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豊トラスティ証券(8747)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

証券・商品先物取引業 金融(除く銀行)

事業の概要

  • 商品デリバティブ取引業
    豊トラスティ証券は、金や原油などの商品先物取引や、株価指数・為替の証拠金取引を主な事業としています。お客様からの注文を受けて取引を執行する「受託業務」と、会社自身で市場の変動を予測して取引を行う「自己売買業務」の二つの方法で収益を得ています。これにより、市場の流動性を提供しつつ、自社の運用益も追求するビジネスモデルです。
  • 金融商品取引業
    株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」や為替証拠金取引「Yutaka24」、株価指数先物取引などを手掛けています。これらの取引は、少額の証拠金で大きな金額の取引ができるため、投資効率が高いとされています。主に個人投資家を対象に、リスクを管理しつつ収益機会を提供するサービスを展開しています。
  • 不動産管理業
    子会社のユタカエステート株式会社が、研修施設などの管理事業を行っています。これは、商品デリバティブ取引業等とは異なる事業ですが、企業グループ全体としての安定的な収益源の一つとなっています。ただし、グループ全体の事業セグメントとしては、商品デリバティブ取引業等が主要であり、不動産管理業の重要性は限定的です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 商品デリバティブ取引業等
    豊トラスティ証券の主要な事業セグメントであり、商品デリバティブ取引と金融商品取引を包括します。金、白金、原油、電力などの商品先物取引や、株価指数証拠金取引、為替証拠金取引、株価指数先物取引など多岐にわたります。受託業務と自己売買業務の両方で収益を上げており、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 商品デリバティブ取引
    大阪取引所や東京商品取引所、堂島取引所などの上場商品について、受託業務と自己売買業務を行っています。貴金属(金、白金)、エネルギー(原油、ガソリン、電力)、農産物(大豆、とうもろこし)など、幅広い商品を扱っています。子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社も自己売買業務を行っており、市場の流動性確保に貢献しています。
  • 金融商品取引
    株式会社東京金融取引所の「くりっく株365」(ゆたかCFD)や「くりっく365」(Yutaka24)、株式会社大阪取引所の株価指数先物取引(日経225先物取引)などを提供しています。これらも受託業務と自己売買業務の両方を行っており、特に個人投資家向けのサービスとして、口座数と預かり資産の拡大に注力しています。2025年3月末現在、ゆたかCFDの預かり資産は16,390百万円と大きく成長しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,847 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び当社の子会社2社(国内子会社2社)で構成されており、商品デリバティブ取引業等を主要な事業とするほか、研修施設等の管理を主な業務とする不動産管理業を行っております。事業部門別による企業の配置は、(1) 商品デリバティブ取引業等商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業当社 ユタカ・アセット・トレーディング株式会社(子会社) (2) 不動産管理業ユタカエステート株式会社(子会社) となっております。事業の内容別による主な業務は、(1) 受託業務金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく商品デリバティブ取引業(商品デリバティブ取引)及び金融商品取引法に基づく金融商品取引業(取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引)に係る受託業務。(2) 自己売買業務商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引等における当社グループが自己の計算において行う取引業務。となっております。 (1) 商品デリバティブ取引業等① 商品デリバティブ取引当社は、次に掲げる金融商品取引所及び商品取引所の各上場商品について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。 取引所名市場名上場商品名受託業務を行っている会社取次業務を行っている会社大阪取引所貴金属金(標準先物・ミニ先物・限日先物)当社―銀白金(標準先物・ミニ先物・限日先物)パラジウム商品指数CME原油等指数当社―ゴムゴム(RSS3)当社―ゴム(TSR20)上海天然ゴム農産物一般大豆当社―小豆先物とうもろこし東京商品取引所エネルギードバイ原油当社―バージガソリンバージ灯油バージ軽油東エリア・ベースロード電力西エリア・ベースロード電力東エリア・週間ベースロード電力西エリア・週間ベースロード電力東エリア・日中ロード電力西エリア・日中ロード電力東エリア・週間日中ロード電力西エリア・週間日中ロード電力東エリア・年度ベースロード電力西エリア・年度ベースロード電力東エリア・年度日中ロード電力西エリア・年度日中ロード電力LNG中京石油中京ローリーガソリン当社―中京ローリー灯油堂島取引所農産物とうもろこし当社―米国産大豆小豆コメ平均 (注)1. 上記において「受託業務を行っている会社」とは商品市場における売買について委託者の委託を受け上記取引所へ直接注文の執行ができる会社であり、「取次業務を行っている会社」とは上記取引所への注文の執行を「受託業務を行っている会社」を通して行うことのできる会社であります。2. 2026年3月末現在、取引又は立会いを休止している上場商品は一部を除き上表から除いております。 ② 取引所株価指数証拠金取引当社は、金融商品取引法に基づき、㈱東京金融取引所の取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」(当社のサービス名「ゆたかCFD」)について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。③ 取引所為替証拠金取引当社は、金融商品取引法に基づき、㈱東京金融取引所の取引所為替証拠金取引「くりっく365」(当社のサービス名「Yutaka24」)について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。④ 株価指数先物取引当社は、金融商品取引法に基づき、㈱大阪取引所における先物取引等取引資格及び指数先物等清算資格を得て株価指数先物取引「日経225先物取引」等について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。 (2) 不動産管理業当社の子会社であるユタカエステート株式会社は、研修施設等の管理事業を行っております。なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。また、事業系統図を示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
市場の自由化及び国際化の進展に伴い、異業種・外資系企業からの参入拡大による企業競争。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
金融商品取引業の登録、商品先物取引業の許可、取引参加資格の取得が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場の不確実性による価格変動と為替リスク / 受託業務における市場参加者の動向による業績変動 / 自己売買業務の損益による業績変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

豊トラスティ証券は、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという明確な証拠はありません。事業は一般的な証券業に属し、差別化要因は限定的です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

証券口座の乗り換えは、手続きの煩雑さや慣れ親しんだサービスからの離脱といった心理的コストが多少存在する可能性があります。しかし、手数料やサービス内容でより魅力的な証券会社があれば、乗り換えは比較的容易と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

豊トラスティ証券のビジネスモデルには、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は観察されません。顧客基盤の拡大が、個々の顧客にとっての証券サービスの質を向上させる構造ではありません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

証券業全体として、IT投資や人員効率化によるコスト削減努力は行われていますが、豊トラスティ証券が突出した構造的なコスト優位性を持っているという情報は確認できません。一般的な証券会社と同程度のコスト構造と考えられます。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

証券業界は競争が激しく、大手証券会社が市場シェアの大部分を占めています。豊トラスティ証券は中堅規模であり、業界全体に対する最適な規模の少数寡占を形成しているとは言えません。一定の規模による効率性はありますが、決定的な優位性ではありません。

  • 多角的な市場展開
    豊トラスティ証券は、商品市場、証券市場、為替市場という複数の市場で事業を展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、多様な投資ニーズに対応できる強みがあります。例えば、金や白金などの貴金属、原油や電力などのエネルギー、大豆やとうもろこしなどの農産物といった幅広い商品を取り扱っています。
  • 業界最大規模の営業体制
    全国11の支店ネットワークと業界最大規模の営業スタッフを擁し、お客様一人ひとりに合わせた対面営業を重視しています。特に、商品デリバティブ取引においては「不招請勧誘の禁止」があるため、お客様からの招請に基づき、経験豊富な個人投資家や法人委託者に対して質の高い情報提供とサポートを行うことで、顧客基盤を強化しています。
  • 高い自己資本規制比率
    2025年3月末時点で、自己資本規制比率が520.6%、純資産額規制比率が837.4%と、法令で定められた基準(120%)を大きく上回っています。これは、財務の健全性が非常に高く、事業運営における安定性を示しています。顧客からの信頼を得る上でも重要な要素であり、事業継続性への安心感につながります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • お客様第一主義の徹底
    豊トラスティ証券は「お客様第一主義」を企業理念に掲げ、良質で鮮度の高い情報を迅速かつ的確に提供することを目指しています。動画コンテンツ「ゆたかTV」でのマーケット情報配信や、会場型セミナー、対面営業を通じて、お客様の投資判断に役立つ情報提供を強化し、顧客満足度向上を図っています。
  • 多様な投資ニーズへの対応
    商品デリバティブ取引に加え、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、株価指数先物取引など、多様な金融商品を提供しています。お客様の資産運用方法やリスク許容度に応じた選択肢を広げることで、幅広い顧客層の獲得と預かり資産の拡大を目指しています。
  • 経営基盤の強化と企業価値向上
    安定的な収益基盤の確保と顧客層の拡大を経営戦略の柱としています。特に、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」と取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の預かり資産拡大に注力し、中期経営計画に基づき東京証券取引所の総合取引参加者資格取得も目指しています。これにより、経営環境の変化に柔軟に対応できる組織と人材を育成し、企業価値の最大化を図ります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)が判断したものであります。(1) 経営方針当社は、公正な価格決定機能等を有する商品市場機構の一構成員として、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の経済的、社会的役割を認識し、市場参加者及び投資者の信頼と期待に応える事業運営を推進しております。当社は、「お客様第一主義」を企業理念に掲げ、お客様の資産形成及びリスク管理に資する商品・サービスを提供することを基本方針としております。これまで当社は、商品デリバティブ取引を中心に培ってきた専門性、営業力、情報提供力及びコンプライアンス機能を基盤として、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、株価指数先物取引及び証券媒介取引等、多様な金融商品・サービスを提供してまいりました。今後におきましては、2025年度までの中期経営計画の成果を踏まえ、新たに策定した中期ビジョンに基づき、10年後の目指す企業像である「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向けて、商品ラインアップの強化、顧客基盤の維持・強化、人材の採用・育成、コンプライアンス、リスク管理及び情報セキュリティの更なる強化に取り組んでまいります。当社は、これらの取組を通じて、お客様及び社会から信頼される企業集団として、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。(2) 経営戦略等当社は、商品市場、証券市場及び為替市場等において、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。国内商品デリバティブ市場の売買高は減少傾向にあり、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況にありますが、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」を中心とする金融商品取引業は、当社の収益基盤の一つとして成長しております。このような環境のもと、当社は、2025年度までの中期経営計画の成果を踏まえ、新たに策定した中期ビジョンに基づき、10年後の目指す企業像である「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向けて取り組んでまいります。当社は、国内商品デリバティブ市場の今後の推移、将来の年齢層別の金融資産保有動向、NISA制度や投資家の金融商品保有動向、投資家のリスク選好の変化と金融商品開発動向等を中期的な経営課題として認識しております。これらの課題に対応するため、デリバティブ市場そのものの活性化、東京証券取引所の取引資格取得による商品ラインアップの強化、当社顧客基盤の維持・強化のための体制整備、ミドルリスク・ハイリスクを選好するお客様に対応したサービスの提供を重要施策として推進してまいります。また、これらの施策を支える人的・物的資源整備として、商品ラインアップに対応した規制対応能力の向上、幅広い顧客ニーズに対応した金融関連知識・能力の育成、当社将来像に対応した人材獲得・管理・活用の推進、新分野進出を見据えた資本戦略及び企画能力の高度化、計画的で顧客利便に資するIT環境整備に取り組んでまいります。さらに、コンプライアンス態勢、リスク管理態勢、ガバナンス、情報セキュリティ及びサイバー対策の強化を継続し、お客様及び社会から信頼される企業集団として、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。(3) 目標とする経営指標当社は、中期ビジョンにおいて掲げる「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向け、持続的な成長及び企業価値の向上を重要な経営課題として認識しております。当社は、商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」を主要な収益基盤としつつ、営業収益、純営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、顧客の預り資産及び口座数等を重要な経営指標としております。また、金融商品取引業者及び商品先物取引業者として、自己資本規制比率及び純資産額規制比率を重要な経営管理上の指標として位置付け、法令上求められる水準を十分に上回る水準の維持に努めております。さらに、企業価値の拡大を通じて株主の皆様への安定的な利益還元を継続することを基本方針とし、業績、財務状況、今後の経営環境及び必要な内部留保等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当の実施に努めてまいります。なお、自己資本規制比率及び純資産額規制比率は「3「事業等のリスク」 (4)(自己資本規制比率及び純資産額規制比率について)」に記載しております。(4) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1)及び(2)に記載の経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)顧客の預り資産、口座数等の拡大及び安定的な収益基盤の確保当社の手数料収益は、商品デリバティブ取引が中心でありますが、商品デリバティブ取引業は、市場での売買高が減少傾向にあり、引き続き厳しい事業環境にあります。また、商品デリバティブ取引は「不招請勧誘の禁止」が適用されるため、個人投資家からの招請による場合を除き、当社において一定の金融取引経験を有し、かつ適合性を満たした個人投資家を対象とした営業活動が中心となります。このように、商品デリバティブ取引業においては、市場全体の売買高が伸びにくい環境のもと、法令上の勧誘規制及び適合性の原則を踏まえた適切な営業活動を行いながら、既存顧客との取引関係の深化及び新たな顧客層の開拓を図ることが重要な課題であります。当社は、これらの課題に対応するため、個人投資家及び法人委託者の双方に対する情報提供、商品説明、リスク説明及び投資判断に資する提案力の向上に取り組んでまいります。特に、個人投資家に対しては、商品市場、証券市場及び為替市場等に関する良質で鮮度のある情報を迅速かつ的確に提供するとともに、会場型セミナーや動画コンテンツ等を活用した情報発信を継続し、投資家の金融リテラシー向上及び新規口座数の拡大に努めてまいります。また、法人委託者、いわゆる当業者については、原材料価格、貴金属価格、エネルギー価格及び電力価格等の変動が事業収益及びコスト管理に影響を及ぼす可能性があることから、価格変動リスクの管理を目的としたヘッジニーズへの対応を強化してまいります。具体的には、東京商品取引所に上場する電力先物を含む国内商品デリバティブ取引に加え、欧州エネルギー取引所の電力先物取引に係る法人顧客への対応を強化し、国内外のデリバティブ市場を活用したヘッジ手段の提供及び情報提供体制の充実に努めてまいります。