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ニチモウ(8091)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 食品事業
    ニチモウグループの売上の約6割を占める主力事業です。鮮魚、魚卵、すり身などを国内外から調達し、子会社で加工したり、海外から輸入したりして販売しています。食卓に並ぶ水産物の安定供給を担う重要な役割を果たしています。ニチモウフーズやはねうお食品などがこの事業を支えています。
  • 海洋事業
    漁業を支える基盤となる事業です。子会社が漁網やロープを製造し、漁具の仕立てや修理も行っています。その他にも、漁業資材、養殖用資材、船舶機器などを販売しており、日本の漁業の効率化と持続可能性に貢献しています。北海道ニチモウや西日本ニチモウなどが主要な子会社です。
  • 機械・資材事業
    食品加工機械の製造・販売や、合成樹脂、包装資材、農畜資材の販売を行っています。食品事業で培った知見を活かし、食品加工の現場を支える機械を提供しています。また、食品の鮮度保持や安全性を高める包装資材なども手掛けており、幅広い産業に貢献しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 食品事業(Grocery)
    ニチモウグループの売上の大半を占める主力事業で、売上高は841.02億円、営業利益は19.53億円です。鮮魚、魚卵、すり身などを国内外から調達し、加工・販売しています。グループ全体の収益を牽引する最も重要な事業であり、市場の動向や調達状況が業績に大きく影響します。
  • 海洋事業(Ocean)
    漁網やロープの製造、漁具の仕立て・修理、漁業資材・養殖用資材・船舶機器の販売を手掛ける事業です。売上高は223.77億円、営業利益は7.55億円です。日本の漁業を支えるインフラ的な役割を担っており、持続可能な漁業への貢献を目指しています。
  • 機械事業(Machine)
    食品加工機械の製造・販売を行う事業で、売上高は156.18億円、営業利益は14.56億円です。食品事業で培ったノウハウを活かし、食品製造の効率化をサポートする機械を提供しています。海外市場への展開も強化し、世界の食のニーズに応えることを目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Grocery 事業 841 20 2.3%
Ocean 事業 224 8 3.4%
Machine 事業 156 15 9.3%
Materials 事業 90 4 4.2%
Biotics 事業 3 0 5.8%
Logistics 事業 24 1 4.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|622 文字
3 【事業の内容】当社グループが営んでいる主な事業内容は、以下の通りですが、セグメントは同じ区分としております。食品事業鮮凍魚・魚卵・すり身を中心に取り扱っておりますが子会社による加工、海外子会社よりの輸入を行い、当社及び子会社において販売しております。ニチモウフーズ㈱ はねうお食品㈱ 他海洋事業子会社が漁網・ロープ類の製造、漁具の仕立・修理を行い、他の漁業資材・養殖用資材・船舶機器と共に当社及び子会社において販売しております。北海道ニチモウ㈱ 西日本ニチモウ㈱ ㈱ニチモウワンマン ㈱ニチモウマリカルチャー 日本測器㈱ 日本船燈㈱ ノールイースタントロールシステムズINC.他機械事業子会社並びに主要な取引先で製造を行った食品加工機械等を、当社及び子会社で販売しております。㈱ビブン ㈱ソーエー資材事業合成樹脂、包装資材及び農畜資材を当社で販売しております。バイオティックス事業発酵大豆製品を子会社で製造し、健康食品と共に販売しております。ニチモウバイオティックス㈱物流事業物流及び運送サービスを行っております。ニチモウロジスティクス㈱その他日網興産㈱は人材派遣業及び不動産業を営んでおります。日本サン石油㈱は石油製品の販売を行っております。 (注) 1 ※は連結子会社です。2 ★は関連会社です。3 無印は非連結子会社です。4 関連会社のうち、日本サン石油㈱、日本測器㈱、日本船燈㈱、フィッシュファームみらい(同)は持分法適用会社です。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
食品事業の主要商材は世界的な漁獲規制や漁獲量変動、水産物市況の影響を受けるため。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:食品原料調達におけるリスク / 為替レートの変動によるリスク / 食品の安全性におけるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ニチモウは水産・食品卸売業であり、特定の強力なブランドや特許、規制ライセンスによる無形資産は限定的。一部、長年の取引で培われた信頼やノウハウは存在するが、明確な競争優位となるレベルではない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

