8053

住友商事(8053)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 総合商社の多角経営: 住友商事は、鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、資源、化学品・エレクトロニクス・農業、エネルギートランスフォーメーションといった非常に幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の産業に依存せず、多様な収益源を確保しています。
  • グローバルネットワークと機能統合: 長年培ってきた国内外のネットワーク、顧客との関係、知的資産を基盤とし、ビジネス創出力、ロジスティクス、金融サービス、IT活用、リスク管理、情報収集・分析といった機能を統合して事業を推進しています。これにより、顧客の多様なニーズに応えることが可能となっています。
  • 投資と商取引の融合: 事業活動は大きく投資と商取引に分けられます。各セグメントにおいて、商品の国内・貿易取引、製造、販売、リース、開発・運営、アセットマネジメントなど、多岐にわたるビジネスモデルを組み合わせることで収益を上げています。特に、子会社や持分法適用会社への投資を通じて、事業領域を拡大し、収益基盤を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 鉄鋼グループ: 鉄鋼製品(鋼管・鋼材など)の国内・貿易取引、加工、関連事業を推進しています。主要な関係会社には住友商事グローバルメタルズなどがあります。世界的なエネルギー安定供給の重要性から石油・ガス開発が続く一方で、脱炭素化の動きも考慮し、洋上風力発電用基礎構造物事業への出資など、収益基盤の拡大とGX(グリーントランスフォーメーション)への貢献を目指しています。
  • 自動車グループ: 自動車、タイヤ、関連商品の製造、販売、リース、関連サービス・周辺事業を展開しています。住友商事パワー&モビリティ、住友三井オートサービスなどが主要な関係会社です。各国の経済発展に伴う自動車ニーズの伸長、所有から利活用へのシフト、環境車の普及といった市場の変化に対応し、流通販売網の拡充、モビリティサービス領域の拡大、新たな事業機会の創出に取り組んでいます。
  • エネルギートランスフォーメーショングループ: 国内外での発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNG等のエネルギー権益開発・生産・販売、海洋インフラ・船舶燃料供給、次世代エネルギー分野での事業開発を推進しています。サミットエナジー、Central Java Powerなどが主要な関係会社です。脱炭素社会への移行が進む中で、再生可能エネルギーや次世代エネルギーへの投資を強化し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,793 文字
3 【事業の内容】当社グループは、長年培ってきた信用、国内外のグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先とのグローバルリレーション、知的資産といったビジネス基盤と、ビジネス創出力、ロジスティクス構築力、金融サービス提供力、IT活用力、リスク管理力、情報収集・分析力といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。当社は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。当社の各グループ、及びその関係会社、各地域拠点が共同でそれぞれの事業を推進しております。当社グループの事業セグメント毎の取扱商品又は事業の内容、及び主要な関係会社名は以下のとおりであります。セグメント取扱商品又は事業の内容主要な関係会社名鉄鋼鋼管・鋼材等の鉄鋼製品の国内・貿易取引、加工及び関連事業を推進。住友商事グローバルメタルズ(子)Eryngium(子)Edgen Group(子)自動車自動車、タイヤ及びその他関連商品の製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業を推進。住友商事パワー&モビリティ(子)住友三井オートサービス(持)TBC Holdings(持)輸送機・建機リース・ファイナンス事業、航空機・船舶海洋・建設機械事業、防衛宇宙・安全保障ビジネスを推進。住友精密工業(子)SMS Construction And MiningSystems(子)三井住友ファイナンス&リース(持)都市総合開発不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラ・デジタルインフラの開発・運営・アセットマネジメント事業、建設資材の製造・販売、機電設備関連事業及び物流・保険関連事業を推進。住友商事マシネックス(子)住商グローバル・ロジスティクス(子)アイジー工業(子)メディア・デジタル(注)2,3デジタルソリューション事業、情報インフラ事業、モバイル付加価値サービス事業、第5世代移動通信システム(5G)事業、ケーブルテレビ事業、テレビ通販事業、映像コンテンツ関連事業、グローバルCVC事業(スタートアップ投資)を推進。SCSK(子)JCOM(持)ジュピターショップチャンネル(持)ライフスタイル食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果等の食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック等のヘルスケア事業を推進。サミット(子)トモズ(子)Fyffes International(子)資源金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売及び商品デリバティブの活用等の幅広い機能を提供するトレードビジネスを推進。Sumisho Coal AustraliaHoldings(子)SC Quebrada Blanca(子)Oresteel Investments(持)化学品・エレクトロニクス・農業化学品のトレード・製造事業、電子材料トレード及び電子機器製造受託事業、医薬関連事業、化粧品関連事業、アニマルヘルス事業、農業資材販売事業の推進。住友商事ケミカル(子)住商グローバルエレクトロニクス(子)Sumi Agro Europe(子)エネルギートランスフォーメーション国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNG等のエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、次世代エネルギー分野での事業開発を推進。サミットエナジー(子)Central Java Power(子)Pacific Summit Energy(子) (注)1 (子)は連結子会社、(持)は持分法適用会社であります。(注)2 当社は、2026年4月1日付で、全社組織傘下にあった「DX・ITグループ」を営業グループに変更し、「DX・ ITグループ」の名称を「デジタル・AIグループ」に変更しております。また、「メディア・デジタルグ ループ」傘下にあったデジタルSBUを「デジタル・AIグループ」傘下の組織に移管しております。(注)3 当社は、2026年4月1日付で、「メディア・デジタルグループ」の名称を「コミュニケーションサービスグ ループ」に変更しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
長年培ってきた信用、国内外のグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先とのグローバルリレーション。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業投資に係るリスク / 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク / 商品市況の変動に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

住友ブランドは長年の歴史と信頼性を持つが、具体的な特許やIPによる独占性は限定的。金属、住生活、情報・化学品、機械・インフラ、メディア・デジタル、次世代エネルギー・機能材料など多岐にわたる事業ポートフォリオを持つが、各事業における無形資産の強みは事業ごとに異なる。総合商社としてのブランド力は一定の評価に値する。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

総合商社は多岐にわたる事業を展開しており、顧客との長期的な取引関係や、特定のサプライチェーンにおける役割を通じて、一定のスイッチング・コストを生み出している。しかし、個々の取引においては競合他社への乗り換えも比較的容易な場合が多く、事業分野によってはスイッチング・コストは限定的である。特にコモディティ取引では価格決定力が重要となる。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

総合商社としての広範なネットワークは強みだが、特定のプラットフォーム型ビジネスのような明確なネットワーク効果(ユーザー増→価値増)は限定的。事業間のシナジー創出や情報収集能力にネットワークが活かされる側面はあるが、直接的な顧客間のネットワーク効果は薄い。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済を活かした調達力や、多様な事業ポートフォリオによるリスク分散、そして長年の事業運営で培われたノウハウがコスト競争力に寄与している。特に、金属資源やエネルギー分野での大規模取引における交渉力や、物流網の効率化などがコスト優位性の源泉となりうる。ただし、事業の多角化ゆえに、全ての事業で圧倒的なコスト優位を持つわけではない。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

住友商事は世界中に広がる事業網と巨大な資本力を持ち、多岐にわたる産業分野で事業を展開している。特に資源・エネルギー、金属、機械・インフラなどの大規模プロジェクトにおいては、その規模と資本力が参入障壁となり、寡占的な地位を築いている。業界全体で見ても、少数の大手総合商社が市場を支配しており、住友商事はその一角を担う。

  • 強固なビジネス基盤と機能統合力: 長年培ってきた信用力、国内外に広がるグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先との強固なリレーションシップ、そして知的資産といった基盤が住友商事の大きな強みです。これらを活用し、ビジネス創出力、ロジスティクス構築力、金融サービス提供力、IT活用力、リスク管理力、情報収集・分析力といった多様な機能を統合することで、顧客の複雑なニーズに対応し、多角的な事業活動をグローバルに展開できる点が競争優位となっています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ: 鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、資源、化学品・エレクトロニクス・農業、エネルギートランスフォーメーションといった9つのセグメントにわたる幅広い事業展開は、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。例えば、資源価格の変動リスクを他のセグメントの収益で補完できる可能性があります。
