9024

西武ホールディングス(9024)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 不動産事業が成長の核
    西武グループは、不動産事業を成長の核と位置づけています。高輪・品川エリアでの開発や商業施設(軽井沢・プリンスショッピングプラザなど)、駅ビル、オフィスビル(ダイヤゲート池袋)の運営・賃貸が主な収益源です。不動産の取得・開発・売却を繰り返す「不動産回転型ビジネス」も積極的に展開し、収益を最大化しています。
  • ホテル・レジャー事業の展開
    プリンスホテルブランドを国内外で展開し、日本最大級のホテルチェーンを運営しています。ハワイやロンドンなどの海外にも進出し、ゴルフ場やスキー場、西武園ゆうえんち、横浜・八景島シーパラダイスといったレジャー施設の運営も手掛けており、多様な顧客層から収益を得ています。
  • 都市交通・沿線事業の基盤
    西武鉄道が東京都北西部と埼玉県南西部で12路線を運行し、通勤・通学・観光客の輸送を担っています。路線バスや駅ナカコンビニ「トモニー」、フィットネスクラブなども展開し、鉄道沿線の生活サービスを総合的に提供することで、安定した事業基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 不動産事業
    西武グループの主要な稼ぎ頭であり、売上高4,686.72億円、営業利益2,376.17億円と最も高い収益を上げています。高輪・品川エリアの再開発や商業施設、オフィスビル、賃貸マンションの運営・賃貸が中心です。不動産の取得・開発・売却を繰り返す「不動産回転型ビジネス」も積極的に展開し、グループ全体の成長を牽引しています。
  • ホテル・レジャー事業
    売上高2,398.81億円、営業利益186.4億円を計上しています。プリンスホテルブランドを国内外で展開し、日本最大級のホテルチェーンを運営しています。ゴルフ場、スキー場、西武園ゆうえんち、横浜・八景島シーパラダイスなどのレジャー施設も手掛け、多様な顧客層にサービスを提供しています。
  • 都市交通・沿線事業
    売上高1,464.61億円、営業利益113.15億円です。西武鉄道が東京都北西部と埼玉県南西部で12路線を運行し、通勤・通学・観光客の輸送を担っています。路線バスや駅ナカコンビニ、フィットネスクラブなども展開し、鉄道沿線の生活サービスを総合的に提供することで、地域に根差した安定的な収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
RealEstate 事業 4,687 2,376 50.7%
HotelAndLeisure 事業 2,399 186 7.8%
UrbanTransportationAndRegional 地域 1,465 113 7.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,102 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社105社、持分法適用関連会社5社、持分法非適用非連結子会社2社の113社で構成されており、西武グループの経営理念を表したものであると同時に、私たちが取り組むすべての活動の出発点、目指すべきゴールを示すものとして2006年に定めた「グループビジョン」のスローガン「でかける人を、ほほえむ人へ。」のもと、お客さまの“行動”と“感動”を創り出すことを目指し、不動産事業やホテル・レジャー事業、都市交通・沿線事業及びその他の事業をおこなっております。 当社は純粋持株会社として、「戦略機能」「効率化・適正化機能」「広報・IR機能」「コンプライアンス体制の確立・推進機能」と、4つの機能を有しております。適切なガバナンス体制のもと、これらの機能を発揮することで、グループの企業価値極大化に向けたコントロールをおこなっております。 当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 以上の変更を踏まえた、当社グループが営んでいる主要な事業内容と、当該事業にかかわる各社の位置付けは次のとおりであります。 (1) 不動産事業 (12社) 不動産事業は、開発・賃貸業、投資運用業、マネジメント業、その他で構成されます。 開発・賃貸業では、高輪・品川エリアをはじめとする不動産開発及び不動産回転型ビジネスにおける新規物件の取得・取得物件の運営・バリューアッドに加え、商業施設(軽井沢・プリンスショッピングプラザやエミテラス所沢)、駅構内や高架下の店舗(グランエミオ所沢など)、駅チカ保育所「Nicot」、賃貸マンション(エミリブ石神井公園など)、駅ビルに関連する施設(BIGBOX高田馬場など)、大規模オフィスビル(ダイヤゲート池袋)などを株式会社西武不動産が保有・経営しております。 投資運用業では、不動産回転型ビジネスにおいて新規物件の取得・保有不動産の流動化をおこなっております。また、西武鉄道沿線やリゾートの土地分譲などをおこなっております。 マネジメント業では、当社グループ及び第三者の保有する物件において、アセットマネジメント業やプロパティマネジメント業、コンストラクションマネジメント業、ビルマネジメント業をおこなっております。 その他では、造園工事の設計・施工及び国営公園などの維持管理・運営管理などをおこなっております。 [ 主な会社 ]株式会社西武不動産、西武鉄道株式会社、株式会社西武不動産投資顧問、株式会社西武不動産プロパティマネジメント、株式会社西武不動産ビルマネジメント、西武造園株式会社 (2) ホテル・レジャー事業 (64社) ホテル・レジャー事業は、国内ホテル業(保有・リース)、国内ホテル業(MC・FC)、海外ホテル業(保有・リース)、海外ホテル業(MC・FC)、スポーツ業(保有・リース)、スポーツ業(MC・FC)、その他で構成されます。 国内ホテル業(保有・リース)では、当社グループの保有する物件やグループ外からのリース物件において、プリンスホテルブランドを活用し、日本最大級のホテルチェーンを運営しております。 国内ホテル業(MC・FC)では、ザ・プリンス パークタワー東京など、グループ外からホテル運営を受託しております。 海外ホテル業(保有・リース)では、米国ハワイ州(オアフ島、ハワイ島)において、プリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾート及びそれぞれに付設するゴルフコースの運営などをおこなっております。また、「The Prince Akatoki London」などの運営をおこなっております。 海外ホテル業(MC・FC)では、オーストラリアなどでホテルを展開しているほか、台湾及び中国でフランチャイズ方式を活用しプリンスホテルを展開しております。また、2025年8月に新会社Ace Hotels Worldwide Inc.を設立し、同年9月に新会社を通じてAce Group International LLCを子会社化しております。 スポーツ業(保有・リース)では、当社グループが保有する川奈ホテルゴルフコースなどのゴルフ場や、富良野スキー場などのスキー場の運営をおこなっております。 スポーツ業(MC・FC)では、北海道カントリークラブなどのゴルフ場や、苗場スキー場などのスキー場の運営をグループ外から受託しております。 その他では、西武園ゆうえんち、箱根園及び横浜・八景島シーパラダイス等のレジャー施設の運営をおこなっております。また、海外においては、台湾で都市型水族館「Xpark」の運営をおこなっております。 [ 主な会社 ]株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド、株式会社西武不動産、PRINCE RESORTS HAWAII, INC.、Seibu Prince Hotels Worldwide Asia Pacific Pty Ltd、Ace Group International LLC、株式会社横浜八景島 (3) 都市交通・沿線事業 (16社) 都市交通・沿線事業は、鉄道業、バス業、沿線生活サービス業、スポーツ業、その他で構成されます。 鉄道業では、西武鉄道株式会社が、東京都北西部と埼玉県南西部において12路線、営業キロ176.6㎞、92駅の鉄道路線で、旅客輸送をおこなっております。バス業とあわせ、通勤・通学や観光などお客さまの生活に欠かせない公共交通機関として事業を展開しております。 バス業では、西武バス株式会社などが、西武鉄道沿線を中心に路線バスのネットワークを形成して、バスの運行をおこなっております。 沿線生活サービス業では、西武鉄道沿線において、駅ナカコンビニ「トモニー」の運営などをおこなっております。 スポーツ業では、西武鉄道沿線において、狭山スキー場やダイドードリンコアイスアリーナをはじめとしたスポーツ施設の運営などをおこなっております。 その他では、タクシー及びハイヤーの運行などをおこなっております。 [ 主な会社 ]西武鉄道株式会社、西武バス株式会社、西武レクリエーション株式会社、西武ハイヤー株式会社(4) その他 (22社) 伊豆・箱根エリアにおいて、2路線、営業キロ29.4kmの鉄道旅客輸送、バス、タクシーの運行及びレジャー施設の運営など伊豆箱根事業をおこなっております。 滋賀県琵琶湖エリアにおいて、3路線、営業キロ59.5kmの鉄道旅客輸送、バス、タクシーの運行及び不動産賃貸など近江事業をおこなっております。 スポーツ事業では、プロ野球球団である埼玉西武ライオンズを運営しベルーナドームを本拠地として、プロ野球の興行及びイベント開催などをおこなっているほか、多目的イベントホール「横浜アリーナ」の運営管理をおこなっております。 そのほか、新規事業として、当社グループの新規事業分野創出に向けた取り組みをおこなっております。 [ 主な会社 ]伊豆箱根鉄道株式会社、近江鉄道株式会社、株式会社西武ライオンズ、株式会社横浜アリーナ、株式会社ブルーインキュベーション、奥ジャパン株式会社 以上の企業集団の状況について事業系統図を示すと次のとおりになります。 ※上記部門の会社数には、西武鉄道㈱及び㈱西武不動産が重複して含まれております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
リゾート開発やラグジュアリーブランド展開で付加価値を高め、競争力強化を図る。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
不動産開発には長い開発期間と巨額の投資が必要であり、新規参入障壁となる。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:不動産領域に関するリスク / 人財確保に関するリスク / 少子高齢化に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

西武グループは、西武鉄道沿線の沿線開発やプリンスホテルといったブランド力を持つが、特許や規制ライセンスによる明確な独占的優位性は限定的。ブランド価値は存在するものの、他社との差別化が容易なため、無形資産としての競争優位性は弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

西武鉄道の沿線住民は、日常的な移動手段として鉄道を利用しており、他の交通手段への乗り換えには時間的・金銭的コストが発生する。しかし、代替交通手段(自家用車、バス等)の選択肢も存在するため、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

西武鉄道の利用者は多いが、利用者の増加が鉄道サービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は発生しない。沿線開発やホテル事業との連携はあるものの、明確なプラットフォーム型ネットワーク効果は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

鉄道事業は規模の経済が働くが、西武鉄道は大手私鉄と比較して路線網が限定的であり、構造的なコスト優位性は低い。沿線開発やホテル事業は、立地条件に依存する部分が大きく、コスト優位性は限定的。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

西武鉄道は首都圏の主要私鉄の一つであり、沿線開発やレジャー施設運営を含めた事業規模は大きい。特に沿線開発においては、広大な土地を保有しており、その開発・活用による効率規模の優位性は一定程度存在する。

  • 広範な不動産ポートフォリオ
    西武グループは、都心の一等地からリゾート地まで、多様な不動産を保有・開発しています。商業施設、オフィスビル、賃貸マンション、駅施設など多岐にわたる物件群は、安定した賃料収入と不動産価値向上による収益機会をもたらし、グループ全体の収益基盤を強固にしています。
