8152

ソマール(8152)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 高機能材料事業
    ソマールグループは、電子部品や産業資材向けのフィルム、電気絶縁用樹脂、電子部品用接着剤、回路基板材料など、幅広い高機能材料の製造・販売を主力としています。これらの製品は、スマートフォンや自動車の電装部品など、現代社会に不可欠なエレクトロニクス分野を支える重要な素材です。自社で開発・製造する「メーカー機能」と、他社製品を仕入れて販売する「商社機能」を併せ持つことで、顧客の多様なニーズに対応し、収益を上げています。
  • 環境材料事業
    工業用殺菌剤や製紙用ケミカルズ(紙の製造に使われる化学品)の製造・販売も行っています。特に製紙用化学品は、紙の品質向上に貢献する重要な材料であり、環境負荷低減にも配慮した製品開発を進めています。この事業も、メーカー機能と商社機能の両方を活用し、顧客への最適なソリューション提供を通じて収益を確保しています。
  • 食品材料事業
    増粘安定剤、乾燥野菜、食品添加物といった食品素材の製造・販売も手掛けています。これらの素材は、食品の食感や保存性を向上させるために広く利用されており、人々の食生活を豊かにする上で重要な役割を担っています。食品の安全性に対する意識の高まりに対応しつつ、安定した需要を背景に収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 高機能材料事業
    電子部品用フィルム、粘接着フィルム、精密部品用フィルム、電気絶縁用樹脂、電子部品用接着・封止樹脂、回路基板材料などを扱う事業です。スマートフォンや自動車の電装部品、半導体など、エレクトロニクス分野の成長を支える基幹事業であり、売上高210.49億円、営業利益24.64億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。自社開発・製造と仕入販売の両面で事業を展開しています。
  • 環境材料事業
    工業用殺菌剤や製紙用ケミカルズ(紙塗工用バインダーなど)の製造・販売を行う事業です。紙の製造工程や水処理など、環境関連分野に貢献する製品を提供しています。売上高67.16億円、営業利益2.27億円と、高機能材料事業に次ぐ規模を持ち、安定した需要が見込まれる分野です。特定の取引先からの仕入れに依存するリスクも抱えています。
  • 食品材料事業
    増粘安定剤、乾燥野菜、食品添加物といった食品素材の製造・販売を手掛ける事業です。食品の品質向上や機能性付与に貢献する製品を提供しており、人々の食生活に密接に関わっています。売上高25.12億円、営業利益1.40億円と、グループの中では比較的小規模ですが、安定した需要基盤を持つ事業として位置づけられています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
HighTechMaterials 事業 210 25 11.7%
EnvironmentalMaterails 事業 67 2 3.4%
FoodMaterials 事業 25 1 5.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|757 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社9社及びその他の関係会社によって構成されております。 当社グループの事業内容は以下のとおりであります。なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。また、各事業における主要な会社の名称は、次の「事業系統図」及び「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。 (1) 当社及び子会社① 高機能材料事業(コーティング製品)電子部品用フィルム、粘接着フィルム、精密部品用フィルム産業資材用フィルム、設計・複写用フィルム、サイン用フィルム、受託生産(高機能樹脂製品)電気絶縁用樹脂、電子部品用接着・封止樹脂、レジスト材料、洗浄剤(電子材料)回路基板材料、回路形成材料、アラミッド材料、機能性フィルム(機能性樹脂)熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、樹脂用添加剤 ② 環境材料事業(ファインケミカルズ)工業用殺菌剤、製紙用ケミカルズ(製紙用化学品)紙塗工用バインダー、製紙関連ケミカルズ ③ 食品材料事業(食品素材等)増粘安定剤、乾燥野菜、食品添加物 ④ その他の事業 新規開発事業関連製商品(2) その他の関係会社㈱ナガツタコーポレーションはゴルフ練習場経営を行っており、㈱シンクは総合リース業、ゴルフ用品の販売及び保険代理業、㈲対和は投資顧問業、㈱宗屋は主にゴルフ場経営及び不動産賃貸管理業、多摩興産㈱はゴルフ場経営、㈲龍和は有価証券の売買等を行っております。その他の関係会社各社の事業活動と、当社及び子会社の事業活動の間に関連性はありません。(事業系統図)事業の系統図は次のとおりであります。 (注)図中の → は主要な商品、製品の流れを示しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合他社との品質や価格の競争激化、廉価な同種品や高機能新商品の市場投入。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年培った技術資源やノウハウを基盤とした、高機能材料や機能性樹脂の研究開発。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:原材料価格上昇、為替変動、新製品開発遅延 / 特定の取引先への依存(旭化成の事業撤退) / 保有有価証券の価格変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ソマール(8152)の財務サマリデータが存在しないため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は不可能。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

卸売業という業態上、取引先との長年の関係性や、特定のサプライヤー・顧客との結びつきが一定のスイッチング・コストを生む可能性はあるが、具体的なデータがなく、その強さを判断するには情報不足。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

卸売業は一般的にネットワーク効果が働きにくいビジネスモデルであり、ソマール(8152)に特化したネットワーク効果を示す証拠は見当たらない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

