事業の概要
- 航空事業が中核ANAホールディングスは、全日本空輸(ANA)やPeach Aviationなどを傘下に持ち、国内外の旅客・貨物輸送を主力としています。航空券の販売や運航サービスを通じて収益を得ており、グループ全体の売上の大部分を占める基幹事業です。
- 航空関連事業も展開空港での地上支援、航空機の整備、予約案内など、航空事業を支える多岐にわたるサービスを提供しています。これらの事業は、自社グループだけでなく、国内外の他航空会社にもサービスを提供することで収益を上げています。
- 旅行・商社事業も多角化ANAトラベラーズブランドでのパッケージ旅行商品の企画・販売を行う旅行事業や、航空関連資材の輸出入、店舗・通信販売を手掛ける商社事業も展開しています。これにより、航空事業以外の収益源も確保し、事業の多角化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 航空運送事業が収益の柱航空運送事業は、売上高2兆198.81億円、営業利益1,991.16億円と、ANAグループ全体の売上と利益の大部分を占める主力事業です。全日本空輸(ANA)やPeach Aviationが国内外の旅客・貨物輸送を担い、グループの収益を牽引しています。
- 航空関連事業が安定収益に貢献航空関連事業は、売上高554.75億円、営業利益40.35億円で、空港での地上支援や航空機の整備、予約案内など、航空運送事業を支えるサービスを提供しています。自社グループだけでなく、他社へのサービス提供も行い、安定的な収益源となっています。
- 旅行・商社事業も展開旅行事業は売上高558.94億円、営業利益1.93億円、商社・小売事業は売上高1,119.5億円、営業利益45.63億円です。旅行事業は「ANAトラベラーズ」ブランドでの旅行商品の企画・販売、商社事業は航空関連資材の輸出入や店舗・通信販売を手掛けており、事業の多角化とグループ全体の収益基盤強化に寄与しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| AirTransportation | 事業 | 20,199 | 1,991 | 9.9% |
| AirlineRelated | 事業 | 555 | 40 | 7.3% |
| TravelServices | 事業 | 559 | 2 | 0.3% |
| TradeAndRetail | 事業 | 1,120 | 46 | 4.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、グループ経営戦略の策定等を行うANAホールディングス株式会社(提出会社 以下「当社」という)及び子会社140社、関連会社37社により構成されており、「航空事業」をはじめ、「航空関連事業」、「旅行事業」、「商社事業」及び「その他」を営んでいます。当社、子会社及び関連会社の企業集団における位置づけと事業内容は次のとおりです。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 連結子会社全59社、持分法適用子会社・関連会社全13社、非連結子会社全80社、持分法非適用関連会社全25社 ※非連結子会社には持分法適用子会社は含まれていません。航空事業 全日本空輸株式会社、ANAウイングス株式会社、株式会社エアージャパン、Peach Aviation株式会社、日本貨物航空株式会社が航空事業を行っています。 子会社6社及び関連会社1社が含まれており、うち子会社5社を連結しています。航空関連事業 ANA大阪空港株式会社、ANAエアポートサービス株式会社、ANAテレマート株式会社及びANAベースメンテナンステクニクス株式会社他は、顧客に対する空港での各種サービス提供、電話による予約案内、航空事業で運航される航空機への整備作業の役務提供等を行っています。空港地上支援業務や整備作業等の役務は、当企業集団以外の国内外の航空会社を顧客としても行っています。 子会社45社及び関連会社5社が含まれており、うち子会社29社を連結、関連会社2社に持分法を適用しています。旅行事業 ANA Ⅹ株式会社が全日本空輸株式会社の航空券等を組み込んだ「ANAトラベラーズ」ブランドのパッケージ旅行商品等の企画及び販売を行っています。 海外ではANA Sales Americas他が、国内会社が販売したパッケージ商品の旅行者に対して到着地での各種サービスの提供を行うとともに、航空券や旅行商品の販売等を行っています。 子会社6社及び関連会社3社が含まれており、うち子会社5社を連結、関連会社1社に持分法を適用しています。商社事業 全日空商事株式会社を中心とする子会社が、主に航空関連資材等の輸出入及び店舗・通信販売等を行っています。これらの物品の販売は、当企業集団内の子会社・関連会社を顧客としても行われています。 子会社71社及び関連会社1社が含まれており、うち子会社9社を連結しています。その他 ビル管理、人材派遣等の事業を行っています。ANAスカイビルサービス株式会社はビルメンテナンスを、ANAビジネスソリューション株式会社は人材派遣等を行っています。 子会社12社及び関連会社27社が含まれており、うち子会社11社を連結、子会社1社及び関連会社9社に持分法を適用しています。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い SAF価格高騰を運賃に転嫁すると他の交通手段に対する競争力が低下する可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 航空事業は許認可や安全基準など厳格な規制があり、新規参入が困難。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:安全が毀損・阻害されるリスク / 気候変動問題への対応 / 国際情勢の不安定化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
ANAは日本を代表する航空会社としての強力なブランド認知度と長年の信頼を築いている。特に、国際線における日本発着便の優位性や、ロイヤルティプログラム「ANAマイレージクラブ」は、顧客の帰属意識を醸成する無形資産となっている。コロナ禍でもブランド価値は維持された。
スイッチングコスト★★★☆☆
ANAマイレージクラブの会員は、貯まったマイルの価値を最大化するためにANA便や提携航空会社の利用を優先する傾向がある。特に、上位会員ステータスを持つ顧客は、特典やサービスを失うことを避けるため、他社への乗り換えを躊躇する可能性がある。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
ANAマイレージクラブは提携航空会社とのネットワークを持つが、航空業界全体のネットワーク効果は限定的。航空会社間の提携(スターアライアンスなど)はあるものの、プラットフォーム型のような指数関数的な価値向上は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
航空業界は燃料費、人件費、機体購入費など固定費が高く、価格競争が激しいため、構造的なコスト優位を築くことは難しい。ANAは規模は大きいものの、LCCなどとのコスト競争力には限界がある。
規模の経済★★★★☆
ANAは日本国内および国際線において、主要なプレイヤーとして確立された路線網と規模を持つ。これにより、運航効率の向上、仕入れ交渉力の強化、ブランド認知度の維持が可能となり、新規参入や小規模プレイヤーに対する優位性を確立している。
- 広範な航空ネットワークANAグループは、全日本空輸(ANA)とLCCのPeach Aviationを組み合わせることで、国内線から国際線、主要都市から地方路線まで、幅広い顧客層と地域をカバーする広範な航空ネットワークを構築しています。これにより、多様な移動ニーズに対応し、顧客の利便性を高めています。
- 高品質なサービスとブランド力ANAは、安全運航を最優先に掲げ、顧客に対する高品質なサービス提供に注力しています。これにより、高い顧客満足度と信頼を獲得し、「ANA」ブランドとしての強力な競争優位性を確立しています。特に国際線では、快適な機内設備やきめ細やかなサービスが評価されています。
- 多角的な事業展開によるシナジー航空事業を核としながらも、航空関連、旅行、商社など多角的な事業を展開することで、グループ内でのシナジー効果を生み出しています。例えば、旅行事業は航空券と宿泊を組み合わせた商品を販売し、商社事業は航空機材の調達を担うなど、相互に連携し、収益機会を最大化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「ワクワクで満たされる世界を」の実現ANAグループは、「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」という経営理念のもと、「ワクワクで満たされる世界を」というグループ経営ビジョンを掲げています。これは、安全を堅持しつつ、新たな価値を提供し、顧客や社会に喜びをもたらすことを目指すものです。
- 国際線旅客・貨物事業の成長加速2030年度に営業利益3,100億円、営業利益率10%を目標とし、特に成長領域である国際線旅客事業と貨物事業に経営資源を優先的に配分します。国際線旅客では座席キロを1.3倍に拡大し、貨物事業ではANAとNCAの統合によるシナジー効果300億円創出を目指し、欧米路線を増強します。
