9273

コーア商事ホールディングス(9273)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 原薬の輸入販売
    医薬品の原料となる「原薬」を海外から仕入れて、国内の製薬会社に販売しています。特にジェネリック医薬品の原薬に強みがあり、世界中のサプライヤーから高品質で安価な原薬を安定的に供給することで収益を得ています。製薬会社が自社で原薬を製造する代わりに、同社から購入するビジネスモデルです。
  • 製剤の製造販売
    医療用医薬品(病院で処方される薬)や一般用医薬品(ドラッグストアで買える薬)を自社で製造し、販売しています。また、他の製薬会社からの依頼を受けて医薬品の製造を受託する「受託製造」も行っており、多様なニーズに応えることで収益を上げています。
  • 医薬品の一貫体制
    原薬の仕入れから医薬品の製造・販売までを一貫して手掛ける体制を構築しています。これにより、顧客である製薬会社の多様な要望に柔軟に対応し、原薬と製剤の両面から医薬品業界に貢献することで、安定した収益基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 原薬販売事業
    医薬品の原材料である「原薬」の輸入販売を主な事業としています。特にジェネリック医薬品の原薬に特化しており、海外のサプライヤーから仕入れた原薬を国内の製薬会社に供給しています。最新年度の売上高は約146億円、営業利益は約32億円と、同社の稼ぎ頭となっています。
  • 医薬品製造販売事業
    医療用医薬品や一般用医薬品の製造販売、および他社からの受託製造を行っています。特に高度な技術を要する注射剤の製造に強みがあり、国内大手メーカーからの受託も積極的に手掛けています。最新年度の売上高は約87億円、営業利益は約21億円で、同社の重要な収益源です。
  • 事業構造と地域構成
    同社グループは、原薬の仕入れ・販売を行う「原薬販売事業」と、医薬品の製造・販売・受託製造を行う「医薬品製造販売事業」の2つの主要部門で構成されています。これらの事業は主に日本国内を対象としていますが、原薬の仕入れは世界10カ国以上から行っており、グローバルなサプライチェーンを構築しています。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DrugSubstanceSalesBusiness 地域 146 32 22.0%
PharmaceuticalMarketingBusiness 地域 87 21 24.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,464 文字
3【事業の内容】(1)当社グループの事業の内容について 当社グループは、当社と子会社3社(連結子会社3社:コーア商事株式会社、コーアイセイ株式会社、コーアバイオテックベイ株式会社)で構成されており、原薬の仕入販売、製剤(医療用医薬品・一般用医薬品)の製造販売及び仕入販売、製剤に係る受託製造を主な事業としております。 なお、次の2事業部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 <当社の主な事業部門>原薬販売事業 …原薬とは医薬品(注1)を製造するための原材料(医薬品原料)であり、コーア商事株式会社は主にその輸入販売を行っております。医薬品製造販売事業 …コーアイセイ株式会社及びコーアバイオテックベイ株式会社は、医療用医薬品(注2)や一般用医薬品(注3)の製造販売、仕入販売及び受託製造を行っております。 (注1) 医薬品(薬)とは、化学物質が生体に作用する性質を、人間や動物の病気を治すための道具として利用したものであり、原薬とは、このような性質を持っている化学物質自体のことであります。原薬は少量で高い薬理効果を示す場合が多いものの、この少量の原薬だけを正確に服用することはまず不可能なため、これらに乳糖やでん粉などの添加剤を加えて溶け易く、又は吸収しやすく、あるいは使いやすい量・嵩にすることによって、その化学物質が最も有効に働きやすい形に加工されます。この加工されたものは製剤(錠剤や顆粒剤等)と呼ばれ、これらに必要な包装や表示がなされると、医薬品(薬)となります。(注2) 医療用医薬品とは、病院等で医師の診察を受けた後、薬局で受け取る医薬品であります。医師が患者さん一人ひとりの病気やけがの程度、医薬品に対する感受性等を診断して処方せんを発行し、それをもとに薬局の薬剤師が調剤します。医療用医薬品は、大別して新薬(先発品)とジェネリック医薬品(後発品)に分けられます。新薬は、化合物の特定・薬理活性(薬理効果)の特定動物による毒性の確認などの基礎データから、人による有効性・安全性のデータ、さらには有用性のデータを揃えて申請し、承認・許可・発売に至るまでに多額の費用と十数年の歳月を要します。一方、ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れた後に他の製薬会社が承認・許可を得て製品化でき、同じ有効成分、同等の効き目、安全性をもち、研究開発費が少額ですむため、薬価が新薬より低く設定されております。(注3) 一般用医薬品とは、かぜ薬や胃腸薬等、薬局やドラッグストアで市販されている医薬品です。薬局のカウンター越しに購入できることから「OTC医薬品」とも呼ばれている一般用医薬品は、消費者の判断で購入・使用できるため、有効性とともに、より一層高い安全性に配慮されております。 (2)当社グループの事業の特徴① 医薬品業界における当社グループの位置づけ当社グループは顧客にとって付加価値の高い、高品質で安価な輸入原薬を提供することを主眼において、医薬品原料である原薬の輸入販売を行っております。更に顧客の要望に応えるため、製剤の製造・販売も行い、原薬から製剤までの一貫した製造が可能な体制のもと、国内外の医薬品メーカーと幅広く取引を行っております。また、自社開発品の製造・販売を積極的に行っており、ジェネリック医薬品を中心に医薬品業界における多様なニーズに対応できる事業展開を行っております。 ② 事業の体制原薬販売事業当社グループは設立以来、「ジェネリックのベストパートナー」となるために顧客が安心して使用できる付加価値の高い、高品質で安価な輸入原薬を安定して供給してまいりました。ジェネリック医薬品については、特許が切れていること、ジェネリックメーカー(ジェネリック医薬品の製造販売業者)として、幅広いジェネリック医薬品を効率的に取り揃える必要性等から、原薬を自社で製造せず、他社から購入することが一般的であります。 このような医薬品業界の原薬に対する方針により、当社グループはジェネリックメーカーを中心に原薬を供給しております。 当社グループの強みとして主にジェネリック医薬品の原薬の輸入、販売を行っている商社でありながら、自社で分析機能を有しており、既に取引をさせて頂いている商品を安定的に提供することはもとより、顧客の研究開発段階からの提案・支援活動を実施しております。具体的には新規開発品目に関して、市場性の調査、規格の立案及びコンセプトの作成、並びに選定業務を行っております。また、採用が決定した新規開発品目については、社内各部署で協力して承認を取得する必要がありますので、開発スケジュールや品目情報を一元的に管理し、情報の共有化を図っております。 さらには原薬の新たな合成法や精製法を検討し、原薬メーカーに対して品質改善の提案や新規製法の技術提供を行い、高品質で安価な原薬を安定的に提供するための技術的なサポート業務を行っております。 医薬品製造販売事業 国内大手メーカー等からの受託製造を積極的に行っており、またジェネリック医薬品市場の拡大に対応するため、ジェネリック医薬品の開発・製造も行っております。 当社グループでは、日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)の要求する基準を充足し、医薬品の製造において最も重要視される品質管理能力を高めることで顧客からの信頼を獲得するとともに、高度な技術と投資が必要な高薬理活性注射剤の生産設備を保有することで、当社グループ独自の分野の受託製造を行うことが可能になっております。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (3)事業系統図当社グループの事業の系統図は下記のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
医療用医薬品は政府の薬価基準により保険価格が定められ、薬価改定の影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品の製造販売には薬機法に基づく多数の許認可が必要であり、取得・維持が障壁となる。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:ジェネリック医薬品原薬の仕入価格変動・調達難 / ジェネリック医薬品市場及び顧客動向 / 法令違反等に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

卸売業という性質上、顧客との継続的な取引関係は存在するが、具体的なスイッチング・コストの高さを示す情報は現時点では確認できない。限定的な関係性のみ示唆される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果を構築するビジネスモデルではないため、スコアは0とする。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

卸売業として一定の規模を持つ可能性はあるが、構造的なコスト優位性を示す具体的な情報(例:圧倒的な仕入価格、効率的な物流網など)は現時点では確認できない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

卸売業として一定の事業規模を持つ可能性はあるが、業界全体に対して最適化された少数寡占を形成しているかどうかの判断材料は現時点では不足している。

  • ジェネリック原薬の専門性
    ジェネリック医薬品の原薬輸入販売において長年の実績と専門知識を持っています。世界10カ国以上90社以上の海外サプライヤーとの強固なネットワークと、国内100社以上の製薬会社との取引関係が強みです。これにより、高品質で安価な原薬を安定的に供給できる競争優位性があります。
  • 高度な製造技術と設備
    医薬品製造販売事業では、特に高度な技術と設備が必要な「高薬理活性注射剤」の生産設備を保有しています。これにより、他社が参入しにくいニッチな分野での受託製造が可能となり、高い品質管理能力と合わせて顧客からの信頼を獲得し、競争力を高めています。
  • 分析機能と技術サポート
    単なる商社機能に留まらず、自社で原薬の分析機能を有し、顧客の研究開発段階から提案や支援を行っています。新規開発品目の市場調査、規格立案、コンセプト作成に加え、原薬メーカーへの品質改善提案や新規製法の技術提供も行い、技術的な側面から顧客をサポートすることで、他社との差別化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 医薬品専門商社への進化
    現在の原薬輸入商社から、将来的には医薬品全般を取り扱う専門商社を目指しています。具体的には、原薬だけでなく海外で生産された医薬品の輸入販売や、海外の知的財産を国内製薬会社に橋渡しするライセンスイン活動を推進し、事業領域を拡大していく方針です。
  • 注射剤トップメーカーへの成長
    医薬品製造販売事業では、注射剤に特化した国内トップメーカーを目指しています。蔵王工場のシリンジライン増強やバイアルラインの稼働率向上、新規品目の追加、設備投資を通じて生産能力を強化し、安定供給体制を確立することで、市場での地位を確立する計画です。
  • 持続的成長と財務目標
    2030年までに連結売上高400億円、連結営業利益80億円という具体的な財務目標を掲げています。この目標達成のため、ジェネリック医薬品だけでなく長期収載品やオーソライズド・ジェネリックにも事業範囲を広げ、サプライチェーン強化、DX推進、ESG対応など多角的な取り組みを進めることで、持続的な成長を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、安全・安心・安価なジェネリック医薬品を安定的に供給し、超高齢社会を迎えてひっ迫する社会保障費削減に貢献することで、必要な医薬品が届かない人をなくし、誰一人取り残さない社会の実現に寄与することを目指しております。 (ビジョン)加速する“超高齢社会”で必要とされる医薬品企業であり続けるために(企業理念)ジェネリックのベストパートナー(コーポレートスローガン)New Business Model Innovation(経営方針)医薬品専門商社と特長ある注射剤トップメーカーを目指し、全く新しいタイプの医薬品企業グループを作り上げていく (2)経営戦略、経営環境及び対処すべき課題 後述の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しております。原薬販売事業では、ジェネリック医薬品を取り巻く環境の変化にどのように対応していくかが課題と考えております。厚生労働省により、ジェネリック医薬品産業のあるべき姿として「製造管理・品質管理体制の確保」「安定供給能力の確保」「持続可能な産業構造」「企業間の連携・協力の推進」の4つの点が示されており、今後は品目数の適正化や業界再編、製造能力の集約などを通じて、効率的かつ持続可能な産業構造への転換が求められております。また、医薬品製造販売事業では、建設を進めております蔵王第二工場を予定通り稼働させることが最大の課題と考えております。このような事業環境下において、当社の「加速する“超高齢社会”で必要とされる医薬品企業であり続けるために」というビジョンのもと、2020年に策定した2030年に向けての10カ年長期事業計画の実現に向けて、次のとおり取り組んでまいります。 <2030年に向けての10カ年長期事業計画>① 成長戦略 イ.原薬輸入商社から、医薬品専門商社へ当社の原薬販売事業を担うコーア商事株式会社においては、ジェネリック医薬品原薬の専門商社として世界10か国90社以上の海外サプライヤー、国内製薬会社100社以上と取引を行ってきました。このネットワークとグループシナジーを駆使し、医薬品原薬のみならず海外で生産された医薬品の輸入販売の事業化や海外の知的財産を国内製薬会社が導入するための橋渡しをするライセンスイン活動を推進し、医薬品専門商社になることを目指してまいります。また既存事業である原薬販売においては、ジェネリック医薬品のみならず、長期収載品(注1)やオーソライズド・ジェネリック(注2)にも範囲を広げるなど、持続的な成長に向けた取組みを行ってまいります。 (注1)既に特許が切れ、同じ効能・効果を持つジェネリック医薬品が発売されている新薬(先発医薬品)(注2)先発医薬品メーカーから許諾を得て製造される原薬、添加物及び製法等が新薬と同一のジェネリック医薬品 ロ.注射剤を主としたジェネリック医薬品メーカーから、特長のある注射剤国内トップメーカーへ当社の医薬品製造販売事業を主に担うコーアイセイ株式会社において、蔵王工場のシリンジ(注3)ラインの増強、バイアル(注4)ラインの稼働率を引き上げるため、新規品目の追加を行うとともに、医薬品倉庫や注射剤製造設備への投資を進め、生産能力強化や安定供給体制を推進し、特長のある注射剤国内トップメーカーを目指してまいります。 (注3)注射剤3剤形のうちの一つ。あらかじめ薬液が充填された状態の注射器(注4)注射剤3剤形のうちの一つ。薬剤を入れた後ゴム栓をしたもの。注射器でゴム栓から薬液を取れる ② 財務目標項目2030年6月期目標2026年6月期実績連結売上高400億円246億円連結営業利益80億円54億円 <中期事業戦略>(原薬販売事業)原薬販売事業の中期事業戦略は、以下のとおり掲げております。・2030年6月期目標達成に向けた蓋然性のある成長・サプライチェーンの強化と多様化・DX推進とAI技術の業務活用・「医薬品専門商社」「モダリティ革命」の推進・進化するニーズに応えるバックオフィス・グループシナジーの強化・ESGへの対応 (医薬品製造販売事業)医薬品製造販売事業の中期事業戦略は、以下のとおり掲げております。 ・蔵王第二工場2027年3月の早期稼働を目指したアクション実施 ・本社工場の再構築:2026年12月業許可更新、「回収とのバランスに注視した設備投資を 推進」 ・蔵王工場受託事業の本格展開:シリンジ製剤、バイアル液剤、凍結乾燥製剤の新規受託獲得 ・法令遵守の基、改正薬機法に対応した品質管理体制の強化並びに安心・安全な医薬品の安定 供給実施 ・新規開発品推進 ・企業指標を踏まえた安定供給体制の実践と自販品の適正価格販売実施 ・ウエルビーイング経営計画に基づく事業活動・広報活動により資質を有する新卒者並びに 人材の積極採用 ・人的投資と教育による医薬品製造販売業者としての責任体質強化
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、安全・安心・安価なジェネリック医薬品を安定的に供給し、超高齢社会を迎えてひっ迫する社会保障費削減に貢献することで、必要な医薬品が届かない人をなくし、誰一人取り残さない社会の実現に寄与することを目指しております。 (ビジョン)加速する“超高齢社会”で必要とされる医薬品企業であり続けるために(企業理念)ジェネリックのベストパートナー(コーポレートスローガン)New Business Model Innovation(経営方針)医薬品専門商社と特長ある注射剤トップメーカーを目指し、全く新しいタイプの医薬品企業グループを作り上げていく (2)経営戦略、経営環境及び対処すべき課題 後述の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しております。原薬販売事業では、ジェネリック医薬品を取り巻く環境の変化にどのように対応していくかが課題と考えております。厚生労働省により、ジェネリック医薬品産業のあるべき姿として「製造管理・品質管理体制の確保」「安定供給能力の確保」「持続可能な産業構造」「企業間の連携・協力の推進」の4つの点が示されており、今後は品目数の適正化や業界再編、製造能力の集約などを通じて、効率的かつ持続可能な産業構造への転換が求められております。また、医薬品製造販売事業では、建設を進めております蔵王第二工場を予定通り稼働させることが最大の課題と考えております。このような事業環境下において、当社の「加速する“超高齢社会”で必要とされる医薬品企業であり続けるために」というビジョンのもと、2020年に策定した2030年に向けての10カ年長期事業計画の実現に向けて、次のとおり取り組んでまいります。 <2030年に向けての10カ年長期事業計画>① 成長戦略 イ.原薬輸入商社から、医薬品専門商社へ当社の原薬販売事業を担うコーア商事株式会社においては、ジェネリック医薬品原薬の専門商社として世界10か国90社以上の海外サプライヤー、国内製薬会社100社以上と取引を行ってきました。このネットワークとグループシナジーを駆使し、医薬品原薬のみならず海外で生産された医薬品の輸入販売の事業化や海外の知的財産を国内製薬会社が導入するための橋渡しをするライセンスイン活動を推進し、医薬品専門商社になることを目指してまいります。また既存事業である原薬販売においては、ジェネリック医薬品のみならず、長期収載品(注1)やオーソライズド・ジェネリック(注2)にも範囲を広げるなど、持続的な成長に向けた取組みを行ってまいります。 (注1)既に特許が切れ、同じ効能・効果を持つジェネリック医薬品が発売されている新薬(先発医薬品)(注2)先発医薬品メーカーから許諾を得て製造される原薬、添加物及び製法等が新薬と同一のジェネリック医薬品 ロ.注射剤を主としたジェネリック医薬品メーカーから、特長のある注射剤国内トップメーカーへ当社の医薬品製造販売事業を主に担うコーアイセイ株式会社において、蔵王工場のシリンジ(注3)ラインの増強、バイアル(注4)ラインの稼働率を引き上げるため、新規品目の追加を行うとともに、医薬品倉庫や注射剤製造設備への投資を進め、生産能力強化や安定供給体制を推進し、特長のある注射剤国内トップメーカーを目指してまいります。 (注3)注射剤3剤形のうちの一つ。あらかじめ薬液が充填された状態の注射器(注4)注射剤3剤形のうちの一つ。薬剤を入れた後ゴム栓をしたもの。注射器でゴム栓から薬液を取れる ② 財務目標項目2030年6月期目標2026年6月期実績連結売上高400億円246億円連結営業利益80億円54億円 <中期事業戦略>(原薬販売事業)原薬販売事業の中期事業戦略は、以下のとおり掲げております。・2030年6月期目標達成に向けた蓋然性のある成長・サプライチェーンの強化と多様化・DX推進とAI技術の業務活用・「医薬品専門商社」「モダリティ革命」の推進・進化するニーズに応えるバックオフィス・グループシナジーの強化・ESGへの対応 (医薬品製造販売事業)医薬品製造販売事業の中期事業戦略は、以下のとおり掲げております。 ・蔵王第二工場2027年3月の早期稼働を目指したアクション実施 ・本社工場の再構築:2026年12月業許可更新、「回収とのバランスに注視した設備投資を 推進」 ・蔵王工場受託事業の本格展開:シリンジ製剤、バイアル液剤、凍結乾燥製剤の新規受託獲得 ・法令遵守の基、改正薬機法に対応した品質管理体制の強化並びに安心・安全な医薬品の安定 供給実施 ・新規開発品推進 ・企業指標を踏まえた安定供給体制の実践と自販品の適正価格販売実施 ・ウエルビーイング経営計画に基づく事業活動・広報活動により資質を有する新卒者並びに 人材の積極採用 ・人的投資と教育による医薬品製造販売業者としての責任体質強化
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に、政府による各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続いております。一方で、米国の通商政策の動向や中東情勢の影響、継続する原材料費の上昇、海外経済の不確実性や為替の変動の影響等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。 このような環境の中、為替変動は原薬等の仕入価格に影響し、円高が進んだ場合には仕入価格が下落し、円安が進んだ場合には高騰するリスクがあります。対策として、必要に応じ為替予約等を行うことや海外サプライヤーへの価格交渉、為替連動型の価格設定への切替等によりリスク回避に努めております。 医薬品業界におきましてはジェネリック医薬品の使用促進策が引き続き進められており、長期収載品の選定療養は、2026年6月より自己負担額が後発医薬品との価格差の2分の1に引き上げられました。また、長期収載品の薬価を段階的に後発医薬品と同程度まで引き下げるG1ルールの適用が原則10年から5年へと短縮されたことや、組成、剤型及び製法が先発品と同一とされるオーソライズド・ジェネリックについて、同年10月以降に新規収載される品目の薬価を先発品と同額とするなど、ジェネリック医薬品の使用促進策について相次ぐ制度改定が行われております。 一方で、毎年の薬価改定による価格引き下げ圧力も続いており、業界全体で一層の経営効率化が求められております。当社グループでは医薬品製造販売事業の特徴である注射剤において、ジェネリック医薬品への置換えが比較的進んでいない高薬理活性注射剤製造に注力するとともに、品質確保と安定供給に努めてまいりました。 このような事業環境の中で当社グループでは、2030年をターゲットとした長期事業計画を策定し2030年のなりたい姿として、原薬販売事業は「原薬輸入商社から、医薬品専門商社へ」、医薬品製造販売事業は「注射剤を主としたジェネリック医薬品メーカーから、特長のある注射剤国内トップメーカーへ」を掲げ、取り組んでまいりました。この2つのテーマに向けた戦略を推進していくことで、長期事業計画で掲げた財務目標の実現を目指してまいります。 当連結会計年度において、原薬販売事業では、2024年に改修工事を行った大阪医薬分析センターの活用を進め、さらなる取引量拡大への対応を進めております。医薬品製造販売事業では、安定供給責任を果たし、今後さらなる需要拡大に対応するため蔵王第二工場の新設を進めており、2026年6月に竣工いたしました。稼働については、医療機関からの需要が高い主力製品の安定供給に向けて、当初の2027年7月から3月へ前倒しを目指し、準備を進めてまいります。この稼働により、医薬品現場からのニーズの高いプレフィルドシリンジ製剤の増産と、検討を進めている新規受託案件を獲得することで、さらなる事業拡大の実現に向けて取り組んでまいります。 このような状況の下、当連結会計年度の業績は、売上高24,678百万円(前期比6.1%増)、営業利益5,476百万円(前期比2.3%増)、経常利益5,521百万円(前期比2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,748百万円(前期比3.0%増)となりました。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。原薬販売事業 原薬販売事業におきましては、「抗生物質製剤」用原薬が顧客の購入タイミングの影響等により減少した一方で、「アレルギー用薬」、「中枢神経系用薬」等の原薬販売が堅調に推移いたしました。これは、近年上市した品目の市場浸透が進んだことに加え、ジェネリック医薬品の数量シェア拡大に伴い取引量が増加したこと等によるものです。この結果、当連結会計年度の売上高は16,958百万円(前期比6.5%増)となりました。セグメント利益は3,312百万円(前期比3.0%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高1,241百万円を含んでおります。 医薬品製造販売事業 医薬品製造販売事業におきましては、主力製品の錠剤が競合の参入等により減少した一方で、プレフィルドシリンジ製剤や抗がん剤のバイアル製剤の販売が堅調に推移したこと等により、当連結会計年度の売上高は8,961百万円(前期比3.4%増)となり、セグメント利益は2,123百万円(前期比0.6%減)となりました。 ②財政状態の状況 当連結会計年度末における資産、負債及び純資産状況は次のとおりであります。 総資産は、39,532百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,417百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定の増加3,348百万円、現金及び預金の増加2,291百万円、投資有価証券の増加1,480百万円、有価証券の増加369百万円等があった一方で、電子記録債権の減少3,285百万円、商品及び製品の減少349百万円、売掛金の減少153百万円、仕掛品の減少69百万円等があったことによるものであります。 負債は8,352百万円となり、前連結会計年度末に比べ358百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金の増加1,220百万円、設備関係未払金の増加96百万円等があった一方で、電子記録債務の減少277百万円、支払手形及び買掛金の減少275百万円、長期借入金の減少269百万円、未払法人税等の減少142百万円等があったことによるものであります。 純資産は31,180百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,059百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加3,074百万円等によるものであります。 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.0ポイント増加し、78.9%となっております。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ350百万円減少し、14,388百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は7,592百万円(前期比3,814百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,525百万円、売上債権の減少額3,455百万円、減価償却費614百万円等があった一方で、法人税等の支払額1,880百万円、仕入債務の減少額552百万円等があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は8,154百万円(同6,871百万円の増加)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入3,013百万円等があった一方で、定期預金の預入による支出5,655百万円、固定資産の取得による支出3,676百万円、投資有価証券の取得による支出1,856百万円等があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は189百万円(前連結会計年度は938百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増額1,220百万円があった一方で、配当金の支払額673百万円、長期借入金の返済による支出349百万円等があったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績イ.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)医薬品製造販売事業(千円)7,443,043107.1合計(千円)7,443,043107.1 (注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。2.金額は販売価格によっております。 ロ.商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)原薬販売事業(千円)11,631,94696.4医薬品製造販売事業(千円)3,525,829103.2合計(千円)15,157,77597.9 (注)金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。 ハ.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)医薬品製造販売事業(千円)7,456,387103.92,113,41783.8合計7,456,387103.92,113,41783.8 (注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。2.当社グループは医薬品製造販売事業の一部について受注生産を行っているため、その分の金額を記載しております。 ニ.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)原薬販売事業(千円)15,717,087107.6医薬品製造販売事業(千円)8,961,772103.4合計(千円)24,678,859106.1 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)扶桑薬品工業株式会社5,019,47421.65,641,82522.9東和薬品株式会社1,762,2267.63,003,25312.2 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 ②経営成績の分析 経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。 ③キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。 ⑤資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は、商品の仕入れ、製品製造のための原材料購入費用や製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。また、設備投資にかかる資金需要の主なものは、分析能力や生産能力の増強等によるものであります。 当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。当社グループの設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定し、これらの資金需要は内部資金又は資金調達の実施により賄うことを基本としております。 ⑥経営戦略の現状と見通し 経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

事業リスク

  • 原薬調達の変動リスク
    医薬品の原料となる原薬の多くを海外から調達しているため、市況変動や為替相場の急激な変動、海外サプライヤーの経営状況、現地政情などによって調達価格が高騰したり、供給が遅延・困難になったりするリスクがあります。これにより、同社の経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 市場・顧客依存リスク
    医薬品原薬や製剤の販売量は、市場の需要変動や競合製品の影響を受けやすく、特定の顧客との取引に依存する割合が高いです。特に腎臓疾患用治療製剤への依存度が高いため、技術革新や代替品の出現により需要が大きく減少した場合、経営成績に影響が出る可能性があります。
  • 法令・許認可違反リスク
    医薬品事業は「薬機法」をはじめとする厳格な法令や許認可に規制されています。万が一、法令違反が発生した場合には、行政処分(許可の取り消しや業務停止など)や損害賠償義務が生じる可能性があり、これにより同社の事業継続や経営成績、財務状態に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,427 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。 なお、文中に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) ジェネリック医薬品原薬の仕入について 医薬品原薬は、それを使用する医薬品メーカー等が製造する特定の製剤の仕様に応じて主に海外から継続的に調達しております。当社グループの原薬輸入及び製剤製造用原材料仕入に係る価格が市況変動及び為替相場等の事情によって急激に変動した場合、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外サプライヤーの経営状態及び販売方針、供給体制、許認可、現地政情等の影響により、原薬の調達が遅延、難航あるいは不可能となった場合には、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、海外サプライヤーにかかる情報収集を実施しているほか、継続的取引や品質改善取組み等を通じて関係強化を図っております。新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する対策としましては、当社グループ全体で世界10ヶ国以上90社以上の原薬製造業者より輸入仕入を行っており、医薬品製販業者が必要とする原薬を必要な時期に問題なく納入できるような体制をとっております。為替相場の急激な変動につきましては、市況、金融機関の発信情報を注視し適宜予約を行うことで対処しております。 (2) ジェネリック医薬品市場及び顧客動向について 医薬品原薬及び製剤の販売量は、当該製剤の市場での需要変動、競合製品の動向等による影響を受ける可能性があります。商材の特性上特定の相手先との取引に依存する割合が比較的高く、顧客の販売戦略の変更や生産・在庫調整等により当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。中でも、連結売上高において腎臓疾患用治療製剤の依存度が高く、同製剤における技術革新や製造技術の変化、代替製剤の出現等により、当社グループ製剤の需要が想定を大きく下回った場合には、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの取引先が企業再編、あるいは資本変更等により他社の傘下に入ること等が発生した場合には、その親会社等の意思決定に取引先動向が左右されることから取引額が減少する可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、Cphi等業界催事への参加や取引先との連携強化を通じて情報収集に努め、市場状況及び顧客動向を注視しております。 (3) 法令違反等に関するリスク 当社グループでは、企業運営において求められる法令等の遵守及びコンプライアンス徹底を図っております。しかしながら、法令違反等が発生した場合には、行政処分や刑事処分、あるいは損害賠償義務等が生じることが考えられ、企業経営に一定の影響を及ぼす恐れがあります。 対処としましては、「コーア商事ホールディングスグループ行動憲章」、「コーア商事ホールディングスグループ行動基準」及び内部通報窓口の連絡先等が記載されているコンプライアンスカードを当社グループ全役職員に配布することで周知するとともに、役職員それぞれに適時適切な研修を継続的に実施し、不祥事発生の防止に努めております。 (4) 許認可に関するリスク 当社グループは、医薬品原薬の販売及び医薬品の製造販売等の事業に関して薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、薬機法施行規則及びそれらに関するGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)、GQP(医薬品の品質管理の基準に関する基準)関連法令の規制を受けており、主に下記の承認・許認可等を受けております。当社グループは、当該許認可等を受け、また維持すべく諸条件及び関係法令の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可等の取り消し又は停止等の行政処分事例は発生しておりません。しかし、意図せぬ法令違反等によりこれらの許認可に対し、行政庁より許可の取り消しや業務の停止等、不利益処分が下された場合には、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす恐れがあります。対処としましては、法令遵守を徹底し、行政処分対象事案の発生を回避するとともに、発生時の早期把握及び早期対処に努めることとし、許認可の更新管理については、所管部門において期限のチェック体制を構築しております。※法令違反の要件及び主な許認可取消事由薬機法その他薬事に関する法令もしくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき。・許可の取り消し:法人及び業務を行う役員が薬機法第5条第3号の規定に該当したとき・業務の停止:薬機法第75条第1項の規定に該当したとき <コーア商事株式会社>許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期限医薬品製造業許可(包装・表示・保管)神奈川県神奈川県知事許可14AZ2000262030年3月31日(5年ごとの更新)大阪府大阪府知事許可27AZ2001092029年12月9日(5年ごとの更新)山形県山形県知事許可06AZ2000222029年3月10日(5年ごとの更新)医薬品販売業許可(卸売販売業)横浜市第118120005号2027年12月17日(6年ごとの更新)医薬品販売業許可(小規模)大阪府第B14168号2027年8月20日(6年ごとの更新) <コーアイセイ株式会社>許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期限第一種医薬品製造販売業許可:本社工場山形県山形県知事許可06A1X00012029年12月15日(5年ごとの更新)第二種医薬品製造販売業許可:本社工場山形県山形県知事許可06A2X00022029年12月15日(5年ごとの更新)医薬品製造業許可(医薬品一般・医薬品無菌):本社工場山形県山形県知事許可06AZ000092026年12月31日(5年ごとの更新)医薬品製造業許可(無菌医薬品):蔵王工場山形県山形県知事許可06AZ2000142031年5月12日(5年ごとの更新)医薬品製造業許可(包装・表示・保管):山形配送センター山形県山形県知事許可06AZ2000012030年3月31日(5年ごとの更新)一般卸医薬品販売業許可:本社工場山形県山形県知事許可村山第D10000052029年10月5日(6年ごとの更新)医薬品販売業許可:横浜配送センター横浜市第118120050号2030年6月17日(6年ごとの更新) <コーアバイオテックベイ株式会社>許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期限第一種医薬品製造販売業許可神奈川県神奈川県知事許可14A1X100012030年8月14日(5年ごとの更新)第二種医薬品製造販売業許可神奈川県神奈川県知事許可 14A2X000112027年5月12日(5年ごとの更新)医薬品販売業許可(卸売販売業)横浜市 第118120028号2031年5月31日(6年ごとの更新)医薬品製造業許可(医薬品一般)神奈川県神奈川県知事許可14AZ2001212028年8月21日(5年ごとの更新) (5) 品質に関するリスク 当社グループは、取り扱う医薬品原薬や製剤の品質に関して、取り扱い及び生産工程での管理徹底、継続的な研究開発によりその維持・向上に取り組んでおり、日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)の品質基準に適合する生産体制を備えております。しかしながら、外的要因等の影響により、こうした生産体制の維持が困難となり製品の品質低下が生じた場合、社会的信用力や営業上の競争力が低下することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質管理基準等に適合するよう細心の注意を払い品質保証に取り組んでおりますが、原薬供給もしくは開発製造、あるいは受託製造を行う医薬品に関して品質保証の取組みの範囲を超えてこれらの事態による販売中止、製品回収もしくは損害賠償等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 また、医薬品の発売後に予期していなかった副作用が発生したり、製造過程での製品への異物混入等が発見される、あるいは薬機法に基づく再審査や再評価において、品質、有効性もしくは安全性に関して不適当と評価される可能性があります。輸入供給する原薬についても、特に海外における原薬製造の部分においては、日本国内の種々の基準や規制に適合する製品が供給されるよう、継続した製造工程や製造環境等のコントロールが不可欠であり、納品後に一部ロットに異物混入が見つかるなどして回収を余儀なくされる場合があります。 対処としましては、不具合が発生した際は、速やかに報告される体制を整備し、定期的に不具合発生傾向の分析を行うことと、品質を優先して取引先を選定し、品質問題の発生可能性を低減するとともに、安定供給に向けた最適なネットワークを構築しております。 (6) 薬価改定及び政府による制度見直し等の影響について 医療用医薬品は、政府の制定する薬価基準により保険価格が定められております。2021年度以降は、薬価制度の抜本改革により、定期的に実施される薬価改定が2年ごとから1年ごとへと改められました。 薬価改定後には、医薬品製造販売事業における販売価格低下、利益幅減少等の影響や、原薬販売事業における需要変動や販売価格低下、利益幅減少等の影響が生じ、政府による医療保険制度抜本改革と併せ当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、マーケティング機能を整備し、常に利幅の見込まれる新商品開発を継続し、複数取引先と複数品目の継続的な取引を維持することを方針とし、特定の取引先・商材が当社グループに与える影響を低減しております。 (7) 競合に関するリスク 当社グループでは、取り扱う医薬品原薬について自社で分析を行う設備を有しており、日本国内の品質基準への対応の面で取引先からも相応の評価を得ております。また、医薬品製造販売事業においても少量多品種生産に対応可能な高薬理活性注射剤工場を保有することから、受託製造において競合他社に比べ優位にあるものと考えております。しかしながら、競合他社の分析設備導入や同種工場新設によっては当社グループの優位性が損なわれ経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、競合他社の動向を注視し、原薬の分析力、提案力を不断に向上させ、従来の信頼を維持しつつ、マーケティング機能を整備し開発・営業方針に反映させております。 (8) 知的財産権に係る紛争に関するリスク 当社グループが原薬供給する、あるいは製造販売するジェネリック医薬品に関しては、物質、製法、用途、製剤等に関する特許権等、他者の権利の存否が製品開発に大きな影響をもたらすため、当社グループは特許権を中心とした知的財産権に関し、徹底した調査を実施しております。しかしながら、当社グループと知財権者との見解の相違から、無効審判請求の申立を含む法的紛争に発展する可能性(当社が原告)や特許抵触の疑義があることを理由に法的紛争に発展する可能性(当社が被告)が想定され、そのような場合には判決の内容により当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、法務部門・知財部門の連携強化により全社的知財管理戦略を充実させ、知財紛争発生防止及び係争早期対応を図りつつ、知財紛争発生時に緊密に連携できる外部専門家を充実させ更なる関係強化を図っております。 (9) 設備・固定資産に関するリスク 当社グループが保有する製造設備のうち、コーアイセイ株式会社本社工場には、導入から長期間が経過した物も含まれます。設備ごとの耐用年数に応じ、新設設備への製造移管及び既存設備の適時適切な修繕・メンテナンス・更新等を計画実施しておりますが、老朽化による予期せぬ機器不具合や不慮の故障により製造スケジュールに影響が生ずる可能性があります。 また、当社グループは、固定資産を多数所有しており、経済情勢の変化等に伴ってそれらの資産価値が著しく変動し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。このうち生産能力を大幅に拡大したコーアイセイ株式会社蔵王工場におきましては、製造を予定している新規開発品目の販売開始時期の遅延、又は販売予定数量の減少等が発生し、当初の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、各事業所建屋等については、長期修繕計画に基づき現況を確認しながら毎年実行項目を検討し、製造設備については、予算策定の際に現況・優先順位を検討し修繕・メンテナンスを実施しております。また、蔵王工場の事業計画につきましては、投資を決定する前の段階で、将来性や投資回収可能性に関する十分な検討を行い、現在は、当該品目にかかる承認取得の進捗確認を適時適切に行い、事業計画からの乖離が生じないよう対応しております。 (10) 研究開発及び医薬品の承認に関するリスク 当社グループは、特許切れ医薬品の製造や付加価値付与等に関する研究開発活動、医薬品原薬に関する製法や品質の分析活動を行っております。これらの活動は、原薬輸入供給や製造販売、業務受託の開始に先行して開始する場合が多々ありますが、必ずしも見込んだ収益獲得につながらない可能性があり、これらの活動を通じて過大な先行投資が行われた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、新規開発商品を市場に出す際には綿密な計画に基づいて承認手続き等に対応しておりますが、当社グループ又は取引先メーカー等において計画どおりの承認取得ができない場合には市場への供給に遅延が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、マーケティング機能を整備した上で、市場の需要に適した開発を推進し、情報共有・開発チェック体制を整備しております。 (11) 自然災害、事故等に係るリスク 当社グループの事業拠点は神奈川県、大阪府、山形県と各地域に点在しており、自然災害等で全拠点同時に被害を受ける可能性は低いと考えられます。また、原薬倉庫及び品質検査の拠点は神奈川・大阪の2拠点体制としておりますが、医薬品製剤の生産拠点は山形県に集中し、当社グループの事業所は全てにおいて直ちに代替が効くものではないことから、災害や事故等が発生した場合、製造設備等への損害、製造ラインの停止、取引先や製造施設近隣住民への補償等により、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、損害保険加入状況等を確認し適宜見直しを図りつつ、安定供給に向けた最適なネットワークを構築しております。 (12) 金利変動について 当社グループでは、金融機関からの借入によってコーアイセイ株式会社蔵王工場新設等に必要な資金を調達しておりますが、有利子負債の金額は売上高に比して高額なものではありません。しかしながら今後、市場において金利が上昇した場合には当社グループの借入金利も上昇することが予想され、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。なお、金融機関からの借入には、純資産や経常損益の金額等を基準とした財務制限条項が付されているものはありません。 対処としましては、金利の変動に合わせ、固定金利と変動金利を組み合わせて資金を調達しております。 (13) 売掛金回収に関するリスク 当社グループでは、取引先各社との売掛取引に際しては十分な与信管理の元で販売を行っておりますが、予期せぬ取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、与信管理を徹底して、複数取引先と継続的な取引を維持することを実施し、特定の取引先が当社グループに与える影響を低減しております。 (14) 安全性確保及び環境保全に関するリスク 医薬品の分析、研究、製造の過程等で使用し、又は発生する化学物質の中には、人体、生態系、その他環境に悪影響を与える可能性のある物質も含まれます。当社グループは、関連諸法令の遵守を徹底するとともに、有害物質の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し、土壌汚染、水質汚濁及び悪臭その他環境被害の発生防止に取り組んでおります。しかしながら、取り扱う物質の特性上従来の化学において予期し得ない現象や結果が発生する可能性も否定はできず、万一事業活動に関係する環境問題が発生した場合には、損害賠償義務の発生やブランドイメージの毀損等経営に影響を与える結果となる可能性があります。また、関連諸法令の改定に伴って多額の対策費用が発生する場合等においても、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、一定のリスクが存することを踏まえつつ、軽減すべく社内部署間・取引先等との連携を密にして各種廃棄物は法令に従い処理し、作業方法や作業手順などの確認徹底及び教育を充実しております。 (15) 人材確保について 当社グループは、今後の事業継続・拡大のため質の高い人材を継続的に確保していくことが重要な課題であると認識し人材確保に注力しておりますが、周辺情勢の変動により人材を十分に確保できなかった場合には当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、業務遂行状況の共有化を図るとともに、人材紹介会社と連携するなどして、適宜人員増強を実施しております。 (16) 特定の経営者への依存について 当社の代表取締役社長である首藤利幸は、当社グループの創業者であり、当社グループの経営方針や経営戦略の立案及び決定をはじめ、営業戦略や業務遂行等の経営全般において重要な役割を果たしております。ガバナンス体制の構築のみならずノウハウや経験の伝承の面からも人材の強化を図っており、経営層、従業員ともに適材適所で配置し盤石な体制を築いておりますが、何らかの理由により当社グループにおける業務遂行が困難になった場合、人脈や業界内でのネットワーク等の面で影響が懸念され、当社グループの事業、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、ガバナンス体制の構築及び人材の強化を図り、経営者並びに従業員を適材適所で配置しつつ、コーポレートガバナンス・コードに従い、後継者計画を検討・策定することとしております。 (17) 機密情報の管理に係るリスク 当社グループは、原薬取引及び製剤の製造販売や業務受託等において、取引先の生産計画や新製品の開発に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。当社グループでは、機密情報の授受に際し秘密保持契約締結を徹底しているほか、従業員教育やIT統制を通じて機密情報の管理の徹底を図っておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用の失墜等により、経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、情報セキュリティ管理体制の構築及び情報管理についての研修を継続的に実施し、チェック体制の構築、法令遵守意識の確立を図っております。 (18) 繰延税金資産について 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っていますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部又は全部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 対処としましては、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり基準とした利益計画の実現可能性について慎重に検討を行い、合理的かつ保守的に見積った課税所得についてのみ繰延税金資産を計上することとしております。

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