8086

ニプロ(8086)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • 医療機器・医薬品の製造販売
    ニプログループは、医療機器、医薬品、医療用硝子製品の製造販売を主軸としています。具体的には、透析関連製品や注射器などの医療機器、ジェネリック医薬品、そして医薬品を安全に届けるための硝子容器などを世界中で提供しており、人々の健康を支える幅広い医療関連製品で収益を上げています。
  • グローバルな事業展開
    国内だけでなく、タイ、中国、インド、ベルギー、米国、ベトナムなど世界各地に子会社を展開し、医療機器や医薬品の製造・販売を行っています。これにより、各地域の医療ニーズに合わせた製品供給と販売網を構築し、グローバル市場での存在感を高めることで収益機会を拡大しています。
  • 多角的な医療関連事業
    医療機器の製造販売(医療関連事業)、医薬品の製造販売(医薬関連事業)、そして医薬品の容器となる硝子製品の製造販売(ファーマパッケージング事業)の3つの主要事業を展開しています。さらに、不動産賃貸や保険代理業などの「その他事業」も手掛けており、多角的な事業ポートフォリオで安定した収益基盤を築いています。
出典: FY2024 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医療関連事業
    当社の主力事業であり、売上高5050.78億円、営業利益466.32億円と最も大きな収益源です。国内では医療機器の製造販売、海外では医療機器の製造・販売を幅広く手掛けています。透析関連製品や注射器など、多岐にわたる医療機器を提供し、国内外の医療現場を支えることで、グループ全体の業績を牽引しています。
  • 医薬関連事業
    売上高791.25億円、営業利益106.25億円を計上しています。国内ではニプロファーマや全星薬品工業が医薬品の製造販売を行い、海外ではベトナム工場で医薬品を製造しています。ジェネリック医薬品を中心に、患者さんへの安定供給を使命とし、品質確保に真摯に取り組むことで、医療に不可欠な医薬品を提供しています。
  • ファーマパッケージング事業
    売上高592.62億円、営業利益-2.72億円となっています。国内では硝子管や硝子製品の製造販売、海外では中国、米国、フランス、ドイツ、インドなどで医療用硝子生地管、管瓶、アンプルなどの製造販売を行っています。バイオ医薬品対応の高機能容器の供給体制を整備し、「One Stop Solution」として研究開発から投与までを支える製品群を提供しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MedicalTreatmentRelated 事業 5,051 466 9.2%
MedicineRelated 事業 791 106 13.4%
PharmaPackagingReportableSegment 事業 593 -3 -0.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2024|1,322 文字
3 【事業の内容】当社グループは提出会社(以下「当社」という。) ならびに子会社162社および関連会社9社で構成されており、医療機器、医薬品および医療用硝子製品等の製造販売を主として行っております。当社グループの事業にかかる位置づけおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。 <医療関連事業>(国内) 当社、ニプロ医工㈱および㈱グッドマンが医療機器の製造を行い、グループ内外の会社から仕入れた医療機器と併せて当社が販売しております。 ㈱細胞科学研究所は、細胞培養関連製品の開発および製造販売を行っております。 ネクスメッドインターナショナル㈱は、整形外科医療機器の開発および製造販売を行っております。 ニプロESファーマ㈱は、当社及び当社子会社等より製商品を仕入れ、ジェネリック医薬品の販売を行っております。(海外) ニプロタイランドコーポレーション(タイ)、尼普洛(上海)有限公司(中国)およびニプロインディアコーポレーションPRIVATE LIMITED(インド)等の子会社は、当社より一部の原材料の仕入および製造機械類の購入を行い、医療機器を製造し、当社および当社子会社等を通じて販売する一方、周辺地域での販売も行っております。 ニプロメディカルヨーロッパN.V.(ベルギー)、ニプロメディカルコーポレーション(米国)および尼普洛貿易(上海)有限公司(中国)等の販売子会社は、主に当社および当社子会社等より製商品を仕入れ、それぞれ周辺地域での医療機器等の販売を行っております。 <医薬関連事業>(国内) ニプロファーマ㈱およびニプロファーマ飛騨工場㈱が医薬品の製造を行い、当社が販売、全星薬品工業㈱が製造販売を行っております。(海外) ニプロファーマ・ベトナム・リミテッド(ベトナム)が医薬品の製造を行い、ニプロファーマ㈱が販売を行っております。 <ファーマパッケージング事業>(国内) 当社が硝子管の販売ならびに硝子製品の製造販売を行っております。(海外) 尼普洛医薬包装容器(上海)有限公司(中国)は当社より一部の原材料を仕入れ、成都平原尼普洛薬業包装有限公司(中国)等の中国の子会社へ原材料の販売を行っております。 ニプロファーマパッケージングアメリカスCorp.(米国)、ニプロファーマパッケージングフランスS.A.S.