9001

東武鉄道(9001)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    東武鉄道グループは、鉄道を基盤にしながらも、運輸、レジャー、不動産、流通、その他と非常に幅広い事業を展開しています。これは、鉄道沿線の価値向上と地域社会への貢献を重視するビジネスモデルであり、特定の事業に依存しない安定した収益構造を目指しています。
  • 沿線地域の総合開発
    鉄道事業で人々の移動を支えつつ、沿線での不動産開発や商業施設の運営、観光施設の展開を通じて、地域全体の魅力を高めています。これにより、鉄道利用者の増加だけでなく、不動産価値の向上や消費活動の活性化にも貢献し、グループ全体の収益を多角的に生み出しています。
  • 生活密着型サービス提供
    百貨店やスーパーマーケットなどの流通事業、ホテルや遊園地などのレジャー事業を通じて、沿線住民の日常生活から余暇活動までを幅広くサポートしています。これにより、顧客との接点を増やし、グループ内での相乗効果を生み出すことで、安定的な顧客基盤を築いています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 運輸事業
    鉄道、バス、タクシー、貨物運送などを手掛ける東武グループの基盤事業です。売上高は2123.13億円、営業利益は312.85億円と、グループ内で最も高い営業利益を上げており、安定した収益源となっています。鉄道網を軸に沿線住民の生活を支え、地域経済の活性化に貢献しています。
  • レジャー事業
    遊園地、観光、スポーツ、旅行、ホテル、スカイツリー運営など、多岐にわたるレジャー関連サービスを提供しています。売上高は1748.34億円、営業利益は172.42億円と、運輸事業に次ぐ規模で、特に東京スカイツリーや日光・鬼怒川といった観光資源を活用し、国内外からの集客で収益を上げています。
  • 不動産事業
    不動産の賃貸、分譲、そしてスカイツリータウンの運営を行っています。売上高は468.09億円、営業利益は147.45億円です。沿線開発と連携し、商業施設や住宅の賃貸・分譲を通じて、安定的な収益を確保しており、沿線価値向上にも寄与しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Transportation 事業 2,123 313 14.7%
Leisure 事業 1,748 172 9.9%
RealEstate 事業 468 147 31.5%
Logistics 事業 1,618 76 4.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|645 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社73社及び関連会社11社で構成され、主要な事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 (1) 運輸事業(31社)事業の内容会 社 名鉄道業当社、上毛電気鉄道㈱※1バス・タクシー業朝日自動車㈱※1、東武バス㈱※1貨物運送業東武運輸㈱※1 その他26社 (2) レジャー事業(26社)事業の内容会 社 名遊園地・観光業東武レジャー企画㈱※1スポーツ業東武興業㈱※1、蔵王ロープウェイ㈱※2旅行業東武トップツアーズ㈱※1ホテル業当社、㈱東武ホテルマネジメント※1スカイツリー業東武タワースカイツリー㈱※1 その他19社 (3) 不動産事業(4社)事業の内容会 社 名不動産賃貸業当社、東武不動産㈱※1不動産分譲業当社スカイツリータウン業当社、東武タウンソラマチ㈱※1 その他1社 (4) 流通事業(9社)事業の内容会 社 名百貨店業㈱東武百貨店※1、㈱東武宇都宮百貨店※1ストア業㈱東武ストア※1その他業東武商事㈱※1、東武食品サービス㈱※1 その他4社 (5) その他事業(17社)事業の内容会 社 名建設業東武建設㈱※1、東武谷内田建設㈱※1その他業東武ビルマネジメント㈱※1、東武シェアードサービス㈱※1 その他13社 (注)1※1 連結子会社2※2 持分法適用関連会社3上記部門の会社数には当社が重複して含まれております。 企業集団の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
鉄道事業の運賃設定・変更は国土交通大臣の認可が必要であり、総括原価方式で審査されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
鉄道事業法により、路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の認可が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法的規制による運賃設定の制約 / 出生率低下による人口減少・少子高齢化 / ライフスタイルの変化による移動需要の減少
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

東武鉄道は、首都圏、特に埼玉県・千葉県・東京都東部において、地域住民の生活に不可欠な鉄道網を長年にわたり築き上げてきた。沿線開発によるブランド力や、長年の歴史に裏打ちされた地域社会との信頼関係は、無形資産として一定の価値を持つ。特に、日光・浅草といった観光資源へのアクセスを担うことで、独自のブランドイメージを形成している。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

沿線住民にとって、通勤・通学等で利用する鉄道会社を変更することは、生活圏の変更を伴うため、スイッチングコストは高い。しかし、近距離の移動や、他の交通手段(バス、自家用車、自転車)との選択肢がある場合は、そのコストは相対的に低下する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄道事業自体に直接的なネットワーク効果は限定的である。利用者が増えても、個々の乗客にとっての鉄道の価値が直接的に向上するわけではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄道インフラの維持・管理には巨額の固定費がかかるため、新規参入は困難である。また、長年の事業運営で培われたノウハウや、効率的な運行システムは一定のコスト優位性をもたらす可能性があるが、競合他社も同様の努力をしているため、構造的なコスト優位性は限定的。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