  • 「プリンスホテル」のブランド力
    長年にわたり培われた「プリンスホテル」のブランドは、国内外で高い認知度と信頼性を誇ります。このブランド力を活用し、日本最大級のホテルチェーンを展開するほか、海外でもホテル運営を受託するなど、顧客誘引力と競争優位性を確立しています。
  • 都市交通と沿線開発の一体性
    西武鉄道の広範な路線網は、沿線地域の開発と密接に連携しています。鉄道事業が安定した顧客基盤を提供し、その沿線で不動産開発や生活サービスを展開することで、相乗効果を生み出しています。これにより、地域住民の生活に深く根ざした事業展開が可能となり、他社にはない強みとなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 不動産事業を核とした成長
    2035年の目標として「Resilience & Sustainability」を掲げ、不動産事業を成長の核と位置づけています。不動産開発・賃貸に加え、不動産を売却して得た資金を再投資する「キャピタルリサイクル」を加速させ、不動産価値の最大化(NAV成長)を目指します。西武ファンドの組成や共同SPVへの賃貸住宅資産組み入れも進めます。
  • ホテル・レジャー事業の収益性向上
    インバウンド需要の取り込みや価格改定を継続し、売上最大化を図ります。国内外共通会員プログラム「Seibu Prince Global Rewards」を活用して顧客ロイヤルティを高め、直販率向上と効率化を進めます。品川プリンスホテルへのバリューアップ投資や、国内外250ホテル体制の構築により、収益性の向上を目指します。
  • 株主還元とガバナンス強化
    DOE2.0%を下限とする累進配当を実現し、安定的な配当と収益向上による増配を目指します。700億円の自己株式取得も実施しており、バランスシート状況に応じて機動的に対応します。また、取締役会と経営会議の役割再定義や、筆頭株主であるNWコーポレーションの完全子会社化検討を通じて、コーポレート・ガバナンスを強化します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 本資料に記載されている当社グループの業績予想、目標、計画、予想その他の将来情報については、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき作成した当該時点における当社の判断又は考えに過ぎず、実際の当社グループの業績、財政状態その他の結果は、国内外の政治、経済、金融情勢の変動や、意図する施策の状況その他の本資料の作成時点で不確実な要素等により、本資料の内容又は本資料から推測される内容と大きく異なる場合があります。 当社グループは、メガトレンドや昨今の経営環境の変化に対し、グループの持つ強みを生かし、社会的価値と企業価値を極大化していくため、不動産事業を核とした成長戦略からなる「西武グループ長期戦略2035」(以下、「長期戦略」)を2024年5月9日に策定いたしました。2035年のありたい姿(アウトカム)を「Resilience & Sustainability」とし、「安全・安心とともに、かけがえのない空間と時間を創造する」企業グループを目指してまいります。 当社グループとしては以下4点の取り組みを踏まえ、株価や資本コストを重視した経営をおこない、今後とも持続的かつ健全な成長を目指してまいります。 <長期戦略及び中期経営計画の取り組み> 長期戦略において「種まき期」と位置付けている「西武グループ中期経営計画(2024~2026年度)」(以下、「中期経営計画」)の最終年度である3ヵ年目を迎えるにあたって、当社グループの企業価値をさらに向上させていくために、以下の課題の解決に取り組んでまいります。 ①不動産事業を核として持続的な成長を実現 翌連結会計年度以降につきましては、建築費高騰などの外部環境の変化を踏まえ、厳格な投資規律のもと、各開発案件の価値最大化を追求するとともに、成長ストーリーの機動的な見直しもおこなってまいります。なお、高輪B-1地区の大規模再開発については、2030年度中の新築工事着工及び2035年度の竣工・開業を目指し関係者との協議を進めております。成長ストーリーは、「既存事業の収益力強化」に加えて、「キャピタルリサイクルの推進」ならびに「M&Aによる戦略的事業領域の拡大」により、非連続的な成長を実現してまいります。 「キャピタルリサイクルの推進」に関しては、ファンドおよびREITによる投資運用業の拡大に取り組んでまいります。 当連結会計年度まで、東京ガーデンテラス紀尾井町の流動化や、モルガン・スタンレー・キャピタル株式会社(以下、「MSC」)及びMSC又はMSCの関係会社が運営もしくは助言をおこなう不動産ファンドとの共同SPC(特別目的会社)を活用した運用により流動化を進めてまいりましたが、翌連結会計年度以降は、株式会社西武不動産投資顧問が2027年度に組成する総合型の私募REITを活用し、西武グループのキャピタルリサイクルを加速してまいります。 その一環として品川プリンスホテルについて、2027年度中に底地の一部を流動化することを方針とし、バリューアップ投資によりキャッシュアウトする資金を早期に回収することを企図し、流動化で得た資金を成長投資へ充当してまいります。 さらには、M&A・アライアンスの戦略的な活用などにより、さらなる成長を目指してまいります。なお、不動産事業におけるM&Aは、総合不動産会社における各事業領域の強化を主眼におこなうこととし、その第一号案件として株式会社西武不動産による株式会社イーグランドに対する公開買付けを実施いたしました。 これらの取り組みを踏まえて、キャピタルリサイクルを軸に主要エリアをはじめとした不動産価値の最大化(NAV成長)を実現してまいります。 ②インバウンド需要の取り込み、値上げの継続、国内外250ホテル体制の構築(MC拡大)による ホテル・レジャー事業の収益性向上 国内ホテル業における堅調なインバウンド需要の取り込みや値上げの取り組みなどにより、売上の最大化を図ってまいります。加えて、主要なホテルを中心に、戦略的な設備投資を実施し、お客さまへのさらなる体験価値を創出することで、収益性の向上を実現してまいります。 また、各事業所のパフォーマンス向上を図るため、自社販売比率50%(2035年度目標)に向けて、国内外共通会員プログラム「Seibu Prince Global Rewards(セイブ プリンス グローバル リワーズ)」の会員数拡大、ロイヤル顧客の醸成に注力してまいります。引き続き、顧客データ分析・活用を通した接遇(オペレーション)の高度化やAIレベニューマネジメントシステム導入による運営の効率化に加えて、各事業所が有する地域固有の魅力の創造や発信を通した差別化に取り組んでまいります。 海外ホテル業においては、2025年9月にグループインしたAce Group International LLCが運営する「エースホテル」のブランディングノウハウを取り入れるとともに、グローバル開発体制の整備をおこない、開発力・運営力をさらに強化してまいります。また、2026年4月にリニューアルが完了したマウナ ケア ビーチ ホテルの本格稼働により、収益の最大化を図ってまいります。 引き続き、国内外250ホテル体制を目指して、運営ホテル数の拡大を着実に進めてまいります。 ③企業価値向上につながる成長投資を優先しつつ、株主還元の安定性および継続的な強化を図る 今後も、長期戦略で定めた株主還元方針に則り、DOE2.0%を下限とする累進配当を実現し、安定的な配当とあわせ、収益向上を通じた増配を目指してまいります。 また、前連結会計年度から当連結会計年度において自己株式取得・消却をいたしましたが、引き続き、「足元の株価水準」・「当社が認識する1株当たりNAVの目線」・「今後の成長投資の状況」・「バランスシート影響(外部格付への影響等)」などを考慮し、機動的に実施してまいります。 ④長期戦略・中期経営計画を実行するための基盤となるコーポレート・ガバナンスを強化 コーポレート・ガバナンスの一層の推進をはかるため、経営の健全性・透明性の向上、取締役会を中心としたより高度な経営の意思決定及びその迅速化、グループ全体の内部統制システムの継続的な強化に努めてまいります。 また、株式会社NWコーポレーションとの関係については、株主価値の向上及び資本効率の向上を図るとともに、より良いコーポレート・ガバナンスを実現する観点から、引き続き完全子会社化に向けて取り組んでまいります。 さらに、従来どおり保有意義の合理性が認められない政策保有株式についての縮減をしていくことに加えて、コーポレートガバナンス・コードの改訂状況及び次期中期経営計画におけるキャッシュアロケーションの状況を踏まえ、次期中期経営計画において「政策保有株式の縮減計画」を策定し、一層の資本効率性の向上に努めてまいります。 また、次期中期経営計画を策定する中で、資本コストと収益性を意識した資本配分を実現してまいります。そのために、社外取締役の知見やステークホルダーとの対話を踏まえ、取締役会での実効的な議論・監督を進めるとともに、外部アドバイザーを起用し、次期中期経営計画策定に向けたキャピタルアロケーションを検討する委員会を今後設置いたします。これらを通じて、より効果的な検討プロセスを継続的に検証し、中長期的な企業価値向上を確かなものとしてまいります。 <突発的な地政学リスクに向けて> 突発的な地政学リスクに対し引き続き注視し、影響が顕在化した際には速やかに対策を講じてまいります。特に、中東情勢緊迫化がもたらす原油価格高騰によるコスト増加やインバウンド・内需減少の影響を始め、株価下落・企業業績悪化に起因した消費マインドの低下、輸入産業への波及効果、金融市場への影響などにともなう日本経済全体へのリスクを想定しております。安定的なキャッシュ・フローを確保すべく、これらの発生しうるリスクに対して機動的に対応してまいります。 <重視する経営指標> 2035年度当社グループの営業利益1,000億円以上の達成に向けて、不動産事業を核とした成長戦略からなる長期戦略を実行してまいります。下記4つの資本効率や最適資本構成を示す経営指標等について、長期戦略策定時にそれぞれ「財務KPI」を設定いたしました。 ・ROE 恒常的に8%を達成(2035年度に10%以上を目指す)・ROA 2.7%以上・自己資本比率 25~30%・格付け機関の評価 A格を維持 今後、これらの重視する経営指標の水準に到達できるよう努めてまいります。 当社グループは、これまでもこれからも「でかける人を、ほほえむ人へ。」を変わらぬスローガンとして掲げ、お客さま、地域社会とともに成長していく企業として、お客さまの行動と感動を創造し、豊かで持続可能な社会を実現してまいります。また、「Resilience & Sustainability - 安全・安心とともに、かけがえのない空間と時間を創造する -」ことを目指し、社会的価値と株主価値の極大化に向けて企業運営をおこなってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 本資料に記載されている当社グループの業績予想、目標、計画、予想その他の将来情報については、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき作成した当該時点における当社の判断又は考えに過ぎず、実際の当社グループの業績、財政状態その他の結果は、国内外の政治、経済、金融情勢の変動や、意図する施策の状況その他の本資料の作成時点で不確実な要素等により、本資料の内容又は本資料から推測される内容と大きく異なる場合があります。 当社グループは、メガトレンドや昨今の経営環境の変化に対し、グループの持つ強みを生かし、社会的価値と企業価値を極大化していくため、不動産事業を核とした成長戦略からなる「西武グループ長期戦略2035」(以下、「長期戦略」)を2024年5月9日に策定いたしました。2035年のありたい姿(アウトカム)を「Resilience & Sustainability」とし、「安全・安心とともに、かけがえのない空間と時間を創造する」企業グループを目指してまいります。 当社グループとしては以下4点の取り組みを踏まえ、株価や資本コストを重視した経営をおこない、今後とも持続的かつ健全な成長を目指してまいります。 <長期戦略及び中期経営計画の取り組み> 長期戦略において「種まき期」と位置付けている「西武グループ中期経営計画(2024~2026年度)」(以下、「中期経営計画」)の最終年度である3ヵ年目を迎えるにあたって、当社グループの企業価値をさらに向上させていくために、以下の課題の解決に取り組んでまいります。 ①不動産事業を核として持続的な成長を実現 翌連結会計年度以降につきましては、建築費高騰などの外部環境の変化を踏まえ、厳格な投資規律のもと、各開発案件の価値最大化を追求するとともに、成長ストーリーの機動的な見直しもおこなってまいります。なお、高輪B-1地区の大規模再開発については、2030年度中の新築工事着工及び2035年度の竣工・開業を目指し関係者との協議を進めております。