事業の概要
- 海運業が主軸NSユナイテッド海運グループは、親会社と63の子会社、5の関連会社、2のその他の関係会社で構成され、主に海運業とそれに付随する事業を展開しています。運賃や貸船料、運航手数料などを収受する外航海運事業が主な収益源です。
- 外航海運事業当社は、国際的な海上輸送サービスを提供し、運賃や貸船料、運航手数料を得ています。子会社や関連会社の中には、当社に外航船舶を貸し出す会社が47社、船舶管理や海運仲立業を行う会社が7社、そして自ら外航海運事業を行う会社が2社あります。
- 内航・その他事業国内の海上輸送を担う内航海運事業も展開しており、10社の子会社が運賃や貸船料などを収受しています。また、情報サービス業などを行う会社が2社あり、多角的な事業構造で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 外航海運事業売上高2,161億5,200万円、営業利益162億7,700万円と、グループの主要な収益源です。国際的な海上輸送サービスを提供し、運賃や貸船料、運航手数料を収受しています。子会社や関連会社が船舶の貸し出しや管理、仲立業を担い、事業を支えています。
- 内航海運事業売上高312億5,600万円、営業利益39億6,000万円を計上しており、国内の海上輸送を担う重要な事業です。運賃、貸船料、運航手数料などを収受し、日本の産業や生活を支える物流の一翼を担っています。
- セグメント構成NSユナイテッド海運グループは、外航海運事業と内航海運事業の二つの主要なセグメントで構成されています。外航海運事業が圧倒的な売上と利益を占めており、グループ全体の収益を牽引する稼ぎ頭となっています。内航海運事業も安定した収益を上げており、事業の多角化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| OverseasShipping | 事業 | 2,162 | 163 | 7.5% |
| CoastalShipping | 事業 | 313 | 40 | 12.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】(1)当社グループは、提出会社(NSユナイテッド海運株式会社、以下当社という。)のほか子会社67社、関連会社5社及びその他の関係会社2社により構成されており、海運業及び海運附帯事業を主たる業務としております。 当該事業に係る当社並びに子会社及び関連会社の位置付けは次のとおりです。なお、事業区分は連結財務諸表に関するセグメントの区分と同一です。 当社:運賃、貸船料、運航手数料等を収受する外航海運事業を営んでおります。 子会社及び関連会社:① 外航海運事業・当社への外航船舶貸渡業を主とする会社(会社数51社) NEW HARVEST S.A.、HIGHLAND MARITIME S.A.、HOSEI SHIPPING S.A. 他・船舶管理業、海運仲立業等の海運附帯事業を行う会社(会社数7社) NSユナイテッドマリンサービス㈱ 他・運賃、貸船料、運航手数料等を収受する外航海運事業を主とする会社(会社数2社) NS UNITED BULK PTE.LTD. 他 ② 内航海運事業・運賃、貸船料、運航手数料等を収受する内航海運事業を主とする会社(会社数10社) NSユナイテッド内航海運㈱、NSユナイテッドタンカー㈱ 他 ③ その他・情報サービス業等を行う会社(会社数2社) NSユナイテッドシステム㈱、NSユナイテッドビジネス㈱ (2)日本製鉄株式会社は当社のその他の関係会社であり、当社の事業上重要で、継続的な緊密関係にあります。 (3)以上について図示すると次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 運賃・用船料市況が世界経済の動向や船腹需給バランスに影響され常に変動するため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 船舶の取得を中心とした大規模な設備投資が必要であり、資金調達も借入に依存しているため。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:海運市況変動リスク / 公的規制および環境保全に関するリスク / 気候変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ブランド力や特許、規制ライセンスなどの無形資産による競争優位性は、海運業においては一般的に限定的である。NSユナイテッド海運も、特定の強力なブランドや独占的IPを有しているという情報は確認できない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
海運業では、特定の貨物や航路において、既存のサプライヤーとの長期契約や、積み荷の特性(危険物など)から、顧客が他の海運会社へ乗り換える際のコストや手間が生じる可能性がある。しかし、汎用的な貨物においては乗り換え障壁は低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果は、プラットフォーム型ビジネスやSNSなどで顕著に見られるものであり、海運業においては直接的なネットワーク効果は期待できない。ユーザー(荷主)が増えることでサービス価値が増すといった構造ではない。
コスト優位★★★☆☆
同社は、ばら積み船事業において、大型船の導入や効率的な運航管理により、一定のコスト競争力を有していると考えられる。特に、鉄鉱石輸送など特定の分野でのスケールメリットやノウハウがコスト優位に寄与する可能性がある。
規模の経済★★★★☆
NSユナイテッド海運は、日本郵船、商船三井に次ぐ国内大手海運会社の一つであり、特にばら積み船分野においては一定の規模を持つ。この規模は、調達力や運航効率において、中小規模の競合他社に対する優位性をもたらす。
- 日本製鉄との関係性日本製鉄株式会社はNSユナイテッド海運の「その他の関係会社」であり、事業上非常に重要で継続的な緊密な関係を築いています。これにより、鉄鋼原料などの安定的な輸送需要を確保し、事業基盤を強化していると考えられます。
- 内外航の専門性と総合力創立以来の長年の伝統と、2010年の合併後の構造改革により、鉄鋼原料をはじめとする資源・エネルギー・製品などの海上輸送分野において、国内外の海運事業にわたる専門性と総合力を兼ね備えています。これにより、顧客に対して幅広い輸送ニーズに対応できる強みがあります。
- 環境対応への先行投資メタノール二元燃料船の建造契約やアンモニア燃料船の共同開発、風力補助推進装置の搭載など、次世代燃料船や省エネデバイスへの積極的な投資を進めています。これにより、GHG排出量削減目標の達成を目指し、環境規制が強化される中で競争優位性を確立しようとしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- クリーンで持続可能な輸送2030年に向けたビジョンとして「クリーンでサステナブルな海上輸送における必要不可欠な存在」を目指し、ステークホルダーと協働して変革を続け、企業価値の向上を図ることを掲げています。カーボンニュートラルへの取り組みを通じた持続的な成長を重視しています。
- GHG排出量削減目標中期経営計画「FORWARD 2030 Ⅱ」では、2030年までにGHG年間排出量を2019年比で25%削減する中期目標を設定しています。メタノール二元燃料船の建造、バイオ燃料の活用、アンモニア燃料船の共同開発、既存船への省エネデバイス導入など、具体的な投資計画と施策を進めています。
