8593

三菱HCキャピタル(8593)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他金融業 金融(除く銀行)

事業の概要

  • 多角的な金融サービス
    三菱HCキャピタルは、リースやファイナンスを主軸に、法人・官公庁向けのソリューション、再生可能エネルギー事業、航空機・海上コンテナリース、不動産投資、オートリースなど、幅広い分野で金融サービスを提供しています。顧客の設備投資や事業運営に必要な資金やアセットを提供することで収益を得るビジネスモデルです。
  • グローバルなアセット活用
    同社は、事務機器や生産設備といった一般的な動産から、航空機、海上コンテナ、鉄道貨車といった特定の産業で使用されるグローバルアセット、さらには不動産まで多様なアセットを保有しています。これらのアセットをリースや賃貸、売却を通じて活用し、収益を上げています。
  • 事業投資と運営
    従来のリース・ファイナンスに加えて、太陽光・風力発電事業などの再生可能エネルギー分野や、事業会社・ファンドへの出資といった事業投資・運営も積極的に行っています。これにより、単なる金融機能に留まらず、社会的課題の解決に貢献しながら収益機会を拡大しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 顧客ソリューション事業
    法人・官公庁向けファイナンスソリューション、省エネソリューション、ベンダー提携販売金融、不動産リース、金融サービスなどを提供しています。売上高は9688.51億円と最も大きく、幅広い顧客層に多様な金融サービスを提供することで、安定的な収益基盤を築いています。
  • 海外地域事業
    欧州、米州、中国、ASEAN地域におけるファイナンスソリューション事業やベンダー提携販売金融事業を展開しています。売上高は4940.84億円で、グローバルな事業展開を通じて、各地域の経済成長を取り込み、収益の多様化を図っています。2026年3月期からは「海外カスタマー」に名称変更予定です。
  • 航空事業
    航空機リース事業および航空機エンジンリース事業を展開しています。売上高は3218.63億円で、グローバルアセットである航空機やエンジンをリースすることで収益を得ています。商品多様化やグループ内連携強化によるアセット回転量・収益性向上を目指し、次世代航空技術・脱炭素化分野の研究開発も進めています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CustomerSolutionsUnit 地域 9,689 − −
OverseasRegionsUnit 地域 4,941 − −
EnvironmentEnergyAndInfrastructureBusiness 地域 460 − −
Aviation 事業 3,219 − −
Logistics 事業 1,362 − −
RealEstate 事業 1,167 − −
Mobility 事業 56 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|738 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社469社および関連会社87社で構成されています。また、その他の関係会社として、三菱商事株式会社および株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループがあります。(1) 当社グループは、「カスタマーソリューション」「海外カスタマー」「環境エネルギー」「航空」「ロジスティクス」「不動産」および「モビリティ」の7セグメントにおいて、事業を展開しています。当連結会計年度より、「海外地域」セグメントの名称を「海外カスタマー」に変更しました。この変更は名称のみであり、セグメント情報等の区分や数値に与える影響はありません。なお、前連結会計年度のセグメント情報は変更後の名称を用いて記載しています。報告セグメントごとの主な事業内容は以下のとおりです。報告セグメント主な事業内容カスタマーソリューション法人・官公庁向けファイナンスソリューション事業、省エネソリューション事業、ベンダーと提携した販売金融事業、不動産リース事業、金融サービス事業海外カスタマー欧州・米州・中国・ASEAN地域におけるファイナンスソリューション事業、ベンダーと提携した販売金融事業環境エネルギー再生可能エネルギー事業、環境関連ファイナンスソリューション事業航空航空機リース事業、航空機エンジンリース事業ロジスティクス海上コンテナリース事業、鉄道貨車リース事業不動産不動産ファイナンス事業、不動産投資事業、不動産アセットマネジメント事業モビリティオートリース事業および付帯サービスなお、2026年4月1日付の組織改編にともない、翌連結会計年度(2027年3月期)より、「モビリティ」を「ロジスティクス」に統合し、6セグメントとします。 (2) 事業系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
リース料は市場金利水準等をもとに設定され、アセット価値やカントリーリスクも考慮されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
航空機、航空機エンジン、コンテナ、鉄道貨車等のグローバルアセットや不動産を保有し賃貸する事業
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:信用リスク / アセットリスク / 投資リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三菱HCキャピタルは、リース・割賦・融資といった金融サービスに加え、ファクタリングや不動産関連サービスも提供しており、長年の事業活動で培われた顧客基盤やノウハウは一定の無形資産となり得る。しかし、特定の強力なブランドや特許、規制ライセンスに依存する度合いは限定的である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

リースや割賦契約は、契約期間や解約条件により、顧客が他の金融会社へ乗り換える際の事務手続きや追加コストが発生する可能性がある。しかし、金利やサービス内容の魅力度によっては、乗り換えのハードルはそれほど高くない場合もある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、顧客数が増えることでサービス価値が直接的に向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的であり、他社と比較して構造的に著しく低いコストでサービスを提供できるほどの優位性は確認できない。個別の案件や効率化努力によるコスト削減は存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる
  • 多様なアセットと事業領域
    同社は、航空機、海上コンテナ、不動産、再生可能エネルギーなど、多岐にわたるアセットと事業領域を保有しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築していると考えられます。幅広い顧客ニーズに対応できる柔軟性も強みです。
  • グローバルな事業展開
    欧州、米州、中国、ASEANなど世界各地で事業を展開しており、地域ごとの経済成長を取り込むことが可能です。また、グローバルアセットの運用を通じて、国際的な市場機会を捉え、収益源の多様化を図っています。これにより、特定の国や地域の景気変動リスクを軽減しています。
  • 三菱グループとの連携
    三菱商事株式会社および株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループがその他の関係会社として存在しており、グループシナジーを活かした事業展開が期待されます。これにより、信用力や顧客基盤の強化、新たな事業機会の創出につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 持続可能な未来への貢献
    同社は「アセットの潜在力を最大限に引き出し社会価値を創出することで、持続可能で豊かな未来に貢献する」ことを経営理念としています。地球環境への配慮、社会的課題の解決、デジタル技術の活用、多様なステークホルダーとの価値共創を通じて、持続的な成長を目指しています。
  • ビジネスモデルの進化・積層化
    従来のリース・ファイナンスに加え、事業投資・運営などを通じた社会的課題の解決へと役割を変化させています。中期経営計画では「ビジネスモデルの進化・積層化」を掲げ、事業ポートフォリオやアセットの質を中長期的に転換することで、利益成長を実現することを目指しています。
  • セグメント別戦略と経営基盤強化
    各セグメント(カスタマーソリューション、海外地域、環境エネルギー、航空、ロジスティクス、不動産、モビリティ)において、収益性の高い資産の増加、高付加価値ビジネスの推進、ポートフォリオの最適化、デジタル投資による効率化などを進めています。また、人材育成・確保、財務基盤の強靭化、リスク管理の高度化を通じて経営基盤を強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。(1)経営の基本方針 当社は、経営の基本方針である「経営理念」、「経営ビジョン」および「行動指針」を以下のとおり定めています。 「経営理念」は、長期的な視点でめざす“ありたい姿”、「経営ビジョン」は、この“ありたい姿”を実現するためにめざすべきもの、「行動指針」は、経営理念・経営ビジョンを実現するために社員一人ひとりが持つべき価値観・心構え、取るべき行動です。◎ 経営理念わたしたちは、アセットの潜在力を最大限に引き出し社会価値を創出することで、持続可能で豊かな未来に貢献します。◎ 経営ビジョン・ 地球環境に配慮し、独自性と進取性のある事業を展開することで、社会的課題を解決します。・ 世界各地の多様なステークホルダーとの価値共創を通じて、持続可能な成長をめざします。・ デジタル技術とデータの活用によりビジネスモデルを進化させ、企業価値の向上を図ります。・ 社員一人ひとりが働きがいと誇りを持ち、自由闊達で魅力ある企業文化を醸成します。・ 法令等を遵守し、健全な企業経営を実践することで、社会で信頼される企業をめざします。◎ 行動指針・ チャレンジ : 未来志向で、責任を持って挑戦する。・ デジタル : デジタルリテラシーを高め、変革を創り出す。・ コミュニケーション : 対話を通じて相互理解を深め、社内外のステークホルダーと信頼関係を築く。・ ダイバーシティ : 多様性を受容し、相互に尊重する。・ サステナビリティ : 人・社会・地球と共生し、持続可能な世界を実現する。・ インテグリティ : 高い倫理観を持ち、絶えず基本に立ち返る。 (2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題① 経営環境 外部環境は、グローバリゼーションの巻き戻しや世界の分断が進んでいます。