一方、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」を中心とする金融商品取引業についても、収益の多様化及び顧客基盤の拡大に資する重要な事業であると認識しております。今後も、商品デリバティブ取引を主要な収益基盤として維持・強化するとともに、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の成長を図ることで、安定的な収益基盤の確保に努めてまいります。また、2025年度までの中期経営計画の成果を踏まえ、新たに策定した中期ビジョンに基づき、10年後の目指す企業像である「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向け、東京証券取引所の取引資格取得による商品ラインアップの強化、当社顧客基盤の維持・強化、ミドルリスク・ハイリスクを選好するお客様に対応したサービスの提供、デリバティブ市場の活性化に取り組んでまいります。これらの施策を支えるため、商品ラインアップに対応した規制対応能力の向上、幅広い顧客ニーズに対応した金融関連知識・能力の育成、当社将来像に対応した人材獲得・管理・活用の推進、新分野進出を見据えた資本戦略及び企画能力の高度化、計画的で顧客利便に資するIT環境整備に取り組んでまいります。(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)当社は、お客様に信頼いただける企業集団となるべく、コンプライアンス態勢、リスク管理態勢及びガバナンスの一層の強化に取り組んでまいります。また、商品ラインアップの拡充及び国内外のデリバティブ市場への対応にあたっては、各市場の制度、清算、証拠金、顧客管理、適合性及び説明義務等に関する規制対応能力の向上が不可欠であることから、関連部署間の連携を強化し、適切な業務運営体制の整備に努めてまいります。また、情報ネットワーク社会において大切なお客様情報を守るため、情報セキュリティ及びサイバー対策の向上・維持に努めてまいります。当社は、これらの課題に真摯に取り組み、実効性のある施策を推進することで、安定的な収益基盤の確保、顧客基盤の維持・拡大及び持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)が判断したものであります。(1) 経営方針当社は、公正な価格決定機能等を有する商品市場機構の一構成員として、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の経済的、社会的役割を認識し、市場参加者及び投資者の信頼と期待に応える事業運営を推進しております。当社は、「お客様第一主義」を企業理念に掲げ、お客様の資産形成及びリスク管理に資する商品・サービスを提供することを基本方針としております。これまで当社は、商品デリバティブ取引を中心に培ってきた専門性、営業力、情報提供力及びコンプライアンス機能を基盤として、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、株価指数先物取引及び証券媒介取引等、多様な金融商品・サービスを提供してまいりました。今後におきましては、2025年度までの中期経営計画の成果を踏まえ、新たに策定した中期ビジョンに基づき、10年後の目指す企業像である「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向けて、商品ラインアップの強化、顧客基盤の維持・強化、人材の採用・育成、コンプライアンス、リスク管理及び情報セキュリティの更なる強化に取り組んでまいります。当社は、これらの取組を通じて、お客様及び社会から信頼される企業集団として、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。(2) 経営戦略等当社は、商品市場、証券市場及び為替市場等において、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。国内商品デリバティブ市場の売買高は減少傾向にあり、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況にありますが、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」を中心とする金融商品取引業は、当社の収益基盤の一つとして成長しております。このような環境のもと、当社は、2025年度までの中期経営計画の成果を踏まえ、新たに策定した中期ビジョンに基づき、10年後の目指す企業像である「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向けて取り組んでまいります。当社は、国内商品デリバティブ市場の今後の推移、将来の年齢層別の金融資産保有動向、NISA制度や投資家の金融商品保有動向、投資家のリスク選好の変化と金融商品開発動向等を中期的な経営課題として認識しております。これらの課題に対応するため、デリバティブ市場そのものの活性化、東京証券取引所の取引資格取得による商品ラインアップの強化、当社顧客基盤の維持・強化のための体制整備、ミドルリスク・ハイリスクを選好するお客様に対応したサービスの提供を重要施策として推進してまいります。また、これらの施策を支える人的・物的資源整備として、商品ラインアップに対応した規制対応能力の向上、幅広い顧客ニーズに対応した金融関連知識・能力の育成、当社将来像に対応した人材獲得・管理・活用の推進、新分野進出を見据えた資本戦略及び企画能力の高度化、計画的で顧客利便に資するIT環境整備に取り組んでまいります。さらに、コンプライアンス態勢、リスク管理態勢、ガバナンス、情報セキュリティ及びサイバー対策の強化を継続し、お客様及び社会から信頼される企業集団として、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。(3) 目標とする経営指標当社は、中期ビジョンにおいて掲げる「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向け、持続的な成長及び企業価値の向上を重要な経営課題として認識しております。当社は、商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」を主要な収益基盤としつつ、営業収益、純営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、顧客の預り資産及び口座数等を重要な経営指標としております。また、金融商品取引業者及び商品先物取引業者として、自己資本規制比率及び純資産額規制比率を重要な経営管理上の指標として位置付け、法令上求められる水準を十分に上回る水準の維持に努めております。さらに、企業価値の拡大を通じて株主の皆様への安定的な利益還元を継続することを基本方針とし、業績、財務状況、今後の経営環境及び必要な内部留保等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当の実施に努めてまいります。なお、自己資本規制比率及び純資産額規制比率は「3「事業等のリスク」 (4)(自己資本規制比率及び純資産額規制比率について)」に記載しております。(4) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1)及び(2)に記載の経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)顧客の預り資産、口座数等の拡大及び安定的な収益基盤の確保当社の手数料収益は、商品デリバティブ取引が中心でありますが、商品デリバティブ取引業は、市場での売買高が減少傾向にあり、引き続き厳しい事業環境にあります。また、商品デリバティブ取引は「不招請勧誘の禁止」が適用されるため、個人投資家からの招請による場合を除き、当社において一定の金融取引経験を有し、かつ適合性を満たした個人投資家を対象とした営業活動が中心となります。このように、商品デリバティブ取引業においては、市場全体の売買高が伸びにくい環境のもと、法令上の勧誘規制及び適合性の原則を踏まえた適切な営業活動を行いながら、既存顧客との取引関係の深化及び新たな顧客層の開拓を図ることが重要な課題であります。当社は、これらの課題に対応するため、個人投資家及び法人委託者の双方に対する情報提供、商品説明、リスク説明及び投資判断に資する提案力の向上に取り組んでまいります。特に、個人投資家に対しては、商品市場、証券市場及び為替市場等に関する良質で鮮度のある情報を迅速かつ的確に提供するとともに、会場型セミナーや動画コンテンツ等を活用した情報発信を継続し、投資家の金融リテラシー向上及び新規口座数の拡大に努めてまいります。また、法人委託者、いわゆる当業者については、原材料価格、貴金属価格、エネルギー価格及び電力価格等の変動が事業収益及びコスト管理に影響を及ぼす可能性があることから、価格変動リスクの管理を目的としたヘッジニーズへの対応を強化してまいります。具体的には、東京商品取引所に上場する電力先物を含む国内商品デリバティブ取引に加え、欧州エネルギー取引所の電力先物取引に係る法人顧客への対応を強化し、国内外のデリバティブ市場を活用したヘッジ手段の提供及び情報提供体制の充実に努めてまいります。一方、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」を中心とする金融商品取引業についても、収益の多様化及び顧客基盤の拡大に資する重要な事業であると認識しております。今後も、商品デリバティブ取引を主要な収益基盤として維持・強化するとともに、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の成長を図ることで、安定的な収益基盤の確保に努めてまいります。