- 事業基盤の強化と投資新規成長事業領域の拡大と既存中核事業領域の深化を事業戦略とし、人的資本戦略、DX戦略、サステナブルシッピング戦略、ガバナンス強化を支えとしています。2030年までに約3,000億円規模の投資を計画しており、特に新燃料船への投資に1,650億円を充て、収益の安定性強化と中長期的な利益成長を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等 海運業は、さまざまな物資や人の輸送を通じて世界中の国々と地域を結び、人々の暮らしを豊かにするという使命を担っており、経済のグローバル化に伴い、その役割はますます重要なものとなりました。こうした認識のもと、当社グループは、以下のグループ企業理念を掲げ、誠実で良質な海上輸送サービスをお客様に提供できるよう、創意工夫を重ねています。 〔基本理念〕 NSユナイテッド海運グループは、誠実で良質な海上輸送サービスの提供を通じて社会の発展に貢献します。 〔経営理念〕 1(信用・信頼) 信用・信頼される堅実な経営を実践し、グループ全体の企業価値を高めます。 2(安全運航・環境保全) 常に船舶の安全運航に努めるとともに、船舶運航技術の向上に向け日々研鑽を積むことにより、海洋をはじめ とする地球環境保全の一翼を担います。 3(お客様への即応・自己変革) お客様の要請に即応しつつ自らも変革に努め、さらなる進歩を目指して挑戦します。 4(人を育て活かす) 人を育て活かし、働く喜びを実感できる活力溢れるグループを築きます。 当社はこの理念の具現化を目指し、鉄鋼原料をはじめとする資源・エネルギー・製品などの海上輸送分野における創立以来の長年の伝統と、2010年の合併後の構造改革や船隊整備による経営基盤の強化により、内外航に亘る専門性と総合力を兼ね備えた海運会社としてさらに大きな安心と信頼を獲得してまいりました。 2024年度よりスタートした中期経営計画『FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U』では、2030年に向けたビジョンを「クリーンでサステナブルな海上輸送における必要不可欠な存在を目指し、ステークホルダーと協働して変革を続け、企業価値の更なる向上を図ります」と定義しています。カーボンニュートラルへの取り組みを通じた持続的な成長と企業価値最大化に向けた経営戦略を実行してまいります。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、目標とする経営指標 次期の事業環境は、各国の通商政策(関税措置を含む)やそれに対する各国の対応、ならびに地政学的リスクの高まり等が、貨物輸送需要やトレードパターンに及ぼす影響を現時点で見通しにくい状況にあります。一方、海上荷動きについては、一部航路の通航制限等の影響が懸念されるものの、鉄鉱石やボーキサイトなどドライバルク貨物全体の輸送需要は堅調に推移すると想定しています。また、船腹供給については、船主が環境規制や主力となる次世代燃料を慎重に見極めていることに加え、船価の高止まり等を背景に、当面の新造船竣工は大型船を中心に比較的低水準となる見通しです。さらに、国際海事機関(IMO)における温室効果ガス排出削減に向けた中期対策(GFI規制等)の導入動向を含め、EU-ETS等の環境関連制度の適用拡大によるコスト増加が、運航面での制約や採算に影響を与える可能性があります。当社では、今後起こり得る事業上のリスクに対し細心の注意を払い、事業運営を行ってまいります。 また、2024年度~2027年度を対象期間とする中期経営計画『FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U』では、事業戦略として「新規成長事業領域の拡大」「既存中核事業領域の深化」を掲げ、これらの事業戦略を支える取り組みとして人的資本戦略やDX戦略などサステナビリティへの取り組みを一層強化してまいります。 《中期経営計画の取組状況》1) 事業戦略・成長戦略 『FORWARD 2030Ⅱ』では、2050年カーボンニュートラル実現に向けた環境ロードマップに沿ったGHG削減目標を設定しており、メタノール二元燃料船(メタノールと重油の両方を燃料として使用可能なエンジンを搭載した船舶。重油と比較してGHG排出量の大幅な削減が見込まれる。)やバイオ燃料、アンモニア燃料船の導入などにより、2030年にGHG年間排出量を2019年比25%削減します。 上記2030年GHG削減目標達成に向けて、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「グリーンイノベーション基金事業」に採択されているアンモニア燃料船の共同プロジェクトについては2024年4月に6社によるアンモニア燃料船の共同開発に関する覚書を締結しました。本プロジェクトにおいて当社は、アンモニア燃料船の共同保有・運航を予定しております。また当社は、2027年度以降の竣工を目指してメタノール二元燃料船を複数隻、さらに2027年度竣工予定でアンモニアを積載可能なLPG二元燃料VLGCの建造契約を締結し、荷主との協議を進めています。 既存船についても省エネデバイスの活用によるGHG排出削減に取り組んでいます。2025年10月には、当社が運航している40万トン鉱石船に風力補助推進装置ローターセイルの搭載が完了しました。ローターセイルは、甲板上に設置された円筒帆を回転させることで円筒周りに生じる圧力差を利用し推進力を得る装置です。設置による効果を検証の上、他船への展開を検討いたします。その他、当社既存船の入渠時に高効率プロペラへの換装を行うなど、燃料削減に寄与する設備の導入を進めています。 上記のような取り組みを通じて環境対応で顧客と協働し、顧客の脱炭素化に貢献することで、長期契約による安定収益確保に加え、海外顧客に対しても長期の契約獲得を目指します。 2) 事業戦略を支える取り組み 上記事業戦略を支える基盤となる取り組みとして、人的資本戦略・サステナブルシッピング戦略・ガバナンス強化・DX戦略の4つの戦略を掲げています。 当社事業における最重要課題である安全運航の達成に向けて、船上のインターネット環境拡充やホールド(船倉)クリーニングロボットの配備を開始するなど、乗組員の安全・作業効率・Well-being向上に資する技術や設備の検証・導入を進めています。また、船舶機器の状態や運航状態を監視するシステムの導入、気象や海象などの実海域データの収集など、事故の予防や運航の効率化といった価値を創出するための船舶DXに関わる取り組みも行っています。 3) 財務目標 中期経営計画の財務目標として、以下のとおり設定しております。 2027年度2030年度営業利益200億円ネットD/Eレシオ1.0倍以下と財務規律を維持しつつ、継続的な利益成長により株主資本コスト7%を十分に上回るROE10%以上を目指します。ROE10%ネットD/Eレシオ1.0倍以下 2025年度の連結営業利益は205億29百万円、ROEは13.8%、Net DERは△0.01倍となり、2027年度目標を前倒しで達成することができました。2027年度に向けては引き続き安定した収益基盤を整備しながら、上記目標を達成することを目指しています。 4) 投資計画 安定収益事業に加え、成長戦略から着実に利益を上げて営業キャッシュ・フローを積み上げ、2030年までNet DERを1.0倍以下に抑えつつ、財務レバレッジを効かせて3,000億円に迫る規模の投資を実行し、収益の安定性強化と中長期的な利益の成長を目指します。中期経営計画では既存船のリプレースなど中核事業への投資は2,150億円、メタノール二元燃料化やバイオ燃料の確保といった環境投資に450億円、人材育成とDX関連に100億円の投資を掲げており、このうち、メタノール二元燃料船など新燃料船への投資は1,650億円を予定しています。 