8032

日本紙パルプ商事(8032)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 紙パルプ卸売が主軸
    日本紙パルプ商事グループは、紙やパルプなどの卸売を主要な事業としています。これは、製紙メーカーから紙製品を仕入れ、印刷会社や加工業者、小売店などに販売するビジネスモデルです。多種多様な紙製品を効率的に流通させることで収益を得ています。
  • 関連事業で多角化
    卸売事業に加え、紙の製造・加工、古紙の回収・再資源化、再生可能エネルギーによる発電、さらには不動産賃貸事業も手掛けています。これにより、紙関連事業のサプライチェーン全体をカバーし、収益源を多角化しています。
  • 国内外に広がる事業網
    国内市場では紙・板紙の販売や倉庫・運送、情報機器販売などを展開。海外市場でも紙・板紙の販売を積極的に行い、グローバルな事業展開を進めています。これにより、特定の地域や市場に依存しない安定した収益構造を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内卸売事業
    国内向けの紙、板紙、関連商品の販売が主な業務です。売上高は2006.27億円で、グループの基盤となる事業ですが、国内の紙需要減少という課題に直面しています。高付加価値品の販売拡大や物流改革、DX推進で収益最大化を目指しています。
  • 海外卸売事業
    海外向けの紙、板紙、関連商品の販売を展開しており、売上高は2754.88億円とグループ最大の規模を誇ります。グローバルなサプライソースと各拠点の在庫・物流機能を活用し、高付加価値製品の取り扱いを拡大。M&Aを通じて事業領域とシェアの拡大を図っています。
  • 製紙加工・環境原材料事業
    製紙加工は紙・板紙の製造・加工、環境原材料は古紙・パルプ等の販売やリサイクル、再生可能エネルギー事業です。売上高は製紙加工が515.97億円、環境原材料が226.5億円。これらは紙のサプライチェーンを垂直統合し、環境配慮型商品の生産と安定供給を通じて持続可能な社会に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
WholesalingJapanReportableSegment 地域 2,006 − −
OverseasWholesalingReportableSegment 事業 2,755 − −
PaperManufactureAndProcessingReportableSegment 事業 516 − −
RawMaterialsAndEnvironmentReportableSegment 事業 227 − −
RealEstateLeasingReportableSegment 事業 42 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|365 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社110社及び関連会社21社の計132社で構成されており、紙パルプ等の卸売を主な事業とし、これに関連する製造、加工等の事業並びに再資源化等の事業及び不動産賃貸事業に取り組んでおります。当社グループのセグメントごとの事業は、次のとおりであります。なお、関係会社のセグメントとの関連は、事業系統図、及び「4 関係会社の状況」に記載しております。事業区分主な業務国内卸売国内向の紙、板紙、関連商品の販売倉庫業・運送業等情報機器等の販売、及び情報サービス事業海外卸売海外向の紙、板紙、関連商品の販売等製紙加工製紙、及び紙・板紙・関連商品の加工等環境原材料古紙・パルプ等原材料の販売総合リサイクル、及び再生可能エネルギーによる発電事業等不動産賃貸不動産の賃貸 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
製紙メーカーの寡占化が進んだ場合、仕入先メーカーの影響力が高まり、相対的に当社グループの影響力が低下する可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
製紙加工事業や環境原材料事業における生産設備、不動産賃貸事業における賃貸用不動産等の固定資産を保有。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:主な取扱商品の需要減少、市況及びマクロ経済変動リスク / 不動産市況の影響 / 取引先の信用リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

長年の業歴と業界内での信頼関係は無形資産となりうるが、特定のブランド力や特許、規制ライセンスによる明確な独占性は見られない。一部のプライベートブランドや独自サービスが差別化要因となる可能性はある。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は複数のサプライヤーから調達することが一般的であり、取引先変更のハードルはそれほど高くない。しかし、長年の取引で培われた信頼関係や、特定のニーズに合わせたカスタマイズされたサービス提供により、一定のスイッチングコストは存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

卸売業であり、プラットフォームビジネスのようなネットワーク効果は基本的に働かない。顧客やサプライヤーが増加しても、それが直接的なサービス価値の向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済による効率化や、長年のサプライヤーとの関係による仕入れコストの優位性は考えられる。しかし、業界全体として価格競争も激しく、絶対的なコスト優位性を築くことは難しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

紙・パルプ関連の卸売業において、国内有数の規模を持つ企業の一つであり、一定の市場シェアを有している。この規模により、サプライヤーからの仕入れや物流において効率性を発揮できる可能性がある。

  • サプライチェーンを統合
    同社グループは、古紙の回収から製紙、加工、流通まで、紙のサプライチェーン全体をグループ内で完結させる体制を構築しています。これにより、原材料の安定調達から製品供給までを一貫して管理し、効率的な事業運営とコスト競争力を実現しています。
  • 国内外の強固な流通網
    国内では長年の実績とネットワークにより、紙・板紙の安定供給を可能にしています。海外においても、アメリカ、欧州、アジアなど主要地域に自前の在庫・物流機能を持つ現地法人を経営しており、グローバルな供給体制と地域密着型のサービスを提供しています。
  • リスク分散と相互補完
    環境原材料セグメントと製紙加工セグメントが相互に補完し合う事業構造を持っています。原材料価格が下落すれば環境原材料の利益は減少しますが、製紙加工のコストが下がることで利益を吸収。逆に原材料価格が高騰すれば、環境原材料の利益増加が製紙加工のコスト増を補う仕組みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「OVOL長期ビジョン2030」
    同社グループは、2030年に向けて「世界最強の紙流通企業グループ」「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」を目指す長期ビジョンを掲げています。これは、紙流通の枠を超えた企業への変革を目指すものです。
  • 「OVOL中期経営計画2026」
    長期ビジョン実現のため、2024年度から3年間の中期経営計画を策定しました。この計画では、グループ内外のコミュニケーション強化、人材力の向上、M&Aによる事業拡大を基本方針とし、経済価値と社会価値を創造する具体的な仕組みづくりを進めます。
  • 財務目標と株主還元
    中期経営計画の最終年度には、連結経常利益220億円、ROE8.0%以上などの財務目標を設定しています。また、株主還元として「連結配当性向30%以上とする累進配当」を掲げ、安定的な配当と機動的な自己株式取得を検討し、株主価値向上を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針について当社グループは紙流通業界のリーディングカンパニーとして、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことのできない紙・板紙の安定供給を通じ、循環型社会の構築に貢献していくことを基本方針としております。また、社会と地球環境のより良い未来を拓くことをグループの使命として、グループ役職員が、誠実・公正・調和を大切にすべき価値観とし、変革・挑戦・創造を積極的に実践することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指しております。 (2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境当期における我が国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、企業の設備投資の回復及び公共投資等の政策効果を背景に、緩やかな景気の回復基調で推移いたしました。一方、世界経済におきましては、一部地域で景気の持ち直しの動きがみられるものの、米国の通商政策の動向、依然として高水準にある金利環境、中国における物価下落の継続、東欧・中東地域における地政学的リスクの高まり、イラン情勢に起因する原油価格の変動等、不確実性の高い状況が続いており、景気の下振れリスクには引き続き留意が必要な状況にあります。当社グループを取り巻く環境については、国内市場において、人口減少などの構造的要因やデジタル化の進展等を背景として、印刷・情報用途を中心とした紙需要の縮小傾向が続く一方、EC需要の拡大等を背景とした包装用途の板紙及び機能材料製品向けの需要は比較的堅調に推移すると見込んでおります。また、物流費の上昇や人件費をはじめとする販売関連コストは高水準で推移しており、収益環境への影響が懸念されております。海外市場においても、先進国においてはデジタル化の進展に伴いグラフィック用紙の需要減少は継続する一方、パッケージング用紙やサイン&ディスプレイ用途、環境配慮型製品向けの需要は堅調に推移するとみております。また、新興国においては、人口増加や経済成長に伴う生活水準の向上及び工業化の進展により紙・板紙需要の拡大が引き続き見込まれております。 (3) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題当社グループは、長期ビジョン『OVOL長期ビジョン2030 “Paper, and beyond”』(以下、「長期ビジョン2030」)を策定し、2030年のあるべき姿を掲げ、その実現を目指しております。 (当社グループのあるべき姿)「世界最強の紙流通企業グループ」「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」 長期ビジョン2030の実現に向け、2024年度からの3ヵ年(2025年3月期~2027年3月期)を対象とした中期経営計画『OVOL中期経営計画2026』を策定しております。当中期経営計画では、当該中計期間を2030年に当社グループがあるべき姿を実現するための経済価値と社会価値を創造する「具体的な仕組みづくり・仕掛けづくりの3年間」と位置づけ、以下の3つの基本方針に基づく施策を実行することにより、長期ビジョン2030の実現を目指すこととしております。「グループ内外のコミュニケーションを拡充し、機能やサービスなどの提供価値を圧倒的に高める」「人材力を引き上げるとともにワークエンゲージメントを飛躍的に高める」「M&Aを駆使して既存領域および新規領域での事業を躍進的に拡大する」 OVOL中期経営計画2026の最終年度における連結財務目標は以下のとおりです。連結経常利益220億円ROE(自己資本利益率)8.0%以上ROA(総資産利益率)5.0%以上ROIC(投下資本利益率)7.0%以上ネットD/Eレシオ1.0倍以下 OVOL中期経営計画2026においては、最終年度(2027年3月期)の連結経常利益目標を220億円として掲げておりますが、「今後の見通し」に記載のとおり、足もとの事業環境等を踏まえますと、当該目標の達成は現時点において困難な見通しとなっております。このような状況においても、当社グループは、当該中期経営計画において掲げた基本方針に基づき、各種施策・取り組みの一層の推進・加速に努めてまいります。これにより、引き続き収益力の強化及び資本効率の向上を図るとともに、長期ビジョン2030の実現並びに中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 セグメント別には次の方針を掲げております。 (セグメント別方針)「国内卸売セグメント」グループの総合力を駆使し収益の最大化を実現 「海外卸売セグメント」安定的な収益構造の構築と収益源のさらなる多様化 「製紙加工セグメント」地球環境保全への積極的な取り組みと安定収益の基盤構築 「環境原材料セグメント」循環型ビジネスを通じた持続可能な社会と地球の未来への貢献 「不動産賃貸セグメント」保有不動産からの安定収益の継続と不動産ポートフォリオの最適化 (4) 財務上の対処すべき課題当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、積極的かつ安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。また、経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROE、ROICの向上など、持続的な成長を目指してまいります。 (5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題① 国内卸売セグメント紙の需要は国内における人口の減少や少子化の進行、情報発信・収集手段としてのSNSの定着等を背景に今後も縮小していくものと想定しております。板紙につきましては、日用品・通販向けの需要やインバウンド需要を背景に、パッケージ用途の需要は底堅く推移することが期待されております。そのような市場の中で取引先として選ばれるためには、物流改革やDX推進によるサプライチェーンにおける当社グループの機能や価値の提供に加え、製紙加工及び環境原材料セグメントなど、卸売事業以外に拡大しているグループの総合力が勝ち残りのための競合他社との差別化につながると考えており、これらを駆使して収益の最大化を実現してまいります。また、紙の価値普及に向けた取り組みを実施し、紙の特性、魅力、環境優位性等を改めて社会に伝えることで、紙需要のすそ野拡大を図るとともに業界イメージの向上にも貢献してまいります。 ② 海外卸売セグメント海外卸売セグメントにおいては、各市場に根差した卸商経営の拡充を基本としており、現在では、アメリカ、イギリス、アイルランド、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、ホンコン、シンガポール、マレーシア、インドにおいて、自前の在庫・物流機能を有する有力紙商を展開しており、世界最強の紙流通企業グループの実現に向けたグローバルプラットフォームの構築が着実に進展しております。一方で、前連結会計年度にグループ化したドイツ子会社につきましては、業績回復に遅れがみられておりますが、当連結会計年度に実施した事業構造改革を通じて、収益性の改善に取り組んでおります。各市場においては、デジタル化の進展に伴いグラフィック用紙の需要減少が継続しておりますが、当社グループは、グローバルなサプライソースの活用と、各拠点の在庫・物流機能を最大限に発揮することで、取引先ニーズを確実に取り込み、販売機会の拡大を図っております。加えて、サイン&ディスプレイ、軟包装材、インダストリアルパッケージなどの高付加価値製品の取り扱いを一層強化し、事業ポートフォリオの高度化を推進しております。さらに、補完的M&Aを継続的に実施することで、各市場におけるシェアと事業領域を拡大し、安定的な収益基盤の強化と収益源の多様化を進めてまいります。 ③ 製紙加工セグメント当社グループは、再生原料である古紙の回収から製紙、加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする事業体制を構築しております。この事業体制を活かして、古紙を原料とした段ボール原紙、印刷用紙及び家庭紙の製紙事業を展開し、安全操業と環境対応の管理を徹底しつつ、環境に配慮した商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。段ボール事業では、段ボール原紙製造会社と、多様なニーズに対応する段ボール製品の製造加工会社による総合パッケージサプライヤーとしての体制を国内及びインドネシアにおいて構築しており、国内の原紙製造においては木質バイオマス発電や水力発電等の再生可能エネルギーも活用し、CO2排出量削減に取り組んでおります。再生家庭紙事業においては、同分野のリーディングカンパニーであるコアレックスグループによる安定的な生産・供給体制を構築しており、災害発生時のトイレットペーパーの供給支援や災害に備えた備蓄推進活動も行っております。また高度なリサイクル技術により難再生古紙の再資源化を実現し、限られた資源の有効活用と紙ごみの削減にも貢献するとともに、製造工程における徹底した効率化の推進によりCO2排出量削減にも取り組んでおります。段ボール事業、再生家庭紙事業ともに原燃料価格や副資材、物流費等のコストについては高水準で推移することが見込まれるものの、効率的生産への取り組みや徹底したコスト削減を継続するとともに、CO2排出量削減や省力化に向けた投資も積極的に行うことで、地球環境保全への積極的な取り組みと安定収益の基盤構築を進めてまいります。また、物流面においても、段ボール事業ではグループ内での横断的戦略の実行、再生家庭紙事業ではグループ外とのアライアンスを拡大させることで、日本全国をカバーする物流体制を構築し、販売力を高めてまいります。 ④ 環境原材料セグメントイ 古紙再資源化事業:当社グループは、福田三商㈱を中心に日本全国をカバーする古紙事業のネットワークを構築しており、当社グループ内を含む国内製紙メーカーへの原料古紙の安定供給を最優先に古紙の発生減に対応した仕入・調達力の強化に取り組んでおります。国内の古紙リサイクルシステムの維持と古紙利用率の向上に貢献しつつ、採算とのバランスを勘案しながらアジア諸国への輸出も行っております。また、米国及びインドにおいても事業拠点を有し、事業を展開しております。 ロ 総合リサイクル事業:㈱エコポート九州が熊本県にてプラスチックや木質系廃棄物の総合リサイクル事業を行っております。2022年4月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)」を受けて、増加が見込まれるプラスチック廃棄物のリサイクルに対応するため、同県にて第2工場の建設を計画しております。 ハ 再生可能エネルギー事業:当社グループが参画している発電事業会社は、環境原材料セグメントにおいては、岩手県及び島根県での木質バイオマス発電事業会社2社、北海道、岩手県及び宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社であり、各事業会社で発電した電力はすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に提供しております。なお、製紙加工セグメントにおいても、岐阜県の木質バイオマス発電事業会社である川辺バイオマス発電㈱が、主に段ボール原紙製造会社の大豊製紙㈱へ電力を供給しております。また、マレーシアにて木質バイオマス燃料の一つであるPKSの集荷と輸出を行うOVOL New Energy Sdn. Bhd.では、今後の一層の供給力拡大に向け第3ヤードの設立工事を進めており、近く稼働開始を予定しております。稼働後は取扱量の拡大を図ってまいります。 以上の3つの事業によって、循環型ビジネスを通じた持続可能な社会と地球の未来への貢献を進めてまいります。 ⑤ 不動産賃貸セグメント当社が東京・大阪・京都等に所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅等での活用及びホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社グループ業績に対して継続して安定的に寄与するものと見込まれております。物価上昇に伴う維持管理費等の増加が見込まれますが、上昇している賃料相場に合わせた契約更新などに取り組んでおります。一方で不動産マーケットの活況を背景に、当社保有主要物件の評価額は大きく上昇しており、資本効率向上の観点から売却も視野に入れた最適な活用の検討を進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針について当社グループは紙流通業界のリーディングカンパニーとして、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことのできない紙・板紙の安定供給を通じ、循環型社会の構築に貢献していくことを基本方針としております。また、社会と地球環境のより良い未来を拓くことをグループの使命として、グループ役職員が、誠実・公正・調和を大切にすべき価値観とし、変革・挑戦・創造を積極的に実践することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指しております。 (2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境当期における我が国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、企業の設備投資の回復及び公共投資等の政策効果を背景に、緩やかな景気の回復基調で推移いたしました。