また、2025年度までの中期経営計画の成果を踏まえ、新たに策定した中期ビジョンに基づき、10年後の目指す企業像である「顧客のリスク・リターン選好に最適なサービスを提供し、最も選ばれる会社」の実現に向け、東京証券取引所の取引資格取得による商品ラインアップの強化、当社顧客基盤の維持・強化、ミドルリスク・ハイリスクを選好するお客様に対応したサービスの提供、デリバティブ市場の活性化に取り組んでまいります。これらの施策を支えるため、商品ラインアップに対応した規制対応能力の向上、幅広い顧客ニーズに対応した金融関連知識・能力の育成、当社将来像に対応した人材獲得・管理・活用の推進、新分野進出を見据えた資本戦略及び企画能力の高度化、計画的で顧客利便に資するIT環境整備に取り組んでまいります。(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)当社は、お客様に信頼いただける企業集団となるべく、コンプライアンス態勢、リスク管理態勢及びガバナンスの一層の強化に取り組んでまいります。また、商品ラインアップの拡充及び国内外のデリバティブ市場への対応にあたっては、各市場の制度、清算、証拠金、顧客管理、適合性及び説明義務等に関する規制対応能力の向上が不可欠であることから、関連部署間の連携を強化し、適切な業務運営体制の整備に努めてまいります。また、情報ネットワーク社会において大切なお客様情報を守るため、情報セキュリティ及びサイバー対策の向上・維持に努めてまいります。当社は、これらの課題に真摯に取り組み、実効性のある施策を推進することで、安定的な収益基盤の確保、顧客基盤の維持・拡大及び持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、米国の相互関税政策の影響が顕在化する中、外需の減少により景気は減速傾向にありました。しかしその後、関税交渉の進展と過度な悲観の後退を受けて回復基調へ転じ、日銀短観においても大企業・製造業を中心に景況感の改善が見られるようになりました。足元では、AI需要を背景とした機械・半導体製造装置関連業種の改善が続いており、大企業・非製造業は消費関連業種が全体を下支えするかたちで横ばいを維持し、景気は緩やかな回復基調を維持しております。先行きの経済は、継続的な賃上げとインフレ率の低下による実質的な購買力の改善を背景に、個人消費の緩やかな増加が景気を下支えすることが見込まれます。また、AI関連需要による情報関連財輸出の下支えや、各国の緩和的な財政・金融政策を受けた世界景気の持ち直しにより、輸出が押し上げられる効果も期待されます。一方、原油高を背景とした企業の財輸出やインバウンド需要の下押し、対米貿易黒字を巡る追加関税リスクなど下振れ要因も残存しており、景気の回復ペースは緩やかなものにとどまる見通しであります。一方、世界経済は、米国では、関税政策を巡る不透明感の高まりを背景に、個人消費を中心として景気が減速し、企業景況感も悪化する局面が続きました。その後、非製造業の好調や企業の設備投資意欲の回復により一部で持ち直しの動きが見られ、足元ではISM景況感指数が節目を上回り、新規受注や生産・事業活動の拡大が確認されるなど、企業活動に明るさが見られます。他方、雇用環境の悪化を背景とした個人消費の減速が引き続き内需を下押ししており、景気は全体として減速する動きを見せております。中国では、対中追加関税の引き下げを受けて内外受注が底打ちし、当初は持ち直しの動きを見せました。その後は米国向け輸出の減少が下押し要因となったものの、ASEAN・NIEsやEU・アフリカ向けへの輸出多角化により外需は増勢を維持しました。一方、政府による耐久消費財補助の効果が低減し、内需は総じて減速傾向にあります。最も、足元では春節連休効果を背景にサービス消費が持ち直し、インフラ投資や輸出入も増加するなど一時的な上振れが見られますが、基調としては内需が軟調な状態が続いております。先行きは米国においては、関税政策による物価上昇や雇用環境の悪化が個人消費を中心とした内需を下押しし、引き続き景気は減速基調をたどると予想されます。ただし、AI関連分野を中心とした企業活動の活発さや、既往の利下げ効果の波及により年後半には景気が持ち直しに転じる見通しであり、実質GDP成長率は底堅い水準を維持する公算であります。中国においては、半導体関税の導入によるASEAN向け電子部品輸出の足踏みや、高い若年失業率・不動産の過剰在庫といった構造問題が未解決であることから、自律的な民需の回復は見込めず、政府主導のインフラ投資は継続されるものの、内外需ともに減速すると予想され、景気の本格的な回復には時間を要する見通しであります。証券市場においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は、米国の相互関税政策に伴う世界的な景気後退リスクの高まりを背景に急落し、30,357円まで下落しました。しかし、上乗せ分の関税について90日間の一時停止が発表されたことにより急反発した後に堅調に推移し、5月中旬には38,000円台まで値を戻しました。以降は同水準を中心とした保ち合いが続きましたが、米国の相互関税政策を巡る過度な懸念の後退や米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に上昇し、6月後半には40,000円台を回復しました。7月前半は上値の重い展開となりましたが、後半には日米関税交渉の合意が好感され42,000円台まで上昇しました。その後、調整局面を経て米国の関税交渉を巡る不透明感の後退から8月中旬には44,000円台目前まで続伸し、その後は利益確定の売りに押される場面もありましたが、9月に入ると世界的な株価の上昇が支援要因となり、45,000円台まで到達しました。10月には自民党総裁選で緩和的な政策期待が高まったことを受け、高値を更新し52,000円台まで上昇しましたが、11月に入り、高値警戒感や利益確保の動きから軟調に推移、50,000円を挟んだ保ち合い相場となりました。1月に入り、衆議院解散報道を手掛かりに上昇基調で推移、2月の衆院選で与党が大勝したことから、財政拡張的な政策が進むとの期待感を背景に過去最高値を更新して60,000円目前まで上昇しました。しかしその後は、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始、中東情勢の悪化が経済の圧迫要因になるとの見方から急落し、一時51,000円を割り込みました。商品市場においては、原油は米国の相互関税政策を背景に金融市場でリスクオフ姿勢が強まったことや、石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合で5月分の自主減産枠が予想を上回る規模で縮小されたことから急落し、52,000円を割り込みました。その後は中東で地政学リスクが高まったことや、米中貿易摩擦の緩和を背景に55,000円近辺での保ち合いが続きました。しかし6月に入り、イスラエルによるイランの核関連施設などへの攻撃、さらに米国もイランの核施設への攻撃に踏み切ったことを受けて急伸し、66,000円台まで上昇しました。その後、米国大統領がSNSで「イスラエルとイランは完全かつ全面的な停戦で合意した」と発表したことで大幅に下落し、57,000円を割り込みました。一方で、イエメンの親イラン武装組織が貨物船攻撃を再開したことにより中東の地政学リスクの高まりから60,000円を回復し、さらに米国がロシアへの経済制裁を一段と強化する考えを示したことから65,000円目前まで値を上げました。8月に入ると、OPECプラス有志国による自主減産が9月で終了することが決定し、需給緩和懸念から再び60,000円を割り込みましたが、ロシアがディーゼル燃料やガソリンの輸出制限方針を発表したことから、9月下旬にかけて堅調な推移となりました。10月に入り、イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザを巡る和平計画の第一段階で合意したことから地政学リスクの低下を背景に56,000円まで軟化しましたが、その後は米国によるロシアへの制裁によりロシア産原油に対する供給懸念から反発場面となり、11月は60,000円台前半での推移となりました。12月に入ると、ウクライナを巡る和平協議が進展するとの期待が高まり56,000円台まで下落しましたが、その後はベネズエラ産原油の輸出が減少するとの思惑から値を戻し58,000円台で推移しました。1月に入り米国がイランへの軍事介入の可能性を示唆したことや、米国の歴史的な大寒波を背景に64,000円台まで上昇、2月前半は63,000円を中心とした推移になりましたが、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始したことからNY原油は119.48ドルまで急騰、国内市場も一時93,000円台まで上昇しました。金は米国の相互関税政策による世界同時株安を背景として、マージンコール(追加証拠金の要求)を確保するための売りが金市場に波及し、一時14,000円台を割り込みました。ただし売りが一巡した後は、安全資産としての金を選好する動きが強まったほか、イラン核開発問題を巡る地政学リスクの高まりもあって反発し、NY市場では過去最高値を更新して3,500ドル台に乗せたことを背景に、国内市場も連れ高となりました。5月に入ると、米国の相互関税政策への過度な警戒感が後退したことから、軟調な場面も見られたものの、ウクライナとロシアの停戦期待が後退したことや、格付け大手による米国債格下げを受けて徐々に下値を切り上げ、6月には16,000円台まで到達しました。その後はNY市場が3,300ドルを中心とした保ち合いに終始し、国内市場も16,000円前半で高値警戒感から上値の重い展開が続きました。9月に入り米国の9月利下げを織り込み始める中、雇用情勢の悪化など米国景気減速懸念を背景に国内外ともに連日高値を更新し、世界最大の金ETFの金保有残高が増加傾向にあることも支援要因となり、10月にはNY市場が4,000ドルを突破、国内市場も20,000円台に達しました。調整場面の後、12月のFOMCで米国が3会合連続の利下げを決定したことや、くすぶる地政学リスクを背景に新高値を更新し、23,400円台に到達しました。1月には米国によるベネズエラへの軍事介入から地政学リスクの高まりを受けて続伸、新興国を中心とした中央銀行の金買いが今後も継続するとの見方も支援要因となり、NY市場は5,586.2ドルと新高値を記録し、国内市場も28,498円と新高値を更新しました。しかし急ピッチな上昇に対する警戒感を背景に持高調整や利益確定の売りが殺到、FRBの次期議長の人事を受けて早期利下げ観測が後退したことも圧迫要因となり、22,601円まで急落しました。その後は修正を経て26,000円台を回復、米国連邦最高裁が関税措置を違法と判断したことにより、関税政策を巡る不透明感が強まったことも上昇要因となりました。2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始したため、「有事の金買い」が台頭して堅調に始まりましたが、戦域が拡大して長期化するとの見方を背景に株式市場が急落、損失補填の換金売りやポジション調整の売りが強まり、再度22,000円台まで割り込みました。その後はインフレ再燃が懸念され値を戻し、24,000円台で取引を終えました。為替市場においては、米国による相互関税の公表を受けた景気悪化懸念や、米国大統領によるFRBの独立性に関する発言やドル安誘導への思惑も重なり、一時140円台を割り込むなどドル安・円高が進行しました。5月に入ると日米両中央銀行が政策変更に慎重な姿勢を示したことや米中関税交渉の進展によりリスク回避姿勢が和らぎ、148円台後半までドル高・円安が進行し、荒い動きとなりました。続いて144円近辺での推移となり、6月後半には中東情勢の緊迫化で一時148円台前半までドル高・円安が進行しました。しかし米国の仲介によりイスラエルとイランが停戦に合意したことで市場の緊張感が和らぎ、144円台前半までドル安・円高が進行しました。一方、米国の4~6月期の実質GDP成長率が市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が弱まり150円台後半までドル高・円安が進行しました。しかし8月に入ると米国雇用統計が市場予想を下回ったことからFRBによる利下げ観測が強まり、146円台前半までドル安・円高が進みました。これを受けて147円台での一進一退の展開となりましたが、9月に入り日本国内の政局不安を背景に150円目前までドル高・円安が進行しました。しかし日銀高官の利上げに前向きな発言などを受けて147円台後半までドル安・円高が進みました。10月に入ると自民党総裁選の結果を受けて、新政権の積極的財政政策を意識した投資家の円売り姿勢が強まったことから、154円台までドル高・円安が進行しました。加えて米国での政府閉鎖解除を受けてドル売り姿勢が和らいだほか、日本政府が大規模な補正予算を成立させるとの見方から、財政悪化懸念が高まり、157円台後半までドル高・円安が進行しました。12月は米国が利下げを実施した一方、日銀の金融政策決定会合後の日銀総裁の記者会見でのハト派的な発言など、強弱材料の綱引きとなり156円台を挟んで一進一退の展開となりました。1月は衆議院の解散報道を受けて各党が減税を打ち出したことから、財政悪化懸念を背景に159円台半ばへドル高・円安が進行しましたが、ニューヨーク連銀がレートチェックを実施したとの報道を受けて日米協調介入の思惑が高まり、152円台前半まで急落しました。その後、衆議院選挙期間中は財政悪化懸念が強まり、ドル円は一時157円台後半まで反発しましたが、与党の衆議院選大勝により政権基盤が安定するとの見方から調整場面となり再び152円台までドル安・円高が進みました。3月に入ると米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格が急騰、リスク回避のドル買い圧力が強まった結果、約8ヶ月ぶりとなる160円台まで上昇しました。このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品デリバティブ取引の総売買高1,387千枚(前年同期比9.3%増)及び金融商品取引の総売買高1,999千枚(前年同期比14.4%減)となり、受入手数料12,510百万円(前年同期比66.0%増)、トレーディング損益198百万円の利益(前年同期比614.1%増)となりました。以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益12,991百万円(前年同期比69.6%増)、純営業収益12,969百万円(前年同期比69.7%増)、経常利益6,368百万円(前年同期比195.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,424百万円(前年同期比131.0%増)となりました。当社の経営成績の概要は次のとおりであります。a. 営業収益当連結会計年度の営業収益は12,991百万円(前年同期比69.6%増・5,329百万円増加)となりました。受入手数料は12,510百万円(前年同期比66.0%増・4,973百万円増加)、トレーディング損益は198百万円の利益(前年同期比614.1%増・170百万円増加)、金融収益は249百万円、その他の営業収益は32百万円(前年同期比66.0%減・64百万円減少)となりました。b. 金融費用当連結会計年度の金融費用は22百万円(前年同期比21.3%増・3百万円増加)となりました。c. 純営業収益当連結会計年度の純営業収益は12,969百万円(前年同期比69.7%増・5,325百万円増加)となりました。d. 販売費及び一般管理費当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,684百万円(前年同期比20.0%増・1,115百万円増加)となりました。この主な内訳は、人件費が4,500百万円(前年同期比25.7%増・920百万円増加)、租税公課が167百万円(前年同期比65.4%増・66百万円増加)、貸倒引当金繰入額が113百万円(前年同期比463.8%増・93百万円増加)、その他(電算機費等)が679百万円(前年同期比3.6%増・23百万円増加)となっております。e. 営業利益前連結会計年度に比べて純営業収益は5,325百万円増加し、販売費及び一般管理費は1,115百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は6,284百万円(前年同期比203.0%増・4,210百万円増加)となりました。f. 営業外収益当連結会計年度の営業外収益は96百万円(前年同期比5.0%増・4百万円増加)となりました。この主な内訳は、受取配当金が56百万円(前年同期比4.2%増・2百万円増加)、その他(雑収入等)が17百万円(前年同期比14.4%増・2百万円増加)となっております。g. 営業外費用当連結会計年度の営業外費用は12百万円(前年同期比2.6%減・0百万円減少)となりました。この主な内訳は、投資事業組合運用損が12百万円(前年同期比182.9%増・8百万円増加)となっております。h. 経常利益前連結会計年度に比べて営業利益が4,210百万円、営業外収益は4百万円それぞれ増加したため、当連結会計年度の経常利益は6,368百万円(前年同期比195.8%増・4,215百万円増加)となりました。i. 特別利益当連結会計年度の特別利益は229百万円(前年同期比63.3%減・395百万円減少)となりました。この主な内訳は固定資産受贈益が27百万円、投資有価証券売却益が197百万円(前年同期比49.8%減、196百万円減少)となっております。j. 特別損失当連結会計年度の特別損失は53百万円(前年同期比52.6%減・58百万円減少)となりました。この主な内訳は、固定資産除売却損が15百万円、訴訟損失引当金繰入額が19百万円、金融商品取引責任準備金繰入額が18百万円(前年同期比86.8%増・8百万円増加)となっております。k. 税金等調整前当期純利益前連結会計年度に比べて特別利益が395百万円減少したものの、経常利益が4,215百万円増加し、特別損失が58百万円減少したため、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,544百万円(前年同期比145.5%増・3,878百万円増加)となりました。l. 法人税等当連結会計年度の法人税等は2,120百万円(前年同期比182.4%増・1,369百万円増加)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が2,198百万円(前年同期比200.6%増・1,466百万円増加)、法人税等調整額が△77百万円(前連結会計年度は19百万円)となっております。m. 親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,424百万円(前年同期比131.0%増・2,509百万円増加)となりました。営業収益合計に対する比率は34.1%(前連結会計年度は25.0%)となっております。自己資本利益率は27.7%(前連結会計年度は14.6%)となりました。また、1株当たり当期純利益は779.11円(前連結会計年度は343.86円)となりました。以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。当連結会計年度末の資産総額は286,450百万円、負債総額は268,266百万円、純資産18,184百万円となっております。当連結会計年度末の資産総額286,450百万円は、前連結会計年度末125,860百万円に比べて160,590百万円増加しております。この内訳は、流動資産が160,177百万円、固定資産が412百万円それぞれ増加したものであり、主に「委託者先物取引差金」が15,762百万円減少したものの「保管有価証券」が23,744百万円、「差入保証金」が150,559百万円それぞれ増加したものであります。当連結会計年度末の負債総額268,266百万円は、前連結会計年度末112,060百万円に比べて156,205百万円増加しております。この内訳は、流動負債が156,101百万円、固定負債が85百万円それぞれ増加したものであり、主に「金融商品取引保証金」が8,515百万円減少したものの「預り証拠金」が111,775百万円、「預り証拠金代用有価証券」が23,744百万円、「委託者先物取引差金」が23,685百万円それぞれ増加したことによるものであります。当連結会計年度末の純資産18,184百万円は、前連結会計年度末13,800百万円に比べて4,384百万円増加しております。この内訳は、主に株主資本が3,949百万円、その他の包括利益累計額が434百万円それぞれ増加したものであります。当連結会計年度末の自己資本比率は6.3%(前連結会計年度末は11.0%)となっております。なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,215百万円の増加となり、11,353百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、2,993百万円(前年同期は1,765百万円の取得)となりました。これは、「差入保証金」の増加及び「金融商品取引保証金」の減少による資金の使用等があったものの、「預り証拠金」の増加、「委託者先物取引差金」の減少、「未収委託者取引差金」の減少、「未払委託者取引差金」の増加、及び「税金等調整前当期純利益」による資金の取得等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の取得は、742百万円(前年同期は827百万円の使用)となりました。これは、有価証券の取得による支出等があったものの、有価証券の償還による収入及び投資有価証券の売却による収入等であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、520百万円(前年同期は407百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額によるものであります。 ③ 商品デリバティブ取引業等a. 当連結会計年度における商品デリバティブ取引業等の営業収益は次のとおりであります。(受入手数料) (単位:千円)区分金額前年同期増減比(%) 取引名及び市場名商品デリバティブ取引 現物先物取引 農産物市場87△96.5 貴金属市場10,782,81284.2 ゴム市場3,503△58.6 エネルギー市場-- 中京石油市場240△24.3 小計10,786,64483.9 現金決済先物取引 貴金属市場24,184△15.2 エネルギー市場68,375△6.6 米穀指数市場8,843- 小計101,402△0.3 国内市場計10,888,04682.4 海外市場計41,493101.3 商品デリバティブ取引計10,929,54082.5金融商品取引 取引所株価指数証拠金取引1,494,35028.2 取引所為替証拠金取引84,684△76.7 株価指数先物取引1,495△91.9 証券媒介取引9138.8 国内市場計1,581,4432.1 海外市場計-△100.0 金融商品取引計1,581,4432.1合計12,510,98366.0 (注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。 (トレーディング損益) (単位:千円)区分金額前年同期増減比(%) 取引名及び市場名商品デリバティブ取引 現物先物取引 農産物市場-- 貴金属市場187,953285.3 ゴム市場-- 小計187,953285.3 現金決済先物取引 貴金属市場-- エネルギー市場26,503- 米穀指数市場7,714- 小計34,217- 国内市場計222,171355.7 商品デリバティブ取引計222,171355.7金融商品取引 取引所株価指数証拠金取引△12,108- 取引所為替証拠金取引△13,277- 株価指数先物取引-- 国内市場計△25,386- 金融商品取引計△25,386-商品売買損益 貴金属等現物売買取引1,582151.7 商品売買損益計1,582151.7合計198,367614.1 (注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。 b. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引等の売買高に関して当連結会計年度中の状況は次のとおりであります。(売買高の状況)(単位:枚)区分委託自己合計 取引名及び市場名 前年同期増減比(%) 前年同期増減比(%) 前年同期増減比(%)商品デリバティブ取引 現物先物取引 農産物市場205△93.5--205△93.5貴金属市場1,073,01122.218,766△22.81,091,77721.0ゴム市場1,700△41.7--1,700△41.7エネルギー市場------中京石油市場490△29.0--490△29.0小計1,075,40621.618,766△22.81,094,17220.4現金決済先物取引 貴金属市場10,597△49.4--10,597△49.4エネルギー市場270,971△12.91,140△23.2272,111△13.0 米穀指数市場2,770-823-3,593-小計284,338△14.41,96332.3286,301△14.2国内市場計1,359,74411.720,729△19.61,380,47311.1海外市場計7,050△73.8--7,050△73.8商品デリバティブ取引計1,366,7949.920,729△19.61,387,5239.3金融商品取引 取引所株価指数証拠金取引1,745,54024.83,462△37.51,749,00224.5取引所為替証拠金取引等128,060△84.0121,844△0.8249,904△73.0株価指数先物取引362△89.5--362△89.5国内市場計1,873,962△15.0125,306△2.41,999,268△14.3海外市場計-△100.0---△100.0金融商品取引計1,873,962△15.1125,306△2.41,999,268△14.4合計3,240,756△6.1146,035△5.23,386,791△6.1 (注)1. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。2. 商品デリバティブ取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。(単位:枚)取引所名銘柄名前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)取引所名銘柄名当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)委託売買高割合(%)委託売買高割合(%)大阪取引所金(標準取引)557,19544.8大阪取引所 金(標準取引)724,21153.0大阪取引所白金(標準取引)320,21025.7大阪取引所白金(標準取引)347,69025.4東京商品取引所東京原油306,01424.6東京商品取引所東京原油266,96919.5 3. 商品デリバティブ取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。 c. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引業等に関する売買高のうち当連結会計年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。(未決済建玉の状況)(単位:枚)区分委託自己合計 取引名及び市場名 前年同期増減比(%) 前年同期増減比(%) 前年同期増減比(%)商品デリバティブ取引 現物先物取引 農産物市場2△98.7--2△98.7貴金属市場33,384△15.1--33,384△15.1ゴム市場249120.4--249120.4エネルギー市場------中京石油市場------小計33,635△15.0--33,635△15.0現金決済先物取引 貴金属市場1,029△70.7--1,029△70.7エネルギー市場14,885△8.12-14,887△8.1米穀指数市場290-83-373-小計16,204△17.885-16,289△17.4国内市場計49,839△15.985-49,924△15.8海外市場計1,213439.1--1,213439.1商品デリバティブ取引計51,052△14.285-51,137△14.1金融商品取引 取引所株価指数証拠金取引29,024△68.0--29,024△68.0取引所為替証拠金取引等25,003△6.0180-25,183△5.3株価指数先物取引21△89.0--21△89.0国内市場計54,048△54.0180-54,228△53.9海外市場計------金融商品取引計54,048△54.0180-54,228△53.9合計105,100△40.6265-105,365△40.5 (注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社が判断したものであります。① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。 当連結会計年度における当社の状況は、商品デリバティブ取引部門の国内委託売買高は、前年同期1,216千枚に対し当期1,359千枚と142千枚増加しております。これは、貴金属市場の委託売買高が195千枚増加(前年同期比22.22%増加)したことが主因となっております。また、貴金属市場の主要銘柄である金市場では1月には米国によるベネズエラへの軍事介入から地政学リスクの高まりを受けて続伸、新興国を中心とした中央銀行の金買いが今後も継続するとの見方も支援要因となり、NY市場は5,586.2ドルと新高値を記録し、国内市場も28,498円と新高値を更新しました。しかし急ピッチな上昇に対する警戒感を背景に持高調整や利益確定の売りが殺到、FRBの次期議長の人事を受けて早期利下げ観測が後退したことも圧迫要因となり、22,601円まで急落しました。その後は修正を経て26,000円台を回復、米国連邦最高裁が関税措置を違法と判断したことにより、関税政策を巡る不透明感が強まったことも上昇要因となったことから前年度を上回る取引が集中しました。貴金属市場の取引手数料収入は、10,782百万円(前年同期比84.2%増)となり、国内商品デリバティブ取引手数料収入が、10,888百万円(前年同期比82.4%増)増加したことの主因となっております。 また、金融商品取引部門の国内委託売買高は、前年同期2,204千枚に対し当期1,873千枚と330千枚減少しておりますが、国内取引手数料収入は、1,581百万円(前年同期比2.1%増)となりました。これは、主力商品である日経225リセット付証拠金取引は、米国の相互関税政策に伴う世界的な景気後退リスクの高まりを背景にし、30,357円まで下落して始まりましたが、米国の相互関税政策を巡る過度な懸念の後退や米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に上昇し、6月後半には40,000円台を回復しました。その後も日米関税交渉の合意が好感されたことや10月には自民党総裁選で緩和的な政策期待が高まったことを受け、高値を更新し52,000円台まで上昇しました。1月に入り、衆議院解散報道を手掛かりにさらに上昇基調で推移、2月の衆院選で与党が大勝したことから、財政拡張的な政策が進むとの期待感を背景に過去最高値を更新して60,000円目前まで上昇しました。しかしその後は、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始、中東情勢の悪化が経済の圧迫要因になるとの見方から急落し、一時51,000円を割り込んだもの年間を通しての大幅な上昇を背景に取引所株価指数証拠金取引全体の委託売買高は、前年同期比24.8%増加となり、受入手数料(取引所株価指数証拠金取引)1,494百万円(前年同期比28.2%増)となっております。しかし、取引所為替証拠金取引における主力商品である米ドル円の証拠金取引は、当初、米国による相互関税の公表を受けた景気悪化懸念や、米国大統領によるFRBの独立性に関する発言やドル安誘導への思惑も重なり、一時140円台を割り込むなどドル安・円高で開始しましたが、米国の4~6月期の実質GDP成長率が市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が弱まり150円台後半までドル高・円安が進行しました。その後、10月に入ると自民党総裁選の結果を受けて、新政権の積極的財政政策を意識した投資家の円売り姿勢が強まったことから、154円台までドル高・円安が進行しました。加えて米国での政府閉鎖解除を受けてドル売り姿勢が和らいだほか、日本政府が大規模な補正予算を成立させるとの見方から、財政悪化懸念が高まり、157円台後半までドル高・円安が進行しました。1月には衆議院の解散報道を受けて各党が減税を打ち出したことから、財政悪化懸念を背景に159円台半ばへドル高・円安が進行しました。さらに3月に入ると米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格が急騰、リスク回避のドル買い圧力が強まった結果、約8ヶ月ぶりとなる160円台まで上昇しました。年間を通じてドル高基調だったものの取引所株価指数証拠金取引の主力商品である日経225や貴金属市場の主要銘柄である金市場に比べてボラティリティの低い相場であったため、取引所為替証拠金取引の委託売買高は、前年同期比84.0%減少となり、受入手数料(取引所為替証拠金取引)84百万円(前年同期比76.7%減)となっております。 このような結果、当連結会計年度の業績は商品デリバティブ取引業の受入手数料10,929百万円(前年同期比82.5%増)、金融商品取引業の受入手数料1,581百万円(前年同期比2.1%増)、トレーディング損益が198百万円の利益(前年同期比614.1%増)、金融収益249百万円、その他の営業収益32百万円となり、営業収益12,991百万円(前年同期比69.6%増)、純営業収益12,969百万円(前年同期比69.7%増)、経常利益6,368百万円(前年同期比195.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,424百万円(前年同期比131.0%増)となりました。 当社の収益の柱は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。収益比率では、前連結会計年度に引き続き、金を中心とした商品デリバティブ取引業の手数料収入が収益の大きな割合を占めました。手数料収入のおおよその割合は商品デリバティブ取引業が87%、金融商品取引業が13%となっております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第2「事業の状況」」「第4「提出会社の状況」」に記載しております。 当社の資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合などは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保、財務の健全性及び安定性を維持するため、銀行等から借入を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向を総合的に勘案しながら最適な調達を実施しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定(繰延税金資産)繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。当該課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。(訴訟損失引当金)訴訟損失引当金の認識は、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により見積りと異なった場合、訴訟損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、重要な会計上の見積りについての詳細は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(重要な会計上の見積り)」に記載されております。また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

事業リスク

  • 市場変動リスク
    豊トラスティ証券の主要事業は、商品市場、証券市場、為替市場の動向に大きく左右されます。経済情勢や相場環境の不確実性、価格変動、為替リスクなどが、受託業務の手数料収入や自己売買業務の損益に直接影響を及ぼす可能性があります。特に、自己売買業務は相場観に依存するため、予測が外れた場合には損失が発生するリスクがあります。
  • 法的規制・行政処分リスク
    金融商品取引法や商品先物取引法など、多くの法令や規則の適用を受けています。これらの法令に違反した場合、登録・許可の取り消しや業務停止などの行政処分を受ける可能性があります。そのような事態が発生すれば、事業活動が制限され、業績や企業イメージに重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 訴訟・損害賠償リスク
    顧客との取引に起因する訴訟や、従業員(外務員)の権限外行為による損害賠償責任を負う可能性があります。特に、外務員が会社の内部的な制限を超えた行為を行い、第三者に損害を与えた場合、会社が使用者責任を問われることがあります。これにより、多額の損害賠償金が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,003 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める所存であります。本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社が判断したものであります。(1) 当社の事業内容① 商品デリバティブ取引業等の動向当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。市場主義経済圏の拡大に伴い、商品(コモディティ)や金融商品は、グローバルに展開していく中で、取引形態の多様性と相まって価格変動と為替に晒されるリスクを内包しております。この価格変動と為替のリスクをヘッジする手法としての先物取引の重要性が経済的、社会的見地からますます高まってきております。当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業では、㈱大阪取引所において国際的大型商品である金(ゴールド)及び白金(プラチナ)等の貴金属市場、並びに大豆及びとうもろこし等の農産物市場、並びにゴム市場が取引されております。金(ゴールド)は米国の金融政策、地政学リスク、世界経済の先行き不透明感、新興国を中心とした中央銀行の金買い等を背景に投資家の関心が高まっており、当社の主要な取扱商品として重要な位置付けにあります。一方で、金価格は国際金融市場、為替相場、金利動向及び地政学リスク等により大きく変動する可能性があり、当該市場の取引動向は当社の受入手数料等に影響を及ぼす可能性があります。㈱東京商品取引所においてはガソリン、原油及び電力等のエネルギー市場が取引されております。エネルギー市場のうち、電力については、法人委託者における価格変動リスク管理のニーズが見込まれる一方、市場流動性、価格変動、制度変更及び顧客のヘッジ需要の動向によっては、当社の受託取引及び収益機会に影響を及ぼす可能性があります。総合取引所の本格稼働以降、商品デリバティブ取引は、金融商品取引所及び商品取引所の枠組みの中で、清算、証拠金管理、リスク管理等の市場インフラが整備された環境のもとで取引が行われております。当社は、これらの市場インフラを活用し、個人投資家の資産運用ニーズ及び法人委託者における原材料価格、貴金属価格、エネルギー価格及び電力価格等の価格変動リスク管理ニーズに対応してまいります。一方で、清算、証拠金、顧客資産保全、売買管理及び市場制度の変更等への対応が適切に行われない場合には、当社の業務運営及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。一方において市場の自由化及び国際化の進展に伴い、異業種、あるいは外資系企業からの参入が拡大する可能性があると予測されますので、既存の商品デリバティブ取引業者間との企業競争も含めて今後の動向次第では当社の経営環境に影響を及ぼす可能性があります。 ② 受託業務と自己売買業務(自己ディーリング)当社は商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業として委託者から受託業務を行うとともに、自己の計算による自己売買業務(自己ディーリング)を行っております。a. 受託業務当社の商品デリバティブ取引業に係る委託者は、リスク・ヘッジを主とする商品保有者(将来保有を含む)である商社等の法人委託者と、一方でリスクをとって収益機会を得ようとするリスク・テーカーと称される一般委託者(一般法人を含むが、大半は個人委託者)で構成されております。また、金融商品取引業に係る委託者はほぼすべてが一般委託者となっております。商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引は、実際の商品の総代金ではなく、定められた額の保証金等を担保として預託することにより取引が行われることから、投資運用効率が高いと考えられます。この投資運用効率の高さは、大きな利益を得る機会をもたらす半面、ときにより大きな損失をこうむる場合があるため、一般委託者を中心とする市場参加者の動向は受託取引の多寡に関係し、業績(受入手数料)に影響を与えることとなります。また、受託取引に伴う「預り証拠金」及び「金融商品取引保証金」、並びに「委託者未収金」及び「委託者未払金」等の債権債務、並びに㈱日本証券クリアリング機構及び取引所への預託額、並びに法人委託者との継続取引に伴う取引保証等の「差入保証金」等の増減は財政状態とキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 b. 自己売買業務(自己ディーリング)一方、自己売買業務(自己ディーリング)は、受託業務に伴う市場流動性を確保するマーケット・メーカーとしての役割からリスクテイクする場合等がありますが、主として、収益機会を獲得するために当社独自の相場観により自己ディーリングを行っております。この自己ディーリングによる損益の状況は業績(トレーディング損益)に影響を及ぼすこととなります。当社は自己ディーリングを行うにあたり、専任部署と専任担当者を定め、社内規程に基づき、厳しい運用管理を行い、かつディーラーの育成強化に努めるなど収益の拡大に取り組んでおります。(2) 当社の事業における法的規制当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業等を遂行するため、内閣総理大臣より金融商品取引業の登録並びに、農林水産大臣及び経済産業大臣(以下、「主務大臣」といいます。)より商品先物取引業者として許可を受けております。また、金融商品取引所及び商品取引所の定める取引参加資格を取得しております。事業を遂行する上で金融商品取引法及び同法の関連法令、並びに商品先物取引法及び同法の関連法令、並びに金融商品取引所及び商品取引所の定めた受託契約準則、並びに自主規制機関による自主規制規則等の適用を受けております。また、この他に消費者契約法、個人情報保護法の適用を受けております。 当社は、これらの諸法令規則等に抵触した場合には、登録及び許可の取り消し、又は業務停止等の行政処分が行われることがあり、そのような場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。(3) 訴訟について2026年3月末現在、特段に記載すべき重要な訴訟事件はありませんが、顧客との受託取引等に起因する重要な 訴訟やその他重要な請求の対象とされる可能性があります。また、当社の従業員である外務員が顧客との受託業務活動において、権限外の行為により第三者に損害が発生した場合には、会社が当該外務員の権限を内部的に制限していた場合であっても、所属会社である当社が当該外務員の使用者として、当該第三者に対し損害賠償責任を負う可能性があります。このような損害賠償が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。(4) 自己資本規制比率及び純資産額規制比率について自己資本規制比率は、金融商品取引法の規定に基づき内閣府令の定めにより算出することとしたものであります。当社の自己資本規制比率は、2026年3月末現在445.1%となっており、金融商品取引業者は、自己資本規制比率が120%を下回ることがないようにしなければならないと定められております。(同法第46条の6)また、商品先物取引法及び同施行規則に基づき、純資産額規制比率による制限が設けられています。純資産額規制比率とは、純資産額の商品デリバティブ取引につき生ずる相場の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として主務省令で定めるところにより算出した額に対する比率であります。当社の純資産額規制比率は、2026年3月末現在690.4%となっております。純資産額規制比率が120%を下回る事態が生じた場合には、主務大臣は商品先物取引業者に対し商品先物取引業の方法の変更を命じ、財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができます。また、100%を下回る場合には3ヶ月以内の期間を定めて業務の停止を命じることができ、業務停止命令後3ヶ月を経過後も100%を下回り、かつ、回復の見込みがないと認められるときは商品先物取引業者の許可を取り消すことができるとされています。(同法第235条)当社は、自己資本規制比率及び純資産額規制比率が要求される水準を下回った場合には、自己資本規制比率に関しては内閣総理大臣から、純資産額規制比率に関しては主務大臣から業務の停止等を含むさまざまな命令等を受けることとなります。これらの結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5) 個人情報保護に関して当社は、顧客の個人情報、取引情報その他の重要情報を取扱う企業であることから、その社会的責任を認識し、個人情報保護及び情報セキュリティ管理に継続的に取り組んでおります。当社は、個人情報保護方針を制定するとともに、2006年2月に「プライバシーマーク」の認証を取得し、その後現在に至るまで2年ごとの更新審査を受け、認証資格を維持しております。また、個人情報保護法その他関係法令及びガイドライン等に基づき、個人情報の取得、利用、保管、管理、第三者提供、委託先管理、漏えい等発生時の報告及び本人通知等について、適切な対応に努めております。加えて、サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア、ランサムウェア、外部委託先又はクラウドサービス等に起因する情報漏えい、滅失、毀損又は業務停止等のリスクに対応するため、情報管理体制、システム管理体制、アクセス管理、従業員教育及びインシデント発生時の対応体制等の整備・見直しに努めております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、内部不正、外部委託先における事故、システム障害その他何らかの事由により、顧客の個人情報、取引情報又は当社の機密情報が外部に漏えいし、若しくは滅失・毀損し、又は悪用された場合には、個人情報保護委員会その他関係当局への報告、本人への通知、損害賠償、行政処分、再発防止対応費用等が発生する可能性があります。加えて、当社の信用が低下することにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6) システム障害について当社は、商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引等を取り扱っており、取引所の取引システム、清算機関のシステム、外部委託先のシステム、通信回線及び当社の社内システム等を利用して業務を行っております。これらのシステムは、注文の受託・執行、顧客管理、入出金管理、証拠金管理、リスク管理、会計処理、情報提供その他当社の業務運営において重要な役割を有しております。当社は、システムの安定稼働及び安全性の確保を重要な経営課題の一つとして認識し、システム管理体制、アクセス管理、バックアップ体制、外部委託先管理、障害発生時の対応手順及び情報セキュリティ対策等の整備・見直しに努めております。しかしながら、自然災害、停電、通信回線の障害、取引所又は清算機関のシステム障害、外部委託先又はクラウドサービスの障害、機器・ソフトウエアの不具合、人的ミス、サイバー攻撃、マルウェア、ランサムウェアその他の事由により、当社又は関係機関のシステムに障害が発生した場合には、注文の受託・執行、顧客対応、入出金、証拠金管理、情報提供その他の業務に支障が生じる可能性があります。このような場合には、顧客等からの損害賠償請求、行政上又は自主規制機関による措置、復旧対応費用の発生、業務停止又は業務遅延、当社の信用低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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