次世代燃料船投資につきましては、建造契約を締結した複数隻のメタノール二元燃料船のうち、2025年度に一部で荷主との輸送契約を締結いたしました。本船は、グリーンメタノールを舶用燃料として使用することにより、従来の重油使用時と比較して80%超のGHG排出削減効果が見込まれております。2027年度以降の竣工を予定しており、今後の当社収益への貢献を見込んでおります。また、顧客の環境対応と脱炭素化プロセスに貢献すべく、アンモニア積載可能なLPG二元燃料VLGCの建造契約を締結しました。 今後、顧客のニーズを注視しつつ、上記の新造船における中長期貨物輸送契約や燃料サプライチェーンの確保に注力してまいります。 《株主還元策》 当社は、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ、将来における安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、経営成績に応じた利益還元として、連結業績に対する配当性向は30%を基準とし、更なる株主還元の強化を検討します。新燃料船の建造など将来の成長に必要な内部留保金を確保しつつ、安定配当の継続的な実施により、株主をはじめステークホルダーの皆様にとって魅力的な事業会社になることを目指してまいります。当事業年度(2026年3月期)については「第4提出会社の状況 3配当政策」をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等 海運業は、さまざまな物資や人の輸送を通じて世界中の国々と地域を結び、人々の暮らしを豊かにするという使命を担っており、経済のグローバル化に伴い、その役割はますます重要なものとなりました。こうした認識のもと、当社グループは、以下のグループ企業理念を掲げ、誠実で良質な海上輸送サービスをお客様に提供できるよう、創意工夫を重ねています。 〔基本理念〕 NSユナイテッド海運グループは、誠実で良質な海上輸送サービスの提供を通じて社会の発展に貢献します。 〔経営理念〕 1(信用・信頼) 信用・信頼される堅実な経営を実践し、グループ全体の企業価値を高めます。 2(安全運航・環境保全) 常に船舶の安全運航に努めるとともに、船舶運航技術の向上に向け日々研鑽を積むことにより、海洋をはじめ とする地球環境保全の一翼を担います。 3(お客様への即応・自己変革) お客様の要請に即応しつつ自らも変革に努め、さらなる進歩を目指して挑戦します。 4(人を育て活かす) 人を育て活かし、働く喜びを実感できる活力溢れるグループを築きます。 当社はこの理念の具現化を目指し、鉄鋼原料をはじめとする資源・エネルギー・製品などの海上輸送分野における創立以来の長年の伝統と、2010年の合併後の構造改革や船隊整備による経営基盤の強化により、内外航に亘る専門性と総合力を兼ね備えた海運会社としてさらに大きな安心と信頼を獲得してまいりました。 2024年度よりスタートした中期経営計画『FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U』では、2030年に向けたビジョンを「クリーンでサステナブルな海上輸送における必要不可欠な存在を目指し、ステークホルダーと協働して変革を続け、企業価値の更なる向上を図ります」と定義しています。カーボンニュートラルへの取り組みを通じた持続的な成長と企業価値最大化に向けた経営戦略を実行してまいります。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、目標とする経営指標 次期の事業環境は、各国の通商政策(関税措置を含む)やそれに対する各国の対応、ならびに地政学的リスクの高まり等が、貨物輸送需要やトレードパターンに及ぼす影響を現時点で見通しにくい状況にあります。一方、海上荷動きについては、一部航路の通航制限等の影響が懸念されるものの、鉄鉱石やボーキサイトなどドライバルク貨物全体の輸送需要は堅調に推移すると想定しています。また、船腹供給については、船主が環境規制や主力となる次世代燃料を慎重に見極めていることに加え、船価の高止まり等を背景に、当面の新造船竣工は大型船を中心に比較的低水準となる見通しです。さらに、国際海事機関(IMO)における温室効果ガス排出削減に向けた中期対策(GFI規制等)の導入動向を含め、EU-ETS等の環境関連制度の適用拡大によるコスト増加が、運航面での制約や採算に影響を与える可能性があります。当社では、今後起こり得る事業上のリスクに対し細心の注意を払い、事業運営を行ってまいります。 また、2024年度~2027年度を対象期間とする中期経営計画『FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U』では、事業戦略として「新規成長事業領域の拡大」「既存中核事業領域の深化」を掲げ、これらの事業戦略を支える取り組みとして人的資本戦略やDX戦略などサステナビリティへの取り組みを一層強化してまいります。 《中期経営計画の取組状況》1) 事業戦略・成長戦略 『FORWARD 2030Ⅱ』では、2050年カーボンニュートラル実現に向けた環境ロードマップに沿ったGHG削減目標を設定しており、メタノール二元燃料船(メタノールと重油の両方を燃料として使用可能なエンジンを搭載した船舶。重油と比較してGHG排出量の大幅な削減が見込まれる。)やバイオ燃料、アンモニア燃料船の導入などにより、2030年にGHG年間排出量を2019年比25%削減します。 上記2030年GHG削減目標達成に向けて、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「グリーンイノベーション基金事業」に採択されているアンモニア燃料船の共同プロジェクトについては2024年4月に6社によるアンモニア燃料船の共同開発に関する覚書を締結しました。本プロジェクトにおいて当社は、アンモニア燃料船の共同保有・運航を予定しております。また当社は、2027年度以降の竣工を目指してメタノール二元燃料船を複数隻、さらに2027年度竣工予定でアンモニアを積載可能なLPG二元燃料VLGCの建造契約を締結し、荷主との協議を進めています。 既存船についても省エネデバイスの活用によるGHG排出削減に取り組んでいます。2025年10月には、当社が運航している40万トン鉱石船に風力補助推進装置ローターセイルの搭載が完了しました。ローターセイルは、甲板上に設置された円筒帆を回転させることで円筒周りに生じる圧力差を利用し推進力を得る装置です。設置による効果を検証の上、他船への展開を検討いたします。その他、当社既存船の入渠時に高効率プロペラへの換装を行うなど、燃料削減に寄与する設備の導入を進めています。 上記のような取り組みを通じて環境対応で顧客と協働し、顧客の脱炭素化に貢献することで、長期契約による安定収益確保に加え、海外顧客に対しても長期の契約獲得を目指します。 2) 事業戦略を支える取り組み 上記事業戦略を支える基盤となる取り組みとして、人的資本戦略・サステナブルシッピング戦略・ガバナンス強化・DX戦略の4つの戦略を掲げています。 当社事業における最重要課題である安全運航の達成に向けて、船上のインターネット環境拡充やホールド(船倉)クリーニングロボットの配備を開始するなど、乗組員の安全・作業効率・Well-being向上に資する技術や設備の検証・導入を進めています。また、船舶機器の状態や運航状態を監視するシステムの導入、気象や海象などの実海域データの収集など、事故の予防や運航の効率化といった価値を創出するための船舶DXに関わる取り組みも行っています。 