事業の概要
- データ活用支援のプロ集団ギックスは、戦略コンサルティングの思考法と高度なデータ分析能力を組み合わせ、クライアント企業の経営課題解決や競争力強化を支援するプロフェッショナルサービス集団です。データを用いて意思決定の質を高める「Data-Informed(データインフォームド)」という考え方を提唱し、データ“だけ”でなく、人間の思考にデータ“も”加えることで、より高度な判断を目指しています。
- AI活用で意思決定を高度化近年は、生成AIなどのAI技術を積極的に取り入れ、「クライアントを、AI-Informedに。」をテーマに掲げています。AIが情報収集や分析、仮説生成を支援し、人間がその情報を活用して、より速く、質の高い意思決定ができる状態をクライアント企業内に構築することを目指しています。
- つのサービス領域で価値提供サービスは「Business Innovation(ビジネス変革)」と「System Innovation(システム変革)」の2つの領域で展開されます。ビジネス変革では事業成長支援、システム変革ではデータ基盤やシステム構築支援を行います。これらを「AIの間接提供(コンサルタントの知見強化)」と「AIの直接提供(AIを組み込んだ仕組みやプロダクト)」の4つの掛け合わせで提供し、クライアントのAI活用を多角的に支援しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ビジネス変革(AI間接提供)このサービス領域では、社内に蓄積されたAIアセットと最新のAI技術を活用し、コンサルタントの知見を強化します。データ分析を中心に、クライアント企業の事業変革や事業成長を支援します。これは、ギックスのコンサルタントがAIを「間接的に」活用し、顧客のビジネス課題解決に貢献する形態です。
- ビジネス変革(AI直接提供)この領域では、データ・AIとゲーミフィケーションを組み合わせたプラットフォーム「マイグル」などのソフトウェア・プロダクトを提供することで、クライアントの事業変革や事業成長を支援します。特に、顧客関係構築(CRM)に特化した「ロイヤルティ・マイグル」に注力しており、AIを組み込んだプロダクトを「直接的に」提供する形態です。
- システム変革(AI間接提供・直接提供)システム変革領域では、豊富なプロジェクト経験で培ったAIアセットや知見を活用し、システム領域の変革を推進します。AIを業務に組み込むための業務設計やシステム設計・企画を行う「AI間接提供」と、AIアセットを再利用可能なコンポーネントとして整備し、分析基盤やデータ処理機構に組み込んで提供する「AI直接提供」の両面で、クライアントの業務効率化・高度化を支援します。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、戦略コンサルティングの“データを用いて考える”という思考法と“データを考える材料に昇華する”高度なアナリティクス能力を組み合わせた、新しいタイプのプロフェッショナルサービス集団です。データとビジネスをつなぐ架け橋となり、クライアント企業の経営課題解決、競争力強化を支援します。 当社グループのパーパス(企業の目的)は、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」です。Data-Informed(略称:DI、日本語表記:データインフォームド)は、データ“も”を用いて考える思考態度です。Data-Driven(データドリブン)という言葉が広く知られていますが、この用語には「データによって(自動的に)答えが導かれる」という期待が含まれています。当社グループは、データ“だけ”で物事を判断するのではなく、人間の思考にデータ“も”加えることによって、その判断がより一層高度なものになることが理想であると考えています。 データインフォームドは、人間の可能性をデータを用いて拡張する思想です。様々なツールから提供される情報を、人間が思考するための材料として用います。より多くの材料を得て、より深く考え、より精度の高い判断を行う。これが、データインフォームドの目指す姿です。 それを実現するためには、「INPUT(情報の整備)」「ANALYTICS(分析と洞察)」「ACTION(施策の実行)」の3つのプロセスがループ構造で回っていくことが必要です。適切なデータを収集・整理・蓄積し、それを最適な形で分析します。分析結果に基づいて行われた判断に従い、有効な施策を立案・実行します。さらに、その実行結果を、再度、分析のためのインプットとしてフィードバックすることで、よりビジネス実態に即した分析が可能となります。 この一連のサイクルを、クライアントが活用可能な形で提供するにあたり「Business Innovation(ビジネス変革)」と「System Innovation(システム変革)」の2つのサービス領域で、価値創出を行います。 データインフォームドを実現するためのINPUT→ANALYTICS→ACTIONのサイクルを可能とする、ビジネスとシステム両輪での変革支援を、シームレス且つ柔軟な組み合わせで提供可能なのが、当社グループの強みです。 加えて、生成AIをはじめとするAI技術が急速に進化する中で、「データインフォームド」の考え方をさらに発展させ、現在は「クライアントを、AI-Informedに。」を取り組みのテーマにしています。これまで専門家が時間をかけて行っていた情報収集や分析、仮説生成をAIが支援し、膨大な定量・定性データを横断しながら、意思決定に必要な情報や示唆を短時間で得ることが可能になりつつあります。AIから得られる情報や示唆、仮説を、人間が考えるための強力な材料として活用し、人間自身の知識や経験、価値観と組み合わせることで、これまで以上に速く、質の高い意思決定を行える状態を、クライアント企業の中につくることを目指しています。 当社グループは、これまで培ってきた戦略策定、データ分析、業務改革、データ基盤・システム構築、プロダクト開発・提供といったケイパビリティにAIを組み合わせることで、2つの方向からクライアント企業をAI-Informedな状態へと変革していきます。・「AIで強化された人」を増やす(AIの間接提供)AIを使うことで、当社メンバー一人ひとりがこれまで以上に高い生産性と付加価値を発揮できる状態をつくったうえで、企業の現場に入り込み、課題を捉え、考え、意思決定し、実行します。・「AIを組み込んだ仕組み」をつくる(AIの直接提供)これまで人が都度行ってきた分析や判断、業務プロセスの中にAIを組み込み、継続的に意思決定と実行を支援する仕組みとして定着させていきます。 さらに、プロジェクトを通じて得た判断の型、データ構造、業務フロー、分析ロジック、機能モジュール等を「AI・データアセット」として蓄積し、再利用していきます。 当社のサービス領域は、先ほどの「AIの間接提供/直接提供」と、「Business Innovation/System Innovation」を掛け合わせた4つです。 4つの各サービスの概要は以下の通りです。 ・「AI間接提供×Business Innovation」社内に蓄積されたAIアセット及び最新のAI技術を活用し、コンサルタントの知見を底上げします。データ分析領域を中心に、クライアント企業の事業変革・事業成長を支援します。 ・「AI直接提供×Business Innovation」“データ・AI×ゲーミフィケーション”によるプラットフォーム「マイグル」を中心としたソフトウェア・プロダクトの提供による事業変革・事業成長を支援します。特に顧客関係構築(CRM)に特化した「ロイヤルティ・マイグル」に注力します。 ・「AI間接提供×System Innovation」豊富なプロジェクト経験で培ったAIアセット・知見を活用し、システム領域の変革を推進します。AIを業務に組み込むための業務設計およびシステム設計・企画を行います。 ・「AI直接提供×System Innovation」AIアセットを再利用可能なコンポーネントとして整備し、プロダクト開発・システム構築に活用します。分析基盤やデータ処理機構にAIアセットを組み込んで提供することにより、クライアントの業務効率化・高度化をAIのチカラで後押しします。 なお、当社グループの事業は、介護事業及び旅行事業を含む「その他」の区分がありますが、金額的重要性が低いこと及び、2026年1月1日付で介護事業を売却しており、2026年6月末に旅行事業を廃止したため、説明は省略いたします。 [事業系統図] 事業の系統図は次のとおりであります。 用語の解説・販売パートナー:当社プロダクトの代理販売を行う企業です。・協業パートナー:当社グループとプロジェクトを共同で行う企業です。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 データとビジネスをつなぐ架け橋となり、クライアント企業の経営課題解決を支援するため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 戦略コンサルティングの思考法と高度なアナリティクス能力を組み合わせたプロフェッショナルサービス。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 低い |
会社が挙げる主要リスク:特定の売上先への依存 / 人材の確保・維持及び育成 / 業界及び景気動向の変動による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ギックスは主にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進支援や人材育成事業を展開しており、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPといった無形資産の優位性は現時点では明確ではない。事業の性質上、ノウハウや人的資本は重要だが、それが直接的なモートとして機能するには時間がかかる。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
