有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。なお、当連結会計年度のROEは15.8%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、インバウンド需要が好調に推移し、堅調な企業業績に支えられた雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安や中東情勢などを要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題を抱えており、また、多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。リユース事業を営むSTAYGOLDにおいては、サステナビリティへの関心の高まりやフリマアプリの拡大・浸透などによりリユース市場の拡大が続いており売上が増加しておりますが、一方で、拡大する市場を背景にした新規参入や既存企業間での競争の激化が進んでおり、買取価格の上昇が粗利率の低下をもたらす可能性も危惧されております。モンゴルでは、中国経済の鈍化に伴い中国向け輸出が減少しておりますが、所得水準の上昇や公共投資の増加などにより、依然としてモンゴル経済は高成長を維持しております。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2026年12月末までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、個人向け販売の強化など様々な営業施策を実施してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。なお、当連結会計年度のROEは15.8%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、インバウンド需要が好調に推移し、堅調な企業業績に支えられた雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安や中東情勢などを要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題を抱えており、また、多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。リユース事業を営むSTAYGOLDにおいては、サステナビリティへの関心の高まりやフリマアプリの拡大・浸透などによりリユース市場の拡大が続いており売上が増加しておりますが、一方で、拡大する市場を背景にした新規参入や既存企業間での競争の激化が進んでおり、買取価格の上昇が粗利率の低下をもたらす可能性も危惧されております。モンゴルでは、中国経済の鈍化に伴い中国向け輸出が減少しておりますが、所得水準の上昇や公共投資の増加などにより、依然としてモンゴル経済は高成長を維持しております。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2026年12月末までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、個人向け販売の強化など様々な営業施策を実施してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要が好調に推移し、企業業績が堅調に推移するとともに雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安等を要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。世界経済においても、米国トランプ政権による関税政策の影響の顕在化、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、中国経済の減速など景気の先行きは不透明な状況となっております。このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。 当社グループは、当社、連結子会社5社及び持分法適用関連会社4社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。 銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、 キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)リユース事業 株式会社STAYGOLD、株式会社PRICING DATA ※1 Happy Price Company Limited ※2、株式会社日本オークション協会 ※2 World Watch Auction Limited ※2その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、HS FINANCIAL Pte. Ltd.(※1) ※1 株式会社PRICING DATA(以下「PD社」)は、第1四半期連結会計期間期末より当社の連結子会社となり、2025年8月1日を効力発生日として、株式会社STAYGOLD(以下「SG社」)を存続会社とし、PD社を消滅会社とする吸収合併を行いました。※2 PD社の株式取得及びSG社との合併に伴い、PD社の連結子会社であったHappy Price Company Limited、持分法適用関連会社であった株式会社日本オークション協会、 World Watch Auction Limitedは、それぞれSG社の連結子会社、持分法適用関連会社となり、当社グループに含まれることとなりました。 報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。 a) 銀行関連事業銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。 ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)モンゴル経済につきましては、国内消費の増加や銅精鉱の輸出増加が寄与し、実質GDP(1-12月)は前期比で6.8%増加と高成長が続いております。インフレ率は、モンゴル経済の好景気、原材料費の高騰による食料品等の価格上昇の影響を受け、前期末比7.5%と高止まりしています。また、貿易収支(1-12月)は黒字を維持しており、前期末比で6.7%増加、外貨準備高は貿易収支の黒字が継続していることから70億ドル台(前期末比27.1%増)となっております。為替市場では、前期末比で米ドルに対して4.0%下落(ドル高)、日本円に対して3.8%下落(円高)しました。モンゴル経済は引き続き好調を維持していますが、主要な輸出先である中国経済の失速から中国向け輸出が減少に転じており、今後の景気減速が懸念されます。モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル経済が高成長を続けていることから、金融セクターの融資残高は前期末比で18.9%増加しました。また、延滞債権残高は17.7%増加、不良債権残高は18.9%増加となりました。このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、法人向け融資や個人向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。モンゴル経済が好調であることから法人向け融資や個人向け融資が増加し、融資金利上昇の影響もあり資金運用収益が増加しました。一方で、国際金融機関からの借入増加や預金金利の上昇により資金調達費用も増加しておりますが、融資が継続して増加していることが影響し増収増益となっております。結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期末比で9.9%増加、融資残高は20.9%増加、資金運用収益は15.0%増加、当期純利益は8.8%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期末比で25.6%増加、個人向け融資は25.2%増加、農牧業向け融資は30.6%減少いたしました。 キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)キルギス経済につきましては、建設業やサービス業を中心に好調を維持しており、2025年度の実質GDP(1-12月)は前期比で11.1%増加と高成長を維持しております。また、インフレ率は食品価格や公共料金の値上げなどにより、前期末比で8.2%上昇となっております。キルギス中央銀行は、足元でインフレが再び加速し、目標とするインフレ率5~7%の範囲を上回っていることを受け、2025年11月に政策金利を11%へ引き上げ、さらに2026年2月には12%へ引き上げました。今後も景気動向やインフレ率の推移次第では、政策金利の引き上げを検討する可能性があります。キルギスコメルツ銀行は現在、金利変動やロシアに対する制裁強化の影響を受け、リスク管理を強化しつつも、中小企業および個人顧客向けの信用ポートフォリオの拡大に努めています。預金業務においては、金利を慎重にコントロールすることで、預金ポートフォリオを適切な水準に維持しています。また、トレジャリー部門やカード部門の業務を見直し、手数料収入の拡大を目指しています。一方で、ITシステムおよびIT人材への投資が増加しており、特にVISAおよびMastercardとの提携維持やシステム対応に係る費用を中心に経費が拡大しました。また、キルギス中央銀行の指示により引当金等の追加計上を行った結果、現地通貨ベースでの最終損益は大幅な赤字となっております。ただし、連結決算上では、これら引当金等の追加計上の一部は2025年3月期決算に取り込んでおります。今後につきましては、中東情勢およびロシア・ウクライナ情勢を背景に、キルギス経済の先行きは依然として不透明な状況となっておりますが、このような環境の中、キルギスコメルツ銀行は引き続きリスク管理およびコンプライアンス体制の強化に取り組み、特にリテール(個人向け)融資やカード、オンライン決済に重点を置き、収益基盤の強化に努めてまいります。 ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)ロシア経済は、依然としてウクライナ侵攻に伴う幅広い経済制裁を受けており、2025年の実質GDPは前期比で1.0%増加と低成長にとどまりました。インフレ率はコスト増による物価上昇が続くものの、前期末比5.6%と減速傾向となりました。インフレの減速を受け、ロシア中央銀行は政策金利を断続的に引き下げ、2026年3月には15.0%としましたが、一方で依然として物価上昇への警戒感は強く、今後も金融引き締めの方針が継続される見込みです。このような経済環境の中、ソリッド銀行は預金残高を堅調に伸ばしておりますが、クレジットリスクの抑制もあり、融資残高は預金残高に比べてわずかな増加にとどまりました。加えて、クレジットリスクの高まりを背景に貸倒引当金が前期比で増加し、収益の下押し要因となりました。融資ビジネスの低迷を防ぐため、ファクタリング等の新たな融資商品の導入も行っています。一方、ロシアの金融システムに対する制裁が強化される中、ソリッド銀行は継続的に国際業務を見直し、特に外為取引などを通じて非金利収入が大きく増加しました。非金利ビジネスが好調な市場環境に支えられ、ソリッド銀行の業績は大幅に改善していますが、今後の見通しについては、ロシア・ウクライナ情勢の展開が依然として不透明な要因となっております。ルーブルの為替レート、原油価格の変動、経済制裁の影響、そして国際情勢の緊迫化が、今後のソリッド銀行の業績に大きな影響を与える可能性があります。このような状況下において、ソリッド銀行は引き続き貸出残高と預金残高の増加や不良債権の徹底管理、預金コストの効率的な管理に注力するとともに、変化するビジネス環境に対応し、リスク管理体制を強化する取り組みを継続して行ってまいります。 b) リユース事業リユース市場は、環境意識やサステナビリティ志向の高まりを背景に長期的には堅調に推移し、2024年のリユース市場規模は前期比4.5%増の3兆2,628億円となりました。また、2030年にはその市場規模は4兆円に到達すると見込まれています。一方で、短期的には気候要因や国際情勢、関税の影響など外部要因による変動が続いております。株式会社STAYGOLDは、このような外部環境の変化を踏まえ、在庫効率の最大化と収益構造の安定化を重点テーマとして事業を運営いたしました。当連結会計年度におきましては、上半期は滞留在庫の解消及び在庫構成の見直しを優先したことにより一時的に利益が抑えられました。一方で、2025年8月のPD社との合併を機に、グループ一体となった在庫情報の可視化とモニタリング体制を構築し、在庫効率の最適化を推進いたしました。加えて、販管費の期中コントロールの徹底や、アフィリエイト広告の構成比向上による集客効率の改善を図るなど、合併による効果をいち早く引き出し、収益の安定化を最優先に事業を運営いたしました。オークション販売については、全カテゴリにおいて売上総利益率が向上しており、PD社とのシナジーが着実に発現したことで、グループ全体の収益性向上に寄与しております。卸販売については、下半期の貴金属相場高騰が追い風となり、特に金商材の取引が好調に推移しました。小売販売(店舗・EC)については、今期より本格化した小売部門の強化策が奏功し、売上高は大幅な増収を記録しました。店舗展開ではBRING屋号を中心に計5店舗を新規出店いたしました。海外戦略では、タイでの中低単価商材のテストセールに着手するなど、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。結果として、リユース事業の当連結会計年度の売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。なお、連結セグメント上では、のれんや無形固定資産の償却費が計上されております。また、持分法適用関連会社である日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。 c) その他事業 当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社は、その他事業に分類しております。当社(単体)の営業収益は主に関係会社からの配当金で構成されます。当連結会計年度は、関係会社からの配当金の増加により増収増益となっております。なお、関係会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績に影響を与えません。結果として、その他事業の当連結会計年度の営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。 