加えて、これまで地政学面および経済面で世界の先頭に立ってきた米国の変質や中東情勢の不安定化、さらには、AIの急速な進展と関連市場の新たな拡大などにより、従来以上に不確実性が増しています。 このような外部環境の変化の中で、当社グループに求められる役割は、従来型のリース・ファイナンスに加えて、サービス・アセットマネジメント・各種事業などを通じた社会的課題の解決へと変化しています。また、想像以上のスピードで産業レベルでのビジネスモデルチェンジが生じるとみられ、各企業が環境変化に適応していくうえでは、アセットに関する多様な機能を有し、金融機能にとどまらない柔軟なサービスを提供する当社グループの存在意義がさらに高まるものと考えています。② 当社グループの進むべき方向性と中期経営計画 当社グループは、2022年5月に公表した「10年後のありたい姿」(今般、時間軸の明確化を含めて「31年度のありたい姿」として再整理)の実現に向けて、成長戦略を推進しています。2026年度から開始する中期経営計画(2028中計)は、その実現に向けた重要なマイルストーンであり、収益性を高め、企業価値向上を加速するフェーズと位置づけました。 ROEを最重要指標に据え、まずは2025中計で掲げたROE10%を達成し、2031年度にはこれをさらに上回る水準のROEの実現をめざすことで、中長期的に企業価値を向上させます。 その実現に向けて、2028中計においては、「事業」、「財務」、「デジタル」、「人財・カルチャー」の4要素を主な推進力として、収益性・成長性の高いポートフォリオ構築、キャピタルアロケーションの最適化、デジタル活用による経営の高度化・高速化、企業文化変革、などを一層加速させます。 ③ 主要4要素の戦略a. 事業戦略・「ビジネスモデルの進化・積層化2.0」の考え方に基づき(以下、2つの視点から価値創出の手法・領域拡充)、資産規模拡大による成長から収益性を重視した成長モデルへ転換。・ファイナンス中心のビジネスモデル類型の割合を減少させ、サービス、アセットマネジメント、各種事業など収益性の高いビジネスモデル類型を拡充する方向性。・従来以上にメリハリの利いた事業ポートフォリオの入替を加速。資産規模の拡大を抑制しつつ成長投資強化を通じて収益性向上を実現。各事業の成長ストーリー 海外カスタマーの回復と航空・不動産を中心とした専門事業の伸長が、全社の利益成長と収益性向上を牽引。セグメント事業戦略の方向性カスタマーソリューショングループ全体を底支えする最重要安定基盤として、収益性と収益額を着実に向上。高付加価値サービス展開加速、低収益資産のディストリビューション強化。海外カスタマー米州事業を再構築したうえでグループ全体の安定収益基盤としての地位を回復・強化。米州は、商用トラック事業の規模縮小などにより収益力を回復。専門事業航空・不動産を筆頭にグループ全体の収益性と収益額の向上を牽引。 航空航空機リースの資産回転加速化、収益性の高い航空機エンジンリースの規模拡大。不動産ファイナンス、投資、アセットマネジメントの3つの事業をバランスよく展開。インカムゲインの割合を高めつつ高い収益性を維持。環境エネルギー当社グループのネットワーク活用によるEuropean Energy A/Sの成長支援強化、中長期的な成長を企図した国内外での事業投資等。ロジスティクス満了契約の延長や需要地への廻送等による高稼働率維持、市況サイクルを見極めた機動的・弾力的新規投資による優良資産の獲得。 b. 財務戦略「成長性」「資本収益性」「財務健全性」の3つの視点のバランスを確保。キャピタルアロケーション(資金配分)を最適化することで、企業価値を最大化。 c. デジタル戦略経営の高度化・高速化実現に向けて、基盤確立・強化に留まらずビジネス・オペレーション両面での価値創出を推進。 d. 人財・カルチャー戦略挑戦・変革をテーマとした企業文化変革等の各種戦略を推進。 (3)優先して対処すべき事業上の課題 当社グループは「31年度のありたい姿」の実現に向けて、「事業」においては価値創出の手法・領域拡充に着目した「ビジネスモデルの進化・積層化2.0」の推進、ならびに事業ポートフォリオの入替加速による収益性を重視した成長モデルへの転換を図っています。 「事業」と両輪を成す「財務」ではキャピタルアロケーションを最適化することで企業価値の最大化をめざします。加えて、「デジタル」を通じて価値創出の高度化・高速化を図っています。 これらすべての源泉・起点が「人財・カルチャー」です。2025中計を通じて醸成された挑戦と変革の機運を、企業文化として定着させることが必要だと考えています。そのため、「人財・カルチャー戦略」を着実に推進し、従来の延長線ではない新たな視点で各種施策を実行しています。 (4)目標とする経営指標 2028中計の対象期間である2026年度から2028年度(2027年3月期から2029年3月期)において、以下の財務目標および非財務目標の達成をめざします。 なお、非財務目標に関しては、マテリアリティの解決に繋がる定量目標を設定しています。 (財務目標)項目目標財務目標(2029年3月期)ROE※110.0%(2026年3月期実績比 +1.4pt)ROA※21.7%(2026年3月期実績比 +0.4pt程度)親会社株主に帰属する当期純利益2,100億円(2026年3月期実績比 年平均成長率+8.9%)財務健全性(2028中計期間)外部格付A格の維持配当方針(2028中計期間)配当性向45%以上(注)ROEおよびROAの算定においては、親会社株主に帰属する当期純利益を使用しています。※1 Return On Equity(自己資本利益率)※2 Return On Asset(総資産利益率) (非財務目標(マテリアリティと連動))マテリアリティKPI2025年度※12028年度目標脱炭素社会推進2019年度比温室効果ガス排出量(Scope1,2)※2△61%△67%新型航空機比率※378%82%グリーンビルディング比率※462%61%サーキュラーエコノミー実現リース満了物件の有効利用率※596.1%97.5%社員の健康で豊かな生活の実現MHCエンゲージメント※673%75%以上人財ポートフォリオ充足率※7-80%以上最新技術活用デジタル関連ビジネス新規価値創出-30億円生産性向上-+30%程度※1 2025年度実績もしくは見込(2019年度比温室効果ガス排出量(Scope1,2)およびリース満了物件の有効利用率は2024年度実績)。※2 2050年度のネットゼロ達成に向けたマイルストーンとして、2024年度実績を起点に線形で2028年度目標を設定。※3 航空事業における、現行航空機に比して燃費効率が良く、CO2排出量の少ない機体の比率。継続的に資産回転する事業につき数値の上下動をともないつつ中長期的向上を図る。※4 不動産事業における、専門機関の認証を受けた環境認証物件(環境負荷の低い物件)または100%再エネ導入物件の比率。継続的に資産回転する事業につき数値の上下動をともないつつ中長期的向上を図る。※5 リース事業協会定義:満了したリース契約(MHC単体)のうち、再リースへの移行・物件売却・再資源化率が高い処分業者を通じた廃棄、のいずれかを実施した契約の割合(当初取得価額ベース)。※6 従業員エンゲージメントサーベイ結果が一定の高水準を満たしている状態の組織の割合(「自発性」・「多様性」というスコアに関して、回答者の半数以上がいずれのスコアも高水準の組織の割合)。※7 経営戦略の実現に必要なポジションに対して、適切な人財が配置されている比率。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。(1)経営の基本方針 当社は、経営の基本方針である「経営理念」、「経営ビジョン」および「行動指針」を以下のとおり定めています。 「経営理念」は、長期的な視点でめざす“ありたい姿”、「経営ビジョン」は、この“ありたい姿”を実現するためにめざすべきもの、「行動指針」は、経営理念・経営ビジョンを実現するために社員一人ひとりが持つべき価値観・心構え、取るべき行動です。◎ 経営理念わたしたちは、アセットの潜在力を最大限に引き出し社会価値を創出することで、持続可能で豊かな未来に貢献します。◎ 経営ビジョン・ 地球環境に配慮し、独自性と進取性のある事業を展開することで、社会的課題を解決します。・ 世界各地の多様なステークホルダーとの価値共創を通じて、持続可能な成長をめざします。・ デジタル技術とデータの活用によりビジネスモデルを進化させ、企業価値の向上を図ります。・ 社員一人ひとりが働きがいと誇りを持ち、自由闊達で魅力ある企業文化を醸成します。・ 法令等を遵守し、健全な企業経営を実践することで、社会で信頼される企業をめざします。◎ 行動指針・ チャレンジ : 未来志向で、責任を持って挑戦する。・ デジタル : デジタルリテラシーを高め、変革を創り出す。・ コミュニケーション : 対話を通じて相互理解を深め、社内外のステークホルダーと信頼関係を築く。・ ダイバーシティ : 多様性を受容し、相互に尊重する。・ サステナビリティ : 人・社会・地球と共生し、持続可能な世界を実現する。・ インテグリティ : 高い倫理観を持ち、絶えず基本に立ち返る。 (2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題① 経営環境 外部環境は、グローバリゼーションの巻き戻しや世界の分断が進んでいます。加えて、これまで地政学面および経済面で世界の先頭に立ってきた米国の変質や中東情勢の不安定化、さらには、AIの急速な進展と関連市場の新たな拡大などにより、従来以上に不確実性が増しています。 このような外部環境の変化の中で、当社グループに求められる役割は、従来型のリース・ファイナンスに加えて、サービス・アセットマネジメント・各種事業などを通じた社会的課題の解決へと変化しています。また、想像以上のスピードで産業レベルでのビジネスモデルチェンジが生じるとみられ、各企業が環境変化に適応していくうえでは、アセットに関する多様な機能を有し、金融機能にとどまらない柔軟なサービスを提供する当社グループの存在意義がさらに高まるものと考えています。② 当社グループの進むべき方向性と中期経営計画 当社グループは、2022年5月に公表した「10年後のありたい姿」(今般、時間軸の明確化を含めて「31年度のありたい姿」として再整理)の実現に向けて、成長戦略を推進しています。2026年度から開始する中期経営計画(2028中計)は、その実現に向けた重要なマイルストーンであり、収益性を高め、企業価値向上を加速するフェーズと位置づけました。 ROEを最重要指標に据え、まずは2025中計で掲げたROE10%を達成し、2031年度にはこれをさらに上回る水準のROEの実現をめざすことで、中長期的に企業価値を向上させます。 その実現に向けて、2028中計においては、「事業」、「財務」、「デジタル」、「人財・カルチャー」の4要素を主な推進力として、収益性・成長性の高いポートフォリオ構築、キャピタルアロケーションの最適化、デジタル活用による経営の高度化・高速化、企業文化変革、などを一層加速させます。 ③ 主要4要素の戦略a. 事業戦略・「ビジネスモデルの進化・積層化2.0」の考え方に基づき(以下、2つの視点から価値創出の手法・領域拡充)、資産規模拡大による成長から収益性を重視した成長モデルへ転換。