9076

セイノーホールディングス(9076)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 総合物流商社の中核
    セイノーホールディングスは、純粋持株会社としてグループ全体の経営を統括し、多岐にわたる事業を展開しています。特に「輸送事業」を中核に据え、国内輸送では路線トラック輸送のパイオニアとして、小口商業貨物から宅配、引越、貸切まで幅広く手掛けています。国際輸送ではワールドワイドなネットワークを構築し、通関業も行い、総合的な物流サービスを提供することで収益を上げています。
  • 自動車関連事業
    輸送事業の他にも、自動車販売事業としてトラックや乗用車、自動車部品の販売・修理を行っています。また、燃料販売や紙類販売を行う物品販売事業、トラックターミナル跡地などの有効活用を図る不動産賃貸事業も展開しており、多様な事業ポートフォリオで収益源を確保しています。
  • 多角的な事業展開
    情報関連業、事務代行業、広告代理店業、タクシー業、建築工事請負業、保険代理店業、旅行代理店業、労働者派遣業、住宅販売業、印刷業など、「その他」の事業も幅広く手掛けています。これらの事業は、グループ内のシナジー効果を高めつつ、安定的な収益基盤の構築に貢献しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 輸送事業
    売上高5,541億2,600万円、営業利益207億4,300万円。セイノーホールディングスの主要な稼ぎ頭であり、グループ全体の収益の大部分を占めています。国内の路線トラック輸送を中核に、小口商業貨物、宅配、引越、貸切運送、倉庫業、国際輸送、通関業など、幅広い物流サービスを提供しています。
  • 自動車販売事業
    売上高1,153億2,800万円、営業利益71億6,100万円。トラック、乗用車、自動車部品の販売と修理を主な事業としています。トヨタ自動車や日野自動車への仕入れ依存度が高い特性を持ち、新車供給の状況が業績に影響を与える可能性があります。
  • 物品販売事業・不動産賃貸事業
    物品販売事業は売上高387億8,000万円、営業利益11億6,900万円で、燃料や紙類などの販売を行っています。不動産賃貸事業は売上高23億5,400万円、営業利益17億3,100万円で、トラックターミナル跡地などの遊休資産を有効活用し、安定した収益を上げています。これらはグループ全体の収益基盤を支える重要な事業です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TransportationServices 事業 5,541 207 3.7%
VehicleSales 事業 1,153 72 6.2%
MerchandiseSales 事業 388 12 3.0%
LeasingForRealEstateServices 事業 24 17 73.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,518 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、純粋持株会社である当社、連結子会社91社、非連結子会社4社及び関連会社20社で構成され、輸送事業、自動車販売事業、物品販売事業、不動産賃貸事業、その他を主な事業としております。 各事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」をご参照下さい。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。(輸送事業) 当社グループの指向する「総合物流商社」の中核をなす主要な部門であります。国内輸送においては、連結子会社47社、持分法適用関連会社3社及び関連会社7社が相互輸送を行い、路線トラック輸送のパイオニアとして、日本の物流業界での位置づけを堅固なものとしております。小口商業貨物を主力とし、宅配、引越、貸切等の運送を行う貨物自動車運送事業、航空、鉄道、海上等の各種交通機関を利用して貨物の運送を行う貨物利用運送事業のほか、貨物運送による付帯業務として倉庫業、航空運送代理店業、損害保険代理業等を行っております。国際輸送においては、連結子会社16社、持分法適用関連会社4社及び関連会社3社が相互輸送及び通関業に従事しており、ワールドワイドなネットワークを構築しております。 西濃運輸㈱、北海道西濃運輸㈱、東北西濃運輸㈱、㈱こばうん、㈱二興倉庫、セイノースーパーエクスプレス㈱、神奈川西濃運輸㈱、伊豆西濃運輸㈱、三重西濃運輸㈱、日ノ丸西濃運輸㈱、四国西濃運輸㈱、九州西濃運輸㈱、沖縄西濃運輸㈱、西濃通運㈱、西濃エキスプレス㈱、西濃東京エキスプレス㈱、西濃名古屋エキスプレス㈱、西濃大阪エキスプレス㈱、セイノーエスティーサービス㈱、S&Nロジスティクス㈱、㈱トーヨー、㈱勝沼運送、だるま屋運輸㈱、セントラル物流㈱、エコアライアンス㈱、セイノーラストワンマイル㈱、ココネット㈱、㈱リビングプロシード、朝日梱包㈱、関東運輸㈱、大阪高速乳配㈱、ケーシーエス㈱、㈱泉川運輸、昭和冷蔵㈱、㈱LOCCO、丸久運輸㈱、ハコベル㈱、㈱地区宅便、日祐㈱、MDロジス㈱、㈱MDロジスシステムソリューションズ、㈱リョーウンエキスプレス、義勇海運㈱、義勇梱包㈱、MDロジスフィールドサービス㈱、MDロジス産機サービス㈱、MDロジス商品サービス㈱、埼玉西濃運輸㈱、東京西濃運輸㈱、ウィルポート㈱、セイノーロジックス㈱、SEINO LOGIX (VIETNAM) Co., Ltd.、UNITED-SEINO TRANSPORTATION(MALAYSIA)SDN.BHD.、セイノー通関㈱、Seino(Thailand)Co.,Ltd.、Seino Saha Logistics Co.,Ltd.、PT Seino Indomobil Logistics Services、Seino Super Express USA, Inc.、Seino MLL Logistics Private Limited、菱電物流股份有限公司、MELCO LOGISTICS (THAILAND) CO., LTD.