(フランス)、ニプロファーマパッケージングジャーマニーGmbH(ドイツ)、ニプロファーマパッケージングインディアPrivate Limited(インド)、成都平原尼普洛薬業包装有限公司(中国)等の子会社は各所在地域を中心に医療用の硝子生地管、管瓶、アンプル等の製造販売を行っております。 <その他事業> 当社が不動産賃貸業を行っております。 ニッショー保険トラベル㈱は主にグループ各社向けの損害保険代理業、旅行業および不動産業を行っております。 ニプロヨーロッパグループカンパニーズN.V.(ベルギー)、尼普洛(中国)投資有限公司(中国)およびニプロホールディングアメリカス,Inc.(米国)は主に各地域における子会社事業活動の統括管理を行っております。 以上に述べた事項の概要図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内では診療報酬、薬価、保険医療材料の償還価格の引下げの影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医療保険制度や医薬品医療機器等法などの行政機関の規制を受けている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原材料の調達に関するリスク / 販売価格の変動に関するリスク / 医療行政の変更に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ニプロは医療機器分野で長年の実績と一定のブランド認知を持つが、特許や強力なブランドによる独占的な地位は限定的。特定の医療機器分野での技術力は存在するものの、それが参入障壁として極めて高いとは言えない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療機器は、一度導入されると、その操作性や保守体制、医師・看護師の習熟度から、他社製品への切り替えには一定のコストと時間がかかる。特に高度な医療機器や消耗品においては、既存システムとの互換性やトレーニングの必要性からスイッチング・コストが発生する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ニプロの事業モデルにおいて、ユーザーが増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医療機器の製造においては、品質管理や研究開発費が嵩むため、構造的なコスト優位性を築くことは難しい。一部の汎用的な医療消耗品においては、規模の経済によるコスト効率化の可能性はあるが、他社との顕著な差は確認できない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ニプロは医療機器・医薬品分野で一定の規模を持つが、グローバル市場や特定のニッチ市場において、圧倒的なシェアを持つ寡占状態とは言えない。業界全体で見ると、多数の競合が存在し、効率規模による優位性は限定的。

  • グローバルな生産・販売網
    ニプロは「地産地消」のコンセプトのもと、世界各地に生産拠点と販売網を構築しています。これにより、各地域の医療ニーズに迅速に対応し、安定した製品供給を可能にしています。例えば、タイや中国、インドで医療機器を製造し、周辺地域で販売することで、効率的な事業運営と市場シェアの拡大を図っています。
  • 幅広い製品ラインナップ
    医療機器、医薬品、医薬用硝子製品という多岐にわたる製品群を提供しており、医療現場の多様なニーズに応える「ワンストップソリューション」を実現しています。特に透析関連製品やジェネリック医薬品、高機能なバイオ医薬品容器など、専門性の高い製品を自社で開発・製造・販売することで、顧客への付加価値を高めています。
  • 技術革新と研究開発力
    設立以来「技術革新」を経営コンセプトに掲げ、患者さんのQOL向上や医療現場の課題解決に貢献する製品開発を推進しています。新商品や新技術の開発に積極的に投資することで、競争の激しい医療業界において常に新しい価値を提供し、持続的な成長の原動力としています。例えば、透析装置の情報管理システム「NephroFlow™」などがその一例です。
出典: FY2024 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • グローバルでの市場シェア拡大
    ニプロは「地産地消」の理念のもと、製品競争力と市場シェアで世界トップを目指しています。特に海外では、学術活動や技術営業を通じて基幹商品の価値を高め、収益性の向上を図ります。米州では新たな透析治療領域の提案、アジアパシフィックではブランド強化と高付加価値商品の販売に注力し、グローバルでの存在感を強化します。
  • コスト競争力の強化と安定供給
    世界的なインフレや医療費抑制策に対応するため、生産能力の拡充と製造コストの抜本的な削減を目指しています。国内のジェネリック医薬品の供給不安に対応するため、近江工場やベトナム工場の新製造サイトからの抗菌薬の早期出荷を進めるなど、高品質な製品の安定供給体制を確立し、利益確保に努めます。
  • DX推進と新技術・新製品開発