一方、世界経済におきましては、一部地域で景気の持ち直しの動きがみられるものの、米国の通商政策の動向、依然として高水準にある金利環境、中国における物価下落の継続、東欧・中東地域における地政学的リスクの高まり、イラン情勢に起因する原油価格の変動等、不確実性の高い状況が続いており、景気の下振れリスクには引き続き留意が必要な状況にあります。当社グループを取り巻く環境については、国内市場において、人口減少などの構造的要因やデジタル化の進展等を背景として、印刷・情報用途を中心とした紙需要の縮小傾向が続く一方、EC需要の拡大等を背景とした包装用途の板紙及び機能材料製品向けの需要は比較的堅調に推移すると見込んでおります。また、物流費の上昇や人件費をはじめとする販売関連コストは高水準で推移しており、収益環境への影響が懸念されております。海外市場においても、先進国においてはデジタル化の進展に伴いグラフィック用紙の需要減少は継続する一方、パッケージング用紙やサイン&ディスプレイ用途、環境配慮型製品向けの需要は堅調に推移するとみております。また、新興国においては、人口増加や経済成長に伴う生活水準の向上及び工業化の進展により紙・板紙需要の拡大が引き続き見込まれております。 (3) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題当社グループは、長期ビジョン『OVOL長期ビジョン2030 “Paper, and beyond”』(以下、「長期ビジョン2030」)を策定し、2030年のあるべき姿を掲げ、その実現を目指しております。 (当社グループのあるべき姿)「世界最強の紙流通企業グループ」「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」 長期ビジョン2030の実現に向け、2024年度からの3ヵ年(2025年3月期~2027年3月期)を対象とした中期経営計画『OVOL中期経営計画2026』を策定しております。当中期経営計画では、当該中計期間を2030年に当社グループがあるべき姿を実現するための経済価値と社会価値を創造する「具体的な仕組みづくり・仕掛けづくりの3年間」と位置づけ、以下の3つの基本方針に基づく施策を実行することにより、長期ビジョン2030の実現を目指すこととしております。「グループ内外のコミュニケーションを拡充し、機能やサービスなどの提供価値を圧倒的に高める」「人材力を引き上げるとともにワークエンゲージメントを飛躍的に高める」「M&Aを駆使して既存領域および新規領域での事業を躍進的に拡大する」 OVOL中期経営計画2026の最終年度における連結財務目標は以下のとおりです。連結経常利益220億円ROE(自己資本利益率)8.0%以上ROA(総資産利益率)5.0%以上ROIC(投下資本利益率)7.0%以上ネットD/Eレシオ1.0倍以下 OVOL中期経営計画2026においては、最終年度(2027年3月期)の連結経常利益目標を220億円として掲げておりますが、「今後の見通し」に記載のとおり、足もとの事業環境等を踏まえますと、当該目標の達成は現時点において困難な見通しとなっております。このような状況においても、当社グループは、当該中期経営計画において掲げた基本方針に基づき、各種施策・取り組みの一層の推進・加速に努めてまいります。これにより、引き続き収益力の強化及び資本効率の向上を図るとともに、長期ビジョン2030の実現並びに中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 セグメント別には次の方針を掲げております。 (セグメント別方針)「国内卸売セグメント」グループの総合力を駆使し収益の最大化を実現 「海外卸売セグメント」安定的な収益構造の構築と収益源のさらなる多様化 「製紙加工セグメント」地球環境保全への積極的な取り組みと安定収益の基盤構築 「環境原材料セグメント」循環型ビジネスを通じた持続可能な社会と地球の未来への貢献 「不動産賃貸セグメント」保有不動産からの安定収益の継続と不動産ポートフォリオの最適化 (4) 財務上の対処すべき課題当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、積極的かつ安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。また、経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROE、ROICの向上など、持続的な成長を目指してまいります。 (5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題① 国内卸売セグメント紙の需要は国内における人口の減少や少子化の進行、情報発信・収集手段としてのSNSの定着等を背景に今後も縮小していくものと想定しております。板紙につきましては、日用品・通販向けの需要やインバウンド需要を背景に、パッケージ用途の需要は底堅く推移することが期待されております。そのような市場の中で取引先として選ばれるためには、物流改革やDX推進によるサプライチェーンにおける当社グループの機能や価値の提供に加え、製紙加工及び環境原材料セグメントなど、卸売事業以外に拡大しているグループの総合力が勝ち残りのための競合他社との差別化につながると考えており、これらを駆使して収益の最大化を実現してまいります。また、紙の価値普及に向けた取り組みを実施し、紙の特性、魅力、環境優位性等を改めて社会に伝えることで、紙需要のすそ野拡大を図るとともに業界イメージの向上にも貢献してまいります。 ② 海外卸売セグメント海外卸売セグメントにおいては、各市場に根差した卸商経営の拡充を基本としており、現在では、アメリカ、イギリス、アイルランド、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、ホンコン、シンガポール、マレーシア、インドにおいて、自前の在庫・物流機能を有する有力紙商を展開しており、世界最強の紙流通企業グループの実現に向けたグローバルプラットフォームの構築が着実に進展しております。一方で、前連結会計年度にグループ化したドイツ子会社につきましては、業績回復に遅れがみられておりますが、当連結会計年度に実施した事業構造改革を通じて、収益性の改善に取り組んでおります。各市場においては、デジタル化の進展に伴いグラフィック用紙の需要減少が継続しておりますが、当社グループは、グローバルなサプライソースの活用と、各拠点の在庫・物流機能を最大限に発揮することで、取引先ニーズを確実に取り込み、販売機会の拡大を図っております。加えて、サイン&ディスプレイ、軟包装材、インダストリアルパッケージなどの高付加価値製品の取り扱いを一層強化し、事業ポートフォリオの高度化を推進しております。さらに、補完的M&Aを継続的に実施することで、各市場におけるシェアと事業領域を拡大し、安定的な収益基盤の強化と収益源の多様化を進めてまいります。 ③ 製紙加工セグメント当社グループは、再生原料である古紙の回収から製紙、加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする事業体制を構築しております。この事業体制を活かして、古紙を原料とした段ボール原紙、印刷用紙及び家庭紙の製紙事業を展開し、安全操業と環境対応の管理を徹底しつつ、環境に配慮した商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。段ボール事業では、段ボール原紙製造会社と、多様なニーズに対応する段ボール製品の製造加工会社による総合パッケージサプライヤーとしての体制を国内及びインドネシアにおいて構築しており、国内の原紙製造においては木質バイオマス発電や水力発電等の再生可能エネルギーも活用し、CO2排出量削減に取り組んでおります。再生家庭紙事業においては、同分野のリーディングカンパニーであるコアレックスグループによる安定的な生産・供給体制を構築しており、災害発生時のトイレットペーパーの供給支援や災害に備えた備蓄推進活動も行っております。また高度なリサイクル技術により難再生古紙の再資源化を実現し、限られた資源の有効活用と紙ごみの削減にも貢献するとともに、製造工程における徹底した効率化の推進によりCO2排出量削減にも取り組んでおります。段ボール事業、再生家庭紙事業ともに原燃料価格や副資材、物流費等のコストについては高水準で推移することが見込まれるものの、効率的生産への取り組みや徹底したコスト削減を継続するとともに、CO2排出量削減や省力化に向けた投資も積極的に行うことで、地球環境保全への積極的な取り組みと安定収益の基盤構築を進めてまいります。また、物流面においても、段ボール事業ではグループ内での横断的戦略の実行、再生家庭紙事業ではグループ外とのアライアンスを拡大させることで、日本全国をカバーする物流体制を構築し、販売力を高めてまいります。 ④ 環境原材料セグメントイ 古紙再資源化事業:当社グループは、福田三商㈱を中心に日本全国をカバーする古紙事業のネットワークを構築しており、当社グループ内を含む国内製紙メーカーへの原料古紙の安定供給を最優先に古紙の発生減に対応した仕入・調達力の強化に取り組んでおります。国内の古紙リサイクルシステムの維持と古紙利用率の向上に貢献しつつ、採算とのバランスを勘案しながらアジア諸国への輸出も行っております。また、米国及びインドにおいても事業拠点を有し、事業を展開しております。 ロ 総合リサイクル事業:㈱エコポート九州が熊本県にてプラスチックや木質系廃棄物の総合リサイクル事業を行っております。2022年4月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)」を受けて、増加が見込まれるプラスチック廃棄物のリサイクルに対応するため、同県にて第2工場の建設を計画しております。 ハ 再生可能エネルギー事業:当社グループが参画している発電事業会社は、環境原材料セグメントにおいては、岩手県及び島根県での木質バイオマス発電事業会社2社、北海道、岩手県及び宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社であり、各事業会社で発電した電力はすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に提供しております。なお、製紙加工セグメントにおいても、岐阜県の木質バイオマス発電事業会社である川辺バイオマス発電㈱が、主に段ボール原紙製造会社の大豊製紙㈱へ電力を供給しております。また、マレーシアにて木質バイオマス燃料の一つであるPKSの集荷と輸出を行うOVOL New Energy Sdn. Bhd.では、今後の一層の供給力拡大に向け第3ヤードの設立工事を進めており、近く稼働開始を予定しております。稼働後は取扱量の拡大を図ってまいります。 以上の3つの事業によって、循環型ビジネスを通じた持続可能な社会と地球の未来への貢献を進めてまいります。 ⑤ 不動産賃貸セグメント当社が東京・大阪・京都等に所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅等での活用及びホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社グループ業績に対して継続して安定的に寄与するものと見込まれております。物価上昇に伴う維持管理費等の増加が見込まれますが、上昇している賃料相場に合わせた契約更新などに取り組んでおります。一方で不動産マーケットの活況を背景に、当社保有主要物件の評価額は大きく上昇しており、資本効率向上の観点から売却も視野に入れた最適な活用の検討を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況① 経営成績の状況の概要当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益606,779百万円(前期比9.4%増)、営業利益10,848百万円(同28.0%減)、経常利益10,887百万円(同31.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,720百万円(同37.6%減)となりました。 ② セグメントごとの経営成績当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (単位:百万円) 売上収益経常利益(セグメント利益)2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度増減率2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度増減率報告セグメント国内卸売200,627193,118△3.7%6,0005,698△5.0%海外卸売275,488338,07822.7%3,195△549-製紙加工51,59751,409△0.4%6,7617,2607.4%環境原材料22,65020,044△11.5%2,012561△72.1%不動産賃貸4,1614,130△0.7%1,5531,511△2.7%計554,524606,7799.4%19,52114,482△25.8% 調整額-- △3,698△3,595 合計554,524606,7799.4%15,82210,887△31.2% 「国内卸売」紙は、デジタル化の進行などの構造的要因に加え、定期雑誌の発行部数の減少、チラシ・カタログ等の発行回数・部数の減少や判型縮小といった傾向が継続しており、販売数量は前期に比べて減少しました。板紙では、段ボール原紙は、自動車をはじめとする工業製品向け等の需要低迷が続いたものの、堅調なインバウンド需要の下支え等により、販売数量は前期並みとなりました。白板紙は医薬品・化粧品向け等が堅調であったことに加え、アニメキャラクター等のトレーディングカード用途が好調を継続していることから販売数量は増加し、板紙全体の販売数量は前期並みとなりました。エレクトロニクス関連用途を中心とする機能材料製品については、地域・分野ごとに需要のばらつきがあるものの、新規の取り込みもあり、販売は前期並みとなりました。これらの結果、売上収益は前期比3.7%減の193,118百万円となりました。経常利益は、粗利の減少や販売費及び一般管理費の増加等により、前期比5.0%減の5,698百万円となりました。 「海外卸売」主要市場である米国、オセアニア、及び英国においては、デジタル化の進行などを背景に紙需要の減少が継続しました。また、本邦からの輸出についても、市況価格の低下により中国をはじめとするアジア向けの紙・板紙販売が前期を下回る結果となりました。一方で、前連結会計年度にM&Aにより新たにグループ化したドイツ及びフランスの子会社5社の販売数量が加わったことから、海外卸売セグメント全体の販売数量は増加しました。売上収益については、当該ドイツ及びフランス子会社の業績が前第4四半期から連結業績に寄与したことに加え、前連結会計年度にオセアニアで実施した補完的M&Aの効果により高付加価値品の販売が増加したことにより、前期比22.7%増の338,078百万円となりました。利益面では、米国事業が増益となったことや、当該フランス子会社の業績が貢献したものの、当該ドイツ子会社の事業環境の回復に想定以上の時間を要したこと、英国及びオセアニア事業における販売価格の下落、ならびに為替差損の計上等が影響し、549百万円の経常損失となりました(前期は3,195百万円の経常利益)。 「製紙加工」段ボール事業は販売数量・金額ともに前期並みとなりました。一方で燃料、電力、及び副資材等の価格が前期と比べて高い水準にあり、労務費も増加したことにより製造費用が増加しました。再生家庭紙事業においては、製造コストの上昇はあったものの、堅調な需要のもと販売数量は前期並み、販売金額は継続的な価格修正の浸透により前期を上回りました。これらの結果、売上収益は前期比0.4%減の51,409百万円、経常利益は再生家庭紙事業の増益が寄与し、前期比7.4%増の7,260百万円となりました。 「環境原材料」古紙事業は、国内は紙・板紙需要の減少に伴う古紙の発生減が継続し、また前連結会計年度に関東地区の3事業所を譲渡したことから販売は減少しました。米国では東南アジア向け段ボール古紙の輸出が減少しました。パルプについては、国内・海外向けともに販売が減少しました。総合リサイクル事業はリサイクル処理量の増加により販売は前期を上回りました。太陽光発電事業及び木質バイオマス発電事業については、販売は前期並みでありましたが、修繕費等の増加がありました。木質バイオマス発電所向け燃料については、当連結会計年度後半には仕入コストの改善は見られたものの販売数量・単価ともに前期を下回りました。これらの結果、売上収益は前期比11.5%減の20,044百万円、経常利益は持分法適用関連会社における固定資産の減損に伴う持分法による投資損失の計上もあり、前期比72.1%減の561百万円となりました。 「不動産賃貸」一部テナントの退去があったこと等により、売上収益は前期比0.7%減の4,130百万円、経常利益は管理費用等の経費の増加により前期比2.7%減の1,511百万円となりました。 ③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは2024年度を初年度とした3年間の中期経営計画『OVOL中期経営計画2026』を策定しております。当中期経営計画の最終年度である2026年度の目標といたしました連結財務指標と当連結会計年度実績は以下のとおりです。連結財務指標当連結会計年度(実績)2026年度目標経常利益10,887百万円22,000百万円(セグメント別経常利益) 国内卸売5,698百万円7,000百万円海外卸売△549百万円8,000百万円製紙加工7,260百万円7,500百万円環境原材料561百万円2,000百万円不動産賃貸1,511百万円1,500百万円調整額△3,595百万円△4,000百万円ROE(自己資本利益率)3.6%8.0%以上ROA(総資産経常利益率)2.8%5.0%以上ROIC(投下資本利益率)(注)4.2%7.0%以上ネットD/Eレシオ0.60倍1.0倍以下 (注)ROIC算出方法:NOPAT(税引後経常利益[利払前])÷投下資本(有利子負債+自己資本[期首・期末平均])算出式の分子であるNOPATは、連結財務指標目標である経常利益をベースとしております。 ④ 生産、受注及び販売の実績イ 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)製紙加工 39,152101.2環境原材料4,537105.7 (注) 金額は製造原価によっております。 ロ 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)国内卸売 153,10295.7海外卸売 279,087120.6環境原材料16,01790.4 (注) 1 金額は仕入価格によっております。2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。 ハ 受注実績当社グループは、主として需要等を勘案した見込生産を行っているため、記載を省略しております。 ニ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)国内卸売 193,11896.3海外卸売 338,078122.7製紙加工51,40999.6環境原材料20,04488.5不動産賃貸4,13099.3合計606,779109.4 (注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。 (2) 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、売上債権の減少や投資有価証券の売却があったものの、現預金や棚卸資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて2,470百万円増の394,704百万円となりました。総負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べて7,128百万円増の253,797百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上があったものの、自己株式の取得や配当金の支払等により、前連結会計年度末に比べて4,658百万円減の140,907百万円となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況① キャッシュ・フローの分析当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて6,253百万円増加し、25,280百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少等により、24,554百万円の収入となりました(前期は21,010百万円の収入)。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資有価証券の売却があったものの、有形固定資産の取得や事業譲受等により、1,178百万円の支出となりました(前期は11,217百万円の支出)。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)自己株式の取得や配当金の支払等により、16,793百万円の支出となりました(前期は9,335百万円の支出)。 ② 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、各事業活動に必要とされる運転資金、投融資資金及び株主還元のための資金の確保について、直接金融または間接金融における多様な手段の中から調達時点の市場環境等を考慮して資金調達を実施しております。また、当社グループのさらなる成長に必要な事業投資の継続と財務の健全性維持との両立を基本方針としております。 