8630

SOMPOホールディングス(8630)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

保険業 金融(除く銀行)

事業の概要

SOMPOホールディングスは、保険持株会社として、国内外で多岐にわたる事業を展開しています。主な収益源は、日本国内での損害保険事業、海外での保険事業、そして国内の生命保険事業です。その他にも、介護事業、延長保証事業、デジタル関連事業、アセットマネジメント事業なども手掛けており、幅広い分野で収益を上げています。グループ全体で134の子会社と22の関連会社を擁し、多様な事業を通じて収益を確保する構造となっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

SOMPOホールディングスの事業セグメントは、主に4つに分けられます。最も売上が大きいのは「国内損害保険事業」で、日本国内での損害保険サービスを提供しています。次に売上が大きいのは「海外保険事業」で、海外市場での保険事業を展開しており、国際的な収益基盤を築いています。その他、「国内生命保険事業」では日本国内で生命保険を提供し、「介護・シニア事業」では介護サービスなどを手掛けています。これらの多角的な事業展開により、幅広い分野から収益を得ていることが特徴です。

2024-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DomesticPAndCInsuranceBusiness 地域 22,479 − −
OverseasInsuranceBusiness 地域 14,453 − −
DomesticLifeInsuranceBusiness 地域 3,090 − −
NursingCareAndSeniorBusiness 地域 1,773 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|331 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社(保険持株会社)および関係会社(子会社165社、関連会社22社)によって構成されており、国内損害保険事業、海外保険事業、国内生命保険事業、介護事業、デジタル関連事業、アセットマネジメント事業等を営んでおります。当社グループの事業の内容、各関係会社の位置づけおよびセグメントとの関連は事業系統図のとおりであります。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 事業系統図 (2026年3月31日現在) (注)各記号の意味は次のとおりであります。 ◎:連結子会社 ★:持分法適用関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
金融庁からの業務改善命令など、保険事業における厳格な規制が存在する。
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:不適切な保険料調整行為等による業務改善命令 / 保険契約情報等の不適切な管理に関する業務改善命令 / 革新的な医療技術による保険ニーズの変化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

SOMPOグループは、長年にわたり培ってきた「損保ジャパン」や「セゾン自動車火災」といった強力なブランド認知度と信頼を有している。特に、自動車保険や火災保険分野でのブランド力は、新規参入企業に対する強力な障壁となっている。また、長年の顧客基盤とデータ蓄積も無形資産と言える。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

保険契約は、一般的に解約・乗り換えに手間や心理的コストがかかる。特に、長期契約や複数の保険を契約している場合、乗り換えによる補償の抜け漏れや手続きの煩雑さを嫌う顧客は多い。自動車保険などでは、過去の事故歴や等級制度が乗り換えの障壁となる場合がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

保険業は、加入者数が増加しても、個々の契約者へのサービス提供価値が直接的に増大するネットワーク効果は限定的である。一部、事故時のロードサービス網などが広がることで間接的なメリットはあるかもしれないが、主たる競争優位とはなりにくい。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

保険料の算定においては、過去のデータに基づいたリスク評価と、それを効率的に処理するシステムが重要となる。しかし、保険業全体として、デジタル化による業務効率化の余地はあり、一部の先進的な取り組みを行う企業がコスト優位を持つ可能性はあるが、SOMPOグループが圧倒的なコスト優位を持つとは断言しにくい。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

日本の保険市場は巨大であり、SOMPOホールディングスは国内トップクラスの売上高と市場シェアを有している。この規模は、リスク分散効果を高め、大規模なシステム投資や商品開発を可能にする。また、損害保険ジャパン、セゾン自動車火災、SOMPOひまわり生命といった複数の事業会社を傘下に持つことで、多様な顧客ニーズに対応し、業界内での寡占的な地位を確立している。