・ファイナンス中心のビジネスモデル類型の割合を減少させ、サービス、アセットマネジメント、各種事業など収益性の高いビジネスモデル類型を拡充する方向性。・従来以上にメリハリの利いた事業ポートフォリオの入替を加速。資産規模の拡大を抑制しつつ成長投資強化を通じて収益性向上を実現。各事業の成長ストーリー 海外カスタマーの回復と航空・不動産を中心とした専門事業の伸長が、全社の利益成長と収益性向上を牽引。セグメント事業戦略の方向性カスタマーソリューショングループ全体を底支えする最重要安定基盤として、収益性と収益額を着実に向上。高付加価値サービス展開加速、低収益資産のディストリビューション強化。海外カスタマー米州事業を再構築したうえでグループ全体の安定収益基盤としての地位を回復・強化。米州は、商用トラック事業の規模縮小などにより収益力を回復。専門事業航空・不動産を筆頭にグループ全体の収益性と収益額の向上を牽引。 航空航空機リースの資産回転加速化、収益性の高い航空機エンジンリースの規模拡大。不動産ファイナンス、投資、アセットマネジメントの3つの事業をバランスよく展開。インカムゲインの割合を高めつつ高い収益性を維持。環境エネルギー当社グループのネットワーク活用によるEuropean Energy A/Sの成長支援強化、中長期的な成長を企図した国内外での事業投資等。ロジスティクス満了契約の延長や需要地への廻送等による高稼働率維持、市況サイクルを見極めた機動的・弾力的新規投資による優良資産の獲得。 b. 財務戦略「成長性」「資本収益性」「財務健全性」の3つの視点のバランスを確保。キャピタルアロケーション(資金配分)を最適化することで、企業価値を最大化。 c. デジタル戦略経営の高度化・高速化実現に向けて、基盤確立・強化に留まらずビジネス・オペレーション両面での価値創出を推進。 d. 人財・カルチャー戦略挑戦・変革をテーマとした企業文化変革等の各種戦略を推進。 (3)優先して対処すべき事業上の課題 当社グループは「31年度のありたい姿」の実現に向けて、「事業」においては価値創出の手法・領域拡充に着目した「ビジネスモデルの進化・積層化2.0」の推進、ならびに事業ポートフォリオの入替加速による収益性を重視した成長モデルへの転換を図っています。 「事業」と両輪を成す「財務」ではキャピタルアロケーションを最適化することで企業価値の最大化をめざします。加えて、「デジタル」を通じて価値創出の高度化・高速化を図っています。 これらすべての源泉・起点が「人財・カルチャー」です。2025中計を通じて醸成された挑戦と変革の機運を、企業文化として定着させることが必要だと考えています。そのため、「人財・カルチャー戦略」を着実に推進し、従来の延長線ではない新たな視点で各種施策を実行しています。 (4)目標とする経営指標 2028中計の対象期間である2026年度から2028年度(2027年3月期から2029年3月期)において、以下の財務目標および非財務目標の達成をめざします。 なお、非財務目標に関しては、マテリアリティの解決に繋がる定量目標を設定しています。 (財務目標)項目目標財務目標(2029年3月期)ROE※110.0%(2026年3月期実績比 +1.4pt)ROA※21.7%(2026年3月期実績比 +0.4pt程度)親会社株主に帰属する当期純利益2,100億円(2026年3月期実績比 年平均成長率+8.9%)財務健全性(2028中計期間)外部格付A格の維持配当方針(2028中計期間)配当性向45%以上(注)ROEおよびROAの算定においては、親会社株主に帰属する当期純利益を使用しています。※1 Return On Equity(自己資本利益率)※2 Return On Asset(総資産利益率) (非財務目標(マテリアリティと連動))マテリアリティKPI2025年度※12028年度目標脱炭素社会推進2019年度比温室効果ガス排出量(Scope1,2)※2△61%△67%新型航空機比率※378%82%グリーンビルディング比率※462%61%サーキュラーエコノミー実現リース満了物件の有効利用率※596.1%97.5%社員の健康で豊かな生活の実現MHCエンゲージメント※673%75%以上人財ポートフォリオ充足率※7-80%以上最新技術活用デジタル関連ビジネス新規価値創出-30億円生産性向上-+30%程度※1 2025年度実績もしくは見込(2019年度比温室効果ガス排出量(Scope1,2)およびリース満了物件の有効利用率は2024年度実績)。※2 2050年度のネットゼロ達成に向けたマイルストーンとして、2024年度実績を起点に線形で2028年度目標を設定。※3 航空事業における、現行航空機に比して燃費効率が良く、CO2排出量の少ない機体の比率。継続的に資産回転する事業につき数値の上下動をともないつつ中長期的向上を図る。※4 不動産事業における、専門機関の認証を受けた環境認証物件(環境負荷の低い物件)または100%再エネ導入物件の比率。継続的に資産回転する事業につき数値の上下動をともないつつ中長期的向上を図る。※5 リース事業協会定義:満了したリース契約(MHC単体)のうち、再リースへの移行・物件売却・再資源化率が高い処分業者を通じた廃棄、のいずれかを実施した契約の割合(当初取得価額ベース)。※6 従業員エンゲージメントサーベイ結果が一定の高水準を満たしている状態の組織の割合(「自発性」・「多様性」というスコアに関して、回答者の半数以上がいずれのスコアも高水準の組織の割合)。※7 経営戦略の実現に必要なポジションに対して、適切な人財が配置されている比率。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次のとおりです。なお、記載のセグメント利益の合計は、連結損益計算書の親会社株主に帰属する当期純利益と一致しています。(連結経営成績) (単位:億円) 2025年3月期2026年3月期増減増減率(%)売上高20,90822,153+1,245+6.0売上総利益4,6265,001+375+8.1営業利益1,8712,404+533+28.5経常利益1,9352,360+424+22.0親会社株主に帰属する当期純利益1,3511,622+270+20.0契約実行高33,11733,615+497+1.5(連結財政状況) (単位:億円) 2025年3月期2026年3月期増減増減率(%)純資産18,04520,087+2,042+11.3総資産117,623130,895+13,272+11.3有利子負債88,40798,803+10,395+11.8自己資本比率(%)15.215.20.0pt- ① 財政状況および経営成績等の状況 当連結会計年度の経営成績等は、営業面では契約実行高は前期比497億円(1.5%)増加の3兆3,615億円となりました。 収入面では、売上高は前期比1,245億円(6.0%)増加の2兆2,153億円となりました。 損益面では、売上総利益は前期比375億円(8.1%)増加の5,001億円、営業利益は前期比533億円(28.5%)増加の2,404億円、経常利益は前期比424億円(22.0%)増加の2,360億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比270億円(20.0%)増加の1,622億円となりました。 当期末の総資産は前期末比1兆3,272億円(11.3%)増加の13兆895億円、純資産は前期末比2,042億円(11.3%)増加の2兆87億円、有利子負債(リース債務を除く)は前期末比1兆395億円(11.8%)増加の9兆8,803億円、自己資本比率は前期末比不変の15.2%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末比552億円(19.0%)増加の3,460億円となりました。 資金が552億円増加した内訳は、営業活動により3,675億円、投資活動により339億円の資金を使用した一方、財務活動により4,693億円の資金を獲得したことによるものです。 営業活動におけるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,328億円に、賃貸資産に係る減価償却費・除却損および売却原価6,986億円を調整した収入等を、主に新規案件の積み上げにより、賃貸資産およびその他の営業資産の取得による支出1兆153億円、貸付債権の増加による支出907億円、リース債権・リース投資資産の増加による支出705億円、商品の増加による支出471億円、営業有価証券及び営業投資有価証券の増加による支出406億円等に振り向けた結果、3,675億円の資金支出となりました(前期は2,968億円の支出)。 投資活動におけるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入149億円等に対し、連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出288億円、投資有価証券の取得による支出151億円、社用資産の取得による支出107億円等により、339億円の資金支出となりました(前期は969億円の支出)。 財務活動におけるキャッシュ・フローは、直接調達で2,865億円の純収入、銀行借入等の間接調達で2,475億円の純収入、配当金の支払604億円等により、4,693億円の資金収入となりました(前期は3,536億円の収入)。 ③ 営業取引の状況a.契約実行高 連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。なお、当連結会計年度より「海外地域」セグメントの名称を「海外カスタマー」に変更しました。 前連結会計年度(単位:億円) 報告セグメント調整額合計カスタマーソリューション海外カスタマー環境エネルギー航空ロジスティクス不動産モビリティ契約実行高9,19913,7982995,4752,2122,016116-33,117 当連結会計年度(単位:億円) 報告セグメント調整額合計カスタマーソリューション海外カスタマー環境エネルギー航空ロジスティクス不動産モビリティ契約実行高10,14415,7212143,4401,3372,596168△833,615 b.営業実績 連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。前連結会計年度(単位:億円) 報告セグメント調整額連結損益計算書計上額カスタマーソリューション海外カスタマー環境エネルギー航空ロジスティクス不動産モビリティ売上総利益1,1201,39579851424561131814,626セグメント利益368264747223212231511,351 当連結会計年度(単位:億円) 報告セグメント調整額連結損益計算書計上額カスタマーソリューション海外カスタマー環境エネルギー航空ロジスティクス不動産モビリティ売上総利益1,1871,439881,030533494182095,001セグメント利益又は損失(△)41183△4854529326133411,622 c.セグメント資産残高 連結会計年度末におけるセグメント資産残高は、次のとおりです。