9072

ニッコンホールディングス(9072)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 主力事業の概要
    ニッコンホールディングスは、運送・倉庫・梱包・テストの4事業を柱とする物流グループです。親会社と85社の関係会社で構成され、自動車(四輪・二輪)や自動車部品、住宅設備、農業用機械などを主な取扱品目として、輸送から保管・加工・テストまで一貫したサービスを提供しています。
  • 収益構造の特徴
    売上の中心は運送事業(約1,180億円)で全体の約49%を占め、次いで梱包事業(約574億円)、倉庫事業(約409億円)、テスト事業(約242億円)と続きます。ただし利益率を見ると、倉庫事業の営業利益率が約21%と最も高く、運送事業の約5%を大きく上回るため、倉庫事業が収益の質を支える重要な柱となっています。
  • ビジネスモデルの特性
    自動車メーカーや部品メーカーなどの製造業を主要顧客とし、物流の「川上から川下」まで幅広く担うBtoB型のビジネスモデルです。連結売上高の50%超が自動車業界向けであり、製造業のサプライチェーンに深く組み込まれた形で継続的な取引関係を築いています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ニッコンホールディングスの事業セグメントは、主に「運送事業」「倉庫事業」「梱包事業」「テスト事業」で構成されています。運送事業は、自動車や部品、住宅設備などの輸送を行い、売上高が最も大きいセグメントです。倉庫事業は、これらの製品の保管を担い、営業利益率が高い傾向にあります。梱包事業は、流通加工や輸出梱包などを手掛け、テスト事業は自動車や部品のテストサービスを提供しています。これらのセグメントはそれぞれ独立した事業として機能しつつ、相互に連携することで総合的な物流サービスを提供しており、特に運送事業が売上の中心、倉庫事業が利益の稼ぎ頭となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TransportationSegment 事業 1,180 63 5.4%
WarehouseSegment 地域 409 86 20.9%
PackagingSegment 事業 574 42 7.4%
TestSegment 事業 242 40 16.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|780 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社及び関係会社85社で構成され、運送事業、倉庫事業、梱包事業、テスト事業を主な内容とし、更にこれらに附帯する業務を併せて行っております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。当社グループの事業に係わる位置づけは次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。運送事業 ……… 四輪・二輪完成自動車及び自動車部品・住宅設備・農業用機械等の輸送を行っております。日本梱包運輸倉庫株式会社のほか関係会社57社が行っております。倉庫事業 ……… 四輪・二輪完成自動車及び自動車部品・住宅設備・農業用機械等の保管を行っております。日本梱包運輸倉庫株式会社のほか関係会社28社が行っております。梱包事業 ……… 流通加工・自動車部品等の納入代行・輸出梱包等を行っております。当社及び日本梱包運輸倉庫株式会社のほか関係会社36社が行っております。テスト事業 …… 四輪・二輪完成自動車及び自動車部品・農業用機械等のテストを行っております。株式会社オートテクニックジャパンのほか関係会社4社が行っております。その他事業 …… 通関業・車両等の修理及び整備・石油製品の販売・損害保険代理店業・不動産の売買、賃貸及びその仲介管理・廃棄物の処理及び収集・発電及び売電・包装材の製造販売に関する事業を行っております。当社及び日本梱包運輸倉庫株式会社のほか関係会社37社が行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。(注)無印 連結子会社※1 非連結子会社で持分法適用会社※2 非連結子会社で持分法非適用会社※3 持分法適用関連会社※4 持分法非適用関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
コスト増が生じた場合、顧客企業との協議により適正な料金の収受を図る。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
運送事業の一部は「自動車NOx・PM法」や「生活環境確保条例」等の規制を受けている。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:燃料費の変動 / 法的規制の変更 / 重大事故の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ニッコンホールディングスは陸運業であり、特許やブランドによる強力な無形資産の優位性は見られない。規制ライセンスは存在するが、参入障壁としては限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

物流業界において、既存の取引関係やシステム連携による一定のスイッチングコストは存在する。しかし、価格競争力やサービス内容によっては乗り換えが発生しうるため、その強度は高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