成長ストーリーは、「既存事業の収益力強化」に加えて、「キャピタルリサイクルの推進」ならびに「M&Aによる戦略的事業領域の拡大」により、非連続的な成長を実現してまいります。 「キャピタルリサイクルの推進」に関しては、ファンドおよびREITによる投資運用業の拡大に取り組んでまいります。 当連結会計年度まで、東京ガーデンテラス紀尾井町の流動化や、モルガン・スタンレー・キャピタル株式会社(以下、「MSC」)及びMSC又はMSCの関係会社が運営もしくは助言をおこなう不動産ファンドとの共同SPC(特別目的会社)を活用した運用により流動化を進めてまいりましたが、翌連結会計年度以降は、株式会社西武不動産投資顧問が2027年度に組成する総合型の私募REITを活用し、西武グループのキャピタルリサイクルを加速してまいります。 その一環として品川プリンスホテルについて、2027年度中に底地の一部を流動化することを方針とし、バリューアップ投資によりキャッシュアウトする資金を早期に回収することを企図し、流動化で得た資金を成長投資へ充当してまいります。 さらには、M&A・アライアンスの戦略的な活用などにより、さらなる成長を目指してまいります。なお、不動産事業におけるM&Aは、総合不動産会社における各事業領域の強化を主眼におこなうこととし、その第一号案件として株式会社西武不動産による株式会社イーグランドに対する公開買付けを実施いたしました。 これらの取り組みを踏まえて、キャピタルリサイクルを軸に主要エリアをはじめとした不動産価値の最大化(NAV成長)を実現してまいります。 ②インバウンド需要の取り込み、値上げの継続、国内外250ホテル体制の構築(MC拡大)による ホテル・レジャー事業の収益性向上 国内ホテル業における堅調なインバウンド需要の取り込みや値上げの取り組みなどにより、売上の最大化を図ってまいります。加えて、主要なホテルを中心に、戦略的な設備投資を実施し、お客さまへのさらなる体験価値を創出することで、収益性の向上を実現してまいります。 また、各事業所のパフォーマンス向上を図るため、自社販売比率50%(2035年度目標)に向けて、国内外共通会員プログラム「Seibu Prince Global Rewards(セイブ プリンス グローバル リワーズ)」の会員数拡大、ロイヤル顧客の醸成に注力してまいります。引き続き、顧客データ分析・活用を通した接遇(オペレーション)の高度化やAIレベニューマネジメントシステム導入による運営の効率化に加えて、各事業所が有する地域固有の魅力の創造や発信を通した差別化に取り組んでまいります。 海外ホテル業においては、2025年9月にグループインしたAce Group International LLCが運営する「エースホテル」のブランディングノウハウを取り入れるとともに、グローバル開発体制の整備をおこない、開発力・運営力をさらに強化してまいります。また、2026年4月にリニューアルが完了したマウナ ケア ビーチ ホテルの本格稼働により、収益の最大化を図ってまいります。 引き続き、国内外250ホテル体制を目指して、運営ホテル数の拡大を着実に進めてまいります。 ③企業価値向上につながる成長投資を優先しつつ、株主還元の安定性および継続的な強化を図る 今後も、長期戦略で定めた株主還元方針に則り、DOE2.0%を下限とする累進配当を実現し、安定的な配当とあわせ、収益向上を通じた増配を目指してまいります。 また、前連結会計年度から当連結会計年度において自己株式取得・消却をいたしましたが、引き続き、「足元の株価水準」・「当社が認識する1株当たりNAVの目線」・「今後の成長投資の状況」・「バランスシート影響(外部格付への影響等)」などを考慮し、機動的に実施してまいります。 ④長期戦略・中期経営計画を実行するための基盤となるコーポレート・ガバナンスを強化 コーポレート・ガバナンスの一層の推進をはかるため、経営の健全性・透明性の向上、取締役会を中心としたより高度な経営の意思決定及びその迅速化、グループ全体の内部統制システムの継続的な強化に努めてまいります。 また、株式会社NWコーポレーションとの関係については、株主価値の向上及び資本効率の向上を図るとともに、より良いコーポレート・ガバナンスを実現する観点から、引き続き完全子会社化に向けて取り組んでまいります。 さらに、従来どおり保有意義の合理性が認められない政策保有株式についての縮減をしていくことに加えて、コーポレートガバナンス・コードの改訂状況及び次期中期経営計画におけるキャッシュアロケーションの状況を踏まえ、次期中期経営計画において「政策保有株式の縮減計画」を策定し、一層の資本効率性の向上に努めてまいります。 また、次期中期経営計画を策定する中で、資本コストと収益性を意識した資本配分を実現してまいります。そのために、社外取締役の知見やステークホルダーとの対話を踏まえ、取締役会での実効的な議論・監督を進めるとともに、外部アドバイザーを起用し、次期中期経営計画策定に向けたキャピタルアロケーションを検討する委員会を今後設置いたします。これらを通じて、より効果的な検討プロセスを継続的に検証し、中長期的な企業価値向上を確かなものとしてまいります。 <突発的な地政学リスクに向けて> 突発的な地政学リスクに対し引き続き注視し、影響が顕在化した際には速やかに対策を講じてまいります。特に、中東情勢緊迫化がもたらす原油価格高騰によるコスト増加やインバウンド・内需減少の影響を始め、株価下落・企業業績悪化に起因した消費マインドの低下、輸入産業への波及効果、金融市場への影響などにともなう日本経済全体へのリスクを想定しております。安定的なキャッシュ・フローを確保すべく、これらの発生しうるリスクに対して機動的に対応してまいります。 <重視する経営指標> 2035年度当社グループの営業利益1,000億円以上の達成に向けて、不動産事業を核とした成長戦略からなる長期戦略を実行してまいります。下記4つの資本効率や最適資本構成を示す経営指標等について、長期戦略策定時にそれぞれ「財務KPI」を設定いたしました。 ・ROE 恒常的に8%を達成(2035年度に10%以上を目指す)・ROA 2.7%以上・自己資本比率 25~30%・格付け機関の評価 A格を維持 今後、これらの重視する経営指標の水準に到達できるよう努めてまいります。 当社グループは、これまでもこれからも「でかける人を、ほほえむ人へ。」を変わらぬスローガンとして掲げ、お客さま、地域社会とともに成長していく企業として、お客さまの行動と感動を創造し、豊かで持続可能な社会を実現してまいります。また、「Resilience & Sustainability - 安全・安心とともに、かけがえのない空間と時間を創造する -」ことを目指し、社会的価値と株主価値の極大化に向けて企業運営をおこなってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 業績 当社グループは、前連結会計年度において、メガトレンドや昨今の経営環境の変化に対し、グループの持つ強みを生かし、社会的価値と企業価値を極大化していくため、不動産事業を核とした成長戦略からなる「西武グループ長期戦略2035」(以下、「長期戦略」)を策定いたしました。2035年のありたい姿(アウトカム)を「Resilience & Sustainability」とし、「安全・安心とともに、かけがえのない空間と時間を創造する」企業グループを目指してまいります。 当連結会計年度においては、長期戦略における「種まき期」の「西武グループ中期経営計画(2024~2026年度)」(以下、「中期経営計画」)の2ヵ年目として、株価や資本コストを重視した経営をおこない、今後とも持続的かつ健全な成長を目指していく上で、以下4点の取り組みを進めてまいりました。 <長期戦略及び中期経営計画の取り組み> 「①不動産事業を核として持続的な成長を実現」 当社グループが掲げるキャピタルリサイクルモデルの実現に向け、2025年4月に株式会社西武不動産、株式会社西武不動産投資顧問、株式会社西武不動産プロパティマネジメント、株式会社西武不動産ビルマネジメントによる4社体制を始動いたしました。キャピタルリサイクルについては、保有物件の流動化に加え、継続的な物件取得(エクイティ投資含む)や、取得物件のバリューアップを実施いたしました。また、都心エリアの再開発については、2025年12月に東京都より高輪エリア(B-1地区)に関する都市計画の変更が告示されました。これに基づき、株式会社西武不動産は関係各所と調整をおこないながら、開発計画の具体化を進めてまいりました。 株式会社西武不動産投資顧問においては、当連結会計年度にキャピタルリサイクル推進の要となる総合不動産投資顧問業・投資運用業のライセンスを取得いたしました。また、不動産事業の強化を目的として、株式会社西武不動産において2026年3月に株式会社イーグランドに対する公開買付けを公表いたしました。なお、有価証券報告書提出日現在、当該公開買付けは完了しております。 なお、当連結会計年度より、不動産事業を核とした当社グループの成長戦略の進捗を示すべく、賃貸等不動産の含み益に加え、今後再開発が予定されているエリアの含み益を加算して算出する修正PBR②※1を開示いたしました。 さらには、事業ポートフォリオを最適化するため、2024年度より導入している西武ROIC※2を判断材料として、資本効率性の向上を図ってまいります。 ※1 修正PBR②の計算に使用する1株当たり純資産は、各期末の自己資本に各期末時点 での賃貸等不動産の含み益(税引後)、高輪エリア、芝公園エリア(東京プリンスホテ ル)、品川エリア、軽井沢エリアの含み益(税引後)を加算して算出しております。 含み益は各期末時点での現況から判断された不動産鑑定評価に基づいております。 ※2 営業利益×0.7/(有形無形固定資産*+販売用不動産) により、算出しております。 *負担金工事の前受金分(固定資産を圧縮する金額)を控除しております。 「②インバウンド需要の取り込み、値上げの継続、国内外250ホテル体制の構築(MC拡大)に よるホテル・レジャー事業の収益性向上」 国内ホテル業では、インバウンド個人や邦人客の取り込みなどによるRevPAR※3成長に加え、お客さまへの新たな体験価値を創出するため、軽井沢プリンスホテルのイースト・ウエストエリアにおけるコテージの改装(約290億円)や、品川プリンスホテルのメインタワー・アネックスタワーへのバリューアップ投資(約220億円)など、主要なホテルを中心に戦略的な設備投資を進めております。海外ホテル業では、2026年春のリニューアル完了を目指し、マウナ ケア ビーチ ホテルの改装工事を実施してまいりました。 また、250ホテル体制構築に向け、2025年9月に株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドは、アメリカ発のライフスタイルホテルブランド「エースホテル」を運営するAce Group International LLC及び同社の子会社等の全株式を取得し、子会社化いたしました。さらに、基幹ブランドであるプリンスホテルとして、ベトナム初出店となる「Prince Hotel Da Nang」を2025年10月1日に、福岡市内初出店となる「福岡プリンスホテル ももち浜」を2026年3月17日に開業いたしました。 ※3 Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したもので あります。 「③企業価値向上につながる成長投資を優先しつつ、株主還元の安定性および継続的な強化を 図る」 DOE2.0%を下限とする累進配当を導入しており、安定的な配当とあわせ、収益向上を通じた増配を実現していくことを配当方針としております。当事業年度の年間配当金につきましては、上記配当方針のもと、足元の業績を勘案のうえ、期末配当を2円増配し、1株当たり42円(中間配当金20円、期末配当金22円)といたしました。 また、自己株式取得につきましては、バランスシートの状況を踏まえ、機動的に実施することとしており、2024年12月13日より実施していた700億円の自己株式取得については、2025年12月12日に終了し、2026年1月22日に取得した株式をすべて消却いたしました。(取得・消却した株式の総数:17,687,400株) 「④長期戦略・中期経営計画を実行するための基盤となるコーポレート・ガバナンスを強化」 取締役会と経営会議の実効性の向上を図るべく、それぞれの役割を再定義し、運用の見直しや深化などコーポレートガバナンス・コード改訂を見据え、経営基盤の高度化を進めてまいりました。加えて、政策保有株式に関する当社方針に則り、保有意義について定性的観点および定量的観点から合理性を検証し、4銘柄について売却(うち2銘柄は全量売却)いたしました。 当連結会計年度における経営成績の概況は、保有物件の流動化や国内ホテル業におけるインバウンド需要の取り込み、鉄道業における需要の増加などがあるものの、東京ガーデンテラス紀尾井町の流動化を実行した反動などにより、営業収益は、5,132億86百万円と前期に比べ3,878億45百万円の減少(前期比43.0%減)となりました。