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極東貿易(8093)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • エンジニアリング商社
    極東貿易は、産業設備、産業素材、機械部品の3つの主要部門を通じて、国内外の企業に機械装置、素材、部品などを提供するエンジニアリング商社です。単に商品を売るだけでなく、技術的な知見やノウハウを提供し、顧客の課題解決を支援することで収益を上げています。特に、鉄鋼、非鉄、自動車、化学、造船などの幅広い産業分野に製品やサービスを供給しています。
  • グローバルな事業展開
    売上高の約5割を輸出入取引と外国間取引が占めており、北米、中南米、欧州、アジアなど世界各地に拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、多様な地域のニーズに対応し、幅広いサプライヤーと顧客を結びつけることで収益機会を創出しています。海外現地法人を通じて、各地域での仕入れ・販売も独自に行っています。
  • ものづくり商社への進化
    設立当初は機械関連を主体とする商社でしたが、時代の変化とともに製造機能を持つ事業会社をグループに加えることで、「ものづくり商社」としての性格も持つ企業集団へと進化しています。これにより、単なる流通だけでなく、製品開発や製造にも関与することで、より高い付加価値を顧客に提供し、収益基盤を強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 産業設備関連部門
    この部門は、鉄鋼、非鉄、自動車、化学、造船、プラントエンジニアリングなどの幅広い産業向けに、機械装置、電気機械設備、検査装置、石油掘削関連機器、電子機器などを販売しています。売上高は147.44億円、営業利益は10.38億円と、3部門の中で最も高い営業利益を上げており、グループの収益を牽引する主要な稼ぎ頭となっています。
  • 産業素材関連部門
    複合材料製造設備、繊維加工機械、食肉加工機、樹脂加工機械、塗装設備などの機械に加え、食品用副資材、エンジニアリングプラスチック、樹脂、塗料、溶射材、建設用資材といった多様な素材を取り扱っています。売上高は194.44億円と最も大きいですが、営業利益は1.41億円と他の部門に比べて低く、収益性の改善が課題となる可能性があります。
  • 機械部品関連部門
    精密ファスナー(ねじ類)や関連機械器具工具、船舶補修部品、定荷重ばね、ぜんまい、ステンレス製各種ばね類など、幅広い機械部品を販売しています。売上高は187.92億円、営業利益は8.58億円であり、産業設備関連部門に次ぐ収益貢献をしています。国内外の子会社を通じて、多様な顧客に部品を供給しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
IndustrialSystemsDivisionReportableSegment 地域 147 10 7.0%
IndustrialMaterialsDivisionReportableSegment 地域 194 1 0.7%
MachineCompornentsDivisionReportableSegment 事業 188 9 4.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|349 文字
3 【事業の内容】当グループは、当社(極東貿易株式会社)、子会社27社及び関連会社10社で構成され、産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門の3部門に関係する事業を主に行っております。「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。なお、極東貿易株式会社の「産業インフラソリューショングループ」は、2026年4月1日付にて「産業インフラソリューショングループ」と「航空・資源ソリューショングループ」に分割しております。以下の「事業の内容」および事業系統図は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在の状況に基づき記載しております。当グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
新興国企業の技術力向上や低価格品の流通により競合が激化しており、低価格競争に直面。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
エンジニアリング商社としての技術力、専門性の高い人材の確保が事業活動に必須。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:マクロ経済環境の影響 / 為替リスク / 製品に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

極東貿易は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。卸売業という性質上、無形資産による競争優位性は限定的であると考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

特定の顧客との長期的な取引関係や、サプライヤーとの強固なネットワークは存在する可能性があるが、顧客が他社へ乗り換える際の顕著な損失や手間を強いるほどのスイッチング・コストは低いと推測される。一部の専門的な商材やサービスにおいては、関係性の維持が重要視される場合がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

極東貿易のビジネスモデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果は観察されない。卸売業は基本的に仲介機能であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われたサプライヤーとの交渉力や、効率的な物流網の構築により、一定のコスト優位性を有している可能性はある。しかし、業界全体として価格競争が生じやすく、構造的なコスト優位性を確立しているとは断定しにくい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

卸売業として、特定の分野において一定の市場シェアと規模を有していると考えられる。これにより、仕入れや物流における効率性を高め、競合他社に対する優位性をある程度確保している可能性がある。しかし、業界全体が成熟しており、寡占化が進んでいるとは言えない。

  • 幅広い産業分野への対応
    鉄鋼、非鉄、自動車、化学、造船、プラントエンジニアリングなど、多岐にわたる産業分野に機械装置、素材、部品を提供できる点が強みです。これにより、特定の産業の景気変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を築いています。多様な顧客ニーズに対応できる総合力が競争優位につながっています。
  • グローバルな供給網と拠点
    世界各地に子会社や関連会社を持ち、輸出入取引や外国間取引を活発に行っています。このグローバルなネットワークにより、最適な仕入れ先から商品を調達し、多様な地域の顧客に提供することが可能です。特に、海外現地法人が各地域で独自に仕入れ・販売を行うことで、地域に密着したビジネス展開を実現しています。
  • エンジニアリングと技術力
    単なる商社機能だけでなく、技術的な知見やノウハウを提供する「エンジニアリング商社」としての強みを持っています。顧客の課題に対し、最適な製品やソリューションを提案できる技術力が、他社との差別化要因となっています。また、製造機能を持つグループ会社との連携により、ものづくりにおける技術力も強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 企業価値向上と社会貢献
    極東貿易は、「人と技術と信頼と」という社是のもと、「ニーズとシーズの橋になる」という経営理念を掲げています。これは、顧客や社会が必要とするもの(ニーズ)と、自社が持つ技術や製品(シーズ)を結びつけ、単なる取引を超えた「プラスワン」の価値を提供することで、持続的な企業価値向上とサステナブルな社会の実現を目指す方針です。
  • 中期経営計画と財務目標
    2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「KBKプラスワン2025」を推進しており、連結経常利益19億円、ROE5.4%、M&A等投資枠50億円(5年間総額)を目標としています。地政学リスクや成長投資の遅れから目標値は見直されましたが、これらの指標達成を通じて収益力強化と企業価値向上を図ることを重視しています。
  • 成長分野への投資と株主還元
    再生可能エネルギー、バイオプロダクツ、産業向けDX・IoTといった新分野を成長ドライバーと位置づけ、事業の本格化と収益化に向けた投資を積極的に行います。また、株主還元として、2026年3月期から累進配当(原則減配せず、配当維持または増配)を採用し、配当性向50%を目安とすることで、株主価値の持続的な向上を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針極東貿易株式会社は、1947年の設立以来、機械関連を主体とするエンジニアリング商社として、常に国内外のニーズに対応し、先進技術や製品の取り扱いに努めてまいりました。時代の変遷とともに、製造機能を有する事業会社のグループ入りもあり、ものづくり商社という性格もあわせ持つ企業集団として、今に至っております。当グループは、社是である「人」を重んじ、「技術」に長じ、「信頼」を基本とする『人と技術と信頼と』という不変の精神と価値観を持ち、全てのステークホルダーの皆様とともに歩んでまいりました。この社是のもと、経営理念として「ニーズとシーズの橋になる」を掲げております。目に見える技術だけではなく、仕組みやノウハウまでを、必要とする企業に留まらず、必要としている社会へプラスワンを提供するため、当グループは、「ニーズ」と「シーズ」を結ぶ「橋」となることによって、お取引先だけでなく、社会全体に「充実」「満足」を提供する企業集団へと進化してまいりました。こうした社是および経営理念に基づき、当グループは新たに「中期経営計画 2028」 Beyond NEXUSを策定し、社会課題と顧客価値の創造を両立させながら、付加価値の高い提案を行うソリューションパートナーへの変革を目指します。 また、「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSでは、この理念をさらに進化させ、10年後の「ありたい姿」を定義いたしました。経営理念の「ニーズとシーズの橋になる」という役割から、社会や顧客とのつながりの先を自ら拓く「先導役」へと変革を遂げ、事業を通じて多様化・複雑化する社会課題にソリューションを提供することで、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 目標とする経営指標当グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、収益性および資本効率性の観点から経営指標の目標を定めております。「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSにおきましては、資本市場からの期待と本業の「稼ぐ力」をより明確に測るため、利益目標の指標を従来の経常利益から営業利益へ変更いたしました。また、株主資本コスト(7%程度)を上回るリターンを確保すべく、新たにROICを経営指標として導入し、資本効率を重視した事業運営の徹底を図ってまいります。同計画の最終年度(2029年3月期)の経営目標は以下の通りであります。 項目2029年3月期 目標連結営業利益35億円ROE8%以上ROIC7%以上M&A等投資枠3カ年で50億円以上 これらの目標達成に向けて、当グループは財務の健全性を維持しつつ、持続的な成長投資と積極的な株主還元を実行するため、「キャッシュアロケーション」と「株主還元方針」を策定しております。 株主還元につきましては、株主の皆様への継続的な成果の還元と、企業価値の持続的向上を実現するため、適正な資本政策の下、将来の事業展開と財務状況、収益動向などを総合的に勘案した配当を実施することを基本方針としております。当事業年度の配当につきましては、原則として減配せず、配当の維持もしくは増配を行う「累進配当」を採用し、その配当性向は50%を目途としております。次事業年度からの配当につきましては、「累進配当」を継続しつつ、一過性の損益(投資有価証券の売却益や負ののれん発生益等)を除いた調整後当期純利益を基準に、配当性向50%を目途といたします。これにより、株主還元の安定性をさらに高め、利益の成長に応じた配当を行うことで、さらなる株主価値の持続的な向上を図ります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略①前中期経営計画「KBK プラスワン 2025」総括中長期的な企業価値向上に向け、当グループの持続的成長と積極的な株主還元を実現させるため「KBK プラスワン 2025」では、3つの重点施策に取り組みました。1つ目の「新分野における事業展開と投資実行」においては、洋上風力発電分野やEV関連分野などへの事業拡大を果たすとともに、洋上風力発電分野の株式会社TWD Japan、汎用プラスチック・エンジニアリングプラスチック及び溶射材などを扱う株式会社三幸商会、船舶補修部品に強みを持つ株式会社ウエルストンの3社のM&Aを実現させました。2つ目の「株主価値に資する資本政策の実行」においては、ROEの改善や累進配当の導入などにより、株主価値の向上に努めました。3つ目の「“想像”し“創造”できる人材の育成」においては、研修等を通じて若手を中心に、新たな価値を創出できる人材育成に努めました。これら重点施策の着実な進捗を背景に、前中期経営計画5か年の連結業績は売上・利益ともに順調に拡大を続け、最終年度におきましても、経常利益は目標の19億円を大きく上回る28億円を計上し、ROEにつきましても目標の5.4%を超える6.0%を達成いたしました。 ②「中期経営計画 2028」Beyond NEXUS前中期経営計画の成果と課題を踏まえ、当グループは2027年3月期からの3ヵ年を対象とする「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSをスタートさせます。本計画では、政府の成長戦略と連動する「防災」「防衛」「エネルギー」「モビリティ」「半導体」の5分野を重点領域と定め、経営資源を集中いたします。また、3カ年で50億円以上のM&A等投資枠を設定し、非連続な成長を目指します。2029年3月期を最終年度とする定量目標は以下のとおりであり、中長期的な企業価値の向上を追求してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当グループを取り巻く経営環境は、「脱炭素・エネルギー転換」、「地政学リスクとサプライチェーン再構築」、「デジタル化・AI活用の加速」、及び「人手不足と労働力構造変化」といったメガトレンドの渦中にあります。 これらの環境変化を的確に捉え、持続的成長と企業価値向上を実現するため、「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSの基本方針である「ビジネスモデルの高度化と収益構造の転換」に基づき、以下の5つの重点テーマを優先的に対処すべき課題として設定し、取り組んでまいります。 ① 事業ポートフォリオ戦略資本コストを上回るリターンを創出するため、ROICを経営の軸とした事業評価を全社に浸透させ、収益性と成長性の観点から経営資源の最適配分を行うことが喫緊の課題であります。ROICを基準とした事業評価に基づき、低収益事業の構造改革や資産圧縮に取り組みます。これにより創出した経営資源を、当社の成長を牽引する「防災」「防衛」「エネルギー」「モビリティ」「半導体」の5つの重点領域へ集中的に配分し、売上高の伸長と資本効率の向上を両立させてまいります。 ② M&A戦略オーガニックな成長に加え、重点領域における非連続な成長を実現するため、M&Aや事業投資の実行とその後のPMIを成功させることが重要な課題です。「3ヵ年で50億円以上」の投資枠を活用し、重点領域を補完・拡張する戦略的M&Aを継続いたします。また、PMIプロセスを標準化し、グループシナジーの早期最大化を図ります。 ③ エリア・パートナー戦略地政学リスクが顕在化するなか、グローバルサプライチェーンの変動に対応し、成長市場における確固たる事業基盤を構築することが課題です。経済成長が著しい東南アジア・インドや、堅調な需要が見込まれる米州へ経営資源を集中させます。現地の優良なパートナー企業との協業や、各拠点における現地人材の登用(ローカリゼーション)を推進することで、各地域に根ざした強固な収益基盤を確立してまいります。 ④ 人材・組織戦略当グループの競争力の源泉である「技術力」と「提案力」を支える、高度な専門性を有する人材の確保・育成が課題です。次世代リーダーの計画的な育成や、多様なバックグラウンドを持つ人材が能力を最大限に発揮できる人事・評価制度を構築します。同時に、ワークライフバランスの推進や女性管理職の登用拡大など、従業員エンゲージメントを高める職場環境の整備に注力し、多様な才能が躍動する「自律型プロ集団」を形成します。 ⑤ DX戦略激変する市場環境において競争優位性を確立するため、デジタル技術を活用した業務改革とデータに基づく迅速な意思決定(インテリジェンス経営)が不可欠です。全社的な基幹システムの刷新やデータ活用基盤の整備を通じ、業務プロセスの徹底的な効率化を図ります。これにより、顧客ニーズへ柔軟かつ迅速に対応できる強靭な組織体制を構築いたします。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針極東貿易株式会社は、1947年の設立以来、機械関連を主体とするエンジニアリング商社として、常に国内外のニーズに対応し、先進技術や製品の取り扱いに努めてまいりました。時代の変遷とともに、製造機能を有する事業会社のグループ入りもあり、ものづくり商社という性格もあわせ持つ企業集団として、今に至っております。当グループは、社是である「人」を重んじ、「技術」に長じ、「信頼」を基本とする『人と技術と信頼と』という不変の精神と価値観を持ち、全てのステークホルダーの皆様とともに歩んでまいりました。この社是のもと、経営理念として「ニーズとシーズの橋になる」を掲げております。目に見える技術だけではなく、仕組みやノウハウまでを、必要とする企業に留まらず、必要としている社会へプラスワンを提供するため、当グループは、「ニーズ」と「シーズ」を結ぶ「橋」となることによって、お取引先だけでなく、社会全体に「充実」「満足」を提供する企業集団へと進化してまいりました。こうした社是および経営理念に基づき、当グループは新たに「中期経営計画 2028」 Beyond NEXUSを策定し、社会課題と顧客価値の創造を両立させながら、付加価値の高い提案を行うソリューションパートナーへの変革を目指します。 また、「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSでは、この理念をさらに進化させ、10年後の「ありたい姿」を定義いたしました。経営理念の「ニーズとシーズの橋になる」という役割から、社会や顧客とのつながりの先を自ら拓く「先導役」へと変革を遂げ、事業を通じて多様化・複雑化する社会課題にソリューションを提供することで、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 目標とする経営指標当グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、収益性および資本効率性の観点から経営指標の目標を定めております。「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSにおきましては、資本市場からの期待と本業の「稼ぐ力」をより明確に測るため、利益目標の指標を従来の経常利益から営業利益へ変更いたしました。また、株主資本コスト(7%程度)を上回るリターンを確保すべく、新たにROICを経営指標として導入し、資本効率を重視した事業運営の徹底を図ってまいります。同計画の最終年度(2029年3月期)の経営目標は以下の通りであります。 項目2029年3月期 目標連結営業利益35億円ROE8%以上ROIC7%以上M&A等投資枠3カ年で50億円以上 これらの目標達成に向けて、当グループは財務の健全性を維持しつつ、持続的な成長投資と積極的な株主還元を実行するため、「キャッシュアロケーション」と「株主還元方針」を策定しております。 株主還元につきましては、株主の皆様への継続的な成果の還元と、企業価値の持続的向上を実現するため、適正な資本政策の下、将来の事業展開と財務状況、収益動向などを総合的に勘案した配当を実施することを基本方針としております。当事業年度の配当につきましては、原則として減配せず、配当の維持もしくは増配を行う「累進配当」を採用し、その配当性向は50%を目途としております。次事業年度からの配当につきましては、「累進配当」を継続しつつ、一過性の損益(投資有価証券の売却益や負ののれん発生益等)を除いた調整後当期純利益を基準に、配当性向50%を目途といたします。これにより、株主還元の安定性をさらに高め、利益の成長に応じた配当を行うことで、さらなる株主価値の持続的な向上を図ります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略①前中期経営計画「KBK プラスワン 2025」総括中長期的な企業価値向上に向け、当グループの持続的成長と積極的な株主還元を実現させるため「KBK プラスワン 2025」では、3つの重点施策に取り組みました。1つ目の「新分野における事業展開と投資実行」においては、洋上風力発電分野やEV関連分野などへの事業拡大を果たすとともに、洋上風力発電分野の株式会社TWD Japan、汎用プラスチック・エンジニアリングプラスチック及び溶射材などを扱う株式会社三幸商会、船舶補修部品に強みを持つ株式会社ウエルストンの3社のM&Aを実現させました。2つ目の「株主価値に資する資本政策の実行」においては、ROEの改善や累進配当の導入などにより、株主価値の向上に努めました。3つ目の「“想像”し“創造”できる人材の育成」においては、研修等を通じて若手を中心に、新たな価値を創出できる人材育成に努めました。これら重点施策の着実な進捗を背景に、前中期経営計画5か年の連結業績は売上・利益ともに順調に拡大を続け、最終年度におきましても、経常利益は目標の19億円を大きく上回る28億円を計上し、ROEにつきましても目標の5.4%を超える6.0%を達成いたしました。 ②「中期経営計画 2028」Beyond NEXUS前中期経営計画の成果と課題を踏まえ、当グループは2027年3月期からの3ヵ年を対象とする「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSをスタートさせます。本計画では、政府の成長戦略と連動する「防災」「防衛」「エネルギー」「モビリティ」「半導体」の5分野を重点領域と定め、経営資源を集中いたします。また、3カ年で50億円以上のM&A等投資枠を設定し、非連続な成長を目指します。2029年3月期を最終年度とする定量目標は以下のとおりであり、中長期的な企業価値の向上を追求してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当グループを取り巻く経営環境は、「脱炭素・エネルギー転換」、「地政学リスクとサプライチェーン再構築」、「デジタル化・AI活用の加速」、及び「人手不足と労働力構造変化」といったメガトレンドの渦中にあります。 これらの環境変化を的確に捉え、持続的成長と企業価値向上を実現するため、「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSの基本方針である「ビジネスモデルの高度化と収益構造の転換」に基づき、以下の5つの重点テーマを優先的に対処すべき課題として設定し、取り組んでまいります。 ① 事業ポートフォリオ戦略資本コストを上回るリターンを創出するため、ROICを経営の軸とした事業評価を全社に浸透させ、収益性と成長性の観点から経営資源の最適配分を行うことが喫緊の課題であります。ROICを基準とした事業評価に基づき、低収益事業の構造改革や資産圧縮に取り組みます。これにより創出した経営資源を、当社の成長を牽引する「防災」「防衛」「エネルギー」「モビリティ」「半導体」の5つの重点領域へ集中的に配分し、売上高の伸長と資本効率の向上を両立させてまいります。 ② M&A戦略オーガニックな成長に加え、重点領域における非連続な成長を実現するため、M&Aや事業投資の実行とその後のPMIを成功させることが重要な課題です。「3ヵ年で50億円以上」の投資枠を活用し、重点領域を補完・拡張する戦略的M&Aを継続いたします。また、PMIプロセスを標準化し、グループシナジーの早期最大化を図ります。 ③ エリア・パートナー戦略地政学リスクが顕在化するなか、グローバルサプライチェーンの変動に対応し、成長市場における確固たる事業基盤を構築することが課題です。経済成長が著しい東南アジア・インドや、堅調な需要が見込まれる米州へ経営資源を集中させます。現地の優良なパートナー企業との協業や、各拠点における現地人材の登用(ローカリゼーション)を推進することで、各地域に根ざした強固な収益基盤を確立してまいります。 ④ 人材・組織戦略当グループの競争力の源泉である「技術力」と「提案力」を支える、高度な専門性を有する人材の確保・育成が課題です。次世代リーダーの計画的な育成や、多様なバックグラウンドを持つ人材が能力を最大限に発揮できる人事・評価制度を構築します。同時に、ワークライフバランスの推進や女性管理職の登用拡大など、従業員エンゲージメントを高める職場環境の整備に注力し、多様な才能が躍動する「自律型プロ集団」を形成します。 ⑤ DX戦略激変する市場環境において競争優位性を確立するため、デジタル技術を活用した業務改革とデータに基づく迅速な意思決定(インテリジェンス経営)が不可欠です。全社的な基幹システムの刷新やデータ活用基盤の整備を通じ、業務プロセスの徹底的な効率化を図ります。これにより、顧客ニーズへ柔軟かつ迅速に対応できる強靭な組織体制を構築いたします。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当グループは、サステナブルな社会の実現と企業価値の向上を目指した中期経営計画「KBKプラスワン2025」の最終年度として、計画で掲げた戦略に沿って事業ポートフォリオの最適化を図ると共に、新規事業分野へリソースを配置するなど事業基盤の強化を着実に進めてまいりました。その結果、本計画最終年度の経常利益は、目標の19億円を大きく上回る28億46百万円となり、ROEについても目標の5.4%を超える6.0%となりました。また、昨年度に汎用プラスチック・エンジニアリングプラスチック事業を担う株式会社三幸商会及び船舶補修部品事業を担う株式会社ウエルストンの買収を実行し、当初予定していた総額50億円のM&A投資につきましても、予定通り実施いたしました。 中計最終年度目標2026年3月期通期業績連結経常利益19億円28億46百万円ROE5.4%6.0% (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度(2025年4月~2026年3月)の業績は、前期に連結子会社化した株式会社三幸商会が通期で業績に寄与したことに加え、海外向けプラント機器事業や資源・計測機関連事業などが好調に推移した結果、売上高、営業利益共に前年同期比で大幅な増収増益となりました。経常利益は、営業利益の増加により伸長したものの、金利上昇による支払利息の増加及び社債発行費用の計上などにより、その伸びは限定的となりました。一方で、前期に特別利益として計上した負ののれん発生益がなくなった影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。なお、負ののれん発生益の影響を除いた親会社株主に帰属する当期純利益は増益となっております。 当連結会計年度の業績結果は以下のとおりです。 2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度増減額売上高529億82百万円645億38百万円+115億55百万円売上総利益109億31百万円118億55百万円+9億24百万円営業利益20億38百万円25億83百万円+5億45百万円経常利益25億25百万円28億46百万円+3億21百万円親会社株主に帰属する当期純利益37億17百万円※18億29百万円△18億87百万円※ ※負ののれん発生益21億37百万円を除いた親会社株主に帰属する当期純利益は、15億80百万円となり、その増減額は、+2億49百万円となります。 セグメント業績につきましては次のとおりです。 産業設備関連部門 2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度増減額売上高147億44百万円164億75百万円+17億30百万円営業利益10億38百万円11億85百万円+1億46百万円 産業インフラ関連事業は、海外プラント向け重電機器が好調を維持しました。また、地震振動計測機器事業においては、防災・減災意識の社会的な高まりを背景に、官公庁向け地震計の大型案件が売上に貢献したほか、鉄道分野における保守点検案件も着実に増加し、当事業の業績を牽引しました。資源・計測器関連事業では、航空宇宙・防衛機器が底堅い需要を背景に伸長したほか、海洋資源探査に用いる物理探査システムの主要構成品に関する更新・性能向上案件を受注したことに加え、掘削関連案件も着実に積み重なりました。また、欧州地域におけるリチウムイオン電池事業においても、新たな屋外モビリティ向けの大口案件が収益に寄与しました。これらの結果、営業利益は前期比で大幅な増益を達成しました。 産業素材関連部門 2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度増減額売上高194億44百万円279億93百万円+85億48百万円営業利益1億41百万円6億20百万円+4億78百万円 機能素材関連事業は、前期に連結子会社化した汎用プラスチック・エンジニアリングプラスチック事業が通期で寄与したことに加え、自動車向け部品・材料も北米向けを中心に好調を維持しました。生活・環境関連事業は、旺盛な航空機需要を背景に機内設備向け接着剤が伸長しました。加えて、構造物向け防錆塗料においても、価格改定による利益率改善と、データセンターや大型物流施設の免震装置向け受注が好調に推移しました。費用面において、前期に計上したM&A関連の一時的な費用がなくなったことなどもあり、部門全体として大幅な増益を達成しました。 機械部品関連部門 2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度増減額売上高187億92百万円200億69百万円+12億76百万円営業利益8億58百万円7億91百万円△67百万円 精密ファスナー(ねじ類)関連事業は、中国・アセアン地域における自動車メーカーの自動車市場の停滞や、北米地域におけるインフレ・高金利化を背景とした住宅設備市場の停滞の影響に加え、海外子会社の事業活動本格化に伴う販管費の増加もあり、収益が伸び悩みました。船舶補修部品事業も、需要が低調に推移しました。一方、特殊スプリング関連事業は、価格是正などの構造改革の効果により、収益性が改善しました。これらの結果、部門全体としては増収減益となりました。 売上高、営業利益のセグメント別構成比は次のとおりです。 ① 受注及び売上等の状況区分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)期首受注残高(百万円)受注高(百万円)売上高(百万円)期首受注残高(百万円)受注高(百万円)売上高(百万円)期末受注残高(百万円)産業設備関連部門11,15016,26514,74412,67118,30116,47514,497比率(%) 27.8 25.5 産業素材関連部門1,40419,10119,4441,06029,34227,9932,409比率(%) 36.7 43.4 機械部品関連部門8018,89618,79218321,92620,0692,041比率(%) 35.5 31.1 合計12,63554,26352,98213,91669,57064,53818,948比率(%) 100.0 100.0 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 ② 仕入の状況区分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)仕入高(百万円)仕入高(百万円)産業設備関連部門10,24112,040産業素材関連部門16,79524,952機械部品関連部門11,93812,780合計38,97549,774 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 財政状態の分析当グループの当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ14億96百万円増加し、595億6百万円となりました。その主な要因は、受取手形・売掛金及び契約資産が18億89百万円減少、電子記録債権が10億54百万円減少したものの、投資有価証券が19億14百万円、商品及び製品が8億96百万円、前渡金が4億87百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ9億70百万円減少し、276億83百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が51億3百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が10億30百万円、社債が16億円、長期借入金が4億88百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ24億66百万円増加し、318億22百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が13億55百万円増加、利益剰余金が5億74百万円増加したことなどによるものです。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13億67百万円の増加となり98億7百万円となりました。増減要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、50億91百万円の収入(前年同期は7億98百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益30億77百万円を計上したこと、売上債権が30億2百万円減少したことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、3億94百万円の収入(前年同期は2億45百万円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が3億95百万円あったことなどによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、43億37百万円の支出(前年同期は11億20百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出が52億88百万円あったことなどによるものであります。 (4) 資本の財源及び資金の流動性当グループは、事業活動に必要な運転資金および投資資金について、主に営業活動によるキャッシュ・フローを原資としておりますが、M&Aや大規模な設備投資等の投資資金につきましては、市場環境や財務の健全性を考慮しつつ、借入等の財務活動によるキャッシュ・フローも機動的に活用する方針です。資本コストや株価を意識した経営を実現するため、「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSに基づく成長投資(M&A、人的資本投資等)や、資本効率向上のための機動的な株主還元(自己株式取得等)に対しては、内部資金に加え、投資有価証券の売却(縮減)により創出した資金や、金融機関からの借入等を最適なバランスで充当することとしております。資金の流動性および財務の健全性については、主要取引金融機関との間でコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しており、急な資金需要に対する十分な流動性を確保しております。また、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を通じた資金の集中管理により、グループ全体の資金効率の最大化を図っております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • マクロ経済環境の変動
    グローバルに事業を展開しているため、世界経済の動向、特に各国の経済状況、景気変動、貿易政策(例:米国の関税政策)の影響を大きく受けます。世界的な金融引き締めや原材料・エネルギー価格の高騰、地政学リスクに伴う需要変動は、売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替レートの変動
    輸出入取引や外国間取引で外貨建て決済が多いため、為替レートの変動が業績に影響を与えます。為替予約によるヘッジを行っていますが、全ての変動リスクを回避できるわけではありません。海外子会社の財務諸表を円換算する際にも、為替レートによってその価値が変動するリスクがあります。
  • 製品の製造物責任(PL)
    輸入製品を国内で販売する場合、製造物責任の主体となるリスクがあります。また、輸出製品についても、輸出先で製品の欠陥に基づく賠償請求を受ける可能性があります。PL保険に加入していますが、賠償額が多額になった場合、保険で全てをカバーできず、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,064 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであります。 (1) マクロ経済環境の影響によるリスク当グループはグローバルにビジネスを展開し、売上高のうち輸出入取引と外国間取引は約5割を占めており、取扱製品、取扱サービスの販売先国、仕入先国または各地域の経済状況、景気動向および各国市場の影響を受けます。輸出入取引においては、米国の関税政策等による貿易障壁の増加によって当グループの取引品目に制約がかかる可能性も想定され、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な金融引き締め、原材料価格やエネルギー価格の高騰、為替といった世界経済の動向、また地政学リスクに伴う需要の変動が、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替リスク当グループが行う輸出入取引及び外国間取引において外貨建決済を行うことに伴い、外貨レート変動のリスクがあります。これらの取引に対し為替予約によるヘッジを行っておりますが全てが回避される保証はありません。この他、当グループの海外企業との取引により発生する販売仕入、費用、資産を含む当該外貨建ての項目は円換算されており、換算時の為替レートによりこれらの項目の円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 (3) 製品に関するリスク当グループが製品を輸入し国内で販売する場合には当グループが製造物責任(PL)の責任主体とされるほか、輸出する製品についても輸出先において製品の欠陥に基づく賠償を請求される可能性があります。PL保険によりリスクヘッジを講じておりますが、最終的に負担する賠償額を全てカバーできる保証はなく、欠陥によっては賠償額が多額となることも考えられ、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 投資に関するリスク当グループは、第三者との合弁事業、第三者に対する投資を通じて多様な事業分野に参入しております。しかしながら、これらの事業の進展は、当該事業のパートナーの業績や財政状態といった当グループが制御しえない要因による場合があり、その予測が困難なことがあります。その結果、当グループが重大な損失を被る可能性があり、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) カントリーリスク海外との取引、投資、資本・業務提携等の海外市場への事業進出には、各国および各地域の環境、経済情勢、諸事情により、法律や規制の変更、政治不安定、不利な税制や経済要因、テロ、戦争その他の社会的混乱等に起因したリスクが想定されます。また、当グループが事業活動を展開している各国における政治、法環境、税制の変化、労働力の確保、経済状況の変化など予期せぬ事象により、代金回収、事業の遂行等に問題が生じるおそれがあります。 (6) 競合に関するリスク当グループが提供する商品及びサービスの市場においては、従来の競合会社に加え、近年においては特に新興国企業の技術力の進展や低価格品の流通により、競合が激化しております。このような厳しい環境の中においても、当グループは、エンジニアリング商社グループとしての技術力を一層向上し、より高い付加価値を顧客に提供することにより、当グループの収益力を強化するとともに、海外戦略やグループ戦略を軸に事業展開を拡大する方針でありますが、低価格競争や新規参入業者の増加に対して、顧客の求める競争力のある価格で商品や技術等を提供できない場合は、当グループの業績や事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 売上計上時期の変更及び業績の偏重に関するリスク当グループの売上高の計上時期は、顧客の検収時期等により変動するため、当初の予定時期から変更する場合があります。特に大口の機械又は設備の納入案件及び官公庁向けの案件については、年度末となる3月に納入時期が集中する傾向にあり、3月に納入を予定していた案件の納入時期や顧客の検収時期が何らかの理由により翌期に変更となった場合、又は3月に納入を見込んでいた案件を受注できなかった場合は、当グループの当期の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 人材の確保に関するリスク当グループの事業活動において、優れた人材の確保および育成は必須の要素となります。特に、エンジニアリングや先端技術の発掘などにおいて専門性の高い人材の確保が困難となった場合には、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) コンプライアンスに関するリスク当グループは事業展開する国内外において様々な法律の適用を受けるほか、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な規制の適用を受けます。これらの法規制遵守のための費用負担が増加する可能性があるほか、これらの法規制を遵守出来なかった場合には、罰則・罰金が科せられるとともに、事業活動が制限され信用の低下を招くことで、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 退職給付費用および債務に関するリスク当グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には、将来の費用および計上される債務に影響を及ぼします。割引率の低下や運用利回りの悪化は、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 訴訟等に関するリスク当グループは、事業を遂行する上で、訴訟等を提起されることにより予期せぬ賠償請求を命じられる可能性があり、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 自然災害等に関するリスク 地震や台風等の自然災害、新型の感染症等が発生した場合には、事業継続計画(BCPプラン)に基づき対応してまいりますが、サプライチェーンや商品の調達、提供等に支障が生じ、当グループの事業が遅延または中断する場合も想定され、発生時には当グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。 (13) システムおよび情報セキュリティに関するリスク 当グループは国内外に事業を展開しており、情報システムおよびネットワークの構築・運用は大変重要であり、その依存度も高まってきております。情報システムの安全性を確保し、情報セキュリティを強化して障害対策を行うことに併せ、役職員に対してのトレーニング等も実施しております。加えて、関連規程を整備することで役職員への周知を行い、情報システムの保全と情報管理の徹底に取り組んでおります。 しかしながら、予期不能のシステム障害や外部からの不正サイバー攻撃などにより、情報システムの停止や個人情報・機密情報等が漏洩し、業務の停止や信用が失墜するなどの事態に陥ることも想定され、その場合には当グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

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