- 大規模な成長投資とDX推進今後5年間で人財、DX、航空機を中心に2.7兆円規模の成長投資を実施します。特にDX投資を通じて業務効率化を図り、創出された余力を「人の力」へと再配分することで、デジタルと人の力を掛け合わせた付加価値創造を最大化し、他社との差別化と企業価値向上を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針① 経営ビジョン当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の 翼で夢にあふれる未来に貢献します」を掲げています。経営の基盤である安全を堅持しつつ、「世界中のグループ社員がいきいきと挑戦を続け、お客様や社会に寄り添いながら新たな価値を提供し、世界を期待や喜びで満たしたい」という想いを込め、グループ経営ビジョンを「ワクワクで満たされる世界を」と定めています。人とモノのつながりを拡大し、「早く、快適で、楽しい」価値を生み出し続け、ステークホルダーに信頼される企業を目指します。 ② ANAグループが社会へ提供する価値「人とモノのつながりの拡大」と「ANAグループのファン層の拡大」により、3つの社会的インパクト、「交流・物流による経済活性化と社会の絆の強化」、「安全安心で快適な移動による心の豊かさ向上」、「早い移動による時間価値の創出」を生み出します。 ③ マテリアリティへの対応を通じた企業価値向上「人とモノのつながりの拡大(量的拡大)」と「ANAグループのファン層の拡大(質的深化)」に繋げる価値創造の羅針盤として、8つのマテリアリティを新たに策定しております。それぞれの重要課題の解決を通じた社会的価値と経済的価値の同時創造の実現により、企業価値向上を目指します。 ・価値創造プロセス ・8つのマテリアリティ (2) 経営環境① 「2023-2025年度 ANAグループ中期経営戦略」の振り返り2023~2025年度は、国際線旅客事業が好調に推移したことなどを背景に、航空事業を中心に計画を上回る利益を蓄積した結果、最優先課題としていた財務基盤の回復は着実に進捗しました。また、事業環境に柔軟に対応するとともに、グループ全体での利益最大化に向けて、NCAのグループ化やAirJapanブランド便の運航休止を決定するなど、エアラインポートフォリオを変革しました。さらに2023年度の復配以降、安定継続配当を実施しながら、大規模な自己株式取得も開始しました。 ② 今後の経済見通し2026年度の日本経済は、原油価格上昇に伴う交易条件の悪化などから成長ペースは減速するものの、雇用・所得環境の改善や、政府による各種施策、緩和的な金融環境などが経済の下支えとなり、緩やかな成長が続くことが期待されています。一方で、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れなどを通じて個人消費に及ぼす影響や、ウクライナや中東地域情勢など、国際情勢の不透明さは、景気の下振れリスクとして想定されます。中東情勢の影響については、2026年度第1四半期末までに収束し、段階的に正常化に向かう想定で計画に反映しておりますが、今後の情勢を注視しながら機動的なリスクマネジメント体制を備えて対応してまいります。 ③ 経営環境の認識当社グループを取り巻く外部環境は不透明ではあるものの、訪日外国人旅行者数は2025年は4,200万人を超過し、政府が掲げる2030年の目標である6,000万人に向けてさらなる増加が見込まれていることに加え、世界の航空需要も引き続き拡大基調にあると予想されています。こうした需要の伸びを見据え、成田空港においては2029年以降、発着枠を約1.5倍規模に拡大する機能強化が計画されるなど、事業機会の拡大が期待されます。一方で、国内総人口の減少が進行しており、AIをはじめとする新技術の活用等、イノベーションによる生産性向上が喫緊の課題となっています。 (3) 対処すべき課題① 重要テーマと基本戦略2023~2025年度中期経営戦略の期間で顕在化した3つの課題である、資産効率の向上、利益変動リスクの低減、株主価値の向上を重点テーマとし、①成長投資の加速、②利益成長の加速、③株主価値の向上の3つの変革を実行します。 ② 3つの変革を裏付ける定量的変化人財・DX・航空機を中心として5年間で2.7兆円規模の大規模な成長投資を実施します。成長領域である国際線旅客・国際線貨物事業の利益成長を加速し、2030年度に営業利益3,100億円、営業利益率10%の水準を目標とします。収益性向上と、株式数削減による資本コントロールを掛け合わせることで、安定的にROE12%以上、EPS CAGR約10%を実現することで、株価上昇や株主価値向上に繋げます。 ③ 2030年度に目指す事業ポートフォリオ成長領域の「国際線旅客事業」と「貨物事業」に経営資源を優先配分します。多額の資産を投下しながら収益性が低迷している「国内線旅客事業」を安定収益基盤へ復元、また「LCC事業(Peach)」は近距離アジア市場で基盤固めを行います。グループエアラインネットワークと各事業リソースの最適化により、世界のトップエアライングループとの競争に勝ち抜くことを目指します。 ④ 新たな戦略の位置付け2025年度までの足元固めのステージから、2026年度以降は先行投資を加速することに加え、主に財務健全性の維持向上と資本効率向上による「質の変革」を進めることで、更なる増益を目指します。その後、生産量を増加させ「量×質」の相乗効果で、飛躍的な利益成長のステージに移行していくことを目指します。 ⑤ 価値創造目標とキャッシュアロケーション前中期経営戦略はコロナ禍からの回復を果たし、成長回帰への「足元固め」の期間でした。2026年度は、足元の中東情勢の影響により増収減益を見込みますが、本戦略期間最終年度となる2028年度には過去最高となる営業利益2,500億円、営業利益率9%の達成を目指します。人財・DX・航空機を中心に今後5年間で過去最大規模の2.7兆円の投資を計画し、2030年度には営業利益3,100億円、営業利益率10%の実現へと繋げます。 ⑥ 事業戦略1)国際線旅客事業・事業規模(座席キロ)を1.3倍へ拡大、中期的なネットワークと成田を中心としたダイヤ構造の競争力を強化します。・2028年度までは羽田便を優先的に拡充し、成田空港拡張後の2029年度以降は北米線・アジア線を増強し、事業規模1.7倍(成田便)を目指します。・2026年8月に受領予定の国際線主力機であるボーイング787-9型機の全クラスに新シートを装備し、快適性の向上につなげます。 2)貨物事業・ANAとNCAで「統合・シナジー効果300億円」を創出、アジアを代表するコンビネーションキャリアを目指します。・欧米路線を増強し、アジア=欧米間を中心に成長する貨物需要を取り込みます。 ・グループ内貨物事業会社の再編、統合を2027年4月に予定し、構造改革を推進します。 3)国内線旅客事業・2028年度以降に導入するエンブラエルE190-E2型機等の新機材により各路線の需給適合を一層進めることや、訪日客の需要の取り込みを強化する等、対応策を講じることで収益性を改善します。・また、空港ハンドリング領域では日本航空㈱との協業も進めて効率化を図ります。・国土交通省「国内航空のあり方に関する有識者会議」の議論状況については引き続き注視します。 4)LCC事業(Peach)・国際線の運航比率を拡大し、関西空港を中心に旺盛な訪日客やレジャー層を取り込みます。・ANAの未就航路線も開拓し、グループ全体のネットワークを拡充します。・オペレーションとサービス品質の向上により、選好率・イールドを引き上げます。 5)フリート戦略・グループ全体の保有機数はコロナ禍前の303機を超える約330機体制に拡大します。・新機種を順次導入し、路線ごとの最適な機材配置を目指します。 ・加えて、省燃費機材の比率を高め、環境負荷低減と収益性向上の両面を実現します。 ⑦ 「デジタル×人の力」で価値創出を最大化過去最大規模のDX投資を通じてデジタル活用を推進し、業務効率化によって新たな余力を創出します。この生まれた余力を当社の強みである「人の力」へと再配分し、デジタルと人の力を掛け合わせることで人にしか生み出せない付加価値を創出します。これにより他社との圧倒的な差別化を図り、企業価値の最大化を実現します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針① 経営ビジョン当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の 翼で夢にあふれる未来に貢献します」を掲げています。経営の基盤である安全を堅持しつつ、「世界中のグループ社員がいきいきと挑戦を続け、お客様や社会に寄り添いながら新たな価値を提供し、世界を期待や喜びで満たしたい」という想いを込め、グループ経営ビジョンを「ワクワクで満たされる世界を」と定めています。人とモノのつながりを拡大し、「早く、快適で、楽しい」価値を生み出し続け、ステークホルダーに信頼される企業を目指します。 ② ANAグループが社会へ提供する価値「人とモノのつながりの拡大」と「ANAグループのファン層の拡大」により、3つの社会的インパクト、「交流・物流による経済活性化と社会の絆の強化」、「安全安心で快適な移動による心の豊かさ向上」、「早い移動による時間価値の創出」を生み出します。 ③ マテリアリティへの対応を通じた企業価値向上「人とモノのつながりの拡大(量的拡大)」と「ANAグループのファン層の拡大(質的深化)」に繋げる価値創造の羅針盤として、8つのマテリアリティを新たに策定しております。それぞれの重要課題の解決を通じた社会的価値と経済的価値の同時創造の実現により、企業価値向上を目指します。 ・価値創造プロセス ・8つのマテリアリティ (2) 経営環境① 「2023-2025年度 ANAグループ中期経営戦略」の振り返り2023~2025年度は、国際線旅客事業が好調に推移したことなどを背景に、航空事業を中心に計画を上回る利益を蓄積した結果、最優先課題としていた財務基盤の回復は着実に進捗しました。また、事業環境に柔軟に対応するとともに、グループ全体での利益最大化に向けて、NCAのグループ化やAirJapanブランド便の運航休止を決定するなど、エアラインポートフォリオを変革しました。さらに2023年度の復配以降、安定継続配当を実施しながら、大規模な自己株式取得も開始しました。 ② 今後の経済見通し2026年度の日本経済は、原油価格上昇に伴う交易条件の悪化などから成長ペースは減速するものの、雇用・所得環境の改善や、政府による各種施策、緩和的な金融環境などが経済の下支えとなり、緩やかな成長が続くことが期待されています。一方で、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れなどを通じて個人消費に及ぼす影響や、ウクライナや中東地域情勢など、国際情勢の不透明さは、景気の下振れリスクとして想定されます。中東情勢の影響については、2026年度第1四半期末までに収束し、段階的に正常化に向かう想定で計画に反映しておりますが、今後の情勢を注視しながら機動的なリスクマネジメント体制を備えて対応してまいります。 ③ 経営環境の認識当社グループを取り巻く外部環境は不透明ではあるものの、訪日外国人旅行者数は2025年は4,200万人を超過し、政府が掲げる2030年の目標である6,000万人に向けてさらなる増加が見込まれていることに加え、世界の航空需要も引き続き拡大基調にあると予想されています。こうした需要の伸びを見据え、成田空港においては2029年以降、発着枠を約1.5倍規模に拡大する機能強化が計画されるなど、事業機会の拡大が期待されます。一方で、国内総人口の減少が進行しており、AIをはじめとする新技術の活用等、イノベーションによる生産性向上が喫緊の課題となっています。 (3) 対処すべき課題① 重要テーマと基本戦略2023~2025年度中期経営戦略の期間で顕在化した3つの課題である、資産効率の向上、利益変動リスクの低減、株主価値の向上を重点テーマとし、①成長投資の加速、②利益成長の加速、③株主価値の向上の3つの変革を実行します。 ② 3つの変革を裏付ける定量的変化人財・DX・航空機を中心として5年間で2.7兆円規模の大規模な成長投資を実施します。成長領域である国際線旅客・国際線貨物事業の利益成長を加速し、2030年度に営業利益3,100億円、営業利益率10%の水準を目標とします。収益性向上と、株式数削減による資本コントロールを掛け合わせることで、安定的にROE12%以上、EPS CAGR約10%を実現することで、株価上昇や株主価値向上に繋げます。 ③ 2030年度に目指す事業ポートフォリオ成長領域の「国際線旅客事業」と「貨物事業」に経営資源を優先配分します。多額の資産を投下しながら収益性が低迷している「国内線旅客事業」を安定収益基盤へ復元、また「LCC事業(Peach)」は近距離アジア市場で基盤固めを行います。グループエアラインネットワークと各事業リソースの最適化により、世界のトップエアライングループとの競争に勝ち抜くことを目指します。 ④ 新たな戦略の位置付け2025年度までの足元固めのステージから、2026年度以降は先行投資を加速することに加え、主に財務健全性の維持向上と資本効率向上による「質の変革」を進めることで、更なる増益を目指します。その後、生産量を増加させ「量×質」の相乗効果で、飛躍的な利益成長のステージに移行していくことを目指します。 ⑤ 価値創造目標とキャッシュアロケーション前中期経営戦略はコロナ禍からの回復を果たし、成長回帰への「足元固め」の期間でした。2026年度は、足元の中東情勢の影響により増収減益を見込みますが、本戦略期間最終年度となる2028年度には過去最高となる営業利益2,500億円、営業利益率9%の達成を目指します。人財・DX・航空機を中心に今後5年間で過去最大規模の2.7兆円の投資を計画し、2030年度には営業利益3,100億円、営業利益率10%の実現へと繋げます。 ⑥ 事業戦略1)国際線旅客事業・事業規模(座席キロ)を1.3倍へ拡大、中期的なネットワークと成田を中心としたダイヤ構造の競争力を強化します。・2028年度までは羽田便を優先的に拡充し、成田空港拡張後の2029年度以降は北米線・アジア線を増強し、事業規模1.7倍(成田便)を目指します。・2026年8月に受領予定の国際線主力機であるボーイング787-9型機の全クラスに新シートを装備し、快適性の向上につなげます。 2)貨物事業・ANAとNCAで「統合・シナジー効果300億円」を創出、アジアを代表するコンビネーションキャリアを目指します。・欧米路線を増強し、アジア=欧米間を中心に成長する貨物需要を取り込みます。 ・グループ内貨物事業会社の再編、統合を2027年4月に予定し、構造改革を推進します。 3)国内線旅客事業・2028年度以降に導入するエンブラエルE190-E2型機等の新機材により各路線の需給適合を一層進めることや、訪日客の需要の取り込みを強化する等、対応策を講じることで収益性を改善します。・また、空港ハンドリング領域では日本航空㈱との協業も進めて効率化を図ります。・国土交通省「国内航空のあり方に関する有識者会議」の議論状況については引き続き注視します。 4)LCC事業(Peach)・国際線の運航比率を拡大し、関西空港を中心に旺盛な訪日客やレジャー層を取り込みます。・ANAの未就航路線も開拓し、グループ全体のネットワークを拡充します。・オペレーションとサービス品質の向上により、選好率・イールドを引き上げます。 5)フリート戦略・グループ全体の保有機数はコロナ禍前の303機を超える約330機体制に拡大します。・新機種を順次導入し、路線ごとの最適な機材配置を目指します。 ・加えて、省燃費機材の比率を高め、環境負荷低減と収益性向上の両面を実現します。 ⑦ 「デジタル×人の力」で価値創出を最大化過去最大規模のDX投資を通じてデジタル活用を推進し、業務効率化によって新たな余力を創出します。この生まれた余力を当社の強みである「人の力」へと再配分し、デジタルと人の力を掛け合わせることで人にしか生み出せない付加価値を創出します。これにより他社との圧倒的な差別化を図り、企業価値の最大化を実現します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況当期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費の持ち直しが見られる等、景気は緩やかに回復しています。一方で、今後の中東情勢や米国の通商政策等の影響には留意が必要な状況です。航空業界を取り巻く環境は、中東情勢やウクライナ等の地政学リスクが懸念されるものの、旅客需要は増加しています。このような社会・経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高となりました。 財政状態では、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が増加しています。 また、現金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆2,569億円となりました。 以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。 1)財政状態 当期末の資産合計は、前期末に比べ3,348億円増加し、3兆9,551億円となりました。 当期末の負債合計は、前期末に比べ277億円減少し、2兆4,524億円となりました。 当期末の純資産合計は、前期末に比べ3,625億円増加し、1兆5,026億円となりました。 2)経営成績 当期における売上高は2兆5,392億円(前期比12.3%増)、営業費用は2兆3,217億円(前期比12.4%増)となり、営業利益は2,174億円(前期 営業利益1,966億円)、経常利益は2,196億円(前期 経常利益2,000億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,690億円(前期 親会社株主に帰属する当期純利益1,530億円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フローは4,434億円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは4,152億円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは1,593億円の支出となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて1,263億円減少し、7,363億円となりました。 ③生産及び販売の実績1)セグメント別売上高 最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)セグメントの名称金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)航空事業 国際線 旅客収入805,53030.4878,97729.9貨物収入187,3327.1184,1256.3郵便収入4,9110.24,3530.1 小計997,77337.71,067,45536.3国内線 旅客収入703,99126.6738,01325.0貨物収入23,0320.922,8340.8郵便収入2,6450.12,4320.1 小計729,66827.6763,27925.9その他の収入180,3076.8189,5666.4ANAブランド収入合計1,907,74872.12,020,30068.6NCA収入 貨物収入--108,9633.7その他の収入--26,7010.9 小計--135,6644.6Peach収入139,3215.3143,3204.9AirJapan収入11,7100.413,9350.5 航空事業小計2,058,77977.82,313,21978.6航空関連事業 航空関連収入337,27012.8361,61912.3 航空関連事業小計337,27012.8361,61912.3旅行事業 パッケージ商品収入(国内)37,6961.433,1801.1パッケージ商品収入(国際)5,3120.26,2010.2その他の収入30,5631.225,9510.9 旅行事業小計73,5712.865,3322.2商社事業 商社収入129,9994.9154,2495.2 商社事業小計129,9994.9154,2495.2 報告セグメント計2,599,61998.32,894,41998.3その他 その他の収入45,5171.749,7281.7 その他小計45,5171.749,7281.7売上高合計2,645,136100.02,944,147100.0セグメント間取引△383,280-△404,914-売上高(連結)2,261,856-2,539,233-(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含みます。