事業の概要
- 半導体・電子部品の専門商社三信電気グループは、半導体や電子部品の販売・輸出入を主力事業としています。国内外のメーカーから部品を仕入れ、家電やモバイル機器メーカーなどの顧客に提供することで収益を上げています。また、これらの部品に関する技術サービスや情報提供も行い、顧客の製品開発を支援しています。
- ソリューション提供電子機器の販売や輸出入に加え、情報通信システムに関する技術サービスも提供しています。これは、単に製品を売るだけでなく、顧客の課題解決に繋がるシステム全体を提案・構築することで、付加価値の高いサービスを提供し、収益源としています。
- 開発・受託開発子会社である株式会社TAKUMIでは、電子機器、半導体・電子部品、ソフトウェアの開発および受託開発も手掛けています。これにより、自社で技術力を蓄積し、顧客の多様なニーズに応えることで、事業の幅を広げ、収益機会を増やしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- デバイス事業半導体・電子部品の販売・輸出入が主な事業内容です。当社と海外子会社(香港、シンガポール、台湾、韓国、タイ、上海)が中心となって展開しており、半導体・電子部品に関する技術サービスや情報提供も行っています。最新年度の売上高は1,392.69億円で、グループの主力事業であり、収益の大部分を占めています。
- ソリューション事業電子機器の販売・輸出入と、情報通信システムに関する技術サービスを提供しています。主に当社が担当しており、顧客の課題解決に繋がるシステム提案や構築を通じて収益を得ています。最新年度の売上高は180.72億円で、デバイス事業に次ぐ規模の事業として、グループの多様な収益源の一つとなっています。
- その他(非連結子会社)アクシスデバイス・テクノロジー株式会社、三信力電子(深圳)有限公司、SAN SHIN ELECTRONICS (MALAYSIA) SDN. BHD.、株式会社三信システムデザインの4社が非連結子会社として存在します。これらの会社は半導体に関する技術サービス・情報提供や、半導体・電子部品およびコンピュータシステムに関する技術開発を行っており、グループ全体の技術力強化や事業支援を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DeviceBusiness | 地域 | 1,393 | − | − |
| SolutionBusiness | 地域 | 181 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社12社で構成されており、当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。 なお、当社及び連結子会社8社における2事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 当社及び連結子会社8社事業区分名称事業内容デバイス事業当社半導体・電子部品の販売・輸出入SANSHIN ELECTRONICS (HONG KONG) CO., LTD.SANSHIN ELECTRONICS SINGAPORE (PTE) LTD.台湾三信電気股份有限公司SANSHIN ELECTRONICS CORPORATIONSANSHIN ELECTRONICS KOREA CO., LTD.半導体・電子部品の販売・輸出入半導体・電子部品に係わる技術サービス・情報提供SANSHIN ELECTRONICS (THAILAND) CO., LTD.半導体・電子部品の販売・輸出入三信国際貿易(上海)有限公司半導体・電子部品の販売・輸出入半導体・電子部品に係わる技術サービス・情報提供株式会社TAKUMI電子機器、半導体・電子部品、ソフトウェアの開発及び受託開発、販売ソリューション事業当社電子機器の販売・輸出入、情報通信システムに関する技術サービス 非連結子会社4社名称事業内容アクシスデバイス・テクノロジー株式会社半導体に係わる技術サービス・情報提供三信力電子(深圳)有限公司半導体・電子部品に係わる技術サービス・情報提供SAN SHIN ELECTRONICS (MALAYSIA) SDN. BHD.株式会社三信システムデザイン半導体・電子部品及びコンピュータシステムに関する技術開発 事業の系統図は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 上位仕入先・得意先への依存度が高く、価格交渉力が弱い可能性があるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | なし 明確な参入障壁に関する記載なし |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:主要仕入先への依存リスク / 主要得意先への依存リスク / 在庫の陳腐化リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