営業利益は、減収に加え、賃上げを含む人件費や設備投資の増加にともなう減価償却費等の各種費用の増加などにより、455億22百万円と前期に比べ2,472億12百万円の減少(同84.4%減)となり、償却前営業利益は、1,028億65百万円と前期に比べ2,442億60百万円の減少(同70.4%減)となりました。 経常利益は、458億21百万円と前期に比べ2,418億18百万円の減少(同84.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、388億57百万円と前期に比べ2,193億25百万円の減少(同84.9%減)となりました。 各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。(単位:百万円) 営業収益 営業利益 償却前営業利益セグメントの名称当連結会計年度前期比増減前期比増減率 (%)当連結会計年度前期比増減前期比増減率 (%)当連結会計年度前期比増減前期比増減率 (%) 不動産事業83,998△396,609△82.512,395△225,222△94.820,647△227,470△91.7 ホテル・レジャー事業250,4819,2223.822,6584,01821.640,3076,59819.6 都市交通・沿線事業156,7464,0792.79,546△1,768△15.634,4945311.6 その他54,6663,3696.61,648△416△20.26,489△136△2.1 合計545,894△379,938△41.046,249△223,388△82.8101,939△220,476△68.4 調整額△32,608△7,907-△726△23,824-925△23,784△96.3 連結数値513,286△387,845△43.045,522△247,212△84.4102,865△244,260△70.4(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。 ①不動産事業 不動産事業の内訳は開発・賃貸業、投資運用業、マネジメント業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額 営業収益480,60883,998△396,609 開発・賃貸業44,34534,803△9,542 投資運用業403,2639,785△393,478 マネジメント業8,35315,9467,593 その他24,64523,464△1,181 開発・賃貸業では、キャピタルリサイクルの推進に向け、新規物件を13件取得したほか、不動産エクイティ投資を6件実施いたしました。新規取得物件につきましては、バリューアップを実施することにより、物件価値向上を図ってまいりました。 投資運用業では、保有物件の流動化をおこないました。 マネジメント業では、アセットマネジメント、プロパティマネジメント及びビルマネジメントをおこなっており、各機能の専門性を強化してまいりました。 不動産事業の営業収益は、保有物件の流動化があるものの、2025年2月28日に実施した東京ガーデンテラス紀尾井町の流動化の反動により、839億98百万円と前期に比べ3,966億9百万円の減少(同82.5%減)となりました。営業利益は、減収により、123億95百万円と前期に比べ2,252億22百万円の減少(同94.8%減)となり、償却前営業利益は、206億47百万円と前期に比べ2,274億70百万円の減少(同91.7%減)となりました。 不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。 (建物賃貸物件の営業状況) 期末貸付面積 (千㎡)期末空室率 (%) 2025年3月期2026年3月期2025年3月期2026年3月期 商業施設2902801.61.4 オフィス・住宅1111302.94.5(注)1 土地の賃貸は含んでおりません。 2 当連結会計年度の期末空室率(オフィス・住宅)の増加については、新築物件の取得により一時的に 上昇しているものです。 ②ホテル・レジャー事業 ホテル・レジャー事業の内訳は国内ホテル業(保有・リース)、国内ホテル業(MC・FC)、海外ホテル業(保有・リース)、海外ホテル業(MC・FC)、スポーツ業(保有・リース)、スポーツ業(MC・FC)、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額 営業収益241,259250,4819,222 国内ホテル業(保有・リース)151,698153,8962,197 国内ホテル業(MC・FC)12,89215,8042,911 海外ホテル業(保有・リース)33,93336,6862,752 海外ホテル業(MC・FC)529992463 スポーツ業(保有・リース)15,55116,244693 スポーツ業(MC・FC)2,4472,601154 その他24,20524,25448 国内ホテル業では、会員プログラムの顧客データを活用したお客さまへのサービスの向上、レベニューマネジメント強化による収益性の向上に取り組んでまいりました。また、お客さまへのさらなる体験価値を創出するため、ザ・プリンス パークタワー東京やザ・プリンス 軽井沢において、客室やクラブラウンジ等を改装いたしました。 海外ホテル業では、2025年9月に株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドにおいて、アメリカ発のライフスタイルホテルブランド「エースホテル」を運営するAce Group International LLC及び同社の子会社等の全株式を取得し、子会社化いたしました。また、2026年春のリニューアル完了を目指し、マウナ ケア ビーチ ホテルの改装工事を実施してまいりました。 ホテル・レジャー事業の営業収益は、海外ホテル業におけるマウナ ケア ビーチ ホテルの改装工事にともなう影響や、一部アジア地域からの国内ホテル利用控えがあったものの、国内ホテル業におけるインバウンド個人や邦人客の取り込みにより、2,504億81百万円と前期に比べ92億22百万円の増加(同3.8%増)となりました。営業利益は、賃上げを含む人件費等の各種費用の増加などがあったものの、増収により、226億58百万円と前期に比べ40億18百万円の増加(同21.6%増)となり、償却前営業利益は、403億7百万円と前期に比べ65億98百万円の増加(同19.6%増)となりました。 ホテル・レジャー事業の国内ホテル業(保有・リース)、国内ホテル業(MC・FC)、海外ホテル業(保有・リース)、海外ホテル業(MC・FC)の定量的な指標は以下のとおりであります。 (国内ホテル業の運営形態別施設概要) 施設数(か所)客室数(室)宴会場数(室)宴会場面積(㎡) 国内ホテル業6120,48231977,959 保有・リース4313,48623851,022 MC・FC186,9968126,937 (国内ホテル業のエリア別施設概要) 施設数(か所)客室数(室)宴会場数(室)宴会場面積(㎡) 首都圏・中日本2610,93522247,682 高輪・品川エリア45,10410120,000 東日本195,4903814,252 軽井沢エリア3675113,670 西日本164,0575916,025 (注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は21室であります。2 首都圏・中日本の代表例として高輪・品川エリア、東日本の代表例として軽井沢エリアを記載しております。3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。 (海外ホテル業の施設概要) 施設数(か所)客室数(室)宴会場数(室) 海外ホテル業355,54093 保有・リース131,50733 ハワイエリア31,06222 The Prince Akatoki1823 MC・FC224,03360(注)1 海外ホテル業(保有・リース)の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiを記載しております。2 ハワイエリアに含まれるホテルはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルであります。 (国内ホテル業の運営形態別営業指標) 2025年3月期2026年3月期RevPAR(円) 保有・リース16,85217,921 MC・FC13,80916,958宿泊部門全体15,91917,603 平均販売室料(円) 保有・リース22,62222,916 MC・FC21,18424,619宿泊部門全体22,22123,432 客室稼働率(%) 保有・リース74.578.2 MC・FC65.268.9宿泊部門全体71.675.1 (国内ホテル業のエリア別営業指標) 2025年3月期2026年3月期RevPAR(円) 首都圏・中日本18,23519,948 高輪・品川エリア17,36219,017 東日本13,18114,462 軽井沢エリア29,95933,336 西日本12,03814,166宿泊部門全体15,91917,603 平均販売室料(円) 首都圏・中日本24,13125,222 高輪・品川エリア21,38922,573 東日本21,70823,263 軽井沢エリア44,19545,848 西日本16,78918,381宿泊部門全体22,22123,432 客室稼働率(%) 首都圏・中日本75.679.1 高輪・品川エリア81.284.3 東日本60.762.2 軽井沢エリア67.872.7 西日本71.777.1宿泊部門全体71.675.1(注)1 首都圏・中日本の代表例として高輪・品川エリア、東日本の代表例として軽井沢エリアを記載しております。2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。 (海外ホテル業の営業指標)・ハワイエリアの営業指標 2025年3月期2026年3月期 RevPAR (円)43,35840,549 RevPAR (米ドル)321.17281.59 平均販売室料 (円)53,93957,191 平均販売室料 (米ドル)399.54397.16 客室稼働率 (%)80.470.9 ・The Prince Akatoki Londonの営業指標 2025年3月期2026年3月期 RevPAR (円)44,85150,181 RevPAR (ポンド)246.66269.33 平均販売室料 (円)61,08356,620 平均販売室料 (ポンド)335.92303.89 客室稼働率 (%)73.488.6(注)1 海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiのうち、直営のThe Prince Akatoki Londonを記載しております。2 ハワイエリアに含まれるホテルはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルであります。 (国内ホテル業における宿泊客の内訳)(単位:名、%) 2025年3月期邦人客外国人客計 比率 比率 比率宿泊客3,320,62966.61,665,63333.44,986,262100.0 保有・リース2,238,258 1,179,196 3,417,454 MC・FC1,082,371 486,437 1,568,808 2026年3月期邦人客外国人客計 比率 比率 比率宿泊客3,421,55866.51,721,95133.55,143,509100.0 保有・リース2,256,565 1,175,049 3,431,614 MC・FC1,164,993 546,902 1,711,895 ③都市交通・沿線事業 都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線生活サービス業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額 営業収益152,667156,7464,079 鉄道業104,238107,0192,781 バス業24,87725,557679 沿線生活サービス業17,22817,835607 スポーツ業2,4612,602141 その他3,8613,731△129 鉄道業では、永続的に鉄道事業を運営し、お客さまへ良質かつ快適なサービスを提供するため、2026年3月に鉄道旅客運賃を改定し、あわせて小児IC運賃については均一化も実施いたしました。お客さまの利便性向上や踏切による交通渋滞の解消、鉄道により分断されているまちの一体化に向けた取り組みとして、2025年6月29日に東村山駅付近の新宿線下り線を高架化いたしました。また、山口線(レオライナー)での新型車両「L00系」や、環境負荷の少ない他社からの譲受車両「サステナ車両※」を導入いたしました。