事業の概要
- 航空運送事業スカイマークは、主に国内の定期航空運送事業を展開しており、羽田、神戸、福岡、新千歳、那覇などの主要空港を結ぶ路線を多数運航しています。旅客運賃が主な収益源であり、大手航空会社やLCCとの競争の中で、適正な運賃と高品質なサービスを提供することで顧客を獲得しています。
- 不定期航空運送事業定期便の他に、国内外へのチャーター便(不定期航空運送事業)も運航しており、特定の顧客ニーズに応じた柔軟なサービスを提供しています。これは、定期便だけではカバーしきれない需要を取り込むことで、収益機会を拡大する役割を担っています。
- 附帯事業旅客運送に付随するサービスとして、予約変更・キャンセル、手荷物・ペット受託サービスを提供しています。また、機内誌や機内サービスを活用した広告宣伝業務、他社への訓練設備(シミュレーター等)の賃貸、機内でのグッズ販売なども行い、多角的な収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 航空事業スカイマークの主要な事業であり、旅客運送事業(定期航空運送事業および不定期航空運送事業)とそれに付帯する業務で構成されています。この単一セグメントで会社の収益の大部分を上げており、セグメント情報の記載は省略されています。
- 旅客運送事業羽田、神戸、福岡、新千歳、那覇など全国12空港23路線で1日156便を運航(2025年夏ダイヤ時点)しており、これがスカイマークの売上の中心です。特に羽田空港発着路線は収益性が高く、全体の約58%の旅客収入を占める稼ぎ頭となっています。
- 附帯事業旅客運送に付随するサービスとして、予約・手荷物・ペット受託サービス、機内誌広告、訓練設備賃貸、機内販売などを行っています。これらは本業の航空事業を補完し、顧客利便性の向上と収益の多角化に貢献しています。
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3【事業の内容】 当社は、長らく大手数社の寡占により運賃が高止まり状態にあった航空業界に競争原理を起こすべく設立された航空会社であります。当社は設立以来、安全運航を使命とし、社会に役立つ存在となるべくお客様に適正な運賃を提供することを理念としております。なお、当社は、航空事業の単一セグメントであり、セグメント情報の記載を省略しております。(1)事業の概要 当社の航空事業の概要は次のとおりであります。事業概要(2026年3月31日現在)航空事業旅客運送事業定期航空運送事業羽田―新千歳線(1日9往復) 羽田―神戸線(1日6往復) 羽田―福岡線(1日12往復) 羽田―鹿児島線(1日4往復) 羽田―那覇線(1日6往復) 羽田―宮古(下地島)路線(1日1往復) 茨城―新千歳線(1日2往復) 茨城―福岡線(1日2往復) 茨城―那覇線(1日1往復) 中部―新千歳線(1日3往復) 中部―鹿児島線(1日2往復) 中部―那覇線(1日3往復) 神戸―新千歳線(1日4往復) 神戸―仙台線(1日2往復) 神戸―茨城線(1日3往復) 神戸―長崎線(1日3往復) 神戸―鹿児島線(1日3往復) 神戸―那覇線(1日3.5往復) 神戸―宮古(下地島)路線(1日1往復) 福岡―新千歳線(1日1往復) 福岡―那覇線(1日3往復) 鹿児島―奄美線(1日2往復) 那覇―宮古(下地島)路線(1日2往復) 不定期航空運送事業国内外への不定期旅客(チャーター)便を運航しております。 附帯事業旅客運送附帯業務旅客運送において予約のキャンセル及び変更サービス、手荷物受託サービス及びペット受託サービス等を提供しております。 広告宣伝業務当社が運航する航空機にて提供している機内誌、機内サービス等を活用し、広告枠の販売を行っております。 訓練設備等賃貸業務他の航空会社に対し、模擬操縦訓練装置(シミュレーター)及び航空機地上作業車両等の貸し出しを行っております。 商品販売業務当社が運航する航空機の機内にて当社のグッズ等を販売しております。 (2)事業の特徴 当社は1996年11月に設立され、定期航空運送事業の路線免許(当時)取得を経て、1998年9月19日にボーイング767-300型機1機で羽田=福岡線(3往復/日)に就航しました。航空運送事業における規制緩和政策を受け、大手航空会社(当時3社)に対し半額運賃を武器に、適正な航空輸送サービスの提供を理念に新規航空会社として参入いたしました。当社の参入によって新たに航空運送事業での競争状態の創出に貢献し、効率的な航空機への転換、運航路線の拡充に努め、世界有数の市場規模を誇り、寡占的な構造を持つ日本の国内航空市場において、国内航空会社の第三極として航空運送事業での足場を固めました。現在は、北は北海道から南は沖縄県・宮古(下地島)まで、12空港・23路線・1日当たり158便の運航(2026年夏ダイヤ、2026年3月31日時点)をボーイング737-800型機にて行っております。 当社は、世界的にも利用旅客数の多い空港の一つであり、首都圏からのアクセスもよい東京国際空港(羽田空港)を主要拠点としております。羽田空港を拠点とする路線は、旅客単価が高く、収益性に優れているため、当社は、これらの路線に戦略的に集中して運航することとしており、2025年度の当社の旅客収入、旅客数及び運航便数における羽田空港国内路線の占める割合は、それぞれ、約56%、約52%及び約49%となっております。 また、これまで当社は保有・運用コストが低く抑えられる小型機(ボーイング737-800型機)の単一機材で運航してまいりましたが、2026年5月からはその後継機種であるボーイング737-8型機の運航を開始いたしました。このボーイング737-8型機は、従来のボーイング737-800型機と比較して1座席当たりの燃料消費量を約15%削減することができる省燃費機材です。さらに、運航乗務員や整備士の資格、航空機部品の多くがボーイング737-800型機と共通化されており、単一機材運用のメリットを維持しながら高い省燃費効果を享受できるという特徴を持っています。 当社は、こうした機材の更新を進めながら、2025年4月に再定義したMVV(Mission・Vision・Value)に基づき、大手航空会社、LCC(格安航空会社)各社との運賃競争での価格優位性を確保しながら、心のこもった快適な航空サービスを、利用者に対し身近な価格で継続的に提供しております。また、運航品質の向上(高い定時運航率、低い欠航率)、顧客満足度の向上、地域共生の強化は、営業活動を行う上での認知度向上に役立っており、低運賃に加え、飲み物の無料提供、一定重量までの手荷物無料受託、受託手荷物の迅速な返却等、様々な付加価値を提供することで旅客の支払総額における優位性を確保しております。 当社の旅客構成は、伝統的にレジャーやVFR(知人・家族訪問)などの非ビジネス目的の割合が高いことが特徴です。昨今では、円安に伴う国内旅行への需要シフトや、インバウンド(訪日外国人旅客)の増加などが追い風となり、旅行需要のさらなる押し上げが見られます。加えて、出張旅費を抑えたい企業ニーズの取り込みに向けて、大手旅行会社のBTM(ビジネストラベルマネジメントシステム)との接続を開始しました。 