。(3) 経営環境食品容器市場は、近年、単身世帯や共働き世帯の増加を背景に、弁当・惣菜を中心とした中食市場の拡大と共に成長を続けてきました。新型コロナウイルスの感染拡大を契機にテイクアウト・デリバリー市場が定着したほか、高齢者向け宅配給食などの病院介護食市場や、冷凍食品市場の拡大も追い風となっております。また、直近では食材価格の高騰を背景に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア各社が惣菜や弁当の容量見直しを進める中、見栄えや満足感を損なわない容器へのニーズが高まっており、深さや仕切りの工夫や高級感のあるデザインなど、付加価値の高い容器の需要が底堅く推移しております。一方で、食品小売業界においては、人手不足への対応として省力化・効率化が引き続き求められております。加えて、原材料費や人件費、物流費等のコスト増加、食の安全・安心といった衛生面での要求の高まり、さらにはCO2削減や海洋プラスチックごみ問題への関心の高まりなど、事業環境は多面的に変化を続けております。このような状況下、当社グループは、安全・安心な食生活を支えるとともに、容器を通じてお客様の生産性向上や価値創造、収益拡大に貢献するご提案を積極的に行ってまいります。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 環境経営の推進当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中長期目標を掲げ、目標達成に向けたガバナンス、戦略などについてTCFD提言に基づき公表しております。事業拠点においては、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入を進めており、関東・中部・関西の各地区で太陽光発電設備が稼働しております。これにより、全国3ヶ所の使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーで賄う体制を整備し、2024年7月1日出荷分よりエコトレーのCO2削減効果が30%から37%に上昇いたしました。2025年11月には中部第一工場にも太陽光発電設備の導入を予定しており、さらなる再生可能エネルギーの活用に取り組んでまいります。また、業界のリーディングカンパニーとして、「トレーtoトレー」や「ボトルto透明容器」によるリサイクルの仕組みを軸に、環境負荷の低減を図るエコ製品の開発・販売を推進しております。これらの取り組みにより、使用済み容器のリサイクルを通じた廃棄物の削減と資源の循環利用を実現し、サプライチェーン全体でのCO2排出削減に貢献しております。今後も技術革新や新素材の活用、環境配慮設計を通じて、環境負荷の低い容器の開発と、事業活動に伴う廃棄物の発生抑制・再資源化を一層強化してまいります。 ② 人材の確保と定着当社グループは、事業を継続する上で、優秀な人材の確保・定着が最も重要であると考えております。過去数年間の取り組みとして、退職金制度の見直しやグループ製造会社における各種手当の改定などを行ってまいりました。2024年3月期および2025年3月期には、グループ全体における給与水準を平均5%程度引き上げました。2026年3月期は、平均5%台半ばの水準で引き上げを実施しております。引き続き処遇の改善を通じて人材の確保と定着を図ってまいります。③ 技術革新と製品開発当社グループは、最新鋭の生産設備の導入と更新を行うとともに、製品の軽量化、新機能開発、新素材開発など、総合的な技術革新を推し進め、高品質で高付加価値な製品、機能性を高めた製品等、お客様のニーズに対応した製品を開発しております。④ マーケティングと価値創造の提案当社グループは、テイクアウト・デリバリー市場の定着や冷凍食品市場の拡大など変化を続ける食市場に対し、お客様のニーズや課題を把握し最適な提案を行うとともに、新製品の開発に繋げております。また、CO2削減による環境への取り組みや人手不足に対応した作業生産性向上のための改善提案、流通コストの削減に対して当社グループのもつ物流ネットワークの提供等、小売業界が抱える問題に対しトータルで提案しております。⑤ 供給体制の強化当社グループは、全国を網羅する生産・物流ネットワークやサプライチェーンマネジメントシステムの運用により、安定供給及びトータルコストの最適化を目指しております。関西工場・関西ハブセンターの稼働により、当社拠点配送センターから半径100㎞圏内で主要都市を含む全人口の85%をカバーする生産・物流ネットワークが完成いたしました。また、生産部門における産業用ロボットの導入、物流部門における音声ピッキングシステムの導入、無人搬送車・無人フォークリフトの導入や自動ソーター出荷システムの配置など、省人化を図るとともに生産性を向上させております。⑥ 社会的責任を重視した経営当社グループは、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など基幹業務において、障がいのある人材の活用を進めるとともに、お取引先様を中心に、障がい者雇用を創出するサポートも行っております。