DX推進支援においては、一度導入したコンサルティングサービスや人材育成プログラムからの乗り換えには、学習コストや再構築の労力が伴う可能性がある。しかし、顧客が他社サービスを試すことへの障壁は限定的であり、スイッチング・コストはまだ弱いレベルにとどまる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ギックスの事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すものではない。顧客が増えることでサービス価値が向上するような、プラットフォーム型やソーシャル型のビジネスではないため、ネットワーク効果によるモートは期待できない。
コスト優位☆☆☆☆☆
ギックスの事業は主に人的サービスであり、規模の経済や構造的なコスト優位性を築くことは難しい。競合他社との差別化はサービス品質や専門性によるところが大きく、コスト面での優位性は見られない。
規模の経済☆☆☆☆☆
DX支援や人材育成市場は競争が激しく、ギックスが業界規模に対して圧倒的なシェアを持つ少数寡占状態にあるとは言えない。市場全体が成長しているため、規模の拡大は可能だが、それが直接的なモートに繋がるほどの効率規模の優位性はない。
- データインフォームドの専門性ギックスは「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパスとし、データと人間の思考を組み合わせた意思決定支援に特化しています。データドリブン(データが自動的に答えを導く)とは異なり、データ“も”用いて人間が深く考えるという独自の思想は、複雑な経営課題に対し、より柔軟で質の高い解決策を提供できる強みとなります。
- AIと既存ケイパビリティの融合長年培ってきた戦略策定、データ分析、業務改革、データ基盤・システム構築、プロダクト開発のケイパビリティに、生成AIなどの最新AI技術を組み合わせることで、提供価値を最大化しています。これにより、「AIで強化された人」と「AIを組み込んだ仕組み」の両面からクライアントを支援し、他社にはない包括的なサービス提供が可能です。
- AI・データアセットの蓄積と活用プロジェクトを通じて得られた判断の型、データ構造、業務フロー、分析ロジック、機能モジュールなどを「AI・データアセット」として蓄積し、再利用しています。これにより、個別のプロジェクトで得た知見を横展開し、他のプロジェクトやサービスへ効率的に適用することで、提供価値の継続的な向上と生産性の向上を実現しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- AI-Informedの実現ギックスは「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパスとし、現在は「クライアントを、AI-Informedに。」をテーマに掲げています。これは、AIに判断を委ねるのではなく、AIから得られる情報や示唆を人間が「より良い意思決定」を行うための材料として活用する状態を目指すものです。これにより、クライアント企業の業務変革と事業成長を推進します。
- 提供価値の拡大と新規顧客獲得生成AIの進化により、AI活用対象が経営判断や業務プロセス全体に広がっていることを踏まえ、AI-Informed Platform(AIP)や既存システムへのAI組み込みサービスなどを拡充します。また、既存の重点顧客との関係深化に加え、データとAIで解決可能な経営課題を共に探す「需要創造型営業」を強化し、新規顧客の獲得と取引拡大を目指します。
- AI・データアセットの蓄積と活用プロジェクトを通じて得られた判断の型、データ構造、業務フロー、分析手法などを「AI・データアセット」として蓄積し、再利用可能な形で他のプロジェクトやサービスへ展開します。これにより、人員増加に依存しない再現性のある成長と安定的な収益力を両立できる事業構造への転換を進め、提供価値と生産性を継続的に高めていきます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパス(企業の目的)として掲げ、「すべての人がデータという武器を有効に用いて論理的に考え、合理的に判断する社会」の実現を目指しています。当社グループは、業界リーディングカンパニーに対し、データに基づく判断・意思決定(Data-Informed Decision-Making(以下「DIDM」という。))支援を行っています。データインフォームドにおいては、人間が思考する際に、一般的なデータ分析のアウトプットに加え、生成AIなどから得られた情報群を「考えるための材料」として適切に提供することにより、人間の思考が拡張されていくことが理想の姿です。当社グループは、創業以来、長年にわたって培ってきたデータ分析にまつわるノウハウやアセット群を活用すると共に、昨今、注目されている生成AIなどの新たな情報処理技術を取り入れて、クライアント企業の「データ“も”用いた判断」を核とした業務変革を推進し、事業成長・業績改善および競争力強化を実現します。加えて、近年急速に進化している生成AIをはじめとするAI技術を活用し、人間自身の知識や経験、価値観と組み合わせることで、これまで以上に速く、質の高い意思決定を行うことを目指した「クライアントを、AI-Informedに。」を取り組みのテーマにしています。 (2) 経営環境IT専門調査会社 IDCは、従来のAI利用方法であった「仕事のアシスタント」から、AIエージェントの実利用・ワークフローへの組み込みによる「業務遂行のバディ(相棒)」への構造的変化により、国内AI市場支出額は2025年に2兆3,725億円から、2029年に2.9倍の6兆8,897億円に急成長し、2024年~2029年の年間平均成長率(CAGR)は36.0%に達すると予測されています(出典:2026年3月 IDC「Worldwide AI and Generative AI Spending Guide 2026V1」)。また、国内ビッグデータ/アナリティクス市場は、企業のビジネスの可視化需要によるビジネスインテリジェンス(BI)市場の継続的拡大、データ活用環境整備に即した構造化データウェアハウス/非構造化データストア等の成長を背景として、2027年までの年間平均成長率(CAGR)は14.3%で、2027年には支出額が3兆541億円に達すると予測されています。(出典:2024年3月21日IDC Japan 国内ビッグデータ/アナリティクス市場 ユーザー支出額予測:産業分野セクター別、2022年の実績と2023年~2027年の予測)これらの予想から、当社グループは、国内における2030年のAI市場及びデータ利活用市場はそれぞれ9兆円、4.5兆円にのぼると推計しています。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、生産性(一人ひとりがより大きな価値を生むこと)と顧客深度(1社のお客様により深く価値を提供すること)を指標とし、以下2つの指標を開示することといたします。なお、前連結会計年度までKPIとしていたM&Aの各プロセス実施件数については数を追うことはいたしませんが、M&A自体は質を重視して継続してまいります。1.生産性:1人当たり売上高・粗利(単体)2.顧客深度:顧客単価・分布(単体) (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、パーパス「あらゆる判断を、Data-Informedに。」の実現に向け、「クライアントを、AI-Informedに。」を取り組みテーマとして掲げております。当社グループが目指すAI-Informedとは、AIに判断を委ねることではありません。データやAIから得られる情報、示唆及び仮説を、人間が「より良い意思決定」を行うための材料として活用する状態を意味しております。当社グループは、「戦略コンサルティング」、「データ・サイエンス」、「データ・エンジニアリング」及び「プロダクト開発」の各ケイパビリティを組み合わせ、クライアント企業の経営・事業上の課題を捉えるところから、データ分析、業務変革、システムへの実装及び運用までを一気通貫で支援してまいりました。今後は、こうしたプロジェクトを通じて得られる判断の型、データ構造、業務フロー、分析手法及び機能等を、再利用可能なAI・データアセットとして蓄積し、他のプロジェクトやサービスへ展開することで、提供価値と生産性を継続的に高めてまいります。また、「AIで強化された人」と「AIを組み込んだ仕組み」の両輪により、クライアント企業において意思決定と実行が継続的に高度化される状態を構築するとともに、当社グループにおいても、人員増加のみに依存せず、再現性のある成長と安定的な収益力を両立できる事業構造への転換を進めてまいります。こうした方針のもと、当社グループは、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。 1.再現性のある成長と収益力の向上①AI-Informed領域における提供価値の拡大生成AIをはじめとするAI技術の進化により、企業におけるAI活用の対象は、情報収集や文書作成等の個人業務から、経営・事業上の意思決定、業務プロセス及びシステムそのものへと広がっております。一方、実際の企業活動にAIを組み込み、その価値を享受するためには、AI技術を導入するだけでは十分ではありません。企業内に分散する数値データや文章情報等を、AIが参照できる状態に整備するとともに、データや指標の意味を統一し、業務や意思決定の文脈に沿ってAIを適用する必要があります。