9028

ゼロ(9028)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 車両輸送サービス:ゼロ社は、新車や中古車、バイク、建設機械などの輸送を主力事業としています。これは、自動車メーカーや販売会社から依頼を受け、車両を安全かつ効率的に指定の場所へ運ぶサービスで、自動車流通に不可欠な役割を担っています。輸送だけでなく、納車前の点検整備や中古車オークション会場での作業なども手掛けており、自動車関連の幅広い物流ニーズに対応しています。
  • 人材派遣・運行管理:病院や教育施設向けの自動車運行管理や、ドライバー・倉庫作業員の人材派遣も行っています。これは、企業が自社でドライバーを雇用する代わりに、ゼロ社から専門のドライバーや運行管理のノウハウを提供してもらうサービスで、人手不足に悩む企業にとって重要なソリューションとなっています。
  • 一般貨物・海外物流:港湾での荷物の積み下ろし(港湾荷役)や、倉庫での保管・管理、一般消費財の輸送など、幅広い貨物輸送サービスを提供しています。また、中国での新車輸送やマレーシア向けの中古車輸出など、海外市場での物流事業も展開しており、グローバルな視点で収益源を多様化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内自動車関連事業:新車・中古車の輸送、バイク輸送、レンタル建機の回送、納車前整備点検、大型車整備、中古車入札会運営、オークション会場での検査業務など、国内の自動車流通に関わる幅広いサービスを提供しています。ゼロ社の主力事業であり、グループ全体の収益を支える基盤となっています。
  • ヒューマンリソース事業:病院や教育施設における自動車の運行管理事業や、ドライバー・倉庫内作業員を中心とした人材派遣事業を展開しています。少子高齢化や需要の多様化に対応し、MaaS(Mobility As a Service)分野での専属ドライバー需要の獲得や、空港への人材提供など、新たな分野への展開も模索しています。
  • 一般貨物事業:港湾での荷役作業、運輸・倉庫事業、一般消費財などの3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業を手掛けています。既存顧客のニーズに応えつつ新規顧客の獲得に努め、特に顧客の物流センター・倉庫の3PL事業に注力しています。バイオマス発電所向けの燃料荷役など、環境に配慮した事業も展開しています。
FY2022 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ForeignRelatedBusinesses 事業 − 2 −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|701 文字
3 【事業の内容】当社グループは、2026年6月30日現在、当社及び子会社23社と共同支配企業3社で構成されております。当連結会計年度より、Auto Carrier(Thailand)Co.,Ltd.を子会社化しております。また、当社グループの報告セグメントは、国内自動車関連事業、ヒューマンリソース事業、一般貨物事業、海外関連事業と分類しております。当社グループは、当社の普通株式に対する公開買付けにより2014年6月19日付けにて親会社タンチョンインターナショナルリミテッドグループの一角を形成しております。同社グループは、シンガポール、香港、中国、タイ等のアジア地域において主に自動車の製造・流通・販売を中心に、産業機械、不動産、金融などの領域で事業展開を行っており、香港証券取引所に上場しております。当社グループの事業にかかる位置付けは以下のとおりであります。 セグメント会社国内自動車関連事業㈱ゼロ、㈱ゼロ・プラス関東、㈱ゼロ・プラス九州、㈱ゼロ・プラス西日本、㈱ゼロ・プラス中部、㈱ゼロ・プラス東日本、㈲新和陸送、㈱ゼロ・プラスBHS、㈱ゼロ・プラスIKEDA、㈱ソウイング、㈱ゼロ・プラス・メンテナンスヒューマンリソース事業㈱ジャパン・リリーフ 他4社一般貨物事業㈱ゼロ、苅田港海陸運送㈱、㈱九倉、東洋物産㈱海外関連事業㈱ゼロ、㈱ワールドウインドウズ、陸友物流(北京)有限公司TC Zero Company Private Limited、Auto Carrier(Thailand)Co.,Ltd. 他4社 《事業系統図》以上述べた事項を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
輸送効率低下に伴うコスト増分を輸送料金に反映できない場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
一般貨物自動車運送事業認可及び第二種貨物利用運送事業許可が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:主要顧客への売上依存度 / 特有の法的規制に係るもの / 人材の確保
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。現時点では明確な根拠を示すことができません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

鉄道事業という性質上、既存顧客が他の交通手段に乗り換えるには一定のコスト(時間、利便性など)がかかる可能性があります。しかし、代替交通手段の選択肢も存在するため、スイッチング・コストは限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄道事業は直接的なネットワーク効果(ユーザーが増えるほど価値が増す)が働きにくいビジネスモデルです。乗客数が増えても、個々の乗客の体験価値が直接的に向上するわけではありません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄道インフラの維持管理には巨額の固定費がかかります。新規参入には多額の設備投資が必要であり、既存事業者にとっては参入障壁となり得ます。しかし、効率的な運行や設備投資の最適化がコスト優位に直結するかは不透明です。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

鉄道事業は広範な路線網と多数の駅を運営しており、一定の規模の経済が働いています。特に都市圏での輸送密度が高い場合、効率的な運行によるコスト削減効果が期待できます。しかし、業界全体で見た場合の寡占度は限定的です。

  • 全国ネットワークと輸送ノウハウ:ゼロ社は、陸上輸送と海上輸送を組み合わせた全国規模のネットワークを構築しており、長距離の車両輸送において強みを持っています。自動車という特殊な荷物を安全かつ効率的に運ぶための専門的な機材やノウハウは、新規参入が難しい参入障壁となっています。これにより、競合他社が対応できない広範囲の輸送ニーズに応えることが可能です。
  • 自動車関連事業とのシナジー:主力である車両輸送事業に加え、自動車の運行管理やドライバー派遣、中古車関連サービスなど、自動車流通の周辺事業を幅広く展開しています。これらの事業は相互に連携し、グループ全体で顧客への付加価値を高めるシナジー効果を生み出しています。例えば、車両輸送と納車前整備を組み合わせることで、顧客はワンストップでサービスを受けられます。
  • 港湾事業と地域特化型3PL:一般貨物事業では、参入障壁の高い港湾荷役事業や、地域特性を活かしたサードパーティ・ロジスティクス(3PL)事業に注力しています。3PLとは、企業の物流業務全体を外部に委託するサービスで、ゼロ社は顧客の物流センターや倉庫の運営を効率化することで、顧客のコスト削減と利便性向上に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 品質向上と事業領域の拡大:ゼロ社は「安全で良質な輸送・サービス」を企業理念とし、営業、物流、人的、財務といったあらゆる品質の向上を目指しています。既存の車両輸送事業を強化しつつ、M&Aも活用しながら、名義変更代行や納車前整備、中古車入札会運営など、自動車周辺事業や新規サービス領域への展開を進める方針です。これにより、持続的な成長と企業価値の増大を目指します。
  • 中期経営計画の目標達成:2027年6月期を最終年度とする中期経営計画では、売上収益1,500億円以上、営業利益100億円以上、営業利益率6.5%以上、ROE14.0%以上、PBR1.0倍以上、PER8.0倍以上という具体的な経営指標を掲げています。これらの目標達成に向けて、事業基盤の再構築や輸送効率の向上、コスト管理の徹底、収益構造の見直しなどを推進していく計画です。
  • 「物流2024年問題」への対応と働きがいのある職場づくり:「物流2024年問題」に対応するため、法令遵守を徹底しつつ、業務の効率化、自動化、デジタル化を進めて総労働時間の短縮を図ります。また、業務プロセスの簡素化や分業、アウトソースにより、労働環境や諸条件の改善を進めることで、乗務員や整備士の定着率向上、従業員エンゲージメントの向上を目指し、業界で魅力的な会社となることを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループの企業理念は『品質』、すなわち「安全で良質な輸送・サービス」をお客様に提供するとともに、「お客様の期待以上のサービスを創造することにより、豊かな社会の発展に貢献する。」ことを掲げており、営業品質・物流品質・人的品質(人的資本)・財務品質などあらゆる品質の向上を活動の基本としております。また、祖業である車両輸送事業において確固たる業界のポジションを築くため、既存ビジネスの拡大に加え、自動車流通バリューチェーンへのさらなる展開を実行していくとともに新規事業や新サービスを創出し、M&Aも一つの選択肢として、新しい事業領域への展開を推し進めてまいります。持続的な成長・発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標中期経営計画の最終年度となる2027年6月期の目標とする経営指標は以下のとおりとし、引き続きその達成に向けて邁進してまいります。項目目標数値売上収益1,500億円以上営業利益100億円以上営業利益率6.5%以上ROE14.0%以上PBR1.0倍以上PER8.0倍以上 (3) 当社グループが置かれている経営環境について ① 市場環境当社グループの主たる事業である国内自動車関連事業は、国内の新車・中古車販売市場および自動車流通市場の動向に影響を受けます。国内の新車市場は1990年代の約700万台をピークとして長期的に減少傾向にあり、人口減少、運転免許保有者の減少、自動車の保有期間の長期化、所有形態や購買行動の変化等を背景として、中長期的には大幅な数量成長を見込みにくい環境にあります。一方、国内の自動車保有台数は依然として高い水準にあり、2026年5月末時点で8,300万台となっております。また、乗用車の平均使用年数も長期化しており、新車販売市場が縮小する中においても、ストックとなっている自動車を起点とした大きな市場が存在しております。自動車流通市場においては、中古車オークション・入札会、リースアップ車両やレンタカー等の法人保有車両の流通、輸出等、多様な商流が存在しております。当社グループを取り巻く直近の事業環境においても、新車輸送需要が減少する一方、中古車輸送需要は高く、中古車オークション市場では大手事業者への取扱台数の集中も進んでおります。こうした変化により、自動車の輸送のみならず、預かり、検査、整備、商品化、登録、構内運営等を含め、自動車の流通過程全体を効率化するサービスへの需要が高まるものと認識しております。また、物流業界においては、生産年齢人口の減少を背景として、乗務員、整備士および構内作業員等の人材確保が一層困難となっております。働き方改革関連法や改善基準告示による労働時間規制に加え、賃金、燃料、輸送機材、整備等に係るコストも上昇しており、従来のように人員や労働時間を増加させることで輸送需要に対応することが難しくなっております。当社グループが属する車両輸送業界においても、輸送能力そのものが限られた経営資源となりつつあり、その確保と生産性向上の重要性が一層高まっております。物流に関する法制度についても変化が続いております。2025年4月から改正貨物自動車運送事業法に基づく運送契約締結時の書面交付や実運送体制管理簿の作成・保存等の規律が施行され、2026年4月からは物流効率化法に基づき、一定規模以上の物流事業者等に中長期計画や定期報告等が求められております。これらへの対応とともに、荷待ち時間や荷役時間の削減、取引条件の適正化、輸送効率の向上等を通じて、持続可能な物流体制を構築することが求められております。