d) 持分法による投資損益持分法適用関連会社であるハーン銀行、ソリッド銀行、日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。持分法による投資損益は、主にハーン銀行及びソリッド銀行にかかる投資利益によって占められますが、前述のとおり両行の業績は好調で増収増益となっております。結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末の資産合計につきましては、1,319億96百万円となり、前期比166億61百万円増加しました。これは主に、「現金及び預金」が10億5百万円、「貸出金」が11億92百万円、「棚卸資産」が26億77百万円、「関係会社株式」が96億59百万円増加したことによるものであります。主な増減要因は、「現金及び預金」は当社及びSG社と合併したPD社分の預金の増加、「貸出金」はキルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、「棚卸資産」はSG社と合併したPD社分の増加やSG社における仕入の増加によるもの、「関係会社株式」はハーン銀行およびソリッド銀行にかかる持分法投資利益によるものであります。 (負債)当連結会計年度末の負債合計につきましては、313億60百万円となり、前期比27億27百万円増加しました。これは主に、「流動負債 その他」が14億2百万円、「繰延税金負債」が16億95百万円増加したことによるものであります。主な増減要因は、「流動負債 その他」はSG社における買掛金及び未払金の増加、SG社と合併したPD社分の未払金の増加、キルギスコメルツ銀行における売現先取引により発生した金銭債務の増加など、「繰延税金負債」はハーン銀行の留保利益に関する税効果会計の変動によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産合計につきましては、1,006億35百万円となり、前期比139億34百万円増加しました。これは主に、「利益剰余金」が143億87百万円増加したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、185億36百万円(前期比13億98百万円増)となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、21億76百万円の資金増加(前期は45億32百万円の資金増加)となりました。これは主に、「利息及び配当金の受取額」80億33百万円の資金が増加した一方、「貸出金の純増(△)減」12億41百万円、「棚卸資産の増減額(△は増加)」15億11百万円、「法人税等の支払額」26億59百万円の資金が減少したことによるものであります。主な要因は、当社におけるハーン銀行からの配当金の受取、キルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、SG社における棚卸資産の増加、当社及び連結子会社における法人税等の支払いによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2億69百万円の資金減少(前期は60億54百万円の資金減少)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」23億98百万円の資金が増加した一方、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」29億34百万円の資金が減少したことによるものであります。主な要因は、当社における投資有価証券の売却、当社におけるPD社株式の取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2億45百万円の資金減少(前期は2億87百万円の資金減少)となりました。これは主に、「長期借入れによる収入」5億59百万円の資金が増加した一方、「短期借入金の純増減額(△は減少)」3億10百万円、「長期借入金の返済による支出」2億96百万円、「配当金の支払額」3億0百万円の資金が減少したことによるものであります。主な要因は、キルギスコメルツ銀行における長期借入金の借入及び返済、連結子会社であったPD社分の短期借入金の返済、当社における配当金の支払によるものであります。 ④ 仕入及び販売の実績a.仕入実績当連結会計年度におけるリユース事業の仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。事業部門名金額(百万円)前期比(%)BRING6,86226.7BRAND REVALUE26,78922.5PRICING DATA9,118-小計42,771-内部仕入△203-合計42,56756.0 b.販売実績当連結会計年度におけるリユース事業の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。事業部門名金額(百万円)前期比(%)BRING11,47039.2BRAND REVALUE30,17713.4PRICING DATA10,062-小計51,710-手数料収入3,742-内部売上△203-合計55,24958.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。当連結会計年度においては、リユース事業が業績好調で増収増益となっております。また、ハーン銀行及びソリッド銀行の業績も好調で持分法による投資利益も増加しております。一方で、今後、モンゴル国の銀行法等の規制により、当社のハーン銀行株式保有比率を20%以下に引き下げる必要があり、これにより持分法による投資利益も減少していく見込みとなっております。また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向や同業他社との競争激化などに影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては15.8%となりました。 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 a) 銀行関連事業銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。 ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は引き続き前期比で増収増益となり、融資残高や預金残高も前期末比で増加しました。ハーン銀行の業績は、モンゴルの好調な経済成長(前期比6.8%増加)に支えられ増収増益を維持しております。融資の増加は、好調なモンゴル経済を背景に法人向けの事業融資が伸びておりますが、個人向けにおいてもサラリーローンや住宅ローンの伸びが堅調であります。一方で、インフレ率の上昇による政策金利の引き上げ、大手行の間での預金獲得競争の激化の影響から預金金利が大きく上昇しており、資金調達費用も増加しております。結果として、融資残高増加による資金運用収益増加やデジタルバンキング推進による手数料収入増加の影響が大きく、増収増益を達成しております。モンゴル国内においては、中国向け輸出がわずかに減少しておりますが、国内消費・投資が好調に推移しており、モンゴル経済は今後も成長を維持していくと思われます。一方で、中国経済の減速、財政の悪化やインフレ率の高止まりによる金利の上昇など不安要素も存在します。また、ハーン銀行はコロナ禍における国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しました。このため、今後、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加し、ハーン銀行の業績に影響を与える可能性があります。今後も、ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めてまいります。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも引き続き注力いたします。 キルギスコメルツ銀行においては、融資残高は前期末比で増加しておりますが、年間を通しての平均融資残高は前期比で減少しているため、金利収入は前年並みとなりました。一方で、預金残高が減少しているため、今後の預金の収集が課題となっております。非金利収入については、政府による外為取引の規制などの影響で減少しております。また、中央銀行の指摘により追加の引当金や費用を計上することとなりました。以上の結果、今期は大幅な最終赤字となりました。キルギス国内における金融業界は大手行である国営銀行が強い競争力を保持しており、中小規模の銀行であるキルギスコメルツ銀行 は、近年のロシア・ウクライナ情勢の影響もあり、リスク回避のため融資の実行には慎重な姿勢を続けており、そのため金利収入が伸び悩んでおり、今後、どのように融資を増加させていくかが課題となっております。キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向け融資の増加とともに、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。 ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、外為取引による非金利収入の増加により引き続き増収増益となっております。ソリッド銀行は、現在のところ、ロシアウクライナ問題による業績への影響はなく、大手行が金融制裁を受けているためソリッド銀行で扱う外為取引が増加し外為取引収支が大幅に増加、また、預金残高・融資残高も増加しているため増収増益を続けております。しかし、ロシアは依然としてウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化や金融制裁対象の拡大などがソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。近年、ロシア経済はインドや中国などの新興大国との繋がりを強めており、そのような環境の変化がソリッド銀行にどのような影響を与えるか注視している状況であります。そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。 b) リユース事業リユース事業の当連結会計年度における売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。近年、リユース市場は、循環型社会への促進を受けて成長を続けており、スマホの普及によるフリマアプリの拡大・浸透は市場を活性化させ、現代のサステナビリティの風潮も追い風となり、人口減少時代に突入した我が国においても引き続き成長が見込める市場となっております。STAYGOLDは、中古品をメインとした宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、シルバーアクセサリー、スニーカー等の買取・仕入・販売・仲介及びオークション運営を行っております。今期のリユース事業の業績は、販売や買取を順調に増加させており、事業拡大に伴い人件費を中心に販管費が増加しておりますが、STAYGOLD単体では営業利益を15億円弱計上し、増収増益となっております。特に、販売では戦略的に小売(BtoC)を強化しており、PD社との合併の影響もあり、前期比+50%と大きく増加しました。今後も小売を継続的に強化することにより利益率の上昇を計画しております。また、PD社との合併を機に海外戦略にも着手しており、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。連結セグメントとしては、のれんや無形固定資産の償却費が多額に計上されておりますが、足元の業績は引き続き好調を維持しており、今後も、積極的な新規出店等を行うとともに小売や買取の強化など様々な営業施策を実施してまいります。一方で、リユース事業は、市場の成長性の高さから競争が激化しているため、ブランド力の強化や他社との差別化、より一層の規模の拡大などが課題となっております。 c) その他事業その他事業の当連結会計年度における営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金で構成されており、当連結会計年度においては、関係会社からの配当金の増加により増収増益となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、国外における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開し、今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。 d) 持分法による投資損益当連結会計年度における持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績が好調で増収増益となっており、そのため持分法による投資利益は引き続き増加しております。なお、ハーン銀行およびソリッド銀行の状況は前述のとおりです。今期より新たに持分法適用関連会社となった日本オークション協会、World Watch Auction Limitedは比較的小規模企業であるため、説明を省略いたします。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 b) 資本の財源及び資金の流動性当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、リユース品の買取、新規店舗への設備投資、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費の支払いによるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、STAYGOLDにおける新規店舗開設によるものであります。また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、顧客からの預り金である預金94億75百万円、金融機関からの長期借入金(1年内含む)22億14百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は185億36百万円となっております。主な借入先として、キルギスコメルツ銀行において、Ministry of Finance of the Kyrgyz Republicから4億98百万円、Russian-KyrgyzDevelopmentFundから3億38百万円、Mamakeev Kanat Mambetovichから2億58百万円、STAYGOLDにおいて、株式会社日本政策金融公庫から6億14百万円、株式会社高知銀行から1億48百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。