当社グループは、企業のデータ基盤及び意思決定プロセスを高度化するAI-Informed Platform(AIP)、既存の業務システムに生成AIを組み込むAI wrapping、データとビジネスの意味を統一するセマンティックレイヤー構築等のサービスを提供しております。また、当社の提供するゲーミフィケーション・プラットフォーム 「マイグル」におきましては、顧客の行動データをAIによって継続的に分析し、顧客一人ひとりに適したコンテンツ、ミッション、クーポン等を提示するロイヤリティ・マイグルとしての展開を進めております。今後も、データ分析、業務理解及びシステム実装を一体的に提供できる当社グループの強みを活かし、AIエージェント等のAI技術及びAI・データアセットを、クライアント企業の経営判断、業務プロセス及びシステムに組み込むサービスを拡充するとともに、クライアント企業のAI-Informed化による具体的な成果の創出に取り組んでまいります。 ②新規顧客の獲得及び重点顧客との取引拡大当社グループが持続的に成長するためには、既存の重点顧客との関係を一層深めることに加え、新たなクライアント企業との接点を継続的に創出し、具体的な案件へとつなげていくことが重要です。当社グループは、個別の商品やサービスを一方的に提案・販売するのではなく、データ及びAIによって解決可能な経営・事業上の課題をクライアント企業とともに見いだし、具体的な取り組みへと発展させる需要創造型の営業活動を強化してまいります。また、一つの部署やテーマで創出した価値を、同一企業内の他部門、同一業界の他企業及び他業界へと展開する「縦横展開」を推進してまいります。重点顧客に対しては、データ分析やコンサルティングにとどまらず、業務変革、システム構築、プロダクト提供及び継続運用まで支援範囲を広げることで、複数テーマ・複数年にわたる継続的な関係を構築してまいります。さらに、資本業務提携、共同プロジェクト、人材交流及び外部パートナーとの協業等も活用し、顧客基盤と案件創出力の強化を図ってまいります。 ③AI・データアセットの蓄積、再利用及びサービス化当社グループは、クライアント企業の個別課題に深く入り込み、プロジェクトを通じて具体的な価値を創出することを、競争力の源泉としております。一方、個別プロジェクトごとに求められる課題解決を完遂するだけでは、事業規模の拡大に伴って必要な人員及びコストが増加することとなります。このため、クライアント企業との契約、知的財産権及び秘密保持義務に十分配慮しつつ、プロジェクトを通じて得られた汎用的な分析手法、判断ロジック、データ構造・業務フローの設計手法並びに当社グループが利用可能なプログラム及び機能モジュール等をAI・データアセットとして蓄積し、他のプロジェクトやサービスにおいて再利用できる状態を整備しており、また、今後も継続的に実施してまいります。これらのAI・データアセットを活用することで、プロジェクトの提供速度及び品質を高めるとともに、一人当たりの生産性を向上させてまいります。また、市場性及び汎用性が認められるAI・データアセットについては、継続利用型のサービス、利用料型サービス、成果報酬型サービス又は外部パートナーとの共同事業等へ発展させてまいります。 ④戦略的な投資、業務提携及びM&Aの推進当社グループは、オーガニックな成長に加え、業務提携、資本業務提携及びM&Aを、中長期的な企業価値向上のための重要な手段として位置づけております。今後のM&Aについては、単に売上規模や人員数を拡大することを目的とするのではなく、当社グループの価値創出サイクルを構成する「人材」「仕組み」「アセット」及び「顧客基盤」を強化し、当社グループとの相乗効果を創出できるかという観点を重視してまいります。対象企業の収益性及び自立的な経営力に加え、当社グループとのクロスセル、アセットの統合、技術・人材の相互活用及び買収後の収益貢献等を慎重に検討し、質を重視した投資判断を行ってまいります。また、買収後の企業価値向上を確実なものとするため、事業計画、管理体制、人材配置、営業連携及びサービス連携等を含むPMI(買収後の統合プロセス)を着実に実行し、グループ全体としてのシナジー創出を図ってまいります。 ⑤安定的な利益の確保当社グループは、持続的な成長のためには、売上高の拡大だけでなく、安定的な利益及びキャッシュ・フローを確保することが不可欠であると認識しております。案件単位での売上高、原価、投入工数、進捗及び採算性を適切に把握し、プロジェクトの開始前及び遂行中における収益管理を強化してまいります。また、固定費及び外部リソースを事業環境や案件状況に応じて適切に配分し、売上高の変動による利益への影響を抑制してまいります。同時に、AI関連資産を含む社内アセットの活用、業務の標準化・自動化並びにグループ内リソースの有効活用を通じて、一人当たりの生産性及び付加価値の向上を図ります。これらの取り組みにより、成長投資を継続しながらも、利益の変動を抑制し、本業における安定的な収益力を構築してまいります。 2.サービス品質及び事業遂行力の向上①プロジェクトマネジメントの高度化当社グループが提供するサービスは、クライアント企業の経営・事業上の課題に深く関わり、データ分析、業務変革及びシステム実装等を横断するものです。そのため、個々の専門性だけでなく、プロジェクト全体を適切に設計し、品質、進捗、コスト及びリスクを管理する能力が重要となります。当社グループは、案件受注前における要件、難易度、体制、採算性及びリスクの評価を強化するとともに、プロジェクト開始後においても、経営陣、事業部門、ミドルオフィス及びコーポレート部門が必要な情報を共有し、問題を早期に検知・是正できる管理体制を整備してまいります。また、見積り、契約、要件定義、設計、開発、テスト及び運用等の各プロセスにおける標準化を進め、プロジェクトごとの属人性を抑えながら、高い品質と適切な採算性を両立してまいります。 ②ケイパビリティミックスによる提供価値の向上当社グループの強みは、「戦略コンサルティング」「データ・サイエンス」「データ・エンジニアリング」「プロダクト開発」という複数のケイパビリティを保有し、クライアント企業の課題に応じて組み合わせられることにあります。今後も、それぞれの専門性を高めるとともに、組織や部門の枠を越え、クライアント企業にとって最適な人材及びケイパビリティを組み合わせてプロジェクトを推進してまいります。分析のみ、コンサルティングのみ又はシステム構築のみといった分断された価値提供にとどまらず、経営・事業課題の把握から実装及び運用までをつなぎ、クライアント企業の成果に結びつけることにより、当社グループの差別性をさらに高めてまいります。 ③技術力及びサービス開発力の強化生成AIをはじめとする技術は急速に進化しており、当社グループには、最新技術を継続的に把握するとともに、その有用性、限界及びリスクを見極め、実際の企業活動に適用する力が求められております。当社グループは、社内における技術検証、勉強会、研修及びプロジェクトでの実践を通じて、最新技術に関する知見を蓄積してまいります。また、必要に応じて外部専門家、研究機関、技術パートナー及び業務提携先との連携を進めてまいります。技術そのものを目的とするのではなく、クライアント企業の売上向上、コスト削減、業務効率化及び意思決定の高度化等の成果につなげることを重視し、継続的なサービス開発及び改善に取り組んでまいります。 3.人材及び組織力の強化①専門人材及び経営・マネジメント人材の確保当社グループの成長及び競争力の源泉は、人材にあります。今後も、戦略コンサルティング、データ・サイエンス、データ・エンジニアリング、プロダクト開発、AI技術・活用、営業及びプロジェクトマネジメント等の各領域において、高い専門性を有する人材の採用に取り組んでまいります。また、事業規模及びグループの事業領域の拡大に対応するためには、複数の組織、サービス又は事業を率い、経営目標から逆算して事業を推進できる経営・マネジメント人材の確保及び育成も重要であると認識しております。社内人材の登用及び育成に加え、外部からの採用、グループ会社間の人材交流並びに外部プロフェッショナルとの協働等を通じて、経営及び事業を支える人材層を厚くしてまいります。 ②AIを活用できる人材及び横断型人材の育成AIの普及により、個々の従業員がAIを適切に活用し、自らの生産性と提供価値を高めることが重要になっております。当社グループにおいても、データ利活用コンサルティング、データ分析、システム設計・開発及びプロジェクトマネジメント等の各業務において、AIを活用して、従業員による思考、調査、分析、設計及び開発を支援する取り組みを進めております。こうした社内でのAI活用を通じて、業務の効率化だけでなく、アウトプットの品質及び一人当たりの提供価値を高めるとともに、そこで得られた知見や仕組みをAI・データアセットとして蓄積し、クライアント企業へのサービス提供にも還元してまいります。当社グループは、AIの操作方法だけでなく、適切な問いを設定する力、出力内容を検証する力、データ及び業務の文脈を理解する力並びに最終的な判断を行う力を含めた人材育成を進めてまいります。また、ビジネス、アナリティクス及びITのいずれかの専門性を軸としながら、複数領域を横断してクライアント企業の課題を捉えられる人材を育成してまいります。プロジェクトを単に業務を遂行する場とするのではなく、各人が新たな知識、技術、方法論及び再利用可能なアセットを獲得する成長機会と位置づけ、教育、レビュー及びナレッジ共有の体制を整備してまいります。 ③能力を最大限に発揮できる環境の整備当社は、フルリモート及びフルフレックスを基本とした柔軟な勤務制度を活用し、居住地にとらわれず全国各地から優秀な人材を採用するとともに、それぞれが能力を最大限に発揮できる環境の整備に取り組んでおります。