  • 戦略的な事業ポートフォリオ変革: 中期経営計画「中期経営計画2026」では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を目指しています。SCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の株式取得、政策保有株式の売却など、強みのある事業への投資と不採算事業の整理を積極的に行うことで、事業ポートフォリオの質を向上させ、持続的な成長を目指す姿勢が強みと言えます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「No.1事業群」の構築と成長: 中期経営計画2026では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位性を持つ事業をさらに強化し、社会課題解決を通じて飛躍的な成長を目指しています。具体的には、デジタル・リース、不動産・エネルギーソリューション、鉄鋼・ヘルスケアなどの「成長8分野」に重点的に経営資源を投下し、基礎的収益の平均成長率+11%を目指す計画です。
  • 事業ポートフォリオの変革と最適化: 強みを核とした成長を実現するため、事業ポートフォリオの変革を加速させています。SCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の株式取得など、成長分野への大型投資を行う一方で、政策保有株式や不採算事業の売却を進め、資産の新陳代謝を促進しています。ROIC(投下資本利益率)やWACC(加重平均資本コスト)をモニタリングし、各ビジネスの期待役割を見直すことで、ポートフォリオ全体の質向上を図っています。
  • 成長の原動力強化とデジタル・AI戦略: 経営人財やラインマネージャーの育成、自律的なキャリア形成の促進、業務改革推進など、組織全体の成長力を高める取り組みを進めています。特に、SCSKの完全子会社化を経て策定した「デジタル・AI戦略(DAIS)」に基づき、事業現場でのデジタル・AI活用を推進し、グループ全体の収益性向上を目指しています。また、過去の投資案件からリスクや論点を抽出するAIプラットフォームを構築するなど、投資の成功確度向上にも取り組んでいます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ●中期経営計画2026の進捗2024年度から始まった中期経営計画2026では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を実現すべく、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組み、「事業ポートフォリオ変革」を加速させています。2025年度は「強みを核とした成長」や「事業ポートフォリオ変革」を着実に推進した結果、過去最高となる当期利益6,003億円となりました。現中期経営計画最終年度となる2026年度については、中東情勢等の地政学的リスクの顕在化懸念もありますが、既存事業を中心とするOrganicと大型投資案件を中心とするInorganicの両面で成長を牽引することで過去最高益を更新する6,300億円を計画しています。 2025年度実績 (1) 中期経営計画2026における取組の状況① 強みを核とした成長・成長8分野につき、2023年度から2026年度の基礎的収益(注)の平均成長率が+11%となる見込み・2025年度における成長8分野での利益成長は前年度比プラス150億円・SCSKの完全子会社化を経てデジタル・AI戦略(DAIS)を策定。当社の事業現場でデジタル・AIを活用し、当社グループの収益性向上に取り組む・2026年度は、Organic成長に加えて、SCSK、米国航空機リース会社の利益貢献により成長8分野で前年度比790億円の増益を計画・デジタル・リース:実施した大型投資により更なる収益成長を目指す・不動産・エネルギーソリューション:資産回転推進による収益性向上等により収益成長を図る・鉄鋼・ヘルスケア:成長市場への経営資源投下、デジタル・AIを活用した収益性向上を図る・建機・アグリ:足元の低パフォーマンスを分析し、経営基盤強化と収益性の抜本的な改善に取り組む(注)「基礎的収益」は当期利益(親会社の所有者に帰属)から資産入替関連及び特殊損益を除いたものです。 ② 事業ポートフォリオ変革・2025年度はSCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の株式取得合意(2026年4月に買収完了)など、強みを更に強くする投資を実行・政策保有株式、ティーガイア社、マイダス社、北米メロン生産・販売事業、Sekal ASの売却等、資産入替も着実に進捗し、事業ポートフォリオの新陳代謝を加速・アンバトビーニッケル事業については、当社は2026年5月に譲渡契約を締結、当社保有の全出資持分を譲渡・SBU毎にROIC・WACCをモニタリング、機動的に各ビジネスの期待役割を見直し、全体としてポートフォリオの質向上を図る ③ 成長の原動力の強化・経営人財やラインマネージャーの育成、自律的なキャリア形成の促進、業務改革推進等の取組進捗。エンゲージメントは継続的に改善・都市総合開発グループではインフラ事業の知見/ノウハウを活かした海外都市開発案件等の取組進捗 (2) 定量計画① 経営環境全般世界経済は、緩やかな回復基調が続いてきたものの、米国・イスラエルとイランの軍事衝突を受けてホルムズ海峡の航行が困難となり、鉱物性燃料、化学品、金属等原材料の供給途絶とそれに伴う価格上昇が生じており、足元では先行き不透明感が増しております。先進国経済では、米国において総じて緩やかな持ち直しの動きが続いているものの、ガソリンやディーゼル等の石油製品価格の上昇が、個人消費や生産活動全般の重石となることが懸念されます。ユーロ圏経済は、財政による下支えや金融緩和の効果を背景に景気回復の動きが続いてきましたが、エネルギー不足やエネルギー価格高騰の悪影響が懸念されます。日本経済は、物価上昇ペースが一服しつつある中で、財政政策や賃金上昇の効果が徐々に表れてきた一方、物資不足や生活関連費の上昇が消費者マインドの改善の重石となっております。新興国経済では、中国において不動産市場の低迷や欧米向け輸出の伸び悩みが経済活動の下押し要因となっております。その他のアジア諸国では、米国の関税措置により景気の足取りが重くなったものの、AIデータセンター向け等の電気機器輸出が景気を下支えしてきました。しかしながら、ホルムズ海峡の混乱に伴う重要物資の供給障害及び価格高騰が、景気の先行き不透明感を一段と強めております。今後のリスク要因としては、ホルムズ海峡の実質的封鎖の長期化、不安定な鉱物性燃料供給の継続及び価格上昇を通じた世界的な物価上昇、物価抑制に向けた金融引き締め、経済活動支援に伴う各国の財政悪化に加え、北東アジア、東南アジア、アフリカ等における地政学的リスクの高まりが挙げられます。 鉄鋼グループ当グループは、鋼管・鋼材など鉄鋼製品を幅広く取り扱っております。鋼管分野では、米国市場は足元横ばいで推移しておりますが、原油価格の動向次第では価格・需要が変動する可能性があります。その他地域は、一部プロジェクトの端境期からの回復を見込む一方、中東情勢等の変化により回復時期や需要動向が左右される可能性があります。また、世界各国でエネルギー安定供給の重要性を背景に石油・ガス開発は継続するも、脱炭素に向けたエナジートランジションの動きも続く見通しです。鋼材分野では、米国で鋼材価格は上昇基調にあるものの、物価高や景気動向により需要が下振れする可能性があります。その他地域では中国での需要低迷が続き、中国材の東南アジア等への流入により各地市況が押し下げられております。他方、欧州洋上風力発電用の基礎構造物事業への出資等を通じ、収益基盤の拡大に取り組んでおります。以上を踏まえ、既存事業を堅持しつつ、強みを有する事業・地域に経営資本を重点配分して収益力を強化してまいります。また、DX・AIによる新たな価値提供に加え、再生可能エネルギーやCCS等、カーボンニュートラルに資する製品・サービスの供給を通じて産業のGXに貢献してまいります。 自動車グループ当グループは、自動車業界のバリューチェーンを俯瞰し、自動車、タイヤ、及びその他関連商品の製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業を行っております。当グループを取り巻く環境では、各国の経済発展、人・モノの移動の増加を支える自動車ニーズの伸長、所有から利活用(リース・レンタル・サブスクリプション等)へのシフト、カーボンニュートラル実現へ向けた環境車の普及、循環型経済の構築へ向けた再利用・リサイクル促進へのニーズが高まっております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスクがもたらすサプライチェーンの混乱、原材料コスト・人件費・金利等の上昇による経済の成長鈍化懸念があり、動向を注視しております。このような環境を踏まえ、足元の市場環境の変化への備えを確実にするとともに、自動車流通販売事業における商品や販売・サービス網の拡充による成長促進、自動車リース事業を軸とするモビリティサービス領域におけるサービス拡大、自動車エンジニアリング事業等の新たな事業機会の取り込み、部品製造事業・販売金融事業・タイヤ販売事業のバリューアップによる収益規模拡大、Beyond Mobility(移動から発生する、移動を越えた領域)の新規事業の創出・育成に取り組んでまいります。 輸送機・建機グループ当グループは、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーンを展開する航空機・船舶海洋・建設機械事業、高い専門性を持つ防衛宇宙・安全保障ビジネスを中心に、各種取引及び事業投資を行っております。当グループを取り巻く事業環境については、足元では中東情勢の緊迫化に伴い、地政学的リスクが顕在化しております。現時点での当グループ事業への直接的な影響は限定的であるものの、市況の変動や資材・燃料価格の動向等については注視しております。一方、中長期的には、世界的な航空需要の拡大が見込まれるほか、海上貨物輸送やインフラの建設・更新需要も堅調に推移すると見込んでおります。同時に、脱炭素社会や循環経済の実現に向けた社会的な要請が一層高まっております。こうした環境を踏まえ、当グループは強みを持つ事業の収益性向上に注力してまいります。リース・ファイナンス事業では優良資産の積み上げと資産効率の向上を図り、建設機械事業では米国の関税措置といった不確実性への影響を注視しつつ、コスト削減やフリートマネジメントを柱とした収益改善施策を進めてまいります。また、航空機事業における退役機の部品販売を始めとするアフターマーケット事業、船舶海洋事業における洋上風力で使用される構造物の製造など、社会的な課題やニーズに応える事業を積極的に進め、成長を加速してまいります。 