8130

サンゲツ(8130)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • インテリア事業の多角化
    サンゲツは壁装材、床材、カーテンなどのインテリア商材の企画・販売を主力としています。住宅だけでなく、オフィスや商業施設といった非住宅分野にも幅広く対応し、多様な顧客ニーズに応えることで収益を上げています。子会社を通じて地域特化や専門分野に特化した事業展開も行い、市場シェアを拡大しています。
  • 空間づくりの総合提案
    単に商品を販売するだけでなく、設計・デザインから施工まで、空間づくり全体に携わる「空間総合事業」も展開しています。これにより、顧客に対してトータルソリューションを提供し、付加価値の高いサービスを提供することで、顧客満足度を高め、継続的な取引に繋げています。
  • エクステリアと海外展開
    国内では門扉、フェンス、カーポートなどのエクステリア商品の販売・施工も手掛けています。また、米国での壁紙製造・販売、東南アジアや中国・香港でのインテリア商材販売、シンガポールでの空間デザイン・内装施工など、海外市場にも積極的に進出し、事業領域を広げることで収益源の多様化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内インテリア事業
    サンゲツグループの売上高の大部分を占める主力事業で、1639.84億円の売上と189.4億円の営業利益を上げています。壁装材、床材、ファブリック(カーテン・椅子生地)などのインテリア商材の企画・販売に加え、設計・デザインから施工まで空間づくり全体に携わる事業活動も行い、国内市場で高い存在感を示しています。
  • 国内エクステリア事業
    門扉、フェンス、カーポートなどのエクステリア商品の販売および外構の空間提案・施工を行う事業で、売上高は65.99億円、営業利益は0.17億円です。インテリア事業とのシナジーを活かし、住宅から非住宅市場まで幅広い顧客にサービスを提供することで、事業領域の拡大を図っています。
  • 海外事業
    北米、東南アジア、中国・香港を中心に展開しており、売上高は297.94億円ですが、営業利益は-7.85億円と赤字です。米国での壁紙製造・販売、東南アジア・中国・香港でのインテリア商材販売、シンガポールでの空間デザイン・総合内装施工など、地域特性に応じた事業を展開し、今後の成長ドライバーとして期待されています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Interior 事業 1,640 189 11.5%
Exterior 事業 66 0 0.3%
Overseas 事業 298 -8 -2.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,247 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社30社及び関連会社1社で構成され、その主な事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 <国内インテリアセグメント>国内インテリアセグメントに属する事業は、インテリア事業と空間総合事業です。当社は住宅から非住宅分野まで幅広く利用される壁装材、床材、ファブリック(カーテン・椅子生地)等を主力商材としております。また、設計・デザインから施工まで空間づくり全体に携わる事業活動も行っております。各子会社では地域や顧客、専門分野に特化した事業活動を行っております。株式会社サンゲツ沖縄では、沖縄地区において壁装材、床材、ファブリック等の販売を行い、株式会社サンゲツヴォーヌでは、専門知識が求められるカーテン分野に特化したハウスメーカー等への販売活動及びB to CのEC事業等を行っております。また、クレアネイト株式会社は、スペース材料提供機能(高度な企画・開発・調達力を持ち、広範囲な商品を提案する機能)の一部として壁紙の製造・販売を担っており、在庫・配送・物流機能の一部としては、株式会社クロス企画が九州地方を中心にインテリア関連商材の配送及び管理を行うほか、2025年4月に子会社化した株式会社SDSが東北から九州までの全国規模の配送ネットワークを担い、効率的かつ持続可能な出荷・配送体制の構築に取り組んでおります。施工機能の一部としては、フェアトーン株式会社が非住宅市場を中心とした新築・リニューアル・リノベーション等に係る内装施工を行っております。 <国内エクステリアセグメント>国内エクステリアセグメントに属する事業は、エクステリア事業です。株式会社サングリーンが門扉、フェンス、カーポート等、住宅市場から非住宅市場まで、幅広いエクステリア商品の販売及び外構の空間提案・施工等を行っております。 <海外セグメント>海外セグメントに属する事業は、海外インテリア事業と海外空間総合事業です。米国の子会社KOROSEAL INTERIOR PRODUCTS HOLDINGS, INC.では、米国で壁紙を製造し、他社製造の壁装材と併せて販売しております。シンガポールの子会社Goodrich Global Holdings Pte. Ltd.では東南アジアを中心に、またGOODRICH GLOBAL LIMITED及びその子会社であるSANGETSU GOODRICH CHINA CO.,LTD.では中国・香港を中心に、壁装材・床材・ファブリック等のインテリア商材を販売しております。また、シンガポールの子会社D'Perception Pte Ltdでは、シンガポールを中心に、主にオフィスや商業施設等の空間デザイン・総合内装施工を行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。なお、事業系統図内の矢印は、商品及びサービス並びに施工の流れを示しています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
国内市場でシェア拡大と価格修正による収益改善を中期的戦略としているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
サンゲツブランドで約12,000点の商品を企画開発・販売しており、ブランドメーカーとしての信頼性。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:建設需要に左右される事業環境 / 外部仕入先による商品の品質管理 / 生産トラブル等による商品の安定調達・供給
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

サンゲツは、インテリア業界において長年にわたり築き上げてきた高いブランド認知度と信頼性を有する。特に、デザイナーズ壁紙やカーテンなどのオリジナル商品開発力は、他社との差別化要因となっている。ショールーム展開や、インテリアデザイナーとの強固なリレーションシップも無形資産として評価できる。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

内装材の選定は、建築業者やデザイナーの意向が強く反映される。サンゲツの商品は、品質、デザイン性、品揃えにおいて長年の実績があり、一度採用された建築業者やデザイナーが、他のメーカーへ乗り換えるには、品質リスクやデザイン選定の手間、顧客への説明責任などのコストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

サンゲツのビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す構造ではない。製品の普及がユーザー数の増加に直接的な価値向上をもたらすわけではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

サンゲツは、長年の事業活動で培った調達力や物流網により、一定のコスト競争力を有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社との価格競争により、構造的なコスト優位性は限定的である可能性がある。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

サンゲツは、国内インテリア市場においてトップクラスのシェアを誇る。広範な販売網と、多様な製品ラインナップを効率的に供給できる規模の経済は、競合他社に対する優位性の源泉となっている。特に、多品種少量生産に対応できる物流・在庫管理能力は、規模の経済を活かした強みである。

  • トータルインテリアの強み
    素材・デザイン・物流・施工を統合した「トータルインテリア」の提供がサンゲツの大きな強みです。これにより、顧客は一貫したサービスを受けられ、サンゲツは高品質かつきめ細かなサプライチェーンを通じて、空間づくりを支える確固たるポジショニングを築いています。
  • 見本帳とブランド力
    戦略的なマーケティングツールである見本帳の展開やショールームを通じて、壁紙をはじめとするインテリア素材や空間のコーディネートを提案し、人々の感性と暮らしを豊かにする「サンゲツブランド」を確立しています。これにより、顧客からの信頼と認知度を高め、競争優位性を保っています。
  • 広範な供給インフラ
    子会社である株式会社SDSが東北から九州までの全国規模の配送ネットワークを担うなど、効率的かつ持続可能な出荷・配送体制を構築しています。これにより、安定した商品供給と迅速な物流を実現し、顧客へのサービスレベルを高く維持することで、競争力を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • インテリア事業の強化
    サンゲツは、市場ニーズや社会課題に対応した商品の開発、空間を構成する商材の拡充、デザインやソリューション提案力の強化を通じて、中核であるインテリア事業の高度化を目指しています。これにより、国内市場の縮小傾向の中でも競争優位性を確立し、収益基盤をより強固なものにする方針です。
  • 拡張領域の育成と海外成長
    空間総合事業とエクステリア事業をインテリア事業で培った強みを活かす拡張領域と位置付け、グループシナジーを最大化しながら中長期的な成長事業として育成します。また、海外事業を成長の起爆剤とし、北米での成長加速、東南アジア・中国・香港での成長軌道へのシフトを進め、収益力の飛躍的向上を図ります。
  • 次世代事業と経営基盤強化
