事業の概要
- 投資事業全般日本アジア投資グループは、主に投資事業を展開しており、ファンドの組成や融資を通じて資金を調達し、様々な資産に投資することで収益を得ています。具体的には、設備投資を伴うプロジェクトや企業の有価証券への投資が中心です。このビジネスモデルは、投資先の成長や売却益、運用手数料などから収益を上げることを目指しています。
- 投資開発事業この事業では、ファンドや融資で集めた資金を使い、特別目的会社(SPC)を通じて設備(再生可能エネルギー発電所、物流施設、障がい者グループホームなど)を保有・建設し、その運営や売却で利益を得ます。インフレや景気変動に左右されにくい実物資産への投資が特徴で、安定的な収益確保を目指しています。
- 投資運用事業企業が発行する株式や債券といった有価証券に投資する事業です。上場企業へのバイアウト投資やPIPEs(上場企業への私募投資)に加え、未上場企業へのベンチャー投資やバイアウト投資も行います。多様な投資手法を駆使し、国内外の機関投資家や富裕層向けに資産運用サービスを提供することで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 投資開発事業ファンドや融資で調達した資金を使い、特別目的会社(SPC)を通じて設備を保有・建設し、運営または売却する事業です。主な投資対象は、再生可能エネルギー発電所、蓄電所、物流施設、障がい者グループホームなどの実物資産です。インフレや景気変動に影響されにくい特性を持つ資産への投資を通じて、安定収益の確保とファンド組成を目指しています。
- 投資運用事業企業の発行する有価証券を対象とする投資事業です。上場株式・上場債券へのバイアウト投資やPIPEs、未上場企業へのベンチャー投資やバイアウト投資など、伝統的・非伝統的な資産クラスに投資します。国内外の機関投資家や富裕層向けに資産運用サービスや金融商品を提供し、強みを生かした投資手法で収益機会を追求しています。
- ファンド・プラットフォーム事業投資事業を行うファンド運営会社に対し、ファンド組成・募集・運用に必要なミドル・バック業務(事務管理業務)のサービスを提供します。VCファンドやCVCファンド、バイアウトファンドなど多様なファンド運営企業が顧客です。長年の実績を持つジャイク事務サービス㈱が中心となり、ファンド運営の効率化を支援することで、受託資産規模(AUA)の拡大を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当連結会計年度末現在における当社及び関係会社の主な事業の内容は、このうち、当社を中核として、主として連結子会社36社(30ファンドを含む)、持分法適用関連会社9社(7ファンドを含む)により構成される当社の企業集団(以下「当社グループ」)が営む事業であります。その主な事業内容と主な関係会社の当該事業における位置づけは次のとおりであります。 当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業内容は投資事業です。また、当社は、2025年3月期から2027年3月期まで3年間の中期経営計画を2024年8月14日開催の取締役会で決議しております。当該計画では、これまで当社グループが営んできた投資事業の領域を、投資開発事業、投資運用事業、ファンド・プラットフォーム事業と再定義して、それぞれを拡大していく方針です。 1.投資開発事業 ファンドの組成や融資による調達資金で設備を保有するSPC(特別目的会社)に対して投資を行い、設備を開発及び建設した後、設備を運営または設備を売却する投資事業です。 インフレや景気の動向に影響を受けにくい特性を持ったプライベートな実物資産に投資をします。主な投資対象は、エネルギー(再エネ発電所、蓄電所)、インフラ(物流施設、データセンター)、ヘルスケア(障がい者グループホーム)等です。 2.投資運用事業 企業の発行する有価証券や企業の債権を対象とする投資事業です。 当社の強みを活かしてファンドを組成し、伝統的運用資産である上場株式・上場債券を対象としたバイアウト投資やPIPEsなどを行うほか、非伝統的(オルタナティブ)運用資産である未上場企業へのベンチャー投資やバイアウト投資を行います。 3.ファンド・プラットフォーム事業 当社グループの有するファンド・アドミニストレーターとして長年の実績やファンド運営の知見を活用して、投資事業を行うファンド運営会社に対してミドル・バック業務のサービスを提供します。 会社名主な事業内容当社、日亜投資諮詢(上海)有限公司、JAIC・キャピタル・パートナーズ㈱、Jaicオルタナティブインベストメンツ㈱、KICホールディングス㈱、KICアセット・マネジメント㈱(注2)投資開発事業、投資運用事業当社、ジャイク事務サービス㈱、KICアセット・マネジメント㈱(注2)ファンド・プラットフォーム事業 なお、当社のその他の関係会社であるガバナンス・パートナーズ㈱は、ファンド運営事業を営んでおり、当社とは主に投資運用事業において、当社の運営するファンドにガバナンス・パートナーズ㈱が運営するファンドから出資を受けるなどの協業関係があります。 (注1) 第26期連結会計年度(自2006年4月1日 至2007年3月31日)より、実務対応報告第20号「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(2006年9月8日 企業会計基準委員会)の施行に伴い、ファンドを連結子会社及び持分法適用関連会社として連結の範囲に含めております。(注2) 2026年4月13日付でJAICアセットマネジメント㈱に社名変更しております。 当連結会計年度末現在における当企業集団の事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い プロジェクト投資資産の売却価額は買手の期待する収益利回りの影響を受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 金融商品取引法、独占禁止法、租税法、投資事業有限責任組合契約に関する法律、外国為替管理法など多岐にわたる法的規制。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:株式市場に係るリスク / プライベートエクイティ投資に係るリスク / プロジェクト投資に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日本アジア投資は、特定のブランド力、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存する事業モデルではない。主に投資事業であり、無形資産による競争優位性は限定的である。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
投資事業であり、顧客が他の投資会社に乗り換えることによる直接的なスイッチング・コストは発生しない。投資家は自由に投資先を変更できる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業モデルは投資案件の発掘・実行であり、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は存在しない。
コスト優位☆☆☆☆☆
投資事業であり、生産プロセスや提供サービスにおける構造的なコスト優位性は見られない。収益は投資リターンの実現に依存する。
規模の経済★☆☆☆☆
投資事業は規模の経済が働きにくいが、一定の運用資産規模は、より多くの投資機会へのアクセスや、より有利な条件での取引につながる可能性を示唆する。しかし、業界全体で見ると競争は激しい。
- 多様な投資領域日本アジア投資グループは、エネルギー、インフラ、ヘルスケアといった実物資産への投資開発事業と、上場・未上場企業への有価証券投資運用事業の両方を手掛けています。これにより、経済環境の変化に応じて柔軟に投資対象を調整し、リスク分散と収益機会の最大化を図れる可能性があります。
- ファンド運営実績長年にわたりファンド運営のミドル・バック業務(ファンド組成、募集、運用に必要な事務作業)を提供してきた実績を持つ子会社(ジャイク事務サービス㈱)を有しています。これにより、ファンド運営会社に対して質の高いサービスを提供できるだけでなく、自社の投資事業においても効率的な運営が期待できます。
- アジア地域でのネットワーク日本だけでなくアジア諸国でも事業活動を展開しており、現地の政府機関やパートナー企業とのネットワークを強化しています。これにより、アジア地域の経済成長を取り込む機会を得やすく、またカントリーリスクへの対応力も高めていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- PBR改善とROE向上PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る現状を課題と認識し、資本コスト(約13.4%)並みのROE(自己資本利益率)実現を目指しています。具体的には、安定収益の拡大、収益性の改善、財務レバレッジの改善、IR活動の強化を通じて、企業価値向上を図る方針です。
- 外部資金活用と安定収益拡大中期経営計画では、ファンド組成や融資による外部資金活用を徹底し、自己資金負担を軽減します。これにより、ファンドや投資資産からの安定したフィー収入を増やし、固定費をカバーすることで黒字化を定着させることを目指しています。また、投資収益からの成功報酬(キャリー)で業績のアップサイドを追求し、収益の安定と拡大を図ります。