さらに、デジタル技術やAIの発展により、受発注、配車、輸送状況管理、料金・採算管理等の業務を高度化する余地が拡大する一方、サイバー攻撃や情報漏えい、システム障害等が事業継続に及ぼす影響も増大しております。このため、デジタル技術を活用した生産性および顧客利便性の向上と、情報セキュリティ・事業継続体制の強化を両立することが重要となっております。加えて、資本市場においては、企業に対して利益額の拡大だけでなく、資本コストを上回る収益性の確保と、中長期的な企業価値向上につながる経営資源の配分が一層求められております。東京証券取引所は2026年4月、「資本コストや株価を意識した経営」に関する要請を更新し、成長投資、人的資本への投資、設備投資、事業ポートフォリオの見直し等を通じた経営資源の適切な配分の重要性を改めて示しております。 ② 当社グループの構造と主要なサービスの内容当社グループは、当社および子会社23社と共同支配企業3社で構成され、国内自動車関連事業、ヒューマンリソース事業、一般貨物事業および海外関連事業を展開しております。当社グループの中核である国内自動車関連事業では、新車および中古車の車両輸送を中心として、バイク輸送、レンタル建機の回送、納車前整備点検、大型車整備、リースアップ車両や自動車販売会社の下取車等を対象とした中古車入札会の運営、中古車オークション会場における検査・構内運営業務等、自動車流通に関わる幅広いサービスを提供しております。ヒューマンリソース事業では、病院、教育施設、企業等における車両運行管理やドライバーを中心とした人材派遣等を行っております。また、グループにおける乗務員、自走員、構内作業員等の採用機能の一元化を進めるなど、外部顧客へのサービス提供に加え、当社グループの人的基盤を支える機能も担っております。一般貨物事業では、港湾荷役、運輸・倉庫および一般消費財等を対象とした3PL事業を展開しております。海外関連事業では、マレーシアを中心とした中古車輸出、中国における車両輸送に加え、2026年4月に連結子会社化したAuto Carrier (Thailand) Co., Ltd.を通じ、タイにおける車両輸送、PDI等の自動車関連サービスを展開しております。これらの事業はそれぞれ独立して存在するものではなく、全国の車両輸送ネットワーク、物流拠点、輸送・構内運営・整備等に関する現場オペレーション、人材、お客様との取引基盤等の経営資源を相互に活用することにより、グループ全体として自動車流通に関わるサービス領域を拡大しております。当社グループは、車両輸送を事業の基盤としながら、その前後に存在する保管、検査、整備、商品化、登録、構内運営、人材サービス等を組み合わせることで、自動車流通における総合物流企業・サービスプロバイダーから、より広範な機能を担う「自動車流通サービスのインフラ企業」への進化を目指しております。直近の決算説明においても、自動車流通の各工程へ事業領域を拡大してきたことを踏まえ、次の段階として自動車流通のインフラ企業への進化・変革を目指す方針を示しております。 ③ 当社グループの競争優位性当社グループの競争優位性は、個々のサービスだけでなく、長年にわたり構築してきた全国規模の車両輸送ネットワークと、自動車流通に関わる複数の機能を組み合わせて提供できることにあると認識しております。第一に、車両輸送事業における全国ネットワークです。自動車輸送には専用の輸送機材と車両取扱いに関する技能・ノウハウが必要であり、特に地域をまたぐ長距離輸送においては、陸上輸送と海上輸送を組み合わせたネットワークの構築が必要となります。当社グループは、全国の事業拠点および協力会社とのネットワークを活用することで、北海道から沖縄まで広範な輸送需要に対応することが可能となっております。輸送能力の供給制約が強まる中、この全国規模の輸送戦力は当社グループの重要な経営資源となっております。第二に、自動車流通の幅広い工程における顧客基盤と事業接点です。当社グループは、自動車メーカー、自動車販売会社、リース会社、レンタカー会社、中古車事業者、中古車オークション事業者、中古車輸出業者等、多様な事業者との取引を通じて、新車の生産・販売から中古車流通、輸出等に至るまで、自動車のライフサイクルの各段階に事業接点を有しております。これにより、一つの商流や顧客に依存することなく、市場環境の変化に応じて経営資源を異なる需要領域へ配分する余地を有しております。第三に、車両輸送に加えて、構内運営、検査、整備、商品化、登録、中古車輸出、港湾荷役等の現場機能をグループ内に有していることです。自動車流通における個々の業務を単独で提供するだけでなく、複数のサービスを組み合わせることで、お客様の業務負荷、車両移動、リードタイムおよび物流コストの削減につながるサービスを提供することが可能となります。2026年1月から開始したUSS東京・USS横浜における構内運営業務についても、構内運営と車両輸送を連携させ、新たな輸送需要の獲得とグループシナジーを生み出す取り組みの一例と位置付けております。さらには、ヒューマンリソース事業によって、車両輸送および周辺事業の人材供給を支えております。第四に、長年の車両輸送事業を通じて蓄積してきた安全・品質に関するノウハウと人材です。自動車は高額かつ外観品質が重視される商品であり、その取扱いには安全運転のみならず、積込み、積卸し、車両確認、構内作業等を含む一連の品質管理が求められます。当社グループは、企業理念である「品質」を活動の基本とし、物流品質のみならず、営業品質、人的品質、財務品質等を含めた品質向上を進めております。今後は、これらの全国輸送ネットワーク、物流拠点、顧客基盤、人材および現場オペレーションに、デジタル技術やデータ活用を組み合わせることで、車両輸送単体の競争力にとどまらず、自動車流通全体の効率化に貢献できることを当社グループの競争優位性として確立してまいります。このような経営環境および当社グループの事業基盤を踏まえ、当社グループは、企業理念である「品質」を事業活動の原点とし、祖業である車両輸送事業の競争力を一層高めるとともに、自動車流通の各工程へ事業領域を拡大し、「自動車流通サービスのインフラ企業」へ進化することで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指してまいります。その実現に向けて、当社グループは、次に掲げる経営上の課題に取り組んでまいります。 (4) 対処すべき課題当社グループは次の課題に取り組み、力強い成長戦略を実現してまいります。 ① 国内自動車市場における構造変化への対応―自動車流通サービスのインフラ企業へ― ⅰ.車両輸送事業における収益性・生産性の向上国内自動車市場の大幅な成長が見込みにくい一方で、乗務員や輸送機材等の輸送戦力には供給制約が生じております。このため、輸送台数の増加のみに依存するのではなく、限られた輸送戦力を有効活用し、車両1台当たりの収益性と生産性を高めることが重要な経営課題であると認識しております。当社グループは、全国に展開する陸上・海上輸送ネットワークと地域ブロック体制を活かし、地域ごとの需要、輸送能力、車両滞留状況および輸送コストを可視化することで、輸送機材や人員の最適配置を進めてまいります。また、空車区間の削減、復荷の獲得、海上輸送を含む輸送経路の見直し、車両滞留日数の短縮、拠点の新設・移転・拡張等を通じて、輸送ネットワーク全体の効率向上を図ってまいります。料金面においては、単純な一律の改定ではなく、輸送距離、地域、車種、輸送方法、納期、付帯作業等に応じて発生するコストを適切に把握し、サービス内容と原価を反映した請求・支払料金体系の構築を進めてまいります。売上規模の拡大のみを追求するのではなく、案件ごとの収益性を重視した営業活動とコスト管理を徹底し、車両輸送事業の持続的な収益力向上につなげてまいります。さらに、受注、配車、輸送状況、納期、請求・支払等のデータを一体的に活用し、需要予測、AI活用も視野に入れた計画的な配車、進捗管理および意思決定の高度化を図ることで、環境変化に柔軟に対応できる輸送体制を構築してまいります。 ⅱ.自動車流通バリューチェーンへの事業領域拡大当社グループは、車両輸送を単独のサービスとして提供するだけでなく、輸送の前後に存在する自動車流通の各工程へ事業領域を拡大し、車両1台当たりの付加価値と収益機会を高めてまいります。具体的には、車両の預かり、検査、納車前整備点検、鈑金・塗装・デントリペア、カークリーニング、輸出前検査、名義変更・登録代行、中古車オークションおよび入札会の構内運営・売買支援、等の機能を組み合わせ、お客様の業務プロセスを一括して受託できるサービス体制を構築してまいります。当社グループでは、中古車オークションおよび入札会の構内運営を担う株式会社ソウイング、キャリアカーを中心とした大型車整備を担う株式会社ゼロ・プラス・メンテナンス等をグループに迎え、2026年1月からはUSS東京およびUSS横浜の構内運営業務を開始しております。また、グループ各社の輸送力、構内運営ノウハウ、人材採用力および整備機能を組み合わせることで、個別会社では提供できなかったサービスの創出を進めております。今後は、自動車メーカー、自動車販売会社、リース会社、レンタカー会社、中古車事業者、オークション事業者、輸出事業者等が保有する車両情報と、当社グループの輸送・保管・整備・検査・人材等の機能を接続し、自動車流通全体のリードタイム短縮、輸送回数削減、業務負荷軽減および在庫流動性向上に貢献するサービスを創出してまいります。これらの取り組みにより、車両輸送に過度に依存する事業構造から、自動車流通の各工程を支える複層的な収益構造へ転換し、国内自動車市場が縮小する中においても持続的に成長できる事業基盤を構築してまいります。 ② 人手不足社会への対応―人的資本およびデジタル経営基盤の強化― 少子高齢化および生産年齢人口の減少が進む中、乗務員、整備士、構内作業員等の事業運営を支える人材の確保は、当社グループのみならず、自動車流通・物流業界全体の構造的な課題となっております。当社グループは、人材の採用だけに依存するのではなく、従業員一人ひとりが能力を発揮し、長期にわたり安心して働くことができる環境を整備するとともに、業務プロセスの標準化、分業化、自動化およびデジタル化を進め、限られた人的資源で持続的に事業を拡大できる経営基盤を構築してまいります。 ⅰ.人的資本経営の推進当社グループは、人材を持続的な企業価値向上の源泉と位置付け、採用、育成、配置、評価、処遇および定着を一体的に捉えた人的資本経営を推進してまいります。2026年7月に現場人財戦略部を新設して、乗務員をはじめとする現場人材については、給与制度や人事制度の見直し、勤務環境の改善、班制度等による入社後のフォロー、採用広報の強化、グループ横断での採用窓口の整備等により、人材の確保と離職抑制を図ってまいります。また、積込み、車両探索、構内移動、運転等の業務を適切に分業し、業務負荷の軽減と労働時間の短縮を進めてまいります。人材育成については、安全教育、技能教育、接遇・ホスピタリティ教育に加え、現場を担うリーダー、次世代の管理職および経営人材の計画的な育成を進めてまいります。役割と責任、評価および報酬の関係を明確にし、従業員が自身の成長と会社への貢献を実感できる人事制度を整備することで、従業員エンゲージメントおよび組織能力の向上を図ってまいります。さらに、グループ各社が個別に人材を確保するのではなく、ヒューマンリソース事業を活用し、グループ全体での採用、教育、配置および人材交流を進め、人材を必要とする事業・地域へ機動的に配置できる体制を構築してまいります。 ⅱ.業務プロセス改革およびデジタル投資人手不足社会において持続的な成長を実現するためには、既存業務をそのままシステム化するのではなく、業務プロセス自体をシンプルかつ標準的なものへ再設計することが必要であると認識しております。当社グループは、老朽化した基幹システムへの対応を進めるとともに、受注、顧客管理、料金、配車、輸送状況、請求、支払等の業務およびデータを連携させるデジタル経営基盤の整備を推進してまいります。Web受注機能や輸送状況の可視化や車両状態の画像閲覧機能を拡充し、お客様の利便性向上と従業員の事務負荷軽減を図るとともに、蓄積したデータを輸送計画、拠点配置、機材配置、採算管理および経営判断に活用してまいります。また、定型的な事務作業の自動化、AI等を活用した配車・需給予測、画像等を活用した車両状態確認の高度化を検討し、人が判断力や専門性を発揮すべき業務へ集中できる環境を整備してまいります。デジタル投資については、短期的な費用削減のみを目的とするのではなく、中長期的な競争力、生産性、サービス品質および経営管理の高度化に資するかという観点から、必要な投資を継続してまいります。 ③ 資本コストや株価を意識した経営の推進―事業ポートフォリオとキャピタルアロケーション― 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するためには、利益額の拡大だけではなく、資本コストを上回る収益性を確保し、限られた経営資源を適切な事業および資産へ配分することが重要であると認識しております。当社グループは、安定した財務基盤を維持しながら、成長投資、株主還元および財務健全性のバランスを図るとともに、事業・資産ポートフォリオの継続的な見直しを通じて、資本効率と市場評価の向上を目指してまいります。2026年6月期にはROE15.9%、PBR1.28倍となり、中期経営計画に掲げたROE14.0%以上、PBR1.0倍以上を上回りましたが、一過性の要因を除いても継続的に資本コストを上回る収益性を創出できる事業構造の確立が必要であると認識しております。 ⅰ.成長投資およびM&Aによる成長戦略の実行当社グループは、車両輸送事業の競争力強化、自動車流通バリューチェーンへの事業領域拡大、人的資本、デジタル基盤および物流拠点等を重点投資領域として位置付けております。成長投資については、投資額の大きさを目的とすることなく、当社グループの経営戦略との整合性、投資後の収益性、資本コストに対するリターン、リスク、投資回収期間および既存事業とのシナジーを検証し、投資の選別を行ってまいります。M&Aについては、車両輸送および自動車流通との親和性が高く、当社グループの顧客基盤、全国ネットワーク、拠点、人材および管理機能を活用することで、単独での成長を上回る価値を創出できる事業を対象として検討してまいります。買収後は、顧客紹介、クロスセル、人材採用、購買、拠点およびシステムの連携等を通じて、PMIを着実に実行し、早期の収益化と投下資本の回収を図ってまいります。海外事業についても、市場の成長性だけではなく、既存事業とのシナジー、現地の経営管理体制、法制度、為替、地政学リスクおよび資本効率を検証した上で、選択的に事業拡大を進めてまいります。2026年4月には、タイにおける車両輸送、種子検査およびPDI等の事業基盤・顧客基盤を有するAuto Carrier (Thailand) Co., Ltd.を連結子会社化しており、当社グループの車両輸送および自動車関連サービスの知見を活用したシナジー創出を進めてまいります。 ⅱ.事業・資産ポートフォリオの継続的な見直し当社グループは、各事業について、成長性、収益性、資本効率、キャッシュ創出力、事業リスクおよびグループシナジー等を定期的に検証してまいります。成長性および資本収益性の高い事業には経営資源を重点配分する一方、収益性が低下している事業については、料金改定、コスト構造の見直し、業務改革、他事業との統合等による改善を進めます。一定期間内に改善が見込めない事業については、縮小、撤退、売却その他の選択肢を含め、資本効率の観点から対応を検討してまいります。また、事業用不動産、遊休・低稼働資産、政策保有株式その他の資産についても、その保有目的、収益性、資本コストおよび事業戦略上の必要性を検証し、保有の合理性が低下した資産については売却または有効活用を進めてまいります。これによって創出した資金を、持続的な成長に資する投資および適切な株主還元へ配分してまいります。併せて、適時かつ正確な情報開示と株主・投資家との建設的な対話を通じて、当社グループの成長戦略、収益構造、資本配分方針および企業価値向上の蓋然性について理解を深めていただき、適正な市場評価の形成につなげてまいります。 ④ コンプライアンスおよびリスク管理の強化当社グループは、持続的な成長の前提として、法令および社会規範を順守し、安全・品質を最優先とする企業文化を確立するとともに、多様化・複雑化するリスクを適切に管理することが不可欠であると認識しております。当社グループ全体のリスクを網羅的に把握し、発生可能性および影響度に基づいて重要リスクを特定するとともに、予防、早期発見、初動対応、復旧および再発防止までを一体的に管理する体制を強化してまいります。 ⅰ.安全・品質の強化車両輸送を主たる事業とする当社グループにとって、安全はすべての事業活動に優先する最も重要な経営課題です。重大事故、輸送中の車両損傷、整備不良その他の安全・品質上の問題は、人命、お客様からの信頼および事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「凡事徹底」を基本として、日常点検、運行前点検、車両整備、安全確認および基本動作を徹底するとともに、安全指導員等による教育・指導、安全衛生管理体制の強化、事故・クレーム情報の分析およびグループ横断での再発防止策の展開を進めてまいります。また、輸送機材の不具合や重大な事故等が発生した場合には、関係省庁、機材メーカー、顧客その他の関係者と連携し、迅速な原因究明および再発防止に取り組みます。安全および品質に関する情報を経営層まで迅速に共有し、必要な設備投資、機材更新および運用見直しを機動的に実施してまいります。 ⅱ.労働時間規制および物流関連法制への対応働き方改革関連法および改善基準告示への対応は、一時的な「物流の2024年問題」にとどまらず、輸送能力、業務プロセス、取引条件および料金体系を継続的に見直す構造的な経営課題であると認識しております。当社グループは、乗務員の労働時間を適切に管理するとともに、分業化、輸送経路の見直し、車両滞留時間の短縮、荷待ち・荷役時間の削減、デジタル化および荷主との連携を通じて、法令を順守しながら輸送力を維持・拡大できる体制を構築してまいります。また、改正貨物自動車運送事業法および物流効率化法をはじめとする物流関連法制に基づき、運送契約締結時の書面交付、実運送体制管理簿の作成・保存、委託先管理、適正な取引環境の整備、物流効率化に向けた計画および報告等、当社グループに適用される義務を確実に履行してまいります。物流効率化法では、一定規模以上の特定事業者に中長期計画や定期報告等が求められ、改正貨物自動車運送事業法では、実運送体制管理簿や契約書面等に関する規律が強化されています。法令対応を単なる管理コストとして捉えるのではなく、運送条件および取引関係の透明性を高め、協力会社を含めた持続可能な輸送体制を構築する機会として取り組んでまいります。 ⅲ.サイバーセキュリティおよび情報管理の強化当社グループは、輸送業務および顧客サービスのデジタル化を進める一方、サイバー攻撃、ランサムウェア、不正アクセス、情報漏えいおよびシステム障害等が、事業継続や社会的信用に及ぼす影響が拡大していると認識しております。国内外のグループ会社を対象として、IT資産および情報資産の把握、ID・アクセス権限管理、脆弱性対策、ネットワークおよび端末の監視、データのバックアップ、災害・障害時の復旧体制等を強化してまいります。また、技術的な対策に加えて、従業員に対する教育・訓練、標的型メール等への対応、インシデント発生時の報告・初動対応手順の整備、委託先および取引先を含むサプライチェーン全体のセキュリティ管理を推進してまいります。サイバーセキュリティを情報システム部門のみの課題とせず、2026年7月より新たにリスク管理委員会の傘下として情報セキュリティ委員会を設置し、経営上の重要リスクとして取締役会および経営層が継続的に状況を把握し、必要な人材、設備および対策への投資を実施してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループの企業理念は『品質』、すなわち「安全で良質な輸送・サービス」をお客様に提供するとともに、「お客様の期待以上のサービスを創造することにより、豊かな社会の発展に貢献する。」ことを掲げており、営業品質・物流品質・人的品質(人的資本)・財務品質などあらゆる品質の向上を活動の基本としております。また、祖業である車両輸送事業において確固たる業界のポジションを築くため、既存ビジネスの拡大に加え、自動車流通バリューチェーンへのさらなる展開を実行していくとともに新規事業や新サービスを創出し、M&Aも一つの選択肢として、新しい事業領域への展開を推し進めてまいります。持続的な成長・発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標中期経営計画の最終年度となる2027年6月期の目標とする経営指標は以下のとおりとし、引き続きその達成に向けて邁進してまいります。項目目標数値売上収益1,500億円以上営業利益100億円以上営業利益率6.5%以上ROE14.0%以上PBR1.0倍以上PER8.0倍以上 (3) 当社グループが置かれている経営環境について ① 市場環境当社グループの主たる事業である国内自動車関連事業は、国内の新車・中古車販売市場および自動車流通市場の動向に影響を受けます。国内の新車市場は1990年代の約700万台をピークとして長期的に減少傾向にあり、人口減少、運転免許保有者の減少、自動車の保有期間の長期化、所有形態や購買行動の変化等を背景として、中長期的には大幅な数量成長を見込みにくい環境にあります。一方、国内の自動車保有台数は依然として高い水準にあり、2026年5月末時点で8,300万台となっております。また、乗用車の平均使用年数も長期化しており、新車販売市場が縮小する中においても、ストックとなっている自動車を起点とした大きな市場が存在しております。自動車流通市場においては、中古車オークション・入札会、リースアップ車両やレンタカー等の法人保有車両の流通、輸出等、多様な商流が存在しております。当社グループを取り巻く直近の事業環境においても、新車輸送需要が減少する一方、中古車輸送需要は高く、中古車オークション市場では大手事業者への取扱台数の集中も進んでおります。こうした変化により、自動車の輸送のみならず、預かり、検査、整備、商品化、登録、構内運営等を含め、自動車の流通過程全体を効率化するサービスへの需要が高まるものと認識しております。また、物流業界においては、生産年齢人口の減少を背景として、乗務員、整備士および構内作業員等の人材確保が一層困難となっております。働き方改革関連法や改善基準告示による労働時間規制に加え、賃金、燃料、輸送機材、整備等に係るコストも上昇しており、従来のように人員や労働時間を増加させることで輸送需要に対応することが難しくなっております。当社グループが属する車両輸送業界においても、輸送能力そのものが限られた経営資源となりつつあり、その確保と生産性向上の重要性が一層高まっております。物流に関する法制度についても変化が続いております。2025年4月から改正貨物自動車運送事業法に基づく運送契約締結時の書面交付や実運送体制管理簿の作成・保存等の規律が施行され、2026年4月からは物流効率化法に基づき、一定規模以上の物流事業者等に中長期計画や定期報告等が求められております。これらへの対応とともに、荷待ち時間や荷役時間の削減、取引条件の適正化、輸送効率の向上等を通じて、持続可能な物流体制を構築することが求められております。さらに、デジタル技術やAIの発展により、受発注、配車、輸送状況管理、料金・採算管理等の業務を高度化する余地が拡大する一方、サイバー攻撃や情報漏えい、システム障害等が事業継続に及ぼす影響も増大しております。このため、デジタル技術を活用した生産性および顧客利便性の向上と、情報セキュリティ・事業継続体制の強化を両立することが重要となっております。加えて、資本市場においては、企業に対して利益額の拡大だけでなく、資本コストを上回る収益性の確保と、中長期的な企業価値向上につながる経営資源の配分が一層求められております。東京証券取引所は2026年4月、「資本コストや株価を意識した経営」に関する要請を更新し、成長投資、人的資本への投資、設備投資、事業ポートフォリオの見直し等を通じた経営資源の適切な配分の重要性を改めて示しております。 ② 当社グループの構造と主要なサービスの内容当社グループは、当社および子会社23社と共同支配企業3社で構成され、国内自動車関連事業、ヒューマンリソース事業、一般貨物事業および海外関連事業を展開しております。当社グループの中核である国内自動車関連事業では、新車および中古車の車両輸送を中心として、バイク輸送、レンタル建機の回送、納車前整備点検、大型車整備、リースアップ車両や自動車販売会社の下取車等を対象とした中古車入札会の運営、中古車オークション会場における検査・構内運営業務等、自動車流通に関わる幅広いサービスを提供しております。ヒューマンリソース事業では、病院、教育施設、企業等における車両運行管理やドライバーを中心とした人材派遣等を行っております。また、グループにおける乗務員、自走員、構内作業員等の採用機能の一元化を進めるなど、外部顧客へのサービス提供に加え、当社グループの人的基盤を支える機能も担っております。一般貨物事業では、港湾荷役、運輸・倉庫および一般消費財等を対象とした3PL事業を展開しております。海外関連事業では、マレーシアを中心とした中古車輸出、中国における車両輸送に加え、2026年4月に連結子会社化したAuto Carrier (Thailand) Co., Ltd.を通じ、タイにおける車両輸送、PDI等の自動車関連サービスを展開しております。これらの事業はそれぞれ独立して存在するものではなく、全国の車両輸送ネットワーク、物流拠点、輸送・構内運営・整備等に関する現場オペレーション、人材、お客様との取引基盤等の経営資源を相互に活用することにより、グループ全体として自動車流通に関わるサービス領域を拡大しております。当社グループは、車両輸送を事業の基盤としながら、その前後に存在する保管、検査、整備、商品化、登録、構内運営、人材サービス等を組み合わせることで、自動車流通における総合物流企業・サービスプロバイダーから、より広範な機能を担う「自動車流通サービスのインフラ企業」への進化を目指しております。直近の決算説明においても、自動車流通の各工程へ事業領域を拡大してきたことを踏まえ、次の段階として自動車流通のインフラ企業への進化・変革を目指す方針を示しております。 ③ 当社グループの競争優位性当社グループの競争優位性は、個々のサービスだけでなく、長年にわたり構築してきた全国規模の車両輸送ネットワークと、自動車流通に関わる複数の機能を組み合わせて提供できることにあると認識しております。第一に、車両輸送事業における全国ネットワークです。自動車輸送には専用の輸送機材と車両取扱いに関する技能・ノウハウが必要であり、特に地域をまたぐ長距離輸送においては、陸上輸送と海上輸送を組み合わせたネットワークの構築が必要となります。当社グループは、全国の事業拠点および協力会社とのネットワークを活用することで、北海道から沖縄まで広範な輸送需要に対応することが可能となっております。輸送能力の供給制約が強まる中、この全国規模の輸送戦力は当社グループの重要な経営資源となっております。第二に、自動車流通の幅広い工程における顧客基盤と事業接点です。当社グループは、自動車メーカー、自動車販売会社、リース会社、レンタカー会社、中古車事業者、中古車オークション事業者、中古車輸出業者等、多様な事業者との取引を通じて、新車の生産・販売から中古車流通、輸出等に至るまで、自動車のライフサイクルの各段階に事業接点を有しております。これにより、一つの商流や顧客に依存することなく、市場環境の変化に応じて経営資源を異なる需要領域へ配分する余地を有しております。第三に、車両輸送に加えて、構内運営、検査、整備、商品化、登録、中古車輸出、港湾荷役等の現場機能をグループ内に有していることです。自動車流通における個々の業務を単独で提供するだけでなく、複数のサービスを組み合わせることで、お客様の業務負荷、車両移動、リードタイムおよび物流コストの削減につながるサービスを提供することが可能となります。2026年1月から開始したUSS東京・USS横浜における構内運営業務についても、構内運営と車両輸送を連携させ、新たな輸送需要の獲得とグループシナジーを生み出す取り組みの一例と位置付けております。さらには、ヒューマンリソース事業によって、車両輸送および周辺事業の人材供給を支えております。第四に、長年の車両輸送事業を通じて蓄積してきた安全・品質に関するノウハウと人材です。自動車は高額かつ外観品質が重視される商品であり、その取扱いには安全運転のみならず、積込み、積卸し、車両確認、構内作業等を含む一連の品質管理が求められます。当社グループは、企業理念である「品質」を活動の基本とし、物流品質のみならず、営業品質、人的品質、財務品質等を含めた品質向上を進めております。今後は、これらの全国輸送ネットワーク、物流拠点、顧客基盤、人材および現場オペレーションに、デジタル技術やデータ活用を組み合わせることで、車両輸送単体の競争力にとどまらず、自動車流通全体の効率化に貢献できることを当社グループの競争優位性として確立してまいります。このような経営環境および当社グループの事業基盤を踏まえ、当社グループは、企業理念である「品質」を事業活動の原点とし、祖業である車両輸送事業の競争力を一層高めるとともに、自動車流通の各工程へ事業領域を拡大し、「自動車流通サービスのインフラ企業」へ進化することで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指してまいります。その実現に向けて、当社グループは、次に掲げる経営上の課題に取り組んでまいります。 (4) 対処すべき課題当社グループは次の課題に取り組み、力強い成長戦略を実現してまいります。 ① 国内自動車市場における構造変化への対応―自動車流通サービスのインフラ企業へ― ⅰ.車両輸送事業における収益性・生産性の向上国内自動車市場の大幅な成長が見込みにくい一方で、乗務員や輸送機材等の輸送戦力には供給制約が生じております。このため、輸送台数の増加のみに依存するのではなく、限られた輸送戦力を有効活用し、車両1台当たりの収益性と生産性を高めることが重要な経営課題であると認識しております。当社グループは、全国に展開する陸上・海上輸送ネットワークと地域ブロック体制を活かし、地域ごとの需要、輸送能力、車両滞留状況および輸送コストを可視化することで、輸送機材や人員の最適配置を進めてまいります。また、空車区間の削減、復荷の獲得、海上輸送を含む輸送経路の見直し、車両滞留日数の短縮、拠点の新設・移転・拡張等を通じて、輸送ネットワーク全体の効率向上を図ってまいります。料金面においては、単純な一律の改定ではなく、輸送距離、地域、車種、輸送方法、納期、付帯作業等に応じて発生するコストを適切に把握し、サービス内容と原価を反映した請求・支払料金体系の構築を進めてまいります。売上規模の拡大のみを追求するのではなく、案件ごとの収益性を重視した営業活動とコスト管理を徹底し、車両輸送事業の持続的な収益力向上につなげてまいります。さらに、受注、配車、輸送状況、納期、請求・支払等のデータを一体的に活用し、需要予測、AI活用も視野に入れた計画的な配車、進捗管理および意思決定の高度化を図ることで、環境変化に柔軟に対応できる輸送体制を構築してまいります。 ⅱ.自動車流通バリューチェーンへの事業領域拡大当社グループは、車両輸送を単独のサービスとして提供するだけでなく、輸送の前後に存在する自動車流通の各工程へ事業領域を拡大し、車両1台当たりの付加価値と収益機会を高めてまいります。具体的には、車両の預かり、検査、納車前整備点検、鈑金・塗装・デントリペア、カークリーニング、輸出前検査、名義変更・登録代行、中古車オークションおよび入札会の構内運営・売買支援、等の機能を組み合わせ、お客様の業務プロセスを一括して受託できるサービス体制を構築してまいります。当社グループでは、中古車オークションおよび入札会の構内運営を担う株式会社ソウイング、キャリアカーを中心とした大型車整備を担う株式会社ゼロ・プラス・メンテナンス等をグループに迎え、2026年1月からはUSS東京およびUSS横浜の構内運営業務を開始しております。また、グループ各社の輸送力、構内運営ノウハウ、人材採用力および整備機能を組み合わせることで、個別会社では提供できなかったサービスの創出を進めております。今後は、自動車メーカー、自動車販売会社、リース会社、レンタカー会社、中古車事業者、オークション事業者、輸出事業者等が保有する車両情報と、当社グループの輸送・保管・整備・検査・人材等の機能を接続し、自動車流通全体のリードタイム短縮、輸送回数削減、業務負荷軽減および在庫流動性向上に貢献するサービスを創出してまいります。これらの取り組みにより、車両輸送に過度に依存する事業構造から、自動車流通の各工程を支える複層的な収益構造へ転換し、国内自動車市場が縮小する中においても持続的に成長できる事業基盤を構築してまいります。 ② 人手不足社会への対応―人的資本およびデジタル経営基盤の強化― 少子高齢化および生産年齢人口の減少が進む中、乗務員、整備士、構内作業員等の事業運営を支える人材の確保は、当社グループのみならず、自動車流通・物流業界全体の構造的な課題となっております。当社グループは、人材の採用だけに依存するのではなく、従業員一人ひとりが能力を発揮し、長期にわたり安心して働くことができる環境を整備するとともに、業務プロセスの標準化、分業化、自動化およびデジタル化を進め、限られた人的資源で持続的に事業を拡大できる経営基盤を構築してまいります。 ⅰ.人的資本経営の推進当社グループは、人材を持続的な企業価値向上の源泉と位置付け、採用、育成、配置、評価、処遇および定着を一体的に捉えた人的資本経営を推進してまいります。2026年7月に現場人財戦略部を新設して、乗務員をはじめとする現場人材については、給与制度や人事制度の見直し、勤務環境の改善、班制度等による入社後のフォロー、採用広報の強化、グループ横断での採用窓口の整備等により、人材の確保と離職抑制を図ってまいります。また、積込み、車両探索、構内移動、運転等の業務を適切に分業し、業務負荷の軽減と労働時間の短縮を進めてまいります。人材育成については、安全教育、技能教育、接遇・ホスピタリティ教育に加え、現場を担うリーダー、次世代の管理職および経営人材の計画的な育成を進めてまいります。役割と責任、評価および報酬の関係を明確にし、従業員が自身の成長と会社への貢献を実感できる人事制度を整備することで、従業員エンゲージメントおよび組織能力の向上を図ってまいります。さらに、グループ各社が個別に人材を確保するのではなく、ヒューマンリソース事業を活用し、グループ全体での採用、教育、配置および人材交流を進め、人材を必要とする事業・地域へ機動的に配置できる体制を構築してまいります。 ⅱ.業務プロセス改革およびデジタル投資人手不足社会において持続的な成長を実現するためには、既存業務をそのままシステム化するのではなく、業務プロセス自体をシンプルかつ標準的なものへ再設計することが必要であると認識しております。当社グループは、老朽化した基幹システムへの対応を進めるとともに、受注、顧客管理、料金、配車、輸送状況、請求、支払等の業務およびデータを連携させるデジタル経営基盤の整備を推進してまいります。Web受注機能や輸送状況の可視化や車両状態の画像閲覧機能を拡充し、お客様の利便性向上と従業員の事務負荷軽減を図るとともに、蓄積したデータを輸送計画、拠点配置、機材配置、採算管理および経営判断に活用してまいります。また、定型的な事務作業の自動化、AI等を活用した配車・需給予測、画像等を活用した車両状態確認の高度化を検討し、人が判断力や専門性を発揮すべき業務へ集中できる環境を整備してまいります。デジタル投資については、短期的な費用削減のみを目的とするのではなく、中長期的な競争力、生産性、サービス品質および経営管理の高度化に資するかという観点から、必要な投資を継続してまいります。 ③ 資本コストや株価を意識した経営の推進―事業ポートフォリオとキャピタルアロケーション― 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するためには、利益額の拡大だけではなく、資本コストを上回る収益性を確保し、限られた経営資源を適切な事業および資産へ配分することが重要であると認識しております。当社グループは、安定した財務基盤を維持しながら、成長投資、株主還元および財務健全性のバランスを図るとともに、事業・資産ポートフォリオの継続的な見直しを通じて、資本効率と市場評価の向上を目指してまいります。2026年6月期にはROE15.9%、PBR1.28倍となり、中期経営計画に掲げたROE14.0%以上、PBR1.0倍以上を上回りましたが、一過性の要因を除いても継続的に資本コストを上回る収益性を創出できる事業構造の確立が必要であると認識しております。 ⅰ.成長投資およびM&Aによる成長戦略の実行当社グループは、車両輸送事業の競争力強化、自動車流通バリューチェーンへの事業領域拡大、人的資本、デジタル基盤および物流拠点等を重点投資領域として位置付けております。成長投資については、投資額の大きさを目的とすることなく、当社グループの経営戦略との整合性、投資後の収益性、資本コストに対するリターン、リスク、投資回収期間および既存事業とのシナジーを検証し、投資の選別を行ってまいります。M&Aについては、車両輸送および自動車流通との親和性が高く、当社グループの顧客基盤、全国ネットワーク、拠点、人材および管理機能を活用することで、単独での成長を上回る価値を創出できる事業を対象として検討してまいります。買収後は、顧客紹介、クロスセル、人材採用、購買、拠点およびシステムの連携等を通じて、PMIを着実に実行し、早期の収益化と投下資本の回収を図ってまいります。海外事業についても、市場の成長性だけではなく、既存事業とのシナジー、現地の経営管理体制、法制度、為替、地政学リスクおよび資本効率を検証した上で、選択的に事業拡大を進めてまいります。2026年4月には、タイにおける車両輸送、種子検査およびPDI等の事業基盤・顧客基盤を有するAuto Carrier (Thailand) Co., Ltd.を連結子会社化しており、当社グループの車両輸送および自動車関連サービスの知見を活用したシナジー創出を進めてまいります。 ⅱ.事業・資産ポートフォリオの継続的な見直し当社グループは、各事業について、成長性、収益性、資本効率、キャッシュ創出力、事業リスクおよびグループシナジー等を定期的に検証してまいります。成長性および資本収益性の高い事業には経営資源を重点配分する一方、収益性が低下している事業については、料金改定、コスト構造の見直し、業務改革、他事業との統合等による改善を進めます。一定期間内に改善が見込めない事業については、縮小、撤退、売却その他の選択肢を含め、資本効率の観点から対応を検討してまいります。また、事業用不動産、遊休・低稼働資産、政策保有株式その他の資産についても、その保有目的、収益性、資本コストおよび事業戦略上の必要性を検証し、保有の合理性が低下した資産については売却または有効活用を進めてまいります。これによって創出した資金を、持続的な成長に資する投資および適切な株主還元へ配分してまいります。併せて、適時かつ正確な情報開示と株主・投資家との建設的な対話を通じて、当社グループの成長戦略、収益構造、資本配分方針および企業価値向上の蓋然性について理解を深めていただき、適正な市場評価の形成につなげてまいります。 ④ コンプライアンスおよびリスク管理の強化当社グループは、持続的な成長の前提として、法令および社会規範を順守し、安全・品質を最優先とする企業文化を確立するとともに、多様化・複雑化するリスクを適切に管理することが不可欠であると認識しております。当社グループ全体のリスクを網羅的に把握し、発生可能性および影響度に基づいて重要リスクを特定するとともに、予防、早期発見、初動対応、復旧および再発防止までを一体的に管理する体制を強化してまいります。 ⅰ.安全・品質の強化車両輸送を主たる事業とする当社グループにとって、安全はすべての事業活動に優先する最も重要な経営課題です。重大事故、輸送中の車両損傷、整備不良その他の安全・品質上の問題は、人命、お客様からの信頼および事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「凡事徹底」を基本として、日常点検、運行前点検、車両整備、安全確認および基本動作を徹底するとともに、安全指導員等による教育・指導、安全衛生管理体制の強化、事故・クレーム情報の分析およびグループ横断での再発防止策の展開を進めてまいります。また、輸送機材の不具合や重大な事故等が発生した場合には、関係省庁、機材メーカー、顧客その他の関係者と連携し、迅速な原因究明および再発防止に取り組みます。安全および品質に関する情報を経営層まで迅速に共有し、必要な設備投資、機材更新および運用見直しを機動的に実施してまいります。 ⅱ.労働時間規制および物流関連法制への対応働き方改革関連法および改善基準告示への対応は、一時的な「物流の2024年問題」にとどまらず、輸送能力、業務プロセス、取引条件および料金体系を継続的に見直す構造的な経営課題であると認識しております。当社グループは、乗務員の労働時間を適切に管理するとともに、分業化、輸送経路の見直し、車両滞留時間の短縮、荷待ち・荷役時間の削減、デジタル化および荷主との連携を通じて、法令を順守しながら輸送力を維持・拡大できる体制を構築してまいります。また、改正貨物自動車運送事業法および物流効率化法をはじめとする物流関連法制に基づき、運送契約締結時の書面交付、実運送体制管理簿の作成・保存、委託先管理、適正な取引環境の整備、物流効率化に向けた計画および報告等、当社グループに適用される義務を確実に履行してまいります。物流効率化法では、一定規模以上の特定事業者に中長期計画や定期報告等が求められ、改正貨物自動車運送事業法では、実運送体制管理簿や契約書面等に関する規律が強化されています。法令対応を単なる管理コストとして捉えるのではなく、運送条件および取引関係の透明性を高め、協力会社を含めた持続可能な輸送体制を構築する機会として取り組んでまいります。 ⅲ.サイバーセキュリティおよび情報管理の強化当社グループは、輸送業務および顧客サービスのデジタル化を進める一方、サイバー攻撃、ランサムウェア、不正アクセス、情報漏えいおよびシステム障害等が、事業継続や社会的信用に及ぼす影響が拡大していると認識しております。国内外のグループ会社を対象として、IT資産および情報資産の把握、ID・アクセス権限管理、脆弱性対策、ネットワークおよび端末の監視、データのバックアップ、災害・障害時の復旧体制等を強化してまいります。また、技術的な対策に加えて、従業員に対する教育・訓練、標的型メール等への対応、インシデント発生時の報告・初動対応手順の整備、委託先および取引先を含むサプライチェーン全体のセキュリティ管理を推進してまいります。サイバーセキュリティを情報システム部門のみの課題とせず、2026年7月より新たにリスク管理委員会の傘下として情報セキュリティ委員会を設置し、経営上の重要リスクとして取締役会および経営層が継続的に状況を把握し、必要な人材、設備および対策への投資を実施してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 業績当連結会計年度におけるわが国経済は、一部地域で弱めの動きも見られたものの、緩やかな回復基調ではありましたが、物価上昇の影響や日中関係の緊迫化、中東地域を巡る地政学リスクの高まりなどにより先行き不透明な状況が続きました。国内の自動車市場におきまして、新車販売台数合計は前連結会計年度(以下、前年同期という)比で99.3%(日本自動車工業会統計データ)と減少いたしました。一方、中古車登録・販売台数は、中古車輸出が引き続き堅調であることから、前年同期比で100.5%と増加いたしました。 〔自動車の国内流通に関連する台数〕単位:台国内販売2024年7月~2025年6月2025年7月~2026年6月前年比新車販売台数 国内メーカー*14,403,9824,368,64399.2%(うち日産自動車)*1(450,159)(399,897)(88.8%)海外メーカー*2235,480238,860101.4%新車販売台数合計 4,639,4624,607,50399.3%中古車登録台数 登録車*33,636,9063,628,40799.8%軽自動車*42,844,3362,882,971101.4%中古車登録台数合計 6,481,2426,511,378100.5% 輸出2024年7月~2025年6月2025年7月~2026年6月前年比国内メーカー新車*14,245,6804,179,30898.4%中古車乗用車*51,621,7651,707,793105.3% *1 日本自動車工業会統計より算出 *2 日本自動車輸入組合統計より算出*3 日本自動車販売協会連合会統計より算出 *4 全国軽自動車協会連合会統計より算出*5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算 〔燃料小売価格〕単位:円/L全国平均2024年7月~2025年6月2025年7月~2026年6月前年比軽油*6158.1153.497.0%レギュラーガソリン*6178.4168.694.5% *6 資源エネルギー庁統計より算出(当社が輸送に使用する燃料は主に軽油) これらの市場環境を背景に、当社グループの業績は、売上収益1,505億56百万円(前年同期比101.8%)、営業利益103億11百万円(前年同期比100.8%)となりました。また、税引前利益は103億8百万円(前年同期比100.9%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は72億12百万円(前年同期比100.5%)となりました。 報告セグメント別の成績 《国内自動車関連事業》主力事業である車両輸送事業においては、国内自動車市場の低迷および当社が新車輸送を受託しているメーカーの不振により新車輸送台数は減少しましたが、下半期は中古車輸送の受託を強化したことにより輸送台数が対前年で増加したことに加えて、粗利を意識した営業活動による台当たりの単価の上昇が継続して寄与した結果、車両輸送事業は増収となりました。また、自動車周辺事業においては、前年同期に株式会社ゼロ・プラス・メンテナンスを連結子会社化したことによる整備事業の増収に加え、2026年1月より株式会社ユー・エス・エスグループから自動車オークション会場(USS東京およびUSS横浜)の構内運営業務を受託したことなどにより増収となり、国内自動車関連事業全体でも増収となりました。セグメント利益については、車両輸送事業における複数乗務員による輸送機材(キャリアカー)の共同運用等を通じた機材稼働率の向上や、陸上輸送および海上輸送の経路見直しによる効率化、自動車周辺事業における増収による増益に加えて、前年同期に計上したのれんの減損損失等の反動もあり、利益の増加に寄与しました。一方で、乗務員の処遇改善やシステム投資など将来の成長に向けた戦略的投資を継続したほか、2024年問題への対応に伴う分業体制の構築やキャリアカーの火災対応のための整備・点検を含む整備関連費用の上昇等によりコストは増加いたしましたが、国内自動車関連事業全体では増益となりました。これらの結果、国内自動車関連事業全体の売上収益は712億9百万円(前年同期比102.4%)、セグメント利益は95億8百万円(前年同期比105.1%)となりました。 《ヒューマンリソース事業》送迎事業においては、低採算になっている現場において料金改定を進めるとともに、ドライバーの採用手法や入社後のフォロー体制を見直したことにより、新規契約に対応することができた結果、増収となりました。人材サービス事業においては、ゼログループにおけるドライバー人材の採用一元化を推進したことなどにより、ドライバーの派遣人員数が増加したことから、増収となりました。セグメント利益については、送迎事業は増収に伴い増益となりました。また、人材サービス事業においては最低賃金の引上げや間接員の採用などに伴う労務費の増加があったものの、増収効果および業務効率化が寄与した結果、増益となりました。さらに、運転ドットコム事業の撤退に伴う減損損失等を計上したものの、事業撤退に伴うコスト削減等を進めた結果、ヒューマンリソース事業全体でも増益となりました。これらの結果、ヒューマンリソース事業全体の売上収益は237億66百万円(前年同期比103.1%)、セグメント利益は9億39百万円(前年同期比116.8%)となりました。 《一般貨物事業》運輸・倉庫事業においては、倉庫事業で新規案件を立ち上げたことが寄与し、増収となりました。また、港湾荷役事業においては、自動車の荷役が減少したものの、バイオマス燃料や一部顧客における貨物の荷役量が増加したことにより増収となり、一般貨物事業全体でも増収となりました。セグメント利益については、運輸・倉庫事業および港湾荷役事業の増収効果に加え、不動産事業において契約更改に伴って賃料収入が増加したことから増益となりました。なお、前年同期に計上した火災損失補填の剥落による減益要因があったものの、減損損失の戻入れを計上したこともあり、一般貨物事業全体では増益となりました。これらの結果、一般貨物事業全体の売上収益は68億5百万円(前年同期比104.6%)、セグメント利益は22億8百万円(前年同期比112.6%)となりました。 《海外関連事業》中古車輸出事業においては、マレーシア国内の港湾施設のひっ迫に伴う船舶滞留・船枠制限が改善したこと、また、船枠確保に向けた交渉を積極的に行った結果、日本国内で滞留していた車両の船積みが進み、増収に転じました。一方、中国における車両輸送事業においては、日系メーカーの新車輸送需要が低調に推移する中、契約更新に伴う売上単価減少の影響も加わった結果、減収になりましたが、海外関連事業全体では増収となりました。セグメント利益については、中古車輸出事業においては増収に伴い増益となりました。一方、中国における車両輸送事業においては、受託台数の減少および契約更新に伴う売上単価の低下により減益となりました。また、中古車輸出事業において前年同期に計上した一過性の増益要因もあり、海外関連事業全体では減益となりました。これらの結果、海外関連事業全体の売上収益は487億75百万円(前年同期比100.0%)、セグメント利益は4億37百万円(前年同期比49.0%)となりました。 なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、27億82百万円となります。 ② 財政状態当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ32億35百万円(4.4%)増加し、771億84百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ16億54百万円(5.4%)減少し、287億63百万円となりました。当連結会計年度末における資本合計は前連結会計年度末に比べ48億90百万円(11.2%)増加し、484億20百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ5億12百万円増加し、171億56百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、82億17百万円(前連結会計年度は128億57百万円の収入)となりました。主な資金増加要因は、当期利益72億1百万円、非資金支出である減価償却費及び償却費55億5百万円であり、主な資金減少要因は、法人所得税の支払額36億68百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、36億47百万円(前連結会計年度は28億36百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出27億75百万円、無形資産の取得による支出4億77百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4億99百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、42億50百万円(前連結会計年度は46億6百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出30億60百万円、配当金の支払額28億40百万円であり、収入の主な内訳は、短期借入金の純増16億円であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)国内自動車関連事業(百万円)71,209102.4ヒューマンリソース事業(百万円)23,766103.1一般貨物事業(百万円)6,805104.6海外関連事業(百万円)48,775100.0合計(百万円)150,556101.8 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)日産自動車株式会社12,8428.712,7038.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 a.経営成績等1) 財政状態(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ29億円(7.6%)増加し、411億50百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が18億47百万円、棚卸資産が9億52百万円増加したことなどによります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べ3億35百万円(0.9%)増加し、360億34百万円となりました。これは主に、その他の非流動資産が3億90百万円、その他の金融資産が3億21百万円、繰延税金資産が1億89百万円増加し、有形固定資産が6億34百万円減少したことなどによります。これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億35百万円(4.4%)増加し、771億84百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ1億17百万円(0.5%)減少し、241億10百万円となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が2億60百万円、社債及び借入金が16億円増加し、その他の流動負債が15億63百万円、未払法人所得税等が6億17百万円減少したことなどによります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べ15億36百万円(24.8%)減少し、46億53百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が3億34百万円増加し、リース負債が19億32百万円減少したことなどによります。これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億54百万円(5.4%)減少し、287億63百万円となりました。 (資本)資本は、前連結会計年度末に比べ48億90百万円(11.2%)増加し、484億20百万円となりました。これは主に、利益剰余金が47億92百万円増加したことなどによります。 2) 経営成績(売上収益)売上収益は前連結会計年度に比べて27億12百万円増加し、1,505億56百万円となりました。国内の新車輸送需要が低調に推移した一方で、下半期における中古車輸送の受託強化、粗利益を重視した営業活動および料金改定による単価の上昇に加え、整備事業ならびに中古車オークション会場の構内運営業務等の自動車周辺事業の拡大が増収に寄与しました。また、ヒューマンリソース事業における新規契約への対応および派遣人員数の増加、一般貨物事業における新規案件の立上げおよび荷役量の増加等も、連結売上収益の増加に寄与しました。一方、海外関連事業においては、中古車輸出事業が増収となったものの、中国における新車輸送需要の低迷および契約更新に伴う売上単価の低下が増収を抑制する要因となりました。 (売上原価、売上総利益)売上原価は、国内自動車関連事業においては、乗務員の処遇改善、人材確保に向けた採用活動、物流の2024年問題への対応に伴う分業体制の構築およびシステム投資等の将来の成長に向けた戦略的投資を継続したほか、物価上昇や輸送機材の整備・点検の強化等により、整備関連費用が増加しました。一方、車両輸送事業においては輸送経路の見直し等による効率化を進めるとともに、ゼログループ全体で料金の適正化を進めたことにより収益性が向上しました。これらの結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて28百万円増加し217億81百万円となりました。 (販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて75百万円増加し117億42百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて4億11百万円減少し4億6百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて5億41百万円減少し、1億34百万円となりました。これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べて82百万円増加し103億11百万円となりました。営業利益率は6.5%の目標に対して6.8%となりました。輸送経路の見直し等による効率化、粗利益を重視した営業活動および料金適正化の継続、自動車周辺事業の増収等が寄与し、人材確保・処遇改善、システム投資および整備関連費用等の増加があったものの、目標を上回る利益率となりました。 (金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益)金融収益は前連結会計年度に比べて44百万円増加し1億11百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて13百万円増加し89百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて19百万円減少し△24百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて94百万円増加し103億8百万円となりました。 (法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)法人所得税費用は前連結会計年度に比べて92百万円増加し31億6百万円となりました。非支配持分は前連結会計年度に比べて31百万円減少し△11百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて33百万円増加し72億12百万円となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容2015年度から2017年度にかけて三ヶ年計画では、三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)を掲げ、推進してまいりました。三つの成長戦略に関しては、株式会社ゼロ・プラスBHSをグループに迎えてバイク輸送事業へ本格参入したほか、空港ビジネスにおける人材派遣事業および港湾関連事業等へ事業領域を拡大いたしました。二つの事業基盤の再構築に関しては、車両輸送事業における輸送体制の地域ブロック化を推進し、全国5つの地域ブロックによる運営体制を構築するとともに、類似事業の集約、グループ内インフラの共有化および人材リソースの活用促進等を通じて、グループシナジーの創出に取り組みました。2018年度から2020年度にかけての三ヶ年計画では、自動車業界の変化、ASEANの経済成長および少子高齢化に伴う労働力不足に対応すべく、異業種の自動車業界への参入や次世代モビリティを見据えた新規事業の開拓、人材事業および海外事業の拡大に取り組みました。また、物流拠点や輸送戦力の最適化による地域ブロック化の効果最大化、グループシナジーの創出および効率化を推進してまいりました。車両輸送事業においては、乗務員の不足と高齢化、輸送機材の老朽化および繁閑差への対応を進めるとともに、総労働時間の管理や労働諸条件の改善等、働き方改革に取り組みました。さらに、異業種との業務提携を推進するとともに、三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を全面的に受託するなど、事業領域の拡大を進めてまいりました。2021年度から2023年度にかけての三ヶ年計画では、企業理念の基本に立ち返り、「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質等)の向上」を通じて、「成長し続ける会社」「お客様の期待を裏切らない会社」「安心して働ける会社」の実現を目指してまいりました。また、陸友物流(北京)有限公司、株式会社ゼロ・プラスIKEDAおよび株式会社ソウイングをグループに迎え、国内外の車両輸送事業および中古車オークション等の構内運営事業へ事業領域を拡大いたしました。そして、2024年度から2026年度の三ヶ年計画においては、当社グループの企業理念である『品質』、すなわち「安全で良質な輸送・サービス」をお客様に提供するとともに、「お客様の期待以上のサービスを創造することにより、豊かな社会の発展に貢献する。」ことを掲げ、営業品質・物流品質・人的品質(人的資本)・財務品質などあらゆる品質の向上を活動の基本としております。また、祖業である車両輸送事業において確固たる業界のポジションを築くため、既存ビジネスの拡大に加え、自動車流通の各工程への事業領域の拡大、新規事業や新サービスを創出およびM&Aを活用した新しい事業領域への展開を推し進めてまいります。持続的な成長・発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指してまいります。2024年度から2026年度の最終年度となる2027年6月期においては以下の目標を掲げております。2026年6月期の実績としては以下のとおりであり、すべての項目で目標を上回る結果となりました。 項目目標数値2026年6月期売上収益1,500億円以上1,505億円営業利益100億円以上103億円営業利益率6.5%以上6.8%ROE14.0%以上15.9%PBR1.0倍以上1.28倍PER8.0倍以上8.5倍 c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報1) 財務戦略の基本的な考え方当社グループは、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、持続的な成長に伴うリスクに見合った資本水準と負債・資本構成の維持を基本方針としております。安定した財務体質のもと、企業価値の向上のための成長投資と利益還元を両立してまいります。当社グループの掲げている三ヶ年計画(2024年度から2026年度)においては、財務品質・人的品質(人的資本)・物流品質・営業品質などあらゆる品質の向上を活動の基本としております。これらを実現するための投資などに、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。 2) 財務基盤の安定当社グループの持続的な成長を支え、景気変動の影響にも耐えうるには「財務基盤の安定維持」が前提となります。当社グループのキャッシュ創出力は堅調に推移し、財務基盤は安定しております。今後も、D/Eレシオを0.5倍程度に抑制し、自己資本比率を50%程度に保つことで、当社グループの財務安定性を確保してまいります。 3) 安定的な利益還元当社グループは、第79期(2025年6月期)以降の配当につきましては、株主還元の一層の充実を念頭に、配当性向を33%(以前は25%)としております。親会社所有者に帰属する当期利益を「株主還元」「成長投資」「財務安定化」に三分割してバランスを取っていく方針であります。 4) 資金調達当社グループは現在、自己資金及び金融機関の借入れ等により資金調達することとしています。運転資金について借入れによる資金調達を行う場合、CMSでのグループ内調達を優先的に考え、不足する場合や、各社の資本コストを考慮して必要な場合には、一年以内の短期借入金で各連結会社が外部金融機関より調達することとしております。生産設備などの長期資金も、CMSでのグループ内調達を先ず考慮し、必要に応じて外部金融機関より長期借入金で調達しております。当社グループは、健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、金融機関との当座貸越契約などにより必要資金の確保と緊急時の流動性を確保してまいります。当社グループは資金計画に基づき、投資時期の適切性を慎重に考慮するとともに、取引金融機関との当座貸越契約などにより十分な資金を確保することで、災害など不測の事態の影響を受ける期間においても適切に事業を遂行し、計画を実現できるものと考えております。 5) 資金需要当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの中古車輸出の車両仕入資金、輸送事業に関わる車両費、外注費、販売費及び一般管理費等があります。また、当社グループの設備投資需要としましては、営業用車両投資と不動産投資に加え、販売、業務管理用の無形資産投資等があります。 6) 財務状況当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。 財務戦略の基本方針経営指標2025年6月期実績2026年6月期実績(a) 財務基盤の安定維持D/Eレシオ0.26倍0.23倍自己資本比率58.0%62.3%(b) 収益を伴う成長ROE17.9%15.9%(c) 安定的な利益還元配当性向33.0%33.0% d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは客観的な指標等について、2027年6月期までの中期経営計画において、グループ1,500億円以上の売上収益と100億円以上の営業利益、6.5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標としております。中期経営計画1年目の2025年6月期における連結売上収益は1,478億43百万円であり、営業利益102億28百万円、営業利益率6.9%となりました。また、中期経営計画2年目の2026年6月期は、連結売上収益1,505億56百万円であり、営業利益103億11百万円、営業利益率6.8%となりました。中期経営計画の最終年度となる2027年6月期は、連結売上収益1,550億円、営業利益110億円、営業利益率7.1%を業績予想としております。引き続き、持続的な収益力の向上に取り組み、これらの経営目標の達成を目指してまいります。 e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度のセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 業績」に記載のとおりであります。 f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り及び判断の利用」をご参照ください。

事業リスク

  • 主要顧客への高い依存度:ゼロ社は日産自動車株式会社への売上依存度が高く、2025年6月期には総売上の約8.7%を占めています。日産自動車グループ全体では約14.3%に達しており、同社との取引状況に変化があった場合、ゼロ社の業績に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。契約は2027年3月末まで基本合意されていますが、それ以降の継続は協議次第です。
  • 法的規制とコスト増加:貨物自動車運送事業法や道路交通法、労働基準法など、多くの法的規制に事業が影響を受けます。特に、2024年4月1日施行の改正改善基準告示による時間外労働の上限規制や拘束時間の短縮は、ドライバーの増員や勤務体制の見直し、システム導入などのコスト増につながる可能性があります。法令違反があった場合は許認可の取り消しや行政処分を受けるリスクもあります。
  • 車両制限令と輸送効率の低下:車両運搬用のセミトレーラーは、道路法の車両制限令により全長や積載車両の長さ、高さ、重量に制限があります。近年、商品車の大型化や電動化による重量増加により、積載台数を減らさざるを得ないケースが発生しており、輸送効率の低下を招く可能性があります。このコスト増を輸送料金に転嫁できない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,677 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項は以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものでありますが、以下の記載は当社グループの事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。 ① 主要顧客への売上依存度について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:大)当社グループの主要顧客は、日産自動車株式会社であり、同社向けの売上実績は下表のとおりとなっています。日産自動車株式会社への売上依存度は、継続的に高い率となっているため、同社との取引状況に何らかの変更があった場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 相手先2025年6月期2026年6月期金額(百万円)総売上に占める割合金額(百万円)総売上に占める割合日産自動車株式会社12,8428.7%12,7038.4%日産自動車グループ(注)21,08614.3%20,27113.5% (注) 日産自動車グループの販売実績は、日産自動車株式会社、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社、及び国内の日産自動車販売会社への売上実績と、陸友物流(北京)有限公司における、中国の東風汽車有限公司及び中国のその他日産自動車関係会社等への売上実績を合計したものであります。 日産自動車株式会社とは、車両輸送作業や新車点検整備作業等の個別の業務ごとに締結された「車両運送委託契約書」や「請負基本契約書」等の契約を締結していることに加えて、日産自動車株式会社より「Nomination Letter」に署名をいただいており、2027年3月末まで継続されることが基本合意されております。また、それ以降も継続に向けた協議をしております。これまで日産自動車株式会社が提示した目標を達成しており、今後も業務品質の維持向上に努めることによって契約の更新を続けてまいる所存です。しかし、諸事情により日産自動車株式会社との取引が継続できなくなった場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。当事業リスクに対する対応策としては、輸送システムの連携などを推進することで、日産自動車株式会社との関係強化に努めてまいります。 ② 特有の法的規制に係るものa.貨物自動車運送事業法等の規制について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:大) 当社グループの主要な事業活動である車両輸送サービスの前提は、一般貨物運送事業者としての貨物自動車運送事業法第3条に基づく一般貨物自動車運送事業認可(関東運輸局長(関自貨2)第1992号ほか)と、貨物運送利用事業者としての貨物利用運送事業法第20条に基づく第二種貨物利用運送事業許可(総合政策局複合貨物流通課長(国総貨複第6号の4-25))であり、当該許認可には有効期限が設定されていません。 貨物自動車運送事業法や貨物利用運送事業法では、許認可の基準、運送約款の作成・認可、運行管理者の選任等が定められており、同法第33条等に許認可取消事由が規定されています。 また、当社グループの事業運営においては、厚生労働省告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」)は行政告示(指針)であり、直接罰則を規定する法令ではありませんが、告示に基づく違反が確認されれば、労働基準監督署等による監督・是正指導や行政処分が行われる可能性があり、その結果として許認可の維持に影響が生じるおそれがあります。2024年4月1日に適用された改善基準告示では、時間外労働の上限規制や拘束時間の短縮等が導入されており、当社グループにおける遵守が一層重要となっています。 現時点において、当社グループはこれらの許認可の取消の事由に該当する事実や改善基準告示の重大な違反事実はないと認識しています。 当社グループの主要な事業活動の継続には前述のとおり一般貨物自動車運送事業認可及び第二種貨物利用運送事業許可が必要ですが、今後、法令違反等によりこれらの許認可が剥奪された場合には、主たる事業の一部あるいは全部を行うことができず、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。これに対応するため、ドライバーの増員、勤務体制の見直し、デジタルタコグラフ等の労働時間管理システムの導入・更新、車両・設備投資等の対策を進めており、これらは人件費や設備投資等のコスト増要因となる可能性があります。また、当社グループは法令に基づき必要な運行管理者を選任しており、定期的な教育および監査を実施することで遵守体制の維持に努めています。 さらに、改正貨物自動車運送事業法及び物流効率化法を含む物流関連法制への対応や、貨物自動車運送事業法や貨物利用運送事業法、改善基準告示の内容変更等に伴い、新たな管理体制を整備、システム投資及び人員配置の見直し等が必要となった場合には、新たなコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。b.排気ガスの抑制に関する諸規制について(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:小)当社グループの営む事業のうち国内自動車関連事業及び一般貨物事業につきまして、2002年10月1日から「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(自動車NOx・PM法)が施行され、また、2003年10月1日から東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」をはじめとするディーゼル車の走行規制条例が、首都圏で施行されたのを皮切りに、全国へ拡大されております。当社グループといたしましては、各種規制に対して、新車代替又は排ガス対策装置を装着することを進めておりますが、今後、規制の内容の強化、脱炭素政策の推進その他の環境規制の変更等が行われた場合には、更なるコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。c.道路交通法等の法令遵守について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:中)当社グループの輸送業務は、道路交通法その他の関係法令の適用を受けております。当社グループはこれらの法令を遵守し、安全運行の確保に努めておりますが、法令違反や重大な交通事故等が発生した場合には、行政処分、損害賠償責任の発生、社会的信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。d.道路法の車両制限令の規制について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:中)当社グループの車両運搬用のセミトレーラにつきましては、道路法の車両制限令により全長の制限及び積載車両の長さや高さや重量等の制限が定められております。車両運搬用セミトレーラは、本来商品車(輸送依頼を受けた車両)を6~7台積載できることを前提に製造されておりますが、最近は商品車のサイズが大型化したことに伴い、積載時にセミトレーラのサイズに収まらず、はみ出してしまう可能性があります。また、自動車の電動化にともない重量が増しており、セミトレーラの重量制限を超過してしまう可能性があります。当社グループでは、各物流拠点での配車時において、制限値を超えないように小型車を混載させ、積載時に調整を行っております。しかし、小型車の混載が困難な新車輸送に関しましては、積載台数を減らさざるをえない場合もあります。今後も、適正な輸送料金への改定の交渉に取り組みますが、規制の内容の変更等が行われ、輸送効率の低下に伴うコスト増分を輸送料金に反映できない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。e.労働基準法等の規制について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:中)乗務員の労務管理は、「労働基準法」等に基づき実施しています。働き方改革関連法に伴う残業時間規制の強化や、労働安全衛生法改正に伴うメンタルヘルス対応義務化等により、労働行政による監督が強化されており、従業員の健康管理やきめ細かな労務管理が一層求められています。自動車運転業務についても改善基準告示の基準が実務に影響を与えており(改善基準告示の詳細は項目a参照)、特に繁忙期となる3月には従来どおりの売上収益を維持できない可能性があります。今後の規制強化や法適用の動向によっては、さらなる勤務体制の見直しや人員確保等に伴うコスト増加が懸念されます。これを踏まえ、当社グループでは繁忙期対策として臨時雇用の計画、協力会社への業務委託枠の確保、乗務員の勤務体制変更等を検討・実施しています。今後の規制強化や法適用の動向によっては、勤務体制の見直しや人員確保に伴うコスト増加が懸念されるため、政策変更等が発生した場合には関係部署で影響試算と対応計画を速やかに作成・実行してまいります。f.派遣法等の改正について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:小)「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、労働者派遣法)」は2012年の改正に続き、改正時の附帯決議等により2015年にも一部改正されました。改正においては、雇用安定措置の義務化、個人単位及び事業所単位の期間制限等が織り込まれています。派遣先企業では、アウトソーシングや直接雇用への切り替えなどの動きも見られ、派遣業界の競争は更に厳しさを増すものと考えられます。これまでも労働・雇用環境の変化に応じて労働者派遣法は改正されており、今後の改正などにより事業環境が変化した場合には、ヒューマンリソース事業において派遣事業を展開している当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。当法的規制に係る事業リスクの対応策につきましては、関係部署に対する、貨物自動車運送事業法や労働基準法などの法令順守指導・教育に努めると同時に、その他の法的規制につきましては、情報の早期収集と迅速な対応並びに情報開示に努めてまいります。また、監査部による特別監査などを通じてコンプライアンス遵守意識を高めてまいります。 ③ 人材の確保について(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:小)人材確保・育成を経営上の重要項目として取り組んでおりますが、少子高齢化の進行に伴う人材不足及び景気回復に伴う人件費の高騰などにより必要な人材の確保ができない場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。特に国内自動車関連事業における車両輸送事業やヒューマンリソース事業においては、乗務員などの現場人材の確保が重要な課題となっております。また、人材不足の深刻化や賃金水準の上昇により、人件費及び外注費が増加した場合には、当社グループの収益性に影響を及ぼす可能性があります。当事業リスクに対する対応策としては、当社グループでは、新卒採用および中途採用の強化に加え、給与制度の見直し及び人事制度の見直し、職場環境の改善、教育・研修の充実ならびに入社後のフォロー体制の強化等を進めております。また、グループ横断での採用窓口の一元化を進めることで採用力の強化を図るとともに、業務の分業化、自動化及びデジタル化を推進することで、人手不足社会に対応した事業運営体制の構築に努めております。 ④ サイバーセキュリティに関するリスク(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:大)当社グループは、事業運営において受注管理システム、配車管理システム、会計システム、労務管理システム等の基幹システムを活用しており、今後もデジタル経営基盤の整備および業務のデジタル化を推進していく方針です。これらのシステムには顧客情報、運転者や役職員の個人情報、運行データ等の重要な情報が蓄積されております。近年、ランサムウェア攻撃、標的型攻撃、DDoS攻撃等のサイバー攻撃が高度化・巧妙化しており、当社グループにおいてもサイバー攻撃を受けるリスクが存在します。万が一、サイバー攻撃により重要なシステムが停止した場合、事業運営に支障が生じ、サービス提供の継続が困難となる可能性があります。また、個人情報や機密情報の漏洩が発生した場合、顧客や取引先からの信頼失墜、損害賠償請求、監督当局からの処分等により、当社グループの業績及び財政状態並びに社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、システムの復旧や再構築、セキュリティ強化対策等に要する費用負担も、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクに対する対応策として、当社グループでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトの導入、システムへのアクセス権限管理の徹底、定期的な脆弱性診断の実施、重要データのバックアップ体制の構築等の技術的対策を講じております。また、全役職員を対象としたサイバーセキュリティ教育の定期実施、標的型攻撃メール訓練、インシデント発生時の対応手順の整備等により、人的・組織的対策の強化を図っております。また、2026年7月より情報セキュリティ委員会を設置し、サイバーセキュリティを経営上の重要リスクとして継続的に管理する体制を構築しております。さらに、サイバー攻撃によるシステム停止等に備えた事業継続計画(BCP)の策定、サイバー保険への加入検討等により、リスクの軽減と影響の最小化に努めております。現時点において、当社グループの事業運営に重大な影響を及ぼすサイバー攻撃の被害は発生しておりませんが、サイバー攻撃の脅威は日々進化しているため、継続的なセキュリティ対策の強化に取り組んでまいります。 ⑤ 自然災害等の大規模災害による被害(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:大)地震、噴火、津波、台風等の自然災害や火災等の事故及び通信ネットワークを含む情報システムの停止等により、当社グループの事業活動が停止するような被害を受けた場合には、当社グループの業績に重要な悪影響を与える可能性があります。当事業リスクに対する対応策としては、車両輸送における物流拠点(CSセンター)においては、日本全国36箇所に亘って展開しているため、どこか特定のエリアや拠点が壊滅的な打撃を受けたとしても、近隣の拠点でバックアップができる体制を構築しております。 ⑥ 保有資産の価格下落に関するリスク(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:中)当社グループが保有している営業債権及びその他の債権(19,279百万円)、棚卸資産(4,089百万円)、有形固定資産(21,833百万円)、のれん及び無形資産(5,253百万円)について、収益性の低下や自然災害、火災などによって、評価損の計上や減損処理を行うこととなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該事業リスクに対する対応策としては、営業債権については、顧客ごとの与信管理の徹底と情報管理の迅速性を重視すること、棚卸資産に関しては、見込み発注の縮小化と在庫管理を徹底すること、有形固定資産及びのれん・無形資産に関しては、投資前に事業収益性の見極め精度を向上させ、投資後は損益管理を徹底し、収益性低下が認められた場合は、早急にリカバリープランを導入することでリスクの顕在化を抑制してまいります。 ⑦ 中古車輸出事業に関するリスク子会社である株式会社ワールドウインドウズにおけるマレーシア向けの中古車輸出事業におきまして、為替レートの変動、法的規制の変化、債権の回収、自動車運搬専用船の船枠確保に関するリスクがあります。a. 為替レートの変動について(リスク顕在化の可能性:大、経営成績等の状況に与える影響:小) 当社グループは、マレーシアの中古車輸入業者との取引に関しては円建てを基本としており、為替ヘッジは行っておりません。しかしながら、急激に円高になった場合、日本から輸出する中古車の価格競争力がなくなり、当社グループの輸出台数が減少することによって、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。b. 法的規制の変化について(リスク顕在化の可能性:小、経営成績等の状況に与える影響:中) マレーシアにおきましては、自動車産業保護政策やマレー系民族優遇政策を基にして中古車の輸入関税や輸入条件が定められておりますが、その政策が変更された場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。c. 債権の回収について(リスク顕在化の可能性:大、経営成績等の状況に与える影響:小) 当社グループでは、取引を開始するにあたって信用調査を実施し、会社毎に与信枠を設定して継続的に販売状況をモニタリングすることなどによって与信管理に努めておりますが、取引先の倒産や支払い遅延などが発生した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。d. 自動車運搬専用船の船枠確保(リスク顕在化の可能性:大、経営成績等の状況に与える影響:小) 当社グループは、日本からマレーシアへ中古車を輸出するにあたって、主に自動車運搬専用船を利用しておりますが、その船枠が空いているかどうかは新車の輸出動向に左右されます。また、地政学リスクの高まりや国際物流環境の変化等により、海上輸送に支障が生じる可能性があります。新車の輸出が旺盛で自動車運搬専用船の船枠の確保ができない場合や、海上輸送の遅延や運賃の上昇等が発生した場合には、在庫車の滞留により資金繰りに影響を及ぼす可能性や、輸出台数を制限することにより売上収益に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 気候変動に関するリスク(リスク顕在化の可能性:中、経営成績等の状況に与える影響:中)気候変動に伴う移行リスク(政策・規制の強化、技術変化、市場・顧客ニーズの変化、評判リスク等)や物理的リスク(異常気象の激甚化・頻発化、気温上昇や降水パターンの変化等の長期的な気候パターンの変化)により、当社グループの事業活動や業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクの詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。当事業リスクに対する対応策としては、気候変動への対応(TCFD)の枠組みに基づき気候関連リスクの特定・評価を実施し、リスクの軽減に向けた取組みを推進しております。物理的リスクについては、既存の自然災害対策と連携し、全国に展開する物流拠点における事業継続体制の強化を図っております。移行リスクについては、環境負荷低減に向けた技術革新や事業プロセスの見直し等を通じて、持続可能な事業モデルの構築に取り組んでおります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が ゼロ の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →