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リンテック(7966)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他製品 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    リンテックグループは、印刷材・産業工材、電子・光学、洋紙・加工材の3つの主要事業を展開しています。これにより、特定の産業に依存することなく、幅広い市場から収益を得るビジネスモデルを構築しています。例えば、シール・ラベル用粘着製品から半導体関連テープ、特殊機能紙まで多岐にわたる製品を提供しています。
  • グローバルな製造・販売網
    国内外に多数の子会社や関連会社を持ち、製品の製造・加工から販売、物流、原材料・技術供給までを一貫して行っています。特に海外売上高比率が63.9%と高く、世界中の顧客に製品を供給することで、地域分散された収益基盤を確立しています。
  • 固有技術の応用と融合
    粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、特殊紙・剥離材製造技術という4つの独自技術を基盤としています。これらの技術を組み合わせることで、他社との差別化を図り、高付加価値な製品を生み出し、競争優位性を維持しながら収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 印刷材・産業工材関連事業
    この事業は、シール・ラベル用粘着製品、自動車用粘着製品、ウインドーフィルム、屋外看板・広告用フィルムなど、幅広い製品を製造・販売しています。売上高は1846.47億円、営業利益は54.62億円と、グループ内で最も大きな売上規模を持つ事業です。北米やアジアでの拡販、環境対応製品の開発、ウインドーフィルムの高機能化に注力しています。
  • 電子・光学関連事業
    半導体関連粘着テープ、半導体関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープ、光学ディスプレイ関連粘着製品などを手掛けています。売上高は963.12億円ですが、営業利益は185.05億円と、グループ内で最も高い収益性を誇る稼ぎ頭の事業です。エレクトロニクス市場の成長に対応するための設備投資や、先進半導体後工程における新技術開発に力を入れています。
  • 洋紙・加工材関連事業
    カラー封筒用紙、色画用紙、特殊機能紙、高級印刷用紙、粘着製品用剥離紙、光学関連製品用剥離フィルムなどを製造・販売しています。売上高は350.19億円、営業利益は5.35億円と、他の事業に比べて規模は小さいですが、特定のニッチ市場で重要な役割を担っています。環境負荷の低い製品開発や、リサイクル適性の向上に貢献する素材の提供も進めています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PublishingMaterialAndIndustrialMaterial 地域 1,846 55 3.0%
ElectronicAndOpticsRelated 事業 963 185 19.2%
PaperAndWorkTimber 事業 350 5 1.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,206 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社43社、関連会社3社、その他の関係会社1社およびその他の関係会社の子会社1社で構成され、「印刷材・産業工材関連」、「電子・光学関連」、「洋紙・加工材関連」の各事業に関する製品の製造・加工・販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する物流および原材料・製品・技術の供給等の事業展開をしております。当社グループの事業における位置付けは次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 (1)印刷材・産業工材関連当事業においては、シール・ラベル用粘着製品、ラベリングマシン、自動車用粘着製品、工業用粘着テープ、ウインドーフィルム、屋外看板・広告用フィルム、内装用化粧フィルムなどの製造・販売をしております。(主要な関係会社)・当社・PT MULTIYASA SWADAYA・リンテックコマース株式会社・LINTEC SINGAPORE PRIVATE LIMITED・リンテックサインシステム株式会社・LINTEC PHILIPPINES (PEZA), INC.・湘南リンテック加工株式会社・LINTEC (THAILAND) CO., LTD.・MADICO, INC. ほか1社・LINTEC VIETNAM CO., LTD.・LINTEC OF AMERICA, INC.・LINTEC HANOI VIETNAM CO., LTD.・LINTEC EUROPE B.V.・LINTEC INDIA PRIVATE LIMITED・琳得科(蘇州)科技有限公司・LINTEC KUALA LUMPUR SDN.BHD.・普林特科(天津)標簽有限公司・VDI, LLC・LINTEC HI-TECH(TAIWAN), INC.・MACTAC AMERICAS, LLC ほか3社・PT. LINTEC INDONESIA・LINTEC EUROPE (UK) LIMITED・PT. LINTEC JAKARTA (2)電子・光学関連当事業においては、半導体関連粘着テープ、半導体関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープ、光学ディスプレイ関連粘着製品などの製造・販売をしております。(主要な関係会社)・当社・LINTEC SINGAPORE PRIVATE LIMITED・LINTEC OF AMERICA, INC.・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(SINGAPORE) PRIVATE LIMITED・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(EUROPE)GMBH・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(PHILIPPINES), INC.・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(SHANGHAI), INC.・LINTEC INDUSTRIES(MALAYSIA) SDN.BHD.・LINTEC SPECIALITY FILMS(TAIWAN), INC.・LINTEC INDUSTRIES(SARAWAK) SDN.BHD.・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(TAIWAN), INC.・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(MALAYSIA) SDN.BHD.・LINTEC KOREA, INC.