今後も、柔軟な働き方と高い成果創出を両立させるため、業務管理、コミュニケーション、評価・育成及び健康管理の仕組みを継続的に改善し、労働時間、業務負荷及び従業員の心身の状況を適切に把握してまいります。また、公正な評価及び処遇、各人の成長速度に応じた育成・登用、専門性を高めるキャリアとマネジメントを担うキャリアの双方を選択できる仕組み等を整備し、従業員の成長と会社の成長を両立してまいります。 4.グループ経営基盤の強化①コーポレート・ガバナンス及び内部統制の実効性向上当社グループは、事業規模及びグループ会社数の拡大に応じて、経営管理、会計、財務、人事、法務及び内部統制等の基盤を継続的に強化する必要があると認識しております。取締役会及び監査役会を中心とする監督・監査体制に加え、経営会議その他の重要な会議体を適切に運用し、経営上の重要事項及び事業上のリスクについて、必要な情報が迅速かつ正確に共有される体制を整備してまいります。また、事業部門、ミドルオフィス及びコーポレート部門の役割を明確にし、事業の機動性を損なうことなく、実務に即した牽制及びモニタリングが機能する体制を構築してまいります。グループ会社についても、各社の自立性及び強みを尊重しつつ、財務報告、予算管理、リスク管理及びコンプライアンス等に関する共通の管理基盤を整備し、グループ経営の実効性を高めてまいります。 ②リスク管理及びコンプライアンスの強化事業領域、顧客、プロジェクト及びグループ会社の拡大に伴い、当社グループが管理すべきリスクも多様化しております。グループ・リスクマネジメント委員会を中心に、事業運営、契約、プロジェクト、労務、財務、法令、知的財産、情報管理及び取引先等に関するリスクを継続的に把握し、重要性に応じた対応策を講じてまいります。また、役員及び従業員に対する教育・研修、内部通報制度の適切な運用並びに各部門との継続的なコミュニケーションを通じて、法令及び社会的規範を遵守する意識と行動の定着を図ってまいります。 ③情報セキュリティ、データガバナンス及びAIガバナンスの強化当社グループは、クライアント企業の経営情報、機密情報、個人情報及び各種取引データ等を取り扱うことから、情報セキュリティを事業運営上の重要課題として位置づけております。社内規程及びガイドラインの整備、アクセス権限の適切な管理、従業員教育、外部専門家による点検並びに必要なセキュリティシステムの導入・改善を継続してまいります。また、生成AIその他の外部サービスの利用に伴う情報流出、知的財産権侵害、不正確な出力及び不適切な意思決定等のリスクを踏まえ、AIの利用範囲、入力可能な情報、出力内容の検証及び最終的な責任の所在等に関するルールを整備してまいります。AIを積極的に活用しながらも、人間による確認及び判断を適切に組み込み、安全性、信頼性及び経済合理性を備えたAI活用を推進してまいります。 5.中長期的な企業価値の向上及び資本市場との対話当社グループは、パーパスの実現に向けて事業を成長させることと、安定的な利益及び財務基盤を確保することを両立させ、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。株主及び投資家の皆様に、当社グループの事業内容、競争優位性、成長戦略、リスク及び財務状況を適切にご理解いただけるよう、決算説明資料、各種開示資料及び説明会等を通じた情報発信を充実させてまいります。また、株主及び投資家の皆様との建設的な対話を継続し、そこで得られた意見を経営及び情報開示の改善に活用してまいります。資本政策については、成長投資、財務の健全性、株主還元、資本効率及び株式の流動性等を総合的に勘案し、中長期的な企業価値の向上に資する施策を継続的に検討してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパス(企業の目的)として掲げ、「すべての人がデータという武器を有効に用いて論理的に考え、合理的に判断する社会」の実現を目指しています。当社グループは、業界リーディングカンパニーに対し、データに基づく判断・意思決定(Data-Informed Decision-Making(以下「DIDM」という。))支援を行っています。データインフォームドにおいては、人間が思考する際に、一般的なデータ分析のアウトプットに加え、生成AIなどから得られた情報群を「考えるための材料」として適切に提供することにより、人間の思考が拡張されていくことが理想の姿です。当社グループは、創業以来、長年にわたって培ってきたデータ分析にまつわるノウハウやアセット群を活用すると共に、昨今、注目されている生成AIなどの新たな情報処理技術を取り入れて、クライアント企業の「データ“も”用いた判断」を核とした業務変革を推進し、事業成長・業績改善および競争力強化を実現します。加えて、近年急速に進化している生成AIをはじめとするAI技術を活用し、人間自身の知識や経験、価値観と組み合わせることで、これまで以上に速く、質の高い意思決定を行うことを目指した「クライアントを、AI-Informedに。」を取り組みのテーマにしています。 (2) 経営環境IT専門調査会社 IDCは、従来のAI利用方法であった「仕事のアシスタント」から、AIエージェントの実利用・ワークフローへの組み込みによる「業務遂行のバディ(相棒)」への構造的変化により、国内AI市場支出額は2025年に2兆3,725億円から、2029年に2.9倍の6兆8,897億円に急成長し、2024年~2029年の年間平均成長率(CAGR)は36.0%に達すると予測されています(出典:2026年3月 IDC「Worldwide AI and Generative AI Spending Guide 2026V1」)。また、国内ビッグデータ/アナリティクス市場は、企業のビジネスの可視化需要によるビジネスインテリジェンス(BI)市場の継続的拡大、データ活用環境整備に即した構造化データウェアハウス/非構造化データストア等の成長を背景として、2027年までの年間平均成長率(CAGR)は14.3%で、2027年には支出額が3兆541億円に達すると予測されています。(出典:2024年3月21日IDC Japan 国内ビッグデータ/アナリティクス市場 ユーザー支出額予測:産業分野セクター別、2022年の実績と2023年~2027年の予測)これらの予想から、当社グループは、国内における2030年のAI市場及びデータ利活用市場はそれぞれ9兆円、4.5兆円にのぼると推計しています。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、生産性(一人ひとりがより大きな価値を生むこと)と顧客深度(1社のお客様により深く価値を提供すること)を指標とし、以下2つの指標を開示することといたします。なお、前連結会計年度までKPIとしていたM&Aの各プロセス実施件数については数を追うことはいたしませんが、M&A自体は質を重視して継続してまいります。1.生産性:1人当たり売上高・粗利(単体)2.顧客深度:顧客単価・分布(単体) (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、パーパス「あらゆる判断を、Data-Informedに。」の実現に向け、「クライアントを、AI-Informedに。」を取り組みテーマとして掲げております。当社グループが目指すAI-Informedとは、AIに判断を委ねることではありません。データやAIから得られる情報、示唆及び仮説を、人間が「より良い意思決定」を行うための材料として活用する状態を意味しております。当社グループは、「戦略コンサルティング」、「データ・サイエンス」、「データ・エンジニアリング」及び「プロダクト開発」の各ケイパビリティを組み合わせ、クライアント企業の経営・事業上の課題を捉えるところから、データ分析、業務変革、システムへの実装及び運用までを一気通貫で支援してまいりました。今後は、こうしたプロジェクトを通じて得られる判断の型、データ構造、業務フロー、分析手法及び機能等を、再利用可能なAI・データアセットとして蓄積し、他のプロジェクトやサービスへ展開することで、提供価値と生産性を継続的に高めてまいります。また、「AIで強化された人」と「AIを組み込んだ仕組み」の両輪により、クライアント企業において意思決定と実行が継続的に高度化される状態を構築するとともに、当社グループにおいても、人員増加のみに依存せず、再現性のある成長と安定的な収益力を両立できる事業構造への転換を進めてまいります。こうした方針のもと、当社グループは、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。 1.再現性のある成長と収益力の向上①AI-Informed領域における提供価値の拡大生成AIをはじめとするAI技術の進化により、企業におけるAI活用の対象は、情報収集や文書作成等の個人業務から、経営・事業上の意思決定、業務プロセス及びシステムそのものへと広がっております。一方、実際の企業活動にAIを組み込み、その価値を享受するためには、AI技術を導入するだけでは十分ではありません。企業内に分散する数値データや文章情報等を、AIが参照できる状態に整備するとともに、データや指標の意味を統一し、業務や意思決定の文脈に沿ってAIを適用する必要があります。当社グループは、企業のデータ基盤及び意思決定プロセスを高度化するAI-Informed Platform(AIP)、既存の業務システムに生成AIを組み込むAI wrapping、データとビジネスの意味を統一するセマンティックレイヤー構築等のサービスを提供しております。また、当社の提供するゲーミフィケーション・プラットフォーム 「マイグル」におきましては、顧客の行動データをAIによって継続的に分析し、顧客一人ひとりに適したコンテンツ、ミッション、クーポン等を提示するロイヤリティ・マイグルとしての展開を進めております。