さらに、デジタル技術活用による駅・運転業務や施設メンテナンスの効率化に加え、クレジットカードやスマートフォン等で利用可能なタッチ決済による乗車サービスの拡大など、お客さまサービスの高度化を図りました。そのほか、西武鉄道株式会社は横瀬町と「まちづくりに関する包括連携協定」、清瀬市と「地域活性化包括連携協定」を締結するなど、沿線自治体・地域との連携を深める施策にも取り組みました。 バス業では、路線バス事業にて、運転士不足の影響が続く一方、輸送力を適正化するとともに、堅調に回復する移動需要を着実に取り込むなど、効率的な事業運営に努めました。また、都区内エリアにおいては、2025年6月に運賃改定を実施し、多摩・埼玉エリアにおきましても2026年7月に運賃改定の実施を予定しております。貸切バス事業についても、契約単価のさらなる底上げを図りました。※ 他社から譲受したVVVFインバータ制御車両を西武鉄道株式会社独自の呼称として定義 したものであります。 都市交通・沿線事業の営業収益は、エミテラス所沢の開業影響など、外出需要の増加により、1,567億46百万円と前期に比べ40億79百万円の増加(同2.7%増)となりました。営業利益は、鉄道業の設備投資の増加にともなう減価償却費や、人件費等の各種費用の増加などにより、95億46百万円と前期に比べ17億68百万円の減少(同15.6%減)となり、償却前営業利益は、344億94百万円と前期に比べ5億31百万円の増加(同1.6%増)となりました。 都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。 (西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)種別単位2025年3月期2026年3月期 営業日数日365365 営業キロキロ176.6176.6 客車走行キロ千キロ170,407170,229 輸送人員 定期千人355,907363,429 定期外千人249,221255,790計千人605,128619,219 旅客運輸収入 定期百万円40,43441,246 定期外百万円58,11260,019計百万円98,547101,266 運輸雑収百万円3,2563,067 収入合計百万円101,803104,333 一日平均収入百万円269277 乗車効率%36.237.0(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。 ④その他 スポーツ事業では、プロ野球球団である埼玉西武ライオンズの試合開催時における快適な観戦環境の提供に向けた暑さ対策やキャッシュレス化を進めたほか、ベルーナドームを活用したイベントを開催するなど、魅力あるスポーツ・エンターテインメント体験を提供してまいりました。 伊豆箱根事業及び近江事業においては、地域社会・経済の発展に寄与すべく、「地域の足」の維持と「地域付加価値」の最大化を軸に、多様なステークホルダーとの連携を図ってまいりました。 伊豆箱根事業では、乗合バス・タクシー事業にて観光需要を確実に取り込んだほか、一部路線・エリアにおいて運賃改定を実施いたしました。また、伊豆・三津シーパラダイスではさらなるお客さま満足度の向上のため、体験コーナーをはじめとした一部施設のリニューアルを実施いたしました。 近江事業では、乗合バス・タクシー事業にて運賃改定を実施いたしました。また、2025年秋に滋賀県で開催された「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」において、バス・タクシーによる選手・関係者輸送など、大会運営を支える輸送を安定的に提供するとともに、需要を取り込みました。 新規事業では、株式会社ブルーインキュベーションを通じて複数のスタートアップ企業に対する投資を実行し、2025年6月には西武グループが所有する北海道富良野市内の土地において、軽井沢蒸留酒製造株式会社による世界有数のウイスキー蒸留所「富良詩(ふらりす)蒸留所」の建設を決定いたしました。 営業収益は、2024年12月25日に実施した奥ジャパン株式会社の完全子会社化や、埼玉西武ライオンズにおける観客動員数の増加などにより、546億66百万円と前期に比べ33億69百万円の増加(同6.6%増)となりました。営業利益は、賃上げを含む人件費等の各種費用の増加などにより、16億48百万円と前期に比べ4億16百万円の減少(同20.2%減)となり、償却前営業利益は、64億89百万円と前期に比べ1億36百万円の減少(同2.1%減)となりました。 (2) 生産、受注及び販売の実績 当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。 (3) 財政状態、経営成績の分析 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。 ② 財政状態の分析1 資産 流動資産は、1,537億35百万円と前連結会計年度末に比べ2,060億80百万円減少いたしました。その主たる要因は、現金及び預金の減少(1,691億50百万円)であります。 固定資産は、1兆5,769億19百万円と前連結会計年度末に比べ1,026億15百万円増加いたしました。その主たる要因は、有形固定資産及び無形固定資産の増加(459億27百万円)及び投資有価証券の増加(357億69百万円)であります。 以上の結果、総資産は1兆7,306億54百万円と前連結会計年度末に比べ1,034億65百万円減少いたしました。 2 負債 流動負債は、3,631億37百万円と前連結会計年度末に比べ669億42百万円減少いたしました。その主たる要因は、未払法人税等の減少(820億47百万円)であります。 固定負債は、7,929億79百万円と前連結会計年度末に比べ439億32百万円減少いたしました。その主たる要因は、長期借入金の減少(538億43百万円)であります。 以上の結果、負債合計は1兆1,561億17百万円と前連結会計年度末に比べ1,108億74百万円減少いたしました。 3 純資産 純資産は、5,745億37百万円と前連結会計年度末に比べ74億8百万円増加いたしました。その主たる要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(388億57百万円)、その他有価証券評価差額金の増加(202億38百万円)及び自己株式の取得及び消却による資本剰余金の減少(688億86百万円)であります。 なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.2ポイント上昇し32.9%となっております。 ③ 経営成績の分析1 営業収益及び営業利益 営業収益は、レジデンスの流動化や、インバウンド需要の取り込みなどにより増収になったものの、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町の流動化を実施したことにより、5,132億86百万円(前期比43.0%減)となり、営業利益は減収による減益により、455億22百万円(同84.4%減)となりました。 なお、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。 2 営業外損益及び経常利益 営業外収益は、為替差益(35億8百万円)の計上などにより、85億7百万円(同98.9%増)となり、営業外費用は、82億8百万円(同12.4%減)となりました。 以上の結果、経常利益は458億21百万円(同84.1%減)となりました。 3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益 特別利益は、工事負担金等受入額の増加(559億3百万円)があったものの、前期に計上した負ののれん発生益(540億96百万円)がなくなったことなどにより、681億5百万円(同10.3%減)となりました。 特別損失は、工事負担金等圧縮額の増加(559億2百万円)などにより、685億48百万円(同398.0%増)となりました。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は453億78百万円(同87.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は388億57百万円(同84.9%減)となりました。 (4) キャッシュ・フローの分析 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,208億46百万円減少し、当連結会計年度末には561億7百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益453億78百万円に、減価償却費や棚卸資産の増減額、法人税等の支払額などを調整した結果、15億28百万円の資金収入となり、前連結会計年度に比べ4,728億49百万円の資金収入の減少となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,457億57百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ520億65百万円の資金支出の増加となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の増加であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、767億33百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ596億61百万円の資金支出の減少となりました。その主たる要因は、借入金の返済の減少であります。 (5) 資本の財源及び資金の流動性について(キャピタルリサイクルの実施) 当社グループは、「不動産事業を核として持続的な成長」を実現するため、資本効率性を追求し、保有とキャピタルリサイクルの両輪で成長させるビジネスモデルを展開しております。当連結会計年度においても、引き続き保有物件の流動化を実施いたしました。今後は、外部環境の変化を踏まえ、厳格な投資規律のもと、各開発案件の価値最大化を追求するとともに、私募REIT(西武ファンド)を活用したキャピタルリサイクルを基盤とする不動産戦略を軸に、聖域なき流動化の検討、継続的なキャピタルリサイクルを実施してまいります。そして、得られた資金を成長投資へ再配分することで、保有資産の収益力向上とNAV成長を実現し、不動産価値の最大化をはかってまいります。 (資金調達〈キャッシュイン〉) 当社グループでは、鉄道業及びホテル業を中心とした日々の事業活動によって営業キャッシュ・フローを安定的に確保し、必要な資金に充当しております。 不動産事業での取得物件に対するバリューアップ、既存物件の賃料引き上げや最有効活用の検討、ホテル・レジャー事業でのMC(マネジメントコントラクト)を中心とした国内外250ホテル体制の実現に向けたネットワークの拡大や主要ホテルを中心とした設備投資による収益力の向上、都市交通・沿線事業での鉄道旅客運賃改定の実施及び戦略的な設備投資により、営業キャッシュ・フローの最大化に努めております。 さらに、上記に加えて、2027年度中に組成を予定している総合型の私募REITを活用し、品川プリンスホテルの底地の一部流動化をはじめとする継続的なキャピタルリサイクルを実施することで、キャッシュインの増加をはかってまいります。 不足する資金については、金融機関からの借入や社債の発行など、市場環境や金利動向を総合的に勘案し、最適な資金調達手段を選択しております。加えて、固定資産の比率が高い事業特性を踏まえ、長期負債を中心とした資金調達をおこなうとともに、年度ごとの返済額平準化を進めております。あわせて、調達手段の多様化や適正な借入水準の維持による財務健全性の確保に努め、外部格付の維持・向上にも取り組んでおります。 (資金使途〈キャッシュアウト〉) 当社グループでは、「成長投資を優先しつつ、株主還元も拡充させていく」方針のもと、資金使途を決定しております。 当連結会計年度は、総額1,507億30百万円の設備投資を実施いたしました。不動産事業では、キャピタルリサイクルの推進に向け、引き続き物件取得やバリューアップ投資などを進めてまいりました。ホテル・レジャー事業では、マウナ ケア ビーチ ホテルの改装工事を実施したほか、品川プリンスホテルや軽井沢プリンスホテル コテージなどの主要ホテルを中心に設備投資を決定・着手しております。あわせて、国内外250ホテル体制の実現に向け、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドは、アメリカ発のライフスタイルホテルブランド「エースホテル」を運営するAce Group International LLC及び同社の子会社等の全株式を取得し、子会社化いたしました。都市交通・沿線事業では、安全・安心のさらなる追求と沿線価値向上のための設備投資などに資金を充当しております。