SOMPOホールディングスの優位性は、国内外にわたる広範な事業ポートフォリオと、それらを支える強固なグループ体制にあると考えられます。国内損害保険、海外保険、国内生命保険といった主要事業に加え、介護やデジタル関連事業など、多角的な事業展開により収益源を分散し、特定の市場変動リスクを軽減しています。また、戦略的リスク経営(ERM)を経営の羅針盤として活用し、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を目指すことで、安定的な経営基盤を構築している点も強みと言えるでしょう。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの「経営方針」「経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」「報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。また、文中の当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下「KPI」といいます。)の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。また、文中のKPIの各数値については、特に断りが無い限りIFRSに基づき表示しております。 (1) 経営方針当社グループは、保険だけにとどまらない“安心・安全・健康”に資するサービスを提供し、未来を切り拓いていくという当社グループの想いを込めた「SOMPOのパーパス」を定めております。 <SOMPOのパーパス>“安心・安全・健康”であふれる未来へ SOMPOのパーパスの実現に向け、今後10年で目指す姿として、グループビジョン「未来の可能性を解き放つ (The vision to unlock possibilities)」を新設しました。 このグループビジョンには、変化を待つのではなく、グループの一人ひとりがプロアクティブに未来を見据え、自ら考え、行動し、変革していくという意思を込めております。 当社グループは、新たなグループビジョンのもと、グループ全体のシナジーを最大化し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等 日本では、急速な少子高齢化と人口減少による国内市場の構造的縮小や労働力不足、特に介護分野での深刻な人材不足という社会課題が顕在化しています。またグローバルに目を向けると、気候変動による自然災害の激甚化・頻発化、地政学リスクの高まりに伴うサプライチェーンの分断、AI・デジタル技術の爆発的な発展による産業構造の根底からの変化、そしてインフレーションなどが同時に押し寄せています。これらの複合的な要因が当社グループの経営環境を一変させており、当社の伝統的な事業モデルの延長線ではお客さまに安心をお届けし、社会基盤を支え続けることが困難な状況にあると認識しております。 このような厳しい外部環境を踏まえ、当社グループは「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」というパーパスを掲げ、従来の金融・保険の枠組みを超えて社会課題の解決そのものを事業の核に据えております。特に日本は、大規模な自然災害への備えや、少子高齢化の急速な進展において全世代が安心して暮らせる社会システムの構築など、世界に先駆けて解決策を求められる立場にあると認識しております。こうした環境下で当社グループが磨き上げていく高度なリスク管理手法や「安心・安全・健康」に資する多角的な知見は、今後、同様の困難に直面する世界各国の未来を支える一助になると確信しております。 このようなグローバルな社会課題の解決こそが、当社グループの使命であります。 この使命を果たしていくために、まずは足元の最重要課題である業務改善計画をベースとした旧来の企業文化や事業モデルからの脱却を通じた改革を完遂し、ステークホルダーからの信頼という必要不可欠な事業基盤を徹底的に固め直します。 (SOMPO P&C(損害保険事業)) SOMPO P&Cは、グループの戦略目標達成を牽引するため、国内損害保険事業と海外保険事業の連携を一層強化し、グループ一体となって強固な事業基盤の構築を推進してまいります。 SOMPO P&Cの根幹をなすのが「人材」であり、グローバルに蓄積された知見を最大限に活用するため国内外の社員間の連携を促進し、リスク管理の高度化、業務プロセスの最適化、そして戦略的な資産運用をグローバル基準で実現してまいります。これにより、収益性の向上とガバナンス強化を実現し、変化の激しいリスク環境にも対応できる、しなやかで強靭な事業基盤を構築してまいります。 (SOMPOウェルビーイング) SOMPOウェルビーイングでは、人生100年時代に顕在化する「健康・介護・老後資金」に関する3つの「不」※を解消する商品・サービスをグループ一体で提供します。当社グループの各事業や出資先の協業パートナーとの間で、それぞれのユニークな強みを「つなぐ・つながる」戦略で有機的に連携させ、お客さまの人生に「長く」・「厚く」伴走するビジネスモデルに転換し、顧客生涯価値の最大化を目指します。グループ共通顧客基盤の構築や行動科学・AIといった「成長の礎」を推進力とし、グループ会社の垣根を越えた当社グループならではのサービスをお届けすることで、年を重ねることをポジティブに捉えられる社会の実現に貢献します。 ※「健康の不」:平均寿命と健康寿命のギャップ「介護の不」:介護人材の需給ギャップ「老後資金の不」:老後資金を自分で備えられる割合が低いことなどから生じる課題 当社グループは、多様なステークホルダーに真摯に向き合い、確かな信頼関係を築いてまいります。そして、SOMPOの価値観である「誠実」「自律」「多様性」を羅針盤として自らが果たすべき役割を進化させるとともに、新たなグループビジョン「未来の可能性を解き放つ」のもとで一人ひとりがプロアクティブに変革を起こし、事業を通じた社会課題の解決を加速させることで「“安心・安全・健康”であふれる未来」の実現を目指してまいります。 <中期経営計画(2024年度~2026年度)における主なグループ経営数値目標の進捗>項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)修正連結ROE13~15%13.4%11%程度修正EPS成長率年率+12%超-年率+19%程度修正連結利益-5,352億円5,000億円 SOMPO P&C-4,847億円4,600億円 国内損害保険事業-2,194億円1,800億円 海外保険事業-2,653億円2,800億円 SOMPOウェルビーイング-741億円750億円 国内生命保険事業-613億円610億円 介護事業-109億円130億円 その他ウェルビーイング-19億円10億円 その他-△236億円△350億円 (注)事業部門別修正利益、修正連結利益、修正連結純資産および修正連結ROEの計算方法は、以下のとおりであります。 ◆業務改善計画の推進当社および損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」といいます。)は自動車保険金不正請求等への対応に関する行政処分(2023年度)、損保ジャパンは保険契約の保険料の調整行為(2023年度)および保険契約情報等の不適切な管理に関する行政処分(2024年度)に基づき、業務改善計画に取り組んでおります。当社は、経営管理会社としてのガバナンス態勢の抜本的な強化に向け、当社の代表執行役が損保ジャパンの取締役を兼任するなど同社に対する監督態勢を強化しております。また、当社の常勤監査委員1名が損保ジャパンの監査等委員を兼任することで、両委員会の意思疎通を深めるとともに、牽制機能強化を目的として新設したグループCAE(グループの内部監査領域の最高責任者)に加え、国内外における内部監査機能の一層の強化を図るため新たにグループDeputy CAEを配置し、グループ全体で実効性のある監査体制の実現を図っております。さらに、2024年度に見直した「グループ共通コンピテンシー」を、採用、評価、マネジメント登用および役員選任の基準に反映することで、再構築したグループ企業理念の浸透・定着を図り、コンプライアンス・お客さま保護を重視する健全な企業風土の醸成に繋げております。損保ジャパンでは、行政処分を受けた一連の事象の真因として指摘されたリスクオーナーシップの欠如や過度なトップライン(売上高)偏重の文化からの脱却に向け、組織目標からトップラインやマーケットシェア等の項目を除外し、収益力だけでなく品質向上に向けた行動を正しく評価する体系へと抜本的に見直しました。また、現場第1線において自律的にリスクを認知・管理するリスクオーナーシップの定着に向けた、経営陣と現場との対話を継続して実施しております。適正な営業推進態勢の確立および競争環境の整備に向けては、「お客さま信頼品質基準」に沿って「お客さま本位の業務運営方針」を見直したほか、顧客本位の業務運営の構築に資さない代理店出向の廃止、政策保有株式の削減を着実に進めております。さらに、適切な保険金支払管理態勢の確立に向けては、営業部門からの不適切な介入を防止するルールの運用やAIを活用した不正請求検知システムの導入など、公平かつ適切な保険金支払いに向けた取組みを加速させております。くわえて、一連の問題を振り返り、改善に繋げる機会として、毎年11月9日を「振り返りの日」、11月を「振り返りの月間」と位置づけ、全役員・社員が「すべてをお客さまの立場で考える」という原点に立ち返るための対話や活動を全社で実施するなど、健全な組織風土の定着に取り組んでおります。当社および損保ジャパンは、上記の取組み等を着実に実行し、引き続き信頼回復に努めてまいります。 ◆損保ジャパンの社内ウェブシステムに対する不正アクセスへの対応状況損保ジャパンは、同社システムに対する不正アクセスの発生およびお客さまの情報の一部が外部に漏えいした可能性について、2025年4月25日および同年6月11日に公表しました。なお、現時点において、本件によりお客さまの情報が不正利用された事実は確認されておりません。本件発生を踏まえ、損保ジャパンではシステムの総点検を行うとともに、監視強化等を含む管理運営および技術対策の両面からなる再発防止策を策定し迅速に実施しております。さらに、当社は、グループ横断でサイバーセキュリティを推進する従来からのサイバーCoE(Center of Excellence)活動に加え、新たに第2線(牽制・監視機能)の態勢を強化し、確実な再発防止策の実行を支援・モニタリングしております。当社グループは、お客さまの大切な情報を預かる責任ある企業として、セキュリティ対策の徹底を図り再発防止に全力を尽くしてまいります。なお、調査の結果、漏えいの可能性が生じた個人情報は1,189万件(うち407万件は損保ジャパンが管理する番号のみ)となり、損保ジャパンは、住所が特定できたお客さまに対し、2025年12月までに、本件に関するお知らせとお詫びを記載した文書を郵送しました。また、再発防止策の策定を含め、金融庁その他の関係当局への報告等の対応は完了しております。 (サイバーCoEを中心とした推進体制) (サイバーセキュリティにおける第2線(牽制・監視機能)の態勢強化) (3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等① 国内損害保険事業ア.経営環境および経営戦略国内損害保険事業を取り巻く環境につきましては、自然災害の頻発化や激甚化、インフレによる保険金支払単価や人件費・物件費の上昇、AIをはじめとしたデジタル技術の進化による産業構造やビジネスモデルの変化など、予測が困難な状況となっております。国内損害保険事業は、このような環境変化の中においても、当社グループの中核事業として、グループが目指す「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」を実現するため、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造することで社会に貢献するとともに、グループの成長に寄与してまいります。 イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況主要事業会社である損保ジャパンでは「E/Iコンバインド・レシオ」および「政策株式削減額」、国内損害保険事業の「事業別ROE」を主要なKPIとしております。損保ジャパンの2025年度E/Iコンバインド・レシオは、火災保険や新種保険の収支改善に加え、自然災害・大口事故の減少により、2025年11月公表の通期業績予想(以下「通期予想」といいます。)を1.7pt下回る93.9%となりました。損保ジャパンの2025年度政策株式削減額は、通期予想を424億円上回る2,924億円となりました。国内損害保険事業の2025年度の事業別ROEについては、損保ジャパンの2025年度E/Iコンバインド・レシオの改善が貢献し、14.6%となりました。中期経営計画においては、政策保有株式について、2026年度までに8,000億円以上の削減を目標として掲げておりましたが、これまでの順調な削減および2026年度においても2,500億円以上の削減を計画していることを踏まえ、中期経営計画期間の削減目標を、2026年5月に9,700億円以上に引き上げております。2026年度のE/Iコンバインド・レシオ、事業別ROEについては、E/Iコンバインド・レシオ95%未満、事業別ROE10%以上を目指しております。 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)E/Iコンバインド・レシオ※95%未満93.9%94.9%政策株式削減額9,700億円以上2,924億円2,500億円以上事業別ROE10%以上14.6%12.4% ※ 日本基準、除く自賠責・家計地震 ウ.KPI達成に向けた主な取組み国内損害保険事業では、損保ジャパンにおける「新しい損保ジャパン」を目指す全社プロジェクト「SJ-R」が着実に進展しており、引き続き、事業基盤と収益基盤の変革を進めていくことで、持続可能な成長を実現してまいります。事業基盤の変革では、カルチャー変革、データドリブン経営の推進、専門人材の強化などに取り組み、競争力の強化を図ります。収益基盤の変革では、既存の取組みに加え、営業部門・保険金サービス部門の基幹オペレーションを見直すことで生産性の向上に取り組みます。また、損保ジャパンは、防災・減災分野の取組みを強化するプロジェクト「HIKESHI DNA 2030 Project」を開始しました。「災害に強く、だれもが安心して暮らせる地域社会の実現」に向け、災害発生前・中・後、すべての局面でお客さまに安心をお届けする商品・サービスの創出に取り組んでまいります。 ② 海外保険事業 ア.経営環境および経営戦略 世界のコマーシャル保険市場では、潤沢な資本流入を背景に引受キャパシティが拡大し、競争が激化しております。一方で自然災害の頻発化や地政学的リスクの常態化という厳しい環境下で、持続的な成長を遂げ、市場を牽引する業績を上げるためには、規律あるアンダーライティング、高度な分析、そして最適な資本配分が不可欠となります。 海外保険事業は、Sompo International Holdings Ltd.(以下「SIH」といいます。)を中心に、米州、欧州、アジア太平洋など広範な地域でコマーシャルおよびコンシューマー分野の損害保険および再保険を展開し、専門性の高いリスクソリューションを提供しております。 SIHは、規律あるアンダーライティングと厳格なリスク評価を重視し、北米、欧州、アジア太平洋などの戦略的地域で持続可能な成長を追求しております。また、徹底的な財務規律のもと、資本効率の最大化と適正な価格設定を追求することで、当社グループの戦略目標達成に貢献しております。 イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況 2025年度、SIHは、北米での中堅企業マーケットの強化や欧州での事業モデルの変革、アジア太平洋での事業拡大などにより、グロス収入保険料(GWP)が過去最高となる171億米ドル(前年比4.4%増)に達し、中期経営計画のKPIの一つである地理的拡大によるGWPの成長10億米ドル超を1年前倒しで達成しました。また、規律あるアンダーライティングと事業費管理に加え、自然災害の減少や投資損益の増加が増益に寄与し、海外保険事業の修正利益は15.0億米ドル、事業別ROEは13.8%となり、中期経営計画の目標を上回り順調に推移しております。 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)グロス収入保険料(GWP)成長※10億米ドル超10億米ドル14億米ドル修正利益※15億米ドル超15.0億米ドル17.3億米ドル事業別ROE※13%以上13.8%13.2% ※ 従来のIFRS第4号基準(1月~12月期) ウ.KPI達成に向けた主な取組み 海外保険事業では、強固なバランスシートと規律あるアンダーライティングを背景にSIHが当社グループの成長ドライバーとして、事業規模・収益性ともに着実な成長を続けてまいります。 今後は、地理的拡大を通じた保険料の拡大、リスク許容度および収益性を考慮したリスク保有管理、規律あるアンダーライティングと適切な事業費管理による修正利益の増加、Aspen Insurance Holdings LimitedのPMI(買収後の統合プロセス)の推進によるシナジー創出、そして成長戦略を支えるための資本配分の最適化を推進し、持続的な成長を目指します。 ③ 国内生命保険事業ア.経営環境および経営戦略人生100年時代の到来や少子高齢化の進展により、人々が直面する課題は、健康面にとどまらず、介護や老後資金、ライフエンディングに至るまで、より複雑かつ長期的なものとなっております。こうした中、生命保険会社には、従来以上に幅広い価値提供が求められていると認識しております。このような環境下で国内生命保険事業では、お客さまの万が一への備えに加え、日々の健康を支える取組みを進めてきました。一方で、人生100年時代を迎え、健康に加えて介護や老後資金に関する不安が拡大する中、従来の健康応援にとどまらない価値提供が求められております。こうした認識のもと、SOMPOひまわり生命保険株式会社(以下「SOMPOひまわり生命」といいます。)は従来の「健康応援企業」のビジョンを「ウェルビーイング応援企業」へと進化させ、健康・介護・老後資金に関する3つの「不」の解消を目指します。保険本来の役割と健康を支える機能を組み合わせたInsurhealth®を基盤に、人生の予測・予防から保険、予後・介護、ライフエンディングまでを支える連続的な価値提供を通じて、お客さまの人生により長く寄り添う企業を目指します。 イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況SOMPOひまわり生命では、財務価値と、その将来的な成長を支える未財務価値ならびに社会課題の解決に繋がり得る社会価値を同価値と捉えて、下表のとおり主要なKPIを設定し、向上に取り組んでおります。2025年度は、主力の変額保険を中心とした新契約の拡大や事業費削減の取組み等に注力し、修正利益は613億円、新契約CSM※1は543億円、事業別ROEは7.3%となりました。また、未財務・社会価値目標はひまわりファン数※2571万人、行動変容数※340万件と着実に増加しております。2026年度も、「健康」「介護」「老後資金」の3つの「不」の解消の取組みを通じて、経営計画の達成を目指します。※1 Contractual Service Marginの略。IFRS第17号に基づき新契約の将来利益の現在価値を表す指標※2 保有契約件数と健康応援サービス利用者数の合計※3 健康診断受診や軽負荷歩行運動など、ひまわりファンの健康に向けた行動変容の数 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)財務価値修正利益610億円613億円610億円新契約CSM645億円543億円645億円事業別ROE6.6%7.3%6.6%未財務・社会価値ひまわりファン数610万人571万人610万人行動変容数55万件40万件55万件 ウ.KPI達成に向けた主な取組み 国内生命保険事業では、SOMPOひまわり生命が「ウェルビーイング応援企業」として成長するために、以下の3つの取組みに注力します。 ①少子高齢化に応える影響価値の進化 健康寿命の延伸、将来の介護・資金不安の軽減に向けて、「予測」「予防」「保険」「予後・介護」「ライフエンディング」の連続的な顧客体験をお客さまに届けるため、Insurhealth®商品およびウェルビーイングサービスの開発・拡充に取り組みます。②DDAX(Digital Data AI Transformation) AIを前提としたビジネス変革に取り組みます。 ③保険産業の信頼回復 お客さま本位を軸とした健全な企業風土の確立、および業務部門・管理部門・内部監査部門からなる強固なリスク管理体制の構築に取り組みます。 ④ 介護事業ア.経営環境および経営戦略 介護事業は、急速な高齢化に伴い需要が拡大する一方、生産年齢人口減少による深刻な介護人材不足に直面しております。また、人件費・物価高騰も重なり、持続可能な事業モデルの確立が経営課題であると認識しております。 「日本の介護を変える。そして、日本の未来を創る。」というパーパスの実現に向けて、「未来の介護」※の深化を進めます。オペレーター事業では、この「未来の介護」による品質を伴う生産性向上を追求するとともに、ソリューション事業、グループ一体で取り組むウェルビーイング事業を新たな収益の柱として育て、介護保険に過度に依存しない強固な事業基盤を構築します。これらの取組みを通じて、介護職の人材確保・育成と処遇改善に取り組みます。 ※人は人にしかできない業務に注力し、それ以外はテクノロジー・デジタル・データ・AIを活用して介護施設のオペレーションの効率化を進め、品質を伴う生産性向上を実現する取組み イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況介護事業では、「事業別ROE」をKPIとし、2026年度に15%以上の達成を目指しております。また、介護オペレーターとしてのさらなる成長を実現するため、2026年度末時点での居住系サービスの「入居率」を95.3%に引き上げることを目指しております。2025年度は、収益力の向上、「未来の介護」の深化、物価高騰などの外部環境への適応などに取り組んだ結果、入居率は93.3%(2026年3月末時点)、事業別ROEは14.4%となりました。 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)修正利益120億円水準109億円130億円入居率95.5%93.3%95.3%事業別ROE(オペレーター事業)※12%以上14.4%15.7% ※ 施設・在宅介護などの介護保険収入を軸とした事業の修正利益を分子として計算 ウ.KPI達成に向けた主な取組み 介護事業では、深刻な人材不足、賃金・物価の高騰に適応し、継続的な処遇改善を実現するため、「未来の介護」の深化を推進します。オペレーター事業で培ったノウハウを起点に、ソリューション事業において、エヌ・デーソフトウェア株式会社との連携を深め、介護事業者の課題解決を支援する業界No.1の商品・サービスを目指します。ウェルビーイング事業では、日常生活におけるお客さまのご要望にカスタムメイドできめ細かく応える「プライベートサービス」と、終活支援など、他社との連携による「つなぐ・つながるサービス」を合わせたウェルビーイングサービスを推進します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの「経営方針」「経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」「報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。また、文中の当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下「KPI」といいます。)の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。また、文中のKPIの各数値については、特に断りが無い限りIFRSに基づき表示しております。 (1) 経営方針当社グループは、保険だけにとどまらない“安心・安全・健康”に資するサービスを提供し、未来を切り拓いていくという当社グループの想いを込めた「SOMPOのパーパス」を定めております。 <SOMPOのパーパス>“安心・安全・健康”であふれる未来へ SOMPOのパーパスの実現に向け、今後10年で目指す姿として、グループビジョン「未来の可能性を解き放つ (The vision to unlock possibilities)」を新設しました。 このグループビジョンには、変化を待つのではなく、グループの一人ひとりがプロアクティブに未来を見据え、自ら考え、行動し、変革していくという意思を込めております。 当社グループは、新たなグループビジョンのもと、グループ全体のシナジーを最大化し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等 日本では、急速な少子高齢化と人口減少による国内市場の構造的縮小や労働力不足、特に介護分野での深刻な人材不足という社会課題が顕在化しています。またグローバルに目を向けると、気候変動による自然災害の激甚化・頻発化、地政学リスクの高まりに伴うサプライチェーンの分断、AI・デジタル技術の爆発的な発展による産業構造の根底からの変化、そしてインフレーションなどが同時に押し寄せています。これらの複合的な要因が当社グループの経営環境を一変させており、当社の伝統的な事業モデルの延長線ではお客さまに安心をお届けし、社会基盤を支え続けることが困難な状況にあると認識しております。 このような厳しい外部環境を踏まえ、当社グループは「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」というパーパスを掲げ、従来の金融・保険の枠組みを超えて社会課題の解決そのものを事業の核に据えております。特に日本は、大規模な自然災害への備えや、少子高齢化の急速な進展において全世代が安心して暮らせる社会システムの構築など、世界に先駆けて解決策を求められる立場にあると認識しております。こうした環境下で当社グループが磨き上げていく高度なリスク管理手法や「安心・安全・健康」に資する多角的な知見は、今後、同様の困難に直面する世界各国の未来を支える一助になると確信しております。 このようなグローバルな社会課題の解決こそが、当社グループの使命であります。 この使命を果たしていくために、まずは足元の最重要課題である業務改善計画をベースとした旧来の企業文化や事業モデルからの脱却を通じた改革を完遂し、ステークホルダーからの信頼という必要不可欠な事業基盤を徹底的に固め直します。 (SOMPO P&C(損害保険事業)) SOMPO P&Cは、グループの戦略目標達成を牽引するため、国内損害保険事業と海外保険事業の連携を一層強化し、グループ一体となって強固な事業基盤の構築を推進してまいります。 SOMPO P&Cの根幹をなすのが「人材」であり、グローバルに蓄積された知見を最大限に活用するため国内外の社員間の連携を促進し、リスク管理の高度化、業務プロセスの最適化、そして戦略的な資産運用をグローバル基準で実現してまいります。これにより、収益性の向上とガバナンス強化を実現し、変化の激しいリスク環境にも対応できる、しなやかで強靭な事業基盤を構築してまいります。 (SOMPOウェルビーイング) SOMPOウェルビーイングでは、人生100年時代に顕在化する「健康・介護・老後資金」に関する3つの「不」※を解消する商品・サービスをグループ一体で提供します。当社グループの各事業や出資先の協業パートナーとの間で、それぞれのユニークな強みを「つなぐ・つながる」戦略で有機的に連携させ、お客さまの人生に「長く」・「厚く」伴走するビジネスモデルに転換し、顧客生涯価値の最大化を目指します。グループ共通顧客基盤の構築や行動科学・AIといった「成長の礎」を推進力とし、グループ会社の垣根を越えた当社グループならではのサービスをお届けすることで、年を重ねることをポジティブに捉えられる社会の実現に貢献します。 ※「健康の不」:平均寿命と健康寿命のギャップ「介護の不」:介護人材の需給ギャップ「老後資金の不」:老後資金を自分で備えられる割合が低いことなどから生じる課題 当社グループは、多様なステークホルダーに真摯に向き合い、確かな信頼関係を築いてまいります。そして、SOMPOの価値観である「誠実」「自律」「多様性」を羅針盤として自らが果たすべき役割を進化させるとともに、新たなグループビジョン「未来の可能性を解き放つ」のもとで一人ひとりがプロアクティブに変革を起こし、事業を通じた社会課題の解決を加速させることで「“安心・安全・健康”であふれる未来」の実現を目指してまいります。 <中期経営計画(2024年度~2026年度)における主なグループ経営数値目標の進捗>項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)修正連結ROE13~15%13.4%11%程度修正EPS成長率年率+12%超-年率+19%程度修正連結利益-5,352億円5,000億円 SOMPO P&C-4,847億円4,600億円 国内損害保険事業-2,194億円1,800億円 海外保険事業-2,653億円2,800億円 SOMPOウェルビーイング-741億円750億円 国内生命保険事業-613億円610億円 介護事業-109億円130億円 その他ウェルビーイング-19億円10億円 その他-△236億円△350億円 (注)事業部門別修正利益、修正連結利益、修正連結純資産および修正連結ROEの計算方法は、以下のとおりであります。 ◆業務改善計画の推進当社および損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」といいます。)は自動車保険金不正請求等への対応に関する行政処分(2023年度)、損保ジャパンは保険契約の保険料の調整行為(2023年度)および保険契約情報等の不適切な管理に関する行政処分(2024年度)に基づき、業務改善計画に取り組んでおります。当社は、経営管理会社としてのガバナンス態勢の抜本的な強化に向け、当社の代表執行役が損保ジャパンの取締役を兼任するなど同社に対する監督態勢を強化しております。また、当社の常勤監査委員1名が損保ジャパンの監査等委員を兼任することで、両委員会の意思疎通を深めるとともに、牽制機能強化を目的として新設したグループCAE(グループの内部監査領域の最高責任者)に加え、国内外における内部監査機能の一層の強化を図るため新たにグループDeputy CAEを配置し、グループ全体で実効性のある監査体制の実現を図っております。さらに、2024年度に見直した「グループ共通コンピテンシー」を、採用、評価、マネジメント登用および役員選任の基準に反映することで、再構築したグループ企業理念の浸透・定着を図り、コンプライアンス・お客さま保護を重視する健全な企業風土の醸成に繋げております。損保ジャパンでは、行政処分を受けた一連の事象の真因として指摘されたリスクオーナーシップの欠如や過度なトップライン(売上高)偏重の文化からの脱却に向け、組織目標からトップラインやマーケットシェア等の項目を除外し、収益力だけでなく品質向上に向けた行動を正しく評価する体系へと抜本的に見直しました。また、現場第1線において自律的にリスクを認知・管理するリスクオーナーシップの定着に向けた、経営陣と現場との対話を継続して実施しております。適正な営業推進態勢の確立および競争環境の整備に向けては、「お客さま信頼品質基準」に沿って「お客さま本位の業務運営方針」を見直したほか、顧客本位の業務運営の構築に資さない代理店出向の廃止、政策保有株式の削減を着実に進めております。さらに、適切な保険金支払管理態勢の確立に向けては、営業部門からの不適切な介入を防止するルールの運用やAIを活用した不正請求検知システムの導入など、公平かつ適切な保険金支払いに向けた取組みを加速させております。くわえて、一連の問題を振り返り、改善に繋げる機会として、毎年11月9日を「振り返りの日」、11月を「振り返りの月間」と位置づけ、全役員・社員が「すべてをお客さまの立場で考える」という原点に立ち返るための対話や活動を全社で実施するなど、健全な組織風土の定着に取り組んでおります。当社および損保ジャパンは、上記の取組み等を着実に実行し、引き続き信頼回復に努めてまいります。 ◆損保ジャパンの社内ウェブシステムに対する不正アクセスへの対応状況損保ジャパンは、同社システムに対する不正アクセスの発生およびお客さまの情報の一部が外部に漏えいした可能性について、2025年4月25日および同年6月11日に公表しました。なお、現時点において、本件によりお客さまの情報が不正利用された事実は確認されておりません。本件発生を踏まえ、損保ジャパンではシステムの総点検を行うとともに、監視強化等を含む管理運営および技術対策の両面からなる再発防止策を策定し迅速に実施しております。さらに、当社は、グループ横断でサイバーセキュリティを推進する従来からのサイバーCoE(Center of Excellence)活動に加え、新たに第2線(牽制・監視機能)の態勢を強化し、確実な再発防止策の実行を支援・モニタリングしております。当社グループは、お客さまの大切な情報を預かる責任ある企業として、セキュリティ対策の徹底を図り再発防止に全力を尽くしてまいります。なお、調査の結果、漏えいの可能性が生じた個人情報は1,189万件(うち407万件は損保ジャパンが管理する番号のみ)となり、損保ジャパンは、住所が特定できたお客さまに対し、2025年12月までに、本件に関するお知らせとお詫びを記載した文書を郵送しました。また、再発防止策の策定を含め、金融庁その他の関係当局への報告等の対応は完了しております。 (サイバーCoEを中心とした推進体制) (サイバーセキュリティにおける第2線(牽制・監視機能)の態勢強化) (3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等① 国内損害保険事業ア.経営環境および経営戦略国内損害保険事業を取り巻く環境につきましては、自然災害の頻発化や激甚化、インフレによる保険金支払単価や人件費・物件費の上昇、AIをはじめとしたデジタル技術の進化による産業構造やビジネスモデルの変化など、予測が困難な状況となっております。国内損害保険事業は、このような環境変化の中においても、当社グループの中核事業として、グループが目指す「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」を実現するため、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造することで社会に貢献するとともに、グループの成長に寄与してまいります。 イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況主要事業会社である損保ジャパンでは「E/Iコンバインド・レシオ」および「政策株式削減額」、国内損害保険事業の「事業別ROE」を主要なKPIとしております。損保ジャパンの2025年度E/Iコンバインド・レシオは、火災保険や新種保険の収支改善に加え、自然災害・大口事故の減少により、2025年11月公表の通期業績予想(以下「通期予想」といいます。)を1.7pt下回る93.9%となりました。損保ジャパンの2025年度政策株式削減額は、通期予想を424億円上回る2,924億円となりました。国内損害保険事業の2025年度の事業別ROEについては、損保ジャパンの2025年度E/Iコンバインド・レシオの改善が貢献し、14.6%となりました。中期経営計画においては、政策保有株式について、2026年度までに8,000億円以上の削減を目標として掲げておりましたが、これまでの順調な削減および2026年度においても2,500億円以上の削減を計画していることを踏まえ、中期経営計画期間の削減目標を、2026年5月に9,700億円以上に引き上げております。2026年度のE/Iコンバインド・レシオ、事業別ROEについては、E/Iコンバインド・レシオ95%未満、事業別ROE10%以上を目指しております。 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)E/Iコンバインド・レシオ※95%未満93.9%94.9%政策株式削減額9,700億円以上2,924億円2,500億円以上事業別ROE10%以上14.6%12.4% ※ 日本基準、除く自賠責・家計地震 ウ.KPI達成に向けた主な取組み国内損害保険事業では、損保ジャパンにおける「新しい損保ジャパン」を目指す全社プロジェクト「SJ-R」が着実に進展しており、引き続き、事業基盤と収益基盤の変革を進めていくことで、持続可能な成長を実現してまいります。事業基盤の変革では、カルチャー変革、データドリブン経営の推進、専門人材の強化などに取り組み、競争力の強化を図ります。収益基盤の変革では、既存の取組みに加え、営業部門・保険金サービス部門の基幹オペレーションを見直すことで生産性の向上に取り組みます。また、損保ジャパンは、防災・減災分野の取組みを強化するプロジェクト「HIKESHI DNA 2030 Project」を開始しました。「災害に強く、だれもが安心して暮らせる地域社会の実現」に向け、災害発生前・中・後、すべての局面でお客さまに安心をお届けする商品・サービスの創出に取り組んでまいります。 ② 海外保険事業 ア.経営環境および経営戦略 世界のコマーシャル保険市場では、潤沢な資本流入を背景に引受キャパシティが拡大し、競争が激化しております。一方で自然災害の頻発化や地政学的リスクの常態化という厳しい環境下で、持続的な成長を遂げ、市場を牽引する業績を上げるためには、規律あるアンダーライティング、高度な分析、そして最適な資本配分が不可欠となります。 海外保険事業は、Sompo International Holdings Ltd.(以下「SIH」といいます。)を中心に、米州、欧州、アジア太平洋など広範な地域でコマーシャルおよびコンシューマー分野の損害保険および再保険を展開し、専門性の高いリスクソリューションを提供しております。 SIHは、規律あるアンダーライティングと厳格なリスク評価を重視し、北米、欧州、アジア太平洋などの戦略的地域で持続可能な成長を追求しております。また、徹底的な財務規律のもと、資本効率の最大化と適正な価格設定を追求することで、当社グループの戦略目標達成に貢献しております。 イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況 2025年度、SIHは、北米での中堅企業マーケットの強化や欧州での事業モデルの変革、アジア太平洋での事業拡大などにより、グロス収入保険料(GWP)が過去最高となる171億米ドル(前年比4.4%増)に達し、中期経営計画のKPIの一つである地理的拡大によるGWPの成長10億米ドル超を1年前倒しで達成しました。また、規律あるアンダーライティングと事業費管理に加え、自然災害の減少や投資損益の増加が増益に寄与し、海外保険事業の修正利益は15.0億米ドル、事業別ROEは13.8%となり、中期経営計画の目標を上回り順調に推移しております。 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)グロス収入保険料(GWP)成長※10億米ドル超10億米ドル14億米ドル修正利益※15億米ドル超15.0億米ドル17.3億米ドル事業別ROE※13%以上13.8%13.2% ※ 従来のIFRS第4号基準(1月~12月期) ウ.KPI達成に向けた主な取組み 海外保険事業では、強固なバランスシートと規律あるアンダーライティングを背景にSIHが当社グループの成長ドライバーとして、事業規模・収益性ともに着実な成長を続けてまいります。 今後は、地理的拡大を通じた保険料の拡大、リスク許容度および収益性を考慮したリスク保有管理、規律あるアンダーライティングと適切な事業費管理による修正利益の増加、Aspen Insurance Holdings LimitedのPMI(買収後の統合プロセス)の推進によるシナジー創出、そして成長戦略を支えるための資本配分の最適化を推進し、持続的な成長を目指します。 ③ 国内生命保険事業ア.経営環境および経営戦略人生100年時代の到来や少子高齢化の進展により、人々が直面する課題は、健康面にとどまらず、介護や老後資金、ライフエンディングに至るまで、より複雑かつ長期的なものとなっております。こうした中、生命保険会社には、従来以上に幅広い価値提供が求められていると認識しております。このような環境下で国内生命保険事業では、お客さまの万が一への備えに加え、日々の健康を支える取組みを進めてきました。一方で、人生100年時代を迎え、健康に加えて介護や老後資金に関する不安が拡大する中、従来の健康応援にとどまらない価値提供が求められております。こうした認識のもと、SOMPOひまわり生命保険株式会社(以下「SOMPOひまわり生命」といいます。)は従来の「健康応援企業」のビジョンを「ウェルビーイング応援企業」へと進化させ、健康・介護・老後資金に関する3つの「不」の解消を目指します。保険本来の役割と健康を支える機能を組み合わせたInsurhealth®を基盤に、人生の予測・予防から保険、予後・介護、ライフエンディングまでを支える連続的な価値提供を通じて、お客さまの人生により長く寄り添う企業を目指します。 イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況SOMPOひまわり生命では、財務価値と、その将来的な成長を支える未財務価値ならびに社会課題の解決に繋がり得る社会価値を同価値と捉えて、下表のとおり主要なKPIを設定し、向上に取り組んでおります。2025年度は、主力の変額保険を中心とした新契約の拡大や事業費削減の取組み等に注力し、修正利益は613億円、新契約CSM※1は543億円、事業別ROEは7.3%となりました。また、未財務・社会価値目標はひまわりファン数※2571万人、行動変容数※340万件と着実に増加しております。2026年度も、「健康」「介護」「老後資金」の3つの「不」の解消の取組みを通じて、経営計画の達成を目指します。※1 Contractual Service Marginの略。IFRS第17号に基づき新契約の将来利益の現在価値を表す指標※2 保有契約件数と健康応援サービス利用者数の合計※3 健康診断受診や軽負荷歩行運動など、ひまわりファンの健康に向けた行動変容の数 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)財務価値修正利益610億円613億円610億円新契約CSM645億円543億円645億円事業別ROE6.6%7.3%6.6%未財務・社会価値ひまわりファン数610万人571万人610万人行動変容数55万件40万件55万件 ウ.KPI達成に向けた主な取組み 国内生命保険事業では、SOMPOひまわり生命が「ウェルビーイング応援企業」として成長するために、以下の3つの取組みに注力します。 ①少子高齢化に応える影響価値の進化 健康寿命の延伸、将来の介護・資金不安の軽減に向けて、「予測」「予防」「保険」「予後・介護」「ライフエンディング」の連続的な顧客体験をお客さまに届けるため、Insurhealth®商品およびウェルビーイングサービスの開発・拡充に取り組みます。②DDAX(Digital Data AI Transformation) AIを前提としたビジネス変革に取り組みます。 ③保険産業の信頼回復 お客さま本位を軸とした健全な企業風土の確立、および業務部門・管理部門・内部監査部門からなる強固なリスク管理体制の構築に取り組みます。 ④ 介護事業ア.経営環境および経営戦略 介護事業は、急速な高齢化に伴い需要が拡大する一方、生産年齢人口減少による深刻な介護人材不足に直面しております。また、人件費・物価高騰も重なり、持続可能な事業モデルの確立が経営課題であると認識しております。 「日本の介護を変える。そして、日本の未来を創る。」というパーパスの実現に向けて、「未来の介護」※の深化を進めます。オペレーター事業では、この「未来の介護」による品質を伴う生産性向上を追求するとともに、ソリューション事業、グループ一体で取り組むウェルビーイング事業を新たな収益の柱として育て、介護保険に過度に依存しない強固な事業基盤を構築します。これらの取組みを通じて、介護職の人材確保・育成と処遇改善に取り組みます。 ※人は人にしかできない業務に注力し、それ以外はテクノロジー・デジタル・データ・AIを活用して介護施設のオペレーションの効率化を進め、品質を伴う生産性向上を実現する取組み イ.中期経営計画(2024年度~2026年度)およびKPIの進捗状況介護事業では、「事業別ROE」をKPIとし、2026年度に15%以上の達成を目指しております。また、介護オペレーターとしてのさらなる成長を実現するため、2026年度末時点での居住系サービスの「入居率」を95.3%に引き上げることを目指しております。2025年度は、収益力の向上、「未来の介護」の深化、物価高騰などの外部環境への適応などに取り組んだ結果、入居率は93.3%(2026年3月末時点)、事業別ROEは14.4%となりました。 項目中期経営計画における目標値2025年度(実績)2026年度(予想)修正利益120億円水準109億円130億円入居率95.5%93.3%95.3%事業別ROE(オペレーター事業)※12%以上14.4%15.7% ※ 施設・在宅介護などの介護保険収入を軸とした事業の修正利益を分子として計算 ウ.KPI達成に向けた主な取組み 介護事業では、深刻な人材不足、賃金・物価の高騰に適応し、継続的な処遇改善を実現するため、「未来の介護」の深化を推進します。オペレーター事業で培ったノウハウを起点に、ソリューション事業において、エヌ・デーソフトウェア株式会社との連携を深め、介護事業者の課題解決を支援する業界No.1の商品・サービスを目指します。ウェルビーイング事業では、日常生活におけるお客さまのご要望にカスタムメイドできめ細かく応える「プライベートサービス」と、終活支援など、他社との連携による「つなぐ・つながるサービス」を合わせたウェルビーイングサービスを推進します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態および経営成績の状況■ 当社グループの経営成績の状況は、次のとおりであります。当連結会計年度の世界経済は、底堅い個人消費に支えられる米国経済が牽引し、全体として緩やかな成長が続きました。わが国経済は、企業の収益改善と安定した雇用・所得環境を背景に、緩やかな回復を続けております。しかしながら、中東情勢や米国の通商政策の動向、それに伴う金融資本市場の変動が経済に与える影響など、依然として先行きには不透明な要素が多く存在しております。このような経営環境のもと、当連結会計年度における当社グループの業績は次のとおりとなりました。保険サービス損益は、保険収益が5兆3,729億円、保険サービス費用が4兆4,597億円、再保険損益が△3,249億円となった結果、前連結会計年度に比べて2,841億円増加して5,882億円となりました。また、金融損益は投資損益が5,829億円、保険金融損益が△2,380億円となった結果、前連結会計年度に比べて2,251億円増加して3,449億円となりました。以上の結果、保険サービス損益、金融損益にその他の損益を加減した当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べて5,129億円増加して8,432億円となりました。税引前利益に法人所得税費用などを加減した親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて3,969億円増加して6,400億円となりました。 ■ 当社グループの財政状態の状況は、次のとおりであります。資産合計は、前連結会計年度末に比べて2兆7,136億円増加し、18兆6,037億円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べて1兆6,488億円増加し、13兆3,126億円となりました。資本合計は、前連結会計年度末に比べて1兆648億円増加し、5兆2,910億円となりました。 ■ 報告セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。[国内損害保険事業]保険収益は、前連結会計年度に比べて960億円増加して2兆7,305億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて2,097億円増加して2,681億円となりました。 区分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)保険収益2,634,4781.92,730,5723.6親会社の所有者に帰属する当期利益58,338△69.7268,112359.6 (注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。 [海外保険事業]保険収益は、前連結会計年度に比べて2,134億円増加して2兆4,411億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて1,167億円増加して2,944億円となりました。 区分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)保険収益2,227,7048.62,441,1529.6親会社の所有者に帰属する当期利益177,771△31.7294,48965.7 (注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。 [国内生命保険事業]保険収益は、前連結会計年度に比べて39億円増加して2,587億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて387億円増加して686億円となりました。 区分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)保険収益254,7162.5258,7071.6親会社の所有者に帰属する当期利益29,876△60.568,605129.6 (注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。 [介護事業]その他の営業収益は、前連結会計年度に比べて48億円増加して1,862億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて26億円増加して79億円となりました。 ■ 報告セグメントごとの財政状態の状況は、次のとおりであります。[国内損害保険事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1,321億円増加し、6兆4,441億円となりました。 [海外保険事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2兆9,211億円増加し、8兆1,643億円となりました。 [国内生命保険事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べて3,627億円減少し、3兆297億円となりました。 [介護事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、現金及び現金同等物の増加などにより、前連結会計年度末に比べて20億円増加し、4,311億円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、利息の受取額の増加などにより、前連結会計年度に比べて1,334億円増加し、7,064億円となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却・償還による収入の増加などにより、前連結会計年度に比べて393億円増加し、△2,329億円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度のレポ取引及び他の類似の担保付借入の減少に伴う支出影響の剥落などにより、前連結会計年度に比べて689億円増加し、△4,126億円となりました。 以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べて1,073億円増加し、1兆1,349億円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績保険持株会社としての業務の特性から、該当する情報がないため記載しておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容■ 当社グループの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。当期の当社グループは、中期経営計画で掲げている「レジリエンスのさらなる向上」と「つなぐ・つながる」の実現を通じた持続的な企業価値の向上に向けた取組みを加速するために、既存の主力事業を「SOMPO P&C(損害保険事業)」と「SOMPOウェルビーイング」の2つのビジネス領域に集約し、事業や地域の枠を超えた連携を強化しました。SOMPO P&Cでは、国内損害保険事業と海外保険事業の一体運営を推進し、両事業の知見やグループのスケールメリットを最大限に活かすことで、アンダーライティングの高度化や資産運用の効率化などを通じた収益性向上に取り組みました。また、Aspen Insurance Holdings Limitedの買収などにより、変化の激しいリスク環境への対応力を高め、事業基盤の強化を図りました。SOMPOウェルビーイングでは、国内生命保険事業および介護事業の着実な成長に加え、介護サービスの現場の知見を基盤とした仕事と介護の両立支援サービスの立ち上げや、終活関連サービスに強みを持つ株式会社鎌倉新書との資本業務提携など、お客さまの「健康・介護・老後資金」に関する3つの「不」の解消に繋がる新たな事業機会の創出に取り組みました。また、既存の事業領域にとどまらず、株式会社農業総合研究所への出資を通じ、日本の食の安定供給を支えるという新たな領域での社会課題解決に向けた事業創造に挑戦しております。これらの取組みの結果、連結主要指標は以下のとおりとなりました。連結主要指標 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率保険収益5,065,5205,372,921307,4006.1%保険サービス損益304,162588,290284,12893.4%金融損益119,734344,907225,173188.1%その他の営業収益220,689228,5757,8853.6%親会社の所有者に帰属する当期利益243,132640,086396,954163.3% 保険収益は、国内損害保険事業および海外保険事業における増収などにより、前連結会計年度に比べて3,074億円増加し、5兆3,729億円となりました。保険サービス損益は、国内損害保険事業および海外保険事業における発生保険金の改善などにより、前連結会計年度に比べて2,841億円増加して、5,882億円となりました。金融損益は、国内損害保険事業における市況変動影響などにより、前連結会計年度に比べて2,251億円増加して、3,449億円となりました。保険サービス損益、金融損益にその他の損益を加減した当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べて5,129億円増加して8,432億円となりました。税引前利益に法人所得税費用などを加減した親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて3,969億円増加して6,400億円となりました。 なお、目標とする経営指標であるKPIの進捗状況については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ■ 当社グループの財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。[資産]当連結会計年度末の資産合計は、外国債券などの投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2兆7,136億円増加し、18兆6,037億円となりました。 [負債]当連結会計年度末の負債合計は、保険契約負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1兆6,488億円増加し、13兆3,126億円となりました。 [資本]当連結会計年度末の資本合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1兆648億円増加し、5兆2,910億円となりました。 ■ 報告セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。[国内損害保険事業]損害保険ジャパン株式会社では、「新しい損保ジャパン」を目指す全社プロジェクト「SJ-R」に取り組み、事業基盤と収益基盤の変革を進めております。事業基盤の変革では、現場の声を経営へ届ける施策や3線管理態勢の強化、業務品質を重視した代理店評価の仕組みの導入、部門を超えた相互理解を推進する取組み「部門間ダイアログ」などに取り組みました。カルチャー変革に向けた意識・行動の定着度を測る「カルチャーチェンジサーベイ」や、社員の熱意や貢献意欲を測る「エンゲージメントサーベイ」などにおける各KPIはいずれも改善傾向にあり、健全な組織風土の醸成およびカルチャー変革の効果は順調に発現しております。収益基盤の変革では、海外保険事業が培ってきた専門性や知見も活用してアンダーライティングの高度化を図り、プライシングの適正化やセグメント別収益管理の強化によるポートフォリオ・アンダーライティング変革が進捗しました。その結果、火災保険を中心とした収支改善効果が表れております。これらに加え、代理店手数料率の適正化や抑制的な社費支出等の取組みにより、事業費率が低下傾向に転じる等の成果が着実に表れ始めております。これらの取組みの結果、経営成績は以下のとおりとなりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率保険収益2,634,4782,730,57296,0943.6%親会社の所有者に帰属する当期利益58,338268,112209,774359.6% 保険収益は、自動車保険や火災保険のプライシング適正化による効果発現や新種保険の拡販などにより、前連結会計年度に比べて960億円増加し、2兆7,305億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、保険収益の増加に加え、自然災害の減少や投資損益の増加などにより、前連結会計年度に比べて2,097億円増加し、2,681億円となりました。 [海外保険事業]海外保険事業では、北米での中堅企業マーケットの強化、欧州での商品・サービスの拡充を通じた事業モデルの変革、アジア太平洋におけるアンダーライターへの権限委譲と保険ブローカーとの連携深化による着実な事業拡大などに取り組みました。また、グループの大きなバランスシートを活かした資産運用の効率化や、国内損害保険事業との連携による適切な再保険スキームの構築等のシナジー効果が生まれております。さらに、2026年2月にはロイズ、英国、米国、再保険などの主要な保険マーケットでプレゼンスを持つAspen Insurance Holdings Limitedの買収を完了しました。この戦略的M&Aにより、グローバルなコマーシャルP&C事業基盤、特に再保険ポートフォリオと英国市場でのプレゼンスが強化され、長期的な成長と戦略目標の達成を加速させます。これらの取組みの結果、経営成績は以下のとおりとなりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率保険収益2,227,7042,441,152213,4489.6%親会社の所有者に帰属する当期利益177,771294,489116,71865.7% 保険収益は、Sompo International Holdings Ltd.における増収を主因に、前連結会計年度に比べて2,134億円増加し、2兆4,411億円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は、自然災害の減少や運用資産額の増加に伴う利配収入増加などにより、前連結会計年度に比べて1,167億円増加し、2,944億円となりました。 [国内生命保険事業] SOMPOひまわり生命保険株式会社は、新タイプの変額保険の発売による金利ある世界における顧客ニーズの取り込み拡充や、保険と健康応援を一体提案する営業(トレードオン営業)によるマーケット深耕、営業店の生産性向上と時間創出による活動量アップ等に取り組むことで新契約の拡大を目指しました。また、生成AIを活用した照会支援システム導入等の投資を行いつつ、組織改編と事務コストの最適化により、事業費の削減に努めました。これらの取組みの結果、経営成績は以下のとおりとなりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率保険収益254,716258,7073,9911.6%親会社の所有者に帰属する当期利益29,87668,60538,728129.6% 保険収益は、保障性商品や変額保険を中心とした保有契約の着実な増加などにより、前連結会計年度に比べて39億円増加し、2,587億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、円安・金利上昇による資産運用損益の改善などにより、前連結会計年度に比べて387億円増加し、686億円となりました。 [介護事業]介護事業は、オペレーター事業、ソリューション事業および、グループ一体で推進するウェルビーイング事業の3つを柱とした中期経営計画に取り組んでおります。SOMPOケア株式会社が在宅介護から施設介護までのフルラインナップのサービスを提供するオペレーター事業では、「未来の介護」の深化による品質を伴う生産性向上、コスト適正化および管理費や食費等の改定を行い、収益力の強化を図りました。ソリューション事業では、主力の介護フードサービスの外販に注力するとともに、介護施設向けのコンサルティングサービスや人材育成プログラムの外販等の新事業に取り組みました。エヌ・デーソフトウェア株式会社では、介護現場の「ケアの質向上」「業務効率化」に資する商品刷新プロジェクトと並行して、納入したシステムの活用を支援する伴走型サービスの強化を進めました。これらの取組みの結果、経営成績は以下のとおりとなりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率その他の営業収益181,368186,2204,8512.7%親会社の所有者に帰属する当期利益5,3037,9512,64749.9% その他の営業収益は、利用者数の増加や価格改定影響などにより、前連結会計年度に比べて48億円増加し、1,862億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、処遇改善に伴う人件費の増加等が発生した一方、売上高の増加などにより、前連結会計年度に比べて26億円増加し、79億円となりました。 なお、目標とする経営指標であるKPIの報告セグメントごとの進捗状況については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ■ 報告セグメントごとの財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。[国内損害保険事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、その他の証券などの投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1,321億円増加し、6兆4,441億円となりました。 [海外保険事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、外国債券などの投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2兆9,211億円増加し、8兆1,643億円となりました。 [国内生命保険事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、国債などの投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べて3,627億円減少し、3兆297億円となりました。 [介護事業]当連結会計年度末のセグメント資産は、現金及び現金同等物の増加などにより、前連結会計年度末に比べて20億円増加し、4,311億円となりました。 ■ 当社グループのソルベンシー・マージン比率の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。保険会社グループは、自然災害や市場の急変など、発生頻度は低いものの大きな損失が生じうるリスクに備え、十分な資本を保有しておく必要があります。そうした「通常の予測を超えるリスク」に対して、どれだけ支払余力(ソルベンシー・マージン)を持っているかを表したものがソルベンシー・マージン比率であります。ソルベンシー・マージン比率(%)=適格資本÷所要資本×100 この比率が100%以上あれば、必要な備えができているため一定の健全性が確保されていると評価されますが、100%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。2026年3月期決算から、この比率を資産・負債の経済価値に基づいて評価する制度が導入されております。これにより、財務諸表上の数値ではなく、実際の市場価値やリスクを反映した評価が可能になっております。 [連結ベースのソルベンシー・マージン比率] 当社は、保険業法施行規則第210条の11の3(健全性の基準に用いる資本金、準備金等)および第210条の11の4(通常の予測を超える危険に対応する額)ならびに令和7年金融庁告示第74号等の規定に基づき、連結ベースのソルベンシー・マージン比率を算出しております。連結ベースの比率とは、当社および子会社等をまとめた「保険グループ全体」の資本とリスクを対象にして算出した比率のことであります。 当連結会計年度末の当社の連結ベースのソルベンシー・マージン比率の開示は2026年10月末を予定しておりますが、早期是正措置の発動基準である100%は上回る見込みであります。 なお、当社グループでは、事業ポートフォリオに即した内部モデルを用いて独自に計算するESR(Economic Solvency Ratio)により自己資本管理を行っており、当連結会計年度末においてESRは十分な財務健全性を示す水準となっております。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (1)③イ.自己資本管理」に記載のとおりであります。 [単体ベースのソルベンシー・マージン比率] 国内保険会社は、保険業法施行規則第86条(健全性の基準に用いる資本金、基金、準備金等)および第87条(通常の予測を超える危険に対応する額)ならびに令和7年金融庁告示第74号等の規定に基づき、単体ベースのソルベンシー・マージン比率を算出しております。単体ベースの比率とは、1つの保険会社の内部の資本・リスクだけを対象にして算出した比率のことであります。 当事業年度末の国内保険子会社の単体ベースのソルベンシー・マージン比率の開示は2026年10月末を予定しておりますが、損害保険ジャパン株式会社、SOMPOダイレクト損害保険株式会社およびSOMPOひまわり生命保険株式会社のいずれの会社も早期是正措置の発動基準である100%は上回る見込みであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報■ 当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減営業活動によるキャッシュ・フロー573,009706,419133,410投資活動によるキャッシュ・フロー△272,236△232,91439,322財務活動によるキャッシュ・フロー△481,660△412,69768,963現金及び現金同等物の期末残高1,027,6281,134,996107,368 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、Sompo International Holdings Ltd.などの利息の受取額の増加などにより、前連結会計年度に比べて1,334億円増加し、7,064億円となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、Sompo International Holdings Ltd.などの投資有価証券の売却・償還による収入の増加などにより、前連結会計年度に比べて393億円増加し、△2,329億円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の損害保険ジャパン株式会社のレポ取引及び他の類似の担保付借入の減少に伴う支出影響の剥落などにより、前連結会計年度に比べて689億円増加し、△4,126億円となりました。 ■ 当社グループの資本の財源および資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。 (経営資源の配分に関する考え方) 当社の事業計画は、グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議での協議を経て、策定しております。事業計画を踏まえ、SOMPO P&C(損害保険事業)とSOMPOウェルビーイングの2つのビジネス領域およびビジネス領域内の事業毎に成長性や収益性を考慮して資本配賦を実施し、各ビジネス領域および事業では配賦された資本を元に事業運営を行い、事業計画における修正連結ROEおよび修正EPS成長率の目標達成を目指しております。また、経営環境の変化や計画の進捗状況等を定期的に確認し、必要に応じて事業計画や資本配賦について見直しを行っております。 (資金需要の動向および資本の財源) 当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、成長事業分野への投資資金および株主還元であります。このうち、運転資金および株主還元については、主として営業活動および投資活動によるキャッシュ・フローを財源としております。また、成長事業分野への投資資金については、自己資金の活用に加え、必要に応じて社債や借入金等の外部から調達した資金を財源としております。資金調達にあたっては、財務健全性の維持およびコストの低減に十分留意しながら、最適な手段を選択することとしております。リスクに対して適切な資本を確保しているかを示す指標であるESRのターゲット資本水準は200%以上としておりますが、当連結会計年度末のESRは270%であり、十分な財務健全性を維持しております。株主還元については、中期経営計画の株主還元方針として、基礎還元を修正連結利益の直近3年平均の50%とし、利益成長により還元総額(配当総額+自己株式取得額)を拡大させていくこととしております。また、原則として政策株式売却損益等(税後)の50%を追加還元するとともに、リスクと資本の状況、業績動向や金融市場環境などをふまえて資本水準調整も検討します。また、中期的な利益成長にあわせた増配を原則とし、基礎還元に占める配当の割合を高めていくこととしております。当社の配当政策については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。 (資金の流動性) 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は1,134,996百万円でありますが、日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出量を想定し、それに対応できる水準の流動性資産が確保されるよう管理しております。 ③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」といいます。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しており、当社グループの連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは、次のとおりであります。・金融商品の公正価値評価・のれんの減損・保険契約および再保険契約に係る履行キャッシュ・フローの見積りなお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。

事業リスク

SOMPOホールディングスは、過去に不適切な保険料調整行為や自動車保険金不正請求、保険契約情報等の不適切な管理により金融庁から業務改善命令を受けており、これらの問題への対応と信頼回復が喫緊の課題です。また、保険事業特有の自然災害リスクや、資産運用における市場変動リスク、介護事業における人件費変動リスクなど、多岐にわたる事業リスクを抱えています。さらに、サイバー攻撃やシステム障害といったオペレーショナルリスクも、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|10,727 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」といいます。)に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」および「当該リスクの管理体制・枠組み」は、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) リスク管理体制・枠組み① リスク管理の全体像当社グループのリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、経営における高性能な『羅針盤』として、次の「3つの機能」を強化・高度化し、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、当社グループを最適な方向に導く役割を果たしております。ア. グループが置かれた現在地を正確に把握(現状の多面的な分析) イ. 将来起こりうるリスクを敏感に察知(重要なリスクの的確な把握と対策) ウ.グループが取るべき航路を提示(最適な事業ポートフォリオの提示) 戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を図る一連の経営管理プロセスとして「戦略執行に係るリスクテイク」と「経営基盤の安定に資するリスクコントロール」の2つの側面を持っております。リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・収益に関する分析を重要な経営判断に活かし(上記ウ)、リスクコントロールの側面では、当社グループを取り巻く多様なリスクを特定、分析、評価する仕組み(リスクコントロールシステム)を活用して(上記ア、イ)、不測の損失の極小化と利益の安定を目指しております。 ※上記の図は、2026年5月以降の体制 ② リスク管理に関するガバナンス体制当社では、取締役会が制定した「SOMPOグループERM基本方針」に基づき、「戦略的リスク経営(ERM)」の実効性を確保するため、グループ戦略・経営計画と合わせて、リスクテイクの指針としてリスクアペタイト原則、中期リスクテイク戦略およびリスクアペタイト指標からなる「SOMPOグループリスクアペタイトステートメント」を定めております。グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議では、グループのリスクアペタイトステートメント、中期グループERM推進方針、リスク許容度に関する対応方針・対応策などのリスク管理に関する事項について定期的に経営論議しております。また、グループ執行会議の下部組織として、グループCROを委員長とするグループERM委員会を設置しております。グループERM委員会では、リスクテイク戦略などグループの戦略的リスク経営に関する重要な事項やリスク統括部、各主管部を通じた重大リスクのコントロールの状況等について、グループ横断で確認・議論を行っております。その結果はグループ執行会議を経て取締役会へ報告を行っており、取締役会からの助言等も踏まえながらグループのリスク管理に関するガバナンスの強化への不断の取組みを継続する態勢としております。グループCROは、「SOMPOグループERM基本方針」や「中期グループERM推進方針」をグループ会社に周知徹底し、また定期的なモニタリング、各社CROとのディスカッション等を通じ、グループ全体の戦略的リスク経営の実効性の向上を図っております。グループ全体のガバナンス体制においては、グループの方針に沿ったリスク管理体制を整備し、リスク管理を各社にて自律的に行っております。当社および主要子会社においては、施策の策定および運用を行う各部門が自律的にリスク管理を行う第1線、専門的見地から第1線を支援・牽制するリスク統括部・各主管部による第2線、内部監査部門が独立した立場からリスクガバナンス体制の妥当性・有効性を監査する第3線の3線体制によりリスク管理の実効性確保および強化に努めております。 <リスク管理に関するガバナンス体制> ③ リスクコントロールシステム、リスクと資本の状況リスクコントロールシステムにおいては、「重大リスク管理」の枠組みで当社グループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行っております。定量化が可能なリスクについては「自己資本管理」「ストレステスト」「リミット管理」「流動性リスク管理」の枠組みで自己資本、流動性などに与える影響を様々な定量指標により分析・評価し、財務健全性およびその向上に必要なリスクコントロールの施策に関する経営論議を行っております。 ア.重大リスク管理当社グループは、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクをボトムアップのリスクアセスメントと、取締役会等によるトップダウンでの確認・議論を通じて網羅的に把握・評価しております。リスク評価の実施にあたっては、経済的損失や業務継続に加えて、お客さま、社会などのステークホルダーの観点でのレピュテーション影響を重視するように基準の明確化を図っております。重大リスクは、グループCROがリスクアセスメントや専門家等の見解に基づいて網羅的に把握し、リスクが当社グループに及ぼす影響を具体的なシナリオで想定したうえで、発生可能性および影響度でリスクを定性・定量の両面から評価し、管理状況を年2回以上、グループERM委員会にて協議のうえ、グループ執行会議および取締役会に報告しております。管理態勢の強化が必要なリスクについては、グループ執行会議において議論を行っております。また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、当社グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、個別の重大リスクと関連付けて適切に管理を実施しております。エマージングリスクの選定については、官民の各種情報を将来大きな影響をもたらす可能性のある変化の兆候などの観点から収集・分析し、リスク候補をリストアップしたうえで、その中から重要性を踏まえてリスクを選定しております。 <重大リスクおよびエマージングリスクの管理プロセス> イ.自己資本管理当社グループが保有する保険引受リスク、資産運用リスク、介護リスクおよびオペレーショナル・リスクを定量化したうえで、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理を行っており、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。リスクと資本の状況2026年3月期においては、Aspen Insurance Holdings Limited買収によるマイナス影響がある一方、政策保有株式の売却によるリスク減少や利益の積上げの結果、同年3月末時点の当社グループのESR(注1)は270%とターゲット資本水準(200%以上、注2)を上回っており、十分な財務健全性を示す水準となっております。今後も、財務健全性を維持しつつ資本効率・利益安定性の更なる向上を目指すため、グループ収益の拡大と適切なリスクコントロールに取り組んでまいります。(注)1 ESR(Economic Solvency Ratio)は、リスクに対して確保している資本の十分性を示す指標であり、当社グループでは、事業ポートフォリオに即した内部モデルを用いて独自のESRを計算し、経営上の重要な指標の一つとして管理しております。2026年3月期から「経済価値ベース」に移行する規制上のソルベンシー・マージン比率につきましても、健全性の目安となる100%以上を確保するよう管理しております。2 2025年度通期決算から、ターゲットレンジおよびレンジ上限(250%)を撤廃し、これまでのレンジ下限である200%をターゲット資本水準として設定しております。 ウ.ストレステスト当社グループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、グループベースで「シナリオ・ストレステスト」、「リバース・ストレステスト」および「感応度分析」を実施し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。また、2026年3月末時点で、当社の想定するストレス下においても十分な資本を有していることを確認しております。シナリオ・ストレステスト大規模な自然災害や金融市場の混乱など、経営に重大な影響を及ぼすストレスシナリオが顕在化した際の影響を評価し、資本の十分性やリスク軽減策の有効性検証などに活用することを目的として実施しております。なお、環境変化などに適切に対応するため、ストレスシナリオの妥当性を定期的に検証しております。リバース・ストレステストリスク許容度などに抵触する具体的な事象を探索することで脆弱性を特定し、あらかじめ具体的なストレス事象を想定した対策を検討することを目的として実施しております。感応度分析主なリスク要因の変動が資本とリスクに与える影響を把握するとともに、内部モデルが算出した理論値と実績値との比較を行い、内部モデルの妥当性を検証することを目的として実施しております。 エ.リミット管理 特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスク、自然災害リスクの各々に対してグループベースで最大限度額を定め、その範囲内でリスクの特性を踏まえたリミットを設定し、リミットを超過した場合には対応策を実施する態勢を整備しております。なお、2026年3月末時点で各リスクを適切にコントロールできていることを確認しております。 オ.流動性リスク管理 日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しており、2026年3月末時点で各保険子会社は最大の資金流出をもたらすシナリオに対しても、十分な流動性資産を有していることを確認しております。 (2) 主要なリスク① 重大リスクおよびその発生可能性・影響度の評価経営者が当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは、当社グループでは「重大リスク」として管理しております。各重大リスクのリスクシナリオは直近の事業環境等を踏まえ随時見直しをしており、影響度や発生可能性についてもシナリオの見直しに合わせて再評価を実施しております。また、重大リスクのうち、経営の議論に基づき、管理態勢を強化する必要性が高いと考えられる「主要なリスク」を選定しております。当該リスクは、目指すべき姿および取組方針を設定したうえで対応策を講じ、リスク管理状況をグループERM委員会にて協議し、定期的にグループ執行会議および取締役会に報告するなど、管理態勢の強化を図っております。これらをまとめたリスクの一覧は以下のとおりであります。また、主要なリスクの概要と対応策の状況を②以降に記載しております。 <重大リスクおよび主要なリスク一覧>〇マクロ経済環境の大幅な変化●地政学リスク〇市場の大幅悪化〇投融資先、出再先の破綻〇法規制等の変更〇競争環境の悪化・転換●気候変動(物理的リスク)〇国内巨大地震〇国内巨大風水災〇海外巨大自然災害〇サステナビリティリスク〇従来型爆弾テロ〇テクノロジー巨大災害(サイバー)〇事業中断〇パンデミック●委託先等に関するリスク〇大規模災害時の資金繰り〇システム障害●サイバーセキュリティ●AI関連リスク●機密情報・顧客情報漏えい(サイバー攻撃を除く)●コンプライアンスリスク〇介護事業における重大不祥事件●コンダクトリスク〇レピュテーションリスク●ガバナンス不十分(内部統制の機能不全)〇戦略投資・新事業に係るリスクの見誤り〇介護事業環境の見誤り〇システム戦略リスク●人的資本リスク ※○は重大リスク、●はそのうち主要なリスクを示しております。 ② 主要なリスクの概要と対応策の状況 地政学リスク(発生可能性:大、影響度:中)<リスク概要>・地政学的緊張の高まりによる制裁の応酬や重大事象の発生などによる当社グループへの波及的な影響(金融資産の価値下落、支払保険金増大、事業中断など)<対応策の状況>外部専門家の知見も活用して、当社グループに大きな影響を及ぼすシナリオを調査し、市場動向などを踏まえた財務的な影響の検証を行い、経営上のリスクを適時に見極められるよう注視しております。また、危機発生時の役職員の行動等を示したマニュアルや業務継続計画等を整備し、訓練や自主点検を通じて、実効性のある危機対応体制の維持に努めております。 気候変動(物理的リスク)(発生可能性:中、影響度:大)<リスク概要>・気候変動による想定を超える巨大風水災損害(雪・雹災等を含む)の発生、または発生頻度の上昇による保険引受収支への影響・風水災損害の拡大に伴い再保険マーケットがハード化し、再保険キャパシティが大幅に減少することによるリスクの集積および利益安定性の低下<対応策の状況>台風や洪水、海面水位の変化の影響を受ける高潮の平均的な傾向変化や極端災害の発生傾向について、平均気温が上昇した気候下での長期的な影響を把握するための分析を行っております。分析にあたっては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)などの外部機関の研究成果や、大学等の研究機関と連携して得た科学的知見に加え、気象・気候ビッグデータや損害保険料率算出機構の自然災害リスクモデル等も活用したリスク評価を行っております。また、巨大風水災損害が当社グループに及ぼす影響をコントロールするために、商品改定・引受条件見直しを行っております。委託先等に関するリスク(発生可能性:大、影響度:大)<リスク概要>・代理店等を含む重要な外部委託先の業務遂行能力不足、経営破綻、法令等違反、不適切行為、サービス撤退等により委託業務の継続が困難となる状態の発生および賠償金支払やレピュテーション毀損<対応策の状況>一般の外部委託先に対しては外部委託管理基本方針等に基づく適切な管理を行うとともに、保険募集を委託する代理店に対しては、別途関連する規程等に基づき指導・管理を行っております。当社グループは、当社および損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」といいます。)に対する行政処分に基づき、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり業務改善計画に取り組んでおります。業務改善計画では、実効性のある代理店管理態勢の確立に向けた対策を講じるとともに、コンプライアンスやお客さま保護を重視する健全な企業風土を醸成し、グループ役職員の認識・思考・価値観および行動を変革するために、遵守しなければならない行動原則等の浸透を図っております。また、法規制や社会規範および企業倫理に則った適正な企業活動を行うための態勢を整備するだけではなく、グループ各社で発生している不適切事案の具体事例を分析し、共通する課題への対策を実施することなどにより、グループ全体の内部統制システムの実効性向上に努めてまいります。 サイバーセキュリティ(発生可能性:大、影響度:大)<リスク概要>・サイバー攻撃により当社グループまたは代理店・委託先へのセキュリティ侵害が発生し、情報システムの停止、誤作動、不正使用、データ破壊・改ざん、重大な情報漏えい、サプライチェーンの寸断等が発生するリスク・調査・復旧コストの発生やサービス停止による機会損失、信用失墜による取引等への影響の他、個人情報保護法やEU一般データ保護規則(GDPR)等の各国法令違反等の発生<対応策の状況>日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対しては、対応能力を継続的に向上させることが何よりも重要との認識のもと、当社グループでは「SOMPOグループサイバーセキュリティ基本方針」を定め、グループ全体でサイバーリスク管理態勢の整備に努めております。グループ各社のサイバーセキュリティ対策状況を定量的にモニタリングし可視化を行う「サイバーメトリックス」を運用する他、当社内にサイバーCoE(Center of Excellence)を設置し、グループ一丸となってサイバーセキュリティ対策に取り組み、対応能力の継続的な向上を図っております。AI関連リスク(発生可能性:大、影響度:中)<リスク概要>・生成AIを組み込んだシステム開発にあたり、知的財産やプライバシー侵害および虚偽情報生成を抑制できず、結果として誤った判断を行ったり、風評等を発生させるリスク・AI活用における規程・ガイドラインなどのルールやその運用の不備、または役職員のAIリテラシーの不足による上記リスクの顕在化<対応策の状況>「SOMPOグループAIガバナンス基本方針」およびAIツール導入の際のリスク評価等に関する規程、利用者ガイドラインなどの策定によりガバナンス態勢を整備するとともに、実効性の向上に取り組んでおります。開発するシステムが「高リスク」と評価された場合は、第三者による専門的なモデルテストを実施し、結果に基づき必要な対策を講じております。AIリテラシー習熟を目的とした社内研修を必須化し、AI活用を行う社員の知識の向上およびルールの定着を図っております。機密情報・顧客情報漏えい(サイバー攻撃を除く)(発生可能性:大、影響度:大)<リスク概要>・グループ各社において、役職員による重大な情報漏えいの発生に起因する賠償金支払およびレピュテーション毀損<対応策の状況>「SOMPOグループ顧客情報管理基本方針」等を定め、お客さまに関する情報を保全し適切な取扱いを行うため、各種の安全管理措置などの管理態勢を整備し、重大な情報漏えい発生の未然防止を図っております。また、情報漏えいの具体的事例を分析し、グループで共通する課題への対策を実施するなど、グループ全体の予防統制の強化に取り組んでおります。 コンプライアンスリスク(発生可能性:大、影響度:極大)<リスク概要>・当社グループの各事業に適用される法規制や海外事業を展開する各国・地域で適用される法規制への違反とこれに伴う課徴金等の支払い、役職員等による不正行為、外部からの犯罪行為、訴訟に伴う賠償金の支払い等・法令違反や不祥事等の発生による当社グループの社会的信頼・信用の失墜<対応策の状況>法規制や社会規範および企業倫理に則った適正な企業活動を行うための態勢を整備するだけではなく、グループ各社で発生している不祥事等の具体事例を分析し、グループで共通する課題への対策を実施することなどにより、グループ全体の内部統制システムの実効性向上に努めております。役職員に対しては、「SOMPOグループコンプライアンス行動規範」や役職員を業務の中で正しい判断・行動へ導くための判断基準である「SOMPOのYes」などの研修を実施し、コンプライアンス意識の浸透・定着を推進しております。また、不祥事等の早期発見を図るため、内部通報制度の利用に関するグループ共通の相談受付窓口を設置し、その実効性を検証しながら運用しております。コンダクトリスク(発生可能性:大、影響度:極大)<リスク概要> ・当社グループが提供する商品・サービスや業務慣行と社会やお客さまをはじめとしたステークホルダーの期待との間にギャップが生じることによる企業価値の毀損 ・当社グループの商品・サービスや個人情報収集、AI活用などに関するガバナンスがステークホルダーの期待を下回る、および市場の健全性に悪影響を及ぼす可能性 <対応策の状況>コンプライアンスやお客さま保護を重視する健全な企業風土を醸成するため、グループ全役職員に適用される「SOMPOグループコンプライアンス行動規範 実践の手引き」および「SOMPOのYes」を策定し、浸透を図るべく継続的に周知・教育等を行ってまいります。ガバナンス不十分(内部統制の機能不全)(発生可能性:大、影響度:大)<リスク概要>・グループガバナンス機能(内部統制システムの整備・運用を含む)の発揮が不十分なことで生じるリスク(当社とグループ会社間におけるコミュニケーション不足・情報共有不足に起因する当社の監督機能の不全。意思決定プロセスなどに対する内部統制システムの機能不全による戦略目標の実現不能、規制からの逸脱、レピュテーション毀損など。)<対応策の状況>グループガバナンスを適切に機能させるために、リスクベースでグループ会社の内部統制の十分性・実効性を適時・適切に把握する管理・モニタリング体制の検証・強化を進めております。具体的には、当社の代表執行役が損保ジャパンの取締役を兼任するなど監督態勢を強化しております。また、不芳情報の報告を含む当社とグループ会社間のコミュニケーションの活性化および内部通報制度の利用促進・スピークアップ風土の醸成に取り組んでおります。 人的資本リスク(発生可能性:大、影響度:大)<リスク概要>・「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」が実現できないことで、社員の挑戦や学び、専門性強化が進まず、新たな価値創出、持続的な価値創造が実現できないリスク・優秀な人材の確保・定着が困難となり、戦略的な人材配置が実行できず、生産性や企業競争力の低下につながるリスク<対応策の状況>「SOMPOの価値観(誠実・自律・多様性)」を土台とし「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」の最大化に向けた人材戦略を実行しております。「働きやすさ」の充実に向けては、オフィス環境の整備や過重労働の防止を含む健康経営の推進、ハラスメントの撲滅等、社員のウェルビーイング向上に取り組んでおります。また、キャリア採用者の早期戦力化に向けた支援体制の強化や各種DEIの施策を通じて、多様な人材がインクルーシブに活躍するカルチャーの醸成を進めております。「社員と組織の成長」に向けては、「SOMPO人材ファンド」を活用した自律的な学びを促進する大規模な人材投資や、ジョブ型人事制度やジョブチャレンジ制度の整備・運用、また社員がキャリア観やライフイベントに応じて柔軟に働き方を選択できる環境構築を進め、社員の自律的キャリア形成等を支援しております。また、採用競争力の強化に向け、採用チャネルの多角化や採用ブランディング強化に取り組んでおります。これらの取組みを通じ、「働きがい」を着実に向上すべく、定期的にエンゲージメントサーベイを実施し、結果を活用した組織のPDCAサイクルを構築しております。 ※ここに記載していない重大リスクについても、リスクコントロールの状況をモニタリングし、必要に応じて対応策を強化するなど適切に管理しております。 ③ エマージングリスクの状況エマージングリスクの状況は以下のとおりであります。 革新的な医療技術リスクの概要・事業への影響・革新的な医療技術により、疾病・傷害の治療方法等が変化することで、保険ニーズが変化する可能性・生命保険事業において第三分野保険の保有が多く、革新的な診断・治療技術が市場に普及することで、疾病の早期発見・生存率向上・治療期間長期化などにより、想定していた給付金の支払いが大きく変動する可能性対応策の例革新的な医療技術の状況や影響の調査。また、調査結果を踏まえ、将来の保険事業に与える影響を分析し、商品・サービスの開発に活用するなど今後の対応を検討生物多様性の喪失リスクの概要・事業への影響・生物多様性喪失に関する、規制の厳格化や政府方針の変化・商品・サービスにおける取組みや情報開示の劣後によるレピュテーションリスクや企業価値の低下・物理的リスクの観点では、生物多様性の喪失による生態系を活用した防災・減災機能の低下が、財物被害の悪化を生じさせ、火災保険等の保険金支払や再保険コストが増大・移行リスクの観点では、生態系サービスの劣化に伴う、自然への依存度が高いセクターの業績悪化による保険収益の減少や投資リターンの減少。また、自然関連の訴訟等における賠償責任保険の保険金支払が増大する可能性対応策の例生物多様性・自然資本の開示基準に関する動向の調査や自社への影響評価を継続するとともに、国内外の保険事業バリュー・チェーンにおける生物多様性・自然資本への依存と影響を分析不確実性の高い要因による重要インフラの停止リスクの概要・事業への影響・相互接続されたグローバルなデジタル重要インフラ(電力網、海底ケーブル、衛星通信網など)は物理的安定性が相対的に低く、従来の自然災害を越えた、極めて不確実性の高い外部ショック(太陽嵐や磁気嵐などの過酷な宇宙天気、海底ケーブルの物理的破壊など)による脆弱性が高い・上記のような外部ショックにより、大規模かつ長期的なインフラ停止が発生するリスクがあり、それに伴う想定外の巨額の保険金支払(事業中断に対する請求など)をもたらすと同時に、当社グループ自身の事業継続、とりわけ極めて重要な介護サービスの提供を脅かすおそれ対応策の例太陽嵐等を含めた不確実性の高い各種要因による災害の発生可能性や重要インフラに及ぼす影響に関する調査・分析等を通じて事業への影響度を確認ビジネスと人権に関する社会の期待と要請水準の変化リスクの概要・事業への影響・世界的な価値観の急速な変化により、ビジネスと人権に対する社会の感度が高まり、関連する法律や規制・ガイドラインの枠組みを上回る速さで変化・人権尊重に関する当社グループの取組みが社会から不適切とみなされることによる深刻なレピュテーション毀損に加え、社会からの要請水準の高まりにより、当社グループのビジネス・モデル(保険引受やウェルビーイング事業等)の制約や転換を余儀なくされるおそれ対応策の例ビジネスと人権に関する規制・ガイドラインで求められる事項に則った方針の公表、人権リスクのアセスメント強化、ステークホルダーとの対話を実施。グループ全体での人権デュー・ディリジェンスの取組みを実施する体制構築

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