イ 資金調達手段当社グループは、上記の資金調達の基本方針に則り、M&Aや設備投資資金ならびに運転資金といった資金使途を踏まえ、営業活動によって獲得されたキャッシュ・フローをベースに、直接金融市場においては社債及びコマーシャル・ペーパーを発行し、間接金融市場では銀行借入による長期借入金や短期借入金に加えて十分な当座貸越枠を確保しております。また、資金調達手段の多様化を図ることで、資金使途及び調達環境の情勢に応じた有利な手段を選択し、機動的な資金調達を実施しております。当連結会計年度末時点における当社の長期及び短期の信用格付けは以下のとおりとなっており、今後も一層の格付向上を目指し、収益性の向上、財務の健全性維持に努めてまいります。 長期短期㈱日本格付研究所(JCR)A/安定的J-1㈱格付投資情報センター(R&I)A/安定的a-1 「フリー・キャッシュ・フロー」 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減営業活動によるキャッシュ・フロー21,01024,5543,545投資活動によるキャッシュ・フロー△11,217△1,17810,039フリー・キャッシュ・フロー9,79323,37613,584 「有利子負債明細」 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減コマーシャル・ペーパー15,50025,0009,500社債20,00020,000-直接調達35,50045,0009,500短期借入金47,57244,986△2,586長期借入金(※)15,96612,109△3,857間接調達63,53857,095△6,442有利子負債合計99,038102,0953,058 (※)一年内返済予定分の残高を含みます。 ロ 資金の効率化当社グループは、グループ内の資金効率向上を目的として、グループ各社における余剰資金の集中と配分を行うべく、グループファイナンス制度を国内及び海外の各地域にて導入しております。 ハ 財務指標目標当社グループは、OVOL中期経営計画2026にて策定した財務指標目標に対して、基幹事業である紙・板紙の卸売事業で必要な運転資金の安定的な調達と、事業の多角化及びグループ経営の強化につなげる成長投資資金の調達余力を確保するため、営業活動の収益性向上、保有資産の効率的活用、ネットD/Eレシオや自己資本比率などの財務の健全性を示す経営指標の向上に取り組んでおります。 「財務指標」 OVOL中期経営計画2026目標前連結会計年度当連結会計年度ROE(自己資本利益率)8.0%以上5.8%3.6%ROA(総資産経常利益率)5.0%以上4.1%2.8%ROIC(投下資本利益率)7.0%以上5.7%4.2%ネットD/Eレシオ1.0倍以下0.60倍0.60倍 ニ 株主還元当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要施策のひとつとして位置づけ、長期にわたる経営基盤の安定と強化に努め、企業価値の向上を目指しております。配当の方針につきましては、安定的な配当を継続して行うことを基本方針とし、連結業績の動向も勘案することとしております。2024年度よりスタートしたOVOL中期経営計画2026の期間においては、市場の期待に応える積極的な株主還元として「連結配当性向30%以上とする累進配当」を掲げ、その後株主還元をさらに充実させ、安定的な配当を行う姿勢をより一層明確にするため、中期経営計画2026の残り期間(2026年3月期及び2027年3月期)においては、1株当たり年間配当金について「連結配当性向30%以上かつ連結自己資本配当率(DOE)3%以上とする累進配当」を行う方針といたしました。この変更に伴い、当期末の配当を1株当たり14円から20円とし、すでに実施済みの中間配当と合わせ、年間の配当額は1株当たり34円、前期から9円の増配といたしました。自己株式の取得については、2025年11月に8,384,900株を6,356百万円にて取得し、同月に30,000,000株の消却を実施いたしました。加えて、2026年2月9日開催の取締役会において、2026年2月10日から2026年8月7日までの期間に、取得株式総数5,000,000株または取得価額の総額5,500百万円を上限とする自己株式取得を決議し、当期においては2,363,200株を2,564百万円にて取得いたしました。その後2026年6月1日の買付けをもって取得価額の上限に達したため、取得を終了しております。OVOL中期経営計画2026の最終年度となる2026年度においては、前期から2円増配となる1株当たり36円(中間配当18円)を予定しており、自己株式の取得については、さらなる取得についても引き続き機動的かつ柔軟に検討してまいります。 (4) 今後の見通し2027年3月期の連結業績予想については、営業利益15,500百万円(前期比42.9%増)、経常利益15,000百万円(同37.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,000百万円(同69.5%増)としております。 当社グループは、「OVOL長期ビジョン2030」における3つのあるべき姿である「世界最強の紙流通企業グループ」「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」の実現に向け、「OVOL中期経営計画2026」において各種施策に取り組んでまいりました。事業環境の著しい変化に加え、成長投資・人的資本投資として進める本社移転に伴う一時費用の発生も見込まれることから、「中計2026」最終年度の定量目標である連結経常利益22,000百万円の達成は困難な見通しですが、引き続き各種施策の取り組みを加速させることで、持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。 セグメントごとの経常利益(セグメント利益)予想は次のとおりであります。 セグメント利益(経常利益) (単位:百万円、%) 2026年3月期2027年3月期(予想)増減額増減率国内卸売5,6986,0003025.3海外卸売△5494,2004,749-製紙加工7,2607,8005407.4環境原材料5611,500939167.4不動産賃貸1,5111,300△211△14.0調整額△3,595△5,800△2,205-計10,88715,0004,11337.8 「国内卸売」人口の減少や少子化の進行、情報発信・収集手段としてのSNSの定着等により、紙の需要は今後も縮小していくものと想定しております。一方、板紙につきましては、日用品・通販向けの需要は底堅く推移し、前期に好調であったトレーディングカード向け需要も継続するものと見込んでおります。運賃等の物流費や人件費などの経費の増加が見込まれるものの、代理店機能とサプライチェーンの強化によるマーケットシェアの拡大に加え、サプライチェーンにおける当社の機能や価値の提供を通じて競合他社との差別化を図っていきます。これらにより、経常利益は増益を見込んでおります。 「海外卸売」海外市場においては、先進国での紙需要の縮小傾向は継続すると想定しております。前期に業績が大きく低迷したドイツ子会社においては、販売数量の回復、不採算取引の見直し、前期に実施した事業構造改革の効果等により、業績改善を見込んでおります。その他の市場においても、高付加価値品の拡販に加え、補完的M&Aをさらに推進し収益力の向上を図ってまいります。これらにより、前期の赤字から黒字へ転換し、経常利益は大幅な増益を見込んでおります。 「製紙加工」製紙加工事業においては、段ボール事業では販売数量の増加及び平均販売単価の上昇を見込んでおります。再生家庭紙事業では前期並みの販売数量を想定しつつ、平均販売単価の上昇を見込んでおります。両事業ともに、燃料費・電力費・副資材費及び労務費などの製造関連コストは高水準が続くものと想定しておりますが、生産性向上やコスト削減などの効率化施策を引き続き推進することにより、経常利益は増益を見込んでおります。 「環境原材料」古紙事業においては、紙・板紙需要の減少に伴う古紙発生量の減少が続くものと想定しておりますが、引き続き中部地区を中心とした新規仕入先の開拓及び数量の拡充に取り組んでまいります。総合リサイクル事業においては、処理数量の確保と単価の上昇を見込んでおります。太陽光発電事業においては、売上収益は減少を見込むものの、修繕費や支払利息の減少等を見込んでおります。木質バイオマス発電事業においては、売上収益は前期並みを見込む一方、燃料コストの削減に取り組んでまいります。木質バイオマス発電所向け燃料販売事業においては、マレーシアにおける第3ヤードの新規稼働による取扱量の増加等を見込んでおり、これらを合わせた環境原材料セグメント全体の経常利益は増益を見込んでおります。 「不動産賃貸」都心部のオフィスやマンション賃貸需要の高まりによる賃料相場の上昇を踏まえた契約更新などに引き続き取り組んでまいりますが、金利の上昇や修繕費等の物件管理費用の増加により、経常利益は減益を見込んでおります。 一方で、不動産マーケットの活況を背景に、当社保有主要物件の評価額は大きく上昇しており、資本効率向上の観点から売却も視野に入れた検討を進めてまいります。 (5) 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積もり及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 紙需要の構造的減少
    情報媒体の電子化や省包装化により、紙・板紙の需要が構造的に減少するリスクがあります。特に先進国では印刷・情報用紙の需要減少が顕著であり、製紙原料である古紙の発生量も減少傾向にあります。これにより、主力事業の収益に影響が出る可能性があります。
  • 不動産市況の変動
    不動産賃貸事業において、人口減少や新しい働き方の浸透により、オフィス需要の減少や賃料水準の低下が起こるリスクがあります。保有不動産が東京・大阪など主要都市に集中しているため、現時点では影響は限定的と見ていますが、将来的な市場の変化には注意が必要です。
  • 仕入先メーカーの方針変更
    主要な仕入先である製紙メーカーが、生産効率や需要動向を理由に既存商品の生産を中止したり、寡占化が進んで市場での影響力が高まったりするリスクがあります。これにより、商品の安定供給が困難になったり、仕入れ条件が悪化したりする可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|13,491 文字