都市総合開発グループ当グループは、不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラ及びデジタルインフラの開発・運営・アセットマネジメント事業、建材・セメントなどの建設資材関連事業、産業用設備などの機電設備関連事業、物流・保険関連事業を展開しております。不動産分野では国内不動産事業が堅調に推移したほか、工業団地分野においても引渡しが順調に進展し、期初予想を上回る実績となりました。当グループの主力ビジネスである国内不動産事業においては、今後も大都市圏を中心に需給バランスがタイトな状況が継続すると見込まれる一方で、中東情勢、金利動向、為替変動、インフレ等を取り巻く不確実性が、国内外事業におけるコストや工期を含む採算面に与える影響については、引き続き慎重な見極めが必要であると認識しております。当グループでは、こうした外部環境の変化を注視しつつ、事業のレジリエンス強化に努めております。このような環境認識のもと、資産入替や金融ストラクチャリングを積極的に活用し、自然環境に配慮するとともに災害に強い街づくりのグローバル展開を推し進めてまいります。 コミュニケーションサービスグループ当グループは、通信インフラ事業、通信サービス事業、メディア・エンターテインメント事業、金融投資事業を行っております。通信インフラ事業領域では、高速・大容量通信の需要拡大により、キャリア横断的な通信インフラの新増設とその共同利用の需要が見込まれており、当グループでは通信事業者向けの基地局シェアリング事業を拡大しております。通信サービス事業領域では、人手に依存していた公共インフラの保守・点検を通信技術とAIで置き換え、安心安全を更に向上させようという取り組みが進んでおり、異常検知AIソリューションの開発・展開を進めております。メディア・エンターテインメント事業領域では、国内最大のケーブル通信事業会社JCOM及び通販事業のジュピターショップチャンネルの企業価値最大化に加え、日本のアニメコンテンツが世界的に高い評価を受けていることを踏まえ、海外展開・二次利用事業の開発に取り組んでおります。金融投資事業領域ではスタートアップ投資やプライベートエクイティ投資を行っております。 デジタル・AIグループ当グループはネットワーク構築からシステム開発・運用およびデジタル・AI領域におけるソリューション事業を総合的に展開しております。事業環境は、既存のシステム・環境の刷新やクラウドの高度利用ニーズの拡大に支えられ、引き続き堅調に推移しております。加えて、DXの進展に伴い、顧客におけるシステム開発の主導権が情報システム部門から事業部門へと広がるとともに、AI技術の急速な発展により、AIを前提としたプロセス・業務そのものの変革ニーズが高まるなど、当グループにとって新たな事業機会が広がっております。こうした環境のもと、当グループは、従来の基幹・業務系システム開発・運用を中心とした事業基盤を強化しつつ、デジタル・AI領域へと事業の拡張を進めております。具体的には、AIを活用した開発高度化を通じた生産性向上とともに、顧客課題の発掘から事業・業務変革まで踏み込んだ提案型ビジネスの強化により、付加価値の高いサービス提供を推進してまいります。 ライフスタイルグループ当グループは、食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果などの食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック・慢性疾患患者向け在宅ヘルスケア事業などのヘルスケア事業を展開しております。リテイル及び食料分野では、消費者の価値観やライフスタイルの多様化・ニーズの細分化、食と健康に対する意識の高まりが見込まれます。一方で、地政学リスクの高まりやその一部顕在化を背景とした関連コストの上昇等により、消費マインドの抑制傾向が続く等、事業環境の不透明感が継続しております。ヘルスケア分野では、高齢化加速に伴う医療費適正化ニーズが一層高まる見通しであり、いずれも生活を支える事業として社会的重要性は引き続き高まっていくものと見ております。このような環境を踏まえ、リテイル事業では、優良な店舗基盤と顧客へのアクセスを持つ強みを生かし、データ活用によるマーケティング及びデジタル・AI活用によるオペレーションの高度化や新規事業拡大に取り組んでまいります。食料事業では、食料・食品の調達・加工・販売のノウハウとグローバルなネットワークを通じた収益基盤の強化と成長分野への展開を図ってまいります。ヘルスケア事業では、国内外での事業基盤拡大を通じ、医療費抑制・適正化に資する取り組みを進め、持続的な成長を目指してまいります。 資源グループ当グループは、金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売を展開し、トレード分野でも当社事業とのシナジー発揮や、商品デリバティブの活用等、多様な機能を提供しております。資源価格は、地政学的リスク等を背景に先行きの不透明感がある中、品目ごとの強弱はあっても底堅く推移しており、中長期の市況変動サイクル、業界におけるプレイヤー・地域の偏在性、経済安全保障・技術革新を含むバリューチェーンや需給バランスの環境変化、資源案件開発の高難度化等の諸環境を踏まえ、当社ならではの経験・強みを発揮し、社会課題解決を通じた成長を図る事業ポートフォリオ、基盤の強化を進めております。基幹産業を支えるベースメタルを中心に、既存資産の価値最大化と優良権益の拡充に取り組むとともに、市況影響を受けにくい製造業・トレード等の中下流ビジネス拡充に引き続き注力し、環境負荷低減に資する投資や機能提供の促進、気候変動緩和に寄与するバリューチェーン構築を推進しております。これら取り組みを通じて、日本及び世界の産業発展と持続可能な社会の実現に貢献し、人々の豊かな未来を創造することを目指してまいります。 化学品・エレクトロニクス・農業グループ当グループは、基礎化学品、エレクトロニクス、グリーンケミカル、医薬、化粧品、動物薬、農業資材等の分野において、材料・製品の開発、製造、販売事業を展開しております。基礎化学品分野における新興国企業の台頭やエレクトロニクス分野におけるデジタル・AIの進展、EV化等に伴う業界構造の変化、経済安全保障を背景としたサプライチェーン再構築に加え、農業資材分野では、穀物市況の低迷や高金利の状況が事業環境に影響を及ぼしております。さらに、中東情勢の先行き不透明感の高まり、為替変動や物流コストの上昇、地政学的要因等を背景に、近年、当グループを取り巻く事業環境の不確実性は高まっております。このような環境下、当グループでは外部環境の変動が継続することを想定し、事業機会の着実な取り込みとリスクへの対応に取り組んでおります。今後は、各分野における事業基盤の強化や高付加価値創出を通じ、外部環境変化に対する下振れ耐性を高めつつ、持続的な収益成長を目指してまいります。 エネルギートランスフォーメーショングループ当グループは、国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNGなどのエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、カーボンニュートラル社会実現に資する次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。ベトナム発電事業持分利益の減少、欧州ガストレードの低調など一部事業に関しては前年比減益となりましたが、電力EPC案件にかかる工事損失引当の取崩益や米国ガストレードにおける契約譲渡益等の一過性利益の計上もあり、グループ全体の利益としては堅調に推移しております。 当グループを取り巻く環境としては、生成AI普及(データセンター利用増大)に伴う電力消費量の増大、及び脱炭素・循環型社会の実現に向けた要請に加え、エネルギー安全保障に関する関心の高まりやエネルギー需要構成の変化が進んでおります。こうした環境下、ガスの重要性が増大し、経済性等の制約から脱炭素化は段階的に進展していきます。一方、昨今の地政学リスクの顕在化により、先行き不透明感が増大しております。こうした環境を踏まえ、当グループは、戦略性に富み、成長が見込める事業・資産への入替を促進し、エネルギー・トランジション事業と脱炭素関連事業の両方をバランス良く取り組んでまいります。次世代エネルギー分野での事業開発については、外部環境の変化に対応し、時間軸・リソース配分について迅速に調整を行いながら着実に継続してまいります。加えて、上流ビジネスを補完しバリューを高めるトレード機能と中下流ビジネスを強化し、より収益性の高いポートフォリオの構築を目指してまいります。 ② 定量計画・利益計画2026年度は、成長8分野がデジタル、リース、不動産、エネルギーソリューションを中心に着実な成長を計画しているほか、継続的な資産入替によるポートフォリオ変革の加速により、積み上げで6,600億円の利益となります。中東情勢の緊迫化等の地政学的リスクが事業及び業績に与える影響については、現時点で見積もり可能な影響を各セグメントの見通しに織り込んでおります。一方、中東情勢における更なる不確実性などに対する備えとして△300億円のバッファーを設定し、通期業績予想は6,300億円としております。 ・キャッシュ・フローアロケーション2024年度、2025年度の実績及び2026年度中の計画については以下のとおりです。 また、財務健全性改善に向けては、資産入替の加速等により2028年度末までの3年間で財務健全性を大型投資実行前(2024年度末)の水準まで戻す計画です。一方で、現行の株主還元方針は継続、戦略的な投資も例年と同規模で実施し、更なる成長を目指します。 (3) 株主還元方針2024年度から開始した「中期経営計画2026」以降の株主還元方針については以下のとおりです。・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施する・累進配当(注)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す(注)1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持又は増配を行うことを指します。 当社は、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的として、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。 2026年度の年間配当金は2026年度通期連結業績予想6,300億円を踏まえ、株式分割考慮後で1株当たり40円(株式分割考慮前で前期比10円増配となる160円)とする予定です。また、2026年5月1日の取締役会において、800億円(うち、2025年度の追加株主還元:100億円、2026年度の株主還元:700億円)を上限とする自己株式の取得を決定しました。 詳細については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ●中期経営計画2026の進捗2024年度から始まった中期経営計画2026では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を実現すべく、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組み、「事業ポートフォリオ変革」を加速させています。