東武鉄道は、首都圏における広範な路線網と、それに付随する不動産開発(商業施設、住宅)などを一体的に展開しており、その事業規模は大きい。特に、鉄道事業と沿線開発を組み合わせたビジネスモデルは、規模の経済を活かした効率的な事業運営を可能にしている。首都圏の鉄道事業者としては、上位の規模を持つ。

  • 広範な事業ポートフォリオ
    東武鉄道グループは、鉄道、バス、不動産、レジャー施設(スカイツリー、遊園地など)、百貨店、スーパーといった多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、各事業が相互に連携して顧客の囲い込みや沿線価値向上に貢献できる点が強みです。
  • 沿線開発と地域密着
    鉄道網を基盤とした沿線開発に強みを持ち、住宅地、商業施設、観光地を一体的に開発することで、地域全体の魅力を高めています。これにより、鉄道利用者の増加だけでなく、不動産賃貸収入や商業施設の売上にも繋がり、地域住民の生活に深く根差した安定的な収益基盤を構築しています。
  • 観光資源の保有と活用
    東京スカイツリーや日光・鬼怒川といった著名な観光地へのアクセスを担い、自社でホテルやレジャー施設も運営しています。これにより、国内外からの観光客を誘致し、運輸事業だけでなくレジャー事業全体の収益に繋げることで、高い集客力と収益機会を創出しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 非鉄道事業の収益力強化
    長期経営ビジョンでは、営業利益に占める非鉄道事業の割合増加を目指しています。特にインバウンド需要が見込まれるホテル業やスカイツリー業などの観光事業、および沿線での開発余地があるまちづくり事業を成長領域と位置付け、重点的な投資により収益拡大を図る方針です。
  • 観光需要の取り込みと強化
    国内外からの観光需要を最大限に取り込むため、グループ全体で事業拠点の強化、魅力的なサービスの構築、ブランド力の向上、情報発信の強化を進めています。これにより、多様化する旅行ニーズに対応し、観光客の誘致と収益の最大化を目指しています。
  • 持続可能な事業運営体制の確立
    人口減少と労働力不足に対応するため、ワンマン運転の拡充やDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用を進め、業務効率化と省力化を図ります。また、環境負荷の低減や人的資本の強化にも取り組み、社会の変化に対応できる持続可能な事業運営体制を構築することで、長期的な成長基盤を確立する方針です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営理念、経営方針当社グループでは以下のとおり、「東武グループ経営理念」、「東武グループ経営方針」を定めております。① 東武グループ経営理念東武グループでは、「奉仕」「進取」「和親」を経営の拠り所としています。「奉仕」:東武グループは、東武グループの全ての事業が社会に支えられていることを深く自覚し、豊かな社会の実現に貢献します。「進取」:東武グループは、現状に甘んじることなく、常に研鑚に励み、時代を切り開く開拓者精神をもって新たな挑戦を続けます。「和親」:東武グループは、人の和や環境との調和をもとに事業の発展と従業員の幸福を図り、社会の進展に寄与します。 ② 東武グループ経営方針お客様の暮らしに密着した事業を通じて沿線地域の発展に貢献する企業グループとして、安全・安心を根幹に「運輸」「レジャー」「不動産」「流通」等の事業を多角的、複合的に展開します。お客様の視点に立ち、質の高い先進性や独創性あふれるサービスを提供し、活力に富んだ暮らしやすく訪れたい東武沿線の実現を目指します。事業を通じて安定的に利益を創出しながら、環境にも配慮した経営を進め、お客様の生活を担う企業グループとして地域社会とともに持続的に発展することにより、企業の社会的責任を果たします。 (2) 経営環境、対処すべき課題当社グループは、2024年4月に策定した長期経営ビジョン「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」の実現に向け、事業環境やニーズの変化を先取りする「挑戦」と、グループ内外の関係者との連携により新たな価値を創出する「協創」を通じ、基盤である沿線の持続的な発展とグループ成長の両立を目指しております。具体的には、「営業利益段階における非鉄道事業割合の増加」、「観光需要を捉えた収益力強化」、「持続的な事業運営体制の確立」を注力するポイントとし、各種施策を推進しております。今後の事業環境は、インバウンド需要の継続が見込まれる一方で、働き方の変化や価値観の多様化、デジタル技術の進展などにより、これまで以上に変化の速度が増し、先行きの見通しが難しくなっています。加えて、人口減少・少子高齢化の進展に伴う沿線需要の構造的変化、物価・人件費・金利の上昇、労働力不足の拡大など、厳しい事業環境が想定され、既存の延長線上での事業展開のみでは、グループの持続的な成長は見込めないと認識しております。こうした事業環境下においても、成長領域として位置付ける観光事業やまちづくりなどのプロジェクトを加速させるとともに、東武スカイツリーラインと東京メトロ有楽町線との新たな相互直通運転実施などの大型プロジェクトを着実に進捗させ、沿線価値の向上を図ることでさらなる成長が可能であると考えております。また、足元の収益性の状況や大型プロジェクトの進捗・完成時期の見通しなどを踏まえ、長期経営ビジョンの目標として、「2030年代半ばに営業利益1,000億円以上」の達成を目指してまいります。 「営業利益段階における非鉄道事業割合の増加」については、インバウンドを中心として市場の成長が見込めるホテル業やスカイツリー業をはじめとする「観光事業」と、沿線での開発余地のある「開発事業(まちづくり)」を成長領域と位置付け、重点的に投資を行うことで、中長期的な収益・利益拡大に資する事業の育成と領域の拡張を図ります。また、生体認証サービス「SAKULaLa」をはじめとする、既存事業の領域を超えた新たな事業フィールドを探索し、将来を見据えた収益源の確立を目指してまいります。 「観光需要を捉えた収益力強化」については、当社グループを挙げての「事業拠点強化・サービス構築・ブランディング・情報発信」により、インバウンドや多様化する国内旅行などの観光需要を取り込み、収益の最大化を図ります。 「持続的な事業運営体制の確立」については、ワンマン運転の拡充やDXの活用など国内人口と労働力減少への対応、環境負荷の低減・人的資本の強化を図り、持続可能な運営体制を構築します。 当社グループは、1897年の設立以来、社会とともに持続的な発展を遂げてまいりました。1969年には当社社是として「奉仕」「進取」「和親」を制定、現在はこれを「東武グループ経営理念」として掲げ、安全・安心を根幹に、活力に富んだ暮らしやすく訪れたい東武沿線の実現を目指す「東武グループ経営方針」のもと、事業を通じて社会課題の解決に取組むことで、社会の持続的な発展の一端を担いつつ、当社グループも発展してまいりました。これからも、沿線の特長や経営資源を活かしながら、社会課題の解決を通じて、将来にわたって新たな価値を創造し、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」を実現することで、社会に不可欠な企業集団として存続してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営理念、経営方針当社グループでは以下のとおり、「東武グループ経営理念」、「東武グループ経営方針」を定めております。① 東武グループ経営理念東武グループでは、「奉仕」「進取」「和親」を経営の拠り所としています。「奉仕」:東武グループは、東武グループの全ての事業が社会に支えられていることを深く自覚し、豊かな社会の実現に貢献します。「進取」:東武グループは、現状に甘んじることなく、常に研鑚に励み、時代を切り開く開拓者精神をもって新たな挑戦を続けます。「和親」:東武グループは、人の和や環境との調和をもとに事業の発展と従業員の幸福を図り、社会の進展に寄与します。 ② 東武グループ経営方針お客様の暮らしに密着した事業を通じて沿線地域の発展に貢献する企業グループとして、安全・安心を根幹に「運輸」「レジャー」「不動産」「流通」等の事業を多角的、複合的に展開します。お客様の視点に立ち、質の高い先進性や独創性あふれるサービスを提供し、活力に富んだ暮らしやすく訪れたい東武沿線の実現を目指します。事業を通じて安定的に利益を創出しながら、環境にも配慮した経営を進め、お客様の生活を担う企業グループとして地域社会とともに持続的に発展することにより、企業の社会的責任を果たします。 (2) 経営環境、対処すべき課題当社グループは、2024年4月に策定した長期経営ビジョン「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」の実現に向け、事業環境やニーズの変化を先取りする「挑戦」と、グループ内外の関係者との連携により新たな価値を創出する「協創」を通じ、基盤である沿線の持続的な発展とグループ成長の両立を目指しております。具体的には、「営業利益段階における非鉄道事業割合の増加」、「観光需要を捉えた収益力強化」、「持続的な事業運営体制の確立」を注力するポイントとし、各種施策を推進しております。今後の事業環境は、インバウンド需要の継続が見込まれる一方で、働き方の変化や価値観の多様化、デジタル技術の進展などにより、これまで以上に変化の速度が増し、先行きの見通しが難しくなっています。加えて、人口減少・少子高齢化の進展に伴う沿線需要の構造的変化、物価・人件費・金利の上昇、労働力不足の拡大など、厳しい事業環境が想定され、既存の延長線上での事業展開のみでは、グループの持続的な成長は見込めないと認識しております。こうした事業環境下においても、成長領域として位置付ける観光事業やまちづくりなどのプロジェクトを加速させるとともに、東武スカイツリーラインと東京メトロ有楽町線との新たな相互直通運転実施などの大型プロジェクトを着実に進捗させ、沿線価値の向上を図ることでさらなる成長が可能であると考えております。また、足元の収益性の状況や大型プロジェクトの進捗・完成時期の見通しなどを踏まえ、長期経営ビジョンの目標として、「2030年代半ばに営業利益1,000億円以上」の達成を目指してまいります。 「営業利益段階における非鉄道事業割合の増加」については、インバウンドを中心として市場の成長が見込めるホテル業やスカイツリー業をはじめとする「観光事業」と、沿線での開発余地のある「開発事業(まちづくり)」を成長領域と位置付け、重点的に投資を行うことで、中長期的な収益・利益拡大に資する事業の育成と領域の拡張を図ります。また、生体認証サービス「SAKULaLa」をはじめとする、既存事業の領域を超えた新たな事業フィールドを探索し、将来を見据えた収益源の確立を目指してまいります。 「観光需要を捉えた収益力強化」については、当社グループを挙げての「事業拠点強化・サービス構築・ブランディング・情報発信」により、インバウンドや多様化する国内旅行などの観光需要を取り込み、収益の最大化を図ります。 「持続的な事業運営体制の確立」については、ワンマン運転の拡充やDXの活用など国内人口と労働力減少への対応、環境負荷の低減・人的資本の強化を図り、持続可能な運営体制を構築します。 当社グループは、1897年の設立以来、社会とともに持続的な発展を遂げてまいりました。1969年には当社社是として「奉仕」「進取」「和親」を制定、現在はこれを「東武グループ経営理念」として掲げ、安全・安心を根幹に、活力に富んだ暮らしやすく訪れたい東武沿線の実現を目指す「東武グループ経営方針」のもと、事業を通じて社会課題の解決に取組むことで、社会の持続的な発展の一端を担いつつ、当社グループも発展してまいりました。これからも、沿線の特長や経営資源を活かしながら、社会課題の解決を通じて、将来にわたって新たな価値を創造し、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」を実現することで、社会に不可欠な企業集団として存続してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の拡大等を背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方、物価動向や米国の通商政策をめぐる動向及び中東情勢の影響等、景気を下押しするリスクについて、引き続き注視する必要があります。