食品卸売業においては、長年の取引関係や納入実績が顧客との関係性を強化する要因となる。しかし、競合他社も多く、価格や品揃え、サービスレベルによっては顧客が乗り換える可能性も否定できないため、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

水産・食品卸売業は、サプライヤーと小売・外食産業を結びつけるビジネスモデルであり、直接的なネットワーク効果(ユーザーが増えるほど価値が増す)は発生しにくい構造である。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済や効率的な物流網の構築により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、水産物の調達価格の変動や、競合他社との差別化が難しい中で、構造的なコスト優位を確立しているとは言い難い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

水産物・食品卸売業界において、ニチモウは一定の規模を持つプレイヤーであり、広範なサプライヤーネットワークと顧客基盤を有している。これにより、効率的な調達と販売チャネルを維持し、業界内での一定の地位を確保している。

  • 水産物サプライチェーンの網羅
    ニチモウグループは、漁獲から加工、流通、販売まで、水産物のサプライチェーン全体をカバーしています。この一貫した体制により、品質管理を徹底し、顧客ニーズに合わせた多様な商品を提供できる点が強みです。特に食品事業では、この強みが売上の大部分を占める要因となっています。
  • 長年の経験と技術力
    創業以来100年以上にわたり、水産業界で培ってきた経験と技術力がニチモウの大きな強みです。漁網や漁具の製造技術、食品加工技術、そして国内外の調達ネットワークは、他社が容易に模倣できない独自の資産となっています。これにより、変化の激しい市場環境にも柔軟に対応できています。
  • 多角的な事業展開
    食品事業を核としつつも、海洋、機械、資材、バイオティックス、物流など多角的に事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを分散し、各事業が相互に連携することで、水産物サプライチェーン全体へのソリューション提供能力を高めています。例えば、海洋事業の知見が食品事業の調達に活かされるなど、シナジー効果も期待できます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「水産業のプラットフォーマー」への進化
    創業以来の経営理念に基づき、「健康な生活づくり」に貢献することを目指しています。特に「水産業のサプライチェーンから発展したプラットフォーマー」としての機能拡大を中期経営計画の柱として掲げています。これは、単なる水産物の供給者にとどまらず、水産業界全体の課題解決に貢献する存在を目指すものです。
  • 高収益体質への転換と事業再編
    為替変動や市場動向などの環境変化に対応し、高収益体質への転換を図るため、全事業部門での黒字化を目指した事業の選択と集中を進めています。具体的には、食品事業では利益体質の再構築と品質管理の強化、海洋事業ではバイオ漁網や養殖など次世代型水産業へのサポート強化に注力します。
  • 新たな事業柱の構築と目標達成
    コアビジネスである水産業のソリューションパートナーとしての役割を強化しつつ、「養殖、環境・資源保護分野、食品機械」などの新しい柱を構築することを目指しています。2028年3月期には連結売上高1,550億円、営業利益43億円、ROE10%以上などの数値目標を掲げ、成長領域への積極投資とバランスの取れた収益構造への再構築を通じて、目標達成を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、創業以来「会社は社会の公器であることの精神に立ち業界をリードする技術とサービスをもって広く社会の発展に貢献する。」ことを経営理念としてきております。今日の当社グループは顧客のニーズに応え得る提案営業力(サービス)と商品開発(技術)をもって「健康な生活づくり」に、主として「食」の分野で貢献することを目指しております。為替変動リスクや市場の動向などの環境の変化にも柔軟に対応し、より一層の高収益体質への転換を図るため、当社グループ全事業部門での黒字化に向けた事業の選択と集中を推し進めていくことと考えております。具体的には、3ヵ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」 の初年度として、「水産業のサプライチェーンから発展したプラットフォーマー」としての機能の拡大に取り組んでおります。食品事業におきましては、引き続き利益体質の再構築を行うとともに、原料調達から製造・販売までの一貫した体制を整備し、徹底した品質管理のもと販売力と加工能力を強化していくことで、水産物バリューチェーンの量的拡大を推し進めてまいります。海洋事業におきましては、バイオ漁網やリサイクルネット、養殖などの、持続可能で次世代型の水産業へのサポートサービスを強化してまいります。機械・資材の各事業におきましては、水産業のサプライチェーンからより発展した領域へのサービス拡大を推し進めてまいります。その他、リスク管理や法令遵守を徹底するとともに、コーポレート・ガバナンス体制の整備や財務体質の改善を図ってまいります。 (2) 目標とする経営指標.