、MD Logistics (Hong Kong) Limited、菱集国際貨運代理(大連)有限公司、菱集国際貨運代理(上海)有限公司、MELCO LOGISTICS DE MEXICO,S.A. DE C.V.、MD LOGIS CORPORATION INDIA PRIVATE LIMITED、㈱阪急阪神エクスプレス、西濃シェンカー㈱、PT Seino Indomobil Logistics、SEINO-ITL LOGISTICS JOINT STOCK COMPANY(自動車販売事業) 自動車販売事業には、連結子会社8社及び持分法適用関連会社1社が従事しております。トラック、乗用車及び自動車部品の販売、修理事業等を行っております。 岐阜日野自動車㈱、トヨタカローラネッツ岐阜㈱、旭エンタープライズ㈱、滋賀日野自動車㈱、セイノーオートリース㈱、㈱東京車輌、ユニクラ自工㈱、SUBIC GS AUTO INC.、KILTON SEINO HOLDING CO. INC.(物品販売事業) 物品販売事業には、連結子会社2社が従事しております。燃料販売、紙類販売等を行っております。 ㈱セイノー商事、西濃産業㈱ (不動産賃貸事業) 不動産賃貸事業には、連結子会社16社が携わっております。代替されたトラックターミナル跡地等の資産の有効活用を図るものであります。 西濃運輸㈱、北海道西濃運輸㈱、㈱こばうん、三重西濃運輸㈱、四国西濃運輸㈱、九州西濃運輸㈱、セイノーエスティーサービス㈱、関東運輸㈱、岐阜日野自動車㈱、トヨタカローラネッツ岐阜㈱、㈱セイノー商事、西濃産業㈱、㈱セイノー情報サービス、スイトトラベル㈱、セイノーエンジニアリング㈱、トヨタホーム岐阜㈱(その他) その他として、連結子会社18社、非連結子会社4社及び関連会社2社が従事しております。情報関連業、事務代行業、広告代理店業、タクシー業、建築工事請負業、保険代理店業、旅行代理店業、労働者派遣業、住宅販売業、印刷業等を行っております。 ㈱セイノー情報サービス、日本物流開発㈱、スイトトラベル㈱、セイノーエンジニアリング㈱、セイノーファミリー㈱、㈱セイノースタッフサービス、トヨタホーム岐阜㈱、㈱旭クリエイト、セイノービジネスサポート㈱、セイノーエコトレーディング㈱、日本卸売仕入ネットワーク㈱、セイノーフィナンシャル㈱、新太田タクシー㈱、可児タクシー㈱、多治見タクシー㈱、㈱西濃自動車学校、㈱二葉工業所、㈱フューズ 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原油価格変動に連動する燃油サーチャージを収受することでコスト増を転嫁可能。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
路線トラック輸送のパイオニアとして、日本の物流業界での位置づけを堅固なものとしている。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法規制の変更 / 車両事故及び荷物事故の発生 / 環境規制の強化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

セイノーホールディングスは、長年の歴史と実績に裏打ちされた「西濃運輸」ブランドを有しており、一定の認知度と信頼を得ている。しかし、特許や独占的IPによる明確な競争優位性は限定的であり、ブランド価値の定量化も難しい。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

長年にわたる物流パートナーとしての信頼関係、独自の輸配送ネットワーク、そして顧客のサプライチェーンに深く組み込まれたサービス提供により、顧客は他社への乗り換えに際して、システム変更、再交渉、リスク増大といったコストや手間が発生する。特に、中小企業にとっては、既存の取引関係の維持が優先される傾向がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

物流業界において、プラットフォーム型のネットワーク効果は限定的である。セイノーホールディングスの事業は、個々の顧客との契約に基づくサービス提供が中心であり、ユーザー数の増加が直接的にサービス価値を向上させるようなネットワーク効果はほとんど見られない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた効率的な輸配送ルート、車両管理、倉庫オペレーションにより、一定のコスト競争力を有している。特に、地域密着型のきめ細やかなサービス提供と、集荷・配送網の最適化は、同社の強みとなっている。しかし、燃料費変動や人件費上昇の影響を受けやすい。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

国内有数の総合物流企業として、全国的な輸配送ネットワークと多様なサービス(国内・国際物流、倉庫、引越等)を展開しており、業界内でもトップクラスの規模を誇る。この規模は、設備投資、人材育成、ITシステムへの投資余力を生み出し、効率的なオペレーションを可能にしている。特に、特定地域や特定貨物におけるシェアの高さは、効率規模の優位性を示唆する。

  • 路線トラック輸送の先駆者
    セイノーホールディングスは、路線トラック輸送のパイオニアとして長年の歴史と実績を持ち、国内の物流業界で強固な地位を確立しています。全国に広がる輸送ネットワークと相互輸送体制は、他社が容易に模倣できない規模と効率性を生み出し、安定したサービス提供を可能にしています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    輸送事業を中核としつつも、自動車販売、物品販売、不動産賃貸、その他多様な事業を展開することで、特定の事業に依存しない安定した収益構造を築いています。これにより、市場変動や特定の事業リスクに対する耐性を高め、グループ全体の安定性を確保しています。
  • 広範なグループネットワーク
    連結子会社91社、非連結子会社4社、関連会社20社からなる広範なグループネットワークは、国内輸送から国際輸送、自動車販売、不動産賃貸、情報サービスなど、多岐にわたる事業領域でシナジー効果を生み出しています。この強固なネットワークが、顧客への総合的なサービス提供を可能にし、競争優位性となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「輸送立国」の実現
    セイノーホールディングスは、創業以来「輸送立国」を経営方針に掲げ、最高の物流サービスを通じて日本の産業・経済発展に貢献することを目指しています。今後は、最高の物流品質を提供できるグループを形成し、国内商業物流のトップ企業となることを目指しています。
  • 「Team Green Logistics」推進
    持続可能な社会の実現と物流業界の効率化を目指し、「Team Green Logistics」のスローガンのもと、環境対応やサプライチェーン維持といった社会課題に取り組んでいます。福山通運との合弁会社設立やAZ-COM丸和ホールディングスとの業務提携を通じて、共同輸送や物流機能の相互活用を進め、効率的で強靭な物流基盤を構築する戦略です。
  • 多角的な事業成長とROE向上
    輸送事業のさらなる成長のため、事業領域を6つに細分化し、グループ横断的な施策推進とシナジー創出を強化しています。自動車販売事業ではCS向上と収益性の高い整備事業に注力し、物品販売・不動産賃貸・その他事業では事業領域拡大と既存事業強化を図ります。これにより、ROE8.0%以上を目標とし、企業価値・株主価値の向上を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、路線トラック輸送のパイオニアとして、創業以来、「輸送立国」すなわち、お客様に喜んで頂ける最高のサービスを常に提供し、輸送を通じて日本の産業、経済の発展に貢献する物流企業を目指してまいりました。今後も最高の物流品質を提供できるセイノーグループを形成し、国民生活の向上と共に「会社を発展させ、顧客、株主、取引先そして従業員の信頼と期待に応える」堅実経営を基本方針として、国内商業物流のトップ企業を目指します。併せまして「業界一のグループ効率経営」に取り組み、企業価値、株主価値の向上に取り組んでまいります。 (2) 経営環境、経営戦略、事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題わが国経済の今後の見通しは、雇用・所得環境の改善等により景気は緩やかな回復が期待される一方、物価上昇の継続や海外経済の不確実性に加え、中東情勢やイランを巡る紛争など地政学的リスクの高まりにより、エネルギー価格の変動や消費マインドの低下が懸念され、先行きは不透明な状況が続くものと見込まれます。当社グループの主要な事業である輸送業界におきましては、労働人口減少下におけるドライバー不足への対応、中東情勢による燃料価格の動向など、事業環境は引き続き不確定要因が多い状況にあります。このような情勢のなかでも、環境対応、サプライチェーンの維持といった社会課題に対し、当社は「『Team Green Logistics』~共に創り、未来に貢献する~」のスローガンのもと、持続可能な社会の実現と物流業界の効率化を推進するとともに、多様なステークホルダーとの共創により新たな価値創出に取り組んでまいります。その一環として、2026年4月1日付けで、山陰地域における共同輸送の推進やネットワークの最適化を目的に、当社と福山通運株式会社は、それぞれの傘下にある日ノ丸西濃運輸株式会社と山陰福山通運株式会社の共同株式移転により、合弁会社「TGL山陰株式会社」を設立いたしました。業務効率や営業連携を進め、安定的な物流サービスの提供を目指してまいります。加えて、2026年4月22日付けで、物流業界の効率化や強靭な物流基盤の構築を目的に、当社はAZ-COM丸和ホールディングス株式会社と業務提携に関する基本合意書を締結し、両社の物流機能及び経営資源を相互に活用した取り組みを推進してまいります。また、輸送事業のさらなる成長及び新たな価値創出を目指し、当該事業の領域を6つに細分化して、当社内に各戦略部を設置いたしました。グループを横断した施策推進を強化し、グループ間シナジーの創出に加え、O.P.P.を通じた新たな価値創出を加速させることで、「輸送立国」を実現してまいります。自動車販売事業の乗用車販売においては、CS向上に向け、店舗及びサービス工場のリニューアルや商圏分析に基づく拠点の最適化を進めるとともに、整備士をはじめとする人材の採用・育成・定着に取り組み、教育制度の充実を図ることで、「お客様に選ばれる店舗づくり」を推進してまいります。トラック販売においては、過年度におけるメーカーの認証不正により一部の新車において供給制限は続くものの、リースや保険等の金融商品の提案強化を図るとともに、費用負担が大きくなる路上故障リスクを低減するために予防整備を提案するなど、お客様のニーズにあわせた営業を行うことで、収益性の高い整備事業にも注力してまいります。物品販売事業、不動産賃貸事業及びその他の事業におきましては、事業領域の拡大及び既存事業の強化を進め、グループ全体の収益基盤の安定化を図ってまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループはROEを重要な経営指標と位置付けております。当社は、2023年6月12日開催の取締役会において、「中長期の経営の方向性 ~ありたい姿とロードマップ2028~」を決定いたしました。売上高の成長、営業利益率の改善及び適切な資本政策により、PBR1倍超の早期実現に向けて、3年から5年以内にROE8.0%以上を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、路線トラック輸送のパイオニアとして、創業以来、「輸送立国」すなわち、お客様に喜んで頂ける最高のサービスを常に提供し、輸送を通じて日本の産業、経済の発展に貢献する物流企業を目指してまいりました。今後も最高の物流品質を提供できるセイノーグループを形成し、国民生活の向上と共に「会社を発展させ、顧客、株主、取引先そして従業員の信頼と期待に応える」堅実経営を基本方針として、国内商業物流のトップ企業を目指します。併せまして「業界一のグループ効率経営」に取り組み、企業価値、株主価値の向上に取り組んでまいります。 (2) 経営環境、経営戦略、事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題わが国経済の今後の見通しは、雇用・所得環境の改善等により景気は緩やかな回復が期待される一方、物価上昇の継続や海外経済の不確実性に加え、中東情勢やイランを巡る紛争など地政学的リスクの高まりにより、エネルギー価格の変動や消費マインドの低下が懸念され、先行きは不透明な状況が続くものと見込まれます。当社グループの主要な事業である輸送業界におきましては、労働人口減少下におけるドライバー不足への対応、中東情勢による燃料価格の動向など、事業環境は引き続き不確定要因が多い状況にあります。このような情勢のなかでも、環境対応、サプライチェーンの維持といった社会課題に対し、当社は「『Team Green Logistics』~共に創り、未来に貢献する~」のスローガンのもと、持続可能な社会の実現と物流業界の効率化を推進するとともに、多様なステークホルダーとの共創により新たな価値創出に取り組んでまいります。その一環として、2026年4月1日付けで、山陰地域における共同輸送の推進やネットワークの最適化を目的に、当社と福山通運株式会社は、それぞれの傘下にある日ノ丸西濃運輸株式会社と山陰福山通運株式会社の共同株式移転により、合弁会社「TGL山陰株式会社」を設立いたしました。業務効率や営業連携を進め、安定的な物流サービスの提供を目指してまいります。加えて、2026年4月22日付けで、物流業界の効率化や強靭な物流基盤の構築を目的に、当社はAZ-COM丸和ホールディングス株式会社と業務提携に関する基本合意書を締結し、両社の物流機能及び経営資源を相互に活用した取り組みを推進してまいります。また、輸送事業のさらなる成長及び新たな価値創出を目指し、当該事業の領域を6つに細分化して、当社内に各戦略部を設置いたしました。グループを横断した施策推進を強化し、グループ間シナジーの創出に加え、O.P.P.を通じた新たな価値創出を加速させることで、「輸送立国」を実現してまいります。自動車販売事業の乗用車販売においては、CS向上に向け、店舗及びサービス工場のリニューアルや商圏分析に基づく拠点の最適化を進めるとともに、整備士をはじめとする人材の採用・育成・定着に取り組み、教育制度の充実を図ることで、「お客様に選ばれる店舗づくり」を推進してまいります。トラック販売においては、過年度におけるメーカーの認証不正により一部の新車において供給制限は続くものの、リースや保険等の金融商品の提案強化を図るとともに、費用負担が大きくなる路上故障リスクを低減するために予防整備を提案するなど、お客様のニーズにあわせた営業を行うことで、収益性の高い整備事業にも注力してまいります。物品販売事業、不動産賃貸事業及びその他の事業におきましては、事業領域の拡大及び既存事業の強化を進め、グループ全体の収益基盤の安定化を図ってまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループはROEを重要な経営指標と位置付けております。当社は、2023年6月12日開催の取締役会において、「中長期の経営の方向性 ~ありたい姿とロードマップ2028~」を決定いたしました。売上高の成長、営業利益率の改善及び適切な資本政策により、PBR1倍超の早期実現に向けて、3年から5年以内にROE8.0%以上を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態当連結会計年度末の総資産は、7,900億66百万円と前連結会計年度末に比べ192億25百万円の増加となりました。負債については、3,187億98百万円と前連結会計年度末に比べ284億70百万円の減少となりました。また、純資産については、4,712億67百万円と前連結会計年度末に比べ476億95百万円の増加となりました。 ② 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、海外における地政学的リスクが継続するなか、国内においてはインバウンド需要の拡大や企業による設備投資の増加により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の長期化や人件費の増加により個人消費は力強さを欠き、先行きは依然として不透明な状況で推移しました。当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、国内貨物輸送量が前年を下回るなか、ドライバー不足や労働時間規制への対応に加え、エネルギー価格の高止まりなど、企業活動を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続きました。このような環境におきまして、当社グループは、成長と適切な資本政策によるPBR1倍超の早期実現及びROE8.0%以上を目指し、3年目となる「中長期の経営の方向性~ありたい姿とロードマップ2028~」のもと、事業基盤である特積み事業の優位性を維持しながら、重点施策として掲げるロジスティクス事業及び貸切事業を成長エンジンと位置づけ、高利益体質への転換を図るため、成長性、収益性、資本効率のバランスを重視した施策を推進してまいりました。また、前連結会計年度に連結子会社化したMDロジス株式会社との連携を一層強化し、同社が有する高度な物流ノウハウと、当社グループの輸送ネットワーク及びシステム群との融合を図ることにより、国内外における物流サービスの高付加価値化を推進してまいりました。この連結効果は、輸送事業の収益に通期で寄与しております。この結果、当連結会計年度の売上高は8,129億65百万円(前連結会計年度比10.3%増)、営業利益は376億5百万円(前連結会計年度比25.8%増)、経常利益は372億64百万円(前連結会計年度比32.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は236億38百万円(前連結会計年度比22.8%増)となりました。 セグメント業績は次のとおりであります。 (輸送事業)当事業におきましては、主力である特積み事業において、全国展開する路線ネットワークを活かし、各重量・距離帯での適正運賃収受が進展するとともに、取扱貨物量に応じた運行体制の最適化や積載効率の向上に取り組むなど、費用の適正化と収益性の向上に努め、各種施策を推進してまいりました。また、ドライバーの時間外労働が上限規制される「2024年問題」への継続的な対応として、O.P.P.(※)の取り組みを通じ、企業の垣根を越えた輸送の共同化や非効率エリアの補完を図ることで、輸送ネットワーク全体の最適化を推進してまいりました。一方、物価上昇の影響による個人消費の伸び悩みを背景に、取扱貨物量は前年実績を若干下回る水準にとどまりました。また、ドライバー不足や労働時間規制への対応により、傭車・外注費は引き続き増加傾向で推移いたしましたが、配車業務の高度化やお問い合わせ業務の自動応対などデジタル技術やAIの活用による省人化の取り組みも進めてまいりました。拠点展開においては、西濃運輸株式会社名古屋北支店(愛知県清須市)の新築移転、同横浜支店(横浜市)建て替え、同金沢支店金沢倉庫(石川県金沢市)の新設、ならびにセイノースーパーエクスプレス株式会社松本営業所(長野県松本市)及び四日市営業所(三重県四日市市)の移転などを実施しました。物流施設の再編、既存拠点の機能強化を進め、ロジスティクスインフラの充実を図ることで、輸送品質の向上に努めております。この結果、売上高は6,308億90百万円(前連結会計年度比13.9%増)、営業利益は274億25百万円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。 (※)…O.P.P.とは、オープン・パブリック・プラットフォームの略称。社内外、業種の違い等を問わず連携した(オープン)、誰もが使える(パブリック)、物流プラットフォームを構築し、プラットフォーム利用者それぞれの効率化や価値向上、さらには社会インフラとして産業・環境・生活への貢献を実現する構想・手法。 (自動車販売事業)当事業におきましては、乗用車販売において、新車の供給環境は、メーカーの法規対応による供給制限の継続、また自動車取得時に係る環境性能割の廃止に伴う登録時期の後ろ倒しなどの外的要因により、新車販売台数は、前期実績を下回る結果となりました。そのような中でも、一台当たりの利益確保に向け、直販体制の強化をするなど商談プロセスの見直しを進めることで、収益性の向上に努めてまいりました。中古車販売では、U-Car商品化工程の効率化を図り、各店舗における展示車両の充実と回転率の向上に取り組んだ結果、小売販売台数は堅調に推移いたしました。トラック販売においては、過年度のメーカーの認証不正の影響により一部車型において生産停止が継続したほか、モデルチェンジの狭間期によりメーカーの生産計画の影響を受け、新車販売台数は前年実績を下回る結果となりました。拠点展開においては、トヨタカローラネッツ岐阜株式会社カローラ高山店(岐阜県高山市)の新築移転、同カローラ中津川店とネッツ中津川店(岐阜県中津川市)の統合、岐阜日野自動車株式会社萩原営業所(岐阜県下呂市)と高山支店(岐阜県高山市)の統合を実施しました。店舗及びサービス工場のリニューアルや再編を推進し、CS(顧客満足度)の向上及び店舗運営の効率化を図っております。この結果、売上高は1,103億46百万円(前連結会計年度比4.3%減)、営業利益は69億17百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。 (物品販売事業)当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。激変緩和措置の補助金の効果により燃料販売における販売単価は下落したものの、特に介護家庭紙を中心とした介護用品が底堅く推移したことから、売上高は409億26百万円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益は13億14百万円(前連結会計年度比 12.4%増)となりました。 (不動産賃貸事業)当事業におきましては、所有する土地及び跡地利用において、ポテンシャルを最大限に活かし、地域ごとに、より利用価値が高い賃貸などへのトランスフォームを推進してきたことから、売上高は24億56百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は18億10百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。 (その他)当事業におきましては、情報関連事業、労働者派遣業、建築工事請負業、及び住宅販売業などを行っております。売上高は283億45百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益は22億70百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ67億9百万円増加し、840億64百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ38億44百万円増加し、565億90百万円となりました。これは主に、セイノースーパーエクスプレス株式会社における退職給付信託返還額が増加したこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ374億53百万円減少し、334億22百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少したこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ365億23百万円増加し、165億71百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が減少したこと等によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループの扱う輸送商品及び販売品目は広範囲かつ多種多様であり、セグメントごとに画一的に表示することは困難であります。このため、生産、受注及び販売の実績については、「② 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産合計)当連結会計年度末における資産合計は7,900億66百万円と前連結会計年度末に比べ192億25百万円(2.5%)の増加となりました。流動資産の残高は2,297億84百万円と前連結会計年度末に比べ37億95百万円(1.6%)減少しました。固定資産の残高は5,602億82百万円と前連結会計年度末に比べ230億21百万円(4.3%)の増加となりました。上場株式の時価が上昇したことにより投資有価証券が増加したことや西濃運輸株式会社における横浜支店、名古屋北支店の新築工事により建物及び構築物が増加したことなどが主な要因であります。 (負債合計)当連結会計年度末における負債合計は3,187億98百万円と前連結会計年度末に比べ284億70百万円(8.2%)の減少となりました。流動負債の残高は1,297億40百万円と前連結会計年度末に比べ1,025億11百万円(44.1%)の減少となりました。1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が転換したことや短期借入金が減少したことなどが主な要因であります。固定負債の残高は1,890億58百万円と前連結会計年度末に比べ740億41百万円(64.4%)の増加となりました。シンジケートローンなどにより長期借入金が増加したことなどが主な要因であります。 (純資産合計)当連結会計年度末における純資産の残高は4,712億67百万円と前連結会計年度末に比べ476億95百万円(11.3%)の増加となりました。1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の転換により自己株式が減少したことなどが主な要因であります。 2)経営成績(売上高)当連結会計年度の売上高は8,129億65百万円と前連結会計年度に比べ755億87百万円(10.3%)の増加となりました。輸送事業においては、2024年10月に連結子会社となったMDロジス株式会社による通期連結効果等により、売上高は6,308億90百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。自動車販売事業では乗用車販売においてはメーカーの法規対応による供給制限の継続、また自動車取得時に係る環境性能割の廃止に伴う登録時期の後ろ倒しなどの外的要因により、トラック販売においては過年度のメーカーの認証不正の影響により一部車型において生産停止が継続したほか、モデルチェンジの狭間期によりメーカーの生産計画の影響を受け、いずれも新車販売台数が前年実績を下回ったこと等により、売上高は1,103億46百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。物品販売事業においては、燃料販売における販売単価は激変緩和措置の補助金の効果により下落したものの、介護家庭紙を中心とした介護用品が好調に推移したことから、売上高は409億26百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。また、不動産賃貸事業では、売上高は24億56百万円(前連結会計年度比4.3%増)、その他の売上高は283億45百万円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。 (営業利益)当連結会計年度の営業利益は376億5百万円と前連結会計年度に比べ77億22百万円(25.8%)の増加となりました。輸送事業においては、当社の強みである長距離・高重量帯を中心に適正運賃収受が進展するとともに、取扱貨物量に応じた運行体制の最適化や積載効率の向上に取り組むなど、費用の適正化と収益性の向上に努めたことにより営業利益は274億25百万円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。一方、自動車販売事業においては、乗用車販売において、店舗の再編等により店舗運営の効率化を図ったものの、売上高の減少を受け、営業利益は69億17百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。 (営業外損益及び経常利益)当連結会計年度の経常利益は372億64百万円と前連結会計年度に比べ91億39百万円(32.5%)の増加となりました。前連結会計年度に比べて支払利息やシンジケートローン手数料が増加したものの、営業利益が増加したことや持分法投資損失が減少したことなどが主な要因であります。 (特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は236億38百万円と前連結会計年度に比べ43億84百万円(22.8%)の増加となりました。前連結会計年度に比べて経常利益や退職給付信託返還益が増加したものの、法人税、住民税及び事業税が増加したことや投資有価証券売却益が減少したことなどが主な要因であります。 b.経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2023年6月12日の取締役会において、「中長期の経営の方向性 ~ありたい姿とロードマップ2028~」を決定しており、成長の道すじと資本政策を中心とした企業価値創造の道すじを策定しております。日本が直面している少子高齢化や人手不足、環境問題などの社会課題に対し、持続的な物流ネットワークを構築するため、スローガンを『Team Green Logistics ~共に創り 未来に貢献する~』として、業界・企業の垣根を超えたオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)によりGreen 物流を展開することで、社会価値と経済価値を高めてまいります。本ロードマップにおいて、PBR1倍超の早期実現に向けて、収益力の向上、積極的な株主還元で、3年から5年以内にROE8%達成を目指しております。具体的な内容については、以下のURLをご参照ください。https://www.seino.co.jp/seino/media/pdf-lib/shd/ir/account-settlement/202403/202403_1setsumei.pdfなお、当連結会計年度のROEは5.6%となっております。目標とするROE8%を達成するため、ロードマップに掲げた施策の実現に向けて取り組みを進めてまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性資金の財源に関しましては、自己資金を充当することを原則としておりますが、当面の資金需要と設備投資計画に照らして、必要な資金を金融機関からの借入金及び社債等により調達しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、840億64百万円となっており、有利子負債残高は1,013億76百万円となっております。当社は、運転資金を安定的に調達するため、取引金融機関との当座貸越契約並びに金銭消費貸借契約により435億円の資金調達を行っております。また、取引金融機関と財務制限条項が付されたシンジケートローン契約を締結し、400億円の資金調達を行っております。その他の増資、社債発行等による資金調達は行っておりません。当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払代行業務を行っている他、各連結子会社の報告に基づき、グループにおける重要な資金繰りの予定について当社で把握しております。また、一時的な資金の不足については、取引銀行より当座借越枠を含め、十分な借入金の与信枠の設定を受けており、支払期日に支払を実行できなくなるリスクを回避し、必要資金を適時に確保するための管理体制を整えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としており、重要なものは以下の通りとなります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 (固定資産の減損)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討してまいりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。 (退職給付債務及び退職給付費用)退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定しております。割引率やその他の見積りの変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。 (繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいて課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

事業リスク

  • 法規制による事業影響
    輸送事業は「貨物自動車運送事業法」や「貨物利用運送事業法」など、多くの法規制を受けています。これらの法令が改正された場合、運賃や営業エリア、業務内容に変更が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、自動車販売事業も関連法令の改正により収益が変動する可能性があります。
  • 燃料価格高騰とコスト増
    輸送事業では大量の燃料を使用するため、原油価格の動向が業績に大きく影響します。原油価格が大幅に高騰した場合、輸送コストが上昇し、利益を圧迫する可能性があります。燃油サーチャージの導入やモーダルシフトの推進で影響を最小限に抑える努力をしていますが、リスクは存在します。
  • 人材確保の困難性
    輸送事業においてドライバーは不可欠な存在ですが、少子高齢化による労働人口減少に伴い、人材確保が重要な課題となっています。採用・育成コストの増加や、臨時傭員費・外注費の増加は、業績に影響を及ぼす可能性があります。働き方改革やES向上策で定着を図っていますが、計画通りに進まないリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,381 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 法規制について当社グループの行う輸送事業において営む貨物自動車運送事業及び貨物利用運送事業は、それぞれ「貨物自動車運送事業法」及び「貨物利用運送事業法」の規制を受けております。この他、貨物運送による付帯業務として倉庫業、通関業、航空運送代理店業、保税手荷物保管業、損害保険代理店業等を行っておりますが、それぞれ関連する法令により規制されております。これらの法令の改正により、収受運賃、営業エリア、業務内容等に変更が生じ、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの行う自動車販売事業における自動車修理部門は、道路運送車両法に基づく車検制度をはじめ、フロン回収破壊法、自動車リサイクル法等の関連法令に従い、事業活動を行っております。これら法令に定められた作業の受託による収益は、法律改正によりその作業範囲や頻度が変化し、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 車両事故及び商品事故について当社グループの行う輸送事業において、路線車両の運行や集配送におけるトラックの運転については、安全に十分配慮しておりますが、重大な不慮の事故が発生した場合、損害賠償等により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、当社グループでは、最新の安全機能を備えた車両を導入するなどハード面の充実に加え、新人研修、安全推進インストラクターの養成などによる安全推進活動の強化、トラックドライバー・コンテストの参加等による運転技術の向上やドライブレコーダー等を活用した教育などソフト面からも安全風土を醸成するよう努めております。 (3) 環境規制について当社グループの行う輸送事業において、多数の車両を使用しております。