3 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメントに関する基本的な考え方当社グループは、事業の継続性と安定した経営基盤の確保を図るため、リスクマネジメントを経営の重要課題の一つとして位置づけ、取り組みを進めています。企業を取り巻くリスクが多様化・複雑化するなか、重大なリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営資源が損なわれるだけでなく、顧客や取引先との信頼関係や社会的な信用を毀損するなど、当社グループの事業継続に極めて深刻な影響をもたらすおそれがあります。当社は、これらのリスクに対応していくために、リスクの影響度と発生可能性を把握し、その顕在化を未然に防ぐ対策と、リスクが顕在化した際の確実な対策の実施に向けた体制の構築を進めています。 (2) リスク管理体制当社は、サステナビリティ戦略会議において、リスク管理に関わる年間活動計画を議論、承認するとともに、四半期ごとにその進捗を確認しています。また、取締役会に毎年報告を行い、取締役会はこれを監督しています。また、下部組織として、当社管理本部本部長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスクの洗い出し、分析、評価、対応の優先順位づけ及び個別リスクの取り組み施策の策定を行っています。 (3) リスクの特定当社グループでは、全社的視点・中長期的視点からグループ全体にとって重要なリスクを特定し、今後のリスク対策の強化につなげることを目的として、当社及び国内・海外の全グループ会社を対象にリスクアセスメントを実施しています。アセスメントでは、さまざまなリスクを網羅的に把握するため、約130項目からなる評価項目を設け、影響度と発生可能性の二軸でリスク度を評価し、さらにアセスメント実施時点における対策度も考慮のうえ、優先的に取り組むべき課題を抽出しています。 (4) 主要なリスク有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。このうち、リスクアセスメントにおいて、リスク度が高く、かつ対策度に課題があると判定されたリスクを「特に重要なリスク」として区分しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、現時点では予見できないまたは重要と見なされていないリスクや、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があります。 ①特に重要なリスクイ 自然災害リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、国内外に複数の拠点を有して事業を展開しており、地震、台風、豪雨、洪水、土砂災害、火山噴火等の自然災害、並びにそれらに伴う停電・断水・交通網の寸断等の影響を受ける可能性があります。これらの自然災害は、当社グループの事業拠点や主要なサプライヤー等が所在する地域においても、今後も一定の頻度で発生しうると認識しています。自然災害が発生した場合、当社グループの製造・物流・販売等のオペレーションが停止または大幅に制約されることに加え、設備・在庫等の物的損害、役職員の安全確保にかかるコストの増加、サプライチェーンの断絶や原材料調達の遅延・価格高騰などが生じる可能性があります。その結果、売上高の減少、復旧費用や代替調達コストの増加、保険で補填されない損失の発生等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応自然災害については、アセスメントにおいて、リスク度が極めて高く、かつ対策の見直しが必要な課題として認識されました。これを受けて、現在、リスク対策を専門とするコンサルタントの指導のもと、人命尊重を最優先とする方針に基づき初動対応の全面的な見直しを行うとともに、事業継続に重点を置いたBCPのプロセスと手順の見直しを進めております。また、自然災害に伴う経済的損失の一部をカバーするため、保険の見直しを継続的に行うとともに、防災訓練や安否確認訓練等を通じて役職員の防災意識の向上に努めています。 ロ 海外安全リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループが事業を行う、または主要な取引先・サプライヤーが所在する国・地域において、戦争、内乱、武力衝突、テロ行為、政情不安、経済制裁等が発生した場合、事業活動に重大な影響を受ける可能性があります。これらが発生または激化した場合、当社グループの拠点や設備への直接被害、従業員の安全確保の困難化に加え、輸出入規制・経済制裁・通商摩擦等による取引制限、物流・金融システムの混乱、為替レートや資源価格の急激な変動、顧客需要の減退等を通じて、当社グループの事業運営が制約される可能性があります。 当社グループの対応近年の地政学的リスクの高まりを受け、アセスメントでは、特に戦争・テロについては最も対策度に課題があるとの評価となりました。これを受けて、現在、リスク対策を専門とするコンサルタントの指導のもと、有事発生時における危機管理体制の見直しを行うとともに、現地役職員及び駐在員の安全確保を最優先とすべく、海外安全マニュアルの全面的な見直しを進めています。 ハ 設備の火災・爆発・事故リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループの設備において、経年劣化、人為的ミス、想定外の不具合等により、火災、爆発、機械事故のほか、重大な故障、不具合、停電等が発生する可能性があります。これらが発生した場合、当該拠点における製造・物流・サービス提供の停止または大幅な制約により、取引先への納期遅延・供給停止等が生じるおそれがあり、売上機会の喪失、収益性の悪化、追加的な投資負担の増加等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応アセスメントでは、特に製紙加工事業において、設備の火災・爆発・事故のリスク度が上位になりました。当社グループは、定期点検・予防保全の徹底、老朽設備の計画的更新、消防・防災設備の整備・点検を実施するとともに、危険物の適切な管理や安全教育の実施により、火災・事故等の未然防止と被害最小化に取り組み、一方で、保険加入により一定の経済的損失の補填を図っています。また、グループ内で事故等が発生した際は、「環境・安全推進室」より、原因や再発防止策などの情報をグループ内各社に横展開し、グループ全体で安全に対する意識の底上げを図っています。 ニ 人材関連リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループの持続的な成長と競争力の源泉は人材にあると認識しており、適切な人材の採用・育成・確保及び従業員のエンゲージメント維持が重要な経営課題となっています。一方で、少子高齢化の進展や労働市場の流動化、専門性の高い人材に対する需要の高まり等を背景に、必要とする人材を適時・適切に確保し、長期にわたり定着させることが困難となるリスクがあります。必要な人材の採用が計画どおりに進まない場合や、多様な価値観や能力を有する人材が十分に育成できなかった場合、当社グループの事業戦略の遂行や新規事業・新サービスの開発が遅延もしくは停滞し、生産性や品質、サービスレベルの維持・向上が困難となるなど、グループの中長期的な企業価値を低下させるおそれがあります。 当社グループの対応当社グループは、事業を展開する各国・地域において法令に基づく適正な労務管理等により、労務関連のリスクの低減に継続的に取り組むとともに、OVOL長期ビジョン2030で掲げる「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」を目指し、従業員の満足度をより高めつつ、多様な人材が個性を活かして挑戦し続けられる企業風土の醸成に取り組んでいます。なお、当社グループにおける人的資本・多様性に対する取組は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 戦略 ② 人的資本・多様性に対する取り組み」及び「(5)指標及び目標 ② 人的資本・多様性に対する取り組み」をご参照ください。 ホ IT・セキュリティに係るリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響外部からの予期せぬ不正アクセスやランサムウェアによる攻撃、災害等の不測の事態によって機密情報の漏洩、システムの障害及び通信回線のトラブル等が発生した場合、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態、さらには社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。 当社グループの対応当社グループは、ITインフラ整備と情報セキュリティに関する各種規程を整備し、当社グループが保有するシステムやデータ等の情報資産の適切な管理・保護に努め、ファイアウォールによる外部不正アクセスの防止、ウィルス防御システムの定期更新、システム及び通信回線の二重化等にも努めております。また、インシデント対応手順・連絡体制の整備と訓練、役職員への継続的な情報セキュリティ教育等により、攻撃を受けた場合でも被害の最小化を図る体制の整備を進めています。 ②重要なリスク・経営環境リスクイ 主な取扱商品の需要減少、市況及びマクロ経済変動リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループが取り扱う主な製品及び商品である紙、板紙は、情報媒体の電子化、省包装やパッケージ素材の切り替え等の要因によって構造的に需要が減少するリスクがあります。また、製紙原料である古紙は、紙・板紙の生産量及び消費量の減少によって発生・需要ともに一層減少するリスクがあります。世界全体でみれば紙パルプの市場規模は緩やかに拡大すると予想されるものの、日本をはじめとする先進国においては印刷・情報用紙の需要減少傾向が顕在化しており、製紙原料である古紙についても既に発生量が減少しております。また、事業を展開している地域における経済環境の悪化及びそれに伴う需要の減少、または消費動向に影響を及ぼすような不測の事態の発生や他社との厳しい競争による影響を受ける可能性があります。マクロ経済環境の悪化については、顕在化の時期・影響度について確定的な見積りを行うことは困難と認識しておりますが、当社グループが顧客の求める製品・商品を競争力ある価格により提供できない場合は、市場におけるシェアや顧客との取引関係を喪失する可能性があります。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売主力である印刷・情報用紙及び包装用途向けの紙・板紙に加え、環境配慮型・高機能素材等の高付加価値品の販売拡大を推進するとともに、紙の価値普及に向けた取り組みを実施しております。具体的には、紙の有する特性や魅力、環境面での優位性等に関する情報発信を継続しております。海外卸売製紙加工・製紙加工段ボール事業、再生家庭紙事業においては、インバウンド需要も含め、今後も比較的安定した需要を見込んでおりますとともに、段ボール事業においては通販用緩衝材、再生家庭紙事業においては高付加価値製品などの開発・生産により、新たな需要の確保にも注力しております。さらに、再生家庭紙事業では、原料古紙の確保と取引先との関係強化に向け、難再生古紙の使用やクローズドループによる資源循環型リサイクル体制の構築に取り組んでおります。・環境原材料古紙調達網の整備等により、古紙調達量を確保し、国内製紙メーカーへの安定供給の維持に取り組んでおります。また、収益性の低い事業会社における事業の停止や、一部事業拠点の売却・統廃合等により、事業ポートフォリオの見直し及び固定費負担の軽減に取り組んでおります。・製紙加工と環境原材料の相互補完当社グループは、川上である環境原材料セグメントから、川中である製紙加工セグメント、川下である国内卸売及び海外卸売の両セグメントまでの事業ポートフォリオを構築しております。そのため、原材料価格の下落時には、環境原材料セグメントの利益減少を製紙加工セグメントが製造コストの減少として吸収し、原材料価格の高騰時には、製紙加工セグメントの製造コストの増加を、環境原材料セグメントの利益増加として吸収する事業構造を構築しております。環境原材料 ロ 不動産市況の影響・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社は、国内所有不動産の活用による収益基盤の安定化を目的として不動産賃貸事業を行っております。賃貸用不動産が人口減少等によって供給過剰になるリスクや、所有不動産のうち築年数が進んでいる建物について、大規模な修繕等が必要になるリスクがあります。しかしながら、当社が保有する賃貸用不動産は東京・大阪・京都等、今後の人口減少社会においても急激な人口の変動が起きにくい地域にあるため、供給過剰による空室率の上昇や賃貸条件の悪化等の影響を受ける可能性は現在のところ僅少であると考えております。ただし、契約期間や契約方法によっては市況上昇分の賃料への転嫁がスムーズに進められないリスクや、築年数の経過に伴い競争力が低下し賃料が上げられないリスクがあります。 影響を受けるセグメントと対応不動産賃貸適切な契約更新による賃料収入の確保、築年数が経過した物件に対してはリノベーションによるバリューアップ、場合によっては資産の入れ替えや売却等、選択肢を限定しない検討を行い、不動産ポートフォリオの最適化をより一層進めてまいります。 ハ 仕入先メーカーの方針変更リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループが商品を仕入れている製紙メーカー各社は、生産効率、輸送コスト等を勘案して紙及び板紙を製造しており、需要動向や製造コスト等を理由に既存商品の生産を中止する決断を下すことがあり、その場合は当社グループが失注する可能性があります。また、需要の減少に対応するため製紙メーカーの寡占化が進んだ場合、仕入先である製紙メーカーの市場に対する影響力が高まり、相対的に当社グループの影響力が低下する可能性があります。ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。なお、当社は商品仕入総額に対して、王子ホールディングス㈱傘下の王子製紙㈱、王子エフテックス㈱及び王子マテリア㈱からの仕入比率は44.8%、日本製紙㈱からの比率は14.6%と高い比率となっております。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売調達先のグローバル化など多様化を進め、商品の安定供給ができる体制を構築しております。また、サプライチェーンの中で主導的な立場に立てるよう、川上、川下双方から評価される機能や付加価値の創造を図ってまいります。海外卸売 ニ 紙販売代理店機能の低下に係るリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響紙の需要構造の変化や、デジタルトランスフォーメーション等の影響により、当社グループが果たしてきた機能・役割を製紙メーカーもしくは顧客が担う可能性があります。その場合、当社グループの主力事業である卸売事業に大きな影響を与える可能性があります。ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売・国内卸売及び海外卸売主力である印刷・情報用紙及び包装用途向けの紙・板紙に加え、環境配慮型・高機能素材等の高付加価値品の販売拡大を推進するとともに、紙の価値普及に向けた取り組みを実施しております。具体的には、紙の有する特性や魅力、環境面での優位性等に関する情報発信を継続しております。・当社グループ全体製紙加工や環境原材料等の事業を拡大し、事業ポートフォリオの多角化を通じて当該リスクの影響を低下させることを目指しております。また、人権侵害や環境負荷のリスクに配慮しながらサプライチェーンの中で主導的な立場に立てるよう、川上、川下双方から評価される機能や付加価値の創造を図ってまいります。海外卸売 ホ カントリーリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、海外の会社との取引や出資において、当該国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延、不能等が発生するカントリーリスクを負っております。ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。 影響を受けるセグメントと対応海外卸売当社子会社所在国の政治、経済、社会情勢の変化については、現地勤務者や専門機関、取引先金融機関からの情報を適宜入手し、適切な経営判断や営業取引条件の設定・見直しに努めております。製紙加工環境原材料 ・業務リスクイ 取引先の信用リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、取引先に対して掛売りを行っているほか、前渡しや貸付を行う場合があります。このため、取引先の信用状況が悪化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。 当社グループの対応当社グループでは取引先ごとの信用限度額設定とその定期的な見直しや、与信先の信用状態に応じた担保・保証の設定、信用保険の付保等の債権保全策を講じております。 ロ 物流機能に係るリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響人口減少及び高齢化社会の進展にともない、トラック配送のドライバー等、物流機能を担う人手が不足する状態が徐々に顕在化しており、配送・保管コストの上昇や、人手の確保が困難になることで商品を適時適切に運べない等の機会損失が発生するリスクが高まっております。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売IT等を活用した合理化を徹底し、国内では、同業他社との物流共同化、週間配送量の平準化、委託倉庫における待機時間の削減、リードタイムの確保及び付帯作業の見直し等を推進しております。家庭紙においては、配送効率の向上とドライバーの作業負担軽減を両立させたノーパレット輸送を推進しております。海外卸売製紙加工環境原材料 ・財務リスクイ 新たな事業投資に関するリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、新たな事業展開及び既存事業の拡充・強化等を図り、事業ポートフォリオの最適化を目的として、新会社の設立やM&Aを含めた既存の会社への投資等を経営戦略のひとつとしております。当社グループが実行した事業投資について、当社グループ及び投資先企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していた収益やシナジー効果を得られない可能性があります。ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売新たな投資を行う際は事前にリスクについて十分な検討を行い、経営会議にて審議を重ねるほか、社内規程に基づく審査や、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデュー・デリジェンスを実施するなど極力諸リスクを回避するように努めております。海外卸売製紙加工環境原材料 ロ 関係会社株式及びのれんの減損リスク ・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、保有する関係会社の株式を貸借対照表に関係会社株式として計上しております。株式の実質価額が取得原価よりも著しく下落し、かつ、実質価額が取得原価まで回復する見込みがない場合、減損損失を計上することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループは、企業買収に伴って取得した子会社の将来の超過収益力として連結財務諸表にのれんを計上し、その効果の及ぶ期間にわたり償却を行っております。のれんの回収可能性については、子会社の業績や事業計画等を基に判断を行っておりますが、将来において当初想定した超過収益力が見込めなくなった場合には、のれんの減損損失が計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売グループ会社の財政状態、経営成績、事業計画等について定期的に収集し、減損の兆候が認められるかの判断を定期的に行っております。海外卸売製紙加工環境原材料 ハ 有形固定資産の減損リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、国内卸売事業や海外卸売事業における事務所や倉庫、製紙加工事業や環境原材料事業における生産設備並びに、不動産賃貸事業における賃貸用不動産等の固定資産を保有しておりますが、将来の経済状況が悪化し、収益性が有形固定資産の回収可能価額を下回った場合、有形固定資産の減損が発生する可能性があります。有形固定資産の減損については、兆候の有無を判定し、兆候が認められるかの判断を定期的に行っております。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売グループ会社の財政状態、経営成績について定期的に収集し、有形固定資産の減損の兆候がないか確認しております。海外卸売製紙加工環境原材料不動産賃貸 定期的に物件ごとの回収可能価額を調査し、有形固定資産の減損の兆候がないか確認しております。 ニ 資金調達に関するリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、事業活動及び事業投資等で必要となる資金について、財務の健全性維持を勘案し、国内外の金融機関等からの借入金及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行による金融市場からの調達を行っております。金融市場の混乱や当社格付の引き下げ、或いは金融機関、機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社グループの資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、インフレ率の変動や金融政策の先行き不透明感、地政学的リスクの高まり等を受け、各国中央銀行はそれぞれの経済状況に応じた金融政策を実施していることから、今後の国内外における動向によっては金融市場が大きく変動する余地があり、中期的に当該リスクが顕在化する可能性があります。 当社グループの対応当社グループは、各事業活動に必要とされる運転資金及び投融資資金の確保について、直接金融または間接金融における多様な手段の中から調達時点の市場環境等を考慮して資金調達を実施しております。また、当社グループのさらなる成長に必要な事業投資の継続と財務の健全性維持との両立を基本方針としております。 ホ 為替変動リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは輸出入及び外国間等の貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、日本円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っております。また、当社グループの連結財務諸表には、海外の連結子会社の資産・負債及び損益も組み込まれております。これらの企業はそれぞれ日本円以外の通貨にて財務諸表等を作成しており、各報告通貨を日本円に換算する時点の為替変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当該リスクの顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。 影響を受けるセグメントと対応国内卸売当社グループは、貿易取引では原則として先物為替予約等によるヘッジ策を講じております。ただし、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。海外卸売製紙加工環境原材料 ヘ 保有する投資有価証券の価格変動リスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、仕入先企業、販売先企業等、業務上密接な関係にある企業の株式を保有しております。当社グループが保有する有価証券のうち、時価を有するものについては、金融商品市場の動向等による価格変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、大幅な株式相場の下落や投資先における企業価値の毀損が生じた場合には、保有有価証券を減損処理する可能性があります。 当社グループの対応当社グループは、保有する有価証券については個別銘柄ごとに時価及び定量・定性面での関係性を取締役会等に定期的に報告し、保有の適否を検証しており、継続保有の妥当性が認められない場合には、取引先企業との協議の上、保有株式の縮減を進めていく方針です。 ト 税務に関するリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社及び連結子会社は、日本及び様々な税務管轄において法人税を課されており、通常の営業活動において連結会社間の移転価格取引により最終的な税額の決定に不確実な状況が多く生じております。 また、当社グループは多くの税務管轄において税務当局から継続的な調査も受けております。 当社グループが計上している税金引当額、及び繰越欠損金や繰越税額控除を含む繰延税金資産の帳簿価額の計算には高度な判断と見積り(将来の課税所得の見積りを含む)が必要となっており、それらの変動によって繰延税金資産の回収可能性は影響を受け、将来の税金費用の計上額に影響を及ぼす可能性があります。 一部の税務管轄において、繰越欠損金又は繰越税額控除の使用が、翌期以降の課税所得に対する一定の水準に制限されており、ある特定の要因の所得との相殺にしか使用できない場合があります。その場合、課税所得が発生した税務管轄において、多額の繰越欠損金又は繰越税額控除があるにもかかわらず、税金の支払いが発生するため税金費用を計上する可能性があります。 当社グループの対応当社グループでは当社及び連結子会社が計上する繰延税金資産について、回収可能性を定期的に見直し、必要に応じて増額・減額を行っております。 ・法的リスクイ 法的規制・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、国内外において、紙、板紙、パルプ、古紙、関連商品等の卸売事業のほか、製紙加工事業、環境原材料事業、不動産賃貸事業を展開しており、それぞれの事業活動において、日本及び各国の各種法令・規制の適用を受けております。これらの法令・規制について改正や解釈の変更、または新たな規制の導入が行われた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、製紙加工事業及び環境原材料事業においては、大気汚染防止、水質保全、土壌汚染対策、廃棄物処理及びリサイクル等に関する各種環境関連法令の適用を受けております。これらの規制が強化された場合には、対応コストの増加や設備投資の負担等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクの顕在化の時期及び影響の程度については、不確実性が高く、現時点において合理的な見積りを行うことは困難と認識しております。 当社グループの対応当社グループは、コンプライアンス経営の確立を重要な経営課題と位置づけ、全従業員を対象としたeラーニングや各種研修、セミナーの実施に加え、子会社において取締役等の重要な役職に就く出向者に対する研修及びガイダンスを行うなど、法令遵守体制の強化に努めております。また、グループ各社における環境関連法令・労働安全法令等への対応並びに安全操業体制の強化を、環境・安全推進室が中心となり推進しております。さらに、グループ横断組織である「OVOL環境・安全委員会」を通じて、法令遵守に関する意識の醸成、法令改正に関する情報の定期的な共有、並びに環境・労働安全に関する知見の共有を行っております。 ロ 訴訟に係るリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟・係争・その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。当連結会計年度において当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておらず、顕在化の時期・影響度については確定的な見積りを行うことは困難と認識しております。しかし、今後何らかの訴訟が提起された場合、当社グループの社会的な評判や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応リスク管理委員会を当社内に設置し、法律事務所等の専門家の助言を得ながらリーガルリスクの最小化、コンプライアンス違反の未然防止等に努めております。 ・人権リスクイ 人権問題に関するリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響当社グループは、人権の尊重を事業活動の基盤であると認識し、当社グループ事業に関わるすべての人々の人権を尊重する責任を果たすため、「日本紙パルプ商事グループ人権方針」を策定しております。また、経営層を対象とした外部有識者による「ビジネスと人権」に関する研修の実施や、2024年5月に「日本紙パルプ商事グループ 持続可能な調達に対する考え方」を策定・公表するとともに、グループ従業員への「ビジネスと人権」教育を実施するなど、人権尊重への取り組みを推進しております。一方で、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」や日本政府「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」に基づく企業への要請や社会的関心が高まるなか、当社グループの人権への取り組みが十分に機能しない場合、もしくは不十分と評価された場合には、顧客、金融機関、株主等のステークホルダーからの信頼低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループ内において人権に関する問題が発生し、その対応が不十分であると認識された場合には、顧客や金融機関等からの監査要求や、取引条件の見直し、融資の制約等を受ける可能性があります。加えて、サプライヤーや業務委託先において人権問題が発生した場合にも、当社グループに対して是正措置や救済対応の実施が求められ、これらの対応が不十分と評価された場合には、取引の縮小・停止やブランド毀損等を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応当社グループは、人権尊重の取り組みの実効性向上及びグループ全体への浸透を図るため、グループ及びサプライチェーンにおける人権リスクの把握・改善に向けた人権デュー・デリジェンスを継続しております。2025年度には当社グループの重要な人権課題を特定するとともに、当社及び国内グループ会社の役職員に対し当該「人権課題に関する研修と理解度確認テスト」を実施しました。また、主要サプライヤーに対して、アンケート調査を実施し、人権リスクの評価・把握に努めております。加えて、当社グループのサプライヤーや業務委託先等における人権への負の影響を救済する苦情処理窓口の設置についても検討を進めております。今後も、これらの取り組みを継続・高度化することにより、人権リスクの低減と適切な対応体制の構築を推進し、サプライチェーン全体での人権尊重の徹底を図ってまいります。 ・気候変動リスクイ 気候変動に係るリスク・リスクの概要と発生可能性、当社グループが受ける影響脱炭素社会への移行が進展する中、当社グループは、カーボンプライシングの導入、市場ニーズの急速な変化、環境規制の強化、並びに金融機関等の投融資基準の見直し等の影響を受ける可能性があります。特に、これらの変化への対応が不十分または遅延した場合、温室効果ガス(GHG)排出量の多い製紙加工事業等において、炭素税の負担増加や対応コストの上昇により、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応当社グループは、気候変動が事業に与える影響を重要な経営課題と認識し、TCFD提言に沿った情報開示を実施しております。また、当社は、「GXフューチャー・コンソーシアム」(旧「TCFDコンソーシアム」)に参加し、気候関連及びGXに関する知見共有や開示の高度化に取り組んでおります。TCFD提言に基づく取り組みとしてIPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などの外部機関が公表する複数のシナリオ(気温上昇が1.5℃~2.0℃に抑制される場合及び4℃以上になる場合)を用い、紙・板紙卸売、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸の各事業分野における気候変動の影響について定性的なシナリオ分析を実施し、2022年度に開示しております。さらに2023年度においては、移行リスク及び物理的リスクに関する財務インパクトについて、当社及び国内連結子会社を対象に試算を行い、開示内容の充実を図っております。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 日本紙パルプ商事 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →