事業の概要
- ITソリューション提供: BIPROGYグループは、顧客企業の経営課題をITで解決するため、企画から開発、運用まで一貫したサービスを提供しています。システム開発、コンサルティング、保守、運用受託など多岐にわたるサービスで収益を上げています。
- システムサービス: ソフトウェアの受託開発やシステムエンジニア(SE)の派遣、コンサルティングが主な事業です。顧客の要望に応じたオーダーメイドのシステムを構築し、その対価として報酬を得るビジネスモデルです。
- 保守・運用サービス: 開発したシステムや導入したハードウェアの保守、および情報システムの運用を顧客から受託することで安定的な収益を確保しています。これにより、長期的な顧客関係を築き、継続的な収益源としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- システムサービス事業: ソフトウェアの受託開発、SEサービス、コンサルティングなどが中心で、売上935.72億円、営業利益291.3億円と最も高い収益を上げています。多くの連結子会社がこの分野で事業を展開しており、グループの中核を担う稼ぎ頭です。
- サポートサービス事業: ソフトウェア・ハードウェアの保守サービスや導入支援を提供しており、売上530.37億円、営業利益163.37億円を計上しています。システム導入後の安定稼働を支える重要な役割を担い、継続的な顧客関係を構築しています。
- アウトソーシング事業: 情報システムの運用受託などを手掛け、売上605.95億円、営業利益173.9億円となっています。顧客の情報システム運用を代行することで、顧客の負担軽減と効率化に貢献し、安定した収益源となっています。
2021-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SystemServices | 事業 | 936 | 291 | 31.1% |
| SupportServices | 事業 | 530 | 163 | 30.8% |
| Outsourcing | 事業 | 606 | 174 | 28.7% |
| Software | 事業 | 333 | 70 | 21.1% |
| Hardware | 事業 | 576 | 87 | 15.1% |
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3【事業の内容】 当社および連結子会社(34社)を含む当社グループは、グループの総合力を最大限に活かし、顧客企業の経営課題の認識から解決に至るまでの一貫したITソリューションサービスを提供しております。 事業内容、当社と関係会社の位置づけおよびセグメントとの関連は次のとおりです。なお、当社は各セグメントにおいて中心となり事業を営んでおり、連結子会社は1つまたは複数のセグメントにおいて事業を営んでおります。 (システムサービス)ソフトウェアの請負開発業務、SEサービス、コンサルティング等を提供しております。[主な連結子会社] ユニアデックス㈱、USOLベトナム㈲、㈱国際システム、 ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ㈱、 Cambridge Technology Partners Inc.、㈱エイファス、 Axxis Consulting (S) Pte. Ltd.、Axxis Technologies (S) Pte. Ltd.、 Axxis Consulting (M) Sdn. Bhd.、BIPROGY USA, Inc.、 Netmarks Information Technology (Shanghai) Co.,Ltd.、㈱ユニエイド、 BIPROGYチャレンジド㈱、AFON IT Pte. Ltd.、AFON Systems Pte. Ltd.、 AFON Technologies Pte. Ltd.、iByte Solutions Sdn. Bhd. (サポートサービス)ソフトウェア・ハードウェアの保守サービス、導入支援等を提供しております。[主な連結子会社] ユニアデックス㈱、エス・アンド・アイ㈱ (アウトソーシング)情報システムの運用受託等を提供しております。[主な連結子会社] ユニアデックス㈱、エス・アンド・アイ㈱、㈱トレードビジョン、G&Uシステムサービス㈱、Nexus System Resources Co., Ltd.、Mattrz㈱、カタリナマーケティングジャパン㈱ (ソフトウェア)ソフトウェアの使用許諾契約によるソフトウェアの提供等を行っております。[主な連結子会社] ユニアデックス㈱、UEL㈱、UEL(Thailand)Co.,Ltd.、V-Drive Technologies㈱ (ハードウェア)機器の売買契約、賃貸借契約によるハードウェアの提供等を行っております。[主な連結子会社] ユニアデックス㈱、エス・アンド・アイ㈱ 以上述べた事項を事業系統図で示すと以下のとおりです。 (2026年3月31日現在)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 顧客の要求高度化・案件複雑化に対応する専門性と、多様なサービス提供能力 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 システム開発・アウトソーシングの専門知識、多様な製品・サービス提供能力、知的財産権 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済動向および市場環境による影響 / 調達に関するリスク / 知的財産権に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
BIPROGYはNTTデータグループの一員であり、NTTデータという強力なブランド力と長年の実績を持つ親会社からの信頼を享受している。しかし、個別の特許やIPによる明確な競争優位性は限定的であり、グループ全体のブランド力に依存する側面が大きい。
スイッチングコスト★★★☆☆
NTTデータグループとして、基幹システムや大規模ITインフラの構築・運用に強みを持つ。これらのシステムは顧客企業の事業運営に不可欠であり、更改には多大なコストとリスクが伴うため、顧客は容易に他社へ乗り換えられない。特に金融、官公庁分野での実績がスイッチング・コストを高めている。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
特定のプラットフォームやサービスにおいて、ユーザー数が増えることで価値が増大するようなネットワーク効果は、現時点ではBIPROGYの主要なビジネスモデルには見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
大規模プロジェクトにおける調達力や、NTTデータグループとしてのリソース活用による効率化の可能性はあるが、競合他社も同様の効率化を進めており、構造的なコスト優位性は確立されていない。
規模の経済★★★★☆
NTTデータグループ全体として、国内ITサービス市場においてトップクラスの売上規模と多様な顧客基盤を持つ。この規模は、大規模案件の受注能力、人材確保、技術開発への投資余力において、競合他社に対する優位性を与えている。特にシステムインテグレーション分野での寡占的な地位を築いている。
- 総合的なITソリューション: 顧客の課題認識から解決まで、システム開発、保守、運用、ソフトウェア・ハードウェア提供といった幅広いITサービスを一貫して提供できる総合力が強みです。これにより、顧客は複数のベンダーと契約する手間を省き、BIPROGYグループに全てを任せることができます。
- 多様な子会社との連携: 国内外に30社もの連結子会社を持ち、それぞれの専門性を活かして事業を展開しています。例えば、ユニアデックスはシステムサービス、サポートサービス、アウトソーシングなど多岐にわたりグループの主要な役割を担っており、グループ全体の総合力を高めています。
- ブランドと信頼性: 長年の事業実績と、日本ユニシスからBIPROGYへの社名変更で示された「光の7色」に例えられる多様な価値提供への意欲は、顧客からの信頼とブランドイメージを構築しています。これにより、新規顧客獲得や既存顧客との関係強化に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 社会的価値創出への変革: ICTサービス提供に留まらず、社会を豊かにする新しい価値の創造と社会課題解決を加速させ、「社会的価値創出企業」への変革を目指しています。Purpose(目的)とVision2030を掲げ、持続可能な社会の実現に貢献することで企業価値向上を図ります。
- 顧客・社会DXの推進: 顧客の持続的成長を支える「顧客DX」と、様々な業界の顧客やパートナーと共に社会課題解決を進める「社会DX」の両面からビジネスを推進します。これにより、デジタルコモンズを誰もが幸せに暮らせる社会づくりを推進する仕組みへと育てていくことを目指しています。
- 経営目標と指標: 2027年3月期には売上収益4,400億円、調整後営業利益率11.0%、ROE17.0%以上、配当性向40.0%以上を目標としています。これらの数値目標達成に向け、コア事業の強化と成長事業の確立、サステナビリティ経営の推進に取り組んでいます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末時点の情報を踏まえ判断したものであり、今後の様々な要因により記載内容と異なる可能性があります。 (1)経営の基本方針BIPROGYグループは、以下の企業理念に基づき、これからも社会の期待と要請に応えてまいります。 <BIPROGYグループ 企業理念>・わたしたちが社会に果たすべきことすべての人たちとともに、人と環境にやさしい社会づくりに貢献します・わたしたちが目指すこと社会の期待と要請に対する感性を磨き、そのためにICTが貢献できることを考え抜く集団になります・わたしたちが大切にすること1.高品質・高技術の追求社会に役立つ最新の知識を有するとともに、技量を高めます2.個人の尊重とチームワークの重視相手の良い点を見いだし、それを伸ばすことを奨励し合い、互いの強みを活かします3.社会・お客様・株主・社員にとり魅力ある会社ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、企業価値向上に努めます (2)経営環境および経営戦略当社グループを取り巻く事業環境は、生成AIが急速な進展を見せる中、ICTサービスに対する顧客ニーズの高度化と多様化が進み、さらには顧客企業によるシステム内製化の進展や異業種参入による競争激化など、大きく変化しております。予測困難で先が見通せない不確実性の高い状況下、持続的成長企業として価値を提供し続けるために、時間軸や環境変化に左右されない企業価値を見つめ直し、Purpose(目的)、Corporate Statement(目的達成に向けたスローガン)およびPrinciples(目的を達成するための原則)を定め、中長期的な視点でPurposeを実現するための視点および目標としてVision2030を策定いたしました。また、Vision2030の実現に向けて当社グループのサステナビリティへの取り組みを経営に統合していくため、Materiality(重要課題)が経営の長期ビジョンに対応したものとなるよう、Materialityを策定しております。 <Purpose>先見性と洞察力でテクノロジーの持つ可能性を引き出し、持続可能な社会を創出します先見性・洞察力 × テクノロジー × ビジネスエコシステム = 社会的価値創出 <Corporate Statement>Foresight in sight「先見性」でいち早くキャッチしたお客様や社会の課題を、経験や常識にとらわれない「洞察力」で深く理解する <Principles>原理・原則主義・信条■人権の尊重と社会的包摂 ■善良な社会の一員として真摯、且つ熱意ある取り組み■多様性の受容と獲得■次世代へウェルビーイングをつなげる取り組み■自己研鑽と主体性の発揮■ビジネスエコシステム形成による価値の創出■透明性高い企業活動と健全な企業体質■高品質・高技術・卓越性の追求■誠実な履行■社会的価値の創出と持続的成長の実現 <Vision2030>わたしたちは、デジタルコモンズを誰もが幸せに暮らせる社会づくりを推進するしくみに育てていきます <Materiality>■デジタルの力とビジネスエコシステムを活用した課題解決の仕組みづくり■ゼロエミッション社会の実現に向けた、デジタルを活用した環境貢献と事業活動に ともなう環境負荷の低減■バリューチェーン全体で取り組む、安心・安全な製品・サービスの持続可能な調達と提供■新たな未来を創る人財の創出・強化とダイバーシティ&インクルージョンの進化■コーポレート・ガバナンスの強化とインテグリティの向上 PurposeおよびVision2030のもと、社会的価値の創出を追求することを通じて経済的価値の創出を図り、当社グループ全体の企業価値を持続的に向上させる新たなステージに向け、当社グループは経営方針(2024-2026)を策定いたしました。社会変化に対する先見性・洞察力、ICTを核としたテクノロジー、そして様々なビジネスパートナーとのビジネスエコシステム形成を掛け合わせ、ICTサービス提供だけにとどまることなく、これまで取り組んできた社会を豊かにする新しい価値の創造と社会課題の解決の取り組みを加速させ、社会的価値創出企業に変革してまいります。 <基本方針>社会的価値の創出により顧客の持続的成長を支える顧客DXと、様々な業界の顧客、パートナーと共に社会課題解決を進める社会DXの両面からビジネスを推進し、Vision2030の実現を目指してまいります。 また、Purposeに掲げた社会的価値創出企業の実現に向け、コーポレートブランドを刷新し、2022年4月に商号を日本ユニシス株式会社からBIPROGY株式会社へ変更いたしました。「BIPROGY(ビプロジー)」は、光が屈折・反射した時に見える7色(Blue、Indigo、Purple、Red、Orange、Green、Yellow)の頭文字を使った造語であり、これには様々なビジネスパートナーや多種多様な人々がもつ光彩を掛け合わせ、混とんとした社会の中で新たな道を照らし出すこと、および光彩が状況に応じて変化するように、社会や環境変化に応じて提供する価値を変えていくことの2つの意味を込めています。ボーダーレスな視座で社会的価値を創出する唯一無二のブランドとなることで、多種多様な人々へと働きかけるとともにビジネスエコシステムを形成し、持続可能な社会実現へ向けて取り組んでまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標経営方針(2024-2026)においては、以下の指標を経営上の業績目標としています。なお、2025年4月30日に経営方針(2024-2026)の業績目標を修正しており、修正後の数値目標を記載しております。2027年3月期の連結業績見通しは、売上収益4,700億円、調整後営業利益率10.3%を見込んでいます。 <連結数値目標(IFRS会計基準)> 2026年3月期(実績)2027年3月期(目標)売上収益4,337億円4,400億円調整後営業利益率※110.0%11.0%ROE17.9%17.0%以上配当性向40.5%40.0%以上※2※1 調整後営業利益率は「売上収益」から「売上原価」並びに「販売費及び一般管理費」の額を減算して得られた金額の「売上収益」に対する比率※2 株価水準を考慮した機動的な自己株式取得を実施 (4)対処すべき課題当社グループは、経営方針(2024-2026)のもと、企業価値1兆円規模の企業グループとなるべく、グループ一体となって、事業活動を通じた「社会的価値」と「経済的価値」の創出に取り組んでいます。AI技術の進化はビジネスモデルの構造的な変化をもたらすとともに、社会および顧客に提供するソリューションやサービスの価値を高める成長機会になるものと当社グループは認識しています。こうした認識のもと、経営方針(2024-2026)の最終年度にあたる2026年度においては、AI活用を前提とした業務プロセス変革を一層推進していきます。従来の業務効率化にとどまらず、顧客の価値創造に直結する新たな提供価値の創出を重視し、事業の質的向上を図っています。また、社内で蓄積したAI活用に関する知見やノウハウを顧客および社会へ幅広く展開することで、共創による新たな価値創出につなげています。これらの取り組みを組織的かつ継続的に推進するため、全社横断組織として「AI CoE(AI Center of Excellence)」を設置しました。AI CoEは、全社的なAI活用方針の策定およびガバナンスの強化、AI関連施策の企画・優先順位付け、ならびに各部門におけるAI活用プロジェクトの推進支援を担っています。これらを横断的に統括することで、AI戦略の整合性・実行品質および推進スピードの確保を図っています。加えて、当社グループ全体におけるESG・SDGsへの積極的な取り組みによるサステナブルな経営をより一層推進するための体制として、SDGs貢献への取り組みおよびサステナビリティ経営戦略の統括責任者であるCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を委員長とする意思決定機関「サステナビリティ委員会」を設置しています。また、下部組織として、環境に関する「環境貢献委員会」および社会・人権に関する「ソーシャル委員会」を設置し、サステナビリティを巡る課題への取り組みにおけるマネジメントとガバナンスを強化しています。さらに、当社グループのサステナビリティへの取り組みを経営に統合していくために「サステナビリティ経営推進部」を設置しています。持続可能な社会の実現のために、当社グループがテクノロジーを活用して貢献できる領域は多く、気候変動等の環境問題や地域創生、少子高齢化など、一企業だけでは解決が難しい社会課題に対してビジネスエコシステムによるイノベーションや新たなサービスを通じて解決に取り組んでいます。 <事業活動における取り組み>■コア事業における「強みのある領域の確立」と「提供価値・収益性の向上」注力領域として、ファイナンシャル、リテール、エネルギー、モビリティ、OTインフラの5つを選定し、経営資源を集中投下することで、サービス型ビジネスを拡大し、提供価値と収益性の向上に取り組んでいます。また、システムサービスの生産性向上に向け、生成AI等の技術活用やパートナー戦略、リスキリング等の人財育成を推進しています。 ■成長事業における「提供価値の向上」と「新たな収益基盤の確立」成長事業においては、「市場開発」「事業開発」「グローバル」の3つの領域で新たな収益基盤の確立に取り組んでいます。 ・「市場開発」:データ・AI利活用ビジネス、クラウドマネジメントやセキュリティ等のマネージドサービス等を展開し、新たなサービス領域の獲得と成長市場におけるシェア獲得に取り組んでいます。 ・「事業開発」:これまでの取り組みで得たエネルギーマネジメントや環境価値の企業間流通等のエネルギー領域の知見を活かして「SX/GX」事業を推進しています。また、デジタルキャッシュ、物流、スマートシティの取り組みを活かした「スマートライフ」「地域創生」等の領域にも取り組んでいます。 ・「グローバル」:ASEAN主要国へのビジネス展開に加え、北米マーケットへの参入を見据えたアプローチを実行しています。 ■経営資源の強化と戦略的な配分コア事業、成長事業を支えるため、事業戦略と連動した人財戦略/技術戦略/財務・投資戦略を推進しています。 ・「人財戦略」:ビジネスと技術の両面をリードできる人財、成長事業をけん引できる人財の増強、そしてPurposeを軸とした多様性のあるチーム力を強化しています。 ・「技術戦略」:コア事業ではAIを活用した開発DXを、成長事業では市場開発領域の高付加価値化・高度化を加速する技術強化を進めています。 ・「財務・投資戦略」:健全な財務基盤のもと、新たな価値を提供するソリューションを生み出すための研究開発投資、当社グループの強みとシナジーを発揮するためのオープンイノベーション投資、カタリナマーケティングジャパン株式会社を始めとした、企業価値の最大化を目指すM&Aなどの戦略的投資を進めています。 ■グループ経営基盤の強化当社グループのさらなるシナジー強化に向け、事業環境の変化を見据え、柔軟にグループバリューチェーンを進化させることで、企業価値最大化を図っています。 なお、当社グループは、持続的な成長を実現するために、よりチャレンジングな事業戦略とそれを支える強固な経営基盤が必要であると考えています。そのため、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、グループ会社管理を改善しています。加えて、グループ全体の内部統制システムの継続的な運用改善とコンプライアンス意識のさらなる浸透・徹底に取り組んでいます。これにより、適正な業務運営を実施しております。また、当社グループ内におけるグループ会社の増加や、事業の成長に伴うビジネスの多様化などがリスクとして想定されます。当社グループは、現行のビジネスリスクマネジメントをさらに拡充し、対応を強化してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末時点の情報を踏まえ判断したものであり、今後の様々な要因により記載内容と異なる可能性があります。 (1)経営の基本方針BIPROGYグループは、以下の企業理念に基づき、これからも社会の期待と要請に応えてまいります。 <BIPROGYグループ 企業理念>・わたしたちが社会に果たすべきことすべての人たちとともに、人と環境にやさしい社会づくりに貢献します・わたしたちが目指すこと社会の期待と要請に対する感性を磨き、そのためにICTが貢献できることを考え抜く集団になります・わたしたちが大切にすること1.高品質・高技術の追求社会に役立つ最新の知識を有するとともに、技量を高めます2.個人の尊重とチームワークの重視相手の良い点を見いだし、それを伸ばすことを奨励し合い、互いの強みを活かします3.社会・お客様・株主・社員にとり魅力ある会社ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、企業価値向上に努めます (2)経営環境および経営戦略当社グループを取り巻く事業環境は、生成AIが急速な進展を見せる中、ICTサービスに対する顧客ニーズの高度化と多様化が進み、さらには顧客企業によるシステム内製化の進展や異業種参入による競争激化など、大きく変化しております。予測困難で先が見通せない不確実性の高い状況下、持続的成長企業として価値を提供し続けるために、時間軸や環境変化に左右されない企業価値を見つめ直し、Purpose(目的)、Corporate Statement(目的達成に向けたスローガン)およびPrinciples(目的を達成するための原則)を定め、中長期的な視点でPurposeを実現するための視点および目標としてVision2030を策定いたしました。また、Vision2030の実現に向けて当社グループのサステナビリティへの取り組みを経営に統合していくため、Materiality(重要課題)が経営の長期ビジョンに対応したものとなるよう、Materialityを策定しております。 <Purpose>先見性と洞察力でテクノロジーの持つ可能性を引き出し、持続可能な社会を創出します先見性・洞察力 × テクノロジー × ビジネスエコシステム = 社会的価値創出 <Corporate Statement>Foresight in sight「先見性」でいち早くキャッチしたお客様や社会の課題を、経験や常識にとらわれない「洞察力」で深く理解する <Principles>原理・原則主義・信条■人権の尊重と社会的包摂 ■善良な社会の一員として真摯、且つ熱意ある取り組み■多様性の受容と獲得■次世代へウェルビーイングをつなげる取り組み■自己研鑽と主体性の発揮■ビジネスエコシステム形成による価値の創出■透明性高い企業活動と健全な企業体質■高品質・高技術・卓越性の追求■誠実な履行■社会的価値の創出と持続的成長の実現 <Vision2030>わたしたちは、デジタルコモンズを誰もが幸せに暮らせる社会づくりを推進するしくみに育てていきます <Materiality>■デジタルの力とビジネスエコシステムを活用した課題解決の仕組みづくり■ゼロエミッション社会の実現に向けた、デジタルを活用した環境貢献と事業活動に ともなう環境負荷の低減■バリューチェーン全体で取り組む、安心・安全な製品・サービスの持続可能な調達と提供■新たな未来を創る人財の創出・強化とダイバーシティ&インクルージョンの進化■コーポレート・ガバナンスの強化とインテグリティの向上 PurposeおよびVision2030のもと、社会的価値の創出を追求することを通じて経済的価値の創出を図り、当社グループ全体の企業価値を持続的に向上させる新たなステージに向け、当社グループは経営方針(2024-2026)を策定いたしました。社会変化に対する先見性・洞察力、ICTを核としたテクノロジー、そして様々なビジネスパートナーとのビジネスエコシステム形成を掛け合わせ、ICTサービス提供だけにとどまることなく、これまで取り組んできた社会を豊かにする新しい価値の創造と社会課題の解決の取り組みを加速させ、社会的価値創出企業に変革してまいります。 <基本方針>社会的価値の創出により顧客の持続的成長を支える顧客DXと、様々な業界の顧客、パートナーと共に社会課題解決を進める社会DXの両面からビジネスを推進し、Vision2030の実現を目指してまいります。 また、Purposeに掲げた社会的価値創出企業の実現に向け、コーポレートブランドを刷新し、2022年4月に商号を日本ユニシス株式会社からBIPROGY株式会社へ変更いたしました。「BIPROGY(ビプロジー)」は、光が屈折・反射した時に見える7色(Blue、Indigo、Purple、Red、Orange、Green、Yellow)の頭文字を使った造語であり、これには様々なビジネスパートナーや多種多様な人々がもつ光彩を掛け合わせ、混とんとした社会の中で新たな道を照らし出すこと、および光彩が状況に応じて変化するように、社会や環境変化に応じて提供する価値を変えていくことの2つの意味を込めています。