なお、当連結会計年度のROEは15.3%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、インバウンド需要が好調に推移し、雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安等を要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。リユース事業を営むSTAYGOLDにおいては、サステナビリティへの関心の高まりやフリマアプリの拡大・浸透などによりリユース市場の拡大が続いており売上が増加しておりますが、一方で、拡大する市場を背景にした新規参入や既存企業間での競争の激化が進んでおり、買取価格の上昇が粗利率の低下をもたらす可能性も危惧されております。モンゴルでは、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2026年12月末までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、個人向け販売の強化など様々な営業施策を実施してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。なお、当連結会計年度のROEは15.3%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、インバウンド需要が好調に推移し、雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安等を要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。リユース事業を営むSTAYGOLDにおいては、サステナビリティへの関心の高まりやフリマアプリの拡大・浸透などによりリユース市場の拡大が続いており売上が増加しておりますが、一方で、拡大する市場を背景にした新規参入や既存企業間での競争の激化が進んでおり、買取価格の上昇が粗利率の低下をもたらす可能性も危惧されております。モンゴルでは、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2026年12月末までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、個人向け販売の強化など様々な営業施策を実施してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要が好調に推移し、雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安等を要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。世界経済においても、全体として緩やかな回復基調ではありますが、米国トランプ政権による関税政策の動向、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、中国経済の減速懸念など景気の先行きは不透明な状況となっており、中長期的に低成長が続くと見込まれています。このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は377億66百万円(前期比118億31百万円減)、経常利益は151億22百万円(前期比6億52百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億0百万円(前期比26億37百万円増)となりました。 前第1四半期連結累計期間において、主要な連結子会社であったハーン銀行の業績が全部連結されていたため、営業収益及び営業損益は前期比で大幅に減少しております。また、営業外収益に計上される持分法による投資利益は、ハーン銀行単体の最終損益をもとに算定されるため、法人税等や非支配株主損益が差し引かれて算定されており、そのため、ハーン銀行の業績は増加しておりますが、経常利益は前第1四半期連結累計期間においてハーン銀行が全部連結されていた経常利益と比較すると減少しております。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で増加しているのは、モンゴル銀行法の改正によりハーン銀行の留保利益に関する税効果会計(将来加算一時差異)に変動が生じ法人税等調整額の計上額が減少したこと、ハーン銀行およびソリッド銀行の業績が好調で経常利益が底上げされたことなどが要因であります。 当社グループは、当社、連結子会社4社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。 銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、 キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)リユース事業 株式会社STAYGOLDその他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、HS FINANCIAL Pte. Ltd.(※1) ※1 HS FINANCIAL Pte. Ltd.は、2024年12月16日にシンガポール共和国において設立いたしました当社の完全子会社となります。 報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。 a) 銀行関連事業銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は29億8百万円(前期比175億46百万円減)、営業損失は6億52百万円(前期は営業利益58億83百万円)となりました。ハーン銀行が前第2四半期連結会計期間より持分法適用関連会社に異動することとなったため、銀行関連事業の業績は前期比で大きく減少しております。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は147億95百万円(前期比10億6百万円減)となっております。 ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)モンゴル経済につきましては、国内消費の増加や鉱工業生産の増加、石炭や銅精鉱の輸出増加が寄与し、実質GDP(1-12月)は前期比で4.9%増加と高成長が続いております。インフレ率は、モンゴル経済の好景気や公務員を中心とした賃上げの影響を受け、前期末比9.0%と上昇傾向にあります。また、貿易収支(1-12月)は黒字を維持していますが、主に国内消費が堅調に推移していることから輸入が増加し前期比で29.7%減少、外貨準備高は貿易収支の黒字が継続していることから55億ドル台(前期末比12.0%増)となっております。為替市場では、前期末比で米ドルに対して0.3%上昇(ドル高)、日本円に対して9.6%下落(円安)しました。モンゴル経済は引き続き好調を維持していますが、主要な輸出先である中国経済の失速の影響が今後の懸念点として挙げられます。モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル経済が高成長を続けていることや公務員を中心とした賃上げにより個人所得が改善していることから、金融セクターの融資残高は前期末比で40.9%増加しました。また、延滞債権残高は0.5%増加、不良債権残高は8.4%減少となりました。このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、法人向け融資や個人向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。モンゴル経済が高成長を続けていることから融資残高が増加し、それに伴い資金運用収益も増加しております。一方で、預金残高の増加により資金調達費用も増加しておりますが、デジタルバンキングサービスの推進による手数料収入が増加したことなども影響し、増収増益となりました。結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期末比で18.7%増加、融資残高は24.2%増加、資金運用収益は24.4%増加、当期純利益は14.3%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期末比で27.4%増加、個人向け融資は18.8%増加、農牧業向け融資は1.8%減少いたしました。 キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)キルギス経済につきましては、主に小売業や建設業の成長が著しく、2024年度の実質GDP(1-12月)は前期比で9.0%増加と好調を維持しております。インフレ率は前期末比で5.0%上昇と2024年度は鈍化傾向にあり、このインフレ率の鈍化を受け、キルギス中央銀行は主要政策金利を13%から9%へ引き下げておりますが、足元でインフレが再び加速していることを受け、主要政策金利の引き上げを検討する可能性があります。キルギスコメルツ銀行は、現在、金利変動およびロシアに対する制裁強化の影響を受け、法人と個人への融資を抑制するとともに貸倒引当金を増やしリスク管理に注力している状況です。預金業務では金利の引き下げに伴い、定期預金の募集を進めています。また、コロレス口座ネットワークや海外送金などの決済業務を見直し、手数料収入の増加を目指しています。しかし、融資残高や融資利息の増加が限定的となる一方でITシステムおよびIT人材に対する投資が増加し経費が拡大する傾向にあり、そのため2024年度は最終赤字となりました。今後、ロシア・ウクライナ情勢を背景にキルギス経済の先行きは依然として不透明な状況となっておりますが、このような環境の中、キルギスコメルツ銀行はリスク管理およびコンプライアンス体制の強化に取り組み、安定した預金基盤の確立と顧客のニーズに応じた融資商品の提供に努めてまいります。さらに、フロントオフィスとバックオフィスの業務効率向上を目指し、業務プロセスおよびコストの見直しを継続して行ってまいります。 ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)ロシア経済につきましては、ウクライナ侵攻による幅広い経済制裁を受けているものの、国内消費が堅調に推移している影響から製造業や小売業が好調で、2024年度の実質GDP(1-12月)は前期比で4.1%増加となりました。一方で、インフレ率は、コスト増による物価上昇が続き前期末比9.5%と依然として高水準を維持しており、ロシア中央銀行は継続的に政策金利の引き上げを行い、主要政策金利は2024年12月末時点で21%に達しています。このような環境の中、ソリッド銀行は貸出残高と預金残高を堅調に伸ばしており、金利上昇の影響もあり純金利収入は増加しております。ロシアの金融システムに対する制裁が強化される中、ソリッド銀行は継続的に国際業務を見直し、外為取引などを通じて非金利収入が大きく増加しています。この外貨売買による利益は同行の収益構造において重要な柱になり、結果として2024年度は引き続き増収増益となりました。非金利ビジネスが好調な市場環境に支えられ、ソリッド銀行の業績は大幅に改善していますが、今後の見通しについては、ロシア・ウクライナ情勢の展開が依然として不透明な要因となっております。ルーブルの為替レート、原油価格の変動、経済制裁の影響、そして国際情勢の緊迫化が、今後のソリッド銀行の業績に大きな影響を与える可能性があります。このような状況下において、ソリッド銀行は引き続き貸出残高と預金残高の増加や不良債権の徹底管理、預金コストの効率的な管理に注力するとともに、変化するビジネス環境に対応し、リスク管理体制を強化する取り組みを継続して行ってまいります。 b) リユース事業リユース市場は、SDGsなど環境意識の高まりやフリマアプリなどによるネット販売の急拡大により、市場規模は10年以上も拡大しており、今後も成長を続けていくとみられています。リユース事業である株式会社STAYGOLDは、新規出店による店舗数の増加や主に時計の販売好調により売上高は増加しております。一方で、事業拡大のための人員数増加や新規店舗増加、広告宣伝費の増加などにより経費が増加しており、また、連結セグメント上では、のれんや無形固定資産の償却費が計上されていることも影響し、わずかな営業利益を計上するにとどまりました。新型コロナウイルス感染症の収束に伴いインバウンド消費が急回復していることに加え、国内消費においてもリユース品に対する需要は強く、今後も積極的な販売拡大を目指してまいります。また、当連結会計年度では新たに7店舗の新規出店を行いました。結果として、リユース事業の当連結会計年度の売上高は348億45百万円(前期比57億12百万円増)、営業利益は40百万円(前期は営業損失2億61百万円)となりました。なお、当社は2025年4月14日付で株式会社PRICING DATAの全株式を取得し連結子会社といたしました。同社は2026年3月期第1四半期末より新たにリユース事業として連結されます。詳細は、2025年4月14日に公表いたしました「株式会社PRICING DATAの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」をご参照ください。 c) その他事業 当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社は、その他事業に分類しております。当社(単体)の営業収益は主に関係会社からの配当金で構成され、前連結会計年度においては関係会社からの配当金がなかったため、当連結会計年度は大幅な増収増益となっております。なお、関係会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績に影響を与えません。結果として、その他事業の当連結会計年度の営業収益は61億83百万円(前期比61億69百万円増)、営業利益は55億71百万円(前期は営業損失7億36百万円)となりました。なお、2024年12月16日にシンガポールにおいて設立いたしました当社の完全子会社HS FINANCIAL Pte. Ltd.は、今後、対外投資の拠点として事業活動を行ってまいりますが、設立間もないため、当連結会計年度の連結業績に与える影響は軽微であります。 d) 持分法による投資損益持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。前述のとおり、ハーン銀行及びソリッド銀行の業績は好調で増収増益となっております。なお、前第1四半期連結累計期間においてハーン銀行は全部連結されていたため、当連結会計年度の持分法による投資利益は大幅な増加となりました。結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は154億47百万円(前期比55億29百万円増)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末の資産合計につきましては、1,153億34百万円となり、前期比165億59百万円増加しました。これは主に、「短期貸付金」が56億5百万円、「関係会社株式」が140億59百万円増加し、「投資有価証券」が14億91百万円、「関係会社長期貸付金」が14億12百万円減少したことによるものであります。主な増減要因は、「短期貸付金」は当社における短期貸付金の増加、「関係会社株式」はハーン銀行およびソリッド銀行にかかる持分法投資利益によるもの、「投資有価証券」は当社における投資有価証券の減少、「関係会社長期貸付金」は当社における長期貸付金の減少であります。 (負債)当連結会計年度末の負債合計につきましては、286億33百万円となり、前期比22億75百万円増加しました。これは主に、「未払法人税等」が6億71百万円、「繰延税金負債」が15億29百万円増加したことによるものであります。主な増減要因は、「未払法人税等」は当社における未払法人税等の増加、「繰延税金負債」はハーン銀行の留保利益に関する税効果会計の変動によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産合計につきましては、867億1百万円となり、前期比142億84百万円増加しました。これは主に、「利益剰余金」が117億99百万円、「為替換算調整勘定」が38億47百万円増加したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、171億37百万円(前期比10億62百万円減)となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、45億32百万円の資金増加(前期は255億86百万円の資金減少)となりました。これは主に、「利息及び配当金の受取額」65億22百万円の資金が増加した一方、「法人税等の支払額」15億6百万円の資金が減少したことによるものであります。主な要因は、当社におけるハーン銀行からの配当金の受取、当社及び連結子会社における法人税等の支払いによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、60億54百万円の資金減少(前期は81億4百万の資金減少)となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」18億21百万円、「貸付けによる支出」48億60百万円の資金が減少したことによるものであります。主な要因は、当社における有形固定資産の取得、当社における貸付金の増加によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2億87百万円の資金減少(前期は121億29百万円の資金増加)となりました。これは主に、「配当金の支払額」3億0百万円の資金が減少したことによるものであります。主な要因は、当社における配当金の支払いによるものであります。 ④ 仕入及び販売の実績a.仕入実績当連結会計年度におけるリユース事業の仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。事業部門名金額(百万円)前期比(%)BRING5,41731.3BRAND REVALUE21,87414.7合計27,29217.6 b.販売実績当連結会計年度におけるリユース事業の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。事業部門名金額(百万円)前期比(%)BRING8,23832.8BRAND REVALUE26,60716.0合計34,84519.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は377億66百万円(前期比118億31百万円減)、経常利益は151億22百万円(前期比6億52百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億0百万円(前期比26億37百万円増)となりました。前第1四半期連結累計期間において、主要な連結子会社であったハーン銀行の業績が全部連結されていたため、営業収益及び営業損益は前期比で大幅に減少しております。今後においても、モンゴル国の銀行法等の規制により、当社のハーン銀行株式保有比率を20%以下に引き下げる必要があり、これにより持分法による投資利益も減少していく見込みとなっております。また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向や同業他社との競争激化などに影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては15.3%となりました。 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 a) 銀行関連事業銀行関連事業の当連結会計年度における営業収益は29億8百万円(前期比175億46百万円減)、営業損失は6億52百万円(前期は営業利益58億83百万円)となりました。ハーン銀行が前第2四半期連結会計期間より持分法適用関連会社に異動することとなったため、銀行関連事業の業績は前期比で大きく減少しております。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は147億95百万円(前期比10億6百万円減)となっております。 ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は引き続き前期比で増収増益となり、融資残高や預金残高も前期末比で増加しました。ハーン銀行の業績は、モンゴルの好調な経済成長(前期比4.9%増加)に支えられ、また、公務員を中心とした所得水準の上昇が引当金の減少にも影響し、結果として増収増益となっております。融資の増加は、好調なモンゴル経済を背景に法人向けの事業融資が伸びておりますが、個人向けにおいてもサラリーローンや住宅ローンの伸びが堅調であります。一方で、大手行の間の預金獲得競争が激化しており、そのため預金金利が上昇し、資金調達費用も増加しておりますが、融資残高増加による資金運用収益増加やデジタルバンキング推進による手数料収入増加の影響が大きく、増収増益を達成しております。モンゴル国内においては、中国向けを主とする輸出が好調に推移しており、モンゴル経済は今後も成長を維持していくと思われます。一方で、中国経済の減速、財政の悪化やインフレ率の高止まりによる金利の上昇など不安要素も存在します。また、ハーン銀行はコロナ禍における国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しました。このため、来期以降、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加する可能性もあります。今後も、ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めてまいります。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも引き続き注力いたします。 キルギスコメルツ銀行においては、期末時点の融資残高は前期末比で減少しておりますが、年間を通しての平均融資残高は前期比で増加しているため、金利収入は増加しました。また、コルレス口座ネットワークや海外送金などの決済業務の見直しを行い手数料収入が増加し、非金利収入が増加しました。以上の結果、金利収入や非金利収入は増加しておりますが、人件費やシステム関連費などの販管費の増加が影響し、今期は減益となりました。ただし、IFRS基準では、引当金等の追加計上により最終赤字となっております。ロシアウクライナ問題を受け、リスク回避のため融資の実行には慎重な姿勢を続けており、そのため金利収入が伸び悩んでおり、今後、どのように融資を増加させていくかが課題となっております。キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向け融資の増加とともに、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。 ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、外為取引による非金利収入の増加により大幅な増収増益となっております。ソリッド銀行は、現在のところ、ロシアウクライナ問題による業績への影響はなく、大手行が金融制裁を受けているためソリッド銀行で扱う外為取引が増加し外為取引収支が大幅に増加、また、預金残高・融資残高も増加しているため増収増益を続けております。しかし、ロシアは依然としてウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化や金融制裁対象の拡大などがソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。近年、ロシア経済はインドや中国などの新興大国との繋がりを強めており、そのような環境の変化がソリッド銀行にどのような影響を与えるか注視している状況であります。そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。 b) リユース事業リユース事業の当連結会計年度における営業収益は348億45百万円(前期比57億12百万円増)、営業利益は40百万円(前期は営業損失2億61百万円)となりました。近年、リユース市場は、循環型社会への促進を受けて成長を続けており、スマホの普及によるフリマアプリの拡大・浸透は市場を活性化させ、現代のサステナビリティの風潮も追い風となり、人口減少時代に突入した我が国においても引き続き成長が見込める市場となっております。STAYGOLDは、中古品をメインとした宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、シルバーアクセサリー、スニーカー等の買取・仕入・販売・仲介及びオークション運営を行っております。今期のリユース事業の業績は、販売や買取を順調に増加させており、事業拡大に伴い人件費を中心に販管費が増加しておりますが、STAYGOLD単体では増収増益となっております。連結セグメントとしては、のれんや無形固定資産の償却費が多額に計上されていることなどから、わずかな営業利益を計上するにとどまっておりますが、足元の業績は好調であり、今後も、積極的な新規出店等を行うとともに買取チャネルの拡大を継続することにより個人のお客様からの買取りを強化するほか、様々な営業施策を実施してまいります。一方で、リユース事業は、市場の成長性の高さから競争が激化しているため、ブランド力の強化や他社との差別化などが課題となっております。 c) その他事業その他事業の当連結会計年度における営業収益は61億83百万円(前期比61億69百万円増)、営業利益は55億71百万円(前期は営業損失7億36百万円)となりました。当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金で構成されており、当連結会計年度においては、前連結会計年度において関係会社からの配当金がなかったことにより大幅な増収増益となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、国外における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開し、今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。 d) 持分法による投資損益当連結会計年度における持分法による投資利益は154億47百万円(前期比55億29百万円増)となりました。持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績が好調で増収増益となっており、そのため持分法による投資利益は大幅な増加となりました。なお、ハーン銀行およびソリッド銀行の状況は前述のとおりです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 b) 資本の財源及び資金の流動性当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、中古リユース品の買取、新規店舗への設備投資、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、STAYGOLDにおける新規店舗開設によるものであります。また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、顧客からの預り金である預金102億41百万円、金融機関からの長期借入金(1年内含む)13億15百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は171億37百万円となっております。主な借入先として、キルギスコメルツ銀行において、Ministry of Finance of the Kyrgyz Republicから4億9百万円、Russian-KyrgyzDevelopmentFundから3億8百万円、STAYGOLDにおいて、株式会社高知銀行から1億52百万円、株式会社日本政策金融公庫から98百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。当連結会計年度のROEは、銀行関連事業の増収増益などにより20.3%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、新型コロナウイルス感染症による各種の活動制限が緩和され経済社会活動が徐々に正常化しつつありますが、一方でインフレ率の上昇等の懸念があり、先行きは不透明な状況にあります。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。モンゴルでは、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、新型コロナウイルス感染症は収束しつつあり景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2023年12月までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、様々な営業施策を実施してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。当連結会計年度のROEは、銀行関連事業の増収増益などにより20.3%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、新型コロナウイルス感染症による各種の活動制限が緩和され経済社会活動が徐々に正常化しつつありますが、一方でインフレ率の上昇等の懸念があり、先行きは不透明な状況にあります。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。モンゴルでは、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、新型コロナウイルス感染症は収束しつつあり景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2023年12月までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、様々な営業施策を実施してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による各種の活動制限が緩和され経済社会活動が徐々に正常化しつつありますが、円安等の急激な為替変動や資源・エネルギー価格の高騰などによるインフレ懸念など景気の先行きは不透明な状況が続いております。世界経済においても、資源・エネルギー価格の高騰やインフレ率の高止まり、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引締めによる景気悪化懸念など世界経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は776億98百万円(前期比161億31百万円増)、経常利益は256億93百万円(前期比78億80百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は113億72百万円(前期比48億27百万円増)となりました。 当社グループは、当社、連結子会社4社及び持分法適用関連会社1社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。 銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)リユース事業 株式会社STAYGOLD ※1債権管理回収関連事業 エイチ・エス債権回収株式会社 ※2その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム ※3 ※1 第2四半期連結会計期間において、当社は、株式会社STAYGOLDの株式を取得し、同社を持分法適用関連会社とすることとなりました。また、第3四半期連結会計期間において、同社は連結子会社に該当することとなりました。なお、第3四半期連結会計期間においては持分法による投資損益に同社の業績をもとにした損益が反映され、同社の損益計算書は当第4四半期連結会計期間より連結されます。※2 第3四半期連結会計期間において、当社は、当社の連結子会社であるエイチ・エス債権回収株式会社の全保有株式を譲渡いたしました。本株式譲渡により、同社は第3四半期連結会計期間期首より連結の範囲から除外されることとなりました。※3 第2四半期連結会計期間において、当社は、当社の持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコムの全保有株式を譲渡いたしました。本株式譲渡により、株式会社外為どっとコムは持分法の範囲から除外されることとなりました。なお、持分法による投資損益には、売却実行時までの同社の業績をもとにした損益が計上されております。 報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。 a) 銀行関連事業銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は728億81百万円(前期比177億18百万円増)、営業利益は249億52百万円(前期比99億3百万円増)となりました。また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。 ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)モンゴル経済につきましては、中国における新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響を受け、中国向けの資源輸出は減少しましたが、輸出全体では石炭や金の輸出が増加したことから、実質GDP(1-12月)は前期比で4.8%増加しました。インフレ率は食品価格等の上昇により前期比13.2%上昇と依然として高水準にあります。また、貿易収支(1-12月)は前期比60.1%増加しましたが、外貨準備高は国際収支の赤字拡大により33億ドル台(前期比22.1%減少)まで減少しております。外貨準備高の減少により、為替市場では米ドルに対して現地通貨トゥグルグ(以下、MNTという。)の通貨安が進行し前期比で米ドルに対して20.9%下落(ドル高)しました。このようなインフレ率の上昇や通貨安の状況を受け、モンゴル中央銀行は政策金利を断続的に引き上げております。モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル政府が実施した低金利融資や延滞している融資の返済期限延長等の景気対策の結果、金融セクターの融資残高は前期比で6.8%増加しました。また、延滞債権残高は20.3%増加、不良債権残高は2.6%減少となりました。このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、大口企業向け融資や中小企業向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。当期は、モンゴル政府が実施した低金利融資の景気対策により個人向けや農牧業向けの融資が大きく増加したことから資金運用収益が増加するとともに、第3四半期まで預金残高が減少傾向にあったことや預金金利が低水準で推移したことにより資金調達費用が大きく減少し、加えてデジタルバンキングサービスの推進による手数料収入が増加したことから、大幅な増収増益となりました。結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期比で4.0%増加、融資残高は12.3%増加、資金運用収益は18.1%増加、当期純利益は53.9%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期比で8.1%増加、個人向け融資は33.7%増加、農牧業向け融資は18.9%増加いたしました。 キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)キルギス経済につきましては、ロシア・ウクライナ情勢の悪影響が懸念されましたが、新型コロナウイルス感染症の収束に伴いサービス業や製造業の回復が続き、実質GDP(1-12月)は前期比で7.0%の増加となりました。また、世界的なエネルギーや食料品価格の上昇などにより、インフレ率は前期比で13.9%の上昇と高止まりしております。キルギスコメルツ銀行は、ロシア・ウクライナ情勢を背景に、貸出業務では既存顧客のサポートに注力し、慎重に融資を行いました。預金業務では、預金残高の維持のために預金金利を引き上げました。また、ロシアの各大手銀行に対する制裁を受けて、外貨取引、コロレス口座ネットワーク、海外送金などの決済業務の見直しを行い、非金利収入を増加させることができました。一方で、高止まりしているインフレ率や不透明な国際情勢を背景に、資金調達コストや預金コスト、人件費等の経費が増加しておりますが、最終損益は黒字を維持しております。今後につきましては、ロシア・ウクライナ情勢を背景にキルギス経済の先行きが不透明な状況となっております。このような環境の中、キルギスコメルツ銀行は、リスク管理とコンプライアンス体制を強化し、安定した預金基盤の構築と顧客のニーズに応える融資商品の提供に注力するとともに、引き続き中小企業融資とリテール事業に特化し、カード業務とオンライン決済業務の強化、非金利収入の割合の拡大を図ります。 ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)ロシア経済につきましては、ウクライナ侵攻による幅広い経済制裁を受けている影響から実質GDP(1-12月)は前期比で2.1%の減少となり、各種経済制裁などの影響からインフレ率は前期比で12.2%の上昇となりました。インフレ率は前期比では大きく上昇しておりますが、前月比などの直近では落ち着いており、通貨ルーブル相場も安定しているため、ロシア中央銀行は景気下押し圧力を緩和するため政策金利の引き下げを実施しております。このような環境の中、ソリッド銀行につきましては、預金残高の維持と預金コストの削減に注力しました。また、新規顧客への融資を慎重に行い、銀行保証や外為取引などの非金利収入の拡大にも注力いたしました。一方で、ロシア大手銀行や企業に対する制裁を受け、国際業務の見直しを行いました。今後につきましては、ロシア・ウクライナ情勢に起因する幅広い経済制裁を背景に、ロシア経済の先行きについては依然として厳しい状況が続くと予想されます。このため、現地通貨ルーブルの為替動向、原油価格の推移、経済制裁及び国際情勢の緊迫化等の様々な要因により、ソリッド銀行の業績に影響を与える可能性がありますが、今後もソリッド銀行は優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力するとともに、新たなビジネスに取り組み収益拡大を図ってまいります。 b) リユース事業株式会社STAYGOLDの業績は、当第4四半期連結会計期間より連結されます。当第4四半期連結会計期間では、事業拡大に伴い販管費が増加している一方で売上が伸びなかったこと、のれんや無形固定資産の償却が多額に計上されていることなどから営業損失となっております。なお、当第4四半期連結会計期間の営業収益は32億2百万円、営業損失は2億76百万円となりました。また、株式会社STAYGOLDは2月決算のため、2ヶ月間のみの連結となっております。 c) 債権管理回収関連事業債権管理回収関連事業であるエイチ・エス債権回収株式会社は、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。なお、第2四半期連結累計期間の営業収益は16億11百万円、営業利益は3億37百万円となりました。(第2四半期までの連結となるため、前期比較は記載しておりません。) d) その他事業当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。当社(単体)の営業収益は主に関係会社からの配当金及び経営管理料で構成され、当連結会計年度においては、子会社からの配当金の減少や販管費の増加により減収減益となりました。なお、子会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績には影響を与えません。その他事業の当連結会計年度の営業収益は86億6百万円(前期比12億94百万円減)、営業利益は73億34百万円(前期比21億1百万円減)となりました。 e) 持分法による投資損益持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。また、株式会社STAYGOLDの業績については、第3四半期連結会計期間においては持分法による投資損益に反映されます。株式会社外為どっとコムは、持分法の範囲から除外されておりますが、売却実行時までの業績は持分法による投資損益に反映されます。ソリッド銀行につきましては、法人貸出の金利収入や外貨取引の非金利収入の増加により増収増益となっておりますが、外為どっとコムの持分法からの除外やSTAYGOLDに関するのれんの償却等が影響し、持分法による投資利益は前期比で減少となりました。結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は7億58百万円(前期比4億13百万円減)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末の資産合計につきましては、6,217億27百万円となり、前期比442億77百万円増加しました。これは主に、「現金及び預金」が615億56百万円、「貸出金」が234億円増加し、一方で「有価証券」が392億7百万円減少したことによるものであります。主な増減要因は、「貸出金」はハーン銀行から顧客への貸出金の増加、「現金及び預金」及び「有価証券」はハーン銀行における資金運用に伴う増減によるものであります。 (負債)当連結会計年度末の負債合計につきましては、5,403億15百万円となり、前期比372億93百万円増加しました。これは主に、「預金」が210億35百万円、「1年内返済予定の長期借入金」が109億93百万円、「長期借入金」が56億60百万円増加したことによるものであります。主な増減要因は、「預金」はハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、「1年内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」はハーン銀行における長期借入金の増加によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産合計につきましては、814億11百万円となり、前期比69億84百万円増加しました。これは主に、「利益剰余金」が110億60百万円増加し、一方で「資本剰余金」が21億93百万円、「為替換算調整勘定」が11億51百万円減少したことによるものであります。なお、資本剰余金の減少は株式会社STAYGOLDの株式追加取得における持分変動による差額であります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,860億57百万円(前期比50億13百万円減)となりました。なお、当連結会計年度においては、営業活動および財務活動によるキャッシュ・フローは資金増加となりましたが、一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは資金減少となりました。これは、主にハーン銀行が営業活動および財務活動により得た資金を投資活動に充てた結果であります。また、現金及び現金同等物に係る換算差額の影響により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は前期比で減少しております。なお、現金及び現金同等物に係る換算差額は、主に、在外子会社の現金及び現金同等物の換算手続の結果生じた円貨による差額であります。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、185億5百万円の資金増加(前期は47億85百万円の資金減少)となりました。