卸売業は規模の経済や効率的な物流網がコスト優位に繋がりうるが、ソマール(8152)の具体的なコスト構造や競合他社との比較データがないため、現時点では明確なコスト優位性は判断できない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

卸売業は市場規模に対して最適なプレイヤー数が寡占状態を形成することがあるが、ソマール(8152)の市場シェアや業界内でのポジションを示すデータがなく、効率規模の優位性を評価するには情報が不足している。

  • 独自のコア技術
    ソマールグループは長年にわたり培ってきた独自のコア技術を保有しており、これを高機能材料事業を中心に活用しています。電子部品用フィルムや精密部品用フィルム、電気絶縁用樹脂などの開発・製造において、他社にはない技術的な強みを発揮し、高品質・高付加価値な製品を提供することで競争優位性を確立しています。この技術力は、顧客からの信頼獲得と継続的な取引に繋がっています。
  • メーカーと商社の両機能
    ソマールグループは、自社で製品を開発・製造する「メーカー機能」と、他社製品を仕入れて販売する「商社機能」を兼ね備えています。このユニークなビジネスモデルにより、顧客の多様な課題に対して、自社製品だけでなく幅広い選択肢の中から最適なソリューションを提案できます。これにより、顧客との関係を強化し、市場の変化に柔軟に対応できる点が強みです。
  • グローバルな事業展開
    エレクトロニクス関連分野や自動車電装部品分野など、主要な事業領域において、海外新興市場や北米・欧州市場での事業活動を積極的に推進しています。海外売上比率が29.8%に達するなど、グローバルなサプライチェーンを構築し、世界中の顧客ニーズに対応できる体制を整えています。これにより、国内市場の縮小リスクを分散し、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 開発型企業としての価値向上
    ソマールグループは「高い企業倫理観のもとで、真に社会に貢献できる企業となる」という経営理念に基づき、長年培った独自のコア技術をさらに強化し、独自の事業領域を構築することを目指しています。顧客に存在価値を認められる「開発型企業」としての地位を確立し、グローバルに通用する企業品質を追求することで、持続的な成長を図ります。
  • 成長分野への重点投資とグローバル展開
    エレクトロニクス関連分野(電子回路基板、自動車電装部品、デジタル光学機器部品など)を今後の成長が見込まれる重要分野と位置づけ、市場拡大が期待される海外新興市場や堅調な北米・欧州市場での事業活動を積極的に推進します。メーカー機能と商社機能を相乗的に高め、複雑な課題解決に向けた提案を行うとともに、共同開発やOEM、受託製造を通じて「テクノロジーパートナー」としての価値を高めます。
  • 新規事業領域の育成と経営指標の向上
    高機能材料事業における5G通信や半導体領域への進出、機能性食品やバイオマテリアルを活用した化粧品・デザートの開発など、新たな事業領域の開拓と育成を急務としています。M&Aや産学連携も視野に入れ、次世代を担うグローバル人材の育成にも注力します。売上高営業利益率4.0%、総資産経常利益率5.0%、自己資本比率60.0%、海外地域売上比率20.0%を目標とし、高付加価値製品の拡販とグローバル展開により企業価値の増大を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「高い企業倫理観のもとで、真に社会に貢献できる企業となることを目指す」とする当社グループの経営理念に沿って、長年培ってきた独自のコア技術を更に強化するとともに、これら技術を総合的に活用して独自の事業領域を構築し、顧客に存在価値を認められる開発型企業としての位置づけを更に高めてまいります。また、グローバルに通用する企業品質を心がけ、将来に向けた成長分野と市場で重点的な事業展開を行うとともに、未来を切り拓く次世代技術にも積極的にチャレンジしてまいります。 (2)経営戦略等当社グループが長年関わってきた電子回路基板や自動車電装部品、更にはデジタル光学機器部品などを中心とするエレクトロニクス関連分野は、当社グループ独自のコア技術が特に活用でき、今後も成長が見込まれる重要分野と位置づけており、市場の拡大が期待できる海外新興市場や堅調な成長が続く北米や欧州市場などでの事業活動を積極的に推進してまいります。その中で、当社グループは、「メーカー機能」と「商社機能」を併せ持ちながら、それぞれの機能を相乗的に高め、複雑・多様な課題解決に向けて、適時・適切な提案を行ってまいります。加えて、事業領域を拡げる新たな市場の開拓や技術開発にも果敢にチャレンジして、共同開発やOEM製品の提供、更には受託製造といった「テクノロジーパートナー」としての存在価値を高め、企業の社会的責任を果たしてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、継続的な企業価値の増大を最も重要な経営課題として認識し、売上高営業利益率や総資産経常利益率といった事業や資本の効率性の指標を重視しながら、営業利益等の各利益金額の増加及びキャッシュ・フローの創出等を重要な経営指標として掲げております。 高付加価値製品の拡販や新製品の開発などを進展させつつ、グローバル展開を更に強化し、海外地域における事業活動を活発化させることで、今後とも経営指標の向上に向けて諸施策を実施し、業績の拡大及び企業価値の増大を図ってまいります。 (重視する経営指標等) 達成目標実績第79期(当連結会計年度)第78期(前連結会計年度)売上高営業利益率4.0%8.3%8.5%総資産経常利益率(ROA)5.0%8.2%9.4%自己資本比率60.0%63.4%65.1%海外地域売上比率20.0%32.8%29.8% (4)経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあり、国内景気は回復の兆しを見せ始めている一方、海外では各国での金融引き締めや、中東情勢悪化及びウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中国の不動産不況などによる経済活動や個人消費への影響から、当社グループの経営環境は、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。当社グループは、人々の暮らしに直結した幅広い業界に関わっておりますが、なかでも、スマートフォンやデジタルカメラといった情報端末機器で代表されるエレクトロニクス関係業界や、IT化・自動化が一段と進展する自動車関係業界、更には、製紙や食品といった業界などに深く関わってまいりました。