・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(VIETNAM) CO., LTD・LINTEC ADVANCED TECHNOLOGIES(KOREA), INC. (3)洋紙・加工材関連当事業においては、カラー封筒用紙、色画用紙、特殊機能紙、高級印刷用紙、建材用紙、粘着製品用剥離紙、光学関連製品用剥離フィルム、合成皮革用工程紙、炭素繊維複合材料用工程紙などの製造・販売をしております。(主要な関係会社)・当社・琳得科(蘇州)科技有限公司・湘南リンテック加工株式会社・LINTEC (THAILAND) CO., LTD.・LINTEC EUROPE B.V. また、LINTEC USA HOLDING,INC.(連結子会社)は、米国を中心に事業を統括することを目的とした地域統括会社であり、LINTEC ASIA PACIFIC REGIONAL HEADQUARTERS PRIVATE LIMITED(連結子会社)は、ASEAN地域およびインドなどにおける事業を統括することを目的とした地域統括会社であります。MACTAC AMERICAS, LLCは持株会社であり、傘下に以下3社の連結子会社を所有しております。なお、同連結子会社はMACTAC AMERICAS, LLCにより運営されております。MORGAN ADHESIVES COMPANY, LLC(米国)MACTAC CANADA LTD.(カナダ)MACTAC MEXICO, S.A. DE C.V.(メキシコ)このほか、当社は東京リンテック加工株式会社(非連結子会社)他へ外注加工、請負作業、運送・製品管理を委託しているほか、日本製紙株式会社(その他の関係会社)、日本紙通商株式会社(その他の関係会社の子会社)他へ当社製品を販売し、また、同会社から原材料等の仕入をしております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内外において厳しい競合状態にあり、十分な利益を確保する販売単価の維持が困難な場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、特殊紙・剥離材製造技術を基盤とした製品開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済情勢、市場環境の変動リスク / 販売価格の変動リスク / 原材料等価格の変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

リンテックは、粘着技術を核とした高機能製品群を持つが、特定の強力なブランドや特許による独占的な地位は限定的。一部製品で技術的優位性はあるものの、広範な無形資産による競争優位性はまだ発展途上と言える。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造プロセス用テープやディスプレイ用光学フィルムなど、顧客の製造ラインに組み込まれる製品が多く、仕様変更にはコストと時間がかかる。特に、高度な品質管理が求められる分野では、サプライヤー変更のハードルは高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

リンテックの事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す性質のものではない。製品の価値は個々の性能や品質に依存し、ユーザー数の増加によって価値が増幅するような構造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

製造プロセスの効率化や材料調達の最適化を進めているが、競合他社も同様の努力を行っており、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。一部製品で規模の経済によるコスト削減の可能性はある。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

粘着製品分野では一定の市場シェアを持つが、グローバルな大手化学メーカーと比較すると、規模の面で劣る部分がある。ただし、特定のニッチ市場においては、効率的な規模を活かせる可能性も秘めている。

  • 多様な固有技術
    粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、特殊紙・剥離材製造技術という独自の4つの技術を保有しています。これらの技術を組み合わせることで、他社には真似できないユニークな製品を開発し、市場での競争力を高めています。これにより、顧客の多様なニーズに応えることが可能です。
  • グローバルな事業基盤
    子会社43社、関連会社3社を擁し、世界各地で生産・販売活動を展開しています。特に海外売上高比率が63.9%と高く、地域統括会社を通じて各地域の市場ニーズにきめ細かく対応できる体制を構築しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、安定的な収益確保に繋がっています。
  • 研究開発への注力
    市場ニーズに対応した競争力のある高付加価値製品を開発するため、研究スタッフの増員や産学共同研究に積極的に投資しています。これにより、常に新しい技術や製品を生み出すことで、市場の変化に対応し、持続的な成長を目指しています。例えば、半導体後工程における新たなテープや装置の開発などが挙げられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • イノベーションによる企業体質強化
    長期ビジョン「LSV 2030」の基本方針として、イノベーションを通じて企業体質を強靭化することを目指しています。具体的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)による設計・開発・製造・物流・業務プロセスの変革や、新規生産設備の導入による省エネ・高品質・高効率化を進め、コスト競争力の強化を図ります。
  • 持続的成長に向けた新製品・新事業創出
    サステナブルな社会の実現に貢献するため、技術革新による新製品・新事業の創出を重点テーマとしています。戦略的な投資やM&A(企業の合併・買収)を積極的に行い、さらなるグローバルプレーヤーへの飛躍を目指しています。例えば、先進半導体後工程における新たなテープや装置の開発、車載用OCAなどの新製品開発に注力しています。
  • 資本効率と株主還元意識の経営