三信電気は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開情報からは確認できません。事業内容は電子部品・半導体・自動車部品等の卸売であり、これらは一般的に無形資産による競争優位性が低い分野です。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
電子部品や半導体の卸売において、顧客が特定のサプライヤーから別のサプライヤーへ切り替える際には、仕様確認、評価、再認証などの一定の手間やコストが発生する可能性があります。しかし、これが顧客にとって非常に大きな損失となるほどのスイッチング・コストを発生させるかは不明瞭です。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
三信電気の事業モデルは、サプライヤーと顧客を結びつける卸売業であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が働く構造ではありません。ユーザー数の増加がサービスの価値を直接高める要素は見当たりません。
コスト優位★☆☆☆☆
卸売業として、仕入れ交渉力や効率的な物流網の構築により、一定のコスト競争力を維持している可能性はあります。しかし、構造的に競合他社よりも圧倒的に安価に提供できるような、明確なコスト優位性を示す情報は確認できません。
規模の経済★★★☆☆
電子部品・半導体・自動車部品等の卸売市場において、長年の事業継続と取引実績により、一定の規模と販売網を確立していると考えられます。業界内での主要プレイヤーの一つとして、効率規模のメリットを享受している可能性がありますが、寡占度合いは不明です。
- 広範なサプライチェーンと技術支援半導体・電子部品の販売・輸出入において、国内外に広がる子会社網を通じて多様な仕入先と顧客を結びつけています。これにより、安定した部品供給と、半導体・電子部品に関する技術サービス・情報提供を組み合わせることで、顧客の製品開発を多角的に支援し、競争優位性を築いています。
- 多様な事業展開によるリスク分散デバイス事業で半導体・電子部品の販売を主軸としつつ、ソリューション事業で電子機器販売や情報通信システム技術サービス、さらに開発・受託開発まで手掛けることで、特定の事業や製品に依存しすぎない事業構造を構築しています。これにより、市場変動リスクを分散し、安定的な経営基盤を維持しています。
- グローバルな事業展開香港、シンガポール、台湾、韓国、タイ、上海などアジアを中心に海外子会社を展開し、半導体・電子部品の販売・輸出入を行っています。これにより、地域ごとの市場ニーズに対応し、グローバルなサプライチェーンを構築することで、事業規模の拡大と収益機会の創出を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 長期ビジョンと重要課題の設定テクノロジーの可能性を探求し、豊かな暮らしと社会の発展に貢献することをミッションとしています。顧客のベストパートナー、安心・安全を支える企業、持続可能な地球環境への貢献、社員の成長と幸福を実感できる企業を目指し、事業の持続的成長やサステナビリティに関する重要課題に取り組んでいます。
- 収益性と資本効率の向上自己資本当期純利益率(ROE)と経常利益を重要な経営指標とし、その向上を目指しています。具体的には、事業構造の最適化、間接業務の効率化、デジタル技術を活用した成長事業の開拓、資本効率の継続的な改善を通じて、安定的にROE8%以上を実現する事業構造の構築を目指しています。
- 中期経営計画と株主還元2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「V76」を策定し、経常利益50億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益35億円以上を目標としています。連結配当性向50%を目処に株主還元を継続しつつ、成長投資と内部留保のバランスを考慮し、企業価値の向上を図る方針です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、幅広いステークホルダーと相互理解を深め、共に発展していくことが持続的な企業価値の向上に繋がると考えております。当社グループでは長期的な企業ビジョンを定め、その実現に向けた重要課題を設定しました。これらの課題に真摯に取り組んでまいります。 ①長期的な企業ビジョン<存在意義(ミッション)> テクノロジーの新しい可能性を探究し、人々の豊かな暮らしと社会の発展に貢献します<長期的に会社が目指す姿(ビジョン)> 人と技術と英知を磨き、お客様の課題解決のベストパートナーとして選ばれる企業 人々の安心・安全を守り、快適で心豊かな暮らしを支える企業 持続可能な地球環境を未来につなぐ企業 すべての社員が誇りとやりがいを持って働き、成長と幸福を実感できる企業<大切にする価値観(バリュー)> 社是(信用、信念、信実)、行動基準 ②長期的な企業ビジョンの実現に向けた重要課題ⅰ.事業の持続的成長と資本効率の向上を実現するための課題(ⅰ)長期的な事業構造の最適化に向けたリソースシフト、組織・制度の整備(ⅱ)既存事業における間接業務の効率化、SFA活用による売上、収益拡大(ⅲ)デジタル技術を活用したソリューションによる成長事業の開拓(ⅳ)資本効率の継続的な改善ⅱ.