当社グループは、3カ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」を作成し2028年3月期の最終年における数値目標を、連結売上高1,550億円、連結営業利益43億円、連結経常利益45億円、ROE10%以上、ROIC4.5%以上、D/Eレシオ1.0倍以内としております。そのための主な各セグメントの施策は、食品事業では、“安心・安全・価値の高い商品作り”を通じて、水産物の需要を促進してまいります。海洋事業では“環境変動に応じた次世代水産業(新しい養殖・漁業)の構築”し、水産業の拡大を支援してまいります。機械事業では、“世界の食のニーズを叶える”ために、需要増が見込まれる海外へ食品加工機器を提供し、食品製造の生産性を向上させてまいります。資材事業では、“資材を通して人々の暮らしと環境に貢献する”ことを目指し、食品包装を通じて販売を加速させてまいります。また、4つの事業が相互に連携し、水産物のサプライチェーンをサポートすることが、当社最大の特徴であり、他社に真似のできない強みとして、磨きをかけ、目標達成に向けて邁進してまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題といたしましては、積極財政や経済対策の進展により、景気は緩やかな回復が続いていくことが想定されておりますが、中東情勢をはじめとする世界的な地政学リスクの一段の高まりが、エネルギーの供給や原料自体の供給、さらには製造コストにどのような影響を及ぼすか、注視しなければならない状況にあります。このような環境下ではありますが、当社グループは3ヵ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」の目標達成に向けて、安定的な企業運営・成長を持続していくべく、“浜から食卓までを網羅し、挑戦の歩みを未来へ”を 当社グループのパーパス(存在意義)として掲げ、水産業界で巻き起こる『パラダイムシフト』に対して、100年以上の時代の変化にも柔軟に対応してきた「挑戦の歴史」と、そのなかで培ってきた「経験」をもとに、「技術とサービス」を提供し続けてまいります。具体的には、コアビジネスである水産業のソリューションパートナーとして注力するとともに、「養殖、環境・資源保護分野、食品機械」などの新しい柱を構築しつつ、成長領域への積極的な事業投資を交えながら、バランスのとれた収益構造へ事業ポートフォリオを再構築することで、“個の力を組織の力へ”と繋げ、「ベストソリューション」を追求し、未来へ新たな価値を創造する企業を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、創業以来「会社は社会の公器であることの精神に立ち業界をリードする技術とサービスをもって広く社会の発展に貢献する。」ことを経営理念としてきております。今日の当社グループは顧客のニーズに応え得る提案営業力(サービス)と商品開発(技術)をもって「健康な生活づくり」に、主として「食」の分野で貢献することを目指しております。為替変動リスクや市場の動向などの環境の変化にも柔軟に対応し、より一層の高収益体質への転換を図るため、当社グループ全事業部門での黒字化に向けた事業の選択と集中を推し進めていくことと考えております。具体的には、3ヵ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」 の初年度として、「水産業のサプライチェーンから発展したプラットフォーマー」としての機能の拡大に取り組んでおります。食品事業におきましては、引き続き利益体質の再構築を行うとともに、原料調達から製造・販売までの一貫した体制を整備し、徹底した品質管理のもと販売力と加工能力を強化していくことで、水産物バリューチェーンの量的拡大を推し進めてまいります。海洋事業におきましては、バイオ漁網やリサイクルネット、養殖などの、持続可能で次世代型の水産業へのサポートサービスを強化してまいります。機械・資材の各事業におきましては、水産業のサプライチェーンからより発展した領域へのサービス拡大を推し進めてまいります。その他、リスク管理や法令遵守を徹底するとともに、コーポレート・ガバナンス体制の整備や財務体質の改善を図ってまいります。 (2) 目標とする経営指標.当社グループは、3カ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」を作成し2028年3月期の最終年における数値目標を、連結売上高1,550億円、連結営業利益43億円、連結経常利益45億円、ROE10%以上、ROIC4.5%以上、D/Eレシオ1.0倍以内としております。そのための主な各セグメントの施策は、食品事業では、“安心・安全・価値の高い商品作り”を通じて、水産物の需要を促進してまいります。海洋事業では“環境変動に応じた次世代水産業(新しい養殖・漁業)の構築”し、水産業の拡大を支援してまいります。機械事業では、“世界の食のニーズを叶える”ために、需要増が見込まれる海外へ食品加工機器を提供し、食品製造の生産性を向上させてまいります。資材事業では、“資材を通して人々の暮らしと環境に貢献する”ことを目指し、食品包装を通じて販売を加速させてまいります。