当社は、2015年の民事再生手続以降、ガバナンスの強化、機材の統一、運用コスト削減、路線の選別等の改革を実施し、柔軟な運航便数調整による変動費抑制や、機材コストや委託費を中心とした固定費削減の施策を実施するなど、コスト削減に取り組んで参りました。今後とも当社は適正な運賃水準を確保しながら、安定した高い運航品質の維持及びお客様へ温かく誠実なサービスを提供することで顧客満足度を高め、高い座席利用率を安定的に維持することで収益の安定確保を図って参ります。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 大手航空会社やLCC、地上交通機関との競合に直面しており、運賃値上げが需要に影響を及ぼす可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 航空運送事業の事業許可、航空法による混雑飛行場に係る特例の適用を受ける羽田空港の発着枠。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:羽田空港の発着枠の減少または増加不足 / 景気低迷や競合激化による旅客需要の減少 / 原油価格上昇に伴う燃料費の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
スカイマークは、特定の路線におけるブランド認知度や、過去の運航実績に基づく信頼性はあるものの、強力な特許や規制ライセンスによる独占的な優位性は限定的。LCCとしてのブランドイメージは存在するが、競合他社との差別化要因としては弱い。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
航空券の予約は、価格や利便性で比較検討されることが多く、顧客が特定の航空会社に強く縛られるスイッチング・コストは低い。マイレージプログラムによる囲い込みはあるが、その効果は限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
航空業界において、ネットワーク効果は限定的。利用者が増えることで便数が増えるなどの間接的な効果はあるが、プラットフォーム型ビジネスのような直接的な価値向上は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
LCC(格安航空会社)として、コスト削減努力(機材の統一、地上業務のアウトソーシング等)を行っているが、大手航空会社と比較して構造的なコスト優位を確立しているとは言い難い。燃料費や人件費の変動リスクは大きい。
規模の経済★★★☆☆
国内線を中心に一定の路線網と便数を確保しており、特に地方路線においては一定のシェアを持つ。しかし、業界全体で見ると大手2社(ANA、JAL)の寡占度が高く、効率規模の観点ではまだ発展途上。
- 羽田空港を主要拠点スカイマークは、利用者数が多く、首都圏からのアクセスが良い東京国際空港(羽田空港)を主要拠点としています。羽田発着路線は旅客単価が高く収益性が優れており、2024年度の旅客収入の約58%、旅客数の約53%、運航便数の約50%を羽田国内路線が占めています。
- 単一機材による効率化ボーイング737-800型機のみの単一機材で運航することで、運航乗務員や整備士のライセンスが1種類で済み、人的資源を効率的に活用できます。また、航空機部品などの物的資源のコストも抑制され、全体的な運用コストの低減に繋がっています。
- 価格と付加価値のバランス大手航空会社とLCCの中間的な位置付けで、「Simple/Plain/Basic」をコンセプトに、価格優位性を保ちつつ、飲み物の無料提供、一定重量までの手荷物無料受託、迅速な手荷物返却など、様々な付加価値を提供しています。これにより、顧客の支払総額における優位性を確保し、高い顧客満足度と定時運航率を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 安全と高品質なサービススカイマークは「安全を全ての基礎とし、安心かつ高品質で、シンプルでありながら心のこもった快適な航空サービスを、身近な価格で提供する」ことをミッションとしています。高い定時運航率と低い欠航率を維持し、顧客満足度を高めることで、安定した座席利用率と収益確保を目指しています。
- 新型機材の導入と効率化ボーイング737-800型機の後継として、燃費効率に優れたボーイング737-8型機および737-10型機を順次導入する計画です。これにより、燃料費をはじめとするコスト削減と、座席数の多い737-10型機を羽田路線に導入することで、さらなる収益性向上を目指します。
- 路線戦略と事業規模拡大福岡空港、神戸空港の発着枠拡大や、将来的な羽田空港の発着枠再配分を通じて運航便数を増加させ、有償旅客数の増加を図ります。また、茨城空港や下地島空港などの独自拠点でも需要喚起に努め、2026年度以降は現在の29機体制から33機体制へと事業規模の拡大を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1)経営方針 当社は、「社会的使命」、「将来に目指す姿」、「価値観・行動指針」を全役職員で共有すべく、スカイマークMVV(Mission・Vision・Value)を掲げております。 Mission(ミッション) 安全を全ての基礎とし、安心かつ高品質で、シンプルでありながら心のこもった快適な航空サービスを、身近な価格で提供する Vision(ビジョン) なくてはならない愛される翼として成長し続け、誰もが気軽に移動できる未来を創造する Value(バリュー)[価値観]1.スカイマークらしさ 他にはない価値の源泉である「独自性」、「ユニークさ」、「唯一無二」を大事にします2.航空のプロフェッショナルとしての誇り プロフェッショナル集団として成長し、その成果を未来への投資や社員、ステークホルダー、社会への還元に繋げ、さらなる成長に向けた好循環を作り出します3.挑戦・変化するマインド 新たな挑戦や変化を恐れずに楽しみます4.人の尊重 サービス提供者である社員、そして事業にかかわる全ての人を尊重します [行動指針]1.私たちは、お客様や地域への優れた価値提供のために最善を尽くします2.私たちは、互いを尊重し、部門を越えて共創・協働します3.私は、主体性をもって価値ある正しい仕事をします (2)経営戦略及び目標とする経営指標等 当社は、安定した需要が見込まれる羽田空港発着路線を中心に、高水準の運航品質と心のこもったサービスを身近な価格で提供し、収益の安定的な確保を図ってまいります。コスト面においては、ボーイング737シリーズによる機材の単一化と高効率な多頻度運航を維持するとともに、継続的なコスト削減を進めることで、国内線における収益性の安定確保に注力しております。 機材戦略に関しましては、これまで運航してきたボーイング737-800型機の後継機として、2026年5月よりボーイング737-8型機の運航を開始いたしました。