そうした業界では、経済のグローバル化やわが国の少子高齢化を背景として国内需要の縮小が進行し、そのため、事業の軸足を海外市場へと移行させております。これに加えて、とりわけエレクトロニクスや自動車の業界では、人々の価値観の多様化の進展に伴い関連する製商品やサービスに対する要求が複雑・高度化し、かつ、その変化のスピードが一段と速まっており、その結果として、競合各社間の競争が益々激しさを増す厳しい経営環境となっております。(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、業績の持続的な向上と社会への更なる貢献を目指して、社会が求める課題の解決や新たな価値の創造に取り組み、長年培ってきた経営資源をベースにして、事業の重点化と他社との差別化を重視した事業運営を積極的に推進してまいりました。今後は引き続き、当社グループの経営方針に沿って、当社グループ独自の技術や情報を総合的に活用し、国内市場はもとより、グローバルな成長市場で積極的な事業展開を推進してまいります。とりわけ次に記載する事項は、当社グループが次のステージへと飛躍するために取り組むべき重要な課題と認識し、スピーディーな経営判断と各施策の着実な実施を通して成果を積み重ねながら、企業価値の向上に努めてまいります。 ① 当社グループの経営資源を生かした新規事業領域の育成当社グループの収益を高め、持続的な成長を果たしていくためには、当社グループの強みを生かした既存事業の強化は勿論のこと、特長ある新たな事業領域の開拓が不可欠です。当社グループの中核事業である高機能材料事業では、例えば、長年深く関わってきた電子部品や自動車電装部品などの業界に加え、これまで培ってきた独自の技術や情報を活用して、新たに高速5G通信や半導体等の領域にもビジネスをスタートさせました。更に、安定した需要が見込まれる機能性食品、バイオマテリアルの素材を活用した化粧品、食品機能性材料を使ったアイスクリームを含んだデザート、産学連携で取り組んでいるバイオマテリアルの早期上市を目指しております。こうした新たな事業領域を切り開くための開発の芽を今後も積極的に育てながら、かかる芽を事業の1つの柱となるまで大きく成長させていくことが急務であります。そのためには、次代を担うグローバルな人材を積極的に登用・育成し、社会が直面する様々な課題の解決能力を強化しながら、一方では、社内の経営資源のみに頼ることなく、他企業との連携や産学連携、更にはM&Aといった様々な選択肢も視野に入れながら、引き続き積極的なチャレンジを続けてまいります。 ② 経済のグローバル化に対応した独自の情報・生産・物流網の強化経済のグローバル化とともに、当社グループの主要な取引先も生産拠点を海外の成長市場へと積極的に移転を進め、これに呼応して当社グループも、取引先からの様々な要望に適切に応えていくため、グローバルなサプライチェーンの構築に鋭意努めてまいりました。その結果として、当社グループの当連結会計年度の海外地域売上高は、連結売上高の32.8%を占めるまでに成長し、海外市場の重要性が一段と高まっております。当社グループが得意とする自動車電装部品の業界や様々な電子部品の業界は、まさしく世界規模でのビジネス活動を展開しており、かかる業界の需要をよりグローバル視点で的確に捉え対応していくため、当社グループは2018年12月にはオランダに、2019年2月にはベトナムに新たな拠点を構築し、また、2020年7月にはシンガポールに海外事業の資本再編を目的とした中間持株会社を設立し、当社グループの発展に生かすべく活動を始めました。今後は、当社グループが持つこうしたグローバル拠点を通じて、海外市場の様々な情報をスピーディーかつ的確に把握し、各市場の潜在的なニーズも掘り起こしながら、顧客の課題解決に応えるサプライチェーンを構築して、引き続きその機能強化に努めてまいります。 ③ 当社グループの競争力を高め社会への貢献に資するガバナンス体制の強化政府の成長戦略の一環として策定されたコーポレートガバナンス・コードが、2015年6月から上場企業に適用され、企業のガバナンスの重要性が益々社会に認識されるようになっております。しかしながら、企業の不祥事は様々な形で継続し後を絶つことがありません。企業の存立は様々なステークホルダーとの信頼の上に成り立っており、かかる認識に立脚した企業経営が益々求められております。わが国企業の最近の不祥事発生事例では、とりわけ大企業におけるリスクマネジメントが注目を浴びており、発生の場は国内に留まらず、経営の目が届きにくい海外の子会社にも広く及んでおります。こうした状況に鑑み、グローバルに事業を拡大している当社グループとしましては、引き続きグローバル視点でガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。当社グループが長年培ってきた良き経営理念を大切にし、役員自ら率先垂範してその経営理念を生かした行動を実践し、当社グループのあるべき姿と価値観を全社員が共有して事業活動ができるよう、経営者自ら様々なコミュニケーションに努めております。当社グループは、引き続き社外取締役や社外監査役といった独立性の高い社外役員などによる経営監視のもとで、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を生かした経営に努め、当社グループの持続的発展と企業価値の向上に資するガバナンス体制となるよう、今後も継続した改善に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「高い企業倫理観のもとで、真に社会に貢献できる企業となることを目指す」とする当社グループの経営理念に沿って、長年培ってきた独自のコア技術を更に強化するとともに、これら技術を総合的に活用して独自の事業領域を構築し、顧客に存在価値を認められる開発型企業としての位置づけを更に高めてまいります。また、グローバルに通用する企業品質を心がけ、将来に向けた成長分野と市場で重点的な事業展開を行うとともに、未来を切り拓く次世代技術にも積極的にチャレンジしてまいります。 (2)経営戦略等当社グループが長年関わってきた電子回路基板や自動車電装部品、更にはデジタル光学機器部品などを中心とするエレクトロニクス関連分野は、当社グループ独自のコア技術が特に活用でき、今後も成長が見込まれる重要分野と位置づけており、市場の拡大が期待できる海外新興市場や堅調な成長が続く北米や欧州市場などでの事業活動を積極的に推進してまいります。その中で、当社グループは、「メーカー機能」と「商社機能」を併せ持ちながら、それぞれの機能を相乗的に高め、複雑・多様な課題解決に向けて、適時・適切な提案を行ってまいります。