また、4つの事業が相互に連携し、水産物のサプライチェーンをサポートすることが、当社最大の特徴であり、他社に真似のできない強みとして、磨きをかけ、目標達成に向けて邁進してまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題といたしましては、積極財政や経済対策の進展により、景気は緩やかな回復が続いていくことが想定されておりますが、中東情勢をはじめとする世界的な地政学リスクの一段の高まりが、エネルギーの供給や原料自体の供給、さらには製造コストにどのような影響を及ぼすか、注視しなければならない状況にあります。このような環境下ではありますが、当社グループは3ヵ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」の目標達成に向けて、安定的な企業運営・成長を持続していくべく、“浜から食卓までを網羅し、挑戦の歩みを未来へ”を 当社グループのパーパス(存在意義)として掲げ、水産業界で巻き起こる『パラダイムシフト』に対して、100年以上の時代の変化にも柔軟に対応してきた「挑戦の歴史」と、そのなかで培ってきた「経験」をもとに、「技術とサービス」を提供し続けてまいります。具体的には、コアビジネスである水産業のソリューションパートナーとして注力するとともに、「養殖、環境・資源保護分野、食品機械」などの新しい柱を構築しつつ、成長領域への積極的な事業投資を交えながら、バランスのとれた収益構造へ事業ポートフォリオを再構築することで、“個の力を組織の力へ”と繋げ、「ベストソリューション」を追求し、未来へ新たな価値を創造する企業を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況(経営成績)当連結会計年度におけるわが国の経済は、個人消費で物価上昇の影響等から消費者マインドの下押しリスクが見られながらも、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方で、長期化する国際情勢の不安定さから、先行きについては見通しが立てづらい状況が続いております。このような経済環境のなか、当社グループの事業基盤であります水産、水産加工・流通、食品の各分野におきましても、インバウンド需要の定着が見られた一方で、外部環境の不確実性も影響し、消費の二極化が顕著となったことに加え、製造コストの高止まりや不安定な原料相場、近年の海水温上昇による漁獲量への影響など、極めて厳しい環境下で推移いたしました。こうした情勢のもとで、当社グループは、3ヵ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」の初年度として、「浜から食卓までを網羅し、挑戦の歩みを未来へ」をパーパスとして掲げ、長年の経験で得た技術とサービスをもって未来へ新たな価値を創造する企業を目指し、営業展開を推し進めてまいりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,397億79百万円と前連結会計年度比58億78百万円の増加となりました。営業損益は27億58百万円の利益となり前連結会計年度比2億43百万円の減少となりました。経常損益は30億18百万円の利益となり前連結会計年度比5億83百万円の減少となりました。特別損益におきましては、特別利益として2億62百万円を計上し、特別損失として3億1百万円を計上いたしました結果、親会社株主に帰属する当期純損益は21億80百万円の利益となり前連結会計年度比4億86百万円の減少となりました。 セグメント別の概況は次のとおりであります。<食品事業>すり身部門では、国内での市況低迷に加え、南米すり身の生産も計画通り進まず、売上、営業利益ともに大きく減少いたしました。鮮凍水産物部門では、カニは、インバウンド需要により好調な業務用・外食向け販売や通信販売が堅調に推移し、売上は増加いたしましたが、原料相場の高騰に加え、製造コストの上昇により、営業利益は前年同期並みとなりました。北方凍魚におきましては、世界的な需要拡大の機を逃さず、赤魚・ホッケの中国向け販売に注力してまいりました結果、売上、営業利益ともに大きく増加いたしました。助子は量販店向け販売で苦戦し、売上は減少いたしましたが、生産効率の見直しを進め、利益確保に努めました結果、営業利益は前年同期並みとなりました。加工食品部門では、サケ・マスを中心に寿司種など業務用製品の販売が堅調に推移し、売上は増加いたしましたが、原料価格高騰による製造コスト高の影響で、営業利益は減少いたしました。これらの結果、売上高は898億48百万円となり前連結会計年度比57億45百万円の増加となりました。セグメント損益は16億60百万円の利益となり前連結会計年度比2億93百万円の減少となりました。<海洋事業>漁網・漁具資材部門では、まき網用漁具資材を中心に各種漁具資材の販売が堅調で、海外における陸上ネットの販売も順調に推移した結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。船舶・機械部門におきましても、一部の造船需要により、船舶用機器類の販売が伸長したことで、売上、営業利益ともに増加いたしました。加えて、養殖部門におきましても、天然魚の漁獲不振に起因する養殖魚需要の高まりを受け、養殖用生簀や関連機資材を中心に販売が堅調に推移した結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。これらの結果、売上高は245億55百万円となり前連結会計年度比21億77百万円の増加となりました。セグメント損益は10億72百万円の利益となり前連結会計年度比3億17百万円の増加となりました。 <機械事業>機械事業におきまして、国内では、インバウンド需要の取込みや生産効率の最適化に向けた設備投資案件を、幅広く積み重ねてまいりましたが、前連結会計年度の大型案件による反動減や計画の延期などが影響し、売上、営業利益ともに減少いたしました。また、海外におきましても、前連結会計年度ほどの大型案件の獲得には至らず、売上は減少いたしましたが、円安基調を背景に、米国およびアジア圏などへの拡販に努めてまいりました結果、営業利益は前年同期並みとなりました。これらの結果、売上高は134億9百万円となり前連結会計年度比22億8百万円の減少となりました。セグメント損益は14億26百万円の利益となり前連結会計年度比29百万円の減少となりました。<資材事業>資材事業におきまして、化成品部門では、主力の印刷用フィルム・包装資材の販売が堅調に推移し、売上は増加いたしましたが、一部商材で製造コストの上昇や米国による政策動向の影響を受け、営業利益は減少いたしました。農畜資材につきましては、猛暑などの気候変動への対策に向けた農業用資材の拡販により、売上、営業利益ともに増加いたしました。これらの結果、売上高は92億71百万円となり前連結会計年度比2億28百万円の増加となりました。セグメント損益は3億79百万円の利益となり前連結会計年度比3百万円の減少となりました。<バイオティックス事業>バイオティックス事業では、医療関係者向け販売および通信販売に引き続き注力いたしましたが、通販や薬局向けOEM商品の販売が振るわず、売上高は2億89百万円となり前連結会計年度比4百万円の減少となりました。セグメント損益は11百万円の利益となり前連結会計年度比5百万円の減少となりました。<物流事業>物流事業では、引き続き事業の選択と集中を推し進めておりますが、慢性的な労働コストならびに物流コストの上昇分を吸収しきれず、売上高は22億94百万円となり前連結会計年度比58百万円の減少となりました。セグメント損益は14百万円の利益となり前連結会計年度比93百万円の減少となりました。<その他>その他の事業といたしまして、不動産の賃貸、人材派遣業などを行っており、売上高は1億9百万円となり前連結会計年度比1百万円の減少となりました。セグメント損益は85百万円の利益となり前連結会計年度比4百万円の減少となりました。 (財政状態)資 産当連結会計年度における資産の部は905億22百万円となり、前連結会計年度比74億23百万円の増加となりました。これは、主として、商品及び製品36億89百万円、投資有価証券34億86百万円の増加などによるものであります。負 債負債の部は562億54百万円となり、前連結会計年度比33億85百万円の増加となりました。これは、主として、支払手形及び買掛金15億95百万円の減少、短期借入金の75億62百万円の増加などによるものであります。純資産純資産の部は342億67百万円となり、前連結会計年度比40億37百万円の増加となりました。これは、利益剰余金の増加13億6百万円、その他有価証券評価差額金21億96百万円の増加などによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、64億15百万円(前連結会計年度比16.3%の増)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益29億79百万円、売上債権の減少額10億36百万円、棚卸資産の増加36億52百万円、仕入債務の減少15億90百万円などにより11億62百万円のマイナスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出14億57百万円などにより、10億5百万円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増額75億35百万円、長期借入による収入17億円、長期借入金の返済による支出45億6百万円などにより、30億31百万円のプラスとなりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)金額(百万円)前年同期比(%)食品事業84,10289,8486.8海洋事業22,37724,5559.7機械事業15,61813,409△14.1資材事業9,0439,2712.5バイオティックス事業293289△1.5物流事業2,3522,294△2.4その他110109△1.5合計133,900139,7794.3 (注) セグメント間取引については、相殺処理しております。 b.仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)金額(百万円)前年同期比(%)食品事業74,61981,1338.7海洋事業15,27117,86516.9機械事業9,6837,803△19.4資材事業8,7988,544△2.8バイオティックス事業759324.2その他366475.7合計108,485115,5056.4 (注) セグメント間取引については、相殺処理しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容3ヵ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)」 の初年度として、「水産業のサプライチェーンから発展したプラットフォーマー」としての機能の拡大に取り組みつつ当社グループならではの強みを生かしたきめ細かな営業活動に努めてまいりました。