サステナビリティに関する課題(ⅰ)人的資本経営の推進(ⅱ)サプライチェーンにおける環境マネジメントの推進(ⅲ)事業を通じた社会課題解決への寄与(ⅳ)経営会議体の実効性向上を通じた監督機能の強化 (2)目標とする経営指標 自己資本当期純利益率(ROE)と経常利益を重要な経営指標として捉え、その向上に努めてまいります。 (3)利益配分に関する基本方針 当社は、株主の皆様に利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置づけております。配当につきましては、連結配当性向50%を目処とし、株主の皆様への利益還元、成長機会獲得のための投資、持続的な成長を可能とする内部留保、資本効率の向上、これらのバランスを考慮して決定することを基本方針としております。 (4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題等 当社グループは、株主資本コストを8%程度と想定している一方で、事業の収益性、安定性、成長性に同業他社比課題があり、安定的にROE8%を上回るための収益基盤および財務基盤の整備が必要です。また、ROE向上と併せて株主資本コストを低減することでエクイティスプレッドを拡大することも、企業価値の向上を図るうえでの課題となっております。 このような課題に対し、当社グループでは当社第76期(2027年3月期)を最終年度とするV76中期経営計画を策定し、安定してROE8%以上を実現する事業構造の構築に向け「経常利益50億円以上」「親会社株主に帰属する当期純利益35億円以上」という最終年度目標を掲げ、以下の取り組みを実践することといたしました。 ①事業の持続的成長と資本効率の向上を実現するための取り組みⅰ.収益性、安定性、成長性の向上に資する事業戦略<デバイス事業>(ⅰ)集約/効率化による収益性の向上(ⅱ)成長市場へのリソースシフトや技術力や当社独自性を通じた競争力向上による安定性の向上(ⅲ)成長性の向上に必要な新たな戦略事業の構築<ソリューション事業>(ⅰ)アプリケーションシステム関連ビジネスとプラットフォーム関連ビジネスの収益性の向上(ⅱ)ネットワークシステム関連ビジネスと映像システム関連ビジネスの維持、拡大による安定性の向上(ⅲ)消防・防災関連ビジネスのエリア拡大やDX/AIをはじめとする新規ビジネスの創造による成長性の向上ⅱ.財務戦略(ⅰ)効率性と安全性を両立した資本構成の最適化(ⅱ)収益性改善とキャッシュ創出に向けた資産効率の向上(ⅲ)資本収益性に基づく適切なリソースの配分ⅲ.株主還元政策 連結配当性向50%を目処とした配当継続 ②サステナビリティに関する取り組みⅰ.人的資本経営の推進(ⅰ)多様な人材の活躍推進に向けた意識・行動改革と制度整備(ⅱ)戦略的能力獲得に向けて人材の採用、教育への積極的投資(ⅲ)DX推進による労働生産性の向上と創造的活動の拡大ⅱ.環境マネジメントの推進 TCFD提言に沿った開示の充実とGHG排出量の削減ⅲ.監査等委員会、指名報酬委員会を通じた監督機能の強化
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、幅広いステークホルダーと相互理解を深め、共に発展していくことが持続的な企業価値の向上に繋がると考えております。当社グループでは長期的な企業ビジョンを定め、その実現に向けた重要課題を設定しました。これらの課題に真摯に取り組んでまいります。 ①長期的な企業ビジョン<存在意義(ミッション)> テクノロジーの新しい可能性を探究し、人々の豊かな暮らしと社会の発展に貢献します<長期的に会社が目指す姿(ビジョン)> 人と技術と英知を磨き、お客様の課題解決のベストパートナーとして選ばれる企業 人々の安心・安全を守り、快適で心豊かな暮らしを支える企業 持続可能な地球環境を未来につなぐ企業 すべての社員が誇りとやりがいを持って働き、成長と幸福を実感できる企業<大切にする価値観(バリュー)> 社是(信用、信念、信実)、行動基準 ②長期的な企業ビジョンの実現に向けた重要課題ⅰ.事業の持続的成長と資本効率の向上を実現するための課題(ⅰ)長期的な事業構造の最適化に向けたリソースシフト、組織・制度の整備(ⅱ)既存事業における間接業務の効率化、SFA活用による売上、収益拡大(ⅲ)デジタル技術を活用したソリューションによる成長事業の開拓(ⅳ)資本効率の継続的な改善ⅱ.サステナビリティに関する課題(ⅰ)人的資本経営の推進(ⅱ)サプライチェーンにおける環境マネジメントの推進(ⅲ)事業を通じた社会課題解決への寄与(ⅳ)経営会議体の実効性向上を通じた監督機能の強化 (2)目標とする経営指標 自己資本当期純利益率(ROE)と経常利益を重要な経営指標として捉え、その向上に努めてまいります。 (3)利益配分に関する基本方針 当社は、株主の皆様に利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置づけております。配当につきましては、連結配当性向50%を目処とし、株主の皆様への利益還元、成長機会獲得のための投資、持続的な成長を可能とする内部留保、資本効率の向上、これらのバランスを考慮して決定することを基本方針としております。 (4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題等 当社グループは、株主資本コストを8%程度と想定している一方で、事業の収益性、安定性、成長性に同業他社比課題があり、安定的にROE8%を上回るための収益基盤および財務基盤の整備が必要です。また、ROE向上と併せて株主資本コストを低減することでエクイティスプレッドを拡大することも、企業価値の向上を図るうえでの課題となっております。 このような課題に対し、当社グループでは当社第76期(2027年3月期)を最終年度とするV76中期経営計画を策定し、安定してROE8%以上を実現する事業構造の構築に向け「経常利益50億円以上」「親会社株主に帰属する当期純利益35億円以上」という最終年度目標を掲げ、以下の取り組みを実践することといたしました。 ①事業の持続的成長と資本効率の向上を実現するための取り組みⅰ.収益性、安定性、成長性の向上に資する事業戦略<デバイス事業>(ⅰ)集約/効率化による収益性の向上(ⅱ)成長市場へのリソースシフトや技術力や当社独自性を通じた競争力向上による安定性の向上(ⅲ)成長性の向上に必要な新たな戦略事業の構築<ソリューション事業>(ⅰ)アプリケーションシステム関連ビジネスとプラットフォーム関連ビジネスの収益性の向上(ⅱ)ネットワークシステム関連ビジネスと映像システム関連ビジネスの維持、拡大による安定性の向上(ⅲ)消防・防災関連ビジネスのエリア拡大やDX/AIをはじめとする新規ビジネスの創造による成長性の向上ⅱ.財務戦略(ⅰ)効率性と安全性を両立した資本構成の最適化(ⅱ)収益性改善とキャッシュ創出に向けた資産効率の向上(ⅲ)資本収益性に基づく適切なリソースの配分ⅲ.株主還元政策 連結配当性向50%を目処とした配当継続 ②サステナビリティに関する取り組みⅰ.人的資本経営の推進(ⅰ)多様な人材の活躍推進に向けた意識・行動改革と制度整備(ⅱ)戦略的能力獲得に向けて人材の採用、教育への積極的投資(ⅲ)DX推進による労働生産性の向上と創造的活動の拡大ⅱ.環境マネジメントの推進 TCFD提言に沿った開示の充実とGHG排出量の削減ⅲ.監査等委員会、指名報酬委員会を通じた監督機能の強化
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、米国における政策の不確実性の高まりや年度末に顕在化した中東情勢の緊迫化など、先行き不透明な状況が続きました。当社グループの事業領域であるエレクトロニクス業界は、AIをはじめとする次世代技術の需要拡大が半導体市場全体を牽引し、また国内のICT業界は、企業における生産性向上や業務効率化を目的としたシステムの更新需要が依然として力強く推移しました。 このようななか、当社グループにおきましては2024年5月10日に公表しました長期的なビジョンの実現に向けた重要課題に鋭意取り組むこととし、その実行計画の第一段階として策定した当社第76期(2027年3月期)を最終年度としたV76中期経営計画では、安定してROE8%以上を実現する事業構造の構築に向け、「経常利益50億円以上」「親会社株主に帰属する当期純利益35億円以上」という最終年度目標を掲げ、事業の持続的成長と資本効率の向上を実現するための取り組みとサステナビリティに関する取り組みに注力してまいりました。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は1,723億66百万円(前期比9.5%増)、営業利益は69億14百万円(前期比19.4%増)、経常利益は60億78百万円(前期比23.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は大阪支店の土地及び建物の譲渡に伴う特別利益(固定資産売却益)を計上したことも影響し、49億55百万円(前期比40.7%増)となり、自己資本当期純利益率(ROE)は11.5%(前期は8.9%)となりました。 なお、連結会社間での収益及び費用の内部取引におきましては、親会社の取引は取引発生時のレートまたは為替予約レートにより換算し、在外子会社の取引は期中平均レートにより換算して相殺消去しております。当連結会計年度は円安が進行したことに伴い、相殺消去する費用が対応する収益を大きく上回ったため営業利益は増加しておりますが、同額が営業外費用の為替差損として調整されており、経常利益への影響はありません。 セグメント別の業績概況は次のとおりであります。 (デバイス事業) デバイス事業におきましては、主にエレクトロニクスメーカー向けに半導体(システムLSI、マイコン、パワー半導体、液晶ディスプレイドライバIC、メモリ等)や電子部品(コネクタ、コンデンサ、液晶パネル、モジュール等)の販売に加え、ソフト開発やモジュール開発等の技術サポートを行っております。 当連結会計年度におきましては、機構部品や海外メーカーの商材が堅調に推移したこと、また前年度下期に本格化した車載向けの新規ビジネスが今年度は期初から業績に寄与したことなどから、売上高は1,502億17百万円(前期比7.9%増)となりました。しかしながら、販売構成の変化により売上総利益率が低下したことに加え、販管費が増加したことにより、セグメント利益は26億94百万円(前期比2.8%減)となりました。 (ソリューション事業) ソリューション事業におきましては、クラウドサービスを利用したネットワークインフラやセキュリティ製品について、お客様の環境に最適化したオファリングを通じて、設計・構築から運用・保守までを一貫して提供、価値創出に貢献しております。また、販売・生産管理をはじめとした基幹系業務システムや、人事・給与・会計等のアプリケーションをオンプレミスからクラウドまで様々な形態で提供しております。さらにAI商材・サービスへの取り組みを加速しており新規領域の開拓やDX人材育成を推進しております。 当連結会計年度におきましては、企業等におけるDX推進ニーズを背景に、ネットワークシステムやプラットフォームといったビジネス・ユニットを中心に各分野とも総じて好調に推移したこと、また公共系の大規模な設備更新の案件獲得があったことや一部に案件前倒しの動きが見られたことから、売上高は過去最高となる221億48百万円(前期比22.6%増)となりました。また、販管費は増加したものの増収効果に加え、AI商材拡販による新規顧客拡大に伴い売上総利益率が向上したことから、セグメント利益も過去最高となる33億84百万円(前期比56.6%増)となりました。 (注)各事業のセグメント損益は経常損益ベースの数値であります。 ②財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて69億88百万円増加し、910億37百万円となりました。これは主に売上債権の増加39億93百万円、商品の増加12億15百万円等によるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて15億44百万円増加し、450億42百万円となりました。これは主に仕入債務の増加43億82百万円、未払法人税等の増加5億60百万円、リース債務の増加2億97百万円、短期借入金の減少43億69百万円等によるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて54億44百万円増加し、459億95百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加31億63百万円、為替換算調整勘定の増加17億17百万円等によるものです。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加、有形固定資産の売却等による収入が売上債権の増加、短期借入金の返済、配当金の支払い等による支出を上回り、前連結会計年度末に比べて2億19百万円増加し、95億80百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加等による収入が売上債権の増加等による支出を上回り、57億5百万円の収入となり、前連結会計年度に比べて収入が17億25百万円増加しております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が有形固定資産やソフトウェアの取得等による支出を上回り、6億77百万円の収入となりました。その結果、前連結会計年度が22億21百万円の支出であったことから、28億99百万円の収入増となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済、配当金の支払い等により65億93百万円の支出となり、前連結会計年度に比べて支出が54億82百万円増加しております。 ④仕入、受注及び販売の実績a.仕入実績 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)デバイス事業138,76811.5ソリューション事業15,46218.3合計154,23012.1 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)デバイス事業148,787△2.765,647△2.1ソリューション事業22,9375.012,2046.9合計171,725△1.777,851△0.8 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)デバイス事業150,2177.9ソリューション事業22,14822.6合計172,3669.5 (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)任天堂株式会社18,19611.629,75217.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ①経営成績の分析 当社グループでは、当社第76期(2027年3月期)を最終年度とするV76中期経営計画(V76)を策定し、その定量目標として「安定してROE8%以上を実現する事業構造の構築」「経常利益50億円以上」「親会社株主に帰属する当期純利益35億円以上」を掲げ、課題に取り組んでおります。