これは主に、「税金等調整前当期純利益」309億63百万円、「預金の純増減(△)」432億24百万円の資金が増加した一方、「貸出金の純増(△)減」395億26百万円、「売現先勘定の純増減(△)」80億88百万円、「法人税等の支払額」74億23百万円の資金が減少したことによるものであります。主な増減要因は、ハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、ハーン銀行から顧客への貸出金の増加、ハーン銀行における売現先取引により発生した金銭債務の減少、主に当社及びハーン銀行が支払った法人税等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、179億38百万円の資金減少(前期比102億82百万円減)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」76億90百万円、「関係会社株式の売却による収入」129億円の資金が増加した一方、「投資有価証券の取得による支出」320億34百万円、「関係会社株式の取得による支出」66億42百万円の資金が減少したことによるものであります。主な増減要因は、当社における関係会社株式の売却または取得、ハーン銀行における投資有価証券の売却及び償還または取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、25億78百万円の資金増加(前期は17億19百万円の資金減少)となりました。これは主に、「長期借入による収入」419億78百万円の資金が増加した一方、「長期借入金の返済による支出」276億59百万円、「非支配株主への配当金の支払額」69億9百万円、「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の追加取得による支出」65億円の資金が減少したことによるものであります。主な増減要因は、ハーン銀行における長期借入金の借入または返済、ハーン銀行における非支配株主持分への配当金の支払い、株式会社STAYGOLDの株式追加取得によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績該当事項はありません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は776億98百万円(前期比161億31百万円増)、経常利益は256億93百万円(前期比78億80百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は113億72百万円(前期比48億27百万円増)となりました。引き続きハーン銀行の業績が好調なため増収増益となりましたが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ハーン銀行の業績は当社グループの経営成績の主たる割合を占めており、その業績の変動が当社グループに重要な影響を及ぼすことになります。また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向、金利や為替等の市況環境に影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。昨年度より継続的にお知らせしておりましたとおり、ハーン銀行は2023年4月13日よりモンゴル証券取引所への新株発行によるIPOを開始し、この結果、当社が保有するハーン銀行株式の持分比率は過半数を下回り、持分法適用関連会社となりました。これにより、来期2024年3月期第2四半期以降、営業収益および営業利益は大幅な減収減益となる見込みです。さらには、2023年12月末までに当社のハーン銀行株式保有比率を20%以下に引き下げる必要があり、これにより持分法による投資利益も減少していく見込みとなっております。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては主に銀行関連事業の大幅な増収増益により20.3%となりました。 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 a) 銀行関連事業銀行関連事業の当連結会計年度における営業収益は728億81百万円(前期比177億18百万円増)、営業利益は249億52百万円(前期比99億3百万円増)となりました。 ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は前期比で大幅な増収増益となり、融資残高や預金残高も前期比で増加しました。ハーン銀行の業績は、モンゴル国において、10兆トゥグルグ規模の景気対策が実施されたことなどが引き続き影響し大幅な増収増益となっております。ハーン銀行の業績に影響を与えた景気対策の主な内容としては、低金利融資や普通預金と当座預金の金利免除などがあります。低金利融資により法人向け融資や住宅ローンなどの個人向け融資、ひいては資金運用収益が増加し、また、預金金利の免除や期中に預金残高が減少傾向にあったことなどにより資金調達費用が大幅に減少しました。モンゴル国内においては、新型コロナウイルス感染症はほぼ収束しており、中国の感染防止策の緩和を受け、中国向けを主とする輸出が好調に推移しており、モンゴル経済は今後も成長を維持していくと思われます。一方で、財政の悪化やインフレ率の高止まりなど不安要素も存在します。ハーン銀行は国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しております。このため、来期以降、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加する可能性もあります。さらには、普通預金と当座預金に対する金利免除の施策が2022年12月に終了しているため、来期以降、資金調達費用が増加し、ハーン銀行の業績に影響を与えると考えられます。今後も、ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めてまいります。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。また、本社ビルを新築し、窓口業務と本社機能の効率化を図っております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも注力いたします。 キルギスコメルツ銀行においては、融資残高の増加により金利収入は増加しましたが、キルギス国の金融引き締め政策の影響から預金コストが増加した結果、純金利収入は減少しました。一方で、デジタルバンキングやカード事業の推進による手数料収入が増加、外為取引による非金利収入が大幅に増加しております。以上の結果、今期においても増収増益を達成しておりますが、ロシアウクライナ問題を受け、リスク回避のため融資の実行には慎重な姿勢を続けており、そのため金利収入が伸び悩んでいるため、どのように融資を増加させていくかが今後の課題となっております。キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。 ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、外為取引による非金利収入の増加により増収増益となっております。ソリッド銀行は、現在のところ、ロシアウクライナ問題による業績への影響はなく、預金残高・融資残高も増加しており増収増益を続けておりますが、ロシアは依然としてウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化がソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。ロシア経済はインドや中国などの新興大国との繋がりを強めており、そのような環境の変化がソリッド銀行にどのような影響を与えるか注視している状況であります。そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。 b) リユース事業株式会社STAYGOLDの業績については、第3四半期連結会計期間において持分法による投資損益に反映され、第4四半期連結会計期間より連結されております。近年、リユース市場は、循環型社会への促進を受けて成長を続けており、スマホの普及によるフリマアプリの拡大・浸透は市場を活性化させ、現代のサステナビリティの風潮も追い風となり、人口減少時代に突入した我が国においても引き続き成長が見込める市場となっております。STAYGOLDは、中古品をメインとした宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、シルバーアクセサリー、スニーカー等の買取・仕入・販売・仲介及びオークション運営を行っております。第4四半期連結会計期間のリユース事業の業績は、事業拡大に伴い販管費が増加している一方で売上が想定より伸びなかったこと、のれんや無形固定資産の償却が多額に計上されていることなどから営業損失となっておりますが、足元の業績は好調であり、今後も、積極的な新規出店等を行うとともに買取チャネルの拡大を継続することにより個人のお客様からの買取りを強化するほか、様々な営業施策を実施してまいります。なお、第4四半期連結会計期間における営業収益は32億2百万円、営業損失は2億76百万円となりました。 c) 債権管理回収関連事業債権管理回収関連事業であるエイチ・エス債権回収株式会社は、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。なお、第2四半期連結累計期間の営業収益は16億11百万円、営業利益は3億37百万円となりました。 d) その他事業その他事業の当連結会計年度における営業収益は86億6百万円(前期比12億94百万円減)、営業利益は73億34百万円(前期比21億1百万円減)となりました。当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金で構成されており、当連結会計年度においては、子会社からの配当金の減少や販管費の増加により減収減益となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、国外における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開し、今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。 e) 持分法による投資損益当連結会計年度における持分法による投資利益は7億58百万円(前期比4億13百万円減)となりました。ソリッド銀行につきましては、前述のとおり、法人貸出の増加による金利収入の増加や外為取引による非金利収入の増加により増収増益となっておりますが、外為どっとコムの持分法からの除外やSTAYGOLDに関するのれんの償却等が影響し、持分法による投資利益は前期比で減少となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a) キャッシュ・フロー「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 b) 資本の財源及び資金の流動性当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、デジタルバンキングサービスなどの情報システムの構築、ATM増設及び支店開設、改築等によるものであります。また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、長期借入金(1年内含む)774億96百万円、短期借入金12百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は1,860億57百万円となっております。主な借入先として、ハーン銀行においてモンゴル中央銀行から247億59百万円、オランダ開発金融公庫から196億36百万円、Blue Orchardから57億10百万円、欧州復興開発銀行からから45億92百万円、ResponsAbilityAGから34億13百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。当連結会計年度のROEは、銀行関連事業の増収増益などにより12.2%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気の悪化、インフレ率の上昇等の懸念があり、先行きは不透明な状況にあります。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。モンゴルでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による国境閉鎖などの制限措置が緩和され、また、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は徐々に回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、新型コロナウイルス感染症の感染状況やインフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、新型コロナウイルス感染症は収束しつつあり景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ侵攻による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。当連結会計年度のROEは、銀行関連事業の増収増益などにより12.2%となりました。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。日本経済は、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気の悪化、インフレ率の上昇等の懸念があり、先行きは不透明な状況にあります。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。モンゴルでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による国境閉鎖などの制限措置が緩和され、また、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は徐々に回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、新型コロナウイルス感染症の感染状況やインフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。キルギスやロシアにおいても、新型コロナウイルス感染症は収束しつつあり景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ侵攻による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が長期化する中、ワクチン接種の進展などにより経済社会活動が徐々に正常化しつつありますが、新たな変異株であるオミクロン株の感染拡大や資源・エネルギー価格の高騰によるインフレ懸念など景気の先行きは不透明感が増しております。世界経済においても、ワクチン接種や各種経済政策などによる景気の回復傾向は見られますが、世界的なインフレ率の上昇やロシア・ウクライナ問題、中国の主要都市におけるロックダウンなど世界経済の先行きは不透明な状況にあります。 このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は615億66百万円(前期比38億11百万円増)、経常利益は178億13百万円(前期比80億90百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は65億45百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失30億15百万円)となりました。 当社グループは、当社、連結子会社4社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。 銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、 ソリッド銀行(JSC Solid Bank)証券関連事業 エイチ・エス証券株式会社 ※債権管理回収関連事業 エイチ・エス債権回収株式会社その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム ※当連結会計年度末において、当社は、当社の連結子会社であるエイチ・エス証券株式会社の全株式を譲渡いたしました。本株式譲渡により、エイチ・エス証券株式会社は連結の範囲から除外されることとなりました。なお、報告セグメントごとの業績における「証券関連事業」は、当連結会計年度の業績となります。 報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。 a)銀行関連事業 銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は551億62百万円(前期比60億45百万円増)、営業利益は150億49百万円(前期比70億31百万円増)となりました。また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。 ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国) モンゴル経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止策に伴う外出禁止令や国境封鎖の強化などにより落ち込んだ前年と比べ鉱工業生産や資源輸出が大きく増加し、また、モンゴル国内での10兆トゥグルグ(以下、MNTという。)規模の景気対策の結果、景気は回復傾向にありますが、輸入品価格の上昇を原因としたインフレ率の大幅な上昇などにより、実質GDPはコロナ以前の水準までには回復しておりません。2021年度の実質GDP(1-12月)は前期比で1.4%増加、インフレ率は食料品価格等の上昇により前期比13.4%の上昇となりました。今後も、インフレ率の上昇懸念や中国経済のロックダウンによる景気悪化など、モンゴル経済の先行きは不透明な状況が続いております。外貨準備高は海外からの直接投資の増加や国際援助機関からの支援を背景に43億ドル台(前期比3.7%減少)となり、貿易収支は対中国輸出の増加により24億ドルの黒字(前期比5.3%増加)となりました。ただし、年度末には中国主要都市のロックダウンを受け、対中国輸出は大幅に減少しております。為替市場では、現地通貨MNTが前期比で米ドルに対して0.02%上昇(ドル安)、円に対して10.5%上昇(円安)となりました。 モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル政府が実施した低金利融資等の景気対策、延滞している融資の返済期限延長などの施策の結果、金融セクターの融資残高は前期比で28.2%増加し、延滞債権残高は26.1%減少、不良債権残高は3.6%増加となりました。 このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、大口企業向け融資や中小企業向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。新型コロナウイルス感染症やインフレ率上昇などの影響はありますが、モンゴル経済は徐々に回復しており、その影響で資金運用収益は増加し、また、モンゴル政府が実施した施策により普通預金・当座預金に対する利息の支払いが免除されたことにより資金調達費用が大きく減少したことから、増収増益となりました。さらに、前期は、2020年1月に年金担保ローンに関する法律が施行された影響から大幅な減益となっていたため、当連結会計年度の当期純利益は前期比で大幅に増加いたしました。 結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期比で13.0%増加、融資残高は34.9%増加、資金運用収益は5.9%増加、当期純利益は77.1%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期比で35.9%増加、個人向け融資は8.4%増加、農牧業向け融資は43.7%増加いたしました。 キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国) キルギス経済につきましては、新型コロナウイルス感染症が収束傾向にあり、そのため、特にサービス業や鉱工業を中心に景気は回復傾向にあり、2021年度の実質GDP(1-12月)は前期比で3.6%増加となりました。また、キルギスにおいても、食料品価格などの上昇によりインフレ率が前期比11.9%と大幅な上昇となっております。 このような環境の中、キルギスコメルツ銀行は、既存融資先のサポートを徹底するとともに、新規顧客開拓に注力いたしました。新型コロナウイルス感染症の収束を背景に経済社会活動が回復し、融資残高と預金残高が増加したものの、インフレ率の高止まりなどから預金コストが上昇しました。また、カード業務とモバイルバンキングの新決済システムを導入しリテール事業の強化を実施しました。 今後につきましては、ロシア・ウクライナ問題やインフレ率の高騰を背景に、キルギス経済の先行き不透明感が高まっておりますが、キルギスコメルツ銀行は安定した預金基盤の構築と顧客のニーズに応える融資商品の提供に注力いたします。そして、中小企業融資やリテール事業に特化し、非金利収入の割合の拡大を図ります。また、国際開発金融機関と提携し、キルギス経済の発展に貢献する融資拡大を計画いたします。 ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦) ロシア経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大は続いているものの、経済社会活動の回復や原油価格上昇に支えられ、2021年度の実質GDP(1-12月)は前期比で4.7%の増加となりました。また、インフレ率は食料品価格などの上昇により前期比8.3%となり、ロシア中央銀行はインフレ抑制のため数回にわたり政策金利の引き上げを実施しました。 このような環境の中、ソリッド銀行につきましては、融資残高と預金残高の増加を慎重に行い、安定した業種の中堅優良企業への貸出、銀行保証や外為取引などの非金利収入の維持に注力いたしました。また、継続的なコスト削減や不良債権の回収、担保物権の売却に取り組んでまいりました。 今後につきましては、ロシア・ウクライナ問題に起因するロシアに対する幅広い経済制裁を背景に、ロシア経済の先行きについては非常に厳しい状況が続くと予想されます。このため、現地通貨(ルーブル)の為替動向、原油価格の推移、経済制裁及び国際情勢の緊迫化等の様々な要因により、ソリッド銀行の業績に影響を与える可能性がありますが、今後もソリッド銀行は優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力し、業務の合理化とともに財務状況の改善に取り組んでまいります。 b)証券関連事業 当連結会計年度における国内株式市場は、新型コロナウイルスのワクチン普及による世界経済の正常化とインフレが意識されるなか、日経平均株価は29,441円91銭で取引を開始しました。しかし、新型コロナウイルス変異株の世界的な感染拡大に対する警戒感が高まっていくなか、日本では、東京オリンピック開催直前の7月12日に4度目の緊急事態宣言が発令され、8月下旬まで新型コロナウイルス感染者の増加に歯止めがかからず、一時26,954円81銭まで下落しました。その後、自民党総裁選をきっかけに株価は大幅に上昇しはじめ、新型コロナウイルス感染者数もピークを迎え減少に転じていたことから9月には30,795円78銭と年初来高値を一時更新しましたが、中国不動産大手の恒大集団による社債利払い見送りという中国リスクや新型コロナウイルス「オミクロン株」に対する懸念、11月の米国FOMC会合で資産購入の段階的縮小決定と2022年利上げ開始を示唆したことなどから日経平均株価は伸び悩みました。 2022年に入り日経平均株価は29,098円41銭で取引を開始しましたが、原油高などインフレ抑制に向けて米連邦準備理事会は早期金融引き締めに動き、米経済の景気減速につながるという警戒感の高まりから、ハイテク株を中心に日米の株価は下落し、26,044円52銭まで一時下落しました。その後、戻す場面もありましたが、2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクの高まりや原油高などの商品価格の上昇から一時24,681円74銭まで下落しました。大きく売られた銘柄への見直し買いなども入り28,338円81銭まで反発する場面もありましたが、ウクライナ情勢やインフレへの警戒感が継続しているなか、3月末の日経平均株価は27,821円43銭で取引を終えました。なお、当連結会計年度における東証の売買代金は前年同期比で8.7%増加いたしました。 このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、お客様のパフォーマンスに貢献する証券会社として、国内株式営業への取り組み、外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。引受業務におきましては、一般市場への主幹事上場3社を含めた計19社の幹事参入を果たしました。結果として、当連結会計年度の営業収益は34億79百万円(前期比2億67百万円減)、営業利益は4億72百万円(前期比89百万円減)となりました。(受入手数料)当連結会計年度の受入手数料は、12億46百万円(前期比76百万円減)となりました。その内訳としましては、委託手数料が8億27百万円(前期比2億10百万円減)、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が90百万円(前期比37百万円増)、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が1億28百万円(前期比43百万円増)、主に投資信託事務代行事務手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は1億99百万円(前期比52百万円増)となりました。 (トレーディング損益)当連結会計年度のトレーディング損益につきましては、株券等は9億31百万円(前期比1億65百万円減)となりました。また、債券・為替等は8億62百万円(前期比64百万円増)となり、合計で17億93百万円(前期比1億1百万円減)となりました。 (金融収支)当連結会計年度の金融収益は4億34百万円(前期比95百万円減)、金融費用は49百万円(前期比68百万円減)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は3億84百万円(前期比26百万円減)となりました。 (販売費及び一般管理費)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、29億56百万円(前期比1億9百万円減)となりました。 c)債権管理回収関連事業サービサー業界につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により全国的な景気後退の懸念が継続しているものの、各金融機関において制度融資や緊急融資等の対応により不良債権化する状況には至っておらず、結果として、不良債権市場に供給される債権は減少しており、依然として業界の競争は激しく債権の買取価格の高騰が続いております。このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、既存の取引先金融機関からの不良債権買取を中心に、収益性を加味した入札の継続により良質な不良債権確保に努めております。また、銀行を中心とした金融機関以外にも不良債権市場のシェア拡大を目指し安定的な債権の取得を継続しております。前期比で営業収益は減少したものの、収益性の高い債権からの回収が堅調に進捗したこと、それに伴う訴訟費用の圧縮、貸倒引当金の算出プロセスの変更により、営業利益は増加しました。特に、貸倒引当金の算出プロセスの変更により営業利益は492百万円増加しております。詳細は、連結財務諸表に関する注記事項(会計上の見積りの変更)をご参照ください。 結果として、当連結会計年度の営業収益は29億53百万円(前期比18億14百万円減)、営業利益は5億10百万円(前期比2億40百万円増)となりました。 d)その他事業当社及び上記のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。当社(単体)の営業収益は、主に関係会社からの配当金及び経営管理料で構成され、当連結会計年度においては、子会社からの配当金の増加により大幅な増収増益となりました。なお、この子会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績には影響を与えません。その他事業の当連結会計年度の営業収益は99億1百万円(前期比96億57百万円増)、営業利益は94億36百万円(前期は営業損失69百万円)となりました。 e)持分法による投資損益持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコム及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。株式会社外為どっとコムにつきましては、新興国通貨ペアにおいてスワップ収益が改善したこと、また、年度末にかけてボラティリティ拡大により取引数量が増加したことにより、当連結会計年度の業績は増収増益となりました。 結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は11億72百万円(前期比4億84百万円増)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末の資産合計につきましては、5,774億49百万円となり、前期比778億58百万円増加しました。これは主に、「貸出金」が932億12百万円、「投資有価証券」が84億32百万円増加し、一方で「預託金」が197億35百万円、「信用取引資産」が89億10百万円減少したことによるものであります。主な増減要因は、「貸出金」はハーン銀行から顧客への貸出金の増加、「投資有価証券」はハーン銀行における資金運用に伴う増加、「預託金」「信用取引資産」はエイチ・エス証券の連結除外に伴う減少によるものであります。 (負債)当連結会計年度末の負債合計につきましては、5,030億22百万円となり、前期比747億74百万円増加しました。これは主に、「預金」が769億67百万円、「売現先勘定」が70億83百万円、「長期借入金」が147億86百万円増加し、一方で「預り金」が120億38百万円、「受入保証金」が63億6百万円減少したことによるものであります。主な増減要因は、「預金」はハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、「売現先勘定」はハーン銀行における売現先取引により発生した金銭債務の増加、「長期借入金」はハーン銀行における長期借入金の増加、「預り金」「受入保証金」はエイチ・エス証券の連結除外に伴う減少によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産合計につきましては、744億27百万円となり、前期比30億83百万円増加しました。これは主に、「利益剰余金」が60億69百万円、「為替換算調整勘定」が29億35百万円、「非支配株主持分」が51億25百万円、「自己株式」が96億20百万円増加したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,910億71百万円(前期比56億58百万円増)となりました。なお、当連結会計年度においては、営業活動、投資活動、財務活動のいずれのキャッシュ・フローも資金減少となりましたが、現金及び現金同等物に係る換算差額の影響により当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は前期比で増加しております。なお、現金及び現金同等物に係る換算差額は、主に、在外子会社の現金及び現金同等物の換算手続の結果生じた円貨による差額であります。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、47億85百万円の資金減少(前期は776億37百万円の資金増加)となりました。これは主に、「税金等調整前当期純利益」181億71百万円、「売現先勘定の純増減(△)」64億32百万円、「預金の純増減(△)」363億5百万円の資金が増加した一方、「貸出金の純増(△)減」677億90百万円の資金が減少したことによるものであります。主な増減要因は、ハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、ハーン銀行における売現先取引により発生した金銭債務の増加、ハーン銀行から顧客への貸出金の増加によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、76億56百万円の資金減少(前期比10億47百万円増)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」73億35百万円の資金が増加した一方、「投資有価証券の取得による支出」143億10百万円の資金が減少したことによるものであります。主な増減要因は、ハーン銀行における投資有価証券の売却及び償還または取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、17億19百万円の資金減少(前期比130億30百万円増)となりました。これは主に、「長期借入による収入」376億36百万円の資金が増加した一方、「長期借入金の返済による支出」279億43百万円、「自己株式の取得による支出」96億20百万円、「非支配株主への配当金の支払額」30億88百万円の資金が減少したことによるものであります。 主な増減要因は、ハーン銀行における長期借入金の借入または返済、当社における自己株式の取得、ハーン銀行における非支配株主持分への配当金の支払いによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 該当事項はありません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は615億66百万円(前期比38億11百万円増)、経常利益は178億13百万円(前期比80億90百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は65億45百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失30億15百万円)となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ハーン銀行の業績は当社グループの経営成績の主たる割合を占めており、その業績の変動が当社グループに重要な影響を及ぼすことになります。また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から大きな影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向、金利や為替等の市況環境に影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては主に銀行関連事業の大幅な増収増益により12.2%となりました。 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 a)銀行関連事業 銀行関連事業の当連結会計年度における営業収益は551億62百万円(前期比60億45百万円増)、営業利益は150億49百万円(前期比70億31百万円増)となりました。 ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は前期比で大幅な増収増益となり、融資残高や預金残高も前期比で増加しました。 ハーン銀行の業績は、モンゴル国において、10兆トゥグルグ規模の景気対策が実施されたことなどが影響し大幅な増収増益となっております。ハーン銀行の業績に影響を与えた景気対策の主な内容としては、低金利融資や普通預金と当座預金の金利免除などがあります。低金利融資により法人向けを中心に融資残高、ひいては資金運用収益が増加し、また、預金金利の免除により資金調達費用が大幅に減少しました。 モンゴル国内においては、新型コロナウイルス感染症は縮小傾向にありますが、世界的なインフレ率の上昇や中国主要都市でのロックダウンなど、モンゴル経済の先行きは依然として不透明な状況であり、また、ハーン銀行は国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しております。このため、来期以降、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加する可能性もあります。さらには、普通預金と当座預金に対する金利免除の施策が終了すると、資金調達費用が増加し、ハーン銀行の業績に影響を与えます。 ハーン銀行は、現在、モンゴル国の政策に基づきモンゴル証券取引所への新規株式公開(IPO)を計画しております。現時点での計画は、2022年4月21日付でお知らせいたしましたとおり、新株発行によるIPOを予定しており、この結果、当社が保有するハーン銀行株式の持分比率が過半数を下回り、持分法適用関連会社となる予定です。 ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めております。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。また、本社ビルを新築し、窓口業務と本社機能の効率化を図っております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも注力いたします。 キルギスコメルツ銀行においては、融資残高の増加により金利収入は増加しましたが、キルギス国の金融引き締め政策の影響から預金コストが増加した結果、純金利収入は減少しました。一方で、デジタルバンキングやカード事業の推進により手数料収入が増加しております。以上の結果、現地通貨基準、国際会計基準の双方において金額的には僅少ではありますが黒字を達成しております。 キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。 ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、不採算店舗の閉鎖などによるコスト削減を進めた結果、増収増益、黒字となっております。ロシアは現在、ウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化がソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。 b)証券関連事業 証券関連事業の当連結会計年度における営業収益は34億79百万円(前期比2億67百万円減)、営業利益は4億72百万円(前期比89百万円減)となりました。 エイチ・エス証券株式会社においては、主に期末にかけて、世界的なインフレ率の上昇やロシア・ウクライナ問題などによる市況悪化の影響を受け、減収減益となりました。 なお、同社は、2022年3月31日付で、当社が保有する全株式を譲渡したことにより連結の範囲から除外されております。 c)債権管理回収関連事業 債権管理回収関連事業の当連結会計年度における営業収益は29億53百万円(前期比18億14百万円減)、営業利益は5億10百万円(前期比2億40百万円増)となりました。 エイチ・エス債権回収株式会社においては、各金融機関における不良債権保有率の減少に伴いサービサー間での競争が激化している中、取引先金融機関等の拡充を図り継続的な債権の仕入れを目指すことで、安定的な収益の確保に努めております。当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症の影響により各金融機関が制度融資や緊急融資などを積極的に行った結果、不良債権の発生が抑えられたことから、同社が保有する不良債権残高が減少傾向にあり、減収となりました。このような市場環境は、コロナ禍における各金融機関の返済猶予措置等が終わることにより、再度、活発化される見込みとなっております。一方で、営業利益は、貸倒引当金の算出プロセスの変更により大幅に増加しております。これは、債権の自己査定に関するデータの蓄積が相当程度進んだために行われた会計上の見積りの変更に該当します。 同社は、着実な取引金融機関の増加を目指した営業活動から取引数を増加していますが、そのような過去の営業活動は、不良債権市場が活発になった際に不良債権を取捨選択し、利益率の高い不良債権を獲得するための素地となるため、引き続き、取引金融機関のシェアを広げつつ、景気の転換期を迎えた際には収益性のある不良債権の獲得を目指してまいります。 d)その他事業 その他事業の当連結会計年度における営業収益は99億1百万円(前期比96億57百万円増)、営業利益は94億36百万円(前期は営業損失69百万円)となりました。 当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金及び経営管理料で構成されており、当連結会計年度においては、子会社からの配当金の増加により大幅な増収となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、主にアジア圏における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開しております。さらに、投資事業の一環として、企業の再生についても国内外問わず行っております。また、M&A仲介・コンサルティング事業は、対応が困難とされる短期的な案件や小規模な案件に対しても積極的に取り組み、徐々に実績を重ねてきております。今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。 e)持分法による投資損益 当連結会計年度における持分法による投資利益は11億72百万円(前期比4億84百万円増)となりました。 株式会社外為どっとコムにおいては、FX業界の市場規模は緩やかながらも拡大傾向を維持しており、異業種企業の参入も落ち着いている一方で、既存企業間での顧客獲得競争は依然として厳しい状況にあります。 当連結会計年度では、主にトルコリラ円など新興国通貨ペアにおけるスワップ収益が改善したこと、期末にかけてボラティリティが拡大したことにより取引数量が増加したことにより、増収増益となりました。また、新商品「らくらくFX積立」やスマートフォン用取引アプリ「外貨ネクストネオ『GFX』」をリリースいたしました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a)キャッシュ・フロー 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 b)資本の財源及び資金の流動性 当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、デジタルバンキングサービスなどの情報システムの構築、ATM増設及び支店開設、改築等によるものであります。 また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、長期借入金(1年内含む)608億42百万円、短期借入金23億6百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は1,910億71百万円となっております。主な借入先として、ハーン銀行においてモンゴル中央銀行から262億80百万円、オランダ開発金融公庫から146億44百万円、Blue Orchardから27億14百万円、Symbiotics SAから26億73百万円、エイチ・エス債権回収株式会社において株式会社きらぼし銀行から20億69百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。