3.NCAは2025年7月1日以降の実績となります。2)セグメント別取扱実績(a) 航空事業(ア) ANAブランド輸送実績 最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。 項目 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)国際線 旅客数(人)8,072,7159,023,150座席キロ(千席キロ)57,746,18261,835,497旅客キロ(千人キロ)45,738,33951,307,355利用率(%)79.283.0有効貨物トンキロ(千トンキロ)6,498,9496,604,673貨物輸送重量(トン)704,230726,637貨物トンキロ(千トンキロ)3,611,7093,741,920郵便輸送重量(トン)11,4149,946郵便トンキロ(千トンキロ)67,44254,260貨物重量利用率(%)56.657.5国内線 旅客数(人)44,054,50845,635,143座席キロ(千席キロ)47,037,02546,469,213旅客キロ(千人キロ)35,274,41536,780,474利用率(%)75.079.2有効貨物トンキロ(千トンキロ)1,539,9701,455,652貨物輸送重量(トン)276,920270,089貨物トンキロ(千トンキロ)266,591262,564郵便輸送重量(トン)22,16217,224郵便トンキロ(千トンキロ)19,20014,210貨物重量利用率(%)18.619.0 (イ) ANAブランド運航実績 最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。 項目 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)国際線国内線国際線国内線運航回数(回)51,312371,92753,625371,573飛行距離(km)270,564,625263,231,467288,802,915263,557,920飛行時間(時間)366,318555,731392,242555,322 (注) 1.国際線、国内線ともに不定期便実績を除きます。2.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績並びにオリエンタルエアブリッジ㈱、天草エアライン㈱及び日本エアコミューター㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。3.国際線貨物、国内線貨物ともに2025年7月1日より不定期便実績を含みます。2025年6月30日までは不定期便実績を除きます。4.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。5.国内線貨物及び郵便実績には、Peach Aviation㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。6.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。7.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。8.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便のほか、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。9.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。10.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。 (ウ) NCA輸送実績 最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。項目 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)有効貨物トンキロ(千トンキロ)-2,998,285貨物輸送重量(トン)-313,082貨物トンキロ(千トンキロ)-1,919,074貨物重量利用率(%)-64.0(注) 1.NCAは2025年7月1日以降の実績となります。2.NCA輸送実績には、不定期便実績、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。3.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。4.貨物トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。5.貨物重量利用率は、貨物トンキロを有効貨物トンキロで除した数値です。 (エ) Peach・AirJapan輸送実績 最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。 項目 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)Peach 旅客数(人)9,100,5539,456,675 座席キロ(千席キロ)12,710,06413,377,210 旅客キロ(千人キロ)10,733,18211,278,281 利用率(%)84.484.3AirJapan 旅客数(人)428,347499,915 座席キロ(千席キロ)2,194,8952,422,634 旅客キロ(千人キロ)1,522,0881,758,015 利用率(%)69.372.6(注)1.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。2.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。 (b) 航空関連事業航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。 (c) 旅行事業旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。 (d) 商社事業商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。 (e) その他その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ①財政状態 <資産の部> 流動資産は、現金及び預金等が増加したことから、前期末に比べて1,967億円増加し、1兆8,905億円となりました。 固定資産は、NCAのグループ化に伴う航空機の増加等により、前期末に比べ1,371億円増加し、2兆633億円となりました。 以上により、当期末における総資産は前期末に比べて3,348億円増加し、3兆9,551億円となりました。 <負債の部> 負債の部は、劣後特約付シンジケートローンの返済による借入金の減少等により、前期末に比べて277億円減少し、2兆4,524億円となりました。なお、有利子負債(無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含む)は、前期末に比べて1,773億円減少し、1兆1,717億円となりました。 <純資産の部> 株主資本は、配当金の支払いがあった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、成長投資資金の確保や資本構成の最適化を目的とした第1回社債型種類株式を発行したこと等により、前期末に比べて2,874億円増加し、1兆3,587億円となりました。 その他の包括利益累計額は繰延ヘッジ損益の増加等により、前期末に比べて742億円増加し、1,332億円となりました。 これらの結果、純資産合計は前期末に比べて3,625億円増加し、1兆5,026億円となりました。 なお、自己資本比率は37.7%(前期末31.2%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは0.8倍(前期末1.2倍)となりました。 ②経営成績 航空業界を取り巻く環境は、中東情勢やウクライナ等の地政学リスクが懸念されるものの、旅客需要は増加しています。 このような社会・経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから、売上高は2兆5,392億円(前期比12.3%増)となりました。営業利益は2,174億円(前期比10.6%増)となり、経常利益は2,196億円(同9.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,690億円(同10.5%増)となりました。 8月にNCAの全株式を取得しました。ANAグループの貨物便と旅客便の広範なネットワークを併せ持ったコンビネーションキャリアに、NCAが強みとする日本と欧米を結ぶ大型貨物専用機によるネットワークとノウハウが融合したことで更なる収益の拡大を目指してまいります。 また、従業員の健康をサポートする取り組み等が評価され、4年連続で「健康経営銘柄」に選定されたほか、国際的な環境評価を手掛ける非営利団体であるCDPより、最高評価の「Aリスト企業」に4年連続で選定されました。今後も人的資本経営を強化しつつ、事業を通じて環境問題等の社会課題解決に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 以下、当期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。(なお、各事業における売上高はセグメント間内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。) ◎航空事業 旺盛な訪日需要とレジャー需要に支えられ、国際線旅客・国内線旅客ともに堅調に推移したことや、当期において連結子会社となったNCAの収入が加わったこと等により、売上高は前期を上回り2兆3,132億円(前期比12.4%増)となりました。費用面では燃油費や人件費等が増加したものの、営業利益は2,219億円(前期比11.5%増)となり、前期と比べて増益となりました。 なお、当社グループは英国SKYTRAX社から顧客満足度で最高評価となる「5スター」に13年連続で認定されました。また、米国の非営利団体APEXから高品質なサービスの提供が評価され、最高評価となる「WORLD CLASS」を2年連続で受賞したほか、英国のFlightGlobal社からは優れた経営戦略と顧客体験価値の向上が評価され「Executive Leadership: Asia-Pacific Award」を初受賞しました。 <国際線旅客(ANAブランド)> 国際線旅客では、訪日需要や日本発のレジャー需要を積極的に取り込んだこと等により、旅客数、収入ともに前期を上回りました。とりわけ2024年度下期から欧州3路線を新規就航したこと等により、欧州路線が好調に推移しました。 路線ネットワークでは、10月から成田=香港線、12月から羽田=香港線、成田=パース線、成田=ムンバイ線、本年3月から成田=ブリュッセル線を増便しました。 営業・サービス面では、効率的な路線計画や乗り継ぎの利便性向上等を目的に、シンガポール航空とジョイントベンチャー(共同事業)契約を締結し、5月から共同運賃の発売を開始しました。また、8月から機内高速インターネットの無料化を一部機材で開始したほか、12月から人気動画配信サービスを導入する等、お客様の快適性向上を図りました。 以上の結果、当期の国際線旅客数は902万人(前期比11.8%増)となり、収入は8,789億円(同9.1%増)となりました。 本年3月に国際線定期便の就航40周年を迎えました。長年にわたるお客様からのご愛顧に感謝するとともに、今後も安全運航を堅持し、高品質なサービスの提供に努めてまいります。 <国内線旅客(ANAブランド)> 国内線旅客では、「ANA SUPER VALUEセール」を継続的に実施し、レジャー需要の喚起と早期取り込みに努めたこと等により、旅客数、収入ともに前期を上回りました。 路線ネットワークでは、10月から羽田=新千歳線や羽田=福岡線等を増便したことに加え、高需要期を中心に臨時便を設定した一方で、機材の小型化等を実施し、需給適合を推進しました。 営業・サービス面では、機内Wi-Fiにおいて、6月から動画視聴可能な高速インターネット環境を整え、サービスの拡充に努めたほか、12月から地域創生を訴求する特別デザイン機「ANAふるさとJET」の運航を開始しました。「ふるさとをつなぐ」をコンセプトに自治体との連携を強化し、地方への人流拡大を目指した取り組み等を推進してまいります。 以上の結果、当期の国内線旅客数は4,563万人(前期比3.6%増)となり、収入は7,380億円(同4.8%増)となりました。 <貨物(ANAブランド)> 国際線貨物では、アジア発北米向け貨物の取り込みを強化したこと等から、輸送重量は前期を上回りましたが、自動車関連やEコマースの需要が減退したこと等により、収入は前期を下回りました。 路線ネットワークでは、需要動向を見極め、貨物専用機の運航路線や供給量を柔軟に調整したほか、北米路線では他社によるエアラインチャーター便の運航を継続し、収益性の確保に努めました。 以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は726千トン(前期比3.2%増)となり、収入は1,841億円(同1.7%減)となりました。 <NCA> NCAでは、米国の関税政策による中国発北米向け三国間貨物の需要減退の影響を受けましたが、アジア発欧米向け貨物等の取り込みを強化しました。 路線ネットワークでは、9月から成田=フランクフルト線を開設したほか、10月から成田=香港線および成田=ロサンゼルス線等において機動的に臨時便を設定し、収益の最大化を図りました。また、10月から欧米路線でANAとのコードシェアを開始しました。 以上の結果、当期の貨物輸送重量は313千トンとなり、貨物収入は1,089億円となりました。 <Peach・AirJapan> Peachでは、訪日需要やレジャー需要が堅調に推移したこと等から旅客数、収入ともに前期を上回りました。 路線ネットワークでは、4月から関西=金浦線、中部=金浦線を新規開設し、8月から両路線ともに増便しまし た。関西=金浦線においては段階的に増便し、本年2月には1日4往復とする等、ネットワークの拡大に努めまし た。 営業・サービス面では、4月にウェブサイトをリニューアルし、予約完了までの手順を短縮しました。また、12 月から事前設定により自動でチェックインが完了する「オートチェックイン」機能を新たに導入し、お客様の利便 性向上を図りました。 以上の結果、当期のPeach旅客数は945万人(前期比3.9%増)となり、収入は1,433億円(同2.9%増)となりました。 AirJapanでは、訪日需要を着実に取り込んだことに加え、レジャー需要の喚起を目的にセールを積極的に展開し たこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。 路線ネットワークでは、11月から成田=シンガポール線を増便したほか、年末年始期間に成田=仁川線、本年1 月から成田=シンガポール線の期間増便を行いました。 以上の結果、当期のAirJapan旅客数は49万人(前期比16.7%増)となり、収入は139億円(同19.0%増)となりました。 本年3月をもって、AirJapanブランドを休止し、機材および人財をANAブランドの運航に集約することとしま した。今後は、ANAブランドとPeachブランドによるデュアルブランド戦略へと再構築し、グループ全体の収益 力・競争力の強化を図ってまいります。 <その他> 航空事業におけるその他の収入は1,895億円(前期比5.1%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。 ◎航空関連事業 外国航空会社からの機内食関連業務の受託が増加したほか、国際貨物の取扱高が拡大したこと等により、売上高は3,616億円(前期比7.2%増)となったものの、人件費等が増加したことから、営業利益は14億円(同63.9%減)となりました。 ◎旅行事業 海外旅行については、ハワイやヨーロッパ方面を中心に需要を取り込んだことにより、取扱高が増加しました。国内旅行については、「ANAトラベラーズホテル」等の素材販売は好調に推移したものの、主力のダイナミックパッケージ商品の集客が伸び悩んだこと等から、取扱高は減少しました。 以上の結果、当期の旅行事業における売上高は653億円(前期比11.2%減)、営業損失は1億円(前期 営業利益1億円)となりました。 また、新たなインフラサービスとなる「ANAガス」やモバイル通信サービス「ANAモバイル」を開始しました。日常生活の中でマイルを貯めやすくすることで、より利便性の高いマイルサービスの拡充に取り組みました。 ◎商社事業 大阪・関西万博の開催効果により、観光土産品卸売「FUJISEY」が好調に推移したほか、物流会社向けセキュリティ機器関連や半導体関連の電子事業の取扱高が増加したこと等により、売上高・営業利益ともに前期を上回りました。 以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,542億円(前期比18.7%増)、営業利益は75億円(同65.6%増)となりました。 ◎その他 建物・施設の保守管理事業や不動産関連事業において取扱高が増加したこと等から、売上高・営業利益ともに前期を上回りました。 以上の結果、当期のその他の売上高は497億円(前期比9.3%増)、営業利益は22億円(同97.7%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況<営業活動によるキャッシュ・フロー> 当期の税金等調整前当期純利益2,235億円に、減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは4,434億円の収入となりました。 <投資活動によるキャッシュ・フロー> 有価証券の取得や設備投資による支出があったこと等から、投資活動によるキャッシュ・フローは4,152億円の支出となりました。 以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは282億円の収入となりました。 <財務活動によるキャッシュ・フロー> 配当金の支払いや社債の償還、借入金の返済による支出があったこと等から、財務活動によるキャッシュ・フローは1,593億円の支出となりました。 ④資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または金融機関からの借入、及び社債発行等により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。 当期においては、設備投資資金等の手当てのため民間金融機関から1,854億円の借り入れを実施しました。 当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1兆1,717億円となっています。