ボーダーレスな視座で社会的価値を創出する唯一無二のブランドとなることで、多種多様な人々へと働きかけるとともにビジネスエコシステムを形成し、持続可能な社会実現へ向けて取り組んでまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標経営方針(2024-2026)においては、以下の指標を経営上の業績目標としています。なお、2025年4月30日に経営方針(2024-2026)の業績目標を修正しており、修正後の数値目標を記載しております。2027年3月期の連結業績見通しは、売上収益4,700億円、調整後営業利益率10.3%を見込んでいます。 <連結数値目標(IFRS会計基準)> 2026年3月期(実績)2027年3月期(目標)売上収益4,337億円4,400億円調整後営業利益率※110.0%11.0%ROE17.9%17.0%以上配当性向40.5%40.0%以上※2※1 調整後営業利益率は「売上収益」から「売上原価」並びに「販売費及び一般管理費」の額を減算して得られた金額の「売上収益」に対する比率※2 株価水準を考慮した機動的な自己株式取得を実施 (4)対処すべき課題当社グループは、経営方針(2024-2026)のもと、企業価値1兆円規模の企業グループとなるべく、グループ一体となって、事業活動を通じた「社会的価値」と「経済的価値」の創出に取り組んでいます。AI技術の進化はビジネスモデルの構造的な変化をもたらすとともに、社会および顧客に提供するソリューションやサービスの価値を高める成長機会になるものと当社グループは認識しています。こうした認識のもと、経営方針(2024-2026)の最終年度にあたる2026年度においては、AI活用を前提とした業務プロセス変革を一層推進していきます。従来の業務効率化にとどまらず、顧客の価値創造に直結する新たな提供価値の創出を重視し、事業の質的向上を図っています。また、社内で蓄積したAI活用に関する知見やノウハウを顧客および社会へ幅広く展開することで、共創による新たな価値創出につなげています。これらの取り組みを組織的かつ継続的に推進するため、全社横断組織として「AI CoE(AI Center of Excellence)」を設置しました。AI CoEは、全社的なAI活用方針の策定およびガバナンスの強化、AI関連施策の企画・優先順位付け、ならびに各部門におけるAI活用プロジェクトの推進支援を担っています。これらを横断的に統括することで、AI戦略の整合性・実行品質および推進スピードの確保を図っています。加えて、当社グループ全体におけるESG・SDGsへの積極的な取り組みによるサステナブルな経営をより一層推進するための体制として、SDGs貢献への取り組みおよびサステナビリティ経営戦略の統括責任者であるCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を委員長とする意思決定機関「サステナビリティ委員会」を設置しています。また、下部組織として、環境に関する「環境貢献委員会」および社会・人権に関する「ソーシャル委員会」を設置し、サステナビリティを巡る課題への取り組みにおけるマネジメントとガバナンスを強化しています。さらに、当社グループのサステナビリティへの取り組みを経営に統合していくために「サステナビリティ経営推進部」を設置しています。持続可能な社会の実現のために、当社グループがテクノロジーを活用して貢献できる領域は多く、気候変動等の環境問題や地域創生、少子高齢化など、一企業だけでは解決が難しい社会課題に対してビジネスエコシステムによるイノベーションや新たなサービスを通じて解決に取り組んでいます。 <事業活動における取り組み>■コア事業における「強みのある領域の確立」と「提供価値・収益性の向上」注力領域として、ファイナンシャル、リテール、エネルギー、モビリティ、OTインフラの5つを選定し、経営資源を集中投下することで、サービス型ビジネスを拡大し、提供価値と収益性の向上に取り組んでいます。また、システムサービスの生産性向上に向け、生成AI等の技術活用やパートナー戦略、リスキリング等の人財育成を推進しています。 ■成長事業における「提供価値の向上」と「新たな収益基盤の確立」成長事業においては、「市場開発」「事業開発」「グローバル」の3つの領域で新たな収益基盤の確立に取り組んでいます。 ・「市場開発」:データ・AI利活用ビジネス、クラウドマネジメントやセキュリティ等のマネージドサービス等を展開し、新たなサービス領域の獲得と成長市場におけるシェア獲得に取り組んでいます。 ・「事業開発」:これまでの取り組みで得たエネルギーマネジメントや環境価値の企業間流通等のエネルギー領域の知見を活かして「SX/GX」事業を推進しています。また、デジタルキャッシュ、物流、スマートシティの取り組みを活かした「スマートライフ」「地域創生」等の領域にも取り組んでいます。 ・「グローバル」:ASEAN主要国へのビジネス展開に加え、北米マーケットへの参入を見据えたアプローチを実行しています。 ■経営資源の強化と戦略的な配分コア事業、成長事業を支えるため、事業戦略と連動した人財戦略/技術戦略/財務・投資戦略を推進しています。 ・「人財戦略」:ビジネスと技術の両面をリードできる人財、成長事業をけん引できる人財の増強、そしてPurposeを軸とした多様性のあるチーム力を強化しています。 ・「技術戦略」:コア事業ではAIを活用した開発DXを、成長事業では市場開発領域の高付加価値化・高度化を加速する技術強化を進めています。 ・「財務・投資戦略」:健全な財務基盤のもと、新たな価値を提供するソリューションを生み出すための研究開発投資、当社グループの強みとシナジーを発揮するためのオープンイノベーション投資、カタリナマーケティングジャパン株式会社を始めとした、企業価値の最大化を目指すM&Aなどの戦略的投資を進めています。 ■グループ経営基盤の強化当社グループのさらなるシナジー強化に向け、事業環境の変化を見据え、柔軟にグループバリューチェーンを進化させることで、企業価値最大化を図っています。 なお、当社グループは、持続的な成長を実現するために、よりチャレンジングな事業戦略とそれを支える強固な経営基盤が必要であると考えています。そのため、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、グループ会社管理を改善しています。加えて、グループ全体の内部統制システムの継続的な運用改善とコンプライアンス意識のさらなる浸透・徹底に取り組んでいます。これにより、適正な業務運営を実施しております。また、当社グループ内におけるグループ会社の増加や、事業の成長に伴うビジネスの多様化などがリスクとして想定されます。当社グループは、現行のビジネスリスクマネジメントをさらに拡充し、対応を強化してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要については「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に含めて記載しております。 ②生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日) 前期比(%)システムサービス(百万円)141,8368.8ソフトウェア(百万円)18,01829.6合計(百万円)159,85510.8(注)1.ソフトウェアには、ソフトウェア製品マスター制作までの研究開発費に該当する金額を含んでおります。2.システムサービスの金額は、販売価格によっております。3.上記の金額には、消費税等を含んでおりません。b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)システムサービス145,11010.342,38911.2サポートサービス66,1550.661,70011.2アウトソーシング102,02025.3168,3392.9ソフトウェア46,9688.56,863△6.5ハードウェア72,4443.716,247△14.8その他13,0627.66,3711.9合計445,76210.3301,9124.2(注)上記の金額には、消費税等を含んでおりません。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日) 前期比(%)システムサービス(百万円)140,8458.0サポートサービス(百万円)59,9422.7アウトソーシング(百万円)97,2457.4ソフトウェア(百万円)47,4445.2ハードウェア(百万円)75,26411.7その他(百万円)12,9446.5合計(百万円)433,6867.3(注)上記の金額には、消費税等を含んでおりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成されています。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」および「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載の通りです。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、経営方針(2024-2026)の最終年度である2027年3月期の業績目標として、売上収益4,400億円、調整後営業利益率11.0%を掲げており、ROEは17.0%以上、連結配当性向は40.0%以上としております。これに対し2年目である当期は、売上収益4,270億円、調整後営業利益率10.0%の計画※に対し、実績は売上収益4,337億円、調整後営業利益率10.0%となりました。また、ROEは17.9%、連結配当性向は40.5%となりました。※ 2026年2月4日発表の2026年3月期第3四半期決算短信にて、連結業績予想等を修正しており、修正後の業績予想数値を記載しております。 b.経営成績等の状況に関する経営者の視点による認識・分析・検討(事業全体)当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復基調が続きました。情報サービス産業においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)領域を中心に企業の強い投資意欲が継続しております。日銀短観の3月調査では、2026年度のソフトウェア投資額も前年度比増加が見込まれています。一方で、中東情勢の影響を注視する必要があるほか、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などにも十分な注意が必要です。 このような環境の下、当社グループが目指す「Vision2030」の実現に向けて「経営方針(2024-2026)」注1に基づく取り組みを推進しています。基本方針である「持続性のある事業ポートフォリオ確立による企業価値の向上」「経営資源配分の最適化」「グループ経営基盤の強化」を図りながら、現在の収益源である「コア事業」と新たな収益の柱とする「成長事業」の両輪で事業拡大を進めています。 コア事業では、優良な顧客基盤と業務知見を活かせる「ファイナンシャル」「リテール」「エネルギー」「モビリティ」「OTインフラ」注2の5つを注力領域として定めています。 「ファイナンシャル」では、オープン環境/パブリッククラウドでのフルバンキングシステム「BankVisionⓇ」の売上収益が、新規ユーザーの獲得もあり増加しています。外国送金受付ワークフローサービス「SurFINⓇ」を始めとしたフロント系サービスの採用も拡大しています。 「リテール」では、大規模マーチャンダイジング基幹系システム導入や統合ECサービス稼働開始に加え、AI自動発注システム等の店舗DX需要が堅調に推移しています。また、2026年1月には日本最大級のリテールメディアネットワーク「AOUMITM」を展開するカタリナマーケティングジャパン株式会社(以下、CMJ)を完全子会社化しました。BIPROGYとCMJが目指すのは、生活者や地域のニーズを起点に流通業界全体の付加価値を高めるプラットフォームの確立です。生活者の購買データや行動データを高度に活用し、小売の販売現場からサプライチェーンまでデータをデジタルで結びつけ「生活者・地域起点の流通デマンドチェーン」の実現を目指します。 「エネルギー」では、電力会社向けネットワーク案件が好調です。また、カーボンニュートラル関連事業拡大への取り組みを強化しており、長年にわたるエネルギー業界向けのシステム構築で培った知見やIT・AI技術を活かし、系統用蓄電池を活用したアグリゲーション事業注3に取り組んでまいります。 「モビリティ」では、物流の領域にて物流品質の向上や将来的な作業員不足に対応するため、製薬会社に自律型協働ロボットを活用したピッキング自動化ソリューションを導入しました。今後フィジカルAIを駆使してさらなる課題解決に取り組んでまいります。 「OTインフラ」では、製造業を中心にサプライチェーンリスク対策を推進しており、その中でもセキュリティ投資需要の高まりを背景とした案件獲得が進んでいます。また、設備工事まで含めたトータルソリューションの提供による差別化や、パートナー各社との連携を図りながらビジネス領域の拡大に取り組んでいます。 成長事業では、新たな収益基盤の確立と価値の提供を目指して「市場開発」「事業開発」「グローバル」の3つの領域を定めています。 「市場開発」では、データとAIを活用し事業改善サイクルを加速するDX支援事業「Data&AI Innovation LabⓇ」の知見をもとに、「Data&AI Solutions」で利用者に価値の高いAIサービスの提供を目指します。また、マネージドサービスにおいても新たなブランド「GASSAIⓇ」を立ち上げ、Security、Multi/Hybrid Cloud、Digital Workplaceのサービス提供を開始し、順調に拡大しています。 「事業開発」では、地域創生領域において、デジタルマーケティングソリューションを提供するMattrz株式会社を連結子会社化し、中堅・中小企業の生産性向上に資するDX化支援事業を進めています。また、ヘルスケア領域においては、大阪・関西万博のレガシーを事業化し、「DotHealthⓇ カラダ測定サービス」として提供開始しています。社会全体の健康増進につながる社会インフラを提供し、日常の中にヘルスケアが溶け込んだ社会を実現していきます。 「グローバル」では、ASEAN主要国でのICT/DXビジネスが順調に拡大しています。また、CVCファンドを通じて北米スタートアップ企業への投資を進めています。 「経営方針(2024-2026)」では、事業戦略と連動した人財戦略、技術戦略、投資戦略、財務戦略を推進し、市場競争力を高めるため、強みのある領域や新たな価値提供に向けて経営資源を積極的に投入しています。人財戦略については、「BIPROGYグループ人財戦略レポート2025」注4を発刊しています。経営方針(2024-2026)で掲げた事業戦略をリードする4つの人財モデルの確保・育成が順調に進んでいます。また、技術戦略では、AI活用を加速しています。幅広い分野で培ってきた業務ノウハウとAI技術を融合し「サービスの差別化」を図ると共に、「AI駆動開発」による高品質と短納期の両立を実現し、お客様への提供価値を向上させます。今後も内外の環境変化に対応し顧客への提供価値を向上させるために、グループバリューチェーンを進化させてまいります。 (注)1.Vision2030および経営方針(2024-2026)については、当社グループウェブページの以下ご参照。https://www.biprogy.com/com/management_policy.html2.OTはOperational Technologyの略称で、主に工場やプラントなどの設計・製造プロセスを支える情報システム基盤のこと。3.アグリゲーション事業は系統用蓄電池などの分散電源を対象に、卸電力市場および需給調整市場における市場取引および需給調整を行う事業のこと。4.「BIPROGYグループ人財戦略レポート2025」については、当社グループウェブページの以下ご参照。https://www.biprogy.com/pdf/sustainability/human_resources_strategy_report2025.pdf5.記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 当連結会計年度の売上収益は、お客様からのIT投資に対する需要継続を背景に、サービス、製品販売を中心に伸長したことから、前期に比べ296億76百万円増収の4,336億86百万円(前期比7.3%増)となりました。 利益面につきましては、人件費の上昇や将来のビジネス拡大に向けた投資強化、M&A関連費用の計上等により販売費及び一般管理費が増加しましたが、増収による売上総利益の増益分でカバーし、営業利益は、前期に比べ35億37百万円増加の426億4百万円(前期比9.1%増)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に比べ42億43百万円増加の312億9百万円(前期比15.7%増)となりました。 なお、当社グループが業績管理指標として採用している調整後営業利益※につきましては、前期に比べ51億46百万円増加の435億67百万円(前期比13.4%増)となりました。 ※ 調整後営業利益は、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を控除して算出しております。 財政状態 当連結会計年度末の総資産の状況につきましては、のれんの増加等により、前連結会計年度末比497億93百万円増加の3,806億69百万円となりました。 負債につきましては、営業債務及びその他の債務や借入金の増加等により、前連結会計年度末比400億31百万円増加の1,996億10百万円となりました。 資本につきましては、1,810億59百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は47.0%と前連結会計年度末比4.1ポイント下降しました。 c.資本の財源及び資金の流動性について財務政策 当社グループの資金需要は、営業活動に関する資金需要として、システムサービスおよびサポートサービスなどの外注費、販売用のコンピュータおよびソフトウェアの仕入の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものがあります。営業費用の主なものは人件費および営業支援費、新規サービスの開発等に向けた研究開発費です。また、投資活動に関する資金需要として、新たなビジネス創出に向けた、事業会社、スタートアップ、ファンドへの戦略投資、既存ビジネス遂行のための設備投資などがあります。経営方針(2024-2026)において、投資を重要な施策と位置づけており、先端テクノロジー活用やイノベーションの持続的な創出、注力領域を中心とした国内外でのM&A等の戦略投資を実施しています。 必要資金については、持続的な営業キャッシュ・フローによる自己資金を原資とすることを基本方針としています。また、大規模なM&A等の戦略投資が発生した場合には、資本効率や財務の健全性を考慮しつつ、借入金等の外部資金の調達を機動的に組み合わせて対応してまいります。 また、機動的な資金調達と安定性の確保を狙いとし、従来、主要取引金融機関と総額105億円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。なお、当連結会計年度において当該契約に基づく借入実行はありません。 株主還元については、業績連動による配分を基本として、キャッシュ・フローの状況や成長に向けた投資とのバランス、経営環境などを総合的に考慮して利益還元方針を定めており、経営方針(2024-2026)においては連結配当性向40%以上とすることに加え、株価水準を考慮した機動的な自己株式取得を掲げております。この方針に沿って当連結会計年度において、配当は1株当たり130円(連結配当性向40.5%)とし、100億円の自己株式の取得を実施しました。キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比177億58百万円減少の470億43百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金につきましては、税引前利益438億45百万円に加え、非現金支出項目である減価償却費及び償却費178億98百万円、営業債務及びその他の債務の増加56億95百万円等の収入加算要素および、契約資産の増加11億83百万円等の収入減算要素により、575億66百万円の収入(前期比126億49百万円収入増)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により支出した資金につきましては、主に営業用コンピュータ等の有形固定資産の取得による支出39億36百万円、アウトソーシング用ソフトウェアに対する投資を中心とした無形資産の取得による支出134億62百万円、子会社の取得による支出516億9百万円等により、739億78百万円の支出(前期比650億51百万円支出増)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により支出した資金につきましては、短期借入金の純増加額296億62百万円、自己株式の取得による支出100億円、配当金の支払額117億45百万円等により、15億12百万円の支出(前期比291億1百万円支出減)となりました。 d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容システムサービス システムサービスは、ソフトウェアの請負開発業務、SEサービス、コンサルティング等からなり、売上収益は1,408億45百万円(前期比8.0%増)、セグメント利益は511億27百万円(前期比14.3%増)となりました。金融機関や小売業、電力事業者向けを中心とした開発案件が順調に拡大したことにより増収増益となりました。AI活用などによる生産性向上などに取り組むことにより、更なる売上収益の拡大と収益性の向上を図ってまいります。サポートサービス サポートサービスは、ソフトウェア・ハードウェアの保守サービス、導入支援等からなり、売上収益は599億42百万円(前期比2.7%増)、セグメント利益は189億53百万円(前期比2.3%減)となりました。製品販売の増加に伴い付随サービスであるサポートサービスも増収となった一方で、リベート収入の減少等の影響により減益となりました。引き続き売上収益の拡大等を目指すことで、収益性の向上にも努めてまいります。アウトソーシング アウトソーシングは、情報システムの運用受託やサービス型ビジネス等からなり、売上収益は972億45百万円(前期比7.4%増)、セグメント利益は213億53百万円(前期比17.1%増)となりました。「BankVision」の新規採用や稼働金融機関の増加、運用サービスの拡大に加え、第4四半期よりCMJの業績を計上したこと等により増収増益となりました。引き続き運用効率の改善や収益性の高いサービス型ビジネスの拡大に取り組むことで、売上収益の拡大と収益性の向上を図ってまいります。ソフトウェア ソフトウェアは、ソフトウェアの使用許諾契約によるソフトウェアの提供等からなり、売上収益は474億44百万円(前期比5.2%増)、セグメント利益は75億42百万円(前期比17.7%減)となりました。官公庁やサービス業、製造業向けの大型案件の計上により増収となりましたが、前期第4四半期に高採算案件の計上があった影響により減益となりました。ハードウェア ハードウェアは、機器の売買契約、賃貸借契約によるハードウェアの提供等からなり、売上収益は752億64百万円(前期比11.7%増)、セグメント利益は136億38百万円(前期比19.9%増)となりました。官公庁や研究機関向けの大型案件の計上により増収増益となりました。その他 その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、回線サービス、設備工事及び教育訓練事業等を含み、売上高は129億44百万円(前期比6.5%増)、セグメント利益は33億93百万円(前期比16.8%増)となりました。(注)セグメント利益は、当社グループが業績管理指標として採用している調整後営業利益と調整を行っており、上記の全てのセグメント利益合計1,160億9百万円から、各報告セグメントに配賦していない販売費及び一般管理費を含む調整額724億41百万円を差し引いた435億67百万円(前期比13.4%増)が調整後営業利益となります。
事業リスク
- 経済・市場環境変動リスク: 金融市場の変動や海外経済の悪化、企業の情報システム投資抑制、異業種からの参入による競争激化など、外部環境の変化が経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。ESG意識の高まりや規制強化も事業戦略の見直しを迫る要因となります。
- サプライチェーンリスク: ハードウェア・ソフトウェアの調達先における事業戦略変更、経営悪化、製品供給の遅延・停止、不具合、セキュリティインシデントなどが、当社グループの社会的信用や経営成績に影響を与える可能性があります。地政学リスクによるサプライチェーンの断絶も懸念されます。
- 知的財産権リスク: 自社の特許や商標が侵害される可能性や、当社グループの製品・サービスが第三者の知的財産権を侵害するとして係争に発展するリスクがあります。また、必要な知的財産権のライセンスが予定通り受けられない場合、特定の製品やサービスを提供できなくなる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものです。⑴ 経済動向および市場環境による影響について中東情勢をはじめ、金融資本市場の変動や海外景気の下振れ、米国の通商政策による経済環境の悪化、企業の情報システムへの投資抑制を含む投資戦略の変更、異業種からの参入による競争の激化等により事業環境が悪化した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、ESGの浸透を背景とした環境意識の高まりや社会意識の急速な変化、それらに伴う世界的な各種規制の強化、政府が推進する各種政策の変更により、事業戦略の見直しが発生する可能性があります。外部環境の動向や変化を逐次見極めながら、迅速な対応に努めてまいります。 ⑵ 調達について当社グループは国内外の取引先からハードウェア・ソフトウェアおよびサービスを調達し、お客様に提供しております。このため、取引先各社の事業戦略の予期せぬ変更、経営状況の悪化等による製品仕様の変更、製品・サービス供給の遅延や停止、価格改定や提供条件の変更、調達するサービスの不具合やセキュリティインシデント等による重大な障害の発生が、社会的信用やブランドイメージの低下など当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、国家間の紛争等によるテロリズム、エネルギー供給の不確実性、サプライチェーンの断絶といった地政学リスクが発生した場合や、経済安全保障関連規制・輸出管理規制の強化等により、特定地域からの製品やサービスの供給が遅延したり、完全に停止したりする可能性があります。これらの事態を回避するため、調達・購買に関する指針等に則り、取引先定期審査や取り扱う商品の品質管理に努めるとともに、地政学リスクに対する情報収集、関連する調達リスクの評価と対策の選定について継続的に努めてまいります。 ⑶ 知的財産権について当社グループでは事業の遂行にあたり、自社の技術や製品・サービスに関わる特許権、商標権等の知的財産権を取得することなどにより自社の知的財産の保護を図るとともに、第三者の知的財産権を侵害することのないよう細心の注意を払っております。しかしながら、第三者により当社グループの知的財産権が侵害される可能性があるほか、当社グループの製品やサービスが第三者の知的財産権を侵害しているとの主張に基づき係争に発展し、その結果、費用が発生する可能性があります。また、当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権等の権利につき、当該権利の保有者よりライセンス等を予定どおり受けられなかった場合や第三者との間で知的財産に係る紛争等が発生した場合は、特定の製品またはサービスを提供できなくなる可能性があります。さらに、オープンイノベーションにむけたスタートアップ企業等との資本提携や業務提携において、相手方企業の知的財産権確保の不備等により、想定していた知的財産権の活用ができないリスクがあります。これらの結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、当社グループでは、知的財産権の取得に加え、提携先企業の知的財産権に関する十分な調査や、提携契約における必要な権利の確保に努めております。 ⑷ プロジェクト管理について当社グループは、従前からの多数のシステム開発に加えて、アウトソーシングビジネス等の多数のプロジェクトに取り組んでおります。市場競争激化の中で、お客様の要求の高度化、案件の複雑化が進んでいるため、プロジェクトにおいて問題が生じた場合、その修復に想定以上の費用や時間を要し、コストオーバーやリリース期日の延伸を引き起こすリスクが高まります。また、取り扱う製品やサービスの多種多様化により、プロジェクトが管理しなければならないセーフティとセキュリティのリスクも高まります。このため、当社グループでは、プロジェクトのリスク内容を多角的にアセスメントし、システム開発およびアウトソーシングビジネスの実行可否を、「ビジネス審査委員会」において評価し、予実を管理する運用に徹底して取り組んでおります。また、システム開発手法の体系化・標準化による生産性の向上、プロジェクト課題早期発見制度であるプロジェクト検診等の施策も継続して実施しています。問題プロジェクトの振り返りを通して真の原因を見極め、根本対策や再発防止策を打ち出し、改善のためのPDCAサイクルを回すことによってコストオーバーの予防と問題の早期発見に努めております。 ⑸ システム障害について 当社グループが提供するシステムや各種サービスは、お客様の業務の基幹システムや、金融や電力などの社会インフラに関わるものから、決済サービスやEC(Electronic Commerce:電子商取引)などコンシューマー向けのサービスまで多様化しています。これらシステムや各種サービスにおいて、システムの不具合やサイバー攻撃等により重大な障害が発生した場合、その影響範囲は当社グループのお客様にとどまらずサービスをご利用いただくコンシューマーまで広範囲に及ぶため、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下といったレピュテーションリスクと、発生した損害に対する賠償金の支払等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 このため当社グループでは、システム障害による計画外のサービス停止時間の品質目標を設定しているほか、システム開発時の品質保証レビュー等によって、機密性・障害許容性・回復性・安定性といった品質特性の向上に努めております。また、本番稼働後にシステム障害が発生した際には、障害管理システムによる社内関係部門への情報展開によって、迅速な対応とリスク顕在化防止にも努めております。 ⑹ 情報セキュリティについて当社グループは、事業活動を通じ、当社グループ自身の情報はもとより、情報システムの開発、提供、運用にあたり、多くのお客様の秘密情報、お客様が保有する個人情報に接する機会を有しております。そのため、個人情報をはじめとする情報管理はICT産業に身をおく当社グループの最重要課題と認識しております。一方、サイバー攻撃は日々高度化、巧妙化しており、サイバーセキュリティリスクは重要な経営課題となっております。そのような中、マルウェアや不正アクセス等のサイバー攻撃、人為的過失などにより、情報システムの停止や情報漏洩、改ざん、不正利用等が発生した場合には、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下といったレピュテーションリスク、および発生した事故に対する対応費用等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、当社グループでは個人情報をはじめとする情報管理体制の維持・見直しと、当社グループ全役職員および委託先協力会社に対する教育・指導に努めております。また、情報セキュリティ基本方針においてサイバー攻撃を重大な経営リスクとして位置づけ、グループ全体の情報セキュリティマネジメントを統括する総合セキュリティ委員会のもとに、サイバーセキュリティリスクに対応するための戦略を策定し推進するプロジェクト体制を構築しております。当社グループのサイバーセキュリティ戦略では、サイバーセキュリティ経営を継続的に実践するためビジョン、目標、活動計画等を定め、ゼロトラストアーキテクチャの考え方に基づくセキュリティ対策基盤の強化など広範囲かつ多様なセキュリティ施策を実施しております。なお、サイバーセキュリティの観点でより環境変化に対応できるよう米国NIST(National Institute of Standards and Technology)サイバーセキュリティフレームワークを用いたアセスメントを定期的に実施し活動計画へ反映しています。加えて、サイバー攻撃の未然防止と事故対応を専門とする技術対応チームCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を対象としたサイバーセキュリティ演習、ならびにグループ内のネットワーク、サーバ等に対する脅威監視や分析を行うグループ内SOC(Security Operation Center)の監視範囲拡大など、インシデント検知・対応能力の強化を図っております。さらに、万が一の予期せぬ事態による情報流出に対応するため、一定額までの保険を付保しております。 ⑺ 人財について国際競争の激化や急速な少子高齢化による労働人口の減少、デジタルトランスフォーメーションの進展により、IT人財の獲得競争は厳しさを増しています。外部環境や企業への要請が大きく変化する中、技術力に加え、イノベーション創発や多様化する社会課題・顧客ニーズに対応できる人財の確保は重要な課題となっています。当社グループが必要とする人財を確保できない場合、持続的な成長力の維持に影響を与える可能性があります。そのため、当社グループでは、経営戦略に基づき人財の獲得・育成を推進しており、新卒・第二新卒などのポテンシャル人財と経験者採用の双方を展開するとともに、研修や制度の充実により人財の高度化を図っています。