    既存領域や隣接領域において、未来の収益源となる次世代事業の探索・創出にも注力します。さらに、「変革と挑戦」「イノベーションの創出」を実現するため、経営戦略に連動した人事施策による人的資本の強化と、デジタル資本を駆使したデータドリブン経営の推進により、確かな財務価値を生み出すDXを推進します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等1.当社グループのアイデンティティ 当社グループは、1849年に表具師 日比弥助が「山月堂」を創業して以来、襖・障子といったしつらえから始まり、壁紙をはじめとする内装材へと、時代の変化に先駆けて事業領域を拡大し、「トータルインテリア」を提供する企業へと発展してまいりました。高度経済成長期における飛躍的な成長の根底には、「事業を通じて日本のインテリアを良くし、人々の暮らしを豊かにすることで社会の発展に貢献したい」という強い思いと、常に新しいことに挑戦するフロンティアスピリットが存在し、サンゲツの原点として今日まで脈々と受け継がれています。この礎となったのが、サンゲツ創業以来の根源的な価値観であり、1960年以来社是としてきた「誠実(INTEGRITY)」です。2024年に企業理念を策定した際に、この社是を企業理念に組み入れました。しかしながら、「誠実」は創業以来、社員を含めすべてのステークホルダーの皆さまを繋ぐサンゲツのアイデンティティであり、「中期経営計画 2029」のスタートに合わせて、改めて「誠実(INTEGRITY)」を社是として掲げることといたしました。今後はこの社是のもと、企業理念の実現に向けて、社員一人ひとりが高い倫理観を持ち、自らの信念に忠実に行動してまいります。 2.価値創造の変遷 当社グループは、インテリア商品の卸売事業をコアビジネスとして業容を拡大し、1960年の売上高1億円から1997年には1,300億円へと、業績を飛躍的に成長させてまいりました。この高成長を支えたのは前述した価値観に加え、事業における当社の「コア」の存在です。素材・デザイン・物流・施工を統合し、ソリューション提案を行う「トータルインテリア」の強みを基盤に、戦略的なマーケティングツールとしての見本帳展開による「ビジネスモデル」や、高品質かつきめ細かなサプライチェーンに裏打ちされた空間づくりを支える「供給インフラ」等を通じて、市場における確固たるポジショニングを構築してまいりました。 同時に、見本帳やショールーム等を通じた、壁紙をはじめとするインテリア素材や空間のコーディネートといった「生活様式」の提案により、空間に新たな価値をもたらす「サンゲツブランド」を確立し、人々の感性と暮らしを豊かなものにしてまいりました。 国内の建設投資がピークアウトし、市場が成熟を迎える中、2000年代以降はエクステリアや海外等の新領域へ進出するとともに、中核であるインテリア事業のさらなる深掘りを進めてまいりました。物流・IT等の事業インフラへの投資、製造・施工分野への進出、そして価値創造の根幹である「人的資本」の強化を積極的に推進してまいりました。こうした基盤整備、事業領域の拡大、ソリューション提案力の強化等により収益力を高め、連結営業利益の大きな伸長を実現しました。 一方、前中期経営計画[BX 2025]を振り返りますと、インテリア事業の着実な成長や海外事業の収益改善が進んだ一方で、空間総合事業及びエクステリア事業については、各事業特性に起因する課題もあり、当初想定した成長スピードには至りませんでした。インテリア事業に続く、収益の核となる事業を育成していくことが、今後の重要な課題と認識しております。 3.「中期経営計画 2029」スタートに向けて 国内市場の縮小や労働力不足といった制約が強まる一方で、暮らしの価値観の多様化やテクノロジーの進展を背景に、新たな価値創出の機会が拡大しています。こうした認識のもと、2027年3月期よりスタートする「中期経営計画 2029」においては、改めて自社のコアに立ち返り、持続的な成長に向けた戦略を力強く推進してまいります。 当社グループのコアである「トータルインテリア」をさらに深化させ、商品の提供にとどまらず、空間を通じて人々の感性を刺激し、多様な暮らしの実現に寄与することを目指します。その目指す姿として、「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」という企業像を掲げました。今日に至るまで、インテリア業界全体の価値向上の一翼を担ってきた自負を胸に、私たちは常に、次の暮らしの文化を創り続ける存在であり続けます。 本計画では「変革と挑戦」及び「イノベーションの創出」をスローガンに据え、中核であるインテリア事業の収益基盤を、商品ポートフォリオの拡充やパートナー企業との連携を通じてより強固なものにするとともに、海外事業においても、インテリアを軸として、北米、アジアでの成長を加速させます。また、空間総合事業及びエクステリア事業については、インテリア事業で培った強みを活用する拡張領域として位置付け、グループシナジーを最大化しながら中長期的な成長事業へ育成してまいります。 当社グループは「トータルインテリア」という唯一無二のコアを磨き続けることで、経済価値と社会価値の両立を果たし、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。 <目指す企業像の概念図> 4.「中期経営計画 2029」(2027年3月期~2030年3月期)1)基本方針①インテリア事業の強化 インテリアの総合企業として、市場ニーズ、社会課題に対応した商品の開発、空間を構成する商材の拡充、デザインをはじめソリューション提案力の強化、ビジネスモデルの変革を加速し、事業の高度化を推進する。②空間総合事業とエクステリア事業の育成 インテリア事業とのシナジーを梃子として、グループ会社を含めて事業基盤を確立し、サンゲツグループの中核事業に育成する。③海外事業の成長 成長の起爆剤と位置付ける海外事業において、各地域・各グループ会社の独自性・主体性を尊重しつつ、サンゲツグループ内の協業・共創を加速し、収益力の飛躍的向上を図る。④次世代事業の探索・創出 インテリアをはじめとするサンゲツグループの既存領域、隣接領域において未来の収益源となる次世代事業を探索・創出する。⑤人的資本 「変革と挑戦」、「イノベーションの創出」を実現、加速すべく、経営戦略に連動した人事施策を実行し、サンゲツグループの人材基盤を強化する。⑥デジタル資本 収益力と資本効率を最大化する戦略資本へと進化させ、蓄積したデジタル資本を駆使してデータドリブン経営を実践し、確かな財務価値を生み出すDX(デジタル変革)を推進する。 2)経営指標(2030年3月期)連結連結売上高2,500億円連結営業利益250億円連結当期純利益170億円ROE14.0%ROIC11.0% セグメント別国内インテリアセグメント売上高1,880億円営業利益215億円国内エクステリアセグメント売上高78億円営業利益5億円海外セグメント売上高542億円営業利益30億円合計売上高2,500億円営業利益250億円 3)財務戦略①資金配分計画・投資方針資金創出 資金配分営業キャッシュ・フロー730~770億円 成長投資450~550億円有利子負債の活用・資産圧縮70~230億円 株主還元350~450億円 戦略投資・R&D新素材・新商品の開発を強化すべくR&D拠点を設置パートナー企業とのアライアンス強化・企業ブランディング目指す企業像「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」を社会全体へ発信すべく、マーケティング・プロモーション機能を強化・M&A・新規事業インテリア事業における商品ポートフォリオ拡充インテリア事業隣接領域における事業機会ならびに業界再編に伴う事業機会の検討北米をはじめとして、海外での事業領域・規模の拡大 ②株主還元方針 キャッシュ創出力のさらなる向上を実現し、安定増配と自己株取得による資本コントロールにより資本収益性向上を目指す。 ・株主還元は安定配当を基本とし、1株当たり年間配当金155円の下限設定と配当性向60%以上を目安に増配を目指す。・市場環境や資本効率、成長投資等の状況を鑑み、適宜自己株式の取得を検討する。 4)経営基盤①人的資本 「変革と挑戦」、「イノベーションの創出」を実現、加速すべく、経営戦略に連動した人事施策を実行し、サンゲツグループの人材基盤を強化する。 ・持続的成長を支える人材基盤強化・事業戦略をリードする人材の強化・DE&Iの深化・ウェルビーイングの向上 ②デジタル資本 デジタル資本を収益力と資本効率を最大化する戦略資本へと進化させ、蓄積したデジタル資本を駆使してデータドリブン経営を実践し、確かな財務的価値を生み出すDX(デジタル変革)を推進する。 ・ビジネスプロセスの自動化によるトップライン成長とボトムライン拡大・SCM高度化による収益構造の強化・生成AI、エージェンティックAIを前提としたビジネススタイル整備・サイバーセキュリティフレームの最新化と運用 ③サステナビリティ 企業としての社会的責任と健全な企業経営の両立の下、企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する。 DE&I女性管理職比率※単体27%男性育休取得率単体100% コミュニティへの参画児童養護施設改修活動連結50件/年間 地球環境保全(気候変動・資源循環・商品を通じた環境負荷低減)脱炭素GHG排出量削減(Scope1・2)単体カーボンニュートラル連結2021年度比55%削減GHG排出量削減(Scope3)連結仕入先GHG排出量削減資源循環単体見本帳リサイクルの推進商品を通じた環境負荷低減単体環境配慮型商品の拡充※ライン管理職における女性比率(「中期経営計画 2029」より、対象を「スタッフ管理職を含む」から「ライン管理職のみ」に変更) なお、前中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]のレビュー及び「中期経営計画 2029」の詳細につきましては、当社WEBサイトにて、説明会動画・書き起こし記事、資料を公開しております。https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/briefing_report.html 5.長期ビジョンの一部修正について 「中期経営計画 2029」での当社グループの成長戦略策定にあたり、昨今の事業環境の変化、当社が向き合うそれぞれの事業の特性、ポテンシャル、課題等を勘案し、2020年に発表した長期ビジョン[DESIGN 2030]について、以下2点を修正します。 1)目指す企業像を「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」といたします。2)定量目標として、2030年3月期連結売上高2,500億円、連結営業利益250億円といたします。 当社グループは、「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」を目指し、「変革と挑戦」、「イノベーションの創出」に取り組み、成長戦略の加速、企業価値の向上に向けて邁進してまいります。 (2) 経営戦略等、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化しています。国内市場の縮小や人手不足といった制約が強まる一方で、暮らしの価値観の多様化、社会課題の高度化、テクノロジーの進展、海外市場でのポテンシャルにより、新たな価値創出の機会が広がっています。 このような状況の中、当社グループは、前述「(1) 経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に掲げる4カ年の「中期経営計画 2029」において、インテリア事業を引き続き中核として強化し、商品ポートフォリオの拡充やパートナー企業との連携を通じて、より強固な収益基盤の構築を図ります。海外事業においても、インテリアを軸として、北米、アジアでの成長を加速させます。空間総合事業及びエクステリア事業は、インテリアの強みを横展開した拡張領域と位置付け、そのシナジーを最大化しながら、中長期的な成長事業として着実に育成していく方針です。こうした事業運営を支える最も重要なインフラが人的資本とデジタル資本です。持続的成長と事業戦略をリードする人材基盤の強化、並びに、デジタル変革による収益力の向上により、資本効率の最大化を推進いたします。当社グループは、「変革と挑戦」、そして、「イノベーションの創出」を通じて、経済価値と社会価値の両立を実現し、持続的かつ力強い成長を遂げてまいります。 次期(2027年3月期)の連結業績につきましては、売上高213,000百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益19,000百万円(同2.1%減)、経常利益19,200百万円(同4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益13,500百万円(同7.8%減)を見込んでおります。なお、上記の業績予想は、本書提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後のさまざまな要因により予想数値と異なる可能性があります。また、中東情勢の緊迫化、地政学リスクの高まりに伴う、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱による原材料の調達難、原材料価格の上昇等の不確実性については、現時点でその影響額を合理的に算出することが困難であることから本業績予想に織り込んでおりません。そうした影響額が合理的に算出することが可能になった時点で業績予想の修正を行う可能性があります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等1.当社グループのアイデンティティ 当社グループは、1849年に表具師 日比弥助が「山月堂」を創業して以来、襖・障子といったしつらえから始まり、壁紙をはじめとする内装材へと、時代の変化に先駆けて事業領域を拡大し、「トータルインテリア」を提供する企業へと発展してまいりました。高度経済成長期における飛躍的な成長の根底には、「事業を通じて日本のインテリアを良くし、人々の暮らしを豊かにすることで社会の発展に貢献したい」という強い思いと、常に新しいことに挑戦するフロンティアスピリットが存在し、サンゲツの原点として今日まで脈々と受け継がれています。この礎となったのが、サンゲツ創業以来の根源的な価値観であり、1960年以来社是としてきた「誠実(INTEGRITY)」です。2024年に企業理念を策定した際に、この社是を企業理念に組み入れました。しかしながら、「誠実」は創業以来、社員を含めすべてのステークホルダーの皆さまを繋ぐサンゲツのアイデンティティであり、「中期経営計画 2029」のスタートに合わせて、改めて「誠実(INTEGRITY)」を社是として掲げることといたしました。今後はこの社是のもと、企業理念の実現に向けて、社員一人ひとりが高い倫理観を持ち、自らの信念に忠実に行動してまいります。 2.価値創造の変遷 当社グループは、インテリア商品の卸売事業をコアビジネスとして業容を拡大し、1960年の売上高1億円から1997年には1,300億円へと、業績を飛躍的に成長させてまいりました。この高成長を支えたのは前述した価値観に加え、事業における当社の「コア」の存在です。素材・デザイン・物流・施工を統合し、ソリューション提案を行う「トータルインテリア」の強みを基盤に、戦略的なマーケティングツールとしての見本帳展開による「ビジネスモデル」や、高品質かつきめ細かなサプライチェーンに裏打ちされた空間づくりを支える「供給インフラ」等を通じて、市場における確固たるポジショニングを構築してまいりました。 同時に、見本帳やショールーム等を通じた、壁紙をはじめとするインテリア素材や空間のコーディネートといった「生活様式」の提案により、空間に新たな価値をもたらす「サンゲツブランド」を確立し、人々の感性と暮らしを豊かなものにしてまいりました。 国内の建設投資がピークアウトし、市場が成熟を迎える中、2000年代以降はエクステリアや海外等の新領域へ進出するとともに、中核であるインテリア事業のさらなる深掘りを進めてまいりました。物流・IT等の事業インフラへの投資、製造・施工分野への進出、そして価値創造の根幹である「人的資本」の強化を積極的に推進してまいりました。こうした基盤整備、事業領域の拡大、ソリューション提案力の強化等により収益力を高め、連結営業利益の大きな伸長を実現しました。 一方、前中期経営計画[BX 2025]を振り返りますと、インテリア事業の着実な成長や海外事業の収益改善が進んだ一方で、空間総合事業及びエクステリア事業については、各事業特性に起因する課題もあり、当初想定した成長スピードには至りませんでした。インテリア事業に続く、収益の核となる事業を育成していくことが、今後の重要な課題と認識しております。 3.「中期経営計画 2029」スタートに向けて 国内市場の縮小や労働力不足といった制約が強まる一方で、暮らしの価値観の多様化やテクノロジーの進展を背景に、新たな価値創出の機会が拡大しています。こうした認識のもと、2027年3月期よりスタートする「中期経営計画 2029」においては、改めて自社のコアに立ち返り、持続的な成長に向けた戦略を力強く推進してまいります。 当社グループのコアである「トータルインテリア」をさらに深化させ、商品の提供にとどまらず、空間を通じて人々の感性を刺激し、多様な暮らしの実現に寄与することを目指します。その目指す姿として、「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」という企業像を掲げました。今日に至るまで、インテリア業界全体の価値向上の一翼を担ってきた自負を胸に、私たちは常に、次の暮らしの文化を創り続ける存在であり続けます。 本計画では「変革と挑戦」及び「イノベーションの創出」をスローガンに据え、中核であるインテリア事業の収益基盤を、商品ポートフォリオの拡充やパートナー企業との連携を通じてより強固なものにするとともに、海外事業においても、インテリアを軸として、北米、アジアでの成長を加速させます。また、空間総合事業及びエクステリア事業については、インテリア事業で培った強みを活用する拡張領域として位置付け、グループシナジーを最大化しながら中長期的な成長事業へ育成してまいります。 当社グループは「トータルインテリア」という唯一無二のコアを磨き続けることで、経済価値と社会価値の両立を果たし、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。 <目指す企業像の概念図> 4.「中期経営計画 2029」(2027年3月期~2030年3月期)1)基本方針①インテリア事業の強化 インテリアの総合企業として、市場ニーズ、社会課題に対応した商品の開発、空間を構成する商材の拡充、デザインをはじめソリューション提案力の強化、ビジネスモデルの変革を加速し、事業の高度化を推進する。②空間総合事業とエクステリア事業の育成 インテリア事業とのシナジーを梃子として、グループ会社を含めて事業基盤を確立し、サンゲツグループの中核事業に育成する。③海外事業の成長 成長の起爆剤と位置付ける海外事業において、各地域・各グループ会社の独自性・主体性を尊重しつつ、サンゲツグループ内の協業・共創を加速し、収益力の飛躍的向上を図る。④次世代事業の探索・創出 インテリアをはじめとするサンゲツグループの既存領域、隣接領域において未来の収益源となる次世代事業を探索・創出する。⑤人的資本 「変革と挑戦」、「イノベーションの創出」を実現、加速すべく、経営戦略に連動した人事施策を実行し、サンゲツグループの人材基盤を強化する。⑥デジタル資本 収益力と資本効率を最大化する戦略資本へと進化させ、蓄積したデジタル資本を駆使してデータドリブン経営を実践し、確かな財務価値を生み出すDX(デジタル変革)を推進する。 2)経営指標(2030年3月期)連結連結売上高2,500億円連結営業利益250億円連結当期純利益170億円ROE14.0%ROIC11.0% セグメント別国内インテリアセグメント売上高1,880億円営業利益215億円国内エクステリアセグメント売上高78億円営業利益5億円海外セグメント売上高542億円営業利益30億円合計売上高2,500億円営業利益250億円 3)財務戦略①資金配分計画・投資方針資金創出 資金配分営業キャッシュ・フロー730~770億円 成長投資450~550億円有利子負債の活用・資産圧縮70~230億円 株主還元350~450億円 戦略投資・R&D新素材・新商品の開発を強化すべくR&D拠点を設置パートナー企業とのアライアンス強化・企業ブランディング目指す企業像「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」を社会全体へ発信すべく、マーケティング・プロモーション機能を強化・M&A・新規事業インテリア事業における商品ポートフォリオ拡充インテリア事業隣接領域における事業機会ならびに業界再編に伴う事業機会の検討北米をはじめとして、海外での事業領域・規模の拡大 ②株主還元方針 キャッシュ創出力のさらなる向上を実現し、安定増配と自己株取得による資本コントロールにより資本収益性向上を目指す。 ・株主還元は安定配当を基本とし、1株当たり年間配当金155円の下限設定と配当性向60%以上を目安に増配を目指す。・市場環境や資本効率、成長投資等の状況を鑑み、適宜自己株式の取得を検討する。 4)経営基盤①人的資本 「変革と挑戦」、「イノベーションの創出」を実現、加速すべく、経営戦略に連動した人事施策を実行し、サンゲツグループの人材基盤を強化する。 ・持続的成長を支える人材基盤強化・事業戦略をリードする人材の強化・DE&Iの深化・ウェルビーイングの向上 ②デジタル資本 デジタル資本を収益力と資本効率を最大化する戦略資本へと進化させ、蓄積したデジタル資本を駆使してデータドリブン経営を実践し、確かな財務的価値を生み出すDX(デジタル変革)を推進する。 ・ビジネスプロセスの自動化によるトップライン成長とボトムライン拡大・SCM高度化による収益構造の強化・生成AI、エージェンティックAIを前提としたビジネススタイル整備・サイバーセキュリティフレームの最新化と運用 ③サステナビリティ 企業としての社会的責任と健全な企業経営の両立の下、企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する。 DE&I女性管理職比率※単体27%男性育休取得率単体100% コミュニティへの参画児童養護施設改修活動連結50件/年間 地球環境保全(気候変動・資源循環・商品を通じた環境負荷低減)脱炭素GHG排出量削減(Scope1・2)単体カーボンニュートラル連結2021年度比55%削減GHG排出量削減(Scope3)連結仕入先GHG排出量削減資源循環単体見本帳リサイクルの推進商品を通じた環境負荷低減単体環境配慮型商品の拡充※ライン管理職における女性比率(「中期経営計画 2029」より、対象を「スタッフ管理職を含む」から「ライン管理職のみ」に変更) なお、前中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]のレビュー及び「中期経営計画 2029」の詳細につきましては、当社WEBサイトにて、説明会動画・書き起こし記事、資料を公開しております。https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/briefing_report.html 5.長期ビジョンの一部修正について 「中期経営計画 2029」での当社グループの成長戦略策定にあたり、昨今の事業環境の変化、当社が向き合うそれぞれの事業の特性、ポテンシャル、課題等を勘案し、2020年に発表した長期ビジョン[DESIGN 2030]について、以下2点を修正します。 1)目指す企業像を「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」といたします。2)定量目標として、2030年3月期連結売上高2,500億円、連結営業利益250億円といたします。 当社グループは、「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」を目指し、「変革と挑戦」、「イノベーションの創出」に取り組み、成長戦略の加速、企業価値の向上に向けて邁進してまいります。 (2) 経営戦略等、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化しています。国内市場の縮小や人手不足といった制約が強まる一方で、暮らしの価値観の多様化、社会課題の高度化、テクノロジーの進展、海外市場でのポテンシャルにより、新たな価値創出の機会が広がっています。 このような状況の中、当社グループは、前述「(1) 経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に掲げる4カ年の「中期経営計画 2029」において、インテリア事業を引き続き中核として強化し、商品ポートフォリオの拡充やパートナー企業との連携を通じて、より強固な収益基盤の構築を図ります。海外事業においても、インテリアを軸として、北米、アジアでの成長を加速させます。空間総合事業及びエクステリア事業は、インテリアの強みを横展開した拡張領域と位置付け、そのシナジーを最大化しながら、中長期的な成長事業として着実に育成していく方針です。こうした事業運営を支える最も重要なインフラが人的資本とデジタル資本です。持続的成長と事業戦略をリードする人材基盤の強化、並びに、デジタル変革による収益力の向上により、資本効率の最大化を推進いたします。当社グループは、「変革と挑戦」、そして、「イノベーションの創出」を通じて、経済価値と社会価値の両立を実現し、持続的かつ力強い成長を遂げてまいります。 次期(2027年3月期)の連結業績につきましては、売上高213,000百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益19,000百万円(同2.1%減)、経常利益19,200百万円(同4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益13,500百万円(同7.8%減)を見込んでおります。なお、上記の業績予想は、本書提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後のさまざまな要因により予想数値と異なる可能性があります。また、中東情勢の緊迫化、地政学リスクの高まりに伴う、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱による原材料の調達難、原材料価格の上昇等の不確実性については、現時点でその影響額を合理的に算出することが困難であることから本業績予想に織り込んでおりません。そうした影響額が合理的に算出することが可能になった時点で業績予想の修正を行う可能性があります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額を用いております。 (1) 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は118,020百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,009百万円増加しました。これは主に現金及び預金が1,686百万円増加したことによるものです。固定資産は70,886百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,974百万円増加しました。これは有形固定資産が634百万円、無形固定資産が606百万円、投資その他の資産が2,732百万円それぞれ増加したことによるものです。この結果、総資産は、188,907百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,983百万円増加しました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は45,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,264百万円減少しました。これは主に短期借入金が8,732百万円、電子記録債務が4,700百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債は21,635百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,798百万円増加しました。これは主に長期借入金が10,000百万円増加したことによるものです。この結果、負債合計は、66,647百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,466百万円減少しました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は122,259百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,449百万円増加しました。これは主に利益剰余金が5,678百万円(親会社株主に帰属する当期純利益14,642百万円及び剰余金の配当8,964百万円)、その他有価証券評価差額金が1,855百万円それぞれ増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は64.3%(前連結会計年度末は61.4%)となりました。 (2) 仕入及び販売の状況①仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)国内インテリア(百万円)115,97599.1国内エクステリア(百万円)4,932115.3海外(百万円)20,676118.2調整額(百万円)△7-合計(百万円)141,576102.0(注)セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。 ②販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)国内インテリア(百万円)164,106100.1国内エクステリア(百万円)7,310110.6海外(百万円)35,029117.6調整額(百万円)△5-合計(百万円)206,441103.0(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。2.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、企業収益が堅調に推移する中、個人消費や設備投資の改善が進むなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。北米においては、通商政策や物価・雇用情勢等に不透明感は残るものの、景気は緩やかに拡大し、アジアにおいては、東南アジアでは内需の底堅さがみられるものの国・地域により力強さを欠き、中国では不動産不況の長期化により景気回復が遅れています。また、米国の通商政策、金融資本市場の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱など、国内外とも景気の下押しリスクに注視していく必要があります。国内建設市場においては、住宅市場では、2025年4月に施行された建築基準法・建築物省エネ法改正に伴う駆け込み需要の反動減や建設コストの高騰等により、新設住宅着工戸数および床面積は前年実績を下回り、弱含みで推移しました。非住宅市場では、ホテル等の新設着工床面積は増加したものの、オフィス、倉庫・工場、医療福祉施設等では前年実績を下回り、弱含みで推移しました。一方で、リフォーム・リニューアル市場は底堅く推移しており、国土交通省発表の「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」によると、直近(2025年10月~12月)の受注高は住宅・非住宅市場ともに前年同期比で増加傾向を示しています。こうした経営環境において、長期ビジョン[DESIGN 2030]および中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]に基づき、事業領域の拡張と提供価値の高度化に取り組み、人的資本とデジタル資本の強化を通じて、提案力の進化と事業基盤の拡充を推進しました。当連結会計年度の業績は、売上高206,441百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益19,408百万円(同7.0%増)、経常利益20,152百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,642百万円(同16.7%増)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (国内インテリアセグメント)国内インテリアセグメントに属する事業は、インテリア事業と空間総合事業です。インテリア事業では、素材・デザイン・物流・施工といった各種機能の強化と、それらの連携によるソリューション提案力の強化を推進しています。商品開発では、環境配慮や省施工といった、市場ニーズへの対応および社会課題の解決に資する商品の拡充に注力しました。第4四半期には、施工工程を大幅に短縮する新建材「INNO PANEL®(イノパネル)」見本帳を発刊したほか、世界のハイエンド市場で高いブランド力を誇るスウェーデンの床材メーカーであるBOLON(ボロン)社製品の国内における取り扱いを決定(2026年度より順次販売開始予定)し、商品ラインアップを強化しています。また、壁紙「ELEMENTUM™(エレメンタム)」が、「iFデザインアワード 2026」を受賞し、3年連続・計5回目の受賞を果たすなど、当社のデザイン・品質が市場・業界において高く評価されました。サプライチェーンマネジメント(以下、SCM)では、その中核である物流の一段の機能強化、効率化を推進しています。物流業界の制約を背景としたコスト上昇が構造化する中、SCM高度化による競争力強化を目指し、部門間連携の深化、グループ物流会社の経営基盤強化、省人化設備の導入による生産性向上など、グループ横断的な施策を推進しています。製造では、壁紙製造の国内最大手であるグループ会社のクレアネイト株式会社が、2025年10月に広島県の新工場の稼働を開始しました。東日本2拠点、西日本1拠点の生産体制を構築し、かつ生産効率の高い新鋭機を導入することで、サプライチェーンの強靭化と安定供給体制を強固にしてまいります。空間総合事業では、インテリア商品のコーディネート機能、インテリア事業の販売ネットワーク・顧客基盤等とのシナジーを創出しつつ、独自性の高い価値提供を目指しています。グループ会社であるフェアトーン株式会社を含め、売上高は着実に成長しております。売上高については、国内需要の弱含みや2024年12月の仕入先工場での火災事故に起因する一部床材の供給制約等により販売数量は減少したものの、価格改定の浸透や商品ポートフォリオの改善及び国内グループ会社の業績向上等により、前年と同水準を維持しております。また、利益については、機能間連携の強化によるソリューション提案力の高度化や販管費コントロールにより、営業利益以下の各利益は計画を達成しております。これらの結果、国内インテリアセグメントにおける売上高は164,106百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は19,333百万円(同2.1%増)となりました。なお、壁装ユニットの売上高は79,949百万円(同1.7%増)、床材ユニットの売上高は55,614百万円(同3.1%減)、ファブリックユニットの売上高は10,125百万円(同5.4%増)、デザインフィー・施工を含むその他の売上高は18,417百万円(同0.3%増)となりました。国内インテリアセグメントのインテリア事業においては今後、国内建設市場の成長が限定的となる中、新たな成長ポテンシャルが顕在化する市場・分野に注力すべく、その市場・分野ごとのニーズを掴み、ソリューション提案力を強化することで、競争優位性を高め、プレゼンス向上を目指します。また、当社の商品群を「主力商品」、「戦略商品」、「新機軸商品」に再定義し、引き続きプロダクトミックスの最適化による収益性の向上を目指します。さらに、空間総合事業においては、インテリア事業とは異なるビジネスモデルに対応するために高度専門人材を執行役員として迎え入れており、より実効性の高い事業体制の構築に取り組み、営業活動や顧客基盤を中心に、インテリア事業とのシナジー創出を目指し、収益基盤の一つとなる事業に育成してまいります。 (国内エクステリアセグメント)国内エクステリアセグメントに属する事業は、エクステリア事業です。同セグメントでは、国内インテリアセグメント同様に新設住宅着工戸数の減少など厳しい事業環境が継続しております。こうした環境下、中核グループ会社である株式会社サングリーンは、エクステリア商品の販売価格の上昇、主力市場である東海地方での非住宅物件受注の拡大、拠点強化に取り組む関東地方での売上増加等により業績は引き続き改善傾向にあります。これらの結果、国内エクステリアセグメントの売上高は7,310百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益は118百万円(同586.7%増)となりました。エクステリア事業においては、これまで当社と株式会社サングリーンとの戦略連携が不十分であったことを踏まえ、商品、施工、物流、空間提案等各種機能の拡充及びソリューション提案力の強化等を通じ、収益基盤の一つに成長することを目指してまいります。なお、2026年1月には、当社が2025年7月に発売したエクステリア商品を含む株式会社サングリーンのオリジナルカタログを関東地域限定で先行発刊しており、当社グループの総合力をいかした競争優位性の向上に取り組んでおります。 (海外セグメント)海外セグメントでは、海外関係会社の2025年1月から12月までの実績を、当連結会計年度の業績に算入しております。海外セグメントに属する事業は、海外インテリア事業と海外空間総合事業です。海外インテリア事業では、北米(米国・カナダ)においては、経営基盤や事業インフラの強化など内部改善が進展するとともに、営業戦略が奏功し、前年同期比で増収増益となりました。東南アジアにおいては、経営体制の刷新をはじめとする構造改革や各国での適切な販売政策等により業績改善が進み、通期での黒字転換を果たしました。中国・香港においては、不動産市場の低迷や雇用環境の悪化による消費意欲の低下などを背景に、依然として厳しい事業環境が続いています。しかしながら、経営体制の刷新・スリム化を行うとともに、市場・顧客別の戦略実行をはじめとした経営資源の投入先の選別を進めた結果、前年同期比で赤字幅は縮小しました。海外空間総合事業では、2024年7月にグループ会社化した、設計・施工を事業領域とするD’Perception Pte Ltdにおいては、同地域全体の売上増加には寄与したものの、大型案件の工期遅延に伴う収益性の低下や一過性の追加コストの発生等により、営業損失となりました。これらの結果、海外セグメントにおける売上高は35,029百万円(前年同期比17.6%増)となりました。営業損益については、北米事業の好調が牽引したほか、東南アジアにおける海外インテリア事業の黒字転換が寄与しました。一方で、東南アジアの海外空間総合事業における一過性の損失計上が下押し要因となり、営業損失は46百万円となりました(前年同期は営業損失820百万円、前第1四半期におけるD’Perception Pte Ltdの株式取得に関する一時的費用を含む)。海外インテリア事業においては、今後も北米地域が主力となることが見込まれるものの、東南アジアでは成長軌道へのシフト、中国・香港では事業基盤再構築と収益力向上を通じて、海外をグループ全体の成長の起爆剤とできるよう目指してまいります。また、海外空間総合事業においては、組織ドリブン型の経営へ移行することで、フラットな組織と着実な収益基盤を目指してまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,565百万円増加し、35,010百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因と分析・検討内容は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は14,320百万円(前年同期は19,260百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益20,800百万円、減価償却費4,325百万円、仕入債務の減少額5,125百万円及び、法人税等の支払額5,710百万円などによるものです。営業キャッシュ・フローにおける資金獲得の要因は、計画通りの着実な利益計上によるものです。健全かつサステイナブルなサプライチェーンの維持・構築に向け、取引条件の適正化を実施したこと等により仕入債務が減少するという一時的な資金流出要因があったものの、本業における順調な利益の創出がこのマイナス分を十分に吸収したため、結果としてトータルでの営業キャッシュ・フローはプラスの獲得となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は4,625百万円(前年同期は6,873百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,415百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出834百万円などによるものです。長期ビジョン[DESIGN 2030]及び中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]に掲げる成長戦略に基づき、将来を見据えた成長投資を着実に行う方針の下、壁紙の持続的な安定供給を実現するためにクレアネイト株式会社の新工場稼働に向けた設備投資を行うとともに、物流会社である株式会社SDSの株式取得といった成長投資を実行いたしました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は8,261百万円(前年同期は3,980百万円の使用)となりました。これは主に、資金の借入れによる収入10,343百万円及び返済による支出9,092百万円、配当金の支払額8,955百万円などによるものです。配当金につきましては、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における資本政策に基づき、安定増配を実施しました。 中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における3年間の資本政策及び資金配分のレビューは以下のとおりであります。株主還元につきましては、2026年3月期の年間配当金は1株当たり155円を予定しており、12期連続の増配となる見込みです。本業での利益の積み上がりによる株主資本の増加に加え、その他の包括利益累計額も増加した結果、自己資本は計画を上回る水準となりました。また、資金配分につきましては、3年間の累計で463.9億円の営業キャッシュ・フローを創出した一方で、M&Aをはじめとする成長投資が計画を下回ったことや、株主還元が計画の下限に留まったことにより、2026年3月末の保有現金同等物残高は357.1億円と、計画を大きく超過いたしました。「中期経営計画 2029」(2027年3月期~2030年3月期)におきましては、稼ぐ力の進捗状況に応じて、資本構成の再構築に取り組む方針であります。 資本政策2026年3月期目標実績2026年3月末自己資本950~1,050億円自己資本1,215億円1株当たり年間配当金130円下限安定的な増配1株当たり年間配当金155円(予定) 3年間株主還元実績自己株式取得実施なし配当261.4億円(予定) 資金配分計画(単位:億円)資金創出 資金配分 目標実績 目標実績保有現金同等物(2023年3月末)-270.0 成長投資200~250180.5営業キャッシュ・フロー470~510463.9 株主還元250~350254.0借入金増減▲80~6035.6 保有現金同等物(2026年3月末)200~250357.1資産圧縮による収入等-22.0 なお、「中期経営計画 2029」における4年間の財務戦略は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 4.「中期経営計画 2029」(2027年3月期~2030年3月期)」に記載のとおりであります。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応としては、事業ポートフォリオ変革による収益の拡大、財務戦略による資本の最適化、経営基盤の強化を通じた資本コストの低減に取り組みます。これにより資本コストを上回る資本収益性を維持及び向上させ、エクイティスプレッドの拡大を目指します。PBR向上の前提となるROEについては、2026年3月期実績の12.5%から「中期経営計画 2029」最終年度である2030年3月期には14.0%まで引き上げます。ROE向上に向けては、事業戦略の遂行を通じて利益創出力を高めて連結営業利益率10%を達成するとともに、1株当たり年間配当金155円の下限設定と配当性向60%以上を目安に増配を目指す株主還元に加え、自己株式の取得による機動的な資本コントロールを実行する考えです。市場からの評価であるPERについては、上記の諸施策を着実に実行していくことで、資本コストの抑制と持続的な成長期待の醸成を図ってまいります。こうした一連の取り組みを推進し、株主資本コストである6~8%程度を安定して上回るリターンを創出することで、PBRの持続的な向上を実現します。資金配分においては、2030年3月期のROE14.0%達成に向けた成長投資の積極的な実行と最適な資本構成の実現を目指します。原資となる資金については収益拡大による営業キャッシュ・フローの最大化を図るとともに、成長投資における資金需要に応じて外部借入を柔軟に活用します。 (4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置付けております。中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における定量目標を2025年5月14日公表の通り一部見直し、最終年度となる2026年3月期のROE11.5%の達成を目指し、成長戦略の実行を進めてまいりました。当連結会計年度末における実績は12.5%となり、目標を達成いたしました。事業環境が厳しさを増す中、売上高は過去最高を更新したものの計画未達となりましたが、国内インテリアセグメントにおいて安定的に利益を確保したことに加え、海外セグメントの損益が大幅に改善し、各段階利益が計画を上回ったことが主な要因です。しかしながら、2023年5月の中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]策定時に掲げていたROE14.0%には到達しておらず、資本収益性に課題を残しました。また、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)においては、目標70.0日に対し、当連結会計年度末における実績は79.4日となり、目標達成には至りませんでした。売上債権回転期間と棚卸資産回転期間については、営業現場での努力やサプライチェーンマネジメントの深化により、順調に改善が進んでおります。一方で、健全かつサステイナブルなサプライチェーンの維持・構築に向け、取引条件の適正化を実施したこと等により仕入債務回転期間が短縮し、結果としてCCCは計画未達となりました。 中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]レビュー(単位:百万円) 2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期実績2026年3月期計画(2025年5月修正)2026年3月期計画(2023年5月策定)連結売上高176,022189,859200,378206,441210,000195,000連結営業利益20,28019,10318,14019,40819,00020,500連結当期純利益14,00514,29112,55014,64213,00014,500ROE15.3%14.1%11.4%12.5%11.5%14.0%ROIC16.5%14.8%13.6%13.7%14.0%14.0%CCC77.1日71.5日72.0日79.4日70.0日65.0日 当社グループは、「中期経営計画 2029」における定量目標として、2030年3月期の連結売上高2,500億円、連結営業利益250億円、連結当期純利益170億円、ROE14.0%、ROIC11.0%の達成を目指します。ROEについては、本業の稼ぐ力を強化することで売上高及び利益の伸長を実現し、適切な資本コントロールとあわせて、14.0%の達成を目指します。一方、ROICについては足元の水準から一時的に低下すると見込んでおります。これは、戦略的成長投資の実行や、2028年3月期の期首から適用される新リース会計基準に伴いオンバランスされる資産が増加するためです。これらは将来の成長に向けた先行投資並びに会計基準の変更に伴う一時的な影響であり、中長期的な資本効率の向上に資するものと認識しております。なお、上記の定量目標につきましては、中東情勢の緊迫化に伴う各種コストの上昇や、当社の価格改定による影響額等を現時点で合理的に算定することが困難であるため、織り込んでおりません。今後、当該影響額の合理的な算定が可能となった段階で、必要に応じて定量目標の見直しを行う方針です。

事業リスク

  • 建設需要の変動
    サンゲツの事業は建設需要に大きく左右されます。国の経済状況、住宅政策、税制変更、人口減少などにより、住宅や非住宅の新設着工戸数が減少すると、ビジネス機会が失われ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。国内市場の縮小傾向は特に注視すべき点です。
  • 国際情勢とコスト高騰
    中東情勢の緊迫化などによるサプライチェーンの混乱は、原油や石油化学原料の価格高騰を招き、主要商材の原材料調達に支障をきたすリスクがあります。これにより、供給量の減少、納期遅延、製造・物流コストの上昇が発生し、価格改定による需要変化も業績に影響を与える可能性があります。
  • 環境・気候変動規制
    環境・気候変動への関心の高まりに伴い、温室効果ガス排出量削減やポリ塩化ビニル(PVC)に対する規制強化が進んでいます。これらの規制への対応遅れや、低環境負荷商品の拡充が不十分な場合、炭素税負担や仕入コスト増加、市場ニーズとの不適合により、社会的信用の低下やビジネス機会の損失を招く可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|11,459 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。1.リスクマネジメントに関する考え方及びリスク管理体制当社グループは、多様なリスクに対し、適切かつスピード感のある対応を行うことで、企業価値の最大化と経営や業務への影響の最小化を図っています。当社のリスク管理体制は、社長を最高責任者とするリスク管理委員会を設置して管理を行っています。当社グループ全体の企業価値の維持・向上に努め、リスク発生時の影響を最小化するとともに、当社の活動や社員に対して影響を及ぼす可能性があるさまざまなリスクに対し、PDCAサイクルを通じたマネジメントを行っています。リスク管理委員会は四半期に1回開催しており、リスク管理全体の基本方針および体制等を定めるとともに、必要に応じてタスクフォースを編成する等の機能を有します。活動状況を半年に1回取締役会に報告し、経営層は存在するリスクを的確に把握したうえで、経営判断ができる体制を構築しています。既に一部顕在化しているリスクから、今は顕在化していないものまでさまざまな観点から、継続的に注視・対応すべきリスクの洗い出しを行っています。各リスク管理部会では、予測されるリスクを抽出し、マッピングによる評価を行ったうえで、重点的に対策を推進していくリスクを明確にしています。 <体制図> <リスク管理のPDCA> 2.当社グループの主要なリスク<戦略・外部環境リスク>(1) 事業環境について(リスクの内容) 当社グループは、壁装材、床材、ファブリック(カーテン・椅子生地)等のインテリア商材の企画・販売および壁紙の製造等に加え、各種施設・オフィス空間等の設計・施工を行う国内インテリアセグメント、門扉・フェンス・カーポート等のエクステリア商品の販売および外構に関わる設計・施工を行う国内エクステリアセグメント、北米、東南アジア、中国・香港におけるインテリア商品の製造・販売および東南アジアにおける設計・施工を行う海外セグメントにて事業を展開しております。これらの事業は建設需要に左右されるため、国の経済全体の景気動向や政府の住宅に関する政策、税制の変更および人口減少などに伴う住宅・非住宅の新設着工戸数の減少等により、ビジネス機会を損失するリスクが存在します。(リスク対策) 主力である国内市場において、住宅・非住宅分野における新築や改築は、少子高齢化が進むなか、将来的に大きく成長していくことは期待しにくいと予想しております。こうした事業環境を背景に、当社グループは2027年3月期を初年度とする「中期経営計画 2029」を策定しました。インテリア事業においては、国内市場規模が縮小する中でも成長が期待される分野に注力するとともに、プロダクトミックスやサプライチェーンの最適化、モノづくり力の強化および企業ブランドの向上に取り組み、競争優位性と収益性を高めることで、より強固な収益基盤の構築を目指してまいります。また、空間総合およびエクステリア事業は、インテリアの強みを横展開した拡張領域として位置付け、そのシナジーを最大化しながら、中長期的な成長事業として着実に育成していきます。海外についても、インテリアを軸として、北米の成長を一段と加速させるとともに、東南アジア、中国・香港における成長軌道へのシフトを進めてまいります。これらをグループ全体の成長ドライバーと位置づけ、さらなる収益力の強化に取り組んでまいります。加えて、インテリアをはじめとする当社グループの既存領域、隣接領域において、未来の収益源となる次世代事業の探索・創出にも注力いたします。 (2) 国際情勢の不安定化について(リスクの内容) 中東情勢の緊迫化を背景とした世界的なサプライチェーンの混乱により、原油やナフサ等の石油化学原料の指標が大幅に上昇しております。これに伴い、国内での石化製品の供給不安が生じ、当社の製造委託先における原材料の調達に支障が出始めています。この状況が長期化することで、主要商材である壁装材、床材、ファブリック等において、供給量の減少や制限、納期の遅延が発生するリスクがあります。また、原材料価格の高騰に加え、製造・物流コストの上昇も深刻化しており、自助努力のみではこれらのコスト上昇分を吸収し、現在のサービスレベルを維持することが困難となるため、取引価格の改定を決定いたしました。今後、さらなる原材料価格の高騰が生じた場合や、価格改定に伴う需要の変化等により、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスク対策) 当社は、各取引先との連携を通じて情報の収集に努め、国際情勢を注視することで影響の早期把握に注力しております。商品の安定供給を最優先課題とし、当社の調達力および在庫力をいかすことで、顧客への供給制限や納期遅延の影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。原材料価格や物流コストの上昇に対しては、継続的なコスト削減等の自助努力を行いますが、現在のサービスレベルを維持することが困難な状況に鑑み、2026年7月1日受注分より壁装材・床材・ファブリック・エクステリア・副資材・接着剤等の主要な対象商品について、18%~30%程度の取引価格改定を実施することといたしました。これにより、コスト上昇分を適切に価格へ転嫁し、事業の継続性と安定的な供給体制を確保いたします。今後も原材料価格のさらなる高騰等の情勢変化に応じ、迅速かつ適切な対策を講じることで、経営への影響を低減させてまいります。 (3) 環境・気候変動について(リスクの内容) 環境・気候変動リスクへの関心が高まる中、2015年に国連で「パリ協定」が採択され、同年に開催された国連サミットではSDGs(持続可能な開発目標)が採択されるなど、2030年をターゲットにした目標の設定が進展しました。さらに、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)による国際基準の公表や、国内におけるサステナビリティ基準委員会(SSBJ)の開示基準の法制度化など、非財務情報の開示標準化が大きく進展しており、資本市場においてはサステナビリティが投資の前提条件となっております。 このように環境や気候変動に関連する規制・市場の変化が大きく進展する中、当社グループでは、事業活動における温室効果ガス(以下、GHG)排出量を低減できないリスクに加え、欧米を中心としたポリ塩化ビニル(PVC)に対する規制強化および顧客の環境意識の高まりに伴うニーズの転換を重要なリスクとして認識しております。 具体的には、サプライチェーン全体でのGHG排出量の削減が進まないことによる炭素税負担や仕入コストの増加が懸念されます。また、PVC等の化学物質規制への対応遅れや、低環境負荷商品の拡充が不十分な場合には、市場ニーズへの不適合から社会的信用の低下やビジネス機会の損失を招き、当社グループの経営成績や財務状況等に重大な影響を及ぼす可能性があります。(リスク対策) 環境・気候変動リスクへの対応として、社長を委員長とするリスク管理委員会のもとに環境・気候変動リスク部会を設置し、組織的な管理体制を構築しております。この環境・気候変動リスク部会のもと、気候変動に関する各リスクを、法規制・市場などの移行リスクと、急性・慢性的などの物理リスクといった区分に沿って分析し、商品統括部門、ロジスティクス部門、事業部門およびコーポレート部門が緊密に連携し、具体的な管理指標を設定した上で、リスクの監視と対応を行っております。 また、当社グループはSangetsu Group長期ビジョン[DESIGN 2030]において、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現を掲げており、2029年度の事業活動(Scope1&2)におけるGHG排出目標を、当社単体ではカーボンニュートラル(排出実質ゼロ)、グループ全体では55%削減(2021年度比)と設定し、GHG排出量の多い生産拠点での省エネ活動や、再生可能エネルギーの導入などにより、GHG排出量の削減に努めています。商品面においては、商品統括部門との連携を強化し、低環境負荷商品の開発計画策定や、自社基準による「環境ラベル」の運用検討を通じて、低環境負荷商品の開発・販売体制の整備を進めております。 今後は、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減に向けた仕入先とのエンゲージメント強化や、顧客のニーズに応える低環境負荷商品の販売拡大を推進し、環境・気候変動リスクに対応してまいります。 (4) 海外事業活動について(リスクの内容) 当社グループは、北米、中国・香港、東南アジア各国を中心に事業を展開しており、以下の事象や状況が発生した場合、当社グループの経営成績や財務状況等に重大な影響を及ぼす可能性があります。・感染症の蔓延、政情不安、経済動向の不確実性、宗教・文化・商習慣の相違、戦争・内戦、テロ、投資・海外送金・輸出入規制等が発生した場合。・固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行った結果、固定資産の減損損失を計上する場合。・製造部門を持つグループ会社の事業において、原油や鉱産物価格の高騰などにより原材料や商品仕入価格に極端な変動がある場合。 ・日本からの輸送並びに海外グループ各社が海外から商品を調達する場合の輸送に関わるコストが高騰する場合。・製品クレームや品質問題の長期化などによるレピュテーションリスクが生じる場合。・海外グループ会社を経営していく当社の経営人材、現地の経営人材が確保できない場合。(リスク対策) 当社グループでは、以下の対策を講ずることで、海外事業リスクの未然防止と最小化に努めております。・平時より政治的又は経済的な障害となりうる問題に関する情報の収集や、不測の事態に対するBCPの策定など、グループ内で有事に備えた環境整備を行っております。・投資後の事業を管理する体制を整備しております。・原材料等が高騰した場合には、市場や競合の状況を判断しながら適切な価格改定を実施します。仕入先だけではなく、原油価格や原材料メーカーの価格変動動向も注視し、仕入価格の交渉や販売価格の改定に関する適切な判断を行うための情報収集等の準備を常時実施しております。・より効率の良い輸送方法の選択と、販売先への輸送運賃の適切な請求を行っております。・各国での品質管理を徹底し、クレームを未然に防止する体制の構築を進めております。・中長期的に海外事業を担う若手人材を育成するとともに、事業を成長させ、変革するための組織体制の整備と維持や、収益性の拡大を担う現地の経営人材の育成を行っております。 <オペレーショナルリスク>(5) 品質管理について(リスクの内容) 当社グループは、「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する」ために、顧客ニーズを的確に把握し、生活空間を構成する重要な要素であるインテリア商材として、壁装材、床材、ファブリック等の魅力ある商品の企画、開発、販売を行っております。一部の商品を除き、製造は外部仕入先のメーカーが行い、商品の供給を受けておりますが、その品質の担保は、顧客が商品に求める「価値」そのものであり、ブランドメーカーとしての信頼性の向上や顧客満足度の向上、競争力強化、企業価値向上の基盤となります。 また、中期的な期間にわたって使用されるインテリア商材は、経年変化を含めた長いスパンでの品質を担保することも重要な事項です。商品開発時の検証不足や製造工程における不備等により、重大な品質トラブルやクレームが発生、あるいは商品設計と異なる品質の商品が市場に流出した場合、ブランドイメージの低下や損害賠償費用の発生等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスク対策) 商品設計審査のプロセスをデザインレビュー(Design Review:DR-A/B/C)として定め、開発段階ごとに複数の担当者が検証とチェックを行う体制を構築、運用しております。新商品の開発時には、品質検証の段階で確認すべき項目を網羅した「要求品質確認シート」を活用し、DR-A時点で検証項目の洗い出し、DR-B時点で品質や機能性の裏付け、法的要求事項の確認、DR-C時点で検証結果の報告を実施することとし、品質検証が完了していない場合は市場への上市を見送るルールの運用を徹底しています。商品の市場への上市後は、品質クレームの発生時に対策会議を実施し、不備事例を分析、共有することで、他商品における類似リスクの未然防止に向けた対策を講じています。 また、品質クレームの発生状況を定期的に監視し、必要に応じて仕入先工場の監査を実施しています。さらに、商品の製造委託に関しては、品質基準を明確化し、品質管理基準書に準じた商品の製造を委託し、その品質の維持・向上のため、製造現場で発生する「Man(人)」「Machine(機械)」「Material(材料)」「Method(方法)」の4つの要素の変更を管理しており、これらの変更が商品品質に及ぼす影響を事前報告により評価し、適切な対策を講じ品質トラブルを未然に防ぐ体制を構築しております。 (6) 安定調達・安定供給について(リスクの内容) 当社グループでは、取扱商品のうち主力商品である壁装材や床材等について、商品サンプルを掲載した見本帳を配付することで、営業および販売活動を行っております。見本帳有効期間内は安定供給を維持することが強く求められる業界であるため、生産トラブル、地政学的リスクに伴う原材料調達の混乱や価格高騰、仕入先・加工先の倒産や撤退など、予期せぬ要因も含め商品の供給が中断した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスク対策) メーカーから商品を安定的に調達できるよう、仕入の前段階としてメーカーの工場内の実査や適正な製造工程の確認を行い、万が一調達が困難な状況に陥った際のバックアップ体制として、主要商品については十分な在庫の確保、代替となる商品の準備等の環境整備を進めております。 なお、当社グループ会社であるクレアネイト株式会社は、国内最大手の壁紙メーカーであります。当社が壁装事業を拡大する上で、競争力強化、量的確保のみならず、製販一貫体制の確立による事業の効率化を通じ、さらなる発展が可能になるものと位置付けており、工場の安定稼働と商品の安定供給を維持することはグループ全体で取り組むべき課題と認識しております。2025年10月に広島県の新工場が稼働したことで、東日本2拠点、西日本1拠点の生産体制を構築し、かつ生産効率の高い新鋭機を導入することで、サプライチェーンの強靭化と安定供給体制の強化を推進しております。 一方で、仕入先や関連加工先の倒産・廃業や経営環境の変化、サプライヤーのCSR面における実態把握などを重要な継続課題として認識しております。これらに対し、CSRアンケートや実査訪問による実態把握の強化と管理の徹底に努めるとともに、代替生産体制のさらなる拡充を含む、より精緻な調達管理体制の構築に重点的に取り組んでおります。 (7) 設計・施工事業について(リスクの内容) 当社グループは、インテリア商材やエクステリア商材の販売のみならず、それら商材をいかした設計・空間デザイン提案を行い、その施工までを事業としております。設計・施工事業においては建設業法を始めとした各法規に則った事業活動が必要であり、違反と判断された際の事業継続とレピュテーションに対するリスクや、空間総合施工を担う専門人材や表装技能士等の不足が顕在化するという課題があります。(リスク対策) 収益性の高い事業の構築・拡大のため、空間創造における事業企画から施工、プロジェクトマネジメントまでを一気通貫で担う「空間総合事業部」を中心に、グループ全体の施工管理体制を強化しております。具体的には、特定建設業許可の取得により大規模工事および全工種への受注体制を整備するとともに、2026年度中に稼働予定の新システムの活用により、プロジェクト毎の収益管理および法的に求められる書類管理の徹底を図ってまいります。また、専門人材の採用・育成や表装技能士等の確保に加え、各種損害賠償保険への加入により、不測の事態における経済的損失を最小化する体制を整えるなど、法務・実務の両面から実効性のある管理体制を構築しております。 (8) 物流機能について(リスクの内容) 当社グループは、商材を調達先から荷受け、在庫し、出荷および配送する事業を展開しております。日本全国への配送網の維持は事業の継続における強みである一方、深刻な少子高齢化に伴うドライバー不足により荷物の約3割が運べなくなることが懸念される「物流2030年問題」は、当社の配送体制の安定維持を困難にするリスクと認識しております。その他、重大な事故の発生に伴う運送会社の事業停止により商品の供給が滞るリスクに加え、2026年4月に施行された改正「物流効率化法」に伴う特定荷主としての義務への対応不備による法令違反や罰則が科されるリスク、2026年1月より特定運送委託が中小受託取引適正化法の規制対象となったリスクなど、物流を取り巻く環境変化への適切な対応や運行安全の管理強化が不可欠となっております。(リスク対策) 幅広いエリアの物流機能を当社グループ内に内製化することで、環境負荷の低減を含めた持続可能な物流機能を強化するとともに、地域に応じたよりきめ細やかな配送体制や、調達物流も含めたより効果的・効率的な物流体制を構築・高度化するため、2022年9月の有限会社クロス企画(2023年4月に株式会社化)に続き、2025年4月に物流会社である株式会社SDSをグループ会社化しました。物流2030年問題への対策として、不測の事態が発生した際の代替手段の確保や、商品の供給停止を防ぐバックアップ体制の維持・運用を強化しております。 また、改正「物流効率化法」への対応として、特定荷主としての義務である物流統括管理者の選任、中長期計画の策定を進めるとともに、実務面においては、荷役機器の導入による積込み・荷下ろし等の荷役作業の省人化やシステム化を進めるだけでなく、荷待ち・荷役時間の短縮や積載率向上といった判断基準への対応を強化し、中小受託取引適正化法への対応を含むコンプライアンスの徹底と効率的なオペレーションを両立させてまいります。さらに、夜間配送等の高リスク環境においても社内および協力会社全体での安全管理を徹底し、重大事故の未然防止に向けた運行安全の管理強化に継続的に取り組んでおります。 (9) 人材の確保について(リスクの内容) 当社グループが持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上させていくためには、経営戦略を実行し得る、多様で優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。しかしながら、国内における労働力人口の減少や労働市場の流動化を背景に、業界や業種を超えた人材獲得競争は激化しており、当社グループが必要とする人材を計画通りに採用・育成できない場合、あるいは既存の優秀な人材が社外へ流出した場合には、事業計画の遂行に遅延が生じる等、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。(リスク対策) 当社グループでは、「中期経営計画 2029」において掲げる「変革と挑戦」および「イノベーションの創出」を実現・加速すべく、経営戦略に連動した人事施策を実行し、人材基盤の強化に取り組んでおります。 「人財」と「組織」の両面から強化を図り、持続的成長を支える人材基盤強化、事業戦略をリードする人材の強化、DE&Iの深化、ウェルビーイングの向上の4つを重点施策として位置づけております。 「人財」面での具体的な施策としては、教育研修体系の拡充、人事制度の実効性向上のほか、重点領域として経営人材およびグローバル人材の育成、高度専門人材の採用に取り組み、着実な人材育成・確保に努めております。一方、「組織」面では、多様性を共創の力にすべく、女性活躍推進、共育て風土の醸成、障がい者活躍支援を推し進め、また、多様な働き方の拡充、自律的なキャリアデザインの促進、健康経営の推進等を進めることで、多様な人材がその能力を最大限に発揮し、安心して挑戦し続けられる職場環境を整備しています。 あわせて、2023年度から継続している各組織への人事担当配置によるきめ細かな人材マネジメントや適正配置、エンゲージメントサーベイを活用した組織課題の改善を推進し、パフォーマンスの最大化を図るとともに、採用計画の進捗状況、エンゲージメントサーベイの結果、離職率の推移、ならびに女性ライン管理職比率をはじめとする各種人的資本KPIの進捗状況等を確認しリスク管理に取り組んでおります。 (10) 与信管理について(リスクの内容) 当社グループは、取引先に対して与信供与を行っており、社会・経済情勢の変化や不測の事態を含めた取引先の財政状態悪化により債権の回収が困難となった場合、貸倒れによる損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して下記の取り組みを実施し、債権の回収不能による損失発生の予防として与信管理体制強化を図り、貸倒れによる損失回避に努めております。(リスク対策)・与信管理規定の適切な運用・取引先の信用状況を勘案した与信限度額の年次更新・重要な取引先の業況ヒアリング、財務諸表の定期的な把握・取引先との今後の展開を見据えた取引条件の見直し・債権回収状況のタイムリーなモニタリング・売上債権回転期間の見直し・与信不安先に対する会計上の貸倒引当金の設定・与信不安先に対する管理強化や営業施策支援の実施・取引先の信用状況に応じた担保、保証、取引信用保険付保等の債権保全策の実施 <ハザードリスク>(11) 自然災害等のBCPについて(リスクの内容) 商品開発、製造、調達、ロジスティクス、販売、サービスに係る当社グループの施設は、国内全域、海外(北米、中国・香港、東南アジア各国)に点在しております。地震・洪水・暴風雨・大雪等の自然災害に伴うインフラの停止、建物・設備の損壊に加え、情報システムの機能不全やデータの毀損等が発生した場合、操業停止や物流・サービス供給の遅延を招き、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。(リスク対策) 当社グループでは、自然災害等による事業活動への影響を最小限にとどめるため、災害発生時の事業継続計画(BCP)を策定しております。同計画では、有事におけるグループ全体の社員の安全確保と迅速な安否確認の徹底を最優先事項として掲げ、非常時の初期対応、報告方法、対策本部の設置と役割について明記しております。また、定期的な訓練や設備の点検を通じて実効性を高めるとともに、最新の災害リスクに基づき、毎年計画の見直しを実施しております。さらに、情報システムのバックアップ体制を整備するほか、商品の安定的な調達と供給を維持するため、仕入先や当社グループ拠点の被災時に備え、代替拠点から商品調達・配送が可能な体制を構築しております。 (12) 情報セキュリティについて(リスクの内容) 当社グループは、事業活動を通じ、個人情報を含む様々な機密情報を適切に管理するため、多くの投資を行っております。また、こうしたシステムの運用並びに導入・更新に際しては、システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じております。しかしながら、外部からのコンピュータウイルスやハッキングの被害、コンピュータ・ネットワーク機器の障害、ソフトウェアの不備等によるシステム障害、災害によるシステムの一部損壊による業務停止、情報の外部漏洩等の事態が発生するおそれがあり、これらの予期せぬトラブルの発生に伴い、社会的信頼を損なうとともに多額の費用負担が生じ、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を与える可能性があります。(リスク対策) 当社ではサイバーセキュリティ担当執行役員を選任し、サイバーセキュリティ統括室を設けております。サイバーセキュリティ担当執行役員は、サイバーセキュリティ委員会を主導し、委員会には社長執行役員をはじめ、各部門の責任者が参加し、半年ごとに情報セキュリティに関する課題を抽出し、対策を議論しています。 また、CSIRT(セキュリティ事故対応チーム)を設置し、グループ全体のインシデント管理に取り組むとともに、セキュリティ資格所持者の拡充に努めております。 具体的なリスク対策として、以下の取り組みを実行しております。・サーバー、ネットワーク機器は、適性に応じクラウド環境およびデータセンターへの移行・利用を推進しております。・外部からの不正アクセスやマルウェア等の対策として、不正侵入検知・監視サービスやセキュリティ対策ソフトを導入しております。また、認証強度の向上に継続して取り組んでおります。・ITシステムに影響を及ぼす不正なマルウェア等の侵入に対しては即時対応の仕組みを構築するとともに、SOC(Security Operation Center)と連携して迅速に対処できる体制を整備しております。・情報セキュリティ(個人情報を含む機密情報の保護および情報管理の重要性)に関する従業員向けの教育や訓練を定期的に実施しております。入社時教育と継続的な実践訓練プログラムを組み合わせることで、組織全体のセキュリティ対応力の向上に努めております。・重要なシステム機器については二重化しております。・サイバーセキュリティ損害保険に加入しております。・改正個人情報保護法に沿った個人情報保護規定を制定しております。 <法的・コンプライアンスリスク>(13) 法的規制および知的財産について(リスクの内容) 当社グループは、事業活動を展開する上で製造物責任、知的財産、環境、労務など多岐にわたる法的規制の適用を受けております。そのため、予期せぬ法令等の改正が行われた場合には、事業運営に制約が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、知的財産に関しては、“Joy of Design”をブランドステートメントとしてデザイン性と機能性に優れた商品開発に注力しておりますが、他社によって類似商品が製造されるリスクを完全には排除できません。また、万一第三者から知的財産権の侵害を主張され、訴訟が提起された場合には、係争費用や損害賠償等の損失が発生し、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を与える可能性があります。(リスク対策) 当社グループでは、これらのリスクを低減するため、下記のような様々な取り組みを行っております。・コンプライアンスの遵守を企業活動における最低必要条件と位置付け、国内外の法規制を常時監視して迅速な法対応が行える体制を維持するとともに、管理体制の構築や社員教育の強化を通じて、グループ全体のコンプライアンス意識の徹底を図っております。・自社事業に関連する特許、意匠および商標の出願・権利取得を積極的に行い、知的財産の創造、保護、活用を推進しております。加えて、競合他社の知財情報を常にモニタリングして社内で最新情報を共有し、新商品の発売に際しては事前の調査確認を徹底しております。・弁理士や弁護士等の外部専門家と緊密な連携体制を構築しており、リスク発生時には直ちに対策を講じることができるようにしております。

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