2025年度は「強みを核とした成長」や「事業ポートフォリオ変革」を着実に推進した結果、過去最高となる当期利益6,003億円となりました。現中期経営計画最終年度となる2026年度については、中東情勢等の地政学的リスクの顕在化懸念もありますが、既存事業を中心とするOrganicと大型投資案件を中心とするInorganicの両面で成長を牽引することで過去最高益を更新する6,300億円を計画しています。 2025年度実績 (1) 中期経営計画2026における取組の状況① 強みを核とした成長・成長8分野につき、2023年度から2026年度の基礎的収益(注)の平均成長率が+11%となる見込み・2025年度における成長8分野での利益成長は前年度比プラス150億円・SCSKの完全子会社化を経てデジタル・AI戦略(DAIS)を策定。当社の事業現場でデジタル・AIを活用し、当社グループの収益性向上に取り組む・2026年度は、Organic成長に加えて、SCSK、米国航空機リース会社の利益貢献により成長8分野で前年度比790億円の増益を計画・デジタル・リース:実施した大型投資により更なる収益成長を目指す・不動産・エネルギーソリューション:資産回転推進による収益性向上等により収益成長を図る・鉄鋼・ヘルスケア:成長市場への経営資源投下、デジタル・AIを活用した収益性向上を図る・建機・アグリ:足元の低パフォーマンスを分析し、経営基盤強化と収益性の抜本的な改善に取り組む(注)「基礎的収益」は当期利益(親会社の所有者に帰属)から資産入替関連及び特殊損益を除いたものです。 ② 事業ポートフォリオ変革・2025年度はSCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の株式取得合意(2026年4月に買収完了)など、強みを更に強くする投資を実行・政策保有株式、ティーガイア社、マイダス社、北米メロン生産・販売事業、Sekal ASの売却等、資産入替も着実に進捗し、事業ポートフォリオの新陳代謝を加速・アンバトビーニッケル事業については、当社は2026年5月に譲渡契約を締結、当社保有の全出資持分を譲渡・SBU毎にROIC・WACCをモニタリング、機動的に各ビジネスの期待役割を見直し、全体としてポートフォリオの質向上を図る ③ 成長の原動力の強化・経営人財やラインマネージャーの育成、自律的なキャリア形成の促進、業務改革推進等の取組進捗。エンゲージメントは継続的に改善・都市総合開発グループではインフラ事業の知見/ノウハウを活かした海外都市開発案件等の取組進捗 (2) 定量計画① 経営環境全般世界経済は、緩やかな回復基調が続いてきたものの、米国・イスラエルとイランの軍事衝突を受けてホルムズ海峡の航行が困難となり、鉱物性燃料、化学品、金属等原材料の供給途絶とそれに伴う価格上昇が生じており、足元では先行き不透明感が増しております。先進国経済では、米国において総じて緩やかな持ち直しの動きが続いているものの、ガソリンやディーゼル等の石油製品価格の上昇が、個人消費や生産活動全般の重石となることが懸念されます。ユーロ圏経済は、財政による下支えや金融緩和の効果を背景に景気回復の動きが続いてきましたが、エネルギー不足やエネルギー価格高騰の悪影響が懸念されます。日本経済は、物価上昇ペースが一服しつつある中で、財政政策や賃金上昇の効果が徐々に表れてきた一方、物資不足や生活関連費の上昇が消費者マインドの改善の重石となっております。新興国経済では、中国において不動産市場の低迷や欧米向け輸出の伸び悩みが経済活動の下押し要因となっております。その他のアジア諸国では、米国の関税措置により景気の足取りが重くなったものの、AIデータセンター向け等の電気機器輸出が景気を下支えしてきました。しかしながら、ホルムズ海峡の混乱に伴う重要物資の供給障害及び価格高騰が、景気の先行き不透明感を一段と強めております。今後のリスク要因としては、ホルムズ海峡の実質的封鎖の長期化、不安定な鉱物性燃料供給の継続及び価格上昇を通じた世界的な物価上昇、物価抑制に向けた金融引き締め、経済活動支援に伴う各国の財政悪化に加え、北東アジア、東南アジア、アフリカ等における地政学的リスクの高まりが挙げられます。 鉄鋼グループ当グループは、鋼管・鋼材など鉄鋼製品を幅広く取り扱っております。鋼管分野では、米国市場は足元横ばいで推移しておりますが、原油価格の動向次第では価格・需要が変動する可能性があります。その他地域は、一部プロジェクトの端境期からの回復を見込む一方、中東情勢等の変化により回復時期や需要動向が左右される可能性があります。また、世界各国でエネルギー安定供給の重要性を背景に石油・ガス開発は継続するも、脱炭素に向けたエナジートランジションの動きも続く見通しです。鋼材分野では、米国で鋼材価格は上昇基調にあるものの、物価高や景気動向により需要が下振れする可能性があります。その他地域では中国での需要低迷が続き、中国材の東南アジア等への流入により各地市況が押し下げられております。他方、欧州洋上風力発電用の基礎構造物事業への出資等を通じ、収益基盤の拡大に取り組んでおります。以上を踏まえ、既存事業を堅持しつつ、強みを有する事業・地域に経営資本を重点配分して収益力を強化してまいります。また、DX・AIによる新たな価値提供に加え、再生可能エネルギーやCCS等、カーボンニュートラルに資する製品・サービスの供給を通じて産業のGXに貢献してまいります。 自動車グループ当グループは、自動車業界のバリューチェーンを俯瞰し、自動車、タイヤ、及びその他関連商品の製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業を行っております。当グループを取り巻く環境では、各国の経済発展、人・モノの移動の増加を支える自動車ニーズの伸長、所有から利活用(リース・レンタル・サブスクリプション等)へのシフト、カーボンニュートラル実現へ向けた環境車の普及、循環型経済の構築へ向けた再利用・リサイクル促進へのニーズが高まっております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスクがもたらすサプライチェーンの混乱、原材料コスト・人件費・金利等の上昇による経済の成長鈍化懸念があり、動向を注視しております。このような環境を踏まえ、足元の市場環境の変化への備えを確実にするとともに、自動車流通販売事業における商品や販売・サービス網の拡充による成長促進、自動車リース事業を軸とするモビリティサービス領域におけるサービス拡大、自動車エンジニアリング事業等の新たな事業機会の取り込み、部品製造事業・販売金融事業・タイヤ販売事業のバリューアップによる収益規模拡大、Beyond Mobility(移動から発生する、移動を越えた領域)の新規事業の創出・育成に取り組んでまいります。 輸送機・建機グループ当グループは、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーンを展開する航空機・船舶海洋・建設機械事業、高い専門性を持つ防衛宇宙・安全保障ビジネスを中心に、各種取引及び事業投資を行っております。当グループを取り巻く事業環境については、足元では中東情勢の緊迫化に伴い、地政学的リスクが顕在化しております。現時点での当グループ事業への直接的な影響は限定的であるものの、市況の変動や資材・燃料価格の動向等については注視しております。一方、中長期的には、世界的な航空需要の拡大が見込まれるほか、海上貨物輸送やインフラの建設・更新需要も堅調に推移すると見込んでおります。同時に、脱炭素社会や循環経済の実現に向けた社会的な要請が一層高まっております。こうした環境を踏まえ、当グループは強みを持つ事業の収益性向上に注力してまいります。リース・ファイナンス事業では優良資産の積み上げと資産効率の向上を図り、建設機械事業では米国の関税措置といった不確実性への影響を注視しつつ、コスト削減やフリートマネジメントを柱とした収益改善施策を進めてまいります。また、航空機事業における退役機の部品販売を始めとするアフターマーケット事業、船舶海洋事業における洋上風力で使用される構造物の製造など、社会的な課題やニーズに応える事業を積極的に進め、成長を加速してまいります。 都市総合開発グループ当グループは、不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラ及びデジタルインフラの開発・運営・アセットマネジメント事業、建材・セメントなどの建設資材関連事業、産業用設備などの機電設備関連事業、物流・保険関連事業を展開しております。不動産分野では国内不動産事業が堅調に推移したほか、工業団地分野においても引渡しが順調に進展し、期初予想を上回る実績となりました。当グループの主力ビジネスである国内不動産事業においては、今後も大都市圏を中心に需給バランスがタイトな状況が継続すると見込まれる一方で、中東情勢、金利動向、為替変動、インフレ等を取り巻く不確実性が、国内外事業におけるコストや工期を含む採算面に与える影響については、引き続き慎重な見極めが必要であると認識しております。当グループでは、こうした外部環境の変化を注視しつつ、事業のレジリエンス強化に努めております。このような環境認識のもと、資産入替や金融ストラクチャリングを積極的に活用し、自然環境に配慮するとともに災害に強い街づくりのグローバル展開を推し進めてまいります。 コミュニケーションサービスグループ当グループは、通信インフラ事業、通信サービス事業、メディア・エンターテインメント事業、金融投資事業を行っております。通信インフラ事業領域では、高速・大容量通信の需要拡大により、キャリア横断的な通信インフラの新増設とその共同利用の需要が見込まれており、当グループでは通信事業者向けの基地局シェアリング事業を拡大しております。通信サービス事業領域では、人手に依存していた公共インフラの保守・点検を通信技術とAIで置き換え、安心安全を更に向上させようという取り組みが進んでおり、異常検知AIソリューションの開発・展開を進めております。メディア・エンターテインメント事業領域では、国内最大のケーブル通信事業会社JCOM及び通販事業のジュピターショップチャンネルの企業価値最大化に加え、日本のアニメコンテンツが世界的に高い評価を受けていることを踏まえ、海外展開・二次利用事業の開発に取り組んでおります。金融投資事業領域ではスタートアップ投資やプライベートエクイティ投資を行っております。 デジタル・AIグループ当グループはネットワーク構築からシステム開発・運用およびデジタル・AI領域におけるソリューション事業を総合的に展開しております。事業環境は、既存のシステム・環境の刷新やクラウドの高度利用ニーズの拡大に支えられ、引き続き堅調に推移しております。加えて、DXの進展に伴い、顧客におけるシステム開発の主導権が情報システム部門から事業部門へと広がるとともに、AI技術の急速な発展により、AIを前提としたプロセス・業務そのものの変革ニーズが高まるなど、当グループにとって新たな事業機会が広がっております。こうした環境のもと、当グループは、従来の基幹・業務系システム開発・運用を中心とした事業基盤を強化しつつ、デジタル・AI領域へと事業の拡張を進めております。具体的には、AIを活用した開発高度化を通じた生産性向上とともに、顧客課題の発掘から事業・業務変革まで踏み込んだ提案型ビジネスの強化により、付加価値の高いサービス提供を推進してまいります。 