また、お客様の事業活動の継続に寄与するため、全国の主要物流22施設すべてに非常用発電設備を設置し、72時間の電力を確保できる体制を整えております。災害などによる停電の際にも物流機能を維持し、食のインフラを支える企業として安定供給に努めております。⑦ 知的財産権の強化当社グループは、製品の独自性・差別化を市場においてより確実なものとするため、特許や実用新案・意匠登録などの申請を進め、知的財産権の取得により企業価値を高めております。⑧ ディーセントワークの推進当社グループは、社員一人ひとりが個々の能力や特性を最大限に発揮してその役割を果たし、やりがいや充実感を持ちながらいきいきと働ける環境を作ることが、企業価値の向上につながる経営課題の一つであると考えております。このような考え方の下、時差出勤制度の導入、5日間の連続有給休暇取得の義務化、時間単位の有給休暇制度導入、定年年齢を60歳から65歳までの間で選択できる選択式定年制度の導入などにより、多様な働き方を支援する取り組みを進めております。さらに、「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を目指すとともに、当社子会社においても「健康経営優良法人(中小企業法人部門)」などの認定に向けて、当社グループ全体で健康への取り組みを強化しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の状況及び分析① 当期の経営成績の概況(売上高・利益の状況) 第4四半期連結会計期間 前第4四半期連結会計期間(2024年1月1日から2024年3月31日まで)当第4四半期連結会計期間(2025年1月1日から2025年3月31日まで)前年同期比増減額増減率売上高513億40百万円540億22百万円26億82百万円105.2% 製品売上高390億30百万円419億23百万円28億92百万円107.4% 商品売上高123億9百万円120億98百万円△2億10百万円98.3%営業利益29億4百万円35億59百万円6億54百万円122.5%経常利益28億99百万円34億61百万円5億61百万円119.4%親会社株主に帰属する四半期純利益20億70百万円23億87百万円3億17百万円115.3% 連結会計年度 前連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)前年同期比増減額増減率売上高2,221億00百万円2,356億28百万円135億28百万円106.1% 製品売上高1,716億53百万円1,807億70百万円91億16百万円105.3% 商品売上高504億46百万円548億58百万円44億11百万円108.7%営業利益164億29百万円184億71百万円20億42百万円112.4%経常利益167億80百万円184億51百万円16億70百万円110.0%親会社株主に帰属する当期純利益117億24百万円124億86百万円7億62百万円106.5% 売上高及び製品売上数量・第4四半期連結会計期間製品売上高は、価格改定効果が反映し、前年同期比107.4%と伸長いたしました。一方で、製品売上数量は前年同期比98.8%、商品売上高は前年同期比98.3%となりました。これらの要因は、物価高によりスーパーマーケットやコンビニエンスストアの販売数量が前年を下回ったほか、当期の稼働日が1日少なかったことによる1.4%の影響であります。加えて、製品売上数量においては、人手不足を背景とした省人化・効率化ニーズに応える製品として、本体・蓋一体型のかん合容器への切り替えが進んだ影響が0.6%ありました。これらを考慮すると、調整後の製品売上数量は100.8%に相当いたします。・連結会計年度製品売上高は、計画通りの前年同期比105.3%となりました。主な要因は、価格改定効果の反映と販売数量の増加等によるものです。商品売上高はアペックスのM&A効果の寄与もあり、順調に推移しております。その結果、売上高は過去最高を更新いたしました。また、製品売上数量は前年同期比で101.2%となり、うちエコ製品(エコトレー、エコAPET、エコOPET)については106.2%と引き続き堅調に推移しております。なお、コロナ前である2020年3月期比の製品売上数量は110.1%、2020年3月期からの年平均成長率は1.9%と伸長しております。 経常利益増減の主な要因・第4四半期連結会計期間川上メーカーによるユーティリティコストの転嫁を含む原材料価格や物流費の上昇が先行する中、価格改定効果の反映により、前年同期比で5億61百万円の増益となりました。・連結会計年度経常利益は184億51百万円となり、前年同期比で16億70百万円の増益となりました。主な増加要因としては、販売活動において、価格改定効果の反映に加え、軽量化製品・エコ製品の堅調な販売により、71億20百万円のプラスとなりました。一方、減少要因として、川上メーカーによるユーティリティコストの転嫁を含む原材料価格の上昇影響が33億円、物流費の増加が11億70百万円、経費の増加が10億80百万円、そのうちエフピコフェアの開催時期変更による影響が3億10百万円となりました。