また、多様な人財の活躍支援や柔軟な働き方の実現、ROLES(業務遂行上における役割)定義を軸としたキャリア形成、人的資本の可視化と事業戦略への連動を進めています。加えて、生成AIの活用による業務の生産性向上と人財リソースの最適化にも取り組んでおり、その進展状況によっては外部からの人財獲得方針を見直す可能性があります。さらに、役職員サーベイに基づくエンゲージメント状態の把握と向上施策や、ソーシャル委員会による人財リスクの低減を通じて、サステナビリティ経営の推進を図っています。 ⑻ 投資について当社グループは、顧客価値を向上させる開発および新たな収益基盤の確立のため、新しい製品・サービスの提供を目的とする積極的な投資を行っております。また、先端技術や知見を有するパートナーに対するグローバルを含めた出資やM&A、ならびに、スタートアップやファンドへの出資を継続・拡大しております。これらの投資に際しては、投資に対する十分なリターンが常に保証されるわけではなく、パートナーとの経営戦略の不一致や、当初の想定どおりに事業が成長しないことにより、経営成績に影響を与える可能性があります。このため当社グループでは、投資案件ごとに投資委員会および上位機関である経営会議において、事業計画の妥当性等を慎重に検討し、投資判断によるリスクを最小限にするよう努めております。 ⑼ コンプライアンスについて新たなビジネスの創出などに伴い、コンプライアンスに関するリスクの多様化・複雑化が予想されます。長時間労働やパワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメントなどの人事・労務問題に加え、今後、データ利活用ビジネスやサービス提供型ビジネスが増加していく中で、データの取り扱いに不備があった場合や、その他重大なコンプライアンス違反の発生により、当社グループの社会的信用の低下や、発生した損害に対する賠償金の支払い、重要取引先からの取引見直しなどに至った場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このようなリスクを回避するため、当社グループでは、「企業行動憲章」、「グループコンプライアンス基本規程」および「グループ役職員行動規範」を策定し、コンプライアンス推進体制を構築することで、グループ全役職員の法令、社会規範および社内規則の遵守ならびに倫理的な活動の実践に努めております。 ⑽ 災害・感染症等について地震等の自然災害やテロにより社会インフラや当社グループの主要な事業所等が壊滅的な損害を被った場合、その対応には巨額の費用を要することが余儀なくされます。また、感染症の発生等により、取引先・従業員の多くが安全確保・健康維持・感染拡大防止のために行動が制限される場合には、サービス提供等事業活動に大きな影響が生じるため、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、地震や感染症等による事業継続リスクに対応するため、「事業継続プロジェクト」にて、安全確保、社内業務復旧、顧客対応の各観点から事業継続計画(BCP)の策定と継続的な見直し・改善を実施しております。また、災害発生時に備え、社員、組織長、災害対策本部メンバーを対象とした安否確認訓練や具体的な発生事象のシナリオに沿って被災状況報告、対応指示、対応状況報告を役割ごとに実施する総合シミュレーション訓練などの訓練・演習を計画的に実施しております。なお、新たな感染症の流行や拡大が発生した場合には、新型コロナウイルス感染症への対応で得た知見をもとに策定した「新型感染症対策行動計画」に従って、お客様、協力会社、そしてグループ社員の安心と安全を最優先に考え、事業継続に努めてまいります。 ⑾ 技術革新について近年、IT分野に限らず、顧客および社会課題の解決手段は急速に高度化しており、特に生成AIをはじめとする先端技術の進展は、業務プロセス、システム開発・運用、ならびに価値創出の在り方に構造的な変化をもたらしております。これらの技術革新は、当社グループが提供するソリューションおよびサービスの高度化や新たな事業機会の創出につながる一方、新技術・知的財産の獲得遅延、社内アセットおよびノウハウの陳腐化、または技術変化を前提とした事業モデル転換の遅れが生じた場合には、市場競争力、顧客満足度および収益性の低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。とりわけAI技術の進展により、従来型のシステム開発・運用の在り方や工数依存型の開発モデルが変化し、顧客企業におけるIT内製化やソフトウェアおよびサービスに求められる価値の変化が進展する可能性があります。当社グループは、こうした変化をリスクであると同時に成長機会と捉え、これまで培ってきた業界・業務理解、システム構築力、運用ノウハウおよび顧客基盤にAI技術を組み合わせることで、顧客の業務変革や内製化を支援する提供価値の転換・高度化を進めております。当社グループは、技術的強みおよび事業ポートフォリオの時間軸を踏まえ、技術ポートフォリオの再構築を進めております。コア事業および市場開発領域の双方において、AIを前提としたソリューションおよびサービスの高度化・高付加価値化を推進するとともに、システム開発・運用プロセスにおけるAI活用および開発DXの推進を通じて、開発生産性、品質および保守性の向上を図っております。また、AI戦略の整合性および実行力を強化するため、CSO直轄の全社横断組織として「AI CoE(AI Center of Excellence)」を新設し、全社的なAI活用方針の策定、AIガバナンスの強化、AI関連施策の企画・優先順位付け、ならびに各部門におけるAI活用プロジェクトの推進支援を行っております。さらに、先端技術・次世代技術の発掘、獲得および実装、新技術に関する知的財産の獲得、既存技術の最適活用を戦略的に推進するとともに、これらの取り組みに必要となる人財育成、外部パートナーおよびスタートアップ企業との連携も積極的に進めております。これらの施策を通じ、技術革新に伴うリスクの低減と成長機会の獲得を両立し、技術基盤の強化および企業価値の持続的向上に努めてまいります。 ⑿ 気候変動について複合的な気候変動の影響が拡大し、企業の事業基盤に大きな影響を与える可能性が高まっています。このような背景から、当社グループにおいては、異常気象の激化や渇水・洪水などの災害の発生と、低炭素経済への移行に伴う環境規制や投資家・社会からの情報開示要請の高まりに適切に対応できない場合に生じる市場競争力や評判の低下が、経営成績に影響を与える可能性があります。これらにかかる対応として、「BIPROGYグループ環境方針」を制定し、「環境長期ビジョン2050」に掲げるゼロエミッション社会の実現を目指すべく、環境経営を強化しております。取締役会の監督のもと、推進体制を整備し、マテリアリティを軸とした取り組みによるリスク低減と機会拡大とともに、開示情報の質と量の充実を図っております。なお、リスクと機会の評価にあたっては、全社横断によるシナリオ分析を実施しております。TCFD提言が示すリスク(移行リスクと物理的リスク)と機会の全項目に対するインパクト評価を行い、その重要度に応じてマテリアリティをはじめ、各種戦略、施策に反映しております。さらにシナリオ分析で特定された気候関連リスクは、グループリスクマネジメントシステムへ統合し、管理しており、気候変動に関する動向や事業環境の変化を見極めながら、迅速な対応に努めております。 ⒀ 人権について企業は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権を尊重する責任を負っており、事業活動およびサプライチェーンにおける人権への負の影響に適切に対応する必要があります。このような背景から、企業の人権への取り組みは社会の注目を集めており、適切な対応がなされない場合には、訴訟等の法的リスクやレピュテーションリスクが生じ、企業の社会的信用の低下や経営成績に影響を与える可能性があります。また、近年注目されるAIの研究・開発・利活用において人権および関連する倫理的課題への配慮が不十分な場合には、企業の社会的責任が問われ、事業運営に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社グループは「BIPROGYグループ人権方針」を制定し、本方針に基づく人権デューデリジェンスを通じて、事業およびサプライチェーンにおける人権への負の影響の特定、防止、軽減、是正に継続的に取り組んでおります。さらに、AIをはじめとする先端技術の利活用に伴う人権および関連する倫理的課題に対応するため、「BIPROGYグループのAI倫理指針」を制定しております。また、「BIPROGYグループサステナブル調達ガイドライン」を制定し、サプライチェーン全体で人権に配慮した責任ある調達を推進しております。