加えて、事業領域を拡げる新たな市場の開拓や技術開発にも果敢にチャレンジして、共同開発やOEM製品の提供、更には受託製造といった「テクノロジーパートナー」としての存在価値を高め、企業の社会的責任を果たしてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、継続的な企業価値の増大を最も重要な経営課題として認識し、売上高営業利益率や総資産経常利益率といった事業や資本の効率性の指標を重視しながら、営業利益等の各利益金額の増加及びキャッシュ・フローの創出等を重要な経営指標として掲げております。 高付加価値製品の拡販や新製品の開発などを進展させつつ、グローバル展開を更に強化し、海外地域における事業活動を活発化させることで、今後とも経営指標の向上に向けて諸施策を実施し、業績の拡大及び企業価値の増大を図ってまいります。 (重視する経営指標等) 達成目標実績第79期(当連結会計年度)第78期(前連結会計年度)売上高営業利益率4.0%8.3%8.5%総資産経常利益率(ROA)5.0%8.2%9.4%自己資本比率60.0%63.4%65.1%海外地域売上比率20.0%32.8%29.8% (4)経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあり、国内景気は回復の兆しを見せ始めている一方、海外では各国での金融引き締めや、中東情勢悪化及びウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中国の不動産不況などによる経済活動や個人消費への影響から、当社グループの経営環境は、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。当社グループは、人々の暮らしに直結した幅広い業界に関わっておりますが、なかでも、スマートフォンやデジタルカメラといった情報端末機器で代表されるエレクトロニクス関係業界や、IT化・自動化が一段と進展する自動車関係業界、更には、製紙や食品といった業界などに深く関わってまいりました。そうした業界では、経済のグローバル化やわが国の少子高齢化を背景として国内需要の縮小が進行し、そのため、事業の軸足を海外市場へと移行させております。これに加えて、とりわけエレクトロニクスや自動車の業界では、人々の価値観の多様化の進展に伴い関連する製商品やサービスに対する要求が複雑・高度化し、かつ、その変化のスピードが一段と速まっており、その結果として、競合各社間の競争が益々激しさを増す厳しい経営環境となっております。(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、業績の持続的な向上と社会への更なる貢献を目指して、社会が求める課題の解決や新たな価値の創造に取り組み、長年培ってきた経営資源をベースにして、事業の重点化と他社との差別化を重視した事業運営を積極的に推進してまいりました。今後は引き続き、当社グループの経営方針に沿って、当社グループ独自の技術や情報を総合的に活用し、国内市場はもとより、グローバルな成長市場で積極的な事業展開を推進してまいります。とりわけ次に記載する事項は、当社グループが次のステージへと飛躍するために取り組むべき重要な課題と認識し、スピーディーな経営判断と各施策の着実な実施を通して成果を積み重ねながら、企業価値の向上に努めてまいります。 ① 当社グループの経営資源を生かした新規事業領域の育成当社グループの収益を高め、持続的な成長を果たしていくためには、当社グループの強みを生かした既存事業の強化は勿論のこと、特長ある新たな事業領域の開拓が不可欠です。当社グループの中核事業である高機能材料事業では、例えば、長年深く関わってきた電子部品や自動車電装部品などの業界に加え、これまで培ってきた独自の技術や情報を活用して、新たに高速5G通信や半導体等の領域にもビジネスをスタートさせました。更に、安定した需要が見込まれる機能性食品、バイオマテリアルの素材を活用した化粧品、食品機能性材料を使ったアイスクリームを含んだデザート、産学連携で取り組んでいるバイオマテリアルの早期上市を目指しております。こうした新たな事業領域を切り開くための開発の芽を今後も積極的に育てながら、かかる芽を事業の1つの柱となるまで大きく成長させていくことが急務であります。そのためには、次代を担うグローバルな人材を積極的に登用・育成し、社会が直面する様々な課題の解決能力を強化しながら、一方では、社内の経営資源のみに頼ることなく、他企業との連携や産学連携、更にはM&Aといった様々な選択肢も視野に入れながら、引き続き積極的なチャレンジを続けてまいります。 ② 経済のグローバル化に対応した独自の情報・生産・物流網の強化経済のグローバル化とともに、当社グループの主要な取引先も生産拠点を海外の成長市場へと積極的に移転を進め、これに呼応して当社グループも、取引先からの様々な要望に適切に応えていくため、グローバルなサプライチェーンの構築に鋭意努めてまいりました。その結果として、当社グループの当連結会計年度の海外地域売上高は、連結売上高の32.8%を占めるまでに成長し、海外市場の重要性が一段と高まっております。当社グループが得意とする自動車電装部品の業界や様々な電子部品の業界は、まさしく世界規模でのビジネス活動を展開しており、かかる業界の需要をよりグローバル視点で的確に捉え対応していくため、当社グループは2018年12月にはオランダに、2019年2月にはベトナムに新たな拠点を構築し、また、2020年7月にはシンガポールに海外事業の資本再編を目的とした中間持株会社を設立し、当社グループの発展に生かすべく活動を始めました。今後は、当社グループが持つこうしたグローバル拠点を通じて、海外市場の様々な情報をスピーディーかつ的確に把握し、各市場の潜在的なニーズも掘り起こしながら、顧客の課題解決に応えるサプライチェーンを構築して、引き続きその機能強化に努めてまいります。 ③ 当社グループの競争力を高め社会への貢献に資するガバナンス体制の強化政府の成長戦略の一環として策定されたコーポレートガバナンス・コードが、2015年6月から上場企業に適用され、企業のガバナンスの重要性が益々社会に認識されるようになっております。しかしながら、企業の不祥事は様々な形で継続し後を絶つことがありません。企業の存立は様々なステークホルダーとの信頼の上に成り立っており、かかる認識に立脚した企業経営が益々求められております。わが国企業の最近の不祥事発生事例では、とりわけ大企業におけるリスクマネジメントが注目を浴びており、発生の場は国内に留まらず、経営の目が届きにくい海外の子会社にも広く及んでおります。こうした状況に鑑み、グローバルに事業を拡大している当社グループとしましては、引き続きグローバル視点でガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。当社グループが長年培ってきた良き経営理念を大切にし、役員自ら率先垂範してその経営理念を生かした行動を実践し、当社グループのあるべき姿と価値観を全社員が共有して事業活動ができるよう、経営者自ら様々なコミュニケーションに努めております。当社グループは、引き続き社外取締役や社外監査役といった独立性の高い社外役員などによる経営監視のもとで、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を生かした経営に努め、当社グループの持続的発展と企業価値の向上に資するガバナンス体制となるよう、今後も継続した改善に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要(1)業績当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、政府による各種政策の効果もあり国内景気は回復の兆しを見せ始めている一方、海外では各国での金融引き締めや、中東情勢悪化及びウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中国の不動産不況などによる経済活動や個人消費への影響から、当社グループの経営環境は、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。当社グループは、経営環境の変化が激しく不確定性が高い時代において、当社グループが有する独自の技術や情報を生かしつつ、製商品の差別化及び高付加価値化に鋭意取り組むとともに、今後の更なる成長が期待されている関係業界や新たな市場に対する当社グループの存在価値を高め、事業の強化を図ってまいります。特に、当社グループが重要な関係業界と位置付けている半導体・高速5G通信・デジタル光学機器などの電子機器業界や、益々IT化と自動化が進む自動車業界では、技術革新のスピードが速く、今後の見通しも難しいことから、継続的に様々な情報の収集に努め、スピーディーな経営判断を常に心がけてまいります。更に、安定した需要が見込まれる機能性食品、再生医療用に設計・開発した材料を用いた化粧品、食品機能性材料を使ったアイスクリームを含んだデザート、産学連携で取り組んでいるバイオマテリアル及び次世代材料の早期上市を目指しております。当連結会計年度においては、製紙業界向け製商品の販売が軟調に推移したものの、自動車部品業界・半導体関連業界向け製商品の販売が好調を維持したことに加え、モバイル市場向け製商品の需要も堅調に推移したことを背景に、売上高は前年同期を上回りました。当連結会計年度の経営成績は、売上高は312億円(前年同期比2.8%増)、営業利益は26億4百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益は27億1千1百万円(前年同期比0.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した投資有価証券売却益(6億5千7百万円)が、当連結会計年度は発生しなかったこと等により、14億8千8百万円(前年同期比42.5%減)となりました。 セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。 [高機能材料事業]電子機器業界向け製商品の販売はモバイル市場・半導体関連市場を中心に需要が堅調に推移し、自動車部品業界向け販売はHEV・BEVの増産を背景にEV関連向け製商品の販売が好調を維持しました。自動車関連市場・半導体関連市場の需要が堅調である一方、重電市場・大型モーター市場では需要が力強さを欠く展開となり、市場により需要動向に濃淡が見られましたが、事業全体では概ね計画通りの進捗となった結果、当事業全体の売上高は225億4千6百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は25億5千4百万円(前年同期比3.7%増)となりました。 (主な製商品群の概況)製商品群概況(数値は前年同期との対比)コーティング製品モバイル市場の底堅い需要に加え、需要が旺盛な半導体関連市場への対応を進めた結果、8.7%の増収となりました。高機能樹脂製品HEV・BEV向けを中心に車載関連製品の販売が好調に推移したことにより、13.0%の増収となりました。電子材料新規用途への展開及び顧客開拓を推進したものの、重電・産業機器モーター等の需要が低調に推移したことにより、5.2%の減収となりました。機能性樹脂市場全体で力強さを欠く分野があったものの、半導体関連市場等の堅調な需要に支えられ、2.4%の増収となりました。 [環境材料事業]主要な販売先である製紙業界は、印刷情報用紙・新聞用紙分野の需要減少が継続していることに加え、板紙・産業用紙分野の需要も輸出関連事業が低調に推移するなど力強さを欠く状況が続き、事業を取り巻く環境は引き続き厳しいものとなっております。このような状況下、当社グループは市場ニーズに応じて特長を生かした差別化製商品の拡販と新たな用途や周辺市場の開拓等に取り組んでまいりました。商品販売においては新規商材の発掘や市場の開拓及び積極的な拡販活動に取り組み、製品販売においては紙パルプ技術協会の「佐々木賞」受賞を契機に増加した多機能凝結剤・歩留剤への引き合いを受注に繋げるべく講じた各種施策を推進したものの、製紙業界各社の生産調整等を受け減少した売上をカバーするには至らず、当事業全体の売上高は59億8千7百万円(前年同期比10.9%減)、営業利益は1億9千8百万円(前年同期比12.4%減)となりました。 (主な製商品群の概況)製商品群概況(数値は前年同期との対比)ファインケミカルズ紙パルプ技術協会の「佐々木賞」受賞を契機に増加した多機能凝結剤・歩留剤の引き合いに対応すべく講じた各種施策の効果が表れ始めたこと等により、1.6%の増収となりました。製紙用化学品板紙・産業用紙分野への拡販及び新市場の開拓に注力したものの、主要顧客の生産調整に伴う取扱数量の減少及び原料モノマー価格の値下がりに起因する販売価格の低下等の影響を受けたことにより、13.7%の減収となりました。 [食品材料事業]食品材料事業では、健康に優しく特長ある天然の食品素材を主要な取扱商品としており、的を絞った施策を推進し、食品業界等への拡販に鋭意注力してまいりました。これに加えて、これまでの営業活動で蓄積した食品に係る様々な情報や技術を活用し、新規商材の発掘や市場の開拓、更には、独自性のある新規複合食品素材の開発といった新たなテーマにも積極的に取り組んでおります。このような環境下、増粘安定剤分野は供給不足が解消された一部の品目で競争が激化するなど、予断を許さない状況が続きました。一方、乾燥野菜分野は業務用加工食品向けの需要が底堅く推移したことに加え、商材の拡充や新規商材の拡販といった施策が順次業績に寄与したことにより、当事業全体の売上高は25億8千9百万円(前年同期比3.1%増)となりましたが、営業利益はエネルギーコスト及び原材料価格の上昇等の影響を受け、1億2千8百万円(前年同期比8.5%減)となりました。 (主な製商品群の概況)製商品群概況(数値は前年同期との対比)食品素材等エネルギーコスト及び原材料価格が上昇する中、増粘安定剤分野は供給不足が解消された品目を中心に競争が激化したことにより取扱数量が減少しましたが、乾燥野菜分野は商材の拡充・拡販施策が奏功した結果、3.1%の増収となりました。 [その他の事業]当社グループの成長を支える新たな事業領域を開発・育成すべく取り組んでいる「その他の事業」では、アフリカから輸入した切り花の国内販売や、新規市場開発用途の商材を発掘しつつ、新規ビジネスを新たな収益の柱に育成することを目的に、様々な可能性の追求及び検討を進めております。輸入生花の販売は、産地における天候不順等の影響を受け調達量が不足したことに加え、物流面における例外的な事象への対応や燃料・エネルギー価格の高騰等を受け、仕入コストが上昇したことにより販売数量が前年度を下回りました。その結果、「その他の事業」の売上高は7千7百万円(前年同期比10.5%減)、営業損失は2千7百万円(前年同期は営業損失1千9百万円)となりました。 (2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの創出を図るとともに、事業運営において必要な長期運転資金として金融機関からの借入れを行い、資金を調達しております。また、営業活動、設備投資、借入金の返済等の資金需要に備えて、十分な資金を確保するために、資金の流動性及び資金調達の多様化に努めております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して23億3千4百万円増加して、113億1千2百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、20億4千2百万円の資金増加(前連結会計年度は15億3千9百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益24億3千2百万円、減価償却費5億5千1百万円、仕入債務の増加額8億4千5百万円の資金増加要因が、棚卸資産の増加額8億4千3百万円、法人税等の支払額9億9千万円の資金減少要因を上回ったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、9億6千1百万円の資金減少(前連結会計年度は2億8千8百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9億7千万円、定期預金の預入による支出7千5百万円の資金減少要因が、差入保証金の回収による収入1億7千5百万円の資金増加要因を上回ったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、9億5千4百万円の資金増加(前連結会計年度は8億5千9百万円の資金増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50億円の資金増加要因が、長期借入金の返済による支出40億円、配当金の支払額1億9千3百万円の資金減少要因を上回ったことによるものです。 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当該事項につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)重要な会計方針及び見積り」に記載のとおりであります。 生産、受注及び販売の実績(1)生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)高機能材料事業(千円)8,910,385113.6環境材料事業(千円)832,58192.9食品材料事業(千円)1,916195.1報告セグメント計(千円)9,744,882111.4その他の事業(千円)--合計(千円)9,744,882111.4(注)金額は製造原価によって表示しております。 (2)受注実績当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。 (3)販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)高機能材料事業(千円)22,546,328107.1環境材料事業(千円)5,987,32789.1食品材料事業(千円)2,589,481103.1報告セグメント計(千円)31,123,137102.8その他の事業(千円)77,07889.5合計(千円)31,200,216102.8 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 有価証券の減損処理当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。 ② 貸倒引当金の計上基準当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。 ③ 有形固定資産の減損損失について当社グループは、事業の種類を基礎とした管理会計上の区分に従ってグルーピングを行っております。当該資産グループについて収益性が著しく低下した場合には、回収可能価額まで減損損失を計上しております。 ④ 繰延税金資産の回収可能性の評価当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存し、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が追加計上される可能性があります。 (2)当連結会計年度の経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が312億円(前年同期比2.8%増)、営業利益が26億4百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益が27億1千1百万円(前年同期比0.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億8千8百万円(前年同期比42.5%減)となりました。 ① 売上高の分析当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、政府による各種政策の効果もあり国内景気は回復の兆しを見せ始めている一方、海外では各国での金融引き締めや、中東情勢悪化及びウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中国の不動産不況などによる経済活動や個人消費への影響から、当社グループの経営環境は、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。