さらに2027年には、これら2機種よりも座席数の多いボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入し、さらなる収益性の向上に努めてまいります。これら燃料効率に優れた新型機の導入により、燃料費をはじめとする運航コストのいっそうの削減を見込んでおります。 路線戦略については、2025年に実施された福岡空港および神戸空港の発着枠拡大、ならびに2029年に予定されている羽田空港の発着枠再配分を好機と捉え、運航便数の増加を通じて有償旅客数の拡大へ繋げてまいります。同時に、運用時間が拡大された茨城空港をはじめ、神戸空港や下地島空港(宮古島市)など、当社のシェアが高い拠点においても就航地域と協働して需要を喚起し、さらなる収益性の向上を図ってまいります。 また、運航路線や運航ダイヤの最適化による利便性の向上、高い定時性の確保、そして心に残る温かいサービスを提供し続けることで、お客様にとって価値のある「Value for Money(VFM)トップの航空会社」であり続けられるよう取り組んでまいります。運航品質面では、これまでも業界トップクラスの定時運航率や顧客満足度を維持してまいりました。今後も安全運航の堅持を大前提に、お客様の利便性向上を追求して他社との差別化を図るとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるマーケティング強化も加え、顧客体験のさらなる向上に努めてまいります。 (中期経営目標) 当社は中期経営目標において2030年度の業績目標を下記の通り定めております。上記の基本戦略を着実に実行し、変化する競争環境下でも安定的に利益を確保できるよう努めてまいります。 2030年度目標事業収益 :1,690億円以上営業利益 :140億円程度自己資本比率 :40%程度(新リース会計基準は未考慮)機動的にさらなる株主還元を目指す。 (3)経営環境 円安の長期化や構造的なインフレは、国内航空業界に大幅なコスト高騰をもたらしております。加えて、昨今の中東情勢は原油価格の先行き不透明感を一段と高めており、航空機燃料コストのさらなる上昇リスクとして注視が必要な状況です。 また当社においては、主要拠点である羽田空港発着路線をはじめ、多くの路線において大手航空会社やLCC(格安航空会社)と競合しているほか、一部の路線では新幹線や高速バスをはじめとする地上交通機関とも競合しております。今後、これら競合他社の運賃戦略等により競争が一段と激化した場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 こうした状況を受け当社では、原油相場に連動する航空機燃料価格の動向や、為替相場の変動に伴う外貨建取引(航空機リース料等)のコスト増減は、当社の経営環境に多大な影響を与える最重要のリスク要因として、今後も動向を注視してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①新機材の導入 当社は当事業年度末現在運航中のボーイング737-800型機の後継機としてボーイング737-8型機及びボーイング737-10型機の導入を予定しております。これらの新機材は現行機と比較してボーイング737-8型において15%程度、ボーイング737-10型では19%程度燃料使用量を削減でき、二酸化炭素排出量の軽減も期待できる省燃費機材です。 ボーイング737-8型機については2026年度第1四半期より導入を開始する計画であり、導入に向けた準備を進めております。当社としては、これらの省燃費新機材を導入することは重要な施策のひとつと考えており、2027年度からはボーイング737-8型機に加え、長胴型であり提供座席数を現行機の177席から207席まで拡大することができるボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入することで、更なる収益性の向上に努めて参ります。新機材の導入戦略を着実に実行することで、現在の29機体制から、2026年度以降は段階的に機材を増やし、33機体制へと事業規模拡大を目指してまいります。 ②発着枠の拡大 羽田空港国内路線の拡大にあたり、2028年に予定されている羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおける増枠の達成が重要と考えております。前回2020年の配分見直しにおいては評価項目として以下が設けられておりました。・運賃水準の低廉化の努力・安全の確保・全国的なネットワークの形成・航空会社の効率的な経営の促進・発着枠の効率的な使用・行政処分の有無 当社は2020年の羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおいて、本邦航空会社で唯一羽田空港国内路線発着枠の増枠を達成しており、今後も当社の「身近な価格で、高い運航品質とシンプルで心のこもったサービスを提供する」ビジネスモデルを維持・強化し、増枠に必要な評価を得られるように継続して努めてまいります。 ③財務上の課題 当社は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う旅客需要の減少により、業績に大きな影響を受けました。 ポストコロナにおいて旅客需要は概ねコロナ禍以前の状態に回復しておりますが、当社としましては再び同様の事例が発生した場合等に備えた財務基盤の拡充は重要な課題であると考えております。 具体的には、各種収益向上施策により創出したキャッシュ・フローを元に安全維持のための更新投資、新機材導入などの成長投資を行ったうえで、有利子負債の返済や手元流動性の確保を通じて財務基盤を強化し、自己資本比率を40%程度まで引き上げてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1)経営方針 当社は、「社会的使命」、「将来に目指す姿」、「価値観・行動指針」を全役職員で共有すべく、スカイマークMVV(Mission・Vision・Value)を掲げております。 Mission(ミッション) 安全を全ての基礎とし、安心かつ高品質で、シンプルでありながら心のこもった快適な航空サービスを、身近な価格で提供する Vision(ビジョン) なくてはならない愛される翼として成長し続け、誰もが気軽に移動できる未来を創造する Value(バリュー)[価値観]1.スカイマークらしさ 他にはない価値の源泉である「独自性」、「ユニークさ」、「唯一無二」を大事にします2.航空のプロフェッショナルとしての誇り プロフェッショナル集団として成長し、その成果を未来への投資や社員、ステークホルダー、社会への還元に繋げ、さらなる成長に向けた好循環を作り出します3.挑戦・変化するマインド 新たな挑戦や変化を恐れずに楽しみます4.人の尊重 サービス提供者である社員、そして事業にかかわる全ての人を尊重します [行動指針]1.私たちは、お客様や地域への優れた価値提供のために最善を尽くします2.