- 事業ポートフォリオ再定義投資事業の領域を「投資開発事業」「投資運用事業」「ファンド・プラットフォーム事業」と再定義し、それぞれを拡大する方針です。投資開発事業ではプライベート・リアルアセット、投資運用事業では上場・未上場有価証券、ファンド・プラットフォーム事業ではファンド運営のミドル・バック業務に注力し、多様な経済環境に対応できる事業ポートフォリオを構築します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。1 経営方針 当社グループは、「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。 2 経営環境と対処すべき課題A:中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期まで) 当社は、2025年3月期から2027年3月期まで3年間の中期経営計画を2024年8月14日開催の取締役会で決議しております。当計画は、当社グループの投資事業の領域を、投資開発事業、投資運用事業、ファンド・プラットフォーム事業と再定義し、それぞれを新たな事業方針に基づいて拡大していくものです。 投資の実行に当たっては、ファンドの組成や融資(デット)の調達により外部資金を活用します。外部資金を活用した投資を徹底して自己資金の負担を減らすことで、ファンドや投資資産からの安定したフィー収入を増加させると同時に、投資収益から得られる成功報酬(キャリー)により業績のアップサイドを追求し、財務基盤を強固にしながら収益の安定・拡大を目指します。 また、外部環境と収益機会を整理し、補完・代替可能な事業ポートフォリオを構築して、様々な経済環境に対応できる投資資産や金融商品の開発・運用を行います。 投資開発事業の収益機会は、エネルギー価格の高騰、労働力不足によるインフレ圧力、金利上昇と経済をめぐってくすぶり続ける不確実性という外部環境の中で、インフレヘッジ特性やディフェンシブ特性を持ち合わせているプライベート・リアルアセットとして、投資家にとって有力な分散投資先となることです。また、環境問題や社会問題に対応するプライベート・リアルアセットとして、投資家の責任投資目標達成にも貢献します。そこで、当社グループでは、安定収益の確保とファンドの組成に向けたプライベート・リアルアセットのパイプライン開発と投資資産の積み上げを行います。 投資運用事業では、金利やインフレ率が上昇し経済成長性が高まっている現況では、伝統的な資産である上場有価証券への投資に収益機会があります。また、現在の日本経済の環境は、デフレからの脱却、円安の進行、米中対立を背景とした生産や研究拠点としての重要性が高まり、海外から注目を集めています。特にアジアの投資家が、日本国内の有望なテクノロジーやベンチャー企業、上場企業に対して投資機会を求める時代となっています。そこで、当社グループでは、国内外の機関投資家やファミリーオフィス・富裕層向けに伝統的・非伝統的な両資産クラスにおいて、強みを活かした投資手法により資産運用サービス・金融商品を提供します。 また、ファンド・プラットフォーム事業では、VCファンドやCVCファンド、バイアウトファンド等の運営企業に対して、ファンド・アドミニストレーターとして長年の実績を有するジャイク事務サービス㈱が、ファンド組成・募集・運用に必要なファンド運営のミドル・バック業務のソリューションを提供します。 その他詳細は、2024年8月14日付の東京証券取引所への当社開示資料「中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の策定、並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」をご覧ください。 B:対処すべき課題 上記に記載した今般の中期経営計画では、対処すべき課題を下記のように認識し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行う方針です。 1.現状分析 当社の現状はPBRが1倍を下回る状態が継続しており課題となっています。その要因は投資利益率の低さと資産回転率の低さだと認識しています。 2.目指す姿 当社は、PBRの改善に向けて、資本コスト(約13.4%)並みのROEを実現することを目指し、以下の方策を取ります。① 安定収益の拡大 フィー収入で固定費をカバーして黒字化を定着させ、資本コストの低減を図ります。② 収益性の改善 長期滞留資産を早期に回収して資産を入れ替え、資産の回転率の改善を図ります。また、アセットアロケーションや事業ポートフォリオの見直しも行い、収益性の改善を図ります。③ リファイナンスの実現と財務レバレッジの改善 当社単体の金融機関からの借入金は、返済スケジュールの変更(リスケジュール)を行っています。この借入金についてリファイナンス(借入金の正常化)と新規の借入金による資金調達を実現し、財務レバレッジの改善を図ります。④ IR活動のアップデート より積極的なIR活動を行います。 3.主要な業績評価資料(KPI)、重要な目標指標(KGI) 当社は2024年3月期の有価証券報告書において主要な業績評価資料(KPI)を従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期利益としていましたが、今般の中期経営計画においてこれを変更し、運用資産規模(AUM)増加額と受託資産規模(AUA)残高を重要な成果指標(KPI)と定めました。変更の理由は、今般の中期経営計画では、ファンドの組成や融資資金の調達など外部資金を活用した投資を行い、それによって安定収益であるフィー収入を拡大し固定費をカバーすることで黒字化を定着させる方針としているためです。 KPI2025年3月期2026年3月期2027年3月期投資開発事業 運用資産規模(AUM)増加額50億円100億円150億円投資運用事業 運用資産規模(AUM)増加額100億円200億円300億円ファンド・プラットフォーム事業 受託資産規模(AUA)残高3,000億円3,500億円4,000億円 また、当社は、今般の中期経営計画において、従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)を次のように定めています。従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)2024年3月期実績2027年3月期計画将来の目指す姿安定収益2億円8億円10.8億円ROE-(赤字)12.7%資本コスト13.4%以上親会社株主に帰属する当期純利益△16億円10億円黒字化の定着と一時収益の増加 C:2026年3月期の事業計画の進捗 投資開発事業では、子会社化したJAICアセットマネジメント株式会社の物流施設などのAUMが加わったため、AUMの累計増加額は目標を超過して144億円となりました。 投資運用事業では、既存ファンドの増額や新規に3本のファンドを組成しましたが、上場企業を投資対象とする大型のファンドの組成が実現しなかったため、AUMの累計増加額は51億円に留まりました。 ファンド・プラットフォーム事業では、AUAの残高は2,676億円となり計画を下回りましたが、取引条件の改善により事務受託1件当たりの採算性を向上しました。 D:2027年3月期の事業方針 投資開発事業では、JAICアセットマネジメント株式会社の物流施設がAUMに加わり、AUMの累計増加額は中期経営計画の目標を上回る304億円となる見込みです。なお、この数字には、パートナーとの協業や今後取り組む計画の物流施設以外のAUMは含めていません。2026年5月にJAICアセットマネジメント株式会社に資本参加したパートナーは、不動産のアレンジの実績が豊富な企業です。よって、協業によるAUMの増加額はこれまでのトレンドの延長線上ではなく、これを大きく上回る増加になると期待しています。 投資運用事業では、既存ファンドの増額や新たなファンドの組成の企画が複数あります。これらの実現によりAUMの累計増加額を204億円まで増加させる計画です。中期経営計画の目標には達しませんが、一定のAUMの増加を見込みます。なお、この数値にも、JAICアセットマネジメント株式会社の影響額を含めていません。今後は、同社でライセンスを活用したファンド募集活動を実施することで、AUMの累計増加額を204億円からさらに増加して少しでも目標に近づくことを目指します。 ファンド・プラットフォーム事業では、ファンドの本数は75本に増加する見込みですが、ファンドの規模が想定よりも小規模なため、AUAの残高は計画を下回り2,675億円に留まる見込みです。しかしながら、投資運用事業のAUMが見込み以上に増加した場合には、AUAも増加する可能性があります。 なお、損益面では、上述のAUMやAUAの増加による寄与はまだ少なく、過去の投資資産の売却による収益が主なものとなります。具体的には、株式の売却益の増加を見込んでいます。未上場株式では、前期から売却活動を続けている国内銘柄の売却を見込んでいます。また、上場株式では、現在保有している銘柄だけでなく、今後投資する銘柄の売却も見込んでいます。加えて、子会社化したJAICアセットマネジメント株式会社で、パートナーとの協業に伴う大幅な増収を見込んでいます。その結果、従来連結基準(注)による営業収益を30億円、親会社株主に帰属する当期純利益を3億円と見込んでいます。現状の見込額は3億円ですが、KGIの10億円に近づくように努力してまいります。 (注)従来連結基準 当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。 以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。1 経営方針 当社グループは、「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。 2 経営環境と対処すべき課題A:中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期まで) 当社は、2025年3月期から2027年3月期まで3年間の中期経営計画を2024年8月14日開催の取締役会で決議しております。当計画は、当社グループの投資事業の領域を、投資開発事業、投資運用事業、ファンド・プラットフォーム事業と再定義し、それぞれを新たな事業方針に基づいて拡大していくものです。 投資の実行に当たっては、ファンドの組成や融資(デット)の調達により外部資金を活用します。外部資金を活用した投資を徹底して自己資金の負担を減らすことで、ファンドや投資資産からの安定したフィー収入を増加させると同時に、投資収益から得られる成功報酬(キャリー)により業績のアップサイドを追求し、財務基盤を強固にしながら収益の安定・拡大を目指します。 また、外部環境と収益機会を整理し、補完・代替可能な事業ポートフォリオを構築して、様々な経済環境に対応できる投資資産や金融商品の開発・運用を行います。 投資開発事業の収益機会は、エネルギー価格の高騰、労働力不足によるインフレ圧力、金利上昇と経済をめぐってくすぶり続ける不確実性という外部環境の中で、インフレヘッジ特性やディフェンシブ特性を持ち合わせているプライベート・リアルアセットとして、投資家にとって有力な分散投資先となることです。また、環境問題や社会問題に対応するプライベート・リアルアセットとして、投資家の責任投資目標達成にも貢献します。そこで、当社グループでは、安定収益の確保とファンドの組成に向けたプライベート・リアルアセットのパイプライン開発と投資資産の積み上げを行います。 投資運用事業では、金利やインフレ率が上昇し経済成長性が高まっている現況では、伝統的な資産である上場有価証券への投資に収益機会があります。また、現在の日本経済の環境は、デフレからの脱却、円安の進行、米中対立を背景とした生産や研究拠点としての重要性が高まり、海外から注目を集めています。特にアジアの投資家が、日本国内の有望なテクノロジーやベンチャー企業、上場企業に対して投資機会を求める時代となっています。そこで、当社グループでは、国内外の機関投資家やファミリーオフィス・富裕層向けに伝統的・非伝統的な両資産クラスにおいて、強みを活かした投資手法により資産運用サービス・金融商品を提供します。 また、ファンド・プラットフォーム事業では、VCファンドやCVCファンド、バイアウトファンド等の運営企業に対して、ファンド・アドミニストレーターとして長年の実績を有するジャイク事務サービス㈱が、ファンド組成・募集・運用に必要なファンド運営のミドル・バック業務のソリューションを提供します。 その他詳細は、2024年8月14日付の東京証券取引所への当社開示資料「中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の策定、並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」をご覧ください。 B:対処すべき課題 上記に記載した今般の中期経営計画では、対処すべき課題を下記のように認識し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行う方針です。 1.現状分析 当社の現状はPBRが1倍を下回る状態が継続しており課題となっています。その要因は投資利益率の低さと資産回転率の低さだと認識しています。 2.目指す姿 当社は、PBRの改善に向けて、資本コスト(約13.4%)並みのROEを実現することを目指し、以下の方策を取ります。① 安定収益の拡大 フィー収入で固定費をカバーして黒字化を定着させ、資本コストの低減を図ります。② 収益性の改善 長期滞留資産を早期に回収して資産を入れ替え、資産の回転率の改善を図ります。また、アセットアロケーションや事業ポートフォリオの見直しも行い、収益性の改善を図ります。③ リファイナンスの実現と財務レバレッジの改善 当社単体の金融機関からの借入金は、返済スケジュールの変更(リスケジュール)を行っています。この借入金についてリファイナンス(借入金の正常化)と新規の借入金による資金調達を実現し、財務レバレッジの改善を図ります。④ IR活動のアップデート より積極的なIR活動を行います。 3.主要な業績評価資料(KPI)、重要な目標指標(KGI) 当社は2024年3月期の有価証券報告書において主要な業績評価資料(KPI)を従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期利益としていましたが、今般の中期経営計画においてこれを変更し、運用資産規模(AUM)増加額と受託資産規模(AUA)残高を重要な成果指標(KPI)と定めました。変更の理由は、今般の中期経営計画では、ファンドの組成や融資資金の調達など外部資金を活用した投資を行い、それによって安定収益であるフィー収入を拡大し固定費をカバーすることで黒字化を定着させる方針としているためです。 KPI2025年3月期2026年3月期2027年3月期投資開発事業 運用資産規模(AUM)増加額50億円100億円150億円投資運用事業 運用資産規模(AUM)増加額100億円200億円300億円ファンド・プラットフォーム事業 受託資産規模(AUA)残高3,000億円3,500億円4,000億円 また、当社は、今般の中期経営計画において、従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)を次のように定めています。従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)2024年3月期実績2027年3月期計画将来の目指す姿安定収益2億円8億円10.8億円ROE-(赤字)12.7%資本コスト13.4%以上親会社株主に帰属する当期純利益△16億円10億円黒字化の定着と一時収益の増加 C:2026年3月期の事業計画の進捗 投資開発事業では、子会社化したJAICアセットマネジメント株式会社の物流施設などのAUMが加わったため、AUMの累計増加額は目標を超過して144億円となりました。 投資運用事業では、既存ファンドの増額や新規に3本のファンドを組成しましたが、上場企業を投資対象とする大型のファンドの組成が実現しなかったため、AUMの累計増加額は51億円に留まりました。 ファンド・プラットフォーム事業では、AUAの残高は2,676億円となり計画を下回りましたが、取引条件の改善により事務受託1件当たりの採算性を向上しました。 D:2027年3月期の事業方針 投資開発事業では、JAICアセットマネジメント株式会社の物流施設がAUMに加わり、AUMの累計増加額は中期経営計画の目標を上回る304億円となる見込みです。なお、この数字には、パートナーとの協業や今後取り組む計画の物流施設以外のAUMは含めていません。2026年5月にJAICアセットマネジメント株式会社に資本参加したパートナーは、不動産のアレンジの実績が豊富な企業です。よって、協業によるAUMの増加額はこれまでのトレンドの延長線上ではなく、これを大きく上回る増加になると期待しています。 投資運用事業では、既存ファンドの増額や新たなファンドの組成の企画が複数あります。これらの実現によりAUMの累計増加額を204億円まで増加させる計画です。中期経営計画の目標には達しませんが、一定のAUMの増加を見込みます。なお、この数値にも、JAICアセットマネジメント株式会社の影響額を含めていません。今後は、同社でライセンスを活用したファンド募集活動を実施することで、AUMの累計増加額を204億円からさらに増加して少しでも目標に近づくことを目指します。 ファンド・プラットフォーム事業では、ファンドの本数は75本に増加する見込みですが、ファンドの規模が想定よりも小規模なため、AUAの残高は計画を下回り2,675億円に留まる見込みです。しかしながら、投資運用事業のAUMが見込み以上に増加した場合には、AUAも増加する可能性があります。 なお、損益面では、上述のAUMやAUAの増加による寄与はまだ少なく、過去の投資資産の売却による収益が主なものとなります。具体的には、株式の売却益の増加を見込んでいます。未上場株式では、前期から売却活動を続けている国内銘柄の売却を見込んでいます。また、上場株式では、現在保有している銘柄だけでなく、今後投資する銘柄の売却も見込んでいます。加えて、子会社化したJAICアセットマネジメント株式会社で、パートナーとの協業に伴う大幅な増収を見込んでいます。その結果、従来連結基準(注)による営業収益を30億円、親会社株主に帰属する当期純利益を3億円と見込んでいます。現状の見込額は3億円ですが、KGIの10億円に近づくように努力してまいります。 (注)従来連結基準 当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。 以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断、予測したものです。Ⅰ 経営成績の状況の分析 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の当社グループの経営成績の状況は、営業収益2,117百万円(前連結会計年度比 31.5%減)、営業総利益690百万円(同 42.7%減)、営業損失412百万円(前連結会計年度 営業利益105百万円)、経常損失579百万円(前連結会計年度 経常利益141百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失46百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純利益400百万円)となりました。投資戦略の転換が奏功して、上場株式の売却が好調でした。一方で、インフレの進行や金利上昇によりプロジェクト資産の売却が実現せず、未上場株式の売却も延期となり、前連結会計年度に比べて業績が悪化しました。その内訳や背景となる営業活動の状況は次のとおりです。 (a) 営業収益・営業原価内訳 (単位:百万円) 前連結会計年度自 2024年4月 1日~ 至 2025年3月31日当連結会計年度自 2025年4月 1日~ 至 2026年3月31日営業収益合計3,0922,117うち 管理運営報酬等134196うち 営業投資有価証券売却高1,258908うち 組合持分利益・インカムゲイン等1,649964うち その他営業収益5048 営業原価合計1,8861,427うち 営業投資有価証券売却原価837473うち 営業投資有価証券評価損・投資損失引当金繰入額 合計138163うち 組合持分損失等891774うち その他営業原価1815 営業総利益1,206690 (管理運営報酬等) 管理運営報酬等は、前連結会計年度から増加し196百万円(前連結会計年度比 46.6%増)となりました。新設ファンドからの管理報酬やファンドの事務受託報酬が増加したことに加え、成功報酬が発生しました。 (投資損益)営業投資有価証券売却高は、前連結会計年度から減少して908百万円(同 27.8%減)となりました。主な減少要因は、プロジェクトの売却がなかったことです。前連結会計年度は3件のメガソーラープロジェクトを売却しましたが、当連結会計年度の売却はありませんでした。一方、株式の売却では、前連結会計年度は未上場株式の売却が中心でしたが、当連結会計年度は上場株式や上場株式を保有するファンドの持分を売却しました。その結果、売却高は減少したものの利益率が上昇して、売却高から売却原価を差し引いた実現キャピタルゲインは前連結会計年度から増加して435百万円(同 3.6%増)となりました。営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計は、前連結会計年度から増加して163百万円(同 17.9%増)となりました。前連結会計年度に比べて事業の進捗が計画のとおりに進まず回収見込み額が低下した銘柄に対する計上額が増加しました。以上の結果、投資損益(実現キャピタルゲインから営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計を控除した額)は、前連結会計年度から減少して272百万円の利益(同 3.5%減)となりました。 (組合持分利益・インカムゲイン等)組合持分利益・インカムゲイン等には、当社グループが運営するプロジェクトの収入(売電収益や、野菜の販売額、障がい者グループホームの賃貸収入等)、他社が運営するプロジェクトの持分利益(プロジェクトの運営による純利益や、プロジェクトの売却益)、他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分利益、利息・配当収入、及び、その他の収益が含まれています。組合持分利益・インカムゲイン等の合計額は、前連結会計年度から減少して964百万円(前連結会計年度比 41.6%減)となりました。主な減少要因は、利益を伴うプロジェクトの売却がなかったことです。前連結会計年度はディストリビューションセンタープロジェクト1件、ヘルスケアプロジェクト(高齢者施設)1件の売却がありましたが、当連結会計年度は売却がありませんでした。また、前連結会計年度に稼働中のメガソーラープロジェクトを売却したため、売電収益が減少しました。 (組合持分損失等)営業原価のうち組合持分損失等には、当社グループが運営するプロジェクトの原価(売電原価や、野菜の製造原価、障がい者グループホームの賃貸原価等)、他社が運営するプロジェクトの持分損失、及び他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分損失等が含まれています。組合持分損失等の合計額は、前連結会計年度から減少して774百万円(同 13.1%減)となりました。前連結会計年度に稼働中のメガソーラープロジェクトを売却したため、売電原価が減少しました。 以上の結果、営業収益は2,117百万円(同 31.5%減)、営業原価は1,427百万円(同 24.3%減)、営業総利益は690百万円(同 42.7%減)となりました。 (b) 販売費及び一般管理費、営業損益 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度並みの1,103百万円(同 0.3%増)となりました。当連結会計年度から外形標準課税制度が適用となり租税公課の負担が増加したものの、役員報酬を始めとしてコスト削減を進めた結果、前期並みの水準に抑えることができました。 その結果、営業損失は412百万円(前連結会計年度 営業利益105百万円)となりました。 (c)その他の損益項目 上記(a)(b)以外の特筆すべき損益項目は、段階取得に係る差益(特別利益)、及び非支配株主に帰属する当期純損益です。 特別利益のうち、段階取得に係る差益は369百万円となりました。M&Aにより、会社やファンドの株式等を複数回に分けて取得して子会社化した際に、当該株式等を時価で再評価したことに伴い発生した利益です。 非支配株主に帰属する当期純損益は、当社グループが運営するファンドやプロジェクトの損益のうち、当社グループ以外の出資者に帰属する額です。当連結会計年度は、これらのファンドやプロジェクトで損失が発生したため、58百万円の損失(前連結会計年度 89百万円の利益)となりました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は46百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純利益400百万円)となりました。 Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度末において現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から612百万円減少して2,435百万円となりました。主な増減要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)129百万円の支出(前連結会計年度 1,427百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純損失を計上したことや投資の実行が進捗して投資事業組合への出資による支出が増加したことに加えて、投資資産の回収に伴う投資事業組合からの分配金が減少したため、支出超過となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)413百万円の支出(前連結会計年度 24百万円の収入)となりました。M&Aの実施による支出が発生したため、支出超過となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)71百万円の支出(同 179百万円の収入)となりました。長期借入金の返済を行った一方で、2025年11月10日付で株式と新株予約権の第三者割当増資を行ったことや、その後に新株予約権の一部行使もあったことから株式の発行による収入が発生しました。 Ⅲ 財政状態の分析(資産) 資産合計は、前連結会計年度末から増加して21,024百万円(前連結会計年度末 15,419百万円)となりました。主な増加要因はM&Aの実施です。子会社となったファンドが保有する物流施設が加わったことから、有形固定資産が前連結会計年度末から増加して11,059百万円(同 4,512百万円)となりました。 なお、当社グループが当連結会計年度末に保有する現金及び預金のうち当社グループの運営するファンドに帰属する預金は、各ファンドの組合契約に従い運用しなければならない資金であり、当社グループに帰属する資金と明確に分別して管理しています。現金及び預金のうち当社グループに帰属する流動性の高い資金は、前連結会計年度末から612百万円減少して2,435百万円(同 3,047百万円)となりました。主な減少要因は、M&Aの実施です。加えて、当社グループが展開するプライベートエクイティ投資はその事業特性上株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、加えて昨今の変動の激しい環境下においては合理的な業績予想が困難な事業です。そのため、プライベートエクイティ投資からの資金回収額が大きく下振れすることも想定されます。そのような状況の中、経費や利息の支払い及び借入金の返済だけでなく、将来の成長に向けた投資を確実に行うために、当社グループは常に一定の現預金残高を保有する必要があります。 (負債)負債合計は、前連結会計年度末から増加して11,394百万円(同 8,260百万円)となりました。主な増加要因は、M&Aに伴い子会社となったファンドの借入金と社債が計上されたためです。借入金と社債の残高合計は、前連結会計年度末から増加して10,217百万円(同 7,417百万円)となりました。このうち、当社単体の金融機関からの借入額は2,644百万円(同 3,495百万円)です。残額は、子会社(ファンド以外)の借入額66百万円、及び、当社グループが運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンスと社債の残高7,507百万円(同 3,921百万円)です。M&Aに伴い、物流施設を保有するファンドの借入金と社債が加わったため、前連結会計年度末から残高が増加しました。 なお、当社グループの運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンス・社債は、プロジェクトの資産や収益のみを返済原資としているため、当社グループの財務健全性に与える影響は限定的です。そのため、当社は、今後も当社グループの運営する再生可能エネルギー等の多様なプロジェクトにおいて、プロジェクトファイナンス・社債による資金調達を組み合わせてレバレッジを効かせた投資を行い、財務健全性を損ねることなく収益性を高めていく方針です。(単位:百万円) 前連結会計年度末(2025年3月31日現在)当連結会計年度末(2026年3月31日現在)借入金・社債残高合計7,41710,217うち 当社単体借入額3,4952,644うち 子会社(ファンド以外)借入額-66うち プロジェクト投資におけるプロジェクトファイナンス・社債他3,9217,507 (純資産)純資産のうち自己資本は、前連結会計年度末から増加して7,541百万円(同 6,817百万円)となりました。主な増加要因は、2025年11月10日に実施した第三者割当による新株式の発行や同時に発行した新株予約権の一部行使に伴って、資本金と資本剰余金が増加したことです。一方で、M&Aの実施により総資産も増加したことから、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末から8.3ポイント低下して35.9%(同 44.2%)となりました。また純資産全体も、M&Aの実施により子会社となったファンドの非支配株主持分が加わったことが主な要因で、前連結会計年度末から増加して9,630百万円(同 7,158百万円)となりました。 Ⅳ 営業活動の状況(a)IPO(新規上場)の状況 当社グループによる自己勘定並びに当社グループが運営の任にある、又は運営の為に必要な情報の提供を行っているファンドから投資を行った投資先企業の新規上場の状況は以下のとおりです。 ① 新規上場(IPO)の状況(自己勘定分及びファンド勘定分) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)IPO社数(国内・海外 合計)1社-社初値換算投資倍率(国内・海外 平均)1.4倍-倍(注)初値換算投資倍率=初値換算による保有株式の時価/保有株式への投資額(IPO時簿価残高)。なお、初値換算投資倍率の計算には株式交換等による上場株式取得分は含めておりません。② 新規上場した投資先企業の一覧前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)社数投資先企業名上場年月日上場市場事業内容本社所在地国内:1社海外:-社株式会社ケイ・ウノ2024年10月8日名古屋証券取引所ネクストジュエリー・時計の製造販売、オーダーメイド、リフォーム、修理愛知県 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)該当事項はありません。 ③ 営業投資有価証券のうち上場株式の含み損益(注)(単位:百万円) 前連結会計年度末(2025年3月31日現在)当連結会計年度末(2026年3月31日現在)含み損益1△3(注)当社グループ及び当社グループが運営するファンドが営業投資有価証券として保有している株式のうち、証券取引所に上場している銘柄の、取得原価と連結貸借対照表計上額との差額のうち当社グループに帰属する金額を示しています。 (b)ファンドの状況 当連結会計年度末における当社グループが管理、運用又は投資情報の提供を行っているファンドの運用残高は、13ファンド、17,629百万円(前連結会計年度末10ファンド、14,130百万円)となりました。 当連結会計年度中に3ファンド(ファンド総額合計 2,982百万円)を新規に組成しました。また、運営中の2ファンドで、ファンド総額を合計517百万円増額しました。 ①運用残高 前連結会計年度末(2025年3月31日現在)当連結会計年度末(2026年3月31日現在) ファンド数ファンド総額(百万円)ファンドの純資産額(百万円)ファンド数ファンド総額(百万円)ファンドの純資産額(百万円)運用期間中1014,1307,3201317,6298,457満期延長中------清算期間中------合計(うち当社グループ出資額)1014,130(1,707)7,3201317,629(2,308)8,457 ②当連結会計年度中の新設・増額ファンド(当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)) ファンド名設立時期ファンド満期当連結会計年度ファンド総額増加額(百万円)当連結会計年度末ファンド総額 (百万円)特徴投資事業有限責任組合JAICスペシャルティファンド2025年1月2027年12月452612日本国内のお土産品業界、小売業界、観光業界において、事業成長と地方創生の好循環に取り組む上場企業等を投資対象とするファンド投資事業有限責任組合JAIC-Web3ファンド2025年2月2027年12月65465Web3(NFT 等)関連の国内上場企業を投資対象とするファンドJAICクリプトアセット株式ファンド投資事業有限責任組合2025年7月2030年6月2,4802,480クリプトアセット(暗号資産)関連企業を投資対象とするファンドJAIC-DLEアニメIPファンド投資事業有限責任組合2025年7月(2025年10月出資履行)2028年12月201201・主に、日本国内のアニメIPやアニメIPを利用したコンテンツを投資対象としたファンド・アニメーションや映画など映像コンテンツの制作等を手掛ける株式会社ディー・エル・イー[東証スタンダード(3686)]との協業により運営JAICスケールアップファンド投資事業有限責任組合2025年6月(2026年3月出資履行)2031年2月301(20億円を目標に増額方針)301(20億円を目標に増額方針)事業規模拡大(スケールアップ)を目指す国内上場企業を投資対象とするファンド (注)1. ファンド総額につきましては、コミットメントベース(契約で定められた出資約束金額ベース)の金額を記載しております。2.財務諸表との関連性を高めるため、新設されたファンドのうち出資履行が未了のものは含めておりません。 Ⅴ 資本の財源及び資金の流動性についての分析(当社グループの資金状況)「Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。(借入金の状況)「Ⅲ 財政状態の分析 (負債)」に記載のとおりです。(手許資金の状況)「Ⅲ 財政状態の分析 (資産)」に記載のとおりです。(ファンドの状況)「Ⅳ 営業活動の状況(b)ファンドの状況」に記載のとおりです。(株主還元の状況)「第4 提出会社の状況、3. 配当政策」に記載のとおりです。 Ⅵ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、投資損失引当金と固定資産の減損です。その詳細は「第5経理の状況、1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績に生じる影響など、その記載内容を補足する情報は、「第2事業の状況、3事業等のリスク Ⅱ営業活動に関するリスク (1)企業への投資に係るリスク、及び(2)プロジェクトへの投資に係るリスク」に記載しています。 Ⅶ 上記ⅠからⅥの分析等に基づく対応及び、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 Ⅷ 主要な販売先の状況 最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は次のとおりであります。1. 前連結会計年度相手先当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)PHOTONサステナブルソーラー投資事業有限責任組合72223.3KIC厚木特定目的会社38412.4株式会社モーベルファーム32010.4 2. 当連結会計年度相手先当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)ダイナミックソリューショングループ株式会社39118.5株式会社モーベルファーム36517.3
事業リスク
- 株式市場変動リスク未上場株式へのプライベートエクイティ投資が主力であり、投資先企業の株式上場や売却による収益に依存しています。株式市場が低迷したり、新規上場市場が不調な場合、想定通りの株価が得られず、収益が減少する可能性があります。また、上場株式の保有期間中に株価が下落すると、評価損が発生し業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 為替・カントリーリスク海外での投資活動が多く、外貨建て資産を保有しているため、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、アジア諸国などでの事業展開は、現地の経済情勢、政治、法制度の変更、テロや伝染病といった社会的混乱によるカントリーリスクを伴い、投資先やグループ会社の事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 金利・物価変動リスク金融機関からの借入金には変動金利が含まれており、金利上昇は支払利息の増加につながり、業績を圧迫する可能性があります。また、プロジェクト投資では、建設費や設備取得費用が物価上昇(人件費、エネルギー価格、資材価格など)の影響を受けやすく、採算性の悪化を通じて業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループの事業等のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると思われる主要な事項を記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 Ⅰ 事業環境に関するリスク(1)株式市場に係るリスク 当社グループは、プライベートエクイティ投資を行っております。これは、日本・アジアを中心とした未上場株式等への投資を行い、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得る事業です。そのため、投資資金を回収する局面において、株式市場の変動の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、投資候補となる未上場企業の将来性を十分に検討し、当該企業が上場時に株式市場から得られるであろう評価額を想定した上で、これに基づいて投資時の株価の妥当性を検証しています。 しかしながら、株式の売却時に株式市場が活況でなく新規株式上場市場も低調である場合には、投資先企業が新規上場したとしても想定したよりも株価が低いことや出来高が少ないリスクがあります。また、新規上場が実現しないリスクもあります。その結果、当社グループが得る営業収益が減少し当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、上場企業の株式等にも投資を行っております。これは、主に日本の上場企業で流通株式時価総額や株主構成に課題を持つ企業の株式等へ投資を行い、投資後に事業面で協業することで投資した企業の成長戦略を支援してその企業価値を向上させ、株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得る事業です。そのため、投資資金を回収する局面において、株式市場の変動の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、投資候補となる上場企業の将来性を十分に検討し、当該企業が投資回収時に株式市場から得られるであろう評価額や買手から得られるであろう評価額を想定した上で、これに基づいて投資時の株価の妥当性を検証しています。 しかしながら、株式等の売却時に株式市場が活況でない場合には、想定したよりも株価が低いことや出来高が少ないリスクがあります。それによって当社グループが得る営業収益が減少し当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループは、上場企業への投資や未上場であった投資先企業の株式上場等により、市場性のある株式を保有しております。このうち、新規上場銘柄のうち一部の銘柄につきましては、各証券取引所の関連規則又は投資先企業との契約によって上場後一定期間売却が制限されることがあります。また、上場企業への投資についても、第三者割当の引受を行う場合などは、一般に中長期保有が求められます。そのため、保有期間中に株式市場において株価が下落した場合、株式売却によって得られる営業収益の減少や保有有価証券の評価損の発生に伴う営業原価の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (2)為替リスク 当社グループは、海外で投資を行い外貨建資産を保有するため、外国為替の変動の影響を受けます。なお、プライベートエクイティ投資の特性上、投資資金の回収期間が長期となり、また、回収金額及び回収時期の特定ができず将来のキャッシュ・フロー予測が困難であるため、原則として、為替予約などによる為替リスクヘッジ取引等は行っておりません。 (3)カントリーリスク 当社グループは、アジア諸国などでも事業活動を行っています。そのため、事業活動を行う国における経済情勢の変化、政治的要因の変化、法制度の変更、テロや伝染病の発生などの社会的混乱等により、投資先企業や当社グループ会社の事業活動に悪影響を及ぼすリスクが内在します。当社グループでは、現地の政府関係機関やパートナー企業とのネットワークを強化し、及び共同で投資活動を行い、事業活動を行う国の情報収集や適切な対応に努めています。 (4)法的規制によるリスク 当社グループの事業活動は以下の法的規制を受けます。当社グループでは、管理担当部門がこれらの法的規制について常時情報を収集し適切な対応に努めています。しかしながら、当社グループ各社の行う業務においてこれらの規制に抵触した場合には、当該業務の遂行に支障をきたす可能性や、規制に対応するためにファンドの設計を変更する費用が増加する可能性があります。また、当社グループの社会的信用力が低下することで、事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。①オフショア地域における法的規制 当社グループは、本邦、アジア諸国及びケイマン諸島などのオフショアと呼ばれる地域他各国において、ファンドの管理運営業務及び投資事業等を行っている又は行う可能性があるため、これらの地域における法的規制(会社法・金融商品取引法・独占禁止法・租税法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・財務会計関連法規等)の適用による影響を受けます。②適格機関投資家等特例業務関連 当社グループ内には当社をはじめとして、本邦における金融商品取引法第63条に基づく適格機関投資家等特例業務としてファンドの管理運営業務を営むに当たり、管轄財務局に届出を行っている会社があります。この届出により、当社グループが管理運営するファンドは、適格機関投資家等を主とする投資家に出資者を限定するなど一定の要件を満たす必要があります。③金融商品取引法、不動産投資顧問業登録規程及び宅地建物取引業法の法的規制 当社グループ内には、金融商品取引法、不動産投資顧問業登録規程及び宅地建物取引業法による免許や登録に基づき業務を行う会社があります。当社グループが、これらの免許や登録に基づきファンドの管理運営や不動産の取り扱いを始めとする業務を行う場合は、免許や登録の根拠法の要件を満たす必要があります。 (5)競合・参入の状況に係るリスク 当社グループが属する投資業界においては、金融機関、事業会社、外資系企業等による参入があります。当社グループでは、経営理念に基づき特徴のある投資活動を行うことや、競争力のある企業とパートナーシップを組んで投資を行うことで、競争優位性を維持するよう努めています。しかしながら、競合他社による大規模なファンドの組成、積極的な投資活動の拡大、優れたポートフォリオの構築、高い投資リターンの実現、低価格サービスの提供等により、当社グループの競争力が相対的に低下することで、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)自然災害等に係るリスク 当社グループの主な活動地域である日本やアジアにおいて、自然災害や感染症などを原因とする緊急事態が発生した場合には、事業活動の継続が困難となり当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクを有しています。当社グループは、このリスクに対応するため「緊急事態時の事業継続計画(BCP)」を策定し、緊急事態の発生に基づく経営危機を未然に防止することを目的として、緊急事態の発生時においても、従業員及びその家族の安全を確保しながら自社の事業を継続する計画です。 (7)金利の動向に係るリスク 当社グループの金融機関からの既存の借入金には変動金利によるものが含まれており、これに係る支払利息は金利変動により影響を受けます。よって、金利上昇が当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループがプロジェクト投資を行うに当たり金融機関から借入金で資金を調達する場合には、金利上昇による資金調達コストの増加がプロジェクトの採算性低下につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、金利動向に留意しながら、資金調達コストの増加を加味してもなお一定の収益を確保できるように投資時の採算性の検証を慎重に行うことに加え、調達金利の固定化も検討致します。また、販売価格や賃料が固定されていないプロジェクトでは、価格転嫁の交渉などによる採算性改善の努力をして参ります。一方で、販売価格や賃料が固定されているプロジェクトについては、早期の流動化や投資資産からのフィー収入の増加に努めて資金効率を高めることで、採算を確保して参ります。 (8)物価の動向に係るリスク 当社グループが手掛けるプロジェクト投資では、発電所等の施設や設備の建設や取得を伴うため、人件費、エネルギー価格、物流コスト、資材価格を始めとする物価が上昇する局面においては、施設や設備の建設費や取得費用が上昇し、プロジェクトの採算性低下につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。物価の動向に留意しながら、物価の上昇を加味してもなお一定の収益を確保できるように投資時の採算性の検証を慎重に行うほか、販売価格や賃料が固定されていないプロジェクトでは、価格転嫁の交渉などによる採算性改善の努力をして参ります。一方で、販売価格や賃料が固定されているプロジェクトについては、早期の流動化や投資資産からのフィー収入の増加に努めて資金効率を高めることで、採算を確保して参ります。 Ⅱ 営業活動に関するリスク(1)企業への投資に係るリスク 当社グループは、未上場企業及び上場企業への投資を行っております。このうち未上場企業への投資は、日本・アジアを中心とした未上場株式等への投資を行い、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得る事業です。当社グループでは、投資時に投資候補となる未上場企業の将来性を十分に検討し、投資回収時に当該企業が新規上場した場合の株式市場からの評価や未上場の段階で売却する場合に買手から得られるであろう評価を想定し、当社グループの投資する際の投資候補先の企業価値の妥当性を検証しています。また、投資後は、投資先企業に対するモニタリングを綿密に行い、投資先企業の状況を的確に把握することに努めています。また、投資先企業の事業の進捗や経営状況の改善を図るために、投資先企業に対する成長支援を行っています。しかしながら、その投資活動については以下のようなリスクがあります。 当社グループが投資対象とする未上場企業は、成長過程にある企業であるため、収益基盤や財務基盤が不安定であったり、経営資源も限られるといったリスク要因を内包しております。そのため、投資先企業の業績の不振や倒産が生じた場合や、実際の投資先企業の事業進捗や業況が当社の見込みどおりに推移しない場合には、営業投資有価証券評価損や営業投資有価証券引当金繰入額が発生して営業原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループによる未上場株式等への投資から株式上場もしくは第三者等への売却に至るまでには通常長期間を要するため、途中で業績悪化等により当該投資先の企業価値が当初の見込みと異なって変動する可能性があります。また、経済環境や株式市場動向等外部要因の影響を受けて投資採算が当初の見込みと大幅に異なる可能性があります。それらの結果、投資回収時に営業収益が減少し、又は、投資回収に至る前に営業投資有価証券評価損や投資損失引当金繰入額が発生して営業原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループが投資対象とする未上場株式等は、上場企業の株式等に比較して流動性が著しく低いため、投資回収時にその取引参加者の意向により取引条件が大きく変動します。そのため、当社グループの希望する価額・タイミングで売却できる保証はなく、営業収益が減少したり、長期間売却できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは未上場株式等への投資を行うに当たり、他社の運営するファンドに出資を行う場合があります。ファンドに出資する目的は、当該ファンドからの持分利益を期待するとともに、他社の運営するファンドに出資を行うことを契機にファンドの運営者である他社との関係を深化し、業界情報の取得や共同投資の機会等を得ることです。当社グループは、他社の運営するファンドに出資を行う場合には、運営会社の投資能力やファンドの企画内容などを慎重に検討しています。しかしながら、ファンドの運営は他社が行っているため、ファンドの運営成績は当該運営者に依存しており、当社の期待に反してファンドの運営成績が低下した場合には、当該ファンドから期待したとおりの持分利益が得られない可能性や、持分損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、上場企業の株式等にも投資を行っております。これは、主に日本の上場企業で流通株式時価総額や株主構成に課題を持つ企業の株式等へ投資を行い、投資後に事業面で協業することで投資した企業の成長戦略を支援してその企業価値を向上させ、株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得る事業です。当社グループでは、投資時に投資候補となる上場企業の将来性を十分に検討し、投資回収時に当該企業が株式市場から得られるであろう評価額や買手から得られるであろう評価額を想定した上で、これに基づいて投資時の株価の妥当性を検証しています。また、投資後は、投資先企業の課題解決や事業成長を支援するために、積極的に協業しています。しかしながら、投資先企業が流通株式時価総額などの上場維持基準に抵触した場合、投資先企業に業績の不振や倒産が生じた場合、実際の投資先企業の事業進捗や業況が当社の見込みどおりに推移しない場合には、営業投資有価証券評価損や営業投資有価証券引当金繰入額が発生して営業原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)プロジェクトへの投資に係るリスク 当社グループは、再生可能エネルギーを始めとする多様なプロジェクトを投資対象としています。当社グループは、投資判断を行う上で、一定の前提条件のもとに、発電所やその他プロジェクトの投資対象となる施設等の開発及び建設の実現可能性、費用等の総事業コスト、完成後の長期間にわたる発電量やその他の変数を見積もり、慎重に実現可能性や採算性の検証を行っております。しかしながら、これらの前提条件が想定以上に変動したり、自然災害や盗難などの被害、固定価格買取制度やファンドや不動産に関連する税制度その他各種取引条件の大幅な変更や改正等、想定外の事象が発生した場合には、その内容によっては、プロジェクトの開発がとん挫したり投資採算性が見込みから大幅に乖離し、プロジェクトから得られる収入の減少、もしくは、プロジェクトで保有する固定資産の減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、プロジェクトの投資対象となる施設等の自然災害による被害に関しては、施設等に対する動産総合保険等により、これらの被害を最小限に収める対策をしております。 また、当社グループは投資検討時に慎重に採算性の検証を行うほか、プロジェクトの開発や運営においても適切な予算管理を行い、プロジェクトの採算性の向上に努めています。しかしながら、当社グループがプロジェクト投資資産を売却する局面において、その売却価額は買手の期待するプロジェクトからの収益の利回りの影響を受けます。そのため、金利の動向や物価の動向などの外部環境や買手が選択し得る他の金融資産の収益の利回りの変動により、買手から見た当社の投資するプロジェクトの収益利回りが相対的に低下し、当社の投資するプロジェクト投資資産を当社グループの希望する価額・タイミングで売却できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)役員派遣に係るリスク 当社グループの役職員を投資先企業の非常勤役員として派遣することがありますが、投資先企業に対して派遣した当社役職員が損害賠償請求等をされた場合、当社グループに使用者責任及び当該賠償金額を負担する義務が発生する可能性があります。 原則として投資先企業と派遣者との間で責任限定契約を締結するとともに、当社加入の役員賠償責任保険において派遣されている役職員も補償対象に加えておりますが、当社グループの業績及び財政状態への悪影響を完全には回避できない可能性があります。 (4)ファンド(投資事業組合等)に係るリスク①ファンド募集について ファンド(投資事業組合等)は、当社グループにとって投資原資であるだけでなく、管理報酬や成功報酬等の収益源であり、また様々な企業と提携してシナジー効果を生み出す上で有効なビークルでもあります。当社グループは、ファンドの規模を追うことなく当社のリソースを生かした特徴あるファンドを設立していく方針です。しかしながら、ファンドの募集活動において出資者から十分な資金を集められない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、営業収益のうち管理報酬が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。②ファンド運営に係る訴訟の可能性等について 当社グループは複数のファンドを設立しており、無限責任組合員又はゼネラルパートナーとして、その出資額を超える損失を負担する可能性があります。また、ファンドの業務執行組合員としての善管注意義務違反を理由とする訴訟や、ファンド間、当社グループとファンド又は出資者、もしくは出資者間の利益相反等を理由とする訴訟等を提起される可能性があります。当社グループでは、ファンドの受託者責任を全うすべく、ファンド毎にファンドマネージャーやファンド担当役員を設け、加えて、管理担当部門において利益相反等の観点からファンドの運用体制をモニタリングしています。しかしながら、当社グループに対する訴訟等により損害賠償義務を負った場合には、損害賠償そのもののみならず、社会的信用の低下から当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。 Ⅲ 会社運営に関するリスク(1)業績変動リスク 当社グループでは、2024年8月に開示した中期経営計画において、業績の安定化を目的として、運用資産規模(AUM)や事務受託資産規模(AUA)を拡大してこれらの資産から安定的に発生するフィー収入を拡大させる方針を採用しており、現在AUMやAUAの拡大に努めています。