当社グループは、経営環境の変化が激しく不確定性が高い時代において、当社グループが有する独自の技術や情報を生かしつつ、製商品の差別化及び高付加価値化に鋭意取り組むとともに、今後の更なる成長が期待されている関係業界や新たな市場に対する当社グループの存在価値を高め、事業の強化を図ってまいります。特に、当社グループが重要な関係業界と位置付けている半導体・高速5G通信・デジタル光学機器などの電子機器業界や、益々IT化と自動化が進む自動車業界では、技術革新のスピードが速く、今後の見通しも難しいことから、継続的に様々な情報の収集に努め、スピーディーな経営判断を常に心がけてまいります。更に、安定した需要が見込まれる機能性食品、再生医療用に設計・開発した材料を用いた化粧品、食品機能性材料を使ったアイスクリームを含んだデザート、産学連携で取り組んでいるバイオマテリアル及び次世代材料の早期上市を目指しております。当連結会計年度においては、製紙業界向け製商品の販売が軟調に推移したものの、自動車部品業界・半導体関連業界向け製商品の販売が好調を維持したことに加え、モバイル市場向け製商品の需要も堅調に推移したことを背景に、売上高は312億円(前年同期比2.8%増)となりました。 ② 販売費及び一般管理費の分析販売が好調に推移したことに伴う発送配達費・保管料等の増加及び法定福利費等の増加により、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は42億1千1百万円(前年同期比5.4%増)となりました。 ③ 営業外損益及び特別損益の分析営業外収益は、前連結会計年度から1千1百万円増加して2億2千4百万円(前年同期比5.2%増)となりました。これは主に、受取配当金が増加したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度から4千4百万円増加して1億1千7百万円(前年同期比60.7%増)となりました。これは主に、支払利息及び固定資産除却損が増加したことによるものであります。特別利益は、前連結会計年度から6億5千7百万円減少しました。これは、投資有価証券売却益が減少したことによるものであります。当連結会計年度は特別利益の発生はありませんでした。特別損失は、前連結会計年度から2億4千9百万円増加して2億7千8百万円(前年同期比857.1%増)となりました。これは、減損損失が増加したことによるものであります。 (3)経営成績に重要な影響を与える要因について雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあり、国内景気は回復の兆しを見せ始めている一方、海外では各国での金融引き締めや、中東情勢悪化及びウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中国の不動産不況などの影響から、当社グループの経営環境は、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。製造販売では、高機能材料事業及び環境材料事業において、販売先の個別動向や販売先が属する電子部品・自動車・製紙といった業界動向、更には、各業界に占める販売先の位置づけなどが、当社グループの販売数量や販売価格に大きな影響を与える可能性があります。また、市場における競合各社間の競争激化を反映して、特にコーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外の廉価品の台頭などによって販売価格が下落したり、あるいは、原油価格の高騰などで原材料価格が上昇し製造コストが増加するといった要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。仕入販売では、商社活動全般において、エレクトロニクス関連業界や製紙業界、更には食品業界といった当社グループの販売先が関係する業界全体の動向に加え、当社グループの仕入先メーカーの生産供給体制と販売先の需要とのバランスが、販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。また、競合他社による廉価販売や新商品の市場投入で既存の商流・商権が変化することなどにより、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。 (4)戦略的現状と見通し当社グループは、事業の重点化と他社との差別化を重要な戦略と位置づけて、引き続きグローバルな視野に立って将来的に成長が期待できる事業分野と市場へ、経営資源を重点的に集中させ、研究開発資源の有効かつ効率的な活用と「経営環境の変化に対するスピーディーな対応」で、ビジネスの強化と事業領域の拡大に努めてまいります。具体的には、製造販売においては、とりわけ電子部品や自動車部品、更にはデジタル光学機器といった業界を中心に、コーティング製品や高機能樹脂製品の差別化戦略、付加価値の高い新規開発製品の市場投入などで拡販と事業領域の拡大を図り、また、仕入販売においては、特長ある既存商品群の物流・販売網強化と顧客ニーズに的確に応えるための仕入先との共同開発その他の協働、更には、新規商権の獲得などにも注力してまいります。また、当社グループのグローバル展開では、アジア各地の当社子会社を拠点として、中国やタイ・ベトナム・インドを中心としたアジアの新興市場を事業活動のメインに据え、これに加えて、堅調な景気が続く米国や欧州その周辺市場においても、生産・物流・販売の機能強化と更なる情報収集に努めてまいります。 (5)経営者の問題認識と今後の方針について当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、米中の貿易摩擦や、中東情勢、為替レート、資源価格、金利の大幅な変動等により、当社グループの経営環境は一段と厳しい状況が予想されます。当社グループとしましては、今後もこうした状況を正確かつ的確に把握してグループの総合力を効果的に発揮できるよう、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化とスピーディーな経営判断を心がけ、業績の向上に努めていく方針であります。 (6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、達成目標は、売上高営業利益率4.0%、総資産経常利益率(ROA)5.0%、自己資本比率60.0%、海外地域売上比率20.0%であります。当連結会計年度において、上記全ての指標が達成目標を上回りました。売上高営業利益率は、ハイブリッド車・EV関連部品向け樹脂製商品の販売が国内外で大きく伸長した結果、営業利益が増加し、総資産経常利益率は、利益水準が上昇したことで達成目標を上回りました。また、海外地域売上比率は、海外子会社の事業活動においてハイブリッド車・EV関連部品向けの受注動向が好調に推移し、中国や欧米市場への販売が伸長したことで海外向けの売上割合が増加しております。次年度以降は、引き続き、高機能材料事業における製品の販売を伸長させるとともに、新たな用途展開による製品販売の拡充を推進することで、事業所の稼働率を高め、更なるコスト低減に取り組むことにより、当社グループ全体の収益基盤を確立させ、恒常的な目標達成に向け努めてまいります。