私たちは、互いを尊重し、部門を越えて共創・協働します3.私は、主体性をもって価値ある正しい仕事をします (2)経営戦略及び目標とする経営指標等 当社は、安定した需要が見込まれる羽田空港発着路線を中心に、高水準の運航品質と心のこもったサービスを身近な価格で提供し、収益の安定的な確保を図ってまいります。コスト面においては、ボーイング737シリーズによる機材の単一化と高効率な多頻度運航を維持するとともに、継続的なコスト削減を進めることで、国内線における収益性の安定確保に注力しております。 機材戦略に関しましては、これまで運航してきたボーイング737-800型機の後継機として、2026年5月よりボーイング737-8型機の運航を開始いたしました。さらに2027年には、これら2機種よりも座席数の多いボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入し、さらなる収益性の向上に努めてまいります。これら燃料効率に優れた新型機の導入により、燃料費をはじめとする運航コストのいっそうの削減を見込んでおります。 路線戦略については、2025年に実施された福岡空港および神戸空港の発着枠拡大、ならびに2029年に予定されている羽田空港の発着枠再配分を好機と捉え、運航便数の増加を通じて有償旅客数の拡大へ繋げてまいります。同時に、運用時間が拡大された茨城空港をはじめ、神戸空港や下地島空港(宮古島市)など、当社のシェアが高い拠点においても就航地域と協働して需要を喚起し、さらなる収益性の向上を図ってまいります。 また、運航路線や運航ダイヤの最適化による利便性の向上、高い定時性の確保、そして心に残る温かいサービスを提供し続けることで、お客様にとって価値のある「Value for Money(VFM)トップの航空会社」であり続けられるよう取り組んでまいります。運航品質面では、これまでも業界トップクラスの定時運航率や顧客満足度を維持してまいりました。今後も安全運航の堅持を大前提に、お客様の利便性向上を追求して他社との差別化を図るとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるマーケティング強化も加え、顧客体験のさらなる向上に努めてまいります。 (中期経営目標) 当社は中期経営目標において2030年度の業績目標を下記の通り定めております。上記の基本戦略を着実に実行し、変化する競争環境下でも安定的に利益を確保できるよう努めてまいります。 2030年度目標事業収益 :1,690億円以上営業利益 :140億円程度自己資本比率 :40%程度(新リース会計基準は未考慮)機動的にさらなる株主還元を目指す。 (3)経営環境 円安の長期化や構造的なインフレは、国内航空業界に大幅なコスト高騰をもたらしております。加えて、昨今の中東情勢は原油価格の先行き不透明感を一段と高めており、航空機燃料コストのさらなる上昇リスクとして注視が必要な状況です。 また当社においては、主要拠点である羽田空港発着路線をはじめ、多くの路線において大手航空会社やLCC(格安航空会社)と競合しているほか、一部の路線では新幹線や高速バスをはじめとする地上交通機関とも競合しております。今後、これら競合他社の運賃戦略等により競争が一段と激化した場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 こうした状況を受け当社では、原油相場に連動する航空機燃料価格の動向や、為替相場の変動に伴う外貨建取引(航空機リース料等)のコスト増減は、当社の経営環境に多大な影響を与える最重要のリスク要因として、今後も動向を注視してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①新機材の導入 当社は当事業年度末現在運航中のボーイング737-800型機の後継機としてボーイング737-8型機及びボーイング737-10型機の導入を予定しております。これらの新機材は現行機と比較してボーイング737-8型において15%程度、ボーイング737-10型では19%程度燃料使用量を削減でき、二酸化炭素排出量の軽減も期待できる省燃費機材です。 ボーイング737-8型機については2026年度第1四半期より導入を開始する計画であり、導入に向けた準備を進めております。当社としては、これらの省燃費新機材を導入することは重要な施策のひとつと考えており、2027年度からはボーイング737-8型機に加え、長胴型であり提供座席数を現行機の177席から207席まで拡大することができるボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入することで、更なる収益性の向上に努めて参ります。新機材の導入戦略を着実に実行することで、現在の29機体制から、2026年度以降は段階的に機材を増やし、33機体制へと事業規模拡大を目指してまいります。 ②発着枠の拡大 羽田空港国内路線の拡大にあたり、2028年に予定されている羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおける増枠の達成が重要と考えております。前回2020年の配分見直しにおいては評価項目として以下が設けられておりました。・運賃水準の低廉化の努力・安全の確保・全国的なネットワークの形成・航空会社の効率的な経営の促進・発着枠の効率的な使用・行政処分の有無 当社は2020年の羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおいて、本邦航空会社で唯一羽田空港国内路線発着枠の増枠を達成しており、今後も当社の「身近な価格で、高い運航品質とシンプルで心のこもったサービスを提供する」ビジネスモデルを維持・強化し、増枠に必要な評価を得られるように継続して努めてまいります。 ③財務上の課題 当社は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う旅客需要の減少により、業績に大きな影響を受けました。 ポストコロナにおいて旅客需要は概ねコロナ禍以前の状態に回復しておりますが、当社としましては再び同様の事例が発生した場合等に備えた財務基盤の拡充は重要な課題であると考えております。 具体的には、各種収益向上施策により創出したキャッシュ・フローを元に安全維持のための更新投資、新機材導入などの成長投資を行ったうえで、有利子負債の返済や手元流動性の確保を通じて財務基盤を強化し、自己資本比率を40%程度まで引き上げてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の増加等により緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、中東情勢など地政学的な緊張の高まり及び原油価格の高騰に加え、継続的な物価上昇や為替相場を含む金融資本市場の変動など、先行きは依然として注視が必要な状況が続いております。 当社が事業を展開する国内線航空市場においては、円安や海外の物価高騰による国内旅行へのシフトなどを背景に、旅客需要は引き続き堅調に推移いたしました。