    医療従事者の働き方改革やオンライン診療に資するシステムの提案を通じて、医療DXを推進し地域医療への貢献を目指します。また、バスキュラー事業の本格展開や、透析装置の情報管理システム「NephroFlow™」の販売開始など、積極的な研究開発活動を通じて新商品・新技術の開発を進め、医療業界の変化に対応し、競争力を強化します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社の社是は「意欲」です。事業展開において「ユーザー目線」、「三方よし」、「地産地消」の考え方を基本とし、医療機器および医薬品分野において、日本で培われた高品質・高付加価値製品をグローバルに展開し、「和ごころをもった真のグローバル総合医療メーカー」として、安定供給責任に応えながら、医療の発展に貢献してまいります。(2) 経営戦略① 利益重視経営の推進当社は従来の規模拡大に加え、収益性の向上を重視する「利益重視経営」を推進しております。具体的には、開発・製造・営業の一体運営を通じた事業の効率化、マーケットイン促進の強化、および品種・仕様の集約等によるコスト構造の最適化を図っております。これらの取り組みにより、事業全体の収益基盤の強化および利益率の改善を目指しております。② 世界展開および供給体制の強化当社は、日本市場で育まれた高品質・高機能製品を基盤として、全世界に事業を展開するとともに、地産地消の考え方に基づく供給体制を構築しております。これにより、各地域における医療ニーズに対応した製品供給を行い、医療インフラとしての役割を強化してまいります。③ 研究開発および次世代医療領域への貢献当社は、医療インフラを支える事業基盤製品の高付加価値化に加え、次世代の医療に貢献するニューノーマルの領域への取り組みを推進することで、未来の中核事業を生み出し、新たな成長機会の創出を図っております。これにより、事業をより強く、より厚くすることで将来的な事業基盤の強化および持続的成長の実現を目指しております。④ 選択と集中を軸に資本効率を意識した投資当社は、持続的な成長および企業価値の向上を実現するため、事業ポートフォリオの見直しを継続的に行い、経営資源の効率的な配分を推進しております。具体的には、成長分野への「集中と選択」の考え方に基づき、成長が見込まれる分野への重点的な投資を行うとともに、収益性の改善が必要な分野については構造改革等の取り組みを推進しております。(3) 目標とする経営指標当社は、2025年5月に2027年度までの3か年中期経営計画を策定し、持続的な成長と資本効率の向上を実現するため、以下の指標を重視しております。成長性売上高成長率 年平均6%以上収益性営業利益率 7%以上財務健全性純有利子負債/EBITDA倍率 4倍未満資産効率ROE(自己資本利益率) 10%以上 また、資本市場との対話や株価を意識した経営にも取り組んでおり、株価純資産倍率(PBR)の改善を重要な課題と位置付けております。これを踏まえ、営業キャッシュ・フローを基盤とした成長投資、研究開発投資および株主還元のバランスを意識したキャピタルアロケーションを実施してまいります。(4) 経営環境および対処すべき課題当社グループは、中期経営計画の達成に向け、企業価値の向上と利益重視の経営を推進する中で事業や製品ごとのポートフォリオ管理の高度化や、成長投資の拡大に伴う投資回収およびキャッシュ・フロー管理の重要性が一層高まってきております。こうした状況を踏まえ、当社グループが認識する主な課題は以下のとおりです。① 収益性の強化売上の拡大に加え、高付加価値品へのシフトや、開発力強化によるニューノーマル製品の投入、ならびに作業効率および生産性向上によるコストの最適化を推進し、安定供給を維持しつつ、規模から質への転換を着実に進めることで、収益性の向上に取り組んでまいります。 ② 成長投資と資本効率向上の両立将来の成長に必要な研究開発投資および設備投資を着実に実行しつつ、選択と集中を徹底し、中長期的な企業価値の向上に資する分野へ経営資源を重点的に配分してまいります。ROIC経営の考え方を取り入れ、資本コストを意識した投資判断および事業ポートフォリオ運営に取り組んでまいります。③ 持続的成長を支える基盤の整備中東情勢の不安定化を背景に、物流や原材料調達を中心としたサプライチェーンへの影響が懸念される中、当社グループは安定供給の確保を最重要課題として捉え、調達先および物流手段の多様化、適正な在庫水準の維持、行政や関係機関との連携強化により対応してまいります。また、安定供給体制の強化に加え、人材育成、サステナビリティへの対応およびガバナンス体制の強化を推進します。さらに、キャピタルアロケーションを重視した経営により、営業キャッシュ・フローの最大化を図ることで、株主還元と財務健全性を向上につなげ、持続的な成長を支える経営基盤の確立に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社の社是は「意欲」です。事業展開において「ユーザー目線」、「三方よし」、「地産地消」の考え方を基本とし、医療機器および医薬品分野において、日本で培われた高品質・高付加価値製品をグローバルに展開し、「和ごころをもった真のグローバル総合医療メーカー」として、安定供給責任に応えながら、医療の発展に貢献してまいります。(2) 経営戦略① 利益重視経営の推進当社は従来の規模拡大に加え、収益性の向上を重視する「利益重視経営」を推進しております。具体的には、開発・製造・営業の一体運営を通じた事業の効率化、マーケットイン促進の強化、および品種・仕様の集約等によるコスト構造の最適化を図っております。これらの取り組みにより、事業全体の収益基盤の強化および利益率の改善を目指しております。② 世界展開および供給体制の強化当社は、日本市場で育まれた高品質・高機能製品を基盤として、全世界に事業を展開するとともに、地産地消の考え方に基づく供給体制を構築しております。これにより、各地域における医療ニーズに対応した製品供給を行い、医療インフラとしての役割を強化してまいります。③ 研究開発および次世代医療領域への貢献当社は、医療インフラを支える事業基盤製品の高付加価値化に加え、次世代の医療に貢献するニューノーマルの領域への取り組みを推進することで、未来の中核事業を生み出し、新たな成長機会の創出を図っております。これにより、事業をより強く、より厚くすることで将来的な事業基盤の強化および持続的成長の実現を目指しております。④ 選択と集中を軸に資本効率を意識した投資当社は、持続的な成長および企業価値の向上を実現するため、事業ポートフォリオの見直しを継続的に行い、経営資源の効率的な配分を推進しております。具体的には、成長分野への「集中と選択」の考え方に基づき、成長が見込まれる分野への重点的な投資を行うとともに、収益性の改善が必要な分野については構造改革等の取り組みを推進しております。(3) 目標とする経営指標当社は、2025年5月に2027年度までの3か年中期経営計画を策定し、持続的な成長と資本効率の向上を実現するため、以下の指標を重視しております。成長性売上高成長率 年平均6%以上収益性営業利益率 7%以上財務健全性純有利子負債/EBITDA倍率 4倍未満資産効率ROE(自己資本利益率) 10%以上 また、資本市場との対話や株価を意識した経営にも取り組んでおり、株価純資産倍率(PBR)の改善を重要な課題と位置付けております。これを踏まえ、営業キャッシュ・フローを基盤とした成長投資、研究開発投資および株主還元のバランスを意識したキャピタルアロケーションを実施してまいります。(4) 経営環境および対処すべき課題当社グループは、中期経営計画の達成に向け、企業価値の向上と利益重視の経営を推進する中で事業や製品ごとのポートフォリオ管理の高度化や、成長投資の拡大に伴う投資回収およびキャッシュ・フロー管理の重要性が一層高まってきております。こうした状況を踏まえ、当社グループが認識する主な課題は以下のとおりです。① 収益性の強化売上の拡大に加え、高付加価値品へのシフトや、開発力強化によるニューノーマル製品の投入、ならびに作業効率および生産性向上によるコストの最適化を推進し、安定供給を維持しつつ、規模から質への転換を着実に進めることで、収益性の向上に取り組んでまいります。 ② 成長投資と資本効率向上の両立将来の成長に必要な研究開発投資および設備投資を着実に実行しつつ、選択と集中を徹底し、中長期的な企業価値の向上に資する分野へ経営資源を重点的に配分してまいります。ROIC経営の考え方を取り入れ、資本コストを意識した投資判断および事業ポートフォリオ運営に取り組んでまいります。③ 持続的成長を支える基盤の整備中東情勢の不安定化を背景に、物流や原材料調達を中心としたサプライチェーンへの影響が懸念される中、当社グループは安定供給の確保を最重要課題として捉え、調達先および物流手段の多様化、適正な在庫水準の維持、行政や関係機関との連携強化により対応してまいります。また、安定供給体制の強化に加え、人材育成、サステナビリティへの対応およびガバナンス体制の強化を推進します。さらに、キャピタルアロケーションを重視した経営により、営業キャッシュ・フローの最大化を図ることで、株主還元と財務健全性を向上につなげ、持続的な成長を支える経営基盤の確立に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における経済情勢は、インフレ圧力の沈静化を背景に、欧米を中心として金融引締めから緩和へと政策転換が進みつつある一方、中東情勢によるエネルギー供給や物流網への影響が懸念されるなど、地政学的リスクや通商政策を巡る不確実性が引き続き景気の下押し要因となり、先行き不透明な状況で推移しました。わが国経済においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復が下支えとなる一方、物価上昇による個人消費の伸び悩みや、金融政策正常化に伴う金利上昇への警戒感から、景気は力強さを欠く状態で推移しました。このような環境の下、当社グループは患者さんや医療従事者の目線に立脚し、世界中の人々の「健康でありたい」という願いの実現に向けて、医療関連、医薬関連、ファーマパッケージング、それぞれの事業で培った技術やソリューションを最適な形態で提供することに継続して取り組んでまいりました。当連結会計年度の連結売上高は、国内市場では、販売価格の適正化に加え、注射剤など高需要製品の出荷数量増加により売上高が増加しました。海外市場においては、重点市場に対し積極的なプロモーションを展開、各地域特性に応じた戦略を実行したことにより販売は好調に推移しました。これらにより、連結売上高は前期比2.5%増加の6,605億38百万円となりました。原材料や労務費単価の上昇が継続するなか、生産効率の改善や操業度の向上を通じて、単位当たり製造コストの低減に取り組みました。また、新規製造ラインの稼働が供給量の増加に寄与した結果、売上総利益は前期比で増加しました。販売費及び一般管理費は運送費の高騰に加え、海外事業拡大に伴う販売体制の拡充等により増加しましたが、販売費及び一般管理費の増加分を売上総利益の増加により吸収できたことから営業利益は前期比41.5%増加の376億24百万円となり、増収増益を達成しました。