しかしながら、充分に規模が拡大するまでの間は、当社の主たる収益は、上場企業及び未上場企業の株式等の株式市場での売却や第三者等への株式等の売却によるキャピタルゲインや、プロジェクト投資におけるプロジェクト投資資産の売却によるキャピタルゲインとなります。 これらの投資資産の売却の時期や売却価額は、株式市況や個々の投資先企業の特性、金利の動向や物価の動向などの外部環境やプロジェクト投資資産の買手が選択し得る他の金融資産の収益の利回りの変動、その他様々な要因の影響を受けて想定外に変動する可能性があります。株式の売却が想定以上に変動した場合や、プロジェクト投資資産を想定どおりに売却できない場合には、会計年度によって得られる収益の金額が大きく変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)資金調達リスク①当社グループの行う投資業務は、主として未上場株式への投資やプロジェクトへの投資においては、投資してから資金の回収までに長期間を有するため、投資資金の回収を含む資金調達額と投資実行額がアンバランスになり、財政状態及びキャッシュ・フローの状況が短期的に大きく変動したり、あるいは悪影響を被る恐れがあります。②当社グループは、上記①のような事業の性質上、業務に必要な資金を長期的かつ安定的に調達する必要がありますが、2026年3月期末時点において当社単体で2,644百万円を負債性資金により調達しております。 負債性資金については、当社グループは、2009年3月以降複数回にわたり、全取引金融機関から返済条件の変更等を主としたリスケジュールに同意を頂いており、現在の返済計画は2025年8月から2026年7月末日までとなっています。 今後、2026年7月末日に期限が到来するに当たり当該対象債務の残債務については、再び新たな弁済計画について全取引金融機関から同意を頂くべく協議中です。当社グループは、日頃より取引金融機関と連絡を密に取り当社グループの状況を丁寧に説明し、弁済計画へのご理解を得るよう努めています。 しかしながら、協議が纏まらない場合には、期限の利益を喪失するなど、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、この新たな返済計画は、これまでと同様に融資期間が1年間であり、返済期限を2027年7月末日としています。今後、2027年7月末日の返済期限が到来する際に、当該対象債務の残債務について再び新たな弁済計画について協議を行う必要があり、協議が纏まらない場合には、期限の利益を喪失するなど、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)人材に関するリスク及び労務管理のリスク 人材に関するリスクは、「第4提出会社の状況、5従業員の状況等、(1)人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。 労務管理のリスクは、当社グループは労働環境の充実や改善、適正な労働時間の管理や時間外労働の抑制等に継続的に取り組んでおりますが、万一、過重労働や不適切な労務管理によって当社の信用に著しい低下がみられた場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)情報システム及び情報管理に係るリスク 当社グループでは適切なシステム管理体制の構築と運用に継続的に取り組んでおりますが、システム運用上のトラブルの発生により、業務運営に支障をきたす可能性があります。 また、当社グループではコンピューターウィルス対策の整備や、当社グループが保有する取引先の重要な情報並びに個人情報の管理について、各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を進めておりますが、今後、予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどの不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、業務運営に支障をきたす場合や、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)コンプライアンス違反行為等によるリスク 当社グループでは、「私たちの行動規範」を制定し法令遵守の徹底を図っておりますが、当社グループの役職員等による法令違反が発生した場合には、それに伴い社会的信用を失墜し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)事務リスク 当社グループでは、人員の異動に関わらず正確な業務運営を徹底することを企図して、必要な情報の社内共有を徹底するほか社内規程や業務マニュアルを整備し、また、シンプルな業務フローの設計を進めております。しかしながら、当社グループの役職員等による事務ミスが発生した場合には、業務遂行に支障が生じるだけでなく、それに伴い社会的信用を失墜し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)大株主との関係に関するリスク 当社は、2024年6月28日付及び2025年11月10日付で、ガバナンス・パートナーズ株式会社(以下「ガバナンス社」という。)が運用するファンドを割当先とする第三者割当により新株式及び新株予約権を発行しており、ガバナンス社は同社の運営する複数のファンド及び同社の子会社を通じて当社の議決権総数の23.6%を顕在株式で間接的に保有する大株主であり、さらに、未行使の新株予約権も間接的に保有しています。また、ガバナンス社の代表取締役である丸山俊氏を当社の代表取締役として招聘しています。 将来において当社とガバナンス社との関係に大きな変化が生じた場合は、ガバナンス社の当社株式の保有・処分方針、議決権の行使状況、役員の派遣状況、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼし、ひいては当社の事業活動や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ガバナンス社が当社の事業その他に関して有する利益は他の株主の利益と異なる可能性があります。 なお、ガバナンス社は投資会社であり当社と同一の事業を営んでおります。当社では、取締役による競業取引又は利益相反取引に該当する取引につき取締役会において会社法に従い適切な手順で決議を行うことに加え、当社の投資活動の意思決定を投資委員会構成員の全員一致とすることで、ガバナンス社との利益相反を防ぐ方針です。 (8)M&Aに関するリスク 当社は、2025年10月24日に取締役会で発行を決議した株式及び新株予約権による調達資金を用いて、当社グループの事業を更に発展させていくために社外のリソースを取り込んでいくことや、安定収益源となる事業を当社グループに取り込むことを目的として、M&Aを積極的に行っていく方針です。しかしながら、外部環境の変化があった場合や、M&A実施後に当社グループが認識していない問題が明らかになった場合、期待した成果が上がらない場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じるなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、M&A検討段階において法務・会計・事業の将来性・事業シナジー等につき、当社グループ内でデューデリジェンスを実施するほか必要に応じて外部の有識者による第三者評価等も取得して、M&Aに伴うリスクの洗い出しと検証及びその対応策を踏まえて意思決定することにより、当該リスクの回避又は低減に努めてまいります。 当社グループは、上記のリスクの中でも次のものを、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しています。Ⅰ 事業環境に関するリスク(1)株式市場に係るリスクⅡ 営業活動に関するリスク(1)企業への投資に係るリスクⅡ 営業活動に関するリスク(2)プロジェクトへの投資に係るリスクⅢ 会社運営に関するリスク(1)業績変動リスク 現在の当社グループの主な収益は、株式及びプロジェクト投資資産の売却による収益です。そのため、上記の企業への投資やプロジェクトへの投資において投資回収時に発生する可能性があるリスクは顕在化する可能性が高く、常時発生する可能性があります。 Ⅰ 事業環境に関するリスク(7)金利の動向に係るリスクⅠ 事業環境に関するリスク(8)物価の動向に係るリスクⅢ 会社運営に関するリスク(8)M&Aに関するリスク 当社グループは、最近の金利や物価の上昇トレンドが2027年3月期においても継続すると見込んでいます。また、当社グループは、M&Aによる非連続的な企業成長も企図しています。そのため、金利や物価の動向に係るリスクや、M&Aの実行時に発生する可能性があるリスクは顕在化する可能性が高く、発生時期は2027年3月期中となる可能性があります。 なお、当社グループは、スマートアグリ(植物工場)プロジェクトの営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなっているため、当該プロジェクトに係る固定資産には減損損失の兆候があると判断したものの、減損損失を認識するには至っておりません。減損損失の計上の判断は、当社グループによる見積りの要素が大きく、減損損失の発生時期及び金額を正確に予測することは困難ですが、リスクへの対応策として予定販売量の確保のための施策を継続し、プロジェクトの投資採算を改善させるべく鋭意努めています。