近年環境問題への関心が高まる中、当社グループは低公害車の導入や省燃費オイルの利用、エコドライブの推進等、環境対策を自主的に進めておりますが、当社グループの想定を上回る環境規制が実施された場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) コスト上昇について当社グループの行う輸送事業において、多量の燃料を使用しております。安定的かつ適正価格で燃料の供給を受けておりますが、原油価格の動向によっては、燃料費が大幅に高騰して、輸送コストが上昇する可能性があり、その場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、原油価格変動に連動する燃油サーチャージを収受することや、モーダルシフトを推進することによりその影響を最小限とする取り組みを進めております。 (5) 災害、感染症等の発生について当社グループの行う輸送事業において、車両による商品の輸送が主要な業務であり、また、情報管理を行うコンピュータ等、電気の供給が必要な設備によって事業が営まれております。災害発生時におけるマニュアルの整備、バックアップ体制の構築に取り組んでまいります。しかしながら、地震等の災害や停電の発生等により、輸送経路の遮断、電力供給の停止によるシステム停止等の事態が生じた場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の大流行等により、当社グループの営業活動やサプライチェーンに影響を与えるだけでなく、経済活動の停滞に伴い売上の減少が見込まれるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) トヨタ自動車㈱、日野自動車㈱への依存度について当社グループの行う自動車販売事業において、トヨタカローラネッツ岐阜㈱は、新車(乗用車)の仕入れをほぼ全面的にトヨタ自動車㈱に依存しており、また、岐阜日野自動車㈱、滋賀日野自動車㈱については、新車(トラック、バス)の仕入れをほぼ全面的に日野自動車㈱に依存しております。従って、災害、事故等によりトヨタ自動車㈱又は日野自動車㈱の生産が継続的に減少又は停止した場合には、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 情報関連事業特有のリスクについて当社グループの行うその他の事業の中の情報関連事業の提供するサービスは、業務の性格上、顧客の秘匿性が高く、且つ重要性の高い情報に触れることがあります。当社グループでは安定的な運用のためのシステム強化やセキュリティ強化を行っておりますが、当社グループの提供するサービスに誤作動、プログラム上の瑕疵等が存在した場合や、当社グループの通信ネットワークにコンピュータ・ウイルスの感染、コンピュータ・システムへの外部からの不正侵入等により顧客情報の漏洩やデータの消失等の事態が生じた場合、顧客及び当社グループの業務の運営に支障が生じるほか、それらの復旧や損害賠償等により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 顧客等の情報の管理について当社グループは、物流業務受託、情報処理受託、物品販売等に際し顧客等の情報を取扱っております。コンプライアンスや個人情報管理の徹底など、社内教育を通じて情報管理に努めてまいります。しかしながら、情報の外部漏洩やデータ喪失等の事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。従って、これらの事象は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 輸送事業におけるITシステムへの依存度について当社グループにおける輸送事業のうち、貨物自動車運送事業は、個々の輸送取引は少額であるものの、日々、大量に取引されており、その対価である貨物自動車運送収入は、システムにより処理・記録されたデータに基づき計上されております。また、貨物自動車運送収入の基礎となっている運賃計算にあたっては、顧客ごとに、距離または方面別、重量別等で詳細な条件が決定され、当該条件に基づく複雑な計算が行われており、ITシステムへの依存度が非常に高く、その影響は広範囲に及んでおります。そのため、当社グループではITシステム全般が有効に機能するよう方針やルールを整備するとともに、各業務においてシステムが適正に稼働、運用されていることを検証する体制を整備しておりますが、これらのシステムや体制に不備や障害があった場合や、想定通りに処理が行われなかった場合には、当社グループの業務運営に支障が生じることになるほか、当社グループの財務報告にも重要な影響を及ぼす可能性があります。 (10) 人材の確保について当社グループの輸送事業においては、ドライバーは必要不可欠な戦力であり、少子高齢化に伴う国内労働人口の減少とも相俟って人材の確保は重要な課題となっております。そこで、採用強化だけでなく育成にも軸足を置き、教育コンテンツの充実や免許取得支援等へ注力することに加え、ユニット運行・荷役分離の導入による運び方改革、休日増加や労働時間の短縮といった働き方改革の推進、更には貸付金制度の見直しや施設のリノベーション等社員のES向上策により定着向上に努めております。また、自動車販売事業においても、外国籍を含め整備士等要員確保のため、休日増加や労働時間短縮等の働き方改革の推進、先進整備機器の導入や福利厚生の拡充を行うなどES向上策にて定着向上を図っております。しかしながら、人材の確保が計画通りに進まない場合、採用や定着のためのコストに加え、臨時傭員費や外注費の増加などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) のれんの減損損失について当社グループは、企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上し、その効果の発現する期間を見積り、当該期間にわたり均等償却しております。事業環境の変化等により当初に期待した成果が得られない場合には、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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