当社グループにおきましては、持続的な成長に向けて、「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」を長期経営ビジョンに定め、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」の実現に向けて、取組みを進めてまいりました。2025年度の連結業績は、以下のとおりであります。① 営業収益旅行業における国内旅行需要やホテル業を中心としたインバウンド需要の着実な取り込みに加えて、鉄道業における長期休暇期間を中心とした定期外の輸送人員増加等による増収により、営業収益は655,435百万円(前期比3.8%増)となりました。② 営業利益営業収益全体では増収であったものの、鉄道業における人件費や修繕費等の維持管理費用の増加に加えて、新東武カードの発行に係る一時的な費用の増加により、営業利益は71,861百万円(前期比3.7%減)となりました。③ 経常利益営業外収益については、6,118百万円(前期比5.7%増)、営業外費用については、支払利息の増加により9,149百万円(前期比19.1%増)をそれぞれ計上し、経常利益は68,831百万円(前期比5.3%減)となりました。④ 親会社株主に帰属する当期純利益特別利益については、政策保有株式売却に伴う投資有価証券売却益の計上等により、19,370百万円(前期比42.0%増)となり、特別損失については、8,291百万円(前期比20.6%減)をそれぞれ計上いたしました。これらの結果、税金等調整前当期純利益は79,909百万円(前期比5.3%増)を計上し、法人税等を控除した当期純利益は56,023百万円(前期比8.5%増)となりました。また、ここから非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は55,620百万円(前期比8.4%増)となりました。 セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。また、各セグメントの営業成績のうち「調整額」は内部取引消去額を表しております。 (運輸事業)鉄道業におきまして、当社では、利便性向上と特急列車の需要増に対応するため東武スカイツリーライン・日光線等でダイヤ改正を実施いたしました。また、引き続き好評をいただいている「スペーシア X」をはじめとした特急列車の臨時運行により、お客様の乗車機会拡大と日光・鬼怒川及び両毛エリアへの誘客を図りました。このほか、沿線自治体と連携した列車運行や、沿線スポーツチームとのコラボレーション企画により、地域の魅力創出・発信を図りました。さらに、持続的な輸送サービスの確立に向けて東武スカイツリーライン緩行線(北千住~北越谷間の普通列車)でワンマン運転を開始したほか、東武宇都宮線で生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を活用した顔認証改札を導入いたしました。安全面では、高架化工事を推進し、東武スカイツリーラインにおいて、とうきょうスカイツリー駅付近で下りホームを、春日部駅付近で下り仮線・仮ホームの使用を開始いたしました。また、ホーム上の安全対策としてホーム柵の整備を着実に進めました。 バス・タクシー業におきまして、東武バスセントラル㈱等では、路線バスの運賃改定を実施したほか、柏の葉地域で自動運転レベル4の認可を取得して運行を開始いたしました。また、廃食油由来のバイオ燃料を東武バス日光㈱の全車両へ導入したほか、奥日光では大型EVバスの自動運転実証実験を行い、次世代交通と環境負荷低減を推進いたしました。運輸事業全体としては、通勤利用の回復や長期休暇期間を中心とした定期外の輸送人員増加等により、営業収益は218,646百万円(前期比1.2%増)、営業利益は将来にわたって持続可能な事業運営体制確立のため省人化・省力化の推進等、費用削減に向けた取組みを進めているものの、処遇改善による人件費や物価上昇等による修繕費の増加等により、27,644百万円(前期比11.6%減)となりました。 (営業成績)業種別当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)鉄道業164,2721.5バス・タクシー業32,6243.0貨物運送業22,163△3.7小計219,0601.2調整額△414―営業収益計218,6461.2 (提出会社の鉄道業成績)種別単位第205期第206期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)営業日数 日365365営業キロ キロ463.3463.3客車走行キロ 千キロ261,259260,079 定期千人532,838542,120輸送人員定期外〃324,744335,081 計〃857,582877,201 定期百万円60,98761,714旅客収入定期外〃84,84287,593 計〃145,830149,307運輸雑収 〃14,31314,400収入合計 〃160,143163,7071日平均収入 〃438448乗車効率 %30.631.3 (注) 1 乗車効率の算出方法 乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)÷(客車走行キロ×平均定員)×100 乗車効率とは、客車走行車両定員に対する旅客輸送量を見るためのものであります。2 定期外旅客収入は、特急料金及び座席指定料金を含んでおります。 (東武鉄道株式会社路線図) (レジャー事業)スカイツリー業におきまして、「東京スカイツリー®」では、営業時間の拡大、人気コンテンツとのコラボレーションイベント及び1階のイベントスペース「SKYTREE SPACE」にて、体験型イベントを誘致したほか、積極的な海外プロモーションにより訪日外国人観光客を集客するなど入場者数の増加に努め、増収を図りました。ホテル業におきまして、当社及び㈱東武ホテルマネジメントでは、インバウンド需要と円安基調を背景に、都内を中心に稼働率と客室単価の向上を図りました。また「ザ・リッツ・カールトン日光」では、車窓より四季のいろは坂を望み、快適に移動を楽しめる専用シャトルバスを導入し、増収に努めました。旅行業におきまして、東武トップツアーズ㈱では、「大阪・関西万博」において、来場者の安全かつ円滑な輸送を実現するため、パーク&ライド事業をはじめとした交通運営本部の受託及び入場券販売を実施したほか、インバウンド市場の拡大を背景にクルーズ事業を展開するなど、増収に努めました。以上の結果、レジャー事業全体としては、営業収益は189,584百万円(前期比8.0%増)、営業利益は18,446百万円(前期比7.0%増)となりました。 (営業成績)業種別当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)遊園地・観光業5,5269.0スポーツ業6,2200.8旅行業124,0349.7ホテル業37,4567.3スカイツリー業16,536△0.4小計189,7738.0調整額△189―営業収益計189,5848.0 (不動産事業)スカイツリータウン業におきまして、「東京スカイツリータウン®」では、ビアガーデンやイルミネーション等、年間を通じた様々なイベントを実施するとともに、キャラクターコンテンツを中心とした物販での集客により、国内外の観光需要を捉えることができ、前期に続き過去最高の年間売上を達成いたしました。不動産賃貸業におきまして、当社では、「EQUiA(エキア)越谷」第Ⅱ期エリアをオープンしたほか、「草加ヴァリエ」のリニューアルグランドオープンにより、増収とお客様の利便性向上を図りました。不動産分譲業におきまして、当社では、沿線価値向上と沿線定住人口増加を目的として、分譲マンション「ソライエテラス ウエスト」(草加市)及び「ソライエ南桜井」(春日部市)等の販売をいたしました。不動産事業全体としては、マンションの計画販売戸数の減少等により、営業収益は59,075百万円(前期比1.4%減)となったものの、「東京スカイツリータウン」をはじめとした各商業施設が好調に推移し、営業利益は15,892百万円(前期比7.8%増)となりました。 (営業成績)業種別当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)不動産賃貸業36,6670.4不動産分譲業8,662△15.8スカイツリータウン業13,9134.6小計59,243△1.4調整額△168―営業収益計59,075△1.4 (流通事業)百貨店業におきまして、㈱東武百貨店では、池袋店において地域商環境や地域の多様なニーズ、インバウンド需要などに対応した商品戦略や販売計画の構築を図るとともに、キャラクターとのコラボレーション及び地域・産学連携のイベントを実施し、多世代に向けた来店動機創出と増収に努めました。ストア業におきまして、㈱東武ストアでは、西川口店及び朝霞店をリニューアルオープンしたほか、自社オリジナル商品の開発・販売等に注力し、集客と増収に努めました。そのほか、東武マーケティング㈱では、商品性の高い新しい東武カードの発行を開始し、カード利用による利便性向上を通じた利用促進及びグループ各事業間でのシナジー創出により、増収に努めました。流通事業全体としては、百貨店業及びストア業における店舗リニューアル等が奏功したことにより、営業収益は176,135百万円(前期比2.0%増)となったものの、新しい東武カード発行に伴い一時的に費用が増加したことから、営業利益は6,004百万円(前期比20.6%減)となりました。 (営業成績)業種別当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)百貨店業63,4803.5ストア業75,0250.7その他業39,7071.7小計178,2131.9調整額△2,077―営業収益計176,1352.0 (その他事業)建設業におきまして、東武建設㈱では、立川市において教習所の新築工事を、東武谷内田建設㈱では、北区において化学品研究所の建設工事をそれぞれ完了いたしました。そのほか、東武ビルマネジメント㈱では、豊島区において公園の清掃業務を受注するなど増収に努めました。その他事業全体としては、完成工事増による増収により、営業収益は92,645百万円(前期比6.1%増)、営業利益は6,955百万円(前期比9.7%増)となりました。 (営業成績)業種別当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)建設業55,4535.0その他業37,6697.7小計93,1226.1調整額△476―営業収益計92,6456.1 なお、当社グループのサービス、生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種のサービス、製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 (2) 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の取得等により1,863,562百万円となり、前連結会計年度末と比べ110,361百万円(前期比6.3%増)の増加となりました。負債は、有利子負債の増加及び投資有価証券の時価上昇に伴う繰延税金負債の増加等により1,241,335百万円となり、前連結会計年度末と比べ48,887百万円(前期比4.1%増)の増加となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により622,227百万円となり、前連結会計年度末と比べ61,474百万円(前期比11.0%増)の増加となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、44,207百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,271百万円の増加となりました。当連結会計年度末に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益79,909百万円に、減価償却費55,213百万円等を加減算した結果、106,640百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べて税金等調整前当期純利益が増加したこと及び仕入債務が増加したこと等により16,567百万円の資金収入の増加となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、82,720百万円の資金支出となりました。前連結会計年度に比べて固定資産の取得による支出が減少したこと等により4,057百万円の資金支出の減少となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、14,652百万円の資金支出となりました。前連結会計年度に比べて社債償還による支出が増加したこと等により14,973百万円の資金支出の増加となりました。 (資金需要の主な内容)当社グループの資金需要は、営業取引に係る運転資金、設備投資等に係る資金、有利子負債の返済並びに配当等の資金を主としております。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。 (資本の財源及び資金の流動性)短期的な運転資金は、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、取引銀行との総額90,000百万円の貸出コミットメント契約やコマーシャル・ペーパーの発行並びに、当社グループではキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)によりグループ内の余剰資金を有効に活用しております。また、運輸事業や流通事業を中心に日々の収入金があり、必要な流動性は確保しているとともに、十分な水準の資金を保有しております。設備投資等の長期的な必要資金については、営業活動で得た資金に加え、主力事業である鉄道事業の特性を鑑み、長期安定的な資金調達を行うために、借入金のほか、社債の発行及びシンジケート・ローンの組成、リース等の多様な選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。同時に、年度別償還額の集中を避けることで、将来の借り換えリスクの低減に努めているとともに、金利上昇リスクに備え、固定金利と変動金利のそれぞれの負債残高のバランスを考慮しております。 (4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、対処すべき課題」に記載のとおり、持続的な成長の実現に向けた将来像として「長期経営ビジョン」を策定しております。また、これにもとづき2024年度から2027年度までの4か年を計画期間とする「中期経営計画」を推進しており、当該経営期間において意識する経営指標の想定値を以下のとおりとしております。 (意識する経営指標)経営指標想定値当連結会計年度実績収益性営業利益・2027年度:740億円・2030年代半ば:1,000億円以上718億円資本効率性ROE・~2030年代半ば:8%以上の維持・向上9.5%株主還元総還元性向・中期経営計画期間 期間中想定(2024~2027年度):総還元性向50%以上を目指し、DOE2.2%以上を意識し段階的に引き上げ・2028年度以降:さらなる拡充を検討―DOE2.4%財務健全性有利子負債/EBITDA倍率・~2030年代半ば:6倍台6.2倍自己資本比率・~2030年代半ば:30%以上33.0% 中期経営計画2年目となる当連結会計年度においては、ROEは9.5%となり目標水準を上回ったほか、営業利益は718億円、自己資本比率は33.0%となるなど、収益性及び資本効率性の面で着実な成果を上げることができました。また、DOEは2.4%となり目標水準を上回るなど株主還元についても計画に沿って順調に進捗いたしました。さらに、有利子負債/EBITDA倍率は6.2倍となるなど、財務健全性の面においても計画どおり推移しております。今後も、外部環境の変化に適切に対応しつつ、成長領域として位置付ける観光事業や開発事業を加速させるとともに、収益基盤の一層の強化、資本効率の向上及び株主還元の充実を通じて、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にもとづき作成されております。その作成にあたり経営者は、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わねばなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。① 株式等の投資当社グループが保有する株式等の有価証券については、将来の株式市況の悪化または投資対象会社の業績不振等により時価の著しい下落が生じた際には、損失の計上が必要となる場合があります。② 販売用不動産の評価当社グループが保有する販売用不動産については、地価の下落や市況悪化等により正味売却価額が帳簿価額を下回った場合には、損失の計上が必要となる場合があります。③ 固定資産の減損当社グループが保有する固定資産のうち、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、経営環境に変化が生じ当初想定した収益が見込めないなど、将来キャッシュ・フローの見積りに用いた仮定に変更があった場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。 ④ 退職給付費用及び債務当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率にもとづいて算出されております。前提条件の変化や制度の変更が生じた場合には、退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 繰延税金資産当社グループは、将来の課税所得の計画にもとづき慎重にかつ実現(回収)可能な範囲において繰延税金資産を計上しておりますが、将来において既に計上している繰延税金資産の全部または一部を実現(回収)できないと判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できないと判断した繰延税金資産を取崩すとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額に加算し、当期純利益を減少させる場合があります。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない項目について、将来においてその全部または一部を実現(回収)できると判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できると判断した金額を繰延税金資産として計上するとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額から控除し、当期純利益を増加させる場合があります。

事業リスク

  • 法的規制と運賃設定
    鉄道事業は、運賃設定や路線の認可に関して国土交通大臣の認可が必要です。効率的な経営努力をしても原価上昇を運賃に反映できない場合、収益性が悪化する可能性があります。また、他の事業も様々な法令規制を受けるため、規制変更が業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 人口減少とライフスタイルの変化
    日本の出生率低下による人口減少と少子高齢化は、特に沿線地域の鉄道利用者数や消費活動に大きな影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の影響で定着した移動を前提としない新しい働き方やライフスタイルが、運輸事業を中心にグループ全体の業績を悪化させるリスクがあります。
  • パンデミックや災害の影響
    パンデミック発生時には外出制限や自粛により、運輸事業やレジャー事業の利用者が急減し、業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。また、地震や台風などの自然災害、テロや戦争といった不測の事態が発生した場合、長期的に事業運営が困難となり、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,782 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、「事業環境・ビジネスモデルに影響を与えるリスク」「安全・安心の確保に関するリスク」「経営資源の確保に関するリスク」「ガバナンスに関するリスク」の4つを設定いたしました。それぞれのリスク顕在化を防ぐための取組みは以下に記載のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 事業環境・ビジネスモデルに影響を与えるリスク① 法的規制当社が展開している鉄道事業においては、鉄道事業法第3条により、路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の認可を受けなければなりません。同様に、運賃の設定・変更についても同法第16条により、鉄道事業者は旅客運賃等の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならず、国土交通大臣は、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して認可しております(総括原価方式)。また、認可を受けた運賃等の上限の範囲内で運賃等を設定・変更する場合は、国土交通大臣に届け出ることとなっております。鉄道を取り巻く社会経済環境が大きく変化している中、コストコントロールを徹底しても生じる原価を適時適切に運賃に反映できない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、鉄道事業以外の当社グループ会社が展開する各種事業においても、様々な法令・規則等の規制の適用を受けており、これら法的規制が変更された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② 出生率の低下による人口減少・少子高齢化の急激な加速わが国の合計特殊出生率は2016年より減少傾向に転じ、出生数の減少も続いております。昨今の経済・社会環境の影響により出生率と出生数の低下にさらに拍車がかかっており、今後地域によって差はあるものの、人口減少と少子高齢化がさらに進行することが想定されます。そのため、当社グループにおいては、相互直通運転を活用したシームレスな輸送をはじめ利便性や速達性の向上、ホーム柵の整備等により安全・安心・快適な通勤・通学輸送と魅力ある観光輸送の提供、並びに良質で暮らしやすい住環境・サービスの提供や観光誘客を推進しております。これらの取組みをとおして当社沿線の価値向上を図り、定住化促進と交流人口の創出に努めております。しかしながら、消費活動の基盤となる人口減少と少子高齢化が沿線地域で急激に加速した場合、鉄道事業を中心に東武沿線を主たるマーケットとして事業を展開している当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ ライフスタイルの変化これまでの新型コロナウイルス感染症の影響により、働き方等において新しいライフスタイルが浸透・定着し、今後もニーズや価値観の変化・多様化が続くことを想定しております。そのため、当社グループにおいては、事業環境が変化する中でも利益を確保できるよう事業構造改革を行い、事業運営体制の見直しやコスト削減施策による効率化と省力化を進めてまいりました。また、集客拠点を強化する沿線開発とグループの総力を活かしたまちづくりの実施等による非鉄道事業の強化や観光需要を捉えた収益力強化により、事業の持続的発展を目指してまいります。しかしながら、移動を前提としないライフスタイルが定着した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 競争環境の変化当社グループは、鉄道事業をはじめ幅広い事業を展開しており、事業環境の大きな変化や急速な技術革新に伴う新たな競合サービス・競合事業者の出現等により、需給関係の悪化や競争激化が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては、「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」と定めた長期経営ビジョンのもと、事業環境の変化やお客様ニーズの変容を的確にとらえ、グループ各社で培ったノウハウやデジタル技術などを活かしつつ、新たな技術や外部からの知見を取り入れて事業に活かしてまいります。それにより、お客様へ最適なサービスを迅速かつ柔軟に提供しサービス向上を図るとともに、生産性を向上することで利益の確保につなげてまいります。 ⑤ パンデミック等の発生パンデミック等により外出制限や出控えが発生した場合には、運輸事業やレジャー事業を中心に利用者が急減し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、パンデミック等により従業員の感染が多発した場合には、事業運営に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては、従業員の基本的な感染症予防策を継続的に実施するとともに、感染状況に応じた事業継続計画や感染対策を講じることでお客様が安全・安心にご利用いただけるよう取組み、国民の安定的な生活の確保に欠かせない社会インフラの1つである鉄道事業を中心に社会を支え、事業を継続してまいります。 (2) 安全・安心の確保に関するリスク① 安全・安心の確保当社グループでは、安全・安心の確保はお客様の信頼を得るうえで最も重要であると考え万全を期しておりますが、万が一、重大な事故を発生させ長期的に事業を運営できなくなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては、「安全はすべての事業の根幹である」との信念のもと、お客様と従業員の安全確保を最優先に安全管理体制の確立に努めるとともに、安全のための設備投資や教育・訓練などに継続して取組み、安全・安心の確保に努めております。 ② 気候変動による事業運営・維持への影響気候変動による事業運営・維持に関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ① 気候変動、人的資本・多様性」に記載のとおりであります。 ③ 不測の事故・災害等の発生による事業運営・維持への影響当社グループは、鉄道事業をはじめ幅広い事業を展開しておりますが、不測の事故や災害、テロ・戦争の発生等外的要因により、長期的に事業を運営できなくなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては、大規模な自然災害等の緊急事態に備え事業継続計画を整備するなど危機管理体制の充実強化に努めるとともに、自然災害に強いインフラの整備やテロ対策など、安全確保のための対策にも継続して取組んでまいります。 ④ 個人情報の管理当社グループは、各事業において顧客の個人情報を含むデータベースを管理しており、情報が流出した場合には損害賠償や信用の低下等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては、情報の取得及び利用に際しての社内での保護規程類を定め管理体制を整備するとともに社員教育を実施し、関係者の情報管理を徹底するほか、情報処理を社外に委託する場合も秘密保持の整備、監督を強化する等、取り扱いには十分留意し情報管理を行っております。 ⑤ 情報セキュリティ対策情報セキュリティに関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ② 情報セキュリティ」に記載のとおりであります。 (3) 経営資源の確保に関するリスク① 人手不足当社グループは、鉄道事業をはじめ多くの労働力を必要としております。出生率の低下による人口減少と高齢化は、一層早いスピードで進むことが想定され、労務費の高騰及び採用難等により人手不足が顕在化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては、人材確保のために、多様な知識や価値観を持つ人材の登用や育成、安定した雇用や多様化する働き方への対応、福利厚生の充実等、働きやすく働き続けられる柔軟で安心な就労環境の確保を図ってまいります。さらに、労働力人口減少下でも安定輸送を提供するため、ワンマン運転区間の拡大や自動運転等を含むデジタル技術の活用等により生産性の向上を進め、効率的な事業運営体制を構築してまいります。 ② 原材料や資源の価格高騰並びに調達不足当社グループは、鉄道事業をはじめとして多くのインフラ設備を活用し、動力として電力や燃料を使用しております。また、各事業においてはさまざまな原材料を使用しています。自然災害の発生や海外情勢の悪化、為替の影響などにより原材料や資源の価格が高騰した場合や、調達不足が継続した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては省エネに資する高効率車両や設備を導入するほか、設備の適正化や見直しによるエネルギー消費や温室効果ガス排出量の削減、適切な時期での調達を行う等、コスト抑制とともに持続可能な社会の構築に取組んでおります。 ③ 有利子負債残高の増加及び調達金利の変動当社グループは、各事業で継続的に行っている設備投資等の必要資金を、主として社債や金融機関からの外部借入れによって調達しており、将来への成長投資等により高水準の有利子負債残高を保有しています。今後、金利が一段と上昇した場合や、格付機関が当社の格付を引き下げた場合には、金利負担の増大や資金調達条件の悪化を招くことにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおいては、財務健全性を確保しつつ、財務レバレッジを活用した成長戦略を推進するとともに、昨今の金利上昇傾向を踏まえた連結有利子負債残高の適切な管理や、資金の調達手段の多様化を進めることにより、中長期の金利環境を勘案し適時最適な方法による調達を行っております。 ④ 保有資産の価値下落当社グループは、多様な事業展開を行う上で必要な資産や、株式などの投資有価証券等を保有しております。収支管理の徹底や確実な利益確保のための事業構造改革を実施するとともに、中長期的な収益・利益の拡大に資する事業の育成を推進し、資産価値の向上を図っております。また、投資有価証券については保有意義の検証を行い、中長期的に希薄と考えられる場合は段階的に縮減を図っております。しかしながら、保有資産のキャッシュ・フロー創出力の低下や株価の大幅な下落等によりその時価が著しく下落した場合は、減損損失または評価損等を計上することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4) ガバナンスに関するリスク① コンプライアンスコンプライアンスに関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ③ コンプライアンス」に記載のとおりであります。 ② 人権人権に関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ③ コンプライアンス」に記載のとおりであります。 なお、上記は当社グループの事業等について予想される主なリスクを例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

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