また、現金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆2,569億円となりました。 なお、2026年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,000億円のコミットメントライン契約を締結しています。 ⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 指標2023年度2024年度2025年度売上高 (百万円)2,055,9282,261,8562,539,233営業利益 (百万円)207,911196,639217,437売上高営業利益率 (%)10.18.78.6自己資本利益率(ROE)(%)16.514.112.9総資本利益率(ROA)(%)6.15.66.0自己資本比率 (%)29.331.237.7 ※普通株式に係る自己資本利益率 2026年3月期 13.8% (「親会社株主に帰属する当期純利益」から当社普通株主に帰属しない金額を控除した金額を、「親会社株主 に帰属する純資産」から当社普通株主に帰属しない金額を控除した金額の平均で除して算定。) 当社グループは、「2026~2028年度 ANAグループ中期経営戦略」(2026年1月30日開示)のもと、成長投資を一段と加速させ、今後も世界的に需要の伸びが見込まれる国際線旅客事業・貨物事業に経営資源を優先配分することで、2029年度以降の飛躍的な成長ステージへと移行させてまいります。 ⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
事業リスク
- 政治社会情勢の変化ウクライナや中東情勢、米中対立など国際情勢の不透明感が増しており、これが国際線事業の需要低迷や観光客の減少に直結するリスクがあります。また、紛争地域上空の飛行回避による運航ルート変更は、燃料費の増加や運航時間の延長を招き、収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 経済状況の変動原油価格の高騰や物価上昇の継続は、消費者の購買意欲を低下させ、個人消費や旅行需要に悪影響を与える可能性があります。また、世界経済の成長鈍化は、ビジネス渡航需要や貨物輸送需要の減少につながり、航空事業全体の収益を圧迫するリスクがあります。
- 自然災害・感染症の発生地震、台風などの自然災害や、新型コロナウイルスのような新たな感染症の発生は、航空機の運航停止や旅行需要の急減を引き起こす可能性があります。これにより、一時的に大規模な減収や運航コストの増加が発生し、経営成績に深刻な影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループは、リスクマネジメントの国際規格であるISO31000及びCOSO-ERMを参照し、リスクマネジメントにかかる枠組みを構築しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。 1.リスクマネジメント方針 当社グループは、リスクマネジメントを損失の回避・低減にとどまるものではなく、経営方針、経営戦略及び経営計画と一体となって、事業継続性の確保と企業価値の維持向上を図るための経営基盤として位置付けており、取締役会で決定されたトータルリスクマネジメント方針(TRM方針)の下、トータルリスクマネジメント規程に則って、全社的リスクマネジメントを推進しています。<TRM方針>1) 目的ANAグループは、従業員の自己実現、家族も含めたウェルビーイングを追求するとともに、お客様や株主・投資家等のステークホルダーの期待に応えていくことで、企業価値の維持向上を図る。その実現を目指す上で、経営目標の達成に不確実性を及ぼす全ての要素をグループ経営全体の視点から統合的・包括的・戦略的に把握・評価し、主要なリスクの適切な管理を行う。2) TRMを推進するための私たちの行動(1) 安全は他の全てに優先する。(2) 社会的責任を果たす上でのコンプライアンス遵守を徹底する。(3) 多様かつグローバルな視点でリスクの脅威と機会の双方を捉え、経営戦略と一体となったリスクマネジメントを推進する。(4) リスク・要因・対策等の可視化を通じた未然防止、再発防止及び変更管理を確実に行う。(5) 疑問や気づきをアサーションし、バッドニュース・ファーストで情報を共有する。(6) 過去や他社から学び、複数のリスクシナリオに基づき、変化するリスクへのレジリエンスを高める。 2.リスクマネジメント体制 当社グループは、取締役会の監督の下、経営戦略会議、リスクオーナー、リスク主管部署、ANAホールディングス㈱の組織及びグループ会社が密接に連携し、戦略リスク及び事業リスクを統合的に管理するトータルリスクマネジメント体制を整備しています。 取締役会が、経営によるトータルリスクマネジメント(TRM)の執行を監督する役割・責任を担っており、TRM方針の策定、最重要リスクの選定、リスクオーナー(原則ANAホールディングス㈱の執行役員)及びリスク主管部署の任命、トータルリスクマネジメントの有効性の評価及び改善の指示を行います。 リスクの分析・評価においては、リスク主管部署が重要な役割を担っています。リスク主管部署は、担当するリスクについて、ANAホールディングス㈱の各組織及び各グループ会社の状況も含めて管理(リスクの分析・評価、対応策の構築、管理指標の設定、モニタリング等)を行い、最重要リスクの状況はリスクオーナーに、一般リスクの状況はリスクオーナー会議に報告します。リスクオーナー会議では各リスクの状況が報告されるとともに、他のリスクとの相互影響等についても確認・議論を行います。リスクオーナー会議での議論の内容や検討結果は、ANAホールディングス㈱のリスク担当役員が取りまとめの上で経営戦略会議、取締役会に報告されます。なお、これらの報告及び議論の結果は、主要リスクに対する対応方針の見直しに加え、経営資源の配分、重要施策の優先順位付け及び事業運営上の意思決定に活用しています。3.リスクマネジメントプロセス 当社グループは、その経営理念・方針を踏まえて策定したTRM方針及びTRM推進計画に基づいてリスクマネジメントを行っています。当社グループのリスクは、後述の通り、戦略リスクと事業リスクに大別され、リスクマネジメントのプロセスも各リスクによって以下の通り異なります。 戦略リスクのマネジメントプロセスについては、取締役会及び経営戦略会議が、中期及び年度経営計画の策定時に、事業環境等を踏まえた戦略リスクの特定、リスクシナリオを踏まえた影響分析を行うとともに、対応策を検討し、KPI(Key Performance Indicators)とKRI(Key Risk Indicators)の整合性を確保した上でモニタリングを行います。 事業リスクのマネジメントプロセスについては、当社グループの主要なリスクを網羅して一覧化したリスクカタログ上の各事業リスクについて、担当のリスク主管部署が定期的にグループ会社の状況も含めて、管理対象リスク項目の特定(洗い替え)、その経営計画・目標への影響度、発生可能性及び既存の対応策に基づいたリスク分析・評価を行うとともに、リスクの発生メカニズム(リスクシナリオ)を踏まえた対応策を講じ、当社グループとしてのリスク許容限界に基づくKRIを管理指標として設定した上でモニタリングを行います。 事業リスクの各リスクの評価は、影響度、発生可能性に基づいて、まず固有リスクの評価を行い、その後リスク対応策を加味して残存リスクの評価を行います。各リスクの評価は定量評価で数値化されるため、異なる性質のリスクを一定の基準に基づいて優先順位付けすることが可能となります。ただし、定量評価では捉え切れない要因もあると考えられるため、定量評価に加えて、定性的な要因による調整を必要に応じて行います。 このように戦略リスク及び事業リスクのマネジメントプロセスを回す中で、リスクカタログ、リスクマネジメントにおける枠組みや手法、リスクマネジメントのプロセス自体の見直しも行い、当社グループのリスクマネジメントの成熟度の向上を図っています。 4.ANAグループのリスク 当社グループが当期末時点で投資家の判断に重要な影響を及ぼし得ると考えるリスクは以下の通りです。なお、以下の内容には将来に関する予測も含まれており、現実と合致しない可能性があるほか、記載されていない他のリスクが当社グループに影響を及ぼす可能性もあります。 当社グループは、経営目標に影響を及ぼす主要なリスクを網羅的に特定し、リスクカタログとして一覧化しています。リスクはその特性から戦略リスクと事業リスクに大別されます。戦略リスクは経営戦略等の経営上の重要な意思決定に伴うリスクで、取締役会及び経営戦略会議において経営計画の策定時に選定されます。事業リスクは日常業務の遂行や事業基盤の維持等に伴うリスクで、経営陣のリスク見解も踏まえ、当該リスクの影響度や発生可能性に基づき、リスク対応策も加味して、定期的に評価を行います。評価の結果、リスクが大きく、経営が重点的に監督・モニタリングすべきものを、戦略リスクとともに最重要リスクとして取締役会で選定します。最重要リスク以外のリスクは一般リスクとしてANAホールディングス㈱及び各グループ会社がリスク主管部署の下で管理を行います。 5.最重要リスク (1)戦略リスク 政治社会情勢の変化<要旨> 当社グループは、更なる成長機会を求めて国際線事業を拡大してきましたが、ウクライナや中東地域情勢、米中対立、第三極勢力の台頭など、国際情勢は不透明さを増しており、将来に向けて不確実性が存在します。 国際航空輸送は、これまで経済活動のグローバル化を背景に拡大してきましたが、その流れが停滞・逆行、あるいは戦争・紛争等によって平和な環境が毀損された場合には、業務渡航需要の低迷や観光旅行需要の減少等を通じて、当社グループの収入に影響を及ぼす可能性があります。 なお、国際情勢の不安定化は、国際線事業のみならず、インバウンド(訪日外国人観光客)需要の減少等を通じて国内線事業にも影響を及ぼし得るほか、航空輸送コストの増加や航空機が戦争・紛争地域上空の飛行を取り止めて迂回せざるを得ないケース等、その影響が広範に及ぶ可能性があります。<変化・展望> 国際情勢及び経済活動グローバル化の行方については不確実性が増しており、リスクとして管理・対処する必要性が高まっていると考えています。<対応> 当社グループは、国際線事業の展開に際し、航空ネットワーク構築等において、短期的な収益性のみで判断せず、国際情勢リスクにも配慮した展開を進めており、今後も当対応を継続します。また、海外における顧客獲得に際しても、特定国・地域に過度に偏ることがないよう、バランスを考慮して展開しています。 国際情勢については当社グループの各拠点において情報収集に努めており、国際情勢の悪化等によって緊急対応の必要が生じた場合には、航空便の運航計画や運航ルートを柔軟かつ迅速に変更させることで、その影響低減を図っています。 (2)事業リスク ①航空安全:航空法上の事故/重大インシデントに至る可能性が高い事象の発生固有リスク残存リスク影響度:中発生可能性:中固有リスク評価:中残存リスク評価:小 <要旨> 当社グループは、安全は経営の基盤であり、社会への責務であると位置付けています。安全が毀損・阻害されるような事象が発生した場合には、当社グループに大きな影響を与えます。特に、人的損害が生じた場合には、当社グループへの社会的な信用・信頼を根本から揺るがす可能性があります。 航空事故等によって、人的・物的損害が発生した場合には、その損害賠償責任が生ずる可能性がありますが、安全が毀損・阻害された場合の影響はそれに留まらず、顧客が航空機利用を手控えることで当社グループの収入が減少する、あるいは航空機利用に際して当社グループ以外の便を選択するといった形で、その影響は広範かつ長期に及ぶ可能性があります。 なお、安全の確保に向けて、航空機に製造上の不具合等が発生・発覚した場合には、予防的に当該航空機の運航を中止することがありますが、その場合には、航空機不足に起因して欠航や減便等が発生し、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。<変化・展望> 当リスクは、引き続き、当社グループにとって最も重要なリスクであると考えています。<対応> 当社グループは、安全の推進や安全の品質監査を行う専門組織を設置すると共に、安全を堅持するための持続的な「仕組み」を構築し、再発防止型・未然防止型・未来予測型の安全リスクマネジメント、良好事例や当社グループ外事例の活用、SPI(Safety Performance Indicator)による安全の「見える化」と対策の検討・実施など、更なる安全性の向上を追求しています。 同時に、運航乗務員や客室乗務員をはじめ、航空機運航に直接従事する社員に対して初期及び定期的な教育・訓練の実施や、当社グループ社員全員を対象とした安全に関する恒常的な啓発活動も行い、研修施設である「ANAグループ安全教育センター」の活用等を通じて積極的な安全・保安文化の醸成・強化に努めています。また、航空機メーカー等との間でも密接な情報交換や意見交換を行いながら、安全性をはじめとする高品質なオペレーションの実現に取り組んでいます。 ②環境固有リスク残存リスク影響度:大発生可能性:中固有リスク評価:中残存リスク評価:中 <要旨> 航空業界は脱炭素化が困難な「hard to abate」な産業ですが、航空機の運航で発生するCO2の削減は当社グループがマテリアリティとして掲げる重要な責務です。現在、中核となるSAFは依然として高価格かつ供給不足の状態にあり、解消の目処は立っていません。 SAFが今後安定確保できない場合や高額に留まる場合、排出権購入の増加による費用増が生じるほか、コストの運賃転嫁によって鉄道などの他の交通手段に対する競争力が低下するリスクがあります。また、気候変動対策の遅れによる投資家や顧客からの評価低下、炭素税などの環境規制強化によるコスト増大のリスクにも注視しています。<変化・展望> 脱炭素化への対応が国際的に喫緊の課題である中、外部環境の変化や規制の複雑化に対し、より高度で迅速な対応が求められています。当社グループは、市況変動への耐性を高めつつ、環境対策を成長の礎と捉え、当社グループの持続的成長を前向きに追求します。今般、当社グループの「2026-2028年度中期経営戦略」の策定に合わせ、2030年度までにCO2排出量を2019年度比で実質10%以上削減するという中期目標、及び2050年度ネットゼロへ向けたトランジション・シナリオを更新しました。今後も外部環境の変化に応じてリソース配分を機動的に最適化する「ローリング型」の価値創造ロードマップに則り、柔軟かつ着実に戦略を進めていきます。 <対応> 目標達成に向け、経済合理性との両立を追求しながら4つの戦略的アプローチを組み合わせて脱炭素化に取り組んでいきます。現状のSAFに関する課題を踏まえ、まずは「運航上の改善・航空機等の技術革新」による直接的なCO2削減を引き続き最優先で推進します。並行して、「SAFの安定供給に向けた官民連携やサプライチェーン構築」「排出権取引制度の適切な活用」「ネガティブエミッション技術の活用」を多角的に進めます。更に、国内外における規制や関連する枠組みづくりへの積極的な提言や、政府支援の獲得、環境コストを適切に運賃等へ反映する仕組みの構築等、ステークホルダーと連携した主体的なリスク管理を強化していきます。なお、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に沿った情報については、当社グループホームページ(https://www.ana.co.jp/group/csr/environment/goal/)にて開示しています。 ③治安・犯罪:戦争・紛争・テロ・大規模暴動による人的・財産的・機能的被害固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:低固有リスク評価:中残存リスク評価:小 <要旨> 当社グループは、更なる成長機会を求めて国際線事業を拡大してきており、海外主要都市に定期便を運航しているほか、各就航地を中心に事業所を設け駐在員や現地雇用社員を配置しています。 国際情勢の悪化により、現地に滞在する社員や運航・客室乗務員及び出張者等が一般犯罪のみならず戦争・紛争・内乱・テロ・大規模暴動に巻き込まれるリスクは相対的に高まっており、経済安全保障面におけるサプライチェーンの影響等も含め会社の人的・財産的・機能的被害が生じる可能性があります。<変化・展望> 国際情勢は絶えず変化しており、政治的・経済的不確実性が増しているなか、リスクとして管理・対処する必要性が一層高まっていると考えています。<対応> 当社グループは、平時からの対応として社内連絡体制やマニュアル類の整備、各種訓練やセミナーの実施を行っているほか、リスク事象発生時には速やかな情報収集・共有や安否確認、注意喚起を行うなど、被害の回避や低減に向けた対策を講じています。 ④感染症パンデミック固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:低固有リスク評価:中残存リスク評価:中 <要旨> 当社グループは、新型コロナウイルス感染症によって甚大な影響を受けましたが、将来、大規模な感染症が再び発生した場合には、人的移動の制限・禁止等による需要の激減や更なる感染拡大による役職員の欠勤により、旅客及び貨物の運送を適切に実施することができない等、当社グループに再度大きな影響を及ぼす可能性があります。<変化・展望> 一般的に気候変動(地球温暖化)は感染症リスクを高めると言われており、当リスクへの対処は重要性が高まっていると考えています。<対応> 当社グループは、航空事業を継続できるように、平時から役職員向けのマスク等の備蓄や旅客機に加えて貨物専用機も保有することで、人的移動が減少した状況下でも物的移動に対しては積極的に対応できる体制を構築すると共に、人的移動についても限定された航空需要に対して、最も適切に対応できるようにしています。 ⑤システム障害固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:高固有リスク評価:非常に大残存リスク評価:中 <要旨> 当社グループは、航空輸送サービスを、より高品質で、より効率的に提供すべく、事業運営のシステム化を積極的に推進しており、これらのシステムに障害が発生した場合には、その理由が社内要因(自社要因)、あるいはサイバー攻撃等の社外要因であるかの如何を問わず、事業に与える影響が高まっています。航空機運航関連システムに障害が発生した場合には、航空機の運航が困難になる可能性があるほか、予約・決済・搭乗管理といった関連システムで障害が発生した場合にも、予約の受付や決済、空港における搭乗管理などが不可能となり、実質的に航空輸送サービスを提供することが困難となる可能性があります。<変化・展望> システムのクラウド化の進展、事業関連のサプライチェーンの接続や連関性増加、あるいは地政学的視点、更には攻撃側のAI活用などサイバー攻撃が増加・巧妙化していることを踏まえれば、システム障害・サイバー攻撃に関するリスクは高まっていると考えています。また、当リスクを予防・低減させることに関する社会的要請も高まっていると考えています。<対応> 当社グループではシステム障害に迅速に対応するために、24時間365日監視を行っております。 また、2024年から発足した当社グループCSIRT(Computer Security Incident Response Team)の構築により、システム障害かサイバーセキュリティ攻撃か不明である時点から対応することを通じて、包括的・多面的なシステム運用体制を構築するとともに、サイバー事案や海外ステークホルダーに対しても非常に速い対応が可能となりました。また、システム全体のアーキテクチャを監督する機能の設置や社員教育の強化やシステム障害発生対応訓練の実施など、ソフト面での対応強化も行っています。 ⑥情報セキュリティ固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:非常に高固有リスク評価:非常に大残存リスク評価:中 <要旨> 当社グループは、顧客組織である「ANAマイレージクラブ」会員の個人情報をはじめ、多くの情報を保持していますが、これらの情報が不正に流出した場合には、損害賠償請求を受けたり、各国政府等から制裁金や課徴金の支払いを命じられたり、あるいは顧客や社会からの信用・信頼が失墜して競争力が低下したりする可能性があります。<変化・展望> 昨今、国内でもサイバー攻撃による情報漏洩事象が頻発しており、情報全般の取り扱いに関する社会的な意識・規範の高まりや、各国政府等によって定められる関連法規の強化などを踏まえれば、当リスクに適切に対処する必要性は一層高まっていると考えています。<対応> 各国法令等に沿って適切な情報管理を行うと共に、コンピュータウィルス対策やメールのセキュリティチェック、不正操作の監視、情報にアクセスできる社員の制限、認証強化、全社員を対象とした情報管理に関する教育・啓発活動等を行っています。また、グループ全体のシステムを対象に継続的な点検を行い、システムの老朽化、脆弱性を早期に検出して対応する等、サイバー攻撃や情報漏洩を未然に防ぐ対応を実施しています。 ⑦人権固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:低固有リスク評価:小残存リスク評価:小 <要旨>当社グループ内のみならず、委託先や取引先、調達先等を含めて、当社グループ事業に関わる事業領域全体で人権侵害にあたる行為が発生した場合には、当社グループが社会的非難を浴びたり、不買運動の対象となったりする可能性があります。また、海外の一部の国・地域ではサプライチェーン上の人権保護に関わる法制化も進んでいます。委託先等のグループ外も含めて人権侵害にあたる行為が発生した場合には、こうした国・地域等において、当社グループが罰則を課される可能性もあります。更に、業務委託先等を含むサプライヤーで問題が発生し、操業停止等に至った際には、当社グループの事業運営において制約や制限を課される可能性があります。<変化・展望>日本国内における労働力人口減少への対応、あるいは海外事業の拡大を進める中で当社グループの事業に関わる人的リソースは多様化しており、当リスクに対しては、より多面的に対処する必要性があると考えています。<対応>当社グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」において詳述されている手順に沿い、「ANAグループ人権方針」のもと、人権デューディリジェンスの仕組みを構築しています。サプライチェーン上の人権リスク評価を実施し、必要に応じて、社外関係先や労働者本人に対しても対話等を通じて直接確認・調査を行う等、当リスクの適切な管理に努めています。更に労働者が直接声を上げる仕組みも整備し、グリーバンスメカニズムによる人権尊重も推進しています。また、社内においても人権に関する社員教育や経営レベルの会議体における定期的なモニター等も実施しています。 ⑧自然災害固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:中固有リスク評価:大残存リスク評価:中 <要旨>航空輸送は、点と点を空路で結ぶという特性上、運輸・運送システムの中では相対的に自然災害への耐性が強く、一部空港が機能不全に陥った場合でも近隣空港を活用した代替輸送が可能といった利点がありますが、当社グループの事業基盤は首都圏に集中しているため、羽田空港や成田空港が自然災害によって大きな影響を受けた場合には、当社グループの事業運営に関して制約や障害が発生する可能性があります。<変化・展望>気候変動による風水害の激甚化・頻発化や、甚大な被害発生が想定される大規模災害の発生が懸念されており、当リスクへの対処は重要性が一層高まっていると考えています。<対応>首都直下地震をはじめ、大規模自然災害が発生した場合でも、早急に運航機能を回復させて公共交通機関としての使命を果たせるよう、オールハザード型の事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を策定し、事業継続マネジメント(Business Continuity Management:BCM)を推進しています。また、事業運営に不可欠な各種中核機能についてはバックアップ系統を整備し、衛星電話や備蓄品、従業員安否確認システム等を用意すると共に、関係者(空港会社等)とも連携しながら、定期的な防災訓練を実施する等の対応をしています。 ⑨人財管理:人員不足・スキル低下固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:低固有リスク評価:中残存リスク評価:小 <要旨>当社グループは、日本国内を最大の事業基盤としていますが、今後、日本の人口減少が進むにつれて、当社グループの事業運営に必要な労働力の確保という観点で影響を及ぼす可能性があり、その場合には、人件費単価が増加したり、労働力不足、並びに従業員のスキル・知識不足(乗員・整備・空港(総代理店・委託先含む))等に起因して、事業運営に制約が生じたりする可能性があります。<変化・展望>当リスクは、今後、顕在化する可能性があると考えています。<対応>経営戦略の立案等において、人口減少や労働市場等の各種社会的変化の想定を加味・反映させるとともに、労働力の確保、スキル維持向上に関しては、グループ全体での離職率や採用充足率の状況を確認し、適切かつ迅速な対応(エンゲージメント向上施策の実施、通年採用を含めた採用活動強化、空港間の相互応援等)に繋げていきます。 ⑩コンプライアンス 1)個人情報保護法固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:低固有リスク評価:小残存リスク評価:小 <要旨>当社グループは、顧客組織である「ANAマイレージクラブ」会員の情報など、多くの個人情報を保持していますが、これらの個人情報が必要な安全管理措置が講じられていなかったために流出した、必要な同意を取得せずに第三者に提供された等、違法に取り扱われた場合には、各国政府等から制裁金や課徴金の支払いを命じられたり、損害賠償請求を受けたり、あるいは顧客や社会からの信用・信頼が失墜して競争力が低下したりする可能性があります。<変化・展望>個人情報全般の取り扱いに関する社会的な意識・規範の高まりや、各国政府等によって定められる関連法規の強化などを踏まえれば、当リスクに適切に対処する必要性は一層高まっていると考えています。<対応>個人情報の取り扱いにおいては、当社グループにおける「プライバシーガバナンスの基本方針と行動原則」や、当社グループ各社の「プライバシーポリシー」に基づき、日本の個人情報保護法等の各国法令に準拠する形で、細心の注意を払い、保護・管理を徹底しております。また、顧客の個人データを利活用するにあたり、倫理的適切性の観点も踏まえ、プライバシー影響評価、社員への教育・啓発、点検・監査等を実施し、プライバシーを保護する体制や仕組みを継続的に強化しております。 2)競争法固有リスク残存リスク影響度:非常に大発生可能性:低固有リスク評価:小残存リスク評価:小 <要旨>当社グループでは、競合事業者と便、路線、運賃、料金、提供座席数などを調整した場合、各国の競争法に違反することが考えられます。これらに抵触した場合、巨額の制裁金(課徴金)が課されるだけでなく、当局による是正命令や事業認可の制限、更には大規模な利用者集団からの損害賠償請求やブランドイメージの著しい失墜などを招き、場合によっては経営基盤を揺るがす事態に発展することが考えられます。<変化・展望>航空輸送事業の運賃や料金の変動については各国規制当局に注目されています。特にデジタル化によるアルゴリズムを介した調整が「デジタル・カルテル」として注目される一方、脱炭素化(SAF導入等)に向けた企業間連携が、地球環境保護と競争維持の観点から新たな議論を呼んでいます。今後は、航空事業者間の提携が一層進み、従来以上に広範かつ複雑な事業運営が求められる見通しです。<対応>当社グループにおけるコンプライアンスの徹底においては、グループの競争法コンプライアンスマニュアルに沿って事業を運営しています。具体的には、同業他社との接触に関する承認ルールの運用や、役職員への競争法にかかわる教育を継続的に行っています。また、アライアンスや共同事業においては、事前に必要な独占禁止法適用除外の認可を取得し、認められた範囲にて適切にパートナーとのビジネス活動を遂行していきます。 3)各種業法固有リスク残存リスク影響度:大発生可能性:中固有リスク評価:中残存リスク評価:小 <要旨>当社グループは、航空法をはじめとする各事業分野の国内外の関連法令(以下「業法」)を遵守する必要があります。事業活動において万一、内部管理上の問題や外部要因により、これらの業法を遵守できない場合、規制当局から業務改善命令、業務停止命令等の行政処分を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合には、当社グループの社会的信用の失墜、事業活動の制限等により、経営及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。<変化・展望>近年、社会情勢の変化や技術革新に伴い、業法の内容は国内外共に複雑化・厳格化する傾向にあり、当リスクに適切に対処する重要性は高まっています。<対応>当社グループは、業法遵守を経営の最優先事項の一つと位置づけ、リスクの適切な管理に努めています。具体的な対応として、関連法令の制定・改正情報を収集・分析し、社内規程や業務手順書へ迅速に反映する体制を構築しています。また、法令遵守状況を定期的にチェックするほか、役職員に対し、該当する業法に関する継続的な教育・啓発活動等を実施し、グループ全体の法令遵守体制とガバナンスの強化に取り組んでいます。