デバイス事業、ソリューション事業ともに収益性、安定性、成長性の向上に資する事業戦略を策定し、目標の実現に向けて鋭意取り組んだ結果、当連結会計年度におけるROEは11.5%、経常利益は6,078百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4,955百万円となりました。 なお、V76における課題等の詳細は「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題等」に記載のとおりであります。V76定量目標(連結基準)に対する進捗状況 2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期予想 ROE8.9%11.5%8.0% 経常利益4,934百万円6,078百万円5,000百万円 親会社株主に帰属する 当期純利益3,522百万円4,955百万円3,600百万円 ②資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要のうち主なものは、営業取引から生じる運転資金であります。運転資金につきましては、金融機関等からの短期借入により資金調達を行うことを基本としております。なお、不測の事態に備え、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的として、取引金融機関4行とコミットメントライン契約を締結しております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、20,186百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,580百万円となっております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 主要仕入先への依存デバイス事業では、上位3社の仕入先グループからの仕入れが全体の約65%を占めています。これらの仕入先の製品戦略変更、生産停止、企業再編などが起こると、部品の調達が困難になり、売上高や利益に大きな影響が出る可能性があります。
- 主要得意先への依存デバイス事業では、上位4社の得意先グループへの売上が約50%を占めており、特に家電やモバイル機器メーカーへの比重が高いです。景気変動や大口顧客の調達方針変更、工場停止などが起こると、売上高や利益に大きな影響を受ける可能性があります。
- 為替変動リスク売上高の約70%が米ドル建て、仕入高の約75%も米ドル建て取引であり、為替相場の変動が損益に直接影響します。円高に振れた場合、外貨建ての売上が目減りし、利益が減少する可能性があります。また、海外子会社の財務諸表を円換算する際も、為替変動が連結業績に影響を与えます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループでは、「リスク管理規程」に基づき、総合リスク対策委員会を設置し、リスクの洗い出し、未然の予防、リスクが発生した場合の迅速な対応を行い、定期的に取締役会へリスク管理状況を報告しております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 リスク分類リスクの説明対策区分気候変動問題に関するリスク気候変動問題は世界的な取り組みが必要な喫緊の課題となっており、その取り組みに連動する形で各国、各地域における法規制の強化やマーケットの変化が発生しております。このような動きに伴うリスク/機会を評価し、適正に対応できなかった場合、競争力の低下や社会的な信用の失墜を招くことが予想され、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通りです。全社主要仕入先への依存リスクデバイス事業の仕入先のうち上位3社及びそれぞれのグループ会社からの仕入高の構成比は、当連結会計年度において約65%を占めております。このため上位仕入先における製品戦略や生産方針、販売店政策の変更、パンデミック等の不可抗力による工場稼働停止、企業再編等が行われた場合、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。デバイス事業では、海外メーカー製品の商品ラインナップ拡充による売上拡大に注力しております。また、主に製造/インフラ市場向けにAI/IoTソリューションビジネスにも継続して注力しております。このような取り組みを通じて顧客及びマーケット、ならびに仕入先の拡大を図ることで、外部の環境変化に強い収益基盤ならびに持続可能な成長基盤の構築に努めております。デバイス事業主要得意先への依存リスクデバイス事業における大口顧客の多くは、家電やモバイルをはじめとした民生用機器メーカーとなっており、特定の分野の比重が高くなっております。また、デバイス事業の得意先のうち上位4社及びそれぞれのグループ会社に対する売上高の構成比は、当連結会計年度において約50%を占めております。このため、景気動向に加え、大口顧客において製品戦略や調達方針の変更(各国の関税政策に起因するものを含む)、パンデミック等の不可抗力による工場稼働停止、企業再編等が行われた場合、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。