加えて、当社グループ各事業において、職場環境の改善や、従業員の満足度向上を企図した設備投資を実施してまいりました。 当事業年度の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、足元の業績を勘案のうえ、期末配当を2円増配し、1株当たりの普通配当を42円としております。また、2025年12月12日に700億円の自己株式取得が終了し、2026年1月22日に取得した株式すべての消却を実施いたしました。2027年3月期の配当予想についても、1株当たり年間配当金42円としており、長期戦略で定めた株主還元方針に則り、DOE2.0%を下限とする累進配当を実現し、安定的な配当とあわせ、収益向上を通じた増配を目指してまいります。自己株式の取得については、「足元の株価水準」・「当社が認識する1株当たりNAVの目線」・「今後の成長投資の状況」・「バランスシート影響(外部格付への影響等)」などを考慮し、機動的に実施してまいります。 また、今後の成長投資については、外部環境の変化を踏まえ、厳格な投資規律のもと、価値最大化を追求してまいります。引き続き、保有資産の収益力向上とNAV成長を実現し、持続的な企業価値向上をはかってまいります。 (資金の流動性) 鉄道業・ホテル業を中心とした日々の収入金により必要な流動性資金を確保するとともに、キャッシュマネジメントシステムなどによりグループ内余剰資金の有効活用に努めております。 (6) 経営者の問題意識と今後の方針について 有価証券報告書提出日現在、インフレの進行や金利上昇、そして昨今の中東情勢緊迫化をはじめとした地政学リスクの高まりなど、我が国を取り巻く社会経済環境ならび事業環境は、急速に変容しております。将来予測が極めて困難な「VUCAの時代」であり、その只中にあって、経営者に求められるのは、目先の変化への対応力だけではありません。不確実性を正面から受け止め、むしろその変化の中に成長の種を見出し、確固たる意志とビジョンをもって前途を切り拓く力こそが問われていると、認識しております。 私は2026年4月1日付で、代表取締役社長執行役員兼COOに加え、新たにCEOの職責を担うこととなりました。2024年5月9日に策定した「西武グループ長期戦略2035」(以下、「長期戦略」)の実現を次なるステージへと牽引してまいります。当社グループは、日本全国に保有する優良不動産、国内外に広がるホテル・レジャーネットワーク、強固な地盤を有する都市交通・沿線事業という、我が国において唯一無二の事業ポートフォリオを擁しております。こうした強みを最大限に発揮することは、単なるグループの利益追求にとどまらず、地域経済ひいては、日本社会そのものの持続的発展に寄与することに他なりません。この大きな使命感を胸に、経営の舵を取ってまいります。 翌連結会計年度は、長期戦略にて「種まき期」と位置付けた中期経営計画(2024~2026年度)の最終年度であります。「種まき期」とは、将来の飛躍に向けた構造的変革と戦略的投資を断行し、「不動産を核とした持続的な成長」を実現するための経営基盤を確立する時期であり、「育成期」と位置付ける次期中期経営計画(2027~2029年度)期間以降にさらなる飛躍を果たす上での重要な局面を迎えております。攻めと守り双方の施策を完遂することで、2035年に向けた成長軌道を確固たるものとしてまいります。 経営の最大のテーマは、不動産価値の最大化によるNAV成長の実現であり、持続的な企業価値・株主価値の向上を図ることであります。また、資本コストを意識しながら、「恒常的なROE8%を達成するとともに、2035年度に10%を目指す。」という長期戦略で掲げた財務KPI達成にも取り組んでまいります。 翌連結会計年度は、不動産事業においては、保有とキャピタルリサイクルの両輪による持続的成長モデルを一層加速させる段階にあります。西武グループが保有する物件の資本効率性を検証するとともに、その結果に応じた戦略を果断に断行し、流動化した場合にはそこから得た資金を都心エリア、西武鉄道沿線の再開発、リゾート開発などへ再投資することで、NAV成長を実現してまいります。また、都心の大規模再開発については、外部環境の変化を踏まえ、厳格な投資規律のもとで価値最大化を追求するとともに、2027年度中に総合型の私募REITを組成することで、キャピタルリサイクルを加速させてまいります。また、M&A・アライアンスの戦略的活用により、総合不動産業としての事業領域を非連続的に拡大し、さらなる成長を追求してまいります。不動産事業は、当社グループの成長エンジンであると同時に、都市と地域の未来を形づくる事業であるという誇りと責任を持って、取り組んでまいります。 ホテル・レジャー事業においては、「日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーン」の確立という高い志のもと、パフォーマンスの向上とネットワークの拡大を両輪として推進してまいります。記憶に残る体験を提供し、ロイヤル顧客を醸成することで、ブランドの求心力を高めてまいります。また、国内外への出店を積極的に拡大しながら、西武グループならではのホスピタリティと体験価値を世界に発信してまいります。訪日外国人の増加が続く今日、我が国の観光立国としての競争力を高める一翼を担う存在として、その責任を果たしてまいります。 都市交通・沿線事業においては、安全・安心を事業の根幹としながら、「住みたい沿線」「訪れたい沿線」の実現を追求してまいります。特に、鉄道業・バス業は、地域社会のライフラインであると同時に、西武グループの重要な事業基盤です。この事業を永続的に力強く運営し続けることが、我々の社会的責任の核心と認識しております。 人財戦略については、いかなる戦略も、それを担う人なくしては実現しないという信念を持っております。西武グループの最大の資産は人であります。社員一人ひとりの成長と働きがいを支える環境の整備に真剣に向き合い、「はたらく人を、ほほえむ人へ。」を実現してまいります。高い志を持ちプロフェッショナルとして活躍できる人財を育み、組織全体の総合力を高めることが、長期戦略を実現するための根幹をなす力になると確信しております。 株主還元につきましては、企業価値向上につながる成長投資を優先しつつも、DOE2.0%を下限とする累進配当を基本とし、安定的な配当と収益向上を通じた増配を目指しております。今後も、資本効率性の向上により、株主還元の強化をはかってまいります。 「でかける人を、ほほえむ人へ。」のグループビジョンに基づき、お客さま・地域社会・そして日本の未来とともに歩む企業グループとして、長期戦略にて掲げた「Resilience & Sustainability - 安全・安心とともに、かけがえのない空間と時間を創造する -」というアウトカムの実現に向け、グループ総力を挙げて邁進してまいります。長期戦略の確実な実現を通じて、トータルステークホルダーサティスファクションの向上を、必ずや成し遂げてまいります。

事業リスク

  • 不動産市況の変動リスク
    不動産事業は西武グループの成長の核であり、不動産市況の変化は大きな影響を与えます。景気悪化や金利上昇、工事費高騰などにより、不動産価値が低下したり、売却利益が減少したりする可能性があります。特に、長期開発を要するプロジェクトでは外部要因による影響を受けやすいです。
  • 人財確保の困難性
    日本全体の少子高齢化と人口減少は、慢性的な働き手不足を引き起こし、採用市場は売り手市場が続いています。想定通りの人財確保ができない場合や、キーパーソン・若手社員の流出が進むと、事業機会の逸失や事業戦略の実行力低下を招くリスクがあります。
  • 地政学的リスクと経済情勢
    突発的な地政学的リスク(国際情勢の不安定化など)や、それに伴うインバウンド需要の減少、株価下落、消費マインドの低下は、ホテル・レジャー事業や不動産事業に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。日本経済全体への波及効果も懸念され、グループの業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|12,842 文字
3【事業等のリスク】 (1) 当社グループのリスクマネジメント体制 当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、当社の経営戦略部を当社及び西武グループ全体のリスクマネジメント統括部署とし、同部担当の業務執行担当役員を、グループ全体のリスクマネジメントの実施及び運用の責任と権限を有するリスクマネジメント総括責任者とするとともに、当社において、当該リスクマネジメント総括責任者を議長とし、当社の各部長・室長を構成員とするリスクマネジメント会議を開催しております。 また、グループ内子会社のうち、主要8社各社に、当該各社及びそれぞれの会社がガバナンスの観点から監督すべき系列の会社(以下、「ガバナンス系列の会社」といいます。)におけるリスクマネジメントに関する社内体制を統括する部署としてリスクマネジメント統括部署を設置しています。さらに、当該主要8社各社のリスクマネジメント統括部署を担当する業務執行役員を、当該各社及びそれぞれの会社に属するガバナンス系列の会社におけるリスクマネジメントの実施及び運用の責任を有するリスクマネジメント責任者としております。 各社リスクマネジメント統括部署は、リスクマネジメントの状況を取りまとめ、各社のリスクマネジメント総括責任者又はリスクマネジメント責任者に報告いたします。かかる報告を受けたリスクマネジメント責任者は、当該報告を取りまとめ、各社の取締役会及び内部監査部門、ならびに当社のリスクマネジメント総括責任者に報告しております。さらに、リスクマネジメント総括責任者は、これらの報告を取りまとめ当社の取締役会及び監査・内部統制部に報告しております。 (2) 当社グループのリスクマネジメントの運用 当社グループにおけるリスクマネジメントは、毎事業年度におこなうリスクマネジメント計画の策定と当該計画に基づく継続的なモニタリングにより運用しております。 リスクマネジメント計画は、①リスクの洗い出し(抽出)、②リスクの大きさ算定(分析)と優先順位付け(評価)、③リスク対策(行動計画)の決定、というプロセスを経て、策定しております。 また、計画開始後のモニタリングは、外部環境の変化にともなうリスクの変動及びリスク対策の進捗等を踏まえた残余リスク(リスクコントロールの実施後に残るリスク)に着目して実施しております。 当社グループは、当社グループが策定した「西武グループ長期戦略2035」(以下、「長期戦略」といいます。)及び「中期経営計画(2024~2026年度)」(以下、「中期経営計画」といいます。)と有機的一体となった運用により、当社グループの戦略目標達成を支える質の高いリスクマネジメントをおこなってまいります。 以下では、当社グループのリスクマネジメント計画の策定プロセスの具体的内容について記載いたします。 ①リスクの抽出 リスクの抽出は、次のとおり、当社グループ内においてトップダウン及びボトムアップの双方向のアプローチに基づくプロセスを経ております。 当社は、当社のリスクマネジメント会議での議論及び当社の社外取締役との意見交換も経ながら、当社グループ全体の目標達成を阻害する可能性のあるリスク要因を抽出しております。並行して、主要8社各社も、主要8社各社及び各社のガバナンス系列の会社の目標達成を阻害する可能性のあるリスク要因を抽出しており、双方で抽出したリスク要因をあわせることで、リスクの網羅的な抽出をおこなっております。 ②リスクの分析・評価 当社グループでは、発生可能性及び影響度の観点からリスク分析をおこなっております。具体的には、主要8社各社が、発生可能性ならびに主要8社各社及び各社のガバナンス系列の会社の目標達成に対する影響度を分析し、当社は、主要8社各社の分析結果も踏まえ、当社グループ全体としての発生可能性及び目標達成に対する影響度を分析、評価しております。 当事業年度末時点においては、上記分析に基づき、当社は、14項目の主要なリスクカテゴリーのうち、特に重要なリスクカテゴリーとして11項目を決定いたしました(リスク評価)。 当該分析及び評価の結果は次のとおりです。 発生可能性低中高影響度大 ・旅行・観光消費動向・収支構造・金利・安全・安心・不動産領域・人財確保・少子高齢化・経済情勢・技術革新・価値変容・情報システム・ 情報管理・自然災害・感染症・ 地政学的リスク等中・ブランド・風評・法的規制・ コンプライアンス等・気候変動小 ・協力企業との取引・共創 ③リスク対策 当社グループは、リスクマネジメント計画策定時に、残余リスクとして残存したとしても経営上許容し得るリスクの程度について議論をおこない、かかる議論を踏まえて具体的なリスク対策を決定しております。 主要なリスクカテゴリーに対するリスク対策の概要については、後掲(3) 及び(4) に記載いたします。なお、後掲(3) 及び(4) に記載する事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当事業年度末現在において判断したものであります。 (3) 特に重要なリスクの内容及びリスク対策の概要 ①不動産領域に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 当社グループの長期戦略においては、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業は、不動産事業とともに成長していくものであり、不動産事業が当社グループの成長の核となります。そのため、不動産領域に存在するリスクは、当社グループの長期的な成長に大きな影響を与える可能性があります。具体的には、2025年4月に株式会社西武リアルティソリューションズから商号変更した株式会社西武不動産が総合不動産会社へと飛躍していくうえで、(ア)投資判断上の課題、(イ)開発用地・不動産の取得、(ウ)不動産開発・建替、(エ)不動産価値の低下、及び(オ)不動産の管理といったあらゆるリスクに対処する必要があります。 特に、(ウ)不動産開発には長い開発期間と巨額の投資が必要となり、当社グループではコントロールできない多くの外部要因により、影響を受ける可能性があること、及び、(エ)不動産市況の変化や老朽化によって不動産価値が減少し、又は工事費をはじめとする各種コストの高騰により売却利益の減少や損失が発生する可能性があること、について注視する必要があります。 今後より一層不動産回転型ビジネスを加速していくこととしていますが、上記のリスクのうち特に(エ)不動産市況の変化による不動産価値の減少等に起因する売却利益の減少や損失の発生等のリスクに留意する必要があります。●リスク対策 当事業年度においては、キャピタルリサイクルモデル(不動産流動化とその資金を活用した再投資を持続的に実施し成長するモデル)の実現に向けた体制整備をおこなってまいりました。今後は、引き続き専門人財の登用をおこないながら、新規物件取得や不動産開発を加速していき、リスク顕在化による影響を低減いたします。 (ウ)近年の建築費が高騰している状況も踏まえ、不動産開発に関するリスク等、当社でコントロールできないリスクについては一定のリスクの発生を織り込んだうえで投資判断・事業をおこない、また、遅延や異常が発生した場合には、速やかな対応ができる体制を構築することでリスク顕在化による影響を低減いたします。 (エ)不動産価値の低下リスクについては、貸借対照表の適正なコントロールや最適なポートフォリオの構築を通じて、リスク耐性のある事業基盤を構築するとともに、資本効率性を意識した商品企画・サービスの向上及びバリューアッドを通じた市場競争力の強化をおこないます。また、市場から求められるNAVの成長に向け、含み益の早期顕在化と再投資の最適化を図ることで、リスクの発生可能性及び顕在化による影響を低減いたします。 ②人財確保に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 日本全体の少子高齢化・人口減少はメガトレンドとして避けられず、働き手が慢性的に不足し、採用市場は売り手市場が続くことが予想されます。当社グループにおいても、想定どおりの採用が実施できなかった場合や、キーパーソンや若手社員が働きがいを感じられず人財の外部流出が進む場合など、人員が不足した結果、事業機会を逸失、事業戦略の実行力低下を招く、といったリスクが想定されます。 特に成長戦略の核を担う株式会社西武不動産では、不動産回転型ビジネスや都心・リゾート再開発等を担う専門人財の確保が遅れる場合、これらのビジネスが停滞し、損失を招くリスクが想定されます。●リスク対策 当社グループは、長期戦略におけるマテリアリティ(重要テーマ)の一つとして「多様な人財の育成・活躍」を位置づけ、その一環として「西武グループ人財戦略」を実行しております。当社グループの各社が「人財スキル・人員数の確保」「働きがいのある組織」に向けた取り組みをおこなうことにより「個人の成長」を促進し、「個人×個人が最大限活躍できる組織」をつくっていくことで本社・現場全員が一丸となって「プロフェッショナル集団」を目指します。 全社的に、従来の新卒定期採用に加え、キャリア採用や副業等の市場に着目し、人財確保につなげるとともに、確保した人財や既存従業員に当社グループで活躍できるように、働きがいを向上させます。働きがいに関する調査結果を踏まえ、人事施策をブラッシュアップしていくことにより、従業員が会社の目指す姿に共感し、一体となって挑戦している組織の状態を築くとともに、社内外に開けたオープンマインドや高い心理的安全性を前提としたダイバーシティやインクルージョンを実践してまいります。これらの施策を着実に実行することでリスクを回避いたします。 当事業年度におきましては、2026年度初任給及び既存社員の給与引き上げをおこなうことを決定しましたが、引き続き成長を支える原動力となる人財へ投資し、「最高の処遇」を実現してまいります。 ③少子高齢化に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 日本全体の少子高齢化・人口減少はメガトレンドとして避けられず、当社グループの事業においては、具体的には、(ア)鉄道沿線の人口減少による運輸収入や沿線での各種事業(西武ライオンズ等も含みます。)の収入減、観光客の減少によるホテル・レジャー事業等の収入減、(イ)お客さまの高齢化にともなうニーズの変化に適応できなかった場合のお客さま満足度低下、収入減、及び(ウ)不動産需要の低下、市況の悪化による地価等の下落、等のリスクが想定されます。●リスク対策 不動産事業を核とする成長戦略を実行し、キャピタルリサイクルによりグループの成長に寄与するキャッシュ・フローを生み出す方向性へ事業ポートフォリオ変革を進めていくことで、リスク顕在化による影響を低減いたします。 また、リゾート開発において付加価値の高い国際的リゾートを創造していくこと、ホテル・レジャー事業において富裕層をターゲットとするラグジュアリーブランドの出店も含めたホテル展開を加速させていくこと、グループマーケティング基盤上のデータを利活用しながら、お客さまのニーズをタイムリーに把握しサービス変革を果たすこと、及び、あらゆる年代のお客さまにとって快適なサービスの形を追求し(施設、接遇等)、当社グループ独自の体験価値を提供すること、を通じて市場での競争力を強化し、リスク顕在化による影響を低減いたします。 さらに、西武鉄道株式会社の沿線地域の土地が強固な地盤であることも強みに、西武鉄道株式会社と株式会社西武不動産が連携して西武鉄道沿線エリアの街づくりに取り組んでいくこと等を通じて、西武鉄道沿線地域の少子高齢化・人口減少を抑制し、リスクの発生可能性も低減いたします。 ④経済情勢に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容(経済危機) 地政学リスク等に端を発する世界経済の減速は、日本経済にも影響を及ぼす可能性があります。特に旅行・観光需要が減少すると、「旅行・観光消費動向に関するリスク」が高まる可能性があります。(燃料費、原材料費等の不足、高騰) 気候変動や自然災害等に起因する原材料の不足(原材料費の高騰)や、原油価格高騰に起因する燃料費の増加等の外部的な要因により燃料費、原材料費等が増加することにより、業績に悪影響を及ぼし、又は、事業活動の継続が困難となる可能性があります。(為替変動) 為替価格が当初予定されていた価格と相違することにより、日本円表示している連結財務諸表や、外貨建て資産・負債に損失が発生し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(株式市場の変動) 株式市場の変動によって、当社グループが保有する投資有価証券の価値が変動し、損失を被ることで、業績への打撃をもたらす可能性があります。●リスク対策 経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することでリスク顕在化による影響を低減しております。今後も、経済情勢をあらかじめ踏まえたうえでの計画策定や、変化をとらえた機動的な対応等により、リスクコントロールをおこなってまいります。 ⑤技術革新・価値変容に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 新型コロナウイルス感染症の蔓延を契機とした生活様式の変化によって、人々の価値観にも変容が生じ、複雑化・多様化しております。また、生成AI等の新たな技術が急速に進化し、技術革新が目まぐるしく生じ、当該技術を活用した新たな価値(新たなサービス)が次々と世に生み出されております。これに対して当社グループの商品・サービスが、お客さまのニーズの変化に適応したものとなっていない場合、賃貸稼働率の低下や賃料の減少、販売売上の減少等によって経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす、等のリスクが想定されます。●リスク対策 当社グループではデジタル・AI活用を通じて、企業全体の変革ならびに生産性の向上を目指しています。これにより事業・顧客に向き合う時間を創出・拡大し、少子高齢化等の構造変化への適応や競争優位性の向上を目指してまいります。また、内外環境変化に適応可能な人財基盤を構築すべく、教育体制・施策を強化します。加えて、各事業の特性に応じたデータ分析をおこない、既存施策の改善や新たな価値創出を進める顧客体験を向上します。これらの取り組みにより、さらに西武らしい不動産開発、生活者に選ばれる沿線、お客さまやオーナーに選ばれるホテル、お客さまのニーズに応えた新規事業など、競争優位性の高い状態を実現することで、リスクの発生可能性を低減いたします。 ⑥情報システム・情報管理に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容(物理的要因による情報漏洩・改竄) サイバー攻撃による不正アクセス、ウイルス感染、PC端末の紛失等により、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(情報システム・ネットワークダウン、データの損傷・消失) 事故・災害、人為的ミス等により情報システム機能に重大な障害が発生した場合、又は他社のシステム障害による影響を受けた場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 当社グループでは、事業上のあらゆる場面において、情報システム・情報管理が不可欠であることを強く認識しており、情報セキュリティレベルの強化に資するシステムの刷新、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、ならびに協力企業の安全性確認等の対策をおこなっております。また、(ア)個人情報を含む情報管理の適正に向けた各社内規程に基づく体制整備と運用の確保、(イ)情報システムへのアクセスを適切に管理することによる情報への不正アクセスの防止、及び、故意による情報の持出しを防ぐための情報記憶媒体の利用制限やアプリケーション・システムのログ監視等の技術的な対応、ならびに、(ウ)eラーニング等による研修等を通じた従業員の意識醸成にも努めており、これらの対策を通じて外的要因によるリスク及び内的要因によるリスク双方の発生可能性を低減しております。今後はこれらの取り組みに加え、協力企業と連携したオペレーションの改善や人財マネジメント、さらには情報システムの最適化をはかっていくことにより、技術革新が目覚ましい社会に適応する形でリスクコントロールをおこなってまいります。 ⑦自然災害・感染症・地政学的リスク等に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 当社グループの事業においては、地震、津波及び台風等の自然災害、感染症、ならびに戦争及びテロ等の地政学的リスク等を要因として、(ア)生活者、観光利用者の動きに影響が生じ、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において売上高が減少する、(イ)事業拠点が1か所(主に首都圏)に集中することで、自然災害又は地政学的リスク等が発生した際に甚大な影響を受け全社的に事業継続が困難となる可能性がある、等のリスクが想定されます。●リスク対策 前・中期経営計画において実施したグループ再編以降、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドはホテル出店においてはマネジメントコントラクト受託によることを基本とすることでリスク顕在化による影響を低減しております。 また、不動産回転型ビジネスの展開により、安定利益(開発・賃貸業)と売却利益(投資運用業)のバランスをとることに、また海外ホテル展開においては、地政学リスクをより一層注視しながら、エリアごとのリスク分散をはかることにより、リスク顕在化による影響を低減いたします。さらに、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業においては、沿線自治体とも連携し、防災体制を強化しております。 気候変動に対するリスクマネジメントとの連動・一体性も意識しながら、リスクが顕在化した場合であっても、お客さまや従業員の安全性が保たれるとともに、事業への影響が極小化できている状態を目指します。 ⑧気候変動に関するリスク発生可能性:高影響度:中●リスクの内容(移行リスク) 世界的にサステナビリティへの取り組みの要請がメガトレンドとして存在しているところ、事業者にとっては、社会や投資者等のステークホルダーから、温室効果ガスの削減を含む環境への取り組みが要請され、その取り組みが重視・評価される時代となっております。そのため、例えば、(ア)気候変動を考慮した企業ニーズや消費動向の変化(例:不動産需要の変化等)をとらえきれず、お客さま満足度を低下させ、事業機会を逸失する、(イ)当社グループによる取り組み不足により、当社グループのイメージが低下し、当社グループ各社による事業機会を逸失する、等のリスクが想定されます。(物理的リスク) また、(ウ)豪雨・土砂災害等の異常気象の激甚化による交通事業の運休・施設の休業により売上が減少し、又は、建物・設備等の改修コストが増加する等の要因により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす、(エ)夏期の気温上昇による出控えや、冬期の降雪量の減少等によるスキー客の減少等を要因として売上が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす、等のリスクも想定されます。●リスク対策 当社グループは長期戦略におけるマテリアリティ(重要テーマ)として「脱炭素・資源有効活用」を設定し、環境負荷低減目標及び資産・ブランド価値向上指標を非財務KPIとして設定しております。具体的には、CO₂排出量を2050年度ネットゼロにする、延床面積30,000㎡以上のオフィスビルにおける環境認証(CASBEE、DBJ等)の取得率100%、等の目標を掲げ、例えば、森林の活用、省エネ車両や設備の導入による使用エネルギーの削減、太陽光発電等再生可能エネルギーの導入、等の具体的施策を検討・実施しております。また、特にホテル・レジャー事業では、環境意識の高いお客さまニーズを踏まえたサービスを提供してまいります。これらの取り組みにより、移行リスクの発生可能性を低減いたします。 また、建物・設備等の改修及び浸水・防止対策その他各種メンテナンスの徹底、ならびに総合復旧訓練等の異常時訓練の実施を通じた対応力の強化により、物理的リスクによってお客さまの安全が脅かされることのないよう、最大限の努力をおこなっております。さらに、売上の減少や改修コストの増加が業績に大きな悪影響を及ぼすことがないよう計画的な修繕等を通じて、物理的リスクの顕在化による影響を低減いたします。 ⑨旅行・観光消費動向に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容(国内情勢の変化) 国内景気の悪化による旅行・観光消費の冷え込みによって、日本国内における旅行・観光客の減少が生じ、売上(ホテル・レジャー事業、都市交通・沿線事業の定期外収入等)が減少する可能性があります。(海外情勢の変化) 海外進出先での政治的混乱や、外交的問題による日本との関係悪化により、現地での事業継続への支障もしくは事業の中断・停止、又は、日本へのインバウンドの減少等が生じ、特にホテル・レジャー事業において業績への悪影響やホテル数拡大の遅延が生じる可能性があります。●リスク対策 ホテルのグローバル展開など単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発、及びグループ共通の会員サービスやマーケティング活動の強化等に加え、前・中期経営計画期間ではアセットライトをテーマとしたビジネスモデルの変革により企業体質を進化させるなど、リスク顕在化による影響を低減しております。 さらに、当社グループのマテリアリティ(重要テーマ)である「五感を揺さぶる体験創造」に従い、あらゆる場面で楽しみと感動を体験できる設計やMICE・リゾート等の独自の強みの発揮を通じて、「日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーン」として差別化をはかり、グループのロイヤルカスタマーを育成し、リスク顕在化による影響を低減いたします。 また、足もとでは国際情勢の不透明性が増しており、特に日本への送客数の減少は、当社の業績へ悪影響を及ぼすため、経済情勢に関するリスク及び地政学に関するリスクと連動させてリスクコントロールをおこない、リスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑩収支構造・金利に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容(収支構造) 当社グループの事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすリスクがあります。特に、社会全体として賃上げ気運が高まっており、当社グループにおいても「最高の処遇」実現のため人件費を上昇させていくことが想定されます。(金利・有利子負債) 当社グループは、鉄道業をはじめ、継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、市場金利の上昇は、既存の有利子負債の残高に係る支払利息及び新規の資金調達に係る調達コストの増加のほか、不動産購入需要の停滞による分譲収益減少や不動産価値の低下を招くおそれもあります。●リスク対策 損益分岐点が高い収支構造の問題については、前掲のホテルのМC受託によることを基本とするネットワーク拡大や不動産回転型ビジネスの展開による資産効率性の向上に加え、当社グループのシェアードサービス会社である株式会社西武プロセスイノベーションも活用したコーポレート業務のスマート化を進めるとともに、各事業のオペレーションにおいてもデジタルを活用した効率化を進めることで、リスクの発生可能性を低減いたします。 また、市場金利の上昇に対しては、大規模開発や新規物件の取得など一定程度のレバレッジをかけつつも流動化の実施及び設備投資の厳選等、ならびに資金調達先・手法の多様化を通じてBSマネジメントを強化しリスク顕在化による影響を低減(分散)するほか、不動産取引市場におけるキャップレートの変動を注視して事業計画の立案やスケジュール策定を実施することで、リスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑪安全・安心に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容(事業用資産等の管理、サービスの品質管理、安全・事故防止活動) 事業用資産等もしくはサービスの安全面・品質面等の管理プロセス、又は安全・事故防止プロセスの不備・欠陥等により、事故等が未然に防止できず、お客さま、従業員等に重大な損失を被らせ、又は行政機関から業務停止命令や改善命令を受けること等を通じて、社会的信用の失墜、イメージダウン、損害賠償義務の発生等を招く可能性があります。(食の安全・安心の不備) 食中毒の発生、異物の混入、表示と異なる食材の提供、アレルギー食材や宗教上の理由により食べられない食材の提供等により、お客さまの心身に悪影響・損失を生じさせ、社会的信用の失墜やインバウンド含む既存のお客さま及び未来のお客さまの逸失を招く可能性があります。●リスク対策 当社グループは「安全で快適なサービス」の提供をグループ理念に掲げ、常に、「安全」を基本にすべての事業・サービスを推進しております。 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みや運輸マネジメント体制の整備・運用、ホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の実行、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。このような日頃のマネジメントにより、お客さまの生命・身体に重大な影響を与える事故等を決して起こさない決意をもって、引き続き安全管理体制の整備、安全監査及び安全教育・訓練等の各種プロセスを着実に遂行することで、継続的にリスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減いたします。 (4) その他の主要なリスクの内容及びリスク対策の概要⑫法的規制・コンプライアンス等に関するリスク発生可能性:中影響度:中●リスクの内容(法的規制・環境規制) 当社グループの事業活動に関係する法的規制は業法、環境規制、会計基準、税制等をはじめとして多岐にわたるところ、これらの各法的規制への違反が生じると、刑事罰、事業改善命令や資格停止等の行政上の措置、損害賠償義務の負担、及びイメージダウン等を招く可能性があります。 また、現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(重要な訴訟等) 通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応をおこなっております。今後も、各法的規制を遵守するために、法規制の遵守体制を徹底し、また、法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の見直しをおこなった上で実施・徹底をはかることで、リスクの発生可能性及び顕在化による影響を低減いたします。 ⑬協力企業との取引・共創に関するリスク発生可能性:中影響度:小●リスクの内容(与信管理・債権管理の不備、賃貸収入の減少) 協力企業の資金繰りの悪化等により代金の回収等に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(特定の協力企業への依存) 特定の協力企業へ取引が集中していることにより、当該協力企業への依存度が高い場合、協力企業における何らかの障害(倒産・災害等)や協力企業の意向に当社グループの事業活動が左右され、追加費用の発生、事業活動、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。(協力企業における人権、コンプライアンス上の問題等の発生) 協力企業が人権、コンプライアンス等において社会からの要請を果たすことができなかった場合等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(協力企業の選定基準の不備) 当社グループが長期戦略に基づき力強く成長していくにあたっては、どの事業においてもオープンマインドを持ち、協力企業との新たな価値の共創やM&Aによる当社グループにない企業文化の取込み・多様化等に取り組んでまいりたいと考えております。その中で、協力企業(事業提携のパートナー、購買先、外部委託先等)の選定上の基準、取引内容及び取引の正当性を評価する基準が存在せず、又は不適切な基準である場合、協力企業との価値共創や企業文化の取込み・多様化が困難となり、ひいては当社グループの事業機会の逸失や当社グループのイメージダウンを招くおそれがあります。●リスク対策 「西武グループ人権方針」の開示をおこない協力企業に理解を求めることや、管理・監督、業務委託管理体制の整備により、協力企業が当社又はお客さまへ提供するサービスがコンプライアンスを遵守し、確実に高い基準を満たしたものになるように努め、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減しております。また、特定の協力企業に依存することなく、様々な協力企業と多面的な協力を実施していくとともに、協力企業の選定やモニタリングにあたっては、与信管理、債権管理といった基本的な管理のみならず、良好なリレーションから取得される情報等も考慮した深度ある検証を多面的な観点から実施することで、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑭ブランド・風評に関するリスク発生可能性:低影響度:中●リスクの内容(第三者による西武ブランドの使用) 当社グループのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。(風評) 上記いずれかの当社における主要なリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、及びCS・ES向上施策の実行等により、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減しております。

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