事業リスク

  • 市場競争と原材料価格変動
    高機能材料やファインケミカルズの製造販売において、競合他社との品質・価格競争が激化する可能性があります。また、原油価格や為替レートの変動により原材料の購入価格が上昇した場合、製造原価が増加し、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。新製品のタイムリーな投入ができない場合や製品欠陥が発生した場合も、販売減少や価格下落に繋がるリスクがあります。
  • 特定の取引先への依存と事業撤退
    製紙用化学品や回路基板材料用の電子材料、機能性樹脂の一部を特定の取引先から購入しており、これらの取引先の経営方針や供給体制の変化が業績に影響を与える可能性があります。特に、製紙用化学品の特定の取引先である旭化成株式会社が2027年12月に事業撤退を予定しており、これに伴う取引終了がソマールグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。代替策の検討が急務です。
  • 経済変動と外部環境の変化
    国内景気の変動に加え、海外経済の変動、政治情勢の変化、通貨価値の変動、自然災害、知的財産権紛争、情報漏洩、製造物責任賠償、技術革新、環境規制や食品安全性に関する法制度の変化など、多岐にわたる外部要因が経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクは予測困難であり、事業運営に不確実性をもたらします。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,187 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。それ故当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に鋭意努めてまいります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難ではありますが、リスクの顕在化の低減に向けて個別の施策を実施・検討しております。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)全般的事項当社グループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品・食品素材等の仕入販売に係る業務を行っております。製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社グループの原材料の購入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合わせてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化した場合、仕入先と販売先が直取引を行った場合等には、販売数量の減少及び販売価格の下落により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、自然災害や火災等の災害、知的財産権をめぐる紛争・訴訟、情報漏洩による損害、製造物責任賠償、技術革新による研究開発変化、環境・リサイクル・食品の安全性等に係る当社グループの取扱製品・商品への規制を含めた法制度の変化等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (2)債権の回収可能性について営業活動を通じた情報収集等による与信管理を行い、必要十分な債権管理は実施しておりますが、当社グループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上又は貸倒損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)特定の取引先への依存について当社グループは、仕入販売に係る製紙用化学品(とりわけ紙塗工用バインダー)や回路基板材料用の電子材料及び機能性樹脂の一定割合を、特定の取引先から購入しております。当社グループと回路基板材料用の電子材料及び機能性樹脂に係る特定の取引先とは、これまで長年に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。製紙用化学品につきましては、特定の取引先に該当する旭化成株式会社より、2025年5月27日付で事業撤退に係る発表があり、同社はSBラテックス事業に係る製品の販売を2027年12月に終了することとなりました。これに伴い、当社と同社との当該事業に係る取引が終了する見込みとなります。当社グループは同社及び販売先各社と協議を行い、様々な可能性を模索しながら、業績に与える影響を低減させる施策を検討してまいりますが、今後の対応次第では当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。「メーカー機能」と「商社機能」を併せ持つ当社グループは、その特性を活かして、顧客ニーズの把握に努めるとともに、ビジネスの差別化を図ること等で、新規顧客の開拓や、取り扱い製商品の多様化を推進し、収益基盤の安定化を目指しております。 (4)保有する有価証券の価格変動について当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しており、株式市場の動向や投資先企業の状況等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)減損損失のリスクについて当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合や収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (6)繰延税金資産の回収可能性について当社グループは、繰延税金資産に対して、将来の課税所得の予測等に照らし、定期的に回収可能性の検証を行っております。しかし、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により課税所得の見積りの変更が必要となった場合や、税率の変動を伴う税制の変更等があった場合には、繰延税金資産が減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

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