デバイス事業ソリューション事業においても、大口顧客の売上割合が高い収益構造になっております。このため、大口顧客において製品戦略や調達方針の変更、また当販売先での企業再編等が行われた場合、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。ソリューション事業では、人員増強による拡販強化や仕入先との連携強化、クラウドサービスのメニュー拡充、AIを中心とした新商材の投入による新規顧客の発掘等の取り組みを通じて顧客基盤の拡大に努めております。ソリューション事業 リスク分類リスクの説明対策区分在庫の陳腐化リスク半導体商社の重要な機能として、得意先への安定供給とリードタイムの短縮を目的に、一定水準の在庫を保有しております。得意先の生産計画の変更や中止等により、当該在庫が陳腐化し、商品評価損が計上されることで、利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、在庫委員会を設置し、グループ全体の適正な在庫水準の維持と滞留在庫の防止に努めております。得意先の生産計画に変更がある場合には、早期に情報を入手し、仕入先と対応を協議しております。なお、在庫の評価につきましては、将来の販売可能性等を考慮し、適切に評価した上で商品評価損を計上しております。デバイス事業投資損失リスク当社グループでは、将来の成長に向けて新規商材や新規仕入先の開拓のために、ビジネスパートナーへ投資を行うことがあります。企業への投資は、不確実性が高く、当初の事業計画通りに事業が進まず投資損失を計上することで、利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、投資委員会を設置し、投資先の財政状態、戦略の実現可能性、投資リターン等を慎重に検証して投資可否の意思決定を行っております。また、投資後におきましても投資先のモニタリングを行い、定期的に取締役会へ報告を行っております。なお、投資先の評価につきましては、投資先の事業計画と実績に大幅な乖離が生じた場合、実質価額まで評価を下げ、投資有価証券評価損を計上しております。全社債権回収不能リスク当社グループでは、得意先の売上債権回収期間と仕入先の仕入債務支払期間の差を埋める金融機能が重要な役割となっております。当社グループの売上債権回転期間は、約3.1ヶ月となっており、得意先の財政状態に問題が起きた場合、回収不能となるリスクがあります。なお、当連結会計年度末の売上債権額は446億円となっております。当社では、債権管理委員会を設置し、グループ全体の与信管理、債権事故の防止に努めております。得意先の信用状況に懸念が生じた場合は、信用保険やファクタリング等のリスクヘッジ策を講じております。なお、債権の評価につきましては、回収懸念のある債権は回収不能見込額を適切に見積もった上で貸倒引当金を設定しております。全社 リスク分類リスクの説明対策区分借入金の増加リスク当社グループでは、売上債権の回収期間と比較して仕入債務の支払期間が短くなっております。そのため、売上の増加に伴い運転資金の需要が発生することから、この運転資金を金融機関等外部から調達する財政構造となっております。この結果、借入金の増加や金利の上昇は支払利息の増加となり、利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、借入金の増加は自己資本比率の押し下げ要因となることから、機動的な資本政策の実施を阻害する可能性があります。なお、当連結会計年度末における借入金額は197億円であり、自己資本比率は50.5%となっております。当社グループでは、主に銀行から借入金により資金調達を行っており、資金余剰時に機動的に借入金を返済できるように返済期日を分散して管理しております。また、収支管理を徹底し、借入額の極小化に努めております。金利上昇時には長期固定金利の借入金や金利デリバティブ等を活用し、リスクヘッジに努めております。また、必要な資金を確保できるように複数の金融機関と借入枠の契約を締結しております。さらに、債権流動化等により売上債権の早期資金化を行うことで借入金の増加を抑えております。全社為替の変動リスク当社では、外貨建ての輸出取引に加え、国内取引においても外貨建て決済の取引があり、売上高の約70%は米ドル建て取引となっております。仕入につきましても外貨建ての輸入取引に加え、外貨建て決済の国内取引があり、仕入高の約75%は米ドル建て取引となっております。為替相場が変動した場合、外貨建て資産及び負債の決済時や評価時に為替差損が発生する可能性があります。また、当社グループは、アジアを中心に海外に子会社を設立し、事業を展開しております。連結財務諸表の作成にあたっては、在外子会社の外貨建て財務諸表を円換算することから、為替相場が変動した場合、連結業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、為替相場の変動による損益への影響を軽減するために為替予約や為替マリー、外貨建て借入金等を活用し、リスクヘッジに努めております。デバイス事業