今後も、データ分析、業務理解及びシステム実装を一体的に提供できる当社グループの強みを活かし、AIエージェント等のAI技術及びAI・データアセットを、クライアント企業の経営判断、業務プロセス及びシステムに組み込むサービスを拡充するとともに、クライアント企業のAI-Informed化による具体的な成果の創出に取り組んでまいります。 ②新規顧客の獲得及び重点顧客との取引拡大当社グループが持続的に成長するためには、既存の重点顧客との関係を一層深めることに加え、新たなクライアント企業との接点を継続的に創出し、具体的な案件へとつなげていくことが重要です。当社グループは、個別の商品やサービスを一方的に提案・販売するのではなく、データ及びAIによって解決可能な経営・事業上の課題をクライアント企業とともに見いだし、具体的な取り組みへと発展させる需要創造型の営業活動を強化してまいります。また、一つの部署やテーマで創出した価値を、同一企業内の他部門、同一業界の他企業及び他業界へと展開する「縦横展開」を推進してまいります。重点顧客に対しては、データ分析やコンサルティングにとどまらず、業務変革、システム構築、プロダクト提供及び継続運用まで支援範囲を広げることで、複数テーマ・複数年にわたる継続的な関係を構築してまいります。さらに、資本業務提携、共同プロジェクト、人材交流及び外部パートナーとの協業等も活用し、顧客基盤と案件創出力の強化を図ってまいります。 ③AI・データアセットの蓄積、再利用及びサービス化当社グループは、クライアント企業の個別課題に深く入り込み、プロジェクトを通じて具体的な価値を創出することを、競争力の源泉としております。一方、個別プロジェクトごとに求められる課題解決を完遂するだけでは、事業規模の拡大に伴って必要な人員及びコストが増加することとなります。このため、クライアント企業との契約、知的財産権及び秘密保持義務に十分配慮しつつ、プロジェクトを通じて得られた汎用的な分析手法、判断ロジック、データ構造・業務フローの設計手法並びに当社グループが利用可能なプログラム及び機能モジュール等をAI・データアセットとして蓄積し、他のプロジェクトやサービスにおいて再利用できる状態を整備しており、また、今後も継続的に実施してまいります。これらのAI・データアセットを活用することで、プロジェクトの提供速度及び品質を高めるとともに、一人当たりの生産性を向上させてまいります。また、市場性及び汎用性が認められるAI・データアセットについては、継続利用型のサービス、利用料型サービス、成果報酬型サービス又は外部パートナーとの共同事業等へ発展させてまいります。 ④戦略的な投資、業務提携及びM&Aの推進当社グループは、オーガニックな成長に加え、業務提携、資本業務提携及びM&Aを、中長期的な企業価値向上のための重要な手段として位置づけております。今後のM&Aについては、単に売上規模や人員数を拡大することを目的とするのではなく、当社グループの価値創出サイクルを構成する「人材」「仕組み」「アセット」及び「顧客基盤」を強化し、当社グループとの相乗効果を創出できるかという観点を重視してまいります。対象企業の収益性及び自立的な経営力に加え、当社グループとのクロスセル、アセットの統合、技術・人材の相互活用及び買収後の収益貢献等を慎重に検討し、質を重視した投資判断を行ってまいります。また、買収後の企業価値向上を確実なものとするため、事業計画、管理体制、人材配置、営業連携及びサービス連携等を含むPMI(買収後の統合プロセス)を着実に実行し、グループ全体としてのシナジー創出を図ってまいります。 ⑤安定的な利益の確保当社グループは、持続的な成長のためには、売上高の拡大だけでなく、安定的な利益及びキャッシュ・フローを確保することが不可欠であると認識しております。案件単位での売上高、原価、投入工数、進捗及び採算性を適切に把握し、プロジェクトの開始前及び遂行中における収益管理を強化してまいります。また、固定費及び外部リソースを事業環境や案件状況に応じて適切に配分し、売上高の変動による利益への影響を抑制してまいります。同時に、AI関連資産を含む社内アセットの活用、業務の標準化・自動化並びにグループ内リソースの有効活用を通じて、一人当たりの生産性及び付加価値の向上を図ります。これらの取り組みにより、成長投資を継続しながらも、利益の変動を抑制し、本業における安定的な収益力を構築してまいります。 2.サービス品質及び事業遂行力の向上①プロジェクトマネジメントの高度化当社グループが提供するサービスは、クライアント企業の経営・事業上の課題に深く関わり、データ分析、業務変革及びシステム実装等を横断するものです。そのため、個々の専門性だけでなく、プロジェクト全体を適切に設計し、品質、進捗、コスト及びリスクを管理する能力が重要となります。当社グループは、案件受注前における要件、難易度、体制、採算性及びリスクの評価を強化するとともに、プロジェクト開始後においても、経営陣、事業部門、ミドルオフィス及びコーポレート部門が必要な情報を共有し、問題を早期に検知・是正できる管理体制を整備してまいります。また、見積り、契約、要件定義、設計、開発、テスト及び運用等の各プロセスにおける標準化を進め、プロジェクトごとの属人性を抑えながら、高い品質と適切な採算性を両立してまいります。 ②ケイパビリティミックスによる提供価値の向上当社グループの強みは、「戦略コンサルティング」「データ・サイエンス」「データ・エンジニアリング」「プロダクト開発」という複数のケイパビリティを保有し、クライアント企業の課題に応じて組み合わせられることにあります。今後も、それぞれの専門性を高めるとともに、組織や部門の枠を越え、クライアント企業にとって最適な人材及びケイパビリティを組み合わせてプロジェクトを推進してまいります。分析のみ、コンサルティングのみ又はシステム構築のみといった分断された価値提供にとどまらず、経営・事業課題の把握から実装及び運用までをつなぎ、クライアント企業の成果に結びつけることにより、当社グループの差別性をさらに高めてまいります。 ③技術力及びサービス開発力の強化生成AIをはじめとする技術は急速に進化しており、当社グループには、最新技術を継続的に把握するとともに、その有用性、限界及びリスクを見極め、実際の企業活動に適用する力が求められております。当社グループは、社内における技術検証、勉強会、研修及びプロジェクトでの実践を通じて、最新技術に関する知見を蓄積してまいります。また、必要に応じて外部専門家、研究機関、技術パートナー及び業務提携先との連携を進めてまいります。技術そのものを目的とするのではなく、クライアント企業の売上向上、コスト削減、業務効率化及び意思決定の高度化等の成果につなげることを重視し、継続的なサービス開発及び改善に取り組んでまいります。 3.人材及び組織力の強化①専門人材及び経営・マネジメント人材の確保当社グループの成長及び競争力の源泉は、人材にあります。今後も、戦略コンサルティング、データ・サイエンス、データ・エンジニアリング、プロダクト開発、AI技術・活用、営業及びプロジェクトマネジメント等の各領域において、高い専門性を有する人材の採用に取り組んでまいります。また、事業規模及びグループの事業領域の拡大に対応するためには、複数の組織、サービス又は事業を率い、経営目標から逆算して事業を推進できる経営・マネジメント人材の確保及び育成も重要であると認識しております。社内人材の登用及び育成に加え、外部からの採用、グループ会社間の人材交流並びに外部プロフェッショナルとの協働等を通じて、経営及び事業を支える人材層を厚くしてまいります。 ②AIを活用できる人材及び横断型人材の育成AIの普及により、個々の従業員がAIを適切に活用し、自らの生産性と提供価値を高めることが重要になっております。当社グループにおいても、データ利活用コンサルティング、データ分析、システム設計・開発及びプロジェクトマネジメント等の各業務において、AIを活用して、従業員による思考、調査、分析、設計及び開発を支援する取り組みを進めております。こうした社内でのAI活用を通じて、業務の効率化だけでなく、アウトプットの品質及び一人当たりの提供価値を高めるとともに、そこで得られた知見や仕組みをAI・データアセットとして蓄積し、クライアント企業へのサービス提供にも還元してまいります。当社グループは、AIの操作方法だけでなく、適切な問いを設定する力、出力内容を検証する力、データ及び業務の文脈を理解する力並びに最終的な判断を行う力を含めた人材育成を進めてまいります。また、ビジネス、アナリティクス及びITのいずれかの専門性を軸としながら、複数領域を横断してクライアント企業の課題を捉えられる人材を育成してまいります。プロジェクトを単に業務を遂行する場とするのではなく、各人が新たな知識、技術、方法論及び再利用可能なアセットを獲得する成長機会と位置づけ、教育、レビュー及びナレッジ共有の体制を整備してまいります。 ③能力を最大限に発揮できる環境の整備当社は、フルリモート及びフルフレックスを基本とした柔軟な勤務制度を活用し、居住地にとらわれず全国各地から優秀な人材を採用するとともに、それぞれが能力を最大限に発揮できる環境の整備に取り組んでおります。今後も、柔軟な働き方と高い成果創出を両立させるため、業務管理、コミュニケーション、評価・育成及び健康管理の仕組みを継続的に改善し、労働時間、業務負荷及び従業員の心身の状況を適切に把握してまいります。また、公正な評価及び処遇、各人の成長速度に応じた育成・登用、専門性を高めるキャリアとマネジメントを担うキャリアの双方を選択できる仕組み等を整備し、従業員の成長と会社の成長を両立してまいります。 4.グループ経営基盤の強化①コーポレート・ガバナンス及び内部統制の実効性向上当社グループは、事業規模及びグループ会社数の拡大に応じて、経営管理、会計、財務、人事、法務及び内部統制等の基盤を継続的に強化する必要があると認識しております。取締役会及び監査役会を中心とする監督・監査体制に加え、経営会議その他の重要な会議体を適切に運用し、経営上の重要事項及び事業上のリスクについて、必要な情報が迅速かつ正確に共有される体制を整備してまいります。また、事業部門、ミドルオフィス及びコーポレート部門の役割を明確にし、事業の機動性を損なうことなく、実務に即した牽制及びモニタリングが機能する体制を構築してまいります。グループ会社についても、各社の自立性及び強みを尊重しつつ、財務報告、予算管理、リスク管理及びコンプライアンス等に関する共通の管理基盤を整備し、グループ経営の実効性を高めてまいります。 ②リスク管理及びコンプライアンスの強化事業領域、顧客、プロジェクト及びグループ会社の拡大に伴い、当社グループが管理すべきリスクも多様化しております。グループ・リスクマネジメント委員会を中心に、事業運営、契約、プロジェクト、労務、財務、法令、知的財産、情報管理及び取引先等に関するリスクを継続的に把握し、重要性に応じた対応策を講じてまいります。また、役員及び従業員に対する教育・研修、内部通報制度の適切な運用並びに各部門との継続的なコミュニケーションを通じて、法令及び社会的規範を遵守する意識と行動の定着を図ってまいります。 ③情報セキュリティ、データガバナンス及びAIガバナンスの強化当社グループは、クライアント企業の経営情報、機密情報、個人情報及び各種取引データ等を取り扱うことから、情報セキュリティを事業運営上の重要課題として位置づけております。社内規程及びガイドラインの整備、アクセス権限の適切な管理、従業員教育、外部専門家による点検並びに必要なセキュリティシステムの導入・改善を継続してまいります。また、生成AIその他の外部サービスの利用に伴う情報流出、知的財産権侵害、不正確な出力及び不適切な意思決定等のリスクを踏まえ、AIの利用範囲、入力可能な情報、出力内容の検証及び最終的な責任の所在等に関するルールを整備してまいります。AIを積極的に活用しながらも、人間による確認及び判断を適切に組み込み、安全性、信頼性及び経済合理性を備えたAI活用を推進してまいります。 5.中長期的な企業価値の向上及び資本市場との対話当社グループは、パーパスの実現に向けて事業を成長させることと、安定的な利益及び財務基盤を確保することを両立させ、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。株主及び投資家の皆様に、当社グループの事業内容、競争優位性、成長戦略、リスク及び財務状況を適切にご理解いただけるよう、決算説明資料、各種開示資料及び説明会等を通じた情報発信を充実させてまいります。また、株主及び投資家の皆様との建設的な対話を継続し、そこで得られた意見を経営及び情報開示の改善に活用してまいります。資本政策については、成長投資、財務の健全性、株主還元、資本効率及び株式の流動性等を総合的に勘案し、中長期的な企業価値の向上に資する施策を継続的に検討してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、賃上げをはじめとした雇用・所得環境の改善を背景に回復傾向がみられました。一方で、原材料価格・エネルギーコストの高騰や物価上昇等の影響に加え、米国の政策動向等により、景気の先行きは不透明な状況が続いています。そのような中、各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、生成AI等の技術革新・一般社会への普及等もあり、ビッグデータの活用やAIアルゴリズム技術等の社会実装を目指す機運がますます高まっております。このような環境の下、当社グループは「あらゆる判断を、Data-Informed(データインフォームド)に。」をパーパスとして掲げ、「すべての人がデータという武器を用いて論理的に考え、合理的に判断する社会」の実現を目指しています。当社グループは、業界リーディングカンパニーに対し、データに基づく判断・意思決定(Data-Informed Decision-Making)支援を行っています。データインフォームドにおいては、人間が思考する際に、一般的なデータ分析のアウトプットに加え、生成AI等から得られた情報群を「考えるための材料」として適切に提供することにより、人間の思考が拡張されていくことが理想の姿です。当社グループは、創業以来、長年にわたって培ってきたデータ分析にまつわるノウハウやアセット群を活用すると共に、昨今、注目されている生成AI等の新たな情報処理技術を取り入れて、クライアント企業の「データ“も”用いた判断」を核とした業務変革を推進し、事業成長・業績改善および競争力強化を実現します。その上で、当社グループは主たる事業領域を「顧客理解に基づく判断のDI化」と定め(なお、顧客とは、クライアント企業にとっての顧客(エンドユーザー、会員等)を指します)、「顧客理解No.1カンパニーを目指す」をビジョンに掲げています。「顧客理解といえば、ギックス」と想起してもらえるような存在を目指しており、ビジョン達成に向け、エンドユーザーの心理・価値観を行動データ分析によって理解し、それに基づいた最適な提案および実行支援を行うことでクライアント企業の事業成長支援を行います。また、提供するサービスの特徴から大きく「Business Innovation」と「System Innovation」に分類しており、この2つの領域を単独もしくは組み合わせて提供してまいります。当連結会計年度においては、2025年10月に分散する既存システムを対話型AIで包括的に統合する新サービス「AI wrapping(AIラッピング)」、本年3月にデータ基盤上の複雑なデータをビジネス用語へ変換し、定義を統一することで、生成AI活用やデータを用いた現場の意思決定を支援するインフラとなる「セマンティックレイヤー」の構築支援、6月に企業の意思決定高度化を支援する「AI-Informed Platform(AIP)」サービス等、活用ニーズが高まる生成AIに関連する複数サービスの提供を開始しました。また、2025年8月、業務提携先であるBeyondge株式会社と共同で、大企業におけるAI・デジタル人材の内製化を包括的に支援する新サービス「DIGITAL BOOST」の提供を開始し、12月には、大企業における連続M&Aをデータやテクノロジーを活用しながら包括的に支援する新サービス「M&A BOOST」の提供を開始しました。加えて、トヨタモビリティパーツ株式会社と共同開発した「AI整備見積りシステム」の特許を共同で取得したほか、本年6月には株式会社富山エアポートと、富山県内でデータ・AIなど次世代を担う人材の雇用創出と、空港を実践の場として新たな産業やサービス開発を目的とした連携協定を締結しました。“データ・AI×ゲーミフィケーション”によるプラットフォーム「マイグル(Mygru)」においては、引き続き数多くのキャンペーンに導入されています。吉本興業グループの株式会社FANYが実施する「吉本新喜劇座員総選挙2025」のほか、佐藤健LINE公式アカウントで実施された「Netflixシリーズ『グラスハート』デジタルスタンプラリー」、株式会社SMエンタテインメントに所属する韓国発の6人組ボーイズグループ「RIIZE」のデジタルスタンプラリー、韓国発のガールズグループ「i-dle」のLINE公式アカウントにおいて実施されたスペシャルキャンペーン「i-BINGO」等、注力しているエンタメ領域における実績を着実に積み上げています。さらに、当社はLINEミニアプリを活用した展開を強化しており、LINEヤフー株式会社が提供する新サービスである「LINEタッチ」によるLINEミニアプリ起動に対応する等、機能拡張も引き続き推進しています。加えて、M&Aにも引き続き注力しており、2025年10月1日より株式会社メイズが連結子会社となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,765,460千円(前期比15.3%増)、当連結会計年度より目標として定めているコア営業利益(当社グループの事業活動により生み出される利益であり、営業利益にのれん償却費とM&A関連費用を加えたもの)は92,528千円(前期は74,651千円の損失)となりました。また、営業利益は25,296千円(前期は99,659千円の損失)、経常利益は2,715千円(前期は101,164千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は35,559千円(前期は99,975千円の損失)となりました。 また、セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。①Data-Informed事業売上高は2,733,491千円、営業利益は26,590千円となりました。②その他の事業(介護事業等)売上高は31,968千円、営業損失は1,293千円となりました。なお、その他の事業(介護事業等)に関しては、中間連結会計期間より開始しております。 (資産)当連結会計年度末における流動資産は2,115,027千円となり、前連結会計年度末に比べ242,000千円増加いたしました。これは、売掛金及び契約資産が52,697千円減少した一方で、現金及び預金が302,954千円増加したこと等によるものであります。固定資産は603,679千円となり、前連結会計年度末に比べ365,781千円増加いたしました。これは、のれんが276,462千円、顧客関連資産が49,950千円発生したこと等によるものであります。この結果、総資産は、2,718,707千円となり、前連結会計年度末に比べ607,781千円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は574,540千円となり、前連結会計年度末に比べ324,424千円増加いたしました。これは、その他流動負債が165,167千円、1年内返済予定の長期借入金が106,871千円増加したこと等によるものであります。