経常利益は、支払利息が前期比で増加したものの、為替差損は前期比で減少したこと等により、前期比82.3%増加となる197億21百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社取得に伴う段階取得に係る差益51億11百万円の計上および再生医療事業の研究・製造拠点の固定資産売却益の計上により、前期比164.1%増加の135億4百万円となりました。 なお、当期におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。<医療関連事業>(国内事業)メディカル営業部門におきましては、注射針類、輸液関連製品の価格適正化に取り組んでまいりました。また、透析関連製品は、ヘモダイアフィルタ(血液透析濾過器)の一部品目の出荷制限が解除となり、部門全体の売上高は前期比で増加となりました。このほか、バスキュラー関連製品については薬剤溶出型カテーテル等の販売が順調に推移しました。医薬営業部門におきましては、重点製品のシェア拡大に加え、出荷制限品目数の削減に注力し、売上と収益の拡大に努めました。また、新規収載品の堅調な伸長も収益拡大に寄与いたしました。(国際事業)国際事業におきましては、各国の腎臓医学会への参加を精力的に進めるとともにKOL(キー・オピニオン・リーダー)と連携し、幅広い透析関連製品のPRに注力するとともに、主要代理店、病院施設に対して学術活動および技術営業活動に専心、高付加価値製品の拡大を推し進めました。アメリカでは、大手透析プロバイダーとの提携によりダイアライザやその他透析関連製品の販売が増加したほか、中国においては、集中購買制度下での落札により、ダイアライザの出荷数が大幅に増加しました。また、欧州においては高機能ダイアライザの販売が好調に推移しました。加えて、アメリカや中南米において透析装置が好調に推移しました。透析センタービジネスでは、安定的な運営のもと、利益も堅調に推移いたしました。バスキュラー関連製品では、超音波と近赤外線を併用した独自の血管内イメージングシステムが、欧米をはじめアジア、中東、中南米各地で使用が広がっています。また、新タイプのスリッピング防止型バルーンカテーテルもアジアへの出荷が伸長しました。 (生産体制)国内外の製造拠点におきましては、医療関連製品の需要増加に対応するため、生産能力拡張のための整備を継続しております。主力品であるダイアライザについては、当社大館工場で新たなラインが、2025年4月と12月にそれぞれ稼働開始しました。ベトナムの製造子会社では増改築工事が完工し、ダイアライザ生産設備の稼働に向けた準備中です。この結果、当事業の売上高は5,236億15百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益(営業利益)は523億38百万円(前期比12.2%増)の増収増益となりました。<医薬関連事業>医薬関連事業(医薬品受託製造事業)におきましては、売上面では選定療養制度(患者さんが後発医薬品ではなく先発医薬品を選択した場合に、その価格差の一部を自己負担とする制度)により一部の長期収載品については受注数量の減少がありましたが、抗がん剤が前期比で増加したほか、新規受託品の獲得により前期を上回りました。利益面ではシリンジ製剤の受託増加や、抗がん剤および新規受託品の出荷増加が大きく寄与しました。また、物価高騰に伴う原価上昇に対応するため、価格の適正化にも取り組みました。この結果、当事業の売上高は811億7百万円(前期比2.5%増)、セグメント利益(営業利益)は120億96百万円(前期比13.8%増)の増収増益となりました。<ファーマパッケージング事業>ファーマパッケージング事業におきましては、グローバル規模での生産体制の最適化を進めるとともに、高付加価値品の品質向上および販売促進活動に取り組んでまいりました。国内においては、ガラス管および歯科領域向け製品、製剤専用医療機器(在宅自己注射セットなど)の販売が伸長し、増収増益となりました。しかしながら海外においては、バイオ医薬品関連の高付加価値ガラス管の販売が順調に推移したものの、主に欧米市場における医薬用ガラス容器の在庫過多の影響から減収減益となりました。一方で工場の閉鎖や生産集約、人員の最適化を実施するなど、生産体制の改革を進め、製造原価の低減を行いました。この結果、当事業の売上高は546億87百万円(前期比7.7%減)、セグメント損失(営業損失)は15億85百万円(前年同期は2億72百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。<その他事業>その他事業におきましては、不動産賃貸等による売上高が11億28百万円(前期比0.8%増)、セグメント利益(営業利益)は9億40百万円(前期比283.7%増)となりました。 また、財政状態の状況は次のとおりであります。(資産)当連結会計年度末の資産合計は、1兆2,132億90百万円(前期比3.7%増)で、前連結会計年度末に比べて427億26百万円の増加となりました。このうち流動資産は204億13百万円の増加、固定資産は223億13百万円の増加となりました。流動資産の増加の主な要因は、商品及び製品が111億87百万円増加したことによるものであり、固定資産の増加の主な要因は、のれんが181億96百万円増加したことによるものであります。(負債)当連結会計年度末の負債合計は、8,785億18百万円(前期比2.3%増)で、前連結会計年度末に比べて195億75百万円の増加となりました。このうち流動負債は779億92百万円の増加、固定負債は584億17百万円の減少となりました。流動負債の増加の主な要因は、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が300億30百万円増加したことによるものであり、固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が305億88百万円減少したことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末の純資産合計は、3,347億72百万円(前期比7.4%増)で、前連結会計年度末に比べて231億51百万円の増加となりました。このうち株主資本は100億14百万円の増加、その他の包括利益累計額は116億60百万円の増加となりました。 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は883億66百万円と前連結会計年度末に比べ132億94百万円(前期比13.1%減)の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は546億57百万円となりました。収入の主な科目は、減価償却費616億75百万円、税金等調整前当期純利益294億86百万円であり、支出の主な科目は、その他の資産の増加額が158億61百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は553億42百万円となりました。支出の主な科目は、固定資産の取得による支出が622億91百万円であり、収入の主な科目は、固定資産の売却による収入が115億8百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は81億22百万円となりました。収入の主な科目は社債の発行による収入が495億78百万円であり、支出の主な科目は長期借入金の返済による支出が751億29百万円であります。③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)対前期増減率(%)医療関連252,447△1.9医薬関連164,8090.2ファーマパッケージング46,187△11.6合計463,444△2.3 (注) 1 金額は、製造原価によって算出しております。2 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。b.受注実績当社グループは、見込生産形態を採っておりますので、該当事項はありません。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)対前期増減率(%)医療関連523,6153.7医薬関連81,1072.5ファーマパッケージング54,687△7.7その他1,1280.8合計660,5382.5 (注) 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)売上高は前連結会計年度に比べ159億52百万円増加し、6,605億38百万円(前期比2.5%増)となりました。これは主に、国内販売が前期比2.1%、海外販売が2.8%とそれぞれ増加したことによるものです。この結果、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、医療関連事業が79.3%、医薬関連事業が12.2%、ファーマパッケージング事業が8.3%、その他が0.2%となりました。(営業利益)営業利益は前連結会計年度に比べ110億26百万円増加し、376億24百万円(前期比41.5%増)となりました。これは主に、売上高の増加に加え、原材料費の低減や価格転嫁を含む適正価格での販売が進展し、売上総利益が改善された影響によるものであります。(経常利益)営業外収益は前連結会計年度に比べ2億53百万円減少し、52億89百万円(前期比4.6%減)、営業外費用は前連結会計年度に比べ18億68百万円増加し、231億92百万円(前期比8.8%増)となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ89億4百万円増加し、197億21百万円(前期比82.3%増)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税および法人税等調整額を計上したことにより、135億4百万円(前期比164.1%増)となりました。なお、財政状態の分析内容及びセグメントごとの経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。③ 当社グループの資本の財源および資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。なお、当社グループの設備投資額(有形固定資産)は,2026年3月期の実績は640億円、2027年3月期の予算は490億円を予定しております。次期以降の配当に関しましても業績連動の利益配当方針は維持しつつも、長期的な視点に立った安定的な配当を継続する方針であります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結することで、資金の流動性を確保しております。④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 原材料調達の不安定性
    事業に必要な材料や部品の中には、特定の供給元に依存しているものや、供給者が限定されるものがあります。需要の急増、供給遅延、供給停止、または石油化学製品などの原材料価格の高騰が発生した場合、生産活動に支障をきたし、製品の納入や品質確保が困難になることで、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 販売価格の変動リスク
    国内では診療報酬、薬価、保険医療材料の償還価格の引き下げが、海外では医療費抑制策が浸透しており、製品の販売価格が想定を超えて下落する可能性があります。これにより、企業間競争が激化し、収益性が低下することで、経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
  • 医療行政の変更リスク
    ニプログループが属する医療業界は、医療保険制度や医薬品医療機器等法などの行政機関の規制に密接に関連しています。将来的に予測できない大規模な医療行政改革が行われた場合、その環境変化に対応できなければ、事業運営に大きな影響が生じ、経営成績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,872 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)原材料の調達に関するリスク当社グループは、事業に使用する材料および部品を多数の供給者から調達しておりますが、重要な部材の中には特定の供給者からのみ入手可能なものや、供給者が限定されるものが存在します。継続して市場へ製品を供給するため、材料・部品の長期安定供給の確保に努めておりますが、その実現は、需要の急増に伴う供給不足、供給先からの供給遅延や供給停止等、制御が困難な要因を含むさまざまな影響を受ける可能性があります。また、製品の一部にはプラスチック等の石油化学製品を原料とするものがあり、これら原材料価格の高騰により調達コストが増加する場合があります。これらの事象が発生し、生産活動に影響を及ぼし、顧客への製品の納入や品質の確保に支障をきたす場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、品種や産地の異なる原材料の分散調達を進めることにより安定的な数量の確保に努めるとともに、主要製品の生産拠点の複数化を推進してまいります。(2)販売価格の変動に関するリスク当社グループの販売する製品には、国内において診療報酬、薬価および保険医療材料の償還価格の引下げの影響を受けるものがあります。加えて、世界的に医療費抑制策が進展しており、これらを背景として市場における企業間競争が激化し、販売価格が想定を超えて下落した場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、生産能力の拡充や安定供給体制の確立を通じて製造コストの削減を図り、収益性の維持・向上に努めてまいります。(3)医療行政の変更に関するリスク当社グループの属する業界は医療制度と密接に関連しており、医療保険制度や医薬品医療機器等法(旧薬事法)をはじめとする各種法規制の適用を受けております。今後、医療行政において予測困難な制度改革が実施され、その環境変化に適切に対応できない場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、積極的な研究開発活動のもと、新製品および新技術の開発を推進し、環境変化への対応に努めてまいります。(4)訴訟に関するリスク当社グループは、事業活動または製品の提供において、第三者の特許権等の知的財産権の存在を認識しないまま使用したことにより、知的財産権侵害を理由とする訴訟等の対象となる可能性があります。また、製品に起因して第三者に損害を与えた場合には、製造物責任等を理由として、訴訟その他の請求を提起される可能性があります。これらの訴訟等の内容によって、多額の損害賠償の支払いを求められる場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、法令遵守およびリスク管理に関する社内ルールに基づき、必要な事項を定めております。また、取締役会の監督のもと、リスクおよびコンプライアンスに関する委員会を定期的に開催し、コンプライアンスの遵守およびリスクの把握・低減に努めるとともに、会社に生じ得る損失の最小化を図っております。さらに、専門家である弁護士と顧問契約を締結し、必要に応じて適切かつ迅速に相談・対応できる体制を整えております。(5)知的財産に関するリスク当社グループは、自社が製造・販売する製品に関する特許および商標を多数保有するとともに、必要な権利の取得を行っております。また、第三者の特許権その他の知的財産権の侵害や、技術に関して締結したライセンス契約への違反等が生じないよう、十分な注意を払っております。しかしながら、意図せず第三者から損害賠償等を請求され、当社グループの主張が認められない場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、当社製品に採用される技術について特許出願等により適切な権利保護を図るとともに、第三者による権利侵害が継続しないよう適切に対応しております。加えて、技術開発および製品設計の各段階において調査・確認を実施し、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めております。 (6)製品の安全性に関するリスク当社グループは、医療機器および医薬品の設計、開発および製造の各段階において、製品の安全性の確保に最大限努めております。しかしながら、使用時における予期せぬ不具合や副作用等により、第三者に損害を与え、損害賠償責任を請求される可能性が生じた場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、損害賠償責任保険および製造物責任(PL)保険に加入しておりますが、万一、保険の補償範囲を超える請求が認められた場合には、対応が必要となる可能性があります。また、独自の品質基準を設け、製品の品質および安全性の向上に継続的に取り組むとともに、関連法規の遵守を徹底しております。(7)為替変動に関するリスク当社グループは、主に米ドルおよびユーロ等の外貨建取引を行っており、当連結会計年度における海外売上高の割合は51.4%となっております。このため、為替レートの変動により、業績等に影響を与える可能性が生じた場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、一部の外貨建輸出債権を対象とした為替予約によるリスクヘッジを実施し、影響を最小限にするよう取り組んでおります。(8)資金調達に関するリスク当社グループは、事業資金および投融資資金を、金融機関からの借入や社債、コマーシャル・ペーパーの発行等により調達しております。しかしながら、金融市場の混乱や金融機関による貸出姿勢の変化、また信用格付機関による信用格付の大幅な引下げ等が生じた場合には、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できず、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性が生じた場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、金融機関からの借入の一部には財務制限条項が付されているものがあり、当該条項に抵触し期限の利益を喪失した場合には、資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、事業資金の効率的かつ安定的な調達を図り、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結するなど、流動性の確保に努めております。(9)投資価値に関するリスク当社グループは、資産の一部として株式等の投資有価証券を保有しており、これらは各証券の発行者との良好な事業関係の構築や、新製品の開発、新規事業機会に関する有益な情報の収集等を目的としております。しかしながら、株式市場の下落、発行者の経営状況の変化、またはこれらの投資に関する会計処理方法の変更等により、投資価値が大幅に減少した場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 なお、当連結会計年度末現在の投資有価証券の連結貸借対照表計上額は18,902百万円となっております。(10)M&Aおよび業務提携等に関するリスク当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業基盤の強化に取り組んでおります。未認識債務の判明や、事業の統合・展開が計画どおりに進まない場合には、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、実行前後を通じた精緻な検証および継続的なモニタリングを行っております。(11)情報セキュリティに関するリスク当社グループは、各種の基幹システムを導入し、業務に必要な情報をシステム上で管理しております。しかしながら、サイバー攻撃や不正アクセス、自然災害などの予期せぬ事態が発生した場合、システム停止や重要データの破損・流出等が生じた場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、情報システムおよびネットワークの管理において、安定稼働やセキュリティ対策に力を入れ、適切なサーバの管理やデータのバックアップ等の必要な措置を講じることで、情報資産の保護に努めております。(12)感染症の流行に関するリスク当社グループは、大規模な感染症の流行により経済活動が制限され、サプライチェーンの分断、工場の操業停止、急激な需要の減少等が生じた場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、感染拡大防止策として、マスクや消毒液等の必要な感染防止用品の備蓄を行うとともに、時差出勤や在宅勤務の実施、リモートワークツールの積極的な活用により、業務を継続できる環境の確保に努めております。(13)その他のリスク当社グループは、事業を展開する地域や事業所において、予期せぬ火災や地震等の自然災害、テロ、戦争、感染症の流行、環境問題、法規制の変更、または政治的・経済的変動等が発生した場合には、生産、販売、物流、サービスの提供等が遅延または停止する可能性が生じた場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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