また、計画比では4億51百万円のプラスとなりました。その主な要因は、ユーティリティコストの上昇に対して、調達先との交渉を通してコスト抑制に努めたことによります。なお、経常利益率については上期5.7%、下期9.9%と収益性が改善するとともに、全ての段階損益において下期は過去最高となりました。 (営業活動の状況)原材料価格の高騰が続く中、当社グループはプラスチック使用量の削減を積極的に推進しております。製品の軽量化を追求し、原価の低減を図ることで、お客様の仕入れ価格上昇を抑える提案を行うと同時に、収益性の高い戦略製品として販売を拡大しております。汎用惣菜容器においては、自動蓋閉め機に対応可能な強度を確保しながら、従来製品と比較して平均約10.3%軽量化した新製品を開発し、市場に投入しております。この新製品への切り替えにより、年間680トンのプラスチック使用量の削減を見込んでおります。エコ製品については、環境意識の高まりを背景に、需要が着実に増加しております。スーパーマーケットとの協働による「ストアtoストア」は、2025年5月末現在で112社・3,200店舗を超える規模へと拡大いたしました。この取り組みを通じて、原材料高騰局面において相対的に価格優位性を持つリサイクル原料を安定的に確保するとともに、循環型社会の実現に向けた取り組みを加速しております。これらの結果、エコ製品の販売は拡大し、2025年3月期のエコ製品の売上構成比は51%(枚数ベース)となりました。また、急速に進行する人手不足に対応するため、自動化・機械化に適した製品開発を推進しております。加えて、食材価格の高騰に対して細かな量目調整に対応できるよう容器サイズのラインナップ拡充を図り、お客様の多様なニーズに対応してまいります。 (生産部門の状況)自動化については、主要工場に無人搬送車や産業用ロボットを導入し、省人化・省力化を推進しております。さらに、従来より幅広い製品に対応可能な小型の箱詰めロボットの試験導入を進めており、一層の自動化と生産効率の向上を目指しております。また、サプライチェーン・マネジメント(SCM)の精度を向上させ、需要に応じた現地生産をさらに推進することで、茨城と広島間の製品移動を前年同期比53.5%削減(2024年4月~2025年3月)いたしました。 (物流部門の状況)物流の「2024年問題」に対しては、物流部門にとどまらず、生産や販売部門を含むグループ全体で対応を進めております。関西ハブセンターの稼働により、半径100km圏内で全人口の85%をカバーする物流ネットワークが完成し、効率的な物流体制が確立されました。これにより、拘束時間が13時間を超えるトラック台数がゼロとなりました。また、ソーターや専用パレットの活用、入出荷場所の集約を通じて、荷待ちや積込み時間が2時間を超えるトラック台数も大幅に削減しております。 (海外事業の状況)持分法適用関連会社であるLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア、以下「LSSPI」)については、成形機や押出機などの設備投資や金型をはじめとする製品開発技術の強化、ならびに在庫管理システムや生産管理システムの導入により生産性の向上を図っております。人口増加と所得水準の向上を背景に食品容器の需要拡大が見込まれる中、まずはマレーシア国内におけるシェアの拡大に注力しており、LSSPI個社として利益を確保しております。同時に、当社顧客の海外展開に協働で対応することで、マレーシア国外での販売も伸長しております。(新素材開発の状況)2024年4月に開発成功と公表した超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート(以下「新OPPシート」)および新OPP積層プレートについては、同年11月に新OPPシート製造装置を発注いたしました。2027年後半の稼働開始を目標に、茨城県坂東市に新工場の建設を検討しております。これらの新素材は、従来にはない優れた耐熱性、耐寒性、耐油性に加え、極低温から高温までの幅広い温度域で優れた剛性と耐衝撃性を発揮する、高い物性バランスを備えております。さらに、新OPP積層プレートについては、軽量でありながら高剛性、耐衝撃性、高靭性を備え、高い透明性を保持できることから加飾性にも優れております。これらの素材特性により、土木建設資材、住設、家電、太陽電池、自動車等、幅広い産業分野への展開が可能です。現在、各分野において高付加価値素材としての用途開発を積極的に推進しております。また、主素材がポリプロピレンであることから、特にモビリティ分野においては、モノマテリアル化によるリサイクル性の向上に貢献いたします。さらに、高剛性と耐衝撃性を活用することでプラスチック使用量の削減にも寄与し、環境適性に優れた高機能材料として新たな市場を開拓してまいります。 (循環型のサステナブルな社会の実現に向けた取り組み)(a) リサイクルの推進当社グループは、1990年に使用済み容器の回収を始めて以来、エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」を推進しており、その回収拠点は2025年3月末時点で11,000拠点に達しております。また、2012年からは、使用済みPETボトルをサラダ容器などの透明容器に生まれ変わらせる「ボトルto透明容器」にも取り組んでおります。近年では、スーパーマーケットとの協働によるリサイクル「ストアtoストア」を強化するとともに、小学校をはじめとする出前授業や講演を通じて、地域や消費者との積極的なコミュニケーションを図り、リサイクルの啓発に努めることで、トレー及びPETボトルの回収量の確保に努めております。これらの取り組みの結果、使用済み容器の回収量は前年同期比104.5%となり、循環型社会の実現に向けた具体的な成果が表れております。世界で唯一、自社でトレーをリサイクルし、再びトレーをつくる会社として、今後も容器の機能性とサステナビリティの両立を追求し、持続可能な社会の構築を進めてまいります。 (b) 気候変動問題への取り組み当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、中長期目標を「中・長期環境計画 FPEA2.0」として策定し、TCFD提言に基づき公表しております。当該計画においては、エコ製品の製造・販売を通じたCO2削減貢献量が、当社グループの事業活動におけるCO2排出量を上回る目標を掲げており、2024年3月期にその目標を1年前倒しで達成いたしました。(※1)太陽光発電設備の稼働により、全国3ヶ所のリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーで賄っているほか、2025年11月には中部第一工場にも太陽光発電設備を導入予定です。引き続き、CO2削減効果を持つエコ製品の販売拡大に加え、再生可能エネルギーの活用や省エネ設備の導入を推進することで、サプライチェーン全体でのCO2排出削減に取り組んでまいります。 (※1)エコ製品によるCO2削減への貢献 (c) 各種リサイクル手法及び代替素材の研究開発当社グループは、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルの実現を目指し、2020年11月にDIC株式会社(本社:東京都中央区、以下「DIC」)と取り組みを開始いたしました。この取り組みは、従来日用品雑貨等にリサイクルされていた色柄付き発泡ポリスチレン容器を、当社製品として再生する水平リサイクルを目指すものです。2024年11月には、DIC四日市工場において溶解分離リサイクルの稼働が開始されました。これにより、エコ原料の供給量が増加することで、エコトレーの販売数量を約30%増加させることを目指します。今後は、マテリアルリサイクルによるリサイクル量を増やしながら、並行してケミカルリサイクルの2026年の設備稼働を目標とした技術開発を進め、完全循環型リサイクルの実現に引き続き取り組んでまいります。(ESG・SDGsへの取り組み)障がいのある人材の活用については、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など基幹業務に従事しており、エフピコグループの障がい者雇用率は、2025年3月時点で12.6%となりました。社員の健康推進については、健康のためのあらゆる取り組みや情報発信を行う「職場で健康プロジェクト」の実施や職場環境の整備に努めることで、当社は「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に4年連続で認定されております。今後は、当社子会社においても「健康経営優良法人」の認定を目指して、取り組みを強化してまいります。ESGの評価については、FTSE Russell社の「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」、MSCI社の「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄へ継続して選定されております。 (今後の見通し)2026年3月期 連結業績予想 前期実績(2024年4月1日から2025年3月31日まで)当期計画(2025年4月1日から2026年3月31日まで)前年同期比増減額増減率売上高2,356億28百万円2,453億00百万円96億71百万円104.1% 製品売上高1,807億70百万円1,890億00百万円82億29百万円104.6% 商品売上高548億58百万円563億00百万円14億41百万円102.6%営業利益184億71百万円197億90百万円13億18百万円107.1%経常利益184億51百万円196億00百万円11億48百万円106.2%親会社株主に帰属する当期純利益124億86百万円131億70百万円6億83百万円105.5%上記の見通しについては、当社グループが現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、今後、様々な要因によって業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。販売面については、エコ製品およびプラスチック使用量を削減した製品の一層の需要増加を見込んでおります。人手不足を背景に、弁当や惣菜の生産が店舗からプロセスセンターやセントラルキッチンへと集約される動きが強まる中、軽量化と強度の両立を実現した自動化・機械化に対応した製品開発を推進しております。加えて、今後の拡大を目指す冷凍食品市場や病院介護食市場においても、こうした省人化・効率化ニーズへの対応を踏まえた製品提案を強化し、引き続き積極的な販売拡大に取り組んでまいります。2025年4月には株式会社前橋包装(本社:群馬県前橋市)の食品包装資材卸売事業を当社の連結子会社であるエフピコインターパック株式会社(本社:千葉県千葉市)が譲受いたしました。後継者不足を背景に業界再編が進む中、当社グループのインフラを活用することで、M&Aを含めた包材問屋との連携を進め、コスト削減や経営効率の改善を図るとともに、既存のお客様へのサービスを向上させてまいります。これらの価値創造提案や新マーケット創出に加え、リサイクル技術の研究開発、M&Aなどを通じて、持続的な成長を目指してまいります。(用語説明)エコトレー:スーパーマーケットの店頭などから回収されたポリスチレン容器と工場内端材を原料とするリサイクル発泡ポリスチレン容器(1992年販売開始)エコAPET:スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET透明容器(2012年販売開始) 耐熱温度+60℃エコOPET:エコAPETと同じ原料を使用する2軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET透明容器(2016年販売開始) 耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの2軸延伸ポリスチレンシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現耐熱温度+80℃ストアtoストア:お店で使用・販売した食品トレーやPETボトルをそのお店で資源として回収し、当社が食品トレーや透明容器に生まれ変わらせ、その食品トレーや透明容器を再びそのお店で積極的に使用する、お店を発着点としたリサイクル新OPPシート:ポリプロプレンシートを縦方向と横方向の2軸に同時延伸することで、優れた透明性や耐寒性、耐熱性、高剛性を実現した、厚さ150ミクロンから300ミクロンの超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート 2024年4月に開発成功新OPP積層プレート:新OPPシートを熱融着により積層加工した、厚さ1ミリから3ミリ程度の超高剛性プレート 高い剛性と耐衝撃性、高靭性に富み、高い透明性を保持できることから加飾性に優れる 2024年4月に開発成功溶解分離リサイクル:マテリアルリサイクルにより生産された黒色ポリスチレンペレットを溶解、脱色したうえで、食品容器向けの再生ポリスチレン原料を生産する手法 DICが開発した世界初の技術 (2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (3) 財政状態の状況及び分析当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて63億54百万円減少し、2,922億26百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少46億86百万円、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったことなどによる受取手形及び売掛金の減少46億94百万円であります。負債合計は、前連結会計年度末に比べて146億23百万円減少し、1,381億11百万円となりました。主な増減は、返済などによる借入金(短期借入金及び長期借入金)の減少123億34百万円、未払消費税等の減少29億63百万円であります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べて82億69百万円増加し、1,541億14百万円となりました。主な増減は、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加124億86百万円及び剰余金の配当による減少46億7百万円であります。