8803

平和不動産(8803)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • ビルディング事業
    平和不動産グループの主要な収益源であり、証券取引所、オフィスビル、商業施設、住宅などの開発、賃貸、管理、売却を行っています。特に企業向けオフィスビルの賃貸がこの事業の営業利益の過半を占めており、安定した賃料収入がグループ全体の基盤となっています。
  • アセットマネジメント事業
    平和不動産リート投資法人(不動産投資信託)の資産運用を担っており、投資家から集めた資金で不動産を購入・運用し、その収益を分配するビジネスです。また、不動産の仲介業務も行っており、手数料収入を得ています。
  • グループ構成
    平和不動産グループは、親会社である平和不動産と7つの連結子会社で構成されています。各子会社がビルディング事業やアセットマネジメント事業の特定の役割(プロパティマネジメント、ホテル運営、不動産仲介など)を担い、グループ全体で多角的な不動産ビジネスを展開しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ビルディング事業
    この事業は、オフィスビル、商業施設、住宅などの不動産の開発、賃貸、管理、売却を主な内容としています。特に企業向けオフィスビルの賃貸が収益の大部分を占めており、2023年度の売上高は約379.97億円、営業利益は約130.1億円と、グループの稼ぎ頭となっています。
  • アセットマネジメント事業
    平和不動産リート投資法人などの資産運用や、不動産仲介サービスを提供しています。この事業は、不動産を直接保有するのではなく、運用や仲介を通じて手数料収入を得るビジネスモデルであり、2023年度の売上高は約40.78億円、営業利益は約23.55億円を計上しています。
  • 事業地域
    平和不動産グループの事業は、主に日本国内、特に東京都心3区や地方主要都市に集中しています。大規模な再開発プロジェクトも日本橋兜町・茅場町(東京)や札幌で進行しており、これらの地域が事業の中心となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BuildingBusiness 地域 380 130 34.2%
AssetManagementBusiness 地域 41 24 57.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|443 文字
3【事業の内容】 当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下「当社」という。)と連結子会社7社で構成されております。当社グループが営んでいる主な事業内容、当該事業に携わっている会社名及び各社の当該事業における位置付けは、次のとおりであります。 なお、当社グループが営んでいる事業内容と、報告セグメントにおける事業区分は、同一であります。(1)ビルディング事業 当社、株式会社東京証券会館、東京日比谷ホテル株式会社及び東京日本橋兜町ホテル株式会社は、証券取引所、オフィス、商業施設及び住宅等の開発、賃貸、管理ならびに売却等を行っております。 平和不動産プロパティマネジメント株式会社は、プロパティマネジメント等を行っております。(2)アセットマネジメント事業 当社及び平和不動産アセットマネジメント株式会社は、平和不動産リート投資法人の資産運用等を行っております。 ハウジングサービス株式会社は、不動産の仲介等を行っております。 上記の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
東京都心3区、地方主要都市を中心にビルディング事業を展開し、賃貸収益減少リスクを低減
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
証券取引所、オフィス、商業施設、住宅等の開発・賃貸・管理・売却には大規模な設備投資が必要
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:オフィス賃貸事業の市況悪化 / 不動産開発・売却における収益未達 / 日本橋兜町・茅場町及び札幌再開発等の遅延・費用増
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

平和不動産は、東京・日本橋エリアを中心にオフィスビルや商業施設を保有・賃貸する事業を展開。特定の地域における長年の事業実績と信頼は無形資産となりうるが、明確なブランド力や特許、規制ライセンスによる独占性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

オフィスビル賃貸においては、テナントが移転する際のコスト(移転費用、業務中断リスク)は存在する。しかし、賃貸契約の更新や、より魅力的な物件への乗り換えも一般的であり、スイッチング・コストは中程度と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

不動産賃貸事業において、ユーザーが増えることでサービスの価値が増加するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産取得・開発・維持管理におけるコスト競争力は重要だが、平和不動産が構造的に圧倒的なコスト優位性を持つという情報は限定的。立地や物件の質による収益性が主。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

日本橋エリアという特定の地域に強みを持つことで、そのエリア内での規模の経済を活かした事業運営が可能。地域特化型の不動産デベロッパーとしては一定の規模を持つ。

  • 都心主要エリアでの事業展開
    平和不動産グループは、景気変動による賃料減少の影響を受けにくいとされる東京都心3区や地方主要都市を中心にビルディング事業を展開しています。これにより、安定した賃貸収益を確保し、市場の変動リスクを低減する戦略をとっています。
  • 再開発事業の推進力
    日本橋兜町・茅場町や札幌における大規模再開発プロジェクトを推進しており、これにより新たな価値創造と収益機会の拡大を目指しています。特に、大成建設や三菱地所との資本業務提携を通じて、大規模プロジェクトの推進力と専門知識を強化しています。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    オフィス賃貸だけでなく、商業施設、住宅、ホテル、アセットマネジメント、不動産仲介など、幅広い事業を展開しています。これにより、特定の市場変動に左右されにくい、バランスの取れた収益構造を構築し、安定的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 長期ビジョン「WAY 2040」の推進
    平和不動産グループは、「人々を惹きつける場づくりで、未来に豊かさをもたらす」というパーパスのもと、長期ビジョン「WAY 2040」と中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」を推進しています。再開発事業の拡大、利益成長と資本効率の向上、社会価値の向上、経営基盤の強化を通じて企業価値の向上を目指しています。
  • 再開発事業の全国展開とブランド確立
    日本橋兜町・茅場町でのブランド確立や、札幌での大規模再開発プロジェクト「SAPPORO ONE」などを通じて、人々を惹きつける「場づくり」を全国に展開することを目指しています。大成建設や三菱地所との提携により、再開発事業の拡大と迅速な推進を図ります。
  • 資本効率と株主還元の重視
    中期経営計画では、ROE(自己資本利益率)8%以上を目標とし、資本効率を意識した経営を実践しています。株主還元については、連結配当性向50%程度を目標とし、株価水準や投資計画を考慮した自己株式取得も機動的に実施することで、株主価値の向上を図ります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな景気の回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響及び金融資本市場の変動の影響、米国の通商政策をめぐる動向等を注視する必要がある状況です。 また、当社グループの経営環境においては、働き方の多様化・質的変化、インバウンド需要拡大、人口減少・少子高齢化、都市・地域間競争の激化など、都市環境とライフスタイルの変化が進み、さらに資本効率向上への期待の高まり、サステナビリティ経営の高度化、デジタル技術の進展、自然災害の脅威増大などにより、当社グループを取り巻く環境が目まぐるしく変化している状況です。 こうした経営環境を踏まえ、当社グループでは平和不動産グループパーパス「人々を惹きつける場づくりで、未来に豊かさをもたらす」を掲げ、平和不動産グループ長期ビジョン「WAY 2040」に沿い、中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」を推進しております。これらの計画に沿い、再開発事業の拡大、利益成長と資本効率向上の両立、社会価値の向上、経営基盤の強化等に取り組むことにより、企業価値の向上に努めてまいります。 なお、当社は平和不動産グループ長期ビジョン「WAY 2040」の実現に向け、大成建設株式会社との間で資本業務提携契約を締結するとともに、大成建設株式会社、三菱地所株式会社および当社の3社間で資本業務提携に係る協定関係を構築しております。大成建設株式会社との資本業務提携においては、中長期的な協働関係を構築のうえ、両社の事業基盤・ノウハウ等の強みをより一層活かし、①再開発事業等の拡大及びスピーディな推進、②新規不動産(アセットクラス)投資事業等の新規事業分野における業務提携、③サステナビリティ・DX分野に係る事業分野における業務提携の推進等により、相互に企業価値の向上を図ってまいります。 ◇中期経営計画策定の背景および位置づけ 中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」(2024年度〜2026年度)では、長期ビジョン「WAY 2040」のスローガンである「場づくりの連続で、非連続な成長を遂げる“Bazukuri Company”へ」のファーストステージとして、日本橋兜町・茅場町ブランドの確立、当社史上最大規模となる札幌再開発プロジェクトおよび長期ビジョンを実現するための新規事業分野への進出に挑戦することにより、「非連続な成長へのスタートダッシュ」の期間と位置付けます。 ◇長期ビジョン実現に向けた中期経営計画における重点戦略 (1)再開発事業の拡大 〜人々を惹きつける場づくりの全国展開〜 ①日本橋兜町・茅場町ブランドの確立 東京初進出の「キャプション by Hyatt 兜町 東京」のオープンによる新たな機能の導入によって街の様々な機能の相乗効果を創出いたします。また、FinGATEの拡張、平日・休日ともに賑わいをもたらす個性的な商業店舗の誘致・運営およびサステナブル先進タウン化等により、人々を惹きつける場づくりを多彩に展開し、日本橋兜町・茅場町ブランドを確立いたします。 ②当社史上最大規模となる札幌再開発プロジェクトの推進 当社史上最大規模の再開発プロジェクトとなるSAPPORO ONE(大通西4南地区第一種市街地再開発事業・2029年竣工予定)および札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業(2028年竣工予定)を着実に推進し、札幌においても人々を惹きつける場づくりを展開することにより、札幌の都市競争力の強化に貢献いたします。 ③全国における再開発プロジェクトの展開 “Bazukuri Company”としてのプレゼンスを高めるため、全国主要都市における当社保有アセットを中心とした再開発プロジェクトの事業化を推進します。 (2)利益成長と資本効率向上の両立 〜賃貸事業+資本回転型ビジネスの拡大と新規事業分野への進出〜 ①ビルディング事業における付加価値創出ビジネスモデルの展開 ポートフォリオの入替えを通じて、物件売却益を獲得するとともに、付加価値創出のビジネスモデルをサステナブルに展開します。 ②アセットマネジメント事業の収益拡大 平和不動産リート投資法人の成長サポート等により、アセットマネジメントフィーの拡大を図るとともに仲介ビジネスの安定的な成長等により、資本効率の高いグループ収益の拡大を図ります。 ③長期ビジョンを実現するための新規事業分野への進出 長期ビジョンのスローガンとして掲げる「非連続な成長」を遂げるためにホテル事業の強化およびM&Aの活用等による新規事業分野への進出を模索します。 (3)社会価値の向上 〜サステナビリティ施策の推進〜 ①サステナビリティ経営の実践 “Bazukuri Company”としての活動により、GHG排出量ネットゼロをはじめとした環境・社会課題の解決に取り組み、各ステークホルダーとの双方向のコミュニケーションにより、サステナブルな社会の実現に貢献します。 ②サステナブルな街づくりの推進 環境配慮、防災力向上等の社会課題解決に対応したビル開発、建物運営および設備投資を実施し、GHG排出量の削減等に取り組みつづけることにより、資産ポートフォリオの競争力を向上させます。 (4)経営基盤の強化 〜成長加速に向けた人的資本の最大化〜 ①株主資本コストおよび株価を意識した経営の実践 2025年度から2026年度のROE目標として、株主資本コストを上回る8%以上を設定します。2024年度から2026年度の株主還元においては、株主資本コストおよび資本効率等を意識し、連結配当性向50%とし、自己株式取得については株価水準、投資計画および財務状況等を総合的に勘案し、機動的に実施します。 ②人的資本の最大化 長期ビジョンにおいて非連続な成長を遂げるため、キャリア開発およびDX人材の育成等によるパーパスの実現を担う人づくり、多様性を推進し活かす組織づくりおよび健康経営をはじめとした働きやすく活き活きとした職場づくりに取り組み、人的資本経営を推進します。 ③コーポレート・ガバナンスの更なる強化 取締役会の機能強化、政策保有株式の縮減等により、コーポレート・ガバナンスの更なる強化を図ります。 ◇計数計画財務・非財務KPI財務KPI利益目標EPS160円以上(※3)(2026年度)<2026年度業績予想>174円(※3)(2026年度)連結営業利益150億円以上(※1)(2026年度)<2026年度業績予想>158億円(※1)(2026年度)資本効率ROE8%以上(2025年度~2026年度)株主還元連結配当性向連結配当性向50%程度(2024年度~2026年度)とし、自己株式取得については株価水準、投資計画および財務状況等を総合的に勘案し、機動的に実施<1株当たり年間配当金の実績・見通し>(※3)2024年度実績 86円 (普通配当71円、特別配当15円)2025年度実績 98円 (普通配当83円、特別配当15円)2026年度見通し103円 (普通配当88円、特別配当15円) 非財務KPI環境GHG排出量2025年度までに2018年度比80%削減(Scope1+2)2050年度までにネットゼロ達成(Scope1+2+3)水使用量各用途において前年度より低減(原単位目標)廃棄物排出量各用途において前年度より低減(原単位目標)社会新卒女性採用比率:30%以上(5年平均採用数)女性管理職比率:2030年度までに20%以上キャリア採用者管理職比率:2030年度までに40%以上健康診断実施率:毎年100%がん検診(2年毎)実施率:35歳以上100%ストレスチェック受検率:毎年100%有給休暇取得率:毎年70%以上男性育児休暇取得率:2030年度までに100%救命講習資格保有者:全役職員ガバナンス連結純資産に対する政策保有株式残高比率:2026年度までに10%以下<見通し>2024年12月末時点の政策保有株式約175億円の残高を半分以下とする政策保有株式の縮減を加速する取り組みを進めていく。 ※1 連結営業利益内訳 <中期経営計画> ・ビルディング事業:148億円 ・アセットマネジメント事業:27億円 ・全社・消去:△25億円 <2026年度業績予想> ・ビルディング事業:153億円 ・アセットマネジメント事業:29億円 ・全社・消去:△24億円※2 参考指標(財務健全性):ネットD/Eレシオ2.0倍程度※3 当社は、2025年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っているため、当該株式分割を考慮した数値を記載しております。 上記に記載した各KPIは、いずれも現時点における目標値又は計画値であって、その実現を保証するものではなく、実績値はこれらと大きく乖離する可能性があります。また、これらのKPIについては経営環境の変化等に伴い、随時見直されることがあります。これらのKPIの達成を困難にする可能性がある主要なリスク要因については、後記「3 事業等のリスク」をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな景気の回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響及び金融資本市場の変動の影響、米国の通商政策をめぐる動向等を注視する必要がある状況です。 また、当社グループの経営環境においては、働き方の多様化・質的変化、インバウンド需要拡大、人口減少・少子高齢化、都市・地域間競争の激化など、都市環境とライフスタイルの変化が進み、さらに資本効率向上への期待の高まり、サステナビリティ経営の高度化、デジタル技術の進展、自然災害の脅威増大などにより、当社グループを取り巻く環境が目まぐるしく変化している状況です。 こうした経営環境を踏まえ、当社グループでは平和不動産グループパーパス「人々を惹きつける場づくりで、未来に豊かさをもたらす」を掲げ、平和不動産グループ長期ビジョン「WAY 2040」に沿い、中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」を推進しております。これらの計画に沿い、再開発事業の拡大、利益成長と資本効率向上の両立、社会価値の向上、経営基盤の強化等に取り組むことにより、企業価値の向上に努めてまいります。 なお、当社は平和不動産グループ長期ビジョン「WAY 2040」の実現に向け、大成建設株式会社との間で資本業務提携契約を締結するとともに、大成建設株式会社、三菱地所株式会社および当社の3社間で資本業務提携に係る協定関係を構築しております。大成建設株式会社との資本業務提携においては、中長期的な協働関係を構築のうえ、両社の事業基盤・ノウハウ等の強みをより一層活かし、①再開発事業等の拡大及びスピーディな推進、②新規不動産(アセットクラス)投資事業等の新規事業分野における業務提携、③サステナビリティ・DX分野に係る事業分野における業務提携の推進等により、相互に企業価値の向上を図ってまいります。 ◇中期経営計画策定の背景および位置づけ 中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」(2024年度〜2026年度)では、長期ビジョン「WAY 2040」のスローガンである「場づくりの連続で、非連続な成長を遂げる“Bazukuri Company”へ」のファーストステージとして、日本橋兜町・茅場町ブランドの確立、当社史上最大規模となる札幌再開発プロジェクトおよび長期ビジョンを実現するための新規事業分野への進出に挑戦することにより、「非連続な成長へのスタートダッシュ」の期間と位置付けます。 ◇長期ビジョン実現に向けた中期経営計画における重点戦略 (1)再開発事業の拡大 〜人々を惹きつける場づくりの全国展開〜 ①日本橋兜町・茅場町ブランドの確立 東京初進出の「キャプション by Hyatt 兜町 東京」のオープンによる新たな機能の導入によって街の様々な機能の相乗効果を創出いたします。また、FinGATEの拡張、平日・休日ともに賑わいをもたらす個性的な商業店舗の誘致・運営およびサステナブル先進タウン化等により、人々を惹きつける場づくりを多彩に展開し、日本橋兜町・茅場町ブランドを確立いたします。 ②当社史上最大規模となる札幌再開発プロジェクトの推進 当社史上最大規模の再開発プロジェクトとなるSAPPORO ONE(大通西4南地区第一種市街地再開発事業・2029年竣工予定)および札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業(2028年竣工予定)を着実に推進し、札幌においても人々を惹きつける場づくりを展開することにより、札幌の都市競争力の強化に貢献いたします。 ③全国における再開発プロジェクトの展開 “Bazukuri Company”としてのプレゼンスを高めるため、全国主要都市における当社保有アセットを中心とした再開発プロジェクトの事業化を推進します。 (2)利益成長と資本効率向上の両立 〜賃貸事業+資本回転型ビジネスの拡大と新規事業分野への進出〜 ①ビルディング事業における付加価値創出ビジネスモデルの展開 ポートフォリオの入替えを通じて、物件売却益を獲得するとともに、付加価値創出のビジネスモデルをサステナブルに展開します。 ②アセットマネジメント事業の収益拡大 平和不動産リート投資法人の成長サポート等により、アセットマネジメントフィーの拡大を図るとともに仲介ビジネスの安定的な成長等により、資本効率の高いグループ収益の拡大を図ります。 ③長期ビジョンを実現するための新規事業分野への進出 長期ビジョンのスローガンとして掲げる「非連続な成長」を遂げるためにホテル事業の強化およびM&Aの活用等による新規事業分野への進出を模索します。 (3)社会価値の向上 〜サステナビリティ施策の推進〜 ①サステナビリティ経営の実践 “Bazukuri Company”としての活動により、GHG排出量ネットゼロをはじめとした環境・社会課題の解決に取り組み、各ステークホルダーとの双方向のコミュニケーションにより、サステナブルな社会の実現に貢献します。 ②サステナブルな街づくりの推進 環境配慮、防災力向上等の社会課題解決に対応したビル開発、建物運営および設備投資を実施し、GHG排出量の削減等に取り組みつづけることにより、資産ポートフォリオの競争力を向上させます。 (4)経営基盤の強化 〜成長加速に向けた人的資本の最大化〜 ①株主資本コストおよび株価を意識した経営の実践 2025年度から2026年度のROE目標として、株主資本コストを上回る8%以上を設定します。2024年度から2026年度の株主還元においては、株主資本コストおよび資本効率等を意識し、連結配当性向50%とし、自己株式取得については株価水準、投資計画および財務状況等を総合的に勘案し、機動的に実施します。 ②人的資本の最大化 長期ビジョンにおいて非連続な成長を遂げるため、キャリア開発およびDX人材の育成等によるパーパスの実現を担う人づくり、多様性を推進し活かす組織づくりおよび健康経営をはじめとした働きやすく活き活きとした職場づくりに取り組み、人的資本経営を推進します。 ③コーポレート・ガバナンスの更なる強化 取締役会の機能強化、政策保有株式の縮減等により、コーポレート・ガバナンスの更なる強化を図ります。 ◇計数計画財務・非財務KPI財務KPI利益目標EPS160円以上(※3)(2026年度)<2026年度業績予想>174円(※3)(2026年度)連結営業利益150億円以上(※1)(2026年度)<2026年度業績予想>158億円(※1)(2026年度)資本効率ROE8%以上(2025年度~2026年度)株主還元連結配当性向連結配当性向50%程度(2024年度~2026年度)とし、自己株式取得については株価水準、投資計画および財務状況等を総合的に勘案し、機動的に実施<1株当たり年間配当金の実績・見通し>(※3)2024年度実績 86円 (普通配当71円、特別配当15円)2025年度実績 98円 (普通配当83円、特別配当15円)2026年度見通し103円 (普通配当88円、特別配当15円) 非財務KPI環境GHG排出量2025年度までに2018年度比80%削減(Scope1+2)2050年度までにネットゼロ達成(Scope1+2+3)水使用量各用途において前年度より低減(原単位目標)廃棄物排出量各用途において前年度より低減(原単位目標)社会新卒女性採用比率:30%以上(5年平均採用数)女性管理職比率:2030年度までに20%以上キャリア採用者管理職比率:2030年度までに40%以上健康診断実施率:毎年100%がん検診(2年毎)実施率:35歳以上100%ストレスチェック受検率:毎年100%有給休暇取得率:毎年70%以上男性育児休暇取得率:2030年度までに100%救命講習資格保有者:全役職員ガバナンス連結純資産に対する政策保有株式残高比率:2026年度までに10%以下<見通し>2024年12月末時点の政策保有株式約175億円の残高を半分以下とする政策保有株式の縮減を加速する取り組みを進めていく。 ※1 連結営業利益内訳 <中期経営計画> ・ビルディング事業:148億円 ・アセットマネジメント事業:27億円 ・全社・消去:△25億円 <2026年度業績予想> ・ビルディング事業:153億円 ・アセットマネジメント事業:29億円 ・全社・消去:△24億円※2 参考指標(財務健全性):ネットD/Eレシオ2.0倍程度※3 当社は、2025年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っているため、当該株式分割を考慮した数値を記載しております。 上記に記載した各KPIは、いずれも現時点における目標値又は計画値であって、その実現を保証するものではなく、実績値はこれらと大きく乖離する可能性があります。また、これらのKPIについては経営環境の変化等に伴い、随時見直されることがあります。これらのKPIの達成を困難にする可能性がある主要なリスク要因については、後記「3 事業等のリスク」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策の影響が残るものの、緩やかな景気の回復が継続しました。一方で、中東情勢や金融資本市場の変動の影響、米国の通商政策をめぐる動向等を注視する必要がある状況です。 不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、事業の拡大や人材確保、環境改善や業務の効率化などを目的とした拡張傾向の需要が多くみられ、平均賃料が上昇しました。不動産投資市場については、日銀による政策金利引き上げがあった一方、賃料上昇等が旺盛な投資意欲を支え、引き続き国内外投資家による活発な投資活動が継続しました。 こうした環境のもと、当社グループの連結業績につきましては、売上高は508億55百万円(前期比20.9%増)、営業利益は151億9百万円(同14.5%増)、経常利益は129億80百万円(同11.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は110億32百万円(同15.3%増)となりました。 各セグメントの業績は、次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度比較売上高営業利益売上高営業利益売上高営業利益ビルディング事業37,99713,01046,23614,6578,2391,646アセットマネジメント事業4,0782,3554,6192,737540381調整額-△2,169-△2,284-△114計42,07513,19650,85515,1098,7791,913 前連結会計年度及び当連結会計年度における主要な顧客ごとの売上高及び売上高に対する当該割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)平和不動産リート投資法人8,72720.715,90931.3 (1)ビルディング事業 ビルディング事業のうち、賃貸収益は、当期に開業したキャプション by Hyatt 兜町 東京(東京都中央区)及びメルキュール東京日比谷(東京都千代田区)の収益貢献、増額改定に伴う賃貸収益の増加等により、289億32百万円(前期比5.1%増)となりました。また、物件売却収入は、販売用不動産売却の増加により、156億75百万円(同74.8%増)となりました。これにその他を含めた本事業の売上高は、462億36百万円(同21.7%増)、営業利益は、146億57百万円(同12.7%増)となりました。 <売上高の内訳> (単位:百万円)区 分前連結会計年度当連結会計年度面積(㎡)金額面積(㎡)金額賃貸収益土地賃貸面積 3,335.2427,517土地賃貸面積 3,313.0228,932建物賃貸面積 353,508.53建物賃貸面積 358,396.64物件売却収入-8,965-15,675その他-1,514-1,628計-37,997-46,236 (2)アセットマネジメント事業 アセットマネジメント事業のうち、アセットマネジメント収益は31億52百万円(前期比13.3%増)、仲介手数料は14億66百万円(同13.1%増)となり、本事業の売上高は46億19百万円(同13.3%増)、営業利益は27億37百万円(同16.2%増)となりました。 <売上高の内訳> (単位:百万円)区 分前連結会計年度当連結会計年度比較アセットマネジメント収益2,7813,152370仲介手数料1,2961,466169計4,0784,619540 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8億15百万円減少し、244億25百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加11億15百万円等があった一方、税金等調整前当期純利益158億98百万円等により、148億52百万円の資金の増加となりました。(前期は160億48百万円の増加) (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出207億77百万円及び投資有価証券の取得による支出70億円等により、264億70百万円の資金の減少となりました。(前期は248億39百万円の減少) (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出190億53百万円、配当金の支払額60億50百万円及び社債の償還による支出42億59百万円等があった一方、長期借入れによる収入389億71百万円等により、108億2百万円の資金の増加となりました。(前期は77億16百万円の増加) (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移項目2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率 31.7% 30.0% 30.9% 28.1%28.1%時価ベースの自己資本比率 38.4% 34.0% 36.0% 37.4%35.3%債務償還年数6.0年9.5年11.8年15.8年18.4年インタレスト・カバレッジ・レシオ 24.2倍 16.2倍 11.8倍 8.5倍5.9倍ネットD/Eレシオ1.5倍1.7倍1.6倍1.9倍1.9倍 (注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い ネットD/Eレシオ:(有利子負債-現金及び預金・有価証券)/純資産2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、流動負債 その他(一部)、社債、長期借入金、ノンリコース長期借入金、長期未払金であります。また、利払いは、連結損益計算書に計上されている支払利息を使用しております。3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。 ③生産、受注及び販売の実績 生産、受注及び販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループでは平和不動産グループパーパス「人々を惹きつける場づくりで、未来に豊かさをもたらす」を掲げ、平和不動産グループ長期ビジョン「WAY 2040」に沿い、中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」を推進しております。これらの計画に沿い、再開発事業の拡大、利益成長と資本効率向上の両立、社会価値の向上、経営基盤の強化等に取り組むことにより、企業価値の向上に努めてまいります。当連結会計年度においては、「札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業」(北海道札幌市)及び「SAPPORO ONE(大通西4南地区第一種市街地再開発事業)」(北海道札幌市)の事業推進、当期に開業した「キャプション by Hyatt 兜町 東京」(東京都中央区)及び「メルキュール東京日比谷」(東京都千代田区)のホテル収益の獲得、賃料増額改定による内部成長等に取り組みました。当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、営業利益は151億9百万円(前期比19億13百万円増)、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は110億32百万円(前期比14億66百万円増)となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりですが、特に主たる要因としては、国内経済の動向や賃貸オフィス市況及び不動産投資市場等の不動産市況の動向等が挙げられます。 また、当連結会計年度末の資産、負債、純資産の状況は次のとおりであります。 (単位:百万円) 前連結会計年度末当連結会計年度末比較資産419,541451,83832,297負債301,541325,07523,533純資産117,999126,7638,764有利子負債254,072272,68318,610(注)有利子負債は、短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、流動負債 その他(一部)、社債、長期借入金、ノンリコース長期借入金、長期未払金であります。 (資産) 当連結会計年度末における資産合計は4,518億38百万円となり、前連結会計年度末比322億97百万円の増加となりました。これは札幌再開発プロジェクトの参加組合員負担金及びキャプション by Hyatt 兜町 東京(東京都中央区)の建築費の支払い等に伴う建物及び構築物67億50百万円及び建設仮勘定23億58百万円、時価の上昇等に伴う投資有価証券86億14百万円、有価証券51億86百万円の増加等があったことによるものです。 なお、当連結会計年度末における賃貸等不動産及び賃貸等不動産として使用される部分を含む不動産に関する連結貸借対照表計上額は2,866億7百万円(期中減少247億9百万円)、時価は4,231億18百万円(期中減少166億83百万円)となっております。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は3,250億75百万円となり、前連結会計年度末比235億33百万円の増加となりました。これは有利子負債186億10百万円の増加等によるものです。 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は2,726億83百万円、ネットD/Eレシオ1.9倍となりました。中期経営計画「WAY 2040 Stage 1」の財務健全性の参考指標としてネットD/Eレシオ2.0倍程度を目安としていますが、当該水準の範囲内となっております。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,267億63百万円となり、前連結会計年度末比87億64百万円の増加となりました。これはその他有価証券評価差額金52億60百万円の増加等があったことによるものです。 なお、当連結会計年度において、9億99百万円の自己株式取得を機動的に実施するとともに、自己株式670万株の消却を実施いたしました。また資本コストや株価を意識した経営の更なる推進に向けた取り組みとして、政策保有株式縮減を加速させたことに伴い、連結配当性向を50%とする株主還元方針に沿った普通配当に加え、特別配当を実施いたしました。 また、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (財政状態の分析) 当連結会計年度末におけるセグメントごとの資産の状況は、ビルディング事業の資産は、札幌再開発プロジェクトの参加組合員負担金の支払い及びキャプション by Hyatt 兜町 東京(東京都中央区)の建築費の支払い等により、前連結会計年度末比で181億28百万円増加し、3,761億77百万円となりました。また、アセットマネジメント事業においては保有する平和不動産リート投資法人投資口の時価評価額の増加等により、前連結会計年度末比で48億45百万円増加し、280億26百万円となりました。 <セグメントごとの資産の状況> (単位:百万円) 前連結会計年度末当連結会計年度末比較ビルディング事業358,049376,17718,128アセットマネジメント事業23,18128,0264,845調整額38,31047,6349,324連結財務諸表計上額419,541451,83832,297 (経営成績の分析) セグメントごとの経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源については、主に事業活動から生じるキャッシュイン、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達となっており、これら調達した資金を運転資金、再開発事業やビルディング事業等の成長投資、株主還元及び安定的な経営のための内部留保にバランス良く配分いたします。なお、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、事業資産の運営費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用及び支払利息等の営業外費用であります。 また、ネットD/Eレシオを財務規律の指標と位置付け、資本政策、財務規律の適切な水準を維持することを基本方針としており、当連結会計年度末における借入金及び社債等の有利子負債残高は2,726億83百万円、有利子負債から現金及び預金・有価証券を減じたネット有利子負債残高は2,415億67百万円、ネットD/Eレシオは1.9倍となっております。 なお、当社は、再開発事業やビルディング事業をはじめとする長期的な事業を安定的に展開し、株主価値を向上させるために必要な内部留保の確保を前提とした上で、株主還元を実施しております。資本コスト及び資本効率を意識しつつ、事業投資リターン水準を踏まえ、2024年度から2026年度の株主還元においては、株主資本コスト及び資本効率等を意識し、連結配当性向50%とし、自己株式取得については株価水準、投資計画及び財務状況等を総合的に勘案した上で機動的に実施することを基本方針としております。また、資本コストや株価を意識した経営の更なる推進に向けた取り組みとして、政策保有株式縮減を加速させたことに伴い、連結配当性向を50%とする株主還元方針に沿った普通配当に加え、特別配当を実施いたしました。これにより、当連結会計年度の配当金の総額は65億51百万円(特別配当額10億円を含む)となりました。その結果、当連結会計年度の連結配当性向は59.2%となっております。 ③重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。なお、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 また、特に、固定資産の減損及び販売用不動産の評価については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • ビルディング事業の市場変動リスク
    オフィス賃貸事業は、経済情勢、需給バランス、地価の動向などによって賃料水準や稼働率が変動する可能性があります。特に、企業向けオフィスビルの賃貸が営業利益の過半を占めるため、市況悪化は賃貸収益の減少に直結し、業績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 不動産開発・売却におけるリスク
    不動産開発や売却は、景気動向、不動産市場の需要悪化、建築費の上昇、金利・為替の変動、税制変更など、多様な要因によって採算性が低下する可能性があります。想定通りの収益が得られない場合や、売却が遅延する場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 有利子負債と金利変動リスク
    賃貸事業資産の取得や開発資金を主に有利子負債で調達しているため、金融情勢や金利の動向によっては金融費用が増加し、業績に影響を与える可能性があります。金利変動リスクを低減するため、長期借入や金利固定化を進めていますが、想定外の状況では影響を受ける可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,850 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループでは、事業遂行上のリスクを「リスク管理委員会」にて把握・検討し、対象となるリスク及び管理の所在等を明確にしております。また、リスクを適切に管理・統制すると共に、リスクの顕在化を可能な限り防止し、顕在化した場合はその影響を最小限にとどめるため、リスクマネジメント体制を整備しております。 (1)ビルディング事業について 当社グループは、ビルディング事業において証券取引所、オフィス、商業施設及び住宅等の開発・賃貸・管理並びに売却等を行っておりますが、このうち企業向けオフィスビルの賃貸がビルディング事業セグメントの営業利益の過半を占めております。 オフィス賃貸事業は、地価の動向等のほかに、経済情勢、需給バランスの悪化など様々な要因によって、新規入居や退去の状況、賃料改定動向等の賃貸市況が変化し、賃貸料の水準や稼働率が影響を受ける可能性があり、これらの結果、賃貸収益が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、景気変動による賃貸料減少の影響を相対的に受けにくいと判断している東京都心3区、地方主要都市を中心にビルディング事業を展開することなどにより、賃貸収益が大きく減少するリスクの低減を図っておりますが、当該地域における賃貸料や稼働率が当社が想定する以上に景気変動、需給バランスの悪化等による影響を受けた場合などには、当社グループの賃貸収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 不動産開発及び売却においては、景気動向や不動産市場における需要の悪化、資材その他の建築費等の上昇等による投資の採算性の低下、今後の金利及び為替の動向、地価の動向、競合の状況、開発用地の仕入れの状況、共同事業者の破綻、開発の遅延、税制の変更等により、想定どおりの収益を獲得できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、売却目的不動産等のリスクコントロールに関する取扱いを定めること等により、売却までに景気変動等の影響を受ける可能性の低減を図っておりますが、当社グループが想定しない事情が生じた場合や、想定どおりの時期に売却できない場合等においては、想定した収益を獲得できない可能性があります。また、住宅分譲事業については、現在進行中のプロジェクトはありませんが、今後住宅分譲事業を行う場合には、大型物件の竣工及び引渡し等による業績変動、共同事業者の破綻、供給過剰による販売競争の激化等により、想定どおりの収益を獲得できない可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (2)日本橋兜町・茅場町及び札幌再開発等の不動産開発について 当社グループでは日本橋兜町・茅場町及び札幌再開発等の不動産開発を行っておりますが、既存ビルの取壊し等の際には、テナントの立ち退きに関する費用や建物の除却損等により特別損失が発生することがあります。また、現在賃貸収益を得ている既存の賃貸事業資産を再開発する際には、開発期間中は当該資産からの賃貸収益が減少することがあります。さらに、不動産開発に際しては、計画的な事業計画の立案・推進等を行っておりますが、当社が計画時に想定していなかった事情により、地価や資材その他の建築費等の上昇、開発にかかる許認可手続きの遅延、関係者との合意形成期間の長期化、建設工事等の不備やオフィス市況の悪化によるテナント誘致の遅延等が生じることにより、想定外の費用発生やプロジェクトの遅延もしくは中止による賃貸収益の減少等を余儀なくされる場合があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)賃貸事業資産及び収益用不動産への投資と有利子負債残高の推移について 当社グループは、収益力の強化・安定を目指し、賃貸事業資産及び収益用不動産の取得や建替え、開発等を進めておりますが、その取得資金や建設資金等を主に有利子負債により調達していることから、金融情勢や金利の動向等によっては金融費用が増加し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、有利子負債の調達の大半を長期による借入とし、借入の大半について金利を固定化して金利変動による影響を少なくするべく対処しておりますが、金融情勢や金利の動向等の環境が当社グループの想定と異なる状況となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、過去5連結会計年度における有利子負債残高及びネットD/Eレシオ等は、次のとおりであります。 区 分第102期 2021年4月1日~2022年3月31日第103期 2022年4月1日~2023年3月31日第104期 2023年4月1日~2024年3月31日第105期 2024年4月1日~2025年3月31日第106期 2025年4月1日~2026年3月31日有利子負債残高(百万円)206,236226,895231,323254,072272,683ネット有利子負債残高(百万円)178,009198,987202,902228,731241,567ネットD/Eレシオ(倍)1.51.71.61.91.9 (注)有利子負債は、短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、流動負債 その他(一部)、社債、長期借入金、ノンリコース長期借入金、長期未払金であります。ネットD/Eレシオは、ネット有利子負債(有利子負債から現金及び預金・有価証券を減じたもの)を純資産で除したものであります。 (4)資産価格の変動について 当社グループが保有する賃貸事業資産については、一部の少額資産を除き外部の不動産鑑定会社による鑑定評価等の価格評価を毎期末に取得しており、資産価格の変動を注視しておりますが、今後の不動産市況の動向等により、当社グループが保有する不動産の価格が下落した場合等には、減損損失及び棚卸資産に対する評価損の計上等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、投資有価証券を保有しており、政策保有株式については、中長期的な事業展開上有益であると考えられる、取引関係の強化、財務活動の円滑化、事業提携の強化等を目的として、株式の政策保有を行っています。当社は、毎年、取締役会において、中長期的な事業展開上有益であると考えられる、取引関係の強化、財務活動の円滑化、業務提携の強化等の保有目的に沿っているか、及び個別の政策保有株式について、保有に伴う便益や資本コスト等を総合的に勘案し、保有の適否を検証しております。かかる検証の結果、保有の妥当性が認められないと判断された場合には、株価や市場動向等を考慮して売却することにより縮減していくこととしておりますが、株式の市場価格が下落するなど、保有する投資有価証券の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (5)繰延税金資産に係る財務上の影響について 当社グループは、将来の課税所得の見積り等に基づいて繰延税金資産の回収可能性を評価しております。当社グループの経営計画に基づき将来の課税所得を見積っておりますが、景気変動、不動産市況、金融情勢の変化等により、計画どおりに推移せず、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を回収できないと判断した場合、あるいは税制関連の法令改正がなされ、法人税率の引き下げ等が行われた場合、繰延税金資産を減額し、税金費用を計上することになります。その結果、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。 (6)大成建設株式会社及び三菱地所株式会社との資本業務提携並びに当社、大成建設株式会社及び三菱地所株式会社の3社による資本業務提携に係る協定について 当社は、2011年2月17日付で、三菱地所株式会社との間で資本業務提携契約を締結しました。また、2024年6月7日付で、大成建設株式会社との間で資本業務提携契約を締結し、併せて、当社、大成建設株式会社及び三菱地所株式会社は、上記各資本業務提携契約に関し、3社間で資本業務提携に係る協定書を同日付で締結いたしました。現在、同契約及び協定書に基づき、大成建設株式会社及び三菱地所株式会社との間で密接な事業上の協働関係を構築のうえ、事業シナジーを最大化させるべく当該資本業務提携及び当該協定に取り組んでおりますが、事後的に発生した想定外の事象や環境の変化等によって、当該資本業務提携及び当該協定について当初期待した効果が得られない可能性があるほか、将来、何らかの事由により当該資本業務提携及び当該協定が終了する可能性もあり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)自然災害等について 地震その他の自然災害、事故やテロその他の人災により保有資産が劣化または消滅することにより修繕、建替のために多額の支出を余儀なくされたり、賃貸収益が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、保有資産に対する防災機能の強化及びBCP対策の強化等の施策により、自然災害等による影響の低減を図っておりますが、当社グループの想定しない事情が生じた場合には、これらの施策による効果が得られない可能性があります。 (8)不動産関連法制について 当社グループの各事業には、借地借家法、建築基準法、都市計画法等、各種法規制が適用されております。将来、これらの法規制が改正された場合や、新たな法規制が設けられた場合には、新たな義務や費用負担の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、法規制改正情報等の早期入手、弁護士による見解入手、許認可行政機関との円滑なコミュニケーション等を行っておりますが、このような施策にもかかわらず、当社グループの想定と異なる法規制の改正や新規制定が行われる可能性があります。 (9)従業員による不正リスクについて 当社グループは、内部統制システムの整備・維持を図り各種法令等の遵守に努めております。役職員の意識改革、管理体制の強化・充実等、内部通報制度の充実、不正行為に対する厳格な対応等の再発防止策を徹底しておりますが、これらの施策にも関わらず、従業員による不正行為があった場合、当社グループの社会的信用、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (10)サステナビリティに関するリスクについて 当社グループは、当社グループの経営計画なども踏まえつつ社会課題を洗い出し、当社としての重要度及びステークホルダーにとっての重要度という2軸で検討し、当社が目指す社会価値及びマテリアリティ(重要課題)を特定しており、サステナビリティ経営を重要課題の一つとして認識しています。当社グループの事業に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、「(7)自然災害等について」に記載のリスクに加え、環境負荷の小さい不動産開発・運営を求める規制の強化による開発機会の減少や運営費用の増加、環境負荷の小さなオフィスビルへの顧客企業のニーズの変化及びこれらに対応できないことによるレピュテーションの低下などがあります。当社グループは、サステナビリティ経営の実践に向けた、サステナビリティ施策の円滑な推進を目的に、代表執行役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を中心に、気候変動などの環境に対する取り組みを含め、サステナビリティ施策に関するPDCAをモニタリングし、重要な内容については取締役会への報告等を行うことにより、サステナビリティ経営の実効性を高めておりますが、これらのリスクへの対応が遅れる場合は、当社グループへの業績及び財務状況に想定を超える影響を与える可能性があります。 (11)情報セキュリティに関するリスクについて 当社グループでは、各事業において個人情報をはじめとする多くの機密情報を取り扱っており、サイバー攻撃、当社グループの役職員によって外部への情報漏えいが発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、損害賠償の発生等により、当社グループへの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループは、情報セキュリティ管理体制の確立、基本方針に基づいた社内規程の整備、情報セキュリティの確保に必要な教育等の継続的な実施等による不正アクセス、破壊、情報漏えい、改ざん、紛失、盗難などの脅威から情報資産を確保し、安全性を確保するために、適切な対策の実施に努めておりますが、サイバー攻撃は日々高度化しており、これらの対策によっても全ての情報漏えいを防ぐことができる保証はなく、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループへの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、当社グループは業務運営にあたって情報通信システムを用いており、当該システムがサイバー攻撃を受けた場合や当該システムにシステム障害が発生した場合などには一定期間業務運営が停止することなどにより当社グループへの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (12)感染症に関するリスクについて 新型コロナウイルス感染症のような感染症の大規模な流行が発生した場合、国内外における行動制限や経済活動の停滞等に伴い、当社グループの賃貸事業資産においてホテル稼働率の低下、入居テナントの業績悪化等による賃貸料の減額・退去、自社経営の店舗売上の減少等が起こり、当社グループへの業績及び財務状況に影響が生じる可能性があります。当社グループは、リスクマネジメント体制によりリスクマネジメントを行っておりますが、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループへの業績及び財務状況に想定を超える影響を与える可能性があります。

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