固定負債は456,612千円となり、前連結会計年度末に比べ412,443千円増加いたしました。これは、長期借入金が336,145千円増加したこと等によるものであります。この結果、負債合計は、1,031,153千円となり、前連結会計年度末に比べ736,868千円増加いたしました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は1,687,554千円となり、前連結会計年度末に比べ129,086千円減少いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失35,559千円を計上したこと及び剰余金の配当を116,090千円実施したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は59.8%(前連結会計年度末は83.7%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ302,954千円増加し、1,487,795千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は289,900千円(前期は319,688千円の支出)となりました。これは主に、売掛金及び契約資産の減少が143,037千円及び未払消費税等の増加が85,664千円あったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は301,992千円(前期は107,434千円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出290,557千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は315,046千円(前期は160,384千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額115,947千円等があった一方で、長期借入れによる収入510,000千円が発生したこと等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループはData-Informed事業を営んでおり、該当事項はありません。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)Data-Informed事業2,850,173116.2883,659115.2(注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)販売高(千円)前年同期比(%)Data-Informed事業2,733,491114.0その他31,968-合計2,765,460115.3(注)Data-Informed事業における最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)西日本旅客鉄道㈱1,049,84343.81,268,56946.4㈱TRAILBLAZER527,64222.0140,2665.1アサヒグループジャパン㈱284,59611.9112,4944.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ③資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状況を目指し、安定的なキャッシュ・フローの創出に努めております。運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービス提供のための人件費や外注費等の営業費用によるものの他、納税資金等であります。運転資金は、手持資金、銀行借入及び新株発行により資金調達を行っております。今後も事業活動を支える資金調達については、低コストかつ安定的・機動的な資金の確保を主眼にして多様な資金調達方法に取り組んでまいります。なお、事業拡大に伴う研究開発投資の増大や人件費投資の増大といった多額の先行投資が見込まれる場合、これら資金需要に対応するため、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で調達することを予定しております。④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。この財務諸表作成における見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して検証し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。なお、この財務諸表の作成に関する重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ⑥経営者の問題意識と今後の方針について「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。 ⑦経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、生産性(一人ひとりがより大きな価値を生むこと)と顧客深度(1社のお客様により深く価値を提供すること)を指標とし、以下2つの指標を開示することといたします。なお、前年度までKPIとしていたM&Aの各プロセス実施件数については数を追うことはいたしませんが、M&A自体は質を重視して継続してまいります。a.生産性:1人当たり売上高・粗利(単体)b.顧客深度:顧客単価・分布(単体)これらの指標の推移は以下の通りです。なお、前連結会計年度まで指標としていたものについても併せて「(参考)」として記載しております。各種指標前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)a.生産性 1人当たり売上高・粗利(単体) 1人当たり年間売上高-32百万円 1人当たり年間粗利-11百万円b.顧客深度 顧客単価・分布(単体) Aクライアント(1億円以上)3社(81%)4社(71%) Bクライアント(10,000千円以上1億円未満)13社(14%)15社(22%)(参考)子会社売上高: M&A各プロセス実施件数 IM(情報取得)86社73社 TOP面談13社15社 LOI(意思表示)5件3件 クロージング1件1件 なお、当該指標に関する有限責任監査法人トーマツの監査及びレビューは受けておりません。
事業リスク
- 特定の顧客への依存ギックスのサービスはクライアント企業に深く関与する性質上、特定の顧客への売上依存度が高まる傾向があります。例えば、直近の連結会計年度では西日本旅客鉄道株式会社への売上高が全体の45.9%を占めています。この主要顧客の業績悪化や社内評価の変動があった場合、ギックスの経営成績や業績に大きな影響を与える可能性があります。
- 人材の確保と育成の難しさ戦略コンサルティングとデータサイエンスの両方の素養を持つ優秀な人材の確保・維持・育成が事業推進の鍵です。しかし、人材育成や外部からの採用が計画通りに進まない場合、人的リソースが不足し、事業の拡大や継続に支障をきたす可能性があります。これは、専門性の高いサービスを提供する企業にとって重要なリスクです。
- 技術革新への対応ギックスが事業を展開するアナリティクス・AI業界は技術変化が非常に速いです。破壊的なイノベーションや代替技術の普及が予想以上に進んだ場合、ギックスの競争力が低下し、経営成績や業績に影響を与える可能性があります。常に最新技術を取り入れ、サービス品質を維持・向上させるための継続的な努力が求められます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであり、各リスクに対して発生可能性と影響度をそれぞれ評価しています。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下の通り記載しております。当社グループのリスク管理体制に関しましては、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 イ 企業統治の体制の概要 (グループ・リスクマネジメント委員会)」に記載のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 1.業界及び景気動向の変動による影響(発生可能性:中、影響度:大)クライアント企業を取り巻く労働人口減少やIoT化の進展、企業競争環境の激化などの動向により、当社グループの関連市場は大幅な拡大が予測されています。しかし当社グループのクライアント企業や当社グループが提供するサービスの導入予定企業の業績による影響、他の経営改革案件や技術への投資変更による影響を受ける可能性があります。また、当社グループにおいては国内外の経済情勢の変動に伴う事業環境の悪化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 2.人材の確保・維持及び育成(発生可能性:高、影響度:大)当社グループは、優秀な戦略コンサルティング素養とデータサイエンス素養を併せ持つ人材を獲得・確保・維持・育成を進めることで事業を推進・拡大しております。しかしながら、内部における人材育成・教育、並びに外部からの人材採用が想定通りに進まないことなどによる人的リソースの不足がある場合、当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。 3.技術革新による影響(発生可能性:低、影響度:中)当社グループが事業を展開するアナリティクス・AI業界は、技術の変化やそれに対するクライアント企業のニーズの変化、競合の新サービス・アルゴリズムの展開などにより日々変化しております。当社グループは不変的な経営課題設定力や問題解決力と汎用的なアナリティクス力を主軸とし、それに対して最先端の機械学習・深層学習技術・自然言語処理技術などを組み合わせていく形をとることで技術革新の変化が直接的に当社グループのサービス品質や業績に影響が出にくいビジネスモデルを構築しております。しかしながら予想以上の破壊的なイノベーションの進展などにより、当社グループの競争力に影響を及ぼすような代替技術や高度技術の大幅な汎用化等が発生した場合、当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。 4.情報及び情報システムの管理(発生可能性:低、影響度:大)当社グループは、事業推進において、クライアント企業から経営戦略上重要な経営機密・営業機密・人事機密などの情報を受領し、分析することによって助言等の業務を行っております。情報の取扱いについては、各種規程の整備や認証の取得に加え、社員を含む関連する当事者(業務委託先を含む)からの誓約書の提出、コンプライアンス教育などを実施し、適切な運用を行っております。また、クライアント企業から受領した情報・データに関しては施錠できる環境下での保管、社員個々人のID及びパスワードでのみアクセス可能なクラウド環境での運用を行っております。当社グループは複数のクラウドサービスと契約しており、いずれかのサービスに障害が起きても、他のクラウドサービスにて業務が継続できる対応体制を整えております。更には、各クラウドサービスのリージョンにおいても冗長構成となっていることに加え、仮にリージョン内での障害が発生しても、当社グループは他リージョンへの切り替えによる復旧体制を構築しており、数時間のサービス提供遅延は出るものの、復旧に向けて迅速に対応できる体制を整えております。また、顧客企業が契約するクラウドサービス上に各種プログラム・アルゴリズムを構築する案件も多いため、クラウドサービスの障害は当社グループのソリューション提供に間接的には影響を受けるものの、直接的な被害が生じることはありません。しかしながら、ヒューマンエラー、その他予期せぬ要因による情報漏洩の発生、悪意を持った外部からのクラウド環境の破壊等による情報の破損や滅失が発生した場合、当社グループが損害賠償責任を負う可能性や、クライアント企業からの信用失墜により当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが契約するクラウドサービス全てが同時にシステムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社グループの想定していない事象の発生により停止した場合や、コンピューター・ウイルスやハッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が同時に生じた場合、又は契約が解除される等により全てのクラウドサービスの利用が継続できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。 5.コンプライアンス体制(発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、事業の推進並びに拡大に対して、コンプライアンス体制が有効かつ適切に機能することが重要であると認識しております。そのためコンプライアンスに関しては、総務人事部が主管となり毎月の全社会議における周知徹底を行うとともに、社内規程・規則を策定しております。また、当社グループは、経営体質の強化及び経営の透明性・健全性を一層向上させることを目的に、グループ・リスクマネジメント委員会を任意の委員会として設置しています。同委員会は経営基盤強化本部長を委員長とし、執行役員、Division Leader等の部署長、子会社役員により構成され、オブザーバーとして常勤監査役、内部監査室長が参加しています。リスクマネジメントに関する統括的監督機能を持ち、当社グループ全体の各種リスクに対する対応方針及び組織ごとのリスク対策について指示・監督等を行い、その状況を取締役会に報告しております。しかし、故意あるいは想定できない重大なコンプライアンス違反や法令違反があった場合、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの企業価値及び業績や事業に影響を与える可能性があります。 6.特定の売上先への依存(発生可能性:高、影響度:大)当社グループが提供するサービスはクライアント企業に深く関与し、クライアント企業の変革を共に推進するという性質上、特定のクライアント企業に関連する売上金額が高まる傾向にあります。単一のクライアント企業でありつつも、複数の部門部署別での契約の締結や分野の違う案件の獲得などを行っておりますが、クライアント企業自体の業績悪化、カウンターキーパーソンの異動・転出、当社グループに対するクライアント企業内評価の変動等が発生した場合、当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。具体的には、当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、西日本旅客鉄道㈱1,268,569千円(45.9%)であります。 7.新規事業について(発生可能性:中、影響度:大)当社グループのプロダクト領域は、そのサービス特性から業界を横断してサービスを提供することが可能なビジネスモデルです。今後も、多種多様な業界向けに新サービス・事業の展開を推進してまいります。また同時に、プロダクト以外のサービスにおいても、将来の事業拡大に向けた投資を推進しております。これら拡大・推進に伴い、人的並びにシステム・ソフトウェアに対する投資の増加といった支出が追加的に発生する可能性があります。加えて、今後はM&Aの活用による非連続な成長を目指します。これらの将来に向けた積極的な投資・M&A活動により、利益率の低下を引き起こす可能性があります。また新規事業及び買収企業・事業の開始・拡大・展開が計画通りに進展しない場合、当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。 8.知的財産権(発生可能性:中、影響度:大)当社グループが、第三者の知的財産権を侵害する可能性につきましては、特許事務所と密な連絡体制をとることにより、調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら密な調査・把握をもってしても、当社グループが意図せず第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性を完全に排除することは困難です。この場合、損害賠償請求や知財ロイヤリティ料金の支払等により当社グループの事業、企業価値及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの知的財産権に対する第三者による侵害に対しては、同種サービス・事業の継続的な調査・把握を行っております。しかしながら密な調査・把握をもってしても、当社グループの知的財産権に対する第三者による侵害を完全に予防することは困難です。この場合、知的財産権の保護が損なわれることにより当社グループの事業、企業価値及び業績に影響を与える可能性があります。 9.法的規制・制度の動向による影響(発生可能性:低、影響度:大)当社グループが、データアナリティクスに用いているデータは個人が特定できない統計データであることに加え、データ収集・保管を行っているクライアント企業やデータ提供企業自身が顧客やデータ入手先よりデータ分析許諾を得たデータのみです。またデータの授受・分析環境への送信などにおいてはインターネットを用いることから、現在の関連する法律としては、個人情報保護法となりますが、現時点では当社グループが行う事業そのものを規制する法律・法令はありません。また、当社グループが扱うデータは前述の通り、個人を特定できないデータがほとんどでありますが、重要データとの認識に鑑み、個人情報保護に関するJIS Q15001(プライバシーマーク)の認証を取得しております。しかしながら、今後の法律・法令の変化や規制・制度の適用基準の変化、業界の自主的ルールの策定などが行われた場合、当社グループの事業、企業価値及び業績に影響を与える可能性があります。 10.特定の業務委託先への依存(発生可能性:中、影響度:大)当社グループの事業推進並びに展開に際しては、高度な技術力と不確定な要件からアジャイル的にプロジェクトを進めていく経験・知見が重要になります。そのため、当社グループは特定領域の専門家に業務を委託しております。複数の委託先への業務分散を推進しておりますが、特に高度な技能等が必要になる案件の増加により、必要な業務委託先を確保することができない場合、当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。 11.自然災害(発生可能性:低、影響度:大)当社グループによる予測が不可能かつ突発的な、大規模な地震等の自然災害、事故、戦争などにより、当社グループの各事業所並びに従業員の自宅をはじめとした社会インフラが壊滅的な損害を被る可能性があります。このような自然災害に備え、強固なビルへの入居、従業員安否確認の連絡フロー整備、データのクラウド上での保存、食料等の備蓄等の準備並びに注意喚起を行っておりますが、想定を著しく超える範囲での損害の場合は、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの経営成績及び業績に影響を与える可能性があります。また当社グループが被災しない場合でも顧客企業や外部パートナー企業の被災により、間接的に損害を被る可能性もあります。