3) 財務目標 中期経営計画の財務目標として、以下のとおり設定しております。 2027年度2030年度営業利益200億円ネットD/Eレシオ1.0倍以下と財務規律を維持しつつ、継続的な利益成長により株主資本コスト7%を十分に上回るROE10%以上を目指します。ROE10%ネットD/Eレシオ1.0倍以下 2025年度の連結営業利益は205億29百万円、ROEは13.8%、Net DERは△0.01倍となり、2027年度目標を前倒しで達成することができました。2027年度に向けては引き続き安定した収益基盤を整備しながら、上記目標を達成することを目指しています。 4) 投資計画 安定収益事業に加え、成長戦略から着実に利益を上げて営業キャッシュ・フローを積み上げ、2030年までNet DERを1.0倍以下に抑えつつ、財務レバレッジを効かせて3,000億円に迫る規模の投資を実行し、収益の安定性強化と中長期的な利益の成長を目指します。中期経営計画では既存船のリプレースなど中核事業への投資は2,150億円、メタノール二元燃料化やバイオ燃料の確保といった環境投資に450億円、人材育成とDX関連に100億円の投資を掲げており、このうち、メタノール二元燃料船など新燃料船への投資は1,650億円を予定しています。 次世代燃料船投資につきましては、建造契約を締結した複数隻のメタノール二元燃料船のうち、2025年度に一部で荷主との輸送契約を締結いたしました。本船は、グリーンメタノールを舶用燃料として使用することにより、従来の重油使用時と比較して80%超のGHG排出削減効果が見込まれております。2027年度以降の竣工を予定しており、今後の当社収益への貢献を見込んでおります。また、顧客の環境対応と脱炭素化プロセスに貢献すべく、アンモニア積載可能なLPG二元燃料VLGCの建造契約を締結しました。 今後、顧客のニーズを注視しつつ、上記の新造船における中長期貨物輸送契約や燃料サプライチェーンの確保に注力してまいります。 《株主還元策》 当社は、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ、将来における安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、経営成績に応じた利益還元として、連結業績に対する配当性向は30%を基準とし、更なる株主還元の強化を検討します。新燃料船の建造など将来の成長に必要な内部留保金を確保しつつ、安定配当の継続的な実施により、株主をはじめステークホルダーの皆様にとって魅力的な事業会社になることを目指してまいります。当事業年度(2026年3月期)については「第4提出会社の状況 3配当政策」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当期における世界経済は、インフレ緩和を背景に金融政策正常化の動きや米国経済の底堅さを受け、全体として堅調に推移しました。一方で、米国の通商政策等による先行きには不透明感が残りました。当社におきましては、長期契約による安定収益に加え、円安による収益の押し上げにも支えられ、2024年度よりスタートした新中期経営計画「FORWARD 2030Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U」で掲げた財務目標である営業利益200億円以上、ROE10%以上、Net DER1.0倍以下を達成することができました。 外航海運市況につきましては、当期前半は鉄鉱石や穀物を中心とした堅調な荷動きに支えられ、総じて底堅く推移しました。中盤には一時的な調整局面もみられましたが、その後は年末に向けて再び上昇基調となりました。 内航海運につきましては、火力発電所の運用継続により市況が下支えされましたが、製鉄所の生産調整や資材費の高騰による建築需要の低下が、貨物輸送量の下押し要因となりました。 燃料油価格につきましては、当期の平均消費価格(全油種)は、トン当たり上期約526ドル、下期約441ドル、期中平均で約481ドルと、前期比で約83ドル安となりました。また対米ドル円相場は日米金利差の縮小や前期に進行した円安の反動もあり円高基調となり、上期平均146円50銭、下期平均154円17銭、期中平均で150円33銭と前期比2円50銭の円高となりました。 a.財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ84億13百万円増加し2,963億61百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ160億49百万円減少し1,091億61百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ244億62百万円増加し1,872億円となりました。 b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高2,297億84百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益205億29百万円(前年同期比1.5%増)、経常利益210億46百万円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益240億95百万円(前年同期比29.4%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 <外航海運事業> ケープ型撒積船(18万重量トン型)市況は、ブラジルおよび豪州の主要港からの鉄鉱石の堅調な出荷や西アフリカからのボーキサイト輸送需要を背景に、前期末の落ち込みから回復基調をたどりました。当期中盤には一時的な調整局面もみられましたが、その後は年末の繁忙期に向けて再び上昇基調となり、12月には主要5航路平均用船料が一時日建て4万4千ドル台を記録するなど、通期では堅調に推移しました。このような市況環境の中、当社では日本製鉄株式会社をはじめとする主要荷主との長期契約による安定収益に加え、3国間輸送による配船効率改善や、中期契約締結による安定収益の積み増し、スポットマーケットでの好採算貨物の獲得に注力するとともに、運航効率の改善にも取り組み、期初計画を上回る収益を達成することができました。 パナマックス型撒積船(7~8万重量トン型)市況は、中国経済の不振による先行き不透明感などにより、6月には主要5航路平均用船料は日建て9千ドル台まで下落しました。その後、南米の記録的な穀物出荷に支えられ、船腹需給が引き締まり7月には日建て1万7千ドル台まで回復しました。下期に入っても石炭や穀物の荷動きは堅調、総じて好調な市況が継続し、3月には中東情勢の緊張、燃料油の高騰から市況は日建て1万8千ドル台を記録しました。このような状況下、計画的な配船と効率運航に努めましたが、市況用船のコスト増加の影響が大きく、期初計画を達成することはできませんでした。 ハンディ型撒積船(2~6万重量トン型)市況は、一部に調整局面がみられたものの、通期では堅調に推移しました。往航では、主力貨物の一つである鋼材の荷動きについて、米国の追加関税や中東の地政学的リスクの影響がみられたものの、中南米向け輸送がこれを補い、概ね底堅く推移しました。当社は、輸送量が増加する中南米向け配船を効率的に活用することで、収益力の向上を図りました。復航では、中長期契約の貨物を活用し、往復航の効率的な配船により安定収益を積み重ね、期初計画を上回る収益を達成いたしました。 近海水域における小型船(1.6万重量トン型以下の船型)市況は、中国の国内内需の低迷から、同国からの輸出鋼材が過去最高を記録する一方、日本から同国向け輸出鋼材は漸減傾向が続いています。