経営成績等の分析a.財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。b.経営成績の分析当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、1,397億79百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。損益につきましては、営業損益は27億58百万円の利益(前連結会計年度比8.1%減)、経常損益は30億18百万円の利益(前連結会計年度比16.2%減)、親会社株主に帰属する当期純損益は21億80百万円の利益(前連結会計年度比18.2%減)となりました。(売上高及び営業利益)「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (営業外損益)営業外損益は、当連結会計年度は2億59百万円の利益(前連結会計年度は5億98百万円の利益)となりました。これは主に、営業外収益として受取配当金2億58百万円及び持分法による投資利益3億61百万円の計上があるものの、営業外費用として支払利息4億87百万円などの計上があったことによるものであります。(特別損益)特別損益は、当連結会計年度は38百万円の損失(前連結会計年度は1億11百万円の損失)となりました。これは主に、特別利益として固定資産売却益1億30百万円の計上があるものの、特別損失として減損損失1億26百万円などの計上があたことによるものであります。(親会社株主に帰属する当期純損益)親会社株主に帰属する当期純損益は、当連結会計年度は21億80百万円の利益(前連結会計年度は26億66百万円の利益)となりました。c.キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、事業上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。必要な資金については、銀行借入またはコミットメントラインの利用によって流動性を保持しております。当連結会計年度においては水産物の相場変動に備えた対応及び新規案件取組の為の在庫確保を進める中で金利動向を勘案し短期借入金を中心に調達を実行しました。結果として当連結会計年度の有利子負債残高は352億50百万円となり、前連結会計年度末比39億91百万円増加いたしました。資金の源泉として当連結会計年度末のコミットメントライン未実行額80億円を確保している他にも各金融機関と個別に当座貸越契約を締結しており、資金の流動性は十分に保持されております。また、今後見込まれる大規模投融資の長期的な資金については設備投資・事業投資計画に基づき、市場金利動向や既存長期借入金等の返済時期を総合的に勘案し、社債および長期借入金を個別に調達することによって流動性を保持してまいります。一方で事業活動に十分な流動性の確保を目的として当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は64億15百万円となっております。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、3ヵ年経営計画「第140期中期経営計画(Breaking ThroughToward 2028)」の初年度として、「浜から食卓までを網羅し、挑戦の歩みを未来へ」をパーパスとして掲げ、長年の経験で得た技術とサービスをもって未来へ新たな価値を創造する企業を目指し、営業展開を推し進めてまいりました。各事業部門においても目標達成のための施策遂行に注力し、食品事業では中東情勢の緊迫化・ウクライナ情勢の長期化や為替を含めた原材料価格の急激な変動などのリスクを注視しつつ、鮮凍水産物部門(カニ、ホタテ、北方凍魚)を中心に採算重視の販売に努めてまいりましたがすり身部門で大きく苦戦することとなりました。海洋事業では既存事業領域の見直しと合わせ、新規事業にあたり部門を横断した営業活動を推進し、機械事業および資材事業では更なる営業基盤の強化や顧客の開拓に努めてまいりました。最終的に当連結会計年度の売上高は1,397億円、営業利益27億58百万円、経常利益30億18百万円、ROE6.8%と前年比増収減益となり、各利益目標とROE目標10%以上には届くことができませんでした。

事業リスク

  • 食品原料調達の変動
    食品事業は全売上の約6割を占める主力ですが、主要商材の調達は世界的な漁獲規制、漁獲量の変動、水産物市況に大きく左右されます。予期せぬ原料価格の高騰や漁獲量の減少は、食品事業の収益性を悪化させ、グループ全体の業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替レートの変動
    食品事業の主要商材は海外からの買い付けが多いため、為替レートの変動が業績に影響を与えます。円安が進行すると輸入コストが増加し、利益を圧迫する可能性があります。為替予約などでリスクヘッジを行っていますが、急激な変動には対応しきれないリスクがあります。
  • 国際情勢と地政学的リスク