前連結会計年度(単位:億円) 報告セグメント調整額連結貸借対照表計上額カスタマーソリューション海外カスタマー環境エネルギー航空ロジスティクス不動産モビリティセグメント資産30,04530,7494,86324,48112,8935,7055888,295117,623(注)セグメント資産は、営業資産、持分法適用会社への投資額、のれんおよび投資有価証券等です。調整額には各報告セグメントに帰属しないセグメント資産およびセグメント資産合計と連結総資産の差額である現金及び預金や社用資産等が含まれています。 当連結会計年度(単位:億円) 報告セグメント調整額連結貸借対照表計上額カスタマーソリューション海外カスタマー環境エネルギー航空ロジスティクス不動産モビリティセグメント資産31,32634,9575,12427,45013,1397,50368410,709130,895(注)セグメント資産は、営業資産、持分法適用会社への投資額、のれんおよび投資有価証券等です。調整額には各報告セグメントに帰属しないセグメント資産およびセグメント資産合計と連結総資産の差額である現金及び預金や社用資産等が含まれています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 連結経営成績 当連結会計年度の経営成績は、不動産セグメントにおいて前期にあった株式会社御幸ビルディングの売却に係る増益効果の剥落があったものの、複数の大口アセット売却益の計上などにより増益となったこと、航空セグメントの事業伸長、海外カスタマーセグメントにおいて米州事業の貸倒関連費用が減少したこと、さらには、連結子会社であるEngine Lease Finance Corporationおよびその子会社、CAI International, Inc.およびその子会社、PNW Railcars, LLC※1およびその子会社の決算期変更にともなう決算取込期間の調整による増益効果※2などにより、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比270億円(20.0%)増益の1,622億円となりました。これにより、連結業績予想(親会社株主に帰属する当期純利益1,600億円)を達成し、4期連続で過去最高益を更新しました。※1 PNW Railcars, LLCは、2026年3月31日付でPNW Railcars, Inc.から会社形態を変更しています。※2 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3. 連結子会社の事業年度等に関する事項 (3)」に記載しています。 ※1 「インカムゲイン」~「特別損益」は税引き前、税金費用は「その他(税金費用等)」に含む。また、 「インカムゲイン」~「その他(税金費用等)」は「御幸ビル関連」、「為替影響」を除いた値※2 インカムゲインの金額は、売上総利益(アセット関連損益の金額を除く)と営業外損益(償却債権取立益の金額を除く)の合計金額としています。※3 アセット関連損益の金額は、カスタマーソリューション、環境エネルギー、航空、ロジスティクス、不動産の5セグメントにおける保有資産に係る売上総利益ベースの売却損益および減損等(時価評価損益を含む)の合計金額としています。※4 「アセット関連損益」「特別損益」「その他(税金費用等)」 の25/3期実績値から御幸ビルの大口売却・株式譲渡に係る損益を控除し、それらの損益を「御幸ビル関連」に集約(「御幸ビル関連」70億円の内訳:アセット関連損益370億円、特別損益△206億円、その他(税金費用等)93億円)※5 純利益ベースの為替影響額 親会社株主に帰属する当期純利益の主な増減要因は、次のとおりです(記載の金額は、税金等調整前当期純利益に対する影響額としています)。 インカムゲインの増加 +474億円 アセット関連損益の増加 +130億円 貸倒関連費用の減少 +295億円 経費の増加 △110億円 特別損益の減少 △256億円 その他(税金費用等)の増加 △194億円 御幸ビル関連 △70億円 為替影響 +1億円 (主なトピックス) 2025年4月 ・株式会社サンエーと、共同で管理・運営する太陽光発電設備の導入によるCO2削減プロジェクトを対象としたJ-クレジット※の創出事業開始を発表。※J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出量減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。・株式会社インターネットイニシアティブと、製造業におけるカーボンニュートラルをめざす取り組みに必要なIoTセンサー、ネットワーク、および可視化プラットフォームを一括で提供する「省エネIoTパッケージ」の提供を開始。・新ビジネスの開発促進を目的とした「MHCインキュベーションセンター株式会社」を設立。 2025年5月 ・グループ会社であるEuropean Energy A/Sが、再生可能エネルギー由来の電力から製造するグリーン水素と生物由来の二酸化炭素を合成して生成するメタノール(e-メタノール)の供給をデンマークで開始。・2025年3月期決算発表時点における「中期経営計画(2025中計)の進捗」を公表。 2025年6月 ・グループ会社である三菱HCキャピタルエナジー株式会社と、三菱地所株式会社、サムスン物産株式会社、大阪ガス株式会社の4社が出資する上長都ひかり蓄電合同会社が、北海道千歳市で系統用蓄電池設備の設置に向けて着工したことを発表。・お客さまのDXや新規事業開発を支援するための機能強化を目的に、株式会社インダストリー・ワン(現:エムシーディースリー株式会社)と業務提携契約を締結。 2025年7月 ・気候アクションに特化した「Jリーグ気候アクションパートナー」契約を締結。・宮崎県綾町が開始したAIオンデマンド配車サービス※の提供にあたり、MONET Technologies株式会社と、AIオンデマンドシステムならびに車両を納入。※AIを活用して、利用者の予約に応じて効率的な運行ルートを計算し、リアルタイムで運行する交通サービス。従来のバスのように定時定路線ではなく、利用者のニーズに合わせて柔軟に運行できる点が特長。・郵船クルーズ株式会社が運行する新造クルーズ船「飛鳥Ⅲ」へ、デジタルサイネージとキャビン用テレビのサービスソリューションの提供開始を発表。 2025年8月 ・株式会社エネコートテクノロジーズ、北海道電力株式会社と、ペロブスカイト太陽電池※を活用した共同実証実験を開始。※ペロブスカイト構造と呼ばれる結晶構造を持つ化合物を発電層として用いた、薄く、軽く、曲げることが可能な次世代太陽電池。・グループ会社であるEngine Lease Finance Corporationが、ナローボディ機※1エンジン製造・販売大手のCFM International S.A.と新型航空機エンジン合計50基の直接購入契約※2締結を発表。※1 座席数が100~200席前後で機内の通路が1本の航空機。※2 本契約の詳細は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」をご参照ください。・当社ならびにグループ会社のMHCリニューアブルネットワークス株式会社は、MCリテールエナジー株式会社とともに、分散型蓄電池を活用したソリューションの第一弾として、株式会社ローソンの店舗への蓄電池設置を発表。・当社ならびにグループ会社である三菱HCキャピタルITパートナーズ株式会社が、VAIO株式会社の保証付きリファービッシュパソコン「Reborn VAIOTM」を合計280台導入することを発表。※リース終了などでメーカーが利用顧客から買い取った自社製パソコンを、VAIO安曇野本社工場で修理・整備し、厳格なVAIO独自基準で再生したうえで、メーカー保証を1年付加したパソコン。通常の中古品とは異なり、検査やクリーニング、必要に応じて部品交換などが行われている。・愛知県知多市における低炭素水素モデルタウン実証事業への参画を決定。 2025年9月 ・2024年6月に資本業務提携契約を締結した株式会社ソラリスと、ミミズ型管内走行ロボットを活用した予防保全型インフラメンテナンス※のサブスクリプションサービスの提供開始を発表。※施設の機能や性能に不具合が発生する前に修繕などの対策を行うこと。・アルプスアルパイン株式会社と、子どもの安全を見守るIoTサービスの実証実験を開始。・2025中計の非財務目標の一つである「2030年度にGHG排出量※(Scope1、2)を2019年度対比で55%削減」について、2024年度に前倒しで達成したことを発表。※Green House Gasの略称。温室効果ガス。・株式会社日立ハイテク、戸田建設株式会社、株式会社ビケンテクノと当社の4社で推進する筑波大学付属病院陽子線治療施設整備運営事業により納入した陽子線がん治療システムが治療を開始。 2025年10月 ・グループ会社である三菱HCキャピタルリアルティ株式会社が、リノべる株式会社と不動産の再生を軸としたプロジェクトマネジメント事業に関する合弁契約を締結し、リテラム株式会社を設立。・中銀リース株式会社と当社が提供する「GX Assessment Lease※」に関する連携協定の締結を発表。※お客さまの低炭素設備の導入を支援する当社独自のリース割賦プログラム。・株式会社Nexa Ware、ロジスティード株式会社、株式会社椿本チエインと当社の4社による、物流倉庫向け遠隔フォークリフト操作システムの実証実験開始を発表。 2025年11月 ・国内最大規模となる新事業創出アイデアソン「CLAP WakBiz」を開催。上場企業を中心に104社の新事業開発担当者171名と当社社員70名、計241名が参加。 2025年12月 ・山梨中銀リース株式会社と「GX Assessment Lease」に関する連携協定の締結を発表。・グループ会社であるMHCリニューアブルネットワークス株式会社が、株式会社エコスタイルと低圧太陽光発電所の取得・集約を目的とした共同出資による特別目的会社の設立を発表。 2026年1月 ・新ビジネスの開発加速を図る取り組みの一つである「Zero-Gravity Venture Lab」において、社内起業制度「ファウンダープログラム」の第3期最終審査通過案件を決定。 2026年2月 ・環境省がESG金融の普及・拡大に向けて開催する第7回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」資金調達者部門において、銀賞(環境大臣賞)を受賞。・ひろぎんリース株式会社と「GX Assessment Lease」に関する連携協定の締結を発表。・グループ会社である三菱HCキャピタルエナジー株式会社が、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則に基づき2025年4月に施行された新制度「長期安定適格太陽光発電事業者」の認定取得について発表。 2026年3月 ・株式会社日立オートメーションと共同で、移動式協働ロボットの保守一体型月額サービスの提供開始を発表。・大型クレーンのファイナンスに加え、アセットを活用した新たなビジネス展開を進めるため、クレーン業、重量品輸送および風力発電所建設事業を手掛けるDENZAI株式会社と資本業務提携契約を締結。・流通・製造業向けに、株式会社日立ソリューションズ東日本のソリューションを活用した在庫点検サービスの提供を開始。 (当連結会計年度に実施したイノベーション投資ファンド※1の投資実績)出資先企業名事業概要株式会社Predictionサイネージ付き複合機の販売およびオフィス内のサイネージ広告事業Synergy ESCO Holdings Pte. Ltd.エネルギー効率化ソリューションの展開株式会社ハイレゾGPU※2データセンターの運営GPUクラウドサービスの提供Turing株式会社AI基盤モデルを駆使した完全自動運転システムの開発Cuebus株式会社独自開発のリニアモーターを使用した都市型立体ロボット倉庫システムの提供Space BD株式会社衛星打上げ事業、国際宇宙ステーション利用事業、技術プロジェクトマネジメント、宇宙機器輸出入事業、教育事業、地域産業振興事業※1 新サービスの創出や新事業開発の促進を目的に、2023年4月に運用を開始したスタートアップ企業対象の総額100億円の投資枠。※2 Graphics Processing Unitの略称。画像処理装置として開発されたコンピューターデバイスで、動画編集やAI開発など大量のデータを並行して処理する能力に優れている。 ② 報告セグメント別の経営成績 報告セグメント別の経営成績ならびに主な増減要因は次のとおりです。なお、当連結会計年度より「海外地域」セグメントの名称を「海外カスタマー」に変更しました。 各セグメントの事業内容は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しています。 (カスタマーソリューション)前期に計上した関係会社株式売却益の剥落があったものの、収益性の高い資産の積み上げや不動産売却益の増加、貸倒関連費用の減少などにより、セグメント利益は前期比42億円(11.5%)増益の411億円となりました。 (海外カスタマー)欧州事業において過去の英国自動車ローン手数料問題に係る大口費用の計上※等があったものの、米州事業において貸倒関連費用が減少したことなどにより、セグメント利益は前期比57億円(213.8%)増益の83億円となりました。※詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結損益計算書関係)※5 補償損失引当金繰入額」をご参照ください。 (環境エネルギー)前期に計上した海外インフラ案件に係る投資有価証券売却益の剥落やEuropean Energy A/S向け持分法投資に係る取込利益の減少などにより、セグメント利益は前期比96億円減益、48億円の損失計上となりました。 (航空)減損損失が増加したものの、リース料収入の増加や子会社の決算期変更による増益効果などにより、セグメント利益は前期比73億円(15.5%)増益の545億円となりました。 (ロジスティクス)子会社の決算期変更による増益効果などにより、セグメント利益は前期比61億円(26.3%)増益の293億円となりました。 (不動産)前期にあった株式会社御幸ビルディングの売却に係る増益効果の剥落があったものの、複数の大口アセット売却益の計上などにより、セグメント利益は前期比139億円(114.3%)増益の261億円となりました。 (モビリティ)国内事業における持分法による投資利益の増加や海外事業におけるリース料収入およびリース満了車両の売却益の増加などにより、セグメント利益は前期比2億円(9.1%)増益の33億円となりました。 ③ 連結財政状態 当期末の総資産は前期末比1兆3,272億円(11.3%)増加の13兆895億円、純資産は前期末比2,042億円(11.3%)増加の2兆87億円、有利子負債(リース債務を除く)は前期末比1兆395億円(11.8%)増加の9兆8,803億円、自己資本比率は前期末比不変の15.2%となりました。 ④ 資本の財源および資金の流動性に係る情報 当社グループは、リース取引に係るリース物件の取得や貸付等の事業を行うにあたって、内外の通貨により多額の資金調達を行っています。 当連結会計年度末における有利子負債(リース債務を除く)は、前期末比1兆395億円増加の9兆8,803億円となり、負債合計は前期末比1兆1,229億円増加の11兆807億円となりました。有利子負債のうち、長期借入金等の長期性の負債は前期末比5,945億円増加の6兆4,511億円、短期借入金、コマーシャル・ペーパー等の短期性の負債は前期末比4,450億円増加の3兆4,292億円となりました。 資金調達にあたっては、調達コストを抑制しつつ安定的に事業資金を確保していくことを念頭に、金融機関借入による間接金融と、社債、コマーシャル・ペーパー、リース債権流動化等による直接金融により、調達手段の多様化に努めています。間接金融においては、メガバンク・地域金融機関・生命保険会社等の幅広い金融機関と長きにわたって築き上げてきた良好な関係を生かし、安定した借入取引を継続しています。直接金融においては、金融機関や機関投資家からの調達のみならず、個人投資家向け社債を発行するなど、調達源の多様化も進めています。 なお、当社グループ全体の資金管理については、当社および地域財務拠点からのグループファイナンスも活用し、資金を効率的に融通する体制を整えています。 流動性の観点では、平時より綿密な資金繰り管理や、資金流動性リスクのモニタリング運営を実施しているほか、四半期ごとに開催されるALM委員会において流動性リスクについての現状および課題を把握し、リスクに対する対策を審議しています。当社グループでは、これらリスクマネジメントの取り組みを通じて、強固な財務体質をめざしています。 金融市場の混乱や、各種リスクによる調達環境の変化への備えとしては、複数の金融機関との間で当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結することで、緊急時の流動性補完手段を確保しています。当連結会計年度末において、当社グループにて締結しているコミットメントライン契約のうち未使用額は7,883億円となっています。 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ⑤ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表および財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく営業貸付金の状況 当社の営業貸付金の状況は次のとおりです。① 貸付金の種別残高内訳2026年3月31日現在 貸付種別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)平均約定金利(%)消費者向 無担保(住宅向を除く)180.2590.001.62有担保(住宅向を除く)-----住宅向4,66863.9919,1241.141.89計4,68664.2419,1341.141.89事業者向 計2,60935.761,652,12698.862.07合計7,295100.001,671,261100.002.06② 資金調達内訳2026年3月31日現在 借入先等残高(百万円)平均調達金利(%)金融機関等からの借入1,837,1591.82その他2,094,0651.20 社債・CP1,973,1731.19合計3,931,2251.49自己資本794,005- 資本金・出資額33,196-(注)1. 当期の貸付債権の譲渡の合計額は、0百万円です。2. 平均調達金利については、借入金等の期末残高に対する約定金利による加重平均金利を記載しています。 ③ 業種別貸付金残高内訳2026年3月31日現在 業種別先数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)製造業1022.4142,7672.56建設業80.195610.03電気・ガス・熱供給・水道業340.8171,6324.29運輸・通信業220.52205,68412.31卸売・小売業、飲食店1673.9511,4110.68金融・保険業300.7145,9222.75不動産業811.92721,93843.20サービス業3247.67505,19630.23農業----個人3,36479.6219,1341.14その他932.2047,0112.81合計4,225100.001,671,261100.00 ④ 担保別貸付金残高内訳2026年3月31日現在 受入担保の種類残高(百万円)構成割合(%)有価証券-- うち株式--債権4,2600.25 うち預金1,3560.08商品--不動産23,1601.39財団--その他11,1970.67計38,6182.31保証5,9520.36無担保1,626,68997.33合計1,671,261100.00⑤ 期間別貸付金残高内訳2026年3月31日現在 期間別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)1年以下97813.4063,8013.821年超 5年以下74110.16880,32352.675年超 10年以下7179.83484,51928.9910年超 15年以下971.33171,83110.2815年超 20年以下1592.1825,3491.5220年超 25年以下1,00313.758,6080.5225年超3,60049.3536,8272.20合計7,295100.001,671,261100.00一件当たり平均期間6.54年(注)期間は、約定期間によっています。

事業リスク

  • 景気変動による信用リスク
    国内外の景気減速や後退により、取引先の事業環境が悪化すると、設備投資需要が減少し、リース取引が減少する可能性があります。また、取引先の信用状況悪化により不良債権が増加し、貸倒引当金の追加繰入が必要となることで、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • アセット価値変動リスク
    航空機、海上コンテナ、不動産などの保有アセットは、景気動向、金融情勢、技術革新、地政学リスク、自然災害などにより、その価値が変動する可能性があります。アセットの売却価格の変動や減損損失の計上、物件管理コストの増加などにより、収益性が悪化する可能性があります。
  • 投資事業の収益性リスク
    再生可能エネルギー事業や事業会社・ファンドへの投資活動において、景気変動、需要減退、投資先の業績不振などにより、期待通りの収益が得られないリスクや投資額の回収可能性が低下するリスクがあります。これにより、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|14,634 文字
3【事業等のリスク】当社グループは、グローバルに事業活動を行っており、取引先の事業に必要な設備投資やサービスをリース等により提供しています。リース取引等のために保有するアセットは、事務機器や生産設備といった一般的な動産のほか、航空機等特定の産業で使用されるアセットまで多様化しています。国内外の景気の減速・後退にともない、取引先の事業環境等が悪化し設備投資需要が大幅に減少した場合、リース取引の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、内部プロセス・人・システムが不適切であることもしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから生じる損失によっても、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事業等の主なリスクについて、全社的なリスク管理体制を構築するとともに、リスク顕在化の未然防止と発生時の影響の極小化に努めています。また、経営の健全性維持と収益性向上を両立させることで持続的な成長を図るため、「統合リスク管理」の枠組みに基づくリスク資本運営を行っています。本項には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)トップリスク 当社グループは、後述する「(2)全社的リスク管理で分類している主要なリスク」「(3)その他のリスク(業務面および経営環境に関するリスク)」に記載されている各リスクを含めたリスク事象に関して、リスクシナリオが顕在化する蓋然性と影響度に基づき、最も警戒すべきリスク事象をトップリスクとして特定し、グループ内でのリスク認識の共有を図るとともに、リスク発生の予防、発生時の早期対応、および影響拡大の抑制等に活用しています。トップリスクは経営陣による議論を経て特定しており、有価証券報告書提出日時点におけるトップリスクは以下のとおりです。 トップリスクリスク事象リスクシナリオ例地政学リスク・中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格高騰、サプライチェーンの混乱によるインフレ、経済の減速、取引先の業績悪化、急激な金利上昇・米中間や同盟国間での政治的摩擦激化に伴うビジネス環境悪化サイバー攻撃・当社グループやサードパーティに対するサイバー攻撃によるシステム障害、サービス停止・情報漏洩による賠償・行政対応、レピュテーション低下与信費用増加・当社グループの事業領域における急激な市況の悪化・グローバルな経済・金融環境の不安定化による取引先の業績悪化事業投資採算悪化・制度変更や金利上昇、コスト高騰等に伴う採算悪化による投資機会減少・建設遅延や設備不調、稼働率低下等による既存投資案件の収益悪化関税政策、輸出規制等の強化・各国の関税引き上げを通じたインフレの再燃、取引先の業績悪化・経済安全保障を背景とした主要国間での輸出規制・投資規制等の強化に伴う供給制約による経済減速国内経済、財政不安・国内物価上昇、金利上昇の継続に伴う取引先の業績悪化・日本の政府債務懸念増大による資金調達環境の悪化大規模災害・南海トラフ地震・首都直下地震による人命・拠点・システムの被災、業務停止・災害に伴う顧客の事業停止、与信コスト増加、資産価値の下落外貨資金調達リスク・金融市場の混乱による外貨資金調達環境の悪化人的資本の制約・専門人財の採用難による持続的成長の停滞サステナビリティ対応に関するリスク・ESG潮流の変化に対応できず投資家や取引先からの評価低下 (2)全社的リスク管理で分類している主要なリスク 当社グループでは、全社的リスク管理の枠組みに基づき、以下のとおりリスクを分類・認識し、適切に管理を行っています。① 信用リスク 当社グループは、リース取引や割賦販売、金銭の貸付等の形態による金融サービスの提供により、中長期にわたり信用を供与する事業を行っています。今後の景気動向や金融情勢によっては、企業の信用状況悪化による不良債権の増加にともない貸倒引当金の追加繰入等が必要となり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 個別案件の取り組み可否の検討にあたっては、当社グループ独自の格付制度を用いて取引先の信用状況を精査するとともに、リース対象物件の価値やカントリーリスク等を踏まえたうえで総合的に審査を行い、リスクに基づく適切なリターンの確保に努めています。また、取引開始後も継続的に取引先の信用状況をチェックし、取引先の信用状況悪化の際には必要な措置を講ずる態勢を整えています。さらに、ポートフォリオ全体として、特定取引先、業種、国・地域等に与信が集中しないよう、リスク分散を考慮した与信運営に取り組んでいることに加えて、定期的にポートフォリオの信用リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。② アセットリスク 当社グループは、国内外において、一般的な動産に加え、航空機等のグローバルアセット、建物等の不動産を保有し、オペレーティング・リース等の形態で、これらを賃貸する事業を行っています。この事業では、前述の信用リスクに加えて、アセットリスクを負っているため、アセットの運用や処分によって得られる収入の変動が当該取引の採算に影響を及ぼす可能性があります。このため、オペレーティング・リースの取り組みにあたっては、個別案件の取り組み時に、取引先の信用状況に加え、アセットの種類に応じて、その価値を慎重に見極めて審査を行っています。また、取引開始後も継続的に当該アセットに係るリースや売買市場の状況、賃借人によるアセットの利用状況等のモニタリングを行い、リスクの顕在化防止、軽減に努めています。a. グローバルアセット 当社グループは、航空機、航空機エンジン、コンテナ、鉄道貨車等のグローバルアセットを国内外において保有し、オペレーティング・リース等の形態で、これらを賃貸する事業を行っています。グローバルアセットに関する事業では、前述の信用リスクに加えて、当該アセットの価格変動リスクを負っています。オペレーティング・リースでは、取引先からのリース料収入のほか、リース期間満了後にアセットを売却して資金の回収を図ります。また、取引先の経営破綻等の際には、当該アセットを引き揚げたうえで、別の取引先とリース取引等を行うほか、アセットを売却して資金の回収を図ります。アセットの売却に際しては、景気動向や金融情勢のほか、技術的問題に起因する大事故、技術革新による陳腐化、法律や規制等の改定、世界的な感染症の拡大やテロの懸念の高まり、あるいは自然災害や戦争・地政学的リスク等によってもアセットを取り戻せなくなるリスクやアセット売却価格が変動するリスクが生じるほか、減損損失の計上や物件管理に付随するコストの増加等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 グローバルアセットのオペレーティング・リースの取り組みにあたっては、個別案件の取り組み時に、動産を対象とする取引時の確認事項に加え、将来のアセットの流動性等を含め総合的に審査を行うとともに、信用リスクやアセットの価格変動リスクに見合った適切なリターンの確保に努めています。さらに、アセットの種別や地域・満了時期等リスク分散を考慮したポートフォリオを維持すべく、当社グループ内でクライテリアを定めて運用しています。また、取引開始後も継続的に取引先の信用状況や業界動向をチェックし、必要に応じてアセットの劣化を回復するための預かり金を取引先から徴求するなどして、取引先の信用状況悪化の際に必要な措置を講ずる態勢を整えています。加えて、リスク所管部署にて、主要なアセットカテゴリーごとに、対象業界の動向やアセットの価値変動に影響を及ぼす兆候を定点観測する予兆モニタリングを実施するとともに、事業本部とのリスクコミュニケーションを継続的に行っています。また、定期的に取引先の信用リスクやポートフォリオにおけるアセットの価値変動リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。 b. 不動産 当社グループは、国内外において、オフィス、住宅、商業施設、物流施設、ホテル、データセンター等の商業不動産に対する投融資や保有不動産を活用した賃貸および事業運営等を行っていますが、当該アセットは収入変動リスクや価格変動リスクを負っています。不動産に関する事業では、テナント等からの賃貸料収入のほか、長期保有方針以外のアセットでは、適切な時期にアセットを売却して資金の回収を図ります。賃貸料収入やアセットの売却収入については、景気動向、金融情勢、アセットの所在する個別のロケーションの賃貸市況といった市況環境によって収入が変動し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 個別案件の取り組み時に、将来のアセット価値や流動性等を慎重に見極めて総合的に判断を行うとともに、アセットの価格変動リスクに見合った適切なリターンの確保に努めています。また、取り組み後も継続的にアセットの運用状況、価格動向や業界動向をチェックし、収益の極大化を図る態勢を整えています。加えて、リスク所管部署にて、業界の動向やアセットの価値変動に影響を及ぼす兆候を定点観測する予兆モニタリングを実施するとともに、事業本部とのリスクコミュニケーションを継続的に行っています。また、定期的にポートフォリオにおけるアセットの価値変動リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。③ 投資リスク 当社グループは、国内外の太陽光や風力を中心とする再生可能エネルギー発電事業、事業会社やファンドへの出資等のさまざまな事業に対する投資活動を行っています。このような投資活動においては、景気変動や需要の減退といった事業環境が変化するリスク、投資先やパートナーの業績停滞等にともなって期待どおりの収益が上げられないリスクや投資額の回収可能性が低下するリスク、投資先の株価が一定水準を下回るリスクがあるほか、投資先の業績にかかわらず経済・金融情勢の急激な変化や金融市場の大きな混乱等により株価が一定水準を下回る状態が相当期間に及ぶリスク等があり、評価上の損失を含め投資の一部または全部が損失となる、あるいは追加資金拠出が必要となる場合があります。さらには、パートナーとの経営方針の相違、投資資産の流動性の低さ等により当社グループが望む時期や方法での事業撤退や事業再編が行えないリスク、あるいは、投資先から適切な情報を入手できず当社グループに不利益が発生する等のリスクがあり、そのような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 投資案件の取り組みにあたっては、個別案件の投資額やリスクの深度等に応じて投資案件協議会を開催し、関係各部の意見を確認、幅広い視点で将来の投資価値や流動性等を慎重に見極めて総合的に判断を行うとともに、リスクに見合った適切なリターンの確保に努めています。加えて、取り組み後も継続的に投資の運用状況や業界動向をチェックし、収益の極大化を図る態勢を整えています。また、定期的にポートフォリオにおける投資価値の変動リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。④ 市場リスクa. 金利変動リスク 当社グループの行うリース取引や割賦取引におけるリース料や賦払金は、取引対象物件の購入代金や契約時点の市場金利水準等をもとに設定され、基本的に契約期間中は変動しない取引が中心となっています。一方、リース物件等の取得資金に掛かる資金原価等は、資金調達の多様化や資金コスト低減を目的に、固定金利調達と変動金利調達とのバランスを図りながら調達を行っているため、市場金利変動の影響を受けます。したがって、金融情勢の急変によって、市場金利が急激に上昇するような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。b. 為替変動リスク 当社グループは、海外での事業展開に積極的に取り組み、外貨建資産が増加しており、連結営業資産に占める割合も高まっています。当社グループの海外連結子会社では、原則として資産と同一通貨での資金調達を行っていますが、各社の財務諸表は現地通貨で表示されている一方、当社の連結財務諸表は日本円で表示されているため、為替相場の大幅な変動が生じた場合、日本円換算での当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、金融市場の動向を随時注視するとともに、ALM(資産・負債の総合管理)により、資産運用と資金調達の金利形態や為替等のミスマッチの状況を随時モニタリングし、金利動向を考慮しながら適宜ヘッジオペレーションを行い、金利変動リスクを管理しています。為替変動リスクへの対応としては、外貨建営業資産に合致した通貨での資金調達を原則とし、為替評価差損益を極小化するよう努めています。また、金利や為替相場が不利な方向に動いた場合に、保有ポートフォリオのポジションが、一定期間、一定の確率でどの程度損失を被る可能性があるかを過去の統計に基づいて計量的に示したリスク量を定期的に計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。なお、ALM委員会は四半期ごと、または状況に応じて開催し、地政学リスク、パンデミック等、さまざまなリスクファクターによるシナリオ分析、データ分析を行い、金融市場環境の動向やリスク量の状況などを踏まえてALM方針を決定しています。⑤ 資金流動性リスク 当社グループは、リース取引に係るリース物件の取得および割賦取引や金銭の貸付等の事業を行うにあたって、内外の通貨により多額の資金調達を行っています。リース等の与信取引や投資等の期間と資金調達の期間とのバランスを図りながら調達を行っていますが、経済・金融情勢の急激な悪化や金融市場の大きな混乱、あるいは当社グループの信用力低下等により、金融機関や投資家のリスク回避姿勢が強まり、十分な資金の確保が困難になる場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 資金調達については、金融機関からの借入に加え、社債、コマーシャル・ペーパー、リース債権流動化等、市場からの直接調達により多様化に努め、かつ、長期・短期の調達バランスの調整や綿密な資金繰り管理を行うとともに、コミットメントラインの取得等により緊急時の流動性補完対策を講じ、資金の流動性確保を図っています。 また、資金流動性のステージ管理を実施しており、調達環境が悪化した場合であっても返済資金を含めた当面の必要資金が確保できるように調達構造を構築し、その流動性の状況を確認し、ALM委員会に報告する運用としています。 ALM委員会では、金利感応度分析(金利変動による収益への影響分析)を実施するほか、金融市場などにストレスがかかった場合における④の市場リスクおよび⑤の資金流動性リスクの状況や損益インパクト等を総合的に検証したうえで、市場環境を踏まえた全社戦略を実現するための資金調達戦略、リスク対応への方針を決定しています。特に、リスク管理に関しては、全社的な統合リスク管理の一環であるリスク管理委員会とも連携しています。予兆管理態勢を強化し、コンティンジェンシー・プランと合わせることで、危機に直面したときの財務構造の柔軟性と回復力の向上に努めています。 また、当社グループは、外貨調達力を引き上げるため、北米に地域財務拠点を設置し、資金調達の集約を含めた「グループファイナンス態勢」を敷いています。地域財務拠点では、間接金融のみならずUSコマーシャル・ペーパーや社債の発行等による多様な資金調達を実施し、北米に展開するグループ会社に対する資金の提供を行っています。⑥ カントリーリスク 当社グループは、グローバルなビジネス展開を行っていることから、取引先や投資先の国や地域における政治・経済等の状況によって損失を被るリスクを負っています。その国における通貨・株価等の急落、国債の債務不履行といった経済情勢の変化に加え、紛争や内乱、政治情勢の変化等さまざまな要因により、ある国ないしはそこに所在する与信取引や投資等に係る貸倒引当金の追加繰入や減損損失の計上等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、各国の経済力・信用力にしたがい取引量の上限値を設定しています。加えて、カントリーリスクを内包する与信取引・投資等の残高が、上限値の範囲内に収まっているかをモニタリングしています。これにより、特定の国や地域に対する依存度を分散させ、カントリーリスクが顕在化した際の損失影響を低減するよう努めています。 ⑦ オペレーショナルリスクa. 地震・風水害・感染症・戦争・テロ等に関するリスク 当社グループは、国内外に拠点・システム等の設備を有し事業活動を行っており、地震・風水害等の自然災害や感染症・戦争・テロ等その他の突発的な事態が発生した場合、拠点やシステム等への被害、従業員が直接の被害を受けるまたは出社が制限される等により、拠点の活動が縮小または運営困難などの被害が生じ、事業活動に支障が生じる可能性があります。また、その被害の程度、あるいは当該事象の発生の長期化等によっては、システム等の設備の復旧に多額の費用が必要になる可能性や事業活動の回復に長期間を要する可能性があり、このような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、このような事態に備え、想定されるリスク事象により所管部を定め、危機事態には対策本部を設置し対応する態勢を整備しています。また、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定、基幹システムの二重化対策、在宅勤務が可能なシステムインフラ整備による業務継続、継続すべき業務を限定したうえでの交代出社等により、業務継続態勢の整備を進めています。b. システムリスク 当社グループは、さまざまな情報システムを利用し、会計処理、各種契約管理、取引先管理、リース物件の資産管理等を行うほか、電子メール等を利用しています。これらの情報システムについては、保守の不備、開発の不調等を起因とするシステムの停止や障害の発生による契約・回収等の業務や取引先への提供サービスの中断による営業活動の停滞、経済的損失等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループは、システムの安定稼働のため、当社および協力会社との連携による強固な保守管理態勢を整備し運用しています。障害等発生時には当該事象の社内外の速やかな情報連携・対応を行うとともに、その後の再発防止策の策定・実施も含めた一連の対応態勢を構築しています。また、システムの開発にあたっては、当社開発プロセスの標準的手法を国内外のグループ会社へも展開しグループベースでのIT統制を行っています。c. サイバーセキュリティリスク・情報セキュリティリスク 当社グループは、さまざまな情報システムを利用し、会計処理、各種契約管理、取引先管理、リース物件の資産管理等を行うほか、電子メール等を利用しており、これらの情報システムについては、ビジネスメール詐欺、マルウェアの侵入、外部からの不正アクセス等、サイバー攻撃等を受けるリスクがあります。外部からの不正アクセスやマルウェアの侵入、人為的ミス、不正、詐欺行為等により、システムの停止や障害、金銭的被害の発生、あるいは当社機密情報や取引先情報の漏洩、不正使用等が発生した場合、契約・回収等の業務や取引先への提供サービスの中断による営業活動の停滞、経済的損失、重要情報の外部への漏洩による社会的信頼の失墜等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、これらのリスクに対し、社内に組織横断型チームMHC-SIRT(Security Incident Response Team※)を設置し、入口・内部・出口の多段階での防御とインシデント発生時の対応態勢を整備しています。具体的には、脆弱性を悪用したサイバー攻撃への備えとして、ソフトウェアを最新の状態に更新し、外部からの不正アクセスやマルウェアの侵入、サイバー攻撃等を検知し、トラブルを未然に防止する管理態勢を講じるとともに、インシデント発生時の社内外の連携態勢の整備・訓練を行い、全社員に対し標的型メール訓練や情報セキュリティに係る社内教育を継続的に実施しています。万一インシデントが発生した場合には、MHC-SIRTが中心となり、速やかに初動対応を実施するとともに、影響範囲の特定、被害拡大の防止、原因分析、システム等の復旧対応および再発防止策の策定・展開までを一体的に実施します。これにより、重要業務の継続および早期復旧を図り、当社グループの事業運営への影響を最小化する態勢としています。※当社グループに対する標的型メール攻撃や不正アクセスなど、サイバー攻撃を中心とした情報セキュリティ事案への対応を行う当社内の組織横断型のチームです。(MHC=三菱HCキャピタル)d. 法的リスク 当社グループの業務活動は、国内外の各種関連法令等の適用を受けています。主なものとして、会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、贈収賄関連諸法、個人情報保護法、貸金業法、割賦販売法、犯罪収益移転防止法、環境関連諸法等を遵守する必要があり、海外においては、それぞれの国・地域における法令の適用を受け、規制当局の監督を受けています。法令や社会規範・社内ルール等が遵守されなかった場合、業務の制限や停止、取引先等からの損害賠償の請求、社会的信頼の失墜等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループは、法令や社内ルールにしたがって業務活動等を行うこととしており、法令遵守のために必要な社内規程等を制定するほか、法曹資格者を含む法務室を設置し、各種法務支援、役職員への教育・研修、および連結ベースでの法的リスク管理体制の強化に努めています。 また、当社グループでは、反社会的勢力の排除やマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与の防止、経済制裁への対応等、グローバル金融犯罪対策に取り組んでいます。さらに、世界情勢や規制動向の変化を踏まえ、金融犯罪リスクに応じ、顧客確認・管理態勢の高度化やeKYC※などのデジタル技術の活用に取り組んでいます。 ※eKYCとは「electronic Know Your Customer」の略であり、電子的に本人確認を完結する仕組み。e. 制度変更リスク 当社グループの業務活動は、国内外の法令・会計・税制等、各種制度の適用を受けています。当社の業務に密接に関連する各種制度に大幅変更・改訂等が発生し、当社が当該制度変更・改訂に適切に対処できなかった場合、各種制度への不適合による罰則、商品の取扱い中止、業務活動の制限、会計上の売上減少等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、国内外の法令・会計・税制等の各種制度について、コーポレートセンター・各事業本部・国内営業拠点・各国拠点のそれぞれが、担当業務・国に係る制度等の改訂・変更の状況を継続的にモニタリングしていることに加え、外部専門家の積極的な活用により当該モニタリングを補強しながら、各種変更・改訂の早期の情報収集・対策の実施を行っています。f. 事務リスク 当社グループは、さまざまな形態の取引を行っており、取引ごとにさまざまな事務管理が発生しています。これらの事務管理については、不適切な事務等の人為的ミス、不正等により、契約・回収等の業務や取引先への提供サービスの中断による営業活動の停滞、取引先からの信用の失墜等が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループは、取引ごとに事務管理ルールを定め、当該事務管理ルールにしたがって業務を行うとともに、同ルールの見直しを適宜実施しています。また、社内で事務事故が発生した場合の社内報告態勢を整備し、事故発生時には社内報告・発生事象への迅速な対応・事故原因の特定と再発防止策の策定・実施を行う態勢を構築し運用しています。 (3)その他のリスク(業務面および経営環境に関するリスク) 当社グループでは、以下のようなリスクについても認識し、適切に管理を行っています。① コンプライアンスリスク 当社グループは、法令等はもとより社会規範を遵守し、高い倫理観をもって行動するよう全役職員にコンプライアンスを徹底しています。しかし、万一これらに反する行為が顕在化した場合、当社グループの信用、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社では、法務コンプライアンス部を設置し、当社グループのコンプライアンスを統括しています。また、法令等の遵守徹底を図るため、コンプライアンスプログラムを策定し、実施しています。 具体的には、基本的なコンプライアンスに対する価値観・倫理観の認識・共有を図るため、「三菱HCキャピタルグループ倫理綱領・行動規範」を定め、当社グループ役職員の指針としています。また、倫理綱領・行動規範を補完するものとしてコンプライアンスに関する各種方針や社内規程を整備するとともに、コンプライアンスに関する継続的な教育を実施しています。 また、行動規範の浸透状況や職場環境の状態確認等を目的として、当社グループの役職員を対象に、コンプライアンス意識調査を定期的に実施しています。 加えて、役職員等が不正行為等(腐敗を含むあらゆる法令違反行為、社内規程違反行為および倫理綱領違反行為、または、そのおそれがあると思われる行為)を通報・相談する内部通報制度を整備・運用する等、コンプライアンス態勢の強化に努めています。 ② コンダクトに関するリスク 当社グループでは、10年後のありたい姿である「未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター」に向けて「変革」をキーワードとしてさまざまな施策を実施していますが、この過程において役職員により、顧客保護、有効な競争、市場の健全性、公共の利益および社会規範から逸脱した行為等によりステークホルダーに不利益が生じた場合、当社グループの信用、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、「経営の基本方針」のなかで「社員一人ひとりが“持つべき価値観・心構え”“取るべき行動”」である「行動指針」のひとつとして、高い倫理観を持ち、絶えず基本に立ち返る「インテグリティ」をもって行動するよう定め、全役職員に徹底しています。③ 人財確保に関するリスク 当社グループは、国内外で展開している各種事業の競争力を維持・強化していくため、十分な人的資源を安定的に確保する必要があります。当社グループでは、継続的に有能な人財の確保・育成に努めていますが、必要な人財を十分に確保・育成できない場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、新卒採用およびキャリア採用を行い積極的な採用に努めています。採用態勢の強化として、新卒採用ではインターンシップや社員と学生が対話をするリクルーター面談の実施、キャリア採用では社員紹介によるリファラル採用や、一度退職した社員を再雇用するカムバック採用を導入する等、多様な人財の採用を行っています。また、社員一人ひとりが自発的に挑戦し価値を創造し続けるために、「キャリア」「階層別」「DX」「自己啓発」等を人財育成のテーマに掲げ、各種研修の実施や資格取得支援、社員のキャリア形成に資するキャリアチャレンジ制度(社内外の各種ポジションへの公募制度)の導入等、さまざまな成長機会を提供し支援することで、社員の育成に努めています。④ 労務・雇用管理に関するリスク 当社グループの業務には多くの従業員が従事していますが、長時間労働により、従業員の心身の健康等に悪影響を及ぼし、想定していた業務を遂行できないリスク、または雇用等に関する法令遵守事項を適切にモニタリングしていないことによって法令違反を犯してしまうリスク、加えてこれらにより社会的信用を毀損する可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループでは、DXを活用した業務改善や多様な働き方を可能とする制度(コアタイムのないフレックス勤務、在宅勤務、サテライトオフィス等)を推進し、長時間労働縮減だけでなく育児・介護の必要な社員が活躍できる環境づくりに努めています。また、ハラスメント等の労務問題についても国内外の従業員に対して、社内通報・相談窓口を設置するなど対応しています。従業員が最大限能力を発揮できるよう「働きやすい職場づくり」を当社グループの重要な取り組みテーマとして推進しています。⑤ 事業基盤拡大・戦略的提携・M&A等に関するリスク 当社グループは、事業基盤拡大による持続的な成長を図るため、国内外で、当社グループ独自での展開に加え、各種サービスの充実に向けた外部との戦略的な提携にも取り組んでおり、また、M&Aによりグループの事業ポートフォリオの多様化・拡充を図っています。 このようなアプローチで、事業の多角化やサービスの充実に取り組んでいますが、国内外の経済・金融情勢の変化、競争の激化、提携先の事業環境の変化や戦略の変化、関連法令の変更等により、期待した効果が得られない可能性、M&Aの際に計上したのれんの減損処理を迫られる等、追加的な費用計上が必要となる可能性があり、このような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 M&A等の案件の取り組みにあたっては、個別案件の投資額やリスクの深度等に応じて関係各部で検討を行うほか、外部の専門家を起用し、幅広い視点で投資ストラクチャーの合理性や将来の投資効果等を慎重に見極めて総合的に判断を行うこととしています。なお、M&A案件実行後においても、当社グループの規程等を適用し、適正な業務運営を行う態勢を整備するとともに、その事業計画や実績管理等のモニタリングを行い必要な対応を適時に行う態勢としています。⑥ ビジネス領域の拡大、新サービス開発にともなうリスク 当社グループは、法令や規制をはじめとする各種の条件で許容される範囲において、新規のビジネス領域・サービスを含めた業務範囲をグローバルベースで拡大しています。その過程において、拡大した業務範囲のビジネス・サービスが想定どおりに進展しない場合、あるいは、リスクの顕在化が合理的な想定の範囲を超えた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 〔リスクに対する主な取り組み〕 新規のビジネス領域に進出する際や新サービスを開発する際には、事前のリスク評価に基づき潜在的なリスクを特定し、進出前やサービス導入前の段階で適切な対策を検討しています。なお、リスクの評価にあたっては、多面的に情報およびデータを分析し、既存ビジネスの経験や知見も生かした評価手法の高度化も進めています。加えて、拡大したビジネス領域の進捗状況や最新のリスク状況を継続的にモニタリングし、必要に応じて関係部署が連携のうえ、迅速に対応策を講じる態勢を整えています。⑦ 競争の激化 当社グループが国内外で行っているリース取引等の各種事業では、同業のみならず金融機関等も含めた競争のさらなる激化、あるいは異業種のビジネスモデル転換や技術革新等による競争環境の変化が生ずる可能性があります。競争状況がさらに激化した場合、マーケットシェアの低下や利益の減少により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループは、競争力の維持・強化に向けて、取引先へのさらなる付加価値サービスの提供、アセットホルダーとしての価値創造力、低コストによる資金調達、デジタル戦略の推進加速などさまざまな取り組みを進めています。これらの取り組みにより、競争の激化にともなうリスクを軽減し、持続的な成長をめざします。⑧ 気候変動リスク 脱炭素社会への移行にともなう法規制の強化、政策変更や技術革新などに起因する移行リスクや地球温暖化の進行にともなう異常気象や自然災害の激甚化などの物理的リスクは、経済への影響を通じて取引先の業績悪化や当社グループが保有するアセットの価値下落などにより、当社グループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動リスクへの対応や情報開示が不十分であった場合、またはそのように見做された場合には、当社グループの企業価値の毀損につながるおそれがあります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループは、持続的に成長するうえで優先的に取り組むべきテーマとして、「脱炭素社会の推進」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして位置づけており、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明し、TCFD提言に準拠したリスクの特定・評価・管理に係る枠組みを構築しており、ESGデータブックなどを通じて情報開示に取り組んでいます。今後も外部環境の変化、気候変動リスクに対する分析・評価の深化に応じて、分析手法や開示内容について継続的に見直しを行っていきます。⑨ 人権侵害リスク 企業の責任はサプライチェーン全体に及び、またサステナビリティへの取り組みが重視されるなか、企業が尊重すべきステークホルダーは、広く一般の個人や地域住民にまで及ぶという考えが主流になってきています。こうしたなか、当該ステークホルダーを軽視し、当社グループにおける人権侵害や当社グループの取引先での人権侵害が発生し、当社グループが人権侵害を自ら引き起こした、助長した、または直接関与したと見做された場合、当社グループの企業価値の毀損につながるおそれがあります。〔リスクに対する主な取り組み〕 当社グループは、人権方針を定め、「人権の尊重を経営における重要課題と認識し、事業活動のすべてにおいて、その責任を果たす」ことを宣言しています。取引先における人権侵害リスクを確認し対話を行う人権デュー・ディリジェンスや社外からの人権に関する相談を受け付ける人権通報窓口の運用を通じて、人権侵害の排除に取り組んでいます。

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