大量の中国鋼材によってアジア全体の鋼材荷動量は増加し、市況は大きな変動なく比較的堅調に推移しました。バルク貨物含め鋼材代替貨物の東南アジア向けにも積極的に取組み、バイオマス燃料輸送始め他バルク貨物との往復航効率配船を推進し、期初計画を上回る収益を達成することができました。 VLGC(大型LPG運搬船)は、全ての船舶が定期貸船契約に従事することにより安定収益を確保しています。一部、市況連動契約となっている船舶もありますが、2025年度の市況は総じて堅調だったため、期初計画を上回る収益を達成することができました。以上の結果、外航海運事業全体としては、売上高は1,970億62百万円(前年同期比8.8%減)、セグメント利益(営業利益)154億89百万円(前年同期比4.8%減)と、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。 <内航海運事業> 内航海運事業につきましては、電力需給対応として火力発電所の運用が継続されたことを背景に、バイオマス関連貨物を含む電力関連貨物の輸送量は当初計画を上回りました。鉄鋼原料の輸送量は製鉄所の生産調整により減少しました。セメント関連貨物は、資材費の高騰や人手不足の影響により建築需要が低下し、輸送量が減少しました。 タンカー事業につきましては、LNG輸送は工業用LNG需要増により輸送量は増加したものの、LPG輸送は用船を1隻返船したことや暖冬による国内需要減退による影響により輸送量は減少しました。以上の結果、内航海運事業全体としては、売上高は327億22百万円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益(営業利益)は50億41百万円(前年同期比27.3%増)と、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。 <その他>特記すべき事項はありません。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、354億22百万円の収入(前年同期は348億51百万円の収入)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、19億97百万円の収入(前年同期は82億46百万円の支出)となりました。これは主として船舶の売却による収入77億12百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、281億88百万円の支出(前年同期は178億11百万円の支出)となりました。これは主として長期借入れによる収入と長期借入金の返済による支出の差引226億62百万円の支出によるものです。 以上に現金及び現金同等物に係る換算差額を加味した現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比較して98億41百万円増加し、656億25百万円となりました。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)49.852.256.563.2時価ベースの自己資本比率(%)35.237.932.858.0キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.33.12.41.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)36.719.620.525.6自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が営んでいる事業に「生産、受注」に該当する事項はありません。当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期増減率(%)外航海運事業(百万円)197,062△8.8内航海運事業(百万円)32,7224.7 報告セグメント計(百万円)229,784△7.1その他(百万円)--計229,784△7.1 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対す る割合は次のとおりです。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)比率(%)金額(百万円)比率(%)日本製鉄㈱115,80144.8104,42044.2 (注)上記の売上高には、商社等を経由したものが含まれております。また、売上高には、賃積船の運賃が含まれております。なお、上記以外に総売上高の10%以上を占める相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等a. 財政状態 当連結会計年度末における総資産は2,963億61百万円となり、前連結会計年度末比84億13百万円増加しました。このうち流動資産は主として有価証券の増加により179億39百万円増加しました。固定資産は主として船舶の減少により、95億27百万円減少しました。 負債合計は前連結会計年度末に比べ160億49百万円減少し、1,091億61百万円となりました。このうち流動負債は主として支払手形及び営業未払金の増加により、42億57百万円増加しました。固定負債は主として長期借入金の減少により、203億6百万円減少しました。 純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払の差引による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ244億62百万円増加し、1,872億円となりました。 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の56.5%から当連結会計年度末は63.2%に増加しました。 b. 経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高2,297億84百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益205億29百万円(前年同期比1.5%増)、経常利益210億46百万円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益240億95百万円(前年同期比29.4%増)と、前連結会計年度に比べ減収増益となりました。 なお、当社グループの事業構成は海上輸送業がほぼ全体を占めており、連結売上高に占める外航海運事業の割合は約9割、内航海運事業の割合は約1割となっております。 セグメント別の経営成績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 c. キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 d. 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当期における世界経済は、長期化していたインフレの緩和を背景に一部の国・地域で金融政策の正常化に向けた動きがみられる中、米国経済が底堅く推移したことなどから、全体として比較的堅調に推移しました。一方で、関税措置を含む米国の通商政策やそれに対する各国の対応が、今後の世界経済や貿易動向に与える影響については引き続き不透明感が残る状況となりました。このような状況下、当社におきましては、為替レートが前年同期比円高で推移したこともあり、売上高は減少したものの、当初より計画していた老齢船の売却を着実に実行し売却益を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比で増益となりました。 次期の事業環境は、各国の通商政策(関税措置を含む)やそれに対する各国の対応、ならびに地政学的リスクの高まり等が、貨物輸送需要やトレードパターンに及ぼす影響を現時点で見通しにくい状況にあります。一方、海上荷動きについては、一部航路の通航制限等の影響が懸念されるものの、鉄鉱石やボーキサイトなどドライバルク貨物全体の輸送需要は堅調に推移する見込みと想定しています。 当社では、今後起こり得る事業上のリスクに対し細心の注意を払い、事業運営を行ってまいります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性a. 資金需要 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは当社グループの外航海運事業と内航海運事業に関わる船費、借船料、運航費等と各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては船舶投資に加え、情報処理システムのための無形固定資産投資等があります。 当連結会計年度に実施した設備投資の総額は55億47百万円で、その主なものは船舶であります。また当連結会計年度末における船舶の新設に対する投資予定額は553億23百万円(既支払額153億9百万円を含む)であります。 b. 財務政策 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、内部資金の活用及び国内金融機関からの借入により安定性を重視した資金調達を行っております。 当社グループの主要な事業資産である船舶の調達に当たっては、財政状態のバランスを図る観点から、船主からの用船も考慮に入れ、当社グループ全体の有利子負債を過度に増加させることなく、低コストかつ安定的な船隊の整備を行っております。当連結会計年度末の有利子負債残高は636億2百万円となりました。 また突発的な資金需要に対しては迅速かつ確実に流動性資金を確保すべく、複数の国内金融機関と複数年にわたり総額90億円のコミットメントラインを設定しており、流動性を補完しております。 c. キャッシュ・フロー 「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 外航海運事業は、為替・燃料油価格・海運市況などの外部要因によって期間損益が左右されることに加え、他産業と比べて相対的に設備投資額が大きいという構造的な課題を抱えています。当社では、こうした業種特有の課題を強く意識した経営指標として、営業利益・ROE(自己資本利益率)・ネットD/Eレシオ(実質負債資本倍率)の3つに着目しています。営業利益は事業収益の規模感の、ROEは自己資本に対しての収益効率性の、ネットD/Eレシオは財務健全性の目安としています。2025年度の連結営業利益は205億29百万円、ROEは13.8%、Net DERは△0.01倍となり、2027年度目標を前倒しで達成することができました。2027年度に向けては引き続き安定した収益基盤を整備しながら、上記目標を達成することを目指しています。
事業リスク
- コンプライアンス違反ハラスメント、贈賄、不正、インサイダー取引などの法令違反は、損害賠償だけでなく企業の信用低下や事業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは「企業行動規範」や「内部統制・コンプライアンス委員会」を通じて、法令遵守と倫理観の徹底を図っています。
- 人権侵害リスクグローバルに事業を展開する中で、差別、強制労働、児童労働、長時間労働、ハラスメントなどの人権侵害が発生した場合、取引停止、信用低下、賠償、訴訟などにより事業活動に悪影響が出る可能性があります。当社グループは「NSユナイテッド海運グループ人権方針」を策定し、サプライチェーン全体での人権尊重に取り組んでいます。
- 海難事故・海洋汚染海運業において海難事故が発生すると、人命、貨物、船舶の損失・損傷、燃料油や積荷の流出による海洋汚染のリスクがあります。これは企業の信用失墜や多額の賠償責任につながる可能性があります。当社グループは「安全管理マニュアル」や「環境マネジメントマニュアル」に基づき、乗組員教育や緊急対応演習、保険による損失対策を講じています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】<リスク管理に関する基本的な考え方>当社グループの主要な事業活動である外航事業は、グローバルに展開しており、本有価証券報告書「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」に記載の通り、世界各国の経済情勢、政治的または社会的な要因等の様々なリスクに晒されており、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、「リスク管理規程」に基づき、事業活動全般にわたり生じ得る諸々のリスクについて、関連部門または各委員会において協議・決定を行っております。年度末には、社長を委員長とする内部統制・コンプライアンス委員会において、「リスク項目表」に基づき、各リスク項目の見直しや管理執行状況の報告と評価を行い、その結果を、取締役会へ報告しております。また、一定金額以上の大型投資や、不確実性の高い投資判断を行う場合に執行役員会・取締役会に上程する前に当社に及ぼす影響・リスク等を明らかにすることを目的として、投融資委員会において社内横断的に協議しております。当社グループの事業継続に重大な影響を与えうる主要なリスクは以下の通りとなります。 <主要なリスクの概要と対応策>① コンプライアンスリスクハラスメントや贈賄、不正、インサイダー取引等の法令違反のリスクは、発生した場合、損害賠償だけでなく企業の信用低下や事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは「企業行動規範」において、法令・規則を遵守し、高い倫理観をもって行動することを定めています。さらにコンプライアンス強化を図るため、社長を委員長とする内部統制・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、取り組み状況を確認するほか、毎年10月を内部統制・コンプライアンス周知月間と定め、毎回異なったテーマにて法令遵守の啓蒙活動を行っており、全役員・社員、グループ一体でコンプライアンス意識のさらなる徹底とコンプライアンス実践に必要な知識・情報を周知し、コンプライアンスの重要性を再認識する機会としております。 ② 人権に関するリスク人権侵害により国内外の取引先から取引停止や企業の信用低下、賠償、訴訟等が起こるリスクがあり、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、グローバルに事業を展開する企業として、差別・強制労働・児童労働・長時間労働・ハラスメント等の人権課題解決に取り組むことが、企業活動において一層重要であるとの認識の下、「NSユナイテッド海運グループ人権方針」を策定しております。当社は、本方針を開示し、当社の取引先やその他のビジネスパートナーにおいて人権侵害が起きないよう当社の人権方針を理解いただくよう努めております。また、サプライチェーンにおける調達先の皆様とともに、人権・労働基準・環境などの社会的責任にも配慮した責任ある調達活動を推進するため、「サステナブル調達基本方針」、「NSユナイテッド海運グループ調達先向けガイドライン」を策定しています。当社では、関連する取締役および執行役員をメンバーとする人権デューデリジェンス推進チームを設置し、その指揮監督のもと、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」に忠実に、人権尊重の取り組みを進めております。取り組みにあたっては専門的知見を有する外部コンサルタント会社からの助言を定期的に受け、人権デューデリジェンスの取り組みの各フェーズにおいての客観性と正当性の担保に努めています。これらの取り組みは、適時に開示を行うことにより、ステークホルダーの皆様にご理解、ご協力が得られるよう努めています。 ③ 人材確保リスク当社グループの安定的な事業継続のためには、海陸共に優秀な人材の確保が必要です。また、当社グループの安全な船舶の運航には、優秀な船員の確保と育成が重要となります。当社グループは安定した船員確保のために、外航では採用する船員国籍の複数化や大学との連携、日本人については内外航とも商船系学校だけではなく、幅広い船員育成機関からの採用を継続していますが、将来において十分な船員確保ができるという保証はありません。環境対応に伴う新たな資格要件によって船員需給環境が変化し、船員を雇用・育成するための費用が大幅に増加するリスクがあります。また、地政学リスクの高まりや感染症拡大による出入国規制などの影響で、配乗後の費用増大も懸念されます。さらに、離職防止・定着化促進も重要な課題となっており、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業に大きな影響を与える可能性があります。 ④ 情報セキュリティリスク当社グループは業務全般においてコンピュータシステムおよびITネットワークを活用しております。サイバー攻撃、自然災害、オペレーションミス、先進技術導入の遅れ等に起因する重大なサイバーインシデント(情報システムやネットワーク障害、データ改ざんや顧客情報や個人情報などの情報漏洩等)が発生した場合には、当社の信用や営業活動、業績ならびに財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティ管理の重要性を十分認識し、ハード面・ソフト面のサイバー攻撃への対応強化やバックアップ体制の構築、「情報セキュリティ基本方針」等社内規程の整備、従業員に向けた教育の実施等の対策を継続的に行っております。また当社はサイバーインシデントを想定した事業継続計画(BCP)を策定しております。 ⑤ 海難事故リスク当社グループの主要事業である海運業においては、海難事故が発生した場合、人命・貨物・船舶等の損失・損傷リスクや、燃料油・積荷等流失による海洋汚染のリスクがあります。当社グループは海難事故を防止するために「安全管理マニュアル」や「品質管理マニュアル」を、また環境を保全するために「環境マネジメントマニュアル」を策定するとともに、乗組員の教育・研修を実施し、安全運航に努めております。また「海難およびその他の緊急事態対応に関する規程」、「緊急事態対応マニュアル」を策定し、海難事故を想定した緊急対応演習を行うなど万全な体制をとっております。さらに、万一、海難事故が起きた場合でも保険による損失対策を図っていますが、当社負担となる損失が一部発生することがあります。安全運航に向けた当社船舶管理の具体的な取り組みとして、以下の施策を実施しております。 a.ニアミスレポートの活用b.安全キャンペーンc.管理船への訪船・検船による確認d.用船検船および船主安全会議 e.安全運航管理体制当社の船舶管理は、主として海務技術、船員配乗、教育・訓練等を担当する部門と、主として船体・機関その他の搭載機器の保守管理を担当する部門が協働して、各船の安全運航管理、危機管理を確実に実施しており、これらの取り組みの実施状況は、社長を委員長とする「安全運航・環境保全推進委員会」を定期的に開催してレビューされております。 また、船員研修チームを中心に、船舶の安全管理および船員教育の強化のため、海外マンニング会社とも連携のうえ業務の効率性と専門性の更なる向上に取り組んでおります。f.DX推進による事故予防 引き続き運航データの有効活用を目指して、船舶管理ソフトの刷新を進めており、2024年度はその準備作業として各種管理記録のデータベース化などを進めました。安全管理の改善に向けた取り組みとともに、海陸労務負担低減の取り組みを継続しています。 ⑥ 公的規制および環境保全に関するリスク当社グループの主要事業である海運業では、設備の安全性や船舶の安全運航のために、国際機関および各国政府の法令、船級協会の規則等の公的規制を受けております。当社グループでは、これらの規制が変更された場合に遵守するための費用が増加する可能性があり、遵守できなかった場合には事業活動が制限され、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。当社グループはこれら安全運航に関する規制に適切に対処しております。また、環境保全に関する規制の強化および社会における重要性の高まりなどにより、その対策費用が増加した場合や当該法令または規制を遵守することが困難となった場合には、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。当社グループは主に以下のような環境規制に対する対応を進めております。これらはいずれも国際連合の海事分野の専門機関である国際海事機関(IMO)が採択し国際条約として制定されているものです。 a.GHG(温室効果ガス:Greenhouse Gas)の排出削減戦略について IMOは2023年にGHG削減戦略を改定し、2050年ごろまでのGHG排出ネットゼロ目標などを盛り込んだ戦略を策定しました。当社グループもIMOの改定戦略に沿う形で、中期、長期の目標を策定しGHGの排出削減を進めます。 2024年3月に公表した中期経営計画「FORWARD 2030 Ⅱ」において、2030年までにGHG年間排出量を2019年比マイナス25%の150万トンに削減する中期目標を設定しました。目標の達成に向けて投資計画を進めます。 運航船舶の減速運転の徹底や配船の工夫等によるGHG排出削減努力を継続し、加えてバイオディーゼル燃料活用によるGHG削減を目的に、試験的な利用を2022年から開始しています。 また、メタノール二元燃料船の複数隻発注、および40万トン型鉱石船への風力補助推進装置(ローターセイル)を搭載しています。引き続きアンモニア等次世代燃料との二元燃料新造船の実現に向けた検討も積極的に行っているほか、燃費改善機器等の搭載やプロペラ換装も運航船舶に順次実施しています。 b.船舶の排出ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)の排出規制についてNOx排出規制は2000年以降に建造された船舶について、その建造年および航行海域により規制が設定されており、当社グループでは規制対象となる船舶については全て認証された低NOx対応のディーゼルエンジンを搭載しております。 c.船舶の排出ガスに含まれるSOx(硫黄酸化物)の排出規制について2020年以降は燃料中の硫黄分が0.5%以下の燃料を使用するよう規制されております。当社グループは、SOx排出を抑制するため、規制に適合した硫黄分0.5%以下の燃料油を船舶に使用するほか、当社グループが所有する大型船舶を中心として、エンジンの排気ガスに含まれるSOxを除去する装置(SOxスクラバー)を搭載しております。 d.バラスト水管理条約への対応について国際航海をする船舶のバラスト水中の海洋生物が船舶の運航に乗じて異国に移動し生態系を乱すことが問題となり、バラスト水処理に関する管理方法が定められ、2017年に施行されております。当社グループは条約の要求に従い運航船へのバラスト水処理装置を搭載しております。 当社グループは、上記の対応による費用増に関しては顧客の理解を得ながら運賃等への反映に努めております。 ⑦ 気候変動リスク深刻化する気候変動回避のため、パリ協定やSDGs(持続可能な開発目標)をはじめとして、世界的にその原因物質とされるGHG排出量削減への取り組みが推進され、企業にも積極的な対応が求められております。当社グループも気候変動を含む環境保全をマテリアリティ(重要課題)に設定しています。持続的な企業価値の向上を目的としてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同を表明、2022年からTCFD提言に基づく情報開示をウェブサイト上で行っています。気候変動に関する将来に向けたシナリオ分析を行う中で、GHG削減のために導入されるであろう政策や規制、燃料転換、新技術導入等による事業コストの増加、化石燃料輸送需要の減少、既存船舶の陳腐化、あるいは対応の遅れによる事業機会の喪失といったリスクがあるものと認識しております。2024年3月に公表した中期経営計画「FORWARD 2030 Ⅱ」において、2030年までの投資計画と共にGHG年間排出量を2019年比マイナス25%の150万トンに削減する中期目標を設定、環境ロードマップを公表しました。当社グループは「2050年までにカーボンニュートラル実現を目指す」を目標に、今後もGHG排出削減をはじめとする気候変動リスクへの対応能力の向上に努めてまいります。 ⑧ 海運市況変動リスク当社グループの主要事業である海運業の運賃・用船料市況は、世界経済の動向、船腹の需給バランス等の影響を受け、常に変動しております。当社グループは、鉄鋼原料輸送を中心とした長期契約を志向して事業基盤の安定・強化を図っておりますが、市場ニーズに対応するため中短期契約で運航する船舶の比率が一定程度存在するため大幅な市況変動が大きな損失につながる恐れがあり、そのような状況の長期化は当社の事業基盤を損なう可能性があります。 当社グループは、今後も長期契約による事業基盤の安定・強化を図りつつ、適切な船隊ポートフォリオの構築、海外顧客向けビジネスの拡大、内航海運事業との総合力強化等により、市況変動に耐えられるよう不断の体質改善に努めます。 ⑨ 為替変動リスク当社グループの外航海運事業における商取引は、大部分が米ドルその他の外国通貨建てで行われております。従って、当社グループの業績および財務状況は外国為替レートの変動により影響を受けることがあります。当社グループは、為替予約等のヘッジ取引により常に変動する外国為替レートにかかるリスクの影響を一定程度まで低減する方針ですが、必ずしもこれを完全に回避できるものではなく、大幅な外国為替市場の変動により、影響を被ることがあります。 ⑩ 金利変動リスク当社グループは、船舶取得を中心とした設備投資のため、内部資金を充当する他、借入による資金調達を行っております。この借入による資金には変動金利で調達する部分もあり、当社グループでは金利情勢勘案の上、金利固定化等により、金利変動の影響を軽減するよう努めておりますが、将来の金利変動により資金調達コストが変動し、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。また、金利固定化により金利変動の影響を軽減することは、一方で市場金利下落の場合に、それにより生じ得た利益を逸失する可能性があります。また、金利固定化の期間中に条件の変更や対象設備の処分等により途中解約を余儀なくされた場合には、解約料を負担することがあります。 ⑪ 燃料油価格変動リスク当社グループで運航する船舶の燃料油価格は、原油市場の動向を反映して変動するため、当社グループの損益は燃料油価格の変動により影響を受けることがあります。当社グループでは燃料油価格調整条項がある輸送契約の締結や、購入価格が割安となる数量契約を推進することに加えて、購入燃料油の一部に対し、燃料油スワップ等による価格の固定化を行い、価格変動の影響を抑えるための対策をとっております。しかしながら、燃料油価格が急騰する局面では価格固定化を行わない部分につき、損失を被ることがあります。その一方、燃料油価格の下落局面においては、価格固定化を行った部分について、精算損が発生することがあります。 ⑫ 投資に関するリスク当社グループは、船隊整備のための投資計画を有しておりますが、今後の海運市況や金融情勢等によって、これらが計画どおりに進捗しない場合、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。また、技術革新への対応が遅れることによる事業機会の喪失および、新技術の台頭による既存船腹の陳腐化のリスクがあります。当社グループは先進技術導入によりデータやデジタル技術を活用し、輸送の最適化と競争力強化ならびに輸送サービスの環境性能を向上させるよう努めております。 ⑬ 船舶の売却等にかかる損失に関するリスク当社グループは、海運市況により、または船舶の技術革新による陳腐化や公的規制の変更等による使用制限等により、当社グループ保有の船舶を売却する場合があります。また、当社グループが用船する船舶の用船契約を中途解約する場合があります。その結果として、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。 ⑭ 固定資産の減損損失計上に関するリスク当社グループは、事業環境や市場環境の変動によって保有する船舶等の固定資産について減損損失を計上する場合があり、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。 ⑮ 世界各地の政治・経済情勢・自然災害等によるリスク当社グループの事業活動は、日本を含むアジア、欧米その他の地域に及んでおり、各地域における政治・経済状況や、各地で発生する自然災害等により影響を受ける可能性があります。具体的には以下のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。 a.不利な政治的または経済的要因b.事業・投資許可、租税、為替管理、独占禁止、通商制限などの公的規制の影響c.他社との合弁事業・提携事業の動向d.戦争、暴動、テロ、海賊、ストライキ、その他の要因による社会的混乱ロシア・ウクライナ情勢や、中東情勢の悪化に伴う紅海・スエズ運河の通航リスク、ホルムズ海峡の事実上の封鎖継続等の今後の動向によって、サプライチェーンの変動や、景気後退により海上荷動きが鈍化し市況軟化等の影響を及ぼす可能性があり、当社としては今後の海上輸送需要の推移を注視し、支配船腹との需給バランスを適切に保つよう注力することで、市況変動への耐性を高めることに努めております。e.地震、風水害および感染症大規模な災害や感染症の流行等は、当社グループの従業員の生活だけでなく、地域社会や取引先の活動を制限するため、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、これら危機的事象に伴う事業中断による事業への影響の極小化ならびに迅速かつ効率的な事業復旧を図るためのオールハザード型事業継続計画(BCP)を策定しております。 当社グループはこれらのリスクに対して内外からの情報収集等を通じてその予防・回避に努めています。 上記のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、当社グループのリスク要因は記載事項に限定されるものではありません。