陸運業は、プラットフォーム型ビジネスとは異なり、ネットワーク効果による競争優位性は基本的に見られない。個々の顧客との関係性が重要。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済による効率化や、長年の経験に基づく運行管理ノウハウはコスト優位に寄与する可能性がある。しかし、燃料費や人件費の変動リスクは大きい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ニッコンホールディングスは、関東圏を中心に広範な物流ネットワークと車両保有台数を有しており、一定の規模の経済を享受している。これにより、効率的な配送網を構築していると考えられる。

  • 事業領域の幅広さ
    運送・倉庫・梱包・テストという複数の物流機能を一社グループ内で完結できる点は、顧客にとって窓口を一本化できる利便性につながります。特に自動車部品の納入代行や輸出梱包、完成車のテストまで手がける企業は限られており、一定の差別化要因になり得ると考えられます。
  • 自動車業界との深い取引関係
    売上の50%超を自動車業界が占めており、長年にわたって自動車メーカーや部品メーカーと取引を積み重ねてきた実績があります。こうした継続的な取引関係は、顧客が他社に切り替えるコスト(スイッチングコスト)を高める効果があると見られ、安定した受注基盤につながっている可能性があります。
  • 物流拠点ネットワーク
    国内外に倉庫・物流拠点を展開しており、三重県鈴鹿市・福岡県苅田町・タイ・インドネシアへの新規倉庫竣工など、拠点網の拡充を継続しています。物流業は拠点の立地が競争力に直結するため、既存の拠点ネットワークは新規参入者が短期間で模倣しにくい資産と考えられますが、その優位性の程度は今後の稼働状況次第です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「我々は、地球的視野に立ちビジネスロジスティクスを介し『共有できる歓び』『共感し得る価値』『共生したる環境』を先進創造し、お客様・株主様・従業員と共に社会の繁栄に貢献する」ことを基本理念としております。この理念を信奉し、健全な事業活動を通して、お客様、株主様、地域の皆様に対し、企業責任を果たし、国家・地域社会の発展に寄与してまいります。当連結会計年度のわが国経済は、良好な企業収益や家計の所得環境を背景として緩やかな回復基調が見られました。一方、米国・イスラエルによるイラン攻撃の開始やホルムズ海峡の封鎖など、中東における緊張感は継続しており、依然として先行きは不透明な状態が続いております。物流業界におきましては、ガソリン・軽油等のエネルギー費用の負担軽減効果があったものの、中東情勢の混乱により原油価格が高騰し、また慢性的な人手不足や人件費等のコスト増加の影響も続いており、厳しい経営環境が続いております。当社グループは2023年4月より3か年計画である第13次中期経営計画を推進しており、2026年3月期はその最終年度でありました。既存事業の強化に加えて、三重県鈴鹿市、福岡県苅田町、タイ国、インドネシア国に倉庫を竣工させ、物流拠点の拡充等設備投資を推進してまいりました。また、倉庫内設備の自動化を進めるなど、人口減という我が国が直面する課題や業界特有の労働分配率が高いという構造的な課題にも取り組んでおります。なお、当社グループの経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標は売上高、営業利益、営業利益率及び自己資本純利益率(ROE)であります。外部環境の不確実性や物流業界特有の構造的課題が続く中、当社グループは中期経営計画の最終年度において既存事業の強化と成長分野への展開を進めてまいりました。しかしながら、急激な事業環境の変化、生産活動の停滞、およびM&Aに伴う一過性費用の影響により、売上高・営業利益ともに当初計画は未達となりました。今後は、成長戦略の実行力向上と収益基盤の強化を最重要課題と位置づけ、以下の施策に取り組んでまいります。1.成長戦略の実行と収益基盤の強化既存顧客の深耕や海外展開を支える物流拠点の確保、ならびに省人化・自動化設備やシステムへの投資を加速いたします。国内では、半導体、航空宇宙・防衛、医療機器、情報通信、電力などの成長産業における新規顧客開拓を進めるとともに、既存顧客への提案領域を拡大します。海外事業においては、国内取引先の海外物流需要の取り込みや、通関・フォワーディングを含む高付加価値な一貫物流サービスの提供を通じて利益成長を目指します。さらに、物流データを活用し、顧客のサプライチェーン全体を支援する戦略的パートナーへの進化を図ります。2.資本効率の向上と財務基盤・ガバナンスの強化持続的な成長に向け、資本効率と財務基盤の改善を推進します。投資判断においては資本コストを重視し、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回ることを基準とした運用を徹底いたします。また、政策保有株式の縮減や低収益不動産の流動化によるバランスシートの最適化を図るとともに、投資後の検証ルールの整備やグループ統一システムの活用により、経営管理およびガバナンスの高度化を実現してまいります。3.サプライチェーン全体の生産性向上物流関連法規への対応を契機とし、荷待ち・荷役時間の短縮、積載率の向上、配送ルートの最適化などを推進し、輸送効率および安定供給体制を強化いたします。あわせて、荷主企業との協働のもと、納品条件や荷姿の見直し、パレット化、受付運用など現場起点の改善を進め、サプライチェーン全体の生産性向上を実現してまいります。4.経営基盤の強化(人的資本・安全品質・環境対応)持続的な企業価値向上のため、以下の経営基盤強化に取り組みます。人的資本経営の推進:次世代経営人材やグローバル人材の育成に加え、変化する事業環境に適応するためのリスキリング(教育・訓練)への投資を強化してまいります。安全・品質管理の高度化:自動化とデータ活用を推進し、予知・予防型の安全・品質管理体制を構築します。環境負荷の低減:2030年度までにCO2排出量を2022年度比で30%削減するという目標に向け、低炭素車両や再生可能エネルギーの導入を着実に進めてまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「我々は、地球的視野に立ちビジネスロジスティクスを介し『共有できる歓び』『共感し得る価値』『共生したる環境』を先進創造し、お客様・株主様・従業員と共に社会の繁栄に貢献する」ことを基本理念としております。この理念を信奉し、健全な事業活動を通して、お客様、株主様、地域の皆様に対し、企業責任を果たし、国家・地域社会の発展に寄与してまいります。当連結会計年度のわが国経済は、良好な企業収益や家計の所得環境を背景として緩やかな回復基調が見られました。一方、米国・イスラエルによるイラン攻撃の開始やホルムズ海峡の封鎖など、中東における緊張感は継続しており、依然として先行きは不透明な状態が続いております。物流業界におきましては、ガソリン・軽油等のエネルギー費用の負担軽減効果があったものの、中東情勢の混乱により原油価格が高騰し、また慢性的な人手不足や人件費等のコスト増加の影響も続いており、厳しい経営環境が続いております。当社グループは2023年4月より3か年計画である第13次中期経営計画を推進しており、2026年3月期はその最終年度でありました。既存事業の強化に加えて、三重県鈴鹿市、福岡県苅田町、タイ国、インドネシア国に倉庫を竣工させ、物流拠点の拡充等設備投資を推進してまいりました。また、倉庫内設備の自動化を進めるなど、人口減という我が国が直面する課題や業界特有の労働分配率が高いという構造的な課題にも取り組んでおります。なお、当社グループの経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標は売上高、営業利益、営業利益率及び自己資本純利益率(ROE)であります。外部環境の不確実性や物流業界特有の構造的課題が続く中、当社グループは中期経営計画の最終年度において既存事業の強化と成長分野への展開を進めてまいりました。しかしながら、急激な事業環境の変化、生産活動の停滞、およびM&Aに伴う一過性費用の影響により、売上高・営業利益ともに当初計画は未達となりました。今後は、成長戦略の実行力向上と収益基盤の強化を最重要課題と位置づけ、以下の施策に取り組んでまいります。1.成長戦略の実行と収益基盤の強化既存顧客の深耕や海外展開を支える物流拠点の確保、ならびに省人化・自動化設備やシステムへの投資を加速いたします。国内では、半導体、航空宇宙・防衛、医療機器、情報通信、電力などの成長産業における新規顧客開拓を進めるとともに、既存顧客への提案領域を拡大します。海外事業においては、国内取引先の海外物流需要の取り込みや、通関・フォワーディングを含む高付加価値な一貫物流サービスの提供を通じて利益成長を目指します。さらに、物流データを活用し、顧客のサプライチェーン全体を支援する戦略的パートナーへの進化を図ります。2.資本効率の向上と財務基盤・ガバナンスの強化持続的な成長に向け、資本効率と財務基盤の改善を推進します。投資判断においては資本コストを重視し、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回ることを基準とした運用を徹底いたします。また、政策保有株式の縮減や低収益不動産の流動化によるバランスシートの最適化を図るとともに、投資後の検証ルールの整備やグループ統一システムの活用により、経営管理およびガバナンスの高度化を実現してまいります。3.サプライチェーン全体の生産性向上物流関連法規への対応を契機とし、荷待ち・荷役時間の短縮、積載率の向上、配送ルートの最適化などを推進し、輸送効率および安定供給体制を強化いたします。あわせて、荷主企業との協働のもと、納品条件や荷姿の見直し、パレット化、受付運用など現場起点の改善を進め、サプライチェーン全体の生産性向上を実現してまいります。4.経営基盤の強化(人的資本・安全品質・環境対応)持続的な企業価値向上のため、以下の経営基盤強化に取り組みます。人的資本経営の推進:次世代経営人材やグローバル人材の育成に加え、変化する事業環境に適応するためのリスキリング(教育・訓練)への投資を強化してまいります。安全・品質管理の高度化:自動化とデータ活用を推進し、予知・予防型の安全・品質管理体制を構築します。環境負荷の低減:2030年度までにCO2排出量を2022年度比で30%削減するという目標に向け、低炭素車両や再生可能エネルギーの導入を着実に進めてまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当社グループは当連結会計年度において、三重県鈴鹿市、福岡県苅田町、タイ国、インドネシア国に倉庫を竣工するなど、積極的な設備投資や営業活動を行ってきました。この結果、当連結会計年度における売上高は、2,698億62百万円(前年同期比8.9%増)となりました。営業利益は238億18百万円(前年同期比2.9%増)となりました。経常利益は、248億53百万円(前年同期比3.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、182億37百万円(前年同期比10.2%増)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。運送事業業務量の増加により売上高は1,243億39百万円(前年同期比5.4%増)となりました。外注費の増加はありましたが、増収効果もあり営業利益は75億23百万円(前年同期比19.1%増)となりました。 倉庫事業継続的に行ってきた倉庫の新増設の効果により保管取扱量が増加し、売上高は429億76百万円(前年同期比5.1%増)となりました。営業利益は減価償却費等の増加により88億26百万円(前年同期比3.1%増)となりました。 梱包事業売上高は576億48百万円(前年同期比0.5%増)となりました。営業利益は、業務の効率化や外注費の減少などにより44億29百万円(前年同期比4.3%増)となりました。 テスト事業業務量の増加により売上高は245億69百万円(前年同期比1.7%増)となりました。営業利益は人件費や新規テスト設備の減価償却費の増加により40億16百万円(前年同期比0.7%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は367億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億67百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は381億57百万円となり、前連結会計年度に比べ105億14百万円増加しました。これは主に増加要因として税金等調整前当期純利益が32億6百万円、減価償却費の増加に伴うキャッシュ・フローが24億97百万円、売上債権の増減額によるキャッシュ・フローが35億48百万円、仕入債務の増減額によるキャッシュ・フローが26億9百万円それぞれ増加した一方、減少要因として法人税等の支払額が10億19百万円増加したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は255億64百万円となり、前連結会計年度に比べ支出が284億13百万円減少となりました。これは主にМ&Aによる子会社株式の取得によるキャッシュ・フローが267億29百万円減少したことによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は111億19百万円となり、前連結会計年度に比べ301億95百万円の支出増加となりました。これは主に、支出の増加要因として短期借入による収入が438億円、新株予約権付社債の発行による収入が221億10百万円それぞれ減少し、自己株式の取得による支出が49億98百万円、子会社の自己株式の取得による支出が42億5百万円増加した一方、減少要因として長期借入による収入が340億円増加し、短期借入金の返済による支出が122億円減少したことによるものであります。 ③販売の実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)構成比(%)前年同期比(%)運送事業124,33946.1105.4倉庫事業42,97615.9105.1梱包事業57,64821.4100.5テスト事業24,5699.1101.7その他事業20,3277.5270.0合計269,862100.0108.9(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)本田技研工業㈱40,99516.541,78115.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。a.財政状態(資産の部)当連結会計年度末における流動資産は858億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億81百万円減少しました。これは主に受取手形及び売掛金が13億6百万円、電子記録債権が9億78百万円減少した一方、現金及び預金が7億27百万円増加したことによるものであります。固定資産は3,505億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億2百万円増加しました。これは主に、三重県鈴鹿市、福岡県苅田町、タイ国、インドネシア国に倉庫を取得したことにより有形固定資産が82億58百万円増加した一方、のれんや顧客関連資産の償却などにより無形固定資産が22億61百万円減少したことによるものです。 この結果、総資産は4,363億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ51億21百万円増加しました。 (負債の部)当連結会計年度末における流動負債は597億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ168億85百万円減少しました。これは主に短期借入金が131億8百万円、営業外電子記録債務が35億91百万円、電子記録債務が25億36百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が17億21百万円増加したことによります。固定負債は1,338億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ298億37百万円増加しました。これは主に長期借入金が303億96百万円増加したことによるものであります。 (純資産の部)当連結会計年度末における純資産は2,428億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ78億30百万円減少しました。これは主に増加要因として利益剰余金が105億15百万円増加し、減少要因として自己株式を149億99百万円取得し、非支配株主持分が39億36百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は54.5%(前連結会計年度末は56.0%)となりました。 b.経営成績(売上高)当連結会計年度における売上高は2,698億62百万円(前年同期比8.9%増)となりました。新増築した倉庫の稼働開始による貨物取扱量の増加とM&Aによる連結会社の増加及び前期期中買収会社の売上高が通期寄与したことが影響しました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 (営業利益)当連結会計年度における営業利益は238億18百万円(前年同期比2.9%増)となりました。設備投資に伴う減価償却費の増加に加えM&Aによって発生したのれん、無形固定資産の償却費の発生の影響がありました。セグメント別の営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 (経常利益)当連結会計年度における営業外収益は29億10百万円となり、前連結会計年度に比べ51百万円増加しました。これは主に助成金収入が2億円増加した一方で雑収入が1億20百万円減少したことによるものであります。営業外費用は18億75百万円となり、前連結会計年度に比べ1億69百万円減少しました。これは主に、借入金の増加により支払利息が3億43百万円増加した一方、為替差損が6億45百万円減少したことによるものであります。この結果、経常利益は248億53百万円(前年同期比3.7%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における特別利益は26億48百万円となり、前連結会計年度に比べ24億59百万円増加しました。これは主に投資有価証券売却益が13億94百万円、固定資産売却益が5億84百万円増加したことによるものです。特別損失は1億54百万円となり、前連結会計年度に比べ1億36百万円増加しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は182億37百万円(前期比10.2%増)となりました。 c.キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 d.資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの事業活動における資金需要としては、事業を行うための費用や一般管理費などの営業費用としての運転資金、主に倉庫、作業所及び事業用車両等の固定資産購入のための設備資金及びM&A資金があります。当社グループでは、運転資金につきましては内部資金のほか必要に応じてコマーシャルペーパーや金融機関からの借入金で賄い、設備資金につきましては内部資金のほか必要に応じて固定金利の普通社債及び金融機関からの借入金で賄うことを基本としております。また、M&A資金については、いったんつなぎ資金として金融機関からの短期借入金でまかない、その後社債等の長期資金へ置き換える方法で対応しております。当連結会計年度末における社債の残高は500億円、転換社債型新株予約権付社債の残高は220億89百万円、借入金の残高は634億97百万円であります。 e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2023年4月1日から3か年の中期経営計画「第13次中期経営計画(Challenge13)」をスタートさせました。その最終年度である当連結会計年度におきましては、売上高2,698億円、営業利益238億円、営業利益率8.8%、自己資本当期純利益率(ROE)7.6%となり、中期経営計画策定当初に掲げていた売上高2,800億円、営業利益280億円、営業利益率10.0%、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%のいずれの指標に対しても未達となりました。なお、当社グループでは、2026年4月1日から3か年の中期経営計画「第14次中期経営計画」をスタートさせ、最終年度である2029年3月期の目標として売上高3,500億円、営業利益330億円、営業利益率9.4%、自己資本当期純利益率(ROE)10.0%を目標としております。 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果とは異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 a.減損会計における将来キャッシュ・フロー「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 b.退職給付債務の算定当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。退職給付債務及び退職給付費用の算定において、主要な仮定の変化が当連結会計年度末の退職給付債務及び退職給付費用に与える感応度は以下のとおりであります。マイナス(△)は退職給付債務の減少を、プラスは退職給付債務の増加を表しております。感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。当連結会計年度末(2026年3月31日) 数理計算上の仮定の変化退職給付債務に与える影響(百万円)割引率0.5%の上昇△7940.5%の低下636 数理計算上の仮定の変化退職給付費用に与える影響(百万円)期待運用収益率0.5%の上昇△600.5%の低下60なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 自動車業界への依存リスク
    連結売上高の50%超が自動車業界向けであるため、自動車メーカーの生産調整や販売不振が起きると、グループ全体の業績に直接的かつ大きな影響が及びます。電気自動車(EV)シフトや半導体不足など、自動車業界の構造変化が続く中、この集中リスクは引き続き注意が必要です。
  • 燃料費・人件費のコスト上昇リスク
    輸送用車両の燃料費は原油価格や為替の影響を受けやすく、急激な価格上昇時に顧客への料金転嫁が遅れると利益が圧迫されます。また、国内の人口減少・少子高齢化による人手不足に加え、2024年問題(ドライバーの時間外労働規制)への対応コストも増加しており、物流業特有の高い労働コスト構造が収益を圧迫するリスクがあります。
  • 情報セキュリティ・自然災害リスク
    サイバー攻撃(ランサムウェア等)によるシステム停止やデータ漏えいが発生した場合、事業活動の遅延やサプライチェーンの混乱、社会的信用の低下につながる恐れがあります。また、地震や風水害による輸送経路の遮断や設備損壊も、物流業の性質上、事業継続に直接影響するリスクとして挙げられています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,842 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)燃料費の変動について当社グループにおいて使用する輸送用車両の燃料費は、原油価格や為替相場の変動により影響を受けております。当社グループはこれらのコスト増が生じた場合、顧客企業との協議により適正な料金の収受を図ってまいりますが、急激な燃料価格の上昇や適正な料金の収受ができないような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(2)法的規制等について当社グループの営む事業について、運送事業の一部(貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業)につきましては、「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」や「生活環境確保条例」等の規制を受けております。これらの法規制等への対応については、車両の代替及び排出ガス低減装置の取付けを効果的、効率的に行うことによりコストへの影響を最小限にとどめております。しかしながら、今後規制の内容の変更等が生じた場合、更なるコストの発生が考えられます。(3)重大事故の発生可能性について当社グループにおきましては、順法精神に則り社会的責任を最優先に営業活動を行っておりますが、万一重大な交通事故等が発生してしまった場合、社会及び顧客の信用が低下するとともに、事業所の営業停止、事業許可の取り消し等の行政処分を受ける可能性があります。(4)固定資産の減損について当社グループにおきましては、倉庫事業、梱包事業及びテスト事業を中心に多額の固定資産を所有しておりますが、経営環境の変化や収益性の低下などにより投資額の回収が見込めなくなった場合には減損損失の計上が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5)自然災害等について当社グループが事業を展開する地域において、地震や風水害等により輸送経路が遮断された場合や事業所設備が毀損した場合、停電の発生によりシステム停止等の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6)顧客企業の動向について当社グループにおきましては、連結売上高のうち自動車業界向けが50%超を占めており、主要な顧客企業における生産調整や物流需要等の減少が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7)M&Aについて当社グループでは、今後の事業領域の拡大又は必要な機能の取得、拡充のためM&Aをその選択肢の一つとしております。M&Aの実施に当たっては、対象会社の財務内容や契約関係等についてデューデリジェンスを行い、取得価額の妥当性やリスク等について十分に検討したうえで決定しておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により当初想定したとおりに事業計画が進まない場合は、対象会社の株式取得価額やのれんの減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(8)人材の確保・育成について国内では人口減少や少子高齢化により労働人口の減少が進んでおり、人手不足感が強まっております。加えて物流業界におきましては、自動車運転業務の時間外労働時間の上限規制が適用されることによる影響、いわゆる2024年問題への対応も課題となっております。当社グループは、多様な人材の雇用促進や就業環境の改善等により人材の確保に努めるとともに、研修制度の充実等により人材育成を進めておりますが、事業の維持、拡大に必要な人材の確保が出来なかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(9)情報セキュリティについて当社グループは、業務遂行において多様な情報システムを活用しております。これに伴い、第三者による不正アクセス、コンピュータウィルスへの感染、ランサムウェア等のサイバー攻撃を受けるリスクが存在しております。万が一、これらのリスクが顕在化し、重要データの漏えい、改ざん、システムの停止等が発生した場合、事業活動の遅延、サプライチェーンの混乱、復旧に伴う費用の発生、ならびに社会的な信用の低下を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

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