    資本コストや株価を意識した経営を推進し、PBR(株価純資産倍率)1倍超えの継続を目指しています。長期ビジョンの経営目標達成に加え、成長投資と株主還元を重視したキャッシュアロケーション方針を掲げ、積極的な株主との対話やIR活動を通じて企業価値の向上を図ります。これにより、投資家からの信頼を高め、持続的な成長を支える基盤を強化します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】Ⅰ 会社の経営の基本方針当社グループの経営理念は、社名の「リンテック」すなわち"リンケージ(結合)"と"テクノロジー"、および社是「至誠と創造」に裏付けされる人の和、技術開発力を基軸とし、国内・海外の業界において、誰からも信頼される力強い躍動感あふれる会社として社会に貢献し、株主各位・顧客・社員家族の期待に応える斬新な経営を推進するというものであります。当社グループは、粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、並びに特殊紙・剥離材製造技術という四つの固有技術を基盤とし、さらにそれらを高次元で融合させることによって、より差別化された独自性の高い製品創りを進めてまいります。また、高い倫理観の下、CSRの精神を徹底し、社会から信頼される会社たるべく邁進してまいります。 Ⅱ 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題 当社グループは2030年3月期を最終年度とする長期ビジョン「LINTEC SUSTAINABILITY VISION 2030」(略称:LSV 2030)を掲げ、基本方針を「イノベーションによる企業体質の強靭化と持続的成長に向けた新製品・新事業の創出を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献する」とし、「社会的課題の解決」、「イノベーションによる企業体質の強靭化」、「持続的成長に向けた新製品・新事業の創出」の三つの重点テーマに対する諸施策を、長期ビジョンの実現に向けたマイルストーンと位置づけ、3か年ごとの中期経営計画を策定し、推進しています。 最初の中期経営計画「LSV 2030-Stage 1」の初年度においては、当初掲げた最終年度の経営目標を前倒しで達成したことから、最終年度の経営目標を上方修正しました。しかしながら、2年目については、電子・光学関連製品や他の製品において急激な受注減少があったほか、原燃料価格や物流費の高騰影響を大きく受けたことで、収益面では厳しい結果となりました。最終年度の3年目においては、価格改定や円安効果に加え、第3四半期以降、半導体・電子部品関連製品やシール・ラベル用粘着製品を中心に受注は回復傾向にあったものの、上期の不振をカバーするまでには至らず、極めて厳しい結果となりました。 2024年4月からは、「LSV 2030」の2期目の3か年となる「LSV 2030-Stage 2」がスタートしました。その初年度においては、半導体・電子部品関連製品が好調な需要に支えられ大幅に増加したことに加え、米国においてシール・ラベル用粘着製品の販売数量が回復したことなどもあり増収増益となりました。さらに2年目にあたる2026年3月期においても、引き続き、半導体・電子部品関連製品が好調に推移したことなどにより、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益が過去最高となりました。しかしながら、今後も、地政学リスクの高まりや原燃料や輸送コストの上昇などにより、当社グループを取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況が続くと予想されます。そのような中、当社グループが持続的な成長を遂げていくために、「LSV 2030」の三つの重点テーマに対する取り組みを一層強化してまいります。 また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、長期ビジョンの重点テーマおよび新中期経営計画「LSV 2030-Stage 2」の経営目標の着実な達成、成長投資ならびに株主還元を主眼においたキャッシュアロケーション方針、積極的な株主との対話やIR活動の推進などを着実に実行することで、企業価値の向上と継続的なPBR1倍超えを目指してまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ≪長期ビジョンの概要≫Ⅰ.名 称 「LINTEC SUSTAINABILITY VISION 2030」(略称:LSV 2030)Ⅱ.基本方針 イノベーションによる企業体質の強靭化と持続的成長に向けた新製品・新事業の創出を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献するⅢ.重点テーマ 1.社会的課題の解決(1) 環境 … 脱炭素社会・循環型社会の実現への貢献 など(2) 社会 … 人権の尊重、ステークホルダーへの情報開示とコミュニケーション強化 など(3) ガバナンス … コーポレートガバナンスの強化、取締役会の実効性のさらなる向上 など(4) 事業活動を通じたSDGs達成への貢献2.イノベーションによる企業体質の強靭化(1) DXによる設計・開発・製造・物流・業務プロセスの変革(2) ビルド&スクラップによる省エネ、高品質、高効率、省人化を目的とした新規生産設備の導入(3) 生産プロセス革新によるコスト競争力の強化(4) 低成長・不採算事業の構造改革とグループ会社の経営健全化(5) 強固な財務基盤の維持と資本効率の向上 3.持続的成長に向けた新製品・新事業の創出(1) 技術革新による新製品・新事業の創出(2) 戦略的投資の拡大と機動的M&A(3) さらなるグローバルプレーヤーへの飛躍(4) ローカリゼーションの確立Ⅳ.2030年3月期 財務指標 ■売上高営業利益率12%以上■ROE(自己資本当期純利益率)10%以上 ≪中期経営計画の概要≫Ⅰ.名称/期間 「LSV 2030 - Stage 2」/2024年4月~2027年3月Ⅱ.各事業セグメントの主な取り組み ■印刷材・産業工材関連北米やアジアでの拡販と収益向上地球環境との共生と循環型社会の実現に向けた取り組みウインドーフィルムのさらなる高機能化と拡販労働力不足の解決や生産効率の向上に貢献する新製品の開発やシステムの拡販 など(印刷情報材事業部門)2027年3月期は、日本市場でのシェアの維持・拡大および新たな市場創出に向けた取り組みを強化します。地域性を踏まえた販売戦略の策定とその実践を通じた販促活動などで、さらなるシェア拡大につなげます。海外市場においては、新分野の開拓に努めるほか、戦略製品の投入や原材料調達の工夫などにより域内販売の拡大を目指します。市場では、循環型社会の実現に貢献するリユース性やリサイクル性に優れた製品ニーズがより一層高まることが予想されます。環境配慮製品の開発スピードを速めるほか、モノマテリアル化を実現したラベル素材など、付加価値の高い環境配慮製品を訴求して需要創出を図ります。(産業工材事業部門)2027年3月期は、部門方針に「満足度向上を目的とし、法令を遵守した事業活動を通じ、常に高品質な製品とサービスを提供し、信頼される事業部門となる」を掲げました。前期に掲げた品質重視の姿勢を今期も引き継ぐとともに、主力のウインドーフィルムなどの分野における新製品や新たなサービスの創出・提供を目指して活動します。具体的には、営業部と営業推進部、国内外グループ会社が連携した組織横断的なモノづくりにより市場競争力の強化を図ります。お客様や市場のニーズが急速に変化する中、当社に求められる製品やサービスを的確に把握して迅速な製品開発につなげると同時に、既存製品の拡販や市場拡大に向けた活動も強化していきます。 ■電子・光学関連エレクトロニクス市場の成長に向けた継続的な設備投資と需要対応先進半導体後工程におけるパッケージング技術に関わる新たなテープや装置、独自プロセスの開発EUV露光機用CNTペリクル量産体制の確立車載用OCA(Optical Clear Adhesive)などの新製品の開発と拡販光拡散フィルムの開発 など(アドバンストマテリアルズ事業部門)2027年3月期は、高性能半導体であるHBMやAI向けデータセンター用に旺盛な需要が継続すると予測しており、半導体関連粘着テープ・装置、積層セラミックコンデンサ関連テープの販売増加を見込んでいます。原材料調達の安定化や生産体制の強化などを着実に進めることで、需要増に応えられる供給体制の確立に努めます。また、地政学リスクや新たな環境対応といった諸課題に真摯に対応するとともに、先端半導体パッケージングなど技術革新の動向を的確に捉えることで、今後もお客様から当社製品が選ばれ続けることを目指します。量産化を推進しているEUV露光機用CNTペリクルにおいては、当部門の新しい事業の柱とするべく、販売体制の整備を進めていきます。(オプティカル材事業部門)2027年3月期は、当社の精密塗工技術を生かした光学機能性材料「Opteria」シリーズの拡販を目指します。とりわけ電子ペーパー向けハイバリアフィルム、有機ELディスプレイ用光拡散フィルム、有機溶剤を使用しないOCA、防眩・低反射フィルムの拡販を重点項目として計画しています。また、主力製品である光学用ノンキャリア事業においては、原材料コストの上昇などを背景とした有機ELディスプレイの減産動向が懸念材料であり、その対応として生産体制の見直しやコスト競争力向上などの取り組みを継続します。さらに、その他の用途も開拓して、国内外で販売数量増加を目指します。 ■洋紙・加工材関連耐油紙のさらなる用途展開プラスチック代替高機能紙の開発・拡販合成皮革用工程紙の海外展開強化炭素繊維複合材料用工程紙の拡販 など(洋紙事業部門)2027年3月期は、「収益性の改善」「販売数量のアップ」「新製品の創出」を部門方針として取り組みます。利益の改善に向けては価格改定の実施や在庫の適正化などに努め、販売数量のアップについてもニーズの高い非フッ素耐油紙の原価低減と品質向上によってフッ素耐油紙からの完全切り替えを目指します。また、成長産業での新規顧客獲得に向けた営業活動などを強化します。新製品の創出では、加工材事業部門の設備を生かして高付加価値製品の創出を図るほか、研究所や工場との連携をさらに強化することで、スピード感のある新規開発テーマの検討や確立につなげていきます。(加工材事業部門)2027年3月期は、前期に引き続き不透明な市場環境が予想されますが、事業基盤の強化を図るべく「販売数量向上」「営業利益向上」「環境対応」「組織の強靭化」の4点を重点項目として取り組みます。剥離フィルムの生産体制を強化するほか、2025年9月に小松島工場(徳島県)で稼働した新規塗工設備などを活用して、競争力のある合成皮革用工程紙や炭素繊維複合材料用工程紙の海外への拡販を図ります。環境対応では、剥離紙の製造時に有機溶剤を使用しない「無溶剤化」を積極的に推進します。お客様や社会のニーズに対応した各種対応を強化していきます。 ◆当社のESGおよびSDGsに関する取り組みについて◆ 当社は長期ビジョン「LSV 2030」で掲げた重点テーマ「社会的課題の解決」において、ESG(環境・社会・ガバナンス)およびSDGsに関する取り組み課題として、次の項目を設定しております。 当社グループ全社員による取り組みを一層加速し、国際社会の課題解決に貢献することのできる企業グループを目指してまいります。また、マテリアリティ(重点課題)については毎年見直しを行っており、「サステナビリティレポート」および「統合報告書」並びに当社ウェブサイトにて開示しております。 当社はこれからも、社是「至誠と創造」の下、各項目に対して積極的に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】Ⅰ 会社の経営の基本方針当社グループの経営理念は、社名の「リンテック」すなわち"リンケージ(結合)"と"テクノロジー"、および社是「至誠と創造」に裏付けされる人の和、技術開発力を基軸とし、国内・海外の業界において、誰からも信頼される力強い躍動感あふれる会社として社会に貢献し、株主各位・顧客・社員家族の期待に応える斬新な経営を推進するというものであります。当社グループは、粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、並びに特殊紙・剥離材製造技術という四つの固有技術を基盤とし、さらにそれらを高次元で融合させることによって、より差別化された独自性の高い製品創りを進めてまいります。また、高い倫理観の下、CSRの精神を徹底し、社会から信頼される会社たるべく邁進してまいります。 Ⅱ 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題 当社グループは2030年3月期を最終年度とする長期ビジョン「LINTEC SUSTAINABILITY VISION 2030」(略称:LSV 2030)を掲げ、基本方針を「イノベーションによる企業体質の強靭化と持続的成長に向けた新製品・新事業の創出を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献する」とし、「社会的課題の解決」、「イノベーションによる企業体質の強靭化」、「持続的成長に向けた新製品・新事業の創出」の三つの重点テーマに対する諸施策を、長期ビジョンの実現に向けたマイルストーンと位置づけ、3か年ごとの中期経営計画を策定し、推進しています。 最初の中期経営計画「LSV 2030-Stage 1」の初年度においては、当初掲げた最終年度の経営目標を前倒しで達成したことから、最終年度の経営目標を上方修正しました。しかしながら、2年目については、電子・光学関連製品や他の製品において急激な受注減少があったほか、原燃料価格や物流費の高騰影響を大きく受けたことで、収益面では厳しい結果となりました。最終年度の3年目においては、価格改定や円安効果に加え、第3四半期以降、半導体・電子部品関連製品やシール・ラベル用粘着製品を中心に受注は回復傾向にあったものの、上期の不振をカバーするまでには至らず、極めて厳しい結果となりました。 2024年4月からは、「LSV 2030」の2期目の3か年となる「LSV 2030-Stage 2」がスタートしました。その初年度においては、半導体・電子部品関連製品が好調な需要に支えられ大幅に増加したことに加え、米国においてシール・ラベル用粘着製品の販売数量が回復したことなどもあり増収増益となりました。さらに2年目にあたる2026年3月期においても、引き続き、半導体・電子部品関連製品が好調に推移したことなどにより、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益が過去最高となりました。しかしながら、今後も、地政学リスクの高まりや原燃料や輸送コストの上昇などにより、当社グループを取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況が続くと予想されます。そのような中、当社グループが持続的な成長を遂げていくために、「LSV 2030」の三つの重点テーマに対する取り組みを一層強化してまいります。 また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、長期ビジョンの重点テーマおよび新中期経営計画「LSV 2030-Stage 2」の経営目標の着実な達成、成長投資ならびに株主還元を主眼においたキャッシュアロケーション方針、積極的な株主との対話やIR活動の推進などを着実に実行することで、企業価値の向上と継続的なPBR1倍超えを目指してまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ≪長期ビジョンの概要≫Ⅰ.名 称 「LINTEC SUSTAINABILITY VISION 2030」(略称:LSV 2030)Ⅱ.基本方針 イノベーションによる企業体質の強靭化と持続的成長に向けた新製品・新事業の創出を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献するⅢ.重点テーマ 1.社会的課題の解決(1) 環境 … 脱炭素社会・循環型社会の実現への貢献 など(2) 社会 … 人権の尊重、ステークホルダーへの情報開示とコミュニケーション強化 など(3) ガバナンス … コーポレートガバナンスの強化、取締役会の実効性のさらなる向上 など(4) 事業活動を通じたSDGs達成への貢献2.イノベーションによる企業体質の強靭化(1) DXによる設計・開発・製造・物流・業務プロセスの変革(2) ビルド&スクラップによる省エネ、高品質、高効率、省人化を目的とした新規生産設備の導入(3) 生産プロセス革新によるコスト競争力の強化(4) 低成長・不採算事業の構造改革とグループ会社の経営健全化(5) 強固な財務基盤の維持と資本効率の向上 3.持続的成長に向けた新製品・新事業の創出(1) 技術革新による新製品・新事業の創出(2) 戦略的投資の拡大と機動的M&A(3) さらなるグローバルプレーヤーへの飛躍(4) ローカリゼーションの確立Ⅳ.2030年3月期 財務指標 ■売上高営業利益率12%以上■ROE(自己資本当期純利益率)10%以上 ≪中期経営計画の概要≫Ⅰ.名称/期間 「LSV 2030 - Stage 2」/2024年4月~2027年3月Ⅱ.各事業セグメントの主な取り組み ■印刷材・産業工材関連北米やアジアでの拡販と収益向上地球環境との共生と循環型社会の実現に向けた取り組みウインドーフィルムのさらなる高機能化と拡販労働力不足の解決や生産効率の向上に貢献する新製品の開発やシステムの拡販 など(印刷情報材事業部門)2027年3月期は、日本市場でのシェアの維持・拡大および新たな市場創出に向けた取り組みを強化します。地域性を踏まえた販売戦略の策定とその実践を通じた販促活動などで、さらなるシェア拡大につなげます。海外市場においては、新分野の開拓に努めるほか、戦略製品の投入や原材料調達の工夫などにより域内販売の拡大を目指します。市場では、循環型社会の実現に貢献するリユース性やリサイクル性に優れた製品ニーズがより一層高まることが予想されます。環境配慮製品の開発スピードを速めるほか、モノマテリアル化を実現したラベル素材など、付加価値の高い環境配慮製品を訴求して需要創出を図ります。(産業工材事業部門)2027年3月期は、部門方針に「満足度向上を目的とし、法令を遵守した事業活動を通じ、常に高品質な製品とサービスを提供し、信頼される事業部門となる」を掲げました。前期に掲げた品質重視の姿勢を今期も引き継ぐとともに、主力のウインドーフィルムなどの分野における新製品や新たなサービスの創出・提供を目指して活動します。具体的には、営業部と営業推進部、国内外グループ会社が連携した組織横断的なモノづくりにより市場競争力の強化を図ります。お客様や市場のニーズが急速に変化する中、当社に求められる製品やサービスを的確に把握して迅速な製品開発につなげると同時に、既存製品の拡販や市場拡大に向けた活動も強化していきます。 ■電子・光学関連エレクトロニクス市場の成長に向けた継続的な設備投資と需要対応先進半導体後工程におけるパッケージング技術に関わる新たなテープや装置、独自プロセスの開発EUV露光機用CNTペリクル量産体制の確立車載用OCA(Optical Clear Adhesive)などの新製品の開発と拡販光拡散フィルムの開発 など(アドバンストマテリアルズ事業部門)2027年3月期は、高性能半導体であるHBMやAI向けデータセンター用に旺盛な需要が継続すると予測しており、半導体関連粘着テープ・装置、積層セラミックコンデンサ関連テープの販売増加を見込んでいます。原材料調達の安定化や生産体制の強化などを着実に進めることで、需要増に応えられる供給体制の確立に努めます。また、地政学リスクや新たな環境対応といった諸課題に真摯に対応するとともに、先端半導体パッケージングなど技術革新の動向を的確に捉えることで、今後もお客様から当社製品が選ばれ続けることを目指します。量産化を推進しているEUV露光機用CNTペリクルにおいては、当部門の新しい事業の柱とするべく、販売体制の整備を進めていきます。(オプティカル材事業部門)2027年3月期は、当社の精密塗工技術を生かした光学機能性材料「Opteria」シリーズの拡販を目指します。とりわけ電子ペーパー向けハイバリアフィルム、有機ELディスプレイ用光拡散フィルム、有機溶剤を使用しないOCA、防眩・低反射フィルムの拡販を重点項目として計画しています。また、主力製品である光学用ノンキャリア事業においては、原材料コストの上昇などを背景とした有機ELディスプレイの減産動向が懸念材料であり、その対応として生産体制の見直しやコスト競争力向上などの取り組みを継続します。さらに、その他の用途も開拓して、国内外で販売数量増加を目指します。 ■洋紙・加工材関連耐油紙のさらなる用途展開プラスチック代替高機能紙の開発・拡販合成皮革用工程紙の海外展開強化炭素繊維複合材料用工程紙の拡販 など(洋紙事業部門)2027年3月期は、「収益性の改善」「販売数量のアップ」「新製品の創出」を部門方針として取り組みます。利益の改善に向けては価格改定の実施や在庫の適正化などに努め、販売数量のアップについてもニーズの高い非フッ素耐油紙の原価低減と品質向上によってフッ素耐油紙からの完全切り替えを目指します。また、成長産業での新規顧客獲得に向けた営業活動などを強化します。新製品の創出では、加工材事業部門の設備を生かして高付加価値製品の創出を図るほか、研究所や工場との連携をさらに強化することで、スピード感のある新規開発テーマの検討や確立につなげていきます。(加工材事業部門)2027年3月期は、前期に引き続き不透明な市場環境が予想されますが、事業基盤の強化を図るべく「販売数量向上」「営業利益向上」「環境対応」「組織の強靭化」の4点を重点項目として取り組みます。剥離フィルムの生産体制を強化するほか、2025年9月に小松島工場(徳島県)で稼働した新規塗工設備などを活用して、競争力のある合成皮革用工程紙や炭素繊維複合材料用工程紙の海外への拡販を図ります。環境対応では、剥離紙の製造時に有機溶剤を使用しない「無溶剤化」を積極的に推進します。お客様や社会のニーズに対応した各種対応を強化していきます。 ◆当社のESGおよびSDGsに関する取り組みについて◆ 当社は長期ビジョン「LSV 2030」で掲げた重点テーマ「社会的課題の解決」において、ESG(環境・社会・ガバナンス)およびSDGsに関する取り組み課題として、次の項目を設定しております。 当社グループ全社員による取り組みを一層加速し、国際社会の課題解決に貢献することのできる企業グループを目指してまいります。また、マテリアリティ(重点課題)については毎年見直しを行っており、「サステナビリティレポート」および「統合報告書」並びに当社ウェブサイトにて開示しております。 当社はこれからも、社是「至誠と創造」の下、各項目に対して積極的に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国による関税政策が各国の経済に大きな混乱を来したものの、各国の景気刺激策などによって個人消費や設備投資が底堅く推移し、緩やかな回復軌道をたどりました。一方、我が国においては、食料品を中心に物価上昇が続いているものの、雇用や所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直すなど景気は緩やかに回復しました。このような情勢の下、当社グループの連結業績につきましては、売上高はAI関連の需要増加により半導体・電子部品関連製品が引き続き堅調に推移したことにより319,385百万円(前期比1.1%増)、利益面では原燃料価格の上昇や人件費を含む固定費の増加があったものの、販売数量の増加などもあり営業利益は25,156百万円(同2.4%増)、経常利益は25,666百万円(同1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17,374百万円(同20.0%増)となりました。 セグメント別の概況は以下のとおりです。 〔印刷材・産業工材関連〕 前連結会計年度当連結会計年度前期比増減額増減率 百万円百万円百万円%売上高184,647182,644△2,002△1.1 印刷情報材事業部門146,665145,517△1,147△0.8 産業工材事業部門37,98137,126△855△2.3営業利益5,4621,979△3,482△63.8 当セグメントの売上高は国内では堅調であったものの、米国子会社において売上構成および為替などの影響を受けたこともあり182,644百万円(前期比1.1%減)となりました。営業利益については国内で原燃料価格や物流コストの上昇、固定費増加の影響があり、また、米国で固定費の増加や工程歩留まりの悪化の影響を受けたこともあり1,979百万円(同63.8%減)となりました。当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。(印刷情報材事業部門)シール・ラベル用粘着製品は、国内では食品関連や飲料キャンペーン用などは低調であったものの、医薬および物流用は堅調に推移し、アイキャッチ用の需要は回復しました。海外では米国で販売数量は増加したものの売上構成および為替などの影響により減少しました。また、アセアン地域においても低調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は145,517百万円(前期比0.8%減)となりました。(産業工材事業部門)国内では建物用ウインドーフィルムが低調であったものの、自動車用ウインドーフィルムや自動車用粘着製品は堅調に推移しました。海外では米国で防犯用ウインドーフィルムの需要が低迷したほか、アセアン地域で自動車用粘着製品が減少しました。この結果、当事業部門の売上高は37,126百万円(前期比2.3%減)となりました。 〔電子・光学関連〕 前連結会計年度当連結会計年度前期比増減額増減率 百万円百万円百万円%売上高96,312100,7264,4134.6 アドバンストマテリアルズ事業部門85,00892,8097,8009.2 オプティカル材事業部門11,3037,916△3,387△30.0営業利益18,50522,1203,61419.5 当セグメントの売上高は韓国・台湾子会社閉鎖の影響がありましたが、半導体・電子部品関連製品が好調に推移したことにより100,726百万円(前期比4.6%増)となりました。営業利益については増産体制強化のために導入した新設備の減価償却費などの固定費は増加しましたが、半導体・電子部品関連製品の販売数量の増加により22,120百万円(同19.5%増)となりました。当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。(アドバンストマテリアルズ事業部門)半導体関連装置は微減となりましたが、半導体関連粘着テープはAI関連の需要増加などにより好調に推移しました。積層セラミックコンデンサ関連テープはデータセンターやスマートフォン向けなどのハイエンド用の需要増加により好調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は92,809百万円(前期比9.2%増)となりました。(オプティカル材事業部門)OLEDディスプレイ用粘着テープは前期並みに推移したものの、韓国・台湾子会社の閉鎖影響もあり売上高は減少しました。この結果、当事業部門の売上高は7,916百万円(前期比30.0%減)となりました。 〔洋紙・加工材関連〕 前連結会計年度当連結会計年度前期比増減額増減率 百万円百万円百万円%売上高35,01936,0149952.8 洋紙事業部門14,87614,677△198△1.3 加工材事業部門20,14221,3361,1945.9営業利益53597744182.6 当セグメントの売上高は洋紙事業については総じて低調に推移したものの、加工材事業において剥離紙や剥離フィルムが堅調であったことにより36,014百万円(前期比2.8%増)となりました。営業利益については原燃料価格や物流コストの上昇影響があったものの、洋紙事業で前期に実施した固定資産減損により営業損失が縮小したことに加え、加工材事業の増販効果もあり977百万円(同82.6%増)となりました。当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。(洋紙事業部門)工業用特殊紙は堅調であったものの、主力のカラー封筒用紙や耐油耐水紙は需要減少により低調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は14,677百万円(前期比1.3%減)となりました。(加工材事業部門)合成皮革用工程紙は減少したものの、電子材料用を中心に剥離紙が堅調に推移したほか、光学関連製品用剥離フィルムや炭素繊維複合材料用工程紙の需要が回復しました。この結果、当事業部門の売上高は21,336百万円(前期比5.9%増)となりました。 2027年3月期における世界経済は、活発なAI関連投資や各国の積極的な財政政策に支えられ引き続き成長が期待されるものの、米国の高関税政策や中東情勢の緊迫化により景気減速懸念も増しており予断を許さない状況が続くと予想しています。当社においても、中東情勢起因の原燃料価格や物流コストの上昇影響は極めて大きく、サプライチェーンにおいて調達に支障を来す可能性も払拭できません。お客様への製品供給に最大限努めてまいる所存であります。当社グループでは2030年を最終年度とした長期ビジョン「LSV2030」を掲げ、基本方針を「イノベーションによる企業体質の強靭化と持続的成長に向けた新製品・新事業の創出を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献する」とし、「社会的課題の解決」、「イノベーションによる企業体質の強靭化」、「持続的成長に向けた新製品・新事業の創出」の三つの重点テーマに対する諸施策に取り組んでおり、2027年3月期は長期ビジョンのマイルストーンと位置づけた中期経営計画「LSV 2030-Stage2」の最終年度にあたります。今後も前述のような世界情勢に加えて、原燃料や輸送コストの上昇、賃上げによる人件費や新規生産設備導入による減価償却費などの固定費増加が利益押し下げ要因となりますが、全社員が一丸となり取り組みを一層強化することで、現下の厳しい経営環境を乗り越え計画達成に向けて邁進してまいります。2027年3月期の連結業績予想は、売上高は3,420億円(当期比7.1%増)、営業利益は275億円(同9.3%増)、経常利益は275億円(同7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は195億円(同12.2%増)を予想しております。 (2)財政状態の状況〔資産〕当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産が減少しましたが売上高の増加により売掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて2,254百万円増加の342,725百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。・「現金及び預金」の増加4,760百万円・「売掛金」の増加5,405百万円・「棚卸資産」の減少△5,378百万円・「のれん」の減少△4,677百万円・「繰延税金資産」の減少△1,735百万円・「退職給付に係る資産」の増加5,700百万円 〔負債〕当連結会計年度末の負債は、支払手形及び買掛金や長期借入金の減少などにより、前連結会計年度末に比べて9,859百万円減少の84,485百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。・「支払手形及び買掛金」の減少△3,084百万円・「未払法人税等」の減少△1,194百万円・「長期借入金」の減少△1,891百万円・「退職給付に係る負債」の減少△2,103百万円 〔純資産〕当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などにより、前連結会計年度末に比べて12,113百万円増加の258,240百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。・「利益剰余金」の増加10,405百万円・「自己株式」の減少△5,113百万円・「為替換算調整勘定」の増加1,306百万円・「退職給付に係る調整累計額」の増加5,635百万円 (3)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は55,252百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,548百万円の増加となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して265百万円減少の33,450百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。 ・「税金等調整前当期純利益」の増加5,719百万円・「関係会社整理損失引当金の増減額」の増加1,162百万円・「売上債権の増減額」の減少△6,015百万円・「棚卸資産の増減額」の増加7,080百万円・「仕入債務の増減額」の増加3,059百万円・「減損損失」の減少△6,849百万円・「法人税等の支払額又は還付額」の減少△4,483百万円 〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して10,076百万円増加の△14,589百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。・「定期預金の預入による支出」の減少△2,110百万円・「定期預金の払戻による収入」の増加3,636百万円・「有形固定資産の取得による支出」の増加9,072百万円 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して3,262百万円減少の△15,595百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。・「自己株式の取得による支出」の減少△2,146百万円 また、資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業キャッシュ・フロー内において、主な設備投資や借入金の返済などを実施しており、自己キャッシュ・フローにより流動性は確保できております。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定〔のれんの減損及び子会社株式の評価〕当連結会計年度末ののれん残高は7,093百万円であります。主なものは印刷情報材事業の製品を製造・販売するMACTAC AMERICAS, LLCにおいて6,937百万円の残高を計上しており、同社は、米国におけるTopic350「無形資産-のれん及びその他」を適用し、のれんを10年間の定額法で償却しています。また、年4回(四半期決算期末)減損の兆候の判定を行っております。減損の兆候の判定には、主にマクロ経済の動向、業界及び市場の動向、原材料費や輸送コスト等の調達コストの動向、業績の動向などを判断材料としており、これらの判断材料が大きく変化した場合、のれんの減損損失を認識する可能性があります。当連結会計年度において、同社の業績悪化を背景に減損の兆候があると判断し、のれんの減損テストを実施しました。判定の結果、同社の公正価値が帳簿価額を上回っていることから、減損損失を認識していません。なお、当該見積りに用いた仮定などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。また、当事業年度末の子会社株式残高は61,184百万円であり、主なものは当社の米国子会社であるLINTEC USA HOLDING, INC.の48,731百万円であります。LINTEC USA HOLDING, INC.は、上記のMACTAC AMERICAS, LLCの持分を100%所有しており、MACTAC AMERICAS, LLCがのれんの減損損失を認識した場合、子会社株式の評価損を認識する可能性があります。 〔固定資産の減損〕当連結会計年度において、洋紙・加工材関連セグメントのうち、洋紙事業の収益性が低下したため減損の兆候があると判断し、洋紙事業の固定資産に係る資産グループ4,080百万円について、減損損失の認識の要否判定を行いました。判定の結果、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がその帳簿価額を下回ったことから、当該事業に係る資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額716百万円を減損損失として特別損失に計上しております。なお、当該見積りに用いた仮定などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (5)生産、受注及び販売の実績〔生産実績〕当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)印刷材・産業工材関連140,5770.0電子・光学関連63,884△2.2洋紙・加工材関連42,717△1.4合計247,179△0.8 (注) 1 セグメント間およびセグメント内の取引が多様で、各セグメントの生産高を正確に算出することが困難であるため、概算金額を表示しております。また、セグメント間の内部振替高に伴う生産高を含めております。 2 金額は、製造原価によっております。 〔受注実績〕製品及び商品の大部分が受注即出荷となりますので、受注状況は販売実績とほぼ同じであります。 〔販売実績〕当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)印刷材・産業工材関連182,644△1.1電子・光学関連100,7264.6洋紙・加工材関連36,0142.8合計319,3851.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

事業リスク

  • 経済情勢・市場変動
    リンテックグループの事業は幅広い産業に展開しているため、国内外の経済情勢や市場環境の変動から直接的・間接的な影響を受けます。特に電子・光学関連事業は世界のIT産業の動向に左右されやすく、市場の縮小やIT産業の低迷は業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の変動
    製紙用パルプや各種石化製品などの原材料、燃料の価格は市況によって変動します。原材料価格の急激な高騰は、製品の製造コストを押し上げ、利益率を圧迫する可能性があります。市況を見極めた発注に努めていますが、予期せぬ価格変動は業績に影響を与えるリスクがあります。
  • 海外事業展開のリスク
    海外売上高比率が63.9%と高いため、テロ、政変、感染症、法規制の変更、為替変動など、各国特有のリスクに晒されています。これらの不測の事態が発生した場合、海外での事業活動に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に為替変動は、米ドルだけでなくアジア主要通貨の動向も注視が必要です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,068 文字
3 【事業等のリスク】当社グループは、グループ全体におけるリスクの把握とその影響の回避、軽減に努め、それらをチャンス(機会)と捉えて活かす行動を根付かせていくために、全社リスクマネジメントシステムの構築を推進する「全社リスク管理委員会」を設置し、グループ全社でのリスク管理体制構築に向けてシステムづくりから管理・運用までを担い、継続的に改善活動を行っております。当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクには、以下のようなものがあると認識しておりますが、これらは想定される主要なリスクを例示したものであり、すべてのリスクを網羅したものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経済情勢、市場環境の変動リスク当社グループは多業種に事業を展開しており、世界的な経済変動や地政学的リスク、国内の少子高齢化や消費動向、自然災害などにより業績が影響を受ける可能性があります。特に半導体・電子部品関連の需要変動や原材料高騰、物流コスト上昇は懸念材料であり、既存事業のシェア拡大や新市場創出、グローバル競争力強化、サステナビリティ経営の推進を通じた持続的成長を図っています。(2) 販売価格の変動リスク当社グループは、国内外市場における競争激化や原材料価格の変動により、販売単価やシェアの維持が困難となり、中期的に収益性が低下する懸念があります。これに対応するため、高付加価値製品の開発や価格転嫁の適正化、顧客との関係強化に加え、差別化戦略やコスト削減、顧客ニーズへの的確な対応を通じて、収益の安定確保に努めています。(3) 原材料等価格の変動リスク当社グループは、紙・石化製品など市況変動の影響を受けやすい原材料を多く使用しており、国際市況や為替、環境規制による価格変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、安定調達体制の構築に加え、発注タイミングの工夫や仕入先の分散、在庫調整などを通じてリスク管理を強化し、持続可能な調達戦略の推進に努めています。 (4) 海外事業展開に関するリスク当社グループは海外売上高比率が高く、各国の政治・経済・社会情勢の変化や法規制の強化、感染症の拡大、為替相場の急変などにより、事業活動や収益に影響を受けるリスクがあります。これらに対し、分散投資やBCP強化、現地情報の収集、為替予約の活用などを通じて、影響の最小化に努めています。(5) 新製品開発について当社グループは高付加価値製品の創出に向け、研究開発体制の強化と人材拡充を推進していますが、開発の長期化や中止により投資回収が困難となり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。これに備え、ユーザーニーズに即した開発テーマの選定精度向上と進捗管理の徹底を図り、経営資源の有効活用に努めています。(6) 知的財産権について当社グループは国内外で知的財産権の保護を進めていますが、各国の法制度の違いや模倣リスクにより、中期的に権利侵害や訴訟が発生し、訴訟費用や事業制約を通じて業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これに備え、権利範囲の見直し、侵害対応体制の整備、第三者権利の調査強化などを通じて、知的財産リスクの低減・最小化に努めています。(7) 重要な訴訟等について当社グループは国内外での事業活動において、PL・環境・知的財産・労務関連などの訴訟・請求が中長期的に発生する可能性があり、損害賠償や対応コスト、企業イメージの毀損を通じて業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。これらのリスクに備え、法令順守の徹底と内部統制・リスク管理体制の強化により、影響の最小化に努めています。(8) 法規制について当社グループは各国で多様な法規制を遵守していますが、今後、環境・安全・貿易等に関する法改正や規制強化が中期的に進むことで、生産・販売活動に制約が生じ、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。これに備え、各国の制度動向の把握体制や社内対応体制の整備を進め、適時適切な対応に努めています。(9) 自然災害や重大事故について当社グループは、気候変動や地震などの自然災害、重大事故による事業への影響に備え、BCPおよびBCMSの継続的な改善・運用を進めています。災害時には迅速な対応体制を構築し、事業継続と製品供給の安定化を図るとともに、災害リスク評価の見直しや拠点分散、代替供給体制の整備を通じてレジリエンス向上に努めています。演習や内部監査により有効性を検証し、変化する環境への柔軟な対応体制を維持しています。(10) 情報・サイバーセキュリティーについて当社グループは秘密情報の厳重な管理と情報インフラの整備、教育・監査を通じてセキュリティ対策を強化していますが、巧妙化するサイバー攻撃により情報漏えいやシステム障害が発生するリスクがあります。これが顕在化した場合、信用失墜や業務中断を通じて業績に悪影響を及ぼす可能性があるため、今後も継続的な対策強化に努めています。

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