ライフスタイルグループ当グループは、食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果などの食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック・慢性疾患患者向け在宅ヘルスケア事業などのヘルスケア事業を展開しております。リテイル及び食料分野では、消費者の価値観やライフスタイルの多様化・ニーズの細分化、食と健康に対する意識の高まりが見込まれます。一方で、地政学リスクの高まりやその一部顕在化を背景とした関連コストの上昇等により、消費マインドの抑制傾向が続く等、事業環境の不透明感が継続しております。ヘルスケア分野では、高齢化加速に伴う医療費適正化ニーズが一層高まる見通しであり、いずれも生活を支える事業として社会的重要性は引き続き高まっていくものと見ております。このような環境を踏まえ、リテイル事業では、優良な店舗基盤と顧客へのアクセスを持つ強みを生かし、データ活用によるマーケティング及びデジタル・AI活用によるオペレーションの高度化や新規事業拡大に取り組んでまいります。食料事業では、食料・食品の調達・加工・販売のノウハウとグローバルなネットワークを通じた収益基盤の強化と成長分野への展開を図ってまいります。ヘルスケア事業では、国内外での事業基盤拡大を通じ、医療費抑制・適正化に資する取り組みを進め、持続的な成長を目指してまいります。 資源グループ当グループは、金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売を展開し、トレード分野でも当社事業とのシナジー発揮や、商品デリバティブの活用等、多様な機能を提供しております。資源価格は、地政学的リスク等を背景に先行きの不透明感がある中、品目ごとの強弱はあっても底堅く推移しており、中長期の市況変動サイクル、業界におけるプレイヤー・地域の偏在性、経済安全保障・技術革新を含むバリューチェーンや需給バランスの環境変化、資源案件開発の高難度化等の諸環境を踏まえ、当社ならではの経験・強みを発揮し、社会課題解決を通じた成長を図る事業ポートフォリオ、基盤の強化を進めております。基幹産業を支えるベースメタルを中心に、既存資産の価値最大化と優良権益の拡充に取り組むとともに、市況影響を受けにくい製造業・トレード等の中下流ビジネス拡充に引き続き注力し、環境負荷低減に資する投資や機能提供の促進、気候変動緩和に寄与するバリューチェーン構築を推進しております。これら取り組みを通じて、日本及び世界の産業発展と持続可能な社会の実現に貢献し、人々の豊かな未来を創造することを目指してまいります。 化学品・エレクトロニクス・農業グループ当グループは、基礎化学品、エレクトロニクス、グリーンケミカル、医薬、化粧品、動物薬、農業資材等の分野において、材料・製品の開発、製造、販売事業を展開しております。基礎化学品分野における新興国企業の台頭やエレクトロニクス分野におけるデジタル・AIの進展、EV化等に伴う業界構造の変化、経済安全保障を背景としたサプライチェーン再構築に加え、農業資材分野では、穀物市況の低迷や高金利の状況が事業環境に影響を及ぼしております。さらに、中東情勢の先行き不透明感の高まり、為替変動や物流コストの上昇、地政学的要因等を背景に、近年、当グループを取り巻く事業環境の不確実性は高まっております。このような環境下、当グループでは外部環境の変動が継続することを想定し、事業機会の着実な取り込みとリスクへの対応に取り組んでおります。今後は、各分野における事業基盤の強化や高付加価値創出を通じ、外部環境変化に対する下振れ耐性を高めつつ、持続的な収益成長を目指してまいります。 エネルギートランスフォーメーショングループ当グループは、国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNGなどのエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、カーボンニュートラル社会実現に資する次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。ベトナム発電事業持分利益の減少、欧州ガストレードの低調など一部事業に関しては前年比減益となりましたが、電力EPC案件にかかる工事損失引当の取崩益や米国ガストレードにおける契約譲渡益等の一過性利益の計上もあり、グループ全体の利益としては堅調に推移しております。 当グループを取り巻く環境としては、生成AI普及(データセンター利用増大)に伴う電力消費量の増大、及び脱炭素・循環型社会の実現に向けた要請に加え、エネルギー安全保障に関する関心の高まりやエネルギー需要構成の変化が進んでおります。こうした環境下、ガスの重要性が増大し、経済性等の制約から脱炭素化は段階的に進展していきます。一方、昨今の地政学リスクの顕在化により、先行き不透明感が増大しております。こうした環境を踏まえ、当グループは、戦略性に富み、成長が見込める事業・資産への入替を促進し、エネルギー・トランジション事業と脱炭素関連事業の両方をバランス良く取り組んでまいります。次世代エネルギー分野での事業開発については、外部環境の変化に対応し、時間軸・リソース配分について迅速に調整を行いながら着実に継続してまいります。加えて、上流ビジネスを補完しバリューを高めるトレード機能と中下流ビジネスを強化し、より収益性の高いポートフォリオの構築を目指してまいります。 ② 定量計画・利益計画2026年度は、成長8分野がデジタル、リース、不動産、エネルギーソリューションを中心に着実な成長を計画しているほか、継続的な資産入替によるポートフォリオ変革の加速により、積み上げで6,600億円の利益となります。中東情勢の緊迫化等の地政学的リスクが事業及び業績に与える影響については、現時点で見積もり可能な影響を各セグメントの見通しに織り込んでおります。一方、中東情勢における更なる不確実性などに対する備えとして△300億円のバッファーを設定し、通期業績予想は6,300億円としております。 ・キャッシュ・フローアロケーション2024年度、2025年度の実績及び2026年度中の計画については以下のとおりです。 また、財務健全性改善に向けては、資産入替の加速等により2028年度末までの3年間で財務健全性を大型投資実行前(2024年度末)の水準まで戻す計画です。一方で、現行の株主還元方針は継続、戦略的な投資も例年と同規模で実施し、更なる成長を目指します。 (3) 株主還元方針2024年度から開始した「中期経営計画2026」以降の株主還元方針については以下のとおりです。・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施する・累進配当(注)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す(注)1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持又は増配を行うことを指します。 当社は、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的として、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。 2026年度の年間配当金は2026年度通期連結業績予想6,300億円を踏まえ、株式分割考慮後で1株当たり40円(株式分割考慮前で前期比10円増配となる160円)とする予定です。また、2026年5月1日の取締役会において、800億円(うち、2025年度の追加株主還元:100億円、2026年度の株主還元:700億円)を上限とする自己株式の取得を決定しました。 詳細については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 企業環境当期の世界経済は、インフレ鎮静化が進み、景気の底堅さを実感できるような時期があった一方で米国の相互関税を巡る通商問題の拡大や地政学的リスクの増大などによる減速懸念も交錯する展開となりました。国際情勢の悪化は経済活動の重しとなりました。ウクライナ・ロシア情勢については紛争状態が長期化しています。中東情勢については、2026年2月に米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切ったことで、ペルシャ湾岸地域が紛争地帯となり、物流の要衝であるホルムズ海峡の航行にも大きな支障が生じています。米国はAI関連の投資継続や金融緩和策の継続等により景気の底堅さは維持されているものの成長ペースは鈍化しました。物価は安定傾向を示してきましたが、関税由来のインフレ圧力が懸念され、金融政策のバランスが問われる1年となりました。欧州では財政支出の拡大を背景に緩やかな回復軌道をたどりました。中国では政策支援により家計消費が一時的に改善しましたが、時間の経過とともにその効果は剥落しました。また、市場競争が激しくなったことで設備投資が大きな減速局面を迎え、固定資産投資が大幅なマイナスを記録しました。アジア諸国では、AI関連需要を追い風にした輸出拡大が続きましたが、米国の関税措置や中国からの輸出攻勢といった二重の景気下押し圧力に加えて、中東の紛争により石油供給が不安定になったことで景気の先行きについて予断を許さない局面を迎えました。国内経済は、物価上昇を上回る賃金の上昇が焦点となった1年でした。賃上げにより、マイナスが続いてきた実質賃金上昇率がようやくプラスへ転じる見通しとなったことで家計消費は購買力の回復とともに持ち直しの動きが見られました。企業の設備投資はAI・DX(注1)・GX(注2)関連を中心に拡大傾向が続きました。しかし、中東情勢の緊迫化による石油価格の上昇で物価が再び押し上げられる懸念が生じました。 国際商品市況は、中東情勢の緊迫化を受けてWTI原油先物が一時1バレル119ドル台と約4年ぶりの高値へ急伸したのち、先進国での備蓄放出や停戦期待が高まったことで乱高下を繰り返しています。地政学的リスクの高まりやAI関連需要を追い風に上昇基調が続いてきた非鉄金属については、金価格や銅価格が史上最高値を記録しました。為替・金融市場は、日米の金融政策の相違を反映した動きとなりました。実質金利が米国においてプラスであるのに対し、日本では引き続きマイナスであり、結果として1ドル=160円付近まで円安が進行しました。長期金利は、財政支出拡大見通しを背景に、約30年ぶりに2%台前半での推移が続いており、財政負担の増加等の影響が懸念されています。日経平均株価はAIブームや企業収益の改善期待を背景に一時6万円に迫る歴史的な高水準を記録しました。 (注)1 デジタルトランスフォーメーション(注)2 グリーントランスフォーメーション (2) 業績 (単位:億円)前期(自2024年4月1日至2025年3月31日)当期(自2025年4月1日至2026年3月31日) 増減額主な増減要因収益72,92173,373 +452 売上総利益14,44815,097 +649・SCSKにおけるネットワンシステムズのグループ化による利益増・自動車流通販売:主力市場における競争激化により減益販売費及び一般管理費△10,397△11,114 △717・SCSKにおけるネットワンシステムズのグループ化による費用増 固定資産損益 (注)1△260 +62 その他の損益△119△27 +93 利息収支 (注)2△273△255 +18 受取配当金149122 △28 有価証券損益380470 +90 持分法による投資損益2,7702,667 △103・前期 航空機リース事業における特殊利益の反動減税引前利益6,9567,020 +64 法人所得税費用△866△517 +349・繰越欠損金等に対する税効果計上当期利益6,0906,503 +413 当期利益(親会社の所有者に帰属)5,6196,003 +385 (注)1 固定資産損益=固定資産評価損益及び固定資産売却損益の合計(注)2 利息収支=受取利息及び支払利息の合計 (3) 事業セグメント当社は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。