    グローバルに事業を展開しているため、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢などの国際的な緊張や地政学的リスクは、ニチモウグループの事業に大きな影響を与える可能性があります。原油・原材料価格の高騰、サプライチェーンの分断、物流の混乱、為替相場の急激な変動などが生じ、生産・販売活動や業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,117 文字
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 食品原料調達におけるリスク当社グループの全売上高のおよそ6割前後を食品事業が占めておりますが、その中の主要商材は、その調達や販売において世界的な漁獲規制や漁獲量の変動及び水産物市況等の影響を受けております。従って、予期せぬ原料価格の高騰や漁獲量の変動等により、食品事業の主要商材の調達や販売が困難になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (2) 為替レートの変動によるリスク当社グループで取り扱う食品事業の主要商材は、その原料の大部分を海外から買付けており、為替レートの変動による影響を受けております。そのため、円建て決済や為替予約等のリスクヘッジを行い、為替レートの変動による当社グループの業績への影響を可能な限り軽減しております。しかしながら予期せぬ為替レートの急激な変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (3) 食品の安全性におけるリスク当社グループで取り扱う食品事業の主要商材は、その安全性を最重要課題として位置付け、グループ工場や国内外の提携工場へのHACCPの導入や徹底した品質保証体制の確保と実践に努めております。しかしながら予期せぬ品質事故等による原料等の大規模な回収や製造物責任賠償等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (4) 自然災害の発生によるリスク当社グループで取り扱う食品事業の主要商材は、国内はもとより、北米、南米、ロシア及び東南アジア等の海外のさまざまな地域から供給されております。従って、予期せぬ自然災害がそれらの地域において発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (5) 海外事業におけるリスク当社グループでは、食品事業における主要商材の安定的な確保を目的として、海外における投資や事業展開を進めておりますが、現地の経済環境の変化、法規制等(各国政府の許認可等も含みます。)の変更、政治的・社会的混乱などが発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (6) 取引先の信用リスク当社グループは、十分な信用調査の上多くの取引先と取引を行っておりますが、取引先の業績の悪化や突発的なM&A、あるいは自然災害や事故、さらには、法令違反などの企業不祥事等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (7) 法的規制等に関するリスク当社グループの事業活動の遂行は、国内及び海外の法規制等の影響を受けつつ事業活動を遂行しております。従って、予期せぬ法規制等の変更があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (8) 長期貸付金の回収に関するリスク長期貸付金は、貸付先の信用リスクに晒されております。貸付先との取引を継続して行っており、貸付先の概況把握に努めることでリスクの軽減を行っておりますが、貸付先の財務状況が悪化した場合には、これらの貸付金の回収が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (9) 重大な感染症等に関するリスク新型コロナウイルス感染症のような大規模な感染症等の発生により事業を運営する人材が不足し、生産または販売体制に支障が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク当社グループでは、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループ業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (11) 国際情勢の緊迫化および地政学的リスクについて当社グループはグローバルに事業を展開しており、世界各地の政治・経済情勢の影響を受けます。現在、ロシア・ウクライナ情勢や中東地域をはじめとする国際情勢の緊迫化、米中対立の激化など、地政学的リスクが不透明性を増しています。これらの予測困難な国際情勢の悪化、紛争の発生、またはそれに伴う主要国による経済制裁の発動等は、原油・原材料価格の高騰、サプライチェーンの分断による部品調達の遅延、物流の混乱、為替相場の急激な変動などを引き起こし、当社グループの生産・販売活動、および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

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