しかしながら、国内線航空各社による堅調なノンビジネス需要の獲得に向けたプロモーション強化等の影響を受け、価格競争は年間を通じて従来以上に激化いたしました。 このような環境下において、当事業年度は事業収益の最大化を目指した戦略的な単価設定を実施したことで有償旅客数は7,995,697名(前年比1.8%減)と減少いたしましたが、市場環境の変化に応じた単価と有償旅客数のバランスを最適化すべく、レベニューマネジメントの高度化に努めてまいりました。さらに、収益性の高い事業構造への変革に向けた施策として附帯収入の拡大にも取り組み、厳しい事業環境の中でも、事業収益は過去最高を記録いたしました。 一方で、営業費用については、円安進行や世界的なインフレ影響による物価高騰、政府支援の縮小等により継続して増加傾向にあります。これらのコスト上昇に対して、安全運航に係る費用の確保を大前提としつつ、オペレーション業務の見直し、新機材導入が進捗する中での整備計画の最適化に伴う整備費の低減など、自助努力による費用抑制や厳格なコスト管理に取り組みましたが、コスト増加分の全てを吸収するには及びませんでした。結果として営業費用は前年比で増加し、当事業年度における営業利益は前年を下回りました。 2026年3月期の事業運営方針に掲げる「収益性の高い事業構造への進化・変革」及び「2027年3月期以降の飛躍的成長に向けた準備」については、顧客利便性向上を目指した有料座席であるフォワードシートのWEB予約化、各種手数料の改定、若年層向け新運賃導入など様々な取り組みを着実に進めてまいりました。2025年10月には、国際線運航の事業可能性検討に向け、神戸=台北(台湾桃園国際空港)線のチャーター便を運航いたしました。加えて、2024年2月にサービスを開始したマイページの登録者数が2025年12月には100万人を突破し、顧客データを活用したカスタマーロイヤリティの向上に努めてまいりました。 当事業年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。a.財政状態 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ17,215百万円増加し、121,103百万円となりました。 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ10,390百万円増加し、87,159百万円となりました。 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ6,824百万円増加し、33,944百万円となりました。 b.経営成績 当事業年度における事業収益は110,441百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益1,801百万円(前年同期比1.4%減)、経常利益2,907百万円(前年同期比282.4%増)、当期純利益1,638百万円(前年同期比23.7%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて1,537百万円減少し、24,481百万円(前事業年度末は26,018百万円)となりました。 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果、獲得した資金は11,601百万円(前事業年度は7,182百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益3,619百万円、減価償却費3,496百万円及び契約負債の増加額3,208百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果、支出した資金は19,315百万円(前事業年度は5,011百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出22,558百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動の結果、獲得した資金は5,679百万円(前事業年度は2,949百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入7,703百万円によるものであります。③ 生産、受注及び販売の実績a.営業実績 当事業年度の営業実績の状況は、次のとおりであります。科目当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比金額(百万円)構成比(%)(%)航空運送事業収入旅客収入107,21897.0101.1貨物収入310.0407.9航空運送事業収入合計107,24997.1101.1附帯事業収入附帯事業収入(航空運送に附帯関連する事業)3,1922.9113.0合計110,441100.0101.4 (注)1.当社は航空事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 b.輸送実績 当事業年度の輸送実績の状況は、次のとおりであります。項目当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)国内線 有償旅客数(人)7,995,69798.2有償旅客キロ(千人・キロ)8,370,69797.1有効座席キロ(千席・キロ)10,447,14799.8有償座席利用率(%)80.197.3 (注)1.有償旅客キロは、各路線各区間の有償旅客数(千人)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。2.有効座席キロは、各路線各区間の有効座席数(千席)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて旅客需要の過去の動向や将来の機材導入及び整備計画、過去の整備実績等を勘案してその時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しております。しかしながら見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。 また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りに用いた仮定は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の翌事業年度の財務諸表に与える影響は、翌事業年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産合計) 当事業年度末の資産合計は121,103百万円となり、前事業年度末に比べ17,215百万円増加しました。これは主に航空機購入を含む建設仮勘定の増加13,794百万円及び流動資産のデリバティブ債権の増加4,381百万円によるものです。 (負債合計) 負債合計は87,159百万円となり、前事業年度末に比べ10,390百万円増加しました。これは主に、航空機購入に伴う借入金の増加6,429百万円、航空券の予約販売が好調に推移した事に伴う契約負債の増加3,208百万円によるものです。 (純資産合計) 純資産合計は33,944百万円となり、前事業年度末に比べ6,824百万円増加しました。これは主に、当期純利益の計上等による繰越利益剰余金の増加1,457百万円、為替予約等のデリバティブ取引による繰延ヘッジ損益の増加5,367百万円によるものです。 2)経営成績 当社は、航空事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。(運航体制等の状況) 当事業年度においては、円安を背景とした国内旅行への回帰やレジャー需要の増加により、国内旅客需要は堅調に推移いたしました。このような状況を踏まえ、お客様の多様な輸送ニーズに最大限お応えするため、需要の高い路線について積極的に追加定期便を設定し、輸送力の増強とお客様の利便性向上に努めました。 その結果、当事業年度の運航便数は56,869便となり、運航機体数(29機)は前事業年度と変わらないながらも、前事業年度の56,528便と比較して0.6%増加いたしました。 (事業収益及び営業費用の状況) 当事業年度においては、旅客単価と有償旅客数のバランスの最適化に努めたことにより、事業収益は110,441百万円(前年同期比1.4%増)となりました。事業費については、円安及び世界的なインフレに伴う仕入れ価格の上昇、政府支援縮小等の影響により101,184百万円(前年同期比1.0%増)となり営業利益は1,801百万円(前年同期比1.4%減)となりました。 経常利益は当事業年度末日における為替水準が前事業年度末と比較して相対的には円安となったことに伴う外貨建資産に係る為替差益の計上により2,907百万円(前年同期比282.4%増)となりました。特別利益においては航空機予備エンジンのセール・アンド・リースバック取引により固定資産売却益712百万円の計上、当期純利益については法人税等調整額1,949百万円の計上により1,638百万円(前年同期比23.7%減)となりました。3)キャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の事業領域である航空業界は、堅調な旅客需要に支えられているものの、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰に加え、円安や世界的なインフレによるコスト上昇、人手不足の対応など、引き続き予断を許さない状況にあります。 このような激動する経営環境下において、当社は2030年の「ありたい姿」として「しなやかに強く、永続する企業」及び「超高効率経営」を掲げ、その実現に向けた5つの重点テーマを設定いたしました。(5つの重点テーマ)1、稼ぐ力の強化 顧客データの活用によるマーケティング高度化、持続可能な路便構成の追求、収益構造の多様化等による収益の安定化と拡大2、体験価値向上とブランドの確立 UAV(顧客に選ばれ続ける価値)の浸透による存在価値認知の獲得とファン基盤の構築3、生産性向上とコスト構造改革 機材稼働率の向上、仕組みに焦点をあてたコスト構造改革、基幹システム等の刷新4、新型機材への円滑な移行 省燃費機材導入による低コスト・低環境負荷運航の実現5、人材の育成・確保と社員の活躍 上記施策を確実に遂行するためのプロフェッショナル人材の確保、従業員エンゲージメントの更なる向上 当社はこれらのテーマを着実に実行し、「なくてはならない愛される翼」として持続的に成長できる体制を築いてまいります。 また、当社は安全で安心かつ高品質な航空サービスを身近な価格であらゆる人々に提供することを通じて社会の持続的な発展に貢献することを「サステナビリティ基本方針」として掲げており、次世代機材の導入、運航効率の改善、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の利用等による気候変動への対応、社員の働き方や働きがいの向上への施策の実施、地方自治体や企業との連携に積極的に取り組んでまいります。 なお、2026年度の業績予想にあたっては、為替レートは1ドル=155円(ヘッジ後146.1円)、ドバイ原油価格を1バレルあたり75ドル(ヘッジ後70.8ドル)を前提としております。また、ドバイ原油価格が1ドル変動した場合の、通期燃油費に対する感応度は約100百万円と見込んでおります。 c.資本の財源及び資金の流動性 当社は新型コロナウイルス感染症の拡大により毀損した財務基盤強化のため2022年7月に株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行、株式会社日本政策投資銀行をアレンジャーとして300億円の借り入れ(借入期間1年)を行っておりましたが、2025年7月にそのうち200億円を借入期間1年とした借換と、17.5億円の返済を行っております。また、2025年6月にアトランティス・アビエーション株式会社と航空機前払金に特化した資金調達契約、2025年8月に株式会社あおぞら銀行とコミットメントライン契約、2026年3月に株式会社横浜銀行をアレンジャーとしたシンジケート方式コミットメントライン契約を締結しました。 これらの対応により、当事業年度末における有利子負債の残高は36,175百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は24,481百万円となっております。
事業リスク
- 発着枠の変動リスク羽田空港の発着枠は航空法による特例を受けており、将来的な見直しや再配分によって利用可能な発着枠が減少したり、計画通りに増加しなかったりする可能性があります。これにより、事業計画の遂行や収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 景気変動と需要減少航空業界は景気動向に大きく左右され、特にスカイマークは非ビジネス目的の旅客割合が高いため、景気低迷や物価変動による需要減少の影響を受けやすいです。また、新幹線など地上交通機関へのシフトやLCCとの競争激化、人口減少なども旅客需要に影響を与える可能性があります。
- 燃料費と為替変動燃料費は営業費用の大部分を占めるため、原油価格の急激な上昇は収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。商品スワップ取引でリスク低減を図っていますが、完全に吸収できるとは限りません。また、航空機リース料や整備費は外貨建てのため、為替の大幅な変動も費用増につながるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1)安全①航空機事故について 当社は安全を全ての基盤とし、高品質な航空サービスを提供するべく、高い定時運航率・顧客満足を維持しています。当社の運航便において航空機事故または重大インシデントが発生した場合、人的・物的損害の発生に加え、社会的評価の著しい低下や損害賠償請求、行政処分による運航停止等により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります 。特に人的損害が生じた場合には、社会的な信用・信頼を根本から揺るがす可能性があります 。また、発生した損害が加入している航空保険の填補範囲を超えるリスクや、他社における事故であっても、業界全体の信頼低下により航空需要が減退し、当社の業績に波及するリスクも内在しています。 ②人材の確保について 当社における人材の中でも、操縦士、運航管理者、整備士等の航空法に基づく国家資格を有する専門人材について、雇用環境の変化により必要数を確保できない場合、路線の維持や事業拡大に制約を受ける可能性があります。また、自社養成には長期の教育期間を要するため機動的な増員が困難であるほか、ストライキ等の労働争議が発生した場合には、運航に支障をきたし業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③災害等について 当社の全ての運航管理は羽田空港で行われており、また、国内路線の多くは羽田空港、新千歳空港、神戸空港、福岡空港、那覇空港等の国内主要空港を利用しております。このため、当該地域において地震、洪水、台風、大雪等の大規模な自然災害や火災、またはこれらに起因する労働争議や施設障害が発生した場合、運航管理機能の停止や空港施設の損壊により、発着便の欠航や運航ダイヤの大幅な乱れが生じる可能性があります。これにより、減収や復旧費用の発生が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)経済・社会環境の変化①景気動向の影響について 航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。当社の事業はレジャー(非ビジネス)目的の旅客需要への依存度が高く、景気後退や物価上昇に伴う個人消費の冷え込みは、旅客数減少に直結する可能性があります。また、地上交通機関やLCCとの競合、ビデオ会議普及によるビジネス慣習の変化、少子高齢化による人口減少等により、旅客需要が構造的に減少した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②原油価格の上昇に伴う燃料費への影響について 燃料費は、当社の営業費用の相当部分を占めているため、地政学的要因や需給バランスの変化等による航空燃料価格の高騰は、当社の営業損益に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社は、燃料費に係る原油価格については商品スワップ取引を行い、変動リスク低減に努めておりますが、これらの取り組みが、燃料費の変動による影響を完全に吸収できるとは限りません。また、当社は燃油サーチャージ制度を導入していないため、コスト増を運賃へ転嫁する際には需要減少を招くリスクを伴います。また、想定外の急激な減便が発生した場合、燃料ヘッジが実需要を上回る(オーバーヘッジ)ことによる損失発生のリスクも内在しています。 ③為替変動の影響について 当社の主な費用のうち、航空機リース料、航空機整備費の大部分、機体購入代金等の主要な支出の多くは外貨建で取引されています。このため、為替相場が円安に振れた場合には、円換算での費用負担が増大し、当社の業績を圧迫します。為替予約等により一定の影響緩和を図っていますが、急激かつ大幅な変動が生じた場合には、費用の増減や外貨建債権債務の評価損益が発生する可能性があります。 ④戦争・テロ等の影響について 国際的な武力衝突やテロ事件が発生した場合、日本国内においても保安対策の強化に伴う航空会社のコスト負担増や航空保険料の上昇を招きます。また、地政学的リスクに起因する燃料価格のさらなる高騰や、社会不安に伴う旅行マインドの冷え込みが生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤感染症による影響について 感染症の蔓延は、渡航制限や外出自粛による旅客需要の劇的な減退を招きます。国内線主体であっても、水際対策によるインバウンド消失や、デジタル化に伴うビジネス需要の構造的減少が、業績に長期的な影を落とす可能性があります。また、自社従業員の大量感染により運航機能が維持できなくなるリスクも抱えています。 (3)航空事業等①発着枠について 羽田空港等の混雑空港における発着枠は、当社の事業基盤の根幹です。政策的な見直しや再配分により当社の発着枠が減少、あるいは計画通りに獲得できない場合、事業計画の遂行が困難となります。また、保有する発着枠を有効活用できない場合も、収益性および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②競争環境について 国内線における大手航空会社やLCC(格安航空会社)との価格・サービス競争に加え、新幹線や高速バス等の地上交通機関との競合が収益を圧迫するリスクがあります。競合他社の運賃戦略や新規路線の開設等により市場シェアが低下した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③航空機材の導入について 機材調達をボーイング社および特定のリース会社に依存しており、ボーイング737型機の単一機種による効率的な運営を基本としています。そのため、メーカー側の納入遅延や品質問題、あるいは特定機種に対する安全性への疑義が生じた場合、運航計画の大幅な変更や社会的信用の失墜を招き、経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④使用機材等の整備費の変動について 航空機やエンジンの点検に伴う整備範囲の拡大や、リース機材返還時の整備費用(リデリバリーコスト)が見込みを上回る場合、費用の急増が業績を圧迫します。これらは航空機の使用状況や状態に左右されるため、将来の支出額を正確に予測できない不確実性があります。 ⑤第三者のサービスへの依存について 一部運航乗務員の派遣を受けているほか、航空機の整備、機器の修理、地上ハンドリング、予約センター等の業務において、第三者に一部の業務を委託しています。委託先における人手不足、ストライキ、システム障害等により業務遂行に支障が生じた場合、当社の運航や顧客サービスが停止し、社会的信用や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥資産減損について 航空機等の固定資産について、収益性の低下等により将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合、減損損失の計上が必要となります。航空需要の大幅な減退や機材の早期退役、資産価値の下落が生じた場合、当社の純資産が減少し、自己資本比率の低下を招く恐れがあります。 (4)システム関連①システム障害等について 当社の予約販売、搭乗手続き、運航管理等の基幹業務は高度にデジタル化されており、自然災害や通信障害、サイバー攻撃等によってこれらが停止した場合、大規模な欠航や運航ダイヤの混乱を招き、社会的信用の失墜や多額の減収、損害賠償が生じる恐れがあります。また、競争力維持のための新システム導入や更新において、開発の遅延、コストの膨張、あるいは想定した機能の未達が生じた場合、事業運営に支障をきたすだけでなく、ソフトウエア資産の減損処理が必要となり、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ②顧客情報漏洩について 当社は多くのお客様の氏名、クレジットカード情報等の個人情報、および飛行計画等の重要機密を保有しています。これらが外部からの不正アクセスやランサムウェア攻撃、あるいは役職員の過失や内部不正、委託先の不備等によって漏洩した場合、法的制裁(制裁金等)や損害賠償の発生、ブランド価値の致命的な毀損により、当社の財政状態及び経営成績に甚大な影響を及ぼす可能性があります。 (5)財務関連①損益構造について 当社の費用構成は、人件費、機材リース料、整備費、施設使用料等の固定費比率が高く、これらは旅客数や座席利用率の変動に応じて即座に削減することが困難です。そのため、景気後退や競争激化により旅客単価や利用率がわずかに減少しただけで、営業損益が大きく悪化するリスクがあります。また、長年のコスト削減施策により、さらなる削減余地が限定的となっている点も収益の下押し要因となります。 ②有利子負債及びリース債務について 当社は機材の多くをオペレーティング・リースにより導入しており、今後も新型機導入に伴いリース債務が増加する見込みです。多額の債務返済やリース料支払いは手元流動性を圧迫し、事業環境の変化に応じた投資能力を制限する可能性があります。また、リース会計基準等の改正によりリース資産・負債がオンバランス化された場合、自己資本比率等の経営指標が低下し、財務評価に悪影響を及ぼす恐れがあります。 ③配当施策について 当社を取り巻く事業環境は、各種の物価高騰などに加え、足元では中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や急激な為替変動により、極めて先行きが不透明な状況にあります。こうした外部環境のリスクを考慮した上で、株主還元の継続を基本としつつも、不測の事態に備えた内部留保の充実と、将来成長に向けた投資資金を確保すべき局面であると判断いたしました。 2026年3月期の業績におきましては、急激な円安進行に伴い多額の為替差益を計上したことにより、配当原資は非資金性の要因を多く含むこととなりました。前述した事業環境の急激な変化や新機材導入が本格化する資金需要等を総合的に勘案し、株主還元とのバランスを慎重に検討した結果、2026年3月期の期末配当を7円といたしました。また、従来公表しておりました配当方針につきましては、外部環境の変動が激しい中でも、安定的かつ継続した配当の実現に向けて、株主還元方針を変更することといたしました。新たな方針は2027年3月期の配当より適用すべく検討を進めており、決定次第速やかにお知らせいたします。 ④欠損金の繰越控除について 当社は現時点で税務上の繰越欠損金を有しており、法人税等の負担が軽減されています。しかし、利益計上によりこれらが解消された後は納税額が増加し、キャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、十分な課税所得を計上できない場合、控除を受けられないまま繰越欠損金が期限切れとなるリスクも内在しています。 ⑤繰延税金資産について 当社は将来の課税所得の予測に基づき繰延税金資産を計上しています。しかし、事業環境の悪化等により将来の課税所得見込額が低下した場合、資産の取り崩しが必要となり、当社の純資産および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥資金調達について 金融情勢の変化や当社の信用力の低下等により、計画通りの資金調達が困難になった場合、事業展開や機材導入に支障をきたす可能性があります。また、借入金等に付された財務制限条項(財務コベナンツ)に抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括弁済を求められることで資金繰りに重大な悪影響を及ぼすリスクがあります。 (6)その他①法的規制について 航空輸送事業は、航空法を始めとする多岐にわたる法令・規制の適用を受けています。これらに抵触し、事業認可の取消しや業務改善命令等の行政処分を受けた場合、事業運営が著しく制限される可能性があります。また、規制遵守のための組織整備や専門人材(航空従事者等)の確保・育成には多額の費用を要し、今後の法改正によってはさらなる追加的負担が生じるリスクがあります。 (航空運送事業許可の状況)(注) 航空法改正に伴い、2000年2月1日より従来の路線免許制から事業許可制へと変更されております。取得年月2000年2月(注)許認可等の名称事業許可所管官庁等国土交通省有効期限事業許可証の書換え又は再交付がなされるまでの間、有効とする。※書換え又は再交付の発生事由は、事業許可の内容、若しくは運航者情報の変更による場合であります。※最新の許可内容となった日は2019年12月2日であります。法令違反の要件及び主な許認可取消事由航空法第119条(事業の停止及び許可の取消し)・事業許可等に付した条件に違反したとき。・正当な理由が無く、事業許可等の実施すべき事項を実施しないとき。航空法第120条(許可の失効)・航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。 ※当社の事業許可等に付された条件及び未実施事項はありません。 ②環境規制について 地球温暖化防止に向けた国際的な枠組み(CORSIA等)や国内法に基づき、航空機からの温室効果ガス排出削減が強く求められています。環境規制のさらなる強化や炭素税等の導入、騒音・廃棄物規制の厳格化が生じた場合、新型機材への更新投資やSAF(持続可能な航空燃料)の調達、汚染浄化費用などの多額の支出が発生し、当社の業績を圧迫する可能性があります。 ③公租公課について 航空機燃料税、着陸料、航行援助施設利用料等の公租公課は、当社の営業費用の大きな割合を占めています。現在、航空機燃料税については国の時限的な軽減措置を受けていますが、軽減措置のさらなる縮小・廃止や、空港使用料の引き上げが行われた場合、当社の収益性及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ④訴訟・トラブル等について 当社の事業活動において、航空機事故、労働問題、知的財産権の侵害、契約違反等に関連して、重要な訴訟が提起される可能性があります。係争の内容や結果によっては、多額の賠償金の支払い、社会的信用の失墜、あるいは特定の業務の制限を受けることとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。