9つのセグメントは鉄鋼グループ、自動車グループ、輸送機・建機グループ、都市総合開発グループ、メディア・デジタルグループ、ライフスタイルグループ、資源グループ、化学品・エレクトロニクス・農業グループ、エネルギートランスフォーメーショングループから構成されております。前期及び当期の売上総利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。 事業セグメント別売上総利益の内訳 前期(自2024年4月1日至2025年3月31日)(億円)当期(自2025年4月1日至2026年3月31日)(億円)増減額(億円)増減率(%)鉄鋼1,8831,749△134△7.1自動車1,6621,398△264△15.9輸送機・建機2,0032,167+1648.2都市総合開発1,1961,363+16714.0メディア・デジタル1,6422,175+53232.4ライフスタイル2,3622,626+26511.2資源479419△60△12.5化学品・エレクトロニクス・農業1,5391,505△34△2.2エネルギートランスフォーメーション1,6601,770+1106.6計14,42615,172+7475.2消去又は全社22△76△98-連結14,44815,097+6494.5 事業セグメント別当期利益(親会社の所有者に帰属)の内訳 前期(自2024年4月1日至2025年3月31日)(億円)当期(自2025年4月1日至2026年3月31日)(億円)増減額(億円)増減率(%)主な増減要因鉄鋼684743+598.6・鋼管:北米は油価下落による需要減、他地域は一部プロジェクト端境期による需要減・鋼材:モノパイル製造事業の利益貢献開始・当期 資産入替関連益あり自動車512632+12023.5・自動車流通:主力市場における競争激化に加え中東情勢の影響により減益・マイダス社売却益、インドネシア自動車金融事業における不良債権一括処理輸送機・建機1,015889△126△12.4・輸送機:リース事業堅調、船舶事業は売船により増益・建設機械:レンタル事業は建設需要が緩やかに回復、販売・サービス事業は堅調・前期 航空機リース事業における特殊利益の反動減都市総合開発771815+455.8・不動産:今期資産回転の積極促進及び大口案件の引渡し実行メディア・デジタル452512+6013.3・デジタル:SCSKにおけるネットワンシステムズのグループ化、SCSK追加取得に伴う持分比率上昇による増益ライフスタイル141△36△177-・欧米州青果事業:メロン事業(下期に売却済み)不調及び売却損により減益、バナナ・パイナップル事業はコスト削減効果あり・国内スーパーマーケット事業:新規出店・改装等の効果あり増益資源911823△88△9.6・豪州石炭事業:価格下落及び原料炭販売数量減少により減益・南アフリカ鉄鉱石事業:価格下落・銅事業:価格上昇等により増益化学品・エレクトロニクス・農業214265+5123.9・エレクトロニクス:堅調な半導体需要に伴う販売増・アグリ事業:ブラジル厳しい市場環境継続エネルギートランスフォーメーション9641,024+606.2・海外発電事業:ベトナム発電事業 持分利益減等・電力EPC案件における特殊利益あり計5,6645,669+50.1 消去又は全社△45335+380-・繰越欠損金等に対する税効果計上連結5,6196,003+3856.8 (4) 仕入、成約及び販売の実績① 仕入の状況 仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。 ② 成約の状況 成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。 ③ 販売の状況当期において、特記事項はありません。上記「(2) 業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。 (5) 連結包括利益計算書における主要な項目以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。 収益当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売・不動産の開発販売・長期請負工事契約に係る収益 サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。・ソフトウェアの開発に関連するサービス・賃貸用不動産、船舶などの貸付金、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リース 売上総利益売上総利益は、以下により構成されております。・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益・当社が代理人等として関与する取引における手数料 固定資産評価損益棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を少なくとも年1回見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。 固定資産売却損益当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産等のバリューを実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産等を売却する場合、売却損益を計上することになります。 受取配当金受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上されております。 有価証券損益当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。 持分法による投資損益投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。 FVTOCIの金融資産公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。 確定給付制度の再測定当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。 在外営業活動体の換算差額在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。 キャッシュ・フロー・ヘッジデリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。 (6) 重要性がある会計方針及び見積りIFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要性がある会計方針につき説明しております。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」を参照願います。 金融資産の減損当社は、償却原価で測定する金融資産、リース債権、契約資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。当社は、信用リスクの変動及び予想信用損失の算定にあたっては、主に当社独自の信用格付けである Sumisho Credit Rating(SCR)を用いております。これには、債務者の過去の貸倒実績、現在の財務状態及び合理的に利用可能な将来予測情報等が含まれております。 公正価値で測定する金融資産当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。 非流動資産の回収可能性当社は、様々な非流動資産を保有しており、持分法で会計処理されている投資や無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。なお、非流動資産の回収可能性に関連する会計上の見積りの詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 11 持分法適用会社に対する投資、注記 13 無形資産」を参照願います。 繰延税金資産の回収可能性当社は、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。 引当金の測定引当金は、過去の事象の結果として、当社が、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。 確定給付債務の測定確定給付型年金制度は、確定拠出型年金制度以外の退職後給付制度であります。確定給付型年金制度に関連する当社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りであります。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。 (7) 資産及び負債・資本(単位:億円)前期(2025年3月期末)当期(2026年3月期末) 増減主な増減要因資産合計116,312136,383 +20,072・営業資産の増加(貴金属リース取引に係る時価評価等)・円安の影響による増加・現金及び現金同等物の増加株主資本 (注)146,48546,286 △199・SCSK株式の追加取得による減少・配当金の支払、自己株式の取得・当期利益の計上による増加・円安の影響による増加非支配持分2,3711,066 △1,305・SCSK株式の追加取得による減少ネット有利子負債 (注)226,72531,472 +4,747・SCSK株式の追加取得による増加ネットDER (注)30.570.68 +0.11pt (注)1 株主資本=資本の内、「親会社の所有者に帰属する持分合計」(注)2 ネット有利子負債=社債及び借入金(流動・非流動)の合計から現預金を差し引いたもの。 (リース負債は含まれておりません)(注)3 ネットDER=有利子負債(ネット)/株主資本 (8) キャッシュ・フロー(単位:億円)前期(自2024年4月1日至2025年3月31日)当期(自2025年4月1日至2026年3月31日)当期実績の概要営業活動によるキャッシュ・フロー6,1238,135・コアビジネスが着実にキャッシュを創出投資活動によるキャッシュ・フロー△4,614△1,559・投資 :国内外不動産の取得・資産入替:Sekal AS株式の売却、国内外不動産の売却、ティーガイア株式の売却、SCSKによるアルゴグラフィックス株式の売却フリーキャッシュ・フロー1,5096,576 財務活動によるキャッシュ・フロー△2,474△2,525・SCSK株式の追加取得・配当金の支払、自己株式の取得・SCSKによるネットワンシステムズ株式の追加取得・短期・長期借入債務による収入 前期(2025年3月期末)当期(2026年3月期末) 現金及び現金同等物の期末残高5,70610,054 (9) 資金調達と流動性当社の財務運営は財務健全性の維持・向上を基本方針とし、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性の保持を図ることとしております。当社グループ内での資金管理については、グループファイナンスを整備し、資金調達を当社及び金融子会社、海外現地法人に集中した上で、キャッシュ・マネジメント・システムを通じて、当社グループ内で資金を効率的に活用する体制を整えております。当社は総額4兆1,771億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比1,971億円増加の4,896億円で、内訳は全額が短期借入金(主として銀行借入金)となっております。一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金4,621億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比7,253億円増加の3兆6,875億円となっております。このうち、銀行及び保険会社等からの長期借入残高は、前期比4,596億円増加の2兆7,706億円、社債残高は前期比2,656億円増加の9,170億円となっております。当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が株式及び社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。詳細は、「3 事業等のリスク (3) タイプ別リスク ⑬ 資金の流動性に関するリスク」を参照願います。資金調達については、各金融機関との良好な関係に基づく銀行借入等の間接金融を中心に、コマーシャルペーパーや社債等の直接金融との適切なバランスに留意し、調達期間の長期化を通じた償還期日の分散等による安定的な調達構造を構築しております。外貨建ての資金調達については、銀行借入や外貨建て社債発行、通貨スワップの他、金融子会社、海外現地法人におけるコマーシャルペーパー、ユーロMTN等の活用によって資金調達ソースの多様化に取り組んでおります。また、2022年3月にグリーンファイナンス・フレームワークを策定し、本フレームワークに基づきグリーンボンドを発行しております。2024年2月には、本フレームワークの対象事業の拡大及びソーシャル対象事業の追加を行い、サステナブルファイナンス・フレームワークとして改定しております。なお、当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しており、当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1(見通し安定的)/P-2、スタンダード&プアーズでA-(見通しネガティブ)/A-2、格付投資情報センターでAA-(見通し安定的)/a-1+となっております。 ・当社における、3,000億円の国内及び海外公募普通社債発行登録枠・当社における、5,000億円のコマーシャルペーパー発行枠・米州住友商事における、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム・当社及び英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)における、5,000百万米ドルのユーロMTNプログラム・SCCEにおける、1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム 保有流動性については、金融市場の混乱等、複数の有事シナリオを想定し、当期末時点で現預金と国内外の主要な金融機関との総額1,210百万米ドル、及び2,850億円を上限とする以下の長期コミットメントラインを中心に、当社及び当社子会社における資金需要や一年以内に期日が到来する借入や社債の償還資金等を補完する十分な流動性を確保しております。なお、当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,060百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン・大手欧銀との間に締結した、SCCEへの50百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ・ポンド建)型長期コミットメントライン・大手邦銀のシンジケート団による1,500億円の長期コミットメントライン(内、790億円はマルチ・カレンシー型)・有力地方銀行のシンジケート団による1,350億円の長期コミットメントライン 資金調達の内訳 前期(2025年3月31日)(億円)当期(2026年3月31日)(億円)短期2,9254,896 借入金(主に銀行より調達)2,9254,896長期(一年以内期限到来分を含む)29,62336,875 担保付 借入金2,5042,520 無担保 借入金20,60525,185 社債6,5139,170有利子負債合計(グロス)32,54741,771現金及び現金同等物並びに定期預金5,82210,299有利子負債合計(ネット)26,72531,472資産合計116,312136,383親会社の所有者に帰属する持分合計46,48546,286親会社所有者帰属持分合計比率(%)40.033.9 デット・エクイティ・レシオ(グロス)(倍)0.70.9デット・エクイティ・レシオ(ネット)(倍)0.60.7 当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりであります。期限別内訳 社債及び借入金(億円)リース負債(億円)2026年度9,5178742027年度4,3817502028年度3,9905762029年度4,3964382030年度4,4316192031年度以降15,0562,038合計41,7715,295 当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、8,944億円です。当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(10) 偶発債務」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 34 契約及び偶発債務」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産及び投資不動産の取得に1,418億円、また、事業の取得及びその他の投資の取得に2,480億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。 (10) 偶発債務当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2044年)は2,520億円で、このうち持分法適用会社の債務に対する保証が1,292億円、第三者の債務に対する保証が1,229億円です。これらの保証は主に持分法適用会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。 (11) 市場リスクに関する定量的・定性的情報当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。 金利変動リスク当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレートグループの財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入金には変動金利で借り入れているものがあり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。 為替変動リスク当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。 商品市況変動リスク当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び電力等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。 株価変動リスク当社は、戦略的な目的で顧客・サプライヤー等が発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、2,137億円であります。 リスク管理体制デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業グループは、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務・ポジション残高の照合・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。

事業リスク

  • 事業投資に係るリスク: 住友商事は多数の連結子会社や持分法適用会社に投資しており、技術革新や事業環境の変化、主要顧客の喪失、原料価格の高騰などにより、計画通りの利益が得られず、投下資金の回収不能や撤退時の追加負担が生じる可能性があります。新規投資実行時のデューデリジェンスや投資後のモニタリング、ポートフォリオの最適化を通じてリスク管理に努めていますが、不確実性は残ります。
  • 商品市況の変動に係るリスク: 金属やエネルギーをはじめとする各種商品の売買を行っており、これらの価格変動が業績に影響を与える可能性があります。特に、鉱物資源やガス資源権益を保有しているため、生産物の価格変動リスクは重要です。ヘッジ取引やポジション枠・損失限度枠の設定によりリスク軽減を図っていますが、市場の大きな変動は避けられない可能性があります。
  • 地政学的・カントリーリスク: 日本を含む60ヶ国以上で事業を展開しているため、関係各国の政治・経済・社会情勢の変化(例
    中東情勢の緊迫化、関税措置、税制変更、資産接収など)が事業の遅延・停止、業績悪化に繋がる可能性があります。保険付保や国ごとのエクスポージャー管理、事業ポートフォリオの分散によりリスクを管理していますが、予期せぬ事態の発生は避けられない可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|9,036 文字
3 【事業等のリスク】当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当期末時点における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1) 当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。 ① 「業績安定」② 「体質強化」③ 「信用維持」 当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当期末現在、当社は327社の連結子会社及び192社の持分法適用会社を有しています(注)。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、主要顧客の喪失、原料価格の上昇等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担に繋がるといったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。(注) 連結子会社が保有する関係会社のうち、当該連結子会社にて連結または持分法処理されているもの(当期末現在、子会社346社、持分法適用会社73社)については、上記会社数から除外しています。 (a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するとともに、2021年には、過去の大型投資案件の計画未達・損失発生等の要因を網羅的に分析し、新たに投資案件選定指針を設定、新規投資検討の際には常にこの指針に照らして議論するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、経営会議及びその諮問機関である全社投融資委員会、またはグループ経営会議(各営業グループにおける投資意思決定機関)を開催し、個別案件の戦略上の位置付けや案件選定の背景・理由、投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさ、並びに ESGの観点等、投資の成否を左右する諸条件について早い段階から課題の特定、議論の深掘りを行うとともに、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。 (b) 投資実行後投資実行後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資実行後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件については、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」を設けています。更に、投資先のモニタリング制度を通じ、一定の定量基準に基づく撤退候補先の洗い出し、新規投資案件の進捗状況のフォローを行うとともに、投資先の成長性や収益性にフォーカスした事業投資先レビューを実施するなど、定期的に全投資先の保有意義をレビューし、ポートフォリオの入れ替え、最適化に取り組んでいます。また、ガバナンスの高度化を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメント報酬の設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。加えて、投資の成功確度向上を目的に、過去の投資案件を踏まえてリスクや論点の抽出を支援するAIプラットフォームを構築しました。(注) 投資実行後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画を策定するとともに、その実行を担保する経営インフラ、ガバナンス体制の構築・整備を行う活動のこと。 ② 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク当社は、鉱物資源、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があることから、当社では、マーケット情報の収集や分析に取り組み、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと (3) タイプ別リスク① 信用リスク当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 ② 商品市況の変動に係るリスク当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。当社は、商品ごとの枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、案件ごとに保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国ごとのエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。中東諸国を含む全世界において、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、すべてのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、ロシア及びウクライナ関連ビジネスについては、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク当社は、金融機関からの借入及び社債・コマーシャルペーパーの発行等により、事業資金を調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生じる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、当社が行う外貨建投資・外貨建取引により生じる収益・費用、外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当社は、これらの金利変動及び外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用しておりますが、これらの手段によりリスクを十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産のほか、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、テレワーク環境等、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化も図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」及び、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)ガバナンスに関する開示 法規制対応」を参照ください。しかしながら、このような取り組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社の子会社である住商リアルティ・マネジメント株式会社(以下、SRM)は、2025年12月5日、金融庁より金融商品取引法に基づく業務改善命令の行政処分を受け、2026年1月16日、業務改善報告を金融庁へ提出しました。SRMの親会社であり、運営するリートの主要な物件供給源でもある当社は、今般の事態を重く受け止め、今般SRMから提出された業務改善報告の実践状況をモニター・監督するとともに、適切なガバナンス体制の構築に協力してまいります。また、個別の物件取引においてはSRMとの利益相反関係をより一層意識・配慮し、適切なリスク管理を徹底いたします。SRMが、投資家の皆さまのご期待に応え、持続的な成長を果たせるよう、当社は、SRMと共に信頼の回復に努めてまいります。今後も「コンプライアンス最優先」の基本方針のもと、当社グループ各社の業容や組織の実情に応じた法令遵守体制及び内部管理体制を整備、強化し、住友商事グループのさらなるコンプライアンス強化に全力を挙げて努めてまいります。 ⑨ 訴訟等に関するリスク当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員等のステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業における再生可能エネルギーへのシフトなど、より環境負荷の低い事業ポートフォリオへの継続的なシフト等の取り組みを進めています。自然資本に関しては、循環型経済の構築やサプライチェーンマネジメント等を通じた自然と共生する社会の実現を目標に掲げています。事業による影響を回避・最小化するために排水・排気・廃棄物管理の適正化による汚染防止や、資源循環に資する取り組みを行っているほか、当社全事業の中で生物多様性や水ストレスの観点でリスクの高い事業を特定して対策状況を確認するなど、自然資本の保全・再生に努めています。人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げています。当社全事業・サプライチェーンを対象として実施した人権デューデリジェンスの結果などを踏まえ、全社的なリスクマッピングをおこない、当社グループにおける人権リスクが高い事業を特定しております。各SBUや事業会社が主体となり、引き続き人権リスクの低減・防止に努めます。 ⑪ 自然災害等に関するリスク当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水等の自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク当社は、営業グループ、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、それぞれの組織において内部統制を適切に構築する必要があります。しかしながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為等のオペレーショナルリスクを完全に防止することができる保証はありません。事務処理ミスや不正行為等が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクをできる限り抑えるために、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・モニタリング及び評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、財務健全性の維持・向上を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能なすべての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人的資本に関するリスク詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本に関する開示 ② 戦略 (c) 人的資本に関するリスク及び機会 および ③リスク管理」を参照ください。 (4) 集中リスク当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、当社では以下の管理を実施しています。・特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、当該制度に基づき、きめ細かく管理しています。・特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、営業グループやビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。・資源・エネルギー上流案件については、定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・当社グループとして債権残が高額になる取引先については、定期的に当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。

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