(4) キャッシュ・フローの状況及び分析① キャッシュ・フローの状況及び分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より50億79百万円減少しましたが、連結子会社の決算期変更に伴う増加3億93百万円がありましたので、190億20百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は、279億19百万円(前期に比べ12億56百万円の減少)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益182億86百万円、減価償却費147億51百万円、売上債権の減少48億84百万円による資金の増加、他方、棚卸資産の増加27億39百万円、未払消費税等の減少32億52百万円、法人税等の支払額51億91百万円による資金の減少によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により支出した資金は、149億29百万円(前期に比べ42億17百万円の支出増加)となりました。 これは主に、生産設備等の有形固定資産の取得による支出148億28百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により支出した資金は、180億70百万円(前期に比べ10億56百万円の支出増加)となりました。 これは主に、長期借入れによる収入20億円、長期借入金の返済による支出142億74百万円、リース債務の返済による支出10億96百万円及び配当金の支払額46億5百万円によるものであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性1)経営資源の配分に関する考え方 当社グループは財務健全性と資本効率のバランスを考慮し経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。 営業活動により獲得した資金の配分のうち設備投資に関しては、中長期的な成長に向けた高付加価値製品の供給体制を維持、構築するために毎期200~250億円の設備投資を継続してまいります。 株主還元については、継続的かつ安定的な配当を実施していくことが経営の最重要課題の一つと考えており、連結ベースでの配当性向は40%を目途に原則として減配せず、累進配当を実施しております。2)資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では製品原材料の購入費用及び電力料、修繕費、消耗品費など製造経費のほか、仕入販売する商品の購入費用、運搬及び保管費、人件費などの販売費及び一般管理費であります。 また、投資活動に係る資金支出は、環境に配慮した高付加価値製品の供給体制構築に必要な成長投資のほか、既存の生産設備や物流施設の維持更新及び自動化による効率改善を目的としたものであります。3)資金調達 当社グループの主たる財源は、営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入れ及びコマーシャル・ペーパーの発行によるものであります。 子会社の資金調達については、原則として親会社からのグループファイナンスに一元化する運用を行っております。その結果、連結ベースでの資金コストを低減するとともに、効率的な資金運用を実現しております。 また、資金の流動性については、現金及び預金に加え、機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため総額100億円のコミットメントライン契約を有しております。(5) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績 製品別生産実績品目生産高(百万円)前年同期比(%)製品 トレー容器27,878113.6% 弁当・惣菜容器72,891110.9% その他製品1,66671.4%合計102,435110.6% (注)1 生産高は、主として生産数量に見積り製造原価(単価)を乗じて算定しておりますが、その他製品の一部については、販売価格によっております。2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。製品・商品仕入実績品目仕入高(百万円)前年同期比(%)製品 トレー容器2,523118.7% 弁当・惣菜容器19,079110.9% その他製品1,779123.9%小計23,382112.6%商品 包装資材41,705109.8% その他商品2,174104.9%小計43,879109.5%合計67,262110.6% (注) 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。 ② 受注実績 当社グループは、主として需要見込による生産方式のため、受注状況については特記すべき事項はありません。 ③ 販売実績品目販売高(百万円)前年同期比(%)製品 トレー容器44,497106.1% 弁当・惣菜容器132,817105.5% その他製品3,45591.1%小計180,770105.3%商品 包装資材52,802109.9% その他商品2,05585.2%小計54,858108.7%合計235,628106.1% (注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。